JP4122709B2 - 開閉蓋付収納容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、開口された一端と閉塞された他端とを有する筒状の収納容器本体と、上記開口を開閉自在に閉塞する蓋部材と、を備えている開閉蓋付収納容器に関係している。
【0002】
【従来の技術】
上述した如き種類の開閉蓋付収納容器は従来から種々の種類が知られている。従来の開閉蓋付収納容器は、耐久性や製造の容易さ等の理由から比較的小型のものでは合成樹脂により形成されている。また、厚紙製の収納容器本体と合成樹脂製や金属製の蓋部材との組合せにより構成された比較的小型の開閉蓋付収納容器も従来から知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
廃棄物に関する近年の環境状況から、環境に影響を与えない廃棄やリサイクルのことを考慮すると、開閉蓋付収納容器を合成樹脂のみや一部を合成樹脂により形成することよりも、厚紙のみにより形成することが現在大変望まれている。
【0004】
この発明は上記事情に基づいてなされ、この発明の目的は、例えば紙の如き環境に影響を与えることが少ない材料のみにより容易に安価に製造可能な蓋部材付収納容器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した如きこの発明の目的を達成するために、この発明に従った開閉蓋付収納容器は:
開口された一端と閉塞された他端とを有する筒状の収納容器本体と;
上記収納容器本体の上記一端の開口に挿入され、上記収納容器本体の内表面において上記一端の開口近傍の開口近傍領域に重複する重複部と、上記重複部に連続し上記一端の開口を閉塞する閉塞部と、を含んでいて、上記重複部が上記内表面の上記開口近傍領域に接着されている蓋部材と;
を備えており、
上記重複部は少なくとも、上記収納容器本体の上記一端の開口に隣接した開口隣接部分が上記開口近傍領域に接着されており、
上記収納容器本体の周壁が上記一端の近傍において、上記蓋部材の上記開口隣接部分と上記蓋部材の上記重複部において上記収納容器本体の上記一端の開口から遠い開口遠位部分との間で、上記周壁の全周の少なくとも一部を切断されており、
上記重複部において、上記収納容器本体の上記一端の開口から遠い開口遠位部分も上記開口近傍領域に接着されており、
上記収納容器本体の上記一端の開口に隣接した開口隣接部分の接着力が、上記収納容器本体の上記一端の開口から遠い開口遠位部分の接着力よりも強く設定されている、
ことを特徴としている。
【0006】
このように構成されていることを特徴とするこの発明に従った蓋部材付収納容器においては、例えば紙の如き環境に影響を与えることが少ない材料のみにより開口された一端と閉塞された他端とを有する筒状の収納容器本体を形成することは従来公知の技術により容易である。
【0007】
上記収納容器本体の上記一端の開口に例えば紙の如き環境に影響を与えることが少ない材料のみにより形成されている蓋部材を挿入し、挿入された上記蓋部材の周縁部を上記収納容器の内表面において上記一端の開口近傍の開口近傍領域に重複する重複部とし、挿入された上記蓋部材において上記周縁部に囲まれた中央部を上記重複部に連続し上記一端の開口を閉塞する閉塞部とする、ことも従来公知の技術により容易である。
【0008】
さらに、上記収納容器本体の上記一端の開口に挿入された上記蓋部材の上記重複部を上記内表面の上記開口近傍領域に接着させることも従来公知の技術により容易である。
【0009】
上記重複部は少なくとも、上記収納容器本体の上記一端の開口に隣接した開口隣接部分が上記開口近傍領域に接着されており、
上記収納容器本体の周壁を上記一端の近傍において、上記蓋部材の上記開口隣接部分と上記蓋部材の上記重複部において上記収納容器本体の上記一端の開口から遠い開口遠位部分との間で、上記周壁の全周の少なくとも一部を切断する、ことがこの発明の特有の構成である。
【0010】
この特有の構成は、従来公知の技術により容易に達成出来るが、上記蓋部材の上記重複部の上記開口隣接部分が上記開口近傍領域に接着されていることにより、上記蓋部材は上記収納容器本体の上記一端の開口に固定されて上記閉塞部により上記開口を閉塞する。これにより、上記収納容器本体の内部空間を外部空間から隔離する。
【0011】
上記収納容器本体の周壁を上記一端の近傍において、上記蓋部材の上記開口隣接部分と上記開口遠位部分との間で、上記周壁の全周の少なくとも一部が切断されていることにより、上記切断の線を境に上記蓋部材を上記開口に対し開閉可能とすることができる。上記蓋部材の上記重複部の上記開口遠位部分が上記開口から抜け出すよう上記蓋部材を操作すると上記蓋部材の上記閉塞部が上記開口を開放し、上記収納容器本体の内部空間に対し物体を出し入れすることが可能になる。
【0012】
上記蓋部材の上記重複部の上記開口遠位部分が上記開口に挿入されるよう上記蓋部材を操作すると上記蓋部材の上記閉塞部が上記開口を閉塞し、上記収納容器本体の内部空間を再度外部空間から隔離する。
【0013】
上記蓋部材の上記重複部は、それと重複する上記収納容器本体の上記一端の開口近傍の上記開口近傍領域とともに相互に構造強度を向上させる。
【0014】
上述した如く構成されたことを特徴とするこの発明に従った開閉蓋付収納容器では、上記収納容器本体の周壁が上記一端の近傍において、上記蓋部材の上記開口隣接部分と上記開口遠位部分との間で、上記周壁の全周の少なくとも半分以上を切断されている、ことが好ましい。
【0015】
このような構成であれば、上記切断の線を境に上記蓋部材を上記開口に対しより容易に開閉可能とすることができる。そして、上記切断の線が形成されない部分を蝶番のように機能させることが出来る。
【0016】
上記切断は上記周壁の全周に渡っていても良い。この場合には、上記開口に対する上記蓋部材の上記開閉をさらに容易にすることが出来るし、上記開口を介した上記収納容器本体の内部空間に対する物体の出し入れを容易にする。しかしながら、上記開口を開放した時に上記収納容器本体に対し上記蓋部材が完全に分離されるので、分離された上記蓋部材を無くさないよう注意が必要である。
【0017】
上述した如く構成されたことを特徴とするこの発明に従った開閉蓋付収納容器では、上記蓋部材は、上記収納容器本体の上記一端の開口において、上記閉塞部が上記重複部よりも内方に位置していることが出来る。
【0018】
或いは、上記蓋部材は、上記収納容器本体の上記一端の開口において、上記閉塞部が上記重複部よりも外方に位置していることも出来る。
【0019】
上記蓋部材は、上記重複部から上記閉塞部と反対側に伸び出て外部から引っ張り力を負荷する為の引っ張り片を上記重複部に有していることことが出来る。
【0020】
或いは、上記蓋部材が、外部から引っ張り力を負荷する為の引っ張り片を上記閉塞部に有していることが出来る。
【0021】
また或いは、上記収納容器本体の上記一端は、上記一端から外方に突出し外部から引っ張り力を負荷する為の引っ張り片を有していることが出来る。
【0022】
引っ張り片は、上記蓋部材を上記開口から分離させる操作を容易にする。
【0023】
上記収納容器の周壁は、上記一端において上記開口の中央に向かい折り曲げられて上記蓋部材の一部に重複していることが出来る。
【0024】
このようにされた上記収納容器の周壁の上記一端の強度は向上されて、外力により上記一端が変形されるのに対する抵抗を増す。
【0025】
以下、この発明の種々の実施の形態や変形例について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
まず最初に、添付の図面中の図1の(A),(B),(C)及び図2の(A),(B),(C)を参照しながら、この発明の第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器について詳細に説明する。
【0027】
図1の(A)中に示されている如く、例えば厚紙の如き環境に影響を与えることが少ない材料のみにより筒状の収納容器本体10が準備される。なおここで発明者は、厚紙には、樹脂や金属を含む無機や有機材料の如き特定の機能を有した機能性薄膜がコートされた厚紙も含むと考えている。また,厚紙の表面に直接印刷が施されていることができるし、厚紙の表面に印刷が施されている別の紙状部材が取り付けられていることも出来る。さらに、環境に影響を与えることが少ない材料であれば厚紙以外の材料であることも出来る。
【0028】
収納容器本体10は、開口された一端10aと閉塞された他端10bとを有する。この実施の形態において他端10bの開口は、収納容器本体10と同じような材料により収納容器本体10とは独立して形成された底部材12により閉塞されていて、底部材12の周辺部が収納容器本体10の内表面において他端10bの開口近傍部位に公知の方法により固定されている。
【0029】
この実施の形態において筒状の収納容器本体10の横断面は略正四角形状であるが、この発明の理念に従えば上記横断面の形状は何でも良い。なお、上記横断面の形状が多角形状である時、複数の筒状の収納容器本体10を長手方向を水平にした状態で上下方向に容易に安定して積み上げることが出来る。これは、収納容器本体10の内部空間に収納する物品を店頭で山積にして販売する時に便利である。
【0030】
また、図1の(B)中に示されている如く、図1の(A)中に示されている収納容器本体10と同様に、例えば厚紙の如き環境に影響を与えることが少ない材料のみにより略平坦に展開された蓋部材14が準備される。なお蓋部材14は、環境に影響を与えることが少ない材料であることを条件として、収納容器本体10とは別の材料により形成されることが出来る。
【0031】
略平坦に展開された蓋部材14は、収納容器本体10の一端10aの開口よりも大きな面積を有しており、中央には上記開口と略同じ面積の閉鎖部14aが設定されている。蓋部材14において中央の閉鎖部14aを取り囲む領域は、閉鎖部14aに隣接し蓋部材14の周縁からは遠い開口遠位部分14b、及び閉鎖部14aから遠く蓋部材14の周縁に隣接した開口隣接部分14cに分けて設定されている。
【0032】
蓋部材14は、公知の押し込み装置により閉鎖部14aを先頭にして筒状の収納容器本体10の一端10aの開口中に挿入される。この結果、図1の(C)中に示されている如く、閉鎖部14aが上記開口を閉鎖し、蓋部材14を取り囲む領域は開口隣接部分14cが収納容器本体10の内周面において一端10aの上記開口に隣接した状態で上記内周面に重複し、また開口遠位部分14bが収納容器本体10の内周面において一端10aの上記開口から遠くに位置し閉鎖部14aに隣接した状態で上記内周面に重複する。そして、蓋部材14の開口隣接部分14cと開口遠位部分14bとが収納容器本体10の内周面において一端10aの開口の開口近傍領域に重複した重複部14dを構成している。
【0033】
図1の(C)から明らかなように、この実施の形態において、収納容器本体10の一端10aの開口中で蓋部材14の閉鎖部14aは重複部14dよりも内方に位置している。
【0034】
上記開口中で蓋部材14の重複部14dは、上記開口近傍領域に接着される。この接着は接着剤を利用して行なうことが出来るし、収納容器本体10の内周面及び蓋部材14において上記内周面と対面する部分を含む表面領域が熱溶着可能な表面処理を施されていれば熱溶着を利用して行なうことができるし、その他公知の種々の適切な接着手段を利用して接着することが可能である。
【0035】
この実施の形態では、開口隣接部分14cと開口遠位部分14bとが上記開口近傍領域に接着されるが、開口隣接部分14cの接着力が開口遠位部分14bの接着力よりも強く設定される。しかしながら、開口隣接部分14cのみを上記開口近傍領域に接着し、開口遠位部分14bは上記開口近傍領域に接着しないようにすることも出来る。
【0036】
なお、開口遠位部分14bの接着力を開口隣接部分14cの接着力よりも弱くするには、種々の公知の方法を利用することが出来る。例えば、蓋部材14を収納容器本体10の一端10aの開口中に挿入する前であって蓋部材14の重複部14dまたは収納容器本体10の内周面において一端10aの開口近傍領域に接着剤が適用される前に、蓋部材14の重複部14dの開口遠位部分14bに接着阻害機能または接着力弱化機能を有した機能性材料を被覆しておいたり、あるいは収納容器本体10の内周面の一端10aの開口近傍領域で蓋部材14の重複部14dの開口遠位部分14bが重複されることになっている部分に接着阻害機能または接着力弱化機能を有した機能性材料を被覆しておく。
【0037】
そして、接着の為にヒートシールを使用し、接着部分を完全に密封することが出来る。
【0038】
なお、蓋部材14が収納容器本体10の一端10aの開口中に挿入され接着される前に、図1の(C)中に示されている如く、収納容器本体10の内部空間中に収納しておく物体15があれば、上記開口を介して物体15を上記内部空間中に入れておくことが出来る。この実施の形態では、物体15としていわゆる銀塩フィルムの為のフィルムカートリッジを例示している。
【0039】
また、この実施の形態では、蓋部材14が収納容器本体10の一端10aの開口中に挿入され接着される前に収納容器本体10の他端10bの開口は底部材12により閉塞されていた。しかしながら、蓋部材14が収納容器本体10の一端10aの開口中に挿入され接着される前に収納容器本体10の他端10bの開口は底部材12により閉塞されておらず、蓋部材14が収納容器本体10の一端10aの開口中に挿入され接着された後に収納容器本体10の他端10bの開口が底部材12により閉塞されようにしても良い。この場合に、収納容器本体10の内部空間中に収納しておく物体15は、蓋部材14が収納容器本体10の一端10aの開口中に挿入され接着された後であって収納容器本体10の他端10bの開口が底部材12により閉塞される前に、他端10bの開口を介して上記内部空間中に収納される。
【0040】
次に収納容器本体10の周壁が一端10aの近傍において、蓋部材14の重複部14dの開口隣接部分14cと開口遠位部分14dとの間で、上記周壁の全周の少なくとも一部を切断される。図2の(A)及び(B)中には、上記切断の線(切断線)16が示されている。この実施の形態において、切断線16は、上記周壁の全周の少なくとも半分以上に形成されていて、上記周壁の厚さ方向に上記周壁を全て切断している。なお、切断線16は、切断線16に沿い上記周壁の一端10aを容易に切り離すことが出来るのであれば、上記周壁の周方向に連続していても良いし、上記周壁の周方向に相互に間隔をおいて形成されていても良いし、上記周壁の厚さ方向に上記周壁の一部のみを切断していても良い。
【0041】
上述した如く構成されているこの発明の第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器は、収納容器本体10の周壁の一端10aの近傍領域において、切断線16が形成されていない部分とは反対側で矢印Xで示す如く切断線16よりも外方に力を加えると、収納容器本体10の周壁の内周面の一端10aの近傍領域に対して蓋部材14の開口遠位部分14bが弱く接着されている場合にはこの弱い接着が破壊され、収納容器本体10の周壁の内周面の一端10aの近傍領域からの蓋部材14の開口遠位部分14bの分離が可能となる。さらに、切断線16を境にして、収納容器本体10の周壁の一端10aはそこに重複部14dの開口隣接部分14cが強く接着されている蓋部材14を伴い、図2の(C)中に示す如く、切断線16が形成されていない部分を蝶番のようにして、収納容器本体10の一端10aの開口から離間し、閉塞部14aによる上記開口の閉塞を無くし、上記開口を開放する。
【0042】
なお、収納容器本体10の周壁の内周面の一端10aの近傍領域に対して蓋部材14の開口遠位部分14bが弱く接着されている場合には、接着されていない場合に比べると、蓋部材14が上述した如き開放位置に移動されるまで、収納容器本体10の内部空間を外部空間からより良く隔離または密閉しておくことが出来る。
【0043】
この後には、上記開口を介して収納容器本体10の内部空間に対する物体15の自由な出入りを許容する。また、図2の(C)中に両方向矢印Yで示す如く、上記開口に対し、収納容器本体10の周壁の一端10aで切断線16が形成されていない部分を蝶番のようにして蓋部材14の閉塞部14aを開閉自在とすることが出来る。
【0044】
図2の(C)中に示されている如く、一旦開放位置に移動された蓋部材14の閉塞部14aが図2の(A)中に示されている如く、収納容器本体10の一端10aの開口を閉塞する位置に戻された時、蓋部材14の重複部14dの開口遠位部分14bが収納容器本体10の内周面で開口近傍領域に摩擦接触して閉塞位置に留まることが出来る。
【0045】
(第2の実施の形態)
次に、添付の図面中の図3の(A),(B),(C)を参照しながら、この発明の第2の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器について詳細に説明する。
【0046】
なお、第2の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の構成部材の大部分は、図1の(A),(B),(C)及び図2の(A),(B),(C)を参照しながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の構成部材の大部分と同じである。従って、第2の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器において第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の構成部材と同じ構成部材には、1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の対応する構成部材を指摘していた参照符合と同じ参照符合を付し、これらの構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0047】
この実施の形態が前述の第1の実施の形態と異なっているのは、収納容器10の一端10aの開口に蓋部材14が挿入された後に、収納容器10の周壁の一端10aが上記開口の中央に向かい折り曲げられて蓋部材14の一部である重複部14dに重複されていることである。蓋部材14の重複部14dに重複された収納容器10の周壁の一端10aは、蓋部材14の重複部14dに対し接着剤や熱溶着を含む公知の方法で接着することが出来る。
【0048】
収納容器10の周壁の一端10aが蓋部材14の重複部14dに重複されていることにより、収納容器10の一端10aの開口に対する蓋部材14の接着が、前述の第1の実施の形態と比べ外力からより良好に保護されている。
【0049】
この実施の形態ではさらに、蓋部材14の閉塞部14aに引っ張り片18の一端が固定されている。引っ張り片18は、蓋部材14を最初に収納容器10の一端10aの開口から分離させる時、特に収納容器本体10の周壁の内周面の一端10aの近傍領域に対して蓋部材14の開口遠位部分14bが弱く接着されている場合、引っ張り力を加えられることにより、上記分離を容易にする。
【0050】
蓋部材14の閉塞部14aに対する引っ張り片18の一端の固定は、接着剤や熱溶着を含む公知の固定方法により行なわれる。
【0051】
(変形例)
図2の(D)には、上述した第2の実施の形態の変形例が示されている。
【0052】
この変形例では、収納容器本体10の一端10aの開口に蓋部材14が挿入される時、重複部14dを先頭にして上記開口に挿入され、上記開口中で閉塞部14aが重複部14dよりも外方に位置している。そして重複部14dにおいて、開口隣接部分14cは閉塞部14aに隣接し蓋部材14の周縁からは遠くに設定され、同時に開口遠位部分14bは蓋部材14の周縁に隣接し閉塞部14aからは遠くに設定されている。
【0053】
さらに、閉塞部14aの外表面に引っ張り片18’が形成されている。なお、引っ張り片18’は、蓋部材14とは独立して形成された後に接着材や熱溶着を含む公知の固定手段により、閉塞部14aの外表面に固定されていることができる。
【0054】
(第3の実施の形態)
次に、添付の図面中の図4の(A),(B),(C)を参照しながら、この発明の第3の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器について詳細に説明する。
【0055】
なお、第3の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の構成部材の大部分は、図1の(A),(B),(C)及び図2の(A),(B),(C)を参照しながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の構成部材の大部分と同じである。従って、第3の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器において第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の構成部材と同じ構成部材には、1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の対応する構成部材を指摘していた参照符合と同じ参照符合を付し、これらの構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0056】
この実施の形態が前述の第1の実施の形態と異なっているのは、蓋部材14の重複部14dから閉塞部14aと反対側に引っ張り片18”が延び出ていることである。
【0057】
(第4の実施の形態)
次に、添付の図面中の図5の(A),(B),(C)を参照しながら、この発明の第4の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器について詳細に説明する。
【0058】
なお、第4の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の構成部材の大部分は、図1の(A),(B),(C)及び図2の(A),(B),(C)を参照しながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の構成部材の大部分と同じである。従って、第3の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器において第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の構成部材と同じ構成部材には、1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器の対応する構成部材を指摘していた参照符合と同じ参照符合を付し、これらの構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0059】
この実施の形態が前述の第1の実施の形態と異なっているのは、収納容器本体10の一端10aの開口に蓋部材14が挿入される時、重複部14dを先頭にして上記開口に挿入され、上記開口中で閉塞部14aが重複部14dよりも外方に位置している。そして重複部14dにおいて、開口隣接部分14cは閉塞部14aに隣接し蓋部材14の周縁からは遠くに設定され、同時に開口遠位部分14bは蓋部材14の周縁に隣接し閉塞部14aからは遠くに設定されている。
【0060】
また、収納容器本体10の周壁の一端10aは蓋部材14の一部である閉塞部14aの周辺部に重複されていて、閉塞部14aの周辺部が外部空間に露出されて外力により損傷を受けることを防止している。
【0061】
さらに、閉塞部14aの周辺部に重複された収納容器本体10の周壁の一端10aからは閉塞部14aの外表面に延びる引っ張り片18”’が形成されている。なお、引っ張り片18”’は、一端10aに形成されていることが出来るし、収納容器本体10とは独立して形成された後に接着材や熱溶着を含む公知の固定手段により、収納容器本体10の周壁の一端10aまたは閉塞部14aの外表面に固定されていることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したことから明らかなように、この発明に従った開閉蓋付収納容器によれば、例えば紙の如き環境に影響を与えることが少ない材料のみにより容易に安価に製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、この発明の第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器において使用され、開口された一端と閉塞された他端とを有する筒状の収納容器本体の概略的な縦断面図であり;
(B)は、この発明の第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器において図1の(A)の収納容器本体の一端の開口に挿入される蓋部材の概略的な展開図であり;そして、
(C)は、この発明の第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器において図1の(A)の収納容器本体の一端の開口に図1の(B)の蓋部材が挿入された状態を示す概略的な縦断面図である。
【図2】(A)は、図1の(A)の収納容器本体の一端の開口に図1の(B)の蓋部材が図1の(C)中に示されている如く挿入された後に、上記収納容器本体の周壁において上記収納容器本体の一端の開口近傍領域が全周の一部を切断されてこの発明の第1の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器が完成された状態を示す概略的な斜視図であり;
(B)は、図2の(A)のB−B切断線に沿った概略的な縦断面図であり;そして、
(C)は、図2の(A)の開閉蓋付収納容器の蓋部材が収納容器本体の周壁の一端の開口近傍領域の切断線により上記開口から分離された状態を示す概略的な斜視図である。
【図3】(A)は、この発明の第2の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器を蓋部材が閉じられた状態で概略的に示す斜視図であり;
(B)は、図3の(A)の開閉蓋付収納容器の概略的な縦断面図であり;
(C)は、図3の(A)の開閉蓋付収納容器を蓋部材が開放された状態で概略的に示す斜視図であり;そして、
(D)は、図3の(A)の開閉蓋付収納容器の変形例の要部の概略的な縦断面図である。
【図4】(A)は、この発明の第3の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器を蓋部材が閉じられた状態で概略的に示す斜視図であり;
(B)は、図4の(A)の開閉蓋付収納容器の概略的な縦断面図であり;そして、
(C)は、図4の(A)の開閉蓋付収納容器を蓋部材が開放された状態で概略的に示す斜視図である。
【図5】(A)は、この発明の第4の実施の形態に従った開閉蓋付収納容器を蓋部材が閉じられた状態で概略的に示す斜視図であり;
(B)は、図5の(A)の開閉蓋付収納容器の概略的な縦断面図であり;そして、
(C)は、図5の(A)の開閉蓋付収納容器を蓋部材が開放された状態で概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10 収納容器本体
10a 一端
10b 他端
14 蓋部材
14a 閉塞部
14b 開口遠位部分
14c 開口隣接部分
14d 重複部
16 切断線
18,18’,18”,18”’ 引っ張り片
Claims (8)
- 開口された一端と閉塞された他端とを有する筒状の収納容器本体と;
上記収納容器本体の上記一端の開口に挿入され、上記収納容器本体の内表面において上記一端の開口近傍の開口近傍領域に重複する重複部と、上記重複部に連続し上記一端の開口を閉塞する閉塞部と、を含んでいて、上記重複部が上記内表面の上記開口近傍領域に接着されている蓋部材と;
を備えており、
上記重複部は少なくとも、上記収納容器本体の上記一端の開口に隣接した開口隣接部分が上記開口近傍領域に接着されており、
上記収納容器本体の周壁が上記一端の近傍において、上記蓋部材の上記開口隣接部分と上記蓋部材の上記重複部において上記収納容器本体の上記一端の開口から遠い開口遠位部分との間で、上記周壁の全周の少なくとも一部を切断されており、
上記重複部において、上記収納容器本体の上記一端の開口から遠い開口遠位部分も上記開口近傍領域に接着されており、
上記収納容器本体の上記一端の開口に隣接した開口隣接部分の接着力が、上記収納容器本体の上記一端の開口から遠い開口遠位部分の接着力よりも強く設定されている、
ことを特徴とする開閉蓋付収納容器。 - 上記収納容器本体の周壁が上記一端の近傍において、上記蓋部材の上記開口隣接部分と上記開口遠位部分との間で、上記周壁の全周の少なくとも半分以上を切断されている、ことを特徴とする請求項1に記載の開閉蓋付収納容器。
- 上記蓋部材は、上記収納容器本体の上記一端の開口において、上記閉塞部が上記重複部よりも内方に位置している、ことを特徴とする請求項1または2に記載の開閉蓋付収納容器。
- 上記蓋部材は、上記収納容器本体の上記一端の開口において、上記閉塞部が上記重複部よりも外方に位置している、ことを特徴とする請求項1または2に記載の開閉蓋付収納容器。
- 上記蓋部材は、上記重複部から上記閉塞部と反対側に伸び出て外部から引っ張り力を負荷する為の引っ張り片を上記重複部に有している、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の開閉蓋付収納容器。
- 上記蓋部材は、外部から引っ張り力を負荷する為の引っ張り片を上記閉塞部に有している、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
に記載の開閉蓋付収納容器。 - 上記収納容器本体の上記一端は、上記一端から外方に突出し外部から引っ張り力を負荷する為の引っ張り片を有している、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の開閉蓋付収納容器。
- 上記収納容器の周壁が、上記一端において上記開口の中央に向かい折り曲げられて上記蓋部材の一部に重複している、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の開閉蓋付収納容器。
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