JP4513623B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
近年、電子写真分野の技術進化により、このような電子写真プロセスは複写機、プリンターのみならず、印刷用途にも使用されるようになり、装置の高速化、高信頼性はもとより、複写物が印刷物同等の高画質、色相を有することがますます厳しく要求されてきている。特に近年は省エネが重要となっており、電子写真プロセスにおいては、最も電力消費が多い定着工程での消費電力削減が大きな課題となっている。
特に、夏場に、室温が30℃を超え、坪量256g/m2以上のキャストコート紙などの熱容量が大きい記録媒体に、トナー重量(TMA)で10g/m2以上のカラーイメージの隣に白地部が隣接しているような画像を形成し(この状態では、画像に大きな段差が生じている)、連続で10枚以上のプリントをおこなうような場合、室温が高くて冷却されにくく、記録媒体自体も熱容量が大きく冷却されるまでに時間がかる。連続複写のため記録媒体が冷却される前に次の熱せられた記録媒体が排出されるため、前にプリントされたトナー層が充分に固化する前に、次に排出される記録媒体が画像をこするため、大きな段差がある画像部分でコスレによる傷(以降コスレ傷という場合がある)が発生してしまう。坪量の大きな記録媒体は硬いものが多いため、画像に傷がつきやすい。
特許文献7では、トナー製造工程中に樹脂中に溶剤を残すことで、トナーの形状を制御する技術が開示されている。樹脂中に残留する溶剤を積極的に利用したものであるが、やはり、トナー化後は溶剤を完全に除去することが記載されており、トナー化後の残溶剤を積極的に利用するものではなく、また、結晶性樹脂の固化に関しては記載されていない。
この中で、結晶性樹脂の再結晶化温度に関して記載があるものの、融点と再結晶化温度にヒステリシスがあることは従来公知の事象であり、また、再結晶化温度を制御する手法はなんら開示されていない。
この方法によれば、結晶性を高めることで再結晶化が早くなり紙凝集性が改善されるとされるが、確かに、結晶性を高めることは紙凝集性改善に有効な方法ではあるが、坪量の大きな記録媒体を用いた場合の高TMA画像のコスレ傷防止に対しては充分なものではない。
本発明の電子写真用トナーは前記ケトン系溶剤がメチルエチルケトンであり、前記アルコール系溶剤がイソプロパノールであってもよい。
また、本発明の電子写真用現像剤は、本発明の電子写真用トナーを含むものである。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、樹脂粒子を分散させた分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する凝集工程と、前記凝集粒子分散液を加熱して、前記凝集粒子を融合する融合工程とを含むものである。
まず、トナー中にケトン系溶剤とアルコール系溶剤とが残留していることが必要であるが、通常、湿式製法でトナーを作製すると、トナー化工程や乾燥工程での熱により、ほとんどの溶剤が揮発してしまう。また、水系媒体中でトナーを作製する場合、ケトン系溶剤やアルコール系溶剤は水への溶解性があるため、トナー化工程中に水系媒体中へ溶剤が移行し、やはりトナー中にはほとんど溶剤が残留しない。
本発明では、溶剤を残留させるための手法として、結晶性ポリエステル樹脂を用いる。ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸モノマーとジアルコールモノマーとの重縮合樹脂であり、生成されるエステル結合を含めて、ケトン系溶剤とアルコール系溶剤と分子構造が似ており、相溶性が高い。また、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性を出すために立体障害がほとんど無く、エステル結合を遮蔽するものがないため、溶剤と相互作用しやすい。これらの効果が合わさり、溶剤が残留しやすくなる。
さらに、記録媒体が完全に冷却されるまでは、その間も結晶化が促進される。結晶化には、分子が再配列するための時間と、分子が運動できる状態、例えば、溶剤中での溶解状態や熱による溶融状態、が必要であり、溶剤による溶解状態のほうがより分子運動しやすく、トナー層に残留した溶剤が、このような状態を作り出しているものと推測される。
これらの理由から、コスレ傷の発生を防止できるものと考えられる。
ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤は、その沸点が、(結晶性ポリエステル樹脂の融点-5℃)から(結晶性ポリエステル樹脂の融点+20℃)にあることが好ましい。溶剤の沸点が高すぎると定着時に揮発しにくく、沸点が低すぎるとトナー化工程中の熱により揮発してしまう。
また、トナー中での残留量は、それぞれ10〜100ppmであることが必要であり、30〜80ppmが好ましく、35〜70ppmがさらに好ましい。また、ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤の合計量が20〜150ppmであることが必要であり、50〜120ppmが好ましく、60〜100ppmがさらに好ましい。
それぞれの溶剤量が少ない場合には、定着時の揮発効果が得られないことがある。ケトン系溶剤が多い場合には、樹脂の溶解性が高く、トナーのフィルミングやベトツキの原因となることがある。アルコール系溶剤が多い場合には、吸湿性が悪化し帯電性能が低下するおそれがある。また、その合計量が少なすぎると定着時の揮発効果が得られず、多い場合には、トナーのベトツキや帯電性を悪化させることがある。
1.3点検量線の作成
(1)メチルエチルケトン(以下「MEK」と称す)、イソプロピルアルコール(以下「IPA」と称す)をそれぞれ100mlメスフラスコに0.3g、1.0g、3.0g精秤し、脱イオン水で希釈して100mlにあわせる。
(2)各検量線サンプルを2mlホールピペットで分取し、ヘッドスペースサンプラー用のバイアル瓶に移し、キャップを閉める。
(3)下記のヘッドスペースサンプラー及びガスクロマトグラフ測定条件で測定し、(1)で精秤した重量/mlを横軸に、各ピーク面積を縦軸にして検量線を作成し、原点を通る直線の関係式をつくる。
2.残溶剤量測定
トナー3gをイソプロピルアルコール6gに加え、10分撹拌の後、10℃で24時間放置した。放置後の上澄み液を残溶剤量測定用のサンプルとした。
上記サンプルをホールピペットで2ml分取し、ヘッドスペースサンプラー用のバイアル瓶に移し、検量線用サンプルと同時に以下の条件で、ガスクロマトグラフ測定を行う。
ヘッドスペースサンプラー設定条件
・測定機器:ヘッドスペースサンプラーHS−40(パーキンエルマー社製)
・オーブン温度:60℃
・ニードル温度:100℃
・トランスファー温度:120℃
ガスクロマトグラフ測定条件
・ガスクロマトグラフ本体:GC2010((株)島津製作所製)
・カラム:Quadrex社製 キャピラリカラムS2010
(内径0.25mm、膜厚1μm、長さ15m)
・キャリアガス:窒素
・インジェクション温度:150℃
・検出器温度:200℃
・カラム温度:55℃×5分→昇温速度10℃/分→200℃
上記条件で測定して得られた測定サンプルのMEK、IPAそれぞれのピーク面積を(1)で作成した検量線の式に当てはめ、残溶剤量を算出する。得られた残溶剤量をトナー中の溶剤含有量とした。
本発明によれば、溶剤を含まない状態よりも、多くの金属元素を含有させることができる。
金属元素の含有量が少ないと、架橋強度が充分でなく、本発明の効果が得られないことがある。含有量が多い場合には、画像グロスの低下や低温定着性の悪化が生ずることがある。
トナー20gをテトラヒドロフラン(以下「THF」と称す)200gに溶解し、遠心分離にて沈殿物を分離し、上澄み液からなるTHF可溶分を採取する。40℃の防爆型乾燥機でTHFを除去した後、さらに40℃の真空乾燥機にてTHFを充分に除去して得られた乾固物を乳鉢で解砕して、乾固物6gを、加圧成型器を用いて、荷重10t、加圧時間1分間の条件で加圧成型して測定用試料を調整する。測定装置には、蛍光X線分析装置(株)島津製作所の蛍光X線(XRF−1500)を使用し、測定条件は管電圧40KV、管電流90mA、測定時間30分とした。
上記方法により測定された金属元素の含有量には、トナーの外添剤に含まれる金属元素は含まれず、トナー粒子中に含有される金属元素のみが定量される。また、トナー粒子中にアルミニウム、亜鉛及びカルシウムから選択される2種以上の金属元素が含有されている場合、金属元素の含有量とはアルミニウム、亜鉛及びカルシウムの含有量の合計をいう。
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。中でも、炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸由来構成成分の95モル%以上用いることが好ましく、98モル%以上用いることがより好ましい。
前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、トナー母粒子を粒子に作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁が可能である。このようなスルホン酸基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸の含有量は0.1から2.0モル%であることが好ましく、0.2から1.0モル%であることが好ましい。含有量が2モル%よりも多いと、帯電性が悪化する。尚、本発明において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)をそれぞれ1単位(モル)したときの百分率を指す。
アルコール由来構成成分としては脂肪族ジアルコールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられ、中でも炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール由来構成成分の95モル%以上用いることが好ましく、98モル%以上用いることがより好ましい。
前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合は通常1/1程度、エステル交換法の場合は、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマー過剰に用いる場合が多い。前記ポリエステル樹脂の製造は、通常、重合温度180〜250℃の間でおこなわれ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。
重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重縮合させるとよい。
尚、本発明において、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
なかでも、特開昭63−282749号公報や特開平6−250439号公報で開示されているような、乳化重合により樹脂粒子を、水系媒体に着色剤を分散した着色剤分散液を、必要に応じて水系媒体に離型剤を分散した離型剤分散液を、それぞれ調整し、それらを混合して加熱などの方法により凝集粒子を形成させた後、加熱により融合させてトナーを製造する乳化凝集方法において、溶剤を含んだ樹脂を用いる方法が、トナーの粒度分布や形状制御、ワックス内包化などの観点で好ましい。
乳化凝集法は、少なくとも樹脂粒子を分散させた分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程(凝集工程)と、前記凝集粒子分散液を加熱して、凝集粒子を融合する工程(融合工程)を含む製造方法である(以下、前記製造方法を「凝集融合法」と称することがある)。
また、凝集工程と融合工程との間に、凝集粒子分散液中に、粒子を分散させた粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に粒子を付着させて付着粒子を形成する工程(付着工程)を設けたものであってもよい。
前記追加粒子としては、前記樹脂粒子の他に離型剤粒子、着色剤粒子等を単独もしくは複数組み合わせたものであってもよい。前記粒子分散液を追加混合する方法としては、特に制限はなく、例えば徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、前記粒子(追加粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られる電子写真用トナーの粒度分布をシャープにすることができ、高画質化に寄与する。
また前記付着工程を設けることにより、擬似的なシェル構造を形成することができ、着色剤や離型剤などの内添物のトナー表面露出を低減でき、結果として帯電性や寿命を向上させることができることや、融合工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基または酸等の安定剤の添加を不要にすることができる、もしくは、それらの添加量を最少限度に抑制することができ、コストの削減や品質を改善できる点で有利である。
融合・粒子形成工程を終了した後は、トナー粒子を洗浄し乾燥してトナーを得る。トナーの帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄を施すことが好ましく、洗浄度合いはろ液の伝導度でモニターするのが一般的で、最終的に、伝導度が30mS以下となるようにすることが好ましい。洗浄時に酸やアルカリでイオンを中和する工程を含んでも良く、酸による処理はpHを4.0以下に、アルカリによる処理はpHを8.0以上にすることが好ましい。
また、洗浄後の固液分離は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。さらに、乾燥も、特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられ、最終的なトナーの水分率は1質量%以下、好ましくは0.7質量%以下になるように乾燥する。
また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため、分散剤を使用することもできる。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。
好ましい無機金属塩を具体的に挙げると、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などである。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。
前記凝集剤は、トナー化工程中に、水系媒体中に流出したり、粗粉を形成するなどにより、添加量すべてがトナー中に残留するわけではない。特にトナー化工程時に、樹脂中の溶剤量が多い場合には、溶剤と凝集剤が相互作用して、水系媒体中に流出しやすいため、残溶剤量に合わせて適宜調節される。
例えば、早い速度で降温した場合には球形化及び表面が平滑化しやすく、逆にゆっくり降温した場合は、粒子形状が不定形化し、粒子表面に凹凸が生じやすい。そのため、少なくとも0.5℃/分以上の速度で、好ましくは1.0℃/分以上の速度で前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶化温度以下まで降温するのが好ましい。
具体的には、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、テレフタル酸、イソフタル酸が主として用いられる。非晶性ポリエステル樹脂は、分子内に架橋構造を有してもよい。架橋構造を形成させるモノマーとしては、ベンゼントリカルボン酸ナフタレントリカルボン酸等の3価以上のカルボン酸や、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどの酸モノマーや、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど3価以上のアルコールモノマーが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。
用いられる離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大吸熱ピークが60〜120℃にあり、かつ140℃において1〜50mPasの溶融粘度を有する物質であることが好ましい。融点が60℃未満ではワックスの変化温度が低すぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、複写機内温度が高まった時に現像性が悪化したりする。120℃を超える場合には、ワックスの変化温度が高すぎ、高温での定着を行えばいいが、省エネルギーの観点で望ましくない。また、50mPasより高い溶融粘度ではトナーからの溶出が弱く、定着剥離性が不十分となってしまう。
粘度の測定には、コーン角1.34度を有したコーンプレート/カップの組み合わせのプレートを用いる。カップ内に試料を投入し、循環装置の温度を140℃にセットし、空の測定カップとコーンを測定装置にセットし、オイルを循環させながら恒温に保つ。温度が安定したところで測定カップ内に試料を1g入れ、コーンを静止状態で10分間静置させる。安定後、コーンを回転させ測定を行う。コーンの回転速度は60rpmとする。測定は3回行い、その平均値を粘度ηとする。
吸熱開始温度はワックスを構成する分子量分布のうち、低分子量のものやその構造のもつ極性基の種類、量で左右される。一般に高分子量化すれば融点とともに吸熱開始温度も上昇するが、このやり方ではワックス本来の低溶融温度と、低粘度をそこなってしまう。よってワックスの分子量分布のうち、これら低分子量のものだけを選別してのぞくことが有効であるが、この方法として、分子蒸留、溶剤分別、ガスクロマトグラフ分別等の方法がある。
また、極大吸熱ピークが50℃を下回ると定着時にオフセットを生じやすくなる。逆にピークが140℃を超えると定着温度が高くなり、定着画像表面の平滑性が得られず光沢性が損なわれる。
DSCの測定は例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いて行われる。装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットして昇温速度10℃/minで測定を行う。
前記無機粒子としては、シリカ、疎水化処理シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ処理コロイダルシリカ、カチオン表面処理コロイダルシリカ、アニオン表面処理コロイダルシリカなどを単独もしくは併用して用いることができ、なかでもOHP透明性とトナー中の分散性の観点からコロイダルシリカを用いることが好ましい。
粒子の粒径は、5から50nmであることが好ましい。また、粒径の異なる粒子を併用することも可能である。前記粒子はトナー製造時に直接添加することもできるが、分散性を高めるためにあらかじめ超音波分散機などを用いて水など水溶性媒体へ分散されたものを用いることが好ましい。分散においては、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基などを用いて分散性を向上させることもできる。
また、30℃、80RH%の高湿度下と10℃、20RH%の低湿度下での帯電量の比率は0.5〜1.5の範囲が好ましく、0.7〜1.2の範囲がより好ましい。前記比率が範囲内にあると環境に影響されることなく鮮明な画像を得ることができる。
帯電量は外添剤の寄与も大きいが、未外添時の帯電量が重要であることは言うまでもない。また、着色剤分散液や離型剤分散液などに使用される界面活性剤量をトータルで減らすとともに、残留した界面活性剤やイオンなどを充分に洗浄することが必要で、洗浄ろ液の伝導度が0.01mS/cm以下となるように洗浄することが好ましい。また、トナーの乾燥も重要であり、水分量が0.5質量%以下となるように乾燥することが好ましい。
トナーが小粒径化することによって、感光体との非静電的付着力が増大するため、転写不良やホローキャラクターと呼ばれる画像抜けが引き起こされ、重ね合わせ画像等の転写ムラを生じさせる原因となるため、体積平均1次粒子径が30nm〜200nmの大径の外添剤を添加し、転写性を改善させることが好ましい。
体積平均1次粒子径が30nmより小さいと、初期的なトナーの流動性は良好であるが、トナーと感光体との非静電的付着力を十分に低減できず転写効率が低下し画像のぬけや、画像の均一性を悪化させてしまい、また経時による現像機内でのストレスによって粒子がトナー表面に埋め込まれ、帯電性が変化しコピー濃度の低下や背景部へのカブリ等の問題を引き起こす。
また、体積平均1次粒子径が200nmより大きいと、トナー表面から脱離しやすく、また流動性の悪化にもつながる。具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタンが好ましく、特に、疎水化されたシリカを必須成分として添加することが好ましい。特にシリカと酸化チタンを併用することが好ましい。また、粒径80から500nmの有機粒子を併用することも転写性向上には好ましい。
前記処理剤の粒子への付着量は、粒子に対して0.01〜50質量%であることが好ましく、0.1〜25質量%がより好ましい。付着量は、処理の段階で処理剤の混合量を増やしたり、処理後の洗浄工程数を変える等の方法によって変えることができる。また、処理剤の付着量は、XPSや元素分析により定量することができる。処理剤の付着量が少ないと高湿度下で帯電性が低下する場合が有り、処理量が多すぎると低湿度下で帯電が過剰になりすぎたり、遊離した処理剤が現像剤の粉体流動性を悪化させる場合がある。
キャリアの被膜樹脂としては前記窒素含有樹脂の中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂と窒素を含有しない樹脂とを組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂を粒子状にし、窒素を含有しない樹脂中に分散して使用してもよい。特にウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂は負帯電性が高く、また樹脂硬度が高いため被膜樹脂の剥がれなどによる帯電量の低下を抑制することができ好ましい。
上記樹脂被覆層を、キャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、被膜樹脂を粒子化し被膜樹脂の融点以上でキャリア芯材とニーダーコーター中で混合し冷却して被膜させるパウダーコート法が挙げられるが、ニーダーコーター法及びパウダーコート法が特に好ましく用いられる。
上記方法により形成される樹脂被膜層の平均膜厚は、通常0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmの範囲である。
前記二成分現像剤における本発明の電子写真用トナーと前記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
本発明のトナーの作製方法としては、下記の樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液をそれぞれ調製し、これらを所定の割合で攪拌・混合しながら、金属塩凝集剤を添加しイオン的に中和させて凝集粒子を形成する。次いで、無機水酸化物を添加して系中のpHを弱酸性から中性域に調製した後、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して融合及び合一する。反応終了後、充分な洗浄、固液分離乾燥の工程を経て所望のトナー粒子を得て、該トナー粒子に外添剤を加えることにより製造される。以下、それぞれの調整方法を説明する。
分子量分布は以下の条件で行った。
東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK gei, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、検量線はA−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、1,8−オクタンジカルボン酸を4.9モル、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチルを0.1モル、1,6−ヘキサンジオールを4.8モル、エチレングリコールを0.22モル、を入れた後、容器内を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、ジブチルスズオキシドを0.04モル投入し、窒素ガス気流下約180℃で約5時間撹拌反応させた後、チタンテトラブトキサイドを0.02モル加えて、温度230℃、反応容器内圧力10.0mmHgの減圧下で、4時間追加反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した融点は、65℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量測定(ポリスチレン換算)で、重量平均分子量(Mw)が16000、数平均分子量(Mn)が7300、JIS−K0070に従ってアセトン−トルエン混合溶液を用いて測定した酸価が8KOHmg/g、であった。
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物を1.5モルと、ビスフェノールAトリメチレンオキサイド2モル付加物を1.8モルと、シクロヘキサンジメタノールを1.1モルと、エチレングリコールを0.62モルと、テレフタル酸を4.0モルとイソフタル酸1.0モルを投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジブチルスズオキサイドを0.04モル投入して、窒素ガス気流下約195℃で約6時間撹拌反応させ、さらに温度を約240℃に上げて約6.0時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約0.5時間攪拌反応させて、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。DSC法によるTgが56℃、スチレン換算GPC法による、Mwが11300、Mnが4400、Mw/Mnが2.6、JIS−K0070に従ってアセトン−トルエン混合溶液を用いて測定した酸価が12KOHmg/g、粘弾性測定によるG’’が10000Paになる温度が約100℃であった。
シアン顔料20部(大日精化社製:ECB−301)、アニオン界面活性剤2部(第一工業製薬社製:ネオゲンSC、有効成分として、着色剤に対して10%)、イオン交換水78部を用い、上記成分をすべて投入した時に液面の高さが容器の高さの1/3程度になるような大きさのステンレス容器に投入し、ホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000回転で5分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータルしこみ量と装置の処理能力から換算して25パス相当おこなった。その後イオン交換水を加えて、固形分濃度を16.5%に調整した。得られた着色剤分散液の体積平均粒径(D50)をマイクロトラックUPAにて測定したところ115nmであった。
着色剤分散液(1)の調整で、顔料をマゼンタR122顔料(大日精化社製:ECR−186Y)に変更した以外は同様にして着色剤分散液(2)を調整した。D50は121nmであった。
着色剤分散液(1)の調整で、顔料をイエローY74顔料(クラリアントジャパン社製:Hansa Brill.Yellow 5GX03)に変更した以外は同様にして着色剤分散液(3)を調整した。D50は138nmであった。
着色剤分散液(1)の調整で、顔料をカーボンブラック(キャボット社製:リーガル330)に変更した以外は同様にして着色剤分散液(4)を調整した。D50は105nmであった。
ポリアルキレンワックス 270部
(日本精鑞社製、HNP−9、融点78℃、180℃粘度2.5mPa・s)
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK) 8.4部
(有効成分として、離型剤に対して3.0質量%)
イオン交換水 720部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で、分散圧力500kg/cm2で、仕込み量と分散能力から換算して10パスに相当する時間分散処理し、離型剤分散液を得た。離型剤粒子の体積平均粒径D50は225nmであった。その後イオン交換水を加えて固形分濃度を25.8質量%に調整した。
ついで、得られた非晶性ポリエステル樹脂(1)を、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水79%、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)が1%(有効成分として)、非晶性樹脂の濃度が20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径290nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂(1)200部(固形分濃度100%)を蒸留水800部中に入れ、85℃に加熱後、アンモニアにてpH9.0に調整し、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)0.4部(有効成分として)を加え、85℃に加熱しながら、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、8000rpmで7分間分散し、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)を得た。体積平均粒径は260nmであった。
結晶性ポリエステル樹脂(1)を、メチルエチルケトン(MEK)、イソプロピルアルコール(IPA)の1.2:1(質量比)混合溶剤に溶解した後、45℃の防爆乾燥機内で固形分濃度が95%になるまで乾燥した。この樹脂を用いて、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調整と同様の方法で分散処理した。その後、エバポレータで1時間脱溶剤処理して、結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を得た。エバポレータ処理中に水分が蒸発し固形分濃度が上がってしまうため、適宜中断して蒸留水を添加し固形分を20%に調整した。エバポレータ処理時間は蒸留水添加の時間を含まないものである。
結晶性ポリエステル樹脂(1)を、メチルエチルケトンに溶解した後、45℃の防爆乾燥機内で固形分濃度が95%になるまで乾燥した。この樹脂を用いて、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調整と同様の方法で分散処理した。その後、エバポレータで1時間脱溶剤処理して、結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)を得た。エバポレータ処理中に水分が蒸発し固形分濃度が上がってしまうため、適宜中断して蒸留水を添加し固形分を20%に調整した。エバポレータ処理時間は蒸留水添加の時間を含まないものである。
結晶性ポリエステル樹脂(1)を、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールの1.2:1(質量比)混合溶剤に溶解した後、45℃の防爆乾燥機内で固形分濃度が93%になるまで乾燥した。この樹脂を用いて、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調整と同様の方法で分散処理した。その後、エバポレータで1時間脱溶剤処理して、結晶性ポリエステル樹脂分散液(4)を得た。エバポレータ処理中に水分が蒸発し固形分濃度が上がってしまうため、適宜中断して蒸留水を添加し固形分を20%に調整した。エバポレータ処理時間は蒸留水添加の時間を含まないものである。
結晶性ポリエステル樹脂(1)を、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールの1.4:1(質量比)混合溶剤に溶解した後、45℃の防爆乾燥機内で固形分濃度が90%になるまで乾燥した。この樹脂を用いて、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調整と同様の方法で分散した後、水浴で40℃に加熱しながらエバポレータで2時間処理して、結晶性ポリエステル樹脂分散液(5)を得た。エバポレータ処理中に水分が蒸発し固形分濃度が上がってしまうため、適宜中断して蒸留水を添加し固形分を20%に調整した。エバポレータ処理時間は蒸留水添加の時間を含まないものである。
結晶性ポリエステル樹脂(1)を、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールの1.2:1(質量比)混合溶剤に溶解した後、45℃の防爆乾燥機内で固形分濃度が91%になるまで乾燥した。この樹脂を用いて、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調整と同様の方法で分散した後、水浴で40℃に加熱しながらエバポレータで2時間処理して、結晶性ポリエステル樹脂分散液(6)を得た。エバポレータ処理中に水分が蒸発し固形分濃度が上がってしまうため、適宜中断して蒸留水を添加した。エバポレータ処理時間は蒸留水添加の時間を含まないものである。
非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)(非晶性ポリエステル樹脂濃度20%)150部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60%)1.5部(有効成分として0.9部)とを混合した後、1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを4.0にして、追加粒子(1)を調整した。
イオン交換水 410部
結晶性ポリエステル樹脂分散液(4) 160部 (結晶性ポリエステル樹脂濃度20%)
非晶性ポリエステル樹脂分散液(1) 340部 (非晶性ポリエステル樹脂濃度20%)
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60%) 2.5部 (有効成分として1.5部)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
着色剤分散液(1) 50部(着色剤濃度15%)
離型剤分散液 60部(離型剤濃度25%)
を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33部
0.1%硝酸水溶液 37.5部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、6分間分散した。
粒度分布は、コールターマルチサイザーIIを用いて測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(分割数:1.26〜50.8μmまでを16チャンネルに、logスケールで0.1間隔となるように分割する。具体的には、チャンネル1が1.26μm以上1.59μm未満、チャンネル2が1.59μm以上2.00μm未満、チャンネル3が2.00μm以上2.52未満・・・、とし、左側の下限数値のlog値が(log1.26=)0.1、(log1.59=)0.2、(log2.00=)0.3、・・・、1.6となるように分割した。)に対して、体積、数をそれぞれ小粒径側から累積分布を引いて、累積16%となる粒径を体積D16(vol)、数D16(pop)、累積50%となる粒径を体積D50(vol)、数D50(pop)、累積84%となる粒径を体積D84(vol)、数D84(pop)と定義する。体積粒度分布指数GSD(vol)は、(D84(vol)/D16(vol))1/2として算出される。数平均粒度分布指数GSD(pop)は、(D84(pop)/D16(pop))1/2として算出される。GSD(vol)upは、(D84(vol)/D50(vol))1/2、GSD(pop)downは、(D50(pop)/D16(pop))1/2として算出される。
SF1=((トナー粒子径の絶対最大長)2/(トナー粒子の投影面積))×(π/4)×100
トナー粒子径の絶対最大長及びトナー粒子の投影面積はルーゼックスFTにより求めた。
実施例1において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(4)を、結晶性ポリエステル樹脂分散液(5)へ変更した以外は同様の操作にて粒子を作製した。粒子の洗浄を実施例1と同様におこなった後、得られたケーキ状になった粒子をサンプルミルで解砕して、25℃のオーブン中で24時間乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、再度、25℃のオーブン中で24時間乾燥した。実施例1と同様にして外添剤ブレンド、篩分をおこない、トナー(2)を得た。
実施例2において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(5)を、結晶性ポリエステル樹脂分散液(6)へ変更した以外は同様の操作にて、トナー(3)を得た。
実施例2において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(5)を、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)へ変更した以外は同様の操作にて、トナー(4)を得た。
実施例2において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(5)を、結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)へ変更した以外は同様の操作にて、トナー(5)を得た。
実施例2において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(5)を、結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)へ変更した以外は同様の操作にて、トナー(6)を得た。
−結晶性ポリエステル樹脂分散液(7)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂(1)を100部と、イソプロピルアルコールを100部とを、攪拌機、冷却管を備えたフラスコにいれ、75℃の温浴で加熱し、30分間混合攪拌した後、45℃の防爆乾燥機内で固形分濃度が90%になるまで乾燥した。この樹脂を用いて、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調整と同様の方法で分散した後、水浴で40℃に加熱しながらエバポレータで1時間処理して、結晶性ポリエステル樹脂分散液(7)を得た。エバポレータ処理中に水分が蒸発し固形分濃度が上がってしまうため、適宜中断して蒸留水を添加し固形分を20%に調整した。エバポレータ処理時間は蒸留水添加の時間を含まないものである。
実施例2において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(5)を、結晶性ポリエステル樹脂分散液(7)へ変更した以外は同様の操作にて、トナー(7)を得た。
比較例3のトナーを、25℃のオーブン中で5時間真空乾燥してトナー(8)を得た。
−結晶性ポリエステル樹脂分散液(8)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂(1)を100部と、トルエンを100部とを、攪拌機、冷却管を備えたフラスコにいれ、90℃の温浴で加熱し、30分間混合攪拌した後、45℃の防爆乾燥機内で固形分濃度が90%になるまで乾燥した。さらに40℃の真空乾燥機中で固形分濃度が99.5%になるまで乾燥した。この樹脂を用いて、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調整と同様の方法で分散した後、水浴で50℃に加熱しながらエバポレータで6時間処理して、結晶性ポリエステル樹脂分散液(8)を得た。エバポレータ処理中に水分が蒸発し固形分濃度が上がってしまうため、適宜中断して蒸留水を添加し固形分を20%に調整した。エバポレータ処理時間は蒸留水添加の時間を含まないものである。
実施例2において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(5)を、結晶性ポリエステル樹脂分散液(8)へ変更した以外は同様の操作にて、トナー(9)を得た。
実施例1において、ポリ塩化アルミニウムの添加量を0.33部から0.60部に、0.1%硝酸水溶液の添加量を37.5部から68部に、分散時間を6分から8分へ変更した以外は同様の操作にてトナー(10)を得た。
実施例1において、ポリ塩化アルミニウムの添加量を0.33部から0.16部に、0.1%硝酸水溶液の添加量を37.5部から18.0部に変更した以外は同様の操作にてトナー(11)を得た。
フェライト粒子(体積平均粒径35μm) 100部
トルエン 14部
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メタクリレート共重合体(共重合比:15/85) 2部
カーボンブラック(VXC72:キャボット社製) 0.2部
まずフェライト粒子を除く上記成分を10分間サンドミルにて攪拌させ、分散した被覆液を秤量し、次にこの被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら、60℃にて−20mmHgまで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mmHgで30分間攪拌乾燥させることによりキャリアを得た。このキャリアは1000V/cm印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
上記キャリア100部に対して、実施例及び比較例の各トナー8部をV型ブレンダーで20分間ブレンドした後、目開き212μmの振動ふるいにより凝集体を除去して各現像剤を得た。
上記キャリア2部に対して、実施例及び比較例の各トナー10部をV型ブレンダーで20分間ブレンドした後、目開き212μmの振動ふるいにより凝集体を除去して各補給用トナーを得た。
室温32℃、湿度75%の環境室にて、得られた現像剤を、DocuCentre Color 500 CP改造機の現像器に、補給用トナーをトナーカートリッジにそれぞれセットし、用紙上の各単色ベタ画像の現像トナー量を4.0g/m2に調整した。用紙にミラーコートプラチナ256GSMを用い、用紙のほぼ中心部に、5cm×5cmのプロセスブラック画像(実測現像トナー量11g/m2)を作製し、連続複写50枚のプリントをおこない、40枚目の画像に、蛍光灯の光を反射させて、傷の有無を目視にて評価した。
実施例1のトナーを用いた画像は、うっすらと傷らしきものがあったが注意しないとわからないレベルであり特に問題とはしなかった。実施例2と実施例3のトナーを用いた画像には傷は観られなかった。一方、比較例1のトナーを用いた画像は、2本の傷が確認された。比較例2と比較例3のトナーを用いた画像では、41枚目のプリントへわずかではあるが付着が観られた。容易に剥離できたものの、傷の有無以前に実使用上問題となる結果であった。比較例4のトナーは、画像に1本の傷が確認された。また、軽微ではあるがカブリトナーが観察された。比較例5のトナーは、41枚目のプリントへわずかではあるが付着が観られた。容易に剥離できたものの、傷の有無以前に実使用上問題となる結果であった。比較例6のトナーは、微粉側の粒度分布が悪く、また、41枚目のプリントへわずかではあるが付着が観られた。容易に剥離できたものの、傷の有無以前に実使用上問題となる結果であった。
Claims (4)
- 結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と着色剤とを含有し、乳化凝集法により製造されたトナー粒子と、外添剤と、を含有する電子写真用トナーであって、
ケトン系溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン又はジエチルケトンを、アルコール系溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール又はブタノールをそれぞれ10〜100ppm含有し、前記ケトン系溶剤及び前記アルコール系溶剤の合計が20〜150ppmであり、
前記トナー粒子が、アルミニウム、亜鉛及びカルシウムから選択される少なくとも1種の金属元素を元素組成比換算で0.05〜0.30%含有する電子写真用トナー。 - 前記ケトン系溶剤がメチルエチルケトンであり、前記アルコール系溶剤がイソプロパノールである請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 請求項1又は請求項2に記載の電子写真用トナーを含む電子写真用現像剤。
- 樹脂粒子を分散させた分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する凝集工程と、前記凝集粒子分散液を加熱して、前記凝集粒子を融合する融合工程とを含む、請求項1又は請求項2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
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