JP4124994B2 - 色分解合成光学系、画像表示光学系、投射型画像表示装置および偏光分離光学系 - Google Patents

色分解合成光学系、画像表示光学系、投射型画像表示装置および偏光分離光学系 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光ビームスプリッターを用いて照明光の色分解や画像表示素子により変調された複数の色光の合成を行う色分解合成光学系、画像表示光学系および投射型画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射型液晶表示素子と偏光ビームスプリッターを組み合わせた投射型画像表示装置は、例えば米国特許第6,183,091号に開示されている。この米国特許に係る装置では、図19に示すように、4つの偏光ビームスプリッター218,220,228,224と3つの色選択性位相差板216,226,234で構成されている。
【0003】
ここで、色選択性位相差板とは、可視光の波長領域において、所定の波長領域の光の偏光方向を90度変換し、その他の波長の光の偏光方向は変化させない作用を有するものである。
【0004】
上記米国特許に係る装置では、光源200からの直線偏光光(S偏光)を第1の色選択性位相差板216により青(B)の光のみ偏光方向を90度回転させ(P偏光)て第1の偏光ビームスプリッター218に入射させる。第1の偏光ビームスプリッター218では、P偏光であるBの光を透過させ、S偏光であるB以外の緑(G)と赤(R)の光を反射することで色分離を行う。
【0005】
そして、Bの光(P偏光)は第2の偏光ビームスプリッター220を透過して反射型液晶表示素子B222に至る。また、G,Rの光は第2の色選択性位相差板226に入射し、Gの偏光方向のみ90度変換され(P偏光)、第3の偏光ビームスプリッター228に入射する。この第3の偏光ビームスプリッター228は、P偏光であるGの光を透過させ、S偏光であるRの光を反射させることで色分離し、G,Rのそれぞれの光は反射型液晶表示素子G232,R230に至る。
【0006】
反射型液晶表示素子B222で画像変調された光のP偏光成分は、第2の偏光ビームスプリッター220を透過し、光源200側に戻る。また、S偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター220で反射して投射光となる。
【0007】
反射型液晶表示素子R230で画像変調された光のS偏光成分は、第3の偏光ビームスプリッター228で反射し、光源200側に戻る。また、P偏光成分は第3の偏光ビームスプリッター228を透過して投射光となる。
【0008】
さらに、反射型液晶表示素子G232で画像変調された光のP偏光成分は、第3の偏光ビームスプリッター228を透過して光源側に戻り、S偏光成分は第3の偏光ビームスプリッター228で反射して投射光となる。
【0009】
GとRの投射光は、第3の色選択性位相差板234に入射して、Gの偏光方向が90度回転し、G,Rの光はP偏光にそろえられ、第4の偏光ビームスプリッター224を透過する。一方、前述したS偏光であるBの光は第4の偏光ビームスプリッター224で反射する。これにより、RGBの光は1つに合成され、スクリーン等の被投射面にカラー画像が投影される。
【0010】
この構成において、光源200側からの照明光により、反射型液晶表示素子222,230,232が発熱することが予想される。
【0011】
ここで、各反射型液晶表示素子において均一な発熱がなされればよいが、通常は、反射型液晶表示素子の中心部と周辺部とが温度差を持ち、反射型液晶表示素子の中心部の方が周辺部よりも温度が高くなってしまうことが多い。
【0012】
この場合、液晶はV−T特性により、温度差によって各色の透過率が変化するため、反射型液晶表示素子の中心部と周辺部とで透過率差に起因した投射画像の色の不均一(色むら)が発生し、投射画像の品位が低下してしまうという欠点がある。
【0013】
このような反射型液晶表示素子における発熱温度の均一化を図る対策として、特開平6−194621号公報には、個々の反射型液晶表示素子の周辺部に冷却ファンを設け、反射型液晶表示素子自体に直接、冷却風を与えることで、反射型液晶表示素子の中心部と周辺部との温度差を極力抑え、投射画像の色むらを減少させる方法が提案されている。
【0014】
また、特開平11−305203号公報には、反射型液晶表示素子に周辺部にヒータを設けて加熱することで、反射型液晶表示素子の中心部と周辺部との温度差を極力抑え、投射画像の色むらを減少させる方法が提案されている。
【0015】
ところで、照明光による発熱が予想される発生する部分としては、反射型液晶表示素子だけではなく、偏光ビームスプリッターも挙げられる。この偏光ビームスプリッターにおいては、内部に温度差を持つと、偏光ビームスプリッターを形成している光学硝材自体に内部応力が発生することになり、その結果、光弾性の影響で入射光の直線偏光が楕円偏光とする複屈折が発生し(望まない偏光成分が発生し)、所望の偏光分離作用(反射・透過)が確実に行なわれなくなる。
【0016】
そしてその結果、所望の偏光分離作用が及ばなかったいわゆる漏れ光が被投射面に到達しまうことになり、投射画像のコントラストおよび品位が低下してしまう。
【0017】
そこで、偏光ビームスプリッターにおける発熱温度の均一化を図る対策として、前述した特開平6−194621号公報や特開平11−305203号公報にて提案の方法を応用し、個々の偏光ビームスプリッターの周辺部に冷却ファン又はヒータを設け、偏光ビームスプリッター内で温度差が生じないようにすることが考えられる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、偏光ビームスプリッターは液晶表示素子に比べて体積が大きく、これを1つの冷却ファンで冷却したり1つのヒータで加熱したりしようとしても、冷却ファン又はヒータに対向する面側の部分はよく冷却又は加熱されるが、他の部分の冷却又は加熱が不十分となり、偏光ビームスプリッター全体を均一温度化することは難しい。
【0019】
この結果、偏光ビームスプリッター内に温度差が生じることを確実に防止することができず、上記の問題を解消することができない。
【0020】
そこで、本発明では、偏光ビームスプリッターの温度の均一化を図れるようにした色分解合成光学系および画像表示光学系、投射型画像表示装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の目的を達成するために、本発明では、光源からの照明光を複数の色光に分解し、複数の色光を複数の画像表示素子にそれぞれ導き、画像表示素子によって変調された複数の色光を合成する色分解合成光学系であって、入射する第1の面、出射する第2の面および、第1及び第2の面とは異なる複数の第3の面を有する偏光ビームスプリッターと、偏光ビームスプリッターにおける複数の第3の面の側にそれぞれ配置され、複数の第3の面における温度をそれぞれ調整する複数の温度調整手段と、偏光ビームスプリッターの温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段による検出結果に基づき、複数の温度調整手段のうち少なくとも1つを制御することにより、複数の第3の面における温度差を調整する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
このように、偏光ビームスプリッターにおける複数の第3の面(色入射する面でも出射する面でもない面の側にそれぞれ配置され、複数の第3の面における温度をそれぞれ調整する複数の温度調整手段を作用させ、温度検出手段の検出結果に基づいて少なくとも1つの温度調整手段による冷却又は加熱を制御することで、体積の大きな偏光ビームスプリッター内の温度分布を略均一化することが可能となる。
【0023】
例えば、各温度調整手段による偏光ビームスプリッターの温度変化をそれぞれ温度センサ(温度検出手段)で検出し、これら複数の温度センサの検出結果が略等しくなるように各温度調整手段を制御すればよい。
【0024】
これにより、偏光ビームスプリッターを形成している光学硝材等での内部応力の発生による複屈折作用によって所望の偏光分離作用が行なわれなくなるのを防止することが可能となる。
【0025】
したがって、この色分解合成光学系を用いて画像表示光学系や投射型画像表示装置を構成することにより、偏光分離時の漏れ光による表示画像のコントラストおよび品位の低下を防止することが可能となる。
【0026】
また、制御手段によって、偏光ビームスプリッターの温度が画像表示素子の制御温度に近づくように少なくとも1つの温度調整手段を制御するとよい。画像表示素子は偏光ビームスプリッターの近傍に配置されるため、両者の温度を略等しくしておくことにより、一方の温度が他方の温度に影響されず、温度管理が容易になる。
【0027】
なお、温度調整手段としては、冷却ファンや放熱又は吸熱を行う面を偏光ビームスプリッターに接触させたペルチエ素子や放熱部材等を用いたり、ヒータや温風ファンや発熱を行う面を偏光ビームスプリッターに接触させたペルチエ素子等を用いたりすることができる。
【0028】
特に、ペルチエ素子は、冷却又は温風ファンに比べて小型であり、音を発生しないため、光学系や投射型画像装置の小型化および装置の静音化にも有効である。
【0029】
また、複数の温度調整手段のうちの1つとして冷却ファンを用いる場合、その冷却ファンは偏光ビームスプリッターの冷却専用のものでなくてもよく、例えば画像表示素子を冷却するファンと兼用してもよい。この場合、制御手段によってこの冷却ファンを制御する必要がなく、またスペース的、コスト的に有利となる。
【0030】
さらに、加熱部材を用いる場合において、光源からの照明光による偏光ビームスプリッターの加熱温度をT1、複数の温度調整手段による偏光ビームスプリッターの発熱温度をT2とするとき、T1≦T2なる条件を満足するようにするとよい。
【0031】
すなわち、偏光ビームスプリッターの中心部が照明光により常時T1に加熱されていることを利用して、偏光ビームスプリッターの全体がその温度と同じかそれ以上(T2)となるように温度調整手段を制御することにより、温度調整手段は補助的加熱を行うのみで足り、省電力化に有効となる。
【0032】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態である投射型画像表示装置の光学系の構成を示している。
【0033】
図1において、1は連続スペクトルで白色光を発光する光源、2は光源1からの光を所定の方向に集光するリフレクターである。3aは矩形のレンズをマトリックス状に配置した第1のフライアイレンズ、3bは第1のフライアイレンズ3aの個々のレンズに対応したレンズアレイからなる第2のフライアイレンズである。4は無偏光光を所定の偏光方向の光に揃える偏光変換素子、5aはコンデンサーレンズ、5bはフィールドレンズ、5cはミラーである。
【0034】
また、6は青(B)と赤(R)の波長領域の光を透過し、緑(G)の波長領域の光を反射するダイクロイックミラーである。7はGとRの中間の波長領域の光を一部カットするカラーフィルターである。8aはR光の偏光方向を90度変換し、B光の偏光方向は変換しない第1の色選択性位相差板であり、8bはB光の偏光方向を90度変換し、Rの光の偏光方向は変換しない第2の色選択性位相差板である。
【0035】
11a、11b、11cはそれぞれ、P偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離面を有する第1、第2および第3の偏光ビームスプリッターである。これら偏光ビームスプリッター11a、11b、11cは、一対の三角柱プリズム形状の光学硝子を接合して構成されたものであり、接合面には多層膜からなる偏光分離面が形成されている。
【0036】
12r、12g、12bはそれぞれ、入射した光を反射するとともに、画像変調して画像光を射出する(画像を表示する)赤用の反射型液晶表示素子、緑用の反射型液晶表示素子および青用の反射型液晶表示素子である。
【0037】
なお、これら反射型液晶表示素子12r、12g、12bには不図示の駆動回路が接続されており、この駆動回路には、不図示のパーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオ、DVD等の画像情報供給装置から画像情報が供給される。駆動回路はその画像情報に基づいて反射型液晶表示素子を駆動し、各色用の画像を表示させる。
【0038】
13g、13r、13bはそれぞれ、緑用の第1の1/4波長板、赤用の第2の1/4波長板、青用の第3の1/4波長板である。14は投射レンズである。
【0039】
なお、以上の光源1から投射レンズ14までの光学系全体が画像表示光学系であり、このうちダイクロイックミラー6から第3の偏光ビームスプリッター11cまでが色分解合成光学系である。
【0040】
光源1から発した照明光(白色光)は、第1のフライアイレンズ3aおよび第2フライアイレンズ3bを透過し、さらに偏光変換素子4によってP偏光にそろえられる。P偏光にそろえられた照明光は、コンデンサーレンズ5aを透過し、ミラー5cで反射し、フィールドレンズ5bを透過してダイクロイックミラー6に入射する。ダイクロイックミラー6に入射した照明光は、G光成分の反射とRおよびB光成分の透過とによってG光とRおよびB光とに分解される。
【0041】
ダイクロイックミラー6によって反射されたP偏光のG光は、カラーフィルター7を介して第1の偏光ビームスプリッター11aに入射する。P偏光のG光は、第1の偏光ビームスプリッター11aの偏光分離面を透過し、緑用の第1の1/4波長板13gを介して緑用の反射型液晶表示素子12gに入射する。
【0042】
この際、偏光変換素子4の変換効率が有限の値であるために照明光にわずかに混在するS偏光光は、第1の偏光ビームスプリッター11aの偏光分離面によって反射され、主光路から除去される。
【0043】
P偏光のG光が緑用の反射型液晶表示素子12gに入射したとき、黒表示の際には入射光に対して反射型の液晶表示素子12gは作用をせず、入射したG光は第1の1/4波長板13gを介して再度第1の偏光ビームスプリッター11aに入射し、第1の偏光ビームスプリッター11aの偏光分離面を透過して光源1側に戻る。
【0044】
また、白色表示を行なう際には、緑用の反射型液晶表示素子12gは入射光の偏光方向を90度回転させるために、出射光はS偏光となり、第1の1/4波長板13gを介して第1の偏光ビームスプリッター11aに再度入射する。
【0045】
S偏光となったG光は、第1の偏光ビームスプリッター11aの偏光分離面で反射され、第3の偏光ビームスプリッター11cに入射して第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面で反射された後、投射レンズ14を介して不図示のスクリーン(被投射面)上に像を結ぶ。
【0046】
一方、ダイクロイックミラー6を透過したRとBの光は、第1の色選択性位相差板8aに入射する。ここで、R光の偏光はP偏光からS偏光に変換され、S偏光のR光とP偏光のB光は第2の偏光ビームスプリッター11bに入射する。
【0047】
第2の偏光ビームスプリッター11bにS偏光で入射したR光は、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面で反射され、第2の1/4波長板13rを介して赤用の反射型液晶表示素子12rに入射する。
【0048】
S偏光のR光が赤用の反射型液晶表示素子12rに入射したとき、黒表示の際には、入射された光に対して赤用の反射型液晶表示素子12rは作用をせず、入射したS偏光のR光は第2の1/4波長板13rを介して第2の偏光ビームスプリッター11bに再度入射し、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面を反射して光源1側に戻る。
【0049】
また、白色表示を行なう際には、赤用の反射型液晶表示素子12rは入射光の偏光方向を90度回転させるために出射光はP偏光となり、この出射光は第2の1/4波長板13rを介して第2の偏光ビームスプリッター11bに再度入射して、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面を透過し、第2の色選択性位相差板8bに入射する。
【0050】
なお、第2の色選択性位相差板8bはB光の偏光方向を変換する作用を持つものであり、R光には作用をしない。
【0051】
その後、P偏光のR光は、第3の偏光ビームスプリッター11cに入射して第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面を透過し、投射レンズ14を介して、不図示のスクリーン上に像を結ぶ。
【0052】
また、第2の偏光ビームスプリッター11bにP偏光として入射したB光は、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面を透過し、第3の1/4波長板13bを介して青用の反射型液晶表示素子12bに入射する。
【0053】
P偏光のB光が青用の反射型液晶表示素子12bに入射したとき、黒表示の際には、入射光に対して青用の反射型液晶表示素子12bは作用をせず、入射したP偏光のB光は第3の1/4波長板13bを介して第2の偏光ビームスプリッタ−11bに再度入射し、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面を透過して光源1側に戻る。
【0054】
また、白色表示を行なう際には、青用の反射型液晶表示素子12bは入射光の偏光方向を90度回転させるために出射光はS偏光となり、この射出光は第3の1/4波長板13bを介して第2の偏光ビームスプリッター11bに再度入射して、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面で反射され、第2の色選択性位相差板8bに入射する。
【0055】
第2の色選択性位相差板8bはB光の偏光方向を変換する作用を持つものであるため、B光はS偏光からP偏光に変換され、第3の偏光ビームスプリッター11cに入射する。
【0056】
その後、第3の偏光ビームスプリッター11cに入射したB光は、第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面を透過した後、投射レンズ14を介して不図示のスクリーン上に像を結ぶ。
【0057】
このように構成された投射型画像表示装置において、通常、光源1からの照明光により光が透過・反射する部分は発熱する。このため、偏光ビームスプリッター11a、11b、11cも発熱することになる。
【0058】
偏光ビームスプリッター11a、11b、11cの温度分布としては、照明光の分布(中心光と周辺光)や偏光ビームスプリッターの形状、体積等により、偏光ビームスプリッター全体が均一の温度になることはなく、温度差を持った温度分布になる。
【0059】
このように、偏光ビームスプリッター内で温度差が生じると、この偏光ビームスプリッターを構成する光学硝材に内部応力が発生することになり、その結果、光弾性により入射光の直線偏光が楕円偏光となる複屈折が発生する。このため、望まない偏光成分が偏光分離面に入射し、この偏光分離面での反射・透過が確実に行なわれなくなる(反射・透過の関係が崩れる)。これにより、被投射面(スクリーン上)に偏光分離面での漏れ光が到達してしまうことにより、投射画像のコントラストおよび品位が低下する。
【0060】
そこで、本実施形態では、図1に示すように、偏光ビームスプリッター11a、11b、11cのそれぞれに、第1の冷却ユニットと、偏光ビームスプリッターにおける第1の冷却ユニットにより冷却される側の部分の温度を検出する温度センサと、偏光ビームスプリッターにおける第1の冷却ユニットが対向又は接触配置された面の反対側の面に対向又は接触配置された第2の冷却ユニットと、温度センサによる検出結果に基づいて第1の冷却ユニットを制御する温度制御回路とが設けられている。
【0061】
そして、本実施形態では、温度センサによる検出温度に基づいて、第2の冷却ユニットの冷却温度に合わせて第1の冷却ユニットを温度制御回路にて制御するよう構成している。これにより、偏光ビームスプリッター11a、11b、11c内で略均一な温度分布を持つことになり、高いコントラストで高品位な投射画像を得ることができる。
【0062】
次に、第1および第2の冷却ユニットを設けた理由と、その具体的構成について図2を用いて説明する。
【0063】
図2は、偏光ビームスプリッター11aのみを示した図である。偏光ビームスプリッター11b、11cについては構成が同じであるため、説明を省略する。
【0064】
図2に示すように、偏光ビームスプリッター11aはその全体が直方体若しくは立方体形状に形成されている。21は偏光ビームスプリッター11aを冷却可能な冷却ファン(第1の冷却ユニット)であり、偏光ビームスプリッター11aにおける光源1からの照明光が透過(入射又は射出)しない面(図2の上面)に対向するよう配置されている。
【0065】
22は偏光ビームスプリッター11aに接触することにより、この偏光ビームスプリッター11aを冷却する放熱部材(第2の冷却ユニット)であり、偏光ビームスプリッター11aよりも熱伝導率が高い材料にて形成されている。この放熱部材22は、偏光ビームスプリッター11aにおける上記冷却ファン21が対向するよう配置された面の反対側の面(図2の下面)に固着されている。
【0066】
23は偏光ビームスプリッター11aにおける上記冷却ファン21が対向するよう配置された面の略中央に固着された温度センサであり、偏光ビームスプリッター11aの温度を検出して電気信号を出力する。
【0067】
この構成において、冷却ファン21および放熱部材22の2つの冷却ユニットを有している理由としては、偏光ビームスプリッター11aを冷却するには冷却ファン21のみでも冷却可能であるが、偏光ビームスプリッター11aにおいては、冷却ファン21を対向配置した面側の部分がほとんどの冷却風を受けるため、この面側の部分が最もよく冷却される。しかし、偏光ビームスプリッター11aは直方体又は立方体形状であり、体積も大きいため、冷却ファン21のみでは偏光ビームスプリッター11aの全体を十分に冷却することができず、特に冷却ファン21とは反対の面側の部分との間で温度差が生じやすい。
【0068】
そこで、本実施形態では、偏光ビームスプリッター11aにおける冷却ファン21側とは反対側の面に放熱部材22を固着し、こちら側の部分も十分に冷却されるようにしている。
【0069】
次に、冷却ファン21の制御について、図3を参照しながら説明する。なお、偏光ビームスプリッター11b、11cの冷却制御については偏光ビームスプリッター11aと同じであるため、ここでは偏光ビームスプリッター11aのみについて説明する。
【0070】
図3は、光源1からの照明光を偏光ビームスプリッター11aに入射させたときに、偏光ビームスプリッター11aの放熱部材22を設けた側の温度を時間軸で追ったときのグラフである。
【0071】
このグラフから分かるように、偏光ビームスプリッター11aの放熱部材22の固着面側は、ある時間までは徐々に温度が上昇しており、ある時間を過ぎるとほぼ一定温度となる。そこで、この特性を偏光ビームスプリッター11a用の温度制御回路に記憶しておく。
【0072】
この状態において、画像表示装置の電源がONされると、光源1が点灯される。光源1が点灯されたのとほぼ同時に、温度制御回路により冷却ファン21が回転駆動され、偏光ビームスプリッター11aにおける冷却ファン21側の部分を冷却する。
【0073】
この際、温度制御回路は、前述した図3のグラフにて示す偏光ビームスプリッター11aの放熱部材22による温度特性値と、温度センサ23による偏光ビームスプリッター11aの冷却ファン21側の温度検出値とが略等しい温度となるよう冷却ファン21の回転数を制御する。
【0074】
そして、この制御を繰り返すことにより、偏光ビームスプリッター11a内の温度は略均一化され、偏光ビームスプリッター11aの内部応力およびこれに起因した複屈折の発生が防止される。
【0075】
このように、3つの偏光ビームスプリッター11a、11b、11cの内部での温度分布が略均一化されることにより、各偏光分離面での漏れ光の発生を抑えることができ、高コントラストで高品位の投射画像を得ることができる。
【0076】
(第2実施形態)
図4および図5には、本発明の第2実施形態である投射型画像表示装置の構成を示している。なお、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素には第1実施形態と同符号を付して説明に代える。
【0077】
本実施形態において、光源1からの照明光により偏光ビームスプリッター11a、11b、11cが発熱する。
【0078】
そして、偏光ビームスプリッター11a、11b、11cの温度分布としては、照明光の分布(中心光と周辺光)や偏光ビームスプリッターの形状、体積等により、偏光ビームスプリッター全体が均一の温度になることはなく、温度差を持った温度分布になる。
【0079】
このように、偏光ビームスプリッター内で温度差が生じると、この偏光ビームスプリッターを構成する光学硝材に内部応力が発生することになり、その結果、光弾性により入射光の直線偏光が楕円偏光となる複屈折が発生する。このため、望まない偏光成分が偏光分離面に入射し、この偏光分離面での反射・透過が確実に行なわれなくなる(反射・透過の関係が崩れる)。これにより、被投射面(スクリーン上)に偏光分離面での漏れ光が到達してしまうことにより、投射画像のコントラストおよび品位が低下する。
【0080】
そこで、本実施形態では、図4に示すように、偏光ビームスプリッター11a、11b、11cのそれぞれに、第1の冷却ユニットと、偏光ビームスプリッターにおける第1の冷却ユニットにより冷却される側の部分の温度を検出する第1の温度センサと、偏光ビームスプリッターにおける第1の冷却ユニットが対向又は接触配置された面の反対側の面に対向又は接触配置された第2の冷却ユニットと、偏光ビームスプリッターにおける第2の冷却ユニットにより冷却される側の部分の温度を検出する第2の温度センサと、第1および第2の温度センサによる検出結果に基づいて第1の冷却ユニットを制御する温度制御回路とが設けられている。
【0081】
そして、本実施形態では、第1の冷却ユニットによる冷却温度の検出結果と第2の冷却ユニットによる冷却温度の検出結果とが略等しい温度になるように第1の冷却ユニットを温度制御回路にて制御するよう構成している。これにより、偏光ビームスプリッター11a、11b、11c内で略均一な温度分布を持つことになり、高いコントラストで高品位な投射画像を得ることができる。
【0082】
次に、第1および第2の冷却ユニットを設けた理由と、その具体的構成について図5を用いて説明する。
【0083】
図5は、偏光ビームスプリッター11aのみを示した図である。なお、偏光ビームスプリッター11b、11cについては構成が同じであるため説明を省略する。
【0084】
図5に示すように、偏光ビームスプリッター11aはその全体が直方体若しくは立方体形状に形成されている。31は偏光ビームスプリッター11aを冷却可能な冷却ファン(第1の冷却ユニット)であり、偏光ビームスプリッター11aにおける光源1からの照明光が透過(入射又は射出)しない面(図5の上面)に対向するよう配置されている。
【0085】
32は偏光ビームスプリッター11aに接触することにより、この偏光ビームスプリッター11aを冷却する放熱部材(第2の冷却ユニット)であり、偏光ビームスプリッター11aよりも熱伝導率が高い材料にて形成されている。この放熱部材32は、偏光ビームスプリッター11aにおける上記冷却ファン31が対向するよう配置された面の反対側の面(図5の下面)の周囲部分に固着されている。
【0086】
33は偏光ビームスプリッター11aにおける上記冷却ファン31が対向するよう配置された面の略中央に固着された第1の温度センサであり、偏光ビームスプリッター11aの温度を検出して電気信号を出力する。34は偏光ビームスプリッター11aにおける上記放熱部材32が固着された面の略中央に固着された第2の温度センサであり、偏光ビームスプリッター11aの温度を検出して電気信号を出力する。
【0087】
この構成において、冷却ファン31および放熱部材32の2つの温度調整手段としての冷却部材を有している理由としては、第1実施形態と同様に、偏光ビームスプリッター11aを冷却するには冷却ファン31のみでも冷却可能であるが、偏光ビームスプリッター11aにおいては、冷却ファン31を対向するよう配置した面側の部分がほとんどの冷却風を受けるため、この面側の部分が最もよく冷却される。しかし、偏光ビームスプリッター11aは直方体又は立方体形状であり、体積も大きいため、冷却ファン31のみでは偏光ビームスプリッター11aの全体を十分に冷却することができず、特に冷却ファン31とは反対の面側の部分との間で温度差が生じやすい。
【0088】
そこで、本実施形態では、偏光ビームスプリッター11aにおける冷却ファン31側とは反対側の面に放熱部材32を固着し、こちら側の部分も十分に冷却されるようにしている。
【0089】
次に、冷却ファン31の制御について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。なお、偏光ビームスプリッター11b、11cの冷却制御については偏光ビームスプリッター11aと同じであるため、ここでは偏光ビームスプリッター11aのみについて説明する。
【0090】
画像表示装置の電源がONされると(♯101)、この表示装置の全体の制御を司る不図示のCPU等からなるメイン制御回路は光源1を点灯させる。次に、温度制御回路は温度制御を開始し(♯102)、放熱部材32側の偏光ビームスプリッター11aの温度を第2の温度センサ34により検出する(♯103,104)。
【0091】
一方、温度制御回路は、冷却ファン31を回転させ(♯105)、偏光ビームスプリッター11aを冷却する。また、この際、冷却ファン31側の偏光ビームスプリッター11aの温度を第1の温度センサ33にて検出する(♯106)。
【0092】
そして、光源1の照明光により偏光ビームスプリッター11aが徐々に加熱されるが、第1の温度センサ33により検出された温度が第2の温度センサ34により検出された温度以下である場合は(♯107)、温度制御回路は、冷却ファン31の回転数を減少させて、偏光ビームスプリッター11aにおける冷却ファン31側の部分の温度が上昇するように制御する(♯108)。そして、再度、第1の温度センサ33により偏光ビームスプリッター11aの温度を検出する
(♯106)。
【0093】
第1の温度センサ33により検出された温度が第2の温度センサ34により検出された温度を超えた場合には(♯107)、温度制御回路は、冷却ファン31の回転数を増加させ、偏光ビームスプリッター11aにおける冷却ファン31側の部分の温度が下降するように制御する(♯109)。そして、再度、第1の温度センサ33により偏光ビームスプリッター11aの温度を検出する(♯106)。
【0094】
このような制御を繰り返すことにより、偏光ビームスプリッター11a内の温度は第2の温度センサ34により検出される温度に略均一化され、偏光ビームスプリッター11aの内部応力およびこれに起因した複屈折の発生が防止される。
【0095】
このように、3つの偏光ビームスプリッター11a、11b、11cの内部での温度分布が略均一化されることにより、各偏光分離面での漏れ光の発生を抑えることができ、高コントラストで高品位の投射画像を得ることができる。
【0096】
なお、光源1からの照明光を偏光ビームスプリッター11aに入射させ、放熱部材32によって偏光ビームスプリッター11aの熱を放熱した際の偏光ビームスプリッター11aの温度を時間軸で追った際の特性は図3で説明したのと同じである。
【0097】
また、第1および第2実施形態では、2つの冷却ユニットのうち一方のみ冷却ファン用いたが、他方の冷却ユニットとして冷却ファン(定回転駆動するのが好ましい)を用いることも可能である。
【0098】
(第3実施形態)
図7および図8には、本発明の第3実施形態である投射型画像表示装置の構成を示している。なお、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素には第1実施形態と同符号を付して説明に代える。
【0099】
本実施形態において、光源1からの照明光により偏光ビームスプリッター11a、11b、11cが発熱する。
【0100】
そして、偏光ビームスプリッター11a、11b、11cの温度分布としては、照明光の分布(中心光と周辺光)や偏光ビームスプリッターの形状、体積等により、偏光ビームスプリッター全体が均一の温度になることはなく、温度差を持った温度分布になる。
【0101】
このように、偏光ビームスプリッター内で温度差が生じると、この偏光ビームスプリッターを構成する光学硝材に内部応力が発生することになり、その結果、光弾性により入射光の直線偏光が楕円偏光となる複屈折が発生する。このため、望まない偏光成分が偏光分離面に入射し、この偏光分離面での反射・透過が確実に行なわれなくなる(反射・透過の関係が崩れる)。これにより、被投射面(スクリーン上)に偏光分離面での漏れ光が到達してしまうことにより、投射画像のコントラストおよび品位が低下する。
【0102】
そこで、本実施形態では、図7に示すように、偏光ビームスプリッター11a、11b、11cのそれぞれに、第1の冷却ユニットと、偏光ビームスプリッターにおける第1の冷却ユニットにより冷却される側の部分の温度を検出する第1の温度センサと、偏光ビームスプリッターにおける第1の冷却ユニットが対向又は接触配置された面の反対側の面に対向又は接触配置された第2の冷却ユニットと、偏光ビームスプリッターにおける第2の冷却ユニットにより冷却される側の部分の温度を検出する第2の温度センサと、第1の冷却ユニットを一定状態で動作させるとともに第1および第2の温度センサによる検出結果に基づいて第2の冷却ユニットを制御する温度制御回路とが設けられている。
【0103】
そして、本実施形態では、第1の冷却ユニットによる冷却温度の検出結果と第2の冷却ユニットによる冷却温度の検出結果とが略等しい温度になるように第2の冷却ユニットを温度制御回路にて制御するよう構成している。これにより、偏光ビームスプリッター11a、11b、11c内で略均一な温度分布を持つことになり、高いコントラストで高品位な投射画像を得ることができる。
【0104】
次に、第1および第2の冷却ユニットを設けた理由と、その具体的構成について図8を用いて説明する。
【0105】
図8は、偏光ビームスプリッター11aのみを示した図である。なお、偏光ビームスプリッター11b、11cについては構成が同じであるため説明を省略する。
【0106】
図8に示すように、偏光ビームスプリッター11aはその全体が直方体若しくは立方体形状に形成されている。41は偏光ビームスプリッター11aを冷却可能な冷却ファン(第1の冷却ユニット)であり、偏光ビームスプリッター11aにおける光源1からの照明光が透過(入射又は射出)しない面(図8の上面)に対向するよう配置されている。
【0107】
42は電流を流すことにより片面が吸熱面(又は放熱面)となり、もう一方の面が発熱面となるシート状のペルチエ素子(第2の冷却ユニット)であり、吸熱面が偏光ビームスプリッター11aにおける上記冷却ファン31が対向するよう配置された面の反対側の面(図8の下面)の周囲部分に固着されている。
【0108】
43は偏光ビームスプリッター11aにおける上記冷却ファン41が対向するよう配置された面の略中央に固着された第1の温度センサであり、偏光ビームスプリッター11aの温度を検出して電気信号を出力する。44は偏光ビームスプリッター11aにおける上記ペルチエ素子42が固着された面の略中央に固着された第2の温度センサであり、偏光ビームスプリッター11aの温度を検出して電気信号を出力する。
【0109】
この構成において、冷却ファン41およびペルチエ素子42の温度調整手段としての2つの冷却部材を有している理由としては、第1実施形態と同様に、偏光ビームスプリッター11aを冷却するには冷却ファン41のみでも冷却可能であるが、偏光ビームスプリッター11aにおいては、冷却ファン41を対向するよう配置した面側の部分がほとんどの冷却風を受けるため、この面側の部分が最もよく冷却される。しかし、偏光ビームスプリッター11aは直方体又は立方体形状であり、体積も大きいため、冷却ファン41のみでは偏光ビームスプリッター11aの全体を十分に冷却することができず、特に冷却ファン41とは反対の面側の部分との間で温度差が生じやすい。
【0110】
そこで、本実施形態では、偏光ビームスプリッター11aにおける冷却ファン41側とは反対側の面にペルチエ素子42を固着し、こちら側の部分も十分に冷却されるようにしている。
【0111】
次に、ペルチエ素子42の制御について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、偏光ビームスプリッター11b、11cの冷却制御については偏光ビームスプリッター11aと同じであるため、ここでは偏光ビームスプリッター11aのみについて説明する。
【0112】
画像表示装置の電源がONされると(♯201)、この表示装置の全体の制御を司る不図示のCPU等からなるメイン制御回路は光源1を点灯させる。次に、温度制御回路は温度制御を開始し(♯202)、冷却ファン41を所定の回転数で回転させ(♯203)、偏光ビームスプリッター11aにおける冷却ファン41側の温度を第1の温度センサ43により検出する(♯204)。
【0113】
一方、温度制御回路は、ペルチエ素子42に電流を流して吸熱作用を生じさせ(♯205)、偏光ビームスプリッター11aを冷却する。また、この際、第2の温度センサ44により偏光ビームスプリッター11aにおけるペルチエ素子42側の部分の温度を検出する(♯206)。
【0114】
そして、光源1からの照明光により偏光ビームスプリッター11aが徐々に加熱されるが、第2の温度センサ44により検出される温度が第1の温度センサ43により検出される温度以下である場合は(♯207)、温度制御回路はペルチエ素子42に通電している電流値を減少させて、偏光ビームスプリッター11aにおけるペルチエ素子42側の温度が上昇するように制御し(♯208)、再度、第2の温度センサ44により偏光ビームスプリッター11aの温度を検出する(♯206)。
【0115】
第2の温度センサ44により検出される温度が第1の温度センサ43により検出される温度を超えた場合は(♯207)、温度制御回路はペルチエ素子42に通電している電流値を増加させ、偏光ビームスプリッター11aにおけるペルチエ素子42側の温度が下降するように制御し(♯209)、再度、第2の温度センサ44により偏光ビームスプリッター11aの温度を検出する(♯206)。
【0116】
このような制御を繰り返すことにより、偏光ビームスプリッター11a内の温度は第1の温度センサ43により検出される温度に略均一化され、偏光ビームスプリッター11aの内部応力およびこれに起因した複屈折の発生が防止される。
【0117】
このように、3つの偏光ビームスプリッター11a、11b、11cの内部での温度分布が略均一化されることにより、各偏光分離面での漏れ光の発生を抑えることができ、高コントラストで高品位の投射画像を得ることができる。
【0118】
なお、本実施形態では、冷却ファンの回転数制御は行わず、冷却ファンに一定の風量を供給させるようにしているので、冷却ファンとしては偏光ビームスプリッターの冷却専用のものである必要はなく、例えば、反射型液晶素子を冷却するファンの冷却風を利用してもよい。
【0119】
また、本実施形態では、第2の冷却ユニットとして冷却ファンを用いた場合について説明したが、第1および第2実施形態にて用いた放熱部材を使用したり、定電流を通電するペルチエ素子を用いてもよい。この場合、ペルチエ素子からも放熱部材からも冷却ファンのような騒音が発生しないので、画像表示装置の静音化に有効である。しかも、ペルチエ素子はシート状であるので、冷却ファンを用いる場合に比べて光学系および装置を小型化することができる。
【0120】
(第4実施形態)
10には、本発明の第3実施形態である投射型画像表示装置の構成を示している。
【0121】
図11において、101は連続スペクトルで白色光を発光する光源、102は光源101からの光を所定の方向に集光するリフレクターである。103aは矩形のレンズをマトリックス状に配置した第1のフライアイレンズ、103bは第1のフライアイレンズ103aの個々のレンズに対応したレンズアレイからなる第2のフライアイレンズである。104は無偏光光を所定の偏光方向の光に揃える偏光変換素子、105aはコンデンサーレンズ、105bはフィールドレンズ、105cはミラーである。
【0122】
また、106は青(B)と赤(R)の波長領域の光を透過し、緑(G)の波長領域の光を反射するダイクロイックミラーである。107はGとRの中間の波長領域の光を一部カットするカラーフィルターである。108aはR光の偏光方向を90度変換し、B光の偏光方向は変換しない第1の色選択性位相差板であり、108bはB光の偏光方向を90度変換し、Rの光の偏光方向は変換しない第2の色選択性位相差板である。
【0123】
111a、111b、111cはそれぞれ、P偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離面を有する第1、第2および第3の偏光ビームスプリッターである。これら偏光ビームスプリッター111a、111b、111cは、一対の三角柱プリズム形状の光学硝子を接合して構成されたものであり、接合面には多層膜からなる偏光分離面が形成されている。
【0124】
112r、112g、112bはそれぞれ、入射した光を反射するとともに、画像変調して画像光を射出する(画像を表示する)赤用の反射型液晶表示素子、緑用の反射型液晶表示素子および青用の反射型液晶表示素子である。なお、これら反射型液晶表示素子112r、112g、112bには不図示の駆動回路が接続されており、この駆動回路には、不図示のパーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオ、DVD等の画像情報供給装置から画像情報が供給される。駆動回路はその画像情報に基づいて反射型液晶表示素子を駆動し、各色用の画像を表示させる。
【0125】
113g、113r、113bはそれぞれ、緑用の第1の1/4波長板、赤用の第2の1/4波長板、青用の第3の1/4波長板である。114は投射レンズである。
【0126】
なお、以上の光源101から投射レンズ114までの光学系全体が画像表示光学系であり、このうちダイクロイックミラー106から第3の偏光ビームスプリッター111cまでが色分解合成光学系である。
【0127】
光源101から発した照明光(白色光)は、第1のフライアイレンズ103aおよび第2フライアイレンズ103bを透過し、さらに偏光変換素子104によってP偏光にそろえられる。P偏光にそろえられた照明光は、コンデンサーレンズ105aを透過し、ミラー105cで反射し、フィールドレンズ105bを透過してダイクロイックミラー106に入射する。ダイクロイックミラー106に入射した照明光は、G光成分の反射とRおよびB光成分の透過とによってG光とRおよびB光とに分解される。
【0128】
ダイクロイックミラー106によって反射されたP偏光のG光は、カラーフィルター107を介して第1の偏光ビームスプリッター111aに入射する。P偏光のG光は、第1の偏光ビームスプリッター111aの偏光分離面を透過し、緑用の第1の1/4波長板113gを介して緑用の反射型液晶表示素子112gに入射する。
【0129】
この際、偏光変換素子104の変換効率が有限の値であるために照明光にわずかに混在するS偏光光は、第1の偏光ビームスプリッター111aの偏光分離面によって反射され、主光路から除去される。
【0130】
P偏光のG光が緑用の反射型液晶表示素子112gに入射したとき、黒表示の際には入射光に対して反射型の液晶表示素子112gは作用をせず、入射したG光は第1の1/4波長板113gを介して再度第1の偏光ビームスプリッター111aに入射し、第1の偏光ビームスプリッター111aの偏光分離面を透過して光源101側に戻る。
【0131】
また、白色表示を行なう際には、緑用の反射型液晶表示素子112gは入射光の偏光方向を90度回転させるために、出射光はS偏光となり、第1の1/4波長板113gを介して第1の偏光ビームスプリッター111aに再度入射する。
【0132】
S偏光となったG光は、第1の偏光ビームスプリッター111aの偏光分離面で反射され、第3の偏光ビームスプリッター111cに入射して第3の偏光ビームスプリッター111cの偏光分離面で反射された後、投射レンズ114を介して不図示のスクリーン(被投射面)上に像を結ぶ。
【0133】
一方、ダイクロイックミラー106を透過したRとBの光は、第1の色選択性位相差板108aに入射する。ここで、R光の偏光はP偏光からS偏光に変換され、S偏光のR光とP偏光のB光は第2の偏光ビームスプリッター111bに入射する。
【0134】
第2の偏光ビームスプリッター111bにS偏光で入射したR光は、第2の偏光ビームスプリッター111bの偏光分離面で反射され、第2の1/4波長板113rを介して赤用の反射型液晶表示素子112rに入射する。
【0135】
S偏光のR光が赤用の反射型液晶表示素子112rに入射したとき、黒表示の際には、入射された光に対して赤用の反射型液晶表示素子112rは作用をせず、入射したS偏光のR光は第2の1/4波長板113rを介して第2の偏光ビームスプリッター111bに再度入射し、第2の偏光ビームスプリッター111bの偏光分離面を反射して光源101側に戻る。
【0136】
また、白色表示を行なう際には、赤用の反射型液晶表示素子112rは入射光の偏光方向を90度回転させるために出射光はP偏光となり、この出射光は第2の1/4波長板113rを介して第2の偏光ビームスプリッター111bに再度入射して、第2の偏光ビームスプリッター111bの偏光分離面を透過し、第2の色選択性位相差板108bに入射する。
【0137】
なお、第2の色選択性位相差板108bはB光の偏光方向を変換する作用を持つものであり、R光には作用をしない。
【0138】
その後、P偏光のR光は、第3の偏光ビームスプリッター111cに入射して第3の偏光ビームスプリッター111cの偏光分離面を透過し、投射レンズ114を介して、不図示のスクリーン上に像を結ぶ。
【0139】
また、第2の偏光ビームスプリッター111bにP偏光として入射したB光は、第2の偏光ビームスプリッター111bの偏光分離面を透過し、第3の1/4波長板113bを介して青用の反射型液晶表示素子112bに入射する。
【0140】
P偏光のB光が青用の反射型液晶表示素子112bに入射したとき、黒表示の際には、入射光に対して青用の反射型液晶表示素子112bは作用をせず、入射したP偏光のB光は第3の1/4波長板113bを介して第2の偏光ビームスプリッター111bに再度入射し、第2の偏光ビームスプリッター111bの偏光分離面を透過して光源101側に戻る。
【0141】
また、白色表示を行なう際には、青用の反射型液晶表示素子112bは入射光の偏光方向を90度回転させるために出射光はS偏光となり、この射出光は第3の1/4波長板113bを介して第2の偏光ビームスプリッター111bに再度入射して、第2の偏光ビームスプリッター111bの偏光分離面で反射され、第2の色選択性位相差板108bに入射する。
【0142】
第2の色選択性位相差板108bはB光の偏光方向を変換する作用を持つものであるため、B光はS偏光からP偏光に変換され、第3の偏光ビームスプリッター111cに入射する。
【0143】
その後、第3の偏光ビームスプリッター111cに入射したB光は、第3の偏光ビームスプリッター111cの偏光分離面を透過した後、投射レンズ114を介して不図示のスクリーン上に像を結ぶ。
【0144】
このように構成された投射型画像表示装置において、通常、光源101からの照明光により光が透過・反射する部分は発熱する。このため、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cも発熱することになる。
【0145】
そして、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの温度分布としては、照明光の分布(中心光と周辺光)や偏光ビームスプリッターの形状、体積等により、偏光ビームスプリッター全体が均一の温度になることはなく、温度差を持った温度分布になる。
【0146】
このように、偏光ビームスプリッター内で温度差が生じると、この偏光ビームスプリッターを構成する光学硝材に内部応力が発生することになり、その結果、光弾性により入射光の直線偏光が楕円偏光となる複屈折が発生する。このため、望まない偏光成分が偏光分離面に入射し、この偏光分離面での反射・透過が確実に行なわれなくなる(反射・透過の関係が崩れる)。これにより、被投射面(スクリーン上)に偏光分離面での漏れ光が到達してしまうことにより、投射画像のコントラストおよび品位が低下する。
【0147】
そこで、本実施形態では、図10に示すように、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cのそれぞれに、ヒータ(図では1つのみ示しているが、実際には2つ)と、偏光ビームスプリッターにおけるヒータにより加熱される側の部分の温度を検出する温度センサ(図では1つのみ示しているが、実際には2つ)と、温度センサによる検出結果に基づいてヒータを制御し、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの温度を管理する温度制御回路とが設けられている。
【0148】
また、本実施形態では、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cにおける光源1からの照明光による発熱温度T1と、ヒータによる発熱温度T2とが、
T1≦T2
となるように設定して温度制御回路により温度を制御する。すなわち、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cが光源101からの照明光によって常時発熱していることを利用して、ヒータによる発熱温度T2が偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの照明光による発熱温度T1と同じかそれ以上の温度となるようにヒータの発熱量を制御することにより、ヒータに偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの補助的加熱を行わせるだけで偏光ビームスプリッター111a、111b、111c内の温度差をほとんどなくすることができるようにし、省電力効果も得られるようにしている。
【0149】
なお、発熱温度T1を液晶表示素子112r、112g、112bの制御温度の近傍となるように設定すれば、液晶表示素子112r、112g、112bは偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの近傍に配置されるため、両者の温度を略等しくしておくことになり、一方の温度が他方の温度に影響されず、温度管理を容易に行うことができる。
【0150】
これらにより、偏光ビームスプリッター111a、111b、111c内で略均一な温度分布を持つことになり、高いコントラストで高品位な投射画像を得ることができる。
【0151】
次に、2つのヒータを設けた理由と、その具体的構成について図11を用いて説明する。
【0152】
図11は、偏光ビームスプリッター111aのみを示した図である。なお、偏光ビームスプリッター111b、111cについては構成が同じであるため説明を省略する。
【0153】
図11に示すように、偏光ビームスプリッター111aはその全体が直方体若しくは立方体形状に形成されている。
【0154】
121は第1のヒータであり、半導体等の発熱素子にて形成され、偏光ビームスプリッター111aにおける光源101からの照明光が透過(入射又は射出)しない面(図11の上面)の周囲部に固着されている。122は第2のヒータであり、第1のヒータ121と同様に半導体等の発熱素子にて形成され、偏光ビームスプリッター111aにおける第1のヒータ121が固着された面の反対側の面(図11の下面)の周囲部分に固着されている。
【0155】
123は偏光ビームスプリッター111aにおける第1のヒータ121の固着面の略中央に固着された第1の温度センサであり、偏光ビームスプリッター111aの温度を検出して電気信号を出力する。124は偏光ビームスプリッター111aにおける第2のヒータ122の固着面の略中央に固着された第2の温度センサであり、偏光ビームスプリッター111aの温度を検出して電気信号を出力する。
【0156】
次に、第1および第2のヒータ121、122による偏光ビームスプリッターの加熱制御について図12に示すフローチャートを用いて説明する。なお、偏光ビームスプリッター111b、111cの加熱制御については偏光ビームスプリッター111aと同じであるため、ここでは偏光ビームスプリッター111aのみについて説明する。
【0157】
画像表示装置の電源がONされると(♯301)、この表示装置の全体の制御を司る不図示のCPU等からなるメイン制御回路は光源101を点灯させる。次に、温度制御回路は温度制御を開始し(♯302)、第1のヒータ121および第2のヒータ122を発熱させるようこれらに通電する(#303、#304)。
【0158】
また、この際、偏光ビームスプリッター111aの温度を第1の温度センサ123および第2の温度センサ124にて検出する(#305、#306)。
【0159】
そして、光源101からの照明光と、第1および第2のヒータ121、122の発熱により偏光ビームスプリッター111aは徐々に加熱されるが、第1の温度センサ123により後述する設定温度値以下の温度が検出された場合は(#307)、温度制御回路は第1のヒータ121の温度を上昇させるよう通電量を制御し(#308)、再度、第1の温度センサ123により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#305)。
【0160】
ここで、上記「設定温度値」は、光源101からの照明光を長時間、偏光ビームスプリッター111aに入射させ、偏光ビームスプリッター111aの温度が最も高くなったときの発熱温度T1に設定されている。
【0161】
第1の温度センサ123で上記設定温度値を超える温度が検出された場合(#307)には、温度制御回路は第1のヒータ121の発熱温度を下降させるように通電量を制御し(#309)、再度、第1の温度センサ123により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#305)。
【0162】
一方、第2の温度センサ124による温度検出値が、第1の温度センサ123の温度検出値以下であった場合は(#310)、温度制御回路は第2のヒータ122の発熱温度を上昇させるよう通電制御し(#311)、再度、第2の温度センサ124により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#306)。
【0163】
第2の温度センサ124による温度検出値が第1の温度センサ123の温度検出値を超えた場合は(#310)、温度制御回路は第2のヒータ122の発熱温度を下降させるよう通電制御し(#312)、再度、第2の温度センサ124により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#306)。
【0164】
このような制御を繰り返すことにより、偏光ビームスプリッター111a内の温度は第1の温度センサ123により検出される温度(つまりは設定温度T1)に略均一化され、偏光ビームスプリッター111aの内部応力およびこれに起因した複屈折の発生が防止される。
【0165】
このように、3つの偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの内部での温度分布が略均一化されることにより、各偏光分離面での漏れ光の発生を抑えることができ、高コントラストで高品位の投射画像を得ることができる。
【0166】
(第5実施形態)
図13および図14には、本発明の第5実施形態である投射型画像表示装置の構成を示している。なお、本実施形態において第4実施形態と共通する構成要素には第4実施形態と同符号を付して説明に代える。
【0167】
本実施形態において、光源101からの照明光により偏光ビームスプリッター111a、111b、111cが発熱する。
【0168】
そして、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの温度分布としては、照明光の分布(中心光と周辺光)や偏光ビームスプリッターの形状、体積等により、偏光ビームスプリッター全体が均一の温度になることはなく、温度差を持った温度分布になる。
【0169】
このように、偏光ビームスプリッター内で温度差が生じると、この偏光ビームスプリッターを構成する光学硝材に内部応力が発生することになり、その結果、光弾性により入射光の直線偏光が楕円偏光となる複屈折が発生する。このため、望まない偏光成分が偏光分離面に入射し、この偏光分離面での反射・透過が確実に行なわれなくなる(反射・透過の関係が崩れる)。これにより、被投射面(スクリーン上)に偏光分離面での漏れ光が到達してしまうことにより、投射画像のコントラストおよび品位が低下する。
【0170】
そこで、本実施形態では、図13に示すように、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cのそれぞれに、電流を流すことにより片面が発熱面となり、もう一方の面が吸熱面(又は放熱面)となるシート状のペルチエ素子(図では1つのみ示しているが、実際には2つ)と、偏光ビームスプリッターにおけるペルチエ素子により加熱される側の部分の温度を検出する温度センサ(図では1つのみ示しているが、実際には2つ)と、温度センサによる検出結果に基づいてペルチエ素子を制御し、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの温度を管理する温度制御回路とが設けられている。
【0171】
また、本実施形態では、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cにおける光源1からの照明光による発熱温度T1と、ペルチエ素子による発熱温度T2とが、
T1≦T2
となるように設定して温度制御回路により温度を制御する。すなわち、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cが光源101からの照明光によって常時発熱していることを利用して、ペルチエ素子による発熱温度T2が偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの照明光による発熱温度T1と同じかそれ以上の温度となるようにペルチエ素子の発熱量を制御することにより、ペルチエ素子に偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの補助的加熱を行わせるだけで偏光ビームスプリッター111a、111b、111c内の温度差をほとんどなくすることができるようにし、省電力効果も得られるようにしている。
【0172】
なお、発熱温度T1を液晶表示素子112r、112g、112bの制御温度の近傍となるように設定すれば、液晶表示素子112r、112g、112bは偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの近傍に配置されるため、両者の温度を略等しくしておくことになり、一方の温度が他方の温度に影響されず、温度管理を容易に行うことができる。
【0173】
これらにより、偏光ビームスプリッター111a、111b、111c内で略均一な温度分布を持つことになり、高いコントラストで高品位な投射画像を得ることができる。
【0174】
次に、2つのペルチエ素子を設けた理由と、その具体的構成について図14を用いて説明する。
【0175】
図14は、偏光ビームスプリッター111aのみを示した図である。なお、偏光ビームスプリッター111b、111cについては構成が同じであるため説明を省略する。
【0176】
図14に示すように、偏光ビームスプリッター111aはその全体が直方体若しくは立方体形状に形成されている。
【0177】
131は第1のペルチエ素子であり、偏光ビームスプリッター111aにおける光源101からの照明光が透過(入射又は射出)しない面(図14の上面)の周囲部に固着されている。132は第2のペルチエ素子であり、偏光ビームスプリッター111aにおける第1のペルチエ素子131が固着された面の反対側の面(図14の下面)の周囲部分に固着されている。
【0178】
133は偏光ビームスプリッター111aにおける第1のペルチエ素子131の固着面の略中央に固着された第1の温度センサであり、偏光ビームスプリッター111aの温度を検出して電気信号を出力する。134は偏光ビームスプリッター111aにおける第2のペルチエ素子132の固着面の略中央に固着された第2の温度センサであり、偏光ビームスプリッター111aの温度を検出して電気信号を出力する。
【0179】
次に、第1および第2のペルチエ素子131、132による偏光ビームスプリッターの加熱制御について図15に示すフローチャートを用いて説明する。なお、偏光ビームスプリッター111b、111cの加熱制御については偏光ビームスプリッター111aと同じであるため、ここでは偏光ビームスプリッター111aのみについて説明する。
【0180】
画像表示装置の電源がONされると(♯401)、この表示装置の全体の制御を司る不図示のCPU等からなるメイン制御回路は光源101を点灯させる。次に、温度制御回路は温度制御を開始し(♯402)、第1のペルチエ素子131および第2のペルチエ素子132に、これらの偏光ビームスプリッター111aへの固着面側が発熱するように通電する(#403、#404)。また、この際、偏光ビームスプリッター111aの温度を第1の温度センサ133および第2の温度センサ134にて検出する(#405、#406)。
【0181】
そして、光源101からの照明光と、第1および第2のペルチエ素子131、132の発熱により偏光ビームスプリッター111aは徐々に加熱されるが、第1の温度センサ133により後述する設定温度値以下の温度が検出された場合は(#407)、温度制御回路は第1のペルチエ素子131の温度を上昇させるよう通電電流値を増加させ(#408)、再度、第1の温度センサ133により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#405)。
【0182】
ここで、上記「設定温度値」は、光源101からの照明光を長時間、偏光ビームスプリッター111aに入射させ、偏光ビームスプリッター111aの温度が最も高くなったときの発熱温度T1に設定されている。
【0183】
第1の温度センサ133で上記設定温度値を超える温度が検出された場合(#407)には、温度制御回路は第1のペルチエ素子131の偏光ビームスプリッター111aへの固着面側に上記設定温度値を下回らない範囲で吸熱作用を生じさせるように通電方向(電流方向)を反転させ(#409)、再度、第1の温度センサ133により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#405)。
【0184】
一方、第2の温度センサ134による温度検出値が、第1の温度センサ133の温度検出値以下であった場合は(#410)、温度制御回路は第2のペルチエ素子132の発熱温度を上昇させるよう通電電流値を増加させ(#411)、再度、第2の温度センサ134により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#406)。
【0185】
第2の温度センサ134による温度検出値が第1の温度センサ133の温度検出値を超えた場合は(#410)、温度制御回路は第2のペルチエ素子132の偏光ビームスプリッター111aへの固着面側に上記設定温度値を下回らない範囲で吸熱作用を生じさせるように通電方向(電流方向)を反転させ(#412)、再度、第2の温度センサ134により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#406)。
【0186】
このような制御を繰り返すことにより、偏光ビームスプリッター111a内の温度は第1の温度センサ133により検出される温度(つまりは設定温度T1)に略均一化され、偏光ビームスプリッター111aの内部応力およびこれに起因した複屈折の発生が防止される。
【0187】
このように、3つの偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの内部での温度分布が略均一化されることにより、各偏光分離面での漏れ光の発生を抑えることができ、高コントラストで高品位の投射画像を得ることができる。
【0188】
(第6実施形態)
図16および図17には、本発明の第6実施形態である投射型画像表示装置の構成を示している。なお、本実施形態において第4実施形態と共通する構成要素には第4実施形態と同符号を付して説明に代える。
【0189】
本実施形態において、光源101からの照明光により偏光ビームスプリッター111a、111b、111cが発熱する。
【0190】
そして、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの温度分布としては、照明光の分布(中心光と周辺光)や偏光ビームスプリッターの形状、体積等により、偏光ビームスプリッター全体が均一の温度になることはなく、温度差を持った温度分布になる。
【0191】
このように、偏光ビームスプリッター内で温度差が生じると、この偏光ビームスプリッターを構成する光学硝材に内部応力が発生することになり、その結果、光弾性により入射光の直線偏光が楕円偏光となる複屈折が発生する。このため、望まない偏光成分が偏光分離面に入射し、この偏光分離面での反射・透過が確実に行なわれなくなる(反射・透過の関係が崩れる)。これにより、被投射面(スクリーン上)に偏光分離面での漏れ光が到達してしまうことにより、投射画像のコントラストおよび品位が低下する。
【0192】
そこで、本実施形態では、図16に示すように、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cのそれぞれに、温風ファン(図では1つのみ示しているが、実際には2つ)と、偏光ビームスプリッターにおける温風ファンにより加熱される側の部分の温度を検出する温度センサ(図では1つのみ示しているが、実際には2つ)と、温度センサによる検出結果に基づいて温風ファンを制御し、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの温度を管理する温度制御回路とが設けられている。
【0193】
また、本実施形態では、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cにおける光源1からの照明光による発熱温度T1と、温風ファンによる発熱温度T2とが、
T1≦T2
となるように設定して温度制御回路により温度を制御する。すなわち、偏光ビームスプリッター111a、111b、111cが光源101からの照明光によって常時発熱していることを利用して、温風ファンによる発熱温度T2が偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの照明光による発熱温度T1と同じかそれ以上の温度となるように温風ファンの発熱量を制御することにより、温風ファンに偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの補助的加熱を行わせるだけで偏光ビームスプリッター111a、111b、111c内の温度差をほとんどなくすることができるようにし、省電力効果も得られるようにしている。
【0194】
なお、発熱温度T1を液晶表示素子112r、112g、112bの制御温度の近傍となるように設定すれば、液晶表示素子112r、112g、112bは偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの近傍に配置されるため、両者の温度を略等しくしておくことになり、一方の温度が他方の温度に影響されず、温度管理を容易に行うことができる。
【0195】
これらにより、偏光ビームスプリッター111a、111b、111c内で略均一な温度分布を持つことになり、高いコントラストで高品位な投射画像を得ることができる。
【0196】
次に、2つの温風ファンを設けた理由と、その具体的構成について図17を用いて説明する。
【0197】
図17は、偏光ビームスプリッター111aのみを示した図である。なお、偏光ビームスプリッター111b、111cについては構成が同じであるため説明を省略する。
【0198】
図17に示すように、偏光ビームスプリッター111aはその全体が直方体若しくは立方体形状に形成されている。
【0199】
141は第1の温風ファンであり、偏光ビームスプリッター111aにおける光源101からの照明光が透過(入射又は射出)しない面(図17の上面)に対向するよう配置されている。142は第2の温風ファンであり、偏光ビームスプリッター111aにおける第1の温風ファン141が配置された面の反対側の面(図17の下面)の配置されている。なお、第1および第2の温風ファン141、142は、内部に発熱コイルが収納されたファンである。
【0200】
143は偏光ビームスプリッター111aにおける第1の温風ファン141が対向するよう配置された面の略中央に固着された第1の温度センサであり、偏光ビームスプリッター111aの温度を検出して電気信号を出力する。144は偏光ビームスプリッター111aにおける第2の温風ファン142が対向するよう配置された面の略中央に固着された第2の温度センサであり、偏光ビームスプリッター111aの温度を検出して電気信号を出力する。
【0201】
次に、第1および第2の温風ファン141、142による偏光ビームスプリッターの加熱制御について図18に示すフローチャートを用いて説明する。なお、偏光ビームスプリッター111b、111cの加熱制御については偏光ビームスプリッター111aと同じであるため、ここでは偏光ビームスプリッター111aのみについて説明する。
【0202】
画像表示装置の電源がONされると(♯501)、この表示装置の全体の制御を司る不図示のCPU等からなるメイン制御回路は光源101を点灯させる。次に、温度制御回路は温度制御を開始し(♯502)、第1の温風ファン141および第2の温風ファン142を駆動するようこれらに通電する(#503、#504)。また、この際、偏光ビームスプリッター111aの温度を第1の温度センサ143および第2の温度センサ144にて検出する(#505、#506)。
【0203】
そして、光源101からの照明光と、第1および第2の温風ファン141、142からの熱風により偏光ビームスプリッター111aは徐々に加熱されるが、第1の温度センサ143により後述する設定温度値以下の温度が検出された場合は(#507)、温度制御回路は第1の温風ファン141における発熱コイルの発熱温度を上昇させるよう通電量を制御し(#508)、再度、第1の温度センサ143により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#505)。
【0204】
ここで、上記「設定温度値」は、光源101からの照明光を長時間、偏光ビームスプリッター111aに入射させ、偏光ビームスプリッター111aの温度が最も高くなったときの発熱温度T1に設定されている。
【0205】
第1の温度センサ143で上記設定温度値を超える温度が検出された場合(#507)には、温度制御回路は第1の温風ファン141における発熱コイルの発熱温度を下降させるように通電量を制御し(#509)、再度、第1の温度センサ143により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#505)。
【0206】
一方、第2の温度センサ144による温度検出値が、第1の温度センサ143の温度検出値以下であった場合は(#510)、温度制御回路は第2の温風ファン142における発熱コイルの発熱温度を上昇させるよう通電制御し(#511)、再度、第2の温度センサ144により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#506)。
【0207】
第2の温度センサ144による温度検出値が第1の温度センサ143の温度検出値を超えた場合は(#510)、温度制御回路は第2の温風ファン142における発熱コイルの発熱温度を下降させるよう通電制御し(#512)、再度、第2の温度センサ144により偏光ビームスプリッター111aの温度を検出する(#506)。
【0208】
このような制御を繰り返すことにより、偏光ビームスプリッター111a内の温度は第1の温度センサ143により検出される温度(つまりは設定温度T1)に略均一化され、偏光ビームスプリッター111aの内部応力およびこれに起因した複屈折の発生が防止される。
【0209】
このように、3つの偏光ビームスプリッター111a、111b、111cの内部での温度分布が略均一化されることにより、各偏光分離面での漏れ光の発生を抑えることができ、高コントラストで高品位の投射画像を得ることができる。
【0210】
なお、上記第4から第6実施形態では、温度調整手段としての2つの加熱部材として同じもの(ヒータ、ペルチエ素子、温風ファン)を用いた場合について説明したが、2つの加熱部材として互いに異なるものを組み合わせて使用してもよい。
【0211】
また、上記第1から第6実施形態において、温度調整手段としての冷却部材又は加熱部材を各偏光ビームスプリッターについて2つずつ設けた場合について説明したが、偏光ビームスプリッターの内部温度を均一化するためにさらに多くの数の冷却部材又は加熱部材を設けてもよい。
【0212】
さらに、上記第1から第6実施形態において説明した光学系の構成は例に過ぎず、本発明は光学系内に少なくとも1つの偏光ビームースプリッターを使用したものであれば、そのいずれにも適用することができる。
【0213】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば偏光ビームスプリッターにおける複数の第3の面(色入射する面でも出射する面でもない面の側にそれぞれ配置され、複数の第3の面における温度を調整する複数の温度調整手段を作用させ、温度検出手段の検出結果に基づいて少なくとも1つの温度調整手段による冷却又は加熱を制御するようにしているので、体積の大きな偏光ビームスプリッター内の温度分布を略均一化することができる。このため、偏光ビームスプリッターを形成している光学硝材等での内部応力の発生による複屈折作用によって所望の偏光分離作用が行なわれなくなるのを防止することができる。
【0214】
したがって、この色分解合成光学系を用いて画像表示光学系や投射型画像表示装置を構成すれば、偏光分離時の漏れ光による表示画像のコントラストおよび品位の低下を防止することができる。
【0215】
また、制御手段によって、偏光ビームスプリッターの温度が画像表示素子の制御温度に近づくように少なくとも1つの温度調整手段を制御すれば、画像表示素子は偏光ビームスプリッターの近傍に配置されるため、両者の温度を略等しくしておくことにより、一方の温度が他方の温度に影響されず、温度管理を容易に行うことができる。
【0216】
なお、温度調整手段としてペルチエ素子を用いれば、ペルチエ素子は冷却又は温風ファンに比べて小型であり、音を発生しないため、光学系や投射型画像装置の小型化および装置の静音化に有効である。
【0217】
さらに、温度調整手段として加熱部材を用いる場合において、光源からの照明光による偏光ビームスプリッターの加熱温度をT1とし、温度調整手段による偏光ビームスプリッターの発熱温度をT2とするとき、T1≦T2なる条件を満足するようにすれば、偏光ビームスプリッターの中心部が照明光により常時T1に加熱されていることを利用して偏光ビームスプリッターの全体がその温度と同じかそれ以上(T2)となるように加熱部材を制御することができるため、加熱部材には補助的加熱を行わせるのみで足り、省電力化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である投射型画像表示装置の構成を示す図。
【図2】上記第1実施形態における偏光ビームスプリッターの周辺の構成図。
【図3】上記第1実施形態における、放熱部材を設けた偏光ビームスプリッターの温度特性グラフ図。
【図4】本発明の第2実施形態である投射型画像表示装置の構成を示す図。
【図5】上記第2実施形態における偏光ビームスプリッターの周辺の構成図。
【図6】上記第2実施形態における偏光ビームスプリッターの温度制御フローチャート。
【図7】本発明の第3実施形態である投射型画像表示装置の構成を示す図。
【図8】上記第3実施形態における偏光ビームスプリッターの周辺の構成図。
【図9】上記第3実施形態における偏光ビームスプリッターの温度制御フローチャート。
【図10】本発明の第4実施形態である投射型画像表示装置の構成を示す図。
【図11】上記第4実施形態における偏光ビームスプリッターの周辺の構成図。
【図12】上記第4実施形態における偏光ビームスプリッターの温度制御フローチャート。
【図13】本発明の第5実施形態である投射型画像表示装置の構成を示す図。
【図14】上記第5実施形態における偏光ビームスプリッターの周辺の構成図。
【図15】上記第5実施形態における偏光ビームスプリッターの温度制御フローチャート。
【図16】本発明の第6実施形態である投射型画像表示装置の構成を示す図。
【図17】上記第6実施形態における偏光ビームスプリッターの周辺の構成図。
【図18】上記第6実施形態における偏光ビームスプリッターの温度制御フローチャート。
【図19】従来の投射型画像表示装置の構成を示す図。
【符号の説明】
1,101 光源
2,102 リフレクター
3a,103a 第1のフライアイレンズ
3b,103b 第2のフライアイレンズ
4,104 偏光変換素子
5a,105a コンデンサーレンズ
5b,105b フィールドレンズ
5c,105c ミラー
6,106 ダイクロイックミラー
7,107 カラーフィルター
8a,8b,108a,108b 色選択性位相差板
11a,11b,11c,111a,111b,111c 偏光ビームスプリッター
12r,12g,12b,112r,112g,112b 反射型液晶表示素子
13r,13g,13b,113r,113g,113b 1/4波長板
14,114 投射レンズ
21,31 冷却ファン
22,32 放熱部材
23 温度センサ
33,43 第1の温度センサ
34,44 第2の温度センサ
41 冷却ファン
42 ペルチエ素子
121,122 ヒータ
131,132 ペルチエ素子
141,142 温風ファン
123,124,133,134,143,144 温度センサ

Claims (10)

  1. 光源からの照明光を複数の色光に分解し、前記複数の色光を複数の画像表示素子にそれぞれ導き、前記画像表示素子によって変調された前記複数の色光を合成する色分解合成光学系であって、
    入射する第1の面、出射する第2の面および、前記第1及び第2の面とは異なる複数の第3の面を有する偏光ビームスプリッターと、
    前記偏光ビームスプリッターにおける前記複数の第3の面の側にそれぞれ配置され、前記複数の第3の面における温度をそれぞれ調整する複数の温度調整手段と、
    前記偏光ビームスプリッターの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段による検出結果に基づき、前記複数の温度調整手段のうち少なくとも1つを制御することにより、前記複数の第3の面における温度差を調整する制御手段と、を有することを特徴とする色分解合成光学系。
  2. 前記制御手段は、前記偏光ビームスプリッターの全体が略均一な温度となるように、前記複数の温度調整手段のうち少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1に記載の色分解合成光学系。
  3. 前記制御手段は、前記偏光ビームスプリッターの温度が前記画像表示素子の温度に近づくように、前記複数の温度調整手段のうち少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の色分解合成光学系。
  4. 前記温度検出手段は、前記複数の第3の面にそれぞれ設けられており、
    前記制御手段は、前記複数の温度検出手段による検出結果が互いに略等しくなるように前記複数の温度調整手段を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の色分解合成光学系。
  5. 前記複数の温度調整手段は、冷却ファン、ペルチエ素子および放熱部材のうちの少なくとも1つを用いて構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の色分解合成光学系。
  6. 前記複数の温度調整手段は、ヒータ、ペルチエ素子および温風ファンのうちの少なくとも1つを用いて構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の色分解合成光学系。
  7. 前記光源からの照明光による前記偏光ビームスプリッターの加熱温度をT1、前記複数の温度調整手段による前記偏光ビームスプリッターの発熱温度をT2とするとき、T1≦T2なる条件を満足することを特徴とする請求項に記載の色分解合成光学系。
  8. 光源と、
    請求項1からのいずれか1つに記載の色分解合成光学系と、
    前記色分解合成光学系からの光を投射面に投射する投射光学系と、を有することを特徴とする画像表示光学系。
  9. 請求項に記載の画像表示光学系と、
    前記複数の画像表示素子と、を有することを特徴とする投射型画像表示装置。
  10. 入射する第1の面、光出射する第2の面および、前記第1及び第2の面とは異なる複数の第3の面を有する偏光ビームスプリッターと、
    前記偏光ビームスプリッターにおける前記複数の第3の面の側にそれぞれ配置され、 記複数の第3の面における温度をそれぞれ調整する複数の温度調整手段と、
    前記偏光ビームスプリッターの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段による検出結果に基づき、前記複数の温度調整手段のうち少なくとも1つを制御することにより、前記複数の第3の面における温度差を調整する制御手段と、を有することを特徴とする偏光分離光学系。
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