JP4118123B2 - 燃料電池スタック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質の両側に一対の電極を設けた電解質・電極構造体を有し、前記電解質・電極構造体とセパレータとを複数積層した積層体を備えるとともに、前記積層体の両端にターミナルプレート、絶縁プレートおよびエンドプレートが積層される燃料電池スタックに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極およびカソード側電極を対設した電解質膜(電解質)・電極構造体を、セパレータによって挟持することにより構成されている。
【0003】
この燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子および酸素が反応して水が生成される。
【0004】
ところで、この種の燃料電池は、通常、電解質・電極構造体およびセパレータを所定数だけ積層した積層体を構成し、前記積層体の両端に各燃料電池より発電された電力を集めるためのターミナルプレート、前記積層体および前記ターミナルプレートを保持するエンドプレート、および前記ターミナルプレートと前記エンドプレートを絶縁するための絶縁プレートが配設された燃料電池スタックとして使用されている。
【0005】
この燃料電池スタックは、例えば、車載用として使用される場合、所望の高出力を得るために相当に多数(例えば、数百個程度)の燃料電池を積層して構成する必要がある。このため、車両の急発進時や急停止時等に、燃料電池スタックに比較的大きな荷重(慣性力)が作用し易い。
【0006】
特に、燃料電池スタックの積層方向が車両の進行方向と略同一に設定されている際、前記燃料電池スタックに荷重が作用すると、該燃料電池スタックの積層方向一端部に配設されている各プレート間、具体的には、ターミナルプレートと絶縁プレートとの間および前記絶縁プレートとエンドプレートとの間に、隙間が発生するおそれがある。これにより、燃料電池スタック内に供給される燃料ガスや冷却媒体のシール性が低下するという問題がある。
【0007】
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池が採用されている。この燃料電池では、図6に示すように、単位セル1とフレーム2とが積層されたセル積層体3を備えている。積層方向の端面Mとベース板4との間には、端子部5が配設されている。この端子部5は、導電性を備えた集電部6と、一端部が前記集電部6に接続されるとともに、他端部がベース板4の貫通孔4aを通って前記ベース板4の外方に突出する導電性棒状体7とを備えている。棒状体7の外周にねじ部8が形成されており、このねじ部8にナット部材9が螺合している。
【0008】
このような構成において、ナット部材9がねじ部8に螺合されることによりベース板4に集電部6が固定される。このため、集電部6をベース板4に確実に保持することができ、前記集電部6とセル積層体3の端面Mとの接触状態を良好にすることが可能になる、としている。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−290803号公報(段落[0008]、[0029]、図2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1では、棒状体7がベース板4に接触しているため、このベース板4に通電するおそれがある。従って、ベース板4を絶縁性材料で形成しなければならず、このベース板4をエンドプレートとして使用する際に、所望の剛性を維持することができない。これにより、セル積層体3に積層方向に所定の締め付け荷重を付与することができず、発電性能が低下するという問題がある。
【0011】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、各プレート間のシール性を有効に確保するとともに、所望の発電性能を維持することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る燃料電池スタックでは、ターミナルプレート、絶縁プレートおよびエンドプレートを固定する固定機構を備えている。この固定機構は、ターミナルプレートに設けられ、絶縁プレートおよびエンドプレートを貫通するねじ部材と、前記エンドプレート側に配置され、前記ねじ部材に螺合して該ターミナルプレート、該絶縁プレートおよび該エンドプレートを一体的に固定する絶縁性ナット部材とを備えている。
【0013】
このように、ターミナルプレートに設けられたねじ部材が、絶縁プレートおよびエンドプレートを貫通して配置された状態で、絶縁性ナット部材が前記ねじ部材に螺合することにより、該ターミナルプレート、該絶縁プレートおよび該エンドプレートが一体的に固定される。従って、燃料電池スタックに積層方向に慣性力が付与される際、各プレートであるターミナルプレート、絶縁プレートおよびエンドプレートは、互いに強固に保持されてプレート同士が必要以上に離間することがなく、所望のシール性を有効に確保することが可能になる。
【0014】
しかも、絶縁性ナット部材を用いるとともに、絶縁プレートが、エンドプレート内に挿入されて前記エンドプレートと前記絶縁性ナット部材との間に配設される円筒部を有することにより、ターミナルプレートとエンドプレートとを確実に絶縁することができる。これにより、ターミナルプレート、絶縁プレートおよびエンドプレートは、それぞれの機能を損なうことがなく、所望のシール性を確保することが可能になる。
【0015】
また、ねじ部材が、ターミナルプレートに設けられる棒状電力取り出し端子を備え、前記棒状電力取り出し端子の外周にねじが形成されている。このため、ターミナルプレートの棒状電力取り出し端子が、固定機構を構成するねじ部材を兼用することができ、部品点数が有効に削減されて、経済的なものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の概略全体構成説明図であり、図2は、前記燃料電池スタック10の要部分解斜視説明図である。
【0017】
図1に示すように、燃料電池スタック10は、電解質膜(電解質)・電極構造体12が、第1および第2セパレータ14、16を介装して複数積層された積層体18を備える。積層体18の積層方向(矢印A方向)両端には、第1および第2ターミナルプレート20a、20bと第1および第2エンドプレート22a、22bとが、第1および第2絶縁プレート24a、24bを介装して配設される。
【0018】
電解質膜・電極構造体12と第1および第2セパレータ14、16とにより燃料電池26が構成される。図2に示すように、電解質膜・電極構造体12と第1および第2セパレータ14、16との間には、後述する連通孔の周囲および電極面(発電面)の外周を覆って、ガスケット等のシール部材28が介装されている。
【0019】
燃料電池26の水平方向(図2中、矢印B方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔30a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔32b、および燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔34bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
【0020】
燃料電池26の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔34a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔32a、および酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔30bが、矢印C方向に配列して設けられる。
【0021】
電解質膜・電極構造体12は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸されてなる固体高分子電解質膜36と、該固体高分子電解質膜36を挟持するアノード側電極38およびカソード側電極40とを備える。
【0022】
アノード側電極38およびカソード側電極40は、多孔質カーボン部材、例えば、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されてなる電極触媒層とをそれぞれ有する。電極触媒層は、互いに固体高分子電解質膜36を介装して対向するように、前記固体高分子電解質膜36の両面に接合されている。
【0023】
シール部材28の中央部には、アノード側電極38およびカソード側電極40に対応して開口部45が形成されている。なお、シール部材28に代替して、第1および第2セパレータ14、16にシールを焼き付け等によって設けてもよい。
【0024】
第1セパレータ14の電解質膜・電極構造体12側の面14aには、例えば、矢印B方向に延在する複数本の溝部からなる酸化剤ガス流路46が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路46は、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに連通する。
【0025】
第2セパレータ16の電解質膜・電極構造体12側の面16aには、燃料ガス供給連通孔34aと燃料ガス排出連通孔34bとに連通する燃料ガス流路48が形成される。この燃料ガス流路48は、矢印B方向に延在する複数本の溝部を備えている。第2セパレータ16の面16bには、冷却媒体供給連通孔32aと冷却媒体排出連通孔32bとに連通する冷却媒体流路50が形成される。この冷却媒体流路50は、矢印B方向に延在する複数本の溝部を備えている。
【0026】
図1に示すように、燃料電池スタック10は、第1ターミナルプレート20a、第1絶縁プレート24aおよび第1エンドプレート22aを固定する固定機構52と、第2ターミナルプレート20b、第2絶縁プレート24bおよび第2エンドプレート22bを固定する固定機構53とを備える。
【0027】
固定機構52は、図3および図4に示すように、第1ターミナルプレート20aの略中央部にろう付け等により固着される棒状の電力取り出し端子54を備える。この電力取り出し端子54は、中央部に孔部56が貫通形成されるとともに、外周部には、ねじ部58が形成されてねじ部材を構成している。
【0028】
第1絶縁プレート24aの略中央部には、第1エンドプレート22a側に膨出して円筒部60が形成される。この円筒部60は、電力取り出し端子54を挿入可能な形状に設定される。
【0029】
第1エンドプレート22aの略中央部には、円筒部60に対応して段付き孔部62が形成され、この段付き孔部62の一端側に樹脂製カラー(絶縁性ナット部材)64が配置される。この樹脂製カラー64は、中央部に電力取り出し端子54のねじ部58に螺合するねじ穴66が形成されるとともに、外周部一端側には、大径なフランジ部68が設けられる。樹脂製カラー64は、絶縁プレート24の円筒部60内に挿入されるとともに、フランジ部68が第1エンドプレート22aの段付き孔部62の一方の大径部に配置される。
【0030】
第1ターミナルプレート20aの内方に止めねじ70が配置される。この止めねじ70は、第1ターミナルプレート20aおよび電力取り出し端子54の孔部56を通って、前記電力取り出し端子54の先端部から外方に突出するとともに、大径なフランジ部72が該電力取り出し端子54の端面に係止される。
【0031】
止めねじ70の先端には、ラグ端子74が配置されており、ナット76を前記止めねじ70に螺合することによって、前記ラグ端子74が電力取り出し端子54に装着される。このラグ端子74には、電線78の一端が接続されており、この電線78が図示しない外部負荷に接続されている。
【0032】
なお、固定機構53は、上記の固定機構52と同様に構成されており、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0033】
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
【0034】
まず、図2に示すように、燃料ガス供給連通孔34aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス供給連通孔30aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給連通孔32aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
【0035】
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔30aから第1セパレータ14の酸化剤ガス流路46に導入され、電解質膜・電極構造体12を構成するカソード側電極40に沿って移動する。一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔34aから第2セパレータ16の燃料ガス流路48に導入され、電解質膜・電極構造体12を構成するアノード側電極38に沿って移動する。
【0036】
従って、各電解質膜・電極構造体12では、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
【0037】
次いで、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。
【0038】
また、冷却媒体供給連通孔32aに供給された冷却媒体は、第2セパレータ16の冷却媒体流路50に導入された後、矢印B方向に沿って流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体12を冷却した後、冷却媒体排出連通孔32bから排出される。
【0039】
この場合、第1の実施形態では、図4に示すように、第1ターミナルプレート20a、第1絶縁プレート24aおよび第1エンドプレート22aが積層された状態で、前記第1ターミナルプレート20aに固定された電力取り出し端子54が、第1絶縁プレート24aの円筒部60と第1エンドプレート22aの段付き孔部62とに挿入される。そして、樹脂製カラー64が、電力取り出し端子54のねじ部58に螺合する。
【0040】
従って、第1ターミナルプレート20a、第1絶縁プレート24aおよび第1エンドプレート22aは、固定機構52を介して一体的にかつ強固に固定される。このため、例えば、車載された燃料電池スタック10に急停止時や急発進時において積層方向(矢印A方向)への慣性力が付与される際、第1ターミナルプレート20a、第1絶縁プレート24aおよび第1エンドプレート22aは、互いに強固に保持されて、それらの間隔が必要以上に大きく離間することがない。
【0041】
これにより、第1の実施形態では、第1ターミナルプレート20a、第1絶縁プレート24aおよび第1エンドプレート22a間のシール性を有効に確保することが可能になるという効果が得られる。
【0042】
さらに、ねじ部材として第1ターミナルプレート20aに固定される電力取り出し端子54を備え、この電力取り出し端子54の外周にねじ部58が形成されている。このため、電力取り出し端子54は、固定機構52を構成するねじ部材を兼用することができ、部品点数が有効に削減されて、経済的であるという利点がある。
【0043】
さらにまた、ナット部材として樹脂製カラー64を用いており、この樹脂製カラー64を介して電力取り出し端子54と第1エンドプレート22aとを絶縁している。従って、第1ターミナルプレート20a、第1絶縁プレート24aおよび第1エンドプレート22aは、それぞれの機能を損なうことがなく、かつ所望のシール性を確保することが可能になる。
【0044】
なお、固定機構53では、上記の固定機構52と同様に第2ターミナルプレート20b、第2絶縁プレート24bおよび第2エンドプレート22bが強固かつ確実に保持されている。これにより、固定機構53は、慣性力が付与される際にも所望のシール性を確保することができる等、上記の固定機構52と同様の効果が得られる。
【0045】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック80の一部斜視説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0046】
この燃料電池スタック80では、積層体18の一方の端部に第1ターミナルプレート82、第1絶縁プレート84および第1エンドプレート86が積層される。第1ターミナルプレート82には、板状の電力取り出し端子88が形成され、この電力取り出し端子88が燃料電池スタック80の上部に突出して図示しない外部負荷に接続されている。
【0047】
燃料電池スタック80を構成する固定機構90は、連通孔のうち、例えば、燃料ガス供給連通孔34aと燃料ガス排出連通孔34bとを形成するねじ部材92a、92bを備える。ねじ部材92a、92bの外周には、ねじ94a、94bが形成される。
【0048】
第1絶縁プレート84には、燃料ガス供給連通孔34aおよび燃料ガス排出連通孔34bに対応して、円筒部96a、96bが第1エンドプレート86側に膨出形成あるいは別体形成される。この第1エンドプレート86には、円筒部96a、96bを挿入する段付き孔部98a、98bが形成される。この第1エンドプレート86の外方には、樹脂製カラー(絶縁性ナット部材)100a、100bが配設される。
【0049】
なお、積層体18の他方の端部には、図示していないが、同様に第2ターミナルプレート、第2絶縁プレートおよび第2エンドプレートが固定機構を介して一体的に保持されている。
【0050】
このように構成される第2の実施形態では、第1ターミナルプレート82のねじ部材92a、92bが、第1絶縁プレート84の円筒部96a、96bを貫通して第1エンドプレート86の段付き孔部98a、98bに挿入される。そして、この第1エンドプレート86から外方に突出するねじ部材92a、92bのねじ94a、94bには、樹脂製カラー100a、100bのねじ穴66がねじ込まれる。これにより、固定機構90を介して第1ターミナルプレート82、第1絶縁プレート84および第1エンドプレート86が一体的かつ強固に保持される。
【0051】
従って、燃料電池スタック80に積層方向に慣性力が作用しても、固定機構90の作用下に第1ターミナルプレート82、第1絶縁プレート84および第1エンドプレート86間が必要以上に離間することがない。このため、所望のシール性を良好に確保することができる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
さらに、第2の実施形態では、第1ターミナルプレート82、第1絶縁プレート84および第1エンドプレート86の対角位置の2箇所に、すなわち、燃料ガス供給連通孔34aおよび燃料ガス排出連通孔34bに対応してねじ部材92a、92bが設けられている。そして、ねじ部材92a、92bに樹脂製カラー100a、100bがねじ込まれることによって、第1ターミナルプレート82、第1絶縁プレート84および第1エンドプレート86同士を一層強固かつ確実に保持することができるという利点がある。
【0053】
なお、固定機構90は、燃料ガス供給連通孔34aおよび燃料ガス排出連通孔34bに代えて、酸化剤ガス供給連通孔30aおよび酸化剤ガス排出連通孔30bに設けてもよく、または、これら4箇所に設けてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池スタックでは、ターミナルプレートに設けられたねじ部材は、絶縁プレートおよびエンドプレートを貫通して配置された状態で、絶縁性ナット部材が前記ねじ部材に螺合されることにより、該ターミナルプレート、該絶縁プレートおよび該エンドプレートが一体的に固定される。従って、燃料電池スタックに積層方向に慣性力が付与される際、各プレートであるターミナルプレート、絶縁プレートおよびエンドプレートは、互いに強固に保持されてプレート同士が必要以上に離間することがなく、所望のシール性を有効に確保することが可能になる。
【0055】
しかも、絶縁性ナット部材を用いることにより、ターミナルプレートとエンドプレートとを確実に絶縁することができる。これにより、ターミナルプレート、絶縁プレートおよびエンドプレートは、それぞれの機能を損なうことがなく、所望のシール性を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの概略全体構成説明図である。
【図2】前記燃料電池スタックの要部分解斜視説明図である。
【図3】前記燃料電池スタックを構成する固定機構の分解斜視説明図である。
【図4】前記固定機構の断面説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックの一部分解斜視説明図である。
【図6】従来技術に係る燃料電池の要部分解斜視図である。
【符号の説明】
10、80…燃料電池スタック 12…電解質膜・電極構造体
14、16…セパレータ 18…積層体
20a、20b、82、92…ターミナルプレート
22a、22b、86…エンドプレート
24、24a、24b、84…絶縁プレート
26…燃料電池 36…固体高分子電解質膜
38…アノード側電極 40…カソード側電極
52、53、90…固定機構 54、88…電力取り出し端子
58…ねじ部 60、96a、96b…円筒部
62、98a、98b…段付き孔部
64、100a、100b…樹脂製カラー 66…ねじ穴
68、72…フランジ部 70…止めねじ
74…ラグ端子 78…電線
92a、92b…ねじ部材 94a、94b…ねじ
Claims (2)
- 電解質の両側に一対の電極を設けた電解質・電極構造体を有し、前記電解質・電極構造体とセパレータとを複数積層した積層体を備えるとともに、前記積層体の両端にターミナルプレート、絶縁プレートおよびエンドプレートが積層される燃料電池スタックであって、
前記ターミナルプレート、前記絶縁プレートおよび前記エンドプレートを固定する固定機構を備え、
前記固定機構は、前記ターミナルプレートに設けられ、前記絶縁プレートおよび前記エンドプレートを貫通するねじ部材と、
前記エンドプレート側に配置され、前記ねじ部材に螺合して該ターミナルプレート、該絶縁プレートおよび該エンドプレートを一体的に固定する絶縁性ナット部材と、
を備え、
前記ねじ部材は、前記ターミナルプレートに設けられる棒状電力取り出し端子を有し、前記棒状電力取り出し端子の外周にねじが形成されるとともに、
前記絶縁プレートは、前記エンドプレート内に挿入されて前記エンドプレートと前記絶縁性ナット部材との間に配設される円筒部を有することを特徴とする燃料電池スタック。 - 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、前記棒状電力取り出し端子内には、止めねじが配置されるとともに、
前記止めねじの先端は、前記棒状電力取り出し端子の先端部から外方に突出することを特徴とする燃料電池スタック。
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