JP4117825B2 - 変速機付き自転車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速機付き自転車に係り、特に、車体フレームの設計の自由度を高めるのに好適な変速機付き自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランク軸と同軸に配置された内装変速機を備えた変速機付き自転車が知られる。例えば、特開平6−48368号公報に記載された自転車では、クランク軸上に配置された変速機の切換レバーにモータを連結させ、このモータで変速機が切り換えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記変速機付き自転車には、次の解決課題がある。まず、踏力を後輪に伝達するための変速機の出力位置がクランク軸上またはその直近に限定されるため、車体の設計自由度が小さい。例えば、後輪を支持するスイングアームを車体のメインフレームに対して揺動自在に構成する場合、揺動軸(スイングアームピボット)と変速機の出力軸(以下、変速機軸と表現する)とが離れていると、スイングアームの揺動によってチェーンが振動しやすい(ばたつきまたは揺動が大きい)ので、揺動軸と変速機の軸とはできるだけ近接している方がよい。したがって、変速機の出力位置がクランク軸上に限定されていると揺動軸の位置も限定されて設計の自由度が小さくなる。
【0004】
また、クランク軸上に変速機を配置すると、クランク軸の幅(車体左右方向寸法)が変速機の幅によって制約を受けることから、左右のペダル間の距離も制限される。
【0005】
本発明の目的は、上記従来の課題を解決し、車体フレームの設計の自由度を向上させることができるように部材を配置した変速機付き自転車を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、内装多段式の変速機を備える自転車において、前記変速機の変速機軸が、クランク軸とは別に設けられ、クランク軸に平行に配置されており、前記変速機は、クランク軸により回動される入力軸と、前記入力軸に偏心して連結され、入力軸の回転角度に応じて揺動運動する少なくとも一つのリンク機構と、前記リンク機構を前記変速機軸に連結し、前記リンク機構の揺動運動に連動して前記変速機軸を一方方向へ脈動させる一方向クラッチと、入力軸の回転角度に対するリンク機構の揺動角度を調整して、入力軸の回転角度に対する変速機軸の回転角度を変更する変速操作手段とを含み、前記クランク軸と入力軸とが不等速回転伝達機構を介して噛合された点に第1の特徴がある。また、本発明は、複数の前記リンク機構を備え、前記各リンク機構が入力軸に対して周方向に等角度の間隔で連結され、各リンク機構が入力軸の回転に同期して異なる位相で揺動運動する点に第2の特徴がある。さらに、本発明は、前記クランク軸と入力軸とが増速機構を介して噛合された点に第3の特徴がある。
【0011】
第1の特徴によれば、変速機軸を、クランク軸と同軸上に配置せず、車体の形状に応じて自由な位置を選択することができる。また、クランク軸により回転駆動される入力軸と変速機軸を連結する変速機機構が、ギヤを使用しないリンク機構から構成されるので、騒音の発生が抑制され、変速機構が軽量化される。さらに、クランク軸と入力軸との間に不等速回転伝達機構が配置されるので、各変速比において、変速機軸の回転速度が最大となるタイミングで入力軸の回転速度が最小となり、変速機軸の回転速度が最小となるタイミングで入力軸が回転速度が最大となるように各ギヤを組み合わせれば、変速機軸の回転速度の脈動を一層低減することができる。
【0012】
第2の特徴によれば、入力軸と変速機軸とが複数のリンク機構を介して連結されるので、クランク軸や変速機軸の配置自由度が大きくなる。また、第3の特徴によれば、クランク軸と入力軸との間に増速機構が設けられるので、変速機軸の回転速度の脈動の周期が短縮される。したがって、重量増および大型化を抑制しつつ、運転者が回転速度の脈動を殆ど感じることがないような快適な走行性を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る変速機付き自転車の側面図である。自転車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ20およびヘッドパイプ20から斜め下後方に、左右二股に延びるメインフレーム21と、メインフレーム21の後部に設けられる揺動軸22で上下に揺動自在に支持されるスイングアーム23とからなる。メインフレーム21の下方には、補強パイプ24が設けられ、この補強パイプ24とメインフレーム21との間はブラケット25、26で結合される。前記スイングアーム23は二股状のスイングアームとすることができる。
【0017】
スイングアーム23の後端には後輪WRが支持される。ヘッドパイプ20には自転車1を操向可能なようにフロントフォーク4が枢支される。フロントフォーク4はアウタチューブとインナチューブとの組み合わせからなり、かつアウタチューブがインナチューブの上方に位置する倒立タイプである。フロントフォーク4の上部には、操向ハンドル5が設けられ、下部には前輪WFが支持される。
【0018】
メインフレーム21の下端には車体幅方向に延びるクランク軸7が設けられ、クランク軸7には、クランク8を介してペダル9が取り付けられる。クランク8およびペダル9はクランク軸7に対して左右一対設けられる。前記ブラケット26には変速機軸(シャフト)11および該シャフト11の周りに配置されたギヤの組立体(後述)を有する内装多段式の変速機10が設けられる。シャフト11はクランク軸7と平行にかつ揺動軸22に近接して配置される。
【0019】
クランク軸7には原動スプロケット12が設けられ、変速機10には入力スプロケット13と出力スプロケット14とが設けられる。また、後輪WRには後輪スプロケット(図示せず)が設けられる。クランク軸7のスプロケット12と変速機10の入力スプロケット13とはチェーン15で連結され、変速機10の出力スプロケット14と後輪スプロケットとはチェーン16で連結される。
【0020】
スイングアーム23にはブラケット231が設けられ、メインフレーム21にはブラケット211が設けられ、これらブラケット231および211間には、スイングアーム23が上方に回動されるときの衝撃を緩和するクッション装置18が設けられる。クッション装置18にはリザーバタンク19から作動流体が供給される。
【0021】
メインフレーム21にはリヤフェンダ30が取り付けられ、リヤフェンダ30とメインフレーム21とにまたがってサドル31が装着される。リヤフェンダ30は炭素繊維等、軽量素材で形成できる。前輪WFおよび後輪WRにはそれぞれディスクブレーキ32F,32Rが設けられる。また、操向ハンドル5に設けられる図示しない変速レバーから延びる変速機操作ケーブル101が前記補強パイプ24に沿って変速機10に延びている。
【0022】
図2は、クランク軸7およびシャフト11を含む位置における自転車1の要部断面図である。同図において、原動スプロケット12が固定されるクランク軸7は軸受34,35によりメインフレーム21に対して回転自在に取り付けられる。一方、変速機10のシャフト11は両端に形成されるねじに螺着されるナット36,37によってブラケット26、26に固定される。変速機10はシャフト11に対して回転自在な入力駆動体102を有し、この入力駆動体102に入力スプロケット13が結合される。
【0023】
さらに、シャフト11にはハウジング103が回動自在に設けられ、前記入力駆動体102の回転は変速ギヤ部(後述)を介して変速され、ハウジング103に伝達される。ハウジング103には出力スプロケット14が固定される。変速ギヤ部には、シャフト11に対してギヤを係合させるワンウェイクラッチ(後述)が複数設けられ、このワンウェイクラッチを各変速段毎に作動または非作動状態に切り換える。ワンウェイクラッチを切り換える操作カム104が設けられる。操作カム104は円筒状でシャフト11と同軸に該シャフト11の外周に沿って設けられる。
【0024】
操作カム104は、前記操作ケーブル101の操作によってシャフト11に対して各変速段毎に設定された予定の位置に回動させられる。そして、各変速段に対応する位置において、複数のワンウェイクラッチのうち予定のものの係止部材(爪)が、該ワンウェイクラッチに対応するギヤとシャフト11とに係合される。
【0025】
図3は、ワンウェイクラッチの操作カム104の展開図であり、円周の1/3つまり中心角120°の部分を示す。操作カム104には、ワンウェイクラッチの爪が貫通できる貫通孔104aが形成される。ワンウェイクラッチの爪はその保持器に対して回動するように構成され、この爪の一端が貫通孔104aを貫通してシャフト11に係合すると、爪の他端は変速用のギヤに形成される溝に係合される。したがって、各変速段に対応して貫通孔104aの位置を設定しておくことにより、各変速段毎に予定の変速ギヤをシャフト11に係合させることができる。
【0026】
図3において、円筒状操作カム104に変速段(1速〜7速)とワンウェイクラッチの番号を付して示したように、各変速段毎に、作動するワンウェイクラッチ、つまりシャフト11と変速ギヤとの双方に係合し得るワンウェイクラッチが設定される。例えば、第1速では、シャフト11と予定の変速ギヤとを係合させるワンウェイクラッチのうち第1のもののみが作動し得る状態(以下、「オン」という)になっていて、他のワンウェイクラッチが作動し得ない状態(以下「オフ」という)になっている。
【0027】
第2速では第1および第2のワンウェイクラッチがオン、第3速では第1と第3のワンウェイクラッチがオンである。また、第4速では、第1,第2と第4のワンウェイクラッチがオンであり、第5速では第1〜第3のワンウェイクラッチがオンである。さらに、第6速では、第4のワンウェイクラッチがオンであり、第7速では第3のワンウェイクラッチがオンである。
【0028】
次に、上記操作カム104による変速ギヤの切り換えを図4を参照して説明する。この図において、シャフト11には、それぞれ第1のワンウェイクラッチ40を介して第1の太陽歯車(サンギヤ)50が、第2のワンウェイクラッチ41を介して第2のサンギヤ51が、第3のワンウェイクラッチ42を介して第3のサンギヤ52が、第4のワンウェイクラッチ43を介して第4のサンギヤ53設けられる。
【0029】
サンギヤ50には遊星ギヤ(キャリヤ)54が噛み合わされ、サンギヤ51にはキャリヤ55が噛み合わされる。キャリヤ54とキャリヤ55とは一体であり、小径のキャリヤ54には内歯車(リングギヤ)58が噛み合わされる。
【0030】
入力スプロケット13が外周に固定される入力駆動体102は、一対の軸受38によってシャフト11に支持される。前記リングギヤ58はワンウェイクラッチ44を介して入力駆動体102に連結される。
【0031】
サンギヤ52にはキャリヤ56が噛み合わされ、サンギヤ53にはキャリヤ57が噛み合わされる。キャリヤ56とキャリヤ57とは一体であり、小径のキャリヤ56にはリングギヤ59が噛み合わされる。キャリヤ54,55はキャリヤプレート27で枢支され、キャリヤ56,57はキャリヤプレート28で枢支される。これらキャリヤプレート27,28は互いに係合し、シャフト11を中心に、つまりサンギヤ50,51,52,53の周囲に一体で回転できるように設けられる。
【0032】
さらに、キャリアプレート27はワンウェイクラッチ45を介して入力駆動体102に連結されるとともに、キャリアプレート28はワンウェイクラッチ46を介してハウジング103に連結される。さらに、ハウジング103は、キャリア56に噛み合わされるリングギヤ59にワンウェイクラッチ47を介して連結される。また、ハウジング103の外周には出力スプロケット14が固定されるとともに、該ハウジング103は軸受38でシャフト11支持される。
【0033】
上記構成において、各変速段毎の動力(踏力)の伝達動作を図4に従って説明する。第1速では、ワンウェイクラッチ40がオンで、ワンウェイクラッチ41〜43がオフである。動力は、入力スプロケット13から入力駆動体102を介して入力され、ワンウェイクラッチ44を介してリングギヤ58に伝達される。さらにリングギヤ58の回転はキャリア54に伝達される。また、動力は、入力駆動体102からワンウェイクラッチ45を介してキャリアプレート27に伝達される。
【0034】
キャリヤ54はリングギヤ58の歯数Z58およびサンギヤ50の歯数Z50に従って、算出式{Z58/(Z58+Z50)}で計算される回転数でシャフト11の周囲を周回し、この周回はキャリアプレート27および28に伝達される。キャリアプレート28の周回運動はワンウェイクラッチ46を介してさらにハウジング103に伝達され、結果的に出力スプロケット14の回転に変換される。
【0035】
第2速では、ワンウェイクラッチ40,41がオンで、ワンウェイクラッチ42,43がオフである。この第2速では、入力駆動体102に入力された動力が、第1速と同一経路で出力スプロケット14に伝達される。しかし、ワンウェイクラッチ40,41がオンになっているので、キャリアプレート27の周回回転数はキャリア54(歯数Z54)およびキャリア55(歯数Z55)に噛み合うサンギヤ51(歯数Z51)、ならびにリングギヤ58(歯数Z58)の組み合わせから、算出式{(Z58・Z55)/((Z54・Z51)+(Z58・Z55))}で算出され、第1速より減速比は小さい。なお、第2速ではワンウェイクラッチ40,41がオンになっているが高速側に接続されるワンウェイクラッチ41のみが実質的にはオン状態として作用する。
【0036】
第3速では、ワンウェイクラッチ40,42がオンで、ワンウェイクラッチ41,43がオフである。第3速ではキャリアプレート27に第1速と同じ減速比で入力駆動体102の回転が伝達される。しかし、この第3速ではワンウェイクラッチ42がオンになっているのでキャリアプレート28の周回は、ワンウェイクラッチ46を介してではなく、キャリア56およびリングギヤ59の回転を通じてワンウェイクラッチ47からハウジング103に伝達される。すなわち、キャリアプレート28の周回は、リングギヤ59(歯数Z59)およびサンギヤ52(歯数Z52)の組み合わせから、算出式{(Z59+Z52)/Z59}に従って増速されてリングギヤ59に伝達され、出力スプロケット14に出力される。
【0037】
第4速では、ワンウェイクラッチ40,41,43がオンで、ワンウェイクラッチ42がオフである。第4速ではキャリアプレート27に第2速と同じ減速比で入力駆動体102の回転が伝達される。しかし、この第4速ではワンウェイクラッチ43がオンになっているのでキャリアプレート28の周回は、ワンウェイクラッチ46を介してではなく、キャリア57、56およびリングギヤ59の回転を通じてワンウェイクラッチ47からハウジング103に伝達される。すなわち、キャリアプレート28の周回は、リングギヤ59(歯数Z59)、キャリア56(歯数Z56)、キャリア57(歯数Z57)およびサンギヤ53(歯数Z53)の組み合わせから、算出式{1+((Z56・Z53)/(Z59・Z57))}に従って増速されてリングギヤ59に伝達され、出力スプロケット14に出力される。
【0038】
第5速では、ワンウェイクラッチ40,41,42がオンで、ワンウェイクラッチ43がオフである。したがって、第5速ではキャリアプレート27に第2速と同じ減速比で入力駆動体102の回転が伝達される。そして、第3速と同様、キャリアプレート28の周回は、キャリア56およびリングギヤ59の回転を通じてワンウェイクラッチ47からハウジング103に伝達される。すなわち、第2速と同じ減速比に基づくキャリアプレート28の周回は、リングギヤ59(歯数Z59)およびサンギヤ52(歯数Z52)の組み合わせから、算出式{(Z59+Z52)/Z59}に従って増速されてリングギヤ59に伝達され、出力スプロケット14に出力される。
【0039】
第6速では、ワンウェイクラッチ43がオンで、ワンウェイクラッチ40〜42がオフである。第6速では、サンギヤ50,51はいずれも自由に回転できるので、キャリア54,55は空転する。したがって、入力駆動体102の回転はワンウェイクラッチ44ではなく、ワンウェイクラッチ45からキャリアプレート27に伝達される。すなわち、入力回転数は減速されることなくキャリアプレート28に伝達され、それからキャリア56、リングギヤ59を介して増速されてハウジング103に伝達される。
【0040】
第7速では、ワンウェイクラッチ42がオンで、ワンウェイクラッチ40,41,43がオフである。第7速でも第6速と同様、サンギヤ50,51はいずれも自由に回転できるので、キャリア54,55は空転する。したがって、入力駆動体102の回転はワンウェイクラッチ44ではなく、ワンウェイクラッチ45からキャリアプレート27に伝達される。すなわち、入力回転数は減速されることなくキャリアプレート28に伝達され、それからキャリア56、リングギヤ59を介して増速されてハウジング103に伝達される。但し、サンギヤ52とキャリア56との組み合わせにより、第6速よりさらに増速される。
【0041】
上述の実施形態では、クランク軸7の回転をチェーン15で変速機10の入力スプロケット13に伝達したが、この伝達機構は次のように変形し得る。すなわち、クランク軸7に駆動ギヤを設けるとともに、前記変速機10の入力駆動体102にスプロケット103に代えて従動ギヤを固定し、これら双方のギヤを直接またはレイアウトの必要によってはアイドルギヤを介する等して連結することによってクランク軸7から変速機10へ回転を伝達できる。
【0042】
図5は、ギヤによる動力伝達機構を適用した変速機付き自転車の要部側面図であり、図1と同符号は同一または同等部分を示す。同図において、メインフレーム21と補強パイプ24とは連結部材39によって下部で連結され、この連結部材39とメインフレーム21に設けられるブラケット90とによって踏力伝達装置91が支持される。踏力伝達装置91はクランク軸7の回転を変速機10に伝達するギヤ列(後述)と、変速機10の出力を後輪WRに伝達する駆動スプロケットと、変速機10の出力を出力スプロケット92に伝達するギヤ列(後述)とからなる。
【0043】
図6は、クランク軸7、変速機10のシャフト、および出力スプロケット92を含む位置における自転車1の要部断面図であり、図2と同符号は同一または同等部分である。同図において、踏力伝達装置91に含まれるクランク軸7には、原動ギヤ93が固定され、この原動ギヤ93は変速機10の入力駆動体102に固定される入力ギヤ94に噛み合わされる。伝達装置91のケース911には軸受95,96によって出力軸97が支持され、この出力軸97には出力ギヤ48が固定される。変速機10のハウジング103には、中間ギヤ49が固定され、中間ギヤ49は出力ギヤ48と噛み合わされる。出力軸97はケース911から外方に突出されており、この突出端には出力スプロケット92が固定される。
【0044】
この構成により、クランク軸7から入力される踏力は原動ギヤ93および入力ギヤ94に伝達される。入力ギヤ94の回転は変速機10で変速され、中間ギヤ49を介して出力ギヤ48に伝達される。出力ギヤ48が回転すると、このギヤを支持する出力軸97および出力スプロケット92が回転し、出力スプロケット92に掛けられるチェーン16を介して後輪WRに動力が伝達される。
【0045】
図7は、本発明を適用した変速機付き自転車の他の実施形態の側面図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0046】
車体フレームは、下端部で前輪WFを軸支する左右1対のフロントフォーク4を操舵可能に支持するヘッドパイプ20と、ヘッドパイプ20から後方斜め下方に延びる左右1対のメインフレーム21と、両メインフレーム21の前端部下方から後方斜め下方に延びるダウンチューブ3と、各メインフレーム21の中央部から延びてサドル31を支持するサドルフレーム6とを備える。
【0047】
両メインフレーム21の後部に取り付けられた揺動軸22には、後端部で後輪WRを回転可能に支持する左右1対のスイングアーム23の前端部が揺動可能に支持される。スイングアーム23は、サスペンション18を介してメインフレーム21の中央部に連結され、揺動軸22を中心に上下方向に揺動可能である。両メインフレーム21の後部およびダウンチューブ3の後部の間には無段変速装置29が配置される。
【0048】
図8を併せて参照すると、無段変速装置29のケース61内に収納された変速機軸17は、ケース61外に突出した右端部が駆動スプロケット33と結合され、この駆動スプロケット33と後輪WRの被動スプロケット60(図16参照)との間にチェーン16が掛け渡される。無段変速装置29は、揺動軸22および後輪軸64の各中心軸線を含む仮想平面Hの近傍に変速機軸17が位置するように、車体フレームに対して配置される。
【0049】
クランク軸7に入力されたトルクは、無段変速装置29の変速機軸17、駆動スプロケット33、チェーン16および被動スプロケット60を介して駆動輪である後輪WRに伝達され、これを回転駆動させる。
【0050】
図8,図9を参照して無段変速装置29について説明する。ボルトにより結合される左右1対のケース部分61a,61bから構成されるケース61に、クランク軸7の両端部寄りの部分、アイドル軸62の両端部および変速機軸17の左端部と右端部寄りの部分が、左右1対の軸受120a,120b;120c,120d;120e,120fを介して回転可能に支持される。クランク軸7には、右軸受120b側から順に第1駆動ギヤ122および第2被動ギヤ124が設けられる。第1駆動ギヤ122は、クランク軸7が正転方向A0(自転車を前進させる方向。以下、クランク軸7が正転するときの各軸およびスプロケットの回転方向を符号A0で示す)のトルクのみを第1駆動ギヤ122に伝達する一方向クラッチ128を介してクランク軸7に駆動連結される。一方向クラッチ128は、図示しないキー部材によりクランク軸7に結合される。第2被動ギヤ124は、軸受129を介してクランク軸7に回転可能に支持される。
【0051】
アイドル軸62には、第1駆動ギヤ122と噛合する第1被動ギヤ123、および第2被動ギヤ124と噛合する第2駆動ギヤ125が設けられる。第2被動ギヤ124には、第3駆動ギヤ126が隣接して一体に固定され、該第3駆動ギヤ126は、入力軸63にスプライン結合された第3被動ギヤ127と噛合する。入力軸63は、その両端を両ケース部分61a,61bに対して軸受130a,130bにより回転可能に支持される。
【0052】
各駆動ギヤ122,125,126は、それに噛合する被動ギヤ123,124,127よりも大径なので、相互に噛合する駆動ギヤ122,125,126および被動ギヤ123,124,127により3つの増速段が構成される。それゆえ、3つの増速段を有する増速機構M1を介してクランク軸7により回転駆動される入力軸63は、クランク軸7の回転速度よりも増速された回転速度、本実施形態では約11倍に増速された回転速度で回転する。
【0053】
第3駆動ギヤ126および第3被動ギヤ127は、図10に示したように、非円形ギヤから構成され、入力軸63に不等速回転運動を行わせるための不等速回転伝達機構M2を構成する。具体的には、第3被動ギヤ127は、本実施形態において無段変速装置29に設けられる後述するリンクユニットU1〜U4の数と等しい数の山部127aおよび谷部127b、本実施形態ではそれぞれ4つの山部127aおよび谷部127bを有するギヤである。第3駆動ギヤ126は、第3被動ギヤ127の山部127aおよび谷部127bのそれぞれの数の整数倍、本実施形態では4倍の16の山部126aおよび谷部126bを有するギヤである。
【0054】
そして、第3駆動ギヤ126の谷部126bと第3被動ギヤ127の山部127aとが噛合するタイミングおよび第3駆動ギヤ126の山部126aと第3被動ギヤ127の谷部127bとが噛合するタイミングは、後述するように、脈動する変速機軸17の回転速度が最大となるタイミングおよび最小となるタイミングにそれぞれ合うように設定される。すなわち、クランク軸7と入力軸63とは、増速機構M1に組み込まれて変速機軸17の回転速度の脈動を低減するための不等速回転伝達機構M2を介して駆動連結される。
【0055】
図8,図9を参照し、入力軸63は、変速機構M3を構成する複数の、本実施形態では4つのリンクユニットU1〜U4を介して変速機軸17に連結される。変速機構M3は、運転者が変速操作部材としての変速レバー(図示せず)を操作することにより動作する変速操作機構M4により操作され、クランク軸7の回転速度に対する変速機軸17の回転速度の比である変速比を無段階に変更する。
【0056】
さらに図11,図12を併せて参照すると、各リンクユニットU1〜U4は、入力軸63に偏心して枢着された駆動リンク131と、変速機軸17に一方向クラッチ136を介して連結された揺動体133と、第1枢支部を構成する第1枢軸134で駆動リンク131に枢着されると共に第2枢支部を構成する第2枢軸135で揺動体133に枢着された伝達リンク132とを備える。
【0057】
駆動リンク131は、円環状の第1結合部131aと、第1結合部131aに連なると共に1対のプレート部131b1を有する二股状の第2結合部131bとから構成される。伝達リンク132は、その一端部132aをリベット137により所定の間隔を保って連結された1対のプレー卜132cから構成される。揺動体133は、伝達リンク132の両プレート132cの間に挟まれて配置される第1結合部133aと、第1結合部133aに連なる円環状の第2結合部133bとから構成される。
【0058】
駆動リンク131は、その第1結合部131aが、入力軸63とスプライン結合されて一体に回転する偏心リング138の外周にすべり軸受139を介して回転可能に支持されることにより、入力軸63に対して偏心して枢着される。偏心リング138の回転軸線、すなわち駆動リンク131の中心軸線は、入力軸63の回転軸線に対して所定量だけ偏心している。第1結合部131aには、図11,図12に示したように、周方向に等間隔で複数の、例えば4つの油溝131cが径方向に延びて形成され、ケース61内の潤滑油が油溝131cを通じてすべり軸受139に供給される。
【0059】
第2結合部131bの両プレート部131b1に固定されて支持される第1枢軸134に、両プレート部131b1の間に配置されたニードル軸受140を介して、伝達リンク132が回動可能に支持される。ニードル軸受140は、第1枢軸134の外周に嵌合される内輪140aと、内輪140aの径方向外方に配置されて両プレート132cの一端部132aに形成された孔にインローにて結合される外輪140bと、内輪40aと外輪40bとの間に配置される多数の二ードル140cとから構成される。
【0060】
ニードル140cの軸線方向への移動は、ニードル軸受140の両端側に配置された1対のスラストワッシャ143により規制され、隙間無くニードル140cをつめるのでリテーナは不要である。外輪40bには、周方向に間隔をおいて複数、本実施形態では周方向に等間隔に4つの油孔140dが形成される。
【0061】
伝達リンク132は、揺動体133の第1結合部133aが第2枢軸135により、ニードル軸受141からなる軸受を介して回動可能に支持されることで揺動体133に枢着される。ニードル軸受141は、第2枢軸135の外周に配置されて揺動体133の第1結合部133aに囲まれて保持される多数のニードル141aから構成される。ニードル141aの軸線方向での移動は、ニードル141aの両端側に配置された1対のスラストワッシャ144により規制され、隙間無くニードル140cをつめるので、ニードル軸受141は、前記ニードル軸受140と同様にリテーナを有していない。第1結合部133aの両側面には、図12に示したように、周方向に間隔をおいて複数の、例えば3つの油溝133cが径方向に延びて形成されている。ケース61内の潤滑油は、油溝133cを通じてニードル軸受141に供給される。
【0062】
揺動体133は、第2結合部133bにおいて、変速機軸17を正転方向A0に回転させるトルクのみを伝達する一方向クラッチ136を介して変速機軸17に連結される。したがって、一方向クラッチ136は、揺動体133が変速機軸17の正転方向A0での角速度ω(図21参照)、すなわち回転速度よりも大きな角速度で正転方向A0に揺動するときにのみ、揺動体133から変速機軸17にトルクを伝達する。
【0063】
図8に示したように、4つのリンクユニットU1〜U4は、入力軸63および変速機軸17に対して軸線方向(車幅方向でもある。)に等間隔で配列される。具体的には、入力軸63には、隣接するリンクユニットU2,U3;U3,U4の間隔を保持する2つの円環状のカラー146が駆動リンク131の第1結合部131の側方で嵌合される。入力軸63の右端部近傍で隣接するリンクユニットU1,U2の間隔は、両リンクユニットU1,U2の間に配置された第3被動ギヤ127により保持される。
【0064】
このように、本実施形態の無段変速装置29では、アイドル軸62の車幅方向での長さを極力短くすると共に、クランク軸7に装着される第2被動ギヤ124および第3駆動ギヤ126の軽量小型化のために、第3駆動ギヤ126と噛合する第3被動ギヤ127が、右端のリンクユニットU1およびそれに隣接するリンクユニットU2の間で入力軸63に装着される。
【0065】
さらに、図8,図9を参照すると、右端のリンクユニットU1の駆動リンク131が、車幅方向で第1駆動ギヤ122と第3駆動ギヤ126との間に配置され、しかもその往復運動により、クランク軸7の径方向で第1駆動ギヤ122および第3駆動ギヤ126と重なり得る位置に配置される。
【0066】
一方、変速機軸17には、隣接するリンクユニットU1,U2;U2,U3;U3,U4の間隔を保持する部材であるスペーサとしての3つの円環状のカラーが、揺動体133の第2結合部133bの側方で嵌合される。
【0067】
そして、図13に示したように、4つのリンクユニットU1〜U4の駆動リンク131は、異なる位相で入力軸63に枢着されており、本実施形態では、全ての駆動リンク131の回転軸線が入力軸63の周方向に90°の等角度で分布するように入力軸63に枢着される。なお、図13には、後述する変速リンク154が最小変速比位置を占めているときの第3枢軸153、支持軸159、第4枢軸161および中間リンク162が示されている。
【0068】
なお、図8に示したように、各リンクユニットU1〜U4において、偏心リング138およびすべり軸受139の軸線方向での両端部側は、入力軸63にスプライン結合される1対の円板状の被覆プレート149により覆われる。そして、被覆プレート149は、カラー146,148および第3被動ギヤ127により、入力軸63上での軸線方向の移動が阻止される。
【0069】
図8,図9,図14を参照すると、両ケース部分61a,61bに軸受150を介して回動可能に支持される支持部材151と、第1枢軸134で各リンクユニットU1〜U4に枢着されると共に第3枢支部を構成する第3枢軸153で支持部材151に枢着される変速リンク154とを備える。
【0070】
変速操作機構M4はさらに、前記変速レバーに接続される操作ワイヤ155の端部が係止されたドラム156と、このドラム156と一体に回動する操作軸157と、操作軸157にダボにより連結される支持軸159と、支持軸159と一体に回動するレバー160と、第3枢軸153で支持部材151に枢着されると共に第4枢支部を構成する第4枢軸レバー160に枢着される中間リンク162とを備える。
【0071】
図8,図9,図11,図12を参照すると、変速リンク154は、その円環状の先端部154aを、ニードル軸受140の外周において伝達リンク132の両プレート132cの間で挟まれて配置されたニードル軸受163を介して回動可能に支持されることにより、第1枢軸134で枢着される。ニードル軸受163は、外輪140bの外周に配置されて先端部154aにより囲まれて保持される多数のニードル163aから構成される。それゆえ、駆動リンク131の両プレート部131b1の間には、第1枢軸134に対して径方向に直列に配置された二段のニードル軸受140,163が配置される。ニードル163aの軸線方向での移動は、ニードル163aの両端側に配置された1対のスラストワッシャ164により規制され、隙間無くニードルをつめるので、ニードル軸受163は、ニードル軸受140と同様にリテーナを有していない。
【0072】
図11,図12に示したように、先端部154aの両側面にはそれぞれ、周方向に間隔をおいて複数、本実施形態では周方向に等間隔に4つの油溝154cが設けられる。ケース61内に充填された潤滑油は、油溝154cを通ってニードル軸受163に供給され、さらに外輪140bの油孔140dを通ってニードル軸受140に供給される。なお、図9に示したように、右ケース部分61bには,ブリーザ管165およびケース61内の潤滑油を排出するためのドレインボルト166が設けられる。
【0073】
図8,図9,図14を参照すると、支持部材151は、U字形状に屈曲されて形成された板材からなる支持リンク151aと、支持リンク151aの両端部に結合されて車幅方向での間隔を保持するスペーサとしての連結軸151bとを備える。支持リンク151aは、車幅方向で対面する互いに平行な1対の側部151a1と、両側部151a1に連なる連結部151a2とから構成される。支持部材151は、各ケース部分61a,61bに保持された軸受150に支持された中心軸152が固着されるので、ケース61に回動自在に支持される。さらに、支持リンク151aの一方の側部である右側の側部151a1には、右ケース部分61bの内面に突出して形成された第1,第2ストッパ167,168(図9参照)にそれぞれ当接する1対の当接面151a3,151a4がそれぞれ形成される。第1,第2ストッパ167,168は、変速リンク154の最小変速比位置および最大変速比位置をそれぞれ規定する。
【0074】
図14を参照すると、支持部材151の両側部151a1には、その連結部151a2付近に両側部151aに渡って第3枢軸153が固定されて支持される。その先端部154aにて4つのリンクユニットU1〜U4にそれぞれ枢着される4つの変速リンク154は、その円環状の基端部154bにて、多数のニードル169aを有するニードル軸受169を介して第3枢軸153で枢着されることにより、支持部材151に枢着される。基端部154bの両側面には、それぞれ、周方向に間隔をおいて複数、本実施形態では周方向に等間隔に4つの油溝154cが設けられる。ケース61内に充填された潤滑油は、油溝154cを通ってニードル軸受169に供給される。
【0075】
変速リンク154は、第3枢軸153に軸線方向(車幅方向)に等間隔で配列され、そのためにカラー170および中間リンク162が使用される。すなわち、中央で互いに隣接する変速リンク154(これら変速リンク154はリンクユニットU2,U3に枢着される。)の間にはスペーサとしてのカラー170が配置される。そして、両端部の変速リンク154(この変速リンク154はリンクユニットU1,U4にそれぞれ枢着される。)とそれに隣接する変速リンク154との間には、二股に分岐した中間リンク162の両先端部162aがそれぞれすべり軸受171を介して第3枢軸153に回動可能に支持される。それゆえ、支持部材151の両側部151a1の間に配置される両先端部162aが、カラー170と同様の機能を有するスペーサとして利用される。
【0076】
図14,図15を参照すると、支持軸159は、その一端を左ケース部分61aに軸受172を介して回動可能に支持される。支持軸159の他端は、各リンクユニットU1〜U4の駆動リンク131に作用する入力軸163からの駆動力の分力(図20参照)が、第1枢軸134、変速リンク154、支持部材151、第3枢軸153、中間リンク162、レバー160および支持軸159を通じてドラム156を回動させることを阻止するための二方向クラッチ158を介して、右ケース部分61bに保持される。
【0077】
一方向クラッチ158は、右ケース部分61bに固定されたアウタレース158aと、支持軸159と一体に回転するインナレース158bと、両レース158a,158bの径方向での間の収容空間に配置された偶数、本実施形態では8つのローラ158cと、1対のローラ158cの周方向での間で前記収容空間に配置された圧縮スプリングからなるクラッチスプリング158dと、クラッチスプリング158dとは反対側で2つのローラ158cの周方向での間に配置されたリテーナ158eとから構成される。
【0078】
操作軸157に一体形成されたリテーナ158eは、操作軸157がシフトアップをするための回動方向A2(以下、アップ方向A2)およびシフトダウンをするための回動方向A3(以下、ダウン方向A3)へ回動したときにローラ158cと当接する。リテーナ158eは、操作軸157の直径方向で対向してインナレース158bに形成された凹部158b1からなる係合部と係合可能な突部158e3からなる係合部を有する1対の第1保持部158e1と、周方向で両第1保持部158e1の間に位置する第2保持部158e2とを有する。
【0079】
凹部158b1と突部158e3との間には、リテーナ158eとインナレース158bとの相対回動を可能とするための間隙158fが形成される。そして、凹部158b1と突部158e3とが係合するまでの相対回動により、第1,第2保持部158e1,158e2が、クラッチスプリング158dの弾発力に抗してローラ158cを押圧し、ローラ158cを、アウタレース158aとインナレース158bの間に食い込むこと(すなわちロックすること)ことがない状態、すなわちロック解除状態にする。
【0080】
インナレース158bの外周にはカム面158b2が形成される。このカム面158b2は、クラッチスプリング158dを介して互いに対向する1対のローラ158cのうち、アップ方向A2側のローラ158c1は、アップ方向A2への支持軸159の回動を許容する一方でダウン方向A3への支持軸159の回動を阻止する。ダウン方向A3側のローラ158c2は、ダウン方向A3への支持軸159の回動を許容する一方で、アップ方向A2への支持軸159の回動を阻止するように、前記収容空間の径方向での幅を周方向で異ならせるように形成される。
【0081】
それゆえ、前記変速レバーに加えられた操作力が操作ワイヤ155を介してドラム156をアップ方向A2に回動させると、図15に二点鎖線で示したように、第1,第2保持部158e1,158e2がアップ方向A2に相対回動し、ローラ158c2に当接して該ローラ158c2をロック解除状態にした後、突部158e3と凹部158b1とが係合することで第1保持部158e1がインナレース158bに係合して、支持軸159と一緒にアップ方向A2に回動する。
【0082】
これとは逆に、操作力が操作ワイヤ155を介してドラム156をダウン方向A3に回動させると、第1,第2保持部158e1,158e2がダウン方向A3に相対回動してローラ158c1に当接して該ローラ158c1をロック解除状態にした後、突部158c3と凹部158b1とが係合することで第1保持部158e1が、インナレース158bに係合し、支持軸159と一緒にダウン方向A3に回動する。
【0083】
ところで、図9を参照すると、クランク軸7の回転中、揺動体133および一方向クラッチ136を介して変速機軸17にトルクを伝達し、変速機軸17を回転駆動しているリンクユニットU1〜U4についてみると、リンクユニットU1〜U4の駆動リンク131を往復運動させる入力軸63からの駆動力は、伝達リンク132を介して揺動体133に作用する一方、変速リンク154を介して第3枢軸153の方向に作用する。
【0084】
この第3枢軸153に作用する駆動力の分力Fにより、リンクを介して支持軸159に発生するトルクTは、図20に示したように、変速機軸17を回転駆動してしいるリンクユニットU1〜U4の駆動リンク131に作用する駆動力の変化に対応する大きさおよび向きを有しており、第4リンクおよびレバー160を介して支持軸159を回動させようとする。なお、図20において、符号U1〜U4は変速機軸17を回転駆動しているリンクユニットを示し、符号F0は、該分力Fの大きさ目安を示すための値を示している。
【0085】
このとき、操作ワイヤ155を通じて操作力がリテーナ158eに作用していなければ、トルクTがアップ方向A2およびダウン方向A3のいずれの方向に支持軸159を回動させようとしても、ローラ158cがロック状態になって支持軸159は回動しない。また、シフトアップ(シフトダウン。以下、括弧内には、シフトダウンに対応する説明を記す。)をさせる操作力がリテーナ158eに作用しているときに、トルクTが支持軸159をアップ方向A2(ダウン方向A3)に回動させるように作用すると、トルクTがアシスト力となって操作力が軽減される。一方、分力Fが支持軸159をダウン方向A3(アップ方向A2)に回動させるように作用するときには、ローラ158cがロック状態になって、支持軸159がダウン方向A3(アップ方向A2)に回動することが阻止される。
【0086】
それゆえ、操作軸157、二方向クラッチ158、支持軸159、レバー160、第4枢軸161および中間リンク162は、前記操作レバーによる操作力を第3枢軸153に伝達する伝達機構M5を構成する。
【0087】
図16,図17を参照して、リヤハブ80および被動スプロケット60に関連して説明する。後輪軸64に軸受81を介して回転可能に支持されるリヤハブ80の右端部には、一方向クラッチ82を介して被動スプロケット60が設けられる。そして、一方向クラッチ82の右端部は、被動スプロケット60と後輪軸64との間に設けられたカバー83により覆われる。
【0088】
一方向クラッチ82は、被動スプロケット60により構成されるアウタレース82aと、リヤハブ80にネジ結合されたインナレース82bと、両レース82a,82bの径方向での間の収容空間に配置された複数のローラ82cと、前記複数のローラ82cの周方向での間隔を保持するリテーナ82dと、アウタレース82aとリテーナ82dとの間に配置された圧縮スプリングからなるクラッチスプリング82eとから構成される。
【0089】
リテーナ82dは、車幅方向に離隔した円環状の大径リング82d1および小径リング82d2と、両リング82d1,82d2に連結されて車幅方向に延びて周方向で隣接するローラ82cの間に位置する保持部82d3と、直径方向で対向する位置にある1対の保持部82d3に一体形成されて被動スプロケット60に形成された長孔60aを右方に貫通して突出する突起82d4からなる位置決め部とを有する。突起82d4がカバー83に形成された凹部83aからなる係合部と係合することにより、カバー83とリテーナ82dとが一体に回転可能になる。
【0090】
クラッチスプリング82eは、直径方向で対向する位置にある1対の保持部82d3とアウタレース82aとの間に配置されて、該1対の保持部82d3を、その弾発力により正転方向A0に付勢している。
【0091】
カバー83は、後輪軸64に嵌合されて固定された車筒84に固定された線材からなる円環状のフリクションスプリング85の弾発力により径方向外方に付勢される。また、カバー83の外周とアウタレース82aとの間は、シール85により、カバー83の内周と車筒84との間は、シール86により、それぞれ密閉にされる。
【0092】
フリクションスプリング85のセット荷重は、遮断状態にある一方向クラッチ82が接続状態に移行するとき、クラッチスプリング82eが正転する被動スプロケット60により圧縮されて、ローラ82cがアウタレース82a(被動スプロケット60)の内周面に形成されたカム面82a1とインナレース82bとの間でロック状態になる(図17に二点鎖線で示される。)ように、後輪軸64とリテーナ82dとの間で相対回転が生じさせない摩擦力をカバー83とフリクションスプリング85との間に生じさせる大きさであって、しかも、一方向クラッチ82が接続状態になったとき、カバー83がリテーナ82d、被動スプロケット60(アウタレース82a)およびインナレース82bと共に回転することができるような大きさに設定される。
【0093】
このような一方向クラッチ82により、被動スプロケット60が正転方向A0に回転するとき、ローラ82cがロック状態になって、被動スプロケット60とリヤハブ80とが一体に回転する。また、自転車の走行中に運転者がペダル9を漕ぐことを止めたとき、もしくは運転者が降車した状態で、自転車を前進させるときは、クラッチスプリング82eの弾発力によりチェーンの弛み分だけ被動スプロケットが正転方向A0と逆の方向に回転し、ローラ82cがロック解除状態になって、一方向クラッチ82が遮断状態になり、被動スプロケット60が停止した状態で、後輪WRのみ、すなわちリヤハブ80のみが正転方向A0に回転する。さらに、例えば運転者が降車した状態で、自転車を後進させるときは、クラッチスプリング85の弾発力により、ローラ82cは図17に示したロック解除状態にあって、一方向クラッチ82が遮断状態になるため、被動スプロケット60が停止した状態で、後輪WR、すなわちリヤハブ80のみが逆転方向に回転する。
【0094】
つぎに、この無段変速装置29の動作について説明する。図9に示したように、無段変速装置29が最小変速比にある状態で自転車が走行しているとき、支持部材151が第1ストッパ167に当接した状態で第3枢軸153の位置が固定されている。このとき、入力軸63が1回転する間に、図18(A)で示したように、入力軸63からの駆動力により、入力軸63の1回転あたり各駆動リンク131は図示される両位置P1,P2の間で往復運動し、各リンクユニットU1〜U4は、順次、揺動角度範囲θ1で揺動体133を揺動させる。そして、各リンクユニットU1〜U4が一方向クラッチ136を介して変速機軸17に連結されていることから、4つのリンクユニットU1〜U4を有する無段変速装置29において、入力軸63の1回転の間に、変速機軸17は、図13(A)に示したように、4つのリンクユニットU1〜U4のうち、正転方向A0での最大角速度(回転速度)で変速機軸17を回転駆動するリンクユニットU1〜U4により順次回転駆動される。
【0095】
このとき、変速機軸17の回転速度が最大となるタイミングでは、第3駆動ギヤ26および第3被動ギヤ127からなる非円形ギヤを使用した不等速回転伝達機構M2により入力軸63の回転速度が最小となり、例えばリンクユニットU1が変速機軸17を駆動している状態から、リンクユニットU1に対して90°の位相を有するリンクユニットU2が変速機軸17を駆動する状態に移行するタイミング、すなわち変速機軸17の回転速度が最小となるタイミングでは、不等速回転伝達機構M2により、入力軸63の回転速度が最大となって、変速機軸17の回転速度の変動幅が減少して、その脈動が低減される。なお、図19において、符号U1〜U4は変速機軸17を回転駆動しているリンクユニットを示し、符号ω0は、変速機軸17の角速度ωの大きさ目安を示すための値を示している。
【0096】
この最小変速比での運転状態から、シフトアップするために運転者が前記変速レバーを操作すると、操作力が操作ワイヤ155、ドラム156および操作軸157を介して二方向クラッチ158(図15参照)のリテーナ158eをアップ方向A2に回動させる。このとき、図20(A)に示したように、各リンクユニットU1〜U4に対する入力軸63からの駆動力により変速機軸17が加速されるときの該駆動力の分力F(図20においてプラス側の分力)によりリンクを介して支持軸159に発生するトルクTが、アシスト力として変速リンク154、中間リンク162およびレバー160を介して支持軸159に作用する。そして、支持軸159の回動により、第3枢軸153が、支持部材151を支持する中心軸152を中心とする円形の変速軌道上を、図21に示される最大変速比での位置に向けて移動して、より大きな変速比で後輪WRが回転駆動される。
【0097】
図18(B)を参照すると、変速リンク154および第3枢軸153が最大変速比にある状態(図21参照)で、入力軸63が1回転する間に、入力軸63の1回転あたり各駆動リンク131は図示される両位置P3,P4の間で往復運動し、各リンクユニットU1〜U4は、最小変速比での揺動角度範囲θ1よりも大きい揺動角度範囲θ2で揺動体133を揺動させる。そして、4つのリンクユニットU1〜U4により、入力軸63の1回転の間に、変速機軸17は、図19(B)に示したように、正転方向A0での最大角速度(回転速度)で変速機軸17を回転駆動するリンクユニットU1〜U4により順次回転駆動される。このときも、前述の最小変速比のときと同様に、不等速回転伝達機構M2により、変速機軸17の回転速度の変動幅が減少して、その脈動が低減される。
【0098】
この最大速度比での運転状態から、シフトダウンするために運転者が前記操作レバーを操作することにより、操作力が操作ワイヤ155、ドラム156および操作軸157を介して一方向クラッチ158(図14参照)のリテーナ158eをダウン方向A3に回動させる。このとき、図20(B)に示したように、各リンクユニットU1〜U4に対する入力軸63からの駆動力により変速機軸17が減速される方向の該駆動力の分力F(図20においてマイナス側の分力)によりリンクを介して支持軸159に発生するトルクTが、アシスト力として支持軸159に作用する。そして、支持軸159の回動により、第3枢軸153が、最大変速比での位置から最小変速比での位置に向けて前記変速軌道上を移動して、より小さい変速比で後輪WRが回転駆動される。
【0099】
このようにして、変速操作機構M4での変速操作により、第3枢軸153が、最小変速比での位置と最大変速比での位置との間の任意の位置を無段階に占めることかできるので、クランク軸7の回転が無段階に変速されて後輪WRに伝達される。
【0100】
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。クランク軸7により回転駆動される入力軸63と変速機軸17を駆動連結する変速機機構M3は、ギヤを使用しない複数のリンクユニットU1〜U4から構成されるので、前記従来技術とは異なり、騒音の発生が抑制され、変速機構M3が計量化される。また、入力軸63と変速機軸17とが複数のリンクから構成されるリンクユニットU1〜U4を介して駆動連結されるので、クランク軸7、ひいては車体フレームに対する変速機軸17の配置の自由度が大きくなる。そのため、後輪WRが上下方向に揺動可能なスイングアーム23により支持される場合にも、車体フレームに対して揺動軸22を含む仮想平面Hの近傍に変速機軸17を配置することかできる。
【0101】
クランク軸7と入力軸63との間に増速機構M1が設けられることにより、変速機軸17の回転速度の脈動の周期が短縮されるので、重量増および大型化を抑制しつつ、運転者が回転速度の脈動を感じることが少ない快適な走行性を実現することができる。
【0102】
また、クランク軸7と入力軸63との間に、非円形ギヤである第3駆動ギヤ126および第3被動ギヤ127から構成される不等速回転伝達機構M2が配置されて、各変速比において、変速機軸17の回転速度が最大となるタイミングで入力軸63の回転速度が最小となり、変速機軸17の回転速度が最小となるタイミングで入力軸63が回転速度が最大となるよう両ギヤ126,127を噛合させることにより、変速機軸17の回転速度の脈動を一層低減することができる。
【0103】
変速操作のための操作力を第3枢軸153に伝達する伝達機構M5により、変速リンク154を介して伝達される、リンクユニットU1〜U4を駆動する駆動力の分力Fが操作力のアシスト力とされるので、クランク軸7により入力軸63が回転駆動されて、その駆動力により駆動される駆動リンク131の往復運動を利用することにより、運転者がペダル9を漕いでクランク軸7を回転させているときの変速操作の操作力が軽減されて、軽快な変速操作が可能になる。
【0104】
しかも、伝達機構M5には、変速機構M3側から作用する力による支持軸159の回動を阻止し、前記操作レバーから作用する操作力による支持軸159の回動を許容する二方向クラッチ158が設けられるので、自転車の停止時はもちろん、走行中であっても確実に変速操作ができる。
【0105】
入力軸63に枢着される駆動リンク131の一つである右端のリンクユニットU1の駆動リンク131が、車幅方向で、増速機構M1の1対の増速段をそれぞれ構成するギヤである第1駆動ギヤ122と第3駆動ギヤ126との間に配置され、しかも第1駆動ギヤ122および第3駆動ギヤ126とクランク軸7の径方向で重なり得る位置に配置されることにより、車幅方向で無段変速装置29を小型化でき、さらにクランク軸7と入力軸63との軸間距離を小さくすることができて、この点でも無段変速装置29の小型化に寄与できる。
【0106】
また、増速機構M1の最終ギヤである第3被動ギヤ127は、両端がケース61に支持された入力軸63の一端部寄りに装着されることにより、第3駆動ギヤ126から第3被動ギヤ127を通じて入力軸63が受ける荷重による入力軸63のたわみを極力抑制することができると共に、第3被動ギヤ127を、入力軸63に等間隔に配列されるリンクユニットU1〜U4のスペーサとして利用できることにより、入力軸63の車幅方向での長さを抑制でき、無段変速装置29を車幅方向で小型化できる。
【0107】
駆動リンク131と伝達リンク132とを枢着し、各リンクユニットU1〜U4に変速リンク154を枢着するために、第1枢軸134に対して径方向に直列に二段のニードル軸受140,163が配置され、各ニードル軸受140,163がリテーナレスの軸受とされることにより、ニードル軸受140,163の摩擦が低減される。しかも、ニードル軸受140,163の第1枢軸134の軸線方向でのそれらリンク131,132,154の幅を減少させることができるので、変速機構M3、ひいては無段変速装置29を車幅方向で小型化できる。
【0108】
変速リンク154を回動自在に支持する第3枢軸153は、支持部材151の、対面する互いに平行な1対の側部151a1により支持される。しかも、各側部151a1がケース61に支持されることにより、伝達機構M5および第3枢軸153を通じてそれぞれの側部151a1に作用する変速操作のための操作力に基づく荷重が小さくなることと相まって、各側部151a1の変形や倒れが抑制され、しかも軽量化ができる。さらに、両側部151a1において第3枢軸153が支持される部分付近は、連結部151a2により連結されることにより、支持部材151の剛性が高められるので、側部151a1の変形や倒れが一層少なくなる。
【0109】
第3枢軸153に支持される全ての変速リンク154を車幅方向に等間隔に配列するために、カラー170のほかに第3枢軸153に支持される中間リンク162を利用して隣接する変速リンク154の間隔を保持していることにより、同様に、入力軸63に枢着される全てのリンクユニットU1〜V4を車幅方向に等間隔に配列するために、カラー146のほかに第3被動ギヤ127を利用して隣接するリンクユニットU1〜U4の間隔を保持していることにより、スペーサとしてのカラーの個数を削減できると共に、第3枢軸153を支持する支持部材151および入力軸63の車幅方向での幅を減少させて、支持部材151および入力軸63ひいては無段変速装置29を車幅方向で小型化できる。
【0110】
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
前記実施形態では、不等速回転伝達機構M2は非円形ギヤから構成されたが、不等速回転伝達機構M2は、偏心ギヤ等の他の不等速回転を生じさせる部材で構成されてもよい。増速機構M1は、3を除く複数の増速段または1つの増速段を有するものであってもよい。さらに、自転車はダウンヒル用以外の自転車であってもよく、また、2輪車あるいは3輪車であってもよい。
【0111】
支持リンク151aは、前記実施形態では1対の側部151a1および連結部151a2を構成する単一の部材から構成されたが、1対の側部および連結部を別個の3つの部材として、それら部材を結合することにより構成することもできる。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような高価が達成される。
(1)請求項1〜5の発明によれば、変速機軸を、クランク軸と同軸上に配置しないことにより、車体の形状に応じて変速機とクランク軸との位置を自由に設定することができる。
(2)請求項2の発明によれば、スイングアームの揺動軸に近接させて変速機軸を配置できる。したがって、クランク軸と同軸上に変速機軸が配置されるのと違い、揺動軸をクランク軸に近接しなくても、リヤディレーラを設けないで後輪に駆動力を伝達するチェーンの動揺を小さくすることができる。
(3)請求項3の発明によれば、変速機軸を揺動軸の後方に配置するよりも、スイングアームの揺動に伴う前記チェーンの動揺を小さくすることができる。
(4)請求項4の発明によれば、変速機やギヤ装置をケース内にコンパクトに収納することができる。
(5)請求項5の発明によれば、クランク軸と変速機との相対位置の選択の自由度を高められる。
(6)請求項6の発明によれば、クランク軸により回転駆動される入力軸と出力軸としての変速機軸とが、ギヤを使用しないリンクユニットを介して連結されるので、騒音の発生が抑制され、変速機構が軽量化される。
(7)請求項7の発明によれば、入力軸と変速機軸とが複数のリンク機構を介して連結されるので、クランク軸や変速機軸の配置自由度が大きくなる。
(8)請求項8の発明によれば、クランク軸と入力軸との間に増速機構が設けられるので、変速機軸の回転速度の脈動の周期が短縮されると共に、その変動幅が減少するので、重量増および大型化を抑制しつつ、簡単な構造により脈動が低減されて、運転者が回転速度の脈動を殆ど感じることがないような快適な走行性を実現することができる。
(9)請求項9の発明によれば、クランク軸と入力軸との間に不等速回転伝達機構が配置されるので、各変速比において、変速機軸の回転速度が最大となるタイミングで入力軸の回転速度が最小となり、変速機軸の回転速度が最小となるタイミングで入力軸が回転速度が最大となるように各ギヤを組み合わせれば、変速機軸の回転速度の脈動を一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る変速機付き自転車の側面図である。
【図2】踏力の伝達装置を示す自転車の要部断面図である。
【図3】ワンウェイクラッチ用操作カムの展開図である。
【図4】内装多段式変速機の構成を示す模式図である。
【図5】第2実施形態に係る自転車の要部側面図である。
【図6】第2実施形態に係る踏力伝達装置の要部断面図である。
【図7】本発明を適用した変速機付き自転車の他の実施形態の左側面図である。
【図8】図9のX1−X1線およびX2−X2線での断面図である。
【図9】最小変速比の状態にあるときの図7の無段変速装置について、右ケース部分を外し、各種の軸を断面としたときの右側面図である。
【図10】図7の無段変速装置の不等速回転伝達機構を構成するギヤの正面図である。
【図11】図12のX4−X4線での断面図である。
【図12】図7の無段変速装置の変速機構を構成するリンクユニットの右側面図である。
【図13】図7の無段変速装置の変速機構を構成する4つのリンクユニットの入力軸への枢着の形態を説明する模式図である。
【図14】図9のX3−X3線およびX5−X5線での断面図である。
【図15】図14のX6−X6線での断面図である。
【図16】図7の自転車のリヤハブおよび被動スプロケットについて、図17のX−X線での断面図である。
【図17】図16のX7−X7線での断面図である。
【図18】図7の無段変速装置の揺動体の揺動角度範囲を説明する模式図であり、(A)は最小変速比でのものであり、(B)は最大変速比でのものである。
【図19】図7の無段変速装置の変速機軸の角速度を説明する図であり、(A)は最小変速比でのものであり、(B)は最大変速比でのものである。
【図20】図7の無段変速装置の入力軸の1回転における駆動力の分力を説明する図であり、(A)は最小変速比でのものであり、(B)は最大変速比でのものである。
【図21】図9と同様の右側面図であり、無段変速装置が最小変速比の状態にあるときのものである。
【符号の説明】
1…自転車、2…車体フレーム、7…クランク軸、10…変速機、11…シャフト(変速機軸)、16…チェーン、17…変速機軸、21…メインフレーム、22…揺動軸、23…スイングアーム、29…無段変速装置、33…駆動スプロケット、61…ケース、63…入力軸、104…操作カム、M1…増速機構、M2…不等速回転伝達機構、M3…変速機構、M4…変速操作機構、U1〜U4…リンクユニット
Claims (3)
- 内装多段式の変速機を備える自転車において、
前記変速機の変速機軸が、クランク軸とは別に設けられ、クランク軸に平行に配置されており、
前記変速機は、クランク軸により回動される入力軸と、前記入力軸に偏心して連結され、入力軸の回転角度に応じて揺動運動する少なくとも一つのリンク機構と、前記リンク機構を前記変速機軸に連結し、前記リンク機構の揺動運動に連動して前記変速機軸を一方方向へ脈動させる一方向クラッチと、入力軸の回転角度に対するリンク機構の揺動角度を調整して、入力軸の回転角度に対する変速機軸の回転角度を変更する変速操作手段とを含み、
前記クランク軸と入力軸とが不等速回転伝達機構を介して噛合されたことを特徴とする変速機付き自転車。 - 複数の前記リンク機構を備え、前記各リンク機構が入力軸に対して周方向に等角度の間隔で連結され、各リンク機構が入力軸の回転に同期して異なる位相で揺動運動することを特徴とする請求項1に記載の変速機付き自転車。
- 前記クランク軸と入力軸とが増速機構を介して噛合されたことを特徴とする請求項1または2に記載の変速機付き自転車。
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