JP4109975B2 - 両面転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる1パス方式によって転写紙等の記録体の両面に画像を転写する両面転写装置及びこれを備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録体の両面にトナー像等の可視像を転写する両面転写方式として、いわゆるスイッチバック方式のものを採用した画像形成装置が知られている(例えば特許文献1等)。スイッチバック方式とは、記録体を転写手段と定着手段とに通してその一方の面だけに可視像を定着せしめた後、記録体を反転させて再び転写手段と定着手段とにスイッチバックさせる方式である。かかるスイッチバック方式を用いる画像形成装置においては、定着手段に一旦通した記録体を反転させてスイッチバックさせるための複雑なスイッチバック機構が必要になってコスト高になるという不具合があった。また、記録体のスイッチバックによって両面転写の高速化が困難になるという不具合もあった。更には、スイッチバック前の記録体を定着手段内で加熱してカールさせてしまい、スイッチバック時にジャムを発生させ易くなるという不具合もあった。
【0003】
そこで、記録体を内部の搬送経路内に1回だけ通過させる間に、その両面に可視像を転写するいわゆる1パス両面転写を行う画像形成装置が種々提案されている。かかる1パス両面転写によれば、記録体のスイッチバックを行う必要がないので、スイッチバック機構の付設によるコストアップやスイッチバック時のジャムを解消することができる。また、スイッチバックによって両面転写の高速化を妨げるといった事態も解消することができる。
【0004】
上記1パス両面転写を行う画像形成装置としては、例えば特許文献2に記載のものが知られている。この画像形成装置は、像担持体たる感光体と、中間転写体たる中間転写ベルトとを対向せしめた前段転写部を有している。また、中間転写ベルトと転写チャージャとを所定の間隙を介して対向せしめた後段転写部も有している。そして、上記前段転写部において、感光体から中間転写ベルトに第1トナー像を静電転写した後、その感光体上に第2トナー像を形成する。次いで、上記前段転写部に送り込んだ記録体に対し、その第2面に感光体上の第2トナー像を静電転写しながら、反対側の第1面に中間転写体ベルトの第1トナー像を密着させる。このとき、第1トナー像に対しては、第1面から離間させてベルト側に移動させる方向の電界が作用してしまう。このため、第1トナー像は、第1面に静電転写されないままでいる。上記前段転写部を通過した記録体は、上記後段転写部に送られ、転写チャージャによってその第2面にトナーとは逆極性の電荷が付与される。そうすると、記録体の第1面に転写されないままでいた第1トナー像が、その電荷の影響によって中間転写ベルトから第1面に静電転写される。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−61288号公報
【特許文献2】
特開平10−142869号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献2に記載の画像形成装置においては、画像からその周囲に飛び散ったトナーによる斑点状の汚れを発生させ易いという不具合があった。特に、いわゆるタンデム方式によって多重像を形成する構成を採用すると、この斑点状の汚れが顕著に出現した。このタンデム方式とは、感光体等の像担持体を複数配設しておき、移動体に保持させた記録体を各像担持体との対向部に順次通していく過程で、各トナー像を重ね合わせて静電転写してカラー画像等の多重像を形成する方式である。
【0007】
そこで、本発明者らが上述の斑点状の汚れを発生させる原因について鋭意研究を行ったところ、次のようなことを見出した。即ち、上記特許文献2に記載の画像形成装置では、上述の後段転写部において転写チャージャによって記録体の第2面に電荷を付与する際、衝撃によって第2面上の第2トナー像からトナーを周囲に飛び散らせ易くなる。また、この際、記録体をその第2面側から中間転写ベルトに向けて強く押圧することができないため、記録体の第1面と中間転写ベルトとの間に介在する第1トナー像からもトナーを周囲に飛び散らせ易くなる。更には、上記前段転写部において、いわゆる転写チリという現象が多少なりとも生じてしまう。これは、前段転写部の入口や出口で放電が生じたり弱電界が形成されたりして、トナー像中のトナーが周囲に飛び散ってしまう現象である。この転写チリによるトナーの飛び散りと、上記後段転写部におけるトナーの飛び散りとが累積されて、斑点状の汚れが視認される程度まで悪化し易くなっていたのである。
【0008】
一方、上記特許文献2に記載の画像形成装置に限らず、1パス両面転写を行うものでは、記録体を両面転写装置から定着手段に受け渡す際に、その記録体上のトナー像を乱してしまうといった事態が起こり易い。両面転写装置から定着手段への確実な受け渡しを図るべく、記録体をガイド板等の案内部材で案内しながら搬送する際に、記録体上の未定着のトナー像を案内部材と摺擦せしめて乱してしまうのである。上記特許文献2に記載の画像形成装置では、かかる乱れを抑えるべく、案内部材として、回動自在な星形状の扁平な拍車で記録体を支持しながら定着手段に向けて案内するものを用いている。星形状の扁平な拍車で記録体を支持することにより、記録体との接触面積を低減するとともに、その拍車を記録体の移動に追従して回転させることで、記録体との摺擦を抑えている。しかしながら、拍車が良好に回転しなければ、拍車と記録体との接触部でトナー像を乱してしまうことになる。
【0009】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次に列記する事項を何れも実現することができる両面転写装置及び画像形成装置を提供することである。
(1)転写チャージャによって記録体の第2面に電荷を付与することに起因する画像周囲の斑点状の汚れを解消する。
(2)両面転写装置から定着手段に受け渡しされる記録体と、案内部材との摺擦による画像の乱れを従来よりも確実に抑える。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、可視像を担持する像担持体と、中間転写体との対向部よりも上流側から該対向部を経て下流側へと延びる経路を1回通過する記録体に対し、予め該像担持体から該中間転写体に転写しておいた第1可視像をその第1面に転写する一方で、該像担持体上の第2可視像をその第2面に転写する両面転写装置において、上記経路における上記上流側で、上記第1可視像を上記中間転写体から上記第1面に加熱転写する加熱転写手段と、該第1可視像が加熱転写された記録体を該中間転写体から分離せしめた後、上記対向部に向けて案内する分離案内手段と、該中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを設け、上記像担持体から中間転写体や上記第2面への転写については静電転写方式で行う一方で、中間転写体から上記第1面への転写については加熱転写方式で行うようにしたことを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項の両面転写装置において、上記分離案内手段による記録体分離位置を通過した後、上記対向部に進入する前の上記中間転写体表面をクリーニングさせるように、上記クリーニング手段を配設したことを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1又は2の両面転写装置において、上記中間転写体として、表面粗さRzが5[μm]以上、20[μm]未満であるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、表面に可視像を担持する像担持体と、該像担持体上に可視像を形成する可視像形成手段と、該像担持体上の可視像を記録体の両面に転写する両面転写装置と、該両面に可視像を加熱定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置において、上記両面転写装置として、請求項1、2又は3のものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、上記加熱転写手段による加熱温度を上記定着手段による加熱温度よりも低くしたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項又はの画像形成装置において、記録体の片面だけに可視像を形成する場合には、該可視像として上記第2可視像を形成させ、且つ、上記加熱転写手段による加熱を実施させないようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
これらの発明において、中間転写体から記録体の第1面への第1可視像の転写については、転写チャージャによる電荷付与方式ではなく、電荷によらない加熱転写方式によって行う。このため、転写チャージャによって記録体に電荷を付与することに起因する画像周囲の斑点状の汚れを解消することができる。
また、記録体の第1面に加熱転写せしめた第1可視像については、像形成物質(例えばトナー)同士や、像形成物質と記録体の第1面との付着力を高めている。付着力の高まり度合いは、加熱転写時の温度にもよるが、例えば100℃以上などといった比較的高温で加熱転写が行われた場合、第1可視像は第1面にほぼ定着せしめられる。また、例えば65℃といった比較的低温で加熱転写が行われたとしても、案内部材と擦れた程度では乱れを生じないレベルまで上記付着力を高めたいわゆる仮定着の状態となる。よって、加熱転写後の第1可視像については、案内部材との摺擦による乱れをほぼ解消することができる。
これらの結果、上述した(1)及び(2)の事項を何れも実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの概略構成図である。図において、このプリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kを備えている。これらは、互いに異なる色の像形成物質たるY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット6Yを例にすると、図2に示すように、ドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電手段3Y、帯電装置4Y、現像手段5Y等を備えている。像担持体たる感光体1Yは、直径30〜100[mm]のアルミ製円筒に、光導電性物質である有機半導体の表面層が被覆されている。アモルファスシリコン性の表面層が被覆されたものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、後述の露光装置7から発せられるレーザ光Lが露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーを用いる現像手段5YによってYトナー像に現像される。そして、後述の中間転写ベルト8、あるいは転写紙Pの第2面に静電的に1次転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、1次転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、除電手段3Yは、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスユニット6M,C,Kにおいても、同様にして感光体1M,C,K上にM,C,Kトナー像が形成され、中間転写ベルト8、あるいは転写紙Pの第2面に1次転写される。かかる構成では、後述の露光装置7や各プロセスユニット(6Y,M,C,K)などの組合せによって像担持体たる感光体に可視像たるトナー像を形成する可視像形成手段が構成されている。
【0013】
先に示した図1において、プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中上方には、露光装置7が配設されている。潜像形成手段たる露光装置7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスユニット6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。かかる構成の露光装置7に代えて、LEDアレイからのLED光を照射する露光手段を採用しても良い。
【0014】
プリンタ筺体内の下部には、紙収容カセット41、これに組み込まれた給紙ローラ43、レジストローラ対45など有する給紙手段が配設されている。紙収容カセット41は、記録体たる転写紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収納しており、一番上の転写紙Pには給紙ローラ43が当接している。給紙ローラ43が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の転写紙Pがレジストローラ対45のローラ間に向けて給紙される。レジストローラ対45は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転駆動するが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の加熱転写ニップに向けて送り出す。
【0015】
プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中下方には、中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる両面転写装置20が配設されている。この両面転写装置20は、中間転写ベルト8の他、ベルトクリーニング装置14、加熱転写ローラ15、分離案内板対16などを有している。また、4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,K、アンダーローラ10、ミドルローラ11、テンションローラ12、トップローラ13なども有している。中間転写ベルト8は、これら8つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これら4つの1次転写ニップには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加される1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kと、感光体1Y,M,C,Kとの電位差によって1次転写電界が形成されている。中間転写ベルト8は無端移動していく過程で、このように1次転写電界が形成されるY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく。なお、4つの1次転写ローラ9Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。かかる方式に代えて、電極から放電するチャージャ方式のものを用いてもよい。また、中間転写ベルト8を張架している8つのローラのうち、1次転写ローラ9Y,M,C,Kを除く残り4つのローラは全て電気的に接地されている。
【0016】
本プリンタは、転写紙Pの第1面、第2面(それぞれ後述のスタック部で上、下を向く方の面)に、それぞれ4色第1トナー像、4色第2トナー像を転写する。4つの感光体1Y,M,C,Kには、これらトナー像のうち、まず4色第1トナー像を形成するための単色のY,M,C,Kトナー像がそれぞれ形成される。これら単色のY,M,C,Kトナー像は、上述の1次転写ニップにおいて、ニップ圧や1次転写電界の影響を受けてそれぞれ中間転写ベルト8上に重ね合わせて1次転写されて、4色のトナーの重ね合わせからなる4色第1トナー像になる。この重ね合わせの1次転写と前後して、4つの感光体11Y,M,C,Kには、4色第2トナー像を形成するための単色のY,M,C,Kトナー像がそれぞれ形成され始める。
【0017】
図示しないハロゲンランプ等の熱源を内包する上記加熱ローラ15は、中間転写ベルト8のおもて面に当接しながら回転して加熱転写ニップを形成している。この加熱転写ニップの裏側では、上記アンダーローラ10が中間転写ベルト8の裏面に当接して、加熱ローラ15のベルトおもて面への当接をバックアップしている。
【0018】
上記レジストローラ対45は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、所定のタイミングで上記加熱転写ニップに向けて送り出す。この所定のタイミングとは、加熱転写ニップで転写紙Pを中間転写ベルト8上の4色第1トナー像に同期させるタイミングである。加熱転写ニップに送り込まれた転写紙Pは、その第1面に中間転写ベルト8上の4色第1トナー像が密着せしめられながら加熱される。そして、この加熱やニップ圧の影響により、中間転写ベルト8上の4色第1トナー像が第1面に加熱転写されながら、加熱転写ニップを通過する。転写紙Pの第1面に加熱転写されて4色第1トナー像は、第1面の白色と相まってフルカラー画像になる。
【0019】
上記加熱転写ニップの出口付近には、上述の分離案内板対16が配設されており、加熱転写ニップを通過した転写紙Pを中間転写ベルト8から分離する。そして、分離した転写紙Pを、ベルト軌道よりも大きく迂回させるようにしてY用の1次転写ニップに向けて案内する。このようにしてY用の1次転写ニップに案内された転写紙Pは、その第1面に中間転写ベルト8が再び密着せしめられるとともに、その第2面にY用の感光体1Yが密着せしめられる。そして、Y用の感光体1Y上のYトナー像が転写紙Pの第2面に静電的に1次転写される。以降、M,C,K用の1次転写ニップを通過する毎に、M,C,Kトナー像が転写紙Pの第2面に順次重ねて1次転写せしめられて、転写紙Pの第2面上に4色第2トナー像が形成される。この4色第2トナー像は、白色の転写紙Pに直接転写されるため、始めからフルカラー画像となる。
【0020】
上記ベルトクリーニング装置14は、分離案内板対16と中間転写ベルト8との間に挟まれるように配設されている。そして、加熱転写ニップ通過後に転写紙Pが分離されてから、Y用の1次転写ニップで再び転写紙Pに密着する前のベルト部分に付着している転写残トナーをクリーニングする。ベルトクリーニング装置14は、そのクリーニングローラを上記ミドルローラ11との間に挟み込むように配設されている。そして、そのクリーニングローラに中間転写ベルト8のおもて面上の転写残トナーを転移させてクリーニングする。クリーニングローラ上に転移した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置14内の掻き取りブレードによって掻き取られた後、図示しない回収部に搬送される。なお、上記クリーニングローラは、その表面粗さが中間転写ベルト8よりも粗くなっているローラである。転写残トナーのクリーニングローラ表面への転移が困難である場合には、ローラ内部に熱源を設けてもよく、この場合、熱伝導率の良好な銅やアルミをローラ素材として用いることが可能である。
【0021】
両面転写装置20の図中左側方には、互いに当接して定着ニップを形成しながら当接部で順方向に表面移動するように回転駆動される2つの定着ローラ62を有する定着手段61が配設されている。これら2つの定着ローラ62は、それぞれ図示しないハロゲンランプ等の熱源を内包している。両面転写装置20によって両面にフルカラー画像が形成された転写紙Pは、中間転写ベルト8の無端移動に伴って定着手段61に向けて搬送される。そして、両面転写装置20のトップローラ13によるベルト張架位置で、中間転写ベルト8から分離されて定着手段61に受け渡された後、上記定着ニップに挟まれる。そして、2つの定着ローラ62による加熱やニップ圧の影響を受けて、その両面にそれぞれフルカラー画像が加熱定着せしめられる。
【0022】
定着手段61を通過した転写紙Pは、反転ガイド板対50の板間に進入した後、この反転ガイド板対50によって上下を反転させるように案内されながら搬送される。そして、排紙ローラ対51を経由した後に、プリンタ筺体の上面に形成されたスタック部65に向けて排紙される。
【0023】
定着手段61の図中左側方には、プリンタ筺体に固定された排気ファンFが設けられており、定着手段61から発せられる熱を筐体内の空気とともに排出する役割を担っている。
【0024】
上述のように、4色第1トナー像は、4色第2トナー像に先行して形成されて中間転写ベルト8上に1次転写された後、転写紙Pの第1面に加熱転写されてスタック部65で上を向く。これに対し、4色第1トナー像よりも後に形成される4色第2トナー像は、転写紙Pの第2面に直接的に1次転写された後、スタック部65で下を向く。よって、スタック部65にスタックされていく転写紙Pは、先行して形成された4色第1トナー像を上に向け、且つその後に形成された4色第2トナー像を下に向ける。本プリンタは、このようにスタックされていく転写紙Pの頁番号を小さい方から順に揃えるべく、奇数、偶数と連続する2つの頁番号の画像について、頁番号の大きい方を先に4色第1トナー像として形成する。例えば1頁目の画像に先行して2頁目の画像を形成するのである。そうすると、数頁にわたる原稿を連続して出力しても、スタック部65において、頁番号を下から順に揃えることが可能になる。但し、転写紙Pの第2面だけに画像を形成する片面プリントモードを実行する際には、頁番号の小さい画像から順にそれぞれ4色第2トナー像として形成していく。このことにより、片面プリントモードにおいても、スタック部65で頁番号を下から順に揃えることができる。
【0025】
4つの感光体1Y,M,C,K上において、4色第2トナー像用の単色の(Y,M,C,K)トナー像は、それぞれ鏡像として形成される。これは、形成された鏡像が、1次転写ニップで1次転写されることで非鏡像(以下、正像という)に変化するからである。感光体上で鏡像として形成されることで、転写紙Pの第2面上で正像になることができるのである。これに対し、4色第1トナー像用の単色の(Y,M,C,K)トナー像は、それぞれ正像として形成される。これは、形成された正像が1次転写、加熱転写という2回の転写工程を経ることで、鏡像、正像と変化して、転写紙Pの第1面上で正像になることができるからである。
【0026】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
上述のように、本プリンタでは、各感光体1Y,M,C,Kから、中間転写ベルト8や転写紙Pの第2面への転写については静電転写方式で行う一方で、中間転写ベルト8から転写紙Pの第1面への転写については加熱転写方式で行う。かかる構成では、中間転写ベルト8から転写紙Pの第1面に4色第1トナー像を加熱転写する際に、転写紙Pの第2面に転写チャージャによる電荷を付与する必要がない。よって、電荷を付与することに起因する画像周囲の斑点状の汚れを解消することができる。また、4色第1トナー像については、各トナー粒子同士や、各トナーと転写紙Pの第1面との付着力を、ガイド部材と擦れた程度では乱れを生じないレベルまで高めている。よって、両面転写装置20から定着手段61に受け渡される転写紙Pの第1面と、ガイド板との摺擦による4色第1トナー像の乱れをほぼ解消することができる。
【0027】
本プリンタでは、加熱転写ニップを形成する加熱転写ローラ15と、これによる加熱転写ニップの形成を中間転写ベルト8の裏面側からバックアップするアンダーローラ10との組合せにより、加熱転写手段が構成されている。この加熱転写手段は、各感光体1Y,M,C,Kと中間転写ベルト8との対向部よりも転写紙搬送経路の上流側に設けられている。かかる構成では、中間転写ベルト8上に転写された4色第1トナー像をベルトの無端移動に伴って各1次転写ニップに再進入させるのに先立って転写紙Pの第1面に加熱転写しておくことで、予め第1面との付着力を高めておくことができる。そして、このことにより、各1次転写ニップに再進入した4色第1トナー像に対して電界を作用させることによる4色第1トナー像の乱れを抑えることができる。
【0028】
なお、加熱転写ローラ15は、アルミニュウム等からなる金属製の素管の外面に、弾性変形可能なゴム層等の弾性層が設けられた外径20〜40[mm]のローラである。また、加熱転写ニップにおけるニップ圧としては、2〜10[N/cm]程度が良好である。また、加熱転写ローラ15とミドルローラ11とについては、互いに配設位置を逆転させてもうけてもよい。但し、この場合、転写紙Pを加熱転写ローラ15によって直接加熱する場合に比べ、中間転写ベルト8への熱伝導による熱損量が多くなる。よって、図示のように転写紙Pを直接接触によって加熱させるように加熱転写ローラ15を配設することで、省エネルギー化を図ることができる。
【0029】
本プリンタでは、中間転写ベルト8を鉛直方向よりも水平方向にスペースをとる横長の形状で張架し、横方向のベルト張架部分に対して各感光体1Y,M,C,Kを対向させて各1次転写ニップを形成するいわゆる横型の両面転写装置20を採用している。このような横型においては、各1次転写ニップに対して転写紙Pをその側方から供給しなければならない。しかしながら、ただでさえ横方向にスペースをとる両面転写装置20の側方に紙カセット41を配設してしまうと、プリンタ本体の平面サイズを非常に大きくして実情にそぐわなくなってしまう。かかる平面サイズの大型化を回避すべく、横型の場合には、次のようなレイアウトを採用することが望ましい。即ち、図示のように、両面転写装置20の直下に紙カセット41を配設し、そこから排出させた転写紙Pをまず縦方向に搬送してから、その搬送方向を横方向に変化させて中間転写ベルト8の上面に転写紙を供給するレイアウトである。ところが、このように搬送方向を縦、横と順次変化させていく転写紙Pに対しては、各1次転写ニップに到達させる前に中間転写ベルト8に密着せしめて、4色第1トナー像の加熱転写を施しておく必要がある。このような加熱転写は非常に困難である。加熱転写のために中間転写ベルト8の側面に密着せしめた転写紙Pを、ミドルローラ11の曲率にならって急激に進行方向を変える中間転写ベルト8に追従させることができずに、ベルト表面から離脱させてしまうからである。そこで、本プリンタでは、加熱転写ニップで中間転写ベルト8の側面に密着せしめた転写紙Pを分離案内板対16によってベルト表面から積極的に分離せしめる。そして、ベルト軌道から大きく迂回させながら各1次転写ニップに案内した後、そこで再び中間転写ベルト8に密着させている。かかる構成を採用することで、紙カセット41を横型の両面転写装置20の直下に配設してプリンタ本体の設置平面積の大型化を抑えながら、転写紙Pを加熱転写ニップ、各1次転写ニップに順次進入させることができる。
【0030】
加熱転写ニップを通過して転写紙Pと分離された中間転写ベルト8の表面には、転写残トナーが付着している。この転写残トナーと転写紙Pとを1次転写ニップで再び密着させてしまうと、転写紙Pの第1面上の4色第1トナー像を汚してしまうことになる。転写残トナーと4色第1トナー像との相対位置が全く変わらない場合には汚れとならないが、転写紙Pがベルトから分離して大きく迂回することで、その相対位置を大きく変化させてしまうからである。そこで、本プリンタでは、中間転写ベルト8上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段たるベルトクリーニング装置14を、次のように配設している。即ち、分離案内板対16による紙分離位置を通過した後、各1次転写ニップに進入する前の中間転写ベルト8の表面をクリーニングさせる位置に配設している。このことにより、クリーニング済みの中間転写ベルト8を1次転写ニップで転写紙Pの第1面に密着させることが可能になり、転写残トナーの付着による転写紙Pの第1面の汚れを解消することができる。
【0031】
加熱転写におけるトナー像の転写方向は、加熱ニップでトナー像を挟み込んでいる2つの部材間における表面性の差に依存する。具体的には、例えば加熱転写ニップにおいて2つの部材A,Bが互いに接触しながら順方向に表面移動していると仮定する。これら部材A,B間に挟み込まれながら加熱されてガラス転移点以上まで昇温せしめられたトナー像は、部材A,Bが離間すると、表面粗さの大きい方の部材に転移する。表面粗さの大きい方の部材がその表面の凹凸によってトナー像との接触面積をより広くして、トナー離型性を発揮し難くなるからである。よって、表面粗さが「部材A>部材B」という関係であれば、トナー像は部材Aの方に転写される。
【0032】
このような加熱転写において、4色第1トナー像の転写先となる中間転写ベルト8に求められる条件は、次に列記する通りである。
・熱による伸縮率が極めて低い
・感光体1Y,M,C,Kからベルトや転写紙へのトナー像の1次転写を実現するのに適した抵抗値(表面抵抗値及び体積抵抗値)である
・表面粗さが転写紙Pよりも小さい(一般的な転写紙Pの表面粗さRzは20〜40[μm]程度である)。
本プリンタ100では、これらの条件を具備させるべく、中間転写ベルト8として次に説明するものを用いた。即ち、厚み20〜50[μm]のシームレスポリイミドベルトのおもて面に、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)を厚み20〜100[μm]の表面層をコーティングしたものである。この表面層の表面粗さRzは、20[μm]未満に調整されている。転写紙Pの一般的な表面粗さRzは、20〜40[μm]程度である。よって、記録体として一般に最も使用頻度の高い転写紙Pが用いられている限り、「第2中間転写ベルトの表面粗さ<記録体の表面粗さ」という条件を具備しないことによる加熱転写不足を抑えることができる。
【0033】
本発明における中間転写体としては、加熱転写の際にその表面を良好に弾性変形させて転写紙Pとの密着性を高め、もって密着不良による加熱転写不良を抑えるという観点から、少なくとも表面を弾性材料で構成することが望ましい。一方、一般に、ゴム等の弾性材料については、現状の製造技術では表面粗さを5[μm]未満に加工することが困難である。このため、第2中間転写体の表面粗さの設計値を5[μm]未満に設定すると、歩留まりの悪い高価な第2中間転写体を用いる必要が生じ、コストアップを招来してしまう。そこで、本プリンタにおいては、間転写ベルト8として、その表面粗さを5[μm]以上に調整したものを用いるようにしている。かかる構成では、中間転写ベルト8の表面を良好に弾性変形させてベルトと転写紙Pとの密着不良による加熱転写不良を抑えながら、歩留まりの悪い高価な中間転写ベルト8を用いることによるコストアップを解消することができる。
【0034】
本プリンタでは、加熱転写ローラ15による加熱温度(65〜68℃)を、定着手段61による加熱定着温度(160〜200℃)よりも低く設定している。これは次に説明する理由による。即ち、本発明者らは鋭意研究により、トナー像をトナーのガラス転移点以上の温度まで昇温せしめれば加熱転写することができるのに対し、トナー像を定着せしめるにはガラス転移点よりも高いトナーの軟化温度以上まで昇温せしめる必要があることを見出した。加熱転写ローラ15を用いた加熱によって4色第1トナー像を加熱転写すると同時に定着せしめることも可能であるが、このとき、転写紙Pの第2面に4色第2トナー像が存在していないため、4色第2トナー像に対する定着処理を行うことができない。よって、せっかく4色第1トナー像に対して加熱転写ローラ15による定着処理を施しても、4色第2トナー像については別の定着手段によって定着処理を施す必要がある。そこで、本プリンタでは、4色第1トナー像については加熱転写ニップでとりあえず加熱転写するだけに留めておき、最終的に4色第2トナー像と一緒に定着手段61で加熱定着処理を施すようにしている。すると、加熱転写ローラ15による加熱温度を定着に必要な温度よりも低くして、省エネルギー化を図ることができる。
【0035】
定着手段61は、転写紙Pを両面から加熱しながら、その各面にトナー像を定着せしめている。かかる構成では、転写紙Pを片面側だけから加熱することに起因する両面での定着性の差を解消することができる。定着手段61における一方の定着ローラ62は、転写紙Pの第1面を接触方式によって加熱する。また、もう一方の定着ローラ62は、転写紙Pの第2面を接触方式によって加熱する。よって、定着装置61は、転写紙Pの両面に対してそれぞれ接触方式の加熱を施す。2つの定着ローラ62はそれぞれ同じ構成となっている。熱源を内包する芯金の外面にシリコーンゴム層等の弾性層が設けられたローラである。弾性層の上に、テフロン(登録商標)など離型性の良い材料からなる離型促進層を設けてもよい。一般に、トナー像は加熱部材に押圧されながら加熱定着処理が施されると光沢性を帯びるが、この光沢性は加熱部材の弾性度合いや両面粗さに影響される。よって、2つの定着ローラ62として、それぞれ表面材料の異なるものを用いると、転写紙Pの両面で定着トナー像の光沢性に差を生じてしまう。そこで、本プリンタでは、2つの定着ローラ62として、それぞれ同じ構成のものを用いている。かかる構成では、転写紙Pの両面にそれぞれ接触して加熱処理を施す2つの加熱部材の表面材料の違いに起因して転写紙Pの両面で定着トナー像の光沢性に差を生じてしまうといった事態を解消することができる。
【0036】
本プリンタは、転写紙Pの片面だけに画像を形成する片面モードが選択されている場合、その画像を4色第2トナー像として形成して転写紙Pの第2面に直接2次転写せしめるようになっている。そして、この際、加熱転写ローラ15の熱源への給電を停止して、加熱転写手段による加熱を行わないようになっている。かかる構成では、加熱転写の必要のない片面モードの際にも加熱転写手段の熱源を発熱させてしまうことによる無駄なエネルギー消費を回避することができる。
【0037】
各色のトナーとしては、平均円形度が0.90〜0.99に調整されたものを用いることが望ましい。真球からの誤差が比較的大きい平均円形度が0.90未満のトナーを用いると、静電転写における転写率(転写後重量/転写前重量)が急激に悪くなって高画質な画像を得ることが困難になるからである。また、平均円形度が0.99を越えるという真球に近いトナーを用いると、その流動性の高さから転写チリを急激に発生させ易くなるからである。なお、トナーの平均円形度については、次のようにして求めることが可能である。即ち、トナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知した光学的検知帯にて、得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値に基づいて求めるのである。具体的には、例えば、まず、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。そして、試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとした被検液を得る。この被検液をフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)にて分析して、平均円形度を求めることが可能である。
【0038】
また、各色のトナーとしては、形状係数SF−1が120〜180であり、且つ形状係数SF−2が120〜190であるものを用いることが望ましい。形状係数SF−1やSF−2が120未満で真球に限りなく近づいたトナーでは、その流動性の高さから転写チリから急激に発生し易くなるからである。また、形状係数SF−1が180を超えたり、SF−2が190を越えたりして、真球からの誤差が比較的大きくなっているトナーでは、静電転写における転写率が急激に悪くなって高画質な画像を得ることが困難になるからである。
【0039】
なお、ここで言う形状係数SF−1とは、球形物質の形状の丸さの割合を示す値である。球形物質を2次元平面上に投影して出来る楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じたときの値で表される。つまり、形状係数SF−1は、次式で定義されるものである。
【数1】
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)
このSF−1の値が100の場合には、物質の形状が真球状となり、SF−1の値が大きくなるほど、物質の形状は不定形となる。
【0040】
また、形状係数SF−2とは、物質形状の凹凸の割合を示す数値であり、球形物質を2次元平面上に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで割って、100/4πを乗じたときの値で表される。つまり、形状係数SF−2は、次式で定義されるものである。
【数2】
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)
このSF−2の値が100の場合には、物質の表面に凹凸が存在しないことになり、SF−2の値が大きくなるほど、物質の表面の凹凸は顕著となる。
【0041】
これら形状係数SF−1や、SF−2の具体的な測定方法としては、例えば次のようなものを挙げることができる。即ち、球形物質を日立製作所製FE−SEM(S−800)により撮影して、画像として100回無作為にサンプリングする。そして、これら画像をニレコ社製画像解析装置(LUSEX3)に導入して解析して、先に示した式に基づいて算出するのである。
【0042】
各色のトナーとしては、体積平均粒径(Dv)が4〜8[μm]であり、且つ、粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が1.05〜1.30であるものを用いることが望ましい。これは次に説明する理由による。即ち、粒度分布が1.05〜1.30の範囲にあるトナー粉体では、その中から、静電潜像のパターンに適した粒径のトナー粒子が他のトナーに優先して現像に寄与するといった現象が進みやすいため、様々なパターンの画像を安定して形成することができる。また、感光体等の像担持体に残留したトナーを回収してリサイクル使用する構成を装置に採用している場合、転写されにくい小サイズのトナー粒子が量的に多くリサイクルされる。このようなリサイクルにおいて粒度分布の比較的大きいものを用いると、新たなトナー補給から次のトナー補給に至るまでの粒度変動が大きくなり、現像性能に悪影響を及ぼしてしまう。また、体積平均粒子径(Dv)が上述の範囲よりも小さいトナーでは、二成分現像剤として用いた場合に現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させる。また、一成分現像剤として用いた場合には現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させ易くなる。逆に、体積平均粒子系(Dv)が上述の範囲よりも大きいと、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることが多くなる。
【0043】
なお、トナーの粒度分布については、コールターカウンター法による測定装置、例えば、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)によって測定することができる。具体的には、まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。電解水溶液としては1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)を用いることができる。得られた溶液に更に測定試料を2〜20mg加える。そして、その溶液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、上述した測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
【0044】
以上のようなトナー性状に鑑みて、本プリンタでは、本体にセットするトナー粉体として、次に掲げる条件を具備するものを使用するように、ユーザーに対して指定している。
▲1▼平均円形度が0.90〜0.99である。
▲2▼形状係数SF−1が120〜180で且つ形状係数SF−2が120〜190である。▲3▼粒度分布が1.05〜1.30である。
【0045】
ユーザーに対する指定については、例えば、上に掲げた条件を具備するトナー粉体を、プリンタ本体にセットして出荷したり、プリンタ本体と一緒に梱包して出荷したりすることによって行う。また例えば、プリンタ本体やそれに付属される取扱説明書などの書類に、プリンタ本体に適用可能なトナー粉体の製品番号や商品名として、上に掲げた条件を具備するトナー粉体のものを記載することによって行う。また例えば、プリンタ本体の製造元や販売元などが、かかる製品番号や商品名と、プリンタ本体の製品番号や商品名とが関連付けられた情報を、文章や電子データをもって頒布することによって行う。
【0046】
次に、以上の構成を備えるプリンタの変形例装置について説明する。なお、この変形例装置の構成において、以下に説明する事項の他は、実施形態に係るプリンタと同様である。
図3は、本変形例装置を示す概略構成図である。この変形例装置では、加熱転写手段が紙搬送経路における各1次転写ニップによりも下流側に設けられている。具体的には、加熱転写ローラ15が、Y用の1次転写ニップの下流側近傍に配設されたミドルローラ11ではなく、K用の1次転写ニップの上流近傍に配設されたトップローラ13との間に中間転写ベルト8を挟み込むように配設されている。本変形例装置では、ミドルローラ11の代わりに、トップローラ13が加熱転写手段の一部を構成しているのである。
【0047】
加熱転写ニップでは、転写紙Pだけでなく、中間転写ベルト8も加熱される。加熱された中間転写ベルト8が十分に冷めないままに各1次転写ニップに進入して各感光体1Y,M,C,Kを温めてしまうと、感光体上における作像性能に悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、本プリンタでは、加熱転写手段を1次転写ニップよりも下流側に設けている。かかる構成では、中間転写ベルト8を加熱転写手段によって加熱してから各1次転写ニップに進入させる前に、1周に近い距離だけ無端移動せしめて十分に自然冷却することができる。よって、中間転写ベルト8を冷却するための冷却手段を設けなくても、中間転写ベルト8から各感光体1Y,M,C,Kに熱伝導させることによる画質劣化を抑えることができる。
【0048】
本変形例装置では、ベルトクリーニング装置14も、紙搬送経路の上流側ではなく、下流側に配設されている。具体的には、加熱転写ローラ15よりも下流側でトップローラ13との間に中間転写ベルト8を挟み込むように配設されている。本変形例装置のように4色第1トナー像を各1次転写ニップよりも下流側で転写紙Pに転写する場合、転写残トナーのクリーニングが問題となる。ベルトクリーニング装置14のクリーニングローラが中間転写ベルト8に常に当接していると、ベルト上に重ね合わせ転写された4色第1トナー像もクリーニングしてしまうことになるからである。そこで、ベルトクリーニング装置14は、図示しない揺動機構によって揺動軸14aを中心に図中矢印方向に揺動することで、そのクリーニングローラを中間転写ベルト8に接離させるように構成されている。そして、少なくともその対向位置を4色第1トナー像が通過する間は、クリーニングローラを中間転写ベルト8から離間させることで、4色第1トナー像のクリーニングを回避する。
【0049】
これまで、像担持体としてドラム状の感光体を用いた例について説明したが、ベルト状の感光体など、他の方式のものを用いてもよい。また、粉体トナーではなく、トナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤を用いる画像形成装置にも本発明の適用が可能である。
【0050】
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、加熱転写手段を紙搬送経路の上流側に設けているので、各1次転写ニップに再進入した4色第1トナー像に対して電界を作用させることによる4色第1トナー像の乱れを抑えることができる。
また、4色第1トナー像が加熱転写された転写紙を中間転写体ベルト8から分離せしめた後、各1次転写ニップに向けて案内する分離案内板対16を設けていることで、次のことを可能にしている。即ち、紙カセット41を横型の両面転写装置20の直下に配設してプリンタ本体の設置平面積の大型化を抑えながら、転写紙Pを加熱転写ニップ、各1次転写ニップに順次進入させることができる。
また、分離案内板対16による紙分離位置を通過した後、各1次転写ニップに進入する前の中間転写ベルト8表面をクリーニングさせるように、クリーニング手段たるベルトクリーニング装置14を設けている。かかる構成では、クリーニング済みの中間転写ベルト8を1次転写ニップで転写紙Pの第1面に密着させて、転写残トナーの付着による転写紙Pの第1面の汚れを解消することができる。
【0051】
また、変形例装置においては、加熱転写手段を紙搬送経路の下流側に設けているので、中間転写ベルト8を冷却するための冷却手段を設けなくても、中間転写ベルト8から各感光体1Y,M,C,Kに熱伝導させることによる画質劣化を抑えることができる。
【0052】
また、実施形態に係るプリンタや変形例装置においては、中間転写ベルト8として、表面粗さRzが5[μm]以上、20[μm]未満であるものを用いている。かかる構成では、記録体として一般に最も使用頻度の高い転写紙Pが用いられている限り、「第2中間転写ベルトの表面粗さ<記録体の表面粗さ」という条件を具備しないことによる加熱転写不足を抑えることができる。
また、加熱転写手段による加熱温度を、定着手段61による加熱定着温度よりも低くしているので、同じ温度に設定する場合に比べて省エネルギー化を図ることができる。
また、片面モードを実行する際には、画像として第2トナー像を形成し、且つ加熱転写手段による加熱を実施しないようになっているので、加熱転写の必要のない片面モードの際にも加熱転写手段の熱源を発熱させてしまうことによる無駄なエネルギー消費を回避することができる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1乃至の発明によれば、上述した(1)及び(2)の事項を何れも実現することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】変形例装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1Y,M,C,K 感光体(像担持体)
6Y,M,C,K プロセスユニット(可視像形成手段の一部)
7 露光装置(可視像形成手段の一部)
8 中間転写ベルト(中間転写体)
9Y,M,C,K 1次転写バイアスローラ(静電転写手段)
15 加熱転写ローラ(加熱転写手段の一部)
61 定着手段
P 転写紙(記録体)

Claims (6)

  1. 可視像を担持する像担持体と、中間転写体との対向部よりも上流側から該対向部を経て下流側へと延びる経路を1回通過する記録体に対し、予め該像担持体から該中間転写体に転写しておいた第1可視像をその第1面に転写する一方で、該像担持体上の第2可視像をその第2面に転写する両面転写装置において、
    上記経路における上記上流側で、上記第1可視像を上記中間転写体から上記第1面に加熱転写する加熱転写手段と、該第1可視像が加熱転写された記録体を該中間転写体から分離せしめた後、上記対向部に向けて案内する分離案内手段と、該中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを設け、
    上記像担持体から中間転写体や上記第2面への転写については静電転写方式で行う一方で、中間転写体から上記第1面への転写については加熱転写方式で行うようにしたことを特徴とする両面転写装置。
  2. 請求項の両面転写装置において、
    上記分離案内手段による記録体分離位置を通過した後、上記対向部に進入する前の上記中間転写体表面をクリーニングさせるように、上記クリーニング手段を配設したことを特徴とする両面転写装置。
  3. 請求項1又は2の両面転写装置において、
    上記中間転写体として、表面粗さRzが5[μm]以上、20[μm]未満であるものを用いたことを特徴とする両面転写装置。
  4. 表面に可視像を担持する像担持体と、該像担持体上に可視像を形成する可視像形成手段と、該像担持体上の可視像を記録体の両面に転写する両面転写装置と、該両面に可視像を加熱定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置において、
    上記両面転写装置として、請求項1、2又は3のものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項の画像形成装置において、
    上記加熱転写手段による加熱温度を上記定着手段による加熱温度よりも低くしたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項又はの画像形成装置において、
    記録体の片面だけに可視像を形成する場合には、該可視像として上記第2可視像を形成させ、且つ、上記加熱転写手段による加熱を実施させないようにしたことを特徴とする画像形成装置。
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