JP4099471B2 - 改善されたケーブルシール部を備えたプラグケーシング - Google Patents

Description

本発明は、プラグケーシング、特に規格化された（vorkonfektioniert）ケーブルの収容に適しているプラグケーシングに関する。

規格化されたケーブルは、その心線が既にコンタクトに結合されていて、このコンタクトが既に絶縁体内に配置されていてよいという特徴を有している。前記規格化されたケーブルは、例えば、現場で電気機器の配線を行うために使用される。この場合、ケーブルは空間的な状況に応じて、種々異なる方向で機器に案内されなければならない。ケーブルの接続に際して、コンタクトを備えた絶縁体はプラグケーシング内に嵌め込まれる。このプラグケーシングは、例えばケーブル出口方向に関して、空間的な状況に現場で適合されている。規格化された線路における問題は、既に設けられたコンタクトと絶縁体とに基づいて、ケーブルが軸方向でケーブルねじ固定部材もしくはケーブルシール部材を通って例えば閉じられたケーシング内に導入されることはできないことにある。その代わりに、開かれた状態でケーブルが両ケーシング部分間に嵌め込まれることができるように分離接合部が配置されている、少なくとも２つの部分から成るケーシングを使用することが必要である。同じような問題が、ケーシングを通るケーブル貫通部の領域におけるケーブルのシールに関して生じる。閉じたシールリングが使用されることができない。なぜならば、このシールリングは、絶縁体に被せ嵌められることができないからである。その代わりに、スリット付きのシールリングまたは複数の部分から成るシールリングが使用されなければならない。

複数の部分から成るケーシングと複数の部分から成るシールリングもしくはスリット付きのシールリングとにおける欠点は、特に比較的に高いＩＰ保護等級を達成したい場合に、汚れ侵入に対する高い信頼度のシールが、特別な手間および費用をかけることによってしか可能ではないことにある。

したがって本発明の課題は、規格化されたケーブルに備え付けられことができ、かつ僅かな手間および費用によってシール性に対する高い要求を守ることができるプラグケーシングを提供することである。

この課題を解決するために本発明の構成では、プラグケーシングにおいて、分離接合部に沿って互いに接触している第１のケーシング部分と第２のケーシング部分とが設けられており、当該プラグケーシングの内部から外側へ向かうケーブルのためのケーブル貫通部が設けられており、分離接合部がケーブル貫通部の領域に延びており、該ケーブル貫通部内に配置されているシール嵌入体が設けられており、該シール嵌入体がスリットを備えており、これにより、シール嵌入体が、規格化されたケーブルに被せ嵌められることができるようになっており、シール嵌入体が、該シール嵌入体のスリットが分離接合部に対してずらされているように配置されているようにした。この構成によって保証されるのは、内部に配置されたケーブルを備えたシール嵌入体が、両ケーシング部分のうちの一方のケーシング部分内に、このシール嵌入体が摩擦によって位置固定された状態に保たれる場所で、嵌入され得ることである。次いで、第２のケーシング部分が取り付けられることができ、堅固にねじ固定されることができる。これにより、シール嵌入体は、このシール嵌入体が良好にシールするように圧縮される。

本発明の有利な構成は、従属請求項から得られる。

以下に、本発明の有利な実施の形態を図面につき説明する。

図１にはプラグコネクタを示してある。このプラグコネクタはプラグケーシング５を有している。このプラグケーシング５内には複数のプラグコンタクトが収容されている。これらのプラグコンタクトは、ここでは、プラグコンタクトの周囲を取り囲んでいる絶縁体７によって覆い隠されている。プラグケーシング５内にはケーブル８が案内されている。このケーブル８の心線は、絶縁体７内のプラグコンタクトに結合されている。ケーブル８はケーブル貫通部９を通って案内される。このケーブル貫通部９の領域で、後で説明するシールが行われる。

ケーブル８は規格化されたケーブルであり、その心線は既に、絶縁体７内のプラグコンタクトに堅固に結合されている。このことから、プラグケーシング５が開かれなければならないことが結論される。なぜならば、そうでない場合には、ケーブルを絶縁体７と一緒にプラグケーシング内に装入することが不可能であるからである。図２に示してあるように、プラグケーシングは前記目的のために、第１のケーシング部分１０と第２のケーシング部分１２とから成っている。両ケーシング部分１０，１２は、周囲に沿って延びている（umlaufend）分離接合部１４（図７も参照）に沿って互いに接触していてよい。特に図７に示してあるように、分離接合部１４はケーシングの中央平面Ｍに対してごく僅かに片側へずらされている。このずれＶは、プラグケーシングの全最大幅の１０％よりも少ない。

ケーブル貫通部９は分離接合部１４によって２つの部分に分割される。両部分のうちの大きい方の部分は第１のケーシング部分１０内に存在し、小さい方の部分は第２のケーシング部分１２内に存在する。ケーブル貫通部９の、第１のケーシング部分１０内に存在する部分（特に図４参照）は、底部１６と２つの側壁１８とを備えてＵ字形に構成されている。各側壁１８には、突出しているウェブ２０が形成されている。このウェブ２０は、分離接合部１４に向けられた側に、この分離接合部１４に平行な端面壁２２を備えている。ウェブ２０は、さらに、底部１６に向けられた側では、側壁１８から底部１６への移行部の領域において終わっている。

第１のケーシング部分１０は、周囲に沿って延びているシール部材２４を備えている。このシール部材２４は分離接合部１４に沿って延びていて、さらにケーブル貫通部９の、第１のケーシング部分１０内に存在する部分を通って延びている。この場合、シール部材２４の露出している表面は、ケーブル貫通部９の輪郭に対応して延びていて、つまりウェブ２０において内側に向かって突出している。各側壁から分離接合部１４への移行部の領域では、シール部材２４は、ケーブル貫通部９の各側に、２つの予負荷付加部（Vorspannansatz）２６を備えている。両予負荷付加部２６は分離接合部を越えて突出していて、ケーブル貫通部９とは逆の側において斜め面取りされている。

ケーブル貫通部９には、プラグケーシング５の内部に向かってケーブルクランプ（Kabelschelle）２８が続いている。このケーブルクランプ２８によって、第１のケーシング部分１０内に対向受け（Widerlager）３０が形成されている。

ケーブル貫通部９の残りの部分は、第２のケーシング部分１２内に形成されている。ここにもＵ字形の凹部が設けられている。この凹部は底部と２つの側壁とを有している。さらに側壁には、ケーシング部分１０の場合のようにウェブ２０が設けられている。各側壁から分離接合部への移行部の領域には、斜めに延びていて相応に深くされている押圧面３２が、予負荷付加部２６を受容するために設けられている。

ケーブル貫通部９の領域におけるシールのために、ゴムから成っているシール嵌入体３４が設けられている。このシール嵌入体３４の材料は、シール部材２４のゴム材料よりも高い硬さを有している。シール嵌入体３４は、シール区分３６と緊締区分３８と、これらの区分３６，３８の間に位置するフランジ４０とから構成される。シール区分３６は、本来のケーブル貫通部９の領域において、両ケーシング部分１０，１２内のＵ字形の両凹部の間に配置されるために設けられている。シール区分３６は、ケーブル貫通部９と同様に、丸面取りされた角隅を備えたほぼ正方形の横断面を有している。シール区分３８は、ケーブルクランプ２８内に配置されるために設けられている。シール区分３８は丸い横断面を有している。フランジ４０は、第１および第２のケーシング部分１０，１２内のフランジ収容部４２内に収容されるために設けられている。フランジ４０も、丸面取りされた角隅を備えた正方形の横断面を有している。

シール嵌入体３４はスリット４４を備えている。このスリット４４は、正方形のシール区分の面のうちの１つの面の中央に配置されている。このスリット４４によって、規格化されたケーブル８にシール嵌入体３４が装着され得ることが可能になる。シール区分３６の、スリット４４が存在する面には、２つの溝４６が設けられている。両溝４６はそれぞれ丸面取りされた角隅の領域において始まっていて、十分な間隔を置いてスリット４４の手前で終わっている。つまりスリット４４の領域において、シール区分３６の壁厚は通常の厚さにとどまっている。溝４６は、シール区分３６の、図５には示されていない下方の面にも配置されている。したがって、シール嵌入体３４は、互いに垂直な２つの平面に対して対称的である。これらの平面のうちの第１の平面はスリット４４を通って延びており、両平面の交線は、シール嵌入体３４の中心軸線と一致し、ひいてはケーブル８の中心軸線とも一致する。

規格化されたケーブル８をプラグケーシング５内に取り付けるためには、まず、シール嵌入体３４がケーブルに被せ嵌められることができるまでスリット４４が曲げ広げられることによって、シール嵌入体３４がケーブル８に装着される。次いで、絶縁体７が、第１のケーシング部分１０内の、絶縁体７に対応配置された絶縁体収容部４８内に配置され、ケーブル８が、ケーブル貫通部９の、第１のケーシング部分１０内に存在する部分内に嵌め込まれる。この場合、シール嵌入体は、シール嵌入体３４のシール区分３６の、互いに反対の側に位置する溝内に両ウェブ２０が係合するように、側壁１８間で位置決めされる。この場合、分離接合部１４がケーシングの中心軸線Ｍに対して、ひいてはケーブル貫通部９の中心に対してもずらされているので、スリット４４は、両側壁１８のうちの一方の側壁の領域に存在する（図７参照）。このことは、シール嵌入体３４内に納められたケーブル８によって加えられ、かつスリット４４を拡開しようとする軽い押圧にもかかわらず、シール嵌入体３４が第１のケーシング部分１０内に正確に、かつ閉じられたスリット４４によって予め位置固定されることを保証する。次いで、シール嵌入体３４の緊締区分３８を押圧する金属クリップ５０が対向受け３０にねじ固定されることによって、ケーブルクランプ２８が完全に組み立てられることができる。これにより、ケーブルはケーシング１０内に位置固定されることができる。所望されるのならば、対向受け３０と金属クリップ５０とから成っているケーブルクランプ２８によって、ケーブル８が遮蔽されたケーブルである場合には遮蔽編組も接触接続されることができる。

最後に、第２のケーシング部分１２が第１のケーシング部分１０に取り付けられ、このケーシング部分１０にねじ固定される。この場合、初期状態における寸法がケーブル貫通部９の寸法よりもごく僅かに大きいシール嵌入体３４は、軽く圧縮される。これにより、シール嵌入体３４は予荷重によってケーブル貫通部９の側壁に接触する。加えられた圧力によって、シール嵌入体３４のスリット４４も押し合わせられるので、この場所でも良好なシールが得られる。この良好なシールは、前記周囲に沿って延びているシール部材２４によって完全にされる。このシール部材２４は、一方では両ケーシング部分間をシールし、他方では、押圧面３２と組み合わされた予負荷付加部２６に基づいて、シール嵌入体３４への移行部の領域において、特にスリット４４の側をシールする。この方式によって、ケーブル８とシール嵌入体３４との間で、かつ両ケーシング部分１０，１２間で、ついにはシール嵌入体と両ケーシング部分１０，１２との間でも、良好なシールが得られる。これにより、ＩＰ６５またはこれよりも高い、工業上適格な（industrietauglich）保護等級が達成されることができる。

本発明の、図示しない構成によれば、ウェブ２０は、所定の予荷重をスリット４４へもたらすことができるようにするために、第２のケーシング部分１２に設けられていてもよいであろう。

取り付けられたケーブルを備えた、本発明によるプラグケーシングの斜視図である。

図１のプラグケーシングの分解図である。

図１のプラグケーシングの両ケーシング部分の、図２の図示に対応する図である。

ケーシング部の細部の斜視図である。

シール嵌入体の拡大斜視図である。

図５のシール嵌入体が備え付けられた、図４のケーシング部分の斜視図である。

図３のＶＩＩ−ＶＩＩ平面に沿った、閉じられたプラグケーシングの概略的な断面図である。

符号の説明

５ プラグケーシング、 ７ 絶縁体、 ８ ケーブル、 ９ ケーブル貫通部、 １０ 第１のケーシング部分、 １２ 第２のケーシング部分、 １４ 分離接合部、 １６ 底部、 １８ 側壁、 ２０ ウェブ、 ２２ 端面壁、 ２４ シール部材、 ２６ 予負荷付加部、 ２８ ケーブルクランプ、 ３０ 対向受け、 ３２ 押圧面、 ３４ シール嵌入体、 ３６ シール区分、 ３８ 緊締区分、 ４０ フランジ、 ４２ フランジ収容部、 ４４ スリット、 ４６ 溝、 ４８ 絶縁体収容部、 ５０ 金属クリップ

Claims (17)

1. プラグケーシング（５）において、分離接合部（１４）に沿って互いに接触している第１のケーシング部分（１０）と第２のケーシング部分（１２）とが設けられており、当該プラグケーシング（５）の内室から外側へ向かうケーブル（８）のためのケーブル貫通部（９）が設けられており、分離接合部（１４）がケーブル貫通部（９）の領域に延びており、該ケーブル貫通部（９）内に配置されているシール嵌入体（３４）が設けられており、該シール嵌入体（３４）がスリット（４４）を備えており、これにより、シール嵌入体（３４）が、規格化されたケーブル（８）に被せ嵌められることができるようになっており、シール嵌入体（３４）が、該シール嵌入体（３４）のスリット（４４）が分離接合部（１４）に対してずらされているように配置されていることを特徴とするプラグケーシング。
2. 分離接合部（１４）が、当該ケーシング（５）の厚さの１０％よりも少ない分だけ、当該ケーシングの中央平面（Ｍ）に対してずらされている、請求項１記載のプラグケーシング。
3. 両ケーシング部分のうちの一方のケーシング部分（１０）が、周囲に沿って延びているシール部材（２４）を備えている、請求項１または２記載のプラグケーシング。
4. シール部材（２４）が、ケーブル貫通部（９）の、前記ケーシング部分（１０）内に存在する部分を通って延びている、請求項３記載のプラグケーシング。
5. シール部材（２４）が、斜め面取りされた２つの予負荷付加部（２６）を備えており、両予負荷付加部（２６）が、ケーブル貫通部（９）の領域において、互いに反対の側に位置する箇所に配置されていて、分離接合部（１４）を越えて突出している、請求項３または４記載のプラグケーシング。
6. 他方のケーシング部分（１２）が、斜めに配置された２つの押圧面（３２）を備えており、両押圧面（３２）によって、シール部材（２４）の予負荷付加部（２６）が、シール嵌入体（３４）に対して押圧されるようになっている、請求項５記載のプラグケーシング。
7. シール部材（２４）の材料が、シール嵌入体（３４）の材料よりも少ない硬さを有している、請求項３から６までのいずれか１項記載のプラグケーシング。
8. シール嵌入体（３４）がその外面に少なくとも２つの溝（４６）を備えており、これらの溝（４６）のうちの１つの溝が、スリット（４４）の一方の側に配置されていて、別の溝が、スリット（４４）の他方の側に配置されている、請求項１から７までのいずれか１項記載のプラグケーシング。
9. 両ケーシング部分のうちの少なくとも一方のケーシング部分（１０）が、ウェブ（２０）を備えており、該ウェブ（２０）が溝（４６）内に係合している、請求項８記載のプラグケーシング。
10. ウェブ（２０）が、他方のケーシング部分（１２）よりも大きい厚さを有しているケーシング部分（１０）内に配置されている、請求項９記載のプラグケーシング。
11. 分離接合部（１４）が、シール嵌入体（３４）のスリット（４４）と溝（４６）の端部との間で、ほぼ中央に存在する、請求項９または１０記載のプラグケーシング。
12. ケーブル貫通部（９）が、丸面取りされた角隅を備えた正方形の横断面を有している、請求項１から１１までのいずれか１項記載のプラグケーシング。
13. シール嵌入体（３４）が、スリット（４４）を除いて、互いに垂直である２つの平面に関して対称的であり、両平面の交線が、ケーブル貫通部（９）の中心軸線と一致しており、両平面のうちの一方の平面が、スリットを通って延びている、請求項１２記載のプラグケーシング。
14. ケーブル貫通部（９）が、分離接合部（１４）に対して垂直な方向で測定して、該方向におけるシール嵌入体（３４）の幅よりもほんの僅かに小さい、請求項１から１３までのいずれか１項記載のプラグケーシング。
15. スリット（４４）が、分離接合部（１４）に対して平行に延びている、請求項１から１４までのいずれか１項記載のプラグケーシング。
16. 両ケーシング部分のうちの一方のケーシング部分が、ケーブルクランプ（２８）を備えており、シール嵌入体（３４）が緊締区分（３８）を備えており、該緊締区分（３８）がケーブルクランプ（２８）内で緊締されることができるようになっている、請求項１から１５までのいずれか１項記載のプラグケーシング。
17. ケーブルクランプ（２８）が、ケーブル（８）の遮蔽編組を緊締することができるようになっている、請求項１６記載のプラグケーシング。

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