JP4115839B2 - 血液処理用フィルター及びその製造方法 - Google Patents

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Description

[技術分野]
本発明は、血液処理用フィルターに関する。より詳細には、本発明は、赤血球製剤または全血製剤から白血球と血小板とを同時に除去するためのフィルター及びその製造方法に関する。
[背景技術]
輸血分野においては、供血者から採血した血液に抗凝固剤を添加した全血を輸血するいわゆる全血輸血に加え、全血から授血者の必要とする血液成分を分離しこれを輸注するいわゆる成分輸血が一般的に行われている。成分輸血には、授血者が必要とする血液成分によって赤血球輸血、血小板輸血、血漿輸血などがあり、これらに用いられる血液成分製剤には赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤などがある。
また、近年これらの全血輸血及び成分輸血において、血液製剤中に含まれる混入白血球を除去して輸血する、いわゆる白血球除去輸血が行われるようになってきている。これは製剤中に混入している白血球が、輸血に伴う頭痛、吐き気、悪寒、非溶血性発熱反応、アロ抗原感作、GVHD、ウイルス感染などの副作用を誘発させることが明らかになったためである。従って、これらの副作用を防ぐには十分な程度に低い水準にまで血液製剤中の白血球を除去することが必要である。
一方、赤血球製剤に関していえば、遠心分離の際血小板が一部混入してくることがある。血小板が原因と思われる非溶血性副作用の報告もされており、可能な限り血小板を除去することが好ましい。さらに、血小板におけるプリオンの存在が近年報告されており、プリオン病感染のリスクを抑える観点から、赤血球製剤のみでなく全血製剤からも血小板除去の必要性は高いと考えられる。よって、血液製剤中の血小板を高除去率で除去できる方法を提供することが緊急の課題となっている。
血液をはじめとする、白血球を含有する細胞浮遊液から白血球を除去する方法としては、細胞浮遊液を遠心分離することにより白血球を除去する遠心法、細胞浮遊液をフィルターにかけ、白血球をフィルターに吸着させることにより除去するフィルター法、血液バッグ中の細胞浮遊液にデキストラン添加生理食塩水を加えて混和後、浮遊した白血球層を吸引除去するデキストラン法などがある。その中でも、白血球除去能に優れていること、操作が簡便であること、及びコストが低いことなどの利点を有することからフィルター法が広く用いられている。
特開平3−158168号公報(JP3−158168A)では、繊維積層物を通過する白血球濃度が、繊維積層物の厚みに対して指数関数的に除去されることを見いだしている。このことは、白血球が繊維積層物を厚み方向に流れていく際に、繊維と繊維の交絡点付近に接触するごとに、一定の確率で吸着されていくことを示唆するものであり、上記の吸着除去説を裏付けている。
それ故、従来の白血球除去フィルターにおける高性能化の検討は、繊維と白血球との接触頻度を高めること、すなわち平均繊維直径を小さくすること、充填密度を高めること、或いはより均一な繊維直径分布を有する不織布を用いること(特開平2−203909号公報(JP2−203909A))などに集中しており、不織布表面の化学性状に注目したものは少なかった。
平均繊維直径を小さくすること、充填密度を高めること、或いはより均一な繊維直径分布を有する不織布を用いることにより、良好な白血球及び血小板除去フィルターを得ることができるが、血液による濡れ斑が生じるためフィルター全体が有効に機能せず、結果として白血球除去及び血小板除去にばらつきが生じることから、不織布表面の化学性状を改善することが必要である。
不織布表面の化学性状に着目した数少ない他の検討例として、放射線グラフトによる表面改質方法がある(特開平1−249063号公報(JP1−249063A)、特表平3−502094号公報(JP3−502094A)等)。前者は血小板通過率を向上させるのが表面改質の目的であり、後者は親水性を付与して血液によるプライミングを容易にするのが目的であって、何れも白血球、あるいは白血球及び血小板の吸着確率を高めるのが目的ではない。
一方、特開平6−247862号公報(JP6−247862A)には、塩基性官能基と非イオン性親水基を有し、塩基性官能基の非イオン性親水基に対するモル比が0.6以上6未満、かつ塩基性官能基を5×10−5meq/m以上0.1meq/m未満の密度であるフィルター材が開示されている。しかしながら、このフィルター材は赤血球の付着抑制効果が充分でなく、また、白血球の除去能を安定して向上させることが困難であった。
また、WO87/05812号公報では非イオン性親水基と塩基性含窒素官能基を有し、塩基性含窒素官能基を0.2重量%以上4.0重量%未満含有するポリマーを適量被覆したフィルター材が白血球除去能に優れ、且つ血小板の通過性が高いことが実施例で開示されている。また、より多くの塩基性含窒素官能基を含むポリマーを用いると、血小板、白血球ともに除去率が高まることが比較例に記載されている。しかし、WO87/05812号公報には、ウシ血液の処理に対しては具体的に記載されているが、ヒト血液の処理に対しては具体的に記載されておらず、ヒト血液に対する白血球及び血小板除去率は不明である。さらに、WO87/05812号公報には、赤血球製剤に対する白血球及び血小板の除去に関しては何ら開示されていない。
さらにまた、本発明者らは、フィルター基材にポリマーを被覆した血液処理用フィルターにおいて、該ポリマー中に含まれる低分子量成分の含有量がヒトの全血処理において白血球除去率と関連性を有することを見出し、全血からの白血球選択除去フィルターを特許出願した(日本国特願平2000−099715号)。しかし、この出願発明では、全血や赤血球製剤からの白血球と血小板との同時除去に関しても何ら検討されていない。
[発明の開示]
このような状況において、本発明者らは、赤血球製剤または全血製剤から白血球と血小板とを同時に高い除去率で除去することができる血液処理用フィルターを開発すべく、鋭意研究を行った。
その結果意外にも、本発明者らは、ポリマーで被覆されたフィルター基材において、ポリマーを特定量被覆することによって、高い白血球除去能と、高い血小板除去率を併せ持つ血液処理用フィルターを得ることができることを見出した。
以上の新たな知見に基づき、本発明を完成した。
従って、本発明の主たる目的は、赤血球製剤または全血製剤から白血球と血小板とを同時に除去するために効果的に使用し得る血液処理用フィルター及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴ならびに諸利益は、添附の図面を参照しながら行う以下の詳細な説明及び請求の範囲から明らかになる。
本発明によれば、赤血球製剤または全血製剤から白血球及び血小板を除去するためのフィルターであって、ポリマーで被覆されたフィルター基材を包含し、該ポリマーは、該フィルター基材全表面単位面積当たり0.5〜10mg/m含有され、該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有量が20%以下である分子量分布を有することを特徴とするフィルターが提供される。
次に、本発明の理解を容易にするために、まず本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
1.赤血球製剤または全血製剤から白血球及び血小板を除去するためのフィルターであって、ポリマーで被覆されたフィルター基材を包含し、該ポリマーは、該フィルター基材全表面単位面積当たり0.5〜10mg/m含有され、該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有量が20%以下である分子量分布を有することを特徴とするフィルター。
2.フィルター基材の全表面に対するポリマーの被覆率が70%未満であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター。
3.ポリマーが非イオン性親水基と塩基性含窒素官能基とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルター。
4.ポリマーの重量平均分子量が300,000〜3,000,000であることを特徴とする請求項1〜3に記載のフィルター。
5.フィルター基材が熱可塑性ポリマーからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルター。
6.フィルター基材が不織布であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフィルター。
7.未反応モノマー及び低重合体を含有するポリマー及び1種類以上の溶剤からなるポリマー溶液を熱誘起相分離法及び/又は非溶剤誘起相分離法によってポリマー濃厚相溶液とポリマー希薄相溶液とに液液相分離した後、分別回収したポリマー濃厚相溶液を溶剤で希釈してフィルター基材に被覆することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフィルターの製造方法。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のフィルターは、ポリマーで被覆されたフィルター基材を包含し、該ポリマーは、該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有量が20%以下である分子量分布を有することを特徴とする。
本発明において低分子量成分とは、ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラム(図1参照)において、ピークトップ分子量、すなわち最大強度を有する分子量に対し、その1/4以下の分子量をもつ重合度の低い成分をいう。低分子量成分としては、例えばダイマー、トリマー、オリゴマー、等を挙げることができる。
本発明での、ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有量が20%以下とは、図1に示すゲルパーミエーションクロマトグラムにおける全ピーク面積に対してピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有するピーク面積部分の割合が20%以下であることをいう。なお、図1において、横軸は分子量を、縦軸はRI(示差屈折計による強度)を表す。
ポリマーの分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定する。すなわち、N,N−ジメチルホルムアミドに1ミリモルとなるようにLiBr(臭化リチウム)を添加した溶液(以下「溶液A」という)にポリマーを溶解した溶液をカラム接続したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(本体:日本国東ソー(株)製 HLC−8020+解析プログラム:GPC−LALLS Ver.2.03)を用いて、40℃の温度でRI(示差屈折計)にて測定する。カラムは、ガードカラム(日本国東ソー(株)製 TSKguardcoloum HXL−H)と本カラム(前段カラム:日本国東ソー(株)製 TSKgel GMHXL B0032、後段カラム:日本国東ソー(株)製 TSKgel α−M B0011)から成る。また、使用(測定)条件は、移動相:溶液A、カラム温度:40℃にて行う。尚、ポリマーの分子量及び分子量分布の算出には、日本国ジーエルサイエンス(株)販売(英国ポリマーラボラトリー社製)のポリメチルメタクリレート(M−M−10セット)の既知の分子量と該ポリメチルメタクリレートのGPC測定値(Retention Time)との関係を用いる。
ポリマーの分子量あるいは分子量分布の測定は、ポリマーをフィルター基材に被覆する前でも可能であるが、フィルター中のポリマーについて測定するときには、フィルターからポリマーを抽出して測定することもできる。
フィルターからのポリマーの抽出は、フィルター基材を溶解しないがポリマーを溶解する溶剤中にフィルターを浸漬することにより行う。ポリマーが2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートからなる共重合体であれば、溶剤としてN,N−ジメチルホルムアミド及びメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類を用いることができる。ポリマーを抽出後、乾燥により該溶剤を除去した後、ポリマーの分子量分布の測定を上記の方法により行う。
本発明のフィルターに用いるポリマーは、通常の重合方法によってポリマー合成した後、低分子量成分を低減するための精製を行わなければならない。
ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラムにおいてピークトップ分子量に対して1/4以下の分子量を有する低分子量成分を20%未満に低減することは、ポリマーから低分子量成分を除去するための方法として従来から知られている再沈精製法、フラクショネーション法では困難である。
本発明において、ポリマーに含まれる低分子量成分の量を低下させ、上記のような分子量分布を示すようにするための方法は限定されるわけではないが、例えば、クロマトグラフィーや相分離法などを挙げることができる。本発明でいう相分離法を用いたポリマーの精製方法とは、ポリマー溶液を熱誘起相分離法及び/または非溶剤誘起相分離法によってポリマー濃厚相溶液とポリマー希薄相溶液とに液液相分離した後、ポリマー濃厚相溶液のみを分別回収する方法である。
容器内でポリマー溶液を液液相分離して一定時間これを放置すると、完全な2相の溶液に相分離し、比重の高いポリマー濃厚相溶液が下相の溶液となるので、上相のポリマー希薄相溶液を除去するか、または下相のポリマー濃厚相溶液のみを抜き取ることによりポリマー濃厚相溶液を分別回収することが可能である。
本発明でいう液液相分離とは、ある温度で均一に溶解しているポリマー溶液を、含まれるポリマーの濃度及び分子量分布の異なる2相の溶液(ポリマー濃厚相溶液とポリマー希薄相溶液)に分離することをいい、固相または固体ポリマーが析出する相変化を含まない。
本発明でいう熱誘起相分離法とは、ある温度で均一に溶解しているポリマー溶液を一定の速度で冷却または加熱することにより該ポリマー溶液を複数の相(例えば、液相と液相、液相と固相、液相と液相と固相等)に分離することをいう。この内、本発明では液相と液相に分かれる相変化のみを用いる。
また、本発明でいう非溶剤誘起相分離法とは、ある温度で均一に溶解しているポリマー溶液にそのポリマーの非溶剤を添加することにより、ポリマー溶液を複数の相(例えば、液相と液相、液相と固相、液相と液相と固相等)に分離することをいう。この内、本発明では液相と液相に分かれる相変化のみを用いる。
また一般に、分子量の特に高いポリマーを製造する際には、可能な限りモノマーの転化率を高めるために種々の工夫がなされる場合が多く、そのことに伴って、分子量の特に高いポリマーでは低分子量成分の含有量が極めて少ない場合がある。本発明において、そのような分子量の特に高いポリマーを用いる場合には、別段の処理をしなくとも、上記のような分子量分布を示すことがある。
本発明においては、フィルター基材を被覆するためのポリマーとして、重量平均分子量300,000〜3,000,000、好ましくは300,000〜2,000,000、より好ましくは350,000〜2,000,000のポリマーを用いる。重量平均分子量が300,000未満では、本発明のフィルターにおける溶出物量が増加する傾向にある。また、重量平均分子量が3,000,000を超えるとポリマーが溶剤に溶解しにくくなり、被覆が困難となる傾向にある。
本発明に用いられるポリマーとしては、水中で膨潤するが、水に溶解しないものであれば良く、特に限定されないが、スルホン酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基、リン酸基、オキシエチレン基、イミノ基、イミド基、イミノエーテル基、ピリジン基、ピロリドン基、イミダゾール基、4級アンモニウム基等を単独あるいは複数種有するポリマーを例示することができる。
なかでも、非イオン性親水基と塩基性含窒素官能基を有する共重合体が好ましい。
本発明において非イオン性親水基としてはヒドロキシル基及びアミド基などが挙げられる。
非イオン性親水基を含有するモノマーとしては上述のヒドロキシル基及びアミド基を含むモノマー、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルアルコール(酢酸ビニルとして重合後、加水分解させる)、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。また、非イオン性親水基としては、前期のヒドロキシル基及びアミド基の他にポリエチレンオキサイド鎖も挙げられる。ポリエチレンオキサイド鎖を含むモノマーとしては、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類などが挙げられる。以上のモノマーの中でも、入手しやすさ、重合時の扱いやすさ、血液を流した時の性能などから、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
また、塩基性含窒素官能基としては、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、4級アンモニウム基、及びピリジン基、イミダゾール基などの含窒素芳香族等が挙げられる。
塩基性含窒素官能基を含むモノマーとしては、アリルアミン;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の誘導体;p(パラ)−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジメチルアミノエチルスチレン等のスチレン誘導体;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、4−ビニルイミダゾール等の含窒素芳香族化合物のビニル誘導体;及び上記ビニル化合物をハロゲン化アルキル等によって4級アンモニウム塩とした誘導体を挙げることができる。以上のモノマーの中でも、入手しやすさ、重合時の取り扱いやすさ、血液を流した時の性能などから、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
全血や赤血球製剤から白血球と血小板を同時に吸着除去するための、ポリマーの被覆量(コート量)は、0.5mg(ポリマー)/m(フィルター基材全表面単位面積当たり)〜10mg/m、好ましくは1mg/m〜7.5mg/mである。コート量が0.5mg/m未満では白血球除去能のばらつきが大きく、10mg/mを超えると血小板の除去率が95%を下回る傾向にあるためである。
血小板についても同種免疫反応を誘引する為、オランダ等では赤血球製剤中の混入数を1.5×1010以下/ユニットと制限する基準を設けている。全血から遠心分離条件によらず濾過のみで充分な血小板の除去を行うには、95%以上の除去率が要求される。
また本発明でいう全表面積(m)とは、被覆に用いたフィルター基材の重量(g)と該フィルター基材の比表面積(m/g)との積から得られる値をいい、フィルター基材の表面部分のみでなく、内部細孔の表面積も含む値である。また、本発明でいう比表面積とは、日本国(株)島津製作所製『アキュソーブ2100E』又はこれと同等仕様機を用いて、0.50g〜0.55gの範囲で秤量した
Figure 0004115839
gの減圧度(室温下)にて20時間脱気処理した後、吸着ガス:クリプトンガス、吸着温度:液体窒素温度にて測定した値をいう。
なお、本発明におけるフィルター基材全表面単位面積(m)当たりのポリマーコート量Y(mg/m)は、フィルター基材単位カット面積(m)当たりのポリマーコート量X(mg/m)、基材目付A(g/m)、及び基材の比表面積B(mg/m)から次式で求めることができる。ここで基材目付とは基材の単位カット面積当たりの重量(g/m)を意味する。
Y=X/(A×B)
図2には、本発明者らが、ポリマーのコート量と全血からの血小板除去性能の関連性を試験した結果を示す。図2には、基材の全表面積当たりのポリマーコート量(mg/m)に対する、全血からの血小板除去率を示した。この試験に用いたポリマーは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートからなる共重合体、基材は平均繊維直径1.2μmのポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(40g/m目付、空隙率79%、厚さ0.25mm、比表面積2.01m/g)であった。図2に示されるように、ポリマーコート量が10mg/m以下になると全血からの血小板除去率が顕著に増大することが分かる。
また、図3には、ポリマーのコート量と赤血球製剤からの血小板除去性能の関連性を試験した結果を示す。試験に用いたポリマー及び基材は、前記全血からの血小板除去性能試験と同一である。図3においても、ポリマーコート量が減少すると血小板除去率が増大しており、赤血球製剤からの血小板除去率に関しても、ポリマーコート量が10mg/m以下になると顕著に増大することが分かる。
図2〜図3に示されるようなポリマーコート量と血小板除去率に関する特異性は、従来知られていたものではなく、今回、本発明者らによって初めて見出されたものである。
本発明のフィルターにおいて、フィルター基材の全表面に対するポリマーの被覆率は、70%未満が好ましい。該被覆率(%)は、X線光電子分光法(XPS)によって測定され、フィルター基材の被覆部分におけるポリマーの量とフィルター基材材料の量から求められる。
本発明において被覆率とは、フィルター基材を構成する各素子の全表面に対してポリマーにより被覆された表面の割合を意味する。現状では上記のフィルター基材の全表面の被覆率を的確に測定する手段がないため、本発明においては、フィルターの全表面における被覆率をXPSによって測定し、得られた値をもってその代表値とする。ポリマーによるフィルター基材の全表面の被覆率は70%未満、好ましくは50%未満である。この点は、本発明において重要であり、本発明の目的である「高い白血球除去能と血小板除去率とを併せ持ち、赤血球製剤と全血からの白血球及び血小板除去処理に効果的に使用し得る血液処理用フィルターを提供する」するために、被覆率を70%未満、好ましくは50%未満にすることがより好ましい。被覆率が70%以上では、血小板除去率が低下するか、または血小板除去率の値のばらつきが大きくなる傾向にある。
また、被覆率が低いほど血小板除去率も高くなるため、本発明においては被覆率をできるだけ低くすることが好ましい。
このように、被覆率とフィルターの性能、特に血小板除去率に密接な関係がある理由は明らかではないが、以下のようなことが推定される。
フィルター基材の表面には、血小板を吸着させやすい部位(以降このような部位を「血小板吸着サイト」と称する)が数多く存在するので、フィルター基材の表面をポリマーで覆わずにできるだけ露出した状態で血小板とフィルター基材が接触すると、血小板がフィルター基材に吸着されやすい。
本発明の血液処理用フィルターにおける、フィルター基材の被覆率は、単色化されたX線源を用い、物体の表面から通常数10Å(オングストローム)〜100Åの深さまでの化学的な状態を測定する際に使用されるX線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy)(以降、「XPS」と称する)を用いて、以下に示すような方法によって測定することができる。
まず、XPSスペクトルにおいてフィルター基材とポリマーの存在比が最も明確に反映される元素または部分構造を選択する。この元素または部分構造は、フィルター基材とポリマーの構造の差、例えば、
・ フィルター基材にはある元素が含まれ、ポリマーには含まれない。
・ ある共通の部分構造の存在比が、フィルター基材とポリマーで異なっている。などの差を参考にして、選択する。
そして、フィルター基材の標品とポリマーの標品のそれぞれについてXPSスペクトルを測定し、XPSスペクトル中に観測される、上記の選択された元素または部分構造に帰属されるピークの面積の、他の特定のピークの面積に対する比率を求め、フィルター基材についてX、ポリマー標品についてXとする。
一方、フィルター基材の表面をポリマーで被覆すると、本発明のフィルターの表面には、被覆の割合に応じてフィルター基材とポリマーが混在し、被覆率が高まるにつれ、フィルター表面におけるポリマーの存在比が増加する。この結果、上記のようなフィルターの表面のXPSスペクトルを測定すると、フィルター基材とポリマーの混合物のスペクトルが得られ、このフィルターに関しての、上記した選択された元素または部分構造に帰属されるピークの面積の、他の特定ピークの面積に対する比率Xは、XとXの中間になる。このことを利用して、フィルター表面におけるフィルター基材とコート材(ポリマー)の存在比(即ち被覆率)を定義する。
上記の方法について、フィルター基材がポリエチレンテレフタレート(以降「PET」と称する)であり、ポリマーがポリヒドロキシエチルメタクリレート(以降「PHEMA」と称する)である場合を例にとり、具体的に説明する。
PETとPHEMAはいずれも水素、炭素及び酸素から構成されているポリマーであり、PETとPHEMAのどちらか一方にしか含まれていない元素はない。従って、PETとPHEMAのどちらか一方にしか含まれていない元素の量を指標として、PET及びPHEMAの存在比を測定することはできない。そこで、化学結合の状態の異なる炭素原子の含有量の違いに着目し、PET及びPHEMAの存在比を測定する。
PET及びPHEMAを構成する炭素原子は、次の3種類に分類することができる。
a)カルボニル炭素原子
b)単結合のみによって酸素原子と直接結合している炭素原子
c)酸素原子と直接結合していない炭素原子
PETを構成する構造単位中には、カルボニル炭素原子2個、単結合のみによって酸素原子と直接結合している炭素原子2個及び酸素原子と直接結合していない炭素原子6個が含まれる。
一方、PHEMAを構成する構造単位中には、カルボニル炭素原子1個、単結合のみによって酸素原子と直接結合している炭素原子2個及び酸素原子と直接結合していない炭素原子3個が含まれる。
PET及びPHEMAのそれぞれにおいて、酸素原子と直接結合していない炭素原子と、カルボニル炭素原子の存在比(個数の比)は、いずれも3:1である。
しかし、PETにおいて、単結合のみによって酸素原子と直接結合している炭素原子と、カルボニル炭素原子の存在比(個数の比)が1:1であるのに対し、PHEMAにおいて、単結合のみによって酸素原子と直接結合している炭素原子と、カルボニル炭素原子の存在比(個数の比)は2:1である。
この比率の違いは、XPSスペクトルにおけるピーク強度比(ピーク面積比)の差として検出される。即ち、PETのXPSスペクトルにおいて、単結合のみによって酸素原子と直接結合している炭素原子に帰属されるピークの強度(面積)と、カルボニル炭素原子に帰属されるピークの強度(面積)の比が1:1であるのに対し、PHEMAのXPSスペクトルにおいて、単結合のみによって酸素原子と直接結合している炭素原子に帰属されるピークの強度(面積)と、カルボニル炭素原子に帰属されるピークの強度(面積)の比は2:1である。
一方、PET繊維から製造された不織布の表面をPHEMAで被覆すると、本発明のフィルターの表面には、被覆の割合に応じてPETとPHEMAが混在し、被覆率が高まるにつれて、フィルター表面におけるPHEMAの存在比が増加する。この結果、上記のような不織布の表面のXPSスペクトルを測定すると、PETとPHEMAの混合物のスペクトルが得られ、単結合のみによって酸素原子と直接結合している炭素原子に帰属されるピークの強度(面積)と、カルボニル炭素原子に帰属されるピークの強度(面積)の比は、PETとPHEMAの中間である。被覆率が0%のとき、ピークの強度(面積)の比は1:1となるが、被覆率が高まるにつれて2:1に近づき、被覆率が100%のとき、ピークの強度(面積)の比は2:1となる。
これを利用して、PET繊維から製造された不織布の表面をPHEMAで被覆することによって得られる本発明のフィルターに関して、被覆率を定義することができる。
PET、PHEMA及び本発明のフィルターは、XPSスペクトルにおいて概ね図4に示されるような位置にピークが観測される。図4中のピークaはカルボニル炭素原子、ピークbは単結合のみによって酸素原子と直接結合している炭素原子、ピークcは酸素原子と直接結合していない炭素原子に帰属される。
そして、PETの標品におけるピークaとピークbの面積比を1:x、PHEMAの標品におけるピークaとピークbの面積比を1:yとし、サンプルにおけるピークaとピークbの面積比を1:zとするとき、サンプルにおける被覆率は、次の式により定義される。
被覆率(%)={|z−x|/|y−x|}×100
フィルター基材とポリマーの組み合わせがPETとPHEMAの組み合わせ以外の組み合わせである場合においても、同様の方法によって被覆率を求めることができる。
本発明においては、上記のようにして求められる、フィルター表面に関しての被覆率の値を、そのフィルターにおける被覆率とする。
しかし本発明においては、フィルター表面のみならず、フィルターを構成するフィルター基材素子の全表面が(即ちフィルター内部まで)ポリマーによって被覆されていなければ、所望の性能のフィルターを得ることが困難である。それ故以下の操作を行い、フィルター内部においてもフィルター基材が均一に被覆されていることを確認する。
まず、フィルター上の1箇所を適宜選択し、選択した個所でフィルターを切断する。そして、切断面のうち、一方の表面の近傍、もう一方の表面の近傍及び2つの表面から等距離にある部位の計3箇所についてそれぞれランダムに5箇所を選択し、XPSスペクトルを得る。そして、それらのXPSスペクトルの形状が、大きく異なることなく同一であることを確認する。これによって、被覆の厚み方向の均一性を評価する。
フィルターの切断を行うとフィルターの断面においてフィルター基材が露出し、その結果フィルターの断面における被覆率が見かけ上大幅に低下する。このことのXPSスペクトルに対する影響は大きく、フィルター断面のXPSスペクトル中のポリマーのシグナル強度が低下してしまうので、フィルター断面のXPSスペクトルの形状は、フィルター表面のXPSスペクトルの形状とは異なる。また、個々のフィルター断面のXPSスペクトルの形状を比較する際、測定領域を狭める必要がある関係上、ノイズが多くなりやすく、鮮明なスペクトルを得ることが困難となるので、それらのXPSスペクトルにおけるシグナル強度比(ピーク面積比)までも比較することには意味がない。そこで、個々のフィルター断面のXPSスペクトルにおいて、同一の位置にシグナルが観測されたとき、即ち、それぞれのXPSスペクトルにおいて観測されたシグナルの化学シフトが等しいとき、スペクトルの形状が同一であると見なすものとする。
以下に、本発明の血液処理用フィルターの製造方法の例を説明する。
本発明の血液処理用フィルターは、(1)ポリマーを溶剤に溶解した溶液(以下「ポリマーコート溶液」という)をフィルター基材に被覆、または、ポリマー溶液中にフィルター基材を浸漬した後、(2)機械的な圧縮、重力、遠心分離、ガスによる吹き飛ばし、あるいは、減圧吸引などによって余剰の溶液をフィルター基材から除去してから、または、非溶剤に浸漬して脱溶剤してから乾燥することにより製造される。
コーティング(被覆)の前に、ポリマーとフィルター基材との接着をよくするために、フィルター基材の表面をγ(ガンマー)線照射、UV(紫外線)照射、コロナ放電、プラズマ処理、または化学薬品等を用いて酸化することも有効である。また、コーティングの後でガス中、または液体中で熱処理することにより、フィルター基材とポリマーとの接着を強めたり、ポリマー内で架橋反応を起こさせてコーティング層を安定化させたりすることもできる。尚、コーティングはフィルター基材を形成する時に同時に行っても良いし、成型後に行っても良い。
フィルター基材にポリマー溶液をコーティングする方法としては、フィルター基材に所望のコート量よりも余分にコーティングしておいた後に規定のコート量に減少させる後計量法、及びフィルター基材にコーティングする前にあらかじめ所望のコート量になるように計量しておいたポリマー溶液をフィルター基材に転移させる前計量法があるが、いずれでも良い。
コーティング後の乾燥方法としては、乾燥気体中または減圧雰囲気中で、常温で、または、加熱しながら乾燥するなどの方法が用いられる。
ポリマーの溶解に用いられる溶剤は、例えば、ポリマーが2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートからなる共重合体であればエチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;メタノール、エタノール、n(ノルマル)−プロピルアルコール、イソ−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t(ターシャリー)−ブチルアルコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド及びメチルセルソルブ等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。また、それらに水を添加したものを用いることもできる。
本発明の血液処理用フィルターのフィルター基材としては、メルトブロー法やフラッシュ紡糸法あるいは抄造法等により作製された不織布の他、紙、織布、メッシュ及び高分子多孔質体などの公知のフィルター材料のいずれの形態であっても良いが、不織布は特に好適な形態である。尚、ここで不織布とは、編織によらずに繊維あるいは糸の集合体が、化学的、熱的、または機械的に結合された布状のものをいう。
繊維素材としては、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン等の合成繊維や、セルロース、セルロースアセテート等の再生繊維などを例示することができる。
不織布及び織布からなるフィルター基材であれば、その平均繊維直径は0.3μm〜10μm、好ましくは0.3μm〜3μm、さらに好ましくは0.5μm〜1.8μmである。平均繊維直径が0.3μm未満の場合には、血液を濾過する際の圧力損失が高すぎて実用的でない恐れがあり、逆に10μmを超えると繊維と白血球との接触確率が低すぎるために、本発明の白血球除去が充分に発揮されない恐れがある。
なお、ここで平均繊維直径とは、フィルター基材を構成する不織布または織布から一部をサンプリングし、電子顕微鏡写真により測定した平均直径である。この平均繊維直径は以下の手順に従って求められる値をいう。
すなわち、フィルター基材である不織布または織布から実質的に均一と認められるフィルター基材の一部をサンプリングし、走査電子顕微鏡などを用いて、写真に撮る。サンプリングに際しては、フィルター基材を一辺が0.5cmの正方形によって区分し、その中から6箇所をランダムサンプリングする。ランダムサンプリングするには、例えば上記各区分に番地を設定した後、乱数表を使うなどの方法で、必要個所の区分を選べば良い。また、初めにサンプリングした3区分は、一方の面(便宜上以下A面と呼ぶ)について、また、残りの3区分は他方の面(便宜上以下B面と呼ぶ)について、その中央部分を拡大倍率2,500倍で写真に撮る。サンプリングした各区分について中央部分及びその近傍の個所の写真を撮って行き、その写真に撮られた繊維の合計本数が100本を超えるまで写真を撮る。このようにして得た写真について、写っている全ての繊維の直径を測定する。ここで直径とは、繊維軸に対して直角方向の繊維の幅をいう。測定した全ての繊維の直径の和を、繊維の数で割った値を平均直径とする。但し、複数の繊維が重なり合っており、他の繊維の陰になってその幅が測定できない場合、また、複数の繊維が溶融するなどして、太い繊維になっている場合、更に著しく直径の異なる繊維が混在している場合、等々の場合には、これらのデータは削除する。また、A面とB面とで明らかに平均繊維直径が異なる場合には、もはやこれを単一なフィルター基材とは認めない。ここで「明らかに平均繊維直径が異なる」とは、統計的に有意差が認められる場合をいう。この場合は、A面側とB面側とを異なるフィルター基材としてとらえ、両面の境界面を見つけた後、両者の平均繊維直径を別々に測定し直す。
また、不織布又は織布からなるフィルター基材の空隙率は、50%以上95%未満が好ましく、より好ましくは70%以上90%未満である。空隙率が50%未満の場合には血液の流れが悪く、また95%以上ではフィルター基材の機械的強度が弱いため適さない。空隙率の測定は、所定の面積に切断したフィルター基材の乾燥時の重量(W1)を測定し、さらに厚みを測定して体積(V)を算出する。このフィルター基材を純水中に浸漬し、脱気した後含水したフィルター基材の重量(W2)を測定する。これらの値から以下に示す算出式により空隙率が求められる。
なお、下記の算出式中のρは純水の密度である。
空隙率(%)=(W2−W1)×100/ρ/V
高分子多孔質体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリビニルホルマール、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、セルロース、セルロースアセテート、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドなどの多孔質体を例示することができる。
高分子多孔質体は、平均気孔径が1μm〜60μm、好ましくは1μm〜30μm、より好ましくは1μm〜20μmである。1μm未満では血液等の白血球及び血小板含有液の流れが悪く、60μmを超えると多孔質体と白血球との接触確率が低すぎるために白血球の除去率が低くなり、好ましくない。ここでいう平均気孔径とは、ASTM F316−86に記載されているエアーフロー法に準じてPOROFIL(COULTER ELECTRONICS LTD.製)液中にて測定した平均孔径を示す。
本発明の製造方法を用いて得られた血液処理用フィルターは、通常公知の血液の入口と出口を有する適当な血液濾過用のフィルター基材容器に充填して使用することが可能である。
本発明のフィルターは、その厚みによって異なるが、1枚で用いても良いし、複数枚重ねて用いても良い。重ねる枚数としては血液濾過条件によって異なり臨界的ではないが、通常数枚から数十枚が用いられる。また、フィルター基材が織布または不織布の場合、他の繊維からなるフィルター基材を重ねて用いることも可能である。
また、フィルターを複数枚重ねて用いる場合、赤血球製剤あるいは全血から白血球と血小板を効率良く除去するためには、ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいてピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の量が20%以下である分子量分布を有するポリマーにより、フィルター基材のうち少なくとも最も孔径の小さい又は繊維径の小さいフィルター基材を用いているフィルター(メインフィルター)が、被覆されていることが好ましく、全てのフィルターが該ポリマーで被覆されていることがより好ましい。
孔径あるいは繊維径の異なる複数のフィルター基材を組み合わせた場合のフィルター基材に対するポリマーのコート量は、同一の孔径あるいは繊維径のフィルター基材を単独(1枚)あるいは複数(枚)をまとめて測定し、同一の孔径あるいは繊維径のフィルター基材ごとに算出する。
異なる種類のフィルター基材を複数枚重ねて用いる場合に、フィルターコート量がフィルター基材全表面単位面積当たり0.5〜10mg/mであるとは、最も孔径の小さい又は繊維径の小さいフィルター基材を用いているフィルター(メインフィルター)のコート量がその範囲内であることが必要である。
[発明を実施するための最良の形態]
以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらになんら限定されるものではない。
<被覆率の測定方法>
各種の測定は、以下の方法によって行った。
1)フィルター基材表面のポリマー被覆率の測定方法
ポリマーで被覆されたフィルター基材表面の被覆率の測定は、フィルターを約1cm四方に切断したサンプルについて行った。
フィルム状又は板状のPET(ポリエチレンテレフタレート)標品、紛体をペレット状に押し固めたポリマー(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート共重合体、又は2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート共重合体)標品を準備した。解析は、X線電子スペクトル(XPS)装置(日本国(株)島津製作所製 AXIS−Ultra)、及びX線源:Al Kα単色化光源(300W)を用いて、Narrow Scan:10eVのPass Energy及び分析面積700μm×300μm、帯電中和有りの条件にて行った。
図4に、上記解析で得られた、Binding Energy(eV)に対する強度(Intensity)(a.u.)(angstrom unit)のNarrow ScanX線光電子スペクトルの一例を示す。
2)ピーク分離の詳細
ピーク分離にはThe Eclipse Datasystem Version 2.1(英国Fisons Surface System社製)のソフトウエアを用いた。
手順1.図4のX線光電子スペクトルに示されたa〜cの3つのピークが入るようにピーク分離の面積を規定し、Shirley法でバックグランドを除去した。
手順2.図4のa(O−=O結合中の下線を付した炭素由来)、b(C−−O結合中の下線を付した炭素由来)、c(C−−C結合又はC−結合中の下線を付した炭素由来)のピークに相当するそれぞれ3つのGaussiian/Lorentzian混合ピークを指定し、ピークセンター、ピーク高さ、半値幅、Gaussiian/Lorentzian混合比、をピーク分離のパラメータとした。
手順3.minimum Chi−Square法でピーク分離を実施し、ピークaとピークbの面積比を求めた。ここで、ピーク分離に以下の制限を加えた。
▲1▼サンプルにおけるピークaとピークbの半値幅の差は、PET標品におけるピークaとピークbの半値幅の差±0.1eVの範囲内とした。
▲2▼ピークaとピークbのGaussiian/Lorentzian混合比は0.2〜0.5の範囲とし、但しピークbのGaussiian/Lorentzian混合比は(ピークaの値)±0.15とした。ピークcのGaussiian/Lorentzian混合比は0.2〜0.55の範囲とした。
手順4.PET標品におけるピークaとピークbの面積比を1:x、ポリマーの紛体をペレット状に成形したポリマー標品におけるピークaとピークbの面積比を1:yとし、サンプルにおけるピークaとピークbの面積比を1:zとした時の、そのサンプルの被覆率を次の式より計算した。
被覆率(%)={|z−x|/|y−x|}×100
なお、測定に用いたフィルターのサンプルは、残溶剤量が1ppm以下で厚みが0.1mm以上のものを使用した。
3)フィルター基材の厚み方向における被覆率の差の測定方法
Narrow Scan:40eVのPass Energy及び分析面積27μmφの解析条件にした以外は、上記1)で説明した「フィルター基材表面の被覆率の測定方法」と同様な測定条件にて行った。
測定個所は、フィルターの一方の面の表面近傍の断面部分と他方の面の表面近傍の断面部分、及びフィルターの両表面の中間に位置する断面部分であり、それぞれランダムに選んだ5箇所を測定した。
以下の実施例及び比較例において、実施例1−1〜1−8、および比較例1−1〜1−3は、赤血球製剤処理に関するもの、実施例2−1〜実施例2−7、及び比較例2−1〜2−4は、全血処理に関するもの、参考例1及び2は用いたポリマーの溶出物試験に関する例である。
<実施例1−1>
(ポリマーコート溶液の調整)
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート97モル%とジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート3モル%からなる共重合体(重量平均分子量570,000、塩基性窒素原子の含量0.32重量%、非イオン性親水基97モル%、塩基性窒素原子の量3モル%、ピークトップ分子量3.75×10、低分子量成分の含有量26.0%)からなる重合溶液(共重合体濃度39重量%、エタノール溶液)に4倍体積量のエタノールを加えて40℃にて均一に溶解した。この溶液を25℃の室温下で12時間放置することにより熱誘起相分離法にて液液相分離した後、ポリマー濃厚相溶液(共重合体濃度31重量%)のみを分別回収した。
得られたポリマー濃厚相溶液には、塩基性窒素原子の含量0.32重量%、非イオン性親水基97モル%、塩基性窒素原子の量3モル%、ピークトップ分子量3.92×10、低分子量成分の含有量14.5%の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート共重合体が溶解していることが確認され、液液相分離精製によりポリマー中の低分子量成分が低減していることが明らかとなった。
このポリマー濃厚相溶液にエタノールを加えた後40℃の温度で溶解して、共重合体濃度0.06重量%の均一なポリマーコート溶液を調整した。
(コーティング)
図5に示す装置を用いて、ポリマーのコーティングを行った。図5における符号は次のとおりである。
1:フィルター基材供給ロール
2:ポリマー溶液コーティング槽
3:ポリマー溶液保温用恒温槽
4:ロール
5:ニップ用ロール
6:フィルター巻き取り用ロール
7:フィルター基材
8:ポリマー溶液
9:含浸ロール
10:恒温槽内の温調水
11:乾燥する手段(低温側)
12:乾燥する手段(高温側)
図5の装置を用いて、平均繊維直径1.2μmのポリエチレンテレフタレート繊維よりなる不織布(40g/m目付、空隙率79%、厚さ0.25mm、密度0.16g/cm、巾300mm、比表面積2.01m/g)30mを連続的に上記40℃の溶液に浸漬した後、間隙が0.13mmであるロール間を通過させることによりニップした。不織布は、40℃の第1乾燥室内(風速15m/秒)を3m通過させて、60℃の第2乾燥室内(風速15m/秒)を3m通過させた後巻き取った。ライン速度は、3m/分に固定した。第1乾燥室通過直後の残エタノール量は11%であった。また、巻き取り時の残エタノール量は1%以下であり、巻き取り後にフィルター同士が接着することはなく、効率良く生産することができた。フィルター中のポリマーのコート量は0.62mg/mで、被覆率は20%であった。
(血液評価)
このようにして製造したフィルターから任意に選んだ一部を63mm×63mmの正方形状に切断したものを36枚重ねて、血液の導入口と導出口を有する容器に、充填密度が約0.23g/cmとなるように充填した。フィルターの有効濾過断面積は60mm×60mm=3,600mmであり、厚みは8mmであった。
赤血球製剤には、CPD液(citrate−phosphate−dextrose)を血液450mLに対して63mL添加したヒトの全血513mL(25℃)から、採血後8時間以内に遠心分離によって多血小板血漿を除去し、赤血球保存液としてSAGM(saline−adenine−glucose−mannitol)を加えた濃厚赤血球製剤(ヘマトクリット60%)270mLを用いた。
上記フィルターを用い、上記の濃厚赤血球製剤を、落差70cmで濾過した。濾過中の血液処理速度は、25mL/分に調整した。血液バッグ内に血液がなくなるまで濾過を行ない、濾過した血液を回収した。
濾過前の製剤(以下、濾過前液という)、及び回収された製剤(以下、回収液という)の白血球濃度と、濾過前液の体積及び回収液の体積を測定し、以下の式に従って白血球除去能を求めた。
Figure 0004115839
なお、濾過前液及び回収液の体積は、それぞれの重量を血液製剤の比重で割った値とした。濾過前液及び回収液の白血球濃度の測定は、以下に示す方法によって行なった。液600μLを既知数の蛍光ビーズが入ったTruCOUNT試験管に添加した。更にLeucoCOUNT試薬2,400μLを試験管に加え、緩やかに混和した。室温暗所にて、5分間インキュベートした。このように調整したTruCOUNT試験管を10本連続でフローサイトメーター(FACSCalibur HG 日本国日本ベクトンディッキソン(株)製)で測定した。また、LuecoCOUNT試薬とTruCOUNT試験管はLeucoCOUNTキット(日本国日本ベクトンディッキソン(株)製 BD−340523)を用いた。
また、製剤中の血小板の濃度は、多項目自動血球計数装置(日本国SYSMEX社製 K−4500)にてストマライザー(日本国SYSMEX社製)を溶血剤に用いて測定し、血小板除去率は次式により算出した。
Figure 0004115839
このフィルターの血液評価を3回行い平均値として表1に示した。白血球選択除去フィルターでは、白血球除去能5Log以上の性能が求められており、白血球除去能において高い性能が得られることが分かった。
また、血小板除去率においても95%以上の高い除去性能が得られた。
<実施例1−2>
実施例1−1で用いたポリマー濃厚相溶液にエタノールを加えて、共重合体濃度1.25重量%のポリマーコート溶液を用いた以外は、実施例1−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は9.55mg/m、被覆率は50%であった。
この時の血液評価結果を表1に示す。高い白血球除去能が得られた。また、血小板除去率においても95%以上の高い除去性能が得られた。
<実施例1−3>
実施例1−1で用いた不織布の代わりに平均繊維直径1.2μmのポリ(トリメチレンテレフタレート)繊維よりなる不織布(40g/m目付、空隙率75%、厚さ0.23mm、密度0.17g/cm、巾300mm、比表面積1.98m/g)を用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は0.54mg/m、被覆率20%であった。
この時の血液評価結果を表1に示す。高い白血球除去能が得られた。また、血小板除去率においても95%以上の高い除去性能が得られた。
<実施例1−4>
実施例1−1で用いたポリマー濃厚相溶液の代わりに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート95モル%とジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート5モル%からなる共重合体(ピークトップ分子量4.08×10、低分子量成分の含有量9.9%、塩基性窒素原子の含量0.53重量%、非イオン性親水基95モル%、塩基性窒素原子の量5モル%)からなるポリマー濃厚相溶液(共重合体濃度30重量%)を用いた以外は、実施例1−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は0.72mg/m、被覆率は20%であった。
ここで、ピークトップ分子量4.08×10、低分子量成分の含有量9.9%の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート共重合体からなるポリマー濃厚相溶液は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート95モル%とジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート5モル%からなる共重合体(重量平均分子量650,000、塩基性窒素原子の含量0.53重量%、非イオン性親水基95モル%、塩基性窒素原子の量5モル%、ピークトップ分子量3.62×10、低分子量成分の含有量21.2%)からなる重合溶液(共重合体濃度41重量%、エタノール溶液)を用いて実施例1−1と同様な方法により得られた。この液液相分離精製によりポリマー中の低分子量成分が低減していることが明らかとなった。
この時の血液評価結果を表1に示す。高い白血球除去能が得られた。また、血小板除去率においても95%以上の高い除去性能が得られた。
<実施例1−5>
実施例1−1で用いたポリマー濃厚相溶液の代わりに、ピークトップ分子量3.82×10、低分子量成分の含有量12.4%の実施例1−1と同一の化学組成からなる共重合体(塩基性窒素原子の含量0.32重量%、非イオン性親水基97モル%、塩基性窒素原子の量3モル%)からなるポリマー濃厚相溶液(共重合体濃度40重量%)を用いた以外は、実施例1−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は0.68mg/m、被覆率は20%であった。
ここで、ピークトップ分子量3.82×10、低分子量成分の含有量12.4%の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート共重合体からなるポリマー濃厚相溶液は、実施例1で用いた精製前の重合溶液に2倍体積量のエタノールを加えて、40℃にて均一に溶解した後、均一に攪拌しながら重合溶液に対して0.033倍体積量のn−ヘキサンを少量ずつ滴下することにより非溶剤誘起相分離法により液液相分離してポリマー濃厚相溶液のみを分別回収することにより得られた。この液液相分離精製によりポリマー中の低分子量成分が低減していることが明らかとなった。
この時の血液評価結果を表1に示す。高い白血球除去能が得られた。また、血小板除去率においても95%以上の高い除去性能が得られた。
<実施例1−6>
実施例1−1で用いたポリマー濃厚相溶液の代わりに、ピークトップ分子量3.80×10、低分子量成分の含有量18.9%の実施例1−1と同一の化学組成からなる共重合体(塩基性窒素原子の含量0.32重量%、非イオン性親水基97モル%、塩基性窒素原子の量3モル%)からなるポリマー濃厚相溶液(共重合体濃度28重量%)を用いた以外は、実施例1−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は0.58mg/m、被覆率は20%であった。
ここで、ピークトップ分子量3.80×10、低分子量成分の含有量18.9%の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート共重合体からなるポリマー濃厚相溶液は、実施例1−1で用いた精製前の重合溶液に3倍体積量の純水を加えて40℃にて均一に溶解した後、15℃に調整した室温下で12時間放置することによる熱誘起相分離法と非溶剤誘起相分離法の組み合わせで液液相分離することによりポリマー濃厚相溶液(共重合体濃度28重量%)のみを分別回収することにより得られた。この液液相分離精製によりポリマー中の低分子量成分量が低減していることが明らかとなった。
この時の血液評価結果を表2に示す。高い白血球除去能が得られた。また、血小板除去率においても95%以上の高い除去性能が得られた。
<比較例1−1>
実施例1−4で用いたポリマー濃厚相溶液の代わりに、ピークトップ分子量3.62×10、低分子量成分の含有量20.6%の実施例1−4と同一の化学組成からなる共重合体(塩基性窒素原子の含量0.53重量%、非イオン性親水基95モル%、塩基性窒素原子の量5モル%)を用いた以外は、実施例1−1と同様な操作を行った。
この時の血液評価結果を表2に示す。また、フィルター中のポリマーのコート量は0.50mg/m、被覆率20%であった。
ここで、ピークトップ分子量3.62×10、低分子量成分の含有量20.6%の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート共重合体は、実施例1−4で用いた精製前の重合溶液を約20倍体積量の純水中に均一に攪拌しながら少量ずつ滴下して析出させることにより再沈精製し、更に該析出物を40℃にて真空乾燥することにより得た。白血球除去能が5Logを下回る結果となった。
<比較例1−2>
実施例1−1で用いたポリマー濃厚相溶液にエタノールを加えて、共重合体濃度0.04重量%のポリマーコート溶液を用いた以外は、実施例1−1と同様な操作を行った。
この時の血液評価結果を表2に示す。3回行った血液評価の結果、白血球除去能のばらつきが大きく、平均した結果5Logを下回る結果となった。また、フィルター中のポリマーのコート量は0.40mg/m、被覆率は20%であった。
<比較例1−3>
実施例1−1で用いたコートフィルターの代わりにポリマー未コートのフィルター基材そのものを用いた以外は、実施例1−1と同様な操作を行った。
この時の血液評価結果を表2に示す。3回行った血液評価の結果、白血球除去能のばらつきが大きく、平均した結果5Logを下回る結果となった。
<実施例2−1>
血液評価に用いた血液が全血である以外は、実施例1−1と同様な操作を行った。
すなわち、実施例1−1と同じ方法により、ポリマーコート溶液を調整しコーティングすることによってフィルターを作成した。実施例1−1と同様、低分子量成分の含有量は14.5%、ポリマーコート量0.62mg/m、被覆率20%であった。フィルターには、赤血球製剤に代えて、CPD液(citrate−phosphate−dextrose)を血液450mLに対して63mL添加したヒトの1日保存全血513mLから270mLをフィルターに濾過した以外は、実施例1−1と同様に血液評価を行った。
このフィルターの血液評価を3回行い平均値として表3に示す。白血球除去能5Log以上の結果が得られており、白血球除去能において高い性能が得られることが分かった。
<実施例2−2>
実施例2−1で用いたポリマー濃厚相溶液にエタノールを加えて、共重合体濃度1.25重量%のポリマーコート溶液を用いた以外は、実施例2−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は8.96mg/m、被覆率は50%であった。
この時の血液評価結果を表3に示す。白血球除去能および血小板除去率共に高い結果が得られた。
<実施例2−3>
実施例2−1で用いた不織布の代わりに平均繊維直径1.2μmのポリ(トリメチレンテレフタレート)繊維よりなる不織布(40g/m目付、空隙率75%、厚さ0.23mm、密度0.17g/cm、巾300mm、比表面積1.98m/g)を用いた以外は実施例2−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は0.65mg/m、被覆率は20%であった。
この時の血液評価結果を表3に示す。白血球除去能および血小板除去率共に高い結果が得られた。
<実施例2−4>
実施例2−1で用いたポリマー濃厚相溶液の代わりに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート95モル%とジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート5モル%からなる共重合体(ピークトップ分子量4.08×10、低分子量成分の含有量9.9%、塩基性窒素原子の含量0.53重量%、非イオン性親水基95モル%、塩基性窒素原子の量5モル%)からなるポリマー濃厚相溶液(共重合体濃度29重量%)を用いた以外は、実施例2−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は0.60mg/m、被覆率は20%であった。
この時の血液評価結果を表3に示す。白血球除去能および血小板除去率共に高い結果が得られた。
<実施例2−5>
実施例2−1で用いたポリマー濃厚相溶液の代わりに、ピークトップ分子量3.82×10、低分子量成分の含有量12.4%の実施例1−1と同一の化学組成からなる共重合体(塩基性窒素原子の含量0.32重量%、非イオン性親水基97モル%、塩基性窒素原子の量3モル%)からなるポリマー濃厚相溶液(共重合体濃度40重量%)を用いた以外は、実施例2−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は0.68mg/m、被覆率50%であった。
この時の血液評価結果を表3に示す。白血球除去能および血小板除去率共に高い結果が得られた。
<実施例2−6>
実施例2−1で用いたポリマー濃厚相溶液の代わりに、ピークトップ分子量3.80×10、低分子量成分の含有量12.9%の実施例1−1と同一の化学組成からなる共重合体(塩基性窒素原子の含量0.32重量%、非イオン性親水基97モル%、塩基性窒素原子の量3モル%)からなるポリマー濃厚相溶液(共重合体濃度28重量%)を用いた以外は、実施例2−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は0.62mg/m、被覆率は20%であった。
この時の血液評価結果を表4に示す。白血球除去能および血小板除去率共に高い結果が得られた。
<実施例2−7>
実施例2−1で用いたポリマー濃厚相溶液にエタノールを加えて、共重合体濃度0.50重量%のポリマーコート溶液を用いた以外は、実施例2−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は4.58mg/m、被覆率は40%であった。
この時の血液評価結果を表4に示す。白血球除去能および血小板除去率共に高い結果が得られた。
<比較例2−1>
実施例2−1で用いたポリマー濃厚相溶液の代わりに、ピークトップ分子量3.62×10、低分子量成分の含有量20.6%の実施例1−1と同一の化学組成からなる共重合体(塩基性窒素原子の含量0.53重量%、非イオン性親水基97モル%、塩基性窒素原子の量5モル%)を用いた以外は、実施例2−1と同様な操作を行った。フィルター中のポリマーのコート量は0.58mg/m、被覆率20%であった。
この時の血液評価結果を表4に示す。3回行った血液評価の結果、血小板除去率のばらつきが大きく、平均した結果95%を下回る結果となった。
<比較例2−2>
実施例2−1で用いたポリマー濃厚相溶液にエタノールを加えて、共重合体濃度0.04重量%のポリマーコート溶液を用いた以外は、実施例2−1と同様な操作を行った。この時の血液評価結果を表4に示す。3回行った血液評価結果、白血球除去能のばらつきが大きく、平均した結果5Logを下回る結果となった。また、フィルター中のポリマーのコート量は0.40mg/m、被覆率は20%であった。
<比較例2−3>
実施例2−1で用いたコートフィルターの代わりにポリマー未コートのフィルター基材そのものを用いた以外は、実施例2−1と同様な操作を行った。この時の血液評価結果を表4に示す。3回行った血液評価の結果、白血球除去能のばらつきが大きく、平均した結果5Logを下回る結果となった。
【表1】
Figure 0004115839
【表2】
Figure 0004115839
【表3】
Figure 0004115839
【表4】
Figure 0004115839
<参考例1>
共重合体濃度3重量%のポリマーコート溶液を用いた以外は、実施例1−4と同様にしてコート量73mg/mのフィルターを得た。得られたフィルターを「滅菌済み輸血セット基準(平成10年12月11日医薬発第1079号)」のゴム製の材料に対する溶出物試験に準拠して評価した。その結果、過マンガン酸カリウム還元性は、消費量の差が0.21mL、蒸発残留物は0.05mgであった。
<参考例2>
比較例1−1で用いたポリマーを用いた以外は、参考例1と同様にしてコート量71mg/mのフィルターを得た。同様の溶出物試験を実施した結果、過マンガン酸カリウム還元性は、消費量の差が0.36mL、蒸発残留物は0.20mgであった。
参考例1、2の比較より、本発明で用いられるフィルターからの溶出量が少なく、より安全性に優れている事が分かる。
[産業上の利用の可能性]
本発明の血液処理用フィルターを用いると、赤血球製剤あるいは全血から、血漿及び赤血球の損失を低く抑えながら、輸血後の種々の副作用の原因となる白血球と血小板を効率よく選択除去できる。本発明の血液処理用フィルターは、医薬用途、医療用途及び一般工業用途のための血液製剤の製造に極めて有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の血液処理用フィルターの製造において用いられるポリマーの分子量分布を示すグラフであり;
図2は、本発明の血液処理用フィルターのポリマーコート量と、全血からの血小板除去率との関係を示すグラフであり;
図3は、本発明の血液処理用フィルターのポリマーコート量と、赤血球製剤からの血小板除去率との関係を示すグラフであり;
図4は、本発明の血液処理用フィルターのX線光電子スペクトル(XPS)の一例であり;
図5は、本発明の血液処理用フィルターを製造するための装置の一例を示す正面図である。

Claims (7)

  1. 赤血球製剤または全血製剤から白血球及び血小板を除去するためのフィルターであって、ポリマーで被覆されたフィルター基材を包含し、該ポリマーは、該フィルター基材全表面単位面積当たり0.5〜10mg/m含有され、該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率が20%以下である分子量分布を有することを特徴とするフィルター。
  2. フィルター基材の全表面に対するポリマーの被覆率が70%未満であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター。
  3. ポリマーが非イオン性親水基と塩基性含窒素官能基とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルター。
  4. ポリマーの重量平均分子量が300,000〜3,000,000であることを特徴とする請求項1〜3に記載のフィルター。
  5. フィルター基材が熱可塑性ポリマーからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルター。
  6. フィルター基材が不織布であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフィルター。
  7. 未反応モノマー及び低重合体を含有するポリマー及び1種類以上の溶剤からなるポリマー溶液を熱誘起相分離法及び/又は非溶剤誘起相分離法によってポリマー濃厚相溶液とポリマー希薄相溶液とに液液相分離した後、分別回収したポリマー濃厚相溶液を溶剤で希釈してフィルター基材に被覆することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフィルターの製造方法。
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