JP4123103B2 - スタータ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の内燃機関を始動するスタータに関するものである。
従来から、自動車等の内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)を始動するスタータは、アーマチャコイルおよび界磁極を内包する筒状のヨークを、フロントハウジングとエンドフレームとで挟み込むとともに、スルーボルトで締め付けることにより構成されている。ここで、スタータの回転軸方向において、ピニオン寄りを前方、整流子寄りを後方とすると、フロントハウジングはアーマチャコイルおよび界磁極を前方から覆い、エンドフレームはアーマチャコイルおよび界磁極を後方から覆っている。エンドフレームには回転軸方向と平行でスルーボルトが挿通される貫通穴が設けられ、フロントハウジングには回転軸方向と平行でスルーボルトのネジ部が螺合される螺合穴が設けられている。そして、スルーボルトが、貫通穴からヨーク内に挿入されるとともに、回転軸方向と平行してヨーク内を通り螺合穴に螺合している。
近年、スタータでは、エネルギー積の大きな永久磁石を界磁極に用いることにより、界磁極を径方向に薄くしてヨーク外径を縮小することが検討されている。このような永久磁石を用いたスタータでは、磁石の極間にスルーボルトを通す方式が採られている。そして、スルーボルトを通す作業が磁石の吸引により妨げられないように、スルーボルトを案内する打出し部をヨークの内径方向に膨出させている(例えば、非特許文献1参照)。
ところで、ギャップを所定値に保ったまま界磁極を径方向に薄くしてヨーク外径を縮小すると、スルーボルトがヨークの内径方向に突出し、アーマチャコイルの外周と立体的に干渉してしまう。この干渉を解消するには、スルーボルトを従来よりも小径にしなければならないが、スルーボルトを小径にすると耐振動性が低下する。ところが、近年のエンジン回転数向上による出力向上に伴い耐振動性向上に対する要求がますます厳しくなっており、スルーボルトの小径化はこの要求に反する。
そこで、耐振動性を下げることなく、エネルギー積の大きな永久磁石を用いてヨーク外径を縮小するため、スルーボルトをヨークの外側に配置する方法が検討されている。しかし、この場合、スルーボルトのネジ部が螺合するネジ穴を、ヨーク外周よりも外径に突出した位置に設ける必要がある。このため、ネジ穴を設ける台座部が、エンジン側に突出しすぎてエンジン側部品と干渉するおそれがある。
また、フロントハウジングは、エンジンの所定位置に取り付けられるフランジを有しており、このフランジがエンジンの所定位置にネジ止めされることにより、スタータがエンジンに組み付けられる。しかし、耐振動性がより厳しく要求される場合には、エンドフレームにステーが設けられ、このステーもエンジンの所定位置にネジ止めされる。このため、フロントハウジング、エンドフレーム、およびヨークの回転軸方向の寸法精度によっては、エンドフレーム側のステーとエンジン側の取付部との間で、回転軸方向に段差が発生する。この段差のため、スタータをエンジンに組み付けるとスルーボルトに曲げ応力がかかり、高振動によりスルーボルトが折損するおそれもある。
日本電装公開技報整理番号23−056(1981年7月20日)
本発明では、スルーボルトをヨークの外側に配置するとともに、スルーボルトのネジ部が螺合するネジ穴を有する締付部がエンジン側部品と立体的に干渉しないようにすることを課題とする。さらにエンドフレームのステーとエンジン側の取付部との間の段差を無くして、高振動によるスルーボルトの折損などを防止することを課題とする。そして、これらの課題を解決することにより、耐振動性を下げることなく、エネルギー積の大きな永久磁石を採用してヨーク外径を縮小することを目的とする。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明によれば、エンジン始動用のスタータは、慣性により生ずるピニオンの回転遅れとヘリカルスプラインによる推力とにより、ピニオンが前方へ飛び出しリングギヤに噛み合う慣性飛び込み式であり、アーマチャコイルおよび界磁極を内包する筒状のヨークを、フロントハウジングとエンドフレームとで挟み込むとともに、スルーボルトで締め付けることにより構成されている。フロントハウジングは、エンジンの所定位置に取り付けられる略円環状のフランジを備え、このフランジは、フランジの外周縁から外側に膨出するとともにエンジンの所定位置へ取り付けられる取付部と、スルーボルトにより締め付けられる締付部とを有している。そして、この締付部は、取付部の近傍であって、この取付部の最外周縁よりも内周側に設けられ、締付部の前面は、内燃機関への取付面であるフランジの前面と同一の平面上にある。
これにより、締付部、すなわちスルーボルトのネジ部が螺合するネジ穴を備えた台座部が、過度にエンジン側に膨出しないので、エンジン側部品と干渉を起こさなくなる(以降、締付部を台座部と呼ぶ)。また、台座部自体の強度を向上することができるとともに、フランジの強度も向上することができ耐振動性の向上を図ることができる。
さらに、締付部の前面を、エンジンへの取付面であるフランジの前面と同一の平面とすることにより、エンジンとフロントハウジングとの接触面積が増加するので、更なる耐振動性の向上を図ることができる。
また、台座部はフランジの外周縁から外側に膨出している。そして、この台座部の外縁と取付部の外縁とが連なる第1連結曲面の曲率半径が、取付部の外縁とフランジの外周縁とが連なる第2連結曲面の曲率半径、および台座部の外縁とフランジの外周縁とが連なる第3連結曲面の曲率半径よりも大きい。
これにより、台座部および取付部の強度をさらに向上することができる。また、フランジの強度もさらに向上することができ、さらなる耐振動性の向上を図ることができる。
〔請求項の手段〕
請求項に記載の発明によれば、スタータの界磁極は、希土類金属を含有する永久磁石からなる。
これにより、スタータにおいて、エネルギー積の大きな永久磁石を用いることにより、ギャップを所定値に保ったまま界磁極を径方向に薄くしてヨーク外径を縮小することができる。また、スルーボルトがヨークの外側に配置されているので、従来のようにスルーボルトを通す作業が磁石の吸引により妨げられることがない。このため、界磁極のエネルギー積が大きくなっても、スムーズにスルーボルトを通すことができる。さらに、スルーボルトがヨークの外側に配置されているので、ギャップを所定値に保ったまま界磁極を径方向に薄くしても、スルーボルトとアーマチャコイルの外周とが立体的に干渉することがない。このため、スルーボルトを従来よりも小径にする必要がなくなるので、耐振動性を従来どおり維持することができる。
〔請求項の手段〕
請求項に記載の発明によれば、取付部と回転軸とを垂直に結ぶ線分と、台座部と回転軸とを垂直に結ぶ線分とがなす角度をX°としたとき、10≦X≦30の関係を満たす。
これにより、台座部は、取付部の近傍に確実に配置され、台座部の強度向上が確実に行われる。
〔請求項の手段〕
請求項に記載の発明によれば、エンドフレームは、回転軸に垂直な方向に締め付けられるとともに、エンジンの所定位置にネジ止めされるステーを有し、このステーに設けられたネジ挿通穴は、回転軸方向に伸びる長穴である。
これにより、フロントハウジングおよびエンドフレームの両方をエンジン側に固定する場合であっても、ステーの長穴により、エンドフレーム側のステーとエンジン側の取付部との間で段差が発生するのを防止することができる。このため、スタータを確実にエンジンに取り付けることができ、スルーボルトへの偏荷重を抑えることができる。
〔請求項の手段〕
請求項に記載の発明によれば、長穴の回転軸方向の長さは、フロントハウジング、エンドフレーム、およびヨークの回転軸方向における公差を合計した値よりも大きい。
これにより、ステーとエンジン側の取付部との段差の発生要因であるフロントハウジング、エンドフレーム、およびヨークの回転軸方向の寸法ばらつきを吸収することができる。
〔請求項の手段〕
請求項に記載の発明によれば、フランジをエンジンの所定位置に仮止めした後、ステーをエンジンの所定位置にネジ止めして固定し、その後、フランジを固定することにより、スタータを組み付ける。
これにより、スルーボルトへの偏荷重を防止しながら、スタータの組み付けを行うことができる。
エンジン始動用のスタータにおいて、耐振動性を下げることなく、エネルギー積の大きな永久磁石を用いてヨークの外径を小さくすることができた。また、このスタータは、スルーボルトのネジ部が螺合するネジ穴を備えた台座部がエンジン側部品と干渉せず、高振動によりスルーボルトが折損するなどのおそれがない。
〔実施例1の構成〕
本実施例のスタータ1を図面に基づいて説明する。本実施例のスタータ1は、エンジンを始動するエンジン始動用スタータであって、バッテリ(図示せず)から電力の供給を受けることにより作動する直流電動機である。また、本実施例のスタータ1は、ピニオン2の慣性により生ずるピニオン2のアーマチャシャフト3に対する回転遅れと、ヘリカルスプライン4による推力とにより、ピニオン2が前方へ飛び出しリングギヤ(図示せず)に噛み込む慣性飛び込み式スタータである。なお、以下の説明では、アーマチャシャフト3の回転軸方向のピニオン2寄りを前方、コンミテータ5寄りを後方とし、前後方向はこれに従うものとする。また、アーマチャシャフト3の回転軸を、単に回転軸と呼ぶ。
このスタータ1は、バッテリから電力の供給を受けて作動するモータ部と、モータ部の作動に伴いエンジン側と結合するとともに、エンジン始動後速やかにエンジン側から離脱する結合離脱部と、これらを内包するとともにエンジンへの固定の際にネジ止めされるハウジング部とからなる。
モータ部は、回転部と静止部とからなる。回転部は、図1に示すごとく、アーマチャシャフト3、コンミテータ5、およびアーマチャコイル6などからなる周知のアーマチャである。また、静止部も、ヨーク7、界磁極8、ブラシ9、ブラシ保持器10、およびモータ端子11などからなる周知の構造を有している。
ここで、アーマチャシャフト3は、ヨーク7よりも前寄りの外周部に、ヘリカルスプライン4を備えている。また、アーマチャシャフト3の先端に近い外周部に、断面が略半円状の周溝12を備えている。ヨーク7は、アーマチャコイル5および界磁極8を内包する筒状体をなしている。界磁極8は、希土類磁石と呼ばれる永久磁石である。本実施例では、ネオジウム系磁石、あるいはネオジム系磁石と呼ばれる永久磁石が用いられる。この永久磁石は、希土類金属のネオジウムを含むネオジウム−鉄−ボロン(Nd−Fe−B)磁石からなる永久磁石である。
結合離脱部は、図1に示すごとく、リングギアと噛み合うピニオン2、ピニオン2の過大な飛び出しを規制するピニオンストッパ13、ピニオン2を、常時、後方に付勢するリターンスプリング14、ピニオン2をエンジン始動後、スムーズにリングギヤから離脱させるクラッチなどから構成されている。
ピニオンストッパ13は、アーマチャシャフト3と同軸の円筒状をなし、アーマチャシャフト3の前端部に嵌着されている。そして、周溝12に嵌着されたリングスナップ15により係止され、前方への移動が規制されている。
リターンスプリング14はアーマチャシャフト3に嵌着されるとともに、ピニオン2に嵌入された軸受メタル16とピニオンストッパ13との間に介在する。そして、ピニオンストッパ13の内周に入り込んでピニオンストッパ13に係止されるとともに、軸受メタル16を後方に付勢することによりピニオン2を、常時、後方に付勢する。
クラッチは、図1(b)に示すごとく、クラッチアウタ17、クラッチインナ20、クラッチローラ21、クラッチスプリング(図示せず)、およびクラッチカバー22などから構成されている。
クラッチアウタ17は、クラッチインナ20、クラッチローラ21、およびクラッチスプリングを内包する。クラッチアウタ17の前端開口部はワッシャ23および輪板24で閉じられている。そして、クラッチカバー22がかしめられて、このワッシャ23および輪板24の外縁部とクラッチアウタ17の外周面とを覆っている。また、クラッチアウタ17は、回転軸方向に貫通した螺合穴を有する。この螺合穴には、アーマチャシャフト3が嵌挿されるとともに、ヘリカルスプライン4が螺合している。そして、クラッチアウタ17は、エンジン側との結合離脱に伴い、ヘリカルスプライン4と螺合しつつ相対的に回動するとともに軸方向に前後動する。
クラッチインナ20は、前寄りの部分にピニオン2が一体かつ同軸に形成され、後寄りの部分がクラッチアウタ17の内部に嵌り込んでいる。また、クラッチインナ20は、このピニオン2とともに後寄りの部分も回転軸と同軸に貫通した貫通穴を有する。この貫通穴の前寄りの内周面には軸方向に軸受メタル16が嵌入されるとともに、この軸受メタル16を介してクラッチインナ20がアーマチャシャフト3に嵌挿されている。そして、クラッチインナ20は、エンジン側との結合離脱に伴い、軸受メタル16とともにアーマチャシャフト3上を摺動しつつ相対的に回動し、かつ軸方向に前後動する。
クラッチローラ21は、クラッチアウタ17とクラッチインナ20との間に介在し、クラッチスプリングにより押圧されて、図1(b)に示すごとくクラッチアウタ17の内周面とクラッチインナ20の後寄り外周面とに接している。そして、ヘリカルスプライン4、クラッチアウタ17を通して伝達されたアーマチャシャフト3の回転トルクを、クラッチインナ20へと伝達する。なお、エンジン始動後は、クラッチインナ20がアーマチャシャフト3よりも高速回転になるため、クラッチスプリングが圧縮されるとともに、クラッチローラ21がクラッチアウタ17の内周面とクラッチインナ20の外周面とから離れる方向に移動する。このため、クラッチインナ20からアーマチャシャフト3へのトルク伝達は起こらない。
ハウジング部は、ヨーク7の一端側に配されるとともにピニオン2やクラッチを内包するフロントハウジング18と、ヨーク7の他端側に配されるとともにコンミテータ5、ブラシ9およびブラシ保持器10などを内包するエンドフレーム25、このエンドフレーム25とフロントハウジング18とで、ヨーク7を回転軸方向に締め付けるスルーボルト26などからなる。
フロントハウジング18は、ヨーク7の一端側、すなわちヨーク7の前方に配されている。このフロントハウジング18は、周壁部27、アーマチャシャフト3と摺接する軸受メタル28が嵌入される軸受部29、エンジンへの取付部30を有して、エンジンの所定位置へ取り付けられるフランジ31からなる。
周壁部27は、アーマチャシャフト3と同軸の円筒状をなし、この円筒内にピニオン2およびクラッチが内包されている。そして、ピニオン2およびクラッチは、アーマチャシャフト3の回転開始とともに、この円筒内から前方へ飛び出し、エンジン始動後、この円筒内へ戻る。
軸受部29は、周壁部27の円筒内で後寄りに設けられている。この軸受部29は、回転軸と同軸の貫通穴を有し、この貫通穴に軸受メタル28が嵌入されている。また、この軸受部29の前端には、ワッシャ19が装着されている。そして、このワッシャ19にエンジン側から離脱したクラッチアウタ17の後端が、リターンスプリング14の付勢力により当接する。なお、軸受部29の後端部には、オイルシール32が備えられ、ヨーク7内へ水滴や塵埃が侵入するのを防止している。
フランジ31は、図1に示すごとく、周壁部27の前端外周から外側に鍔状かつ略円板状に形成されている。このフランジ31は、エンジンの所定位置へ取り付けられる取付部30と、スルーボルト26により締め付けられる締付部としての台座部33とを具備する。取付部30および台座部33は、フランジ31の外周縁から外側に膨出するとともに、回転軸方向に貫通したネジ穴を有する。台座部33の前面は、エンジンへの取付面であるフランジ31の前面と同一の平面上にある。なお、台座部33は、フランジ31の後端面から後方に突出している。これにより、スルーボルト26の長さを短縮することができる。
台座部33は、取付部30の近傍に設けられている。より具体的には、台座部33と取付部30とは、取付部30とアーマチャシャフト3の回転軸芯とを垂直に結ぶ線分と、台座部33とアーマチャシャフト3の回転軸芯とを垂直に結ぶ線分とがなす角度をX°としたとき、10≦X≦30の関係を満たしている。
また、台座部33は、この取付部30の最外周縁よりも内周側、すなわち回転軸を中心として回転軸と取付部30の最外周縁とを結ぶ線分を半径とする円周の内側に設けられている。さらに、台座部33の外縁と取付部30の外縁とは、滑らかに連なる第1連結曲面34をなしている。この第1連結曲面34の曲率半径は、取付部30の外縁とフランジ31の外周縁とが連なる第2連結曲面35の曲率半径、および台座部33の外縁とフランジ31の外周縁とが連なる第3連結曲面36の曲率半径よりも大きい。
エンドフレーム25は、ヨーク7の他端側、すなわちヨーク7の後方に配され、フロントハウジング18とともに、ヨーク7を回転軸と同軸的に挟み込む。このエンドフレーム25は、図1(b)および図2に示すごとく、モータ端子11がエンドフレーム25内から突出している。また、スルーボルト26が挿通される挿通部37、およびエンジンの所定位置に取り付けられるステー38が、エンドフレーム25の外周面から膨出している。
挿通部37は、回転軸方向に貫通した貫通穴を有する。そして、この貫通穴の後端開口部から挿入されたスルーボルト26のネジ部が、台座部33のネジ穴に螺合するとともに、このスルーボルト26のネジ頭が挿通部37の後端面を、前方に押圧する。これにより、スルーボルト26は、回転軸方向と平行してヨーク7の外側に配置されるとともに、フロントハウジング18とエンドフレーム25とで、ヨーク7を回転軸方向に締め付けることができる。
ステー38は、図1に示すごとく、エンドフレーム25の外周面から膨出して、回転軸に平行で所定の厚みを有する矩形状平板をなしている。このステー38は、厚み方向に垂直に貫通したネジ挿通穴39を備えている。そして、このネジ挿通穴39に挿通されたボルト等により回転軸に垂直な方向に締め付けられるとともに、エンジンの所定位置にネジ止めされる。ネジ挿通穴39は、図1(b)に示すごとく、回転軸方向に伸びる長穴である。このネジ挿通穴39の回転軸方向の長さは、フロントハウジング18、エンドフレーム25、およびヨーク7の回転軸方向における公差を合計した値よりも大きくなるように設けられている。
〔実施例1の組付方法〕
本実施例のスタータ1をエンジンに組み付ける組付方法を説明する。まず、フロントハウジング18のフランジ31をエンジンの所定位置に配置し、取付部30のネジ穴と所定のボルト(図示せず)のネジ部とを螺合させることにより、フランジ31をエンジン側に仮止めする。次に、エンドフレーム25のステー38をエンジンの所定位置に配置し、エンジン側に設けられたネジ穴と所定のボルト(図示せず)のネジ部とを螺合させることにより、ステー38をエンジン側に締め付けて固定する。その後、フランジ31において、取付部30のネジ穴とボルト(図示せず)のネジ部との螺合を再開して、フランジ31をエンジン側に締め付けて固定する。以上により、本実施例のスタータ1がエンジンに組み付けられる。
〔実施例1の作用〕
本実施例のスタータ1の作用を説明する。キースイッチ(図示せず)がONされる前は、図1(b)に示すごとく、ピニオン2を含むクラッチは、ピニオン2の前端部を除いて周壁部27の円筒内に内包されている。キースイッチがONされてバッテリからモータ部に電力が供給されると、アーマチャシャフト3が回転を始める。このアーマチャシャフト3の回転開始に対し、ピニオン2を含むクラッチは慣性のため遅れて回転を始める。この回転開始遅れとヘリカルスプライン4の推力とにより、クラッチはリターンスプリング14の付勢力に抗して前方へ飛び出し、ピニオン2のギヤとリングギヤとが噛み合う。これにより、エンジンが始動する。一方、ピニオン2を含むクラッチの前進は、ピニオン2の前端面がピニオンストッパ13の後端面に突き当たることにより規制される。
エンジン回転数が上昇すると、ピニオン2が逆にリングギヤにより回される。これにより、ピニオン2と一体のクラッチインナ20がアーマチャシャフト3よりも高速回転になるため、クラッチスプリングが圧縮されるとともに、クラッチローラ21がクラッチアウタ17の内周面とクラッチインナ20の外周面とから離れる方向に移動する。このため、クラッチインナ20からアーマチャシャフト3へのトルク伝達が途切れ、リターンスプリング14の付勢力により、クラッチアウタ17の後端面がワッシャ19に当接するまで、クラッチがヘリカルスプライン4上を後退する。以上により、ピニオン2のギヤがリングギヤから離脱して、ピニオン2を含むクラッチは周壁部27の円筒内に戻る。
〔実施例1の特徴および効果〕
本実施例のスタータ1のフランジ31には、フランジ31の外周縁から外側に膨出するとともにエンジンの所定位置へ取り付けられる取付部30と、スルーボルト26により締め付けられる締付部としての台座部33とが備えられている。そして、この台座部33は、取付部30の近傍であって、この取付部30の最外周縁よりも内周側に設けられている。また、台座部33の前面は、エンジンへの取付面であるフランジ31の前面と同一の平面上にある。
これにより、スルーボルト26のネジ部が螺合するネジ穴を備えた台座部33が、過度にエンジン側に膨出しないので、エンジン側部品と干渉を起こさなくなる。また、台座部33自体の強度を向上することができるとともに、フランジ31の強度も向上することができ耐振動性の向上を図ることができる。さらに、台座部33の前面を、フランジ31の前面と同一の平面とすることにより、エンジンとフロントハウジングとの接触面積が増加するので、更なる耐振動性の向上を図ることができる。
また、台座部33はフランジ31の外周縁から外側に膨出している。そして、この台座部33の外縁と取付部30の外縁とが連なる第1連結曲面34の曲率半径が、取付部30の外縁とフランジ31の外周縁とが連なる第2連結曲面35の曲率半径、および台座部33の外縁とフランジ31の外周縁とが連なる第3連結曲面36の曲率半径よりも大きい。
これにより、台座部33および取付部30の強度をさらに向上することができる。また、フランジ31の強度もさらに向上することができ、さらなる耐振動性の向上を図ることができる。
また、スタータ1の界磁極8は永久磁石であり、希土類金属のネオジウムを含むネオジウム−鉄−ボロン磁石である。
これにより、スタータ1において、エネルギー積の大きな永久磁石を用いることにより、ギャップを所定値に保ったまま界磁極8を径方向に薄くしてヨーク7の外径を縮小することができる。また、スルーボルト26がヨーク7の外側に配置されているので、従来のようにスルーボルト26を通す作業が磁石の吸引により妨げられることがない。このため、界磁極8のエネルギー積が大きくなっても、スムーズにスルーボルト26を通すことができる。さらに、スルーボルト26がヨーク7の外側に配置されているので、ギャップを所定値に保ったまま界磁極8を径方向に薄くしても、スルーボルト26とアーマチャコイル6の外周とが立体的に干渉することがない。このため、スルーボルト26を従来よりも小径にする必要がなくなるので、耐振動性を従来どおり維持することができる。
また、取付部30とアーマチャシャフト3の回転軸芯とを垂直に結ぶ線分と、台座部33とアーマチャシャフト3の回転軸芯とを垂直に結ぶ線分とがなす角度をX°としたとき、10≦X≦30の関係を満たす。
これにより、台座部33は、取付部30の近傍に確実に配置され、台座部33の強度向上が確実に行われる。
また、エンドフレーム25は、回転軸に垂直な方向に締め付けられるとともに、エンジンの所定位置にネジ止めされるステー38を有し、このステー38に設けられたネジ挿通穴39は、回転軸方向に伸びる長穴である。
これにより、フロントハウジング18およびエンドフレーム25の両方をエンジン側に固定する場合であっても、ステー38のネジ挿通穴39により、エンドフレーム25側のステー38とエンジン側の取付部との間で段差が発生するのを防止して、取付時の軸方向の拘束を抑制することができる。このため、スタータ1を確実にエンジンに取り付けることができ、スルーボルト26への偏荷重を抑えることができる。
また、ネジ挿通穴39の回転軸方向の長さは、フロントハウジング18、エンドフレーム25、およびヨーク7の回転軸方向における公差を合計した値よりも大きい。
これにより、ステー38とエンジン側の取付部との段差の発生要因であるフロントハウジング18、エンドフレーム25、およびヨーク7の回転軸方向の寸法ばらつきを吸収することができる。
さらに、本実施例のスタータ1は、フランジ31をエンジンの所定位置に仮止めした後、ステー38をエンジンの所定位置にネジ止めして固定し、その後、フランジ31を固定することにより、エンジンに組み付けられる。
これにより、スルーボルト26への偏荷重を防止しながら、スタータ1の組み付けを行うことができる。
〔変形例〕
本実施例では、取付部30および台座部33はともにネジ山を有する螺合穴であったが、回転軸方向に貫通した貫通穴でもよい。この場合、スルーボルト26等のネジ部がこれらの貫通穴を貫通するとともにナットなどと螺合することにより、ヨーク7やフランジ31が所定の方向に締め付けられる。
本実施例では、2本のスルーボルト26でヨーク7を締め付けたが、3本以上のスルーボルト26を用いてヨーク7を締め付けてもよい。
本実施例では、界磁極8に用いる永久磁石として、ネオジウム−鉄−ボロン磁石を用いたが、一般的なフェライト磁石を用いてもよい。
(a)はスタータの正面図で、(b)はスタータの部分断面図である。 スタータの斜視図である。
符号の説明
1 スタータ
2 ピニオン
3 アーマチャシャフト
4 ヘリカルスプライン
6 アーマチャコイル
7 ヨーク
8 界磁極
13 ピニオンストッパ
14 リターンスプリング
17 クラッチアウタ
18 フロントハウジング
20 クラッチインナ
21 クラッチローラ
25 エンドフレーム
26 スルーボルト
30 取付部
31 フランジ
33 台座部(締付部)
34 第1連結曲面
35 第2連結曲面
36 第3連結曲面
38 ステー
39 ネジ挿通穴

Claims (6)

  1. 慣性により生ずるピニオンの回転遅れとヘリカルスプラインによる推力とにより、ピニオンが前方へ飛び出しリングギヤに噛み合う慣性飛び込み式の内燃機関始動用のスタータであって、
    アーマチャコイルおよび界磁極を内包する筒状のヨークと、
    このヨークの一端側に配され、内燃機関の所定位置に取り付けられる略円環状のフランジを有するフロントハウジングと、
    前記ヨークの他端側に配され、前記フロントハウジングとともに前記ヨークをアーマチャの回転軸と同軸的に挟み込むエンドフレームと、
    前記回転軸と平行して前記ヨークの外側に配置されるとともに、前記エンドフレームと前記フロントハウジングとの間に、前記ヨークを回転軸方向に締め付けるスルーボルトとを備え、
    前記フランジは、前記フランジの外周縁から外側に膨出するとともに前記内燃機関の所定位置へ取り付けられる取付部と、前記スルーボルトにより締め付けられる締付部とを具備し、
    この締付部は、前記取付部の近傍であって、前記取付部の最外周縁よりも内周側に設けられ、
    前記締付部の前面は、前記内燃機関への取付面である前記フランジの前面と同一の平面上にあり、
    前記締付部は、前記フランジの外周縁から外側に膨出しており、
    前記締付部の外縁と前記取付部の外縁とが連なる第1連結曲面の曲率半径が、前記取付部の外縁と前記フランジの外周縁とが連なる第2連結曲面の曲率半径、および前記締付部の外縁と前記フランジの外周縁とが連なる第3連結曲面の曲率半径よりも大きいことを特徴とするスタータ。
  2. 請求項1に記載のスタータにおいて、
    前記界磁極は、希土類金属を含有する永久磁石からなることを特徴とするスタータ。
  3. 請求項1に記載のスタータにおいて、
    前記取付部と前記回転軸とを垂直に結ぶ線分と、前記締付部と前記回転軸とを垂直に結ぶ線分とがなす角度をX°としたとき、10≦X≦30の関係を満たすことを特徴とするスタータ。
  4. 請求項1に記載のスタータにおいて、
    前記エンドフレームは、前記回転軸に垂直な方向に締め付けられるとともに、前記内燃機関の所定位置にネジ止めされるステーを有し、
    このステーに設けられたネジ挿通穴は、回転軸方向に伸びる長穴であることを特徴とするスタータ。
  5. 請求項に記載のスタータにおいて、
    前記長穴の回転軸方向の長さは、前記フロントハウジング、前記エンドフレーム、および前記ヨークの回転軸方向における公差を合計した値よりも大きいことを特徴とするスタータ。
  6. 請求項4に記載のスタータの内燃機関への組付方法において、
    前記フランジを前記内燃機関の所定位置に仮止めした後、前記ステーを前記内燃機関の所定位置にネジ止めして固定し、その後、前記フランジを固定することを特徴とするスタータの組付方法。
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