JP4108434B2 - 対物レンズ駆動装置および光ピックアップ装置ならびに光ディスク装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置および光ピックアップ装置ならびに光ディスク装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクなどに対して記録/再生を行うため光ビームを光スポットとして集光するために適用される対物レンズ駆動装置、およびその対物レンズを搭載した光ピックアップ装置、ならびにその光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスク装置では、レーザ光源から出射されたレーザ光束を、対物レンズにより集束させて光スポットとして光ディスクに照射し、光ディスクからの反射光を光電変換して識別することによって情報を読み取っている。ここで、光ディスク装置に搭載されている対物レンズ駆動装置は、反射光から得られる制御信号を用いて、対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向に駆動し、光ディスクの面振れ、あるいは偏心などの動きに追従するように制御することにより、適正な光スポットが光ディスクの記録面上に形成されるようにしている。
【0003】
近年、情報記録の高密度化の傾向により光ディスクに対して小さな光スポットを形成することが必要となってきており、このためには、対物レンズのNAを大きくするか、レーザの波長を短くすることが考えられる。
【0004】
ここで、NAを大きくしたり、レーザの波長を短くすると、対物レンズの光軸における光ディスクに対する垂直度がずれることにより、コマ収差が発生し易くなり、光スポットの品質が劣化する。これによって、記録/再生の品質が劣化してしまうという問題が生じる。そこで高密度化を図るためには、光ディスクと対物レンズ間における傾き精度を向上させることが必要となる。
【0005】
一方、高密度化に伴って大容量のデータを扱うに際し、記録/再生処理の高速化が望まれるために光ディスクを高速回転させる必要がある。面ぶれ、あるいは偏心が存在する光ディスクを高速回転させた場合、加速度は非常に大きくなり、光ディスクに対物レンズを精度良く追従させるためには、大きな駆動力を発生させることできる対物レンズ駆動装置が必要になる。
【0006】
ところで、光ディスクと対物レンズ間の傾きを補正するには、幾つかの方式があるが、光ディスクの回転数に追従できる高速性と低コスト性を備えた方式として、対物レンズ駆動装置の光ディスクを含む可動部を、光ディスクの傾きに追従させる方式を挙げることができる。
【0007】
この方式の場合、例えば、対物レンズ駆動装置の可動部をラジアル方向,タンジェンシャル方向に傾斜させる場合を考えると、フォーカシング方向およびトラッキング方向を含め、可動部を4軸方向に駆動することになるが、このように駆動軸(駆動方向)が多い対物レンズ駆動装置では、少なくとも駆動すべき方向には可動し易くなるように支持剛性を小さくすることになるため、その他の方向における駆動に対して影響を与え易い。
【0008】
すなわち、駆動軸間で発生するクロストーク(クロスアクション)が大きくなり、問題となり易い。クロストークの主要なものとしては以下のようなものがある。
▲1▼ フォーカシング,トラッキング並進駆動によって発生する、ラジアル,タンジェンシャル回転方向へのクロストーク
▲2▼ ラジアル回転駆動によって発生する、トラッキング並進方向へのクロストーク
▲3▼ フォーカシング並進駆動によって発生する、タンジェンシャル回転方向へのクロストーク
▲4▼ フォーカシング,トラッキング並進駆動によって発生する、タンジェンシャル並進方向へのクロストーク
▲5▼ タンジェンシャル回転駆動によって発生する、タンジェンシャル並進方向へのクロストーク
前記クロストークを低減させるための手法として各種のものが提案されている。例えば特許文献1に記載されている対物レンズ駆動装置では、図34に示すように、一対の同一構造の支持部材101,102が対物レンズ104の光軸に直交する平面105内に配置されている。各支持部材101,102の一端101a,102a側はレンズホルダ106の2つの側面にそれぞれ固定され、また各支持部材101,102の他端101b,102b側は固定部107に固定されている。各支持部材101,102は、固定部107から延設された第1の棒状部材108,109と、レンズホルダ106から延設され、かつ第1の棒状部材108,109と互いに端部で直角に連結された第2の棒状部材110,111とから構成されている。
【0009】
対物レンズ104におけるタンジェンシャル回転方向の剛性に関しては、支持部材101,102の一端101a,102a側の方が、支持部材101,102の他端101b,102b側に比べて小さい剛性となるように設定されている。レンズホルダ106には駆動マグネット112,113が固定されており、固定部107に配置されている駆動コイル(フォーカス駆動コイル,トラック駆動コイル,ラジアル駆動コイル,タンジェンシャル駆動コイル)114,115にそれぞれに電流を流すことにより、対物レンズ104を含むレンズホルダ106を4軸方向に駆動することができるようになっている。
【0010】
このような構成にすることにより、可動部が薄く形成され、対物レンズ主点と可動部の慣性中心と支持中心、そして推力中心を近接させた設計をすることが可能になるなど、レンズホルダ106をフォーカシング方向に駆動したときのタンジェンシャル回転方向へのクロストークを低減することが可能である。
【0011】
また、特許文献2に記載されている対物レンズ駆動装置では、図35に示すように、対物レンズ121を含む可動部122は略平行な4本(片側2本)の棒状弾性支持部材123〜126の一端により支持されており、図示しない電磁的駆動手段により、フォーカシング,トラッキング,ラジアルチルト,タンジェンシャルチルト方向に駆動することが可能になっている。ここで、棒状弾性支持部材123〜126の他端部は、トラッキング方向を軸127,128として回転可能な弾性アーム129にそれぞれ独立に固定されている。
【0012】
このような構成にすることにより、可動部122をフォーカシング方向に駆動したときに発生するタンジェンシャルチルト方向のクロストークを低減することが可能である。
【0013】
その他にも、対物レンズ駆動装置において、対物レンズを含む可動部材を複数本の棒状弾性支持部材により支持し、可動性をよくしたり、支持の安定化を図るようにした構成のものが、特許文献3,特許文献4などに記載されている。
【0014】
また、前記棒状弾性支持部材の固定部材側における端部を、板ばね状部材に固定する構成のものが、特許文献5,特許文献6などに記載されている。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−275354号公報
【特許文献2】
特許第3029616号公報
【特許文献3】
登録実用新案第2579715号公報
【特許文献4】
特開平6−162540号公報
【特許文献5】
実公平5−4096号公報
【特許文献6】
特開平11−316963号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術において、図34に示す特許文献1に記載されている対物レンズ駆動装置の構成では、レンズホルダ106側の棒状部材108,109の取付部におけるタンジェンシャルチルト方向の回転剛性を管理することが難しい。さらに、棒状部材108,109としてワイヤでレンズホルダを支持しているために、ムービングコイル方式にするとレンズホルダ106への電流の配線が不足する。したがって、本従来例においてはムービングマグネット方式でしか採用することができない。
【0017】
ところが、ムービングマグネット方式は、レンズホルダ106などの可動部側にマグネットを設けているために、可動部の質量が増加し、加速度感度が小さくなるため、高速で回転する光ディスクには追従することが難しくなってくる。ムービングコイル方式では感度を増加させるためには、マグネットを大きくすることによりコイルを貫く磁束密度を増加させることができるが、ムービングマグネット方式では磁石を大きくすると、可動部の質量が増加してしまうために感度を増加させることが難しいため、光ディスクの面ぶれ,偏心に追従できる加速度を十分確保することができない。
【0018】
さらに特許文献1に記載されている対物レンズ駆動装置の構成では、可動部を薄く構成しているために、駆動部の大きさを十分確保できず、出力加速度が低いという問題がある。
【0019】
また構造的にフォーカシング動作とタンジェンシャルチルト動作とが相互に影響しやすく、フォーカシング動作によりタンジェンシャルチルトが発生するなどが原因して、サーボが不安定になるという問題もある。
【0020】
図35に示す特許文献2に記載されている対物レンズ駆動装置の構成では、固定部側の弾性アーム129の構成が複雑で特性が安定しない。さらに図34に示す従来例と同様に、チルト補正対応の対物レンズ駆動装置としては棒状弾性支持部材123〜126が4本必要な構成であるので、電流供給のための配線が不足するためムービングマグネット方式にしか採用することができない。
【0021】
また、特許文献3,4に記載されている対物レンズ駆動装置の構成では、対物レンズを含む可動部材に対して1方向に対する動作の際に、他の動作が不安定になったり、動作不可になってしまうなどの問題を有しているものである。
【0022】
また、特許文献5,6に記載されている対物レンズ駆動装置の構成では、安定した駆動がなされる方向が固定されていたり、駆動に際して光ディスク上の光スポットが変位してしまうという問題を有するものである。
【0023】
本発明は、前記のような従来の技術の課題を解決し、光ディスクと対物レンズとのラジアルチルト方向,タンジェンシャルチルト方向などの傾き誤差を補正することが可能で、高速回転する光ディスクにも追従可能な駆動力を発生することが可能であり、タンジェンシャルチルト方向の可動性もよく、感度ばらつきも小さく、かつ各軸方向に独立駆動することを可能にすることにより、安定した制御を行うことができ、しかも、傾き補正対応の対物レンズ駆動装置において問題となり易い駆動軸間のクロストーク(クロスアクション)を低減するようにした対物レンズ駆動装置、および光ピックアップ装置、ならびに光ディスク装置を提供することを目的とするものである。
【0038】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、対物レンズと、該対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と、駆動コイルとからなる可動部を、該可動部の両側でタンジェンシャル方向を長手方向とする複数の棒状弾性支持部材により固定部に対して弾性的に支持し、前記棒状弾性支持部材を、フォーカシング方向に垂直な略1つの平面上、かつタンジェンシャル方向において前記対物レンズの光軸に対して対称に配設してなる対物レンズ駆動装置において、前記駆動コイルを、フォーカシング方向,トラッキング方向,タンジェンシャル方向,ラジアルチルト方向の4軸方向の駆動力を発生する4系統のコイルにより構成し、各コイルに対して導電性材料からなる8本の前記棒状弾性支持部材を介して給電することを特徴とし、この構成によって、タンジェンシャルチルト方向の可動性がよく、フォーカシング動作時のタンジェンシャルチルトの発生をなくすることができると共に、給電構造を簡略化することができる。
【0039】
請求項に記載の発明は、請求項記載の対物レンズ駆動装置において、棒状弾性支持部材が配設されている平面を、対物レンズの主点近傍に配したことを特徴とし、この構成によって、ラジアルチルト動作時のトラッキング方向変動を小さくし、またタンジェンシャルチルト動作時のタンジェンシャル方向の変動を小さくすることにより、対物レンズ駆動装置の慣性領域におけるチルト動作による並進方向のクロスアクションを低減することができる。
【0040】
請求項に記載の発明は、請求項1または2記載の対物レンズ駆動装置において、棒状弾性支持部材における可動部側の固定部近傍にダンパ材を設けたことを特徴とし、この構成によって、タンジェンシャルチルト方向の一次共振の振幅をダンパ材により効果的に減衰することができる。
【0041】
請求項に記載の発明は、請求項1〜3いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置において、複数の棒状弾性支持部材は、対物レンズ保持部材および固定部に一体成型された一枚の平面状部材を分割して形成されたものであることを特徴とし、この構成によって、複数の棒状弾性支持部材において、低コストで高い組付け精度を実現することができる。
【0042】
請求項に記載の発明は、請求項記載の対物レンズ駆動装置において、平面状部材から分割して形成された棒状弾性支持部材における一部を屈曲させることにより、タンジェンシャル方向の剛性を小さくしたことを特徴とし、この構成によって、屈曲部分を形成することによって十分な可動性を確保し、部品ばらつき、あるいは組付けばらつきによる感度ばらつきを低減することができる。
【0043】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置において、棒状弾性支持部材を、フォーカシング方向において同一平面上に配設したことを特徴とし、この構成によって、低コストで組付性がよく、高い組付け精度を実現することができる。
【0044】
請求項に記載の発明は、請求項1〜6いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置において、棒状弾性支持部材における固定部側の端部を、タンジェンシャル方向に微動可能な弾性基板に固定したことを特徴とし、この構成によって、十分な可動性を確保し、部品ばらつき、あるいは組付けばらつきによる感度ばらつきを低減することができる。
【0045】
請求項に記載の発明は、請求項1〜3,6,7いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置において、棒状弾性支持部材における可動部側の端部のそれぞれを、該可動部のラジアル方向の両側において、フォーカシング方向に垂直に配設されたプリント基板上のランド部に半田固定し、かつ有効長さをプリント基板のタンジェンシャル方向の端面により規制したことを特徴とし、この構成によって、棒状弾性支持部材の有効長さのばらつきを低減し、精度の高い組み付けを行うことができる。
【0046】
請求項に記載の発明は、請求項記載の対物レンズ駆動装置において、棒状弾性支持部材における可動部側の端部のそれぞれを、該可動部におけるラジアル方向の両側において、プリント基板上のランド部に半田固定し、プリント基板を、可動部の重心を挟んで対物レンズの反対側に配設したことを特徴とし、この構成によって、プリント基板を対物レンズに対するバランサとして兼用することにより、部品点数を減らすことができ、可動部をより軽量にすることができる。
【0057】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置を搭載した光ピックアップ装置であって、光ディスクに対する照射光を発するレーザ光を出射するレーザ光源と、前記光ディスクからの反射光を受光する受光光学手段と、この受光光学手段における受光信号に基づいて搭載された対物レンズ駆動装置に対する制御信号を出力する対物レンズ制御手段とを備えたことを特徴とし、この構成によって、光ディスクと対物レンズのチルトが補正可能な対物レンズ駆動装置を用いることにより、良好な信号を得ることができる光ピックアップを提供することができる。
【0058】
請求項11に記載の発明は、請求項10記載の光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置であって、光ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、搭載された光ピックアップ装置を前記光ディスクの半径方向に移動させるピックアップ駆動手段とを備えたことを特徴とし、この構成によって、対物レンズのチルトが小さい対物レンズ駆動装置を用いた光ディスク装置を搭載することにより、データの読み書きを良好に行うことが可能な光ディスクドライブ装置を提供することができる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0060】
図1は本発明の実施形態1を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図、図2は図1に示す実施形態1の対物レンズ駆動装置の正面図であり、1は対物レンズ、2は対物レンズ1を中央上部に設置した可動部である対物レンズ保持部材、3は対物レンズ保持部材2に保持されているフォーカシングコイル(図では片側2個を示している)、4a〜4bは対物レンズ保持部材2に保持されているトラッキングコイル、5a〜5dは対物レンズ保持部材2を保持する可動部支持体を構成する複数本(図示した例では8本であるが、奥側のものは他部材により隠れるため図示されない)の棒状弾性支持部材であるワイヤばね、6は固定部材、7はベース部材、8は駆動コイルであるフォーカシングコイル3およびトラッキングコイル4a〜4bに対向設置された磁石、9はヨーク部、10は可撓性を有する弾性基板である。
【0061】
図1,図2において、対物レンズ1を保持する対物レンズ保持部材2は、ワイヤばね5a〜5dによって、両側に対向させて突設した支持突部2a,2bにおいて弾性的に支持されている。ワイヤばね5a〜5dは、フォーカシング方向とトラッキング方向と垂直なタンジェンシャル方向を長手方向とし、記録/再生メディアである光ディスクのタンジェンシャル方向両側にそれぞれ4本ずつ、合計8本がフォーカシング方向に垂直な2つの面上に略平行にかつ対称位置に配置されている。対物レンズ保持部材2の四隅には、4個のフォーカシングコイル3と、2個のトラッキングコイル4a,4bとが装着されて、可動部を構成している。ワイヤばね5a〜5dは導電性の材料で構成されており、ワイヤばね5a〜5dにおける固定部材6側の端部から各駆動コイルに対して、それぞれ電流を供給できるようになっており、ワイヤばね5a〜5dの該端部は半田により弾性基板10に固定されている。
【0062】
前記弾性基板10としては、フレキシブル回路基板を使用することができ、フレキシブル回路基板に、ワイヤばね5a〜5dを介して駆動コイルであるフォーカシングコイル3とトラッキングコイル4a,4bとに通電するための配線を設けることが考えられる。
【0063】
なお、各請求項の記載における第1の方向とは対物レンズ1における光軸方向(フォーカシング方向)、第2の方向とはトラッキング方向、第3の方向とはタンジェンシャル方向(ワイヤばね5の軸方向)にそれぞれ対応する。
【0064】
弾性基板10は、ワイヤばね5a〜5dの端部が固定されている部分が、ワイヤばね5a〜5dの軸方向(タンジェンシャル方向)に変位可能であるように形成されており、かつベース部材7に固定された固定部材6に取り付けられている。
【0065】
ベース部材7は、磁性体であって一部を折り曲げることによりヨーク部9を形成している。このヨーク部9に固定された磁石8によって各駆動コイルに磁束が貫くように磁気回路が形成されている。
【0066】
4個のフォーカシングコイル3は対物レンズ保持部材2の4隅に取り付けられており、それぞれのフォーカシングコイル3に流す電流を調整することによって、フォーカシング方向,ラジアルチルト方向,タンジェンシャル回転方向に可動部を駆動することが可能となっている。またトラッキングコイル4a,4bに電流を流すことによって、対物レンズ保持部材2を含む可動部をトラッキング方向に駆動することが可能であり、高速で回転する光ディスクにおける面振れ,偏心,反りなどに追従することができ、光ディスク面において良好な光スポットを形成することが可能である。
【0067】
ここで、対物レンズ1をフォーカシング方向にのみに駆動しようとした場合、4個のフォーカシングコイル3に同等な駆動力を発生させることにより、対物レンズ保持部材2における中心にフォーカシング方向への駆動力が発生する。これに対して対物レンズ保持部材2は固定部材6に対してワイヤばね5a〜5dにより、駆動力発生部分とは異なる部位が支持されているため、駆動点と支持点の位置の違いによりモーメントが発生してしまう。
【0068】
ところが、本実施形態における対物レンズ保持部材2は、対物レンズ1の光軸を中心として対称構造になっており、タンジェンシャル方向両側で、しかも略同等な距離で支持されているため、タンジェンシャル方向両側で発生したモーメントは互いにキャンセルされることになる。したがって、全体として対物レンズ保持部材2にはモーメントが発生しないことになるため、チルト補正をするためにタンジェンシャル回転方向における回転剛性(またはタンジェンシャル並進方向における剛性)を小さくしても、タンジェンシャル回転方向に回転することがない。すなわち、本実施形態ではフォーカシング並進駆動によって発生するタンジェンシャル回転方向へのクロストークを低減することができる。
【0069】
また、タンジェンシャル回転方向における回転剛性を小さくしている構成ではいずれも、ワイヤばねの軸方向における剛性を小さくするものであるため、これによってタンジェンシャル並進方向における光軸ずれが発生し易くなる。また、通常のワイヤ支持方式では、対物レンズ保持部材をフォーカシング方向、またはトラッキング方向に移動した場合、ワイヤばねが撓むために、軸方向に短くなり、タンジェンシャル方向に対物レンズが移動してしまう。
【0070】
ところが、本実施形態においては、対物レンズ保持部材2はタンジェンシャル方向両側で支持されており、かつ剛性(各部のばね定数)も略等しく設定されているため、対物レンズ保持部材2がフォーカシング方向、またはトラッキング方向に移動したときにおける軸方向(タンジェンシャル方向)の力が釣り合い、対物レンズ1のタンジェンシャル方向への移動を抑えることが可能である。すなわち、本実施形態ではフォーカシング並進駆動によって発生するタンジェンシャル並進方向へのクロストークを低減することができる。
【0071】
図3は本発明の実施形態2を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図、図4は図3に示す実施形態2の対物レンズ駆動装置の正面図である。なお、以下の説明において、図1,図2にて説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0072】
チルト補正が行われる対物レンズ駆動装置においては、タンジェンシャルチルト駆動をすることによってもタンジェンシャル並進方向へのクロストークが発生する。これはタンジェンシャル回転方向における回転中心が対物レンズの主点から離れている場合に発生してしまう。
【0073】
そこで実施形態2では、タンジェンシャル回転方向における回転中心を対物レンズ1の主点近傍にするために実施形態1を変形して、次のような構成を採用している。
【0074】
すなわち、図3,図4において、ワイヤばね5a〜5dは、フォーカシング方向(対物レンズ1の光軸方向)に対して垂直な2つの仮想面上に、タンジェンシャル方向を長手方向として配列されており、これらのワイヤばね5a〜5dが配設される2つの仮想面のうち一方を、対物レンズ1の主点Mを含むように構成し、その仮想面に配設されるワイヤばね5a,5bの端部が固定される弾性基板10におけるタンジェンシャル方向の剛性を大きくするように設定している(もしくは略剛体となるように設定する)。具体的には実施形態2では、図3に示すa部のように、弾性基板10の動きを固定部材6により規制するようにしている。
【0075】
また、他方の仮想面に配列するワイヤばね5c,5dが固定される弾性基板のタンジェンシャル方向の剛性を小さくするように設定する。これによって、対物レンズ保持部材2にタンジェンシャル回転方向の駆動力が発生した場合、対物レンズ1の主点Mを中心にチルトさせることが可能である。すなわち、実施形態2では、タンジェンシャル回転駆動によって発生する、タンジェンシャル並進方向へのクロストークを低減することができる。ここで、ワイヤばね5a〜5dの対物レンズ保持部材2側(支持突部2a,2b)の固定端は、できる限り対物レンズ1の光軸付近まで延出させた方がチルト駆動し易い。
【0076】
もちろん、実施形態1と同様に、対物レンズ保持部材2に対してタンジェンシャル方向両側を対称に支持することにより、前述したフォーカシング移動により発生するタンジェンシャルチルト、およびタンジェンシャル並進方向へのクロストークの発生を抑えることも可能である。
【0077】
実施形態1および実施形態2では、ワイヤばね5a〜5dにおける固定部材6側の固定端部をタンジェンシャル方向に変位可能な弾性基板10に固定することにより、対物レンズ保持部材2を回転可能に支持しているが、タンジェンシャル並進方向に弾性を持たせるためには、以下のように、ワイヤばねを形成することが考えられる。
【0078】
図5は本発明の実施形態3を説明するための対物レンズ駆動装置の要部を示す平面図であり、この実施形態3では、実施形態1におけるワイヤばね5a〜5dにおける固定部材6側の端部は、タンジェンシャル軸方向には移動しない固定部材6に固定されている。そして、ワイヤばね5´a〜5´dとして、丸線ワイヤではなく、エッチング加工あるいは薄板板金の精密打ち抜き加工により形成された板ばねを用い、さらにワイヤばね5´a〜5´dの途中を屈曲させて屈曲部11を形成し、これによってタンジェンシャル方向に撓み易い部分を形成することによって、対物レンズ保持部材2をタンジェンシャル軸方向に弾性的に支持している。
【0079】
実施形態3におけるその他の構成は実施形態1の構成と同様である。このように、板ばねよりなるワイヤばね5´a〜5´dにタンジェンシャル方向の弾性を持たせることによって、弾性基板10に組り付ける必要がなくなるため、組付作業を容易にすることが可能になる。
【0080】
図6は本発明の実施形態4を説明するための対物レンズ駆動装置の要部を示す斜視図であり、この実施形態4では、ワイヤばね5a〜5dにおける固定部材6側の端部を、タンジェンシャル方向に対して移動しない固定部材6に固定し、また、ワイヤばね5a〜5dにおける対物レンズ保持部材2側の端部を、対物レンズ保持部材2にタンジェンシャル方向(矢印方向)に撓み易く形成した突出部12に取り付けるか、あるいは対物レンズ保持部材2に固定されてタンジェンシャル方向に撓むことができる可撓性部材(図示せず)に取り付ける。このような構成によっても、実施形態1および実施形態2と同様に、対物レンズ保持部材2をタンジェンシャル軸方向に弾性的に支持することが可能になる。なお、実施形態4におけるその他の構成は実施形態1の構成と同様である。
【0081】
図7は本発明の実施形態5を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図、図8は図7に示す実施形態5の対物レンズ駆動装置の正面図であり、この実施形態5では、対物レンズ駆動装置と光学系のレイアウトの一部を高さ方向における同一面内にレイアウトすることによって、装置の薄型化を図るものである。
【0082】
実施形態5において、対物レンズ保持部材2の支持構成は実施形態1〜3の構成のいずれも採用することができるが、ここでは実施形態1と同様の構成を採用した例で説明する。
【0083】
傾き補正可能な対物レンズ駆動装置では、駆動中心および慣性中心(重心)を対物レンズ1の主点近傍に位置させるために、対物レンズ保持部材2をフォーカシング方向に薄く形成することになるため、駆動力を確保することが難しくなってきている。
【0084】
対物レンズ駆動装置の駆動力は駆動コイルに磁束を貫かせるように構成することによって発生させているが、少なくともフォーカシング方向とトラッキング方向との2軸の駆動を行う場合、磁束の方向は、これらに垂直な方向、すなわちタンジェンシャル方向に発生させるように磁石8を配置することが多い。このため磁石8の表面(広い面)をフォーカシング方向およびトラッキング方向の両軸を通る仮想平面と平行に配置させる方が効率がよい。
【0085】
また、装置を薄く形成させるために、対物レンズ1の下方(光ディスク設置側と反対側)において、レーザ光束Lを上方へ偏向させる立上げミラー13を用いて対物レンズ1に入射させるレーザ光束Lを90度折り曲げるようにするレイアウトが一般的であるが、薄型化を重視して対物レンズ保持部材2におけるタンジェンシャル方向両側に磁気回路が配置される構成では、磁気回路部分がレーザ光束Lを遮ってしまうため適さない。
【0086】
そこで、対物レンズ1の一方側に部品を配置しないような構成にして、その一方側から、レーザ光束Lを入射させ、対物レンズ駆動装置と光学系を略同一面に配置することにより薄型化を図ることができる。
【0087】
しかし、このように一方側で対物レンズ1を支持している構成の対物レンズ駆動装置では、対物レンズ1,対物レンズ保持部材2などの可動部が駆動高周波領域において弾性変形することによる高次共振が悪化し、サーボ特性を著しく劣化させるため、高速で高精度に追従させることが困難になる。
【0088】
すなわち、対物レンズ1を対物レンズ保持部材2の中心に配置し、両側に磁気回路を配置する方が高次共振特性が確保し易い。ところが、この構造を薄くしようとすると、前述の磁気回路の表面積が小さくなり、駆動コイルを配置する場所が少なくなるため、大きな駆動力が得にくいという問題が生じる。
【0089】
ここで駆動コイルの中において、フォーカシングコイル3だけはフォーカシング方向に対物レンズ保持部材2の重心を一致させる必要がない。したがって、磁気回路をフォーカシング方向に長く形成し、光ディスク設置側にトラッキング駆動コイルおよびラジアル駆動コイルおよびタンジェンシャル駆動コイルとしての駆動コイル15を配置し、光ディスク設置側と反対側にはフォーカシングコイル16を配置することによって、対物レンズ保持部材2からフォーカシングコイル16が、フォーカシング方向の光ディスク設置側と反対側に突出するが、対物レンズ保持部材2におけるラジアル方向からは空間が空くことになる。この空間部分でラジアル方向からレーザ光束Lを入射させて、フォーカシングコイル16または磁気回路の下部に挟まれた部分で立ち上げミラー13により、光ディスク設置側に90度折り返すことによって、対物レンズ駆動装置と光学部品との一部を、フォーカシング方向における同一面内に配置することができる。これによって装置全体を薄く形成することが可能となる。
【0090】
図9は本発明の実施形態6を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図、図10は図9に示す実施形態6の対物レンズ駆動装置の正面図であり、この実施形態6は、前記実施形態5の変形例であって、実施形態1,2と同様にフォーカシングコイル3を設置した場合であって、実施形態5と異なり対物レンズ保持部材2の下方に配置しない場合であっても、対物レンズ保持部材2におけるワイヤばね5a〜5dの支持突部2a,2bを、タンジェンシャル方向における対物レンズ保持部材2中心付近に広く間隔を取って設けることにより、この間にレーザ光束Lをトラッキング方向から入射することを可能にして、光学系と対物レンズ駆動装置との一部を高さ方向に重ねるようにすることにより、装置全体の高さを小さく構成することが可能になる。
【0091】
なお、前記実施形態としてムービングコイル方式の構造を採用して説明したが、電磁駆動手段として対物レンズ保持部材に磁石を設置するムービングマグネット方式であっても本発明を適用することができる。
【0092】
図11は本発明の実施形態7を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図、図12は図11に示す実施形態7における電磁駆動部の要部の斜視図、図13は図11に示す実施形態7における対物レンズ保持部材の全体斜視図であり、この実施形態7では、対物レンズ1を保持する対物レンズ保持部材2が、タンジェンシャル方向を長手方向とする棒状弾性支持体である棒状板ばね17によって弾性的に支持されている。棒状板ばね17は、一部に屈曲部17aが形成されており、フォーカシング方向に垂直な略1つの平面上に配され、かつ対物レンズ1の光軸を中心としてタンジェンシャル方向およびラジアル方向の両側に4本ずつ合計8本が平行に配置されている。
【0093】
図12,図13において、対物レンズ保持部材2のタンジェンシャル方向の側面には、第1のフォーカシングコイル3a,第2のフォーカシングコイル3b,両フォーカシングコイル3a,3b間のトラッキングコイル4,各フォーカシングコイル3a,3bに接合されたラジアルチルトコイル18a,18bの4系統の駆動コイルが装着され可動部を構成している。
【0094】
ベース部材7は、磁性体であって、一部を折り曲げることによりヨーク部9を形成している。このヨーク部9に固定された駆動用の磁石8は、対物レンズ保持部材2におけるタンジェンシャル方向の両側に配置されており、両フォーカシングコイル3a,3b,トラッキングコイル4,ラジアルチルトコイル18a,18bに磁束が貫くように磁気回路を形成するように配設されている。
【0095】
磁石8は、トラッキング方向における略中央において、フォーカシング方向の着磁境界線aにより分割着磁されている。着磁境界線aの両側はさらに、磁石8における光ディスク設置側の端面に垂直なフォーカシング方向の着磁境界線bと、磁石8におけるトラッキング方向の側面に垂直な着磁境界線cによりL字状に分割着磁されている。
【0096】
第1のフォーカシングコイル3aおよび第2のフォーカシングコイル3bは、タンジェンシャル方向を軸として巻回されており、磁石8の着磁境界線aのトラッキング方向における両側に配置されている。フォーカシングコイル3a,3bの2箇所のトラッキング方向に電流が流れる部分は、それぞれ着磁境界線cのフォーカシング方向における両側に配置され、フォーカシング方向に電流が流れる部分は着磁境界線bを跨いで配置されている。
【0097】
トラッキングコイル4は、タンジェンシャル方向を軸として巻回され、磁石8に対向し、トラッキング方向に電流が流れる部分が着磁境界線aを跨いで構成されている。
【0098】
ラジアルチルトコイル18a,18bは、タンジェンシャル方向を軸として巻回され、着磁境界線aの両側に配置されている。光ディスク設置側のトラッキング方向に電流が流れる部分が磁石8の着磁境界線bを跨ぎ、着磁境界線aから遠い側のフォーカシング方向に電流が流れる部分が着磁境界線cを跨ぐように構成されている。
【0099】
第1のフォーカシングコイル3aおよび第2のフォーカシングコイル3bに同等の電流を流すことにより可動部を、フォーカシング方向に駆動することができる。また第1のフォーカスコイル3aと第2のフォーカシングコイル3bに流す電流に差を与えることによりタンジェンシャルチルト方向に駆動することが可能である。またトラッキングコイル4、およびラジアルチルトコイル18a,18bに電流を流すことにより、それぞれの方向に駆動することができる。
【0100】
8本の棒状板ばね17は、本例ではエッチングまたは精密板金加工により製作され厚さを約50μmとしており、図14に示す平面図のように、1枚の板状部材19を、対物レンズ保持部材2および固定部材6に一体成型した後、不要部分を切除することによって形成することができる。このようにすることにより、各棒状板ばね17間のスパン、あるいは対物レンズ保持部材2および固定部材6に対する位置決め精度が向上し、さらに、棒状板ばね17の個体間におけるばらつきも小さくすることが可能になる。
【0101】
棒状板ばね17の一部に設けられた屈曲部17aにより可動性が向上すると共に、動作時の棒状板ばね17における長手方向の変形を吸収し、一次共振周波数、あるいは変位感度のばらつきを低減することができる。
【0102】
図15は本発明の実施形態8を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図、図16は図15に示す実施形態8における対物レンズ保持部材の側面説明図であり、この実施形態8の構成は基本的に実施形態7の構成と同様のものであるが、実施形態8では実施形態7に対して、全体的にフォーカシング方向に小さく(薄く)なるようにレイアウトされており、棒状板ばね17は対物レンズ1の主点A近傍の平面上に配置されている。
【0103】
したがって、対物レンズ1の主点A近傍に、支持中心が配置していることになる。さらに可動部の重心も対物レンズ1の主A点近傍にレイアウトすることによって、可動部にラジアルチルト駆動力、またはタンジェンシャルチルト駆動力を与えたときに、対物レンズ1の主点Aを中心として回転動作することになるため、対物レンズ1で集光された光ディスク上の光スポットもトラッキング方向もしくはタンジェンシャル方向に変動しないため、安定したサーボ動作が可能になる。
【0104】
図17は本発明の実施形態9を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図、図18は図17に示す実施形態9における対物レンズ保持部材のプリント基板部分の拡大図であり、実施形態9では、対物レンズ1を保持する対物レンズ保持部材2は、タンジェンシャル方向を長手方向とするワイヤばね5によって弾性的に支持されている。ワイヤばね5は、フォーカシング方向に垂直な略1つの平面上において、対物レンズ1の光軸を中心としてタンジェンシャル方向およびラジアル方向の両側に4本ずつ合計8本が平行に配設されている。
【0105】
タンジェンシャル方向に並ぶ2本ずつのワイヤばね5は、それぞれ同一平面上に配置されており、もともと1本のワイヤばねを対物レンズ駆動装置の可動部および固定部に半田固定した後に不要部を切除することにより、スパンあるいは対物レンズ保持部材2および固定部材6に対する位置決め精度を向上させることが可能である。
【0106】
8本のワイヤばね5における可動部側の固定端部は、図18に示すように、対物レンズ保持部材2のラジアル方向両側においてフォーカシング方向に垂直に配設されたプリント基板20のランド部に半田固定されており、さらに、隣接するワイヤばね5が固定されているプリント基板20のランド部におけるタンジェンシャル方向の端部は同一稜線Rにあるようにしている。したがって、ワイヤばね5の他端を固定する固定部材6の基板10と前記稜線Rとで、ワイヤばね5における有効長さが決まるため、ワイヤばね5の長さのばらつきを最小限に抑えることができる。
【0107】
ワイヤばね5の固定部材6側における固定端部は、図19に示すように、ワイヤばね5の軸方向に可撓性を有して微動するようになっている弾性基板21に半田固定するようにしてもよい。これにより可動性を向上することが可能である。
【0108】
また、対物レンズ保持部材2のプリント基板20は、図20に示すように、可動部の重心Gを挟んで対物レンズ1とは反対側(下方側)に配置されている。通常、質量の大きい対物レンズ1が光ディスク設置側に配置されるため、可動部の重心Gは光ディスク設置側に寄りやすい。この重心Gを支持中心,駆動中心と一致させるためには、可動部の下方にバランサ用のウエイトを取り付ける必要があるが、本実施形態では、プリント基板20をバランサとして兼用することによって、部品点数を減らし、可動部を軽量化することを可能にしている。
【0109】
ところで、ばね部材で可動部を支持する構成の対物レンズ駆動装置にあっては、通常、支持系と可動部質量特性から決まる一次共振を減衰させるために、前記棒状弾性部材(ワイヤばね5,5a〜5d,棒状板ばね17)における固定部材6側の端部に粘弾性材料を設けることが多い。
【0110】
そこで、図21の本発明の実施形態10を説明するための対物レンズ駆動装置の要部を示す斜視図のように、実施形態10では、タンジェンシャルチルト方向の共振を十分に減衰させるために、可動部側におけるワイヤばね5の変形が大きい部分に粘弾性材料22を設けており、大きな減衰効果が得られるようにしている。なお、固定部材6側におけるワイヤばね5の端部にも粘弾性材22を設ければ、減衰効果はさらに増加する。
【0111】
図22は本発明の実施形態11を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図、図23は図22に示す実施形態11における電磁駆動部の要部の斜視図であり、この実施形態11では、対物レンズ1を保持する対物レンズ保持部材2と駆動コイルとからなる可動部は固定部に対してタンジェンシャル方向を長手方向とするワイヤばね5によって弾性的に支持されている。ワイヤばね5は、フォーカシング方向における2箇所に離間し、かつ、対物レンズ1の光軸を中心としてタンジェンシャル方向およびラジアル方向のそれぞれに対称に4本ずつ、合計8本が設置されている。
【0112】
図23に示すように、電磁駆動部において、対物レンズ保持部材2のタンジェンシャル方向の両側側面にはタンジェンシャル方向を軸線として巻回されている平面状の駆動コイルであるフォーカシングコイル3,トラッキングコイル4,ラジアルチルトコイル25,タンジェンシャルチルトコイル26が装着されている。フォーカシングコイル3,ラジアルチルトコイル25,タンジェンシャルチルトコイル26は略同形状の4連コイルであって、それぞれがフォーカシング方向の推力を発生する。ただし、それぞれのコイルに流れる電流の向きを変えることにより、推力の方向が異なるようにしてある。
【0113】
すなわち、フォーカシングコイル3は、電流を流すことにより4つのコイルすべて同一方向に推力を発生し、可動部をフォーカシング方向に駆動する。ラジアルチルトコイル25は、対物レンズ1の光軸を挟んでトラッキング方向における両側において反対方向の推力を発生することにより、可動部をラジアルチルト方向に駆動する。また、タンジェンシャルチルトコイル26は、対物レンズ1の光軸を挟んでタンジェンシャル方向における両側で反対方向の推力を発生することにより、タンジェンシャル方向に駆動する。
【0114】
図22において、ベース部材7は、磁性体からなり、一部を折り曲げることによりヨーク部9を形成している。このヨーク部9に固定された駆動用の磁石8は対物レンズ保持部材2のタンジェンシャル方向における両側に配設されており、図23に示すように、フォーカシングコイル3,トラッキングコイル4,ラジアルチルトコイル25,タンジェンシャルチルトコイル26に垂直に対して磁束が貫くように磁気回路が形成されている。
【0115】
磁石8は、フォーカシング方向の着磁境界線aおよびトラッキング方向の着磁境界線bにより十字状に分割着磁され、フォーカシング方向とトラッキング方向を含む面に垂直な方向に、かつ隣り合う領域で反対方向に着磁されている。また、駆動コイル3,4,25,26は、その着磁境界線a,bをまたぐように配置され、それぞれの駆動コイル3,4,25,26に電流を流すことにより、対応した方向に駆動することができるようになっている。
【0116】
ところで、図22に示すように、ワイヤばね5の固定部材6側の端部は、ベース部材7に取り付けられている固定部材6に一部を固定されている弾性基板23に半田付けされている。弾性基板23はE字形状をしており、一部23aにおいてフォーカシング方向の幅が狭くなっており、この部分23aでトラッキング方向を中心軸として捩れることにより回転変位することができるようになっている。さらに、フォーカシング方向において異なる位置に配されているワイヤばね5の端部が、弾性基板23の回転部分における回転半径が異なる位置23bにそれぞれ固定されていることで、可動部のタンジェンシャルチルト動作に対応して弾性基板23のワイヤばね5の固定部分5eが回転するようになっている。
【0117】
ここで弾性基板23が捩れる中心軸を、フォーカシング方向において対物レンズ1の主点と同じ位置に配置することにより、タンジェンシャルチルト動作によりスポットがタンジェンシャル方向に変位しないようにしてある。
【0118】
図24は本発明の実施形態12を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図であり、この実施形態12では、対物レンズ1を保持する対物レンズ保持部材2は、タンジェンシャル方向を長手方向とするワイヤばね5によって弾性的に支持されている。ワイヤばね5は、フォーカシング方向に間隔を隔て、対物レンズ1の光軸を中心としてタンジェンシャル方向およびラジアル方向それぞれに対称に、かつ略平行に各々の平面上に4本ずつ、合計8本が配設されており、ワイヤばね5の固定部材6側の端部は、可動部のタンジェンシャル方向における両側において、固定部材6に中央部分が固定されているH字形状の弾性基板24における4つの端部24aにそれぞれ半田付けされている。
【0119】
前記弾性基板24の4つの端部24aは、タンジェンシャル方向に変位可能であるため、可動部のタンジェンシャルチルト動作を可能としている。ここでH字形状の弾性基板24は金型プレスによる外形加工により製作されるが、金型の構造上、弾性を具備する端部24aのフォーカシング方向におけるスパンをあまり狭くすることができない(溝部分の幅を1mm程度確保する必要がある)。
【0120】
一方、可動部をタンジェンシャルチルト動作させたとき、フォーカシング方向におけるワイヤばね5のスパンは狭い方が、ワイヤばね5の軸線方向への変位量が小さくなるため(可動部側のワイヤ固定部間の回転半径が小さくなるため)、弾性基板24の変形量は小さくなる。すなわち可動性がよくなることになる。そこで本実施形態においては、ワイヤばね5のフォーカシング方向におけるスパンを、弾性基板24側において加工が可能な程度に広く設定しているのに対して、可動部側は極力狭くなるようにしてある。
【0121】
また、ワイヤばね5において、固定部材6側よりも可動部側のスパンを狭く設定する場合において、一般的に対物レンズ1は光ディスク設置側近傍にレイアウトされるため、図25(a)に示す説明図のように、フォーカシング方向における光ディスク設置側のワイヤばね5aと、その反対側のワイヤばね5bとを同じ角度だけ、それぞれ反対方向に傾斜させるよりも、図25(b)に示す説明図のように、固定部材6側のワイヤばね5a,5b間のスパンの中心O1よりも、可動部側のワイヤばね5a,5b間のスパンの中心O2方が光ディスク設置側になるようにワイヤばね5a,5bを設置する方が好ましい。
【0122】
弾性基板24は、適当な厚さの補強部材で裏打ちされたフレキシブル基板を用いることにより、可動部への電流供給も行えるようにすることが可能になる。
【0123】
また、弾性基板24の可動部分と固定部材6との隙間に粘弾性材料を配置することによって共振を減衰させることができる。
【0124】
図26は本発明の実施形態13を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図であり、この実施形態13では、図22に示す実施形態11にて説明したように弾性基板23はE字形状をしており、また、図24に示す実施形態12にて説明したように、ワイヤばね5a,5bのフォーカシング方向におけるスパンを、弾性基板23側において加工が可能な程度に広く設定しているのに対して、可動部側は狭くなるようにしてある。
【0125】
図26において、対物レンズ1を保持する対物レンズ保持部材2はタンジェンシャル方向を長手方向とするワイヤばね5a,5bによって弾性的に支持されている。ワイヤばね5a,5bは、前記のようにフォーカシング方向に間隔を隔て、対物レンズ1の光軸を中心としてタンジェンシャル方向およびラジアル方向それぞれに対称に、かつ略平行に各々の平面上に4本ずつ、合計8本が配置され、ワイヤばね5a,5bの固定部材6側の端部は、ベース部材7に取り付けられている固定部材6に一部が固定されているE字形状をした弾性基板23に半田付けされている。
【0126】
E字形状をした弾性基板23は、一部23aにおいてフォーカシング方向の幅が狭くなっており、この部分23aでトラッキング方向を中心軸として捩れることにより回転変位することができるようになっている。さらに、フォーカシング方向において異なる位置に配されているワイヤばね5の端部が、弾性基板23の回転部分における回転半径が異なる位置23bにそれぞれ固定されていることで、可動部のタンジェンシャルチルト動作を可能にしている。
【0127】
本実施形態のE字型をした弾性基板23を用いる場合には、既述したH字型の弾性基板24のような加工上の制約はないが、弾性基板23の回転部の作用半径を大きくとることによって捩れやすくなる。したがって、弾性基板23側のワイヤばね5a,5bにおけるフォーカシング方向のスパンを広く取る方が、タンジェンシャルチルト方向の可動性が向上する。
【0128】
一方、前述したように可動部側のフォーカシング方向のワイヤのスパンは狭い方が、可動部をタンジェンシャルチルト動作させたときのワイヤばね5の軸方向への変位量が小さいため(可動部とワイヤ固定部の回転半径が小さいため)弾性基板23の変形量は小さくなる。すなわち可動性がよくなる。
【0129】
そこで、実施形態13においては、図27に示すように、ワイヤばね5a,5bにおけるフォーカシング方向におけるスパンは、弾性基板23側のスパンS1よりも可動部側のスパンS2の方を極力狭くすように構成されている。
【0130】
本実施形態13は、実施形態11と実施形態12との一部構造を組み合わせた構成になっているが、以上のような理由により、両者を組み合わせることでその効果が一層高められることになる。
【0131】
ここで、実施形態11と同様に弾性基板23が捩れる中心軸は、フォーカシング方向において対物レンズ1の主点と同じ位置に配置されていることにより、タンジェンシャルチルト動作により光ディスク上の光スポットがタンジェンシャル方向に変位しないようにしてもよい。
【0132】
また、図28に示す説明図のように、対物レンズ1の主点mと光メディア設置側のワイヤばね5aにおける可動部側の端部間距離をLw1、対物レンズ1の主点mと光ディスク設置側とは反対側のワイヤばね5bの可動部側の端部間距離をLw2とし、フォーカシング方向における弾性基板23の捩れ回転中心nと光ディスク設置側のワイヤばね5aにおける固定端部との間の距離をLs1、捩れ回転中心nと光ディスク設置側とは反対側のワイヤばね5bにおける固定端部との間の距離をLs2としたとき、
【0133】
【数1】
Ls1/Ls2=Lw1/Lw2
となるように配置することによっても、タンジェンシャルチルト動作によるタンジェンシャル方向のクロスアクションを減らし、光ディスク上の光スポット位置の変動を小さくすることができる。
【0134】
実施形態12,13では、ワイヤばね5a,5bが斜めに配設されているため、組付けの際、治具を用いてワイヤばね5a,5bを位置決めしながら、所定部分を半田することにより組付ける作業は難しい。
【0135】
そこで、実施形態12,13の変形例として、図29の実施形態14における対物レンズ保持部材の支持状態を平面から見た説明図のように、ワイヤばね5a,5bを、それぞれの延長線上で干渉しないように、トラッキング方向にオフセットする構成にするとよい。実施形態14において、対物レンズ1の光軸を含みタンジェンシャル方向に平行な平面に対して対称に配置することにより、トラッキング方向の支持中心は可動部の重心、もしくは駆動力中心からずれることはない。
【0136】
組付け時の干渉を回避する他の構成例として、図30に示す実施形態15における対物レンズ保持部材の支持状態を説明する斜視図のように、棒状板ばね17の一端部で対物レンズ保持部材2を支持し、棒状板ばね17の他端部をヒンジ部25が設けられた固定部材26に固定する構成が考えられる。
【0137】
実施形態15は、エッチングまたは精密板金加工により製作された棒状板ばね17を、トラッキング方向を垂線とする平面を平面方向として可動部のトラッキング方向における両側側面に配置したものである。
【0138】
棒状板ばね17は、本例では厚さが50μm程度にしており、1枚の板状部材を対物レンズ保持部材2および固定部材26に一体成型した後、不要部分を切除したものである。固定部材26には、一部がトラッキング方向を軸として回転するヒンジ形状のヒンジ部25が設けられ、棒状板ばね17の固定部材26における固定端部が回転可能になっている。このようにすることにより、各棒状板ばね17間のスパン、あるいは対物レンズ保持部材2および固定部材26に対する位置決め精度が向上し、また個体間のばらつきも小さくすることができる。
【0139】
図31は図1〜30にて説明した実施形態の対物レンズ駆動装置を搭載した本発明に係る光ピックアップ装置の実施形態を説明するための概略構成図であって、31は光源、32はコリメートレンズ、33はビームスプリッタ、34は立上げミラー、35は集光レンズ、36はシリンドリカルレンズ、37は受光光学手段としての受光素子、38は光ディスクであって、39が前記実施形態の対物レンズ駆動装置である。
【0140】
光源31から出射した拡散光は、コリメートレンズ32によって略平行光になる。その後、ビームスプリッタ33を通り、立上げミラー34により折り曲げられる。立上げミラー34によって折り曲げられた平行光は対物レンズ駆動装置38の対物レンズ1に入射し、光ディスク38上に光スポットSを形成する。光ディスク38からの光スポットSの反射光は、ビームスプリッタ33によって偏向されて、集光レンズ35とシリンドリカルレンズ36を通った後、受光素子37に入射する。
【0141】
このように、光ディスク38上の光スポットSの反射光が受光素子37に入射するように配置しておく。受光素子37で得られた信号を基にして、演算処理部などの対物レンズ制御手段(図示せず)によって制御信号を生成し、対物レンズ駆動装置39に出力することにより、フォーカシングコイル,トラッキングコイルを駆動し、光ディスク38に対して対物レンズ1を追従させることにより光ディスク38に記録された情報を再生することができる。さらに、図示しないチルトセンサにより光ディスク28の傾きを検出し、それに応じた電流を対物レンズ駆動装置39のチルトコイル(図示せず)に流すことにより、光ディスク38に対して対物レンズ1を傾斜させてチルト補正を行う。
【0142】
ここで、対物レンズ駆動装置39は図1〜図30にて説明した各実施形態の構成の対物レンズ駆動装置であって、既述したように、この対物レンズ駆動装置39を用いることによって、面ぶれ,偏心,反りの大きな光ディスク38を高速に回転させた場合でも、対物レンズ1を光ディスク38に対して追従させることが可能になる。すなわち良好な信号を高速で記録再生することができる。
【0143】
図32は図1〜30にて説明した実施形態の対物レンズ駆動装置を備えた図31の光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置の実施形態を説明するための概略構成を示す平面図、図33は図32の光ディスク装置の正面図であり、40は図31にて説明した光ピックアップ装置であって、光ピックアップ装置40は、光源31,コリメートレンズ32,シリンドリカルレンズ36,受光素子37,対物レンズ駆動装置39などから構成されている。
【0144】
さらに、41は光ディスク装置の筐体、42は防振ゴム、43は光ディスク38の回転駆動手段であるスピンドルモータ、44はシークレール、45はピックアップモジュールベースであって、光ディスク装置の筐体41に防振ゴム42を介してピックアップモジュールベース45が設置されている。ピックアップモジュールベース45には光ディスク38を回転駆動させるスピンドルモータ43が設置されている。また、ピックアップモジュールベース45に取り付けられたシークレール44には光ピックアップ装置40が搭載されている。光ピックアップ装置40は、図示しないシークモータなどからなるピックアップ駆動手段によってシークレール44上を光ディスク28の半径方向に移動駆動される。
【0145】
ここで図32,図33に示す光ディスク装置に搭載されている光ピックアップ装置40は既述した構成の光ピックアップ装置であって、面ぶれ,偏心,反りの大きな光ディスク38を高速に回転させた場合でも、対物レンズ1を光ディスク38に対して追従させることが可能である。したがって、本実施形態例の光ディスク装置は記録/再生を良好に、しかも高速に行うことが可能になる。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る対物レンズ駆動装置および光ピックアップ装置ならびに光ディスク装置によれば、フォーカシング方向,トラッキング方向,タンジェンシャル方向,ラジアルチルト方向の4軸方向の駆動力を発生させる4系統のコイルに対して、8本の棒状弾性支持部材を介してそれぞれ給電することにより、タンジェンシャルチルト方向の可動性がよく、フォーカシング動作時のタンジェンシャルチルトの発生をなくすることができると共に、給電構造を簡略化することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図2】図1に示す実施形態1の対物レンズ駆動装置の正面図
【図3】本発明の実施形態2を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図4】図3に示す実施形態2の対物レンズ駆動装置の正面図
【図5】本発明の実施形態3を説明するための対物レンズ駆動装置の要部を示す平面図
【図6】本発明の実施形態4を説明するための対物レンズ駆動装置の要部を示す斜視図
【図7】本発明の実施形態5を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図8】図7に示す実施形態5の対物レンズ駆動装置の正面図
【図9】本発明の実施形態6を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図10】図9に示す実施形態6の対物レンズ駆動装置の正面図
【図11】本発明の実施形態7を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図12】図11に示す実施形態7における電磁駆動部の要部の斜視図
【図13】図11に示す実施形態7における対物レンズ保持部材の全体斜視図
【図14】実施形態7における棒状板ばねの一例を示す平面図
【図15】本発明の実施形態8を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図16】図15に示す実施形態8における対物レンズ保持部材の側面説明図
【図17】本発明の実施形態9を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図18】図17に示す実施形態9における対物レンズ保持部材のプリント基板部分の拡大図
【図19】実施形態9におけるワイヤばねの弾性基板への固定構造の変形例を示す斜視図
【図20】実施形態9におけるプリン基板の配設構成の説明図
【図21】本発明の実施形態10を説明するための対物レンズ駆動装置の要部を示す斜視図
【図22】本発明の実施形態11を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図23】図22に示す実施形態11における電磁駆動部の要部の斜視図
【図24】本発明の実施形態12を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図25】実施形態12におけるワイヤばね設置の説明図
【図26】本発明の実施形態13を説明するための対物レンズ駆動装置の斜視図
【図27】実施形態13におけるワイヤばね設置の説明図
【図28】実施形態13におけるワイヤばね設置の説明図
【図29】本発明の実施形態14における対物レンズ保持部材の支持状態を平面から見た説明図
【図30】本発明の実施形態15における対物レンズ保持部材の支持状態を説明する斜視図
【図31】図1〜30にて説明した実施形態の対物レンズ駆動装置を搭載した本発明に係る光ピックアップ装置の実施形態を説明するための概略構成図
【図32】図1〜30にて説明した実施形態の対物レンズ駆動装置を備えた図11の光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置の実施形態を説明するための概略構成を示す平面図
【図33】図32に示す光ディスク装置における実施形態の正面図
【図34】従来の対物レンズ駆動装置の一例を示す斜視図
【図35】従来の対物レンズ駆動装置の他例を示す説明図
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 対物レンズ保持部材
3,3a,3b フォーカシングコイル
4a,4b トラッキングコイル
5,5a〜5d,5´a〜5´d ワイヤばね
6 固定部材
7 ベース部材
8 磁石
9 ヨーク部
10 弾性基板
11 屈曲部
12 突出部
13 立上げミラー
17 棒状板ばね
17a 屈曲部
18a,18b ラジアルチルトコイル
20 プリント基板
21,23,24 弾性基板
22 粘弾性材料
25 ラジアルチルトコイル
26 タンジェンシャルチルトコイル
31 光源
37 受光素子
39 対物レンズ駆動装置
40 光ピックアップ装置
43 スピンドルモータ

Claims (11)

  1. 対物レンズと、該対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と、駆動コイルとからなる可動部を、該可動部の両側でタンジェンシャル方向を長手方向とする複数の棒状弾性支持部材により固定部に対して弾性的に支持し、前記棒状弾性支持部材を、フォーカシング方向に垂直な略1つの平面上、かつタンジェンシャル方向において前記対物レンズの光軸に対して対称に配設してなる対物レンズ駆動装置において、
    前記駆動コイルを、フォーカシング方向,トラッキング方向,タンジェンシャル方向,ラジアルチルト方向の4軸方向の駆動力を発生する4系統のコイルにより構成し、各コイルに対して導電性材料からなる8本の前記棒状弾性支持部材を介して給電することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 前記棒状弾性支持部材が配設されている平面を、前記対物レンズの主点近傍に配したことを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
  3. 前記棒状弾性支持部材における可動部側の固定部近傍にダンパ材を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 前記複数の棒状弾性支持部材は、前記対物レンズ保持部材および前記固定部に一体成型された一枚の平面状部材を分割して形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置。
  5. 前記平面状部材から分割して形成された前記棒状弾性支持部材における一部を屈曲させることにより、タンジェンシャル方向の剛性を小さくしたことを特徴とする請求項記載の対物レンズ駆動装置。
  6. 前記棒状弾性支持部材を、フォーカシング方向において同一平面上に配設したことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置。
  7. 前記棒状弾性支持部材における固定部側の端部を、タンジェンシャル方向に微動可能な弾性基板に固定したことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置。
  8. 前記棒状弾性支持部材における前記可動部側の端部のそれぞれを、該可動部のラジアル方向の両側において、フォーカシング方向に垂直に配設されたプリント基板上のランド部に半田固定し、かつ有効長さを前記プリント基板のタンジェンシャル方向の端面により規制したことを特徴とする請求項1〜3,6,7いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置。
  9. 前記棒状弾性支持部材における前記可動部側の端部のそれぞれを、該可動部におけるラジアル方向の両側において、前記プリント基板上のランド部に半田固定し、前記プリント基板を、前記可動部の重心を挟んで前記対物レンズの反対側に配設したことを特徴とする請求項8記載の対物レンズ駆動装置。
  10. 請求項1〜9いずれか1項記載の対物レンズ駆動装置を搭載した光ピックアップ装置であって、
    光ディスクに対する照射光を発するレーザ光を出射するレーザ光源と、前記光ディスクからの反射光を受光する受光光学手段と、この受光光学手段における受光信号に基づいて搭載された対物レンズ駆動装置に対する制御信号を出力する対物レンズ制御手段とを備えたことを特徴とする光ピックアップ装置
  11. 請求項10記載の光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置であって、
    光ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、搭載された光ピックアップ装置を前記光ディスクの半径方向に移動させるピックアップ駆動手段とを備えたことを特徴とする光ディスク装置
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