JP4112287B2 - 光部品の結合構造体、その製造方法及び光スイッチモジュール - Google Patents

光部品の結合構造体、その製造方法及び光スイッチモジュール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光部品の結合構造体、その製造方法及び光スイッチモジュールに関し、より詳しくは、ネットワーク網のクロスポイントに配置する光信号の交換機(切換え装置、光クロスコネクト装置)に用いられる、光伝播系、結像系や光偏向系などの光部品の結合構造体、その製造方法及び光スイッチモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信における伝送帯域は、近年拡大の一途を辿り、波長多重化技術の進展と相まって、高速化、大容量化が進んでいる。基幹通信ネットワークにおける光ファイバ網を構築するためには、光信号の行先を切り換える装置が必要である。
【0003】
その切換え装置として、光信号を一旦電気信号に変換し、電気信号の状態で接続を切り換え、その後に再び光信号に変換する形態の光クロスコネクト装置が主流であった。電気信号の切り換えには、電子スイッチで構成したクロスバスイッチなどの電気スイッチが用いられていた。しかし、データ通信速度が10Gb/sを越えると、電気スイッチでの切り換えが難しくなってきた。
【0004】
電気スイッチの代わりに、光伝播パスを直接切り換える光スイッチを用い、光/電気の変換を不要とすることによって、光信号の速度(周波数)に依存しない光信号の切り換えが可能となるため、光スイッチを備えた光クロスコネクト装置が開発されるようになってきている。
【0005】
2×2スイッチをベースにしたマトリクススイッチは、ポート数が増大すると損失の絶対値、及びポート間のばらつきが問題となるため、パス間の光損失が小さいアナログ光偏向型スイッチが好ましい。具体的には、マイクロミラーの偏向による光ビーム切換え方式のスイッチが使える。MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステムズ)技術で微小ミラーを三次元的に集積したスイッチがある。
【0006】
しかし、MEMS技術の光スイッチは、32×32規模でもサイズが大きく、光入出力ポート(ファイバコネクタ)を含めてのモジュールサイズは数十cm角となる。
【0007】
一方、二次元基板上に形成されたm×n光スイッチを複数個配列し、二次元の光入出力ポート配置をもつ光スイッチ群を構成することによって、モジュールサイズの大幅な小規模化が可能である。
【0008】
よって、光クロスコネクトスイッチとしては、二次元基板上に光スイッチ群を構成する方法が有望である。
【0009】
二次元基板上に光スイッチ群を構成する光スイッチモジュールは、チャネル導波路、二次元レンズや光偏向素子など光部品で構成される。各光部品は、石英基板上にアンダクラッド層と、コア層と、オーバクラッド層とを積層し、コア層を所望の形状にパターニングしてなる。コア層は主たる光導波路となるスラブ型導波路を構成し、平面内で光を伝播させる。
【0010】
基板上に光部品を配置する場合、光導波路内を伝播する光を光部品間で光結合する必要がある。このため、各光部品の結合部は、空気層を挟んで各光部品のコア層が対向している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光部品の結合部のうち二次元レンズを有する結合部では、光導波路内を伝播する光を二次元的にコリメートし、スラブ型導波路に光結合する必要があるが、高効率に結合するのが難しいという問題がある。
【0012】
この状況を詳しく説明すると、従来の二次元レンズで光結合する場合は、その結合部である二次元レンズとスラブ型導波路の間(対向部)に空気層が介在するため、出射光は面内方向には集光するが、面外方向には発散するため、結合効率が低下する。また、二次元レンズの端面を界面とする界面両側部の屈折率差も大きくなるため、反射による損失も大きい。
【0013】
これを解決するため、本願と同じ出願人の先願(特願2001−332169号)に、大気よりも屈折率が高い樹脂をその対向部に埋め込む例が記載されている。それによれば、パターニングにより充填用の樹脂膜を最初に形成し、その上からコア層となる樹脂膜を形成した後にコア層となる樹脂膜を研磨して、表面を平坦化するとともに充填用の樹脂膜を挟むようにコア層を形成している。しかしながら、この作成方法では、工程が複雑になるとともに、研磨量の制御が必要となる。
【0014】
本発明は、上記従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、製造工程の簡略化を図るとともに、光結合部での結合効率を向上させ、光結合部の光部品の界面での反射による損失を低減することが可能な光部品の結合構造体、その製造方法及び光スイッチモジュールを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1記載の光部品の結合構造体は、アンダクラッド層、コア層、及びオーバクラッド層が積層された第1の光導波路と、アンダクラッド層、コア層、及びオーバクラッド層が積層された第2の光導波路とが、ともに前記オーバクラッド層から前記アンダクラッド層までが露出した端面を対向させて配置されており、前記第1の光導波路と第2の光導波路のうち少なくとも何れか一の前記端面がエッチングにより形成されてなり、かつ前記エッチングにより形成された端面が該端面に露出するコア層の屈折率と等しい屈折率の被覆媒体により覆われていることを特徴とする。
【0027】
本発明の光部品の結合構造体によれば、第1の光導波路と第2の光導波路の端面のうちエッチングにより形成された端面が、その端面に露出するコア層の屈折率と等しい屈折率の被覆媒体により覆われている。
【0028】
被覆媒体の屈折率は、第1の光導波路と第2の光導波路の端面のうちエッチングにより形成された端面に露出するコア層の屈折率と等しいので、光の伝播に関して被覆媒体は実質的にコア層と同じと見なせる。従って、エッチングにより第1又は第2の光導波路の対向部の端面に凹凸が生じたとしても、被覆媒体により端面の凹凸を均すことで、実質的に滑らかな光導波路の端面を得ることができる。これにより、光導波路を伝播する光の端面での散乱を防止して反射による損失や結合損失を低減することができる。
【0029】
本願の請求項2に記載の光部品の結合構造体は、前記第1及び第2の光導波路のうち少なくとも何れか一の端面が凸状の二次元レンズであり、前記対向部の間に前記端面を覆う被覆媒体の他に、前記第1及び第2の光導波路のコア層の屈折率よりも低い屈折率を有する充填媒体が充填されていることを特徴とする。
【0030】
本願の光部品の結合構造体によれば、被覆媒体により滑らかな端面になった凸状の二次元レンズに隣接する領域に第1及び第2の光導波路のコア層の屈折率よりも低い屈折率の充填媒体が充填されているので、反射による損失を低減し、二次元レンズを透過した光をコリメートさせることが可能となる。これにより、光の伝播損失を低減することができる。
【0031】
本願の請求項3に記載の光部品の結合構造体は、前記第1及び第2の光導波路のうち少なくとも何れか一の端面が凹状の二次元レンズであり、前記対向部の間に前記端面を覆う被覆媒体の他に、前記第1及び第2の光導波路のコア層の屈折率よりも高い屈折率を有する充填媒体が充填されていることを特徴とする。
【0032】
本発明の光部品の結合構造体によれば、被覆媒体により滑らかな端面になった凹状の二次元レンズに隣接する領域に第1及び第2の光導波路のコア層の屈折率よりも高い屈折率の充填媒体が充填されているので、反射による損失を低減し、二次元レンズを透過した光をコリメートさせることが可能となる。これにより、光の伝播損失を低減することができる。
【0033】
本願の請求項4に記載の光スイッチモジュールは、複数の光信号に対応して配置された複数の二次元レンズにより複数の光信号をそれぞれ個別にコリメートするコリメート部と、前記コリメート部を通過した各光信号の伝播方向を電気光学効果を利用してそれぞれ個別に切り換える複数の第1の光偏向素子と、前記複数の第1の光偏向素子をそれぞれ通過した各光信号を伝播させる共通光導波路と、前記共通光導波路を通過した各光信号の伝播方向を電気光学効果を利用してそれぞれ個別に切り換える複数の第2の光偏向素子と、前記第2の光偏向素子を通過した各光信号に対応して配置された複数の二次元レンズにより前記各光信号をそれぞれ個別に集光する集光部とを備え、前記コリメート部、前記第1の光偏向素子、前記共通光導波路、前記第2の光偏向素子、及び前記集光部はそれぞれ光導波路を有し、前記コリメート部と前記集光部のうち少なくとも何れか一に請求項2又は3の何れか一に記載の光部品の結合構造体を備えたことを特徴とする。
【0034】
本発明の光スイッチモジュールによれば、請求項5乃至7の何れか一に記載の光部品の結合構造体を備えているので、光結合部での光の伝播損失を低減することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
図1は光スイッチモジュールを使用した光信号切換え装置を示す模式図である。この光信号切換え装置は、40Gb/sで64波長分の光信号が多重化されたWDM信号を64系統入力して、これらの光信号の伝送先を切換えるものである。
【0037】
この光信号切換え装置は、垂直方向に並んだ64個のAWG光分波器101と、3段構成の光スイッチモジュール群100と、64個の光合波器103と、64個の光増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)104とにより構成される。光スイッチモジュール群100は、64個の64×64チャネル光スイッチモジュール102を基板に垂直な方向に配列させて1組の光スイッチモジュール群とし、第2段目の光スイッチモジュール群を第1段目及び第3段目の光スイッチモジュール群に対し90°回転させた状態で配置している。
【0038】
また、光分波器101と第1段目の各光スイッチモジュール群との間、第1段目の光スイッチモジュール群と第2段目の光スイッチモジュール群との間、第2段目の光スイッチモジュール群と第3段目の光スイッチモジュール群との間、第3段目の光スイッチモジュール群と光合波器103との間は、それぞれ光コネクタ105,106により接続されている。光コネクタ105、106は、基板と、この基板の厚さ方向に光を通す多数の微小なレンズとにより構成されている。
【0039】
これらの光コネクタ105,106のレンズは、前段の光デバイスから出力された光を集光し、後段の光デバイスに伝達するものであり、伝達損失の低減に役立つ。
【0040】
この光信号切換え装置では、多重化された光信号を光分波器101で個々の光信号に分離する。そして、光スイッチモジュール群100により、各光信号の伝播先を切換える。ここでは、64×64チャネルの光スイッチモジュール102を64個づつ組み合わせて3組の光スイッチモジュール群を構成し、これらの3組の光スイッチモジュール群を90°づつ回転させて3段構成(カスケード接続)としているので、任意の入力ポートに入力された光信号を、4096個の出力ポートのうちの任意のポートに出力することができる。光信号切換え装置で伝達先を切換えられた光信号は、行き先毎に光合波器103で多重化され、光増幅器104で増幅されて出力される。
【0041】
図1に示した光信号切換え装置では、第1、第2及び第3の光スイッチモジュール群を、いずれも64×64チャネルの光スイッチモジュール102を64個づつ配列させて構成している。しかし、第1及び第3の光スイッチモジュール群を、128個の光スイッチモジュール102を幅方向に2列、高さ方向に64列並べて構成し、第2の光スイッチモジュール群を、第1及び第3の光スイッチモジュール群の光スイッチモジュール102に対し90°回転させた方向に配列させた128個の64×64チャネル光スイッチモジュール102で構成してもよい。
【0042】
なお、上述した実施の形態では、各プリズムペアの制御電極に印加する電圧を変化させて光信号の偏向角を制御する場合について説明したが、制御電圧を一定とし、制御電圧を印加するプリズムペアの数を変化させて光信号の偏向角を制御するようにしてもよい。
【0043】
図2は本発明の第1の実施の形態の光スイッチモジュール102の構成を示す模式図である。
【0044】
この光スイッチモジュール102は、入射側光導波路部201、コリメート部202、入射側光偏向素子部(第1の光偏向素子)203、共通光導波路204、出射側光偏向素子部(第2の光偏向素子)205、集光部206及び出射側光導波路部207により構成されている。これらの入射側光導波路部201、コリメート部202、入射側光偏向素子部203、共通光導波路204、出射側光偏向素子部205、集光部206及び出射側光導波路部207は、基板上に形成されている。そして、コリメート部202と集光部206のうち少なくとも何れか一に光部品の結合構造体を備えている。
【0045】
入射側光導波路部201は、主たる光導波路である複数本のコア層201bと、これらのコア層201bを被覆して屈折率の差により光をコア層201b内に閉じ込めるクラッド層とにより構成されている。出射側光導波路部207も、これと同様に、主たる光導波路である複数本のコア層207bと、これらのコア層207bを被覆して屈折率の差により光をコア層207b内に閉じ込めるクラッド層とにより構成されている。
【0046】
本実施の形態では、入射側光導波路部201の光導波路(コア層)201bの数と、出射側光導波路部207の光導波路(コア層)207bの数が同じであるとする。以下、光導波路201bの数(=光導波路207bの数)をn(nは2以上の整数)とする。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、入射側光導波路の数と出射側光導波路の数とが異なっていてもよい。
【0047】
コリメート部202はn個のコリメートレンズ(コア層)202bにより構成されている。各コリメートレンズ202bは、それぞれ光導波路201bの端部から若干離れた位置に配置されている。光導波路201bから出射された光は放射状に広がるが、コリメートレンズ202bによって平行光となる。
【0048】
入射側光偏向素子部203には、光信号を伝播させる光導波路を備えたn個の光偏向素子203pが設けられている。各光偏向素子203pはそれぞれコリメートレンズ202bからその光軸方向に若干離れた位置に配置されている。光偏向素子203pは、ポッケルス効果(電気光学効果)を利用して光信号の伝播方向を偏向する。
【0049】
共通光導波路204は、スラブ(slab)型導波路を備えている。この共通光導波路204は、入射側光偏向素子部203を通過した光を出射側光偏向素子部205に伝達する。スラブ(slab)型導波路には複数の光信号が同時に通るが、これらの光信号はスラブ(slab)型導波路内を決められた方向に直進するので、他の光信号と干渉することなく伝達される。
【0050】
出射側光偏向素子部205には、光信号を伝播させる光導波路を備えたn個の光偏向素子205pが設けられている。これらの光偏向素子205pは、共通光導波路204を通って光偏向素子205pに到達した光を、光導波路に平行な方向に偏向する。光偏向素子205pは入射側光偏向素子部203の光偏向素子203pと基本的に同じ構造を有している。
【0051】
集光部206は、コア層をパターニングして形成したn個の集光レンズ206bを備えている。これらの集光レンズ206bは、光偏向素子205pを通過した光を集光して出射側光導波路部207の光導波路(コア層)207bに導くという働きがある。
【0052】
出射側光導波路部207は、入射側光導波路部201と関連して一部説明したが、そのほかに、入射側光導波路部201の光導波路201bとコリメートレンズ202bの配置と類似して、集光レンズ206bは出射側光導波路部207の光導波路207bの端部から少し離れた位置に配置されている。そして、集光レンズ206bによって、平行な光が光導波路207bに集光される。
【0053】
次に、図3を参照して、光伝播系、結像系や光偏向系などの各光部品の結合構造体について説明する。
【0054】
図3(a)は第1の実施の形態である凸状の二次元レンズ601と光導波路602の結合部を示す斜視図であり、同図(b)は第1の実施の形態である光導波路611と凹状の二次元レンズ612の結合部を示す斜視図である。図3(c)は、図3(a)、(b)の結合部における光の伝播の様子を示す断面図である。
【0055】
ここでは、光が左から右へ伝播する場合を説明しているが、逆に伝播する場合も成立する。従って、光導波路602、611は、例えば、入射側光偏向素子部203及び出射側光偏向素子部205を構成するものである。或いは、入射側光偏向素子部203及び出射側光偏向素子部205を省略して直に二次元レンズ202、206と結合された共通光導波路204を構成するものである場合もある。
【0056】
図3(a)における、凸状の二次元レンズ601と光導波路602の結合部の特徴は以下の通りである。屈折率nu1(nuj)のアンダクラッド層601aと、屈折率n1(nc1(ncj))のコア層601bと、屈折率no1(noj)のオーバクラッド層601cとが積層された第1の光導波路601と、屈折率nu2(nuk)のアンダクラッド層602aと、屈折率n1(nc2(nck))のコア層602bと、屈折率no2(nok)のオーバクラッド層602cとが積層された第2の光導波路602とが端面を対向させて配置されてなり、オーバクラッド層からアンダクラッド層までを連続してエッチングすることにより端面が形成され、かつ第1の光導波路601の端面が凸状の二次元レンズとなっている。対向する端面の間に屈折率n2(ni12(ni(j,k)))を有する充填媒体603が充填され、光が第1の光導波路601から充填媒体603を通って第2の光導波路602に伝播する。充填媒体603の屈折率n2は、光がこの結合部を伝播する際に、反射損失と結合損失とを併せた損失が所定の値以下となるように選択されている。
【0057】
反射損失と結合損失を低減する観点からは、屈折率n2は、屈折率n1よりも高い値も、低い値も採用可能であるが、光スイッチモジュールに応用する場合、好ましくは、コリメート部では凸状の二次元レンズ601により光をコリメートさせるため、また、集光部では光を集光させるため、屈折率n2の値は、屈折率n1よりも低く設定される。これにより、図3(a)に示すように、伝播光の上下の広がりが抑制され、損失の低減に寄与する。
【0058】
図3(b)に示す、光導波路611と凹状の二次元レンズ612の結合部についても、二次元レンズ612の平面形状を除き、図3(a)と同じような構造を有する。
【0059】
即ち、屈折率nu1(nuj)のアンダクラッド層611aと、屈折率n1(nc1(ncj))のコア層611bと、屈折率no1(noj)のオーバクラッド層611cとが積層されてなる第1の光導波路611と、屈折率nu2(nuk)のアンダクラッド層612aと、屈折率n1(nc2(nck))のコア層612bと、屈折率no2(nok)のオーバクラッド層612cとが積層されてなる第2の導波路612とが端面が対向するように配置されている。対向部の両端面にはオーバクラッド層611c、612cからアンダクラッド層611a、612aまで露出している。第2の導波路(コア層)612bの端面が凹状の二次元レンズとなっている。
【0060】
そして、対向する端面の間に充填する充填媒体613の屈折率n2(ni12(ni(j,k))は、光がこの結合部を伝播する際に、反射損失と結合損失とを併せた損失が所定の値以下となるように選択される。
【0061】
この場合も、反射損失と結合損失を低減する観点からは、屈折率n2は、屈折率n1よりも高い値も、低い値も採用可能であるが、光スイッチモジュールに応用する場合、好ましくは、コリメート部では凹状の二次元レンズ612により光をコリメートさせるため、また、集光部では光を集光させるため、屈折率n1よりも高くされる。これにより、図3(c)に示すように、伝播光の上下の広がりが抑制され、損失の低減に寄与する。
【0062】
以下に、上記第1の実施の形態の光部品の結合構造体に関し、反射損失と結合損失を調査した結果について図5、6、7を参照して説明する。
【0063】
比較のため、図4(a)、(b)の光部品の結合構造体に関しても、同様に、反射損失と結合損失を調査した。図4(a)は凸状の二次元レンズ621と光導波路622の結合部を示す斜視図であり、同図(b)はその結合部における光の伝播の様子を示す断面図である。比較例においては、図4(a)に示すように、対向部の凹部には屈折率が1よりも大きく、コア層の屈折率よりも低い充填媒体が充填されておらず、屈折率が1の大気が充満している。
【0064】
図5は反射損失を計算した結果を示すグラフである。図6は結合損失を計算した結果を示すグラフである。図7は反射損失と結合損失を両方併せた全損失を調査した結果を示すグラフである。これらの調査結果は、図2に記載されたモデルに基づいてシミュレーションされたものであり、入射側と出射側の両方を併せた結果を示している。図2に記載されたモデルでは、例えば、入射側のコリメート部202と光偏向素子部203との結合部、出射側の光偏向素子部205と集光部206との結合部とを想定している。ここでは、二次元レンズのコア層と光偏向素子のコア層とは同じ屈折率n1(=1.5702) を有し、各結合部の凹部に充填された充填媒体は同じ屈折率n2 を有するとしている。
【0065】
図5は、結合部の対向部の凹部に充填された媒体の屈折率n2と反射損失の関係を示し、同図の上図に示すように、屈折率の異なる媒体の境界面で反射が起こるとして計算をしている。図5の縦軸は線形目盛りで表した反射損失(dB)を示し、横軸は線形目盛りで表した結合部の対向部の凹部に充填された媒体の屈折率n2を示す。
【0066】
図5に示すように、屈折率n2がn1と等しい点で反射損失が最も少なく、n2=1(比較例の場合)のとき、即ち対向部の凹部に大気が充満しているとき約−0.8dBとなり、n2=3のとき約−1.8dBとなった。
【0067】
図6は、対向部の間隔(μm)をパラメータとして、対向部の凹部に充填された媒体の屈折率n2と結合損失の関係を示す。図6の縦軸は線形目盛りで表した結合損失(dB)を示し、横軸は線形目盛りで表した対向部の凹部に充填された媒体の屈折率n2を示す。
【0068】
図6に示すように、対向部の間隔が広くなるほど結合損失は大きくなり、かつ屈折率n2が低くなるにつれて結合損失は大きくなる。n2=1(比較例の場合)で、間隔10μmのとき、ほとんど結合損失はなく、約0dBとなり、間隔が100μmのとき、約−3.7dBとなった。また、n2=1.57で、間隔10μmのとき、ほとんど結合損失はなく、約0dBとなり、間隔が100μmのとき、約−2.4dBとなった。また、n2=3で、間隔10μmのとき、ほとんど結合損失はなく、約0dBとなり、間隔が100μmのとき、約−0.7dBとなった。
【0069】
図7は、対向部の間隔(μm)をパラメータとして、対向部の凹部に充填された媒体の屈折率n2と反射損失及び結合損失を併せた全損失との関係を示す。図7の縦軸は線形目盛りで表した全損失(dB)を示し、横軸は線形目盛りで表した対向部の凹部に充填された媒体の屈折率n2を示す。
【0070】
図7に示すように、屈折率n2に対する反射損失の変化に類似しており、屈折率n2がn1と等しい点或いはそれよりも高い方の近傍で全損失が最も少なく、間隔が広くなるほど全損失は大きくなる。n2=1(比較例の場合)で、間隔10μmのとき、約−1dBとなり、間隔が100μmのとき、約−4dB以下となった。また、n2=1.57で、間隔10μmのとき、ほとんど結合損失はなく、約0dBとなり、間隔が100μmのとき、約−2.4dBとなった。また、n2=3で、間隔10μmのとき、約−1.9dBとなり、間隔が100μmのとき、約−2.5dBとなった。全損失を約−0.5dB以内に抑制するためには、間隔を40μm以下にすることが必要であることがわかる。間隔が40μmのとき屈折率n2の選択範囲は1.6乃至1.8程度であり、これより間隔が狭くなるほど屈折率n2の選択範囲が広がり、間隔が10μmのとき屈折率n2の選択範囲は1.1乃至2.2程度であった。
【0071】
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、第1及び第2の光導波路601、611、602、612が、ともにオーバクラッド層601c、611c、602c、612cからアンダクラッド層601a、611a、602a、612aまでが露出した端面を対向させて配置され、かつ相互の端面の間に屈折率n2を有する充填媒体603、613が充填されている。
【0072】
詳しくは、第2の実施の形態で説明するが、このような構造を作成するには、例えば連続して積層されたオーバクラッド層601c、611c、602c、612cからアンダクラッド層601a、611a、602a、612aまでを連続してエッチングして、オーバクラッド層601c、611c、602c、612cからアンダクラッド層601a、611a、602a、612aまでが露出する端面が相互に対向する第1及び第2の光導波路601、611、602、612を形成し、さらに対向する端面の間に充填媒体603、613を充填する。
【0073】
この場合、先願(特願2001−332169号)のような研磨工程が不要になるため、工程の簡略化を図ることができる。また、コア層601b、611b、602b、612bなどの膜厚は成膜時に決まるので、膜厚の制御が容易になる。
【0074】
また、対向する端面の間に屈折率n2を有する充填媒体603、613が充填されているので、屈折率n2を適宜選択することにより、図7に示すように、端面の間に空気層(n2=1)を充満させた場合に比べて、損失を低減することができ、また、端面の間隔にも余裕をもたせることができる。
【0075】
なお、第1の実施の形態では、第1及び第2の光導波路601、611、602、612のコア層601b、611b、602b、612bとして屈折率n1が同じ材料を用いているが、異なる屈折率(nc1、nc2)のコア層を用いることができる。この場合、充填媒体603、613の屈折率ni12は、光結合部の全損失が所定値以下となるようにする。さらに、光スイッチモジュールへの応用においては、凸状の二次元レンズの場合、好ましくは、nc1、nc2>ni12>1となるようにする。そのような材料として石英よりも屈折率が低いフッ素樹脂を用いる。また、凹状の二次元レンズの場合、好ましくは、nc1、nc2<ni12となるようにする。そのような材料として石英よりも屈折率が高いエポキシ樹脂などを用いる。
【0076】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態である、図3(a)に類似の凸状の二次元レンズと光導波路の結合部を作成する方法について、図8(a)乃至(c)を参照して説明する。
【0077】
図8(a)乃至(c)の各々において、上図が平面図であり、下図が断面図である。
【0078】
まず、図8(a)に示すように、石英基板20上に、アンダクラッド層となる屈折率1.44のSiO2膜21と、コア層となる屈折率1.45のSiO2膜22と、オーバクラッド層となる屈折率1.44のSiO2膜23とをCVD(Chemical Vapor Deposition)法により順に堆積する。屈折率の調整は成膜条件を調整することにより行う。
【0079】
次いで、図8(b)に示すように、不図示のフォトレジストマスクに基づいて、反応性イオンエッチングにより、凸状の端面を有する二次元レンズ601と平たい端面を有する光導波路602とを間隔をおいて形成する。これにより、二次元レンズ601の凸状の端面と光導波路602の平たい端面とは間隔をおいて対向することになる。二次元レンズ601の端面にはアンダクラッド層601aと、コア層601bと、オーバクラッド層601cとが露出し、光導波路602の端面にはアンダクラッド層602aと、コア層602bと、オーバクラッド層602cとが露出する。
【0080】
次に、図8(c)に示すように、光が凸状の二次元レンズ601から対向部を通って光導波路602に伝播する際に、反射損失と結合損失とを併せた損失が所定の値以下となるような範囲で選択された屈折率n2(ni12)を有するフッ素樹脂(充填媒体)603を対向部に充填する。なお、光スイッチモジュールに応用する場合、好ましくは、コリメート部では凸状の二次元レンズ601により光をコリメートさせるため、また、集光部では光を集光させるため、屈折率n2(ni12)の値は、屈折率n1よりも低く設定する。
【0081】
これにより、光部品の一方が凸状の二次元レンズである光部品の結合構造体が完成する。
【0082】
次に、第2の実施の形態である、図3(b)に類似の光導波路と凹状の二次元レンズの結合部を作成する方法を図9(a)乃至(c)を参照して説明する。図9(a)乃至(c)において、それぞれ上図が平面図であり、下図が断面図である。
【0083】
図9(a)乃至(b)に示すように、光導波路611と凹状の二次元レンズ612とを間隔を置いて形成する。図8(a)乃至(b)と同じようにして形成することができる。これにより、光導波路611と二次元レンズ612とが相互の端面を対向させて配置された構造を得る。光導波路611の端面にはアンダクラッド層611a、コア層611b及びオーバクラッド層611cが露出し、二次元レンズ612の端面にはアンダクラッド層612a、コア層612b及びオーバクラッド層612cが露出している。
【0084】
次に、図9(c)に示すように、光が光導波路611から対向部を通って凹状の二次元レンズ612に伝播する際に、反射損失と結合損失とを併せた損失が所定の値以下となるような範囲で選択された屈折率n2(ni12(ni(j,k))を有するエポキシ樹脂(充填媒体)613を対向部に充填する。なお、光スイッチモジュールへの応用においては、好ましくは、コリメート部では凹状の二次元レンズ612により光をコリメートさせるため、また、集光部では光を集光させるため、屈折率n2(ni12)は通常コア層611b、612bの屈折率n1よりも高く設定する。
【0085】
これにより、光部品の一方が凹状の二次元レンズ612である光部品の結合構造体が完成する。
【0086】
以上のように、第2の実施の形態によれば、光導波路となる積層構造をオーバクラッド層23からアンダクラッド層21まで連続してエッチングして、対向部を挟んで端面が対向する二次元レンズ601、612と光導波路602、611とを形成し、さらに、光が結合部を伝播する際に、反射損失と結合損失とを併せた損失が所定の値以下となるような範囲で選択された屈折率n2(ni12)を有する樹脂603、613を対向部に充填している。
【0087】
これにより、製造工程の簡略化を図るとともに、結合効率を向上させ、光結合部の界面での反射による損失を低減することが可能となる。
【0088】
(第3の実施の形態)
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0089】
図10(d)の上図は第3の実施の形態である凸状の二次元レンズと光導波路の結合部を示す平面図であり、同図の下図は、同じく断面図である。
【0090】
第3の実施の形態において、第1及び第2の実施の形態の結合部の構造と異なるところは、光結合部の二次元レンズ601及び光導波路602の各端面が、二次元レンズ601及び光導波路602のコア層601b、602bの屈折率n1(nc1(ncj),nc2(nck))と対向部に充填した媒体603の屈折率n2(ni12(ni(j,k)))の中間の屈折率ni1(nij)又はni2(nik)を有する材料からなる膜(被覆媒体)601d、602dで覆われていることである。端面を被覆する膜601d、602dは対向部の間隔に比べて十分に薄いことが望ましく、好適には数μm以下である。
【0091】
その製造方法は、図10(a)乃至図10(b)に示すように、凸状の二次元レンズ601と光導波路602とを対向部を挟んで形成する。この場合、図8(a)乃至(b)と同様な工程を経る。これにより、二次元レンズ601と光導波路602とが相互の端面を対向させて配置された構造を得る。二次元レンズ601の端面にはアンダクラッド層601a、コア層601b、オーバクラッド層601cが露出し、光導波路602の端面にはアンダクラッド層602a、コア層602b、オーバクラッド層602cが露出する。
【0092】
次いで、図10(c)に示すように、後に対向部に充填する樹脂603の屈折率n2(ni12(ni(j,k)))とコア層601b、602bの屈折率n1(nc1(ncj)、nc2(nck))の中間の屈折率n3(ni1(nij)、ni2(nik))を有する樹脂を選択する。そして、その樹脂を塗布法により塗布して、二次元レンズ601の端面及び光導波路602の端面をそれぞれ覆う薄い樹脂膜(被覆媒体)601d、602dを形成する。
【0093】
次に、図10(d)に示すように、薄い樹脂膜601d、602dで覆われた二次元レンズ601の端面及び光導波路602の端面の間に薄い樹脂膜601d、602dの屈折率n3よりも低い屈折率n2の樹脂(充填媒体)603を充填する。これにより、光部品の一方が凸状の二次元レンズである光部品の結合構造体が完成する。
【0094】
次に、図11(a)乃至(d)を参照して、第3の実施の形態である凹状の二次元レンズと光導波路の結合部及びその作成方法について説明する。図11(a)乃至(d)の各々において、上図は平面図であり、下図は断面図である。
【0095】
図11(d)の構造において、図10(d)と異なるところは、二次元レンズ612が凹状を有している点である。
【0096】
その製造方法は、まず、図11(a)、(b)に示すように、相互の端面が対向するように第1の導波路層611と第2の導波路層612とを形成する。その形成工程は、図9(a)乃至(b)と同様の工程を経る。形成された対向部の各端面には、オーバクラッド層611c、612cからアンダクラッド層611a、612aまで露出している。
【0097】
次いで、図11(c)に示すように、結合部の光導波路611及び二次元レンズ612の各端面が光導波路611及び二次元レンズ612のコア層611b、612bの屈折率n1(nc1(ncj),nc2(nck))と、後に対向部に充填する充填媒体613の屈折率n2(ni12(ni(j,k))の中間の屈折率n3(ni1(nij)、又はni2(nik))を有する薄い樹脂膜(被覆媒体)611d、612dで覆う。
【0098】
次に、図11(d)に示すように、端面に被覆された樹脂膜611d、612dの屈折率n3よりも高い屈折率n2の樹脂(充填媒体)613を選択して充填する。これにより、光部品の一方が凹状の二次元レンズである光部品の結合構造体が完成する。
【0099】
以上のように、本発明の第3の実施の形態によれば、結合部の二次元レンズ601,612及び光導波路602,611の各端面の間の対向部に充填媒体603,613が充填されているため、結合損失及び反射損失を低減できる上、それらの端面が薄い樹脂膜601d、602d、611d、612dで被覆され、かつその屈折率n3が充填媒体603,613の屈折率n2よりもコア層の屈折率n1により近いため、反射損失を一層低減することができる。
【0100】
なお、第1及び第2の導波路601、611、602、612のコア層として屈折率(n1)がすべて同じコア層を用いているが、屈折率(ncj、nck)が異なるコア層を用いてもよい。この場合、充填媒体603、613の屈折率ni(j,k)及び被覆媒体601d、611d、602d、612dの屈折率nij、nikが、凸状の二次元レンズの場合、ncj>nij、nck>nik、nij,nik>ni(j,k)>1となり、凹状の二次元レンズの場合、ncj<nij、nck<nik、nij,nik<ni(j,k)となるようにする。
【0101】
(第4の実施の形態)
次に、図12及び図13を参照して、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0102】
図12の上図は第4の実施の形態である凸状の二次元レンズと光導波路の結合部を示す平面図であり、同図の下図は上図のI−I線に沿う断面図である。
【0103】
第1乃至第3の実施の形態で説明したような対向部に充填する樹脂(充填媒体)603が流動性を有する場合は、周囲に流れ出す虞があるため、図12に示すように、図8(d)の対向部を囲むように、樹脂603の周辺への流出を防止する凸部604を形成するとよい。凸部604として絶縁性の堆積膜や塗布膜やテープ状の貼付膜を用いることができる。
【0104】
また、図13の上図は第4の実施の形態である凸状の二次元レンズと光導波路の別の結合部を示す平面図であり、同図の下図は上図のII−II線に沿う断面図である。
【0105】
同じく、対向部に充填する樹脂(充填媒体)603が流動性を有する場合に、図13に示すように、図8(d)の対向部を囲むように、周辺部に流出しようとする樹脂603を溜める帯状の凹部605を形成して、対向部の周辺への樹脂603の流出を防止するようにしてもよい。凹部605として、オーバクラッド層601c、602cをエッチングして形成された帯状の溝などを用いることができる。
【0106】
なお、上記した第1乃至第4の実施の形態では、凸状又は凹状の二次元レンズ601、612と光導波路602、611との結合部に本発明を適用しているが、図14に示すような凸状の二次元レンズ同士が対向する結合部、或いは凹状の二次元レンズ同士が対向する結合部にも本発明を適用可能である。
【0107】
(第5の実施の形態)
上記した第1乃至第4の実施の形態のように、アンダクラッド層、コア層及びオーバクラッド層からなる積層構造を反応性イオンエッチングによりエッチングすると、図14(b)に示すように、形成された端面に約100nm程度の凹凸が生じる虞がある。図14(a)はそのような凸状の二次元レンズ91、92同士の結合部を示す平面図であり、同図(b)はIII−III線に沿う断面図である。基板92a0上にアンダクラッド層91a、コア層91b及びオーバクラッド層91cの積層構造からなる二次元レンズ91と、基板92a0上にアンダクラッド層92a、コア層92b及びオーバクラッド層92cの積層構造からな二次元レンズ92とが端面を対向させるように形成される。反応性イオンエッチングにより形成された各端面に凹凸が生じている状態を示している。
【0108】
この凹凸部分の界面の両側で屈折率が異なるような界面を光が伝播しようとすると、凹凸部分の界面で光が散乱し、その散乱光の発生により、光部品の結合構造体での損失が大きくなる。
【0109】
以下の実施の形態では、このような場合に反射損失や結合損失などの光の伝播損失を低減するのに有効な構造を説明する。
【0110】
図15は、そのような構造を有する、第5の実施の形態である光スイッチモジュールの一部であって、光導波路同士の結合部を示す断面図である。
【0111】
第5の実施の形態において、光導波路501a、502aがエッチングによりパターニングされているが、光導波路501a、502aがクラッド層で覆われていない。光導波路501a、502aの対向部の各端面は光導波路501a、502aの屈折率nc1、nc2(ncj、nck)と同じ屈折率ni1、ni2(nij、nik)の材料からなる膜(被覆媒体)501b、502bで覆われ、さらに対向部の凹部に屈折率ni12(ni(j,k))の低い材料からなる充填媒体503が充填されている。
【0112】
これにより、対向部の両端面が滑らかになるため、光導波路501a、502aを伝播する光の端面での散乱を防止して反射による損失や結合損失を低減することができる。
【0113】
また、被覆媒体501b、502bにより滑らかな端面になった対向部に光導波路501a、502aの屈折率nc1、nc2よりも低い屈折率ni12の充填媒体が充填されているので、反射による損失を低減することが可能となる。これにより、光の伝播損失を低減することができる。
【0114】
(第6の実施の形態)
次に、図16(a)、(b)を参照して、第6の実施の形態を説明する。
【0115】
図16(a)は第6の実施の形態である光スイッチモジュールのうちコリメート部又は集光部を示す平面図であり、二次元レンズ部分の拡大平面図である。図16(b)はIV−IV線に沿う断面図である。
【0116】
第6の実施の形態において、第5の実施の形態と異なるところは、コア層302bの上下にアンダクラッド層302aとオーバクラッド層302bを設けていることと、2つの凸状の二次元レンズ302bが間隔を置いて対向するように配置されていることである。この場合、左側の凸状の二次元レンズ302bの出射側端面と右側の凸状の二次元レンズ302bの入射側端面はそれぞれコア層302bの屈折率ncj、nckと同じ屈折率nij、nikを有する材料からなる薄い樹脂膜(被覆媒体)302dで覆われ、さらに、凸状の二次元レンズ302bの端面の間の対向部にはコア層302bの屈折率ncj、nckよりも低い屈折率ni22(ni(j,k))を有する材料からなる充填媒体302eが充填されている。
【0117】
以上のように、第6の実施の形態の光スイッチモジュールによれば、反応性イオンエッチングにより形成された凸状の二次元レンズ302b同士の結合部の端面が、その端面に露出するコア層302bの屈折率ncj、nckと等しい屈折率nij、nikの被覆媒体302dにより覆われている。
【0118】
被覆媒体302dの屈折率nij、nikは端面に露出するコア層の屈折率ncj、nckと等しいので、被覆媒体302dにより端面の凹凸を均すことで、実質的に滑らかな二次元レンズ302bの端面を得ることができる。これにより、二次元レンズ302bの端面での光の散乱を防止して反射による損失や結合損失を低減することができる。
【0119】
また、被覆媒体302dにより滑らかな端面になった対向部にコア層302bの屈折率よりも低い屈折率ni22(ni(j,k))の充填媒体が充填されているので、反射による損失を低減し、二次元レンズを透過した光をコリメートさせることが可能となる。これにより、光の伝播損失を低減することができる。
【0120】
(第7の実施の形態)
次に、図17(a)、(b)を参照して、第7の実施の形態を説明する。
【0121】
図17(a)は第7の実施の形態である光スイッチモジュールの一部を示す平面図であり、図17(b)はV−V線に沿う断面図である。
【0122】
第7の実施の形態において、第5及び第6の実施の形態と異なるところは、光導波路(コア層)403bの入射側端面に凹凸がなく平滑になっているような構造を有することである。このような構造は、例えば、光導波路403bの材料として感光性材料を用い、光導波路403bがフォトプロセスによりパターニング形成され、二次元レンズ202bのみ反応性イオンエッチングにより形成された場合に得られる。
【0123】
この場合、二次元レンズ202bの出射側端面は端面の凹凸を滑らかにするため、コア層202bの屈折率nc2(ncj)と同じ屈折率ni2(nij)を有する樹脂膜212で覆われているが、二次元レンズ202cと対向する光導波路403bの入射側端面は元々凹凸がなく平滑であるため、端面の凹凸を平滑にするために光導波路403bの屈折率と同じ屈折率を有する被覆媒体で覆われていない。
【0124】
さらに、被覆媒体212により滑らかになった端面と光導波路403bの平滑な端面が対向する対向部にコア層202bの屈折率よりも低い屈折率ni24(ni(j,k))の充填媒体213が充填されている。
【0125】
以上のように、第7の実施の形態の光スイッチモジュールによれば、凸状の二次元レンズ202bと光導波路403bとの結合部の両端面のうち、反応性イオンエッチングにより形成された凸状の二次元レンズ202bの端面のみが、その端面に露出するコア層202bの屈折率nc2と等しい屈折率ni2の被覆媒体212により覆われている。
【0126】
このように、エッチングにより形成した端面の凹凸を被覆媒体212により均すことで、実質的に滑らかな二次元レンズ202bの端面を得ることができる。これにより、結合部の両端面が滑らかになるため、二次元レンズ202b及びスラブ型導波路403bの端面での散乱を防止して反射による損失や結合損失を低減することができる。
【0127】
また、被覆媒体212により滑らかな端面になった対向部にコア層202bの屈折率nc2よりも低い屈折率ni24(ni(j,k))の充填媒体213が充填されているので、反射による損失を低減し、二次元レンズ202bを透過した光をコリメートさせることが可能となる。これにより、光の伝播損失を低減することができる。
【0128】
(第8の実施の形態)
次に、図18、図19に、第8の実施の形態である、光スイッチモジュールの例を示す。図18は光スイッチモジュールを示す平面図である。図19(a)は入射側チャネル導波路部およびコリメート部の二次元レンズの結合部を示す平面図であり、図19(b)は同図(a)のVI−VI線に沿う断面図である。
【0129】
図2で説明した、入射側チャネル導波路部201、コリメート部202、集光部206、出射側チャネル導波路部207の各光部品の結合部で対策が施されているものとする。図18にその様子を示す。なお、図18中、図2の符号と同じ符号で示すものは図2のものと同じものを示す。ほかに、図18中、符号200は入射側の光ファイバ、208は出射側の光ファイバである。
【0130】
入射側チャネル導波路部201は、図19(a)、(b)に示すように、相互に間隔を置いて形成された、主として光を伝播する複数のコア層201bと、その上下及び左右に形成されたクラッド層201a、201cとの積層構造を有する。積層構造はコア層201bを中心とする光導波路を構成している。クラッド層201a、201cの屈折率nu1(nuj又はnuk)、no1(noj又はnok)をコア層201bの屈折率nc1(ncj)よりも低くして、コア層201bを伝播する光が周辺部に洩れないようにしている。光導波路の入射側端面はコア層201bの屈折率nc1と同じ屈折率ni1(nij)を有する材料からなる被覆媒体211で覆われている。
【0131】
コリメート部202は、図19(a)、(b)に示すように、相対する凸状の二次元レンズ(コリメートレンズ)202bで構成されている。相対する二次元レンズ202bはそれぞれ、入射側チャネル導波路部201のコア層201bの屈折率nc1と同じ屈折率nc2(ncj,nck)を有する材料、例えば石英により形成され、主として光を伝播するコア層202bと、その上下及び左右に形成されたクラッド層202a、202cとの積層構造を有する。さらに、相対する二次元レンズ202bの出射側端面及び入射側端面はそれぞれコア層202bの屈折率nc2と同じ屈折率ni2(nij,nik)を有する樹脂からなる被覆媒体212で覆われている。さらに、図18、図19(a)、(b)に示すように、二次元レンズ202bの出射側端面と入射側端面との間には、屈折率ni22(ni(j,k))を有する充填媒体213が充填されている。充填媒体213は例えば石英の屈折率よりも低い屈折率ni22を有する材料、例えばフッ素樹脂により形成されている。
【0132】
入射側光偏向素子部203を構成する光偏向素子203pは、図18、図19(a)、(b)に示すように、1又は複数のプリズムペアにより構成されている。そして、1個のプリズムペアは、電気光学効果を有する材料、例えばPZTで形成されたコア層203bと、その上下及び左右に形成されたクラッド層203a、203cとの積層構造の上側に形成された第1及び第2の上部電極と、積層構造の下側に形成された第1及び第2の下部電極とにより構成されている。これらの第1及び第2の上部電極と第1及び第2の下部電極はいずれも直角三角形の形状(くさび形状)に形成されている。
【0133】
第1の上部電極と第1の下部電極とはコア層203bを有する積層構造を挟んで相互に対向している。第1の上部電極と第2の上部電極は相互に斜辺を対向させ、且つ近接して配置されており、第2の上部電極と第2の下部電極とは積層構造を挟んで相互に対向している。なお、コア層203bを有する積層構造は、各プリズムペアで共通である。
【0134】
共通光導波路部204は、主として光を伝播するスラブ導波路(コア層)と、その上下及び左右に形成されたクラッド層との積層構造を有する。図18では、最上層のオーバクラッド層204cを示している。
【0135】
出射側光偏向素子部205の光偏向素子205pは、図18に示すように、入射側光偏向素子203pと同様な構造の1又は複数のプリズムペアで構成されている。各プリズムペアは、コア層と、その上下及び左右に形成されたクラッド層とを有する積層構造を挟む一対の第1の電極(第1の上部電極及び第2の下部電極)と、一対の第2の電極(第2の上部電極及び第2の下部電極)とにより構成されている。図18では、最上層のオーバクラッド層205cを示している。
【0136】
集光部206は、図18に示すように、コリメート部202と同様に、凸状の集光レンズ206bが相対する形となっている。凸状の集光レンズ206bの部分は、コア層201bと同じ材料、例えば石英により形成され、主として光を伝播するコア層206bと、その上下及び左右に形成されたクラッド層との積層構造を有する。さらに、相対する集光レンズの端面はそれぞれコア層206bの屈折率nc6(ncj,nck)と同じ屈折率ni6(nij,nik)を有する樹脂膜(被覆媒体)216で覆われている。相対する集光レンズの端面の間に充填媒体217が充填されている。充填媒体217は例えば石英の屈折率よりも低い屈折率ni66(ni(j,k))を有する材料、例えばフッ素樹脂により形成されている。
【0137】
出射側チャネル導波路部207は、図18に示すように、入射側チャネル導波路部201のチャネル導波路201bと同じ数のチャネル導波路207bが相互に間隔を置いて配置されており、入射側チャネル導波路部201と同様な積層構造を有する。チャネル導波路207bの出射側端面は屈折率がコア層207bの屈折率nc7(nck)と同じ屈折率ni7(nik)を有する材料からなる被覆媒体218で覆われている。
【0138】
以上のように、第8の実施の形態の光スイッチモジュールによれば、反応性イオンエッチングにより形成された各結合部の端面が、その端面に露出するコア層の屈折率nc1、nc2、nc6、nc7(ncj、nck)と等しい屈折率ni1、ni2、ni6、乃至ni7(nij、nik)の被覆媒体211、212、216、218により覆われている。
【0139】
被覆媒体の屈折率nij又はnikは端面に露出するコア層の屈折率ncj又はnckと等しいので、光の伝播に関して被覆媒体は実質的にコア層と同じと見なせる。従って、反応性イオンエッチング等により結合部の対向部に露出する光導波路の端面に凹凸が生じたとしても、被覆媒体により端面の凹凸を均すことで、実質的に滑らかな光導波路の端面を得ることができる。これにより、光導波路を伝播する光の端面での散乱を防止して反射による損失や結合損失を低減することができる。
【0140】
また、コリメート部202及び集光部206においては、被覆媒体212、216により滑らかな端面になった対向部にコア層の屈折率よりも低い屈折率ni22、ni66(ni(j,k))の充填媒体213、217が充填されているので、反射による損失を低減することが可能となる。これにより、光の伝播損失を低減することができる。
【0141】
なお、第8の実施の形態では、コリメート部202と集光部206に本発明の光部品の結合構造体を備えているが、場合により、それらの結合部のうち少なくとも何れか一に光部品の結合構造体を備えるようにしてもよい。
【0142】
以上、実施の形態によりこの発明を具体的に説明したが、この発明は上記実施の形態に具体的に示した例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の上記実施の形態の変更はこの発明の範囲に含まれる。
【0143】
(付記1) 屈折率nujのアンダクラッド層、屈折率ncjのコア層、及び屈折率nojのオーバクラッド層が積層された第1の光導波路と、屈折率nukのアンダクラッド層、屈折率nckのコア層、及び屈折率nokのオーバクラッド層が積層された第2の光導波路とが、ともに前記オーバクラッド層から前記アンダクラッド層までが露出した端面を対向させて配置され、かつ前記相互の端面の間に屈折率ni(j,k)を有する充填媒体が充填されてなり、前記両端面のうち少なくとも一方の端面が二次元レンズとなっており、光が一方の前記光導波路から前記充填媒体を通って他方の前記光導波路に伝播することを特徴とする光部品の結合構造体。
【0144】
(付記2) 前記充填媒体の屈折率ni(j,k)が、前記光が一方の前記光導波路から前記充填媒体を通って他方の前記光導波路に伝播する際に、反射損失と結合損失とを併せた損失が所定の値以下となるように選択されていることを特徴とする付記1記載の光部品の結合構造体。
【0145】
(付記3) 前記二次元レンズは凸状又は凹状を有することを特徴とする付記1又は2記載の光部品の結合構造体。
【0146】
(付記4) 前記第1又は第2の光導波路のうち少なくとも何れか一の端面と前記充填媒体との間に、前記屈折率ncj又はnckと前記屈折率ni(j,k)との間の屈折率nij又はnikを有する被覆媒体が介在していることを特徴とする付記1乃至3の何れか一に記載の光部品の結合構造体。
【0147】
(付記5) 前記充填媒体は流動性を有し、前記充填媒体の充填部の周囲に、前記充填媒体の周辺部への流出を防止する凸部又は凹部が設けられていることを特徴とする付記1乃至4の何れか一に記載の光部品の結合構造体。
【0148】
(付記6) 基板上に屈折率nuのアンダクラッド層、屈折率ncのコア層、及び屈折率noのオーバクラッド層とを積層する工程と、
前記アンダクラッド層から前記オーバクラッド層までを連続してエッチングし、前記アンダクラッド層から前記オーバクラッド層までが露出する端面が相互に対向する第1及び第2の光導波路を形成する工程と、
前記対向する端面の間に屈折率ni(j,k)を有する充填媒体を充填する工程とを有することを特徴とする光部品の結合構造体の製造方法。
【0149】
(付記7) 前記アンダクラッド層から前記オーバクラッド層までが露出する端面が相互に対向する第1及び第2の光導波路を形成する工程の後、前記対向する端面の間に屈折率ni(j,k)を有する充填媒体を充填する工程の前に、
屈折率nij又はnikを有する被覆媒体により前記端面を被覆する工程を有することを特徴とする付記6記載の光部品の結合構造体の製造方法。
【0150】
(付記8) 二次元レンズにより複数の光信号をそれぞれ個別にコリメートするコリメート部と、前記コリメート部を通過した各光信号の伝播方向を電気光学効果を利用してそれぞれ個別に切り換える複数の第1の光偏向素子と、前記複数の第1の光偏向素子をそれぞれ通過した各光信号を伝播させる共通光導波路と、前記共通光導波路を通過した各光信号の伝播方向を電気化学効果を利用してそれぞれ個別に切り換える複数の第2の光偏向素子と、二次元レンズにより前記第2の光偏向素子を通過した各光信号をそれぞれ個別に集光する集光部とを備え、前記コリメート部と前記集光部のうち少なくとも何れか一に付記1又は乃至5の光部品の結合構造体を備えたことを特徴とする光スイッチモジュール。
【0151】
(付記9) 前記第1の光偏向素子及び前記第2の光偏向素子を構成するコア層の屈折率は、前記コリメート部、前記共通光導波路、及び前記集光部のコア層の何れの屈折率よりも高くなっていることを特徴とする付記8記載の光スイッチモジュール。
【0152】
(付記10) 少なくとも屈折率ncjのコア層を有する第1の光導波路と、少なくとも屈折率nckのコア層を有する第2の光導波路とが端面を対向させて配置されており、前記第1の光導波路と第2の光導波路のうち少なくとも何れか一の前記端面がエッチングにより形成されてなり、かつ前記エッチングにより形成された端面が該端面に露出するコア層の屈折率ncj又はnckと等しい屈折率nij又はnikの被覆媒体により覆われていることを特徴とする光部品の結合構造体。
【0153】
(付記11) 前記第1の光導波路は前記屈折率ncjのコア層の上下を挟んで屈折率nujのアンダクラッド層と屈折率nojのオーバクラッド層とが積層されてなり、前記第2の光導波路は前記屈折率nckのコア層の上下を挟んで屈折率nukのアンダクラッド層と屈折率nokのオーバクラッド層とが積層されてなることを特徴とする付記10記載の光部品の結合構造体。
【0154】
(付記12) 前記エッチングにより形成された端面が凸状の二次元レンズとなっていることを特徴とする付記10又は11記載の光部品の結合構造体。
【0155】
(付記13) 前記対向する端面の間に前記端面を覆う被覆媒体の他に、前記屈折率ncj及びnckよりも低い屈折率ni(j,k)を有する充填媒体が充填されていることを特徴とする付記12に記載の光部品の結合構造体。
【0156】
(付記14) 前記エッチングにより形成された端面が凹状の二次元レンズとなっていることを特徴とする付記10又は11記載の光部品の結合構造体。
【0157】
(付記15) 前記対向する端面の間に前記端面を覆う被覆媒体の他に、前記屈折率ncj及びnckよりも高い屈折率ni(j,k)を有する充填媒体が充填されていることを特徴とする付記14に記載の光部品の結合構造体。
【0158】
(付記16) 二次元レンズにより複数の光信号をそれぞれ個別にコリメートするコリメート部と、前記コリメート部を通過した各光信号の伝播方向を電気光学効果を利用してそれぞれ個別に切り換える複数の第1の光偏向素子と、前記複数の第1の光偏向素子をそれぞれ通過した各光信号を伝播させる共通光導波路と、前記共通光導波路を通過した各光信号の伝播方向を電気化学効果を利用してそれぞれ個別に切り換える複数の第2の光偏向素子と、二次元レンズにより前記第2の光偏向素子を通過した各光信号をそれぞれ個別に集光する集光部とを備え、前記コリメート部、前記第1の光偏向素子、前記共通光導波路、前記第2の光偏向素子、及び前記集光部はそれぞれ光導波路を有し、前記コリメート部と前記集光部のうち少なくとも何れか一に付記10乃至15の何れか一に記載の光部品の結合構造体を備えたことを特徴とする光スイッチモジュール。
【0159】
(付記17) 前記第1の光偏向素子及び前記第2の光偏向素子を構成するコア層の屈折率は、前記コリメート部、前記共通光導波路、及び前記集光部のコア層の何れの屈折率よりも高くなっていることを特徴とする付記16記載の光スイッチモジュール。
【0160】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光部品の結合構造体によれば、第1及び第2の光導波路が、ともにオーバクラッド層からアンダクラッド層までが露出した端面を対向させて配置され、かつ相互の端面の間に屈折率ni(j,k)を有する充填媒体が充填されている。従って、屈折率ni(j,k)を適宜選択することにより、端面の間に空気層(ni(j,k)=1)を充満させた場合に比べて、損失を低減することができ、また、端面の間隔にも余裕をもたせることができる。
【0161】
また、上記のような構造を作成するには、オーバクラッド層、コア層及びアンダクラッド層を積層した後、オーバクラッド層からアンダクラッド層まで連続してエッチングし、オーバクラッド層からアンダクラッド層までが露出する端面が相互に対向する第1及び第2の光導波路を形成する。その後、相互の端面の間に充填媒体を充填する。
【0162】
従って、先願のような研磨工程が不要になるため、工程の簡略化を図ることができる。また、コア層などの膜厚は成膜時に決まるので、膜厚の制御が容易になる。
【0163】
また、本発明の別の光部品の結合構造体によれば、エッチングにより形成された端面が、その端面に露出するコア層の屈折率ncj又はnckと等しい屈折率nij又はnikの被覆媒体により覆われている。
【0164】
被覆媒体の屈折率nij又はnikは端面に露出するコア層の屈折率ncj及びnckと等しいので、光の伝播に関して被覆媒体は実質的にコア層と同じと見なせる。従って、エッチングにより第1又は第2の光導波路の対向部の端面に凹凸が生じたとしても、被覆媒体により端面の凹凸を均すことで、実質的に滑らかな光導波路の端面を得ることができる。これにより、光導波路を伝播する光の端面での散乱を防止して反射による損失や結合損失を低減することができる。
【0165】
さらに、被覆媒体により滑らかな端面になった凸状の二次元レンズに隣接する領域にコア層の屈折率よりも低い屈折率ni(j,k)の充填媒体が充填されているので、反射による損失を低減し、二次元レンズを透過した光をコリメートさせることが可能となる。これにより、光の伝播損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光スイッチモジュールを使用した光信号切換え装置を示す平面模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光スイッチモジュールの構成を示す平面模式図である。
【図3】(a)は第1の実施の形態である凸状の二次元レンズと光導波路の結合部を示す斜視図であり、(b)は第1の実施の形態である光導波路と凹状の二次元レンズの結合部を示す斜視図であり、(c)は、(a)、(b)の結合部における光の伝播の様子を示す断面図である。
【図4】(a)は、比較例に係る、凸状の二次元レンズ621と光導波路の結合部を示す斜視図であり、同図(b)はその結合部における光の伝播の様子を示す断面図である。
【図5】第1の実施の形態である光結合部において、充填媒体の屈折率に対する反射損失を計算した結果を示すグラフである。
【図6】第1の実施の形態である光結合部において、端面の間隔をパラメータとして充填媒体の屈折率に対する結合損失を計算した結果を示すグラフである。
【図7】第1の実施の形態である光結合部において、端面の間隔をパラメータとして充填媒体の屈折率に対する反射損失と結合損失を両方併せた全損失を調査した結果を示すグラフである。
【図8】(a)乃至(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る、図3(a)に類似の凸状の二次元レンズと光導波路の結合部を作成する方法を示す断面図である。
【図9】(a)乃至(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る、図3(b)に類似の凹状の二次元レンズと光導波路の結合部を作成する方法を示す断面図である。
【図10】(a)乃至(d)は、本発明の第3の実施の形態に係る、凸状の二次元レンズと光導波路の結合部を作成する方法を示す図であり、各図の上図は平面図であり、下図は断面図である。
【図11】(a)乃至(d)は、本発明の第3の実施の形態に係る、凹状の二次元レンズと光導波路の結合部を作成する方法を示す図であり、各図の上図は平面図であり、下図は断面図である。
【図12】上図は第4の実施の形態に係る二次元レンズと光導波路の結合部を示す平面図であり、下図は上図のI−I線に沿う断面図である。
【図13】上図は第4の実施の形態に係る二次元レンズと光導波路の別の結合部を示す平面図であり、下図は上図のII−II線に沿う断面図である。
【図14】(a)は、第5の実施の形態を説明するための凸状の二次元レンズ同士の結合部を示す平面図であり、(b)は、(a)のIII−III線に沿う断面図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係る光部品の結合構造体の構成を示す断面図である。
【図16】(a)は本発明の第6の実施の形態に係る光スイッチモジュールのうちコリメート部又は集光部の構成を示す拡大平面図であり、(b)は、(a)のIV−IV線に沿う断面図である。
【図17】(a)は本発明の第7の実施の形態に係る光スイッチモジュールのうちコリメート部を有する光部品の結合構造体の構成を示す平面図であり、(b)は、(a)のV−V線に沿う断面図である。
【図18】本発明の第8の実施の形態に係る光スイッチモジュールの構成を示す平面図である。
【図19】(a)は本発明の第8の実施の形態に係る光スイッチモジュールのうち、入射側チャネル導波路部及びコリメート部の結合構造体の構成を示す平面図であり、(b)は、(a)のVI−VI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
10、20、92ao 基板、
21、201a、202a、203a、204a、302a、403a、601a、602a、611a、612a アンダクラッド層、
22、203b、204b、403b、601b、602b、611b、612b コア層、
23、201c、202c、203c、204c、302c、601c、602c、403c、611c、612c オーバクラッド層、
102 光モジュール、
107、108、200、208 光ファイバ、
201 入射側光導波路部、
201b、207b チャネル導波路(コア層)、
202 コリメート部、
202b 302b 二次元レンズ(コリメートレンズ(コア層))、
203 入射側光偏向素子部、
203p 第1の光偏向素子、
204 共通光導波路、
205 出射側光偏向素子部、
205p 第2の光偏向素子、
206 集光部、
206b 二次元レンズ(集光レンズ(コア層))、
207 出射側光導波路、
211、212、216、218、302d、501b、502b、601d、602d、611d、612d 被覆媒体、
213、217、302e、503、603、613 充填媒体、
302f 対向部、
501a、502a、602、611 光導波路、
601 凸状の二次元レンズ、
612 凹状の二次元レンズ、
604 凸部、
605 凹部。

Claims (4)

  1. アンダクラッド層、コア層、及びオーバクラッド層が積層された第1の光導波路と、アンダクラッド層、コア層、及びオーバクラッド層が積層された第2の光導波路とが、ともに前記オーバクラッド層から前記アンダクラッド層までが露出した端面を対向させて配置されており、
    前記第1の光導波路と第2の光導波路のうち少なくとも何れか一の前記端面がエッチングにより形成されてなり、かつ前記エッチングにより形成された端面が該端面に露出するコア層の屈折率と等しい屈折率の被覆媒体により覆われていることを特徴とする光部品の結合構造体。
  2. 前記第1及び第2の光導波路のうち少なくとも何れか一の端面が凸状の二次元レンズであり、前記対向する端面の間に、前記端面を覆う被覆媒体の他に、前記第1及び第2の光導波路のコア層の屈折率よりも低い屈折率を有する充填媒体が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の光部品の結合構造体。
  3. 前記第1及び第2の光導波路のうち少なくとも何れか一の端面が凹状の二次元レンズであり、前記対向する端面の間に、前記端面を覆う被覆媒体の他に、前記第1及び第2の光導波路のコア層の屈折率よりも高い屈折率を有する充填媒体が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の光部品の結合構造体。
  4. 複数の光信号に対応して配置された複数の二次元レンズにより複数の光信号をそれぞれ個別にコリメートするコリメート部と、前記コリメート部を通過した各光信号の伝播方向を電気光学効果を利用してそれぞれ個別に切り換える複数の第1の光偏向素子と、前記複数の第1の光偏向素子をそれぞれ通過した各光信号を伝播させる共通光導波路と、前記共通光導波路を通過した各光信号の伝播方向を電気光学効果を利用してそれぞれ個別に切り換える複数の第2の光偏向素子と、前記第2の光偏向素子を通過した各光信号に対応して配置された複数の二次元レンズにより前記各光信号をそれぞれ個別に集光する集光部とを備え、
    前記コリメート部、前記第1の光偏向素子、前記共通光導波路、前記第2の光偏向素子、及び前記集光部はそれぞれ光導波路を有し、前記コリメート部と前記集光部のうち少なくとも何れか一に請求項2又は3の何れか一に記載の光部品の結合構造体を備えたことを特徴とする光スイッチモジュール。
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