JP4100959B2 - 画像形成方法、画像形成プログラムおよび画像形成制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、画像形成方法に係り、とりわけ、インクジェットプリンタにおいて想定外の記録媒体(メディア)を使用する際に有意義な画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェットプリンタは、開発時に印刷対象とする記録媒体(メディア)をいくつか決定し、決定されメディアに対して各々最適となるように画像処理テーブルや画像補正処理手段を個別に作成して実装していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、画像処理テーブルもしくは画像処理手段を用意していない想定外の任意メディアに対しては、そのメディアのインク打込み量が不明のため、適切なインク打込み量の画像処理テーブルを選択することができなかった。
【0004】
その結果、不適切な画像処理テーブルを用いて画像を形成すると、インクが溢れたり、文字が滲んだり、あるいは一様な単色面がムラになったりといった好ましくないような画像形成がなされることがあった。
【0005】
そこで、本願発明は、想定外の記録媒体であっても、より好適なインク量を判断することが可能なテストパターンを画像形成する方法、プログラム及び当該画像形成によりテストパターンの形成された判読媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明は上記課題を解決すべく、
相互に隣接した色相が異なる複数の領域または単色面からなるテストパターンを発生するステップと、
それぞれ色の異なる複数のインクの総量であるインク打ち込み量をそれぞれ異ならしめた複数の前記テストパターンを記録媒体上に形成させるステップと、
前記記録媒体上のテストパターンと予め設定された画像データとを、比較手段により、比較するステップと、
前記比較結果に基づき、前記記録媒体上に形成された前記複数のテストパターンのうち相対的ににじみが少なかったテストパターンのインク打込み量を、第1判定手段により、判定するステップと、
前記判定されたインク打込み量に対応する色分解テーブルを、インク打込み量がそれぞれ異なる複数の色分解テーブルから、第1選択手段により、選択するステップと、
前記選択された色分解テーブルにおける前記記録媒体の色再現空間の大きさを、第2判定手段により、判定するステップと、
前記記録媒体の色再現空間の大きさに対応するマッチングテーブルを、第2選択手段により、色再現空間の大きさがそれぞれ異なる複数のマッチングテーブルから選択するステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法を提供する。
【0007】
このような構成により、より好適なインク量を判断することが可能なテストパターンを記録した判定媒体を提供すること可能となる。この判定媒体を用いれば、想定外の記録媒体を用いても、インクの「にじみ」や「むら」を低減するのに利用できよう。
【0008】
ここで、
前記色材は、例えば、染料インクや顔料インクなどのインクである。
前記複数のテストパターンが形成された記憶媒体から、制御部またはユーザが前記適性なインク打ち込み量を判定するようにしてもよい。
【0009】
また、
前記テストパターンは、例えば、インクの「にじみ」状態及び「むら」状態のうち少なくとも一方を目視できるように設定されたテストパターンである。
【0010】
また、
前記テストパターンにおいて、例えば、前記インクの「にじみ」状態を目視するためのパターンは、相互に隣接した色相が異なる複数の領域を含む。
【0011】
また、
前記テストパターンにおいて、前記インクの「むら」状態を目視するためのパターンは、実質的に一様な単色面を含んでもよい。
【0012】
また、前記テストパターンとともに、インクの打ち込み量に関する情報も前記記録媒体上に形成してもよい。
【0013】
このようにすれば、インクの打ち込み量の指標自体も同一メディア上に印刷されているので、ユーザは、容易に好適なインクの打ち込み量を判別できる。
【0014】
さらに、本願発明によれば、上記画像形成方法によりテストパターンが形成された記録媒体が提供される。
【0015】
さらに、本願発明によれば、
インクを用いて画像が形成される記録媒体上において、色相の異なる複数の隣接領域でのインクの「にじみ」状態又は一様な単色面でのインクの「むら」状態の少なくとも一方を目視できるよう設定されたテストパターンを、それぞれ異なる量の複数のインク量でもって、同一記録媒体上に配置されることを特徴とするインク打込み量の判定媒体が提供される。
【0016】
さらに、インク打込み量を数値情報として記録すれば、ユーザは用意に好適な打ち込み量をみつけることができよう。
【0017】
さらに、本願発明によれば、
相互に隣接した色相が異なる複数の領域または単色面からなるテストパターンを発生するステップと、
それぞれ色の異なる複数のインクの総量であるインク打ち込み量をそれぞれ異ならしめた複数の前記テストパターンを記録媒体上に形成させるステップと、
前記記録媒体上のテストパターンと予め設定された画像データとを、比較手段により、比較するステップと、
前記比較結果に基づき、前記記録媒体上に形成された前記複数のテストパターンのうち相対的ににじみが少なかったテストパターンのインク打込み量を、第1判定手段により、判定するステップと、
前記判定されたインク打込み量に対応する色分解テーブルを、インク打込み量がそれぞれ異なる複数の色分解テーブルから、第1選択手段により、選択するステップと、
前記選択された色分解テーブルにおける前記記録媒体の色再現空間の大きさを、第2判定手段により、判定するステップと、
前記記録媒体の色再現空間の大きさに対応するマッチングテーブルを、第2選択手段により、色再現空間の大きさがそれぞれ異なる複数のマッチングテーブルから選択するステップと、
をコンピュータに実行させるための画像形成プログラムが提供される。
なお、前記複数のテストパターンが形成された前記記憶媒体から、前記コンピュータまたはユーザが前記適性なインク打ち込み量を判定できるようにするために、前記画像形成プログラムは、前記複数のテストパターンを前記記憶媒体に形成するようにしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本願発明の一実施形態を示す。もちろん以下の実施形態は、本願発明の技術分野における当業者による実施を容易にするために開示を提供するものであり、特許請求の範囲によって確定される本願発明の技術的範囲に含まれるほんの一部の実施形態にすぎない。従って、本願明細書に直接的に記載されていない実施形態であっても、技術思想が共通する限り本願発明の技術的範囲に包含されることは当業者にとって自明であろう。
【0019】
なお、便宜上複数の実施形態を記載するが、これらは個別に発明として成立するだけでなく、もちろん、複数の実施形態を適宜組み合わせることでも発明が成立することは、当業者であれば容易に理解できよう。
【0020】
図1は、本実施形態に係る画像形成システムのハードウエア構成の一例を示す図である。画像処理装置100は、パーソナルコンピュータなどである。CPU101は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム及びドバイスドライバなどを実行することにより、画像処理装置100の各部を統合的に制御する中央演算処理装置である。RAM102は、CPU100のワークエリアを提供するメモリである。ROM103は、BIOSなどの起動プログラムなどを格納するメモリである。HDD104は、ハードディスクドライブなどの固定記憶装置であり、アプリケーションプログラム、オペレーティングシステム及び各種ドライバプログラムなどのコンピュータプログラムに加え、テストパターン画像などの画像データなども記憶する。通信IF105は、USB、IEEE1394、有線LAN又は無線LANなどの外部の装置とデータ通信を行うためのインタフェースである。表示IF106は、外部又は内部に接続される表示装置109に画像情報などを表示制御するための制御部である。操作部107は、ポインティングデバイスやキー入力デバイスなどの入力デバイスである。プリンタ108は、インクジェット方式やレーザービーム方式により画像をメディア上に形成する画像形成装置である。表示装置109は、画像データなどを表示するための液晶ディスプレイなどである。
【0021】
図2は、画像処理装置100のソフトウエア構成の一例を示す図である。図1及び図2を用いて、印刷出力する際の流れについて説明する。印刷出力を行うプリンタ108としては一般的に普及しているインクジェットプリンタ等を用いることができる。出力画像データを印刷出力するときには、アプリケーション202からOS201に印刷出力要求を行う。例えば、グラフィックスデータ部分はグラフィックス描画命令で構成され、イメージ画像データ部分はイメージ描画命令で構成される出力画像を示す描画命令群をOS201に発行する。
【0022】
OS201はアプリケーションの出力要求を受け、出力プリンタに対応するプリンタドライバ208に描画命令群を発行する。プリンタドライバ208はOS201から入力した印刷要求と描画命令群を処理しプリンタ108で印刷可能な印刷データを作成してプリンタ108に転送する。プリンタ108がラスタープリンタである場合は、プリンタドライバ208では、OS201からの描画命令に対して順次画像補正処理を実行し、そして順次RGB24ビットページメモリに描画命令をラスタライズし、全ての描画命令をラスタライズした後にRGB24ビットページメモリの内容をプリンタ108が印刷可能なデータ形式、例えばCMYKデータへと変換して、プリンタ108に転送する。
【0023】
次に、図2を用いて、プリンタドライバ208で行われる処理を説明する。
画像補正処理部301は、OS201から入力した描画命令群に含まれる色情報に対して、画像補正処理を行う。この画像補正処理としては例えば、RGB色情報を輝度・色差信号に変換し、輝度信号に対して露出補正処理を行い、補正された輝度・色差信号をRGB色情報に逆変換する。
【0024】
プリンタ用補正処理部302は、まず画像補正処理されたRGB色情報によって描画命令をラスタライズし、RGB24ビットページメモリ上にラスター画像を生成し、色再現空間マッピングを行うカラーマッチング処理、CMYKへの色分解処理、ガンマ補正処理、ハーフトーン処理をおこなって各画素に対してプリンタの色再現性に依存したCMYKデータを生成し、印刷可能となった画像データをプリンタ108に転送する。
【0025】
1.プリンタ用補正処理
図3は、プリンタドライバ208の内部処理構成を模式化した図である。プリンタ用補正処理部302における処理ついて詳細に説明する。図4は、プリンタ用補正処理部302の詳細ブロック構成の一例を示す図である。尚、以下においては説明の簡単のため、通常3次元で表される色空間を模式的に2次元で表現するものとする(図5等)。
【0026】
まず、画像補正処理部301により、明るさ、コントラスト及び色調などを整えられたRGB各8ビットの画像データが、プリンタ用補正処理部302内の画像信号入力部401に入力される。画像信号入力部401に入力されたRGB各8ビットの画像データは、表示装置109上で再現される色に対応している。例えば、均等色空間であるCIEL*a*b*表色系の座標値においては、(L_Monitor,a_Monitor,b_Monitor)という色を画像データは表している。
【0027】
ところが、図5からも分かるように、表示装置109の色再現空間とプリンタ108の色再現空間とは、例えばL*a*b*空間等の均等色空間上において一致してはいない。これは、図5に示されるプリンタの色再現空間外、かつ、表示装置の色再現空間内の領域(斜線部)はプリンタにおいて画像形成できないことになる。より具体的には、表示装置109上に表現された画像データに対して、後段の色分解処理部403でRGB−CMYK変換を実行し、出力γ補正処理部404で階調補正処理を施し、ハーフトーン処理部405で二値化処理を実行した後、画像出力部406に出力したとしても、画像形成の不可能な領域、即ちプリンタ108において表現不可能な色空間上の領域(斜線部)が発生してしまう。
【0028】
従ってプリンタ108側においては、表示装置109で再現可能で、且つプリンタ108で再現不可能な色空間上の領域(斜線部)について、擬似的な色(L*a*b*値)、即ち表示装置109の発色とは異なる擬似的な色を生成して印刷を行う必要がある。
【0029】
以下、均等色空間としてL*a*b*空間を、円筒座標H(=atan(b/a)),S(=sqrt(a*2+b*2)),V(=L*)に写したHSV空間を考え、該全空間について色空間圧縮を行う場合について説明する。ここで、atan(x)はxのアークタンジェントを求めるための関数である。また、sqrt(x)は、√xを求めるための関数である。
【0030】
2.カラーマッチング処理部
プリンタ用補正処理部302内のカラーマッチング処理部402においては、表示装置109の色再現空間(モニタガマット)において、プリンタ108で再現不可能な領域について圧縮を施すことにより、プリンタ108の色再現空間(プリンタガマット)内の点と対応付ける。即ち、カラーマッチング処理部402によって処理されたRGB各8ビットのデータは、プリンタ色再現空間上の点に対応したR'G'B'各8ビットのデータに変換される。
【0031】
具体的には、カラーマッチング処理部402においては、以下の手順に従って表示装置109のRGB色信号空間からプリンタ108のR'G'B'色信号空間への変換を行う。
【0032】
図4に示すカラーマッチング処理部402においては、L*a*b*空間上でモニタRGBによるガマットがプリンタR'G'B'ガマットの内側に入るように、例えば明度L*を保持したまま彩度S(=sqrt(a*×a*+b*×b*))を下げる等の処理を行うことにより圧縮する。この圧縮処理の例を図6に示す。
【0033】
図6は、彩度(S)方向へのガマット圧縮をSV平面において概念的に示す図である。該処理によって即ち、モニタRGB値に対応するプリンタガマット内のL*a*b*値の組が得られる。圧縮後のモニタガマットがプリンタガマットに収まるようになったら、例えば、色差ΔE(=sqrt((L*'−L*)2+(a*'−a*)2+(b*'−b*)2))が最小となるように、L*a*b*値をキーとして、モニタ(R,G,B)とプリンタ(R',G',B')の組を決定することで、モニタRGB値に対応するプリンタR'G'B'値を求めることができる。尚、カラーマッチング処理部402を、LUT(ルックアップテーブル)を使用して実現することももちろん可能である。
【0034】
本実施形態では記録媒体(メディア)の種類によりプリンタガマットの大きさが異なるためマッチングテーブル部407にメディア毎のLUTとして複数のマッチングテーブルを保持している。
【0035】
3.色分解処理部
次に、プリンタ用補正処理部302内の色分解処理部403における処理について説明する。
【0036】
色分解処理部403においては、カラーマッチング処理部402でプリンタ用のR'G'B'に変換された各色8ビットの信号を、プリンタのインク色に対応したCMYK各8ビットの信号値へと変換する。このR'G'B'からCMYKへの色信号の変換方法としては、例えばカラーマスキングによる方法が知られている。このカラーマスキングによる色変換方法を下式に示す。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】
これら数式を演算することにより、CMY値が得られる。尚、K(ブラック)の信号値の決定方法としては様々な方法がある。例えば、上記行列式における最右辺を、そのベクトル要素のそれぞれからK値を引いたベクトル[Dr−K Dg−K Db−K]tに置き換え、インク量に対応する各色信号値CMYが常に正または0であるという条件を利用してK値に拘束を加えつつ、試行鎖誤的にマスキングマトリクスを求めることにより、K値を決定することができる。尚、色分解処理部403は、LUTを使用して実現することももちろん可能である。
【0039】
本実施形態ではメディアの種類により適正インク量が異なるため色分解テーブル部408に、メディア毎のLUTとして複数の色分解テーブルを保持している。
【0040】
4.出力ガンマ補正処理部
次に、プリンタ用補正処理部302内の出力ガンマ補正処理部404における処理について説明する。
【0041】
出力ガンマ補正処理部404においては、入力画像の色信号をカラーマッチング処理部402及び色分解処理部403で順次変換して出力されたCMYK各8ビットデータを、後段のハーフトーン処理部405において処理可能でデータへと変換し、C'M'Y'K'各8ビットデータを出力する。ハーフトーン処理部405は、明度に対する非線形特性を補償すべく、インク別に一次元のLUTを用いた調整を行う。
【0042】
本実施形態では、メディアの種類により明度の非線形特性が異なるため、ガンマ補正テーブル部409にメディア毎のLUTとして複数のガンマ補正テーブルを保持している。
【0043】
5.ハーフトーン処理部
次に、プリンタ用補正処理部302内のハーフトーン処理部405における処理について説明する。
【0044】
ハーフトーン処理部405においては、入力画像の色信号をカラーマッチング処理部402、色分解処理部403及び出力ガンマ補正処理部404で順次変換され出力されたC'M'Y'K'各8ビットデータを、プリンタ108で印刷可能なC"M"Y"K"各2ビットデータへと変換する。
【0045】
このハーフトーン処理方法としては、入力されたC'M'Y'K'の画像に、例えばベイヤー型の16×16のマトリクスをそれぞれあてがい、このマトリクスの要素よりも対応する画像上の画素値が大きい場合には1、画素値が前記マトリクスの要素以下の場合には0とすることによって実現される。また、別のハーフトーン処理方法として誤差拡散法などを用いることもできる。
【0046】
このようにして得られたプリンタで印刷可能なC"M"Y"K"各2ビットデータはプリンタ108に送られ、メディア上に画像形成される。
【0047】
6.メディア別テーブル
メディアの種類別に用意されるテーブルは、マッチングテーブル部407、色分解テーブル部408及びガンマ補正テーブル部409にそれぞれ格納される。マッチングテーブル部407には、メディアの色再現空間(ガマット)の大きさや形状ごとにテーブルが用意される。また、色分解テーブル部408には、メディアのインク打込み量ごとにテーブルが用意される。そして、ガンマ補正テーブル部409には、メディアの特性ごとにテーブルが用意される。
【0048】
これら複数のテーブルの中から、印刷時に指定されるメディアの種類に対応するテーブルが選択される。
【0049】
7.対応メディアの追加
上述の画像形成システムにおいて、対応メディアを新規に追加するための処理について図7を用いて説明する。
【0050】
ステップS701:画像形成に用いられる色材の記録媒体への定着状態を判断するためのテストパターンを発生し、テストパターンの複数を、それぞれ異なる量の色材を用いて録媒体上に形成させる。具体的には、インク打込み量判定テストパターン(図8)の画像データを、追加対象のメディア上に画像形成する。例えば、HDD104に格納されているテストパターンの画像データを読み出し、読み出された画像データをプリンタドライバ208により画像処理し、対象メディアのセットされたプリンタ108によりテストパターンを画像形成する。
【0051】
ステップS702:インク打込み量判定テストパターンの形成されたメディアを目視し、追加メディアの適正インク打込み量を判定する。なお、不図示の画像読取装置に当該メディアを設定して読み取り、読み取られたテストパターンと、予め設定された「にじみ」状態に関する画像データとを比較することにより、好適なインク打ち込み量をCPU101が判定してもよい。
【0052】
ステップS703:色分解テーブル選択部410は、ステップS702で判定されたインク打込み量を、例えば、操作部107から入力する。入力されたインク打ち込み量に対応する色分解テーブルが色分解テーブル部408に存在すればステップS704に移行し、存在しなければステップS705に移行する。具体的には、各テーブルの識別情報と各テーブルのインク打ち込み量とを対応付けたデータベースを、RAM102やHDD104に格納しておき、入力されたインク打ち込み量と一致するテーブルを色分解テーブル選択部410が検索処理により抽出してもよい。
【0053】
ステップS704:色分解テーブル選択部410により選択された色分解テーブルを、追加メディアの色分解テーブルとして新たに色分解テーブル部408に登録する。
【0054】
ステップS705:テーブル作成部411は、ステップS702で判定されたインク打込み量に前後する色分解テーブルを2つ選択し、2つの色分解テーブルを補間演算することにより該当インク打込み量の色分解テーブルを生成し、追加メディア用の色分解テーブルとして新たに色分解テーブル部408に登録する。
【0055】
ステップS706:ガマット判定部412は、ステップS704もしくはステップS705で新たに登録された色分解テーブルにおける追加メディアの色再現空間(プリンタガマット)の大きさを判定する。
【0056】
ステップS707:マッチングテーブル選択部413は、ステップS706で判定された追加メディアの色再現空間の大きさに対応するマッチングテーブルを、マッチングテーブル部407から選択し、追加メディアのマッチングテーブルとして新たにマッチングテーブル部407に登録する。
【0057】
以上のステップにより新規の対応メディアの追加作業が行われる。
【0058】
8.インク打込み量判定テストパターン
インク打込み量判定テストパターンは、単色面、背景及び文字などの細線を組み合わせたものからなり、特定のガンマ補正テーブル下で、所定のインク打込み量となるよう調整されたCMYKの画像データである。この画像データは、特定のガンマ補正テーブルを設定された出力ガンマ補正処理部404に入力することにより印字出力される。
【0059】
テストパターンの単色面を用いて、メディアのインク吸収限界を判定することができる。例えば、インク打ち込み量がメディアの吸収限界を超えると、一様な単色面が「むら」となる。従って、この「むら」が単色面に存在すると、インクの打ち込み量が多すぎると判定できる。テストパターンの背景と文字などの細線を用いれば、インクの「にじみ」状態を判定することができる。例えば、細線がぼやけていたりすれば、インクが滲んでいることになろう。背景と文字の色の組み合わせとしては、RGBなどの2次色や、さらにKを加えた3次色を用い、それぞれが隣接するように配置すればよい。これにより、隣接する色の境界での「にじみ」を目視確認し判定する。
【0060】
図8は、テストパターンが表面に画像形成されたメディアの一例である。この例では、テストパターンの横に、各種打込み量(150%,175%,200%,225%,250%)をも画像形成している。このように、一枚のメディアに、それぞれ打ち込み量の異なる複数のテストパターンを形成しているので、メディアの適正インク打込み量を容易に目視で判断できよう。
【0061】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、色材としてインクを用いる場合を例に説明したが、トナーなど他の色材についても同様に本願発明を適用できることはいうまでもない。
【0062】
前述した実施形態の各機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても、本願発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本願発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本願発明を構成することになる。
【0063】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM,CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0064】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0065】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0066】
なお、本願発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体から、そのプログラムをパソコン通信など通信回線を介して要求者にそのプログラムを配信する場合にも適用できることは言うまでもない。
【発明の効果】
本発明によれば、専用の画像処理テーブルもしくは専用の画像処理装置を用意していない想定外の任意メディアに対しても、そのメディアのインク打込み量を判定することができ、適切なインク打込み量となる画像処理テーブルを選択できる。その結果、インク溢れ、文字のにじみ、及び、一様な単色面のムラといったような不具合を低減できよう。従って、従来よりも、満足な印刷結果をユーザは享受できるようになろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態に係る画像形成システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、画像処理装置100のソフトウエア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、プリンタドライバ208の内部処理構成を模式化した図である。
【図4】図4は、プリンタ用補正処理部302の詳細ブロック構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、プリンタの色再現空間と表示装置の色再現空間との相違を説明するための図である。
【図6】図6は、彩度(S)方向へのガマット圧縮をSV平面において概念的に示す図である。
【図7】図7は、新規に対応メディアを追加する際のフローチャートである。
【図8】図8は、例示的なインク打込み量判定テストパターンを示す図である。
【符号の説明】
401…画像信号入力部
402…カラーマッチング処理部
403…色分解処理部
404…出力ガンマ補正処理部
405…ハーフトーン処理部
406…画像信号出力部
407…マッチングテーブル部
408…色分解テーブル部
409…出力ガンマ補正テーブル部
410…色分解テーブル選択部
411…色分解テーブル作成部
412…ガマット判定部
413…マッチングテーブル選択部
Claims (9)
- 相互に隣接した色相が異なる複数の領域または単色面からなるテストパターンを発生するステップと、
それぞれ色の異なる複数のインクの総量であるインク打ち込み量をそれぞれ異ならしめた複数の前記テストパターンを記録媒体上に形成させるステップと、
前記記録媒体上のテストパターンと予め設定された画像データとを、比較手段により、比較するステップと、
前記比較結果に基づき、前記記録媒体上に形成された前記複数のテストパターンのうち相対的ににじみが少なかったテストパターンのインク打込み量を、第1判定手段により、判定するステップと、
前記判定されたインク打込み量に対応する色分解テーブルを、インク打込み量がそれぞれ異なる複数の色分解テーブルから、第1選択手段により、選択するステップと、
前記選択された色分解テーブルにおける前記記録媒体の色再現空間の大きさを、第2判定手段により、判定するステップと、
前記記録媒体の色再現空間の大きさに対応するマッチングテーブルを、第2選択手段により、色再現空間の大きさがそれぞれ異なる複数のマッチングテーブルから選択するステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。 - 前記テストパターンは、インクの「にじみ」状態及び「むら」状態のうち少なくとも一方を目視できるように設定されたテストパターンであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記テストパターンとともに、インクの打ち込み量に関する情報も前記記録媒体上に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載された画像形成方法。
- 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載された画像形成方法によりテストパターンが形成された記録媒体。
- 相互に隣接した色相が異なる複数の領域または単色面からなるテストパターンを発生するステップと、
それぞれ色の異なる複数のインクの総量であるインク打ち込み量をそれぞれ異ならしめた複数の前記テストパターンを記録媒体上に形成させるステップと、
前記記録媒体上のテストパターンと予め設定された画像データとを、比較手段により、比較するステップと、
前記比較結果に基づき、前記記録媒体上に形成された前記複数のテストパターンのうち相対的ににじみが少なかったテストパターンのインク打込み量を、第1判定手段により、判定するステップと、
前記判定されたインク打込み量に対応する色分解テーブルを、インク打込み量がそれぞれ異なる複数の色分解テーブルから、第1選択手段により、選択するステップと、
前記選択された色分解テーブルにおける前記記録媒体の色再現空間の大きさを、第2判定手段により、判定するステップと、
前記記録媒体の色再現空間の大きさに対応するマッチングテーブルを、第2選択手段により、色再現空間の大きさがそれぞれ異なる複数のマッチングテーブルから選択するステップと、
をコンピュータに実行させるための画像形成プログラム。 - 前記テストパターンは、インクの「にじみ」状態及び「むら」状態のうち少なくとも一方を目視できるように設定されたテストパターンであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成プログラム。
- 前記テストパターンとともに、インクの打ち込み量に関する情報も前記記録媒体上に形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5又は6に記載された画像形成プログラム。
- 請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載された画像形成プログラムを記録したコンピュータ可読媒体。
- 相互に隣接した色相が異なる複数の領域または単色面からなるテストパターンを発生する手段と、
それぞれ色の異なる複数のインクの総量であるインク打ち込み量をそれぞれ異ならしめた複数の前記テストパターンを記録媒体上に形成させる手段と、
前記記録媒体上のテストパターンと予め設定された画像データとを比較する手段と、
前記比較結果に基づき、前記記録媒体上に形成された前記複数のテストパターンのうち相対的ににじみが少なかったテストパターンのインク打込み量を判定する手段と、
前記判定されたインク打込み量に対応する色分解テーブルを、インク打込み量がそれぞれ異なる複数の色分解テーブルから選択する手段と、
前記選択された色分解テーブルにおける前記記録媒体の色再現空間の大きさを判定する手段と、
前記記録媒体の色再現空間の大きさに対応するマッチングテーブルを、色再現空間の大きさがそれぞれ異なる複数のマッチングテーブルから選択する手段と、
を含むことを特徴とする画像形成制御装置。
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