JP4125579B2 - コンピュータ保守料金割引システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータシステムに障害が発生して縮退運転した場合に、保守会社との間で締結している保守料金を割り引くコンピュータ保守料金割引システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータシステムのユーザは、保守会社との間で一定のコンピュータシステムの構成について保守契約を締結し、保守料金を支払っている。しかし、コンピュータシステムに障害が発生して使用不可能になったり、縮退運転をせざるを得なくなることがある。このような場合、コンピュータシステムが元通りに復旧するまでの間は、保守対象のコンピュータシステムが無くなったり、その構成の規模が減少されることになるので、コンピュータの保守料金は割り引かれて然るべきである。
【0003】
従来のこの種の技術として、ストレージ性能に関して締結したサービスレベル保証契約にもとづきストレージ性能に関する要求値を設定しておき、ストレージシステムの稼動状況を監視した結果により算出した稼動状況に関する値の平均値が要求値を満足していない記憶領域の契約者に対して、サービスレベル保証契約にもとづいて支払われた利用料の全部または一部を払い戻すようにしているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−182859(請求項4、図9)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、保守料金の割引対象はストレージのみであり、またコンピュータユーザ毎に異なるシステム構成に対応した割引システムとなっていないという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、割引対象の範囲をコンピュータシステムの全構成要素に拡張するとともに、コンピュータユーザ毎、縮退内容毎に異なった割引料金の設定を可能化したコンピュータ保守料金割引システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンピュータ保守料金割引システムは、ユーザコンピュータ(図1の10)と、該ユーザコンピュータの保守を行う保守会社側の分析システム(図1の20),契約システム(図1の30)および保守員端末(図1の40)とをインターネット(図1の50)で接続可能にしておき、分析システムは、ユーザコンピュータのシステム構成とユーザコンピュータの障害内容毎の診断プログラムと診断結果に対応した縮退情報とをデータベースに格納しており、ユーザコンピュータから障害内容の送付を受けると対応する診断プログラムを該ユーザコンピュータ送付する機能と、ユーザコンピュータから診断結果を受信すると可能な縮退の指示をユーザコンピュータに行う機能と、保守員端末に故障修理を指示する機能と、ユーザコンピュータから縮退運転情報を受信すると、それを確認して縮退運転情報を前記契約システムへ送信する機能とを有し、契約システムは、予め契約されたユーザコード毎の保守料金と縮退内容に対応する単位時間・単位システム構成当りの単位割引料金とをデータベースに格納しており、分析システムから縮退運転情報を受信すると、契約された保守料金から縮退内容で求まる料金を割引して当該ユーザコンピュータに通知する機能を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
【構成の説明】
図1は、本発明のコンピュータ保守料金割引システムの一実施例を示すブロック図であり、ユーザコンピュータ10と、保守会社側の分析システム20,契約システム30および保守員端末40とが各々インターネット50を介して接続されている。
【0011】
ユーザコンピュータ10はユーザに設置されたサーバ等のコンピュータシステムである。ユーザはユーザコンピュータ10のシステム構成について、保守会社との間で予め保守契約が締結されている。ユーザコンピュータ10は自己の自動障害検出機能を保有しており、ユーザコンピュータ10の障害を検出すると障害内容をインターネット50経由で分析システム20へ送付する。
【0012】
また、分析システム20から送付されてくる診断プログラムを実行し、その診断結果を分析システム20に送付する。そして、分析システム20からの縮退指示に基づいて障害時の縮退運転等の措置を講じて運転を続行できる。更に、保守員端末40から修理完了報告を受信すると、縮退運転情報を分析システム20へ送付する。
【0013】
分析システム20は、保守会社によって運用され、ユーザコンピュータ10から障害内容の送付を受けると、ユーザコンピュータ10の縮退運転が可能かどうかを自動的に判断して診断プログラムを送付する。そして、ユーザコンピュータ10から診断結果を受信すると、縮退の指示をユーザコンピュータ10に行うとともに、保守員端末40に故障修理を指示する。また、ユーザコンピュータ10から縮退運転情報を受信すると、それを確認して縮退運転情報を契約システム30へ送信する。分析システム20は、図2に示すとおり処理装置21と障害分析DB22とで構成されている。
【0014】
処理装置21はサーバ等の情報処理装置であり、ユーザコンピュータ10からの障害通報を受信すると障害分析DB22を検索し、障害の詳細分析と縮退運転が可能かどうかを判断する。その結果、縮退運転が可能なら障害内容に対応する診断プログラムをユーザコンピュータ10に送付する。
【0015】
また、ユーザコンピュータ10から診断結果を受信すると、障害分析DB22から縮退情報を読み出して縮退の指示をユーザコンピュータ10に送付する。更に、処理装置21は保守員端末40に対してが障害箇所の修理を指示する。そして、修理完了報告を受信すると、ユーザコンピュータ10からの縮退運転情報を確認して縮退運転情報をインターネット50経由で契約システム30へ送付する機能を有する。
【0016】
障害分析DB22は、障害内容に対応した診断プログラム(図4)と、ユーザコード毎のシステム構成(図5)と、診断結果に対応した縮退情報(図示省略)を格納したデータベースである。図4では、メモリーエラー,ハードデスクエラー,CPUエラー,二重化エラーに対して、それぞれ診断プログラムAAAA,BBBB,CCCC,DDDDが対応することが例示されている。また、図5では、ユーザコードY1のユーザコンピュータ10のシステム構成として、ハードデスクが5台と、メモリー容量が512MBであることと、CPUが2台であることとが例示されている。
【0017】
契約システム30は、保守会社によって運用され、分析システム20から縮退運転情報の送付を受けると、縮退運転時の割引料金を算出して保守料金割引情報をユーザコンピュータ10に送付する。契約システム30は、図3に示すとおり処理装置31と保守契約DB32とで構成されている。
【0018】
処理装置31は、パソコン等の情報処理装置であり、分析システム20から縮退運転情報を受信すると、保守契約DB32を検索して、契約された保守料金から縮退内容で求まる料金を割引してユーザコンピュータに通知する。
【0019】
保守契約DB32は予め契約されたユーザコード毎の保守料金(図6)と縮退内容に対応する割引料金(図7)が格納されたデータベースである。図6では、ユーザコードY1のユーザコンピュータ10の保守料金はxxxx、ユーザコードY2のユーザコンピュータ10の保守料金はyyyyであることが例示されている。また、図7では、メモリー,ハードデスク,CPU,二重化それぞれの単位割引料金は、aaaa,bbbb,cccc,ddddであることが例示されている。単位割引料金とは、単位時間・単位システム構成当りの割引料金をいい、単位構成とは、例えばハードデスク1台、メモリーボード1枚、CPU1台を指す。
【0020】
保守員端末40は、保守会社に所属するユーザコンピュータ10の保守員が携帯する携帯端末であり、分析システム20からの指示によりユーザコンピュータ10を修理し、修理完了を分析システム20へ報告する目的で使用される。
【0021】
【動作の説明】
次に、以上のように構成された本実施例の動作について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。以下の説明では、ユーザコードY1のユーザコンピュータ10においてメモリー障害が発生したものとする。
【0022】
先ず、ユーザコンピュータ10に障害を発生すると、ユーザコンピュータが備えている障害検出機能により障害の検出と障害箇所を特定し、予め登録されたユーザコードY1とともに“メモリーエラーが発生した”という障害情報をインターネット50経由で分析システム20へ送付する(図8のステップS1)。このとき、メモリーエラーが発生した日時も送付する。
【0023】
分析システム20では、処理装置21がメモリーエラーをキーに障害分析DB22を検索してメモリーエラーに対応する診断プログラムAAAAを抽出し、インタネット50を介してユーザコンピュータ10へ診断プログラムAAAAを送付する(ステップS2)。
【0024】
ユーザコンピュータ10は、送付されてきた診断プログラムAAAAによりユーザコンピュータ10を診断し、その結果、“アドレス○○〜アドレス□□までが使用不能”という診断結果を分析システム20へ送付する(ステップS3)。処理装置21は、ユーザコードY1をキーに再度、障害分析DB22を検索して、診断結果に対応した縮退情報を読み出す(ステップS4)。
【0025】
次に、処理装置21は、診断結果に対応した縮退情報により、ユーザコンピュータ10に搭載されているメモリー容量(512MB)から使用不能アドレス(○○〜□□)分の切離し指示をインターネット50経由でユーザコンピュータ10へ送付する(ステップS5)。ユーザコンピュータ10は使用不能アドレス○○〜□□を切り離して稼働を続行する(ステップS6)。
【0026】
また、分析システム20は、インターネット50経由で保守員端末40に対して、ユーザコンピュータ10で故障したメモリーの修理を指示する(ステップS7)。保守員端末40を携帯する保守員は、ユーザコードY1のユーザ先へ出向いてユーザコンピュータ10のメモリーを修理(部品の交換)し、修理完了して動作の正常性を確認後、完了報告を分析システム20とユーザコンピュータ10へ送付する(ステップS8)。
【0027】
分析システム20は修理完了報告を受信すると、正常運転を確認の上で(ステップS9)、“ユーザコードY1のユーザコンピュータ10はメモリーエラーによる縮退運転を実施”という縮退運転情報をインターネット50経由で分析システム20へ送付する(ステップS10)。縮退運転情報には、縮退運転(ステップS6)を開始した日時から、メモリーの正常動作確認(ステップS9)ができた日時までの縮退時間が含まれる。分析システム20は、縮退指示(ステップS5)から修理完了報告(ステップS8)までの日時で求まる時間と、ユーザコンピュータ10から送付されてくる縮退時間とを比較して、縮退時間を確定の上で縮退運転情報を契約システム30へ送付する(ステップS11)。
【0028】
契約システム30では、縮退運転情報を受信後、処理装置31は保守契約DB32を検索してユーザコードY1の保守料金xxxxとメモリー縮退時の単位時間当りの割引料金aaaaを抽出する。そして、単位時間当りの割引料金aaaaに縮退時間を乗じて割引料金を算出し、ユーザコードY1のユーザ先へ“保守料金xxxxの内、メモリーエラーによる縮退運転によりa1を割り引きします”との割引料金情報を送付する(スップS12)。
【0029】
【効果の説明】
以上に説明したように、本発明は、縮退運転時の保守料金割引の対象をコンピュータシステムの全構成要素に拡張するとともに、コンピュータユーザ毎、縮退内容毎に異なった割引料金の設定を可能化し、更に縮退時間に比例した割引きを可能化したため、コンピュータシステムのユーザは、縮退運転による運用制限に応じて、きめ細かい保守料金の割引サービスを受けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンピュータ保守料金割引システムの一実施例を示すブロック図
【図2】図1における分析システム20の構成を例示する図
【図3】図1における契約システム30の構成を例示する図
【図4】図2における障害分析DB22が格納している障害内容毎の診断プログラムを例示する図
【図5】図2における障害分析DB22が格納しているユーザコード毎のシステム構成を例示する図
【図6】図3における保守契約DBが格納しているユーザコード毎の保守料金を例示する図
【図7】図3における保守契約DBが格納している縮退内容毎の割引料金を例示する図
【図8】図1〜図7に示した実施例の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
10 ユーザコンピュータ
20 分析システム
21 処理装置
22 障害分析データベース
30 契約システム
31 処理装置
32 保守契約データベース
40 保守員端末
50 インターネット
Claims (2)
- ユーザコンピュータと、該ユーザコンピュータの保守を行う保守会社側の分析システム,契約システムおよび保守員端末とをインターネットで接続可能にしておき、
前記分析システムは、前記ユーザコンピュータのシステム構成と前記ユーザコンピュータの障害内容毎の診断プログラムと診断結果に対応した縮退情報とをデータベースに格納しており、前記ユーザコンピュータから障害内容の送付を受けると対応する診断プログラムを該ユーザコンピュータ送付する機能と、ユーザコンピュータから診断結果を受信すると可能な縮退の指示をユーザコンピュータに行う機能と、前記保守員端末に故障修理を指示する機能と、ユーザコンピュータから縮退運転情報を受信すると、それを確認して縮退運転情報を前記契約システムへ送信する機能とを有し、
前記契約システムは、予め契約されたユーザコード毎の保守料金と縮退内容に対応する単位時間・単位システム構成当りの単位割引料金とをデータベースに格納しており、前記分析システムから縮退運転情報を受信すると、契約された保守料金から縮退内容で求まる料金を割引して当該ユーザコンピュータに通知する機能を有することを特徴とするコンピュータ保守料金割引システム。 - 前記分析システムにおける縮退運転情報の確認は、前記ユーザコンピュータへの縮退指示から前記保守員端末による修理完了報告までの日時で求まる時間と、前記ユーザコンピュータから送付されてくる縮退運転情報に含まれている縮退時間とを比較することにより行うことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ保守料金割引システム。
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