JP4106723B2 - 反射防止フィルタ用コーティング組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は反射防止フィルタ用コーティング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
CRT、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー、プロジェクションテレビ、フィールドエミッションディスプレーなどの各種表示装置の表面あるいは前面には、表示装置の鮮明性向上や輝度アップを図るため、光の干渉を利用した反射防止加工が施されたプラスチックフィルム、プラスチックシートおよびガラスなどの透明な基材が、反射防止フィルタとして用いられている。
【0003】
これらの反射防止加工は基材表面に基材と屈折率の異なる1層以上の薄膜をもうけることでなされるが、従来は蒸着法による加工が主流であった。しかしながら近年の表示装置の大型化や形状複雑化にともない、蒸着法ではそのコストが著しく高価であったり、物理的に製造できない場合もあり、これらに変わる反射防止加工技術の開発が望まれていた。
【0004】
そのような状況のなかで近年、低屈折率特性を有する溶剤可溶性フッ素樹脂を適当な溶媒に溶解し、ディップコートなど汎用の塗工方法により、反射防止加工を実施する方法が提案されている(特開平2−19801)。この方法は大型板にも適用が容易であり、かつ低コストで加工可能であるため、蒸着法に変わりうる方法である。
【0005】
しかしながら、この方法で得られる反射防止層は、ふき取りなどの負荷に対して、基材と反射防止層の密着性が劣ることに起因する剥離や傷が発生し、初期の性能が損なわれる場合がある。
【0006】
この問題を解決するため、基材表面の前処理を実施したり(特開平4−326965)、自己修復性と耐擦傷性を有する樹脂層と反射防止層を有する反射防止フィルムを得て、これを基材または成形体表面に貼合せて反射防止フィルタを得る方法が提案されている(特開平7−168005)。これらは、いずれも反射防止層と基材との密着性を向上させ、ふき取りなどの負荷に対しての耐久性を持たせることがねらいである。
【0007】
また、一方基材に溶剤可溶性フッ素樹脂を塗布したのち、そのフッ素樹脂層の上層に、潤滑性を有するシリコンオイルなどからなる極薄膜のオーバーコートを施し、フッ素樹脂表面の潤滑性を向上させ耐摩耗性を向上させる方法(特開平7−70344、特開平8−142280など)も提案されている。これらの方法はフッ素樹脂の摩擦抵抗を低下させることにより、ふき取りなどの負荷を実質的に軽減させることがねらいである。
【0008】
しかしながら基材の前処理法では、煩雑な処理が必要であったり、基材の耐熱温度にかかわらず高温下で一定時間以上の熱処理を必要とする。したがって、基材によっては変形や割れを招く場合があった。
【0009】
一方、自己修復性と耐擦傷性を有する樹脂層を用いる方法でも、この層の形成が事前に必要であり、コスト的に高価になるなどの不利が生ずる。
【0010】
また、オーバーコート層をもうける方法ではオーバーコート塗布の余分な工程が必要となるばかりでなく、オーバーコート処理剤やオーバーコート処理法を誤れば反射防止の効果を著しく阻害する場合がある。
【0011】
これらの改良法として、シリコーンオイルを溶剤可溶性フッ素樹脂中に配合する方法が提案されている(特開平8−176493)。この方法は特殊な前処理や工程増がなく非常に合理的な手法であるが、本質的に非相溶なシリコーンオイルを混合するため混合助剤を必要とするだけでなく、塗膜にした場合は相分離により白濁が発生し反射防止性能が損なわれる。それらを防ぐために、フッ素樹脂の官能基とシリコンオイルを反応させ固定する手法もとられているが、その場合にはフッ素樹脂と基材との反応部位がなくなるため基材との密着性が低下したり、場合によってはゲル化などを起こし塗工液の保存安定性を低下させるという欠点を有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術が有する前述の欠点を解消しようとするものである。すなわち、本発明は安価で加工性に優れた反射防止層などを密着性良く光学物品に形成しうる反射防止フィルタ用コーティング組成物を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、官能基を有しかつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体(a)、および数平均分子量2000〜10000のパーフルオロポリエーテルを含み、含フッ素重合体(a)100重量部に対するパーフルオロポリエーテルの割合が1〜15重量部であることを特徴とする反射防止フィルタ用コーティング組成物である。
【0014】
本発明において、含フッ素重合体(a)は、溶剤可溶性、塗布性、加工性、機械的強度などの観点から、フッ素含有量が40〜75重量%、特には50〜70重量%であるものが好ましい。
【0015】
含フッ素重合体(a)としては、含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを重合して得られる重合体や2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる重合体に官能基を導入したものなどが挙げられる。
【0016】
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するとは、脂肪族環を構成する炭素原子の1以上が主鎖を構成する炭素連鎖中の炭素原子であり、かつ脂肪族環を構成する炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子またはフッ素含有基が結合している構造を有していることを意味する。
【0017】
含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを重合して得られる、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特公昭63−18964などにより知られている。すなわち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを単独重合することにより、またこのモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0018】
また、2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−238111や特開昭63−238115などにより知られている。すなわち、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などのモノマーを環化重合することにより、またはこのようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0019】
また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーとを共重合することによっても、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0020】
含フッ素脂肪族環構造含有重合体は、含フッ素脂肪族環構造含有重合体の全重合単位に対して含フッ素脂肪族環構造を有する重合単位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有するものが透明性、機械的特性などの面から好ましい。
【0021】
上記の含フッ素脂肪族環構造含有重合体としては、具体的には下記一般式(1)〜(4)から選ばれる繰り返し単位を有するものが例示される。これらの含フッ素脂肪族環構造含有重合体中のフッ素原子は、屈折率を高めるために一部塩素原子で置換されていてもよい。
【0022】
【化1】
【0023】
[一般式(1)〜(4)において、hは0〜5の整数、iは0〜4の整数、jは0または1、h+i+jは1〜6、sは0〜5の整数、tは0〜4の整数、uは0または1、s+t+uは1〜6、p、q、rはそれぞれ独立に0〜5の整数、p+q+rは1〜6、R、R1 、R2 、X1 、X2 はそれぞれ独立にF、Cl、またはCF3 である。]
【0024】
本発明における含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとしては、下記一般式(5)〜(7)で表される化合物から選ばれるモノマーが好ましい。
【0025】
【化2】
【0026】
[一般式(5)〜(7)において、X3 〜X8 、R3 〜R8 はそれぞれ独立にF、ClまたはCF3 であり、R3 とR4 、R5 とR6 およびR7 とR8 は連結して環を形成してもよい。]
【0027】
一般式(5)〜(7)で表される化合物の具体例としては、式(11)〜(18)で表される化合物などが挙げられる。
【0028】
【化3】
【0029】
2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーとしては、下記一般式(8)〜(10)で表される化合物が好ましい。
【0030】
【化4】
【0031】
[一般式(8)〜(10)において、Y1 〜Y10、Z1 〜Z8 およびW1 〜W8 は、それぞれ独立にF、Cl およびCF3 から選ばれる。]
【0032】
一般式(8)〜(10)で表される化合物の具体例としては、以下の化合物などが挙げられる。
【0033】
【化5】
【0034】
含フッ素重合体(a)の官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、エステル結合を有する基、加水分解性シリル基、ニトリル基、イソシアナート基などが挙げられる。含フッ素重合体(a)中の官能基の数は含フッ素重合体(a)の数平均分子量1万〜500万当たり、1〜10個が好ましく、1〜5個がより好ましく、1〜2個がさらに好ましい。含フッ素重合体(a)とともに、官能基を有さずかつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体を併用してもよい。
【0035】
含フッ素重合体(a)に官能基を導入する方法としては、以下の方法などが挙げられる。
1)分子内にカルボキシル基、スルホン酸基などの官能基、またはこれらの前駆体基(例えばカルボキシル基の場合ではアシル基)を有する開始剤または連鎖移動剤の存在下で重合を行うことにより、含フッ素重合体の末端基にカルボキシル基、スルホン酸基などを導入する方法。
2)酸素存在下にて含フッ素重合体を高温処理することにより、含フッ素重合体の側鎖または末端を酸化分解せしめ、次いでこれを、水もしくはアルコール処理してカルボキシル基またはエステル結合を有する基を導入する方法。
【0036】
3)メチル パーフルオロ(5−オキサ−6−ヘプテノエート)などのカルボン酸誘導体基を有するモノマー、もしくはスルホン酸基、スルホン酸誘導体基を有するモノマーを共重合させて含フッ素重合体の側鎖に官能基を導入する方法。
4)1)〜3)の方法にて導入した官能基を公知ないし周知の方法により他の官能基に変換する方法。
【0037】
含フッ素重合体(a)の数平均分子量は1万〜500万が好ましく、4万〜100万がより好ましい。
【0038】
パーフルオロポリエーテルは、数平均分子量2000〜10000であり、含フッ素重合体(a)との相溶性が良好であるものが好ましい。この相溶性は溶解性パラメータ(δ)を一つの尺度として評価でき、含フッ素重合体(a)とパーフルオロポリエーテルとの溶解性パラメーターの差が2.5(cal/cm3 )1/2 以内であることが好ましい。より好ましい溶解性パラメーターの差は2.0(cal/cm3 )1/2 以内である。パーフルオロポリエーテルの分子量を低くすることにより、またパーフルオロポリエーテルのフッ素含有量を高くすることにより、溶解性パラメーターの差を小さくできる。
【0039】
この範囲を越えると、含フッ素重合体(a)との混合時に相分離を起こし、重合体混合物が白濁し、ヘイズや散乱の原因となり高透明性を要求される光学用途向けには好ましくない。ここで溶解性パラメーター(δ)とは、物質の凝集エネルギーをE、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2 で表される。含フッ素重合体(a)は、その溶解性パラメーターが6〜7(cal/cm3 )1/2 の範囲となるものから選定することが好ましい。
【0040】
含フッ素重合体(a)の低屈折率性を生かすためには、パーフルオロポリエーテルはより低分子量であることが好ましく、またパーフルオロポリエーテルのフッ素含量が45%重量以上であることが含フッ素重合体(a)との相溶性が高まるため好ましい。
【0041】
また、パーフルオロポリエーテルとしては含フッ素重合体(a)のガラス転移点を低下させるものが好ましい(以下、ガラス転移点をTg と略す)。この場合において、本発明の反射防止フィルタ用コーティング組成物により形成された塗膜のTg が1点で有ることが好ましい。Tg が2点以上あることは、含フッ素重合体(a)とパーフルオロポリエーテルの相分離が発生していることを意味するため、好ましくない。
【0042】
Tg の低下は、含フッ素重合体(a)の溶融温度を大幅に低下させるため、同一温度で比較した場合、含フッ素重合体(a)単独で塗膜を形成する場合に比較して、基材への密着性が大幅に向上する。
【0043】
形成された塗膜の好ましいTg の範囲としては、含フッ素重合体(a)のTg 未満から含フッ素重合体(a)のTg −30℃である。より好ましくは、上記の条件を満足するTg が70〜130℃の範囲に入るものである。ガラス転移温度が70℃未満になる場合は実用上、塗膜の耐熱性や耐久性に悪影響を与え、屋外や自動車内などの高温下での使用において長時間の使用に耐えないものとなる。一方その温度が130℃を超える場合は、アクリル樹脂などの熱変形温度の低い基材に形成される塗膜としては好ましくない。
【0044】
【0045】
パーフルオロポリエーテルの末端基としては、含フッ素重合体(a)の官能基と反応性が無いかまたは少ないものが好ましい。
【0046】
含フッ素重合体(a)との相溶性に優れ、Tg 低下の効果が大きく、基材への密着性が良好となることからパーフルオロポリエーテルが好ましい。
【0047】
パーフルオロポリエーテルとしては、下記一般式(1)〜(4)にて表されるものが好ましい。
【0048】
【化6】
ただし、X1 、X3 は独立にCF3 、C2 F5 またはC3 F7 、X2 はFまたはCF3 、n1、n2、n3およびm1は1〜10の整数。X4 、X5 は独立にCF3 、C2 F5 またはC3 F7 、n4は1〜10の整数。n5は3〜50の整数、X6 はCF2 またはC=O、n6は1〜30の整数、m2、m3、m4は独立に2〜4の整数。
【0049】
パーフルオロポリエーテルの数平均分子量は、2000〜10000である。2000未満であると熱安定性が不充分であったり、成膜後加熱処理を実施する際に揮発したり、ブリードアウトを引き起こすなどのため好ましくない。一方10000を超えると含フッ素重合体(a)への溶解性が低下し、相分離を起こしやすくなるため、光の散乱などを招いたり、塗膜の強度を低下させるなどして好ましくない。
【0050】
含フッ素重合体(a)に対するパーフルオロポリエーテルの割合は、含フッ素重合体(a)100重量部に対し、パーフルオロポリエーテルが1〜15重量部である。塗膜の機械的強度の観点から含フッ素重合体(a)100重量部に対し、パーフルオロポリエーテルが、5〜10重量部であることがより好ましい。
【0051】
含フッ素重合体(a)とパーフルオロポリエーテルを同時に溶解させかつ本発明のコーティング組成物を基材に塗布するための溶媒としては、含フッ素重合体(a)とパーフルオロポリエーテルを溶解させるものであれば特に限定されない。
【0052】
例えば、パーフルオロオクタン、パーフルオロヘキサンなどのパーフルオロアルカン類、CF3 (CF2 )n CH=CH2 (n=5〜11の整数)などのパーフルオロアルキル置換エチレン類、CF3 (CF2 )n CH2 CH3 (n=5〜11)などのパーフルオロアルキル置換エタン類、パーフルオロベンゼン類、パーフルオロトリアルキルアミン類、パーフルオロ(アルキルヒドロフラン)類、Cn F2n+1OCm H2m+1(n=3〜12の整数、m=1〜3の整数、n>m)で表されるハイドロフルオロエーテル類、Cn F2n+1H(n=4〜12の整数)で表されるハイドロフルオロカーボンなどを挙げることができ、これらは1種単独でまたは2種以上の混合物として使用できる。
【0053】
本発明のコーティング組成物を基材に塗布する方法には通常の塗布方法が使用できる。例えばスプレー、刷毛塗り、ディップ、グラビア、コンマ、ダイコート法などが可能である。また、これらの塗工法は連続塗工が可能で、生産性の高い塗膜形成が可能であり好ましい方法である。塗膜の膜厚はおよそ0.01〜1μmが好ましく、0.05〜0.2μmがより好ましい。
【0054】
前記の方法で塗布した後は、溶媒を完全に蒸発させかつ、塗膜の密着性を挙げるため、塗膜を熱処理したり、遠赤外線照射、電子ビームなどの熱エネルギーを塗膜に与えるとよい。熱処理温度は基材の耐熱温度以下または含フッ素重合体(a)とパーフルオロポリエーテルの混合物のTg 以上が好ましい。
【0055】
本発明のコーティング組成物は直接塗布にて基材と強固に密着可能であるが、接着性改良用のプライマー層が基材上に塗布された場合でもなんら塗工において差し支えない。プライマーとしては、例えばアミノシラン、エポキシシランなどのカップリング剤、アミノ基またはエポキシ基含有のシリコーンオリゴマーを主成分とするプライマーなどが挙げられる。
【0056】
また、反射防止効果を高めるための高屈折率膜、例えばTiO2 、Sb2 O5 などの金属酸化物膜を有する基材上に本発明のコーティング組成物を塗布してもよい。また、本発明のコーティング組成物を塗布する前に塗布面(基材、プライマー層面または高屈折率膜面)に、コロナ放電処理、紫外線処理、オゾン処理などの活性エネルギー線処理を施してもよい。基材上には、自己修復性と耐擦傷性を有するポリウレタン樹脂層をさらに有していてもよい。
【0057】
本発明のコーティング組成物により形成される反射防止層を有する反射防止フィルタとしては、CRT、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー、プロジェクションテレビなどの表示装置用の反射防止フィルタが挙げられる。
【0058】
本発明のコーティング組成物により形成される塗膜は紫外線による劣化がないために、ペリクル膜などの光学物品を他の物品に接着するための接着剤としても利用できる。また、この塗膜は紫外線領域の光線透過率も高く、塗膜自身を自立膜として用いることもできる。自立膜としては、ペリクル膜などの紫外線領域の光学薄膜、反射防止自立膜などとして有用である。自立膜の膜厚は0.1〜10μmが好ましく、0.2〜2μmがより好ましい。
【0059】
本発明における反射防止フィルタの材質は限定されないが、反射防止フィルタとしての性質上、波長400〜700nmの可視光線を少なくとも85%以上透過する材質が好ましい。代表的なものとしてはアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。無機系材質としてはTiO2 の被覆膜、ガラスなどが挙げられる。
【0060】
これらの材質中には、公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料などを配合してもよい。さらに、樹脂表面、無機物表面にアルコキシシラン化合物、金属酸化物などの帯電防止層を設け、その上に本発明における反射防止膜を設けると、帯電防止と反射防止を兼ね備えた光学物品が得られる。
【0061】
本発明の反射防止フィルタとしては、密着性、耐摩耗性、耐擦傷性などと同時に反射防止性能が重要であることは言うまでもないが、反射防止層の特性としては、低反射であると同時に映像の鮮明性を向上させるために、反射防止層中で光が散乱しないことが重要である。この反射防止層中での散乱については、曇価が一つの指標となる。曇価については日本工業規格にて定められたC光源を用いて、全透過光に対する散乱光の割合で決定される数値である。本発明の反射防止層は、この曇価を、1%以下とすることができる。
【0062】
【実施例】
以下の例において、例1は合成例、例2、例6及び8は実施例、例4〜5は処方例、例10〜11は比較例、例3、7及び9は参考例である。
【0063】
「例1」
パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)の35g、イオン交換水の150gおよび重合開始剤として((CH3 )2 CHOCOO))2 の90mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。これを3回窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行った。
【0064】
その結果、環化重合体(以下、重合体Aという)を28g得た。重合体Aの固有粘度[η]は、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で0.2dl/gであった。重合体AのTg は108℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合体であった。また、10%熱分解温度は460℃であり、屈折率は1.34と低く、光線透過率は95%以上と高かった。
【0065】
重合体Aを300℃にて3時間熱処理し、次にイオン交換水中に浸漬し、130℃にて12時間処理した。その後、イオン交換水と重合体を分離し、重合体を真空下にて減圧乾燥し重合体(以下、重合体Bという)を得た。重合体Bの数平均分子量4万であった。
【0066】
重合体Bの赤外線吸収スペクトルを測定したところ−COOH基に帰属されるピークが確認された。重合体Bをパーフルオロオクタンに1.5重量%で溶解した溶液(以下、溶液Cという)を調製した。
【0067】
「例2」
溶液Cに、重合体Bとの溶解性パラメーターの差が1.0(cal/cm3 )1/2 であるパーフルオロポリエーテル「CF3 [(OCF2 CF2 )3 −(OCF2 ]10OCF3 」を重合体B100重量部に対して11重量部添加した溶液(以下、溶液Dという)を得た。重合体Bと前記パーフルオロポリエーテルの混合物のTg は80℃であった。一方、溶液Dの外観は溶液Cと変わらず透明でゲル化、白濁などの異変は無かった。
【0068】
「例3」
溶液Cに、重合体Bとの溶解性パラメーターの差が1.4(cal/cm3 )1/2 である、数平均分子量2000で両末端CF3 −のクロロトリフルオロエチレンオリゴマーを重合体B100重量部に対して11重量部添加した溶液(以下、溶液Eという)を得た。重合体Bと前記パーフルオロポリエーテルの混合物のTg は80℃であった。一方、溶液Eの外観は溶液Cと変わらず透明でゲル化、白濁などの異変は無かった。
【0069】
「例4」
シリコーンプライマーPCー7A(信越化学工業社製商品名)1重量部をジクロロペンタフルオロプロパン100重量部に溶かし、プライマー(以下、プライマーAという)を得た。
【0070】
「例5」
縦10cm×横10cm×厚さ3mmのデラグラス(旭化成社製アクリル樹脂製板の商品名、以下アクリル板Aという)をプライマーAに浸漬後、垂直に200mm/分の速度で引き上げ、60℃で10分加熱してアクリル板Aの両面にプライマーAをコートしてアクリル板(以下、アクリル板Bという)を得た。このときのプライマーの膜厚は10nmであった。
【0071】
「例6」
アクリル板Aを中性洗剤DKビークリア(第一製薬社製商品名)にて洗浄した後、イオン交換水でリンス洗浄し乾燥させた。このアクリル板Aを溶液Dに浸漬後、垂直に180mm/分の速度で引き上げ、80℃で30分加熱して厚さ104nmの反射防止層を有するアクリル板Aを得た。波長400〜700nmの可視光線の平均反射率(以下、平均反射率と略す)は、この反射防止層有するアクリル板Aの場合1.0%であり、アクリル板Aの場合4.0%であった。
【0072】
「例7」
例7と同様に洗浄乾燥したアクリル板Aを溶液Eに浸漬後、垂直に180mm/分の速度で引き上げ、80℃で30分加熱して厚さ103nmの反射防止層を有するアクリル板Aを得た。この反射防止層有するアクリル板Aの平均反射率は1.0%であった。
【0073】
「例8」
アクリル板Bを溶液Dに浸漬後、垂直に180mm/分の速度で引き上げ、80℃で30分加熱して厚さ103nmの反射防止層を有するアクリル板Bを得た。この反射防止層を有するアクリル板Bの平均反射率は1.0%であった。
【0074】
「例9」
アクリル板Aを例6と同様に洗浄乾燥し、それを表面処理を施した酸化錫[SnO2 ](触媒化成社品)のコロイド状エタノール分散液中に浸漬後、垂直に180mm/分の速度で引き上げ、次に溶液Eに浸漬後、垂直に180mm/分の速度で引き上げ、80℃で30分加熱して反射防止層を有するアクリル板Aを得た。このときの酸化錫層の膜厚は150nm、溶液Eにより形成された塗膜層の膜厚は100nmであった。反射防止層を有するアクリル板Aの平均反射率は0.4%であった。
【0075】
「例10」
アクリル板Aを例6と同様に洗浄乾燥し、溶液Cに浸漬後、垂直に180mm/分の速度で引き上げ、80℃で30分加熱して反射防止層を有するアクリル板Aを得た。反射防止層の膜厚は103nmであった。反射防止層を有するアクリル板Aの平均反射率は1.0%であった。
【0076】
「例11」
溶液C1000重量部にシリコンオイル(信越化学工業社製商品名 KF868)1重量部と溶媒のジクロロペンタフルオロプロパン200重量部とを添加して充分に混合した。得られた混合溶液は、油状物質の分離はないものの、白濁していた。それを3日間放置しても白濁は消えなかった。
【0077】
この混合溶液中に例6と同様に洗浄乾燥したアクリル板Aを浸漬した後、垂直に180mm/分の速度で引き上げ、80℃で30分加熱して反射防止層を有するアクリル板Aを得た。反射防止層の膜厚は103nmであった。反射防止層を有するアクリル板Aの平均反射率は3.0%であった。例6〜11で作成した反射防止層を有するアクリル板の反射防止層の密着性、耐摩耗性、曇価を評価した結果を表1に示す。
【0078】
なお、密着性試験については碁盤目(1mm×1mm)にカットした後、セロハンテープによる剥離試験を実施し、摩耗試験についてはオズ社製のクリーニングペーパー(商品名ダスパー紙)を用いて摩耗試験機にかけた。曇価については、日本工業規格に記されるC光源を使用した、ヘイズメーターを用いて測定した。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】
本発明のコーティング組成物は、光学物品に反射防止層などを密着性良くかつ光学的特性を損なうことなく形成できる。光学物品の大型化や形状複雑化に対しても工程増や基材変形を招くことなく対応できる。加工温度を自由に調節できるため光学物品の設計に大きな自由度を持たせることができる。
【0081】
また、本発明における反射防止層はふき取りなどの負荷に対しての耐久性が高いなど、耐擦傷性、耐摩耗性に優れるものである。
Claims (2)
- 官能基を有しかつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体(a)、および数平均分子量2000〜10000のパーフルオロポリエーテルを含み、含フッ素重合体(a)100重量部に対するパーフルオロポリエーテルの割合が1〜15重量部であることを特徴とする反射防止フィルタ用コーティング組成物。
- 請求項1に記載のコーティング組成物により形成された塗膜層を有する反射防止フィルタ。
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