JP4127313B1 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4127313B1
JP4127313B1 JP2007023395A JP2007023395A JP4127313B1 JP 4127313 B1 JP4127313 B1 JP 4127313B1 JP 2007023395 A JP2007023395 A JP 2007023395A JP 2007023395 A JP2007023395 A JP 2007023395A JP 4127313 B1 JP4127313 B1 JP 4127313B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
polyester resin
image
acid
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007023395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008191260A (ja
Inventor
聡 吉田
慎平 高木
則之 水谷
雄介 池田
克己 大門
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2007023395A priority Critical patent/JP4127313B1/ja
Priority to US11/905,473 priority patent/US7867681B2/en
Priority to CN2007101626281A priority patent/CN101236365B/zh
Priority to EP07020326A priority patent/EP1953597B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4127313B1 publication Critical patent/JP4127313B1/ja
Publication of JP2008191260A publication Critical patent/JP2008191260A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/0804Preparation methods whereby the components are brought together in a liquid dispersing medium
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0819Developers with toner particles characterised by the dimensions of the particles
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08742Binders for toner particles comprising macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • G03G9/08755Polyesters
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08795Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775 characterised by their chemical properties, e.g. acidity, molecular weight, sensitivity to reactants
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08797Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775 characterised by their physical properties, e.g. viscosity, solubility, melting temperature, softening temperature, glass transition temperature

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】低温定着化及び画像光沢の安定化を両立することが可能な静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】少なくとも、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、前記結着樹脂が非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、該非晶性ポリエステル樹脂にスズ含有触媒が含まれ、前記結晶性ポリエステル樹脂にチタン含有触媒が含まれる静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真プロセスとしては、従来から数多くの方式が知られている。電子写真プロセスにおいては、光導電性物質を利用した感光体上に種々の手段により電気的に潜像を形成し、この潜像を、トナーを用いてトナー像として現像し、該トナー像を、中間転写体を介して、または構成によっては介さずに、紙等の被転写体にトナー像を転写した後、このトナー像を加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を経て定着画像が形成される。感光体上に残ったトナーは、種々の方法でクリーニングされ、前記複数の工程が繰り返される。
近年、電子写真分野の技術進化により、上記電子写真プロセスは複写機、プリンターのみならず、印刷用途にも使用されるようになり、装置の高速化、高信頼性はもとより、複写物が印刷物同等の高画質、色相を有することがますます厳しく要求されてきており、トナーとしては高光沢性、高発色性、高速化に対応した高ストレス耐性、高寿命化が重要特性である。特に近年は省エネが重要となっており、電子写真プロセスにおいて電力消費が多い定着工程での消費電力削減も大きな課題となっている。
トナーの定着性を向上させる手段として、結晶性樹脂を含有したトナーが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。上記結晶性樹脂は融点を有し、融点以上の温度では溶融するため、これを結着樹脂に含ませることは定着性の向上には有効な方法である。
また、結着樹脂としては、定着性向上と保管性との観点からポリエステル樹脂が用いられている。近年では、重合トナーなど製造性の観点からスチレンアクリル系共重合樹脂が用いられているが、高光沢画像を得るためには、ポリエステル樹脂の方が適した溶融特性を有している。
上記ポリエステル樹脂の合成には、有機スズ触媒が広く用いられてきた。有機スズ触媒は、反応活性が高いため、重合性単量体選択性が広く、合成反応が短時間ですむ長所があるが、帯電量の早期発現や帯電量の温湿度等の環境に対する特性がスチレンアクリル系樹脂よりも劣る場合があり、この問題に対して、例えば無機スズ触媒を用いたポリエステル樹脂や、チタン触媒を用いたポリエステル樹脂が開示されている(例えば、特許文献3、4参照)。
一方、定着条件としては前記環境、用いる被転写体等により様々な条件が考えられ、一般的な定着条件ではない条件でも前記高光沢性、高発色性などの高画質化が求められている。例えば、夏場に気温が30℃を超え、OHPシートを用いて連続で10枚以上の画像出力を行う場合、環境温度が高くて冷却されにくく、被転写体自体も熱容量が大きく、また連続複写により、被転写体が冷却される前に次の熱せられた被記録体が排出され前の被記録体に重ねられるため、トナー像が固化するまでに数分を要する場合がある。この間、結晶性樹脂の結晶化が比較的ゆっくり進行するため、結晶の光散乱により発色性が低下したり、結晶ドメインにより画像光沢が低下したりすることがある。この現象は、OHPシートを用いた場合に限らず、坪量256g/m以上の樹脂被覆紙キャストコート紙などの熱容量が大きい記録媒体を使用し、画像グロス(光沢度)を向上させるために、出力速度を低下して連続出力した場合でも発生する場合がある。
特開平1−35454号公報 特開2006−171692号公報 特開2003−186250号公報 特開2004−133320号公報
本発明の目的は、低温定着化及び画像光沢の安定化を両立することが可能な静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、少なくとも、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、
前記結着樹脂が非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、該非晶性ポリエステル樹脂にドデセニルコハク酸由来構成成分及びスズ含有触媒が含まれ、前記結晶性ポリエステル樹脂にチタン含有触媒が含まれ、
前記非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の酸価が、7mgKOH/gより大きく25mgKOH/g未満であり、かつ、前記非晶性ポリエステル樹脂の酸価が前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価より大きく、
前記非晶性ポリエステル樹脂粒子、結晶性ポリエステル樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集・会合し、更に非晶性ポリエステル樹脂からなる追加粒子で被覆して得られる静電荷像現像用トナーである。
請求項2に係る発明は、トナーのクロロホルム可溶分中の結晶性樹脂成分における、高周波誘導結合プラズマ発光分析によるチタンの含有量が10〜500ppmの範囲にあり、トナーのクロロホルム可溶分中の非晶性樹脂成分における、高周波誘導結合プラズマ発光分析によるスズの含有量が50〜1500ppmの範囲である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項に係る発明は、トナーを含み、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである静電荷像現像剤である。
請求項に係る発明は、トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであるトナーカートリッジである。
請求項に係る発明は、現像剤保持体を少なくとも備え、請求項に記載の静電荷像現像剤を収めるプロセスカートリッジである。
請求項に係る発明は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項に記載の静電荷像現像剤である画像形成装置である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、結晶性ポリエステル樹脂を含む場合でも、定着後に被記録体が冷却されにくい定着条件においても、画像光沢度や光透過性の低下がなく、2次色画像の発色性にも優れた画像形成を形成でき、さらにトナーの長寿命化を図ることができる
請求項2に係る発明によれば、結晶性ポリエステル樹脂を含む場合でも、定着後に被記録体が冷却されにくい定着条件においても、より光沢度の低下が少ない画像を形成できる。
請求項3に係る発明によれば、トナーが結晶性ポリエステル樹脂を含む場合でも、定着後に被記録体が冷却されにくい定着条件においても、画像光沢度や光透過性の低下がなく、2次色画像の発色性にも優れた画像形成が可能な画像を形成でき、しかも長寿命の静電荷像現像剤を提供することができる。
請求項4に係る発明によれば、定着後に被記録体が冷却されにくい定着条件においても、光沢度の低下が少ない画像形成が可能な静電荷像現像用トナーの供給を容易にし、上記特性の維持性を高めることができる。
請求項5に係る発明によれば、定着後に被記録体が冷却されにくい定着条件においても、光沢度の低下が少ない画像形成が可能な静電荷像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項6に係る発明によれば、定着後に被記録体が冷却されにくい定着条件においても、画像光沢度や光透過性の低下がなく、2次色画像の発色性にも優れた画像形成を維持することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称する場合がある)は、少なくとも、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、前記結着樹脂が非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、該非晶性ポリエステル樹脂にスズ含有触媒が含まれ、前記結晶性ポリエステル樹脂にチタン含有触媒が含まれることを特徴とする。
前述のように、結晶性樹脂を結着樹脂に用いることは低温定着性(本発明において、低温定着とはトナーを120℃程度以下で加熱して定着させることをいう)を向上させる上で有効である。しかし、結晶性樹脂は、温度に対してシャープに溶融するものの、融点及び凝固点間にヒステリシスがあるため、一旦溶融した後固化するまでに時間がかかることが知られている。そのため、固化に対して不利な条件が重なると問題が発生する場合がある。
すなわち、定着後トナー像が固化するまでに時間がかかると、結晶性樹脂の結晶化が比較的ゆっくり進行するため、結晶が成長し、その結果結晶の光散乱により発色性が低下したり、結晶ドメインにより画像光沢度が低下したりすることがある。具体的には、30℃以上の高温環境下で熱容量が大きい被記録体を用いて連続プリントを行う場合などに上記問題が発生しやすい。
この問題に対し、本発明者等は、ポリエステル樹脂の構造と相溶性とに関して検討した。具体的には、相溶性に関わる因子として、従来から知られている相溶性パラメータ(以下、「SP値」という場合がある)があるが、結晶性ポリエステル樹脂のSP値は、トナーに用いられる一般的な非晶性ポリエステル樹脂よりもSP値が10%程度も小さく、ポリエチレンなどの離型剤とSP値が近い点に着目し、離型剤の存在下での結晶性ポリエステル樹脂の溶融、固化挙動を詳細に検討した。
その結果、結晶性ポリエステル樹脂が存在すると、示差走査熱量測定(DSC)における離型剤の吸熱ピーク温度が低下すること、すなわち、結晶性ポリエステル樹脂と離型剤とが相溶していること、また、トナー製造工程中で結晶性ポリエステル樹脂と離型剤とから構成されるドメインが大きくなっていることが明らかとなった。
またこのことから、結着樹脂における結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との相溶性を高めないと、上記ドメインを小さくすることができないことも判明した。
結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との相溶性に関しては、もともと前記SP値の観点から両樹脂の相溶性を高めることは困難であるが、一方で、従来合成の容易さからポリエステル樹脂の重合に多用されてきた有機スズ含有触媒の場合、重合条件によっては部分的にゲルができやすく、これが結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との相溶性を妨げているとも考えられた。
そこで、ポリエステル樹脂の重合触媒としてチタン含有触媒を用いたところ、前記固化に対して不利な定着条件でも離型剤と結晶性ポリエステル樹脂とから構成されるドメインが大きくなりにくいという結果が得られた。
このメカニズムに関する詳細な理由は不明だが、以下のように推定している。チタン含有触媒は、ポリエステル樹脂合成の際のエステル交換反応用触媒としても用いられるように、反応触媒として作用する一方で、分解反応も誘発する。したがって、ポリエステル樹脂中にチタン含有触媒が残留した場合、後述するトナー作製時の融合工程で加わる熱によっても、この反応がゆるやかではあるが起こることにより、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との界面でエステル交換が行われ、界面における相溶性が向上する。結晶性ポリエステル樹脂が非晶性ポリエステル樹脂と相溶した分、離型剤との相溶性が低下し、ドメインが小さくなるものと考えられる。
また、チタンは光触媒に用いられるように、スズに比べ親水性になりやすいため、トナー製造工程における、凝集性や融合性が変化している可能性も考えられる。
しかし、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との双方にチタン含有触媒を用いた場合には、より相溶性が向上するためか、逆に、結晶性ポリエステル樹脂がトナー表面に露出しやすくなったり、また、バルク樹脂のガラス転移温度が低下したりするなどの弊害が発生しやすくなった。
そこで本発明者等は、さらに検討を進め、結晶性ポリエステル樹脂の重合にだけチタン含有触媒を用い、非晶性ポリエステル樹脂としてはスズ含有触媒により得られたものを組み合わせることにより、上記問題を生じることなく、前記固化に対して不利な定着条件においてもトナーにおける結晶性ポリエステル樹脂のドメインを小さくすることができることを見出した。
上記特性が得られるメカニズムについても詳細は不明であるが、非晶性ポリエステル樹脂にスズ含有触媒を用いることで、結晶性ポリエステル樹脂との適度な相溶性が維持されているものと推定される。一方、チタン含有触媒を用いて重合した非晶性ポリエステル樹脂と、スズ含有触媒を用いて重合した結晶性ポリエステル樹脂とを組み合わせた場合には、非晶性ポリエステル樹脂の分子量を所望の範囲にまで高めることができず、通常の定着条件における定着性を満足することができなかったり、帯電性が低下したりする場合があった。
以下、本発明の静電荷像現像用トナーの構成を詳細に説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含み、該結着樹脂が非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有している必要がある。
(非晶性ポリエステル樹脂)
本発明に用いられる非晶性ポリエステル樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、ガラス転移に対応した階段状の吸熱点の他に、結晶融点に対応した吸熱ピークを示さないポリエステル樹脂を意味する。
非晶性ポリエステル樹脂としては公知のポリエステル樹脂を使用することができる。非晶性ポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、前記非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。また非晶性ポリエステル樹脂は、1種の非晶性ポリエステル樹脂でも構わないが、2種以上のポリエステル樹脂の混合であっても構わない。
非晶性ポリエステル樹脂に用いる多価カルボン酸及び多価アルコールは特に限定は無く、例えば、「高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編、培風館)に記載されているモノマー成分であり、従来公知の2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールとがある。
これらの重合性単量体成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スべリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。これらの化合物のうち、ポリエステル樹脂のガラス転移温度と分子の屈曲性のバランスからテレフタル酸を、酸成分のうち30モル%以上含むことが好ましい。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、2価のアルコールとして、例えば、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物などのビスフェノール誘導体;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの環状脂肪族アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの線状ジオール;1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどの分岐型ジオール;などが挙げられ、帯電性や強度の観点からビスフェノールAのエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物が好適に用いられる。
また、3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられるが、低温定着性や画像光沢性の観点から、3価以上の架橋性単量体の使用量は全単量体量の10モル%以下であることが望ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
これらの中でも、結晶性ポリエステル樹脂との相溶性を向上させるために、1,2−ヘキサンジオールやアルキルコハク酸およびアルケニルコハク酸、及びそれらの無水物などの長鎖アルキル側鎖(側鎖の炭素数4以上)を持つモノマーを2から30モル%含むモノマー成分とすることが好ましい。中でも疎水性の高いアルキルコハク酸およびアルケニルコハク酸、及びそれらの無水物を含むことが好ましい。
前記アルキルコハク酸およびアルケニルコハク酸、及びそれらの無水物としては、例えば、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、並びに、それらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。
前記アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの無水物のアルキル基及びアルケニル基の炭素数は、前述の樹脂としての好適な特性を満たすため、後述する脂肪族結晶性ポリエステル樹脂に用いられる構成モノマーの炭素数より多いことが望ましい。また、前記の中でも、n−ドデセニルコハク酸及びその無水物が、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂との相溶性及び非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度の調整のしやすさから最も好適である。
非晶性ポリエステル樹脂は、前記のモノマー成分の中から任意の組合せで、例えば、重縮合(化学同人)、高分子実験学(重縮合と重付加:共立出版)やポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社編)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は組み合せて用いることができる。
具体的には、重合温度140〜270℃で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助溶剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合、通常0.9/1から1/0.9である。エステル交換反応の場合は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマーを過剰に用いる場合がある。
非晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒は、スズ、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシドなどのスズ含有触媒である。ただし、触媒としては該スズ含有触媒を主として用い、その他の触媒を混合して用いてもよい。
スズ含有触媒には、有機スズ含有触媒と無機スズ含有触媒がある。有機スズ含有触媒とは、Sn−C結合を有する化合物であり、無機スズ含有触媒とは、Sn−C結合を有しない化合物である。スズ含有触媒には、ジ型、トリ型、テトラ型などの型があるが、ジ型が好ましく用いられる。近年、有機スズ含有触媒の安全性が疑わしいことから、無機スズ含有触媒が好ましい。
無機スズ含有触媒としては、ジ酢酸スズ、ジヘキサン酸スズ、ジオクタン酸スズ、ジステアリン酸錫などの非分岐型アルキルカルボン酸スズ、ジネオペンチル酸スズ、ジ(2−エチルヘキシル)酸スズなどの分岐非分岐型アルキルカルボン酸スズ、シュウ酸スズなどのカルボン酸スズ、ジオクチロキシスズ、ジステアロキシスズなどのジアルコキシスズ、塩化スズ、臭化スズなどのハロゲン化スズ、酸化スズ、硫酸スズなどが挙げられ、特に、ジオクタン酸スズ、ジステアリン酸スズ、酸化スズが好ましい。
上記その他の触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物;等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
上記触媒は、重合の際に前記モノマー成分100質量部に対して0.02〜1.0質量部の範囲で加えることが望ましい。ただし、前記触媒を混合して用いる場合、スズ含有触媒の含有量は70質量%以上とすることが望ましく、すべてスズ含有触媒であることがより望ましい。
本発明に用いられる非晶性ポリエステル樹脂の分子量としては、重量平均分子量(Mw)が12000〜150000の範囲のものを好適に用いることができるが、特に画像光沢度の高い画像を得るためには、Mwが14000〜40000の範囲、数平均分子量Mnが4000〜20000の範囲がより好適であり、Mwが16000〜30000の範囲、Mnが5000〜12000の範囲であることがさらに好適である。また、分子量分布の指標であるMw/Mnは、2〜10の範囲であることが好ましい。Mw及びMnが高すぎると発色性が悪くなってしまう事が有り、Mw及びMnが低すぎると定着後の画像強度が得られにくくなる、ホットオフセットが悪化する場合がある。
より耐ホットオフセット性を改善するために、分子量の異なる2種類の非晶性ポリエステル樹脂を用いることも出来る。このとき、1種の非晶性ポリエステル樹脂のMwは35000〜70000の範囲、Mnは5000から20000の範囲が好ましい。もう1種の非晶性ポリエステル樹脂は、Mwが10000から25000の範囲、Mnが3000〜12000の範囲が好ましい。
2種以上の非晶性ポリエステル樹脂を用いる場合は、少なくとも1種に前記アルキルコハク酸およびアルケニルコハク酸、及びそれらの無水物を構成成分として含むことが好ましい。
前記分子量及び分子量分布は、それ自体公知の方法で測定することができるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下「GPC」と略記する)により測定するのが一般的である。
分子量分布は以下の条件で測定した。GPC装置として、東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK gei, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液として和光純薬社製クロマトグラフ用THF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、検量線はA−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
非晶性ポリエステル樹脂は、その酸価が5〜25mgKOH/gの範囲であることが望ましく、7〜20mgKOH/gの範囲であることがより望ましい。
なお、酸価の測定は、樹脂を2g秤量し、アセトン−トルエン160mlに溶解、または溶解性の不十分なものについては加熱溶解したのち、この試料を用いJIS K0070−1992の電位差滴定法により測定した。以下もこれに準ずる。
また、JIS K0070により測定した水酸基価は5〜40mgKOH/gの範囲であることが望ましい。
また、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、30〜90℃の範囲であることが望ましく、貯蔵安定性とトナーの定着性のバランスの点から、50〜70℃の範囲であることがより望ましい。ガラス転移温度が30℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像器中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい場合がある。一方、ガラス転移温度が90℃を超えると、トナーの定着温度が高くなる場合がある。
なお、上記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用いて、0から150℃まで10℃/分で昇温し、150℃で5分間ホールドし、150℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から150まで10℃/分で昇温して得られた、2度目の昇温時の吸熱曲線から解析したオンセット温度と定義できる。
さらに、前記非晶性ポリエステル樹脂は、軟化点が80〜130℃であることが望ましく、より好適には90〜120℃である。軟化点が80℃未満であると、定着後及び保管時のトナー及びトナーの画像安定性が悪化する場合がある。一方、軟化点が130℃を超えると、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
上記樹脂の軟化点は、フローテスター(島津社製:CFT−500C)を用いて、サンプル量:1.05g、予熱:65℃で300sec,プランジャー圧力:0.980665MPa,ダイサイズ:直径1mm,昇温速度:1.0℃/minの条件下で測定された、溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度を指す。
また、前記非晶性ポリエステル樹脂の損失弾性率G”(測定周波数1rad/s、歪み量20%以下で測定)が10000Paとなる温度をTmとしたとき、Tmが80〜150℃の範囲にあることが望ましい。
ここで前記樹脂の損失弾性率は以下のようにして測定される。測定装置は、レオメトリックス社製のレオメーター、商品名「RDA II」(RHIOSシステムver.4.3)を用い、測定用プレートは直径8mmのパラレルプレートを用い、ゼロ点調整温度90℃、プレート間ギャップ3.5mm、昇温速度毎分1℃、初期測定歪み0.01%、測定開始温度30℃で、温度上昇と共に検出トルクが10gcm程度になるように歪みを調節し、最大歪みを20%までとし、検出トルクが測定保証値の下限を下回った時点で測定終了とした。
結着樹脂中の非晶性ポリエステル樹脂の含有量は特に限定されないが、80〜98質量%範囲が望ましく、86〜98質量%の範囲がより好適である。含有量が80質量%より少ないとトナー強度が低下したり、帯電の環境安定性が悪化したりする場合があり、98質量%より多いと低温定着性が発揮されない場合がある。
また、結着樹脂には、非晶性樹脂として前記非晶性ポリエステル樹脂以外に他の樹脂を併用することができる。ただし、非晶性樹脂の主体は前記非晶性ポリエステル樹脂である。
他の樹脂として使用可能な樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸及びそのエステル化物などが挙げられる。具体的には、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類;などの単量体の重合体、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体又はこれらの混合物を挙げることができ、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等も使用できる。中でも、帯電性や定着性の観点で、スチレンアクリル共重合樹脂、特にスチレンブチルアクリレート共重合樹脂が好ましい。
(結晶性ポリエステル樹脂)
結晶性ポリエステル樹脂は、トナーの結着樹脂として画像光沢度の向上と安定化及び低温定着性向上のために使用される。本発明で使用される結晶性ポリエステル樹脂は、2価の酸(ジカルボン酸)成分と2価のアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、結晶性ポリエステル樹脂の主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
前記結晶性ポリエステル樹脂において、酸由来構成成分となる為の酸としては、種々のジカルボン酸が挙げられるが、前記酸由来構成成分としてのジカルボン酸は、1種に限定されず、2種以上のジカルボン酸由来構成成分を含んでもよい。また、前記ジカルボン酸は、乳化凝集法における乳化性を良好にする為、スルホン酸基を含ませることがある。
なお、前記「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、下記「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
前記ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が好適である。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。
中でも、炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95モル%以上用いることが好ましく、98モル%以上用いることがより好ましい。
前記酸由来構成成分としては、前記の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分を含むこともできる。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、トナー粒子を作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁が可能である。
上記スルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、生産性の点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸の含有量は2.0構成モル%以下であることが好ましく、1.0構成モル%以下であることがより好ましい。含有量が多いと帯電性が悪化する場合がある。尚、上記「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)をそれぞれ1単位(モル)したときの百分率を指す。
前記結晶性ポリエステル樹脂において、アルコール由来構成成分となる為のアルコールとしては、脂肪族ジアルコールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられる。中でも炭素数2から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール構成成分の95モル%以上用いることが好ましく、98モル%以上用いることがより好ましい。
その他の2価のジアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールや、ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエ
ステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど3価のアルコールも使用することができる。
その他のモノマーとしては、特に限定は無く、例えば、高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されているモノマー成分である、従来公知の2価又のカルボン酸と、2価のアルコールがある。これらのモノマー成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記非晶性ポリエステル樹脂に準じて合成することができるが、製造の際に使用可能な触媒としては、酢酸チタン、プロピオン酸チタン、ヘキサン酸チタン、オクタン酸チタンなどの脂肪族モノカルボン酸チタン、シュウ酸チタン、コハク酸チタン、マレイン酸チタン、アジピン酸チタン、セバシン酸チタンなどの脂肪族ジカルボン酸チタン、ヘキサントリカルボン酸チタン、イソオクタントリカルボン酸などの脂肪族トリカルボン酸チタン、オクタンテトラカルボン酸チタン、デカンテトラカルボン酸チタンなどの脂肪族ポリカルボン酸チタン、などの脂肪族カルボン酸チタン類、安息香酸チタンなどの芳香族モノカルボン酸チタン、フタル酸チタン、テレフタル酸チタン、イソフタル酸チタン、ナフタレンジカルボン酸チタン、ビフェニルジカルボン酸チタン、アントラセンジカルボン酸チタンなどの芳香族ジカルボン酸チタン;トリメリット酸チタン、ナフタレントリカルボン酸チタンなどの芳香族トリカルボン酸チタン;ベンゼンテトラカルボン酸チタン、ナフタレンテトラカルボン酸チタンなどの芳香族テトラカルボン酸チタン;などの芳香族カルボン酸チタン類、脂肪族カルボン酸チタン類や芳香族カルボン酸チタン類のチタニル化合物類及びそのアルカリ金属塩類、ジクロロチタン、トリクロロチタン、テトラクロロチタン、テトラブロモチタンなどのハロゲン化チタン類、テトラブトキシチタン(チタンテトラブドキサイド)、テトラオクトキシチタン、テトラステアリロキシチタンなどのテトラアルコキシチタン類、チタンアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトナート、チタントリエタノールアミネート、などのチタン含有触媒である。
ただし、触媒としては該チタン含有触媒を主として用い、その他の触媒を混合して用いてもよい。その他の触媒としては、前記非晶性ポリエステル樹脂に準じたものを用いることができる。
上記触媒は、重合の際に前記モノマー成分100質量部に対して0.02〜1.0質量部の範囲で加えることが望ましい。ただし、前記触媒を混合して用いる場合、チタン含有触媒の含有量は70質量%以上とすることが望ましく、すべてチタン含有触媒であることがより望ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、50〜120℃の範囲が望ましく、より好適には60〜110℃の範囲である。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある。また、120℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない場合がある。
なお、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定は、前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度測定に準じた方法で、融解に基づく吸熱ピークのピーク温度として求めることができる。
前記融点を求めるための示差熱分析は、ASTMD3418−8に準拠した示差走査熱量測定により行なわれるが、この測定は、以下のように行なった。
すなわち、まず自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(DSC−50)に測定対象のトナーをセットし、冷却媒体として液体窒素をセットし、10℃/分の昇温速度で20℃から150℃まで加熱して(1回目の昇温過程)温度(℃)と熱量(mW)との関係を求め、次に、−10℃/分の降温速度で0℃まで冷却し、再度これを10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱して(2回目の昇温過程)データを採取した。なお、0℃および150℃にてそれぞれ5分間ずつホールドした。2回目の昇温過程での吸熱ピーク温度を融点とみなした。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、最大のピークをもって融点とみなした。
また、結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、前記テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が5000〜100000の範囲であることが望ましく、より好適には10000〜50000の範囲であり、数平均分子量(Mn)は2000〜30000の範囲であることが望ましく、より好適には5000〜15000の範囲である。分子量分布Mw/Mnは1.5〜20の範囲であることが望ましく、更に好適には2〜5の範囲である。重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さいと、低温定着性には効果的である一方で、樹脂として低く柔らかく、トナーのブロッキング等の保存性にも悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記範囲より分子量が大きいと、トナー中からの染み出しが不十分になる為、ドキュメント保存性に悪影響を及ぼす場合がある。分子量を測定する際、結晶性樹脂はTHFへの溶解性が悪いため、70℃の湯浴中で加熱溶解することが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、その酸価が4〜20mgKOH/gの範囲であることが望ましく、8〜15mgKOH/gの範囲であることがより望ましい。また、水酸基価は3〜30mgKOH/gの範囲であることが望ましく、50〜10mgKOH/gの範囲であることがより望ましい。
また、本発明においては、非晶性ポリエステル樹脂の酸価、結晶性ポリエステル樹脂の酸価がともに7mgKOH/gより大きく20mgKOH/g未満であり、非晶性ポリエステル樹脂の酸価を結晶性ポリエステル樹脂の酸価より大きくする。これにより、後述する湿式でのトナー製造の際、水中で非晶性ポリエステル樹脂がトナー表面に出やすくなり結晶性ポリエステル樹脂の内包性が向上するため、トナーリサイクルなどに対する耐久性が向上する。
なお、トナーに含まれる成分から、上記非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の酸価を各々求めるには、以下の方法により行う。
まず、トナー中の結晶性樹脂と非晶性樹脂とを分離する。はじめに、トナーを、温度50℃、湿度55RH%の恒温槽中で24時間放置し、トナーの熱履歴をキャンセルする。その後、トナー10gをメチルエチルケトン(MEK)100gに常温(20〜25℃)で溶解させる。これは、トナー中に結晶性樹脂と非晶性樹脂とが含まれる場合、常温ではMEK中にほとんど非晶性樹脂のみが溶解するからである。したがって、MEK可溶分中には非晶性ポリエステル樹脂を含む非晶性樹脂が含まれることとなるため、前記溶解後、遠心分離(遠心機「H−18」、株式会社コクサン社、3500回転で20分間)により分離した上澄み液から非晶性ポリエステル樹脂が得られる。遠心分離後の固形分を再度、MEK100gに溶解して遠心分離し、上澄みを廃棄する。一方、遠心分離後の固形分を70℃の加熱下でMEK100gに溶解しこれを遠心分離により分離した上澄み液から結晶性ポリエステル樹脂が得られる。
こうして得られた両樹脂について前記方法により各酸価を測定する。
結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、2〜20質量%の範囲が望ましく、2〜14質量%の範囲がより望ましい。結晶性ポリエステル樹脂の添加量20質量%より多いと、結晶性ポリエステル樹脂のドメインサイズが大きくなりトナー表面に露出しやすくなるため、トナー粉体流動性の低下や帯電性の悪化を生じることがある。2質量%より少ないと、良好な低温定着性が得られない場合がある。
また、結着樹脂には、結晶性樹脂として前記結晶性ポリエステル樹脂以外に他の樹脂を併用することができる。ただし、非晶性樹脂の主体は前記非晶性ポリエステル樹脂である。
他の樹脂としては、結着樹脂成分中に3質量%未満の範囲で、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを1種単独もしくは2種以上を併用したビニル系樹脂、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類、を併用しても良い。
(着色剤)
本発明のトナーに用いられる着色剤として、イエロー顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G 、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリン
イエロー、パーメネントイエローNCG 等を挙げることができ、特に、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー97、、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が好適に用いられる。
マゼンタ顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンB レーキ、レーキレッドC 、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ、ナフトール系顔料としては、ピグメントレッド31、146、同147、同150、同176、同238、同269などが挙げられ、キナクリドン系顔料としては、ピグメントレッド122、同202、同209などが挙げられ、この中でも特に製造性、帯電性の観点からピグメントレッド185、同238、同269、同122が好適である。
シアン顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどを挙げることができ、特に、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が好適に用いられる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG 等を挙げることができる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等を挙げることができる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。また、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料なども用いられる。また、これらの着色剤は単独もしくは混合して使用される。
黒色トナーに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等を挙げることができ、特にカーボンブラックが好適に用いられる。カーボンブラックは比較的分散性が良いため、特に特別な分散を必要としないが、カラー着色剤に準じた製造方法で製造されることが望ましい。
前記着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。そして、着色剤はトナー総質量に対して4〜15質量%の範囲で添加することが好適である。また、黒色着色剤として磁性体などを用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜240質量%で添加することができる。具体的には、磁場中で磁化される物質を用いるが、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等の化合物が使用される。水相中でトナーを得るときには、磁性体の水相移行性に注意を払う必要があり、予め磁性体の表面を改質し、例えば疎水化処理等を施しておくことが望ましい。
(離型剤)
本発明のトナーには、定着性や画像保存性を向上させる目的で離型剤を含有させる。用いられる離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定されたDSCにおける主体極大吸熱ピークが60〜120℃にあり、かつ140℃において1〜50mPasの溶融粘度を有する物質であることが望ましい。融点が60℃未満では離型剤の変化温度が低すぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、複写機内温度が高まった時に現像性が悪化したりする場合がある。120℃を超える場合には、ワックスの変化温度が高すぎ、高温での定着を行えばいいが、省エネルギーの観点で望ましくない場合がある。また、140℃において50mPasより高い溶融粘度ではトナーからの溶出が弱く、定着剥離性が不十分となってしまう場合がある。
前記離型剤は示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で吸熱開始温度は40℃以上であることが望ましく、より好適には50℃以上である。40℃より低いと複写機内やトナーボトル内でトナーの凝集が発生してしまう場合がある。吸熱開始温度はワックスを構成する分子量分布のうち、低分子量のものやその構造のもつ極性基の種類、量で変動する。
一般に高分子量化すれば融点とともに吸熱開始温度も上昇するが、このやり方ではワックス本来の低溶融温度と、低粘度をそこなってしまう。よってワックスの分子量分布のうち、これら低分子量のものだけを選別してのぞくことが有効であるが、この方法として、分子蒸留、溶剤分別、ガスクロマトグラフ分別等の方法がある。
また、前記DSC曲線における極大吸熱ピークが50℃を下回ると、定着の際にオフセットを生じやすくなる場合がある。逆にピークが140℃を超えると定着温度が高くなり、定着画像表面の滑らかさが得られず光沢性が損なわれる場合がある。
DSCの測定については前述の通りである。
前記離型剤の溶融粘度は、E型粘度計によって測定される。測定に際しては、オイル循環型恒温槽の備えられたE型粘度計(東京計器製)を用いる。測定には、コーン角1.34度を有したコーンプレート/カップの組み合わせのプレートを用いる。カップ内に試料を投入し、循環装置の温度を140℃にセットし、空の測定カップとコーンを測定装置にセットし、オイルを循環させながら恒温に保つ。温度が安定したところで測定カップ内に資料を1g入れ、コーンを静止状態で10分間静置させる。安定後、コーンを回転させ測定を行う。コーンの回転速度は60rpmとする。測定は3回行い、その平均値を溶融粘度ηとする。
前記離型剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステルなどのエステル系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
(その他の添加剤)
本発明のトナーには、必要に応じて無機もしくは有機の粒子を添加することができる。前記粒子の補強効果によりトナーの貯蔵弾性率が大きくなり、耐オフセット性や定着器からの剥離性を向上できる場合がある。また、前記粒子は着色剤や離型剤などの内添物の分散性を向上させる場合がある。
前記無機粒子としては、シリカ、疎水化処理シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ処理コロイダルシリカ、カチオン表面処理コロイダルシリカ、アニオン表面処理コロイダルシリカなどを単独もしくは併用して用いることができ、なかでもOHP透明性とトナー中の分散性の観点からコロイダルシリカを用いることが望ましい。その粒径は、5から50nmであることが好適である。また、粒径の異なる粒子を併用することも可能である。前記粒子はトナー製造の際直接添加することもできるが、分散性を高めるためにあらかじめ超音波分散機などを用いて水など水溶性媒体へ分散されたものを用いることが好ましい。分散においては、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基などを用いて分散性を向上させることもできる。
その他、トナーには帯電制御剤などの公知の材料を添加してもよい。その際に添加される材料の平均粒径としては、1μm以下であることが望ましく、0.01〜1μmであるのがより好適である。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる電子写真用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招く場合がある。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばマイクロトラックなどを用いて測定することができる。
さらに、本発明の静電荷像現像用トナーについて、その製造方法とともにより詳細に述べる。
本発明のトナーを製造する方法としては、湿式造粒法による。前記湿式造粒法としては、公知の溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の方法が好適に挙げられる。以下、乳化凝集法を例に説明する。
乳化凝集法は、少なくとも樹脂粒子(以下、「乳化液」と称する場合がある)を分散させた分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程(凝集工程)と、前記凝集粒子分散液を加熱して、凝集粒子を融合する工程(融合工程)を含む製造方法である。また、凝集工程及び融合工程間に、凝集粒子分散液中に、粒子を分散させた粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に粒子を付着させて付着粒子を形成する工程(付着工程)を設けたものである。前記付着工程では、前記凝集工程で調製された凝集粒子分散液中に、前記粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記粒子を付着させて付着粒子を形成するが、添加される粒子は、凝集粒子に凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、「追加粒子」と称する場合がある。
前記追加粒子としては、前記樹脂粒子の他に離型剤粒子、着色剤粒子等を単独もしくは複数組み合わせたものであってもよい。前記粒子分散液を追加混合する方法としては、特に制限はなく、例えば徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、前記粒子(追加粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られるトナー粒子の粒度分布をシャープにすることができ、高画質化に寄与する。また前記付着工程を設けることにより、擬似的なシェル構造を形成することができる。その結果、着色剤や離型剤などの内添物のトナー表面露出を低減でき、結果として帯電性や寿命を向上させることができ、融合工程における融合の際、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基または酸等の安定剤の添加を不要にする、もしくは、それらの添加量を最少限度に抑制することができる。また、コストの削減や品質を改善できる点で有利である。
本発明のトナーにおいては、前記追加粒子を添加する操作によって、コアシェル構造を形成することが望ましい。前記追記粒子の主成分となる結着樹脂が、シェル層用樹脂である。この方法を用いれば、融合工程において、温度、攪拌数、pHなどの調整により、トナー形状制御を簡単に行うことができる。
前記乳化凝集法に非晶性ポリエステル樹脂や結晶性ポリエステル樹脂を用いる場合、例えば非晶性ポリエステル樹脂を乳化し乳化粒子(液滴)を形成する乳化工程が好適に用いられる。
前記乳化工程において、例えば前記非晶性ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、ポリエステル樹脂及び必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマー液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。その際、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱することで、ポリマー液の粘性を下げて乳化粒子を形成することができる。また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため分散剤を使用することもできる。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。
前記乳化粒子を形成する際に用いる乳化機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。前記ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)で0.005〜0.5μmが望ましく、0.01〜0.3μmがより望ましい。0.005μm以下では水中にほとんど溶解してしまうため、粒子作製が困難になり、また0.5μm以上では所望の粒径である3.0〜7.5μmの粒子を得ることが困難になる場合がある。なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、ドップラー散乱型粒度分布測定装置(日機装社製、マイクロトラックUPA9340)で測定した。
また、乳化時の樹脂の溶融粘度が高いと所望の粒径まで小さくならないため、大気圧以上に加圧可能な乳化装置を用いて温度を上げ、樹脂粘度を下げた状態で乳化することで、所望の粒径の樹脂粒子分散液を得ることができる。
前記乳化工程において、樹脂の粘度を下げて乳化性を向上させる目的で、あらかじめ樹脂に溶剤を添加しておく方法を用いても良い。使用される溶剤としては、ポリエステル樹脂を溶解させるものであれば特に限定はないが、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのベンゼン系溶剤などを用いることができるが、溶解性、脱溶剤性の観点から、酢酸エチルやメチルエチルケトンなどのエステル系及びケトン系溶剤を用いることが好ましい。
また、媒体である水との親和性向上、及び、粒度分布制御の目的で、エタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤を、水もしくは樹脂に直接添加しても良い。
また、粒度分布制御の目的で、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩や、アンモニアなどを添加してもよい。この中ではアンモニアが好ましく用いられる。
さらに、粒度分布制御の目的で、分散剤を添加してもよい。前記分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、の等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。これらの中では、アニオン性界面活性剤が好適に用いられる。前記分散剤の使用量としては、前記ポリエステル樹脂(結着樹脂)100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
なお、前記乳化工程において、前記ポリエステル樹脂に、スルホン酸基を有するジカルボン酸を共重合させておく(即ち、酸由来構成成分中に、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分が好適量含まれる)と、界面活性剤等の分散安定剤を減らすことができる、或いは使用しなくても乳化粒子を形成できるが、樹脂の吸湿性が高くなり、帯電性が悪化する場合がある。添加量は酸成分中10モル%以下であることが好ましいが、ポリエステル樹脂主鎖の親水性、末端の酸価、水酸基価の量などにより、乳化性が確保できるときには、できる限り添加しないほうがよい。
また、前記乳化粒子の形成に転相乳化法を用いても良い。転相乳化法は、少なくともポリエステル樹脂を有機溶媒に溶解させ、必要に応じて中和剤や分散安定剤を添加して、攪拌下にて、水系溶媒を滴下して、乳化粒子を得た後、樹脂分散液中の溶媒を除去して、乳化液を得る方法である。このとき、中和剤や分散安定剤の投入順は変更してもよい。
樹脂を溶解させる有機溶媒としては、例えば、蟻酸エステル類、酢酸エステル類、酪酸エステル類、ケトン類、エーテル類、ベンゼン類、ハロゲン化炭素類が挙げられる。具体的には、蟻酸、酢酸、酪酸等のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等エステル類、アセトン、MEK、MPK、MIPK、MBK、MIBK等のメチルケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の複素環置換体類、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン等のハロゲン化炭素類などを単独であるいは2種以上組合せて用いることが可能であるが、入手し易さや脱溶剤時の回収容易性、環境への配慮の点から、低沸点溶媒の酢酸酸エステル類やメチルケトン類、エーテル類が通常好ましく用いられ、特に、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。前記有機溶媒は、樹脂粒子中に残存するとVOC原因物質となるため揮発性の比較的高いものを用いることが望ましい。これら有機溶媒の使用量は、樹脂量に対して20から200質量%、より好適には30から100質量%が選択される。
前記水系溶媒としては、基本的にはイオン交換水が用いられるが、油滴を破壊しない程度に水溶性有機溶媒を含んでも構わない。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等の短炭素鎖アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エーテル類、ジオール類、THF、アセトン等が挙げられ、エタノール、2−プロパノールが好ましく用いられる。これらの水溶性有機溶媒の使用量は、樹脂量に対して1〜60質量%、より好適には5〜40質量%が選択される。また、水溶性有機溶媒は添加されるイオン交換水に混合するだけでなく、樹脂溶解液中に添加して使用しても構わない。水溶性有機溶媒を添加する場合には、樹脂と樹脂溶解溶媒との濡れ性を調整することができ、また、樹脂溶解後の液粘度を低下させる機能が期待できる。
また、前記乳化液が安定的に分散状態を保つよう、必要に応じて樹脂溶液及び水性成分に分散剤を添加してもよい。前記分散剤としては、水性成分中で親水性コロイドを形成するもので、特にヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルローズ等のセルローズ誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩等の合成高分子類、ゼラチン、アラビアゴム、寒天等の分散安定化剤が挙げられる。また、シリカ、酸化チタン、アルミナ、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム等の固体微粉末も用いることができる。これらの分散安定化剤は通常、水性成分中の濃度が0〜20質量%、望ましくは0〜10質量%となるよう添加される。前記分散剤としては、界面活性剤も用いられる。前記界面活性剤の例としては、後述する着色剤分散液に用いられるものに準じたものを使用することができる。例えば、サポニンなどの天然界面活性成分の他に、アルキルアミン塩酸・酢酸塩類、4級アンモニウム塩類、グリセリン類等のカチオン系界面活性剤、脂肪酸石けん類、硫酸エステル類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、スルホン酸塩類、リン酸、リン酸エステル、スルホコハク酸塩類等のアニオン系界面活性剤などが挙げられ、アニオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤が好ましく用いられる。前記乳化液のpHを調整するために、中和剤を添加してもよい。前記中和剤としては、硝酸、塩酸、水酸化ナトリウム、アンモニアなど一般の酸、アルカリを用いることができる。
前記乳化液から有機溶媒を除去する方法としては、乳化液を15〜70℃で有機溶剤を揮発させる方法、これに減圧を組み合わせる方法が好ましく用いられる。
前記着色剤や離型剤の分散方法としては、例えば、高圧式ホモジナイザー、回転せん断型ホモジナイザー、超音波分散機、高圧衝撃式分散機や、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。
必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製したりすることもできる。以下、かかる着色剤、離型剤の分散液のことを、「着色剤分散液」「離型剤分散液」という場合がある。
着色剤分散液や離型剤分散液に用いられる分散剤は、一般的には界面活性剤である。界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が好適にあげられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤がより好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、離型剤分散液など、他の分散液に用いられる分散剤と同極性であることが好ましい。
前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネート等のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類等があげられる。中でも、ドデシルベンゼンスルホネートやその分岐体などのアルキルベンゼンスルホネート系化合物が好ましい。
前記カチオン界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類等が挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類等が挙げられる。
用いられる分散剤の添加量は、着色剤や離型剤に対して、2質量%以上30質量%以下であることが望ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好適である。分散剤が少なすぎると粒径が小さくならない場合や、分散液の保存安定性が低下する場合がある。一方、多すぎる場合には、トナー中に残留する分散剤の量が多くなり、トナーの帯電性や粉体流動性が低下する場合がる。
用いられる水系分散媒は、蒸留水、イオン交換水など、金属イオンなどの不純物が少ないものであることが好ましい。また、消泡や表面張力調整の目的でアルコールなどを添加することもできる。また、粘度調整のために、ポリビニルアルコールやセルロース系ポリマーなどを添加することもできるが、トナー中に残留すると帯電性が悪化するため、出来うる限り使用しないほうが良い。
また、前記種々の添加剤の分散液を作製する手段としては、特に制限はないが、例えば、回転剪断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなど、その他、着色剤分散液や離型剤分散液の作製に用いたものに準じた装置など、それ自体公知の分散装置が挙げられ、最適なものを選択して用いることができる。
前記凝集工程においては、凝集粒子を形成させるために、凝集剤を用いることが好ましい。用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤や、一般の無機金属化合物(無機金属塩)又はその重合体が挙げられる。無機金属塩を構成する金属元素は周期律表(長周期律表)における2A、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B、3B族に属する2価以上の電荷を有するものであり、樹脂粒子の凝集系においてイオンの形で溶解するものであればよい。
前記無機金属塩を具体的に挙げると、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などである。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。一般的に、よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価以上で、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方がより適している。
凝集剤の添加量は、凝集剤の種類や価数によって変動するが、おおむね、0.05〜0.1質量%の範囲である。前記凝集剤は、トナー化の工程中に、水系媒体中に流出したり、粗粉を形成するなどにより、添加量すべてがトナー中に残留するわけではない。特にトナー化の工程で、樹脂中の溶剤量が多い場合には、溶剤と凝集剤が相互作用して、水系媒体中に流出しやすいため、残溶剤量に合わせて調節する必要がある。
なお、上記凝集剤の添加に起因するが、本発明のトナーは、アルミ、亜鉛、カルシウムから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を、元素組成比換算で0.003〜0.05%含んでいることが好ましい。これら金属原子が上記範囲で含まれると、ポリエステル樹脂の極性成分とイオン架橋を形成し、定着画像の強度を向上させ、ホットオフセットを改善する。一方、含有量が多すぎると、熔融粘度も上昇し、定着画像グロスの低下や、低温定着性を損なう場合がある。ここで、金属元素の含有量は、蛍光X線装置による、全元素分析から求められる。試料は、トナー6gを、加圧成型器で荷重10t、加圧時間1分間で、加圧成型し、島津製作所の蛍光X線(XRF−1500)を使用して、測定条件は管電圧40kV、管電流90mA、測定時間30分で測定した、元素組成比から求められる。
前記融合工程においては、凝集工程に準じた攪拌下で、凝集体の懸濁液のpHを5〜10の範囲にすることにより、凝集の進行を止め、樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度(あるいは結晶性樹脂の融点以上の温度)で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させ合一させる。また、加熱の時間としては、所望の合一が為される程度行えばよく、0.2〜10時間程度行えばよい。その後、樹脂のTg以下まで降温して、粒子を固化する際、降温速度によって粒子形状及び表面性が変化する。例えば、早い速度で降温した場合には球形化及び表面の凹凸が少なくなりやすく、逆にゆっくり降温した場合は、粒子形状が不定形化し、粒子表面に凹凸が生じやすい。そのため、少なくとも0.5℃/分以上の速度で、より好適には1.0℃/分以上の速度で樹脂のTg以下まで降温するのが好ましい。
また、樹脂のTg以上の温度で熱しながら、凝集工程に準じてpHや凝集剤の添加により粒子を成長させ、所望の粒径になったところで融合工程の場合に準じて、少なくとも0.5℃/分の速度で樹脂のTg以下まで降温して、固化と同時に粒子成長を停止させれば、凝集工程と融合工程とを同時に行うことができるため、工程の簡略化の面では好ましいが、前述のコアシェル構造を作ることが難しくなる場合がある。
融合工程を終了した後は、粒子を洗浄し乾燥してトナー粒子を得る。トナーの帯電性を考慮すると、イオン交換水で置換洗浄を施すことが好ましく、洗浄度合いはろ液の伝導度でモニターするのが一般的で、最終的に、伝導度が25μS/cm以下となるようにすることが好ましい。洗浄の際、酸やアルカリでイオンを中和する工程を含んでも良く、酸による処理はpHを4.0以下に、アルカリによる処理はpHを8.0以上にすることが好ましい。また、洗浄後の固液分離は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、フィルタープレスなどの加圧濾過等が好ましく用いられる。さらに、乾燥も、特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられ、最終的なトナーの水分率は1質量%以下、より好適には0.7質量%以下になるように乾燥する。
上記のようにして得られたトナー粒子には、流動性助剤、クリーニング助剤、研磨剤等として、無機粒子および有機粒子を外添混合することができる。無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子があげられる。これらの無機粒子は、その表面が疎水化されたものであることが好ましく、帯電性、粉体特性、保存性などのトナー諸特性や、現像性や転写性といったシステム適性を制御するために用いられる。有機粒子としては、例えば、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エチレン系重合体などのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が挙げられる。
これらの粒子は転写性を向上させる目的で添加され、その1次粒径は0.01〜0.5μmであることが好ましい。さらに、滑剤を添加することもできる。滑剤として、例えばエチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩ユニリンなどの高級アルコールなどがあげられる。これらは一般にクリーニング性を向上させる目的で添加され、その1次粒径は、0.5〜8.0μmのものが用いられる。
また、前記無機粒子のなかでも少なくとも2種以上を使用し、該無機粒子の少なくとも1種は30nm〜200nmの、さらに好適には30nm〜180nmの平均1次粒子径を有することが好ましい。トナーが小粒径化することによって、感光体との非静電的付着力が増大するため、転写不良やホローキャラクターと呼ばれる画像抜けが引き起こされ、重ね合わせ画像等の転写ムラを生じさせる原因となるため、平均1次粒子径が30nm〜200nmの大径の外添剤を添加し、転写性を改善させることが好ましい。平均1次粒子径が30nmより小さいと、初期的なトナーの流動性は良好であるが、トナーと感光体との非静電的付着力を低減できず転写効率が低下し画像のぬけや、画像の濃度ばらつきを悪化させてしまい、また経時による現像機内でのストレスによって粒子がトナー表面に埋め込まれ、帯電性が変化し、濃度の低下や背景部へのカブリ等の問題を引き起こす場合がある。また、平均1次粒子径が200nmより大きいと、トナー表面から脱離しやすく、また流動性の悪化にもつながる場合がある。
具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタンが好ましく、特に、疎水化されたシリカを必須成分として添加することが好ましい。特にシリカと酸化チタンを併用することが好ましい。また、粒径80から500nmの有機粒子を併用することも転写性向上には好ましい。外添剤を疎水化処理する疎水化剤としては公知の材料が挙げられ、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリング剤、シリコーンオイルやポリマーコーティング処理などが挙げられる。
前記外添剤は、サンプルミルやヘンシェルミキサーなどで機械的衝撃力を加えられてトナー表面に付着又は固着させられる。
(トナーの特性)
本発明におけるトナーの体積平均粒径は4〜9μmの範囲であることが望ましく、より望ましくは4.5〜8.5μmの範囲であり、さらに望ましくは5〜8μmの範囲である。体積平均粒径が4μmより小さいと、トナー流動性が低下し、各粒子の帯電性が低下しやすく、また帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。また4μmより小さいと、格段にクリーニング性が困難となる場合がある。体積平均粒径が9μmより大きいと、解像度が低下するため、十分な画質が得られなくなり、近年の高画質要求を満たすことが困難となる場合がある。
また、本発明のトナーは、下記の方法により測定される粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を体積D16%、累積50%となる粒径を体積D50%、累積84%となる粒径を体積D84%と定義したときに、(D84%/D16%)1/2より算出される体積平均粒度分布指標(GSDv)は、1.15〜1.30であることが好ましく、1.15〜1.25であることがより好ましい。
なお、上記体積平均粒子径等の測定は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行うことができる。この際、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ(濃度:10質量%)、超音波により30秒以上分散させた後に行った。また、粒度分布については、マルチサイザーIIを用いて測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(分割数:1.26〜50.8μmまでを16チャンネルに、logスケールで0.1間隔となるように分割する。具体的には、チャンネル1が1.26μm以上1.59μm未満、チャンネル2が1.59μm以上2.00μm未満、チャンネル3が2.00μm以上2.52μm未満・・・、とし、左側の下限数値のlog値が(log1.26=)0.1、(log1.59=)0.2、(log2.00=)0.3、・・・、1.6となるように分割した。)に対して、体積、数をそれぞれ小粒径側から累積分布を引いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v(体積平均粒径)、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義した。
また、本発明のトナーは、形状係数SF1が110〜145の範囲の球状形状であることが好ましい。形状がこの範囲の球状であることにより、転写効率、画像の緻密性が向上し、高画質な画像形成を行うことができる。
上記形状係数SF1は110〜135の範囲であることがより好ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(1)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナー粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
本発明においては、トナーのクロロホルム可溶分中の結晶性樹脂成分における、高周波誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)によるチタンの含有量が10〜500ppmの範囲にあり、トナーのクロロホルム可溶分中の非晶性樹脂成分における、高周波誘導結合プラズマ発光分析によるスズの含有量が50〜1500ppmの範囲であることが望ましい。
なお、トナーに含まれる成分から、上記非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂中のチタン量、スズ量を求めるには、以下の方法により行う。
まず、トナー中の結晶性樹脂と非晶性樹脂を分離する。はじめに、トナーを、温度50℃、湿度55RH%の恒温槽中で24時間放置し、トナーの熱履歴をキャンセルする。その後、トナー10gをメチルエチルケトン(MEK)100gに常温(20〜25℃)で溶解させる。これは、トナー中に結晶性樹脂と非晶性樹脂とが含まれる場合、常温ではMEK中にほとんど非晶性樹脂のみが溶解するからである。したがって、MEK可溶分中には非晶性ポリエステル樹脂を含む非晶性樹脂が含まれることとなるため、前記溶解後、遠心分離(遠心機「H−18」、株式会社コクサン社、2500回転で15分間)により分離した上澄み液から非晶性ポリエステル樹脂が得られる。非晶性樹脂を溶解しているMEKは真空乾燥機により除去することで非晶性樹脂を得る。遠心分離後の固形分を再度MEK100gに溶解して遠心分離し、上澄みを廃棄する。一方、遠心分離後の固形分を70℃の加熱下でMEK100gに溶解しこれを遠心分離により分離した上澄み液から結晶性ポリエステル樹脂が得られる。こうして得られた両樹脂について前記方法によりスズ量、チタン量を確認することができる。
前記チタンの含有量が10ppmに満たないと、結晶性樹脂と非晶性樹脂との相溶性が不十分となるためか前述の定着条件で画像光沢度が不足する場合がある。500ppmを超えると、残留したチタンの影響で結晶性樹脂がトナー表面に露出しやすくなるなど帯電の環境比が悪くなる場合がある。
前記チタンの含有量は、30〜200ppmの範囲であることがより好適である。
また、前記スズの含有量が50ppmに満たないと、トナー製造上凝集性が悪くなり微粉が増加する場合がある。1500ppmを超えると、残留したスズの影響で帯電の環境比が悪くなる場合がある。
前記スズの含有量は100〜1000ppmの範囲であることがより望ましい。なお、ICP分光分析による詳細な測定法については後述する。
また、本発明のトナーは、その帯電量が絶対値で15〜70μC/gの範囲にあるのが望ましく、20〜50μC/gの範囲がより好ましい。前記帯電量が、15μC/g未満であると、背景部汚れが発生し易くなり、70μC/gを越えると、画像濃度の低下が発生し易くなる場合がある。また、30℃、80RH%の高温高湿度下(HH)と10℃、20RH%の低温低湿度下(LL)での帯電量の比率(HH/LL)は0.5〜1.5の範囲が望ましく、0.7〜1.2の範囲がより好適である。前記比率が範囲内にあると環境に影響されることなく鮮明な画像を得ることができる。
また、本発明のトナーは、テトラヒドロフラン(以下「THF」と称する)不溶分が結着樹脂成分中10質量%以下であることが望ましい。THF不溶分が多いと、耐オフセット性は向上するが、画像の光沢性が損なわれると共に、OHP光透過性が損なわれる場合があるからである。
上記THF不溶分は、樹脂をTHFに5質量%の濃度で60℃湯浴中で加熱溶解させ、メンブランフィルター等で濾過し、フィルター残留分を乾燥し重量を測定することで測定することができる。
<静電荷像現像剤>
本発明の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいはキャリアとから構成される二成分現像剤として用いられるが、帯電の維持性や安定性に優れる二成分現像剤が望ましい。
キャリアとしては、樹脂で被膜されたキャリアであることが望ましく、窒素含有樹脂で被膜されたキャリアであることがさらに好適である。該窒素含有樹脂としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル等を含むアクリル系樹脂、ウレア、ウレタン、メラミン、グアナミン、アニリン等を含むアミノ樹脂、またアミド樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。またこれらの共重合樹脂でもかまわない。キャリアの被膜樹脂としては、前記窒素含有樹脂の中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂と窒素を含有しない樹脂とを組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂を粒子状にし、窒素を含有しない樹脂中に分散して使用してもよい。特にウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂は負帯電性が高く、また樹脂硬度が高いため、被膜樹脂の剥がれなどによる帯電量の低下を効果的に抑制することができる。
一般に、キャリアは適度な電気抵抗値を有することが必要であり、具体的には109〜1014Ωcm程度の電気抵抗値が求められている。例えば鉄粉キャリアのように電気抵抗値が106Ωcmと低い場合には、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃げ、潜像の乱れや画像の欠損等を生じたりする等の問題が生じる場合がある。一方、絶縁性(体積抵抗率が1014Ωcm以上)の樹脂を厚く被覆してしまうと電気抵抗値が高くなりすぎ、キャリア電荷がリークしにくくなり、その結果エッジの効いた画像にはなるが、反面大面積の画像面では中央部の画像濃度が非常に薄くなるというエッジ効果という問題が生じる場合がある。そのためキャリアの抵抗調整のために樹脂被覆層中に導電性粉末を分散させることが望ましい。
導電性粉末の具体例としては、金、銀、銅等の金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆ったもの;等が挙げられる。この中でも製造安定性、コスト、導電性の良さからカーボンブラックが好ましい。
上記樹脂被覆層を、キャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、被膜樹脂を粒子化し被膜樹脂の融点以上でキャリア芯材とニーダーコーター中で混合し冷却して被膜させるパウダーコート法が挙げられるが、ニーダーコーター法及びパウダーコート法が特に好ましく用いられる。上記方法により形成される樹脂被膜層の平均膜厚は、通常0.1〜10μm、より好適には0.2〜5μmの範囲である。
キャリアに用いられる芯材(キャリア芯材)としては、特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは、磁性キャリアであるのが望ましい。キャリア芯材の平均粒径としては、一般的には10〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましい。
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより望ましい。
<画像形成装置>
次に、本発明の静電荷像現像用トナーを用いた本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いるものである。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本発明の静電荷像現像剤を収容する本発明のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本発明の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1〜第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに所定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に所定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
上述した第1〜第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V〜−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤と結晶性樹脂及び非結晶性樹脂とを含む体積平均粒径が7μmのイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き所定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が所定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに所定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1〜第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本発明の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
図2で示すプロセスカートリッジでは、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。本発明のプロセスカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
次に、本発明のトナーカートリッジについて説明する。本発明のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収めるトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本発明のトナーであることを特徴とする。なお、本発明のトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本発明のトナーを収めたトナーカートリッジを利用することにより、特に容器が小型化されたトナーカートリッジにおいても保存性を保つことができ、高画質を維持しつつ低温定着化を図ることが可能となる。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換することができる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
本実施例においては、トナーは以下の如き方法にて得られる。即ち、まず下記の樹脂分散液、着色剤分散液、離型剤分散液をそれぞれ調製する。次いで、これらを所定量混合攪拌しながら、これに金属塩凝集剤を添加し、イオン的に中和させ上記各粒子の凝集粒子を形成せしめる。その後、無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性の範囲に調製後、当該樹脂粒子のガラス転移温度以上(または融点以上)に加熱し、合一融合せしめる。反応終了後、十分な洗浄・固液分離・乾燥の工程を経て所望のトナー粒子を得る。以下、上記に沿って説明する。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。なお、上記において詳述したものは、全部またはその一部を省略する。
(樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
本発明において、結晶性ポリエステル樹脂等の分子量、分子量分布は、GPCにより「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、前述の条件により測定した。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、ドップラー散乱型粒度分布測定装置(日機装社製、マイクロトラックUPA9340)で測定した。
(樹脂の融点、ガラス転移温度の測定方法)
結晶性樹脂の融点、非結晶性樹脂のガラス転移点(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、前述の条件により測定した。なお、融点は吸熱ピークのピーク温度とし、ガラス転移点は階段状の吸熱量変化における中間点の温度とした。
(トナー中のチタン含有量、スズ含有量)
前記方法にて、トナーから分離した結晶性樹脂、もしくは、非晶性樹脂乾固物を、0.01mgまで秤量できる天秤(「AT−200」、メトラートレド株式会社)で、250.0mg秤量し、25mlメスフラスコに入れ、クロロホルム20mlを加えて溶解する。溶けにくい場合は、50℃の湯浴で加熱溶解する。
溶解後、メスフラスコの標線までクロロホルムを加えて希釈してサンプルを調整し、高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES、セイコー電子工業(株)社製、SPS1200VR)を用いて、回折格子:主分光器3600本/mm、スリット:入射20μm、出射40μm、ホトマル:R306、トーチ:有機溶媒用トーチ、ネブライザー:グラスコンセントリック、アルゴンガス流量:プラズマガス18リッター/分、補助ガス1.8リッター/分、キャリアーガス0.11MPa、RFパワー:1.8kW、分析波長:334.9nm(Ti)、242.949nm(Sn)、測光高さ:20mm(Ti)、23mm(Sn)、積分時間:1秒、積分回数3回、の条件で、チタン標準溶液としては、Conostan社製Metallo−Organic Standard(5000μg/g)を用い、スズ標準液はジブチルスズジラウレートを用いて調整した。
<各分散液の調製>
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(1))
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(三洋化成工業(株)製、ニューポールBP−2P):100モル%
・テレフタル酸:70モル%
・ドデセニルコハク酸:22モル%
・トリメリット酸無水物:3モル%
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマーのうちトリメリット酸無水物以外のモノマーと、ジオクタン酸スズをモノマー成分100質量部に対して0.17質量部を投入し、窒素ガス気流下、235℃で6時間反応させた後、190℃に降温して、上記トリメリット酸無水物を投入し1時間反応させた。さらに220℃まで4時間で昇温し、10kPaの圧力下で所望の分子量になるまで重合させ、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。この非晶性ポリエステル樹脂(1)のDSCによるガラス転移点(Tg)は57℃、GPCによるMwは53000、Mnは7800、フローテスターによる軟化温度は120℃、酸価が14mgKOH/g、Fedors法により計算されるSP値は20.7(J/cm1/2であった。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量の酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水を滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、150nmであった。その後、イオン交換水で調整して固形分濃度を20質量%とした。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(2))
重合触媒として、ジオクタン酸スズの代わりにチタンテトラブトキサイドを0.35質量部用いた以外は、非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成に準じて、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂(2)を得た。この非晶性ポリエステル樹脂(2)のDSCによるガラス転移点(Tg)は56℃、GPCによるMwは50000、Mnは6800、酸価が15mgKOH/g、Fedors法により計算されるSP値は20.7(J/cm1/2であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂(2)を用いて、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製に準じて非晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を得た。
この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、140nmであった。その後、イオン交換水で調整して固形分濃度を20質量%とした。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(3))
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(三洋化成工業(株)製、ニューポールBP−2P):100モル%
・テレフタル酸:68モル%
・ドデセニルコハク酸無水物:20モル%
・トリメリット酸無水物:3モル%
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマーのうちトリメリット酸無水物以外のモノマーと、ジオクタン酸スズをモノマー成分100質量部に対して0.16質量部を投入し、窒素ガス気流下、235℃で6時間反応させた後、190℃に降温して、上記トリメリット酸無水物を投入し1時間反応させた。さらに220℃まで4時間で昇温し、10kPaの圧力下で所望の分子量になるまで重合させ、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。この非晶性ポリエステル樹脂(3)のDSCによるガラス転移点(Tg)は56℃、GPCによるMwは51000、Mnは7300、フローテスターによる軟化温度は118℃、酸価が9.1mgKOH/g、Fedors法により計算されるSP値は20.8(J/cm1/2であった。
非晶性ポリエステル樹脂(3)を用いて、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製に準じて非晶性ポリエステル樹脂分散液(3)を得た。
この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、180nmであった。その後、イオン交換水で調整して固形分濃度を20質量%とした。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(4))
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(三洋化成工業(株)製、ニューポールBP−2P):100モル%
・テレフタル酸:68モル%
・ドデセニルコハク酸無水物:25モル%
・トリメリット酸無水物:3モル%
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマーのうちトリメリット酸無水物以外のモノマーと、ジオクタン酸スズをモノマー成分100質量部に対して0.75質量部を投入し、窒素ガス気流下、235℃で6時間反応させた後、190℃に降温して、上記トリメリット酸無水物を投入し1時間反応させた。さらに220℃まで4時間で昇温し、10kPaの圧力下で所望の分子量になるまで重合させ、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。この非晶性ポリエステル樹脂(4)のDSCによるガラス転移点(Tg)は55℃、GPCによるMwは57000、Mnは7100、フローテスターによる軟化温度は121℃、酸価が16.2mgKOH/g、Fedors法により計算されるSP値は20.6(J/cm1/2であった。
非晶性ポリエステル樹脂(4)を用いて、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製に準じて非晶性ポリエステル樹脂分散液(4)を得た。
この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、130nmであった。その後、イオン交換水で調整して固形分濃度を20質量%とした。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(1))
・1,8−オクタンジカルボン酸(試薬):100モル%
・1,9−ノナンジオール(試薬):100モル%
上記成分を、攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、モノマー成分100質量部に対してチタンテトラブトキサイド(試薬)を0.25質量部を投入して、窒素ガス気流下170℃で10時間撹拌反応させた。さらに、温度を220℃に上げて、反応容器内を3kPaまで減圧し、減圧下で10時間攪拌反応させて、結晶性ポリエステル樹脂を得た。この結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる融点は70.5℃、GPCによるMwは23000、Mnは9000、酸価が9.8mgKOH/g、Fedors法により計算されるSP値は18.6(J/cm1/2であった。
前記結晶性ポリエステル樹脂の200質量部を蒸留水800質量部中に入れ、85℃に加熱後、アンモニアにてpH9.0に調整し、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)0.4質量部(有効成分として)を加え、85℃に加熱しながら、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、8000rpmで5分間分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーを用い、110℃で10パス相当分の分散処理を行い、結晶性ポリエステル樹脂分散液を得た。この分散液中の粒子の体積平均粒径は220nm、固形分は20重量%であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(2))
重合触媒として、チタンテトラブトキサイドの代わりにジオクタン酸スズを0.15質量部用いた以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の合成に準じて、結晶性ポリエステル樹脂(2)を得た。この結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる融点は70.7℃、GPCによるMwは26000、Mnは10000、酸価が8.9mgKOH/g、Fedors法により計算されるSP値は18.6(J/cm1/2であった。
また、結晶性ポリエステル(2)を用いて、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調整に準じて結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(3))
・1,8−オクタンジカルボン酸(試薬):100モル%
・1,9−ノナンジオール(試薬):100モル%
上記成分を、攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、モノマー成分100質量部に対してチタンテトラブトキサイド(試薬)を1.1質量部を投入して、窒素ガス気流下170℃で10時間撹拌反応させた。さらに、温度を220℃に上げて、反応容器内を3kPaまで減圧し、減圧下で10時間攪拌反応させて、結晶性ポリエステル樹脂を得た。この結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる融点は69.9℃、GPCによるMwは24000、Mnは8000、酸価が10.6mgKOH/g、Fedors法により計算されるSP値は18.6(J/cm1/2であった。
また、結晶性ポリエステル(3)を用いて、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調整に準じて結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)を得た。
(追加粒子分散液(1))
非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)210質量部に、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、有効成分量:60質量%)を、樹脂固形分に対して2質量%となるように添加混合した後、2質量%濃度の硝酸水溶液でpHを3.0に調整して追加粒子分散液(1)を調製した。
(追加粒子分散液(2))
非晶性ポリエステル樹脂分散液(2)210質量部に、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、有効成分量:60質量%)を、樹脂固形分に対して2質量%となるように添加混合した後、2質量%濃度の硝酸水溶液でpHを3.0に調整して追加粒子分散液(2)を調製した。
(追加粒子分散液(3))
非晶性ポリエステル樹脂分散液(3)210質量部に、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、有効成分量:60質量%)を、樹脂固形分に対して2質量%となるように添加混合した後、2質量%濃度の硝酸水溶液でpHを3.0に調整して追加粒子分散液(3)を調製した。
(追加粒子分散液(4))
非晶性ポリエステル樹脂分散液(3)210質量部に、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、有効成分量:60質量%)を、樹脂固形分に対して2質量%となるように添加混合した後、2質量%濃度の硝酸水溶液でpHを3.0に調整して追加粒子分散液(4)を調製した。
(着色剤分散液)
・シアン顔料(大日精化社製:ECB−301):200質量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC):20質量部(有効成分として、着色剤に対して10質量%)
・イオン交換水:780質量部
上記成分をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3程度になる大きさのステンレス容器に、イオン交換水を280質量部とアニオン系界面活性剤20質量部とを入れ、充分に界面活性剤を溶解させた後、前記シアン顔料すべてを投入し、攪拌機を用いて濡れていない顔料がなくなるまで攪拌するとともに、充分に脱泡させた。脱泡後に残りのイオン交換水を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。
脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータル仕込み量と装置の処理能力とから換算して25パス相当行った。得られた分散液を72時間放置した後の上澄み液を採取し、イオン交換水を加えて、固形分濃度を15質量%に調整した。この着色剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50は115nmであった。なお、該体積平均粒径D50はマイクロトラックにて5回測定した内の、最大値と最小値を除いた3回の測定値の平均値を用いた。
(離型剤分散液)
・ポリアルキレンワックス(日本精鑞社製、HNP−9、融点78℃、180℃粘度2.5mPa・s):270質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK):8.4質量部(有効成分として、離型剤に対して3.0質量%)
・イオン交換水:721.6質量部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤分散液を得た。この分散液中の粒子の体積平均粒径D50は225nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を20.0質量%に調整した。
<実施例1>
(トナーの作製)
・イオン交換水:254質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):380質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):44.8質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%):2.5質量部
・着色剤分散液:60.5質量部
・離型剤分散液:61.8質量部
上記各成分を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。
次いで、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、5000rpmで分散しながら、1.0質量%濃度の硫酸アンモニウム水溶液を75質量部添加して、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。その後、反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を調整しながら、35℃まで、0.1℃/分で昇温し、35℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、先に調製した追加粒子分散液(1)の全量を3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、1.0時間目で粒子の合一が確認されたので、冷却水にて容器を30℃まで冷却した。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子質量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して30分間保持した。その後、再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。分離されたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥し、得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)0.8質量部とを加え、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナー(1)を得た。
(静電荷像現像剤、補給用現像剤の作製)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm):500質量部
・トルエン:70質量部
・パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メタクリレート共重合体(共重合比:15/85、Mw:73000):10質量部
・カーボンブラック(VXC72:キャボット社製):1.0質量部
まず上記フェライト粒子を除く各成分を混合し、10分間サンドミルにて攪拌させ、カーボンブラックが分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら、60℃にて9.87×10Paまで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃にて5.33×10Paで30分間攪拌乾燥させることによりキャリアを得た。
上記キャリア500質量部に対して前記トナー40質量部を加え、V型ブレンダーで20分間ブレンドした後、目開き212μmの振動ふるいにより凝集体を除去して現像剤(1)を得た。
また、上記キャリア20質量部に対して、前記トナー100質量部を加え、V型ブレンダーで20分間ブレンドした後、目開き212μmの振動ふるいにより凝集体を除去して補給用現像剤(1)を得た。
(評価)
−トナーの分析、特性−
・非晶性樹脂中のスズ含有量、結晶性樹脂中のチタン含有量
前記の方法により、ICP分光分析により元素分析を行ったところ、チタン含有量は 100ppm、スズ含有量は700ppmであった。
・DSCによる吸熱量
トナー8mgを試料とし、島津製作所社製の示差走査熱量計(DSC−50)にセットして、前述の条件によりDSC測定を行い、ΔH1、ΔH2を各々求めた。その結果、ΔH1は41J/g、ΔH2は11J/gであった。
(実機特性)
気温33℃、相対湿度75%の環境室にて、現像剤(1)をDocuCentre Color 400(富士ゼロックス社製)の現像器に、補給用現像剤(1)をトナーカートリッジにそれぞれセットし、用紙上の各単色ベタ画像の現像トナー量を4.5g/mに調整した。ここでは、シアン、マゼンタ、イエローの各現像器に、同じ現像剤(1)をセットした。ここでの出力画像は、実際にはカラー画像ではなく、同一シアントナーの3次色相当分の積層画像である。
・光沢度安定性
はじめにA3サイズのC2r紙(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)を100枚通紙して、トナーを帯電させるとともに、強制的に劣化させた。次に、ミラーコートゴールド256g/m(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)を用い、用紙の中央部に、10cm四方の3次色相当分の積層画像を形成しながら、プロセススピード50mm/秒で、画像を1枚出力して、画像光沢度を測定した。次に、同条件にて、70枚の連続複写を行い、出力後、用紙が冷えるまで10分間放置した後、出力50枚目の画像光沢度を測定した。そして、1枚出力時の画像光沢度と、連続出力時の50枚目の画像光沢度との光沢度差により、画像の光沢度安定性を以下の基準により評価した。
○:光沢度差が3未満
△:光沢度差が3以上5未満
×:光沢度差が5以上
なお、画像光沢度は60度グロスメータ(ガードナー社製)を用いて測定し、画像の中央部と、中央から4隅に向かって2.5cmの部分の計5点を測定して、平均値をグロス値(光沢度)とした。結果を表1に示す。
・画質
前記連続70枚複写時の50枚目の出力画像について、光沢度むら等の画質を目視により以下の基準により評価した。
○:ソリッド部に光沢むらはなく、画像全体にも問題はない。
△:ソリッド部にわずかに光沢むらが見られたが、画像には傷等は無い(実用上問題ないレベル)。
×:ソリッド部に光沢むらが見られ、画像エッジ部に傷等が発生した。
以上の結果を表1に示す。
参考例1
実施例1のトナーの作製において、非晶性ポリエステル分散液(1)の代わりに非晶性ポリエステル樹脂分散液(3)を、追加粒子分散液(1)の代わりに追加粒子分散液(3)を用いた以外は、実施例1に準じてトナー(2)の作製、現像剤の調製を行い、実施例1に準じた評価を行った。
結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1のトナーの作製において、結晶性ポリエステル分散液(1)の代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)を用いた以外は、実施例1に準じてトナー(3)の作製、現像剤の調製を行い、実施例1に準じた評価を行った。
結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1のトナーの作製において、非晶性ポリエステル分散液(1)の代わりに非晶性ポリエステル樹脂分散液(4)を、追加粒子分散液(1)の代わりに追加粒子分散液(4)を用いた以外は、実施例1に準じてトナー(4)の作製、現像剤の調製を行い、実施例1に準じた評価を行った。
結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1のトナーの作製において、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を、追加粒子分散液(1)の代わりに追加粒子分散液(2)を用いた以外は、実施例1に準じてトナー(5)の作製、現像剤の調製を行い、実施例に準じた評価を行った。
結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1のトナーの作製において、結晶性ポリエステル分散液(1)の代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を用いた以外は、実施例1に準じてトナー(6)の作製、現像剤の調製を行い、実施例1に準じた評価を行った。
結果を表1に示す。
Figure 0004127313
表1の実施例に示すように、チタン含有触媒を用いて重合した結晶性ポリエステル樹脂とスズ含有触媒を用いて重合した非晶性ポリエステル樹脂とを結着樹脂として含むトナーを用いた場合には、固化に対して不利な条件でも画像光沢が大きく変化することがなく、種々の定着条件でも安定した画質が得られることがわかる。
一方、結着樹脂の構成が上記とは異なる比較例では、光沢度が変動したり、画質が低下するなど何らかの問題が発生した。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)

Claims (6)

  1. 少なくとも、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、
    前記結着樹脂が非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、該非晶性ポリエステル樹脂にドデセニルコハク酸由来構成成分及びスズ含有触媒が含まれ、前記結晶性ポリエステル樹脂にチタン含有触媒が含まれ、
    前記非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の酸価が、7mgKOH/gより大きく25mgKOH/g未満であり、かつ、前記非晶性ポリエステル樹脂の酸価が前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価より大きく、
    前記非晶性ポリエステル樹脂粒子、結晶性ポリエステル樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集・会合し、更に非晶性ポリエステル樹脂からなる追加粒子で被覆して得られることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. トナーのクロロホルム可溶分中の結晶性樹脂成分における、高周波誘導結合プラズマ発光分析によるチタンの含有量が10〜500ppmの範囲にあり、トナーのクロロホルム可溶分中の非晶性樹脂成分における、高周波誘導結合プラズマ発光分析によるスズの含有量が50〜1500ppmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. トナーを含み、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤
  4. トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジ
  5. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項3に記載の静電荷像現像剤を収めることを特徴とするプロセスカートリッジ
  6. 像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項3に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置
JP2007023395A 2007-02-01 2007-02-01 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Active JP4127313B1 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007023395A JP4127313B1 (ja) 2007-02-01 2007-02-01 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
US11/905,473 US7867681B2 (en) 2007-02-01 2007-10-01 Electrostatic image developing toner, electrostatic image developer, toner cartridge, process cartridge, and image forming apparatus
CN2007101626281A CN101236365B (zh) 2007-02-01 2007-10-15 静电图像显影用调色剂、静电图像显影剂、调色剂盒、处理盒及成像设备
EP07020326A EP1953597B1 (en) 2007-02-01 2007-10-17 Electrostatic image developing toner, electrostatic image developer, toner cartridge, process cartridge and image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007023395A JP4127313B1 (ja) 2007-02-01 2007-02-01 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4127313B1 true JP4127313B1 (ja) 2008-07-30
JP2008191260A JP2008191260A (ja) 2008-08-21

Family

ID=39267827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007023395A Active JP4127313B1 (ja) 2007-02-01 2007-02-01 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7867681B2 (ja)
EP (1) EP1953597B1 (ja)
JP (1) JP4127313B1 (ja)
CN (1) CN101236365B (ja)

Families Citing this family (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4404136B2 (ja) * 2007-12-17 2010-01-27 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
TWI403867B (zh) * 2008-08-29 2013-08-01 Trend Tone Imaging Inc 化學碳粉組成物及其製法
CN102149752A (zh) * 2008-09-08 2011-08-10 花王株式会社 制造聚酯粒子分散液的方法
US8133649B2 (en) * 2008-12-01 2012-03-13 Xerox Corporation Toner compositions
US8288067B2 (en) * 2009-03-26 2012-10-16 Xerox Corporation Toner processes
JP5381263B2 (ja) * 2009-04-13 2014-01-08 富士ゼロックス株式会社 マゼンタ静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、静電荷現像用トナーの製造方法、画像形成方法および画像形成装置
US8211611B2 (en) * 2009-06-05 2012-07-03 Xerox Corporation Toner process including modifying rheology
US8227164B2 (en) * 2009-06-08 2012-07-24 Ricoh Company, Limited Toner, and developer, developer container, process cartridge, image forming apparatus and image forming method using the toner
JP2011027869A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
KR101656773B1 (ko) * 2009-11-02 2016-09-13 삼성전자주식회사 전자사진용 토너 및 그의 제조방법
US20110129774A1 (en) * 2009-12-02 2011-06-02 Xerox Corporation Incorporation of an oil component into phase inversion emulsion process
KR101665508B1 (ko) * 2009-12-18 2016-10-13 삼성전자 주식회사 전자사진용 토너 및 그의 제조방법
US8632936B2 (en) 2009-12-18 2014-01-21 Kao Corporation Process for production of electrophotographic toner
JP5685984B2 (ja) * 2010-04-21 2015-03-18 株式会社リコー 結晶性ポリエステルを添加したトナー
US8518625B2 (en) * 2010-05-24 2013-08-27 Ricoh Company, Ltd. Toner, image forming apparatus, image forming method and process cartridge
JP5545046B2 (ja) * 2010-06-07 2014-07-09 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置及び画像形成方法
CN102314127A (zh) * 2010-06-30 2012-01-11 株式会社东芝 图像形成装置以及图像形成方法
EP2596405B1 (en) * 2010-07-22 2017-12-20 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP5549997B2 (ja) * 2010-08-27 2014-07-16 株式会社リコー 静電荷像現像用トナー、現像剤、現像剤入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP5621467B2 (ja) * 2010-09-27 2014-11-12 富士ゼロックス株式会社 オレンジトナー及びそれを収容するトナー収容容器、オレンジ現像剤及びそれを収容するプロセスカートリッジ、カラートナーセット、並びに、画像形成装置
JP5594591B2 (ja) * 2010-09-30 2014-09-24 株式会社リコー 電子写真用トナー、並びに該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ
KR101423444B1 (ko) * 2010-10-04 2014-07-24 캐논 가부시끼가이샤 토너
JP2012098697A (ja) * 2010-10-04 2012-05-24 Ricoh Co Ltd トナー及び現像剤
US9052623B2 (en) 2010-10-06 2015-06-09 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Toner binder and toner composition
JP2012103680A (ja) * 2010-10-14 2012-05-31 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法
JP2012118504A (ja) * 2010-11-09 2012-06-21 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー及び現像剤
JP5849651B2 (ja) * 2011-01-24 2016-01-27 株式会社リコー トナー及び現像剤
JP5696511B2 (ja) * 2011-02-07 2015-04-08 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用現像剤及びその製造方法、並びに、それを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5707993B2 (ja) * 2011-02-07 2015-04-30 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用現像剤及びその製造方法、並びに、それを用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP6137351B1 (ja) * 2016-01-27 2017-05-31 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP6815753B2 (ja) * 2016-05-26 2021-01-20 キヤノン株式会社 トナー
US10852692B1 (en) * 2019-09-16 2020-12-01 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Image forming apparatus and image forming method
US10852682B1 (en) * 2019-09-18 2020-12-01 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Image forming apparatus, fixing temperature determination method, and non-transitory computer readable medium
JP2021067881A (ja) * 2019-10-25 2021-04-30 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 熱膨張性カプセルを用いたトナー粒子

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6435454U (ja) 1987-08-26 1989-03-03
JP2003029463A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成方法
JP2003186250A (ja) 2001-12-17 2003-07-03 Kao Corp 電子写真用トナー
JP2004133320A (ja) 2002-10-11 2004-04-30 Sekisui Chem Co Ltd トナー用ポリエステル樹脂組成物及びトナー
JP4192717B2 (ja) 2002-11-29 2008-12-10 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP2004287269A (ja) 2003-03-24 2004-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 現像剤及び画像形成方法
US7187876B2 (en) * 2003-11-27 2007-03-06 Oki Data Corporation Image forming apparatus with mechanism to control toner replenishment
JP4439007B2 (ja) 2004-11-16 2010-03-24 花王株式会社 電子写真用トナーの製造方法
JP4774768B2 (ja) 2005-03-22 2011-09-14 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法
JP2006267741A (ja) 2005-03-24 2006-10-05 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用マゼンタトナー及びフルカラー画像形成方法
JP4513623B2 (ja) 2005-03-25 2010-07-28 富士ゼロックス株式会社 電子写真用トナー
JP2007004033A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷現像剤、画像形成方法
JP2007033702A (ja) 2005-07-25 2007-02-08 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷像現像剤、画像形成方法
JP2007071993A (ja) 2005-09-05 2007-03-22 Canon Inc トナー
JP4928851B2 (ja) 2006-03-14 2012-05-09 株式会社リコー 静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008191260A (ja) 2008-08-21
CN101236365A (zh) 2008-08-06
US20080187854A1 (en) 2008-08-07
US7867681B2 (en) 2011-01-11
EP1953597A1 (en) 2008-08-06
EP1953597B1 (en) 2011-12-28
CN101236365B (zh) 2012-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4127313B1 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4858165B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4665707B2 (ja) 電子写真用トナー
JP4760690B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4404136B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5303841B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
US7951519B2 (en) Toner for development of electrostatic image, method for manufacturing the same, developer for development of electrostatic image, toner cartridge, process cartridge, and image forming apparatus
US9134636B2 (en) Electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developer, and toner cartridge
JP4984995B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP6458423B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2007033694A (ja) 静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、及び画像形成方法
JP2012150163A (ja) マゼンタトナー、トナーセット、マゼンタ現像剤、トナー収容容器、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP6229566B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP5987590B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP5790370B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP5223556B2 (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP5304144B2 (ja) 結晶性ポリエステル樹脂分散液、結晶性ポリエステル樹脂分散液の製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP5428329B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP7013759B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2010231068A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2019113686A (ja) 静電荷像現像用白色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
US9310703B2 (en) Violet toner, developer, and toner set
JP7013758B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2017102250A (ja) 二成分現像剤及び画像形成装置
JP2008281709A (ja) 静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、カートリッジおよび画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080505

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4127313

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140523

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350