JP4124101B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はエンジン(内燃機関)の制御装置、特に始動から始動後にかけての制御に関する。
吸気バルブのバルブリフト量及び作動角を連続的に可変制御する可変バルブ機構と、クランクシャフトと吸気バルブ用カムシャフトとの回転位相差を連続的に可変制御して吸気バルブのバルブタイミングを進遅角する可変バルブタイミング機構とを備え、始動からファーストアイドル時にこの可変バルブ機構によって吸気バルブのリフト量を低く(小さく)設定し、かつ可変バルブタイミング機構によってバルブタイミングを遅らせ、かつ燃料噴射タイミングを吸気行程中とするものがある(特許文献1参照)。
特開2003−3872号公報
ところで、上記の特許文献1において吸気バルブのリフト量を小さく設定しかつ燃料噴射タイミングを吸気行程中とするのは、吸気流速を速めて噴射燃料の微粒化を促進するためであるが、実験してみたところ、吸気バルブの壁流量の多い条件では燃焼室内の壁流量が却って増加し、これによりエンジンより排出されるHCが増えてしまうことが分かった。
これについて説明すると、吸気バルブの傘裏部の壁流量が多い場合に大リフトの状態から小リフトの状態にすると、燃焼室5内の壁流量特に燃焼室上面に付着する壁流量が多くなる。これはバルブリフトが小さいと吸気バルブ15と吸気ポート4壁の隙間を通過する吸気流速が速くなるため、吸気バルブ傘裏部に付着した壁流燃料が燃焼室内に吸入される際に横方向に飛んで燃焼室上面に付着するためである。
一方、吸気行程中に燃料を噴射すると燃料噴射弁からの噴霧が吸気の流れに乗って燃焼室の中まで吸入されてしまうため吸気バルブ傘裏部に付着する壁流量は排気行程中に燃料噴射するときより減少するものの燃焼室内のシリンダ面に付着する壁流量は増加してしまうのである。
このように、上記の特許文献1の技術によれば、燃料の微粒化そのものは促進されるものの燃焼室上面及び燃焼室内のシリンダ面の壁流量をどちらも増やす結果となり、HCが増えてしまうのである。
そこで本発明は、ブースト圧が発達する前の始動時及びブースト圧が発達する始動後にかけて吸気バルブの壁流量が多い条件においても、燃焼室内の壁流量を減少させHCを低減する装置を提供することを目的とする。
ここで、上記の「ブースト圧」とは、吸気絞り弁下流の吸気管圧力のことである。また、上記の「ブースト圧が発達する」とはピストンによるポンピング作用によりブースト圧が大気圧より小さくなってゆくことを意味している。
本発明は、図1に示したように吸気バルブ(15)と、吸気バルブ(15)のバルブリフト量とバルブタイミングとを可変的に制御可能な可変動弁機構(26、27)と、点火装置(14)と、吸気ポート(4)より吸気バルブ(15)に向けて燃料噴射を行う燃料噴射装置(21)とを備え、エンジンコントローラ(31)が吸気管圧力が所定の負圧に到達する前の始動時に燃料噴射が吸気行程で行われるように燃料噴射装置(21)を制御すると共に、吸気管圧力が所定の負圧に到達する始動後に吸気バルブ(15)と排気バルブ(16)のオーバーラップ量がエンジンの暖機完了後より拡大するように可変動弁機構(26、27)を、エンジンを安定した状態で燃焼できる遅角側の限界の点火時期である燃焼安定限界で点火が行われるように点火装置(14)をそれぞれ制御する。なお、符号は実施形態の説明に対応して付けたもので、本発明はこれに限定されるわけでない。
本発明によれば、吸気管圧力が所定の負圧に到達する始動後に、図2、図11の二点鎖線で示したように吸排気バルブのオーバーラップ量が拡大するようにしたので、燃焼室内に残留する高温の排ガスが多くなって燃料の霧化が促進されると共に未燃HCが再燃焼され、これによりブースト圧が発達する始動後においてエンジンより排出されるHC量を低減できる。
一方、吸気管圧力が所定の負圧に到達する前の始動時に吸排気バルブのオーバーラップ量を拡大しても吹き返しによる気化促進効果が得られない。このため、本発明によれば始動時に吸気行程噴射を行い、これにより吸気による2次微粒化を促進する。これにより燃焼室内の壁流量を減らすことができる(図333段目、第4段目の二点鎖線参照)。
このように、始動時に吸気噴射を行い、始動後に吸排気バルブのオーバーラップ量が拡大するようにしたので、図3に示したように、始動時においても吸排気バルブのオーバーラップ量を拡大させている場合(図3上段の破線参照)よりもさらにハッチングで示した面積の分だけエンジン出口でのHC排出量を減らすことができる(図3上段の一点鎖線参照)。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。図1はL−ジェトロニック方式のガソリン噴射エンジンに適用した本発明の第1実施形態のシステムを説明するための概略図である。
吸気絞り弁23により調量される空気は、吸気コレクタ2に蓄えられた後、吸気マニホールド3を介して各気筒の燃焼室5に導入される。燃料は各気筒の吸気ポート4に配置された燃料噴射弁21(燃料噴射装置)より、所定のタイミング(始動時より常時排気行程)で吸気ポート4内に、より具体的には吸気ポート4に遮るように存在する吸気バルブ15(傘裏部)に向けて間欠的に噴射供給される。ここで、燃料噴射弁21に与える燃料噴射量は、エンジンコントローラ31がエアフローメータ32により検出される吸入空気流量と、クランク角センサ(33、34)からの信号に基づいて演算されるエンジン回転速度とに応じて算出している。
吸気バルブ15に向けて噴射された燃料は吸気と混合して混合気を作り、この混合気は吸気バルブ15を閉じることで燃焼室5内に閉じこめられ、ピストン6の上昇によって圧縮され、点火プラグ14(点火装置)により着火されて燃焼する。この燃焼によるガス圧がピストン6を押し下げる仕事を行い、このピストン6の往復運動はクランクシャフト7の回転運動へと変換される。燃焼後のガス(排気)は排気バルブ16が開いたとき排気通路8へと排出される。
排気通路8には三元触媒9、10を備える。三元触媒9、10は排気の空燃比が理論空燃比を中心とした狭い範囲にあるとき、排気に含まれるHC、CO及びNOxを同時に効率よく除去できる。このため、エンジンコントローラ31では運転条件に応じて燃料噴射弁21からの基本燃料噴射量を定めると共に、三元触媒9の上流に設けたO2センサ35からの信号に基づいて空燃比をフィードバック制御する。
上記の吸気絞り弁23はスロットルモータ24により駆動される。運転者が要求するトルクはアクセルペダル41の踏み込み量(アクセル開度)に現れるので、エンジンコントローラ31ではアクセルセンサ42からの信号に基づいて目標トルクを定め、この目標トルクを実現するための目標空気量を定め、この目標空気量が得られるようにスロットルモータ24を介して吸気絞り弁23の開度を制御する。
上記吸気バルブ15のバルブリフト量及び作動角を連続的に可変制御する多節リンク状の機構で構成される可変バルブ機構(以下、「VEL機構」という。)26と、クランクシャフト7と吸気バルブ用カムシャフト25との回転位相差を連続的に可変制御して、吸気バルブ15のバルブタイミングを進遅角する可変バルブタイミング機構(以下「VTC機構」という。)27とを備える。これらの具体的な構成は特開2003−3872号公報により公知であるのでその詳しい説明は省略する。例えば、VEL機構27とVTC機構26の両方に指令値を与えてないときには吸気バルブ15のバルブリフトは、図2Aに示した特性(実線参照)、つまり出力要求に応じる特性であり、排気バルブ16とほぼ同等の大きなバルブリフト量と大きな作動角とを有している。これに対して、VEL機構27に対してのみ指令値を与えると、バルブリフトが最大となるクランク角位置を変えずにバルブリフト量と作動角とが共に小さくなる。また、VTC機構26に対して指令値を与えていないときには回転位相が最遅角位置にありVTC機構26に対してのみ指令値を与えたときバルブリフト量、作動角を変更することなく回転位相、具体的には吸気バルブ開時期IVO(あるいは吸気バルブ閉時期IVC)のみが進角側に移動する。
本実施形態では、図5で後述するように、スタータスイッチをOFFよりONにするタイミングt0よりエンジンが始動するタイミングt1までの期間(この期間を以下「始動時」という。)、エンジンが始動したタイミングt1から吸気バルブ温度が冷却水温Twより一定値だけ高い温度(この温度を以下「平衡温度」という。)に達するタイミングt2(第1のタイミング)までの期間(この期間を以下「始動後第一期間」という。)と、吸気バルブ温度が平衡温度に達するタイミングt2から触媒9が活性化するタイミングt3(第2のタイミング)までの期間(この期間を以下「始動後第二期間」という。)と、触媒9が活性化するタイミングt3以降の期間(この期間を以下「通常時」という。)とで吸気バルブ15のバルブリフト(リフト量及びバルブタイミング)を異ならせており、これに対応してこれら2つの機構26、27を次のように作動させる。なお、本実施形態では、通常時はエンジンの暖機完了後でもある。
〔1〕始動時にはVEL機構26とVTC機構27の両方に指令値を与えて作動させると共に、VTC機構27への指令値を小さくする。このとき、吸気バルブ15のバルブリフトは図2Bに示した特性(破線参照)となる。すなわち、小リフト量のまま吸気バルブ15のバルブタイミングが遅角側へと移動し、吸気バルブ15の開時期IVOは通常時と同じほぼ吸気上死点TDCに、これに対して吸気バルブ15の閉時期IVCは通常時よりもほぼ吸気下死点BDCにまで進角する。
〔2〕始動後第一期間ではVEL機構26とVTC機構27の両方に指令値を与えて作動させると共に、VTC機構27への指令値を大きくする。このとき、VEL機構26の作動で吸気バルブ15のリフト量及び作動角が通常時より共に小さくなり、VTC機構27の作動により吸気バルブ15のリフト量が最大となるクランク角位置が、前述した〔1〕の場合あるいは後述する〔3〕の場合よりさらに進角側に移動するので、このときの吸気バルブ15のバルブリフトは図2Cに示した特性(二点鎖線参照)となる。すなわち、小リフト量(例えば3〜4mm)となりかつ吸排気バルブ15、16のオーバーラップ量が拡大する。
〔3〕始動後第二期間ではVEL機構26とVTC機構27の両方に指令値を与えて作動させると共に、VTC機構27への指令値を小さくするので、このときの吸気バルブ15のバルブリフトは図2Bに示した特性(破線参照)となる。すなわち、小リフト量のまま吸気バルブ15のバルブタイミングが遅角側へと移動し、吸気バルブ15の開時期IVOは通常時と同じほぼ吸気上死点TDCに、これに対して吸気バルブ15の閉時期IVCは通常時よりもほぼ吸気下死点BDCにまで進角する。
〔4〕通常時にはVEL機構26とVTC機構27の両方に指令値を与えず非作動とする。このとき、吸気バルブ15のバルブリフトは図2Aに示した特性となる。
ここで、始動後第一期間に吸気バルブ15のバルブリフトを図2Cに示した特性とするのは、図3破線に示したように始動直後には吸排気バルブ15、16のオーバーラップを拡大させたほうが実線で示した通常時(大リフト)より燃焼室5内の壁流量(燃焼室5上面の壁流量及び燃焼室5内のシリンダ面の壁流量)が減少してHCを低減できるからである。さらに述べると、始動直後にはオーバーラップ量を拡大することにより燃焼室5内の残留ガス量を多くして高温のガスにより燃料の霧化を促進させると共に燃焼室5内の未燃HCを再燃焼させるためであり、これによりエンジンより排出されるHC量が減少するのである。一方、吸気バルブ温度が平衡温度に達するt2のタイミング以降になると燃焼室5内の壁流量が通常時より却って多くなるので、図2Cの特性とするのはt2のタイミングまでである。
次に、始動後第二期間に吸気バルブ15のバルブリフトを図2Bに示した特性とする理由を説明する。図4に図2Aの特性と図2Bの特性とで点火時期に対するHC、排温、燃焼安定度がどのように異なるのかを示している。図4において図2Bに示すバルブリフトへと変更して吸気バルブ閉時期IVCを吸気下死点BDCに近づけると、有効圧縮比が図2Aに示すバルブリフトのときより向上して燃焼安定度が向上する。この場合にエンジンを燃焼安定限界で運転するとすれば、図4第3段目に示したように図2Aのバルブリフトであるとき燃焼安定限界での点火時期はADVaであり、これに対して図2Bのバルブリフトでは燃焼安定限界での点火時期がADVaより遅角側のADVbへと移動する。このことは燃焼安定限界での運転を続けるのであれば、図2Aのバルブリフトより図2Bのバルブリフトへと変更したとき点火時期をADVaよりADVbへと所定値ΔADVだけ遅角できることを意味する。このように点火時期を遅角できると、その点火時期遅角量ΔADVの分だけ排温が上昇し(図4第1段目参照)、エンジン出口でのHCが減少する(図4第2段目参照)。
このように、始動後第二期間には吸気バルブ閉時期IVCを吸気下死点BDCに近づけることで、運転性を確保しつつ点火時期をリタードでき、その結果としてHCを低減しかつ排温を上昇させることができる。
さらに、始動時に吸気バルブ15のバルブリフトを図2Bに示した特性とするのは、ブースト圧が発達しない始動時にはオーバーラップ量を拡大させても、排気温度が低いために燃料の気化促進効果が得られないので、その代わりにリフト量を通常時より小さくして吸気流速を大きくし、この大きくした吸気流速により2次微粒化(吸気による燃料の微粒化のこと)つまり燃料の気化を促進するためである。このため、燃料噴射は始動後第一期間、始動後第二期間や通常時と相違して吸気行程で行う。例えば吸気バルブ開時期をまたいで燃料噴射を行う。ここで、「またいで」とは吸気バルブ開時期より前の時期に燃料噴射を開始し、吸気バルブ開時期を過ぎた時期に燃料噴射を終了する、という意味である。
図5は図2〜図4について前述したところをまとめて、つまり冷間始動よりアイドル状態を保って運転する場合に吸気バルブ15のバルブリフト(リフト量VL、閉時期IVC)、燃料噴射終了時期TITM及び点火時期ADVをどのように制御するのかをモデル的に示したタイミングチャートである。
ここでは吸気バルブ15のバルブリフト、燃料噴射終了時期及び点火時期の制御を次のように経時的に4つのステージに分けて行う。
(1)エンジンが始動するタイミングt1までの期間(つまり始動時)
(2)始動したタイミングt1から吸気バルブ温度が平衡温度に達するタイミングt 2までの期間(つまり始動後第一期間)
(3)タイミングt2から触媒9が活性化するタイミングt3までの期間(つまり始 動後第二期間)
(4)第2のタイミングt3以降の期間(つまり通常時)
上記(2)の始動後第一期間では、VEL機構26を作動させて吸気バルブ15のリフト量VLを始動後第一、第二の期間に共通の目標値VL2に設定して小さくし(例えば3〜4mm)、かつVTC機構27を作動させると共にVTC機構27に与える指令値を大きくして吸気バルブ閉時期IVCを始動後第一期間の目標値IVC2(後述する目標値IVC1より約10°進角側)まで進角させ吸排気バルブ15、16のオーバーラップ量を拡大する。この通常時よりも大きなオーバーラップにより燃焼室5内に残留する高温の排ガスが増え、この高温の排ガスが燃焼室内5の温度を上昇させるため、燃焼室5内の壁流量が減少し(図3参照)、これによってエンジンから排出されるHCを低減できる。
ただし、オーバーラップ量を拡大すると燃焼に寄与しない残留ガスが増えるため、燃焼安定度が悪化する。これを避けるため点火時期ADVを始動後第一期間の目標値ADV2へと進角させる。この目標値ADV2は吸気バルブ15が小リフトかつオーバーラップ量を拡大した状態での燃焼安定限界の点火時期(残留ガス増加分だけ通常時の点火時期を進角させた値)である。
上記(3)の始動後第二期間でもVEL機構26を作動させて吸気バルブ15を小リフトに設定すると共にVTC機構27に与える指令値を小さくし、吸気バルブ15の閉時期IVCを吸気下死点BDCの近傍にある始動後第二期間の目標値IVC3まで遅角する。これによって有効圧縮率が向上して燃焼安定度がよくなる。燃焼安定限界で運転するのであれば、この燃焼安定度の向上代だけ点火時期ADVを通常時より遅角できるので、点火時期ADVを通常時の目標値ADV1より遅らせた時期を始動後第二期間の目標値ADV3とする。これにより排温が上昇しそのぶん触媒9が早く活性化する。
一方、上記(1)の始動時にはオーバーラップ量を拡大しても、燃料の気化促進を図れないので、オーバーラップ量を拡大することはせず、燃料噴射を吸気行程で行って吸気による2次微粒化を図る。また、始動後第二期間と同じに、VEL機構26を作動させて吸気バルブ15を小リフトに設定すると共にVTC機構27に与える指令値を小さくし、吸気バルブ15の閉時期IVCを吸気下死点BDCの近傍にある始動後第二期間の目標値IVC3まで遅角する。
上記(4)の通常時になると、吸気バルブ15のバルブリフト、点火時期ADVとも通常時の目標値へと戻す。すなわち、VEL機構26を非作動として吸気バルブ15のリフト量VLを通常時の目標値VL1(大リフト)に戻し、VTC機構27を非作動として吸気バルブの閉時期IVCを通常時の目標値IVC1(例えば50〜60°ABDC)へと遅角する。安定限界での運転を継続するため点火時期ADVを通常時の点火時期ADV1へと進角させる。
エンジンコントローラ31で実行されるこの制御を図6、図7、図8のフローチャートに従って詳述する。図6、図7、図8は吸気バルブ閉時期IVC、吸気バルブのリフト量VL、燃料噴射終了時期TITM、点火時期ADVを演算するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ステップ1ではスタータスイッチ36からの信号をみる。スタータスイッチ36からの信号がONであれば始動時であると判断してステップ2に進み水温センサ37により検出される冷却水温Twを始動時水温TWINTとしてサンプリングする。
ステップ3、4、5は吸気バルブ閉時期IVC[°BBDC]、吸気バルブのリフト量VL[mm]、燃料噴射終了時期TITM[°BTDC]に初期値を設定する部分である。すなわち、吸気バルブ閉時期IVCに初期値としての始動時目標値IVC3を(図5第2段目参照)、吸気バルブのリフト量VLに初期値として始動後第一期間、始動後第二期間に共通の目標値VL2を、燃料噴射終了時期TITMに初期値としての始動時目標値TITM2を(図5第3段目参照)入れた後にステップ6に進む。
一方、スタータスイッチ36からの信号がOFFであるとき(始動後)にはステップ1よりステップ2〜5を飛ばしてステップ6に進む。
ステップ6ではクランク角センサ(33、34)により検出されるエンジン回転速度NRPMと所定値N1を比較する。ここで、所定値N1はブースト圧が発達しきるより少し手前の時点のエンジン回転速度を定める値である。詳細には図9に示したように始動時水温TWINTをパラメータとする値(可変値)で与えている。すなわち、始動時水温TWINTが高いほどエンジンの回転速度の上昇が速くなるためブースト圧が発達するまでの時間が短くなるので、所定値N1は高水温側ほど小さくなる設定である。ただし、所定値aよりも極低水温域ではエンジンのフリクション増加に応じてエンジンの回転上昇に必要な空気量が増えるため低水温側ほど所定値N1が小さくなる設定としている。
エンジン回転速度NRPMが所定値N1未満であればブースト圧が発達していないと判断しステップ7に進んで点火時期ADV[°BTDC]に始動後第二期間の目標値ADV3を入れる。
エンジン回転速度NRPMが所定値N1以上になったときにはブースト圧が発達したと判断しステップ8〜11に進んで吸気バルブ閉時期IVCを前回吸気バルブ閉時期IVColdに、吸気バルブのリフト量VLを前回リフト量VLoldに、噴射終了時期TITMを前回噴射終了時期TITMoldに、点火時期ADVを前回点火時期ADVoldに移す。
ステップ12、13、14では次の条件が成立しているか否かを一つずつ判定し全ての条件が成立しているとき図7のステップ15〜17に、いずれか一つでも成立していないときには図8のステップ31〜33に進む。
〈1〉始動時水温TWINTが所定値TEMP1未満であること。
〈2〉触媒9の入口温度Te1が所定値Te1H未満であること。
〈3〉アイドル状態であること。
ここで、上記〈2〉の所定値Te1Hは排気マニホールド集合部の近くに設けた触媒9が活性化する温度の下限値である。上記〈1〉の所定値TEMP1(例えば40℃程度)は冷間始動時とホットリスタート時とを切り分けるための値である。
上記触媒9の入口温度Te1は触媒の入口に設けた温度センサ37により検出する。アイドル状態であるか否かはアイドルスイッチ38からの信号により判断する。
上記〈1〉〜〈3〉の条件が全て成立するとき、つまり冷間始動時で触媒9が活性化前にありかつ運転条件がアイドル状態にあるときには図7のステップ15〜17に進む。
以下では運転条件は継続してアイドル状態にあるものとして述べる。実際には触媒9が活性化する前に運転条件がアイドル状態より外れた後に再びアイドル状態に戻る場合もあるが、この場合も含めようとするとフローが複雑になるので図6、図7、図8には示していない。
ステップ15〜17は燃料噴射終了時期TITMを始動時目標値TITM2から通常時目標値TITM1へと進角する部分である。すなわち、ステップ15では次式により燃料噴射終了時期TITMを一定値DTITMだけ進角する。
TITM=TITMold+DTITM…(1)
ただし、DTITM;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ31ではこの進角後の燃料噴射終了時期TITMと通常時目標値TITM1を比較し、この進角後の燃料噴射終了時期TITMが通常時目標値TITM1以下の(遅角側にある)ときにはステップ17を飛ばしてステップ18に進む。次回からもステップ15を繰り返すとやがて燃料噴射終了時期TITMが通常時目標値TITM1より大きくなる(目標値を超えて進角側になる)、つまり進角のしすぎとなるので、このときにはステップ16よりステップ17に進んで燃料噴射終了時期TITMを通常時目標値TITM1に制限した後、ステップ18に進む。ここで、始動時に燃料噴射が吸気行程噴射であったのに対して、始動後第一期間では排気行程噴射になる。
ステップ18では現在の冷却水温Twと始動時水温TWINTとの差(Tw−TWINT)を所定値DTWと比較する。ここで、所定値DTWは吸気バルブ15の温度が平衡温度に達するときの冷却水温と始動時水温との差を定める値である。詳細には図10に示したように始動時水温TWINTをパラメータとして始動時水温TWINTが低くなるほど大きくなる値(可変値)で与えている。これは始動時水温TWINTが低いほど吸気バルブ15温度が平衡温度に達するのが遅れるためである。
差(Tw−TWINT)が所定値DTW未満であるとき(吸気バルブ温度が上昇する前)にはステップ19〜24に進む。
まずステップ19〜21は吸気バルブ閉時期IVCを始動後第一期間目標値IVC2まで進角させる部分である。すなわち、ステップ19では次式により吸気バルブ閉時期IVCを一定値DIVCだけ進角する。
IVC=IVCold+DIVC…(2)
ただし、DIVC;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ23ではこの進角後の吸気バルブ閉時期IVCと始動後第一期間目標値IVC2を比較し、吸気バルブ閉時期IVCが始動後第一期間目標値IVC2以下の(遅角側にある)ときにはステップ21を飛ばしてステップ22に進む。次回からもステップ19を繰り返すとやがて吸気バルブ閉時期IVCが始動後第一期間目標値IVC2より大きくなる(目標値を超えて進角側になる)、つまり進角のしすぎとなるのでこのときにはステップ20よりステップ21に進んで吸気バルブ閉時期IVCを始動後第一期間目標値IVC2に制限した後、ステップ22に進む。
ステップ22〜24は点火時期を始動時目標値ADV3から始動後第一期間目標値ADV2まで進角させる部分である。すなわち、ステップ22では次式により点火時期ADVを一定値DADVだけ進角する。
ADV=ADVold+DADV…(3)
ただし、DADV;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ23ではこの点火時期ADVと始動後第一期間目標値ADV2を比較する。ここで、始動後第一期間目標値ADV2としては吸気バルブ15を小リフトとしかつ吸気バルブタイミングを進角して吸排気バルブ15、16のバルブオーバーラップを拡大した状態での燃焼安定限界の点火時期で、例えば、冷却水温Twやエンジン回転速度をパラメータとするマップ値で設定しておけばよい。点火時期ADVが始動後第一期間目標値ADV2以下の(遅角側にある)ときにはステップ24を飛ばしてそのまま今回の処理を終了する。次回からもステップ22を繰り返すとやがて点火時期ADVが始動後第一期間目標値ADV2より大きくなる(目標値を超えて進角側になる)、つまり進角のしすぎとなるのでこのときにはステップ23よりステップ24に進んで点火時期ADVを始動後第一期間目標値ADV2に制限した後、今回の処理を終了する。
このようにして、ブースト圧が発達した後に所定時間が経過したときには、図5において始動後第一期間で示したように燃料噴射終了時期TITMは排気行程噴射を定める通常時目標値TITM1に、吸気バルブ閉時期IVCは始動後第一期間目標値IVC2に、点火時期ADVは始動後第一期間目標値ADV2に保持される。
これに対してブースト圧が発達する前には、図5において始動期間で示したように燃料噴射終了時期TITMは吸気行程噴射を定める始動時目標値TITM2に、吸気バルブ閉時期IVCは始動時目標値IVC3に、点火時期ADVは始動時目標値ADV3に保持される。
一方、その後に差(Tw−TWINT)が所定値DTW以上となったときには吸気バルブ温度が平衡温度まで上昇したと判断し、ステップ18よりステップ25〜30に進む。
まずステップ25〜27は吸気バルブ閉時期IVCを始動後第一期間の目標値IVC2から始動後第二期間の目標値IVC3(吸気下死点BDC近傍)まで遅角させる部分である。すなわち、ステップ25では次式により吸気バルブ閉時期IVCを一定値DIVCだけ遅角する。
IVC=IVCold−DIVC…(4)
ただし、DIVC;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ26ではこの遅角後の吸気バルブ閉時期IVCと始動後第二期間目標値IVC3を比較し、吸気バルブ閉時期IVCが始動後第二期間目標値IVC3以上の(進角側にある)ときにはステップ27を飛ばしてステップ28に進む。次回からもステップ25を繰り返すとやがて吸気バルブ閉時期IVCが始動後第二期間目標値IVC3より小さくなる(目標値を超えて遅角側になる)、つまり遅角のしすぎとなるのでこのときにはステップ26よりステップ27に進んで吸気バルブ閉時期IVCを始動後第二期間目標値IVC3に制限した後、ステップ28に進む。
次にステップ28〜30は点火時期ADVを始動後第一期間目標値ADV2から始動後第二期間目標値ADV3まで遅角させる部分である。すなわち、ステップ28では次式により点火時期ADVを一定値DADVだけ遅角する。
ADV=ADVold−DADV…(5)
ただし、DADV;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ29ではこの点火時期ADVと始動後第二期間目標値ADV3を比較する。ここで、目標値ADV3としては吸気バルブ15を小リフトとしかつ吸気バルブ閉時期IVCを吸気下死点BDC近傍とした状態での燃焼安定限界の点火時期で、上記目標値ADV2と同様に例えば、冷却水温Twやエンジン回転速度をパラメータとするマップ値で設定しておけばよい。点火時期ADVが始動後第二期間目標値ADV3以上の(進角側にある)ときにはステップ30を飛ばしてそのまま今回の処理を終了する。次回からもステップ28を繰り返すとやがて点火時期ADVが始動後第二期間目標値ADV3より小さくなる(目標値を超えて遅角側になる)、つまり遅角のしすぎとなるのでこのときにはステップ29よりステップ30に進んで点火時期ADVを始動後第二期間目標値ADV3に制限した後、今回の処理を終了する。
このようにして、吸気バルブ温度が平衡温度まで上昇した後に所定時間が経過したときには、図5において始動後第一期間で示したように燃料噴射終了時期TITMは排気行程噴射を定める通常時目標値TITM1に、吸気バルブ閉時期IVCは始動後第二期間目標値IVC3に、点火時期ADVは始動後第二期間目標値ADV3に保持される。
この保持状態は触媒入口温度Te1が所定値Te1Hに達するまで続き、やがて触媒入口温度Te1が所定値Te1H以上となったときには触媒9が活性化したと判断して図6のステップ13より図8のステップ31〜39に進む。
まず図8のステップ31〜33は吸気バルブ閉時期IVCを始動後第二期間目標値IVC3から通常時の目標値IVC1(吸気下死点後50〜60°)にまで遅角させる部分である。すなわち、ステップ31では次式により吸気バルブ閉時期IVCを一定値DIVCだけ遅角する。
IVC=IVCold−DIVC…(6)
ただし、DIVC;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ32ではこの吸気バルブ閉時期IVCと通常時目標値IVC1を比較し、吸気バルブ閉時期IVCが通常時目標値IVC1以上の(進角側にある)ときにはステップ33を飛ばしてステップ34に進む。次回からもステップ31を繰り返すとやがて吸気バルブ閉時期IVCが通常時目標値IVC1より小さくなる(目標値を超えて遅角側になる)、つまり遅角のしすぎとなるのでこのときにはステップ32よりステップ34に進んで吸気バルブ閉時期IVCを通常時目標値IVC1に制限した後、ステップ34に進む。
次にステップ34〜36は吸気バルブ15のリフト量VLを目標値VL2(小リフト)から通常時の目標値VL1(大リフト)へと切換える部分である。すなわち、ステップ34では次式によりリフト量VLを一定値DVLだけ大きくする。
VL=VLold+DVL…(7)
ただし、DVL;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ35ではリフト量VLと通常時目標値VL1を比較し、リフト量VLが通常時目標値VL1以下のときにはステップ36を飛ばしてステップ37に進む。次回からもステップ34を繰り返すとやがてリフト量VLが通常時目標値VL1より大きくなるのでこのときにはステップ35よりステップ36に進んでリフト量VLを通常時目標値VL1に制限した後、ステップ37に進む。
ステップ37〜39は点火時期ADVを始動後第二期間目標値ADV3から通常時目標値ADV1まで進角させる部分である。すなわち、ステップ37では次式により点火時期ADVを一定値DADVだけ進角する。
ADV=ADVold+DADV…(7)
ただし、DADV;一定値(演算周期当たりの補正量)、
ステップ38ではこの点火時期ADVと通常時目標値ADV1を比較する。ここで、目標値ADV1としては吸気バルブ15を通常時とした状態、つまり大リフトとしかつ吸気バルブ閉時期IVCを吸気下死点50〜60°とした状態での燃焼安定限界の点火時期で、これも目標値ADV2、ADV3と同様に例えば冷却水温Twやエンジン回転速度をパラメータとするマップ値で設定しておけばよい。点火時期ADVが通常時目標値ADV1以下の(遅角側にある)ときにはステップ39を飛ばしてそのまま今回の処理を終了する。次回からもステップ37を繰り返すとやがて点火時期ADVが通常時目標値ADV1より大きくなる(目標値を超えて進角側になる)、つまり進角のしすぎとなるのでこのときにはステップ38よりステップ39に進んで点火時期ADVを通常時目標値AD13に制限した後、今回の処理を終了する。
このようにして、触媒9が活性化した後に所定時間が経過したときには、図5において通常時の期間で示したように燃料噴射終了時期TITMは排気行程噴射を定める通常時目標値TITM1に、吸気バルブ閉時期IVCは通常時目標値IVC1に、点火時期ADVは通常時目標値ADV1に保持される。
図示しないフローでは、このようにして演算される吸気バルブ閉時期IVCに従ってVTC機構27の作動、非作動及びVTC機構27への指令値が制御される(吸気バルブ閉時期IVCが始動時目標値IVC3にあるときにはVTC機構27が作動されると共にVTC機構27への指令値が小さくされ、始動後第一期間目標値IVC2にあるときにはVTC機構27が作動されると共に指令値が大きくされ、始動後第二期間目標値IVC3になるとVTC機構27への指令値が再び小さくされ、これに対して吸気バルブ閉時期IVCが通常時目標値IVC1にあるときにはVTC機構27が非作動とされる。また、始動後第一期間目標値IVC2、始動後第二期間目標値IVC3、通常時目標値IVC1への切換時にはVTC機構27への指令値が可変制御される。)。
また、このようにして演算される15のリフト量VLに従ってVEL機構26の作動、非作動が制御される(吸気バルブ15のリフト量VLが始動時、始動後第一期間、始動後第二期間の目標値VL2にあるときにはVEL機構26が作動され、これに対して吸気バルブ15のリフト量VLが通常時目標値VL1にあるときにはVEL機構26が非作動とされる。また、通常時目標値VL1への切換時にはVEL機構26への指令値が可変制御される。)。
また、このようにして演算される点火時期ADVを用いて点火プラグ14により火花点火が行われる。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば、VEL機構26及びVTC機構27を用いて、エンジンの始動後第一期間に吸排気バルブ15、16のオーバーラップ量が拡大するようにしたので(図2Cのバルブリフト参照)、燃焼室5内に残留する高温の排ガスが多くなって燃料の霧化が促進されると共に燃焼室5内の未燃HCが再燃焼され、これによりエンジンの始動後第一期間においてエンジンより排出されるHC量を低減できる。
また、ブースト圧が発達する前の始動時に吸排気バルブ15、16のオーバーラップ量を拡大しても吹き返しによる気化促進効果が得られないことから、本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば始動時に吸気行程噴射を行い(例えば吸気バルブ開時期をまたいで噴射する)、これにより吸気による2次微粒化を促進している。
この結果、図3上段に示したように、ブースト圧が発達する前の始動時においても吸排気バルブ15、16のオーバーラップ量を拡大させている場合(図3上段の破線参照)よりもさらにハッチングで示した面積の分だけエンジン出口のHC排出量を減らすことができる(図3上段の一点鎖線参照)。
本実施形態(請求項7に記載の発明)によれば、図5において始動後の第1のタイミングt2で吸気バルブ15の閉時期IVCが吸気下死点BDC近傍である目標値IVC3にくるようにするので(図2Bのバルブリフト参照)、有効圧縮比が向上し燃焼安定度が増す。このとき、燃焼安定限界で運転するので、この燃焼安定度の増し分だけ通常時より点火時期をリタードすることができ(図5最下段参照)、これによりにHC低減と排温上昇の各効果を得ることができる。
図11は第2実施形態の吸排気バルブのバルブリフトの特性図である。第1実施形態では、図2に示したように吸気バルブのバルブリフトの特性を、始動時にBの特性、始動後第一期間にCの特性、始動後第二期間にBの特性、通常時にAの特性としたが、第2実施形態では、図11において吸気バルブのバルブリフトの特性を、始動時に実線で示すAの特性、始動後第一期間に二点鎖線で示すDの特性、始動後第二期間に破線で示すBの特性、通常時に実線で示すAの特性としたものである。すなわち、第2実施形態では、第1実施形態と次の点で相違している。
相違1;ブースト圧が発達しない始動時に第1実施形態が小リフトであるのに対して第2実施形態では通常時と同じ大リフトである。
相違2;オーバーラップ量を拡大させる始動後第一期間にも第1実施形態が小リフトであるのに対して第2実施形態では通常時と同じ大リフトである。バルブオーバラップ量を拡大させることによる効果は、このように大リフトとしても得られることを実験により確認している。
ブースト圧が発達する前の始動時に吸気バルブ15を小リフトにすると、吸気バルブ15の壁流量が多い条件で却って燃焼室5内の壁流量が増加するのであるが、第2実施形態(請求項2に記載の発明)によれば、ブースト圧が発達する前の始動時には、小リフトにしない、つまり通常時と同じ大リフトとしているので、始動時に燃焼室5内の壁流量を増加させることがない。
また、第2実施形態によれば、始動時より始動後第一期間にかけて吸気バルブのバルブリフトが図11においてA→Dと移る、つまり大リフトのままで推移することになり、この間、VEL機構26を作動させなくても済んでいる。
実施形態ではブースト圧が発達する前の始動時であるか否かをエンジンの回転速度NRPMに基づいて判定する場合で説明したが、エンジン負荷相当量としての基本噴射パルス幅Tpと所定値Tp1(図5第5段目参照)との比較に基づいてブースト圧が発達する前の始動時であるか否かを判定するようにしてもかまわない。
実施形態では、L−ジェトロニック方式のガソリン噴射エンジンで説明したが、D−ジェトロニック方式のガソリン噴射エンジンにも適用できる。
請求項1に記載の制御手段の機能は、図6のステップ1、5、図7のステップ19〜24により果たされている。
本発明の第1実施形態の概略構成図。 吸排気バルブのバルブリフトの特性図。 始動直後に吸気バルブを小リフトとしかつ吸排気バルブのオーバーラップ量を拡大した場合のHC量、燃焼室内壁流量の変化を示す波形図。 吸気バルブ閉時期IVCを吸気下死点近傍に設定することによる排気低減効果の説明図。 始動からのタイミングチャート。 吸気バルブのリフト量、吸気バルブ閉時期、点火時期の演算を説明するためのフローチャート。 吸気バルブのリフト量、吸気バルブ閉時期、点火時期の演算を説明するためのフローチャート。 吸気バルブのリフト量、吸気バルブ閉時期、点火時期の演算を説明するためのフローチャート。 所定値N1の特性図。 所定値DTWの特性図。 第2実施形態の吸排気バルブのバルブリフトの特性図。
符号の説明
14 点火プラグ(点火装置)
15 吸気バルブ
26 VEL機構(可変動弁機構)
27 VTC機構(可変動弁機構)
31 エンジンコントローラ(制御手段)
36 スタータスイッチ

Claims (8)

  1. 吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
    この吸気バルブのバルブリフト量とバルブタイミングとを可変的に制御可能な可変動弁機構と、
    燃焼室内に火花点火を行う点火装置と、
    前記吸気ポートより前記吸気バルブに向けて燃料噴射を行う燃料噴射装置と
    を備え、
    吸気管圧力が所定の負圧に到達する前の始動時に燃料噴射が吸気行程で行われるように前記燃料噴射装置を制御すると共に、吸気管圧力が所定の負圧に到達する始動後に前記吸気バルブと排気バルブのオーバーラップ量がエンジンの暖機完了後より拡大するように前記可変動弁機構を、エンジンを安定した状態で燃焼できる遅角側の限界の点火時期である燃焼安定限界で点火が行われるように前記点火装置をそれぞれ制御する制御手段
    を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記吸気管圧力が所定の負圧に到達する前の始動時に、さらに前記吸気バルブが通常時と同じ大リフトの特性で作動するように前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記吸気管圧力が所定の負圧に到達する前の始動時に、さらに前記吸気バルブが通常時のリフト量よりも小さいリフト量の特性で作動するように前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記吸気管圧力が所定の負圧に到達する始動後に、さらに前記吸気バルブが所定の小リフトの特性で作動するように前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記吸気管圧力が所定の負圧に到達する前の始動時であるか否かをエンジンの回転速度に基づいて判定することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記吸気管圧力が所定の負圧に到達する前の始動時であるか否かを燃料噴射量に基づいて判定することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  7. 始動後の第1のタイミングで前記吸気バルブが所定の小リフトの特性で作動すると共に前記吸気バルブの閉時期が吸気下死点近傍にくるように前記可変動弁機構を、燃焼安定限界で点火が行われるように前記点火装置をそれぞれ制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  8. 前記第1のタイミングは前記吸気バルブが冷却水温より所定値高い平衡温度に達するタイミングであることを特徴とする請求項7に記載のエンジンの制御装置。
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