JP4115601B2 - 空気入りタイヤの生産システム及びこのシステムにおける生産設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤの生産システム、より詳細には空気入りタイヤの未加硫部材を組立てて未加硫タイヤとする成型工程と、この未加硫タイヤに加硫成型を施す加硫工程との間で、単位時間当りのタイヤ生産能力につき、組立て成型能力が加硫成型能力を大幅に上回る工程間の加工速度差を有する空気入りタイヤの生産システムに関し、特に、加硫成型待ちの未加硫タイヤの中間在庫をほぼゼロに等しくすることができ、これにより空気入りタイヤ生産のための中間材料、中間製品などの中間在庫を皆無に等しくすることが可能で、かつ成型工程と加硫工程との双方で高度な生産性を発揮させることが可能な空気入りタイヤの生産システム及びこの生産システムを実用上有利に実現することが可能な生産設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤ、特に空気入りラジアルタイヤを生産するに際の生産性は、多数に及ぶタイヤの未加硫部材を組立てる成型作業の工程能力の高低が左右するとして、これまで成型作業の工程能力向上について数多くの改善手段が講じられてきて、その結果、現在の成型能力は往時に比し格段に向上し、換言すれば1本の未加硫タイヤ成型のサイクルタイムは著しく短縮されている。
【0003】
この成型能力向上に対し加硫成型能力の向上にも格別の意が注がれ、加硫機自体や加硫金型(以降単に金型という)に対する改善の推進はもとより、加硫時間短縮のため、タイヤの品質を保持した上で未加硫タイヤに対するより一層の高温度加硫の研究開発が進められてきた結果、現在ではタイヤ1本当りの加硫成型サイクルタイムも以前に比べ著しく短縮されている。
【0004】
上述した生産性向上手段は主として多量生産を常とする乗用車用ラジアルプライタイヤ(以下PSRタイヤと略記する)やトラック及びバス用ラジアルプライタイヤ(以下TBRタイヤと略記する)の生産を対象として推進され、その結果として得られた生産性向上成果は、この種のPSRタイヤやTBRタイヤに止まらず、その他のタイヤ種にも応用し適用されているのは言をまたない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特にPSRタイヤやTBRタイヤなど比較的小型〜中型サイズのタイヤについては、未加硫タイヤ1本当りの成型サイクルタイムと、未加硫タイヤ1本当りの加硫成型サイクルタイムとの間に大きな開きが生じているのが現状であり、加硫成型サイクルタイムが成型サイクルタイムを大幅に上回り、これらサイクルタイムの比は5倍以上に及ぶ。
【0006】
この現状の下では、敢えて未加硫タイヤ成型機でのサイズ切替え乃至品種切替えを頻繁に行い、これら切替えに要する時間を含めて一基の成型機が成型する未加硫タイヤの成型サイクルタイムの平均値を高めるか、又は未加硫タイヤの在庫時間が長時間に及ぶこと、従って未加硫タイヤの在庫量が増加することを許容するか、いずれか一方を選択せざるを得ない。
【0007】
しかし成型機における頻繁なサイズ切替えは工場全体の生産性を著しく阻害するので、成型サイズ切替えを頻繁に行うにしても自ずと限度があり、成型機の切替えは最少限度に止めざるを得ない。なぜなら未加硫タイヤ成型の頻繁なサイズ切替えは成型の前工程での中間材料の種類の不所望な増加を招き、このことは中間材料の切替えロス、運搬ロス、管理ロスなどを生じさせ、結局、生産性の低下をもたらすばかりでなく、中間材料の一時保管のための余分な工場スペースを確保しなければならず、また中間材料の搬送手段の増加と搬送システムの煩雑化とをもたらし、タイヤ生産の自動化を阻害することとなるからである。
【0008】
しかもその一方で成るべく少ない金型面数で未加硫タイヤに加硫成型を施すことが得策とされている。なぜなら、PSRタイヤ用金型やTBRタイヤ用金型には、タイヤの品質確保の上でいわゆるセグメンタルモールド又は割りモールドと呼ばれる金型の適用が必要であり、この形式のモールドは、タイヤの主としてトレッド部外輪郭を形成するための多分割トレッドモールドと、タイヤの一対のサイドウォール部からビード部に至る部分を形成する上下サイドモールドとを有する金型本体部並びに多分割トレッドモールドの外周でこれらを金型中心軸心に関し半径方向に出入り移動させるためのセグメント及びコンテナリングと、トッププレートとを備えるコンテナを有し、割りモールドはそれまで用いていた二つ割り上下合わせ金型に比し複雑な構造を有するため著しく高価となり、なかでもPSRタイヤのトレッド模様は手が混んでいて複雑なためより一層高価につく上、金型本体部交換に多大な工数を要するからである。
【0009】
以上述べた理由に由来して、結局、加硫成型待ちの未加硫タイヤが相当多数本に及ぶのは避けがたく、そのため工場内に加硫成型待ちの未加硫タイヤの中間在庫を保管するための手段、例えば未加硫タイヤ保管・保持用台車又はフックコンベヤなどを要し、時には一時保管のための倉庫も必要となり、それら台車やフックコンベヤ、倉庫などなどのための余分なスペース確保も必要となり、加えて保管の間に未加硫タイヤに欠陥が生じないような余分な手段を適用して加硫後タイヤの品質を確保する必要も生じ、ときに或る種のタイヤでは加硫成型待ちの間に欠陥が生じることもある。
【0010】
従ってこの出願の請求項1に記載した発明は、上述した各種の不利な点をもたらす成型サイズ切替え数を大幅に低減させて成型工程でのタイヤ1本当りの成型サイクルタイム平均値を高水準に保持させ、かつ加硫成型工程での遊び時間を最小限度に抑えて実際上の加硫サイクルタイム平均値を可能な限り短縮してタイヤの生産性を大幅に向上させ、一方未加硫タイヤの中間在庫量をほぼゼロにするかゼロに近い値にする空気入りタイヤの生産システムの提供を目的(前者)とし、
この出願の請求項2〜7に記載した発明は、上記の生産システムを実際上有利に実現するための生産設備の提供を目的(後者)とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記前者の目的を達成するため、この出願の請求項1に記載した発明は、空気入りタイヤの未加硫部材を組立てる成型工程での未加硫タイヤ1本当りの成型サイクルタイムに対する、該未加硫タイヤに加硫成型を施す加硫工程での空気入りタイヤ1本当りの加硫サイクルタイムの比の値が5以上である加工速度差を有する空気入りタイヤの生産システムにおいて、
一台又は1ユニットのタイヤ成型機と、該成型機が成型する未加硫タイヤの単位時間当りの成型本数とほぼ同等以上の加硫成型能力を有する面数の加硫用金型を装着した複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットとを対とし、この対をなすタイヤ生産装置の一対以上を一連のタイヤ生産ラインとして形成して成ることを特徴とする空気入りタイヤの生産システムである。
【0012】
ここに上記単位時間は任意に設定するものとし、30分でも1時間でも良く、要は単位時間当りの成型本数は必ずしも自然数とは限らず、小数点が付く場合が多く、よって未加硫タイヤを中間在庫としないためには小数点が付く単位時間当りの成型本数とほぼ同等以上の加硫成型能力を有する面数の金型を複数台の加硫機群に装着するものである。
【0013】
ここに前記後者の目的を達成するため、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した空気入りタイヤの生産システムに適用する複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットと、その付属設備とを有する生産設備において、
多面数の金型を装着した複数台の加硫機群と、
多数面の金型を保管する金型保管設備及び各加硫機への装着直前の金型の余熱室と、
金型交換ステーション及び金型交換台車のいずれか一方を備える金型交換手段と、
金型保管設備と金型余熱室との間を結ぶ経路及び金型余熱室と金型交換手段との間を結ぶ経路それぞれの経路に沿って金型を搬送する金型搬送手段とを有することを特徴とする空気入りタイヤの生産設備である。
【0014】
請求項2に記載した発明の好適実施形態は、請求項3に記載した発明のように、金型保管設備は金型予熱室を付帯設備として有し、金型保管設備と金型交換手段との間の金型搬送経路途中に金型予熱室を有するものとし、さらに請求項2、3を発展させた好適実施形態は、請求項4に記載した発明のように、金型保管設備は立体方式設備を有し、該立体方式設備内に金型予熱室を有するものである。
【0015】
また加硫機群についての好適実施形態は、請求項5に記載した発生のように、加硫機群は所定経路に沿って移動する複数台の加硫機からなり、加硫機群の移動経路途中にて加硫機からの加硫完了タイヤ取出しと、加硫完了タイヤ取出後の加硫機への未加硫タイヤ装填とを行うタイヤ取出し・装填ステーションと、未加硫タイヤ装填後の各加硫機に対しタイヤ加硫用高温高圧ガスを供給する1台以上のガス供給ステーションとを有する。
【0016】
上記とは別の加硫機群の好適実施形態は、請求項6に記載した発明のように、加硫機群は複数台の固定式加硫機からなり、各加硫機は専用のタイヤ取出し・未加硫タイヤ装填のローダ・アンローダ装置を有する。
【0017】
また請求項7に記載した発明のように、2サイズを交互成型する一台又は1ユニットの成型機と該成型機と対をなす加硫機群との間に未加硫タイヤのサイズを識別して選別する選別手段と、選別した未加硫タイヤを該当加硫機に搬送する搬送手段とを備えるのが有利である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の空気入りタイヤの生産システム及びこのシステムにおける生産設備の実施の形態例を図1〜図6に基づき説明する。
図1は、或るサイズのPSRタイヤの未加硫タイヤの在庫時間と、一つの加硫ユニット(複数台加硫機群)における未加硫タイヤに対する金型(割りモールド)の割付面数と、成型機の切替回数との関係を実際のデータに基づき立体的にあらわした説明図であり、
図2は、この発明による生産システムを構成する生産設備の一例のブロック図であり、
図3は、図2に示す生産設備とは別の生産設備例のブロック図であり、
図4〜図6は、この発明の生産システムに適用する割りモールドの左半断面図である。
【0019】
この発明は、空気入りタイヤ、特に空気入りラジアルタイヤ(以下タイヤという)の未加硫部材を組立てる成型機が1本の未加硫タイヤ(グリーンタイヤ、以下GTと略す)を仕上げるに要する成型サイクルタイムTAに対する、このGT1本を加硫機の金型1面に装填し、加硫完了後に取出すまでに要するタイヤ1本当りのサイクルタイムTBの比TB/TAの値が5以上である加工速度差を有するタイヤの生産システムに関するものであり、このことを図1に示すPSRタイヤの金型割付面数を例として以下説明する。なおここにいう金型はコンテナを含む割りモールドを指し、以下同じである。
【0020】
図1には、金型割付面数の金型を用いてGTを加硫成型するPSRタイヤ1本当りのサイクルタイムTBの、GT1本の成型サイクルタイムTAに対する比TB/TAの値が約12であるケースを示す。図1において、x軸は1日の24時間における成型切替回数、y軸は金型割付面数、z軸(縦軸)は成型完了後におけるGTの在庫時間をそれぞれ示す。なおタイヤ生産は1日24時間のフル操業により実施する。
【0021】
図1の曲線群は、金型の面数(2面〜12面)をパラメータとして、1日の24時間(以下同じ)での成型サイズ切替回数とGT在庫時間との関係をあらわす。例えば一台乃至1ユニットの成型機に2面の金型を対応させたとき、長円で囲んだ「モデル」位置を参照して、PSRタイヤの各種サイズ間での成型切替回数2〜10回/日ではGT在庫時間が約7〜8時間に及び、これに対し長円で囲んだ「ケース3」を参照して、「モデル」のケースと同一サイズ・本数のタイヤを生産するとして、同じ2面の金型でGT在庫時間を約1時間に抑え込もうとすれば、成型切替回数を60回に増す必要があり、従来はこの「ケース3」を採用せざるを得ないということである。
【0022】
ここでこの発明は、一台又は1ユニットのGT成型機と、この成型機が成型するGTの単位時間、例えば1時間当りの成型本数とほぼ同等以上、望ましくは同等を僅かに超える加硫成型能力を有する面数の金型を装着した複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットを対とし、この対をなすタイヤ生産装置の一対以上を一連のタイヤ生産ラインとして形成するものである。
【0023】
図1を用いてこれを説明すれば、先に述べた比TB/TAの値が約12であるから、成型する一台又は1ユニットのGT成型機と対をなす複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットに装着する金型の割付面数を12面とすることであり、「モデル」のケースと同一サイズ・本数のタイヤを生産するとし、一実施例としての図中の「ケース1」を参照して、これにより成型切替回数を2回/日としてGT在庫時間をほぼゼロ時間とすることができる。これら生産装置の対の数は所要のサイズ生産本数に応じて定める。
【0024】
より具体的には、まず一台又は1ユニットのGT成型機により1ロット所定本数のAサイズを連続して成型し、この成型の間は、Aサイズ用の金型12面を装着した複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットを成型と同期させてAサイズのPSRタイヤを連続して加硫成型する。
【0025】
次いでAサイズからBサイズへの切替えに際しては、Aサイズの成型終了後にGT成型機でA、Bサイズ間で相違する構成要素、すなわち取付け取外し自在な部品乃至未加硫部材を交換する間に、12面のAサイズ用金型を1面宛順次加硫機から取外すと同時に12面のBサイズの金型を1面宛順次加硫機に装着し、成型機のBサイズへの切替えと、この成型機と対をなす複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットの12面のBサイズ用金型への切替とをほぼ同時に完了させ、BサイズのGT成型と加硫成型とを開始する。
【0026】
上記の切替の同時完了には、加硫機に対する金型の着脱時間の短縮が必要であり、そのため加硫機外部での金型の外段取り作業を可能な限り多くする一方、加硫機自体における内段取りを極力少なくすることを要する。例えば外段取りにて、金型のブラダの取外し(従来は内段取り)、金型に対する付属リング(ビードリング、ブラダリングなど)とブラダとの組立(従来は内段取り)、取替え、製造情報をタイヤに刻印するための表示パネルの打替え(従来は内段取り)、付属リング及びパネル表示チェック(従来通り)などを実施して、そのまま加硫機に装着可能状態とした上で加硫温度に近い温度まで金型に余熱を施す(従来は内段取り)、という一連の作業である。
【0027】
上記の外段取り化のうち金型に関する好適実施形態例は後述する。この外段取り化により内段取りに要する時間は極めて少なくて済み、GT成型機の切替時間と複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットの切替時間とをぼぼ合わすことができ、ロス時間とGT在庫時間とをほぼゼロかゼロに近い値とすることができる。
【0028】
以上述べた、GT成型機と複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットとの対の一対以上からなる一連の生産設備を配備したタイヤ生産ラインを採用することにより、GT成型機の切替回数を極小にした上でGT在庫時間をほぼゼロにすることが可能となる。たしかに金型の面数を増加させるデメリットはあるものの、GT在庫をゼロにすることで工場の省スペース化に貢献し、GT保管設備が不要となり、GTの品質確保に寄与することで上記デメリットを補って余りがある。
【0029】
さらに、従来なら2面の金型配備でGT在庫を約1時間に抑え込む「ケース3」のようにすれば、GT成型切替回数を60回と極端に増やす必要があり、その結果、GT成型の前工程における多種多様な中間材料を抱えることのスペースロス、運搬ロス、切替ロス、管理ロスなどの不都合が生じるところ、この発明によれば、これらの不都合を完全に排除することができるばかりか中間材料の製造及び搬送それぞれの自動化も容易に実現させることが可能となり、この点でも上記デメリットを遙に上回るメリットを得ることができる。
【0030】
図の「ケース2」に「ケース1」の応用例を示す。「ケース1」は1サイズの加硫成型に際し金型割付面数12面すべてを1サイズに割り付ける場合であり、「ケース2」はサイズA、Bの2サイズの生産に際し、金型割付面数12面をAサイズ用面数とBサイズ用面数に適宜割り振りした例である。この割り振り値は2サイズA、Bにおける生産ロット比率、成型加硫時間比率、金型切替え時間及び金型費用比率から選択される1又は複数の要因を勘案して最適値を算出し、例えば6面対6面、8面対4面という割り振りにする。図1によれば、2サイズA、Bの割付面数をそれぞれ6面/サイズとし、GT在庫時間を約1時間に抑え込むには、成型切替え回数が12回/日で、加硫切替え回数はゼロとなり、「ケース3」に比べて成型切替え回数が1/5に低減される。
【0031】
「ケース2」の場合、成型機には2サイズA、Bの部材供給用サービサーを配置し、2サイズA、BをA→B→A→B→Aと交互に成型する一方、加硫機群では12面の金型をAサイズに6面、Bサイズに6面宛割り振りし、2サイズA、Bを併行して生産する。
【0032】
2サイズA、Bいずれかのサイズ、例えばAサイズをその金型と異なるCサイズに切替えるときは、加硫機群側の6面の金型をAサイズからCサイズに一括して切替えると同時に、成型機側も加硫機群側の切替えに合わせてAサイズからCサイズに切替える。この切替えの後、成型機側では2サイズB、CをB→C→B→C→Bと交互に成型し、加硫機群側では2サイズB、Cを同時併行して生産する。AサイズをそのままとしBサイズをCサイズに切替えるときも上記と同じで、金型をBサイズからCサイズに一括して切替えると同時に、成型機側では2サイズA、CをA→C→A→C→Aと交互に成型し、加硫機群側でも2サイズA、Cを同時併行して生産する。
【0033】
成型機による成型を上記のように、まず2サイズA、Bに限り、この2サイズA、Bを交互に成型することにより、A〜C、A〜D、・・・・・、A〜Xの3サイズ以上を、例えばA→B→C→A→B→C、A→B→C→D→A→B→C→Dのように切替える場合と比較して、2サイズA、Bの未加硫成型部材を成型機の成型ドラムの所定位置に供給するためのサービサを成型ドラム周辺で移動可能として配置した状態で、2サイズA、Bそれぞれのサービサを交互に移動させて交互成型を行い、サービサから供給する未加硫成型部材を外段取りで行うことができ、その結果内段取り時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0034】
次に2サイズA、BのうちAサイズのみをCサイズに切替える場合、成型機によるAサイズの成型終了直後、2サイズA、Bのサービサを移動させてBサイズのサービサを成型機の所定位置にセットすると同時に成型機の所定位置から外したAサイズのサービサをCサイズ用未加硫成型部材に外段取りで切替える。Bサイズの成型終了後、2サイズB、Cのサービサを上記移動方向と反対方向に移動させてCサイズのサービサを成型機の成型ドラムの所定位置にセットしCサイズの成型を実施する。これにより成型機側の2サイズの交互成型間隔は長くすることも短くすることも自在となり、この交互成型間隔を自在に設定することで、加硫機群の金型の空き時間をゼロとしながら、GT在庫時間を極力最少に抑えることが可能となる。
【0035】
以上はAサイズのみをCサイズに切替える場合について述べたが、Aサイズの成型をそのまま継続し、BサイズのみをCサイズに切替える場合も上記と同じである。さらにこの2サイズの交互成型は、先に述べた「ケース1」ほどではないにしろ、従来の3サイズ以上の切替えを行う生産に比し、成型機周辺の未加硫成型部材の保管量を大幅に少なくすることができ、かつ成型工程の前工程における未加硫成型部材の製造切替えを大幅に減らす効果をもたらす。
【0036】
次に上述したタイヤ生産を円滑に実施するための生産設備をそれぞれ構成要素としてブロックであらわす図2、3のブロック図を用いて説明する。図2に二点鎖線で囲んで示す一の加硫ユニット(加硫機群)における加硫機1〜加硫機6は一の成型機ユニットと対をなし、図3に二点鎖線で囲んで示す一の加硫ユニット(加硫機群)における加硫機1〜加硫機6は一の成型機ユニットと対をなす。ここにいう成型機ユニットとは、成型機本体の他に成型部材とその供給用サービサとを含み、ユニット内で全ての成型作業を実施することができる成型単位を指す。また一の加硫ユニットのいずれの加硫機も金型を装着した状態を基準とする。
【0037】
図2に示す一の加硫ユニットにおける加硫機1〜加硫機6はいずれも、加硫機の移動手段により加硫済タイヤの取出・GT挿入ステーションと、金型交換手段としての金型交換ステーションとの双方へ移動可能な移動形式加硫機であり、これら取出・挿入ステーション及び金型交換ステーションと、移動形式加硫機1〜6に対しタイヤ加硫用高温高圧ガスを纏めて供給する1台以上のガス供給ステーションとを一の加硫ユニットに付設する。移動形式加硫機は、図2に示すようなL字状軌道の他に、図示を省略した円弧軌道、楕円軌道乃至長円軌道に沿って移動する。
【0038】
これに対し図3に示す一の加硫ユニットにおける加硫機1〜加硫機6はいずれも従来の固定形式加硫機であり、金型交換手段として加硫機1〜加硫機6のそれぞれへ移動可能な金型交換台車と、上記と同様のガス供給ステーションとを一の加硫ユニットに付設する。
【0039】
一の成型機ユニットと一の加硫ユニットとの間にはGT搬送手段(図示省略)を設けると共にGTのサイズを識別して選別する選別手段(図示省略)とを設け、選別手段により選別したGTをGT搬送経路に沿って、図2に示すブロック図では加硫済タイヤの取出・GT挿入ステーションへ、図3に示すブロック図では該当加硫機へそれぞれ搬送し、加硫済タイヤを取出した後の加硫機の空き金型へGTを装填する。サイズ識別はGT側に情報担体を付し、選別手段側でこの情報を読み取ることで実行する。対をなす一の成型機ユニットと一の加硫ユニットとの間の稼働には生産時間のずれが殆ど存在しないので、成型完了GTは極く僅かな待ち時間があるにしても殆ど滞留せずに当該加硫機に装填することができる。
【0040】
図2に示す一の加硫ユニットでは、加硫成型終了の加硫機を移動手段により取出・挿入ステーションへ移動させ、該ステーションに設けたアンローダ装置(図示省略)により加硫済タイヤを取出し、取出した加硫済タイヤを検査・出荷ステーションへ搬送し、同時に取出・挿入ステーションに来ているGTをローダ装置(図示省略)により空き金型に装填し、その直後の加硫機は元の位置へ移動手段により復帰する。アンローダ・ローダ装置は別個装置としても兼用装置としても良い。僅かな時間の装填待機GTがある場合は別個装置とする。GT装填後の加硫機に対する高温高圧ガス供給は取出・挿入ステーションで実施するか、又は所定位置への復帰後に実施するかは、都合に合わせていずれでも良く、金型を閉じ、ガス供給後に加硫成型を開始させる。
【0041】
図3に示す一の加硫ユニットでは、加硫機1〜6それぞれ専用に加硫済タイヤの取出し・GT装填用アンローダ・ローダ装置(図示省略)を付設し、アンローダ装置により加硫済タイヤを取出し、取出した加硫済タイヤを搬送経路に沿って検査・出荷ステーションへ搬送し、加硫済タイヤ取出し直後にローダ装置が把持するGTを空き金型に装填し、金型を閉じ加硫成型を開始させる。この場合のアンローダ・ローダ装置も僅かな時間の装填待機GTがある場合は別個装置とし、待機時間を必要としないシステムでは兼用装置とする。また加硫機1〜6へのガス供給装置はパイプ類を含め1台以上の固定タイプである。
【0042】
図2、3に示すように、上述した生産システムには、金型保管設備と、一の加硫ユニットの各加硫機への装着直前の金型の余熱室とを付属設備として一対の一の成型機ユニット及び一の加硫ユニットに付帯させる。さらにこれら金型保管設備と余熱室との間を結ぶ経路を移動可能な金型移動手段を設け、この金型移動手段はさらに、余熱室と金型交換ステーションとの間を結ぶ経路(図2参照)及び余熱室と金型交換台車との間を結ぶ経路(図3参照)を移動可能とする。
【0043】
金型保管設備は少なくともその一部が立体方式設備であることが省スペースの点で有利であり、この立体方式設備内に金型余熱室を設けるものとする。立体設備内及び立体金型余熱室内の金型は、金型移動手段、例えば立体設備及び立体金型余熱室に沿って設けたレール上を走行するか、又はこれら設備及び余熱室の床面上を直接走行する少なくとも1台のスタッカクレーンにより、金型保管設備内及び金型余熱室内の出し入れを実施し、床面近くに位置する金型は他の移動手段、例えば通常のクレーンにより金型余熱室と金型交換ステーション相互間、及び金型余熱室と金型交換台車相互間を移動させる。金型保管設備、金型余熱室及び金型移動手段は一の加硫準備ユニット(二点鎖線で囲み示す)として纏める。
【0044】
ここで、生産サイズ切替えに対しては、一の成型機ユニットから発信するサイズ変更信号を受け、変更する金型への切替え信号を発信す情報処理装置を一対の一の成型機ユニットと一の加硫ユニットとの間に設け、情報処理装置から発信される金型切替え信号は、一の加硫ユニットと、金型交換手段と、一の加硫準備ユニットとに送信される。図2に示す金型交換手段は金型交換ステーションであり、図3に示す金型交換手段は金型交換台車である。
【0045】
情報処理装置からの金型切替え信号を他より先に受ける一の加硫準備ユニットでは、必要な金型をスタッカクレーンなどの金型移動手段により金型余熱室に移動させて余熱し、実際に金型交換の時期に所定時間の余熱を完了した金型を金型移動手段、例えばクレーンと吊り具との組み合わせ手段により金型交換ステーション又は金型交換台車まで搬送する。この搬送に先立ち情報処理装置からの金型切替え信号を受けた一の加硫ユニットでは、金型を交換すべき加硫機の稼働をタイヤの加硫成型終了と同時に停止させる。
【0046】
図2に示すブロック図において、情報処理装置からの金型切替え信号を受けて一の加硫ユニットでは、稼働停止の加硫機を移動手段により金型交換ステーションへ移動させ、同じく情報処理装置からの金型切替え信号を受けた金型交換ステーションにてそれまで稼働していた金型を変更サイズの余熱済金型と入替え、金型交換を終えた加硫機は再び元の位置に復帰する。同時にそれまでの金型は金型移動手段により自動で金型保管設備の所定場所へ戻す。この金型交換は一の成型機ユニットのサイズ切替えと同期させる。
【0047】
図3に示すブロック図において、情報処理装置から送信された信号に基づき金型交換台車が稼働停止の加硫機位置に移動し、上記と同様にして、それまで稼働していた金型を変更サイズの余熱済金型と入替え、一の加硫ユニットには金型交換を終えた加硫機を再び稼働させる信号が情報処理装置から送信される。同時にそれまでの金型は金型移動手段により自動で金型保管設備の所定場所へ戻す。この金型交換も一の成型機ユニットのサイズ切替えと同期させる。
【0048】
これまで述べた金型は従来の二つ割り合わせモールドにも適用することができるが、この発明による生産システムに最適な金型は、内段取りに多くの時間を要する割りモールドであり、それも内段取りの多くを外段取りとすることが可能な割りモールドである。この種の割りモールドの例につき以下簡単に述べる。
【0049】
図4において、金型本体部1は、主としてタイヤトレッド部の外輪郭を形成する多数個分割のトレッドモールド2と、金型本体2に係合し一対のタイヤサイドウォール部の外輪郭を形成する中空円板状の上サイドモールド3及び下サイドモールド4とを有する。各トレッドモールド2は、その外周周り両側部に1個宛のロックピン5を備える。各ロックピン5はトレッドモールド2寄りにくびれ部と、このくびれ部の放射方向終端の鍔状縁から先細り状に延びる案内部とを有する。上サイドモールドには複数個のトッププレートを案内する案内ピン6を固着する。
【0050】
金型本体部1は、台プレート7に嵌め合わせた心出しリング8の周りに組み立て、トレッドモールド2の高さはスペーサーリング9により調節し、さらに保持手段10によりトレッドモールド2を所定位置に安定化させる。金型本体部1は全体を締め付けバンドSbにより合体化させ、この合体状態で金型本体部1は中心軸線Z周りに対称である。この状態で、保管、余熱、搬送、加硫機への装着、加硫機からの取出を行う。これらの移動動作は、例えばクレーン(図示省略)や吊り具11、12を用いて実施する。
【0051】
図5は加硫機内の金型本体部1とコンテナとを合わせた割りモールドの左半断面を示し、コンテナは、トレッドモールド2を外周側から保持して放射方向に移動させる多数個のセグメント20と、各セグメント20と上下方向へ摺動係合し各セグメント20を放射方向へ移動させるコンテナリング21と、上サイドモールドを固着保持し加硫機の釜開け時に上サイドモールドを加硫機上方に移動させるトッププレート22とを有する。図5はコンテナリング21が上方に移動し多数個のセグメント20が放射方向外側で、金型本体部1のトレッドモールド2から離れて位置しているありさまを示す。
【0052】
各セグメント20は各トレッドモールド2のロックピン5を余裕をもって収容する貫通孔23と、ロックピン5とロック係合する懸け止めアーム24を備える上下移動可能プレート25(二点鎖線で示す)とを有する。上下移動可能プレート25は各セグメント20の両側面に摺動自在に取付け、懸け止めアーム24は貫通孔23を横切って延び、セグメント内部に設けた空間を上下摺動可能である。各セグメント20は、放射方向溝を形成するプレートリング26と摺動用プレート27とが形成する放射方向溝底面上を摺動する。
【0053】
図6は、コンテナリング21を最下方位置まで下降させ、これにより各セグメント20を放射方向最内側まで移動させ、各トレッドモールド2と各セグメント20とをロック係合させたありさまを示し、図示を省略したブラダとブラダリングとを組み合わせてタイヤに加硫成型を施す。
【0054】
図6において、各トレッドモールド2のロックピン5は懸け止めアーム24の下面を通過し、通過の後に懸け止めアーム24はロックピン5のくびれ部に落ち込み、これでロックピン5と懸け止めアーム24とは自動ロック係合し、その結果、各トレッドモールド2は各セグメント20に自動で取付けられる。ロック係合開始前の懸け止めアーム24の下面は、ロックピン5の中心軸線5RL及びこの軸線と同軸の貫通孔23の中心軸線23RLより少なくとも上方に位置させておく。トッププレート22は、上サイドモールド3の案内ピン6の案内により簡単かつ短時間な固定ボルト28の締め込みで上サイドモールド3を固着する。なお各図中の符号Fは床面乃至加硫機の金型据え付け面である。
【0055】
また図6を参照して、割りモールド全体を上方へ吊り上げた状態の下で、各上下移動可能プレート25の下面寸法に対応する突起表面寸法をもつ突起部材(図示省略)を、各上下移動可能プレート25の下面位置に対応させて台プレート7上に配備し、その後割りモールド全体を再び台プレート7上に下降させる。このとき突起部材は各上下移動可能プレート25のみを上昇移動させ、これに伴い懸け止めアーム24はロックピン5の上方へ移動し、ロック係合は自動解除される。次いで図5に示すようにコンテナリング21を上昇させれば、ロック係合を解除した各セグメント20は金型本体部1から離脱して放射方向外側に移動する。このようにして金型本体部1をコンテから容易に、かつ短時間で切り離すことができる。
【0056】
以上の構成をもつ割りモールドは、図6に示す状態から図5に示す状態を経て図4に至る状態として容易に金型本体部1をコンテナから切り離して金型保管設備に搬送し、併せて切替え用金型本体部1を図4に示す状態とし、そこから図5に示す状態を経て図4に至る状態として容易に、かつ短時間で切替え用金型本体部1を加硫機に装着し、コンテナとの協働を自動化することができる。換言すれば従来の内段取り工程を外段取りに移し変えると同時に内段取り工程の時間を大幅に短縮することが可能であるということである。
【0057】
上記のような金型切替えによれば、金型交換ステーション又は金型交換台車に搬送するサイズ切替え用金型は金型本体部1のみで済み、よって搬送の煩わしさはより少なく、余熱時間も短縮することができる。このことはコンテナが多くのサイズ間で共用できる範囲に限定されるが、一方でコンテナ共用の範囲で生産計画を立案し、実行すれば、多くの場合は上述した方法を採用することが可能である。これができない場合は金型本体部1とコンテとの合体物をサイズ切替えに用いれば良い。
【0058】
【発明の効果】
この発明の請求項1に記載した発明によれば、GT成型機のサイズ切替を最小限度に抑え、成型工程前の中間材料の種類とストック量とを減少させ、工場内の省スペース化と簡便容易な自動化とを可能とした上で、未加硫タイヤの在庫をゼロとすることができ、これによりタイヤ生産工場全体として生産効率の向上、製造コストの低減、タイヤ品質の安定向上、管理のシンプル化、設備投資の削減、省スペース活用による生産量の増大などを可能とする空気入りタイヤの生産システムを提供することができ、
この発明の請求項2〜7に記載した発明によれば、上記の空気入りタイヤの生産システムを実現する上で最適な生産設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態例における未加硫タイヤ在庫時間、金型割付面数、成型機の切替回数の関係を説明する立体線図である。
【図2】 この発明による生産システムの一例の生産設備のブロック図である。
【図3】 この発明による生産システムの他の例の生産設備のブロック図である。
【図4】 この発明による割りモールドの金型本体部の左半断面図である。
【図5】 この発明による金型本体部とコンテナとを分離した割りモールドの左半断面図である。
【図6】 この発明による金型本体部とコンテナとを合体させた割りモールドの左半断面図である。
【符号の説明】
1 金型本体部
2 トレッドモールド
3 上サイドモールド
4 下サイドモールド
5 ロックピン
6 案内ピン
7 台プレート
8 心出しリング
9 スペーサーリング
10 保持手段
11、12 吊り具
20 セグメント
21 コンテナリング
22 トッププレート
23 貫通孔
24 懸け止めアーム
25 上下移動可能プレート
26 プレートリング
27 摺動用プレート
28 固定ボルト
Sb 締め付けバンド
F 床面、据え付け面
Claims (7)
- 空気入りタイヤの未加硫部材を組立てる成型工程での未加硫タイヤ1本当りの成型サイクルタイムに対する、該未加硫タイヤに加硫成型を施す加硫工程での空気入りタイヤ1本当りの加硫サイクルタイムの比の値が5以上である加工速度差を有する空気入りタイヤの生産システムにおいて、
一台又は1ユニットのタイヤ成型機と、該成型機が成型する未加硫タイヤの単位時間当りの成型本数とほぼ同等以上の加硫成型能力を有する面数の加硫用金型を装着した複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットとを対とし、この対をなすタイヤ生産装置の一対以上を一連のタイヤ生産ラインとして形成して成ることを特徴とする空気入りタイヤの生産システム。 - 請求項1に記載した空気入りタイヤの生産システムに適用する複数台の加硫機群又は一つの加硫ユニットと、その付属設備とを有する生産設備において、
多面数の金型を装着した複数台の加硫機群と、
多数面の金型を保管する金型保管設備及び各加硫機への装着直前の金型の余熱室と、
金型交換ステーション及び金型交換台車のいずれか一方を備える金型交換手段と、
金型保管設備と金型余熱室との間を結ぶ経路及び金型余熱室と金型交換手段との間を結ぶ経路それぞれの経路に沿って金型を搬送する金型搬送手段とを有することを特徴とする空気入りタイヤの生産設備。 - 金型保管設備は金型予熱室を付帯設備として有し、金型保管設備と金型交換手段との間の金型搬送経路途中に金型予熱室を有する請求項2に記載した生産設備。
- 金型保管設備は立体方式設備を有し、該立体方式設備内に金型予熱室を有する請求項2又は3に記載した生産設備。
- 加硫機群は所定経路に沿って移動する複数台の加硫機からなり、加硫機群の移動経路途中にて加硫機からの加硫完了タイヤ取出しと、加硫完了タイヤ取出後の加硫機への未加硫タイヤ装填とを行うタイヤ取出し・装填ステーションと、未加硫タイヤ装填後の各加硫機に対しタイヤ加硫用高温高圧ガスを供給する1台以上のガス供給ステーションとを有する請求項2に記載した生産設備。
- 加硫機群は複数台の固定式加硫機からなり、各加硫機は専用のタイヤ取出し・未加硫タイヤ装填のローダ・アンローダ装置を有する請求項2に記載した生産設備。
- 2サイズを交互成型する一台又は1ユニットの成型機と該成型機と対をなす加硫機群との間に未加硫タイヤのサイズを識別して選別する選別手段と、選別した未加硫タイヤを該当加硫機に搬送する搬送手段とを備える請求項5又は6に記載した生産設備。
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