JP2004246178A - 光学ユニット、投射型映像表示装置及びそれに用いる偏光板 - Google Patents
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Abstract
【課題】投射型映像表示装置において、偏光板の放熱性と併せ、映像の明るさ及びコントラストも確保可能にする技術の提供。
【解決手段】映像表示素子の光入射側に配する偏光板を、サファイア基板上に偏光素子を保持し、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)の範囲内となるようにするとともに、該映像表示素子側に該偏光素子を、光源側に該サファイア基板を配した構成とする。また、サファイア基板の板厚を約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとする。
【選択図】 図1
【解決手段】映像表示素子の光入射側に配する偏光板を、サファイア基板上に偏光素子を保持し、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)の範囲内となるようにするとともに、該映像表示素子側に該偏光素子を、光源側に該サファイア基板を配した構成とする。また、サファイア基板の板厚を約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源側からの光を偏光変換して映像表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成して投射する投射型映像表示装置に係わり、特に、偏光板の放熱技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、投射型映像表示装置において、液晶パネル等の映像表示素子に入射させる光、または該映像表示素子から出射される光のうちの所定の偏光方向のものを通すための偏光板としては、偏光素子としての偏光フィルムが光源からの光の吸収による温度上昇で変形するのを防止するために、該偏光フィルムを光透過性の基板上に貼り合せた構成とする。本発明に関連し、放熱性の点から上記基板をサファイアで構成する従来技術としては、例えば特許第3091183号明細書(特許文献1)に記載されたものがある。該特許明細書には、サファイア基板として、C軸方向またはC軸投影線方向と透過すべき偏光透過軸とのなす角度を±2゜以内、またはC軸と直交する軸と透過すべき偏光透過軸とのなす角度を±2゜以内、またはC面と透過すべき偏光の透過方向に垂直な面とのなす角度を±2゜以内とする構成が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3091183号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、C軸方向またはC軸投影線方向と透過すべき偏光透過軸とのなす角度などが±2゜以内であって好ましくは±0.5゜以内と、全体的に狭い角度範囲に限定されるため、これを満足するためには高い部品精度が必要となり、製作コストの増加にもつながると考えられる。また、サファイア基板を、液晶パネル(映像表示素子)側に配した場合には、コントラストが著しく劣化するおそれもある。
本発明の課題点は、上記従来技術の状況に鑑み、サファイア基板を備えた偏光板を用いる投射型映像表示装置技術として、該偏光板において、(1)放熱性と併せ、映像の明るさ及びコントラストも確保できるようにすること、(2)部品精度を緩和できるようにして生産性の向上を可能にし、低コスト化も図れるようにすること、等である。
本発明の目的は、かかる課題点を解決できる技術の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題点を解決するために、本発明では、投射型映像表示装置またはその光学ユニットを構成するために、基本的に、
(1)偏光素子をサファイア基板で保持して成る偏光板であって、映像表示素子の光入射側に配する偏光板を、該偏光板内において該偏光素子を映像表示素子側に、該サファイア基板を反対側に配し、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内となるようにする。
(2)偏光板を映像表示素子の光入射側と光出射側とに配し、該両偏光板をそれぞれ、サファイア基板上に偏光素子が該映像表示素子側にして保持された構成とし、うち入射側に配される偏光板を、サファイア基板の光学軸と偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされたものとする。
(3)偏光板を映像表示素子の光入射側と光出射側とに配し、光入射側に配される偏光板を、サファイア基板上に偏光素子が該映像表示素子側にして保持され、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされたものとし、光出射側に配される偏光板を、偏光素子がサファイア基板の両面側に配され、該サファイア基板の光学軸と該両面側の偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内とされたものとする。
さらに、
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、上記サファイア基板を、板厚が約0.3×10−3m〜1.0×10−3mのものとする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
図1〜図6は、本発明の実施例の説明図である。図1は、映像表示素子に対する偏光板の第1の組合わせ構成例を示す図、図2は、図1の組合わせ構成を用いた投射型映像表示装置の構成例を示す図、図3は映像表示素子に対する偏光板の第2の組合わせ構成例を示す図、図4は映像表示素子に対する偏光板の第3の組合わせ構成例を示す図、図5は、偏光板を構成するサファイア基板の結晶軸角度ズレに対する明るさ及びコントラストの関係を示す図、図6は、偏光板の温度特性の実測結果例を示す図である。
【0007】
図1において、20は映像表示素子としての液晶パネル、4は入射側偏光板、5は出射側偏光板、41は入射側偏光板4の偏光素子としての偏光フィルム、42は入射側偏光板4のサファイア基板、51は出射側偏光板5の偏光素子としての偏光フィルム、52は出射側偏光板5のサファイア基板、21は、偏光変換され、かつ色分離された赤(R)、緑(G)、青(B)いずれかの色光の入射偏光光である。また、X−X’は、入射光21の直線偏光の偏光方向である。
【0008】
上記構成において、入射側偏光板4、出射側偏光板5とも、偏光フィルム41、51を液晶パネル側に配する。偏光フィルム41と偏光フィルム51は互いに、光の透過軸が約90゜ずれるようにしてある。P偏光光またはS偏光光の入射偏光光21は、入射側偏光板4のサファイア基板42を通過し、偏光フィルム41に入射する。偏光フィルム41はX−X’方向を透過軸としている。該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)は、サファイア基板42の結晶軸(光学軸)が偏光に影響を与えないようにするために、偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)と同じX−X’方向もしくはこれと直交する方向にしてある。該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)の方向が偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)の方向からずれるに従い、該サファイア基板42のの複屈折による直線偏光の楕円偏光への変化量が増大し、その結果、偏光フィルム41での光の吸収量が増加して光損失が増大し、映像の明るさやコントラストが低下するとともに、発熱量も増大する。
【0009】
上記構成では、明るさとコントラストとを約98%以上にするために、上記サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と上記偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±6゜以内または0゜±6゜以内となるようにしている(図5で説明)。また、サファイア基板42の熱伝導により偏光フィルム41の温度を下げるために、該サファイア基板42の板厚は約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。入射側偏光板4に対し光の透過軸を90゜ずらせた出射側偏光板5については、サファイア基板52の光学軸(結晶軸)と偏光フィルム51の吸収軸(透過軸)とのなす角を、0゜±10゜以内程度または90゜±10゜以内程度とすれば実用上特に問題ない。サファイア基板52の板厚は、上記サファイア基板42と同様、約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。
【0010】
図2は、上記図1の偏光板を用いて成る投射型映像表示装置の構成例である。
図2において、1は光源ユニット、6は、複数の微小なレンズセルより成り複数の2次光源像を形成する第1のアレイレンズ、7は、同じく複数の微小なレンズセルより成り上記第1のアレイレンズの個々のレンズ像を結像する第2のアレイレンズ、8は、偏光ビームスプリッタ(図示なし)と1/2波長位相差板(図示なし)から構成され、上記第2のアレイレンズ7側からの光をP偏光光とS偏光光に分離した後、該両偏光光のうちいずれか一方の偏光方向を回転してP、Sいずれかの偏光光に揃えて出射する偏光変換素子、9は集光レンズ、12、13は色分離用のダイクロイックミラー、10R、10G、10Bはコンデンサレンズ、14、15、16は反射ミラー、17、18はリレーレンズ、20R、20G、20Bは映像表示素子としての透過型液晶パネル、4Rは液晶パネル20Rの入射側偏光板、5Rは液晶パネル20Rの出射側偏光板、4Gは液晶パネル20Gの入射側偏光板、5Gは液晶パネル20Gの出射側偏光板、4Bは液晶パネル20Bの入射側偏光板、5Gは液晶パネル20Gの出射側偏光板、11は色合成用のダイクロイックプリズム、3は映像光を拡大投射するための投射レンズユニット、19はスクリーン、26は冷却用ファン、27は冷却用空気の流路である。入射側偏光板4R、4G、4B及び出射側偏光板5R、5G、5Bはそれぞれ、上記図1に示した構成を備えているものとする。液晶パネル20R、20G、20Bはそれぞれ、映像信号に基づき駆動回路(図示なし)により駆動され、入射された偏光光を変調して出射する。また、リレ−レンズ17、18は、液晶パネル20Bの、光源ユニット1からの光路長が、液晶パネル20R、20Gの場合に比べて長いのを補うために設けられる。光源ユニット1から投射レンズユニット3までの上記諸要素は、投射型映像表示装置における光学ユニットを構成している。
【0011】
かかる構成において、上記光源ユニット1から出た光(白色光)は、上記第1のアレイレンズ6で複数の2次光源像を形成した後、上記第2のアレイレンズ7で該複数の2次光源像を結像し、該結像光が、上記偏光変換素子8内で、偏光ビームスプリッタ(図示なし)でP偏光光とS偏光光とに分離され、1/2波長位相差板(図示なし)により、例えば該P偏光光が偏光方向を回転されてS偏光光とされ、上記偏光ビームスプリッタで分離されたS偏光光と併せ、集光レンズ9に入射される。集光レンズ9で集光された白色光のS偏光光は、ダイクロイックミラー12に約45゜の入射角で入射する。ダイクロイックミラー12では、R光のS偏光光は反射され、G光及びB光のS偏光光は透過される。
【0012】
上記反射されたR光のS偏光光は反射ミラー14で反射されて光路変更し、コンデンサレンズ10Rを介してR光用の透過型液晶パネル20Rの入射側偏光板4Rに入射される。該R光のS偏光光は、該入射側偏光板4Rにおいて該入射側偏光板4Rの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、R光用の透過型液晶パネル20Rに照射される。該液晶パネル20Rでは、該R光のS偏光光が透過時に映像信号に基づいて変調され、R光のP偏光光となって出射される。液晶パネル20Rから出射されたR光のP偏光光は、出射側偏光板5Rに入射され、該出射側偏光板5Rにおいて該出射側偏光板5Rの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、ダイクロイックプリズム11に入射される。ダイクロイックプリズム11では、そのダイクロイック面で反射され、投射レンズユニット3に入る。
【0013】
一方、ダイクロイックミラー12を透過したG光及びB光のS偏光光は、さらに、ダイクロイックミラー13に約45゜の入射角で入射し、該ダイクロイックミラー13で、G光のS偏光光は反射され、B光のS偏光光は透過される。反射されたG光のS偏光光は、コンデンサレンズ10Gを介してG光用の透過型液晶パネル20Gの入射側偏光板4Gに入射される。
該G光のS偏光光は、該入射側偏光板4Gにおいて該入射側偏光板4Gの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、G光用の透過型液晶パネル20Gに照射される。該液晶パネル20Gでは、該G光のS偏光光が透過時に映像信号に基づいて変調され、G光のP偏光光となって出射される。液晶パネル20Gから出射されたG光のP偏光光は、出射側偏光板5Gに入射され、該出射側偏光板5Gにおいて該出射側偏光板5Gの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、ダイクロイックプリズム11に入射される。該G光のP偏光光は、ダイクロイックプリズム11内においてダイクロイック面で反射され、投射レンズユニット3に入る。
【0014】
また、上記ダイクロイックミラー13を透過したB光のS偏光光は、リレーレンズ17を経て反射ミラー15で反射され、さらにリレーレンズ18を経て反射ミラー16で反射され、コンデンサレンズ10Bを介してB光用の透過型液晶パネル20Bの入射側偏光板4Bに入射される。該B光のS偏光光は、該入射側偏光板4Bにおいても該入射側偏光板4Bの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、B光用の透過型液晶パネル20Bに照射される。該液晶パネル20Bでは、該B光のS偏光光が透過時に映像信号に基づいて変調され、B光のP偏光光となって出射される。液晶パネル20Bから出射されたB光のP偏光光は、出射側偏光板5Bに入射され、該出射側偏光板5Bにおいて該出射側偏光板5Gの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、ダイクロイックプリズム11に入射される。ダイクロイックプリズム11内において該B光のP偏光光はダイクロイック面で反射され、投射レンズユニット3に入る。
すなわち、上記のように、ダイクロイックプリズム11からは、映像信号により変調されたR光のP偏光光と、G光のP偏光光と、B光のP偏光光とが互いに色合成された状態で出射され、白色光のP偏光光として投射レンズユニット3に入り、該投射レンズユニット3によりスクリーン19上に映像光として拡大投射される。
【0015】
上記構成において、各入射側偏光板4R、4G、4B及び各出射側偏光板5R、5G、5Bでは、それぞれの偏光フィルムの透過軸を通過できない光は、該それぞれの偏光フィルムに吸収されて熱に変り、それぞれの偏光フィルムの温度を上昇させる。サファイア基板は、その放熱特性により該偏光フィルムの熱を放熱し、該偏光フィルムと偏光板全体の温度上昇を抑える。冷却用ファン26は、冷却用ダクト(図示なし)等により流路27を形成し、各入射側偏光板4R、4G、4B、各出射側偏光板5R、5G、5B、各液晶パネル20R、20G、20B等に送風し、これらを冷却する。
【0016】
なお、上記構成例では偏光変換素子8からは、偏光変換の結果、S偏光光が出射されるようにしたが、これに限らず、P偏光光が出射されるようにしてもよい。この場合は、R、G、B各色光のP偏光光がそれぞれ、各入射側偏光板4R、4G、4Bを透過し、対応する液晶パネル20R、20G、20Bに照射され、該液晶パネル20R、20G、20Bにおいて、透過時に映像信号に基づいて変調され、R、G、B各色光のS偏光光となって出射され、ダイクロイックプリズム11で色合成される。
【0017】
図3は、映像表示素子に対する偏光板の第2の組合わせ構成例を示す図である。本構成は、偏光素子を映像表示素子側に配した偏光板を、映像表示素子の入射側に1個、出射側に2個設けた場合の例である。該2個の偏光板それぞれのサファイア基板により出射側の放熱効果を高められ、偏光素子の過度の温度上昇を抑えられる。
図3において、20は映像表示素子としての液晶パネル、4は入射側偏光板、5a、5bは出射側偏光板、41は入射側偏光板4の偏光素子としての偏光フィルム、42は入射側偏光板4のサファイア基板、5a1は出射側偏光板5aの偏光素子としての偏光フィルム、5a2は出射側偏光板5aのサファイア基板、5b1は出射側偏光板5bの偏光素子としての偏光フィルム、5b2は出射側偏光板5bのサファイア基板、21は、偏光変換され、かつ赤(R)、緑(G)、青(B)いずれかの色光に分離された入射偏光光としてのP偏光光またはS偏光光である。また、X−X’は、入射偏光光21の直線偏光の偏光方向である。偏光フィルム5a1としては偏光度の低いものを用い、偏光フィルム5b1としては偏光度の高い(ほぼ100%)ものを用いる。
【0018】
上記において、入射側偏光板4、出射側偏光板5a、5bとも、偏光フィルム41、5a1、5b1を液晶パネル20側に配する。偏光フィルム5a1、5b1は、サファイア基板5a2に対してはその両面側に配されている。偏光フィルム41と偏光フィルム5a1、5b1とは互いに、光の透過軸が約90゜ずれるようにしてある。P偏光光またはS偏光光の入射偏光光21は、入射側偏光板4のサファイア基板42を通過し、偏光フィルム41に入射する。偏光フィルム41はX−X’方向を透過軸としている。入射側偏光板4において該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)は、サファイア基板42の結晶軸(光学軸)が偏光に影響を与えないようにするために、偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)と同じX−X’方向もしくはこれと直交する方向にしてある。該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)の方向が偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)の方向からずれるに従い、該サファイア基板42の複屈折による直線偏光の楕円偏光への変化量が増大し、その結果、偏光フィルム41での光の吸収量が増加して光損失が増大し、映像の明るさやコントラストが低下するとともに、偏光板としての発熱量が増大し温度も上昇する。出射側偏光板5a、5bについても同様である。
【0019】
上記構成では、偏光板4における明るさとコントラストとを約98%以上にすべく、該サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±6゜以内または0゜±6゜以内となるようにしている。また、サファイア基板42の熱伝導により偏光フィルム41の温度を下げるために、該サファイア基板42の板厚は約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。入射側偏光板4に対し光の透過軸を90゜ずらせた出射側偏光板5a、5bについても、明るさとコントラストとを約98%以上にするために、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角が所定範囲の値となるようにする。出射側偏光板5aについては、サファイア基板5a2の光学軸(結晶軸)と偏光フィルム5a1の吸収軸(透過軸)とのなす角を、0゜±0.5゜以内または90゜±0.5゜以内の値にする(図5で説明)。また、サファイア基板5a2の熱伝導により偏光フィルム5a1の温度を下げるために、該サファイア基板5a2の板厚は約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。出射側偏光板5bについても、明るさとコントラストとを約98%以上にするために、偏光フィルム5b1の吸収軸(透過軸)と上記サファイア基板5a2の光学軸(結晶軸)とのなす角が、0゜±0.5゜以内または90゜±0.5゜以内となるようにしている。偏光フィルム5b1とサファイア基板5b2との間では、該サファイア基板5b2の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルム5b1の吸収軸(透過軸)とのなす角を、0゜±10゜以内程度または90゜±10゜以内程度としておけば実用上特に問題はない。また、サファイア基板5b2の板厚は、該サファイア基板5b2の熱伝導により偏光フィルム5b1の温度を下げるために、上記サファイア基板5a2の場合と同様、約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。
本図3に示す出射側偏光板5a、5bを、上記図2の投射型映像表示装置における出射側偏光板5R、5G、5Bのそれぞれに替えて用いると、偏光板の温度上昇を抑え、明るさとコントラストを改善した投射型映像表示装置を構成することができる。
【0020】
図4は、映像表示素子に対する偏光板の第3の組合わせ構成例を示す図である。本構成は、2個の偏光素子を1枚のサファイア基板の両面上に配して成る偏光板を、映像表示素子の出射側に設けた場合の例である。
図4において、20は映像表示素子としての液晶パネル、4は入射側偏光板、5cは出射側偏光板、41は入射側偏光板4の偏光素子としての偏光フィルム、42は入射側偏光板4のサファイア基板、5c1は、出射側偏光板5c内においてサファイア基板に対し液晶パネル20側に配された偏光素子としての偏光フィルム、5c2は出射側偏光板5cのサファイア基板、5c3は、出射側偏光板5c内においてサファイア基板5c2に対し液晶パネル20と反対側に配された偏光素子としての偏光フィルム、21は、偏光変換されかつ赤(R)、緑(G)、青(B)いずれかの色光に分離された入射偏光光としてのP偏光光またはS偏光光、X−X’は、入射偏光光21の直線偏光の偏光方向である。
【0021】
上記において、入射側偏光板4、出射側偏光板5cとも、偏光フィルム41、5c1を液晶パネル20側に配する。出射側偏光板5cにおいて、偏光フィルム5c1、5c3は、サファイア基板5c2上に設けられる。偏光フィルム41と偏光フィルム5c1、5c3とは互いに、光の透過軸が約90゜ずれるようにしてある。P偏光光またはS偏光光の入射偏光光21は、入射側偏光板4のサファイア基板42を通過し、偏光フィルム41に入射する。偏光フィルム41はX−X’方向を透過軸としている。入射側偏光板4において該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)は、サファイア基板42の結晶軸(光学軸)が偏光に影響を与えないようにするために、偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)と同じX−X’方向もしくはこれと直交する方向にしてある。該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)の方向が偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)の方向からずれるに従い、該サファイア基板42の複屈折による直線偏光の楕円偏光への変化量が増大し、その結果、偏光フィルム41での光の吸収量が増加して光損失が増大し、映像の明るさやコントラストが低下するとともに、偏光板としての発熱量が増大し温度も上昇する。出射側偏光板5cについても同様である。
【0022】
上記構成では、入射側偏光板4における明るさとコントラストとを約98%以上にするために、該サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±6゜以内または0゜±6゜以内となるようにしている。また、サファイア基板42の熱伝導により偏光フィルム41の温度を下げるために、該サファイア基板42の板厚は約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。入射側偏光板4に対して光の透過軸を90゜ずらせた出射側偏光板5cについても、明るさとコントラストとを約98%以上にすべく、サファイア基板5c2の光学軸(結晶軸)と偏光フィルム5c1、5c3の吸収軸(透過軸)とのなす角を、0゜±0.5゜以内または90゜±0.5゜以内となるようにしている。また、サファイア基板5c2の板厚は、該サファイア基板5c2の熱伝導により偏光フィルム5c1、5c3の温度を下げるために、約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。本図4に示す出射側偏光板5cを、上記図2の投射型映像表示装置における出射側偏光板5R、5G、5Bのそれぞれに替えて用いて成る投射型映像表示装置においても、偏光板の温度上昇を抑え、明るさとコントラストの改善を図ることができる。
【0023】
図5は、上記図1、図3及び図4の構成における、サファイア基板の結晶軸(光学軸)方向と偏光フィルム(偏光素子)の透過軸(吸収軸)方向との角度ズレに対する明るさ及びコントラストの関係の説明図である。
一般に、偏光素子の偏光軸(透過軸また吸収軸)に対して角度θを成して設けられた厚さt、複屈折率nの部材における光透過率は、入射光の波長をλとするとき、
I=I0・sin2(2θ)・sin2(π・t・n/λ) …(数1)
で表される(例えば、特開平10−55002号公報の段落0014〜0015参照)。
【0024】
図5は、偏光板における明るさ及びコントラストを上記数1により計算した結果を、実測値と併せて示す。
図5において、横軸は、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレ、縦軸は、明るさまたコントラストである。図中、特性Aは、偏光素子を映像表示素子側に配しサファイア基板をその反対側に配した偏光板の特性、特性A1は、特性Aのうち、上記数1により求めた明るさ及びコントラストの計算結果、特性A2は、同じく特性Aのうち、明るさの実測結果、特性A3は、同じく特性Aのうち、コントラストの実測結果である。また、特性Bは、偏光素子をサファイア基板に対し映像表示素子とは反対の側に配した偏光板のコントラスト特性、特性B1は、特性Bのうち、上記数1により求めたコントラストの計算結果、特性B2は、同じく特性Bのうち、コントラスト特性の実測結果である。図1、図3及び図4における入射側偏光板4の偏光フィルム41とサファイア基板42と間では、上記特性Aを有する。また、図3における出射側偏光板5aのサファイア基板5a2と出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1との間では、偏光フィルム5b1が、サファイア基板5a2の複屈折による乱れた偏光成分を吸収するため、コントラスト及び明るさが、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレに対し急激に低下し、上記特性Bを有する。図4における出射側偏光板5cのサファイア基板5c2と偏光フィルム5c3との間でも同様に、偏光フィルム5c3が、サファイア基板5c2の複屈折による乱れた偏光成分を吸収するため、コントラスト及び明るさが急激に低下し、上記特性Bを有する。図3における出射側偏光板5aの偏光フィルム5a1は、出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1と同じ透過軸方向とされ、図4における出射側偏光板5cの偏光フィルム5c1は、偏光フィルム5c3と同じ透過軸方向とされる。
【0025】
上記の結果、特性Aにおいては、偏光板における明るさとコントラストとを例えば約98%以上とするためには、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレが±6°以内であることが必要である。また、特性Bにおいては、偏光板におけるコントラストを例えば約98%以上とするためには、該角度ズレが±0.5°以内であることが必要である。すなわち、図1、図3及び図4における入射側偏光板4の偏光フィルム41とサファイア基板42と間では、サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)との角度ズレを±6°以内とし、該サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±6゜以内または0゜±6゜以内となるようにする。また、図3における出射側偏光板5aのサファイア基板5a2と出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1との間、及び、図4における出射側偏光板5cのサファイア基板5c2と偏光フィルム5c3との間では、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレを±0.5°以内とし、該サファイア基板の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内となるようにする。図3における出射側偏光板5aの偏光フィルム5a1は上記のように、出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1と同じ透過軸方向とされるため、サファイア基板5a2との間で、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレを±0.5°以内とされ、該サファイア基板の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内とされる。図4における出射側偏光板5cの偏光フィルム5c1についても同様に、偏光フィルム5c3と同じ透過軸方向とされるため、サファイア基板5c2との間で、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレを±0.5゜以内とされ、該サファイア基板の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内とされる。図1における出射側偏光板5の偏光フィルム51とサファイア基板52との間及び図3における出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1とサファイア基板5b2との間では、明るさとコントラストが、光学系内において後段に配されるダイクロイックプリズム11に依存するため、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角の角度ズレを±6°以内にする必要はなく、±10°程度としても問題にならない。
【0026】
偏光板における明るさとコントラストを約98%以上とすることは、装置の省電力化や偏光板の温度上昇阻止を図る点からも今後の1つの設計基準となり得る。例えば図2の投射型映像表示装置において、光学系における輝度の許容低下率を約10%以内としたとき、偏光板における光の吸収量は約2%以下とすることが求められる。本図5の結果から、サファイア基板の板厚を約0.3×10−3m〜1.0×10−3mの範囲とし、サファイア基板の結晶軸(光学軸)方向と偏光フィルム(偏光素子)の透過軸(吸収軸)方向との角度ズレを±6゜以内の値とし、サファイア基板の光学軸と偏光素子の吸収軸とのなす角を90゜±6゜以内または0゜±6゜以内とすることで、偏光板における損失光量を約2%以下に抑えることができると考えられる。
【0027】
図6は、偏光板の温度特性の実測結果例を示す図である。
図6において、横軸には基板の板厚を、縦軸には偏光フィルムの温度をとっている。本特性は、図2に示した投射型映像表示装置における実測値であり、測定条件は、周囲温度Taは25゜C、光源は155W仕様の超高圧水銀ランプ、液晶パネルは0.7インチパネル、測定対象の偏光板は、入力側偏光板4G、その偏光フィルムの寸法は縦21.5×10−3m、横18.0×10−3m、基板は、縦23.5×10−3m、横20.0×10−3mのサファイア基板とガラス基板の場合、である。
【0028】
図6の結果から明らかなように、サファイア基板、ガラス基板とも、板厚が薄いほど基板の熱伝導性が向上し偏光フィルムの温度は低くなる。熱伝導率は、ガラスが0.55〜0.75(W/mK)、サファイアが約42(W/mK)である。一般に、偏光フィルムは耐用年数と熱変形による色ムラ(輝度ムラ)発生の点から70゜C以下の温度範囲で使用するのが望ましい。周囲温度の許容上限温度の35゜Cにおいて偏光フィルムの温度が70゜Cになるとすると、周囲温度が常温の25゜Cの場合は、偏光フィルムの温度は60゜Cとなる。図6の結果では、サファイア基板の場合、板厚が1.0mmでは偏光フィルムの温度は約57゜C、板厚が0.3mmでは偏光フィルムの温度は約55゜Cとなり、板厚を1.0mm以下とすれば、周囲温度が許容上限温度の35゜Cに達した場合にも、偏光フィルムの温度は70゜C以下にすることができる。また、サファイア基板において、例えば加工時における平面精度や破壊強度の確保を考慮した場合、板厚0.3mmは1つの下限値となる。従って、上記理由から、サファイア基板の板厚は、0.3mm〜1.0mmが適切であると考えられる。
【0029】
上記実施例構成によれば、投射型映像表示装置において、偏光板の放熱性の確保と併せ、映像の明るさ及びコントラストも確保することができる。また、一部または全部の偏光板において、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角のズレの許容範囲を、例えば特許第3091183号明細書に記載された±2゜以内であって望ましくは±0.5゜以内という範囲に対し大幅に大きくすることができるため、部品精度や組立て精度を緩和でき、偏光板単体、光学ユニット及び投射型映像表示装置の製作性の向上と低コスト化につなげることが可能となる。
なお、上記実施例では投射型映像表示装置として映像表示素子としての液晶パネルを3個用いるものにつき説明したが、本発明はこれには限定されず、例えば液晶パネル等の映像表示素子を1個用いる構成のものであってもよい。また、偏光板としては、偏光素子とサファイア基板とが離れて配される構成のものであってもよい。さらに、偏光板の基板としては、サファイア基板に限らず、他の熱伝導率の良好な1軸性結晶体を用いることも可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、投射型映像表示装置において、偏光板の放熱性の確保と併せ、映像の明るさ及びコントラストも確保することができる。また、部品精度や組立て精度を緩和でき、製作性の向上と低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として、映像表示素子に対する偏光板の第1の組合わせ構成例を示す図である。
【図2】図1の組合わせ構成を用いた投射型映像表示装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施例として、映像表示素子に対する偏光板の第2の組合わせ構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施例として、映像表示素子に対する偏光板の第3の組合わせ構成例を示す図である。
【図5】サファイア基板の結晶軸角度ズレに対する明るさ及びコントラストの関係を示す図である。
【図6】偏光板の温度特性の実測結果例を示す図である。
【符号の説明】
1…光源ユニット、 20R、20G、20B…液晶表示素子、 3…投射レンズユニット、 4、4R、4G、4B…入射側偏光板、 41、51、5a1、5b1、5c1、5c3…偏光フィルム、 42、52、5a2、5b2、5c2…サファイア基板、 5R、5G、5B、5a、5b、5c…出射側偏光板、 6…第1のアレイレンズ、 7…第2のアレイレンズ、 8…偏光変換素子、 9…集光レンズ、 10R、10G、10B…コンデンサレンズ、 11…ダイクロイックプリズム、 12、13…ダイクロイックミラー、 14、15、16…反射ミラー、 17、18…リレーレンズ、 19…スクリーン、 21…光路、 26…冷却用ファン、 27…冷却用空気の流路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源側からの光を偏光変換して映像表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成して投射する投射型映像表示装置に係わり、特に、偏光板の放熱技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、投射型映像表示装置において、液晶パネル等の映像表示素子に入射させる光、または該映像表示素子から出射される光のうちの所定の偏光方向のものを通すための偏光板としては、偏光素子としての偏光フィルムが光源からの光の吸収による温度上昇で変形するのを防止するために、該偏光フィルムを光透過性の基板上に貼り合せた構成とする。本発明に関連し、放熱性の点から上記基板をサファイアで構成する従来技術としては、例えば特許第3091183号明細書(特許文献1)に記載されたものがある。該特許明細書には、サファイア基板として、C軸方向またはC軸投影線方向と透過すべき偏光透過軸とのなす角度を±2゜以内、またはC軸と直交する軸と透過すべき偏光透過軸とのなす角度を±2゜以内、またはC面と透過すべき偏光の透過方向に垂直な面とのなす角度を±2゜以内とする構成が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3091183号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、C軸方向またはC軸投影線方向と透過すべき偏光透過軸とのなす角度などが±2゜以内であって好ましくは±0.5゜以内と、全体的に狭い角度範囲に限定されるため、これを満足するためには高い部品精度が必要となり、製作コストの増加にもつながると考えられる。また、サファイア基板を、液晶パネル(映像表示素子)側に配した場合には、コントラストが著しく劣化するおそれもある。
本発明の課題点は、上記従来技術の状況に鑑み、サファイア基板を備えた偏光板を用いる投射型映像表示装置技術として、該偏光板において、(1)放熱性と併せ、映像の明るさ及びコントラストも確保できるようにすること、(2)部品精度を緩和できるようにして生産性の向上を可能にし、低コスト化も図れるようにすること、等である。
本発明の目的は、かかる課題点を解決できる技術の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題点を解決するために、本発明では、投射型映像表示装置またはその光学ユニットを構成するために、基本的に、
(1)偏光素子をサファイア基板で保持して成る偏光板であって、映像表示素子の光入射側に配する偏光板を、該偏光板内において該偏光素子を映像表示素子側に、該サファイア基板を反対側に配し、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内となるようにする。
(2)偏光板を映像表示素子の光入射側と光出射側とに配し、該両偏光板をそれぞれ、サファイア基板上に偏光素子が該映像表示素子側にして保持された構成とし、うち入射側に配される偏光板を、サファイア基板の光学軸と偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされたものとする。
(3)偏光板を映像表示素子の光入射側と光出射側とに配し、光入射側に配される偏光板を、サファイア基板上に偏光素子が該映像表示素子側にして保持され、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされたものとし、光出射側に配される偏光板を、偏光素子がサファイア基板の両面側に配され、該サファイア基板の光学軸と該両面側の偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内とされたものとする。
さらに、
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、上記サファイア基板を、板厚が約0.3×10−3m〜1.0×10−3mのものとする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
図1〜図6は、本発明の実施例の説明図である。図1は、映像表示素子に対する偏光板の第1の組合わせ構成例を示す図、図2は、図1の組合わせ構成を用いた投射型映像表示装置の構成例を示す図、図3は映像表示素子に対する偏光板の第2の組合わせ構成例を示す図、図4は映像表示素子に対する偏光板の第3の組合わせ構成例を示す図、図5は、偏光板を構成するサファイア基板の結晶軸角度ズレに対する明るさ及びコントラストの関係を示す図、図6は、偏光板の温度特性の実測結果例を示す図である。
【0007】
図1において、20は映像表示素子としての液晶パネル、4は入射側偏光板、5は出射側偏光板、41は入射側偏光板4の偏光素子としての偏光フィルム、42は入射側偏光板4のサファイア基板、51は出射側偏光板5の偏光素子としての偏光フィルム、52は出射側偏光板5のサファイア基板、21は、偏光変換され、かつ色分離された赤(R)、緑(G)、青(B)いずれかの色光の入射偏光光である。また、X−X’は、入射光21の直線偏光の偏光方向である。
【0008】
上記構成において、入射側偏光板4、出射側偏光板5とも、偏光フィルム41、51を液晶パネル側に配する。偏光フィルム41と偏光フィルム51は互いに、光の透過軸が約90゜ずれるようにしてある。P偏光光またはS偏光光の入射偏光光21は、入射側偏光板4のサファイア基板42を通過し、偏光フィルム41に入射する。偏光フィルム41はX−X’方向を透過軸としている。該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)は、サファイア基板42の結晶軸(光学軸)が偏光に影響を与えないようにするために、偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)と同じX−X’方向もしくはこれと直交する方向にしてある。該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)の方向が偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)の方向からずれるに従い、該サファイア基板42のの複屈折による直線偏光の楕円偏光への変化量が増大し、その結果、偏光フィルム41での光の吸収量が増加して光損失が増大し、映像の明るさやコントラストが低下するとともに、発熱量も増大する。
【0009】
上記構成では、明るさとコントラストとを約98%以上にするために、上記サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と上記偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±6゜以内または0゜±6゜以内となるようにしている(図5で説明)。また、サファイア基板42の熱伝導により偏光フィルム41の温度を下げるために、該サファイア基板42の板厚は約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。入射側偏光板4に対し光の透過軸を90゜ずらせた出射側偏光板5については、サファイア基板52の光学軸(結晶軸)と偏光フィルム51の吸収軸(透過軸)とのなす角を、0゜±10゜以内程度または90゜±10゜以内程度とすれば実用上特に問題ない。サファイア基板52の板厚は、上記サファイア基板42と同様、約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。
【0010】
図2は、上記図1の偏光板を用いて成る投射型映像表示装置の構成例である。
図2において、1は光源ユニット、6は、複数の微小なレンズセルより成り複数の2次光源像を形成する第1のアレイレンズ、7は、同じく複数の微小なレンズセルより成り上記第1のアレイレンズの個々のレンズ像を結像する第2のアレイレンズ、8は、偏光ビームスプリッタ(図示なし)と1/2波長位相差板(図示なし)から構成され、上記第2のアレイレンズ7側からの光をP偏光光とS偏光光に分離した後、該両偏光光のうちいずれか一方の偏光方向を回転してP、Sいずれかの偏光光に揃えて出射する偏光変換素子、9は集光レンズ、12、13は色分離用のダイクロイックミラー、10R、10G、10Bはコンデンサレンズ、14、15、16は反射ミラー、17、18はリレーレンズ、20R、20G、20Bは映像表示素子としての透過型液晶パネル、4Rは液晶パネル20Rの入射側偏光板、5Rは液晶パネル20Rの出射側偏光板、4Gは液晶パネル20Gの入射側偏光板、5Gは液晶パネル20Gの出射側偏光板、4Bは液晶パネル20Bの入射側偏光板、5Gは液晶パネル20Gの出射側偏光板、11は色合成用のダイクロイックプリズム、3は映像光を拡大投射するための投射レンズユニット、19はスクリーン、26は冷却用ファン、27は冷却用空気の流路である。入射側偏光板4R、4G、4B及び出射側偏光板5R、5G、5Bはそれぞれ、上記図1に示した構成を備えているものとする。液晶パネル20R、20G、20Bはそれぞれ、映像信号に基づき駆動回路(図示なし)により駆動され、入射された偏光光を変調して出射する。また、リレ−レンズ17、18は、液晶パネル20Bの、光源ユニット1からの光路長が、液晶パネル20R、20Gの場合に比べて長いのを補うために設けられる。光源ユニット1から投射レンズユニット3までの上記諸要素は、投射型映像表示装置における光学ユニットを構成している。
【0011】
かかる構成において、上記光源ユニット1から出た光(白色光)は、上記第1のアレイレンズ6で複数の2次光源像を形成した後、上記第2のアレイレンズ7で該複数の2次光源像を結像し、該結像光が、上記偏光変換素子8内で、偏光ビームスプリッタ(図示なし)でP偏光光とS偏光光とに分離され、1/2波長位相差板(図示なし)により、例えば該P偏光光が偏光方向を回転されてS偏光光とされ、上記偏光ビームスプリッタで分離されたS偏光光と併せ、集光レンズ9に入射される。集光レンズ9で集光された白色光のS偏光光は、ダイクロイックミラー12に約45゜の入射角で入射する。ダイクロイックミラー12では、R光のS偏光光は反射され、G光及びB光のS偏光光は透過される。
【0012】
上記反射されたR光のS偏光光は反射ミラー14で反射されて光路変更し、コンデンサレンズ10Rを介してR光用の透過型液晶パネル20Rの入射側偏光板4Rに入射される。該R光のS偏光光は、該入射側偏光板4Rにおいて該入射側偏光板4Rの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、R光用の透過型液晶パネル20Rに照射される。該液晶パネル20Rでは、該R光のS偏光光が透過時に映像信号に基づいて変調され、R光のP偏光光となって出射される。液晶パネル20Rから出射されたR光のP偏光光は、出射側偏光板5Rに入射され、該出射側偏光板5Rにおいて該出射側偏光板5Rの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、ダイクロイックプリズム11に入射される。ダイクロイックプリズム11では、そのダイクロイック面で反射され、投射レンズユニット3に入る。
【0013】
一方、ダイクロイックミラー12を透過したG光及びB光のS偏光光は、さらに、ダイクロイックミラー13に約45゜の入射角で入射し、該ダイクロイックミラー13で、G光のS偏光光は反射され、B光のS偏光光は透過される。反射されたG光のS偏光光は、コンデンサレンズ10Gを介してG光用の透過型液晶パネル20Gの入射側偏光板4Gに入射される。
該G光のS偏光光は、該入射側偏光板4Gにおいて該入射側偏光板4Gの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、G光用の透過型液晶パネル20Gに照射される。該液晶パネル20Gでは、該G光のS偏光光が透過時に映像信号に基づいて変調され、G光のP偏光光となって出射される。液晶パネル20Gから出射されたG光のP偏光光は、出射側偏光板5Gに入射され、該出射側偏光板5Gにおいて該出射側偏光板5Gの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、ダイクロイックプリズム11に入射される。該G光のP偏光光は、ダイクロイックプリズム11内においてダイクロイック面で反射され、投射レンズユニット3に入る。
【0014】
また、上記ダイクロイックミラー13を透過したB光のS偏光光は、リレーレンズ17を経て反射ミラー15で反射され、さらにリレーレンズ18を経て反射ミラー16で反射され、コンデンサレンズ10Bを介してB光用の透過型液晶パネル20Bの入射側偏光板4Bに入射される。該B光のS偏光光は、該入射側偏光板4Bにおいても該入射側偏光板4Bの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、B光用の透過型液晶パネル20Bに照射される。該液晶パネル20Bでは、該B光のS偏光光が透過時に映像信号に基づいて変調され、B光のP偏光光となって出射される。液晶パネル20Bから出射されたB光のP偏光光は、出射側偏光板5Bに入射され、該出射側偏光板5Bにおいて該出射側偏光板5Gの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、ダイクロイックプリズム11に入射される。ダイクロイックプリズム11内において該B光のP偏光光はダイクロイック面で反射され、投射レンズユニット3に入る。
すなわち、上記のように、ダイクロイックプリズム11からは、映像信号により変調されたR光のP偏光光と、G光のP偏光光と、B光のP偏光光とが互いに色合成された状態で出射され、白色光のP偏光光として投射レンズユニット3に入り、該投射レンズユニット3によりスクリーン19上に映像光として拡大投射される。
【0015】
上記構成において、各入射側偏光板4R、4G、4B及び各出射側偏光板5R、5G、5Bでは、それぞれの偏光フィルムの透過軸を通過できない光は、該それぞれの偏光フィルムに吸収されて熱に変り、それぞれの偏光フィルムの温度を上昇させる。サファイア基板は、その放熱特性により該偏光フィルムの熱を放熱し、該偏光フィルムと偏光板全体の温度上昇を抑える。冷却用ファン26は、冷却用ダクト(図示なし)等により流路27を形成し、各入射側偏光板4R、4G、4B、各出射側偏光板5R、5G、5B、各液晶パネル20R、20G、20B等に送風し、これらを冷却する。
【0016】
なお、上記構成例では偏光変換素子8からは、偏光変換の結果、S偏光光が出射されるようにしたが、これに限らず、P偏光光が出射されるようにしてもよい。この場合は、R、G、B各色光のP偏光光がそれぞれ、各入射側偏光板4R、4G、4Bを透過し、対応する液晶パネル20R、20G、20Bに照射され、該液晶パネル20R、20G、20Bにおいて、透過時に映像信号に基づいて変調され、R、G、B各色光のS偏光光となって出射され、ダイクロイックプリズム11で色合成される。
【0017】
図3は、映像表示素子に対する偏光板の第2の組合わせ構成例を示す図である。本構成は、偏光素子を映像表示素子側に配した偏光板を、映像表示素子の入射側に1個、出射側に2個設けた場合の例である。該2個の偏光板それぞれのサファイア基板により出射側の放熱効果を高められ、偏光素子の過度の温度上昇を抑えられる。
図3において、20は映像表示素子としての液晶パネル、4は入射側偏光板、5a、5bは出射側偏光板、41は入射側偏光板4の偏光素子としての偏光フィルム、42は入射側偏光板4のサファイア基板、5a1は出射側偏光板5aの偏光素子としての偏光フィルム、5a2は出射側偏光板5aのサファイア基板、5b1は出射側偏光板5bの偏光素子としての偏光フィルム、5b2は出射側偏光板5bのサファイア基板、21は、偏光変換され、かつ赤(R)、緑(G)、青(B)いずれかの色光に分離された入射偏光光としてのP偏光光またはS偏光光である。また、X−X’は、入射偏光光21の直線偏光の偏光方向である。偏光フィルム5a1としては偏光度の低いものを用い、偏光フィルム5b1としては偏光度の高い(ほぼ100%)ものを用いる。
【0018】
上記において、入射側偏光板4、出射側偏光板5a、5bとも、偏光フィルム41、5a1、5b1を液晶パネル20側に配する。偏光フィルム5a1、5b1は、サファイア基板5a2に対してはその両面側に配されている。偏光フィルム41と偏光フィルム5a1、5b1とは互いに、光の透過軸が約90゜ずれるようにしてある。P偏光光またはS偏光光の入射偏光光21は、入射側偏光板4のサファイア基板42を通過し、偏光フィルム41に入射する。偏光フィルム41はX−X’方向を透過軸としている。入射側偏光板4において該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)は、サファイア基板42の結晶軸(光学軸)が偏光に影響を与えないようにするために、偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)と同じX−X’方向もしくはこれと直交する方向にしてある。該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)の方向が偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)の方向からずれるに従い、該サファイア基板42の複屈折による直線偏光の楕円偏光への変化量が増大し、その結果、偏光フィルム41での光の吸収量が増加して光損失が増大し、映像の明るさやコントラストが低下するとともに、偏光板としての発熱量が増大し温度も上昇する。出射側偏光板5a、5bについても同様である。
【0019】
上記構成では、偏光板4における明るさとコントラストとを約98%以上にすべく、該サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±6゜以内または0゜±6゜以内となるようにしている。また、サファイア基板42の熱伝導により偏光フィルム41の温度を下げるために、該サファイア基板42の板厚は約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。入射側偏光板4に対し光の透過軸を90゜ずらせた出射側偏光板5a、5bについても、明るさとコントラストとを約98%以上にするために、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角が所定範囲の値となるようにする。出射側偏光板5aについては、サファイア基板5a2の光学軸(結晶軸)と偏光フィルム5a1の吸収軸(透過軸)とのなす角を、0゜±0.5゜以内または90゜±0.5゜以内の値にする(図5で説明)。また、サファイア基板5a2の熱伝導により偏光フィルム5a1の温度を下げるために、該サファイア基板5a2の板厚は約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。出射側偏光板5bについても、明るさとコントラストとを約98%以上にするために、偏光フィルム5b1の吸収軸(透過軸)と上記サファイア基板5a2の光学軸(結晶軸)とのなす角が、0゜±0.5゜以内または90゜±0.5゜以内となるようにしている。偏光フィルム5b1とサファイア基板5b2との間では、該サファイア基板5b2の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルム5b1の吸収軸(透過軸)とのなす角を、0゜±10゜以内程度または90゜±10゜以内程度としておけば実用上特に問題はない。また、サファイア基板5b2の板厚は、該サファイア基板5b2の熱伝導により偏光フィルム5b1の温度を下げるために、上記サファイア基板5a2の場合と同様、約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。
本図3に示す出射側偏光板5a、5bを、上記図2の投射型映像表示装置における出射側偏光板5R、5G、5Bのそれぞれに替えて用いると、偏光板の温度上昇を抑え、明るさとコントラストを改善した投射型映像表示装置を構成することができる。
【0020】
図4は、映像表示素子に対する偏光板の第3の組合わせ構成例を示す図である。本構成は、2個の偏光素子を1枚のサファイア基板の両面上に配して成る偏光板を、映像表示素子の出射側に設けた場合の例である。
図4において、20は映像表示素子としての液晶パネル、4は入射側偏光板、5cは出射側偏光板、41は入射側偏光板4の偏光素子としての偏光フィルム、42は入射側偏光板4のサファイア基板、5c1は、出射側偏光板5c内においてサファイア基板に対し液晶パネル20側に配された偏光素子としての偏光フィルム、5c2は出射側偏光板5cのサファイア基板、5c3は、出射側偏光板5c内においてサファイア基板5c2に対し液晶パネル20と反対側に配された偏光素子としての偏光フィルム、21は、偏光変換されかつ赤(R)、緑(G)、青(B)いずれかの色光に分離された入射偏光光としてのP偏光光またはS偏光光、X−X’は、入射偏光光21の直線偏光の偏光方向である。
【0021】
上記において、入射側偏光板4、出射側偏光板5cとも、偏光フィルム41、5c1を液晶パネル20側に配する。出射側偏光板5cにおいて、偏光フィルム5c1、5c3は、サファイア基板5c2上に設けられる。偏光フィルム41と偏光フィルム5c1、5c3とは互いに、光の透過軸が約90゜ずれるようにしてある。P偏光光またはS偏光光の入射偏光光21は、入射側偏光板4のサファイア基板42を通過し、偏光フィルム41に入射する。偏光フィルム41はX−X’方向を透過軸としている。入射側偏光板4において該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)は、サファイア基板42の結晶軸(光学軸)が偏光に影響を与えないようにするために、偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)と同じX−X’方向もしくはこれと直交する方向にしてある。該サファイア基板42の結晶軸(光学軸)の方向が偏光フィルム41の透過軸(吸収軸)の方向からずれるに従い、該サファイア基板42の複屈折による直線偏光の楕円偏光への変化量が増大し、その結果、偏光フィルム41での光の吸収量が増加して光損失が増大し、映像の明るさやコントラストが低下するとともに、偏光板としての発熱量が増大し温度も上昇する。出射側偏光板5cについても同様である。
【0022】
上記構成では、入射側偏光板4における明るさとコントラストとを約98%以上にするために、該サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±6゜以内または0゜±6゜以内となるようにしている。また、サファイア基板42の熱伝導により偏光フィルム41の温度を下げるために、該サファイア基板42の板厚は約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。入射側偏光板4に対して光の透過軸を90゜ずらせた出射側偏光板5cについても、明るさとコントラストとを約98%以上にすべく、サファイア基板5c2の光学軸(結晶軸)と偏光フィルム5c1、5c3の吸収軸(透過軸)とのなす角を、0゜±0.5゜以内または90゜±0.5゜以内となるようにしている。また、サファイア基板5c2の板厚は、該サファイア基板5c2の熱伝導により偏光フィルム5c1、5c3の温度を下げるために、約0.3×10−3m〜1.0×10−3mとしている。本図4に示す出射側偏光板5cを、上記図2の投射型映像表示装置における出射側偏光板5R、5G、5Bのそれぞれに替えて用いて成る投射型映像表示装置においても、偏光板の温度上昇を抑え、明るさとコントラストの改善を図ることができる。
【0023】
図5は、上記図1、図3及び図4の構成における、サファイア基板の結晶軸(光学軸)方向と偏光フィルム(偏光素子)の透過軸(吸収軸)方向との角度ズレに対する明るさ及びコントラストの関係の説明図である。
一般に、偏光素子の偏光軸(透過軸また吸収軸)に対して角度θを成して設けられた厚さt、複屈折率nの部材における光透過率は、入射光の波長をλとするとき、
I=I0・sin2(2θ)・sin2(π・t・n/λ) …(数1)
で表される(例えば、特開平10−55002号公報の段落0014〜0015参照)。
【0024】
図5は、偏光板における明るさ及びコントラストを上記数1により計算した結果を、実測値と併せて示す。
図5において、横軸は、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレ、縦軸は、明るさまたコントラストである。図中、特性Aは、偏光素子を映像表示素子側に配しサファイア基板をその反対側に配した偏光板の特性、特性A1は、特性Aのうち、上記数1により求めた明るさ及びコントラストの計算結果、特性A2は、同じく特性Aのうち、明るさの実測結果、特性A3は、同じく特性Aのうち、コントラストの実測結果である。また、特性Bは、偏光素子をサファイア基板に対し映像表示素子とは反対の側に配した偏光板のコントラスト特性、特性B1は、特性Bのうち、上記数1により求めたコントラストの計算結果、特性B2は、同じく特性Bのうち、コントラスト特性の実測結果である。図1、図3及び図4における入射側偏光板4の偏光フィルム41とサファイア基板42と間では、上記特性Aを有する。また、図3における出射側偏光板5aのサファイア基板5a2と出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1との間では、偏光フィルム5b1が、サファイア基板5a2の複屈折による乱れた偏光成分を吸収するため、コントラスト及び明るさが、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレに対し急激に低下し、上記特性Bを有する。図4における出射側偏光板5cのサファイア基板5c2と偏光フィルム5c3との間でも同様に、偏光フィルム5c3が、サファイア基板5c2の複屈折による乱れた偏光成分を吸収するため、コントラスト及び明るさが急激に低下し、上記特性Bを有する。図3における出射側偏光板5aの偏光フィルム5a1は、出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1と同じ透過軸方向とされ、図4における出射側偏光板5cの偏光フィルム5c1は、偏光フィルム5c3と同じ透過軸方向とされる。
【0025】
上記の結果、特性Aにおいては、偏光板における明るさとコントラストとを例えば約98%以上とするためには、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレが±6°以内であることが必要である。また、特性Bにおいては、偏光板におけるコントラストを例えば約98%以上とするためには、該角度ズレが±0.5°以内であることが必要である。すなわち、図1、図3及び図4における入射側偏光板4の偏光フィルム41とサファイア基板42と間では、サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)との角度ズレを±6°以内とし、該サファイア基板42の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルム41の吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±6゜以内または0゜±6゜以内となるようにする。また、図3における出射側偏光板5aのサファイア基板5a2と出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1との間、及び、図4における出射側偏光板5cのサファイア基板5c2と偏光フィルム5c3との間では、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレを±0.5°以内とし、該サファイア基板の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内となるようにする。図3における出射側偏光板5aの偏光フィルム5a1は上記のように、出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1と同じ透過軸方向とされるため、サファイア基板5a2との間で、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレを±0.5°以内とされ、該サファイア基板の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内とされる。図4における出射側偏光板5cの偏光フィルム5c1についても同様に、偏光フィルム5c3と同じ透過軸方向とされるため、サファイア基板5c2との間で、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)との角度ズレを±0.5゜以内とされ、該サファイア基板の光学軸(結晶軸)と該偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角を、90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内とされる。図1における出射側偏光板5の偏光フィルム51とサファイア基板52との間及び図3における出射側偏光板5bの偏光フィルム5b1とサファイア基板5b2との間では、明るさとコントラストが、光学系内において後段に配されるダイクロイックプリズム11に依存するため、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角の角度ズレを±6°以内にする必要はなく、±10°程度としても問題にならない。
【0026】
偏光板における明るさとコントラストを約98%以上とすることは、装置の省電力化や偏光板の温度上昇阻止を図る点からも今後の1つの設計基準となり得る。例えば図2の投射型映像表示装置において、光学系における輝度の許容低下率を約10%以内としたとき、偏光板における光の吸収量は約2%以下とすることが求められる。本図5の結果から、サファイア基板の板厚を約0.3×10−3m〜1.0×10−3mの範囲とし、サファイア基板の結晶軸(光学軸)方向と偏光フィルム(偏光素子)の透過軸(吸収軸)方向との角度ズレを±6゜以内の値とし、サファイア基板の光学軸と偏光素子の吸収軸とのなす角を90゜±6゜以内または0゜±6゜以内とすることで、偏光板における損失光量を約2%以下に抑えることができると考えられる。
【0027】
図6は、偏光板の温度特性の実測結果例を示す図である。
図6において、横軸には基板の板厚を、縦軸には偏光フィルムの温度をとっている。本特性は、図2に示した投射型映像表示装置における実測値であり、測定条件は、周囲温度Taは25゜C、光源は155W仕様の超高圧水銀ランプ、液晶パネルは0.7インチパネル、測定対象の偏光板は、入力側偏光板4G、その偏光フィルムの寸法は縦21.5×10−3m、横18.0×10−3m、基板は、縦23.5×10−3m、横20.0×10−3mのサファイア基板とガラス基板の場合、である。
【0028】
図6の結果から明らかなように、サファイア基板、ガラス基板とも、板厚が薄いほど基板の熱伝導性が向上し偏光フィルムの温度は低くなる。熱伝導率は、ガラスが0.55〜0.75(W/mK)、サファイアが約42(W/mK)である。一般に、偏光フィルムは耐用年数と熱変形による色ムラ(輝度ムラ)発生の点から70゜C以下の温度範囲で使用するのが望ましい。周囲温度の許容上限温度の35゜Cにおいて偏光フィルムの温度が70゜Cになるとすると、周囲温度が常温の25゜Cの場合は、偏光フィルムの温度は60゜Cとなる。図6の結果では、サファイア基板の場合、板厚が1.0mmでは偏光フィルムの温度は約57゜C、板厚が0.3mmでは偏光フィルムの温度は約55゜Cとなり、板厚を1.0mm以下とすれば、周囲温度が許容上限温度の35゜Cに達した場合にも、偏光フィルムの温度は70゜C以下にすることができる。また、サファイア基板において、例えば加工時における平面精度や破壊強度の確保を考慮した場合、板厚0.3mmは1つの下限値となる。従って、上記理由から、サファイア基板の板厚は、0.3mm〜1.0mmが適切であると考えられる。
【0029】
上記実施例構成によれば、投射型映像表示装置において、偏光板の放熱性の確保と併せ、映像の明るさ及びコントラストも確保することができる。また、一部または全部の偏光板において、サファイア基板の光学軸(結晶軸)と偏光フィルムの吸収軸(透過軸)とのなす角のズレの許容範囲を、例えば特許第3091183号明細書に記載された±2゜以内であって望ましくは±0.5゜以内という範囲に対し大幅に大きくすることができるため、部品精度や組立て精度を緩和でき、偏光板単体、光学ユニット及び投射型映像表示装置の製作性の向上と低コスト化につなげることが可能となる。
なお、上記実施例では投射型映像表示装置として映像表示素子としての液晶パネルを3個用いるものにつき説明したが、本発明はこれには限定されず、例えば液晶パネル等の映像表示素子を1個用いる構成のものであってもよい。また、偏光板としては、偏光素子とサファイア基板とが離れて配される構成のものであってもよい。さらに、偏光板の基板としては、サファイア基板に限らず、他の熱伝導率の良好な1軸性結晶体を用いることも可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、投射型映像表示装置において、偏光板の放熱性の確保と併せ、映像の明るさ及びコントラストも確保することができる。また、部品精度や組立て精度を緩和でき、製作性の向上と低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として、映像表示素子に対する偏光板の第1の組合わせ構成例を示す図である。
【図2】図1の組合わせ構成を用いた投射型映像表示装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施例として、映像表示素子に対する偏光板の第2の組合わせ構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施例として、映像表示素子に対する偏光板の第3の組合わせ構成例を示す図である。
【図5】サファイア基板の結晶軸角度ズレに対する明るさ及びコントラストの関係を示す図である。
【図6】偏光板の温度特性の実測結果例を示す図である。
【符号の説明】
1…光源ユニット、 20R、20G、20B…液晶表示素子、 3…投射レンズユニット、 4、4R、4G、4B…入射側偏光板、 41、51、5a1、5b1、5c1、5c3…偏光フィルム、 42、52、5a2、5b2、5c2…サファイア基板、 5R、5G、5B、5a、5b、5c…出射側偏光板、 6…第1のアレイレンズ、 7…第2のアレイレンズ、 8…偏光変換素子、 9…集光レンズ、 10R、10G、10B…コンデンサレンズ、 11…ダイクロイックプリズム、 12、13…ダイクロイックミラー、 14、15、16…反射ミラー、 17、18…リレーレンズ、 19…スクリーン、 21…光路、 26…冷却用ファン、 27…冷却用空気の流路。
Claims (10)
- 光源側からの光を映像表示素子に照射し映像信号に基づき変調して光学像を形成する投射型映像表示装置用の光学ユニットであって、
上記光源側からの光の偏光方向を揃え所定の偏光光を形成する偏光変換素子と、
上記映像表示素子に対し光の入射側に配され、サファイア基板上に偏光素子を該映像表示素子側にして保持し、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされ、上記偏光変換素子側から入射されるR、G、Bの各色光の偏光光のうち所定の偏光方向のものを通過させ上記映像表示素子に入射させる偏光板と、
を備えたことを特徴とする光学ユニット。 - 光源側からの光を映像表示素子に照射し映像信号に基づき変調して光学像を形成する投射型映像表示装置用の光学ユニットであって、
上記光源側からの光の偏光方向を揃え所定の偏光光を形成する偏光変換素子と、
上記偏光光からR、G、Bの各色光を分離する色分離部と、
上記映像表示素子に対し光の入射側と出射側に配される偏光板であって、両偏光板がそれぞれ、サファイア基板上に偏光素子を該映像表示素子側にして保持した構成を有し、うち入射側に配される入射側偏光板が、そのサファイア基板の光学軸と偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされ、上記色分離部側から入射されるR、G、Bの各色光の偏光光のうち所定の偏光方向のものを通して上記映像表示素子に入射させる構成とされた偏光板と、
を備えたことを特徴とする光学ユニット。 - 光源側からの光を映像表示素子に照射し映像信号に基づき変調して光学像を形成する投射型映像表示装置用の光学ユニットであって、
上記光源側からの光の偏光方向を揃え所定の偏光光を形成する偏光変換素子と、
上記偏光光からR、G、Bの各色光を分離する色分離部と、
上記映像表示素子に対し光の入射側に配される偏光板であって、サファイア基板上に偏光素子が該映像表示素子側にして保持され、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされ、上記色分離部側から入射されるR、G、Bの各色光の偏光光のうち所定の偏光方向のものを通して上記映像表示素子に入射させる入射側偏光板と、
上記映像表示素子に対し光の出射側に配される偏光板であって、偏光素子がサファイア基板の両面側に配され、該サファイア基板の光学軸と該両面側に配される偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内とされ、上記映像表示素子で変調され出射されるR、G、Bの各色光の偏光光のうち所定の偏光方向のものを通す出射側偏光板と、
を備えたことを特徴とする光学ユニット。 - 上記偏光板は、上記サファイア基板の板厚が約0.3×10−3m〜1.0×10−3mである請求項1、2または3に記載の光学ユニット。
- 光源側からの光を映像表示素子に照射し映像信号に基づき形成した光学像を投射する投射型映像表示装置であって、
上記光源側からの光の偏光方向を揃え所定の偏光光を形成する偏光変換素子と、
上記偏光光からR、G、Bの各色光を分離する色分離部と、
上記映像表示素子に対し光の入射側に配され、サファイア基板上に偏光素子を該映像表示素子側にして保持し、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされ、上記色分離部側から入射されるR、G、Bの各色光の偏光光のうち所定の偏光方向のものを通過させ上記映像表示素子に入射させる偏光板と、
上記映像表示素子を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
上記映像表示素子で形成された上記光学像を投射する投射レンズユニットと、
を備えて成る構成を特徴とする投射型映像表示装置。 - 光源側からの光を映像表示素子に照射し映像信号に基づき形成した光学像を投射する投射型映像表示装置であって、
上記光源側からの光の偏光方向を揃え所定の偏光光を形成する偏光変換素子と、
上記偏光光からR、G、Bの各色光を分離する色分離部と、
上記映像表示素子に対し光の入射側と出射側に配される偏光板であって、両偏光板がそれぞれ、サファイア基板上に偏光素子を該映像表示素子側にして保持した構成を有し、うち入射側に配される入射側偏光板が、そのサファイア基板の光学軸と偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされ、上記色分離部側から入射されるR、G、Bの各色光の偏光光のうち所定の偏光方向のものを通して上記映像表示素子に入射させる構成とされた偏光板と、
上記映像表示素子を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
上記映像表示素子で形成された上記光学像を投射する投射レンズユニットと、
を備えて成る構成を特徴とする投射型映像表示装置。 - 光源側からの光を映像表示素子に照射し映像信号に基づき形成した光学像を投射する投射型映像表示装置であって、
上記光源側からの光の偏光方向を揃え所定の偏光光を形成する偏光変換素子と、
上記偏光光からR、G、Bの各色光を分離する色分離部と、
上記映像表示素子に対し光入射側に配される偏光板であって、サファイア基板上に偏光素子が該映像表示素子側にして保持され、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされ、上記色分離部側から入射されるR、G、Bの各色光の偏光光のうち所定の偏光方向のものを通して上記映像表示素子に入射させる入射側偏光板と、
上記映像表示素子に対し光出射側に配される偏光板であって、偏光素子がサファイア基板の両面側に配され、該サファイア基板の光学軸と該両面側の偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内とされ、上記映像表示素子で変調され出射されるR、G、Bの各色光の偏光光のうち所定の偏光方向のものを通す出射側偏光板と、
上記映像表示素子を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
上記映像表示素子で形成された上記光学像を投射する投射レンズユニットと、
を備えて成る構成を特徴とする投射型映像表示装置。 - 上記偏光板は、上記サファイア基板の板厚が約0.3×10−3m〜1.0×10−3mである請求項5、6または7に記載の投射型映像表示装置。
- 光源側からの光を偏光変換して映像表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成する投射型映像表示装置用の偏光板であって、
偏光素子が板厚約0.3×10−3m〜1.0×10−3mのサファイア基板上に保持され、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が90゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内または0゜±6゜(±2゜の範囲を除く)以内とされ、R、G、Bの各色光の偏光光が入射されたとき、該偏光光のうち所定の偏光方向のものを通し上記映像表示素子に入射させる構成を特徴とする偏光板。 - 光源側からの光を偏光変換して映像表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成する投射型映像表示装置用の偏光板であって、
偏光素子が板厚約0.3×10−3m〜1.0×10−3mのサファイア基板の両面側に配され、該サファイア基板の光学軸と該偏光素子の吸収軸とのなす角が、90゜±0.5゜以内または0゜±0.5゜以内とされ、上記映像表示素子から出射されるR、G、Bの各色光の偏光光が入射されたとき、該偏光光のうち所定の偏光方向のものを通す構成を特徴とする偏光板。
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JP2003037007A Withdrawn JP2004246178A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 光学ユニット、投射型映像表示装置及びそれに用いる偏光板 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006251447A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Seiko Epson Corp | 投射型表示装置、液晶装置および電子機器 |
JP2007316564A (ja) * | 2005-07-01 | 2007-12-06 | Seiko Epson Corp | プロジェクタ |
JP2009003232A (ja) * | 2007-06-22 | 2009-01-08 | Sanyo Electric Co Ltd | 液晶プロジェクタ |
JP2009047969A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Seiko Epson Corp | プロジェクタおよび表示装置 |
JP2009210750A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-09-17 | Sony Corp | 光学素子及び液晶表示装置 |
EP2389694A1 (en) * | 2009-01-21 | 2011-11-30 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Light source comprising a light recycling device and corresponding light recycling device |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003037007A patent/JP2004246178A/ja not_active Withdrawn
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