JP4114682B2 - 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
従来の車両用運転操作補助装置は、自車両と自車両前方の障害物との車間距離および相対速度に基づいて自車両と前方障害物との接近状態を算出し、この接近状態を緩和するための減速度を自車両に発生させるとともに、アクセルペダルの操作反力を変化させている(例えば特許文献1参照)。この装置は、自車両の制動力およびアクセルペダル操作反力を制御することにより、運転者の注意を喚起して自車両と前方障害物との接近状態を緩和している。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開2003−267201号公報
上述した装置は、制動力とアクセルペダル操作反力の制御により、前方障害物との接近状態を運転者に知覚させることが可能である。しかしながら、運転者が前方障害物に追従しようとしている場合には、接近状態の緩和のために増大する操作反力および制動力によって車間距離が離されてしまい、追従しづらいという問題があった。
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段と、少なくとも、自車速および自車両と障害物との車間距離を検出する走行状態検出手段と、走行状態検出手段による検出結果に基づいて、障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作装置に発生する操作反力、および自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する制御手段と、自車両と障害物との相対位置関係の調整に関する運転者の運転意図を2段階で検出する意図検出手段と、意図検出手段の結果に基づいて、制御手段によって制御する力の制御量を補正する補正手段とを備え、意図検出手段は、車間距離を調整して障害物に接近しようとする、あるいは障害物から離れようとする車間距離調整意図を検出する第1の意図検出手段と、車間距離を略一定として障害物に追従しようとする運転者の追従意図を検出する第2の意図検出手段とを備え、補正手段は、第2の意図検出手段によって追従意図ありと検出されると、第1の意図検出手段による車間距離調整意図に応じて障害物への追従走行を補助するように制御量を補正する
本発明による車両用運転操作補助方法は、自車両前方の障害物を検出し、少なくとも、自車速および自車両と前記障害物との車間距離に基づいて、障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出し、リスクポテンシャルに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作装置に発生する操作反力、および自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御し、車間距離を調整して障害物に接近しようとする、あるいは障害物から離れようとする車間距離調整意図を検出し、車間距離を略一定として障害物に追従しようとする運転者の追従意図を検出し、追従意図ありと検出されると、車間距離調整意図に応じて障害物への追従走行を補助するようにリスクポテンシャルに基づいて制御する力の制御量を補正する。
本発明による車両は、自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段と、少なくとも、自車速および自車両と障害物との車間距離を検出する走行状態検出手段と、走行状態検出手段による検出結果に基づいて、障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作装置に発生する操作反力、および自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する制御手段と、自車両と障害物との相対位置関係の調整に関する運転者の運転意図を2段階で検出する意図検出手段と、意図検出手段の結果に基づいて、制御手段によって制御する力の制御量を補正する補正手段とを有し、意図検出手段は、車間距離を調整して障害物に接近しようとする、あるいは障害物から離れようとする車間距離調整意図を検出する第1の意図検出手段と、車間距離を略一定として障害物に追従しようとする運転者の追従意図を検出する第2の意図検出手段とを備え、補正手段は、第2の意図検出手段によって追従意図ありと検出されると、第1の意図検出手段による車間距離調整意図に応じて障害物への追従走行を補助するように制御量を補正する車両用運転操作補助装置を備える。
本発明によれば、自車両と障害物との相対位置関係の調整に関する運転者の運転意図を2段階で検出し、その結果に基づいて、リスクポテンシャルに基づいて制御する力の制御量を補正するので、障害物に対するリスクポテンシャルの大きさを運転操作機器の操作反力および自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを用いて運転者に伝達しながら、運転者が障害物との相対位置関係を調整しようとする意図を持っている場合は、運転者が相対位置関係の調整を行いやすくした制御を実現することが可能となる。
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図である。
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。車両用運転操作補助装置1は、レーダ装置10,車速センサ20,舵角センサ30,障害物検知装置40,コントローラ50,駆動力制御装置60,アクセルペダル反力発生装置70,および制動力制御装置90等を備えている。
レーダ装置10は、例えば車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられたレーザレーダであり、水平方向に赤外線レーザ光を照射して車両前方領域を走査し、自車両前方の障害物を検出する。図2に、レーダ装置10による障害物検出の原理を説明する図を示す。図2に示すように、レーダ装置10はレーザ光を出力する発光部10aと、自車両の前方にある反射物(通常、前方車の後端)で反射された反射光を検出する受光部10bとを備えている。発光部10aはスキャニング機構が組み合わされており、図2に矢印で示すように左右方向に振れるように構成されている。発光部10aは角度を変化させながら所定角度範囲内で順次発光する。レーダ装置10は、発光部10aによるレーザ光の出射から受光部10bにおける反射波の受光までの時間差に基づいて自車両から障害物までの距離を計測する。
レーダ装置10は、スキャニング機構により自車両の前方領域をスキャニングしながら、各スキャニング位置またはスキャニング角度について反射光を受光した場合に障害物までの距離を算出する。さらに、レーダ装置10は、障害物を検出したときのスキャニング角とその障害物までの距離とに基づいて、自車両に対する障害物の左右方向の位置も算出する。すなわち、レーダ装置10は、障害物の有無とともに自車両に対する障害物の相対的な位置を検出する。
図3に、レーダ装置10による障害物の検出結果の一例を示す。各スキャニング角で自車両に対して障害物の相対的な位置を特定することにより、図3に示すようにスキャニング範囲内で検出できる複数の物体についての平面的な存在状態図を得ることができる。
車速センサ20は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出する。
障害物検知装置40は、レーダ装置10および車速センサ20の検出結果に基づいて前方障害物に関する情報を取得する。具体的には、障害物検知装置40は、レーダ装置10からスキャニング周期毎またはスキャニング角ごとに出力される検出結果に基づいて、検出した物体の動きを判別するとともに、物体間の近接状態や動きの類似性等に基づいて、検出した物体が同一物体であるか異なる物体であるかを判別する。
そして、障害物検知装置40は、レーダ装置10と車速センサ20からの信号に基づいて、自車両周囲の障害物情報、すなわち自車両と前方障害物との車間距離と相対速度、および自車両に対する前方障害物の左右方向距離を認識する。なお、障害物検知装置40は、複数の前方障害物を検知した場合は各障害物についての情報を取得する。障害物検知装置40は、取得した障害物情報をコントローラ50へ出力する。
舵角センサ30は、ステアリングコラムもしくはステアリングホイール(不図示)付近に取り付けられた角度センサ等であり、ステアリングシャフトの回転を操舵角として検出し、コントローラ50へ出力する。
アクセルペダル61には、アクセルペダル61の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルストロークセンサ62が設けられている。アクセルペダルストロークセンサ62によって検出されたアクセルペダル操作量はコントローラ50および駆動力制御装置60に出力される。ブレーキペダル91には、その踏み込み量(操作量)を検出するブレーキペダルストロークセンサ92が設けられている。ブレーキペダルストロークセンサによって検出されたブレーキペダル操作量は、制動力制御装置90に出力される。
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成され、車両用運転操作補助装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、車速センサ20から入力される自車速、および障害物検知装置40から入力される障害物情報から、自車両の走行状況を認識する。コントローラ50は、走行状況に基づいて前方障害物に対する自車両の接近度合を表す物理量であるリスクポテンシャルを算出する。
そして、コントローラ50は、障害物に対するリスクポテンシャルに基づいて、自車両に発生する制駆動力を制御するとともに、運転者が運転操作のために操作する運転操作機器に発生する操作反力を制御する。ここでは、運転操作機器としてアクセルペダル61を用い、アクセルペダル61を操作する際に発生する操作反力を制御する。
駆動力制御装置60は、アクセルペダル61の操作状態に応じた駆動力を発生するようにエンジン(不図示)を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発生させる駆動力を変化させる。図4に、駆動力制御装置60における駆動力制御のブロック図を示す。図5に、アクセルペダル操作量SAとドライバ要求駆動力Fdaとの関係を定めた特性マップを示す。駆動力制御装置60は、図5に示すようなマップを用いて、アクセルペダル操作量SAに応じてドライバ要求駆動力Fdaを算出する。そして、駆動力制御装置60は、ドライバ要求駆動力Fdaに、後述する駆動力補正量ΔDaを加えて目標駆動力を算出する。駆動力制御装置60のエンジンコントローラは、目標駆動力に従ってエンジンへの制御指令を算出する。
制動力制御装置90は、ブレーキペダル91の操作状態に応じた制動力を発生するようにブレーキ液圧を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発生させるブレーキ液圧を変化させる。図6に、制動力制御装置90における制動力制御のブロック図を示す。図7に、ブレーキペダル操作量SBとドライバ要求制動力Fdbとの関係を定めた特性マップを示す。制動力制御装置90は、図7に示すようなマップを用いて、ブレーキペダル操作量SBに応じてドライバ要求制動力Fdbを算出する。そして、制動力制御装置90は、ドライバ要求制動力Fdbに、後述する制動力補正値ΔDbを加えて目標制動力を算出する。制動力制御装置90のブレーキ液圧コントローラは、目標制動力に従ってブレーキ液圧指令を出力する。ブレーキ液圧コントローラからの指令に応じて各車輪に設けられたブレーキ装置95が作動する。
アクセルペダル反力発生装置70は、アクセルペダル61のリンク機構に組み込まれたサーボモータ(不図示)を備えている。アクセルペダル反力発生装置70は、コントローラ50からの指令に応じてサーボモータで発生させるトルクを制御し、運転者がアクセルペダル61を操作する際に発生する操作反力を任意に制御することができる。なお、反力制御を行わない場合のアクセルペダル反力は、例えばアクセルペダル操作量SAに対して比例するように設定されている。
以下に、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を説明する。まず、動作の概要を説明する。
車両用運転操作補助装置1のコントローラ50は、障害物検知装置40で検出した障害物情報に基づいて各障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを算出する。リスクポテンシャル(Risk Potential)は、「潜在的なリスク/危急」を意味し、ここでは特に、自車両と自車両前方に存在する障害物とが接近していくことにより増大するリスクの大きさを表す。したがって、リスクポテンシャルは、自車両と障害物とがどれほど近づいているか、すなわち自車両と障害物とが近づいている程度(接近度合)を表す物理量であるといえる。
コントローラ50は、算出したリスクポテンシャルに応じて、自車両に発生する制駆動力および運転者が自車両を運転する際に操作する運転操作機器から発生する操作反力を制御する。これにより、自車両が前方障害物、例えば先行車に近づいていくと、アクセルペダル61からの操作反力が大きくなるとともに、自車両の駆動力が低下、あるいは制動力が増大し、運転者にリスクポテンシャルの大きさを伝達することができる。このとき、運転者が意識的にアクセルペダル61を踏み込まないと、アクセルペダル操作反力の増大によってアクセルペダル61が戻される。
このようにアクセルペダル操作反力が増大、および駆動力が低下または制動力が増加したときには、運転者が意図的にアクセルペダル61を踏み込まないと自車両と先行車との車間距離が離れる。したがって、運転者が先行車に追従して(車間距離をほぼ保って)走行しようとしている場合に、追従しづらくなってしまう。そこで、第1の実施の形態では、運転者が先行車に追従して走行しようとしている場合は、その運転操作を補助するようにアクセルペダル操作反力および制駆動力を調整する。
第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を、図8を用いて詳細に説明する。図8は、第1の実施の形態のコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
まず、ステップS110で、車速センサ20によって検出される自車速Vhと、舵角センサ30によって検出される自車両の操舵角δのデータを読み込む。ステップS120では、アクセルペダルストロークセンサ62によって検出されるアクセルペダル操作量SAを読み込む。つづくステップS130で、レーダ装置10および車速センサ20の検出結果に従って障害物検知装置40で算出した複数の前方障害物に関する情報を読み込む。前方障害物に関する情報は、例えば各障害物までの前後方向の距離(車間距離)Dと、自車両に対する障害物の左右方向位置xおよび前後方向位置yである。
ステップS140では、ステップS110で読み込んだ自車速Vhおよび操舵角δに基づいて、自車両の進路を推定する。以下に、予測進路の推定方法を図9および図10を用いて説明する。予測進路を推定するために、図9に示すように自車両が矢印方向に進行している場合の旋回半径Rを算出する。まず、自車両の旋回曲率ρ(1/m)を算出する。旋回曲率ρは、自車速Vhおよび操舵角δに基づいて、以下の(式1)で算出できる。
ρ=1/{L(1+A・Vh)}×δ/N・・・(式1)
ここで、L:自車両のホイールベース、A:車両に応じて定められたスタビリティファクタ(正の定数)、N:ステアリングギア比である。
旋回半径Rは、旋回曲率ρを用いて以下の(式2)で表される。
R=1/ρ ・・・(式2)
(式2)を用いて算出した旋回半径Rを用いることで、図9に示すように自車両の走行軌道を半径Rの円弧として予測することができる。そして、図10に示すように、旋回半径Rの円弧を中心線とした幅Twの領域を、自車両が走行するであろう予測進路として設定する。幅Twは、自車両の幅に基づいて予め適切に設定しておく。
ステップS150では、障害物検知装置40によって検出され、ステップS140で設定した自車両の予測進路内にあると判定した障害物のうち、自車両に最も近い物体を、前方障害物として選択する。この前方障害物は、以降の処理で自車両のリスクポテンシャルRPを算出する対象となる障害物である。
ステップS160では、ステップS150で前方障害物として選択した障害物について、自車両のリスクポテンシャルRPを算出する。ここでは、リスクポテンシャルRPを算出するために、まず、自車両と前方障害物、例えば先行車との車間時間THWを算出する。車間時間THWは、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す物理量であり、以下の(式3)から算出される。
THW=D/Vh ・・・(式3)
(式3)で算出した車間時間THWの逆数を、リスクポテンシャルRP(=1/THW)とする。車間時間THWが小さいほど自車両と先行車との接近度合を表すリスクポテンシャルRPが大きくなり、自車両と先行車とが近づいていることを表す。
ステップS170では、アクセルペダル操作反力および制駆動力補正量を算出する際の基準となる反発トルクTを算出する。反発トルクTは以下のようにして算出する。
反発トルクTの算出のために、図11(a)(b)に示すように自車両の前方に仮想的な弾性体100を設けたと仮定し、この仮想的な弾性体100が前方車両に当たって圧縮され、自車両に対する擬似的な走行抵抗を発生するというモデルを考える。反発トルクTは、図11(b)に示すように仮想弾性体100が前方車両に当たって圧縮された場合の仮想ばね反力を、トルク相当に換算したものとして算出する。
具体的には、車間時間THWが仮想弾性体199の長さに相当すると考え、図12に示すようにリスクポテンシャルRPに基づいて反発トルクTを算出する。リスクポテンシャルRPが所定値RP1よりも小さい場合、すなわち、図11(a)に示すように仮想弾性体100が前方車両と接触していない場合は、反発トルクT=0とする。仮想弾性体100が前方車両によって圧縮され、リスクポテンシャルRPが所定値RP1よりも大きくなると、リスクポテンシャルRPの増加に応じて反発トルクTが徐々に大きくなる。
ステップS180では、第1の意図検出処理を行う。ここでは、運転者によるアクセルペダル61の操作状態に基づいて、運転者の車間距離調整意図、すなわち先行車に近づきたいか、あるいは先行車から離れたいかという運転意図を検出する。まず、ステップS120で検出された現在のアクセルペダル操作量SAと、前回周期で検出され、コントローラ50のメモリに記憶されていたアクセルペダル操作量前回値SA_1との差ΔSA(=SA−SA_1)を算出する。差ΔSA>0の場合、すなわちアクセルペダル61を踏増ししている場合は、先行車により接近したい意図があると判断する。一方、差ΔSA<0の場合、すなわちアクセルペダル61が戻されている場合は、先行車から離れたい意図があると判断する。差ΔSA=0の場合は、現状維持と判断できる。
ステップS190では、第2の意図検出処理を行う。ここでは、自車両と先行車との車間距離Dに基づいて、運転者が車間距離Dをほぼ一定に保って先行車に追従しようとする意図があるかを検出する。自車両が先行車との車間距離Dをほぼ一定に保って走行することを、自車両の追従走行とする。ここでの処理を、図13のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1901では、現在、リスクポテンシャルRPに応じた制駆動力制御および操作反力制御が行われているか否かを判定する。具体的には、前回周期で算出されたリスクポテンシャルRPが所定値RP1よりも大きく、反発トルクTが算出されていたか否かを判定する。ステップS1901が否定判定されるとステップS1902へ進み、今回周期で制駆動力制御および操作反力制御を開始するか否かを判定する。具体的には、ステップS170でリスクポテンシャルRPに基づいて算出された反発トルクTが0よりも大きいか否かに基づいて、制御開始か否かを判断する。反発トルクT>0の場合は制御開始と判断し、ステップS1903へ進む。
ステップS1903では、ステップS130で検出した現在の自車両と先行車との車間距離Dを、制御開始初期値D0として記憶する。そして、ステップS1904で追従意図を判断するために用いるタイマをリセットした後、ステップS1905へ進む。ステップS1902で制御開始しないと判断された場合は、ステップS1903,S1904をスキップしてステップS1905へ進む。ステップS1905では、先行車に追従走行する意図がないと判定する。
ステップS1901が肯定判定され、すでに制駆動力制御及び操作反力制御が行われている場合は、ステップS1906へ進む。ステップS1906では、ステップS130で検出された現在の車間距離Dと制御開始初期値D0との差を算出し、差の絶対値|D−D0|を閾値Dthと比較する。閾値Dthは、運転者に先行車に対する追従走行意図があるか否かを判断するために用いるしきい値であり、先行車との車間距離Dがほぼ一定で追従走行しているとみなせる程度の範囲を設定するように定義する。例えば、車間距離Dの変化、すなわち差(D−D0)が車間距離Dの約10%以内であるかを判断するように閾値Dthを設定する。
|D−D0|<Dthの場合は、ステップS1907へ進んで追従意図を判断するためのタイマを加算する。ステップS1908では、ステップS1907で加算したタイマの値が所定時間Tth以上であるか否かを判定する。所定時間Tthは、運転者に先行車に対する追従走行意図があるか否かを判断するために用いるしきい値であり、運転者が車間距離Dをほぼ一定に保っていると判断するのに充分な時間、例えば20秒程度として予め適切に設定しておく。ステップS1908が肯定判定され、車間距離Dの変化が約10%以内となってから所定時間Tth以上経過した場合は、ステップS1909へ進み、先行車に対する追従意図があると判定する。
ステップS1906が否定判定され、車間距離Dの差の絶対値|D−D0|が閾値Dth以上の場合は、ステップS1910へ進む。ステップS1910では、制御開始初期値D0を現在の車間距離Dで置き換える。ステップS1911では、追従意図判断のためのタイマをリセットし、ステップS1912では追従意図なしと判定する。
なお、追従意図ありと判断されている場合に、レーダ装置10が先行車を検知しなくなったこと、運転者が車線変更のための運転操作を行ったこと、または運転者がアクセルペダル61を解放したことが検出されると、追従意図の検出をリセットする。
このようにステップS190で運転者の先行車に対する追従意図を判定した後、ステップS200へ進む。
ステップS200では、ステップS180で検出した運転者の車間距離調整意図と、ステップS190で検出した運転者の追従意図に基づいて、制駆動力制御を行う際の駆動力補正量ΔDaおよび制動力補正量ΔDbを算出する。アクセルペダル61の操作に対して発生する駆動トルクの基本的な関係は、図14に示すようにアクセルペダル操作量SAが大きくなるほど自車両に発生する駆動トルクTQが大きくなるように設定されている。これは、駆動力制御装置60が備える図5に示したマップと同様の関係を示している。運転者に先行車に対する追従意図がない場合は、図14に示す特性に従って、アクセルペダル操作量SAに基づいて駆動トルクTQを算出する。
一方、運転者に追従意図がある場合は、アクセルペダル操作量SAが変化した場合でも自車両が先行車に追従しやすいように、アクセルペダル操作量SAの変化に対する駆動トルク変化が小さくなる方向にアクセルペダル操作量−駆動トルク特性を変更する。図15に、追従意図が検出された場合に用いるアクセルペダル操作量SAに対する駆動トルクTQの特性を示す。図15に実線で示すように、追従意図がある場合には、アクセルペダル操作量の変化ΔSAに対する駆動トルク変化ΔTQが、一点鎖線で示す追従意図がない場合に比べて小さくなるように設定されている。
制駆動力補正量ΔDa、ΔDbの算出の際には、追従意図の有無によって図14及び図15のマップを切り換えて使用する。制駆動力補正量算出処理を、図16のフローチャートを用いて説明する。
ステップS2001では、現在、リスクポテンシャルRPに応じた制駆動力制御が行われているか否かを判定する。ステップS2001が否定判定されるとステップS2002へ進み、今回周期で制駆動力制御を開始するか否かを判定する。ステップS2002が否定判定されると、ステップS2003へ進んで駆動力補正量ΔDa=0に設定し、ステップS2004で制動力補正量ΔDb=0とする。
ステップS2001ですでに制駆動力制御が行われていると判定されると、ステップS2006へ進む。ステップS2006では、運転者の追従意図の有無に応じた駆動トルク特性を用い、アクセルペダル操作量SAに基づいて目標駆動トルクTQ1を算出する。まず、追従意図がない場合は図14のマップを用い、追従意図がある場合は図15に実線で示す関係を用いて、アクセルペダル操作量SAの差ΔSAに応じた駆動トルク変化量ΔTQを算出する。そして、前回周期で算出された目標駆動トルクTQ1_zに駆動トルク変化量ΔTQを加算することにより、以下の(式4)から目標駆動トルクTQ1を算出する。
TQ1=TQ1_z+ΔTQ ・・・(式4)
一方、ステップS2002で今回周期から制駆動力制御を開始すると判定された場合は、ステップS2005へ進み、図14のマップに従って現在のアクセルペダル操作量SAに対応する駆動トルクTQを目標駆動トルクTQ1として算出する。
つづくステップS2007では、ステップS2005またはS2006で算出された目標駆動トルクTQ1と、ステップS170で算出したリスクポテンシャルRPに応じた反発トルクTとを比較する。目標駆動トルクTQ1が反発トルクT以上(TQ1≧T)の場合は、ステップS2008へ進む。
ステップS2008では、駆動力補正量ΔDaとして−Tをセットし、ステップS2009で制動力補正量ΔDbに0をセットする。すなわち、TQ1−T≧0であることから、駆動トルクTQ1を反発トルクTにより補正した後も正の駆動力が残る。従って、補正量の出力は駆動力制御装置60のみで行うことができる。この場合、車両の状態としては、運転者がアクセルペダル61を踏んでいるにも関わらず期待した程の駆動力が得られない状態となる。補正後の駆動力が走行抵抗より大きい場合には、加速が鈍くなる挙動として運転者に感じられ、補正後の駆動力が走行抵抗より小さい場合には、減速する挙動として運転者に感じられる。
一方、ステップS2007が否定判定され、目標駆動トルクTQ1が反発トルクTより小さい場合(TQ1<T)は、駆動力制御装置60のみでは目標とする補正量を出力できない。そこで、ステップS2010において駆動力補正量ΔDaに−TQ1をセットし、ステップS2011で制動力補正量ΔDbとして、補正量の不足分(T−TQ1)をセットする。この場合、車両の減速挙動として運転者には察知される。
このようにステップS200で制駆動力補正量を算出した後、ステップS210へ進む。ステップS210では、ステップS170で算出した反発トルクTに基づいて、アクセルペダル61に発生する操作反力の制御量、すなわちアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。
反発トルクTとアクセルペダル反力制御指令値FAとの基本的な関係は、図17に示すように反発トルクTが大きくなるほどアクセルペダル反力制御指令値FAが大きくなるように設定されている。運転者に先行車に対する追従意図がない場合は、図17に示す反力特性に従って、反発トルクTに基づいてアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。
一方、運転者に追従意図がある場合は、自車両が先行車に追従しやすいようにアクセルペダル操作反力を速やかに低下させる。そこで、図18に実線で示すように反発トルクTに対するアクセルペダル反力制御指令値FAの変化を、一点鎖線で示す追従意図がない場合に比べて大きくする。この場合、図18に示すように、制駆動力制御における車間距離Dの初期値D0に対応する反発トルクT0を基準として、反発トルクTに対するアクセルペダル反力制御指令値FAの傾きを変更する。具体的には、自車両と先行車との車間距離Dの増加によりリスクポテンシャルRPが低下し、反発トルクTが低下していく場合に、アクセルペダル61に発生している操作反力を速やかに低下させて追従走行を行うために必要なアクセルペダル操作量SAまで速やかに復帰できるように反力特性を変更する。
つづくステップS220では、ステップS200で算出した駆動力補正量ΔDa、及び制動力補正量ΔDbをそれぞれ駆動力制御装置60、及び制動力制御装置90に出力する。駆動力制御装置60は、駆動力補正量ΔDaと要求駆動力Fdaとから目標駆動力を算出し、算出した目標駆動力を発生するようにエンジンコントローラに指令を出力する。また、制動力制御装置90は、制動力補正量ΔDbと要求制動力Fdbとから目標制動力を算出し、目標制動力を発生するようにブレーキ液圧コントローラに指令を出力する。
ステップS230では、ステップS210で算出したアクセルペダル反力制御指令値FAをアクセルペダル反力発生装置70に出力する。アクセルペダル反力発生装置70は、アクセルペダル操作量SAに応じた通常の反力特性に、コントローラ50から入力される指令値に応じた反力を付加するようにアクセルペダル反力を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
このように以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置1は、自車両前方の障害物を検出し、少なくとも自車速Vhおよび自車両と前方障害物との車間距離Dを検出し、これらの検出結果に基づいて障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルRPを算出する。そして、リスクポテンシャルRPに基づいて運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生する操作反力および自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する。第1の実施の形態では、操作反力および制駆動力の両方を制御する。車両用運転操作補助装置1は、自車両と障害物との相対位置関係の調整に関する運転者の運転意図を2段階で検出し、運転意図の検出結果に基づいて操作反力および制駆動力の制御量を補正する。これにより、障害物に対するリスクポテンシャルRPを、運転操作機器であるアクセルペダル61に発生する操作反力および自車両に発生する制駆動力を介して運転者に伝達しながら、障害物に対する相対位置関係を調整しようとする運転者の運転意図を考慮した制御を実現することが可能となる。
(2)コントローラ50は、2段階の運転意図検出として、車間距離Dを調整して障害物に接近しようとする、あるいは障害物から離れようとする車間距離調整意図の検出、および車間距離Dを略一定として障害物に追従しようとする運転者の追従意図の検出を行う。これにより、運転者が障害物に接近しようとしているのか、また接近しようとしている場合はより短い車間距離Dで追従しようとしているのか、といった追従走行に関する運転者の運転意図を詳細に検出することができる。
(3)コントローラ50は、アクセルペダル操作量SAに基づいて、運転者の車間距離調整意図を検出する。具体的には、アクセルペダル61が踏増し操作されている場合は障害物に接近しようとし、アクセルペダル61が戻し操作されている場合は障害物から離れようとしていると判断する。アクセルペダル61は運転者が運転操作の際に操作する運転操作機器であり、アクセルペダル操作量SAには運転者の運転操作状態が直接的に現れるので、車間距離調整意図を確実に判断できる。
(4)コントローラ50は、車間距離Dが所定範囲内で変化するときの継続時間に基づいて追従意図を検出する。具体的には、車間距離Dの変化量|D-D0|が閾値Dthよりも小さい状態が所定時間Tth以上継続する場合に、追従意図ありと判断する。車間距離Dが継続的に安定している場合は障害物に追従しようとしていると判断するので、運転者の追従意図を確実に判断することができる。
(5)コントローラ50は、車間距離調整意図の検出結果に基づいて制駆動力の制御量の変化量を設定し、運転者に追従意図ありと検出されると、制御量の変化量が小さくなるように補正する。具体的には、車間距離調整意図の検出結果であるアクセルペダル操作量SAの変化量ΔSAに基づいて、図14の関係から駆動トルクTQの変化量ΔTQを算出し、追従意図がある場合は、図15に示すように駆動トルク変化量ΔTQが小さくなるように補正する。例えば、リスクポテンシャルRPが増加すると、これに応じて駆動力が低下するとともに、アクセルペダル操作反力が増大するので、運転者は車間距離Dを保って先行車に追従するためにアクセルペダル61を踏み込む必要がある。しかし、追従意図ありと検出されると駆動トルクTQの減少が抑制されるので、先行車への追従走行状態を容易に保つことができる。
(6)コントローラ50は、追従意図ありと検出された後、障害物検出手段であるレーダ装置10によって障害物が検出されなくなると、追従意図の検出処理をリセットする。これにより、信頼度の高い追従意図の検出を行うことができる。
(7)コントローラ50は、追従意図ありと検出された後、例えばステアリング操舵状態ウィンカ操作状態、または自車両のレーン内横位置の変化に基づいて自車両の車線変更が検出されると、追従意図の検出処理をリセットする。これにより、信頼度の高い追従意図の検出を行うことができる。
−第1の実施の形態の変形例−
先行車に対する追従意図が検出された場合のアクセルペダル操作量−駆動トルク特性を、図19に示すように設定することもできる。図19に示す特性は、アクセルペダル61が前回値SA_1から戻し方向に操作される場合にのみ、実線で示すようにアクセルペダル操作量SAの変化に対する駆動トルク変化ΔTQが小さくなるように調整している。これにより、運転者に追従意図がある場合は、アクセルペダル61が戻されると駆動トルクTQの変化が小さくなるので、先行車に対する追従走行状態を容易に保つことができる。アクセルペダル61を踏み増ししている場合は、運転者が追従意図を持っていても追従意図なしの場合と同様に駆動トルクTQが変化するので、運転者が意図的にアクセルペダル61を踏み込んでいる場合に運転者の運転操作を優先した制御とすることができる。
《第2の実施の形態》
以下に、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第2の実施の形態においては、アクセルペダル操作量SAに基づいて、運転者の先行車に対する追従意図を判定する。アクセルペダル操作量SAに基づく追従意図判定処理を、図20のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図8に示したフローチャートのステップS190で実行される第2の意図検出処理に相当する。
ステップS1921では、現在、リスクポテンシャルRPに応じた制駆動力制御および操作反力制御が行われているか否かを判定する。ステップS1921が否定判定されるとステップS1922へ進み、今回周期で制駆動力制御および操作反力制御を開始するか否かを判定する。今回周期で制駆動力制御および操作反力制御を開始する場合は、ステップS1923へ進む。
ステップS1923では、ステップS120で検出した現在のアクセルペダル操作量SAを、制御開始初期値SA0として記憶する。そして、ステップS1924で追従意図を判断するために用いるタイマをリセットした後、ステップS1925へ進む。ステップS1922で制御開始しないと判断された場合は、ステップS1923,S1924をスキップしてステップS1925へ進む。ステップS1925では、先行車に追従走行する意図がないと判定する。
ステップS1921が肯定判定され、すでに制駆動力制御及び操作反力制御が行われている場合は、ステップS1926へ進む。ステップS1926では、ステップS120で検出された現在のアクセルペダル操作量SAと制御開始初期値SA0との差を算出し、差の絶対値|SA−SA0|を閾値SAthと比較する。閾値SAthは、運転者に先行車に対する追従走行意図があるか否かを判断するために用いるしきい値であり、アクセルペダル操作によって自車両に大きな加減速を発生させることがなく、略一定の自車速Vhを維持するためのアクセルペダル操作範囲を設定するように定義する。例えば、アクセルペダル操作によって1秒あたりの車速変化が1km/hを超えない程度となるように閾値SAthを設定する。
|SA−SA0|<SAthの場合は、ステップS1927へ進んで追従意図を判断するためのタイマを加算する。ステップS1928では、ステップS1927で加算したタイマの値が所定時間Tth以上であるか否かを判定する。所定時間Tthは、運転者に先行車に対する追従走行意図があるか否かを判断するために用いるしきい値であり、運転者が同一の先行車に追従していると判断するのに充分な時間、例えば20秒程度として予め適切に設定しておく。ステップS1928が肯定判定され、アクセルペダル操作量SAの変化が所定範囲内となってから所定時間Tth以上経過した場合は、ステップS1929へ進み、先行車に対する追従意図があると判定する。
ステップS1926が否定判定され、アクセルペダル操作量SAの差の絶対値|SA−SA0|が閾値SAth以上の場合は、ステップS1930へ進む。ステップS1930では、制御開始初期値D0を現在のアクセルペダル操作量SAで置き換える。ステップS1931では、追従意図判断のためのタイマをリセットし、ステップS1932では追従意図なしと判定する。
なお、追従意図ありと判断されている場合に、アクセルペダル操作量SAが閾値SAthで定義される範囲を大きく超え、明らかに自車速Vhを変化させると判断できるアクセルペダル61の操作が検出された場合、例えばアクセルペダル操作による1秒あたりの車速変化が1.5km/hを超えるような加速度を生じさせるアクセルペダル操作量SAが検出された場合には、追従意図の検出をリセットする。
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
コントローラ50は、アクセルペダル操作量SAが所定範囲内で変化するときの継続時間に基づいて追従意図を検出する。具体的には、アクセルペダル操作量SAの変化量|SA-SA0|が閾値SAthよりも小さい状態が所定時間Tth以上継続する場合に、追従意図ありと判断する。アクセルペダル61の操作が安定した状態が継続している場合は障害物に追従しようとしていると判断するので、運転者の追従意図を確実に判断することができる。
−第2の実施の形態の変形例1−
ここでは、自車速Vhに基づいて運転者の先行車に対する追従意図を判定する。自車速Vhに基づく追従意図判定処理を、図21のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図8に示したフローチャートのステップS190で実行される第2の意図検出処理に相当する。
ステップS1941では、現在、リスクポテンシャルRPに応じた制駆動力制御および操作反力制御が行われているか否かを判定する。ステップS1941が否定判定されるとステップS1942へ進み、今回周期で制駆動力制御および操作反力制御を開始するか否かを判定する。今回周期で制駆動力制御および操作反力制御を開始する場合は、ステップS1943へ進む。
ステップS1943では、ステップS110で検出した現在の自車速Vhを、制御開始初期値V0として記憶する。そして、ステップS1944で追従意図を判断するために用いるタイマをリセットした後、ステップS1945へ進む。ステップS1942で制御開始しないと判断された場合は、ステップS1943,S1944をスキップしてステップS1945へ進む。ステップS1945では、先行車に追従走行する意図がないと判定する。
ステップS1941が肯定判定され、すでに制駆動力制御及び操作反力制御が行われている場合は、ステップS1946へ進む。ステップS1946では、ステップS110で検出された現在の自車速Vhと制御開始初期値V0との差を算出し、差の絶対値|Vh−V0|を閾値Vthと比較する。閾値Vthは、運転者に先行車に対する追従走行意図があるか否かを判断するために用いるしきい値であり、自車速Vhが略一定であるとみなせる範囲を設定するように定義する。閾値Vthは、例えば、5km/hとして設定する。
|Vh−V0|<Vthの場合は、ステップS1947へ進んで追従意図を判断するためのタイマを加算する。ステップS1948では、ステップS1947で加算したタイマの値が所定時間Tth以上であるか否かを判定する。所定時間Tthは、運転者に先行車に対する追従走行意図があるか否かを判断するために用いるしきい値であり、運転者が同一の先行車に追従していると判断するのに充分な時間、例えば20秒程度として予め適切に設定しておく。ステップS1948が肯定判定され、自車速Vhの変化が所定範囲内となってから所定時間Tth以上経過した場合は、ステップS1949へ進み、先行車に対する追従意図があると判定する。
ステップS1946が否定判定され、自車速Vhの差の絶対値|Vh−V0|が閾値Vth以上の場合は、ステップS1950へ進む。ステップS1950では、制御開始初期値V0を現在の自車速Vhで置き換える。ステップS1951では、追従意図判断のためのタイマをリセットし、ステップS1952では追従意図なしと判定する。
なお、追従意図ありと判断されている場合に、自車速Vhが閾値Vthで定義される範囲を大きく超え、例えば閾値Vthから10km/h以上離れる場合には、追従意図の検出をリセットする。
このように、コントローラ50は、自車速Vhが所定範囲内で変化するときの継続時間に基づいて追従意図を検出する。具体的には、自車速Vhの変化量|Vh-V0|が閾値Vthよりも小さい状態が所定時間Tth以上継続する場合に、追従意図ありと判断する。自車速Vhが安定した状態が継続している場合は障害物に追従しようとしていると判断するので、運転者の追従意図を確実に判断することができる。
−第2の実施の形態の変形例2−
ここでは、操舵角δに基づいて運転者の先行車に対する追従意図を判定する。操舵角δに基づく追従意図判定処理を、図22のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図8に示したフローチャートのステップS190で実行される第2の意図検出処理に相当する。
ステップS1961では、現在、リスクポテンシャルRPに応じた制駆動力制御および操作反力制御が行われているか否かを判定する。ステップS1961が否定判定されるとステップS1962へ進み、今回周期で制駆動力制御および操作反力制御を開始するか否かを判定する。今回周期で制駆動力制御および操作反力制御を開始する場合は、ステップS1963へ進む。
ステップS1963では、ステップS110で検出した現在の操舵角δを、制御開始初期値δ0として記憶する。そして、ステップS1964で追従意図を判断するために用いるタイマをリセットした後、ステップS1965へ進む。ステップS1962で制御開始しないと判断された場合は、ステップS1963,S1964をスキップしてステップS1965へ進む。ステップS1965では、先行車に追従走行する意図がないと判定する。
ステップS1961が肯定判定され、すでに制駆動力制御及び操作反力制御が行われている場合は、ステップS1966へ進む。ステップS1966では、ステップS110で検出された現在の操舵角δと制御開始初期値δ0との差を算出し、差の絶対値|δ−δ0|を閾値δthと比較する。閾値δthは、運転者に先行車に対する追従走行意図があるか否かを判断するために用いるしきい値であり、車両が通常、緩いカーブも含めて自車線内を維持して走行する際に示す値よりもやや大きい値として設定する。
|δ−δ0|<δthの場合は、ステップS1967へ進んで追従意図を判断するためのタイマを加算する。ステップS1968では、ステップS1967で加算したタイマの値が所定時間Tth以上であるか否かを判定する。所定時間Tthは、運転者に先行車に対する追従走行意図があるか否かを判断するために用いるしきい値であり、運転者が同一の先行車に追従していると判断するのに充分な時間、例えば20秒程度として予め適切に設定しておく。ステップS1968が肯定判定され、操舵角δの変化が所定範囲内となってから所定時間Tth以上経過した場合は、ステップS1969へ進み、先行車に対する追従意図があると判定する。
ステップS1966が否定判定され、操舵角δの差の絶対値|δ−δ0|が閾値δth以上の場合は、ステップS1970へ進む。ステップS1970では、制御開始初期値δ0を現在の操舵角δで置き換える。ステップS1961では、追従意図判断のためのタイマをリセットし、ステップS1962では追従意図なしと判定する。
なお、追従意図ありと判断されている場合に、操舵角δが閾値δthで定義される範囲を大きく超える場合、具体的には、車線変更を行う際の操舵操作に対応する操舵角δが検出された場合には、追従意図の検出をリセットする。また、ウィンカ操作や操舵速度に基づいて車線変更を行おうとしていることが検出される場合も追従意図の検出をリセットする。
コントローラ50は、操舵角δが所定範囲内で変化するときの継続時間に基づいて追従意図を検出する。具体的には、操舵角δの変化量|δ-δ0|が閾値δthよりも小さい状態が所定時間Tth以上継続する場合に、追従意図ありと判断する。操舵角δの変化が小さく、ステアリングホイールの操作が安定した状態が継続している場合は、自車両が車線変更や追越操作を行わずに障害物に追従しようとしていると判断するので、運転者の追従意図を確実に判断することができる。
−第2の実施の形態の変形例3−
ここでは、リスクポテンシャルRPに応じた操作反力制御および制駆動力制御の制御モードを運転者が選択するモード選択スイッチを設け、スイッチ操作に基づいて運転者の先行車に対する追従意図を判定する。図23に、モード選択スイッチ35を備えた車両用運転操作補助装置2のシステム図を示す。図23において、図1に示した第1の実施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
モード選択スイッチ35は、例えばステアリングホイール近傍に設置されており、運転者のスイッチ操作により、通常モードと前車追従モードのいずれかを選択する。コントローラ50Aは、通常モードが選択されると、運転者に先行車に対する追従意図がないと判断し、前車追従モードが選択されると、先行車に対する追従意図があると判断する。追従意図ありの場合は、上述した第1の実施の形態と同様に駆動トルク特性および反力特性を変更する。
このように、車両用運転操作補助装置2は、障害物に対する追従走行モードを設定する追従モード設定スイッチ35をさらに備えており、コントローラ50Aは運転者による追従モード設定スイッチ35の操作に基づいて追従意図を検出する。スイッチ操作によって運転者が追従モードを選択すると追従意図ありと判断するので、運転者の追従意図を一層確実に検出することができる。
《第3の実施の形態》
以下に、本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第3の実施の形態においては、先行車に対する運転者の追従意図に応じて、リスクポテンシャルRPに対する反発トルクTの特性を変化させる。図24に、リスクポテンシャルRPと反発トルクTとの関係を示す。追従意図がない場合は、実線で示す図12と同様の特性に従って反発トルクTを算出する。追従意図がある場合は、破線で示す特性に従って反発トルクTを算出する。追従意図がある場合は、先行車との車間距離Dが増加した時に速やかに反発トルクTを減少し、先行車に追従走行するために必要な駆動力まで速やかに復帰させるように、リスクポテンシャルRPの変化に対する反発トルクTの変化を大きくしている。
また、追従意図がある場合は、リスクポテンシャルRPが所定値RP2(>RP1)よりも大きくなると反発トルクTが増加し始めるように設定する。これにより、車間距離Dの増加等によりリスクポテンシャルRPが低下した場合に、反発トルクTが早いタイミングで0となるので、運転者は加速操作を容易に行うことができる。
なお、運転者の追従意図の有無に応じて反発トルクTの特性を変化させる場合は、図8のフローチャートのステップS190で運転者の追従意図検出処理を行った後、ステップS170の反発トルク算出処理を行うようにする。
このように、以上説明した第3の実施の形態においては、以下の作用効果を奏することができる。
コントローラ50は、運転者の追従意図ありと検出されると、リスクポテンシャルRPと制御量との関係を補正する。具体的には、図24に示すようにリスクポテンシャルRPと、制駆動力補正量ΔDa,ΔDbおよび反力制御指令値FAを算出するための反発トルクTとの関係を補正する。車間距離Dの増加等によりリスクポテンシャルRPが低下した場合は反発トルクTが速やかに減少するので、運転者の加速操作によって先行車に追従するために必要な駆動力まで容易に復帰することができ、追従走行状態を維持しやすくすることができる。
《第4の実施の形態》
以下に、本発明の第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第4の実施の形態においては、第2の意図検出処理、すなわち先行車に対する運転者の追従意図を検出する際に、運転者がどの程度の車間距離で先行車に追従しようとしているかも合わせて判断し、この結果に応じて追従走行時の制御パターンを設定する。制御パターンは、操作反力制御および制駆動力制御をどのような形態で行うかを表しており、ここでは、制御パターンとして、先行車に追従走行する場合の基準車間距離を決定する。基準車間距離は、操作反力制御および制駆動力制御を実行するための制御作動領域といえる。
ここでは、図25に示すように、制御作動領域の短いパターン1、制御作動領域の中程度のパターン2、および制御作動領域の長いパターン3の制御パターンを設定し、これらの中からいずれかを選択する。 制御パターン1は、制御作動領域が短く、自車両と前方障害物との接触の可能性が高い場合に操作反力制御および制駆動力制御を行う。混雑した交通環境や合流地点等、運転者が意図的に前方障害物に接近して走行する場合は、運転者の運転操作を優先する。ただし、接触の可能性が高くなると、大きな制御量を発生させて運転者の注意を喚起し、接触の可能性を低減させる。
制御パターン3は、制御作動領域が長いので、自車両前方に障害物が存在する場合に、早い段階から操作反力制御および制駆動力制御を開始して、前方障害物の状況を運転者に報知する。これにより、先行車との車間距離Dが適度に長く、比較的空いている交通環境で、運転者の運転操作を適切な方向へ促すことができる。制御パターン2は、制御作動領域が中程度であり、制御パターン3よりも先行車に接近している状態で操作反力制御および制駆動力制御を行う。
なお、図25では、説明を容易にするために自車両と先行車との車間距離Dを横軸とし、反発トルクTを縦軸として表しているが、車間距離Dが車間時間THWに相当すると考えると、図25は、図12に示したリスクポテンシャルRPと反発トルクTとの関係を表しているといえる。すなわち、制御作動領域が短くなると、図12に示したリスクポテンシャルRPの所定値RP1が大きくなり、反発トルクTの発生タイミングが遅くなる。
第4の実施の形態では、自車両と先行車との車間距離Dに基づいて制御パターンの設定、すなわち追従意図の有無の判断および基準車間距離の設定を行う。制御パターンの設定処理を、図26のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図8に示したフローチャートのステップS190で実行される第2の意図検出処理に相当する。
ステップS1981では、ステップS130で算出した自車両と先行車との車間距離Dを、現在の制御パターンと制御作動領域の短い制御パターンとを区分する車間距離のしきい値(基準車間距離)THR(SEL−1)と比較する。SELは、制御パターンに付した符号を示し、制御パターン1が設定されている場合はSEL=1、制御パターン2が設定されている場合はSEL=2、制御パターン3が設定されている場合はSEL=3となる。制御パターン1〜3に属さない場合は、SEL=4(領域外)とする。
例えば、現在、制御パターン3に設定されている場合は、制御パターン3と制御パターン2とを区分するしきい値THR(2)と、現在の車間距離Dとを比較する。D<THR(SEL−1)の場合は、ステップS1982へ進む。ステップS1982では、制御作動領域を短くするかを判断する際に用いるタイマT1を加算するとともに、制御作動領域を長くするかを判断する際に用いるタイマT2をリセットする。
ステップS1983では、ステップS1982で加算したタイマT1の値が所定時間T1th以上であるか否かを判定する。車間距離Dがしきい値THR(SEL−1)よりも小さくなってから所定時間T1th以上経過している場合は、ステップS1984へ進む。ステップS1984では、運転者が現在の制御パターンよりも短い車間距離で先行車に追従しようとしていると判断し、制御パターンを、現在よりも制御作動領域の短い制御パターンに変更する(SEL→SEL−1)。例えば、現在、制御パターン3が設定されている場合は制御パターン2に変更する。
ステップS1981が否定判定されるとステップS1985へ進み、車間距離Dを、現在の制御パターンと制御作動領域の長い制御パターンとを区分する車間距離のしきい値(基準車間距離)THR(SEL+1)と比較する。例えば、現在、制御パターン1に設定されている場合は、制御パターン1と制御パターン2とを区分するしきい値THR(1)と、現在の車間距離Dとを比較する。D>THR(SEL+1)の場合は、ステップS1986へ進む。ステップS1986では、制御作動領域を短くするかを判断する際に用いるタイマT1をリセットするとともに、制御作動領域を長くするかを判断する際に用いるタイマT2を加算する。
ステップS1987では、ステップS1986で加算したタイマT2の値が所定時間T2th以上であるか否かを判定する。車間距離Dがしきい値THR(SEL+1)よりも大きくなってから所定時間T2th以上経過している場合は、ステップS1988へ進む。ステップS1988では、運転者が現在の制御パターンよりも長い車間距離で先行車に追従しようとしていると判断し、制御パターンを、現在よりも制御作動領域の長い制御パターンに変更する(SEL→SEL+1)。例えば、現在、制御パターン1が設定されている場合は制御パターン2に変更する。なお、現在、最も制御作動領域の長い制御パターン3に設定されている場合は、SELをSEL+1に変更することにより、領域外(SEL=4)となる。この場合は、運転者に追従意図がないと判断する。
ステップS1985が否定判定されると、ステップS1989へ進み、タイマT1,T2をリセットする。この場合は、前回周期で設定された制御パターンをそのまま使用する。なお、所定時間T1th、T2thは、先行車に追従しているか否かを判断するために用いるしきい値であり、車間距離Dがほぼ一定の状態で運転者が同一の先行車に追従していると判断するのに充分な時間、例えば20秒程度として予め適切に設定しておく。また、車間距離Dのしきい値THR(SEL)は、追従走行時の基準車間距離であり、各制御パターンにおいて適切な制御を実現できるように予め適切な値を設定しておく。
第4の実施の形態では、以上説明したようにステップS190で追従意図の有無の判断と基準車間距離を設定した後、ステップS170の反発トルク算出処理を行う。具体的には、追従意図がないと判断されると、図12のマップに従ってリスクポテンシャルRPに応じた反発トルクTを算出し、追従意図があると判断されると、設定された基準車間距離(制御パターン)に従ってリスクポテンシャルRPに応じた反発トルクTを算出する。制御パターンごとの反発トルクTの特性を、図27に示す。
図27に示すように、制御パターン3は、運転者が長い車間距離Dを保って先行車に追従しようとしているので、リスクポテンシャルRPが小さい早い段階からゆるやかな操作反力制御および制駆動力制御を行うようにする。制御パターン2は、中程度の車間距離Dを保って先行車に追従するように、適切な反発トルクTを設定する。制御パターン1は、運転者が短い車間距離Dで先行車に追従しようとしているので、リスクポテンシャルRPが高く、先行車との接触の可能性が高くなるまでは運転者の運転操作を優先する。接触の可能性が高くなると、反発トルクTをすみかやに増大させて操作反力制御及び制駆動力制御により運転者の注意を喚起する。
このように、以上説明した第4の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)コントローラ50は、2段階の運転意図検出として、車間距離Dを調整して障害物に接近しようとする、あるいは障害物から離れようとする車間距離調整意図の検出、および障害物に追従しようとする運転者の追従意図の検出とともに追従走行時の基準車間距離の設定を行う。具体的には、図25に示すように複数の制御パターンを設定し、運転者が望む基準車間距離に対応する制御作動領域をもつ制御パターンを選択する。これにより、運転者が障害物に接近しようとしているのか、また接近しようとしている場合はより短い車間距離Dで追従しようとしているのか、といった追従走行に関する運転者の運転意図を詳細に検出し、運転者の運転意図にあった制御を実現することができる。さらに、短い基準車間距離に対応する制御パターン、例えば制御パターン1が設定されると、接触の可能性が高くなるまでリスクポテンシャルRPに応じた操作反力制御および制駆動力制御が行われないので、過大な制御によって運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。長い基準車間距離に対応する制御パターン、例えば制御パターン3が設定されると、早い段階からリスクポテンシャルRPに応じた操作反力制御および制駆動力制御を行って自車両周囲のリスクの大きさを運転者に報知することができる。
(2)コントローラ50は、車間距離Dの変化と変化後の経過時間に基づいて追従意図の検出と基準車間距離の設定を行う。具体的には、車間距離Dがしきい値THR(SEL−1)よりも小さくなってから所定時間T1thが経過すると、より短い車間距離Dで追従しようとしていると判断し、車間距離Dがしきい値THR(SEL+1)よりも大きくなってから所定時間T2thが経過すると、より長い車間距離Dで追従しようとしていると判断する。これにより、運転者がどの程度の車間距離Dを保って先行車に追従しようとしているかを詳細に設定し、自動的に制御パターンを切り替えることができる。
−第4の実施の形態の変形例1−
ここでは、アクセルペダル操作量SAに基づいて、運転者の先行車に対する追従意図の判定および基準車間距離の設定を行う。ここでの処理を、図28のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図8に示したフローチャートのステップS190で実行される第2の意図検出処理に相当する。
ステップS2901では、ステップS120で検出したアクセルペダル操作量SAを、しきい値SA_TH1と比較する。しきい値SA_TH1は、車速維持に必要なトルクを得るためのアクセルペダル操作量SAよりも充分に大きな値として予め適切に設定しておく。SA>SA_TH1の場合は、ステップS2902へ進む。ステップS2902では、制御作動領域を短くするかを判断する際に用いるタイマT1を加算するとともに、制御作動領域を長くするかを判断する際に用いるタイマT2をリセットする。
ステップS2903では、ステップS2902で加算したタイマT1の値が所定時間T1th以上であるか否かを判定する。アクセルペダル61がしきい値SA_TH1よりも踏み込まれている状態が所定時間T1th以上継続する場合は、ステップS2904へ進む。ステップS2904では、運転者が現在の制御パターンよりも短い車間距離で先行車に追従しようとしていると判断し、制御パターンを、現在よりも制御作動領域の短い制御パターンに変更する(SEL→SEL−1)。例えば、現在、制御パターン3が設定されている場合は制御パターン2に変更する。
ステップS2901が否定判定されるとステップS2905へ進み、アクセルペダル操作量SAをしきい値SA_TH2と比較する。しきい値SA_TH2は、車速維持に必要なトルクを得るためのアクセルペダル操作量SAよりも充分に小さな値として予め適切に設定しておく。SA<SA_TH2の場合は、ステップS2906へ進む。ステップS2906では、制御作動領域を短くするかを判断する際に用いるタイマT1をリセットするとともに、制御作動領域を長くするかを判断する際に用いるタイマT2を加算する。
ステップS2907では、ステップS2906で加算したタイマT2の値が所定時間T2th以上であるか否かを判定する。アクセルペダル61がしきい値SA_TH2よりも戻されている状態が所定時間T2th以上継続している場合は、ステップS2908へ進む。ステップS2908では、運転者が現在の制御パターンよりも長い車間距離で先行車に追従しようとしていると判断し、制御パターンを、現在よりも制御作動領域の長い制御パターンに変更する(SEL→SEL+1)。例えば、現在、制御パターン1が設定されている場合は制御パターン2に変更する。なお、現在、最も制御作動領域の長い制御パターン3に設定されている場合は、SELをSEL+1に変更することにより、領域外(SEL=4)となる。この場合は、運転者に追従意図がないと判断する。
ステップS2905が否定判定されると、ステップS2909へ進み、タイマT1,T2をリセットする。この場合は、前回周期で設定された制御パターンをそのまま使用する。なお、所定時間T1th、T2thは、略一定の操作状態で先行車に追従しているか否かを判断するために用いるしきい値であり、運転者が同一の先行車に追従していると判断するのに充分な時間、例えば20秒程度として予め適切に設定しておく。
アクセルペダル61の踏み込み状態が継続する場合は、車間距離Dを短くして追従しようとしていると判断し、制御作動領域を短くしていくように制御パターンを順次変更する。アクセルペダル61を戻した状態が継続する場合は、車間距離Dを長くしようとしている判断し、制御作動領域を長くしていくように制御パターン順次変更する。
このように、コントローラ50は、アクセルペダル操作量SAの変化と変化後の経過時間に基づいて追従意図の検出と基準車間距離の設定を行う。具体的には、アクセルペダル操作量SAがしきい値SA_TH1よりも大きくなってから所定時間T1thが経過すると、より短い車間距離Dで追従しようとしていると判断し、アクセルペダル操作量SAがしきい値SA_TH2よりも小さくなってから所定時間T2thが経過すると、より長い車間距離Dで追従しようとしていると判断する。これにより、運転者がどの程度の車間距離Dを保って先行車に追従しようとしているかを詳細に設定し、制御パターンを自動的に切り替えることができる。また、運転者が操作するアクセルペダル61の操作量を用いることにより、運転者の運転操作状態を直接的に反映した追従意図の検出および制御作動領域の選択を行うことができる。
−第4の実施の形態の変形例2−
ここでは、リスクポテンシャルRPに応じてアクセルペダル61に付加される付加反力、すなわちアクセルペダル反力制御指令値FAに基づいて、運転者の先行車に対する追従意図の判定および基準車間距離の設定を行う。ここでの処理を、図29のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図8に示したフローチャートのステップS190で実行される第2の意図検出処理に相当する。
ステップS2921では、前回周期で算出したアクセルペダル反力制御指令値FAを、しきい値FA_TH1と比較する。しきい値FA_TH1は、所定値以下のリスクポテンシャルRPが発生している低リスク領域において自車両が先行車に追従走行する場合の反力制御指令値FAよりも充分に大きな値として予め適切に設定しておく。FA>FA_TH1の場合は、ステップS2922へ進む。ステップS2922では、制御作動領域を短くするかを判断する際に用いるタイマT1を加算するとともに、制御作動領域を長くするかを判断する際に用いるタイマT2をリセットする。
ステップS2923では、ステップS2922で加算したタイマT1の値が所定時間T1th以上であるか否かを判定する。アクセルペダル反力制御指令値FAがしきい値FA_TH1よりも大きい状態が所定時間T1th以上継続する場合は、ステップS2924へ進む。ステップS2924では、運転者が現在の制御パターンよりも短い車間距離で先行車に追従しようとしていると判断し、制御パターンを、現在よりも制御作動領域の短い制御パターンに変更する(SEL→SEL−1)。例えば、現在、制御パターン3が設定されている場合は制御パターン2に変更する。
ステップS2921が否定判定されるとステップS2925へ進み、アクセルペダル反力制御指令値FAをしきい値FA_TH2と比較する。しきい値FA_TH2は、反力制御指令値FA=0に近い、小さな値として予め適切に設定しておく。FA<FA_TH2の場合は、ステップS2926へ進む。ステップS2926では、制御作動領域を短くするかを判断する際に用いるタイマT1をリセットするとともに、制御作動領域を長くするかを判断する際に用いるタイマT2を加算する。
ステップS2927では、ステップS2926で加算したタイマT2の値が所定時間T2th以上であるか否かを判定する。アクセルペダル反力制御指令値FAがしきい値FA_TH2よりも小さい状態が所定時間T2th以上継続している場合は、ステップS2928へ進む。ステップS2928では、運転者が現在の制御パターンよりも長い車間距離で先行車に追従しようとしていると判断し、制御パターンを、現在よりも制御作動領域の長い制御パターンに変更する(SEL→SEL+1)。例えば、現在、制御パターン1が設定されている場合は制御パターン2に変更する。なお、現在、最も制御作動領域の長い制御パターン3に設定されている場合は、SELをSEL+1に変更することにより、領域外(SEL=4)となる。この場合は、運転者に追従意図がないと判断する。
ステップS2925が否定判定されると、ステップS2929へ進み、タイマT1,T2をリセットする。この場合は、前回周期で設定された制御パターンをそのまま使用する。なお、所定時間T1th、T2thは、略一定の操作状態で先行車に追従しているか否かを判断するために用いるしきい値であり、運転者が同一の先行車に追従していると判断するのに充分な時間、例えば20秒程度として予め適切に設定しておく。
アクセルペダル反力制御指令値FAがしきい値FA_TH1よりも大きな状態が継続する場合は、リスクポテンシャルRPが大きいにも関わらず、その状態を維持しており、運転者は車間距離Dを短くして追従しようとしていると判断する。そこで、制御作動領域を短くしていくように制御パターンを順次変更する。アクセルペダル反力制御指令値FAがしきい値FA_TH2よりも小さな状態が継続する場合は、車間距離Dを長くしようとしている判断し、制御作動領域を長くしていくように制御パターン順次変更する。
このように、コントローラ50は、操作反力の制御量の変化と変化後の経過時間に基づいて追従意図の検出と基準車間距離の設定を行う。具体的には、操作反力の制御量であるアクセルペダル反力制御指令値FAがしきい値FA_TH1よりも大きくなってから所定時間T1thが経過すると、より短い車間距離Dで追従しようとしていると判断し、アクセルペダル反力制御指令値FAがしきい値FA_TH2よりも小さくなってから所定時間T2thが経過すると、より長い車間距離Dで追従しようとしていると判断する。これにより、運転者がどの程度の車間距離Dを保って先行車に追従しようとしているかを詳細に設定し、制御パターンを自動的に切り替えることができる。
上述した第1から第4の実施の形態においては、自車両周囲のリスクポテンシャルRPに応じたアクセルペダル反力制御および制駆動力制御をそれぞれ行った。ただし、これには限定されず、アクセルペダル反力制御および制駆動力制御の少なくともいずれかを行うように構成することもできる。また運転操作機器としてブレーキペダル91を用い、リスクポテンシャルRPに応じてブレーキペダル91に発生する操作反力を制御することもできる。
上述した第1から第4の実施の形態においては、自車両と障害物との車間時間THWを用いて障害物に対する接近度合いを表すリスクポテンシャルRPを算出したが、これには限定されない。例えば、車間時間THWの代わりに自車両が障害物に接触するまでの時間を表す余裕時間TTCを用いることもできる。余裕時間TTCは、自車両と障害物との車間距離Dを相対速度Vrで除算することにより算出でき、自車両の障害物に対する接近度合を表す物理量であるといえる。この場合も、余裕時間TTCの逆数をリスクポテンシャルRPとする。
上述した第1から第4の実施の形態では、追従意図ありと検出された場合に、アクセルペダル操作量―駆動トルク特性を補正するとともに、反発トルクTに対するアクセルペダル反力制御指令値FAの特性も補正した。ただし、これには限定されず、追従意図ありと検出された場合に、アクセルペダル操作量―駆動トルク特性のみを補正することもできる。あるいは、反発トルクTに対するアクセルペダル反力制御指令値FAの特性のみを補正することも可能である。
以上説明した第1から第4の実施の形態においては、レーダ装置10が障害物検出手段として機能し、レーダ装置10および車速センサ20が走行状態検出手段として機能し、コントローラ50,50Aがリスクポテンシャル算出手段、意図検出手段、補正手段、第1の意図検出手段、第2の意図検出手段、およびリセット手段として機能することができる。また、コントローラ50,50A,アクセルペダル反力発生装置70、駆動力制御装置60、および制動力制御装置90が制御手段として機能し、アクセルペダルストロークセンサ62がアクセルペダル操作量検出手段として機能することができる。ただし、これらには限定されず、走行状態検出手段としてのレーダ装置10を、レーザレーダとは別方式のミリ波レーダを用いたり、CCD等のカメラを走行状態検出手段として用いることも可能である。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 レーダ装置の測距原理を説明する図。 レーダ装置による検出結果の一例を示す図。 駆動力制御装置を説明する図。 アクセルペダル操作量と要求駆動力との関係を示す図。 制動力制御装置を説明する図。 ブレーキペダル操作量と要求制動力との関係を示す図。 第1の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 自車両の予測進路の算出方法を説明する図。 自車両の予測進路の算出方法を説明する図。 (a)(b)反発トルクの算出方法を説明する図。 リスクポテンシャルと反発トルクとの関係を示す図。 追従意図検出処理の処理手順を示すフローチャート。 アクセルペダル操作量と駆動トルクとの基本的な関係を示す図。 追従意図がある場合のアクセルペダル操作量と駆動トルクとの関係を示す図。 制駆動力補正量算出処理の処理手順を示すフローチャート。 反発トルクとアクセルペダル反力制御指令値との基本的な関係を示す図。 追従意図に応じた反発トルクとアクセルペダル反力制御指令値との関係を示す図。 追従意図がある場合のアクセルペダル操作量と駆動トルクとの別の関係を示す図。 アクセルペダル操作量に基づく追従意図検出処理の処理手順を示すフローチャート。 自車速に基づく追従意図検出処理の処理手順を示すフローチャート。 操舵角に基づく追従意図検出処理の処理手順を示すフローチャート。 モード選択スイッチを備える車両用運転操作補助装置のシステム図。 追従意図に応じたリスクポテンシャルと反発トルクとの関係を示す図。 第4の実施の形態において設定する複数の制御パターンと車間距離との関係を説明する図。 追従意図/車間距離判定処理の処理手順を示すフローチャート。 制御パターンに応じたリスクポテンシャルと反発力との関係を示す図。 アクセルペダル操作量に基づく追従意図/車間距離判定処理の処理手順を示すフローチャート。 アクセルペダル付加反力に基づく追従意図/車間距離判定処理の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
10:レーダ装置 20:車速センサ
30:舵角センサ 40:障害物検知装置
50,50A:コントローラ 60:駆動力制御装置
61:アクセルペダル 70:アクセルペダル反力発生装置
90:制動力制御装置 91:ブレーキペダル

Claims (23)

  1. 自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段と、
    少なくとも、自車速および自車両と前記障害物との車間距離を検出する走行状態検出手段と、
    前記走行状態検出手段による検出結果に基づいて、前記障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、運転者が前記自車両を運転操作するための運転操作装置に発生する操作反力、および前記自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する制御手段と、
    前記自車両と前記障害物との相対位置関係の調整に関する前記運転者の運転意図を2段階で検出する意図検出手段と、
    前記意図検出手段の結果に基づいて、前記制御手段によって制御する力の制御量を補正する補正手段とを備え
    前記意図検出手段は、前記車間距離を調整して前記障害物に接近しようとする、あるいは前記障害物から離れようとする車間距離調整意図を検出する第1の意図検出手段と、前記車間距離を略一定として前記障害物に追従しようとする前記運転者の追従意図を検出する第2の意図検出手段とを備え、
    前記補正手段は、前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出されると、前記第1の意図検出手段による前記車間距離調整意図に応じて前記障害物への追従走行を補助するように前記制御量を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段をさらに備え、
    前記第1の意図検出手段は、前記アクセルペダル操作量検出手段で検出される前記アクセルペダルの操作量に基づいて、前記運転者の車間距離調整意図を検出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第2の意図検出手段は、前記車間距離が所定範囲内で変化するときの継続時間に基づいて前記追従意図を検出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段をさらに備え、
    前記第2の意図検出手段は、前記アクセルペダル操作量検出手段で検出される前記アクセルペダルの操作量が所定範囲内で変化するときの継続時間に基づいて前記追従意図を検出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第2の意図検出手段は、前記自車速が所定範囲内で変化するときの継続時間に基づいて前記追従意図を検出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  6. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    操舵角を検出する操舵角検出手段をさらに備え、
    前記第2の意図検出手段は、前記操舵角検出手段で検出される前記操舵角が所定範囲内で変化するときの継続時間に基づいて前記追従意図を検出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  7. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記障害物に対する追従走行モードを設定する追従モード設定スイッチをさらに備え、
    前記第2の意図検出手段は、前記運転者による前記追従モード設定スイッチの操作に基づいて前記追従意図を検出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記補正手段は、前記第1の意図検出手段の検出結果に基づいて前記制駆動力の前記制御量の変化量を設定し、前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出されると、前記制御量の変化量が小さくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記補正手段は、前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出されると、前記制御手段における前記リスクポテンシャルと前記制御量との関係を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記補正手段は、前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出されると、前記制御手段における前記リスクポテンシャルと前記操作反力との関係を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出された後、前記障害物検出手段によって前記障害物が検出されなくなると前記追従意図の検出処理をリセットするリセット手段をさらに備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  12. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出された後、前記自車両の車線変更が検出されると前記追従意図の検出処理をリセットするリセット手段をさらに備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  13. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第2の意図検出手段は、前記追従意図を検出するとともに、追従走行時の基準車間距離を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  14. 請求項13に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第2の意図検出手段は、前記車間距離の変化と変化後の経過時間に基づいて前記追従意図の検出と前記基準車間距離の設定を行うことを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  15. 請求項13に記載の車両用運転操作補助装置において、
    アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段をさらに備え、
    前記第2の意図検出手段は、前記アクセルペダル操作量検出手段で検出される前記アクセルペダルの操作量の変化と変化後の経過時間に基づいて前記追従意図の検出と前記基準車間距離の設定を行うことを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  16. 請求項13に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第2の意図検出手段は、前記操作反力の制御量の変化と変化後の経過時間に基づいて前記追従意図の検出と前記基準車間距離の設定を行うことを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  17. 自車両前方の障害物を検出し、
    少なくとも、自車速および自車両と前記障害物との車間距離に基づいて、前記障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出し、
    前記リスクポテンシャルに基づいて、運転者が前記自車両を運転操作するための運転操作装置に発生する操作反力、および前記自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御し、
    前記車間距離を調整して前記障害物に接近しようとする、あるいは前記障害物から離れようとする車間距離調整意図を検出し、
    前記車間距離を略一定として前記障害物に追従しようとする前記運転者の追従意図を検出し、
    前記追従意図ありと検出されると、前記車間距離調整意図に応じて前記障害物への追従走行を補助するように前記リスクポテンシャルに基づいて制御する力の制御量を補正することを特徴とする車両用運転操作補助方法。
  18. 自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段と、
    少なくとも、自車速および自車両と前記障害物との車間距離を検出する走行状態検出手段と、
    前記走行状態検出手段による検出結果に基づいて、前記障害物に対する自車両の接近度合を表すリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、運転者が前記自車両を運転操作するための運転操作装置に発生する操作反力、および前記自車両に発生する制駆動力の少なくともいずれかを制御する制御手段と、
    前記自車両と前記障害物との相対位置関係の調整に関する前記運転者の運転意図を2段階で検出する意図検出手段と、
    前記意図検出手段の結果に基づいて、前記制御手段によって制御する力の制御量を補正する補正手段とを有し、
    前記意図検出手段は、前記車間距離を調整して前記障害物に接近しようとする、あるいは前記障害物から離れようとする車間距離調整意図を検出する第1の意図検出手段と、前記車間距離を略一定として前記障害物に追従しようとする前記運転者の追従意図を検出する第2の意図検出手段とを備え、
    前記補正手段は、前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出されると、前記第1の意図検出手段による前記車間距離調整意図に応じて前記障害物への追従走行を補助するように前記制御量を補正する車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
  19. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制御手段は、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど前記操作反力が大きくなるように前記操作反力の制御量を制御する操作反力制御手段と、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど駆動力を低下もしくは制動力を増加するように前記制駆動力の制御量を制御する制駆動力制御手段とを有し、
    前記補正手段は、前記第1の意図検出手段によって検出される前記車間距離調整意図に応じて前記制駆動力の前記制御量の変化量を設定し、前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出されると前記追従意図なしの場合に比べて前記制駆動力の前記制御量の変化量が小さくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  20. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制御手段は、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど前記操作反力が大きくなるように前記操作反力の制御量を制御する操作反力制御手段と、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど駆動力を低下もしくは制動力を増加するように前記制駆動力の制御量を制御する制駆動力制御手段とを有し、
    前記補正手段は、前記第1の意図検出手段によって検出される前記車間距離調整意図に応じて前記制駆動力の前記制御量の変化量を設定し、前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出されると、前記車間距離調整意図が前記障害物から離れようとする意図のときに、前記追従意図なしの場合に比べて前記制駆動力の前記制御量の変化量が小さくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  21. 請求項19または請求項20に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記補正手段は、さらに、前記追従意図ありと検出されると、前記追従意図なしの場合に比べて前記リスクポテンシャルの変化量に対する前記操作反力の前記制御量の変化量が大きくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  22. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制御手段は、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど前記操作反力が大きくなるように前記操作反力の制御量を制御する操作反力制御手段と、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど駆動力を低下もしくは制動力を増加するように前記制駆動力の制御量を制御する制駆動力制御手段とを有し、
    前記補正手段は、前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出されると、前記追従意図なしの場合に比べて前記リスクポテンシャルに対する前記操作反力の前記制御量の関係および前記制駆動力の前記制御量の関係の傾きが大きくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  23. 請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記制御手段は、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど前記操作反力が大きくなるように前記操作反力の制御量を制御する操作反力制御手段と、前記リスクポテンシャルが大きくなるほど駆動力を低下もしくは制動力を増加するように前記制駆動力の制御量を制御する制駆動力制御手段とを有し、
    前記補正手段は、前記第2の意図検出手段によって前記追従意図ありと検出された場合に前記基準車間距離が短くなるほど、前記リスクポテンシャルに対する前記操作反力の制御量の関係および前記制駆動力の前記制御量の関係の傾きが大きくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
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