JP4110781B2 - 密閉型回転式圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉型回転式圧縮機および冷凍又は空調装置及びヒートポンプ装置にかかり、特に、広範囲の回転速度条件下で高性能で高い信頼性を備える密閉型回転式圧縮機および冷凍システムを備えた装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷凍又は空調システム等に用いられている回転式圧縮機であるロータリ圧縮機は、密閉容器内に固定子及び回転子を有する電動要素と、この電動要素によって駆動される圧縮要素が収納されいる。圧縮要素は、駆動軸の偏心部に自転自在に嵌合されたローラが、電動要素から回転力を伝える駆動軸の回転によってシリンダ内を偏心回転運動して作動流体である冷媒を圧縮する。
【0003】
圧縮の行程について更に述べると、ローラに押圧されるベーンによってシリンダ内を吸込室と圧縮室に仕切ることで、吸込パイプより吸込室に吸込された冷媒ガスを圧縮室で圧縮する。圧縮された冷媒ガスは密閉容器内に吐出され、吐出パイプより外部の冷凍サイクルに吐出される。
【0004】
このように構成されたロータリ圧縮機は、ローラを押圧するベーンの背圧を高圧とする為に密閉容器内を吐出圧力とする場合が多い。潤滑油のシリンダ内への供給は、ローラの内側に設けられた潤滑油供給部から、ローラと端板との隙間を介して、シリンダ内に供給を通常行っている。端板とは、筒状の形状を備えるローラの端部に対して対向配置された板状部材であって、シリンダとローラと共同して吸込室若しくは圧縮室を構成する。
【0005】
密閉容器内を吐出圧力にしたときにベーンへ背圧をかける場合、上述の潤滑油供給機構を用いていると、吸込室内に差圧によって漏れ込む潤滑油が過剰となることがある。吸込室内への潤滑油の供給が過剰になると、加熱損失等による圧縮機の性能低下や電動要素のコイル温度上昇による信頼性低下の問題が生じる。
【0006】
また、圧縮機を断続運転する場合、圧縮機停止時に密閉容器内の高温・高圧のガスが蒸発器内に逆流し、蒸発器の温度を上昇させ、冷凍・空調システムの性能を低下させる断続ロスの問題もあった。
【0007】
さらに、地球温暖化防止の観点から将来の冷媒として自然系冷媒が有力視されている。しかし、自然系冷媒は地球温暖化係数は小さいが可燃性を有しているもの(例としてイソブタン)がある。この可燃性を有する冷媒を使用する場合、安全性の面から機器への封入量(冷媒使用量)が制限される可能性が高い。
【0008】
一般に、密閉容器内の雰囲気圧力が高いほど、密閉容器下部に貯留される潤滑油中に溶け込む冷媒量が増える。そのため、この冷媒の溶け込み量を補う分、機器内へ封入する冷媒量が多くなる。
【0009】
これらより、密閉容器内を吐出圧力とするタイプの圧縮機は、機器への冷媒封入量が多くなる方向であるため、可燃性を有する自然系冷媒の適用が困難であるといった問題が存在する。
【0010】
以上の問題に対して、密閉容器内を圧縮機の低圧側とほぼ同じ圧力(吸込圧力)とした低圧容器式のロータリ圧縮機として、特公平07−72547号公報に開示されたロータリ圧縮機がある。
【0011】
そこで開示されるロータリ圧縮機の軸受板の内面(シリンダ側)には、ローリングピストン(ローラ)の偏心回転が1回転する間に、シリンダ内の低圧室と全面的に連通する区間、ローリングピストンの端板で閉塞される区間、およびローリングピストンの内側と全面的に連通する区間の3区間となる位置と大きさの油溜め凹部を備えている。この構成により、圧縮機の運転に伴う回転軸が1回転する間に、凹部の容積に比例した油量の潤滑油が、圧力条件に関係なく、回転軸の1回転当たり常に一定量の潤滑油を低圧室へ供給でき、起動時などに多量の潤滑油が機外に流出するのを抑制することができると記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
油溜め凹部へ供給される油は次のメカニズムで供給される。まず駆動軸の偏心部の摺動面を潤滑した油がローリングピストンの内側に供給された後、このローリングピストン内側に供給された潤滑油が回転軸の遠心作用により偏心方向に寄せられローリングピストン内側に油膜を形成する。この油膜厚さはローリングピストン内側への給油量に依存する。そのため給油量が少なくなる条件、すなわち装置内のモータ回転速度が低速になる条件ほどその油膜厚さは薄くなる。特にロータリ圧縮機が横置き形の場合、潤滑油の油溜め凹部の開口部を覆う面積が小さくなり、油溜め部凹部の潤滑油を取り込む容積効率が低くなることが考えられる。
【0013】
以上から、上記公知例では油膜の薄くなるモータの低速条件のときほど、潤滑油を取り込む油溜め凹部の容積効率が低下する。また、モータの低速条件下で内部潤滑に必要な油量を供給できる容積に油溜め凹部の容積を設定すると、油膜が厚くなる条件となるモータ回転速度の高速条件下で油溜め凹部に取り込む油量が増加する。するとシリンダ内への給油量が過剰になり、吸気加熱損失や圧縮機外部に吐出される油量が増え、圧縮機性能およびサイクル性能が低下するといった問題がある。
【0014】
また、モータの高速条件下で、サイクル性能を低下させない油吐出量になるように油溜め凹部の容積を設定すると、油膜の薄くなる低速の条件で油溜め凹部に取り込む油量が不足し、内部漏れやベーンとローリングピストン間の潤滑不良の問題が生じてしまう。
【0015】
本発明の目的は、密閉型回転式圧縮機の回転速度の変動によるローラ部の内側への給油量が変化した場合でも、圧縮機の電動要素が低速でも高速でも、一回転あたり一定量の油が吸込室に供給できるようにすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本発明の密閉型回転式圧縮機は、密閉容器内に、固定子と回転子を有する電動要素と、この電動要素による回転を伝える偏心部を有する駆動軸と、駆動軸の偏心部の回転により作動流体を圧縮する圧縮要素と、を備え、この圧縮要素は、両端が開口した円筒状内周面を有するシリンダと、シリンダ内で駆動軸の偏心部に嵌合するローラと、このローラの偏心運動に伴いシリンダ内を吸込室と圧縮室に仕切るベーンと、シリンダの開口を閉塞する端板と、駆動軸を経由してローラ内に潤滑油を給油する給油機構と、ローラの内側に給油された潤滑油を取り込む前部とローラの内側の空間と吸込室とを交互に連通し前部からの潤滑油を保持する後部とを有する潤滑油供給機構と、を備えるとことにより達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図を用いて説明する。なお、第2の実施形態以降の実施形態においては第1の実施形態と共通する構成の一部を省略すると共に、重複する説明を省略する。
【0018】
まず、本発明の第1の実施形態を図1から図5を用いて説明する。 本実施形態の密閉型回転式圧縮機は、密閉容器6内に電動要素、圧縮要素およびこの両者を連結する駆動軸4を配置する。また本実施形態では、この密閉容器6内を吐出圧力より低い吸込圧力とする。
【0019】
電動要素は、固定子7および回転子5を有している。圧縮要素は、圧縮機構と給油機構を有している。圧縮機構は、円筒状内周面1aを備えたシリンダ1と、このシリンダ1内に回転可能に配置された揺動ピストン8と、シリンダ1の両端開口を閉塞する主軸受2および副軸受3によりなっている。駆動軸4は電動要素の回転子5に固定してあり圧縮要素に駆動力を伝える。駆動軸4の偏心部4aが偏心回転することで、揺動ピストン8はシリンダ1の内部で偏心回転する。
【0020】
給油機構は、追って詳述するが、ベーン部8bの端部が出入りすることによるシリンダ1の孔部1cの容積変化に伴い、吸込流体ダイオード17より流入した潤滑油が吐出流体ダイオード18を通じて給油パイプ19に送られる。給油パイプ19を通じて供給された潤滑油は、副軸受3内に進入して、駆動軸4の表面に設けられたスパイラル溝20により、各軸受内に供給される。
【0021】
圧縮機構の構成を詳述する。主軸受2と副軸受3とが、少なくともシリンダ1の円筒状内周面1aの両端部にある開口部を閉塞する。本実施形態では主軸受2にシリンダ1が固定されている。主軸受2と副軸受3は、それぞれシリンダ1の円筒状内周面1aに対応する部分の中央に軸受部2a、3aを備えており、駆動軸4を回転可能に支持している。また、主軸受2と副軸受3は駆動軸4の回転軸(偏心部4a以外の部分)が、シリンダ1の円筒状内周面1aの中心軸と一致する様にシリンダ1に固定されている。そして、主軸受2の外周部は密閉容器6に固定されており、密閉容器6には電動要素の固定子7が固定されている。
【0022】
駆動軸4には、シリンダ1の円筒状内周面1a内に位置する部分に偏心部4aが設けられている。つまり、この偏心部4aの円筒状外周面には揺動ピストン8のローラ部8aの円筒状内周面が回転可能に嵌入される。ローラ部8aの円筒状外周面とシリンダ1の円筒状内周面1aとの間の隙間は微少になる様に各部寸法が決められている。
【0023】
また、ローラ部8aの円筒状外周面にはベーン部8bが設けられている。シリンダ1の円筒状内周面1aの外側には円筒状内周面1aの中心軸と平行な中心軸を持つ円筒孔部1bが設けられている。円筒孔部1bのシリンダ1中心側とその反対側とはそれぞれシリンダ1の円筒状内周面1aと円筒孔部1bの外側に設けた別の孔部1cに連通している。ベーン部8bは円筒孔部1bと孔部1cとに挿入されているが、ベーン部8bと円筒孔部1bとの間にはベーン部8bの平面部に摺動可能に当接する平面部と円筒孔部1bの円筒面部に摺動可能に当接する円筒面部とを有する滑動部材9がベーン部8bをはさみ込んで組み込まれている。この結果、ベーン部8bは円筒孔部1bの中心軸に向かう進退運動と中心軸廻りの揺動運動を行う。ベーン部8bの先端部は孔部1cの中で運動し、円筒孔部1bから抜けてシリンダ1と干渉することはない。
【0024】
以上の構成を有することで、電動要素により駆動軸4が回転すると、揺動ピストン8は偏心部4aとともにシリンダ1内を揺動を伴う公転運動を行う。
図3は駆動軸4が60°ずつ回転した時の揺動ピストン8の運動を示した図である。ローラ部8aは、偏心部4aの回転運動に伴い、その中心が公転運動をする。ベーン部8bは、常に円筒孔部1bの中心軸方向を向き、偏心部4aの中心軸廻りに若干の角度だけ揺動運動を行う。ベーン部8bの運動、すなわち円筒孔部1bの中心軸に向かった進退運動とその中心軸廻りの揺動運動を行うときの、ベーン部8bと円筒孔部1bとの間の隙間のシールは、ベーン部8bと円筒孔部1bとの間に挿入された滑動部材9がシールすることにより保たれる。
【0025】
したがって、シリンダ1、揺動ピストン8、主軸受2、副軸受3及び滑動部材9との組み合わせにより、密閉空間である圧縮室10(図3斜線部)と吸込空間である吸込室11が構成される。電動要素による駆動軸4の回転に伴い図3の様にその容積の増減を繰り返す。図3においては、図3(a)から(f)の全てに圧縮室10が形成されている。
【0026】
係る構成により、作動流体である冷媒ガスは次に述べるように圧縮される。まず冷媒ガスは、密閉容器6に取り付けられた吸込パイプ12より密閉容器6内に吸込まれ、吸込通路13を通過した後、吸込室11に吸込まれる。(吸込室11は、図3における(a)θ=0°を越え(b)θ=60°に示されるように吸込みポート1dがローラ部8aによって塞がった状態から、(f)θ=300°を越えて(a)θ=0°のように吐出ポート3bが閉じた状態まで存在する。)
圧縮室10の容積の減少と同時に冷媒ガスは圧縮される。副軸受3に設けられた吐出ポート3bから吐出された冷媒ガスは、副軸受3と吐出カバー14によって設けられる吐出室3cへと吐出される。その後、圧縮された冷媒ガスは密閉容器6を貫通する吐出パイプ15から密閉容器6外に吐出される。
【0027】
このように本実施例では特に、吸込パイプ12を通過した冷媒ガスを一旦、密閉容器内に吸込む構造としており、密閉容器6内は吸込圧力となる。このとき、圧縮室10で圧縮された冷媒ガスは密閉容器6内に直接吐出されずに吐出室3cを介して吐出パイプ15を通じて密閉容器6外に吐出される。
【0028】
密閉容器6内を吸込圧力とすることにより以下のような利点がある。
(1)圧縮された高温の冷媒ガスによる電動要素の加熱が少なく、低温の冷媒ガスによって冷却されるため、回転子5、固定子7の温度が低下し、モータ効率が向上して性能向上が図れる。
(2)ローラ部8a内側が吸込圧力となるので、ローラ部8a内面から吸込室11への差圧による過剰な油の供給がなくなり、圧縮機の性能向上が図れる。
(3)潤滑油と相溶性のあるフロン等の冷媒では、圧力が低い為、油中に溶解する冷媒ガスの割合が少なく、軸受等での冷媒ガスの発泡現象が起こりにくいので信頼性を向上することができる。また、将来的な新冷媒として有力である可燃性を持つ自然系冷媒(イソブタン、プロパン等)では、冷媒使用量が少なくなり安全性を高めることができる。
(4)密閉容器6の耐圧を低くでき、薄肉・軽量化が図ることができる。
また、本実施形態に示した揺動ピストン形圧縮機は、密閉容器内を吸込圧力とした構造に適用し易い。なぜならばローラとベーンを一体化しているので、ローラとベーンとを別体にしたロータリ圧縮機のようにローラにベーンを押圧するためにベーンに高圧の背圧をかける必要が無い。
次に圧縮機構部の給油機構について詳述する。図1において、駆動軸4の回転により、ベーン部8bが孔部1cの中で進退運動し、孔部1cの容積が変化する。この容積変化によるポンプ作用で(以後、ベーン給油ポンプと呼ぶ)、密閉容器6の底部に貯溜された潤滑油16は吸込流体ダイオード17から吸引され、吐出流体ダイオード18、給油パイプ19を通って、駆動軸4まで汲み上げられる。さらに汲み上げられた潤滑油16は、駆動軸4の外周に設けられたスパイラル溝20を通って副軸受3、偏心部4a、主軸受2を潤滑し再び密閉容器6内へ戻る。
【0029】
偏心部4aを潤滑した潤滑油16はローラ部8a内面側に流出する。例えスパイラル溝20を通る潤滑油16から冷媒ガスが発泡しても、発泡した冷媒ガスは、ローラ部8aの内面に対向した偏心部4aの外周面に開口するガス抜き孔4bから、駆動軸4の内部に設けられたガス排出穴4cを通じて排出される。
【0030】
また、圧縮室10からローラ部8a内側に漏れ込んだ高圧の冷媒ガスは、偏心部4aの主軸受2及び副軸受3に対向する面に開口部を有しガス排出孔4cに連通する連通孔4eを通って、駆動軸4の内部に設けられたガス排出穴4cにより密閉容器6へと排出される。
【0031】
ここで、ローラ部8a内面上に供給された潤滑油16がシリンダ1内に安定して供給される構成について説明する。図3において、ローラ部8a端面には、ローラ部8aの内側に開口する切欠部8cが設けられている。副軸受3の端板上の、ローラ部8aの内側の空間と連通するローラ部8aの端面の切欠部8cと吸込室とを交互に行き来する位置には、端板の平面が窪んだ凹部である油ポケット21が設けられている。ローラ部8a端面の切欠部8cと吸込室とを交互に行き来する副軸受3の端板上の位置は、シリンダ1内の吐出ポート3d側ではなく、吸込ポート1d側である。つまり、その副軸受3の端板上の位置は、ローラ部8aの内側の空間と吸込室11とに連通する位置である。
【0032】
ローラ部8a内面上に供給された潤滑油16は、切欠部8cに導かれ、切欠部8cと対向する位置で副軸受3の油ポケット21に供給される。その後、油ポケット21が吸込室11に開口すると油ポケット21内の潤滑油16が吸込室11へと供給される。
【0033】
図4及び図5を用いて更に述べる。ローラ部8aと駆動軸4の偏心部4aとの間に供給される潤滑油16は、ローラ部8aの内面を覆うだけでなく、偏心部4aが副軸受3に対向する面上にも、潤滑油16が駆動軸4の回転に伴う遠心作用により集積される。その溜まった潤滑油16を切欠部8cが油ポケット21へ導く。切欠部8cの範囲に応じて切欠部8cが油ポケット21を覆っている状態が変わる。
【0034】
以上の構成とすることにより、油ポケット21はローラ部8a端面に設けられた切欠部8cと連通することで潤滑油16が供給されるので、ローラ部8a内周に供給された潤滑油16の油量が少なくても、油ポケット21が、その前部にあたる切欠部8cに集められ導かれた潤滑油16に全面的に覆われることで、油ポケット21への潤滑油16の取り込みを円滑にして油ポケット21が潤滑油を取り込む容積効率が向上する。この結果、回転速度によってローラ部8a内の油量が変化した場合でも、一回転あたりに一定量の潤滑油が吸込室に供給できるようになる。つまり、低速域でのシリンダ1内の油量不足による内部漏れや滑動部材と円筒孔部との潤滑不良、及び高速域での吸込室内への給油量過多による吸気加熱損失や吐出油量増大を防止でき、広範囲の回転速度条件において高性能で信頼性の高い密閉型回転式圧縮機を提供することができる。
【0035】
切欠部8cは、圧縮室の圧力が上昇していない時(ほぼ吸込圧力)に油ポケット21と連通するので、ローラ部8aの端面のシール性を劣化させることはない。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態を図6及び図7を用いて説明する。本実施形態では、ローラ部8aの端面であって偏心部4aに対向する面の角部を全周に渡って窪ませ段状の環状溝8dを設けた。環状溝8dは、ローラ部8aの偏心部4aに対する接触面積を減らし、接触抵抗を軽減する作用がある。図7に示されたように、ローラ部8aの副軸受3側だけでなく、主軸受2側に対しても、環状溝8dを設けると、さらに接触抵抗が減る。
【0037】
この環状溝8dにより、ローラ部8a内面に供給された潤滑油16は、駆動軸4の回転に伴う遠心作用により、環状溝8d内の偏心方向に導かれて集まる。副軸受3の端板上であって環状溝8dと吸込室11を交互に行き来する位置に設けられた油ポケット21が環状溝8dと連通した際に、環状溝8dに導かれた潤滑油16は、油ポケット21に供給される。その後、油ポケット21が吸込室11に開口すると油ポケット21内の潤滑油16が吸込室11へと供給される。
【0038】
以上の構成とすることにより、ローラ部8a内周に供給された潤滑油16の油量が少なくても、油ポケット21が、その前部にあたる切欠部8cに集められ導かれた潤滑油16に全面的に覆われることで、油ポケット21が潤滑油を取り込む容積効率が向上する。また、ローラ部8aの端面の両側に環状溝8dを設け、主・副軸受端面との接触面積を小さくしているので、ローラ部8a円筒部の肉厚が厚くなるタイプ(例えば、同一のシリンダ形状でローラ部の内外径と駆動軸の偏心部外径及び偏心量を変更し圧縮機の押しのけ容積を小さくする場合)の圧縮機において、第1の実施形態と同一の作用効果が得られるとともに、ローラ部8a端面の摺動ロスを低減できる。
【0039】
次に、本発明の第3の実施形態を図8乃至図10を用いて説明する。本実施形態において、副軸受3の端板上のローラ部8a内側に開放、且つローラ部8aの偏心運動に伴い吸込室の一部となる位置に凹部22を設ける。凹部22は、副軸受3の断面(図9参照)から見て深さhがシリンダ1の半径方向で外側から中心方向に向かって減少する形状を備える。
【0040】
このような凹部22を備えることで、ローラ部8a内側に供給された潤滑油16は、副軸受3のシリンダ1側端面上のローラ部8aの内側と吸込室11を交互に行き来する位置に設けられた凹部22が、ローラ部8a内側と連通した際に、凹部22に供給される。その後、凹部22が吸込室11に開口すると凹部22内の潤滑油16が吸込室11へと供給される。
【0041】
ここで、凹部22は、潤滑油16が入り込む前部に対してその深さhが変化する貯油部を備える。ローラ部8a内の油膜厚さが厚くなるとともに深さhが浅くなる、すなわちローラ部8aの遠心作用で寄せ集められたローラ部8a内の潤滑油16の厚さが厚くなる方向に深さhが小さくなることにより、以下に述べる作用を有するため、回転速度の増加よってローラ部8a内の油量が増え油膜厚さが厚くなるときに、凹部22に供給される油量変化を深さhが変化しない凹部に比べて小さくすることができる。
【0042】
この貯油部の作用は、ローラ部8aの内面と、凹部22の底部(図9において、シリンダ1の半径方向で外側の面)とが、シリンダ1の半径方向の位置がほぼ同じ位置である。凹部22の前部である開口部に比べて後部となる貯油部(副軸受3の端板表面から窪んだ部分)の断面形状が変わることで、開口部を油取り込みに有利に大きく設け、貯油部は油膜の厚さに応じた容積に設けることができる。開口部が狭く深さhが大きな形状の凹部では、凹部の中に残る潤滑油が多くなり当初の目的を達することができない。したがって、本実施形態のように開口部に対して潤滑油の膜厚さ方向に貯油部の容積を変えることにより、高速域での吸込室内への給油量過多による吸気加熱損失や吐出される油量増大によるサイクル性能の低下を防止できる。
【0043】
凹部22の容積を、低速域の内部潤滑を行うための最小必要給油量に設定することで、低速域での吸込室11内の油量不足による内部漏れや滑動部材9と円筒孔部1bとの潤滑不良を回避することができる。
【0044】
以上により、この実施形態を適用した密閉型圧縮機は広範囲の回転速度条件において高性能で信頼性を高くすることができる。
【0045】
上述の凹部22は深さ方向に断面積が変化する形状としたが、この他、深さと垂直な方向に断面積が変化する等、油膜が厚くなるとともに凹部に供給される油量の増加率が少なくなる形状であれば同一の作用効果が得られる。
【0046】
次に、本発明の第4の実施形態を図11を用いて説明する。図11において、ローラ部8aの内側と吸込室11とを交互に行き来する副軸受3の端板上の位置に、ローラ部8aの内周方向に長い形状を有する凹部23が設けられている。
【0047】
ローラ部8a内側に供給された潤滑油16は凹部23に供給される。その後、凹部23の前部が吸込室11に開口すると、凹部23内の潤滑油16が吸込室11へと供給される。
【0048】
凹部23の開口部である前部の幅bは、密閉型圧縮機の定格運転における回転速度以下である低速域でローラ部8a内に溜まる潤滑油の油膜厚さ以下である。幅bは偏心部4aの中心に対する角度αを、適切に設定することによって凹部23の容積を最適に設定する。
【0049】
凹部23の開口部の幅bが密閉型圧縮機の低速域での油膜厚さ以下となっているので、たとえ圧縮機の電動機が低速で回転しても、凹部23が潤滑油16に全面的に覆われて、凹部23の潤滑油を取り込む容積効率が向上する。この結果、回転速度によってローラ部8a内の油量が変化した場合でも、低速域でのシリンダ1内の油量不足によるシリンダ内部の冷媒ガス漏れや滑動部材と円筒孔部との潤滑不良を防ぐことができるようになる。
【0050】
また、圧縮機の低速域での回転に合わせて一回転あたりに一定量の潤滑油を取り込む前部開口部を備えることで、その前部が高速域の回転速度では流路抵抗となり、吸込室内への給油量過多による吸気加熱損失や吐出される潤滑油量の増大を防止できる。したがって本実施形態を適用する密閉型回転式圧縮機は、広範囲の回転速度条件において高性能で高い信頼性を得ることができる。
【0051】
次に、本発明の第5の実施形態を図12を用いて説明する。本実施形態では、貯油部となる油ポケット21がローラ部8a内側と吸込室11を交互に行き来する副軸受3の端板上の位置に設けられ、油ポケット21の前部には偏心部4aが副軸受3側に隙間δで位置し偏心部4aとローラ部8aとからなる前方供給部を有する。
【0052】
ローラ部8a内側に供給された潤滑油16は、油ポケット21がローラ部8a内側と連通した際に、副軸受3から隙間δ離れた偏心部4aとローラ部8aとによる前方供給部から油ポケット21に供給される。そして油ポケット21が吸込室11に開口すると油ポケット21内の潤滑油16が吸込室11へと供給される。
【0053】
偏心部4aの副軸受3に対向する面の位置は、偏心部4aの厚みの中心線がローラ部8aの高さの中心線に対して油ポケット21側に位置しており、例えば、偏心部4aと副軸受3間との隙間δと油ポケット21の深さhがほぼ等しくなるようになっている。
【0054】
ローラ部8a内側であって油ポケット21側の空間の容積が小さくなり、ローラ部8aの内側に供給された潤滑油の油面が偏心部4a中心方向に高くなるので、ローラ部8a内側であって油ポケット21側の潤滑油16が少ししか供給されなくても、油ポケット21が潤滑油16に覆われる。そのため油ポケット21の潤滑油を取り込む容積効率が向上する。
【0055】
この結果、回転速度によってローラ部8a内の油量が変化した場合でも、一回転あたりに一定量の潤滑油が吸込室に供給できるようになる。つまり、密閉型圧縮機の電動機が低速域で運転したときのシリンダ1内の油量不足が軽減し、シリンダ1の内部での圧縮された冷媒ガスの漏れや滑動部材と円筒孔部との潤滑不良を防ぐことができる。また、高速域で運転したときの吸込室内への給油量過多を前部供給部が吸収することにより吸気加熱損失や吸込室内及び圧縮室内に吐出される潤滑油量の増大が防止できる。したがって本実施形態を適用する密閉型回転式圧縮機は、広範囲の回転速度条件において高性能で高い信頼性を得ることができる。
【0056】
以上の実施形態では1シリンダタイプの圧縮機において副軸受3の端面に油ポケット21、凹部22、凹部23を設けた形態としたが、主軸受2側に設けても同様の作用効果が得られることは言うまでもない。また2シリンダタイプの密閉型回転式圧縮機にも、共通する構成を備えることで容易に適用できる。
【0057】
次に、本発明の第6の実施形態を図13を用いて説明する。このサイクルは冷凍(冷房)専用のサイクルである。本発明の一実施形態を適用した密閉型回転式圧縮機27を起動することにより、圧縮された高温・高圧の作動ガス(冷媒ガス)は、実線矢印で示すように吐出パイプ15から凝縮器24に流入して、凝縮器ファン24aの送風作用で放熱、液化する。この液化した冷媒は、膨張弁25で絞られ、断熱膨張して低温・低圧となる。低温・低圧となった液体冷媒は、蒸発器26で蒸発器ファン26aで供給された空気からの熱により吸熱して、ガス化された後、吸込パイプ12を経て密閉型回転式圧縮機27に吸込される。
【0058】
ここで図13に示した冷凍システムは本発明の一実施形態を適用した密閉型回転式圧縮機を搭載しているので、全運転範囲にわたりエネルギ効率に優れた冷凍システムが得られる。以下、詳細に述べる。
【0059】
図13において、速度制御回路50は、温度センサ51で検知した温度に対して冷凍システムが目標とする温度を決めて、その目標温度に応じて圧縮機27に備えられた電動機の回転速度を制御する。この冷凍システムが冷蔵庫などの冷凍装置に適用される場合は、温度センサ51は温度を検知したい庫内の温度を検知可能な場所に設ける。また、この冷凍システムがエアコンなどの空気調和機に適用される場合は、室内に配置される熱交換器の傍に設ける。空気調和機の場合、湿度センサをシステムに設け、速度制御回路50は湿度センサの出力値を加味して電動機の回転速度を制御することも有効である。さらに、この冷凍システムが給湯装置に適用される場合は、熱交換されて熱せられた水の温度を測定するために温度センサを設ける。
【0060】
速度制御回路50は、冷凍システムの目標温度にシステムを制御するために、システムの圧縮機27が有する電動機の回転速度を制御する。システムのエネルギー効率を高めるために圧縮機の回転速度を制御する場合に、圧縮機は異なる回転速度に対して効率が低下しないようにする必要がある。
【0061】
本発明の実施形態を適用した密閉型回転式圧縮機27を構成要素とする冷凍システムとすることにより、回転速度を変動させてローラ部内部への潤滑油の給油量が変化した場合でも、常に一回転あたり一定量の油が吸込室に供給できる。
【0062】
目標温度に対して能力を必要としない条件下では、圧縮機の電動機(モータ)を高速に回転させる必要は無く、冷凍システムは圧縮機を低速で回転させる制御を行う。このような場合、本発明の実施形態を適用した密閉型回転式圧縮機は低速域でのシリンダ内の油量不足による内部漏れや滑動部材と円筒孔部との潤滑不良を生じることはない。
【0063】
また、目標温度に対して能力を必要とする条件下では、圧縮機のモータを高速に回転させる必要があり、冷凍システムは圧縮機を高速で回転させる制御を行う。このような場合、本発明の実施形態を適用した密閉型回転式圧縮機は高速域でのシリンダ内への給油量過多による吸気加熱損失や吐出油量増大が防止できる。
【0064】
特に、本発明の実施形態を適用した密閉型回転式圧縮機では、密閉容器6内を吐出圧力以下にしているので、断続運転時に高温・高圧の冷媒が蒸発器内に流入する量を少なくでき、断続エネルギロスを低減できる。
【0065】
ここで、冷凍システムや空調システムに応じて適宜その実施形態を修正しても本発明の実施形態の範囲内であることは明らかである。また、単段圧縮機を用いて説明したが、2段圧縮機でも本発明の実施形態を適用できることは言うまでもない。その一例を次に述べる。
【0066】
次に、本発明の第7の実施形態を図14と図15を用いて説明する。ここで、図1ないし図13と同一符号を付したものは、同一部品であり同一の作用をなす。
【0067】
図14及び図15において、圧縮要素28は低圧用圧縮要素28aと高圧用圧縮要素28bを備える。駆動軸29の軸支持を兼ねた主軸受30と副軸受31、及び仕切り板32は、各圧縮要素のシリンダの両端開口部を閉塞する。本実施例の揺動ピストン形圧縮機の圧縮動作は、図1および図3で示した揺動ピストン形圧縮機の場合と同様だが、冷媒ガスの流れが異なる。
【0068】
冷媒ガスは、密閉容器6に取り付けられた吸入パイプ33をとおって低圧圧縮要素28aのシリンダ1‘内に入り圧縮され、圧縮された冷媒ガスは主軸受30に形成された吐出ポート34aを通り、吐出サイレンサ35を通って密閉容器6内に吐き出される。
【0069】
密閉容器6内に吐き出された冷媒ガスは吐出パイプ36から外部に出て、中間冷却器37により放熱して冷やされた後、吸入パイプ38を通って高圧用圧縮要素28bのシリンダ1''内に入り、圧縮された冷媒ガスは副軸受31に配設された吐出ポート34bを通って吐出室39にはいり、ここから吐出パイプ40を取って外部に流出する。
【0070】
次に圧縮機構部の給油機構について説明する。図14及び図15において、駆動軸29の回転により、高圧用圧縮要素28bのベーン部8b''が孔部1cの中で進退運動し、孔部1cの容積が変化する。この容積変化によるポンプ作用で、密閉容器6の底部に貯留された潤滑油16は、流体ダイオード41から吸引され、給油パイプ19を通って、駆動軸29まで食い挙げられ、駆動軸29の外周に設けられたスパイラル溝20をとおって副軸受31、偏心部41a、41b、主軸受30を潤滑し、再び密閉容器内へ戻る。
【0071】
低圧用圧縮要素28aの偏心部42aを潤滑した潤滑油16の一部は、ローラ部8a'内面と吸入室の差圧により吸入室に供給され、高圧用圧縮要素28bの偏心部42bを潤滑した潤滑油16の一部は、図4で示した油ポケット方式と同じ要領で吸入室に供給される。
【0072】
ここで、油ポケットは、副軸受31の端面、仕切り板32の端面のいずれに設けても同一の効果を得ることができる。
【0073】
スパイラル溝20を通る潤滑油16から発泡した冷媒ガスはガス抜き孔43a、43bから、高圧用圧縮要素28bの圧縮室からローラ部8a''内面に漏れ込んだ高圧の冷媒ガスはガス抜き孔43bを取って駆動軸29の内部に形成されたガス排出孔4cにより密閉容器6へと排出される。
【0074】
ここで、高圧用圧縮要素28bのローラ部8a''の内面は圧縮室10からもれこんだ冷媒ガスと偏心部42bを潤滑した潤滑油16が共存しており、駆動軸29の回転による遠心力によって潤滑油と冷媒ガスの密度差から、密度の高い潤滑油は外側に、密度の低い冷媒ガスが内側に位置するようになるので、ほぼ冷媒ガスのみをガス抜き孔43bを通して駆動軸29の内部の形成されたガス排出孔4cより排出することができる。また、内部シールに必要な吸入室への油ポケットによる給油を阻害することがなく内部漏れを抑制できる。
【0075】
以上のように本実施形態の横置き形揺動ピストン形2段圧縮機は図4に示した油ポケット21と切欠部8cを備えているので広範囲の回転速度条件において高性能で高い信頼性を確保できる。
【0076】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明における密閉型回転式圧縮機は、広範囲の回転速度条件において高性能で高い信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る横置き型揺動ピストン形圧縮機の縦断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図1の圧縮要素の動作説明図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る揺動ピストン形圧縮機の要部説明図。
【図5】図4のB−B断面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る揺動ピストン形圧縮機の要部説明図。
【図7】図6のC−C断面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る揺動ピストン形圧縮機の要部説明図。
【図9】図8のC−C断面図。
【図10】図9の凹部まわりの拡大図。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る揺動ピストン形圧縮機の要部説明図。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る揺動ピストン形圧縮機の要部説明図。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る冷凍装置の冷凍サイクル構成図。
【図14】本発明の第7の実施形態に係る横置き型揺動ピストン形2段圧縮機の縦断面図。
【図15】図14に示す横置き型揺動ピストン形2段圧縮機の給油機構拡大図。
【符号の説明】
1…シリンダ、1a…円筒状内周面、1b…円筒孔部、1c…孔部、1d…吸込ポート、2…主軸受、2a…軸受部、3…副軸受、3a…軸受部、3b…吐出ポート、3c…吐出室、4…駆動軸、4a…偏心部、4b…ガス抜き孔、4c…ガス排出穴、4e…連通孔、5…回転子、6…密閉容器、7…固定子、8…揺動ピストン、8a…ローラ部、8b…ベーン部、8c…切欠部、8d…環状溝、9…滑動部材、10…圧縮室、11…吸込室、12…吸込パイプ、13…吸込通路、14…吐出カバー、15…吐出パイプ、16…潤滑油、17…吸込流体ダイオード、18…吐出流体ダイオード、19…給油パイプ、20…スパイラル溝、21…油ポケット、22…凹部、23…凹部、24…凝縮器、24a…凝縮器用ファン、25…膨張弁、26…蒸発器、26a…蒸発器用ファン、27…密閉型回転式圧縮機。

Claims (5)

  1. 密閉容器内に、固定子と回転子を有する電動要素と、この電動要素による回転を伝える偏心部を有する駆動軸と、その駆動軸の偏心部の回転により作動流体を圧縮する圧縮要素と、を備え、この圧縮要素は、両端が開口した円筒状内周面を有するシリンダと、そのシリンダ内で前記駆動軸の偏心部に嵌合するローラと、そのローラの偏心運動に伴い前記シリンダ内を吸込室と圧縮室に仕切るベーンと、シリンダの開口を閉塞する端板と、前記駆動軸を経由してローラ内に潤滑油を給油する給油機構と、ローラの内側に給油された潤滑油を取り込む取込部とローラの内側の空間と吸込室とに交互に連通し前記取込部からの潤滑油を保持する保持部とを有する潤滑油供給機構と、を備え
    前記取込部は前記ローラの端面に設けられた切欠であり、前記保持部は前記端板に設けられた凹部である密閉型回転式圧縮機
  2. 密閉容器内に、固定子と回転子を有する電動要素と、この電動要素による回転を伝える偏心部を有する駆動軸と、その駆動軸の偏心部の回転により作動流体を圧縮する圧縮要素と、を備え、この圧縮要素は、両端が開口した円筒状内周面を有するシリンダと、そのシリンダ内で前記駆動軸の偏心部に嵌合するローラと、そのローラの偏心運動に伴い前記シリンダ内を吸込室と圧縮室に仕切るベーンと、シリンダの開口を閉塞する端板と、前記駆動軸を経由してローラ内に潤滑油を給油する給油機構と、ローラの内側に給油された潤滑油を取り込む取込部とローラの内側の空間と吸込室とに交互に連通し前記取込部からの潤滑油を保持する保持部とを有する潤滑油供給機構と、を備え、
    前記取込部は前記ローラの端面に設けられた環状溝であり、前記保持部は前記端板に設けられた凹部である密閉型回転式圧縮機。
  3. 密閉容器内に、固定子と回転子を有する電動要素と、この電動要素による回転を伝える偏心部を有する駆動軸と、その駆動軸の偏心部の回転により作動流体を圧縮する圧縮要素と、を備え、この圧縮要素は、両端が開口した円筒状内周面を有するシリンダと、そのシリンダ内で前記駆動軸の偏心部に嵌合するローラと、そのローラの偏心運動に伴い前記シリンダ内を吸込室と圧縮室に仕切るベーンと、シリンダの開口を閉塞する端板と、前記駆動軸を経由してローラ内に潤滑油を給油する給油機構と、ローラの内側に給油された潤滑油を取り込む取込部とローラの内側の空間と吸込室とに交互に連通し前記取込部からの潤滑油を保持する保持部とを有する潤滑油供給機構と、を備え、
    前記取込部は前記ローラ、端板及び偏心部とからなる空間であり、前記保持部は前記端板に設けられた凹部であってその凹みの深さ方向に断面積が変化する凹部である密閉型回転式圧縮機。
  4. 密閉容器内に、固定子と回転子を有する電動要素と、この電動要素による回転を伝える偏心部を有する駆動軸と、その駆動軸の偏心部の回転により作動流体を圧縮する圧縮要素と、を備え、この圧縮要素は、両端が開口した円筒状内周面を有するシリンダと、そのシリンダ内で前記駆動軸の偏心部に嵌合するローラと、そのローラの偏心運動に伴い前記シリンダ内を吸込室と圧縮室に仕切るベーンと、シリンダの開口を閉塞する端板と、前記駆動軸を経由してローラ内に潤滑油を給油する給油機構と、ローラの内側に給油された潤滑油を取り込む取込部とローラの内側の空間と吸込室とに交互に連通し前記取込部からの潤滑油を保持する保持部とを有する潤滑油供給機構と、を備え、
    前記取込部は前記ローラ、端板及び偏心部とからなる空間であり、前記保持部は前記端板に設けられた凹部であってその凹みの深さ方向と垂直な方向に断面積が変化する凹部である密閉型回転式圧縮機。
  5. 密閉容器内に、固定子と回転子を有する電動要素と、この電動要素による回転を伝える偏心部を有する駆動軸と、その駆動軸の偏心部の回転により作動流体を圧縮する圧縮要素と、を備え、この圧縮要素は、両端が開口した円筒状内周面を有するシリンダと、そのシリンダ内で前記駆動軸の偏心部に嵌合するローラと、そのローラの偏心運動に伴い前記シリンダ内を吸込室と圧縮室に仕切るベーンと、シリンダの開口を閉塞する端板と、前記駆動軸を経由してローラ内に潤滑油を給油する給油機構と、ローラの内側に給油された潤滑油を取り込む取込部とローラの内側の空間と吸込室とに交互に連通し前記取込部からの潤滑油を保持する保持部とを有する潤滑油供給機構と、を備え、
    前記取込部は前記ローラの内周方向に沿った形状の開口部であり、前記保持部は前記端板に設けられた凹部である密閉型回転式圧縮機。
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