JP4109779B2 - 片軸受リール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣り竿に装着され、釣り竿の長手方向と交差する軸に沿う軸回りに釣り糸を巻き取る片軸受リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
片軸受リールは、一般に釣り竿に装着されるリール本体と、リール本体に片持ち支持されたスプール軸と、スプール軸に回転自在に装着されたスプールと、スプールを一方向に制動するドラグ機構とを備えている。
【0003】
ドラグ機構を備えた片軸受リールでは、糸巻取時にドラグ力がスプールに作用しないようにするために、ワンウェイクラッチがスプールとスプール軸との間に設けられている。この種のワンウェイクラッチを有する片軸受リールでワンウェイクラッチとしてローラクラッチを採用したものが知られている。ローラクラッチを採用すれば、ローラクラッチの装着方向を変更することで、右巻きと左巻きのいずれにも対応できる片軸受リールを簡単に実現できる。
【0004】
ローラクラッチは、スプールに回転不能に装着される外輪と、スプール軸に回転自在に装着される内輪と、内輪と外輪との間に両者に接触・離反可能に配置されたローラを備えている。内輪は、ドラグ機構に連結されており、糸繰り出し方向の回転のみ伝達するようにローラクラッチをスプールに装着することで、糸巻取時に回転が遮断されてドラグ力がスプール作用しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、外輪をスプールに回転不能に装着する場合、外輪をスプールに直接装着すると、着脱を容易にするためには外輪とスプールの装着部との間に適当な隙間を設けなければならない。このように隙間を設けて外輪を装着すると、逆転時(糸繰り出し時)に隙間によりがたつきが生じやすい。これを防止するために、たとえばネジにより外輪を固定すると、着脱の際にネジの取り付け・取り外しを行わなければならず、ローラクラッチを容易に着脱できない。
【0006】
本発明の課題は、ローラクラッチの着脱が容易でかつ逆転時のがたつきが少ない片軸受リールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る片軸受リールは、釣り竿に装着され、釣り竿の長手方向と交差する軸に沿う軸回りに釣り糸を巻き取るリールであって、釣り竿に装着されるリール本体と、スプール軸と、スプールと、ローラクラッチと、クラッチホルダと、ドラグ機構とを備えている。スプール軸は、リール本体に片持ち固定されている。スプールは、一側面にハンドルを有し、スプール軸に回転かつ着脱自在に装着された糸巻き用のものである。ローラクラッチは、スプールに回転不能に装着される外輪と、スプール軸に回転自在に装着される内輪と、両輪の間に接触かつ転動可能に配置されたローラとを有し、スプールの回転方向に応じて回転を伝達・遮断するクラッチである。クラッチホルダは、ローラクラッチの外輪とスプールとの間にスプールの側面から端部が突出して配置され、ローラクラッチをスプールに着脱自在に装着するための合成樹脂弾性体製のホルダである。ドラグ機構は、内輪に回転不能に係止される回転部材と、リール本体に前記スプール軸に沿う軸方向に移動自在かつ回転不能に装着され回転部材に圧接可能な制動部材と、リール本体に軸方向に移動可能に設けられ制動部材を回転部材側に圧接するための圧接機構とを有している。
【0008】
この片軸受リールでは、ハンドルを持ってローラクラッチが回転を遮断する一方向(糸巻取方向)にスプールを回転させると、スプールは自由に回転する。釣り糸を引っ張ってスプールを逆に他方向に回すと、ローラクラッチにより回転が伝達されるので、内輪がスプールとともに回転する。この内輪の回転はドラグ機構の回転部材に伝達され、回転部材に圧接した制動部材により回転部材が制動され、ドラグ力がスプールに作用する。
【0009】
糸巻方向を変更してたとえば右巻きから左巻きにしたい場合には、スプールをスプール軸から抜く。続いて、ローラクラッチの回転伝達方向を変更するためにローラクラッチをスプールから取り外す。このときには、クラッチホルダの突出した端部をつまんでクラッチホルダごとローラクラッチをスプールから取り出す。そして、ローラクラッチをクラッチホルダから取り出して反転させてクラッチホルダに戻し、クラッチホルダをスプールに装着し、スプールをリール本体に装着する。ここで、クラッチホルダは、合成樹脂弾性体製であるので、スプール内に圧入することで、スプールとローラクラッチとのすきまを埋めてがたつきを抑えることができる。しかも、端部がスプールから突出しているので、圧入されていてもクラッチホルダをスプールから取り出しやすい。このため、ローラクラッチの着脱が容易でありかつ逆転時のがたつきが少なくなる。
【0010】
発明2に係る片軸受リールは、発明1に記載リールにおいて、クラッチホルダは、突出した端部の少なくとも一部がさらに径方向に突出している。この場合には、クラッチホルダの端部の少なくとも一部がさらに径方向に突出しているので、端部を指で引っかけやすくなる。このため、ローラクラッチの着脱がさらに容易になる。
【0011】
発明3にかかる片軸受リールは、発明1又は2に記載のリールにおいて、クラッチホルダは、スプールと外輪との間に両者に圧接して配置されている。この場合には、弾性体製のクラッチホルダがスプールと外輪とに圧接しているので、スプールと外輪との隙間によるがたつきを抑えることができ、逆転時のがたつきが少なくなる。
【0012】
発明4に係る片軸受リールは、発明1から3のいずれかに記載のリールにおいて、クラッチホルダは、外輪の一端面に当接可能なリング状の底部と、底部の外周側に一端が連続し他端がスプールから突出しかつ外輪とスプールとに回転不能に装着される周部と、周部の他端に連続し径方向外方に延びる突出部を有するリング部とを有している。この場合には、リング部の突出部をつまんで引っ張るとローラクラッチが装着されたクラッチホルダがスプールから取り出される。スプールの糸巻方向を変更する場合には、クラッチホルダの底部からローラクラッチを押してリング部側からローラクラッチを取り出す。そして逆向きにしてローラクラッチをリング部側から挿入すると、底部に当接してクラッチホルダ内にローラクラッチが逆向きに装着される。この状態でスプールにクラッチホルダを装着すると、スプールの糸巻方向を変更できる。ここでは、底部をリング状に形成したので、クラッチホルダからローラクラッチを簡単に取り出すことができるとともに、ローラクラッチを装着するときに、底部に当接するだけで簡単に位置決めできる。
【0013】
発明5に係る片軸受リールは、発明4に記載のリールにおいて、周部は、底部とリング部とを結ぶ周方向の間隔を隔てて配置された複数本の軸部材で構成されている。この場合には、周部に隙間があくので、外輪をスプールに直接回転不能に係止できるように構成できる。
【0014】
発明6に係る片軸受リールは、発明3から5のいずれかに記載のリールにおいて、突出部は、リング部の対向する外周部に1対設けられている。この場合には、突出部が対向して2箇所設けられているので、指で突出部をつまみやすくなり、クラッチホルダをスプールから取り出しやすい。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔全体の構成〕
図1及び図2は、本発明の一実施形態による片軸受リールを示している。図1及び図2において片軸受リールは、リール本体1と、リール本体1に片持ち支持されたスプール軸2と、スプール軸2に対して相対回転自在に配置され外周に釣り糸が巻かれるスプール3と、スプール3の一方向の回転を制動するドラグ機構4とを備えている。
【0016】
リール本体1は、一方側(図2左側)に円盤状の側板10を有し、他方側は開放されている。側板10の外周には、軸方向に延びる上下1対の保護部11が円周方向に所定の間隔で形成されている。上側の保護部11には、この片軸受リールを釣り竿に取り付けるための取付部12が設けられている。
【0017】
スプール軸2は、その一端がリール本体1の側板10の中心部にねじ込み固定されている。スプール軸2の基端部には、リール本体1にねじ込まれる雄ネジ部2aが形成されている。この雄ネジ部2aは、リール本体1の側板10の中心部から外方に突出している。また、スプール軸2の先端には、くびれ部2bとくびれ部2bより大径で先端が先細り球状の頭部2cとが形成されている。
【0018】
スプール3は、内部に空間3aを有する筒状の胴部15と、胴部15の一端部に胴部15と一体で形成された円盤状の内フランジ16と、胴部15の他端部にリール本体1の開放部を覆うようにボルト17aにより装着された外フランジ17とを有している。内フランジ16はリール本体1の側板10と対向するように形成されている。空間3aのうちスプール軸2の先端側は端面部材18で塞がれている。端面部材18は胴部15と外フランジ17とを連結するボルト17aによりスプール3に装着されている。端面部材18の外面は、中心部分がわずかに外側に膨出し、中心から外周に向かって緩やかに傾斜して平坦な外フランジ17の外面へと僅かな段差で連続的につながっている。外フランジ17の外面で外周近くにはハンドル48が取り付けられている。ハンドル48は、軸受49を介して外フランジ17に立設されたハンドル軸50に回転自在に支持されており、ハンドル48をつかんだままでのスプール3の回転操作を容易にしている。
【0019】
図2に詳しく示すように、スプール3の空間3a内には、スプール3をスプール軸2に対して回転自在に支持する滑り軸受21と、スプール3の釣り糸繰り出し方向の回転時に連結されるローラクラッチ23と、スプール3をスプール軸2に着脱自在に係止するための係脱機構24とが設けられている。また、ドラグ機構4が、側板10のスプール軸2の周囲に設けられている。
【0020】
滑り軸受21は、スプール軸2に回転自在に装着さてており、胴部15の端部と外フランジ17の中心部とにまたがって装着され、外フランジ17と一体で回転する。
【0021】
〔ローラクラッチの構成〕
ローラクラッチ23は、クラッチホルダ22によりスプール3に着脱自在に装着され、ドラグ機構4が糸繰り出し方向でのみ作動するように設けられている。ローラクラッチ23は、図4に示すように、スプール3の内部空間3aに回転不能に装着された外輪25と、スプール軸2に回転自在に装着された内輪26と、両輪25,26の間に両者に接触可能に配置された、たとえば6つのローラ27とを有する内輪遊転形のものである。
【0022】
外輪25は、両端が内方に湾曲した金属製の筒状部材であり、その内周面には、外方に凸に湾曲したカム面25aが形成されている。カム面25aは、一端側でローラ27が内輪26と外輪25との間に食い込み、他端側で両輪25,26から離れるように形成されている。外輪25の外周面には、カム面25aが形成された位置に係止突起25bが形成されている。係止突起25bは、スプール3の内部空間3aの内周面に形成された凹部3bに回転不能に係止される突起である。この係止突起25bの形状は、スプール3の凹部3bに回転不能に係止される構造であれば、スプール3に面で接触しても点で接触してもよい。
【0023】
内輪26は、金属製の筒状部材であり、外輪25より長く側板10側に突出している。内輪26の突出端には、図5に示すように、軸方向に突出する1対の係止突起26aが形成されている。この係止突起26aは、ドラグ機構4を内輪26に回転不能に連結するために設けられている。内輪26は、スプール軸2にはめ込まれた止め輪2dとリール本体1の側板10の壁面とにより軸方向の移動が規制されている(図3)。
【0024】
両輪25,26の間には、ローラ27を周方向に間隔を隔てて保持するための合成樹脂製のリテーナ28が装着されている。リテーナ28には、ローラ27を周方向に所定距離移動可能に保持するための保持空間28aが形成されている。保持空間28aの周方向の一側には、糸繰り出し方向(ローラ27が両輪25,26に食い込む方向)に付勢するためのバネ部材29が一体で形成されている。
【0025】
〔クラッチホルダの構成〕
クラッチホルダ22は、図3及び図5に示すように、ローラクラッチ23の外輪25とスプール3の内部空間3aの内周面との間にスプール3の内フランジ16側側面から端部が突出して配置されている。クラッチホルダ22は、たとえばポリアセタール樹脂等の合成樹脂弾性体製であり、スプール3と外輪25との間に両者に圧接して配置されている。
【0026】
クラッチホルダ22は、外輪25の一端面に当接可能なリング状の底部30と、底部30の外周側に一端が連続し他端がスプール3から突出しかつ外輪25とスプール3とに回転不能に装着される周部31と、周部の他端に連続するリング部32とを有している。
【0027】
周部31は、外輪25の係止突起25bの間に周方向に間隔を隔てて配置された、底部30とリング部32とを結ぶたとえば6本の軸部材31aで構成されている。軸部材31aは、一端が底部30の外周側から連続し、他端がリング部32の内側面に連続し断面の外周側が半円形の部材である。軸部材31aは、スプール3の内部空間3aの内周面に形成された凹溝3cに回転不能に係止されている。また、軸部材31aは、スプール3と外輪25との間に圧入して装着されている。
【0028】
リング部32は、先端がスプール3の内フランジ16の外側面より外方に突出しており、その先端に径方向に突出する突出部32aを有している。突出部32aは、リング部32の軸部材31aに連続する部分の対向する外周部に1対設けられている。
【0029】
このような構成のクラッチホルダ22は、合成樹脂弾性体製であるので、スプール3内に圧入することで、スプール3とローラクラッチ23とのすきまを埋めてがたつきを抑えることができる。しかも、端部がスプール3から突出しているので、圧入されていてもクラッチホルダ22をスプール3から取り出しやすい。このため、ローラクラッチ23の着脱が容易でありかつ逆転時のがたつきが少なくなる。
【0030】
また、クラッチホルダ22の端部の少なくとも一部がさらに径方向に突出しているので、端部を指で引っかけやすくなる。このため、ローラクラッチ23の着脱がさらに容易になる。さらに、弾性体製のクラッチホルダ22がスプール3と外輪25とに圧接しているので、スプール3と外輪25との隙間によるがたつきを抑えることができ、逆転時のがたつきが少なくなる。また、軸部材31aで構成された周部31に隙間があくので、外輪25をスプール3に直接回転不能に係止できるように構成でき、外輪25の回転方向のがたつきをさらに抑えることができる。
【0031】
〔ドラグ機構の構成〕
ドラグ機構4は、図3に示すように、内輪に回転不能に係止される回転円板40と、リール本体1にスプール軸2に沿う軸方向に移動自在かつ回転不能に装着され回転円板40に圧接可能な、たとえば2枚の制動円板41,42と、リール本体1に軸方向に移動可能に設けられ制動円板41,42を回転円板40側に圧接するための圧接機構43とを有している。回転円板40と制動円板41との間には、両者の相対回転、つまりドラグ作動時に発音する第1発音機構45が設けられている。また、圧接機構43には、ドラグ力を調整する際に発音する第2発音機構46が設けられている。
【0032】
回転円板40は、たとえばステンレス等の金属製の部材であり、内周部に内輪26の係止突起26aに係止される1対の係止溝40aを有している。また、回転円板40の径方向の中間部には、リング状の凹部40bが形成されている。この凹部40bには、第1発音機構45を構成するリング状の第1発音部材60がネジにより回転不能に固定されている。
【0033】
制動円板41は、たとえば炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた繊維強化樹脂からなり、径方向の中間部には、周方向に等間隔に配置されたたとえば3つの丸孔41aが形成されている。制動円板42は、たとえばステンレス等の金属製の部材であり、径方向の中間部には、周方向に等間隔に配置されたたとえば3つの丸孔42aが形成されている。両丸孔41a,42aは同じ位置に形成されている。
【0034】
圧接機構43は、操作つまみ51と、操作つまみ51により押圧される3枚の皿ばね52と、皿ばねにより押圧されるワッシャ53と、ワッシャ53により押圧される、たとえば3本の押圧ピン54(図3では1本のみ図示)とを有している。
【0035】
操作つまみ51は、縁付き皿状のつまみ部51aと、つまみ部51aの中心に一体形成されたボス部51bとを有している。つまみ部51aの径方向の中間部背面には、第2発音機構46の第2発音部材65がネジにより回転不能に固定されている。ボス部51bは、スプール軸2の先端に形成された雄ネジ部2aに螺合している。操作つまみ51は、スプール軸2の基端面に装着された抜け止めボルト55により抜け止めされている。
【0036】
3枚の皿ばね52は、ボス部51bの外周側に軸方向に並べて装着されており、操作つまみ51の回転により伸縮してドラグ力を細かく調整するために設けられている。ワッシャ53は、皿ばね52の付勢力を押圧ピン54に伝達するために設けられている。押圧ピン54は、先端側が小径の段付きピンであり、側板10に周方向に等間隔に3カ所に形成された貫通孔10aに大径部分が軸方向移動自在に装着されている。押圧ピン54の先端は、制動円板41,42に形成された丸孔41a,42aに挿通されており、両円板41,42をリール本体1に対して回転不能に係止している。押圧ピン54の段差部分は制動円板42に当接している。これにより制動円板42は押圧ピン54により押圧される。皿ばね52のバネ力を操作つまみ51の回動操作により調整することで、制動円板41,42と回転円板40との摩擦力が変化しドラグ力を調整できる。
【0037】
第1発音機構45は、第1発音部材60と、第1発音部材60への衝突を繰り返す第1発音ピン61と、第1発音ピン61を第1発音部材60側に押圧する第1コイルバネ62とを有している。第1発音機構45は、制動円板41,42と回転円板40とが相対回転するドラグ作動時に発音する。第1発音部材60は、前述のように回転円板40に固定されたリング状の部材であり、その第1発音ピン61側の側面には、周方向に間隔を隔てて多数の第1発音凹部60aが形成されている。第1発音ピン61は、側板10の内側面に形成された凹部10bに軸方向移動自在に装着されている。第1発音ピン61は頭部が球状で小径であり、ドラグ作動時に第1発音部材60の第1発音凹部60aで衝突を繰り返し、細かなクリック音を発する。
【0038】
第2発音機構46は、第1発音機構45と略同様な構成であり、第2発音部材65と、第2発音ピン(図示せず)と、第2コイルバネ(図示せず)とを有している。第2発音機構46は、操作つまみ51が回転すると発音する。第2発音部材65にも周方向に間隔を隔てて多数の第2発音凹部65aが形成されている。
【0039】
〔係脱機構〕
係脱機構24は、図2および図6に詳しく示すように、概略L字形の板状をなし一端が支持ピン70に旋回自在に支持された係脱部材71と、係脱部材71の他端に固定された突起状の着脱つまみ72とを有している。支持ピン70は端面部材18の内面から突出している。係脱部材71は、スプール軸2の端部に形成されたくびれ部2bに係合可能な係合位置と、くびれ部2bから離脱した係合解除位置(図6に2点鎖線で示す)とを取り得る。
【0040】
係脱部材71は、その側部に配置されたリターンばね73によって常に係合位置に付勢されている。リターンばね73はヘアピン状に屈曲した帯状の板ばね材料からなり、拡がろうとする弾発力が係脱部材71を係合位置へと付勢する力を生じさせる。着脱つまみ72を操作しない限り、係脱部材71は常にスプール軸2のくびれ部2bに係止し、スプール軸2からスプール3が抜け出るのを阻止する。
【0041】
図1にも示すように、着脱つまみ72は、スプール3の端面部材18に貫通する円弧状の長孔からなる遊動孔18aに挿通されて端面部材18の外部に露出している。遊動孔18aに沿って着脱つまみ72が移動すると、係脱部材71も着脱つまみ72とともに移動するが、着脱つまみ72の移動位置が何れの位置であっても、係脱部材71が遊動孔18aの内面側を塞ぐ。具体的には、L字形をなす係脱部材71の短辺部分の面積が、遊動孔18aの幅および長さに比べて十分に広く設定されていて、遊動孔18aを塞ぐ遮蔽面71aとなる。このような遮蔽面71aを備えていることで、遊動孔18aを通じて外部から内部空間3aへと水や塵埃その他の異物が浸入するのを防ぐことができる。
【0042】
〔リールの動作〕
次に動作について説明する。
【0043】
図示していないが、スプール3の胴部15の外周には釣り糸が巻かれる。釣り糸を巻き取る際には、ハンドル48を操作してスプール3を回転させる。スプール3はスプール軸2に対して相対回転する。このとき、ローラクラッチ23は遮断されるので、外輪25は自由に回転してスプール3の巻取り方向の回転は許容される。このため、スプール3はスムーズに回転する。
【0044】
スプール3から釣り糸を繰り出す際には、スプール3は前記とは逆方向に回転する。このとき、ローラクラッチ23は、連結されるので、内輪26も外輪25とともに回転しようとする。しかし、内輪26は、回転円板40を介して制動円板41,42により制動されているので、回転力に対して皿ばね52により設定された抵抗力(ドラグ力)が作用している。このため、スプール3が必要以上に回転して釣り糸が過剰に引き出されるのを防止でき、糸からみを避けることができる。
【0045】
また、このような釣り糸の繰り出し時には、回転円板40はスプール3とともに回転し、制動円板41,42はその回転が禁止されているので、両円板40,41が相対回転し第1発音機構45が発音する。
【0046】
つぎに、この片軸受リールは、スプール3をリール本体1およびスプール軸2から取り外すことができる。
【0047】
着脱つまみ72をリターンばね73の付勢力に対向して操作し、係脱部材71をスプール軸2のくびれ部2bから離脱させる。着脱つまみ72を離脱位置に維持したままで、スプール3をスプール軸2から抜き出す。スプール3には、ローラクラッチ23や滑り軸受21が装着されたままで、スプール軸2から取り外される。
【0048】
スプール軸2からスプール3を取り外せば、ローラクラッチ23の装着方向を逆側に変更することで、糸巻方向を逆方向に変更できる。この場合、まず、クラッチホルダ22の突出部32aを、たとえば人差し指と親指とでつまんでスプール3から引き抜く。このとき、クラッチホルダ22がスプール3から突出しており、かつスプール3の側面から隙間をあけて1対の突出部32aが設けられているので、クラッチホルダ22を引き抜きやすい。クラッチホルダ22を引き抜いたら、内輪26をローラクラッチ23から取り外すとともに、クラッチホルダ22からローラクラッチ23を取り出す。クラッチホルダ22からローラクラッチ23を取り出す際には、ローラクラッチ23の後部を押して取り出す。
【0049】
ローラクラッチの装着方向を逆にする場合、内輪26が取り外されたローラクラッチ23を反転させてクラッチホルダ22に装着し、内輪26を係止突起26aと逆側から装着する。そして、内輪26が装着されたクラッチホルダ22をスプールの内部空間3aに挿入する。このとき、クラッチホルダ22の周部31が凹溝3cに圧入される。この結果、クラッチホルダ22がローラクラッチ23の外輪25とスプール3との間のがたつきが生じにくくなる。このようにローラクラッチ23を逆向きにすれば、糸巻方向を簡単に逆にすることができる。そして、最後にローラクラッチ23を逆組みしたスプール3をスプール軸2に装着すると、係脱部材71がリターンばね73の付勢力によりくびれ部2bに係止され、スプール3がスプール軸2に装着される。
【0050】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ローラクラッチ23の外輪25をスプール3に直接係止したが、クラッチホルダ22の周部31を筒状に構成し、外輪25を周部31に回転不能に係止し周部31をスプール3に回転不能に係止してもよい。この場合には、ローラクラッチ23の外輪25がスプール3に間接的に回転不能に係止される。
【0051】
(b) 前記実施形態では、ローラクラッチ23は内輪遊転形であったが、外輪遊転形でもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、クラッチホルダは、合成樹脂弾性体製であるので、スプール内に圧入することで、スプールとローラクラッチとのすきまを埋めてがたつきを抑えることができる。しかも、端部がスプールから突出しているので、圧入されていてもクラッチホルダをスプールから取り出しやすい。このため、ローラクラッチの着脱が容易でありかつ逆転時のがたつきが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による片軸受リールの側面図。
【図2】その片軸受リールの断面図。
【図3】要部の拡大断面図。
【図4】図3のIV−IV断面図。
【図5】ローラクラッチ装着部分の分解斜視図。
【図6】係脱機構の要部拡大断面図。
【符号の説明】
1 リール本体
2 スプール軸
3 スプール
4 ドラグ機構
22 クラッチホルダ
23 ローラクラッチ
25 外輪
26 内輪
27 ローラ
30 底部
31 周部
31a 軸部材
32 リング部
32a 突出部
43 圧接機構

Claims (6)

  1. 釣り竿に装着され、前記釣り竿の長手方向と交差する軸に沿う軸回りに釣り糸を巻き取る片軸受リールであって、
    前記釣り竿に装着されるリール本体と、
    前記リール本体に片持ち固定されたスプール軸と、
    一側面にハンドルを有し、前記スプール軸に回転かつ着脱自在に装着された糸巻き用のスプールと、
    前記スプールに回転不能に装着される外輪と、前記スプール軸に回転自在に装着される内輪と、前記両輪の間に接触かつ転動可能に配置されたローラとを有し、前記スプールの回転方向に応じて回転を伝達・遮断するローラクラッチと、
    前記ローラクラッチの外輪と前記スプールとの間に前記スプールの側面から端部が突出して配置され、前記ローラクラッチを前記スプールに着脱自在に装着するための合成樹脂弾性体製のクラッチホルダと、
    前記内輪に回転不能に係止される回転部材と、前記リール本体に前記スプール軸に沿う軸方向に移動自在かつ回転不能に装着され前記回転部材に圧接可能な制動部材と、前記リール本体に前記軸方向に移動可能に設けられ前記制動部材を前記回転部材側に圧接するための圧接機構とを有するドラグ機構と、
    を備えた片軸受リール。
  2. 前記クラッチホルダは、前記突出した端部の少なくとも一部がさらに径方向に突出している、請求項1に記載の片軸受リール。
  3. 前記クラッチホルダは、前記スプールと前記外輪との間に両者に圧接して配置されている、請求項1又は2に記載の片軸受リール。
  4. 前記クラッチホルダは、前記外輪の一端面に当接可能なリング状の底部と、前記底部の外周側に一端が連続し他端が前記スプールから突出しかつ前記外輪と前記スプールとに回転不能に装着される周部と、前記周部の他端に連続し径方向外方に延びる突出部を有するリング部とを有する、請求項1から3のいずれかに記載の片軸受リール。
  5. 前記周部は、前記底部とリング部とを結び周方向に間隔を隔てて配置された複数本の軸部材で構成されている、請求項4に記載の片軸受リール。
  6. 前記突出部は、前記リング部の対向する外周部に1対設けられている、請求項3から5のいずれかに記載の片軸受リール。
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