JP4124954B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の吐出口からなる吐出口列を備える記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションなどの出力機器として用いられる記録装置(プリント装置)としては、画像情報(記録情報)に基づいて、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録媒体(被記録材)に向けてインクを吐出することで記録を実行するインクジェット記録装置等の液体吐出装置が普及している。また、これら記録媒体の材質に対する要求も様々なものがあり、近年では、これらの要求に対する開発が進み、通常の記録媒体である紙(薄紙や加工紙を含む)や樹脂薄板(OHPシート等)などの他に、布、皮革、不織布、更には金属等を記録媒体として用いる液体吐出装置も使用されるようになっている。
【0003】
前記液体吐出装置(インクジェット記録装置等)は、低騒音、低ランニングコストで、装置の小型化が容易であり、カラー化も容易であるなどの観点から、プリンタ、複写機、ファクシミリ等へ広く応用されている。液体吐出装置の液体吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド等)の前面には液滴(インク滴等)を吐出するための吐出口(通常複数個)が形成されており、この吐出口の大きさは数十μ程度であるが、最近では高画質化とともに吐出口の大きさは益々小さくなりつつある。そして、ホスト機から送られてくる液滴吐出情報(記録データ等)をもとに装置内で処理された吐出信号に基づいて、前記吐出口から液滴が吐出され、記録媒体上に画像(文字や記号も含む)が形成される。
【0004】
記録手段から記録媒体へインクを吐出して記録を行う上記インクジェット記録装置においては、微細な吐出口からインクを吐出して記録を行うことから、該吐出口に目詰まりが生じ、吐出不良(不吐出を含む)に起因して記録画像の品位が低下してしまうということがあり、そのための対策として、記録手段のインク吐出性能を維持回復するための回復ユニットを用いることが行なわれている。この回復ユニットとして、例えば、記録ヘッドの吐出口をキャッピングするキャッピング機構と、キャッピング状態において前記キャッピング機構に接続されてポンプを作動させて該キャッピング手段内部に負圧を発生させて吐出口から増粘インクや気泡等の異物を吸引排出することにより該吐出口内のインクをリフレッシュさせることでインク吐出性能を維持回復する吸引手段と、記録手段の吐出口面に付着したインク等を異物を拭き取り清掃(クリーニング)するワイピング手段とを備えたものが使用されている。
【0005】
前記ワイピング手段においては、従来より、液体吐出装置としてのインクジェット記録装置に搭載する液体吐出手段としてのインクジェットヘッドの性能を維持するために、所定量の液体を吐出した後、液体吐出手段を使用しない期間が所定時間経過した後、あるいは、液体吐出手段内の泡やごみを撤去するための吸引動作を実行した後などに、吐出口を含んだ吐出口面をワイパーによって清掃する技術が広く適用されている。その場合、該ワイパーによる清掃能力を向上させるためにワイパーブレードが吐出口を通過するときに吐出口より液体(インク)を吐出する(以後、予備吐出と呼ぶ)技術を適用することが提案されている。
【0006】
例えば、特開昭59−45161号公報では、複数の吐出口が形成された吐出口面を吐出口の配列方向にワイピングを行う場合において、ワイピング方向の上流側に画像形成(文字形成等の記録、プリント)に関与しない吐出口を設け、そこよりインクを吐出しながらワイピングを行ったり、更に該吐出口からだけでなく画像形成に関与する吐出口からも吐出させながらワイピングする技術が開示されている。また、特開平7−148934号公報には、ワイパーへインクを吐出して濡らした後、この濡れたワイパーで汚れを除去する技術が開示されている。さらに、特開平11−342620号公報には、複数の吐出口が形成された吐出口面を吐出口の配列方向に垂直な方向にワイピングする場合において、インク吐出を併用することにより汚れの除去性能を向上させる技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吐出口の配列方向にワイピングを行う場合においては、予めワイパーを濡らしてからワイピングする手法、あるいは吐出口列のワイピング方向上流側に画像形成に関与しない吐出口を設けて該吐出口からインクを吐出させながらワイピングする手法によっては、吐出口面上のしつこい汚れを落とすには十分でない場合があることが判明した。そこで、全ての吐出口から液体(インク)を吐出させながらワイピングすることが考えられるが、このような手法では、ワイパーブレードが吐出口面に当接する領域以外も多量の予備吐出を行うことになり、液体吐出装置(プリント装置等)の本体の過度の汚れの原因となったり、必要以上にインクを消費してしまうなどの不都合が生じることになる。
【0008】
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、インクの消費を最小限に抑えながら、吐出口面を十分に清浄化することができるインクジェット記録装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、複数の吐出口からなる吐出口列を備える記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドを搭載して移動するためのキャリッジと、前記吐出口列の方向に移動することにより記録ヘッドの吐出口面をワイピングするワイパーと、を備え、前記ワイパーで前記吐出口面をワイピングする際に、前記複数の吐出口のうち前記ワイパーによるワイピングがなされる前の吐出口から吐出したインクを前記ワイパーの表面に衝突させて前記ワイパーと前記吐出口面との間でインクを往復させることにより、前記ワイパーの先端部に付着した異物を前記吐出口面から離隔する方向へ移動させるとともに、前記ワイパーの表面で跳ね返ったインクを前記吐出口面へ再付着させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。図1は本発明を適用した液体吐出装置としてのインクジェット記録装置の一実施例を示す模式的斜視図である。図1において、記録媒体(記録紙)Pは搬送機構(紙送り機構)5の搬送ローラ(紙送りローラ)6によって搬送(紙送り)され、プラテン(図示の例ではプラテンローラ)7の上において液体吐出手段としての記録手段(記録ヘッド)3から吐出情報(記録情報等)に基づいて液体(インク)を吐出することにより該記録媒体Pに所定の画像形成(記録)が行われる。図示の例では、記録手段は異なるインクを吐出する複数の記録ヘッド3で構成されており、これらの記録ヘッド3はキャリッジ2上に位置決めされて搭載されている。前記複数の吐出ヘッド(記録ヘッド)3は、それぞれに対応するインクが充填されたインクタンク9に接続されている。なお、図示の例では、異なるインクを用いて記録する複数(6個)のカートリッジ8が使用されており、各カートリッジ8は、記録ヘッド(記録手段)3とインクタンク9を一体化した構成を有し、交換可能に搭載されている。
【0012】
前記キャリッジ2は装置本体に設置されたガイドシャフト12に沿って両矢印I方向に往復移動可能に案内支持されている。このキャリッジ2は、キャリッジ駆動機構4の駆動ベルト11に連結されており、キャリッジモータMの駆動力によりガイドシャフト12に沿って駆動される。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータMの正転及び逆転によってガイドシャフト12に沿って往復移動され、該キャリッジモータMの回転を制御することで位置及び移動(主走査方向の動き)を制御される。また、不図示の搬送モータにより不図示の伝動機構を介して前記搬送機構5の搬送ローラ6を駆動することにより、記録紙(記録媒体)Pの搬送(紙送り、副走査)が行われる。
【0013】
前記液体吐出手段(液体吐出ヘッド)としての記録ヘッド(記録手段)3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、前記記録ヘッド3は、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化(状態変化)を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
【0014】
図2は、前記記録ヘッド3のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。図2において、用紙等の記録媒体Pと所定の隙間(例えば、約0.3〜2.0ミリ程度)をおいて対面する吐出口面81には、所定のピッチで複数の吐出口82が形成され、共通液室83と各吐出口82とを連通する各液路84の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が配設されている。本例においては、記録ヘッド3は、前記吐出口82が前記キャリッジ2の走査方向と交叉する方向に並ぶような位置関係で、該キャリッジ2に搭載されている。こうして、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体85を駆動(通電)して、液路84内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口82からインクを吐出させる記録ヘッド3が構成されている。
【0015】
図1において、キャリッジ2の移動範囲内であって記録領域を外れた所定位置(例えばキャリッジ2のホームポジションに対応する位置)には、記録動作の待機中や記録動作の前後もしくは記録動作中の適宜なタイミングで、記録ヘッド3のインク吐出性能を維持回復するための回復系(回復装置)10が配設されている。この回復系10は、ホームポジションに位置する記録ヘッド3の吐出口面81をキャッピングするキャップ13と、このキャップ13に接続された負圧発生源としての吸引ポンプ(不図示)と、記録ヘッド3の吐出口面81をワイピング(拭き払い清掃)するワイパー14から成るワイピング手段などを具備している。このワイパー14は、通常、板状のゴム状弾性体(ブレード)として形成されている。
【0016】
前記回復系10で記録ヘッド3のインク吐出性能を維持回復するための回復動作を行う際は、前記キャップ13を吐出口面81に密着させて吐出口82をキャッピングした状態で前記吸引ポンプを作動させることにより吐出口82からインクを吸引し、インクとともに増粘インクや気泡等の異物を排出することで吐出口内のインクを正常な状態に復帰させる吸引回復動作、さらには、この吸引回復動作とともに、あるいは該吸引回復動作に代えて、インク供給経路等に設けられた加圧手段により吐出口82から前記キャップ13あるいは別の液体受け(不図示)に向けてインクを強制的に排出させ、それによって記録ヘッド3のインク流路内の増粘インクや気泡等を除去する吐出回復動作が行われる。そして、記録終了時や記録待機時などの非記録時には、記録ヘッド3をホームポジションへ移動させて前記キャップ13により吐出口面をキャッピングすることによって、吐出口面81の保護と吐出口82からのインクの蒸発防止とが行われる。
【0017】
さらに、液体吐出装置としてのインクジェット記録装置に搭載する液体吐出手段としてのインクジェットヘッドの性能を維持するために、液体吐出ヘッド3の吐出口面81に付着した液体(インク等)や固着物等の異物を前記ワイパー14で拭き取り清掃(クリーニング)するワイピング手段が設けられている。このワイピング動作は、例えば、所定量の液体を吐出した後、液体吐出手段を使用しない期間が所定時間経過した後、あるいは、液体吐出手段内の泡やごみを撤去するための吸引動作を実行した後などに、吐出口82を含んだ吐出口面81をワイパー14によって拭き取り清掃することによって行われる。その場合、該ワイパー14による清掃能力を向上させるためにワイパーブレードが吐出口を通過するときに吐出口82より液体(インク)を吐出する(以後、予備吐出と呼ぶ)技術が適用される。
【0018】
そこで、本発明によれば、複数の吐出口からなる吐出口列を備える記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドを搭載して移動するためのキャリッジと、前記吐出口列の方向に移動することにより記録ヘッドの吐出口面をワイピングするワイパーと、を備え、前記ワイパーで前記吐出口面をワイピングする際に、前記複数の吐出口のうち前記ワイパーによるワイピングがなされる前の吐出口から吐出したインクを前記ワイパーの表面に衝突させて前記ワイパーと前記吐出口面との間でインクを往復させることにより、前記ワイパーの先端部に付着した異物を前記吐出口面から離隔する方向へ移動させるとともに、前記ワイパーの表面で跳ね返ったインクを前記吐出口面へ再付着させることを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
【0020】
本発明によるインクジェット記録装置の実施例について、以下に詳細に説明する。
図3は本発明によるインクジェット記録装置の一実施例におけるワイピング中のインク吐出の吐出周波数及び吐出口位置の制御の状態を模式的に示す吐出手段(吐出ヘッド)の部分縦断面図である。図3において、ワイパー(ブレード)14が複数の吐出口82から成る吐出口列を通過しているときに所定位置の吐出口から所定周波数で液体(インク)が吐出される。
【0021】
すなわち、ワイパー14が吐出口面81に沿ってワイピングしている最中のある時点で、吐出口面81に形成された複数の吐出口82のうち、ワイパー14によるワイピングがなされる直前の吐出口82−1とワイパー14によるワイピングの方向(矢印A)に関して前記直前の吐出口82−1の下流側近傍の吐出口82−2とから、エネルギー発生素子(例えば前記電気熱変換体85)が発生するエネルギーを利用して液体吐出を行うように、吐出口面81の吐出口列を構成する複数の吐出口82のうちの所定位置の吐出口から所定の周波数でインクを吐出する吐出動作を順次開始するように制御される。さらに、必要に応じて、図3に示すように、前記吐出口82−1、82−2からの吐出に加えて、ワイパー14の当接領域の吐出口82−3からの吐出あるいはワイパー14が通過した直後までの吐出口82−4からの吐出を実行してもよい。
【0022】
前記吐出口82−1、82−2からの吐出は、ワイパー14と吐出口面81との空間に液体の対流を発生させ維持させるためのものである。つまり、所定の周波数で吐出口82から吐出される液体をワイパー14の表面に衝突させることにより、吐出液体をワイパー14と吐出口面81との間で往復させ、それによって、ワイパー14の先端部に拭き取られた(付着した)異物を該ワイパー14の表面に沿って離隔方向へ押しやることで拭き取り性能を確実にするとともに、ワイパー14の表面から跳ね返った液体(吐出されたばかりの清浄な液体)を吐出口面81上へ再付着させて濡れ性を確保することでワイピング性能を向上させることができる。
【0023】
また、前記吐出口82−3からの吐出は、吐出口内に液体の対流を発生させ、これを維持するためのものである。このような吐出口内対流を発生させることで、吐出口内(液路内)の異物を攪拌して吐出口(入口)近傍に滞留させ、異物がヘッド内部へ進入することを防止することができる。さらに、前記吐出口82−4からの吐出は異物排出用の吐出であり、これにより、吐出口内に存在したり進入した異物が存在する場合に、これを確実に排出除去することができる。
【0024】
すなわち、図3に示すような液体吐出装置の吐出回復方法によれば、上記吐出口からのインク吐出は、ワイパー14が当接する箇所(近傍)の吐出口の内部及びワイパー14と吐出口面81との間において激しい対流を起こして吐出口内及び吐出口近傍に存在する強固な汚れやゴミ等を十分に攪拌することで、ワイパー14のワイピング動作(擦り動作)によるクリーニング効果を向上させて確実なものにするとともに、ワイパー通過後のインク吐出によって、前記強固な汚れやゴミ等を吐出口内へ押し込むことなく確実に排出除去することが可能になるような周波数でインクを吐出するように実行される。
【0025】
また、ワイパー14と吐出口面81との間の隙間に生じた毛管力を利用して、吐出口面81全体に環境温度よりもはるかに高い温度を有する吐出インクを濡れわたらせることにより、増粘又は固着したインクを再溶解させることで除去性(清掃効果)を高めることもできる。以上のようなワイパー14による拭き取り性能を向上させるために、必要な所定位置に存在する吐出口から所定の条件で液体(インク)を吐出するように制御されるものである。
【0026】
また、本発明の実施例においては、インクを吐出させる吐出口の位置を所定の領域内の吐出口に限定することも行われる。図4はワイピング方向上流側の所定範囲の吐出口のみからインクを吐出させる場合の作用効果を概念的に示す吐出口面の部分正面図である。図4において、吐出口列方向にワイピングを行う場合には、ワイピング速度を一定以下に保つことにより各吐出口82からフレッシュなインクを引き出して吐出口面81を濡らしながらワイピングを行う。しかし、インク吐出なしで前記インク濡れのみでワイピングを行う場合は、フレッシュインクの行き渡る範囲は、図4中の曲線aで示すように吐出口列のワイピング方向上流側では狭くなってしまう。そこで、ワイピング方向上流側の所定範囲の吐出口からのみインクを吐出させることにより、図4中の曲線bで示すように、過度のインク吐出(過度のインク消費)を伴うことなく、ワイピング後の清掃状態が良好になることを保証することが可能なエリアを所望範囲まで拡大することができる。
【0027】
また、本発明の実施例においては、ワイパー位置(ワイピング位置)によりインクを吐出させる吐出口位置を変えていく制御をブロック単位で実行されることもある。図5はワイピング中にインクを吐出する吐出口の位置をブロック毎に制御する状態をワイパー14の位置と共に模式的に示す側面図である。図5において、吐出口面81をワイパー14でワイピングする際に、該吐出口面81に形成された複数(例えば300箇所)の吐出口82のうちワイピング方向Aに関して上流側の所定領域(例えば上流側端部より120箇所、つまり吐出エリア)の吐出口からインクを吐出するように設定され、インクを吐出する複数(120箇所、吐出エリア)の吐出口は複数の吐出ブロック(図示の例では5個の吐出ブロック)x1 、x2 、x3 、x4 、x5 に分割され、ワイパー14の位置に応じて各吐出ブロック毎に吐出する吐出口位置を変えていくように制御される。図5の(a)は上流側から2番目の吐出ブロックx2 からインクを吐出しながらワイピングしているときを示し、図5の(b)は上流側から4番目の吐出ブロックx4 からインクを吐出しながらワイピングしているときを示す。
【0028】
図5に示すように各ブロックx1 、x2 、x3 、x4 、x5 のうちワイパー14が通過するブロックのみからインクを吐出するように制御することにより、インクの消費量の低減を図ることができ、かつ、ワイパー14に付着するインク量を最小限にとどめることで装置本体のインク汚れを防止又は最小限に抑えることができる。なお、図5で説明した制御方法においては、ワイパー14の位置及び通過時刻はワイピング速度により変化するので、ワイピング駆動部と連動して(例えば駆動用ステッピングモータのパルス数)に基づいて制御することが好ましい。
【0029】
また、本発明の実施例においては、ワイパー(ワイパーブレード)14が吐出口列のワイピング方向下流側にきたときにインクを積極的に吐出させるように制御することも行われる。図6はワイパー14が吐出口列のワイピング方向下流側にきたときにインクを吐出する制御方法の一例を模式的に示す側面図であり、図7はワイパー14が図6の位置から更に移動して吐出口面81から離れる瞬間における該ワイパーからのインク飛散の状態を図6の下流側領域でのインク吐出の有無に分けて示す部分側面図であり、(a)は下流側でのインク吐出が無い場合の状態を示し、(b)は下流側でのインク吐出がある場合(図6参照)の状態を示す。図6の制御方法においては、図5で説明したワイピング動作に加えて、吐出口列のワイピング方向下流側端部の領域にも吐出エリアを設け、該吐出エリアを2つの吐出ブロックy1 、y2 に分割し、ワイパー14がこれらの吐出ブロックy1 、y2 を通過するときに、各吐出ブロック毎に、通過する吐出ブロックのみからインクを吐出するように制御される。
【0030】
本発明の実施例のようにワイピング中にインク吐出を行うとワイパーブレード14の先端に付着するインク量が多量となり、ワイパーブレード14が吐出口面(吐出ヘッド)から離脱するときの当該ワイパーブレードの弾性復元力に起因するインク飛散量が増大し装置本体をインクで汚す傾向が生じることがある。そこで、本発明の実施例においては、図6に示すように、ワイパーブレード14が吐出口列のワイピング方向下流側にきたときにインクを吐出させることにより、図7の(b)に示すように該ワイパーブレード14の先端部に付着したインク(インク付着残り)cをワイパー表面に沿って基部に向かって(図示の下方に)移動させ、それによって、ワイパー14がヘッド3(吐出口面81)から離脱するときの付着インクcに作用する弾性復元力を減少させ、インク飛び散りを低減させることができる。なお、ワイパー14は、通常の場合、ヘッド3をワイピングした後では不図示のインク吸収部材等によってクリーニングされ、ワイピングにより付着した異物を除去される。
【0031】
図8は、本発明の一実施例に係るインクジェット記録装置におけるワイピング動作時の吐出口列からのインク吐出の一実施態様(吐出パターンの一例)を示す図表である。図8において、縦軸は吐出口列のワイピング方向上流側からの吐出口位置を順番で示し、横軸はワイパー14が吐出口列の上流側端部に当接した後の通過時間を示し、図表中の線Wはワイパー14の吐出口列上における位置を示し、図表中の棒グラフはワイパー14の移動(通過時間又は吐出口列上の位置)に応じてインク吐出する吐出口(吐出駆動される吐出口)の位置すなわち吐出パターンを示す。図8の実施例では、吐出口列は縦方向に直列配列された302個の吐出口で構成され、ワイパー14が吐出口面に当接した後(ワイピング開始から)、先ず上流側の40個の吐出口でインク吐出が開始され、次いでワイパー14が40番目の吐出口に当接する前に更に40番目〜80番目の吐出口でインク吐出が開始されて合計で上流側の80個の吐出口からインクが吐出される状態となる。
【0032】
さらに、ワイパー14が80番目の吐出口に当接するより所定時間前に80番目〜120番目の吐出口でインク吐出が開始されて合計で上流側の120個の吐出口からインクが吐出される状態となる。それ以降では、ワイパー14の移動にも関わらずインク吐出する吐出口の追加や位置変更はされず、吐出口列の上流側120個の吐出口からインクを吐出する状態のまま、吐出口面のワイピング動作が行われる。また、本実施例では、各吐出口からのインク吐出は、ワイピング速度との関係から、1KHzの周波数で5回(5発)行われている。そして、各吐出口からのインク吐出は、図8中の棒グラフで示すように、吐出期間中において、複数回の前記インク吐出(1KHzの周波数での5回(5発)の吐出動作)を間欠的に(所定の休止を挟んで)繰り返して行うように制御されている。ワイピング速度(ワイパー14の摺擦速度)は例えば約50mm/秒程度に設定される。
【0033】
また、本発明の実施例においては、インクが吐出しない程度のパルスを印加して吐出口内のインクを温めてからワイピング動作に入ることも行われる。ワイピング中に吐出するインクの温度を予め環境温度より高くしておくことにより、吐出口面81に付着している増粘インクや固着インクの再溶解性を高めることができ、それによって、クリーニング効果を高めるとともに、インク消費量の不必要な増加を防止することができ、さらに装置本体のインク汚れを軽減できるなどの効果が得られる。なお、インク吐出を行わない吐出口についても、インクが吐出しない程度のパルスを印加して該吐出口内のインクの温度を環境温度より高くしておけば、ワイピング中に吐出口から温度の高いインクが引き出されることになり、それによっても、吐出口面81に付着している増粘インクや固着インクの再溶解性を高めることができ、それによっも、クリーニング効果を高めるとともに、インク消費量の不必要な増加を防止することができ、さらに装置本体のインク汚れを軽減できるなどの効果が得られる。
【0034】
また、本発明の実施例においては、ワイピング動作の適用状況に応じて、ワイピング時のインク吐出位置及びインク吐出条件などを適時変更することも行われる。
例えば、画像形成(記録)中に吐出ドット数(吐出回数)をカウントし、カウント数が所定値を越えたときにワイピングすることが行われる。吐出による吐出口面81の温度が上昇すると吐出口から離れた位置に付着したインク滴も増粘したり固着したりするが、吐出ドット数のカウント数が所定値を越えたときにワイピング方向上流部の吐出口からインクを吐出しながらワイピングすることにより、良好な拭き取り清掃が可能となるエリアを拡大させることができる。
さらに、この場合も、吐出しない程度のパルスを印加して吐出口内のインクを温めておけば、ワイピング時に環境温度より高い温度のインクを吐出口から引き出すことにより、吐出口面81に付着している増粘インクや固着インクの再溶解性を高めることができ、一層良好なクリーニング(清掃)を行うことが可能となり、また、良好な清掃を行い得る領域を拡大することもできる。
【0035】
図9は、前述のように画像形成中に吐出ドット数(吐出回数)をカウントし、カウント数が所定値を越えたときにワイピングする場合の動作シーケンスを例示するフローチャートである。
図9において、ステップS1でプリント中の吐出ドット数をカウントするとともに、ステップS2でカウント値が閾値を越えたか否かを判別し、閾値を越えた場合にはステップS3へ進んでインクが吐出しない程度のヘッド駆動パルスを印加する。次いで、ステップS4でワイピング動作を開始し、ステップS5でワイパー14をヘッド3の吐出口列のワイピング方向上流側の位置に突入させるとともにステップS6でワイピング方向上流側の所定エリア(吐出エリア)内の吐出口からインクを吐出させる。ステップS7でワイパー14が所定の吐出エリアを通過すると、ステップS8で前記所定の吐出エリアでのインク吐出を終了させる。そして、ステップ9でワイパー14がヘッド3(吐出口面81)を通過すると、ステップS10において、ステップS3で開始したインクが吐出しない程度のヘッド駆動パルスの印加を終了させる。そして、ステップS11でプリント中の吐出ドット数のカウント値をリセットし、ワイピング動作を完了する。
【0036】
また、一般的に、液体吐出装置としてのインクジェット記録装置においては、画像記録(印字等)を終了した後すぐさまキャッピングする場合は、ワイピングの主目的は放置前の吐出口面に付着しているインク滴やゴミなどの拭き取り除去にあるので、通常の場合、ワイピング中に吐出口からインクを吐出しなくてもよい。図10はこのような記録終了後すぐさまにワイピングするときの動作シーケンスを例示するフローチャートである。図10において、ステップS101で画像形成(記録)を終了した後、所定時間経過したところで(ステップS102)で、ステップS103のワイピングを実行し、ワイピングを終了した後ステップS104でキャッピングを行い、記録装置は待機状態に維持される(保管状態に放置されることもある)。
【0037】
液体吐出装置としてのインクジェット記録装置が所定時間放置された後では、一般的には、放置により吐出口面81に残存しているインクの増粘が進行しているため、記録再開時などにキャップをオープンする際、キャップオープン後にワイピングすることが必要である。その場合、前述の実施例で説明したように、少なくともワイピング方向上流部(上流側の領域)の吐出口からインクを吐出しながらワイピングすることにより、良好な清掃が可能になるエリアを拡大するような制御が行われる。
さらに、インク増粘がヘッド内部(液体吐出手段の内部)にも起きている場合には、インクが吐出しない程度のパルスを印加することにより吐出口内のインクを温めてからワイピングすることにより、吐出口面の拭き取り清掃を一層良好に行うことができる。さらにまた、全ての吐出口(吐出口列の全領域)において、ワイパーブレード14の通過中にインクを吐出させることにより、吐出口近傍のクリーニング効果(拭き取り清掃の効果)を一層高めることが好ましい。
【0038】
図11は、前述のように、所定時間放置した後に記録を再開するときなどで、キャップオープン後にワイピングする場合のワイピング動作のシーケンス例を示すフローチャートである。
図11において、ステップS201で画像記録ジョブの情報を受信すると、ステップS202で前回の清掃動作より第1所定時間以上の時間が経過しているか否かを判別する。未だ第1の所定時間が経過していない場合は、ステップS205へジャンプしてキャップをオープンし、ステップS206で画像記録を開始する。
ステップS202で第1所定時間以上の時間が経過している場合は、ステップS203で前回の清掃動作より第2所定時間以上の時間が経過しているか否かを判別する。第2所定時間以上が経過している場合は、ステップS204で吸引回復処理、すなわちキャッピング状態で吸引ポンプ等により全吐出口からインクを吸引して吐出口内のインクをリフレッシュする処理を行い、その後、ステップS205でキャップをオープンし、ステップS206で画像記録を開始する。
【0039】
ステップS202の第1所定時間は経過しているが、ステップS203の第2所定時間は経過していない場合は、ステップS207へ進んで吐出口列を構成する全ての吐出口に対して吐出しない程度のヘッド駆動パルスを印加し、ステップS208でキャップをオープンし、ステップS209でワイピング動作を開始する。
ワイピング動作が開始され、ステップS210でワイパー14が吐出口面81のワイピング方向上流側の部位に突入し、ステップS211で吐出口列のワイピング方向上流側の所定エリア(所定領域の吐出口)でインクを吐出する。そして、ステップS212でワイパー14が前記所定エリアを通過した後、ステップS213で前記所定エリアにおけるインク吐出を終了する。
さらにワイパー14が相対移動して、ステップS214で該ワイパーがインク吐出ヘッドを通過すると、ステップS215で吐出しない程度のヘッド駆動パルスの印加を終了し、ステップS216で画像記録中の吐出ドットカウント値をリセットする。その後、ステップS217で画像記録を開始する。
【0040】
液体吐出装置としてのインクジェット記録装置などにおいては、ヘッドをはじめて装着する際に、ポンプによりヘッド内の液体(クリアインク、インク)を抜き取った直後に吐出口面に残存する液体(インク)を除去するためにワイピングを行うことがある。すなわち、物流時に過酷な環境に曝されたことが原因となって、ヘッド内に充填された液体(クリアインク等)中に不純物(封止剤や接着剤等の接液材料から溶出した添加剤など)が溶出している恐れがあるため、不純物が溶出した恐れのある液体がワイパーブレードの吐出口面との接触部に残留することを防止する必要があり、そのため、本発明の実施例においては、前記液体がワイパーブレードの吐出口面との接触部に残留しないように、十分な吸引動作によってヘッド内から液体を抜き取った後に、インクを吐出しながら当該ワイパーブレードで吐出口面をワイピングすることにより当該ワイパーブレードに付着した前記液体を洗い流す操作が行われる。
【0041】
図12は、ヘッドをはじめて装着する際に、ポンプによりヘッド内の液体を抜き取った直後に吐出口面に残存する液体を除去するため行われるワイピング動作を説明するための模式的側面図である。図12に示すヘッドをはじめて装着する場合のワイピングは、ワイパー14の位置(ワイピング位置)によりインクを吐出させる吐出口位置をブロック単位で順次変えていくように制御されている。すなわち、図12において、吐出エリアは吐出口面81に形成された吐出口列の全領域(全範囲)に設定されており、この吐出口列は複数の吐出ブロック(x1 、x2 、x3 ・・・・xi ・・・x15、x16)に分割され、ワイパー14を矢印A方向に移動させてワイピングする際に各吐出ブロックxi ごとにインクを吐出させながら拭き取り清掃していく。図12は上流側から2番目の吐出ブロックx2 からインクを吐出しながらワイピングしているときを示す。
【0042】
図12に示すように複数の吐出ブロック(x1 、x2 、x3 ・・・・xi ・・・x15、x16)のうちワイパー14が通過するブロックのみからインクを吐出するように制御することにより、インクの消費量の低減を図ることができ、かつ、ワイパー14に付着するインク量を最小限にとどめることで装置本体のインク汚れを防止又は最小限に抑えることができる。なお、図12で説明した制御方法においても、ワイパー14の位置及び通過時刻はワイピング速度により変化するので、ワイピング駆動部と連動して(例えば駆動用ステッピングモータのパルス数)に基づいて制御することが好ましい。
【0043】
また、液体吐出装置としてのインクジェット記録装置などにおいては、画像記録中の吐出ドット数をカウントし、カウント値が所定値を越えたら吸引回復処理を行ったり、所定時間放置された後に吸引回復処理を行うような制御が採用されることがある。
このような制御においては、吸引動作によってキャップ内にインクが充満し、充満したインクによって吐出口面上の汚れや増粘インクを十分に濡らすことができ、そのため、ワイピング中に特にインクを吐出しなくても吐出口面を良好にクリーニング(清掃)することができる。
【0044】
さらに、液体吐出装置としてのインクジェット記録装置などにおいては、例えばカラー記録装置のように、同一ヘッド吐出口面内に複数の異なる物性値を有する液体(インク)を吐出させる吐出口(吐出口列)を配置する場合がある。そのようなヘッドに対するワイピング動作を行う場合には、ワイパーが通過する液体吐出口部に応じて、液体吐出の条件を変えることにより一層良好なワイピング性を確保することができる。
【0045】
この吐出条件の切り換えは例えば次のような態様で行われる。
第1に、すなわち、粘度の高い液体部では吐出しない程度のパルスを印加することで当該液体の粘度を下げてからワイピングする。第2に、複数の液体において染料インクと顔料インクが一列状の吐出口にて混在している場合は、顔料インク側からワイピングを行い、染料インク側をワイピングするときにインクを吐出することにより、ワイパーブレード14に付着しやすい顔料インク分を洗い流す。第3に、複数の液体において互いに反応性を有するインクが1列状の吐出口にて混在している場合には、ワイピング方向下流側の液体になるほどワイピング中の液体吐出周波数を上げることにより、反応性液体が吐出口内に侵入しないようにする。
【0046】
図13は、カラーインクジェット記録装置のように、同一ヘッド吐出口面内に複数の異なる物性値を有する液体(インク)を吐出させる吐出口(吐出口列)が配列されている場合に、ワイパー14の通過する液体部に応じて吐出口の液体吐出の条件を変えるような制御を行っている液体吐出手段(記録手段)を模式的に示す図であり、(a)は液体吐出手段の縦断面図を示し、(b)は液体吐出手段の吐出口面(正面)を示す。
図13の(b)に示すように、吐出口面81には、異なる複数種類(4種類)の液体(液体A、液体B、液体C、液体D)に対応して、それぞれの液体を吐出する複数の吐出口列(液体A吐出口列、液体B吐出口列、液体C吐出口列、液体D吐出口列)が形成されている。
【0047】
一方、図13の(a)に示すように、各吐出口列を構成する全吐出口はワイピング方向(矢印A方向)に複数(3グループ)の吐出エリアに分割され、さらに各吐出エリアは複数の吐出ブロックに分割されている。すなわち、図示の例では、各吐出口列とも、ワイピング方向上流側から、液体A吐出エリア、液体B吐出エリア、液体C吐出エリアの3つの吐出エリアに分割され、ワイパー14がこれらの吐出エリアを通過するときには対応する種類の液体を吐出するように制御される。そして、各吐出エリアは更に複数の吐出ブロックに分割され、ワイパー位置による液体吐出のタイミングは吐出ブロックごとに制御される。つまり、液体A吐出エリアは吐出ブロクx1 、x2 、x3 、x4 、x5 に分割され、液体B吐出エリアは吐出ブロックy1 、y2 、y3 、y4 、y5 に分割され、液体C吐出エリアは吐出ブロックz1 、z2 、z3 、z4 、z5 に分割され、ワイパー14の位置に応じてワイピング方向上流側からこれらの吐出ブロックごとに吐出位置を変更しながら吐出口面81のワイピングが行われる。
【0048】
なお、以上説明した実施例では、ワイパー14が吐出口面81(記録ヘッド3)に沿って移動することでワイピングする場合を例に挙げて説明したが、これはワイパーに対して吐出口面を移動させる場合も同様であり、本発明はワイパーと吐出口面が相対移動する場合に適用されるものであり、いずれも本発明の範囲内に含まれるものである。
【0049】
また、本発明は、1個のヘッドを用いるインクジェット記録装置、異なる色で記録する複数のヘッドを用いるカラーインクジェット記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度で記録する複数のヘッドを用いるインクジェット記録装置、さらには、これらを組み合わせて画像記録を実行するためのインクジェット記録装置の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0050】
さらに、本発明は、ヘッドとインクタンクを一体化した交換可能なインクカートリッジを用いる構成、ヘッドとインクタンクを別体にし、その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。
なお、本発明は、インクジェット記録装置が、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる画像記録手段を使用するものである場合にも適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、ワイパーで吐出口面をワイピングする際に、複数の吐出口のうちワイパーによるワイピングがなされる前の吐出口から吐出したインクをワイパーの表面に衝突させてワイパーと吐出口面との間でインクを往復させることにより、ワイパーの先端部に付着した異物を吐出口面から離隔する方向へ移動させるとともに、ワイパーの表面で跳ね返ったインクを吐出口面へ再付着させるように構成したので、インクをワイパーの表面に衝突させることにより拭き取り性能を向上させるとともに、吐出口面の濡れ性を確保することでワイピング性能を向上させることができる。その結果、インクの消費量を最小限に抑えながら、吐出口面を十分に清浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した液体吐出装置としてのインクジェット記録装置の一実施例を示す模式的斜視図である。
【図2】図1中の吐出手段としての記録ヘッドのインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【図3】本発明を適用した液体吐出装置におけるワイピング中のインク吐出の吐出周波数及び吐出口位置の制御の状態を模式的に示す液体吐出手段の部分縦断面図である。
【図4】ワイピング方向上流側の吐出口からインクを吐出させる場合の濡れ領域をとしてしない場合と比較して示す吐出口面の部分正面図である。
【図5】ワイピング中にインクを吐出する吐出口の位置をブロック毎に制御する状態をワイパーの位置と共に模式的に示す側面図である。
【図6】図6はワイパーが吐出口列のワイピング方向下流側にきたときにインクを吐出する制御方法の一例を模式的に示す側面図である。
【図7】図7はワイパーが図6の位置から更に移動してヘッドから離れる瞬間におけるインク飛散の状態を下流側でのインク吐出の有無に分けて示す部分側面図である。
【図8】本発明を適用した液体吐出装置及び該装置の吐出回復方法におけるワイピング動作時の吐出口列からの吐出パターンを例示する図表である。
【図9】画像形成中の吐出ドット数のカウント数が所定値を越えたときにワイピングする場合の動作シーケンスを例示するフローチャートである。
【図10】記録終了後のキャッピング前にワイピングするときの動作シーケンスを例示するフローチャートである。
【図11】所定時間放置した後に記録を再開するときなどでキャップオープン後にワイピングする場合の動作シーケンス例を示すフローチャートである。
【図12】はじめて装着されたヘッドから液体を抜き取った直後に吐出口面をワイピングする動作を説明するための模式的側面図である。
【図13】複数の吐出口列を有するヘッド吐出口面をワイピングするときの状態を縦断面図及び正面図として示す模式図である。
【符号の説明】
2 キャリッジ
3 液体吐出ヘッド(記録手段、記録ヘッド)
4 キャリッジ駆動機構
5 搬送機構(紙送り機構)
7 プラテン
8 カートリッジ
9 インクタンク
10 回復系(回復装置)
11 駆動ベルト
12 ガイドシャフト
13 キャップ
14 ワイパー(ワイパーブレード)
81 吐出口面
82 吐出口
83 共通液室
84 液路
85 エネルギー発生素子(電気熱変換体)
P 記録媒体(被記録材、記録紙)

Claims (3)

  1. 複数の吐出口からなる吐出口列を備える記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    記録ヘッドを搭載して移動するためのキャリッジと、
    前記吐出口列の方向に移動することにより記録ヘッドの吐出口面をワイピングするワイパーと、
    を備え、
    前記ワイパーで前記吐出口面をワイピングする際に、前記複数の吐出口のうち前記ワイパーによるワイピングがなされる前の吐出口から吐出したインクを前記ワイパーの表面に衝突させて前記ワイパーと前記吐出口面との間でインクを往復させることにより、前記ワイパーの先端部に付着した異物を前記吐出口面から離隔する方向へ移動させるとともに、前記ワイパーの表面で跳ね返ったインクを前記吐出口面へ再付着させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記ワイパーが前記吐出口列のワイピング方向において下流側にきたときに、前記ワイパーによるワイピングがなされる位置より下流側のインクを吐出することにより前記ワイパーの先端部に付着したインクを前記ワイパーの表面に沿って基部に向かって移動させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドはインクを吐出するためのエネルギーを発生する電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
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