JP2861894B2 - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置

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JP2861894B2
JP2861894B2 JP28404995A JP28404995A JP2861894B2 JP 2861894 B2 JP2861894 B2 JP 2861894B2 JP 28404995 A JP28404995 A JP 28404995A JP 28404995 A JP28404995 A JP 28404995A JP 2861894 B2 JP2861894 B2 JP 2861894B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの光学
式再生記録装置等に用いられる対物レンズ駆動装置に関
し、特に、レンズ駆動時におけるレンズホルダー及びこ
れを支持する板ばね等の振動を有効に減衰吸収できる対
物レンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクや光磁気ディスク等の
信号記録面に光ビームを照射して、これらディスクに記
録された情報信号を読み取り、あるいは所定の情報信号
を書き込むようにした光学式再生記録装置が広く用いら
れている。このような光学式再生記録装置では、光ビー
ムをディスク上のトラックに常に正確に集光,照射させ
るため、フォーカス方向及びトラッキング方向の2軸方
向に変位駆動する対物レンズ駆動装置が備えられてい
る。
【0003】これまで、この種の対物レンズ駆動装置と
しては、図8及び図9に示すようなものがある。図8
は、従来の対物レンズ駆動装置を示す全体斜視図であ
り、図9は、図8に示す従来の対物レンズ駆動装置にお
けるトラック板ばねの取付部分を示す拡大平面図であ
る。
【0004】これらの図に示すように、従来の対物レン
ズ駆動装置は、支持ベース10,レンズホルダー20,
固定支持部30及び可動支持部40とを備えた構成から
なっている。支持ベース10には、一側に一対のヨーク
11(11a,11b)が立設してあり、一方のヨーク
11aには、マグネット12が取り付けられている。こ
のヨーク11とマグネット12により、磁気回路が形成
されている。また、この支持ベース10の他側には、固
定支持部30を固定するための固定部13が立設してあ
る。
【0005】レンズホルダー20は、一側に対物レンズ
1が取り付けられるとともに、他側には、支持ベース1
0の一対のヨーク11及びマグネット12が貫通した状
態で収納できるようになっている。21はフォーカスコ
イルで、ヨーク11a及びマグネット12の周囲に巻装
された状態でレンズホルダー20の他側の収納部分に固
定されている。また、22はトラックコイルで、フォー
カスコイル21の側部に固着されてレンズホルダー20
内に固定されている。
【0006】固定支持部30は、支持ベース10上のレ
ンズホルダー20と反対側に立設された固定部13に嵌
合することにより、支持ベース10に一体的に固定され
ている。この固定支持部30のレンズホルダー20の反
対側には、可動支持部40が対向して配設されている。
固定支持部30と可動支持部40の対向面間には、高さ
方向に沿ってトラック板ばね60が架設してあり、この
トラック板ばね60が撓むことによって、可動支持部4
0は、固定支持部30に対して対物レンズ1のトラッキ
ング平面、すなわち、図8に示すZ軸を中心としたXY
平面で回動できるようになっている。
【0007】フォーカス板ばねは、4枚の金属板ばね5
0(50a,50b,50c,50d)からなってい
る。このフォーカス板ばね50a,50b,50c,5
0dは、各板ばねの一端がレンズホルダー20の四箇所
の取付部20a,20b,20c,20dに固定される
とともに、他端が可動支持部40の四箇所の取付部40
a,40b,40c,40dに固着されている。これに
よって、レンズホルダー20は、フォーカス板ばね50
を介して可動支持部40に連結され、保持されている。
【0008】そして、レンズホルダー20は、この各金
属板ばね50a,50b,50c,50dが撓むことに
より、可動支持部40の取付部40a〜40dが支点と
なって、対物レンズ1のフォーカス方向、すなわち、図
8に示すZ軸方向に回動できるようになっている。
【0009】ここで、固定支持部30と可動支持部40
との間に架設されるトラック板ばね60の取付部分につ
いて、図9を参照して説明する。図9に示すように、固
定支持部30と可動支持部40の対向面には、トラック
板ばね60を取り付けるための溝31,41が、高さ方
向、すなわち、対物レンズ1のフォーカス方向(図8に
示すZ軸方向)に沿って形成されている。そして、トラ
ック板ばね60は、長手方向の両端がこの溝部31,4
1のほぼ中央に位置して配設されるとともに、引っ張り
強度が大きく硬度が高い接着剤70によって両支持部3
0,40に強固に固定されている。
【0010】このような構成からなる従来の対物レンズ
駆動装置によれば、ヨーク11及びマグネット12によ
り構成された磁気回路が、フォーカスコイル21とトラ
ックコイル22を挾み込むように位置しているので、各
コイル21,22に電流を流すと、磁気回路とコイル間
の電磁作用により、フォーカス板ばね50とトラック板
ばね60が撓んで、レンズホルダー20がフォーカス方
向(図8で示すZ軸方向)及びトラック方向(図8で示
すX軸方向)に駆動されることになる。これにより、対
物レンズ1は、図示しない光検出器の出力信号に基づい
て駆動変位され、フォーカスサーボ及びトラッキングサ
ーボが行なわれることになる。
【0011】そして、このような対物レンズのフォーカ
スサーボにより、光ディスクが回転駆動される際に、い
わゆる面ぶれを起こしても、信号記録面に投射される光
ビームが常に信号記録面上に正確に集光されるようにな
る。このフォーカスサーボが作動されているときは、対
物レンズは光ディスクとの間の距離を常に所定の値に保
つように駆動変位される。また、対物レンズのトラッキ
ングサーボにより、光ディスクが回転駆動される際、い
わゆる芯ぶれを起こしても、光ビームが集光されるビー
ムスポットが信号記録面上に形成された記録トラックを
正確にトレースするようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の対物レンズ駆動装置では、対物レンズが駆動
する際に生じる板ばね等の副次共振が、板ばね,接着
剤,可動支持部等から対物レンズへ伝達されてしまうと
いう問題があった。板ばね等の副次共振は、対物レンズ
を不必要に振動させることとなり、結果として、ディス
クの書き込みや読み出し動作が安定せず、高速動作が困
難になるという問題を発生させた。そして、このような
副次共振の弊害は、特に、トラッキング方向の共振レベ
ルにおける振動のダンピング不足に問題があった。
【0013】すなわち、従来の対物レンズ駆動装置で
は、フォーカス方向については、4枚のフォーカス板ば
ね50の各端がレンズホルダー20及び可動支持部30
へ固定されるため、フォーカス板ばねの各他端の固定部
分に板ばね及びレンズホルダーの共振を減衰吸収するた
めの、柔軟かつ弾性のあるダンピング性の高い接着剤を
使用することが可能であった。これにより、対物レンズ
がフォーカス方向へ追従する際にフォーカス板ばねやレ
ンズホルダーに生じる副次共振は、低域側の共振周波数
(以下「f0」という)の共振レベルについても、小さ
く抑えることができた。
【0014】ところが、トラック方向については、1枚
トラック板ばねのみを固定支持部及び可動支持部に架
設して取り付けていたため、この板ばねを強固に固着す
る必要があった。従って、フォーカス方向におけるよう
な弾性の高い接着剤を使用することができず、レンズホ
ルダーの駆動系の振動やトラック板ばね自体の副次共振
を有効にダンピングすることが困難であった。f0の共
振レベルが高いということは、光ディスク装置におい
て、アクセス時に対物レンズ駆動装置のレンズ駆動部に
かかる加速度によるレンズ振動の収束が遅いということ
であり、アクセスタイムの劣化という大きな課題となっ
ていた。
【0015】なお、このようなトラッキング方向の共振
レベルにおけるダンピングの問題を解消するため、特開
平4−229422号公報には、図10,図11に示す
ような対物レンズ駆動装置が提案されている。この対物
レンズ駆動装置は、トラック板ばね60の両面に2枚の
弾性材からなる接着シート61を接着するとともに、4
枚のホルダープレート62(62a,62b,62c,
62d)を、接着シート61の上からトラック板ばね6
0の両面の各端部に接着した構成としてある。
【0016】このような対物レンズ駆動装置によれば、
トラック板ばね60を対物レンズ駆動装置の固定支持部
30と可動支持部40の各溝部に硬度の高い接着剤70
で強固に接着保持した場合でも、接着シート61及びホ
ルダープレート62により形成された弾性層によって振
動を減衰することができ、トラッキング方向の共振につ
いても低く抑えることが可能であった。
【0017】しかしながら、このような弾性層を設けた
対物レンズ駆動装置であっても、弾性材からなる接着シ
ートをトラック板ばねの表面に接着しているため、接着
シートは、最大限トラック板ばねと同一の大きさとな
り、それ以上に大きくすることはできなかった。また、
トラック板ばねの取付部分については、従来の対物レン
ズ駆動装置と同様に、一定の剛性を確保する必要があっ
たため、接着シートをあまり厚くすることもできなかっ
た。このため、板ばねやレンズホルダーの共振を有効に
減衰吸収するための弾性層として機能するためには、そ
の長さや厚さが不足するという問題があった。
【0018】一方、トラック板ばねに接着シートやホル
ダープレートを接着すると、低域側のレンズ可動量に対
するトラック板ばね自体の変形量が少なくなってしま
い、特にf0における共振レベルの低減には不十分とな
るという問題も発生した。
【0019】さらに、この対物レンズ駆動装置では、ト
ラック板ばねが弾性材の接着シートによって覆われてい
るため、例えば固定支持部及び可動支持部を樹脂により
形成してトラック板ばねと一体的に形成する、というよ
うなことはできず、結果として製造面あるいはコスト面
での不利不便があった。
【0020】本発明は、このような従来の技術が有する
問題を解決するために提案されたものであり、レンズ駆
動時におけるレンズホルダー及びこれを支持する板ばね
等の振動を有効に減衰吸収し、特にトラック方向の固有
振動数f0の共振レベルを低減させることができる対物
レンズ駆動装置の提供を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の対物レンズ駆動装置は、磁気回路を備えた支持
ベースと、トラッキングコイル及びフォーカスコイルを
備え、対物レンズを保持するレンズホルダーと、前記支
持ベースにトラック板ばねを介してトラッキング方向に
回動可能な状態で取り付けられた可動支持部と、前記レ
ンズホルダーと前記可動支持部とをフォーカス方向に回
動可能な状態で連結するフォーカス板ばねと、を備え、
前記レンズホルダーが、前記磁気回路と前記各コイルと
の電磁作用によりトラッキング方向及びフォーカス方向
に駆動される対物レンズ駆動装置において、前記可動支
持部を前記支持ベースに揺動自在に連結するダンピング
手段を備えた構成としてある。
【0022】そして、請求項1記載の対物レンズ駆動装
置は、前記ダンピング手段が、一側が前記支持ベースに
固定されるとともに、他側が前記可動支持部に取り付け
られるダンピングプレートと、このダンピングプレート
の他側が移動自在に係合する前記可動支持部に形成され
た溝部と、この溝部に充填されて、前記ダンピングプレ
ートの他側を揺動可能に保持するダンピング材と、から
なる構成としてある。
【0023】一方、請求項2記載の対物レンズ駆動装置
は、前記ダンピング手段が、一側が前記可動支持部に固
定されるとともに、他側が前記支持ベースに取り付けら
れるダンピングプレートと、このダンピングプレートの
他側が移動自在に係合する前記支持ベースに形成された
溝部と、この溝部に充填されて、前記ダンピングプレー
トの他側を揺動可能に保持するダンピング材と、からな
る構成としてある。
【0024】さらに、請求項3記載の対物レンズ駆動装
置は、前記ダンピング手段が、前記可動支持部から突設
された突起と、この突起が遊貫状態で係合する前記支持
ベースに形成された穴部と、この穴部に充填されて、前
記可動支持部の突起を揺動可能に保持するダンピング材
と、からなる構成としてある。
【0025】このような構成からなる本発明の対物レン
ズ駆動装置によれば、可動支持部と支持ベースとをダン
ピング手段によって揺動可能に連結してあるので、レン
ズ駆動時に可動支持部等に生じる振動に対して、ダンピ
ング材が圧縮と引張り方向、及びせん断方向に制振作用
を行なう。
【0026】これにより、フォーカス板ばねやトラック
板ばねに生じる副次共振や、さらにトラック板ばねから
伝達されるレンズホルダー等のフォーカス方向への不要
な共振を有効に減衰吸収することができ、従来、特に問
題となっていたトラック方向のf0での共振についても
有効に減衰吸収することができる。
【0027】また、ダンピング手段を設けることによ
り、トラック板ばね自体は一枚の金属板ばねとして形成
することができるので、トラック板ばねに弾性層等の制
振手段を設ける必要がなくなる。これにより、トラック
板ばねは可動支持部や支持ベースと一体的に形成するこ
とができ、製作作業の容易化や高効率,低コスト化等が
可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の対物レンズ駆動装
置の実施の形態について、図面を参照して説明する。な
お、本発明の対物レンズ駆動装置は、従来の対物レンズ
駆動装置における可動支持部を固定支持部及び支持ベー
スの少なくともいずれか一方に揺動自在に連結するダン
ピング手段を備えたことを特徴としており、その他の点
については従来の対物レンズ駆動装置と同様である。従
って、上述した図8及び図9で示した従来の対物レンズ
駆動装置と同様の部分については、図中同一符号を付し
て説明するとともに、詳細な説明については省略する場
合がある。
【0029】[第一の実施形態]まず、本発明の対物レ
ンズ駆動装置の第一の実施形態について説明する。図1
は、本発明の対物レンズ駆動装置の第一の実施形態を示
す全体斜視図である。また、図2は、図1に示す対物レ
ンズ駆動装置における、可動支持部及びダンピング手段
を示す拡大平面図であり、図3は、図2におけるA−A
線断面図である。
【0030】これらの図に示すように、本実施形態の対
物レンズ駆動装置は、上述した従来の対物レンズ駆動装
置と同様、支持ベース10,レンズホルダー20,固定
支持部30及び可動支持部40とを備えた構成となって
おり、固定支持部30と可動支持部40とは、ダンピン
グ手段80によって連結されている。
【0031】支持ベース10には、一側に一対のヨーク
11(11a,11b)が立設してあり、一方のヨーク
11aにはマグネット12が取り付けられ、磁気回路を
形成している。また、この支持ベース10の他側には、
固定支持部30を固定するための固定部13が立設して
ある。
【0032】レンズホルダー20は、一側に対物レンズ
1が取り付けられるとともに、他側には、支持ベース1
0の一対のヨーク11及びマグネット12が貫通して収
納されるようになっている。フォーカスコイル21は、
ヨーク11a及びマグネット12の周囲に巻装された状
態でレンズホルダー20の他側の収納部分に固定されて
おり、側部にはトラックコイル22が固着されている。
【0033】固定支持部30は、支持ベース10上の固
定部13に嵌合することにより、支持ベース10に一体
的に固定されており、固定支持部30のレンズホルダー
20の反対側には、可動支持部40が対向して配設され
ている。固定支持部30と可動支持部40の対向面間に
は、高さ方向に沿ってトラック板ばね60が架設してあ
り、トラック板ばね60が撓むことによって、可動支持
部40は、固定支持部30に対して対物レンズ1のトラ
ッキング平面、すなわち、図1に示すZ軸を中心とした
XY平面で回動できるようになっている。
【0034】フォーカス板ばね50は、4枚の金属板ば
ね50a,50b,50c,50dからなり、各板ばね
は、一端がレンズホルダー20の四箇所の取付部20
a,20b,20c,20dに固定されるとともに、他
端が可動支持部40の四箇所の取付部40a,40b,
40c,40dに固着されている。これによって、レン
ズホルダー20は、フォーカス板ばね50を介して可動
支持部40に連結され、保持される。
【0035】そして、レンズホルダー20は、この各金
属板ばね50a,50b,50c,50dが撓むことに
より、可動支持部40の取付部40a〜40dが支点と
なって、対物レンズ1のフォーカス方向、すなわち、図
1に示すZ軸方向に回動できるようになっている。
【0036】ここで、固定支持部30と可動支持部40
との間に架設される本実施形態のトラック板ばね60の
取付部分について、図3を参照して説明する。同図に示
すように、本実施形態のトラック板ばね60は、両端が
それぞれ固定支持部30及び可動支持部40の全体によ
り挾持されることにより、これら固定支持部30及び可
動支持部40と一体的に形成して取り付けられている。
【0037】これにより、トラック板ばね60は、両支
持部30,40にきわめて強固に固定されるとともに、
両支持部30,40への取付作業も機械的に行なえるの
で、従来の対物レンズ駆動装置で行なわれていたよう
な、固定支持部30と可動支持部40の対向面に溝を形
成し、硬度の高い接着剤で固定するというような煩雑な
作業は一切不要となる。なお、図3に示すトラック板ば
ね60のほぼ中心には、高さ方向にスリットが形成して
あるが、これはトラック板ばね60の可撓性等を高める
ためのものであり、使用する対物レンズ駆動装置に応じ
て適宜増減し、あるいは省略することができる。
【0038】ダンピング手段80は、ダンピングプレー
ト81と、このダンピングプレートが係合する溝部8
2、及びこの溝部82に充填されるダンピング材83と
からなっている。ダンピングプレート81は、一方に伸
びる一対のアーム部81a,81bを備えたU字形状の
板状部材であり、例えば金属等の剛性の高い材質により
形成してある。
【0039】そして、このダンピングプレート81は、
一側、すなわちU字形状の後端側が固定支持部30の上
面に接着等により固定されるとともに、他側、すなわち
U字形状の先端側の一対のアーム部81a,81bが、
可動支持部40の上面に形成した一対の溝部82(82
a,82b)にそれぞれ係合している。この溝部82
は、係合するダンピングプレート81のアーム部81
a,81bが、溝内で移動できる幅及び深さに形成して
ある。そして、このアーム部81a,81bと溝部82
a,82bの隙間には、ダンピング材83が定量的に充
填され、これによってダンピングプレート81は可動支
持部40に揺動可能に取り付けられる。
【0040】ここで、溝部82a,82bの内側寸法と
アーム部81a,81bの外形寸法との隙間の大きさ
は、レンズホルダー20のトラック方向への可動による
可動支持部40のダンピングプレート81に対する変位
量より大きくなるように設定してある。また、ダンピン
グ材83は、溝部82に充填されて、ダンピングプレー
ト81の先端部分を揺動可能に保持できるよう、例えば
シリコンゲル等からなるダンピング材を用いることが好
ましい。
【0041】次に、このような構成からなる本実施形態
の対物レンズ駆動装置の動作について説明する。図1に
示すように、本実施形態の対物レンズ駆動装置は、従来
の対物レンズ駆動装置と同様、ヨーク11及びマグネッ
ト12からなる磁気回路が、レンズホルダー20内のフ
ォーカスコイル21とトラックコイル22を挾み込んで
いるので、フォーカスコイル21及びトラック22に電
流を流すと、磁気回路とコイル間の電磁作用により、フ
ォーカス板ばね50とトラック板ばね60が撓んで、レ
ンズホルダー20がフォーカス方向(図1で示すZ軸方
向)及びトラック方向(図1で示すX軸方向)に駆動さ
れる。
【0042】レンズホルダー20がトラック方向に駆動
される場合、可動支持部40は、図2に示すように、ト
ラック板ばね60のY軸方向のほぼ中央に位置する点O
1を支点として、図示する矢印M1方向に回動する。可
動支持部40が回動すると、可動支持部40の溝部82
a,82bとダンピングプレート81のアーム部81
a,81bとの位置が相対的に移動する。溝部82には
ダンピング材83が充填されているので、溝部82a,
82bとアーム部81a,81bの相対的な位置ずれに
よりダンピング材83が圧縮,引張りとせん断を受ける
ことになる。これにより、レンズホルダー20はトラッ
ク方向に駆動されるが、駆動時に生じる振動はダンピン
グ材83によって制振吸収され、トラック板ばね60の
共振は抑えられる。
【0043】一方、レンズホルダー20がフォーカス方
向に駆動される場合は、図3に示すように、可動支持部
40がトラック板ばね60の中心点O2を支点として矢
印M2方向に回動することになる。ダンピングプレート
81のアーム部81aは、可動支持部40の溝部82に
対して、図示するZ軸方向にも浮いた状態となってお
り、かつ、その隙間にもダンピング材83が充填されて
いるので、可動支持部40が回動すると、ダンピングプ
レート81が図示する矢印M2方向に振動し、ダンピン
グ材83が圧縮と引張りを受ける。これにより、トラッ
ク板ばね60のZ軸方向に発生する副次共振について
も、ダンピング材83による制振作用が働き、減衰吸収
されることになる。
【0044】以上のように、本実施形態の対物レンズ駆
動装置によれば、トラック方向のf0における共振の低
減だけでなく、トラック,フォーカス両方向の副次的な
共振のダンピングにも効果的に作用し、光ディスク装置
においてはアクセスタイムの短縮や安定なサーボ特性が
実現できる。そして、従来、特に問題となっていたトラ
ッキング方向のf0における共振レベルを問題のないレ
ベルまで低減することができる。
【0045】図4は本実施形態による対物レンズ駆動装
置と従来の対物レンズ駆動装置の周波数特性を実際に測
定した結果である。この図に示すように、本実施形態の
対物レンズ駆動装置では、f0における共振レベルQ1
が、従来の対物レンズ駆動装置における共振レベルQ0
に比べ、約12dBほど小さく押さえられていることが
わかる。このことはアクセス時の加速度により発生する
対物レンズ駆動部の振動が従来より早期に収束すること
を意味する。
【0046】このように本実施形態の対物レンズ駆動装
置によれば、可動支持部と支持ベースとをダンピング手
段によって揺動可能に連結してあるので、ダンピング材
が圧縮と引張り方向、及びせん断方向に制振作用として
働き、特にトラック方向のf0での共振についても有効
に減衰吸収することができる。
【0047】これにより、トラック板ばねによる副次共
振や、トラック板ばねの中心を支点とするレンズホルダ
ー等のフォーカス方向への不要な共振を有効に減衰吸収
することができる。また、トラック板ばね自体は一枚の
金属板ばねとして形成してあり、弾性層等を設けていな
いので、従来ダンピング作用の不十分さにより実現でき
なかった支持部とトラック板ばねの一体成形が可能とな
り、可動支持部や支持ベースと一体的に形成することが
でき、製作作業の容易化や高効率,低コスト化等が可能
となる。
【0048】なお、本実施形態では、ダンピングプレー
トを固定支持部側に固着して、可動支持部側に揺動可能
に取り付けるようにしてあるが、これを反対にして、可
動支持部側に固着するとともに、固定支持部側に揺動可
能に取り付けるようにしても、同様の効果が得られる。
【0049】[第二の実施形態]次に、本発明の対物レ
ンズ駆動装置の第二の実施形態について説明する。図5
は、本発明の対物レンズ駆動装置の第一の実施形態を示
す可動支持部の一部断面背面図である。また、図6は、
図5に示す対物レンズ駆動装置における、可動支持部及
びダンピング手段を示す拡大底面図であり、図7は、同
じく可動支持部及びダンピング手段を示す拡大側面図で
ある。
【0050】これらの図に示すように、本実施形態にお
いては、基本的な対物レンズ駆動装置としての形状は第
一の実施形態とほぼ同一である。第一の実施形態との違
いは、第一の実施形態におけるダンピング手段80、す
なわち、ダンピングプレート81と可動支持部40に形
成した溝部82の代わりに、ダンピング手段90を設け
た点である。
【0051】本実施形態におけるダンピング手段90
は、図5〜図7に示すように、可動支持部40の底面か
ら、支持ベース10に向かって突設した一対の円柱状の
突起91a,91bと、この一対の突起91a,91b
が遊貫状態で係合するよう、支持ベース10側に形成し
た一対の穴部92a,92bと、この穴部92a,92
bに充填されて突起91a,91bを揺動可能に保持す
るダンピング材93とで構成してある。
【0052】突起91a,91bと穴92a,92b
は、図6に示すように、トラック板ばね60の回転中心
点O3に対し等距離に位置しており、突起91a,91
bと穴92a,92bの中心位置はほぼ一致している。
そして、この穴部92a,92bは、係合する突起9
1,91bが、穴内で移動できる径及び深さに形成して
ある。
【0053】ここで、穴部92a,92bの内径寸法と
突起91a,91bの外径寸法との隙間の大きさは、レ
ンズホルダー20のトラック方向への可動による可動支
持部40の変位量より大きくなるように形成してある。
なお、本実施形態においても、固定支持部30と、可動
支持部40、及びトラック板ばね60とは、一体的に形
成してある。
【0054】このような構成からなる本実施形態のダン
ピング手段90は、図6に示すように、点O3を中心に
可動支持部40が回動する際、ダンピング材93が91
a(91b)と92a(92b)の相対的な位置変動に
より圧縮と引張りを受け、トラック板ばね60のY軸上
の点Oを支点とするM3方向に制振作用が働く。さら
に、図7に示すように、可動支持部40の点O4を中心
に発生するM4方向の副次共振に対しても、ダンピング
材にせん断方向の制振作用が働く。
【0055】このように、本実施形態の対物レンズ駆動
装置においても、レンズ駆動の際に生じる副次共振を有
効に低減することが可能となり、第一の実施形態の場合
と同様、図5に示した周波数特性の測定結果が得られ
る。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明の対物レンズ
駆動装置によれば、レンズ駆動時におけるレンズホルダ
ー及びこれを支持する板ばね等の振動を有効に減衰吸収
し、特にトラック方向の固有振動数f0の共振レベルを
低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対物レンズ駆動装置の第一の実施形態
を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す対物レンズ駆動装置のおける、可動
支持部及びダンピング手段を示す拡大平面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】本発明の対物レンズ駆動装置と従来の対物レン
ズ駆動装置の周波数特性を実際に測定した結果を示すグ
ラフである。
【図5】本発明の対物レンズ駆動装置の第二の実施形態
を示す、可動支持部の一部断面背面図である。
【図6】図5に示す対物レンズ駆動装置における、可動
支持部及びダンピング手段を示す拡大底面図である。
【図7】図5に示す対物レンズ駆動装置における、可動
支持部及びダンピング手段を示す拡大側面図である。
【図8】従来の対物レンズ駆動装置を示す全体斜視図で
ある。
【図9】図8に示す従来の対物レンズ駆動装置における
トラック板ばねの取付部分を示す拡大平面図である。
【図10】従来の他の対物レンズ駆動装置におけるトラ
ック板ばねの取付部分を示す拡大平面図である。
【図11】図10に示す従来の対物レンズ駆動装置にお
けるトラック板ばねを示す分解平面図である。
【符号の説明】
1…対物レンズ 10…支持ベース 20…レンズホルダー 30…固定支持部 40…可動支持部 50…フォーカス板ばね 60…トラック板ばね 70…接着剤 80…ダンピング手段 81…ダンピングプレート 82…溝部 83…ダンピング材 90…ダンピング手段 91…ダンピングプレート 92…溝部 93…ダンピング材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気回路を備えた支持ベースと、トラッ
    キングコイル及びフォーカスコイルを備え、対物レンズ
    を保持するレンズホルダーと、前記支持ベースにトラッ
    ク板ばねを介してトラッキング方向に回動可能な状態で
    取り付けられた可動支持部と、前記レンズホルダーと前
    記可動支持部とをフォーカス方向に回動可能な状態で連
    結するフォーカス板ばねと、を備え、前記レンズホルダ
    ーが、前記磁気回路と前記各コイルとの電磁作用により
    トラッキング方向及びフォーカス方向に駆動される対物
    レンズ駆動装置において、 前記可動支持部を前記支持ベースに揺動自在に連結する
    ダンピング手段を備え、このダンピング手段が、 一側が前記支持ベースに固定されるとともに、他側が前
    記可動支持部に取り付けられるダンピングプレートと、 このダンピングプレートの他側が移動自在に係合する前
    記可動支持部に形成された溝部と、 この溝部に充填されて、前記ダンピングプレートの他側
    を揺動可能に保持するダンピング材と、からなる ことを
    特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】 磁気回路を備えた支持ベースと、トラッ
    キングコイル及びフォーカスコイルを備え、対物レンズ
    を保持するレンズホルダーと、前記支持ベースにトラッ
    ク板ばねを介してトラッキング方向に回動可能な状態で
    取り付けられた可動支持部と、前記レンズホルダーと前
    記可動支持部とをフォーカス方向に回動可能な状態で連
    結するフォーカス板ばねと、を備え、前記レンズホルダ
    ーが、前記磁気回路と前記各コイルとの電磁作用により
    トラッキング方向及びフォーカス方向に駆動される対物
    レンズ駆動装置において、 前記可動支持部を前記支持ベースに揺動自在に連結する
    ダンピング手段を備え、 このダンピング手段が、 一側が前記可動支持部に固定されるとともに、他側が前
    記支持ベースに取り付けられるダンピングプレートと、 このダンピングプレートの他側が移動自在に係合する前
    記支持ベースに形成された溝部と、 この溝部に充填されて、前記ダンピングプレートの他側
    を揺動可能に保持するダンピング材と、からなることを
    特徴とする 対物レンズ駆動装置。
  3. 【請求項3】 磁気回路を備えた支持ベースと、トラッ
    キングコイル及びフォーカスコイルを備え、対物レンズ
    を保持するレンズホルダーと、前記支持ベースにトラッ
    ク板ばねを介してトラッキング方向に回動可能な状態で
    取り付けられた可動支持部と、前記レンズホルダーと前
    記可動支持部とをフォーカス方向に回動可能な状態で連
    結するフォーカス板ばねと、を備え、前記レンズホルダ
    ーが、前記磁気回路と前記各コイルとの電磁作用により
    トラッキング方向及びフォーカス方向に駆動される対物
    レンズ駆動装置において、 前記可動支持部を前記支持ベースに揺動自在に連結する
    ダンピング手段を備え、 このダンピング手段が、 前記可動支持部から突設された突起と、 この突起が遊貫状態で係合する前記支持ベースに形成さ
    れた穴部と、 この穴部に充填されて、前記可動支持部の突起を揺動可
    能に保持するダンピング材と、からなることを特徴とす
    対物レンズ駆動装置。
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