JP4127913B2 - レバー式コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レバー式コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図10には、従来のレバー式コネクタの一例として、実開平6−79080号公報に掲載されたものが示されている。このレバー式コネクタには、門型のレバー2がハウジング3を跨ぐようにして設けられ、レバー2に備えた一対の脚片4,4がハウジング3の両側面3A,3Aに形成した支軸3Bに回動可能に取り付けられている。そして、このレバー2を、相手コネクタ(図示せず)に形成されたカムピンに係合させて回動させることにより、両コネクタが結合される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のレバー式コネクタには、レバー2の脚片4,4の開脚変形を規制するための開脚規制部5が、ハウジング3の側面3Aの下側に備えられている。このため、レバー2は、その操作部6をハウジング3の上側に配した形態でしかハウジング3に取り付けることができず、相手コネクタの周りのスペースの関係上、レバー2の操作部6をハウジング3の下側に配置しなければならない場合に対応できなかった。一方、レバー2の操作部6をハウジング3の下側にも配置することができるようにするために、開脚規制部5を取り除くと、レバー2に強い力がかかった場合に、脚片4,4が開脚変形してスムーズな回動操作を行えない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、レバーをコネクタハウジングの上側と下側とに選択的に取り付けることができ、しかも、レバーの回動操作をスムーズに行うことが可能なレバー式コネクタの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、一対の脚片の間に操作部を差し渡してなる門型のレバーのうち各脚片をコネクタハウジングの両側面に回動可能に取り付け、その脚片に相手コネクタに設けたカムピンを係合させて前記レバーを回動させることにより、前記相手コネクタに結合されるレバー式コネクタにおいて、前記脚片の周面には同面に沿って凹溝が形成される一方、前記コネクタハウジングの両側面には、その基部は前記レバーの回動領域の外側位置に配され、その先端は前記凹溝内に入り込んで前記両脚片の開脚変形を規制する開脚規制部が設けられるとともに、前記コネクタハウジングを上下にほぼ対称形状として、その対称軸上に前記開脚規制部を配置することにより、前記レバーが、前記操作部を前記コネクタハウジングの上側に配した上側形態と下側に配した下側形態とに選択的に取り付けられるようになっているところに特徴を有する。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のレバー式コネクタにおいて、開脚規制部は、コネクタハウジングの側面から立ち上がって回動軸側に延び、その先端部分が、脚片の周面に沿って形成された凹溝内に収まっているところに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用及び効果】
請求項1の構成によれば、コネクタハウジングを上下にほぼ対称形状として、その対称軸上に開脚規制部を配置してあるから、レバーをハウジングに対して上側形態と下側形態とに選択的に取り付けることができる。そして、レバーに大きな力がかけられても、開脚規制部がレバーの脚片の開脚変形を規制するから、相手コネクタに設けたカムピンが脚片に正規状態にカム係合し、スムーズなレバーの回動操作が可能となる。
【0008】
請求項2の構成よれば、開脚規制部の先端部分が、脚片に形成した凹溝内に収まって保護される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。本実施形態のレバー式コネクタは、概ね直方体状に形成されたコネクタハウジング11(以下、「ハウジング11」という)を備え、そのハウジング11を左右方向に跨ぐようにレバー12が設けられている。
【0010】
ハウジング11には、端子金具(図示せず)を収容するための複数のキャビティ13が前後方向に貫通形成されている。キャビティ13には、端子金具の大きさに対応して2種類のものが備えられ、大きい端子金具が収容されるキャビティ13Aが図1の右側に配置され、残りは小さい端子金具用のキャビティ13Bとなっている。また、ハウジング11は、図4に示すようにキャビティ13以外は上下方向で対称形状となっており、その両側面11Aの上下の対称軸上には支軸14が側方に向けて突設されている。支軸14は、全体として円柱形状をなし、その先端周面から前後方向(図4の左右参照)に向けて一対の抜け止め突起14A,14Aが突出されている。
【0011】
一方、レバー12は、図5に示すように、一対の脚片15,15の間に操作部16が差し渡たされた門型状をなし、各脚片15に形成した孔17(図6参照)に、前記支軸14が通されてハウジング11に回動可能に取り付けられる(図7参照)。ここで、孔17には、図6に示すように支軸14の突起14A,14Aを通すための一対の拡径部17A,17Aが形成されており、図7に示すようにレバー12が操作部16をハウジング11の前端側に配した受容姿勢にされたときにのみ拡径部17Aが支軸14の突起14Aに対面して、支軸14が孔17に挿抜可能となる。そして、レバー12は、操作部16をハウジング11の上側に配した上側形態(図1参照)と、ハウジング11の下側に配した下側形態(図3参照)とに選択されて取り付けられる。
【0012】
レバー12の脚片15のうち内面側には、図6に示すようにカム溝18が形成されている。カム溝18の一端は、脚片15の周面に開放されており、レバー12が前記受容姿勢(図7参照)のときにその開放端が前方(図7の左方向)を向き、そこから図示しない相手コネクタに設けたカムピンがカム溝18内に受け入れられる。そして、その状態でレバー12がハウジング11の後方側に回動されると、カムピンとカム溝18とのカム係合によって両コネクタが互いに引きつけられて結合される。
【0013】
さて、ハウジング11の両側面のうち上下の対称軸上には、図4に示すように、前記支軸14と横並びにして開脚規制部20が設けられている。開脚規制部20は、図9に示すようにハウジング11の後端寄り位置から側方に突出した基部21と、その基部21から支軸14側に延設された円柱部22とからなる。より詳細には、基部21は、上下方向に裾を拡げた山形状をなし、その稜線の延長上に円柱部22が延設されている。そして、その円柱部22の先端が、レバー12の脚片15の周面に形成した凹溝23内に入り込んでいる。凹溝23は、レバー12の周面12Aに沿って延び、その一端にはハウジング11の側面11Aに向かって開放する受容口23Aが設けられている。そして、レバー12を前記受容姿勢(図7参照)としたときに、前記開脚規制部20の円柱部22が受容口23Aに対面するようになっている。
【0014】
なお、図1及び図3に示すように、レバー12の操作部16には、長手方向の中央にロック爪25が設けられており、これに対応して、ハウジング11の上下面の後端部には係止部26A,26Aが設けられている。
【0015】
次に、本実施形態の作用について説明する。
相手コネクタは、例えば自動車のボディの内壁に固定されおり、その相手コネクタの周りのスペースを考慮して、本コネクタのレバー12の取付形態が決められる。そして、例えば、レバー12の操作部16をハウジング11の上面側に配置した上側形態にレバー12を取り付ける。この場合、図7に示すようにレバー12の操作部16をハウジング11の上面の前端側に配し、図2に示すようにレバー12の両脚片15,15が開脚させ、脚片15の孔17と支軸14とが対面したところで両脚片15,15を閉じる。すると、支軸14に設けた突起14Aが、孔17に設けた拡径部17Aを通って支軸14が孔17内に入り込む。また、このとき、ハウジング11の両側面11Aに形成した開脚規制部20の円柱部22が、脚片15に形成した凹溝23の受容口23Aから凹溝23内に入り込む。これにて、レバー12のハウジング11に対する取り付けが完了する。そして、各キャビティ13に、電線の端末に取り付けた端子金具を挿入する。
【0016】
次いで、本コネクタを相手コネクタに押しつける。すると、相手コネクタに設けたカムピンが、レバー12に形成したカム溝18の開放端からカム溝18内に入り込む。この状態でレバー12をハウジング11の後側に回動すると、最初は、両コネクタの前端部分が小さな嵌合抵抗で嵌合される。従って、レバー12の回動初期段階では、操作部16が撓む程の力を入れずにレバー12を回動できる。
【0017】
コネクタ同士の嵌合が進むと、両コネクタの端子金具同士の摩擦によって嵌合抵抗が増す。それに抗してレバー12の操作部16にも大きな力がかけられ、操作部16がハウジング11側に撓み変形し、その変形に伴って両脚片15,15が開脚方向に力を受ける。このとき、支軸14に設けた突起14Aは、脚片15の孔17の縁部に対面しているから(図8参照)、脚片15の中心がハウジング11から浮き上がらないように規制される。ところで、嵌合が進んでレバー12にかけられる力がより一層大きくなると、突起14Aだけの規制では不十分となり、支軸14を中心として脚片15が傾き、脚片15の周縁部がハウジング11の側面11Aから浮き上がることが考えられる。ところが、本コネクタでは、脚片15の周面に形成した凹溝23内に、ハウジング11に形成した開脚規制部20が入り込んで、脚片15の周縁部がハウジング11の側面11Aから浮き上がらないように規制される。
【0018】
これにより、両脚片15,15の開脚が防がれ、レバー12がスムーズに回動操作される。そして、レバー12の操作部16がハウジング11の後部まで移行されてロック爪25が係止部26Aに係合したところで、コネクタ同士が完全嵌合状態となる。
【0019】
さて、相手コネクタが、例えば上記した自動車とは別の種類の自動車の内壁に取り付けられ、その取り付け状況によっては、レバー12の操作部16をハウジング11に対して下面側に配した方が適している場合がある。ここで、本コネクタは、レバー12をハウジング11に対して上側形態と下側形態との選択的に取り付け可能であるから、前述した上側形態にレバー12を取り付けた場合と同様にして、レバー12を下側形態に取り付けて対応することができる。
【0020】
このように、本実施形態のレバー式コネクタによれば、ハウジング11を上下にほぼ対称形状として、その対称軸上に開脚規制部20を配置してあるから、レバー12をハウジング11に対して上側形態と下側形態とに選択的に取り付けることができる。そして、レバー12に大きな力がかけられても、開脚規制部20がレバー12の脚片15,15の開脚を規制するから、相手コネクタに設けたカムピンが脚片15に正規状態にカム係合でき、スムーズなレバー12の回動操作が可能となる。しかも、開脚規制部20の先端部分は、脚片15に形成した凹溝23内に収まって保護されているから、コネクタの取り扱が容易である。
【0021】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態の支軸14には、脚片15の開脚を規制する突部14Aが備えられていたが、支軸14に突部14Aを備えない構成としてもよい。ただし、前記実施形態のように、支軸14の突部14Aと開脚規制部20との2点支持で脚片15の開脚を規制する構成とすれば、効果的に、脚片15の開脚を規制できる。
(2)前記実施形態の開脚規制部20は、脚片15に形成した凹溝23に係合していたが、開脚規制部は、例えば脚片の周縁部の外面に対面して、脚片の開脚を規制する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るレバー式コネクタの背面図
【図2】レバーの脚片を開脚した状態のレバー式コネクタの背面図
【図3】レバーを下側形態にしてハウジングに取り付けた状態の背面図
【図4】ハウジングの側面図
【図5】レバーの平面図
【図6】レバーの側断面図
【図7】レバーを受容姿勢としたときのレバー式コネクタの側面図
【図8】レバーが回動途中のレバー式コネクタの側面図
【図9】レバー式コネクタの側部を示す部分斜視図
【図10】従来のレバー式コネクタの分解斜視図
【符号の説明】
11…ハウジング
11A…側面
12…レバー
12A…周面
14…支軸(回動軸)
15…脚片
16…操作部
20…開脚規制部
23…凹溝
Claims (2)
- 一対の脚片の間に操作部を差し渡してなる門型のレバーのうち各脚片をコネクタハウジングの両側面に回動可能に取り付け、その脚片に相手コネクタに設けたカムピンを係合させて前記レバーを回動させることにより、前記相手コネクタに結合されるレバー式コネクタにおいて、
前記脚片の周面には同面に沿って凹溝が形成される一方、前記コネクタハウジングの両側面には、その基部は前記レバーの回動領域の外側位置に配され、その先端は前記凹溝内に入り込んで前記両脚片の開脚変形を規制する開脚規制部が設けられるとともに、
前記コネクタハウジングを上下にほぼ対称形状として、その対称軸上に前記開脚規制部を配置することにより、前記レバーが、前記操作部を前記コネクタハウジングの上側に配した上側形態と下側に配した下側形態とに選択的に取り付けられるようになっていることを特徴とするレバー式コネクタ。 - 前記開脚規制部は、前記コネクタハウジングの側面から立ち上がって前記回動軸側に延び、その先端部分が、前記脚片の周面に沿って形成された凹溝内に収まっていることを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
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