JP4096838B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高速・低損失であるだけでなく、ソフトリカバリー特性をも兼ね備えたダイオードまたはIGBTとそれらの製造方法に関するものである。
現在広く用いられている図16に示すpinダイオード(従来例B)は、オン状態からオフ状態にスイッチするとき(逆回復時)には、過渡的に大きな逆向きの電流がダイオードに流れる。これを逆回復電流というが、この逆回復時ダイオードに、定常的な状態よりも大きな電気的損失が生じる。この損失を小さくし、高速化することが、ダイオードの特性として強く要求される。さらに、この逆回復時ダイオード内部には、定常状態の場合に比べて高い電気的責務が生じる。ダイオードに流れる定常電流を大きくしたり、阻止状態の電圧を大きくすると、この電気的責務が大きくなり、そのためダイオードが破壊することがある。電力用途のダイオードにおいて高い信頼性を保証するためには、この逆回復耐量を、定格よりもはるかに大きくすることが強く要求される。
現在、pinダイオードの逆回復特性および耐量を改善するための対策として、重金属拡散や電子線照射などを用いた少数キャリアのライフタイム制御が広く適用されている。すなわち、ライフタイムを小さくすることで、定常状態における総キャリア濃度が低減されるため、逆回復中に空間電荷領域の広がりで掃き出されるキャリア濃度が減少し、逆回復の時間や逆回復ピーク電流、逆回復電荷を小さくすることができ、逆回復損失を低減できる。また、ホールが空間電荷領域を走り抜けることによる逆回復中の電界強度も、そのホール濃度の減少により緩和されるため、責務が小さくなり逆回復耐量が向上する。
一方、ダイオードのソフトリカバリー化も重要な課題である。近年環境問題などにより、パワーエレクトロニクス機器から発生する電磁ノイズの低減が要求されており、その対応策の一つに、ダイオード逆回復をソフトリカバリーにして、発振等ノイズの原因を抑えることがある。ソフトリカバリー化の手段としては、アノード側からの少数キャリア注入効率を低くするとよい。この手段で代表的には、Merged Pin/Schottky Diode(MPS)(非特許文献1参照)やSoft and Fast recovery Diode(SFD)(非特許文献2参照)などがある。このMPSダイオードは、pinダイオードのアノード層がp領域とショットキー領域とで構成されている。
逆回復動作の高速・低損失特性とソフトリカバリー特性の間には、トレードオフの関係がある(非特許文献3参照)。即ち、ソフトリカバリーにするには、特にカソード側に少数キャリアを多く蓄積させ、逆回復時に空間電荷領域がアノード側からカソード側に向かって広がる時に、できるだけカソード側少数キャリアを残すことで、アノード電流の減少率dir/dtを小さくする。しかしながらそのために、逆回復損失が増加し、逆回復の終了までに時間を要する。一方、反対に、高速低損失逆回復にするということは、オン時にドリフト層に蓄積する少数キャリアを少なくすることであるが、そのためにいわゆるスナッピーな逆回復(ハードリカバリー)となり、電圧、電流ともに発振する場合がある。
例えば、非特許文献6に示されているように、逆回復過程が終了する前にn- ドリフト層内の余剰キャリアが消滅すると、dir/dtが急激に増加するため、ダイオードのアノード・カソード電圧Vakもそれに伴って増加してサージ電圧が発生する。このサージ電圧は、素子内部に電界集中を引き起こすため、素子耐圧破壊をもたらす。更にそのサージ電圧がトリガーとなり、振動波形となる。この振動波形が、インバータ等の電力変換装置からの放射ノイズの発生源となる。従って、逆回復時には、ダイオードが電流阻止の定常状態に達するまでの途中で余剰キャリアが消滅しないようにしなければならない。
また、素子耐圧を損なわない範囲でn- ドリフト層を薄くして逆回復電荷を減少させて、逆回復損失を低減する方法もあるが、逆回復時のカソード側蓄積キャリアを減らすこととなり、余剰キャリアが逆回復中に消滅しやすくなるため、結果として発振しやすくなる。よって、現状の方法では、ソフトリカバリー特性を維持しながら逆回復損失を低減することは極めて困難になりつつある。
上記トレードオフを改善する方法の代表例の一つは、前述の低注入構造とドリフト層厚の低減を組合せることである。少数キャリアの注入効率を下げることで、カソード側余剰キャリアを増やしてソフトリカバリー化を図り、かつドリフト層厚を低減すれば、ソフトリカバリー化を達成しかつ高速逆回復化も可能である。また、プロトンやヘリウムイオン等の軽イオン粒子線の照射により、ライフタイムの局所制御でソフトリカバリー化を向上する方法もある。しかしながらこれらの場合、ドリフト層厚の減少により、耐圧の低下だけでなく、ソフトリカバリー化の限界がある。これは、逆回復時のドリフト層内における空間電荷領域の拡張が、主にドリフト層のドナー分布に依存するため、印加電圧が素子耐圧以下の範囲で高くなれば、低注入化を行っていたとしても結局はドリフトにより空間電荷領域へのキャリアの掃き出しは多くなり、その結果ハードリカバリーとなるからである。
上記トレードオフを改善する他の例として、ドリフト層のドナー分布を工夫する方法がある。例えば、図17(従来品C)に示すダイオードでは、nドリフト層81を2つの領域81a、81bに分けて、pアノード層82側を高比抵抗(低濃度)にし、nカソード層83側を低比抵抗(高濃度)にすることで、空乏層の伸びをある電圧以上で抑えている(特許文献1参照)。
図18(従来品D)に示すダイオードでは、nカソード層93に向かって徐々に比抵抗が低くなる構造をなし、同様にソフトリカバリー化を図っている。しかしながら逆回復時のキャリアの掃き出しでは、pアノード層92側が高比抵抗の場合、アプリケーションの動作モード(高電圧低電流等)によってはキャリアがドリフトで掃き出される量が却って多くなることがあり、ハードリカバリーとなる(特許文献2参照)。
また、発明者らが提案した特願2001−48631号に開示されている図15(従来品A)に示すダイオードでは、nドリフト層61の略中間に、nドリフト層61よりは低比抵抗でそれ自身逆バイアス時に空乏化する濃度および厚さのnバッファ層61aを設けることで、空乏層の伸びを制御し、ソフトリカバリー化と高速化の双方を著しく向上させる構造を提供した。しかしながら、この構造の場合、nバッファ層61aの存在により、逆回復時に空間電荷領域が丁度nバッファ層61aに達するときに電圧上昇率dV/dtが増加するという現象(逆回復電圧のピーク近傍のdV/dtが増加する現象)が観測された。これは、ノイズ低減という観点からデメリットとなるため、このdV/dtの増加を抑制する必要がある。
更に、逆回復損失の低減、ソフトリカバリー特性の一層の向上、逆回復電圧のdV/dtの抑制および逆回復電圧・電流波形の振動の抑制ができる半導体装置として特願2002−214657号を出願した。この、特願2002−214657号に開示されているダイオードを図19(従来品E)に示す。図19の(a)は要部断面図、同図(b)は同図(a)の不純物濃度の分布図である。この半導体装置の表面構造は通常のpinダイオードの場合と同じで、pアノード層は活性領域全面に形成されている。尚、背景技術及びこれから説明する実施例の図において活性領域のみを断面で示した図を用いて説明しているものがあるが、この活性領域の外側には電力用途の素子で採用されているガードリング、フィールドプレートあるいはRESURFなどの耐圧構造が設けられる。そして、アノード側表面の外周端には、p型領域のストッパ領域が設けられ、その表面にはストッパ電極が設けられる。このストッパ領域によって、空乏層が外周端まで達しないので、nドリフト層11がチップの外周側面に露出しても特に問題ない。このため、チップ側端では切断後に特別な処理を施さなくともよい。
図19において、nドリフト層11の一方にpアノード層12を形成し、他方にnカソード層13を形成し、pアノード層12上にアノード電極14、nカソード層13上にカソード電極15を形成する。このnドリフト層11の不純物濃度は、同図(b)で示すように中央付近でピークとなり、このピークの位置Xpからpアノード層12側およびnカソード層13側に緩やかに減少するようにする。
特開平08−148699号公報 特開平08−316500号公報 ビイ・ジェイ・バリガ(B.J.Baliga)「ザ ピンチ レクチファイアー(The pinch Rectifier)」アイイーイーイー エレクトロン デバイセス(IEEE Electron.Dev.Lett.ED−5、p194,1984. エム.モリ.他(M.Mori,et.al.),「ア ノーベル ソフト アンド ファースト リカバリ ダイオード(SFD)ウイズ スイン ピーレイヤ フォームド バイ アルミ−シリコン エレクトロード(A Novel Soft and Fast Recovery Diode(SFD)with Thin P−layer Formed by Al−Si Electrode)」プロシーディングス オフ アイエスピーエスディ(Proceedings of ISPSD‘91)pp113−117,1991. エム.ネモト,他(M.Nemoto,et.al.),「アン アドバンスド エフダブリュディ デザイン コンセプト ウイズ スペリア ソフト リバース リカバリ キャラクタリスティック(An Advanced FWD Design Concept with Superior Soft Reverse Recovery Characteristics)」プロシーディングス オフ アイエスピーエスディ(Proceedings of ISPSD2000)pp119−122,2000. エム.ネモト,他(M.Nemoto,et.al.),プロシーディングス オフ アイエスピーエスディ(Proceedings of ISPSD‘98)pp305−308,1998.
従来品E(以下、ブロードバッファ構造と称する)では、高速・低損失なだけでなく、発振を抑制するソフトリカバリーなダイオードを提供することを可能にした。しかしながら、このブロードバッファ構造の濃度分布を得るためには、高濃度なCZ(チョクラルスキ)基板もしくは低濃度なFZ(フローティングゾーン)基板上に、エピタキシャル成長によりリン濃度を連続的に変化させながら作成するか、FZバルクウエーハにプロトン等のドナー準位を形成する軽イオンを照射することで作成しなければならなかった。これらの方法で作成したブロードバッファの場合、FZバルクウエーハのみを用いるPINダイオードに比べて製造コストが高いという問題がある。つまり、エピタキシャル成長で形成したブロードバッファ構造は基板の値段に加えてエピタキシャル成長の値段がかかり、プロトン照射の場合はサイクロトロン使用に伴うコスト増があるためである。
一方、近年600Vから1200Vの汎用クラスのIGBTやFWDには、安価なFZウエーハを100μm前後まで研削して薄い縦型の素子を形成する方法が主流となりつつあり、性能のみならずコストパフォーマンスの向上も要求されているのが現状である。しかしながら、このFZウエーハを100μm前後に研削して形成する場合、N層の濃度分布は深さ方向に一様な分布でしか有りえなかった。このため、従来品Eのような低損失とソフトリカバリー特性を両立するコンセプトをFZウエーハを100μm前後に研削して形成する場合に適用することができなかった。従って、この発明の目的は、前記の課題を解決して、逆回復時のdV/dtの増加を抑制し、逆回復時の波形振動を抑制し、高速・低損失特性とソフトリカバリー特性両者を同時に向上する半導体装置をFZバルクウエーハを用いて安価に提供することである。
上述した課題を解決して目的を達成するため、この発明は、N型不純物であるリンを含有するFZウエーハの一方の主面及び他方の主面から、前記リンの濃度よりも低い濃度となるように、ボロンよりも拡散係数の大きいP型不純物である、例えばアルミニウム、ガリウム、インジウム及び亜鉛の少なくとも1つを1200℃以下の温度で両面全面に拡散させて、N-ドリフト層の濃度を補償させることで、FZウエーハの両表面のネットドーピング濃度がリン濃度よりも少なくなるように形成する。これにより、FZウエーハを用いて容易にブロードバッファ構造を形成することができる。そして、このFZウエーハの両表面のネットドーピング濃度がリン濃度よりも少なくなるように形成したFZウエーハを用いたダイオード、IGBT又はMOSFETとする。
本発明の半導体装置およびその製造方法によれば、安価なFZウエーハに対して簡単な方法で、これまでにないウエーハ内部深く迄のネットドーピング濃度分布を制御してブロードバッファ構造を形成することが可能になる。その結果、逆回復時間および損失を低減すると共にソフトリカバリー特性をも向上させた安価なダイオードあるいは発振の抑制されたIGBTあるいはスムーズで高速な逆回復が可能なMOSFETを提供できる。これにより、電気的損失および放射電磁ノイズの低い、環境問題を考慮したIGBTモジュール、IPM(インテリジエントパワーモジュール)の安価な提供が可能となる。
図1は、本発明の最良の形態を示す実施例であり、(a)は要部断面図、(b)は(a)のX−X線の断面における不純物濃度の分布図、(c)はX−X線の断面における電界分布図である。図1において、Nドリフト層1のアノード側となる一方の主面からアルミニウム、ガリウムまたはインジウムがFZのNバルクウエーハの全面に一様に導入される。この時にアルミニウム、ガリウムまたはインジウムの最大濃度はFZのNバルクウエーハのリン濃度よりも低くする。またカソード側となる他方の主面から亜鉛がNバルクウエーハの全面に一様に導入される。この時に亜鉛の最大濃度はFZのNバルクウエーハのリン濃度よりも低くする。これらアルミニウム、ガリウム、インジウムまたは亜鉛の導入は、ガウス分布にて一様の拡散とする。これにより、アクセプタがドナーを一方の主面および他方の主面の各表面近傍で強く補償することで、ネットドーピング濃度分布が、両主面で低く、ウエーハの深さ方向の中央に向かって、徐々に高くなっていく、ブロ−ドバッファ構造となり、中央部分が実効Nバッファ層1aとなる。なお、一方の主面と他方の主面には異なる拡散係数の不純物元素を導入しているので、ネットドーピング濃度の高い部分を任意の深さ位置に設定することができる。このようにして、特願2002−214657号のブロードバッファ構造と同じような濃度分布のウエーハを安価なFZウエーハを用いて形成することができる。なお、Pアノード層2、ガードリング6およびNカソード層3は一般的な拡散あるいはイオン注入で形成することができる。また、用途によってはダイオードの素子特性として、両主面から不純物濃度分布を変えなくとも、どちらか一方の主面から不純物濃度分布を変えるだけで十分な場合も考えられる。このような場合は、例えば、表面側はNバルクウエーハのリン濃度のままとしておき、裏面側のみ亜鉛を導入して裏面側からの不純物濃度分布を変えればよい。また、その逆に表面側のみにアルミニウム、ガリウムおよびインジウムのいずれかを導入して表面側のみ不純物濃度分布を変えてもよい。いずれにも本発明の製造方法は適用できる。
図1の(b)に置き換えて図19の(b)を用いて説明すると、nドリフト層1において、ネットドーピング濃度Nd(X)が、nドリフト層1内の位置Xpにおいて最大濃度を持ち、Xpからアノード電極4方向またはカソード電極5方向に向かって、アルミニウム、インジウム、ガリウムまたは亜鉛の拡散によって、なだらかに不純物濃度が減少するように形成されている。pアノード層2とアノード電極4の境界を始点(0)として、pアノード層2とnドリフト層1の境界(接合)までの距離をXjとし、nカソード層3とnドリフト層1の境界までの距離をWdとした場合に、XjからWdまでのネットドーピング濃度分布Nd(X)を積分し、Wd−Xjで割った平均ネットドーピング濃度Ndmを、
Figure 0004096838
とすると、Nd(X)とNdmとの交点が2点与えられ、それをXc、Xdとそれぞれ置くことができる。このXcとXdに挟まれる領域が実効的なnバッファ層(実効nバッファ層1a)となる。また、pアノード層2とnドリフト層1の交点での不純物濃度をN1、nカソード層3とnドリフト層1の交点での不純物濃度をN2とした場合にN1≦N2となるようにする。
ここで、本発明品のnドリフト層1の平均ネットドーピング濃度Ndmは、上記積分濃度をnドリフト層1の幅で割れば求められ、その値は約8×1013cm-3である。この濃度となるネットドーピング濃度は、図1のように2点存在する。その2点間(Xc、Xd)での積分濃度は実効nバッファ層1aの積分濃度(以下、実効バッファ積分濃度という)となり、その値は約5×1011cm-2で、後述する従来品Aのnバッファ層の積分濃度とほぼ同じである。このためソフトリカバリー効果は十分得られ、逆回復電圧・電流の振動が抑制される。
逆回復電圧のピーク近傍のdV/dtの抑制効果は、図2に示すように、nドリフト層1の最大ネットドーピング濃度Npと平均ネットドーピング濃度Ndmの比に依存する。また、空乏層のピン止め効果(空乏層の伸びをストップさせる効果)は、nバッファ層1の最大ネットドーピング濃度Npがnドリフト層平均ネットドーピング濃度Ndmよりも高いほど大きい。
その理由は次のように説明できる。nバッファ層1のネットドーピング濃度が高いほど、nバッファ層1aへの空乏層(=空間電荷領域)の侵入が抑えられる。
従って、電圧が増加している時に空間電荷領域がnバッファ層1aへ達すると、電圧の増加分δVはpアノード層2側のネットドーピング濃度が低い(高比抵抗の)nドリフト層1でのみ担うため、その電界強度は急激に増加する。このためdV/dtが増加する。従って、nドリフト層1(nバッファ層1a)の最大ネットドーピング濃度Npを抑えればdV/dtは抑制できる。
従って、本発明品は逆回復電流のピークを越えた後での振動が抑制され、さらに、逆回復電圧のピーク近傍でのdV/dtが緩やかになる。
図3は、本発明品において、nドリフト層1(nバッファ層1a)の最大ネットドーピング濃度Npと平均ネットドーピング濃度Ndmの比であるNp/NdmとdV/dtの関係を示す図である。ここで、dV/dtは従来品Bの値で規格化している。また、図2に、逆電圧波形とNp/Ndmの関係を示す。Np/Ndmが小さくなるとdV/dtが小さくなる。
図3に示すように、Np/Ndmが5より小さければ、dV/dtは従来品Bの2倍よりも小さくなり、Np/Ndmが2より小さければ、ほぼ従来例Bと同じdV/dtとなっている。したがって望ましくは、Np/Ndmは2以下が良い。勿論、波形振動はなく、Np/Ndmが20である従来品AよりもdV/dtの値は小さくなる。
尚、従来品Bは前記したようにdV/dtは小さいが、逆回復電圧・電流波形が振動する。
図4は、本発明品にて、実効バッファ積分濃度(ネットドーピング)による、素子耐圧(ブレークダウン電圧)の依存性を示す図である。素子耐圧は、従来品Bの耐圧にて規格化してある。横軸が実効バッファ積分濃度(ネットドーピング)である。
pアノード層2側からnカソード層3側に向かう任意の2点間の電界強度の減少分(電界強度の勾配)は、その2点間のnドリフト層1(含むnバッファ層1a)の積分濃度差によって決まる。
従って、その値を調整して電界強度の勾配を減らし、耐圧を損ねない様にする必要がある。図4に示すように、実効バッファ積分濃度が8×1011cm-2を超えると、耐圧の減少分が大きくなることがわかる。さらに実効バッファ積分濃度(ネットドーピング)が6×1011cm-2であれば、耐圧減少は無いことが判る。従って、実効バッファ積分濃度(ネットドーピング)は、8×1011cm-2以下か、望ましくは6×1011cm-2以下がよい。
図5は、逆回復電流減少率djr/dtと、Xpと位置指標の比の関係を示す図である。この図はXpを位置指標(横軸の式の分母)に対して変化させたときのdjr/dtを、位置指標との比が1の場合について規格化して示した。また、縦軸の逆回復電流減少率djr/dtの電流は電流密度(A/cm2)で表現した場合である。前記の位置指標とは、
Figure 0004096838
のことである。この位置指標の物理的意味は筆者らが特願2001─48631号で説明済である。
図5において、nドリフト層1または実効nバッファ層1aの最大ネットドーピング濃度Npの位置Xpが位置指標と同じときに、最もdjr/dtが小さくなり、ソフトリカバリーになる。全般的に従来品B(●で示す)よりもdjr/dtは小さくでき、指標0.3から1.7の間で効果的に小さくできる。特に比が0.8から1.2の間で最もdjr/dtが小さくなる。従って、比は0.3から1.7の間がよく、さらに、0.8から1.2の間が望ましい。
図6は、本発明品において、nドリフト層全体の積分ネットドーピング濃度と、逆回復損失Errと逆回復電流減少率djr/dtとの関係を示した図である。横軸がnドリフト層全体の積分ネットドーピング濃度である。nドリフト層1全体の積分濃度(ネットドーピング)は、実効バッファ積分濃度(ネットドーピング)を5×1011cm-2に固定して、nドリフト層の幅(Wd−Xj)を変えて変化させた。この図から、nドリフト層全体の積分濃度(ネットドーピング)が、約1.3×1012cm-2を超えると、素子は耐圧時でも空乏層がnカソード層に達しない、所謂、ノンパンチスルー型となる。
また、図6から、積分濃度(ネットドーピング)が1.3×1012cm-2を超えるとErrの増加は大きくなり、2×1012cm-2以上では急激にErrが増加する。このようにnドリフト層の幅を増加させて積分濃度(ネットドーピング)を増やせば、Errの増加につながってしまう。
前記から、nドリフト層全体の積分濃度(ネットドーピング)は注意深く設計する必要がある。Errの急激な増加を抑えるためには、積分濃度(ネットドーピング)は2×1012cm-2以下、望ましくは1.3×1012cm-2以下がよい。
また、発振を抑えて逆回復電流減少率djr/dtを十分小さくするためには、同様に積分濃度(ネットドーピング)を適切に設定しなければならない。同じく図6から、積分濃度(ネットドーピング)が8×1011cm-2未満となると、素子厚は約100μmと薄くなるため発振が生じるようになる。従って、積分濃度(ネットドーピング)は8×1011cm-2以上とする必要がある。
以上により、積分濃度(ネットドーピング)の範囲は、8×1011cm-2以上、2×1012cm-2以下とし、望ましくは8×1011cm-2以上、1.3×1012cm-2以下であるとよい。また、nカソード層3の表面濃度は、カソード電極5と低抵抗でコンタクトさせるために、少なくとも1×1017cm-3以上であるとよい。臨界電界強度になったときの電界分布と積分濃度を検討すると、この積分濃度はnドリフト層全域で1.3×1012cm-2の場合とすると、空乏層はnドリフト層端に達する。
図7は、本発明品において、pアノード層2とnドリフト層1のpn接合Xj近傍におけるnドリフト層1のネットドーピング濃度Nd(Xj)と濃度指標との比と、素子耐圧(ブレークダウン電圧)の関係を示す図である。横軸の式の分母が濃度指標であり、
Figure 0004096838
と表される。ここでは、縦軸の素子耐圧は、濃度比(ネットドーピング濃度Nd(Xj)と濃度指標との比)が1のときの素子耐圧で規格化している。
素子耐圧は臨界電界強度と逆バイアス時の電界強度分布の関係で決り、接合での不純物濃度が小さくなれば、素子耐圧は向上する。
本発明品の場合、Xj近傍のネットドーピング濃度を下げることで、素子耐圧を向上させることができる。素子耐圧は、濃度比が小さくなるほど増加し、逆に濃度比が1以上では急激に耐圧が減少する。よってこの濃度比が1以下になるようにすることが望ましい。
図8は、本発明の第1の実施例であり、(a)はダイシング後のチップ全体の要部断面図、(b)は(a)のA−A‘線の断面における不純物濃度の分布図である。図8において、比抵抗28Ωcm(1.64×1014/cm)のFZのNバルクウエーハの一方の主面に、ダイオードのアノード構造(浅く不純物濃度の低いPエミッタ層2bと深く不純物濃度の高いPアノード層2a)と電界緩和用エッジ構造(ガードリング6)が形成されている。このアノード構造は、例えばドーズ量1×1014/cmのボロンを選択的にイオン注入し1150℃200分にて拡散形成されたPアノード層2aと、同じくボロンを1×1013/cmのドーズ量で一様に照射し、400℃の低温にて熱処理活性化されたpエミッタ層2b、これらPアノード層2aとPエミッタ層2bとにコンタクトするAl−1%Siにて形成されたアノード電極4を有する。一方耐圧構造であるエッジ部分は、同じくボロンを、アノード電極4がコンタクトしない外周領域に2×1015/cmにて選択的にイオン注入したP型ガードリング6が形成されている。アノード側からアルミニウム、ガリウムまたはインジウムが、表面濃度1×1014/cm、l/e深さ20μmの略ガウス分布にて一様に拡散されており、その表面濃度はFZウエーハのリン濃度よりも低く、PN接合近傍のN層ネットドーピング濃度は、6.4×1013/cmである。そして、カソード側からは亜鉛が、表面濃度1×1014/cm、l/e深さ20μmの略ガウス分布にて一様に拡散されており、その表面濃度はFZウエーハのリン濃度よりも低く、N/N層濃度境界近傍のN層ネットドーピング濃度は、6.4×1013/cmである。カソード側は浅いNカソード層3を、FZウエーハの表面プロセス終了後に裏面から120μm厚まで研削・ウエットエッチングし、1×1015/cmのリンを50keV以下でイオン注入し、YAG2wのレ−ザ光を4J/cmのエネルギ密度で照射して活性化させて形成している。カソード電極5は、チタン0.075μm、ニッケル0.7μm、金0.2μmを蒸着して形成している。なお、チップの外周端のダイシング面は、特別な処理を施さなくても、表面のエッジ構造(この場合、ガードリング構造)にて空乏層が終端されるので、構わない。
図9は、本発明のアクセプタ補償によるネットドーピング濃度を示した分布図である。図9において、まず初期にFZバルクウエーハの濃度N(x)=Nが存在する。ここに、表面から例えばガウス分布でNA1(x)の濃度でアクセプタを拡散させる。この時、N>NA1(x)である。一方裏面からも、例えばガウス分布でNA2(x)の濃度でアクセプタを拡散させる。このときN>NA2(x)である。よって、ネットドーピング濃度Net(x)は、Net(x)=N−{NA1(x)+NA2(x)}(>0)・・1式と表される。これにより、例えばN層におけるポアソンの式は、divE(x)=q/εsNet(x)・・2式と表すことができる。ここで、EはN層中の電界強度分布、qは電荷素量、εsは半導体(ここではシリコン)の誘電率である。よって、1式から、濃度補償用アクセプタは全ての位置でFZバルクウエーハの濃度Nよりも低いことが必要である。この濃度分布を達成するには、特願2002−214657号と同様にネットドーピングの積分濃度は8×1011/cm以上1.3×1012/cm以下とする必要があるので、補償用アクセプタのイオン注入ドーズ量は前述の積分濃度を超えない量、好ましくは7×1011/cm以下であることが良い。
ここで、実際には、ダイオードでは、表面にPアノード層をボロンの導入で形成し、裏面にNカソード層をリンの導入で形成する。また、NPT−IGBTやFS−IGBTでは、表面のPウエルをボロンの導入で形成し、裏面のPコレクタ層をボロンの導入で形成し、Nフイールドストップ層をリンやセレンを用いてのイオン注入で400℃〜1000℃の温度で周知の方法で形成する。従って、N層のネットドーピング濃度Net(x)は厳密には、ダイオードの場合で、Net(x)=N+N(x)−{NA0(x)+NA1(x)+NA2(x)}(>0)・・3式と表される。ここで、N(x)は裏面のNカソード層のためのリン濃度、NA0(x)は表面のPアノード層のためのボロン濃度である。NPT−IGBTの場合は、N(x)を−NA3(x)として、これを裏面のコレクタ層濃度とすればよい。また、FS−IGBTの場合は、N(x)を、N(x)−NA3(x)としてそのN(x)を裏面のフィールドストップ層(リンまたはセレン)濃度とし、NA3(x)を裏面のコレクタ層濃度とすればよい。しかし、実際には図10の深さ方向に対する濃度分布に示すように、Pアノード層やNカソード層は前記、アルミニウムや亜鉛の拡散層よりも数桁拡散長が短い分布にしている。(a)は全体の深さを示し、(b)は表面側を(c)は裏面側を拡大して示しているが、例えばPアノード層のボロンは、PN接合から1μm深い所ではすでに1×1011/cmとなり、ボロン層とリン層の浅い拡散層のNet(x)への影響は極めて小さく、無視することができる。これは、裏面側のNカソード層のリンについても同様にいえることである。よって、実際には、N層のネットドーピング濃度分布は、1式で近似的に十分成立する。濃度勾配についても、同様の理由から、表面のPアノード層や裏面のNカソード層のNet(x)の濃度勾配への影響は無視することができる。
次に、FZバルクウエーハに導入する不純物元素について検討する。シリコンへの拡散係数は、ボロン<インジウム<ガリウム<アルミニウム<亜鉛の順で高くなっており、アルミニウムおよびガリウムはボロンより1桁ほど高い。このため、例えば、1150℃200分または1200℃30分では、28ΩcmのN型FZバルクウエーハでは、ボロンは約4μm、アルミニウム、ガリウムは約40μm拡散する。一方亜鉛は、更に拡散係数が高く、650℃〜700℃で3×1013cm/sである。よって、例えば、800℃では、28ΩcmのN型FZバルクウエーハでは、亜鉛は約30〜40μm拡散する。よって、本発明の場合、50μm以下の拡散としたいため、アルミニウムまたはガリウムでは1200℃以下、亜鉛では800℃以下で拡散することが好ましい。また、拡散の下限としては5μm以上は拡散させたいため、アルミニウムまたはガリウムでは1000℃以上、亜鉛では400℃以上にて熱処理することが好ましい。なお、ガリウムは、イオン注入ソースは固体であるが、アルミニウムよりも反応性が低く、扱いやすい。アルミニウムは、ガリウムよりも拡散係数が高いので、拡散工程のリードタイムをガリウムよりも短縮することができる。インジウムは、ガリウム、アルミニウムよりは拡散係数が小さいが、ボロンよりは大きく、固溶度がボロンより低く、本発明のような低濃度拡散層において、ボロンよりも有利である。亜鉛は、アクセプタ準位が、価電子帯から最も深い。よって、室温(300K)ではホール濃度がボロンやアルミニウムに比べて低くできるため、この元素からの伝導変調への寄与がほとんど無しにできる。更に、亜鉛は価電子帯から0.26eV高い準位を示し、アクセプタとなる。これは、逆バイアス時に空間電荷領域が広がる時は100%アクセプタとして働き、順方向導通時はアクセプタとして正孔を供給しないことを意味し、逆バイアス時のみに動作するため亜鉛を裏面に用いることが好ましい。
図11は、本発明の製造方法を示す工程図である。図11において、FZバルクウエーハの一方の表面に、アルミニウムまたはガリウムを3×1011/cm、60keVでイオン注入し、1150℃80分にて拡散させる(図11(a))。この時、アルミニウムは外方拡散があるため、窒化膜を用いて外方拡散を防ぐようにする。この拡散により、アルミニウムまたはガリウムが表面から20μm拡散する。このようにして、補償用アクセプタを拡散させたあと、通常の素子形成プロセスを施し、Pアノード層2、Pガードリング6、PSG膜7を形成し、Al−Si電極用コンタクトホールを形成する(b)。この時、これらの浅い(4〜8μm)P層拡散時に、前記のアルミニウムまたはガリウムも拡散するため、最終的にはアルミニウムまたはガリウムが約40μmまで到達する。次に、ウエーハの裏面からバックグラインドにて全ウエーハの残り厚さを140μmになるまで研削し、更に、弗硝酸のウエットエッチングにて120μmまで研削する(c)。その後、亜鉛を3×1012/cm、50keVにて裏面にイオン注入する。600℃1時間にて熱処理を行い、亜鉛を約30μm拡散させる(d)。再び、表面に戻り、Al−1%Siを5μmスパッタリングにて成膜し、パターニングエッチングしてアノード電極として形成する。Al―Siシンタを400℃80分施し、パッシベーション用ポリイミド膜を周辺耐圧構造に形成後、裏面にチタン、ニッケルおよび金を蒸着してカソード電極を形成する(e)。
なお、亜鉛は800℃以下の拡散の為、アクセプタ活性化率が高温(1000℃以上)よりも低く、10%以下となる。よって、活性化してアクセプタとなった亜鉛の積分濃度が1.3×1012/cm未満とするために、イオン注入時のドーズ量は、1.0×1013/cm以下が望ましい。
図12は異なる実施例でIGBTに適用した場合であり、(a)は逆阻止型IGBT、(b)はNPT−IGBT,FS−IGBTの断面図である。逆阻止IGBTは、マトリクスコンバータに用いる素子で、2つの逆阻止IGBTを逆並列に接続し、双方向スイッチとして使用される。この時、裏面側のPN接合のPiNダイオードの逆回復動作モードが生じる。従って、本発明の構成とすることにより、この逆回復がよりソフトリカバリーとなり、スイッチング時の発振を抑制することができる。
また、NPT−IGBT,FS−IGBTへ適用しても、低損失なだけでなく、発振を抑えたターンオフが実現できる。これは、ターンオフの時は、表面のPN接合から空間電荷領域が裏面側に向かって拡張するが、ブロードバッファ構造を用いることで、ダイオードの逆回復と同様に、N層中間で、一旦、電界強度を減少させ、空間電荷領域の拡がりを抑制できる。その結果、裏面側にキャリアが残存して枯掲しないため、ターンオフサージ電圧の急峻な増加を抑えることができる。
これらの逆阻止IGBT,NPT−IGBT,FS−IGBTは、安価なFZバルクウエーハを100μm前後に研削し、裏面側へのイオン注入および熱処理工程を行う。よって、本発明の製造方法を適用することで、容易にブロードバッファ構造のIGBTにすることが可能であり、IGBTモジュールを用いたPWMインバータ等の電力変換装置にて、過電圧破壊やEMIノイズの発生を抑えることが可能となる。
図13は、この発明の第3実施例の半導体装置(MOSFET)であり、同図(a)はプレーナゲート構造の要部断面図、同図(b)はトレンチゲート構造の要部断面図、同図(c)は不純物濃度分布図である。MOSFETのnドリフト層に第1実施例(他の実施例でもよい)を適用した場合である。MOSFETに内蔵されるダイオードが動作し、逆回復動作したときに、従来型MOSFETよりもスムーズで高速な逆回復が可能となる。ゲート構造がプレーナ構造(同図(a)の場合もトレンチ構造(同図(b))の場合も同様な効果が得られる。
尚、図中の31はnドリフト層、32aはpウエル領域、32bはnソース領域、32cはゲート絶縁膜、32dはゲート電極、32eは層間絶縁膜、32fはトレンチ、33はnドレイン層、34はソース電極、35はドレイン電極である。
図14は、図12の(a)で説明した半導体装置であり、同図(a)は要部断面図、同図(b)は不純物濃度分布図である。これはNPT(ノンパンチスルー)−IGBTに逆阻止能力を持たせた逆阻止IGBTの場合である。この逆阻止型IGBTはダイオード動作があるため、第1実施例(他の実施例でもよい)のバッファ層を設けることでダイオード動作の改善が可能である。このnバッファ層は、側面pコレクタ層43aに到達しても、してなくても構わない。
尚、図中の41はnドリフト層、42aはpウエル領域、42bはnエミッタ領域、42cはゲート絶縁膜、42dはゲート電極、42eは層間絶縁膜、43はpコレクタ層、43aは側面pコレクタ層、44はエミッタ電極、45はコレクタ電極である。
以上説明したように本発明のダイオードは、安価でかつ逆回復時間および損失を低減すると共にソフトリカバリ特性をも向上させた素子であるので、電気的損失および放射電磁ノイズの低い、環境問題を考慮したIGBTモジュール、IPM(インテリジエントパワーモジュール)に適用することができる。
本発明の最良の形態を示す実施例であり、(a)は要部断面図、(b)は(a)のX−X線の断面における不純物濃度の分布図、(c)はX−X線の断面における電界分布図である。 Np/Ndmと逆回復電圧のdV/dtとの関係を示す図である。 本発明品において、nドリフト層1(nバッファ層1a)の最大ネットドーピング濃度Npと平均ネットドーピング濃度Ndmの比であるNp/Ndmと逆回復電圧のdV/dtとの関係を示す図である。 本発明品において、実効バッファ積分濃度(ネットドーピング)による、素子耐圧(ブレークダウン電圧)の依存性を示す図である。 逆回復電流減少率djr/dtと、Xpと位置指標の比の関係を示す図である。 本発明品において、nドリフト層全体の積分濃度(ネットドーピング)と、逆回復損失Errと逆回復電流減少率djr/dtとの関係を示した図である。 本発明品において、pアノード層2とnドリフト層1のpn接合Xj近傍におけるnドリフト層1のネットドーピング濃度Nd(Xj)と濃度指標との比と、素子耐圧の関係を示す図である。 本発明の第1の実施例であり、(a)はダイシング後のチップ全体の要部断面図、(b)は(a)のA−A‘線の断面における不純物濃度の分布図である。 本発明のアクセプタ補償によるネットドーピング濃度を示した分布図である。 本発明の実施例の深さ方向に対する濃度分布を示した図である。 本発明の実施例の製造方法を示す工程図である。 異なる実施例でIGBTに適用した場合であり、(a)は逆阻止型IGBT、(b)はNPT−IGBT,FS−IGBTの断面図である。 この発明の第3実施例の半導体装置であり、(a)、(b)は要部断面図、(c)は不純物濃度分布図である。 逆阻止型NPT−IGBTであり、(a)は要部断面図、(b)は不純物濃度分布図である。 従来品Aの要部断面図と不純物プロフィルの図である。 従来品Bの要部断面図と不純物プロフィルの図である。 従来品Cの要部断面図と不純物プロフィルの図である。 従来品Dの要部断面図と不純物プロフィルの図である。 従来の製造方法で形成した半導体装置であり、(a)は要部断面図、(b)は(a)の不純物濃度の分布図である。
符号の説明
1 Nドリフト層
2 Pアノード層
3 Nカソード層
6 ガードリング

Claims (11)

  1. 基板の厚さ方向に一様な不純物濃度を有する第1導電型の半導体基板に、前記不純物濃度よりも低濃度の第2導電型の不純物を拡散で半導体基板の一方の主面の全面および他方の主面の全面に導入することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1導電型の半導体基板がN型シリコンであり、前記第2導電型の不純物がボロンよりも拡散係数の大きいP型不純物元素を用いることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記P型不純物元素がアルミニウム、ガリウム、インジウムまたは亜鉛の少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1導電型の半導体基板に、一方の主面からアルミニウム、インジウムまたはガリウムを拡散させ、その後に他方の主面から亜鉛を拡散させることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記アルミニウム、ガリウムまたはインジウムが、ドーズ量1.0×1012cm-2以下でイオン注入されていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記イオン注入されたアルミニウムまたはガリウムは1000℃以上1200℃以下の温度にて熱処理されることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記亜鉛が、ドーズ量1.0×1013cm-2以下でイオン注入されていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記イオン注入された亜鉛は400℃以上800℃以下の温度にて熱処理されることを特徴とする請求項記載の半導体装置の製造方法。
  9. 第1導電型の第1半導体層と、該第1半導体層の両主面で第2導電型の不純物が拡散で全面に導入され第1導電型のままであるがネットドーピング量が前記第2導電型の不純物が導入された量だけ低い領域を有し、一方の主面に第1半導体層より高濃度の第2導電型の第2半導体層を設け、他方の主面に第1半導体層より高濃度の第1導電型の第3半導体層を設けたダイオードであることを特徴とする半導体装置。
  10. 第1導電型の第1半導体層と、該第1半導体層の両主面で第2導電型の不純物が拡散で全面に導入され第1導電型のままであるがネットドーピング量が前記第2導電型の不純物が導入された量だけ低い領域を有し、一方の主面に第1半導体層より高濃度の第2導電型の第2半導体層を設け、該第2半導体層に選択的に形成された第1導電型のエミッタ層を設け第1半導体層とエミッタ層間の第2半導体層上に絶縁膜を介してゲート電極を設け、他方の主面に第1半導体層より高濃度の第2導電型のコレクタ層を設けたIGBTであることを特徴とする半導体装置。
  11. 第1導電型の第1半導体層と、該第1半導体層の両主面で第2導電型の不純物が拡散で全面に導入され第1導電型のままであるがネットドーピング量が前記第2導電型の不純物が導入された量だけ低い領域を有し、一方の主面に第1半導体層より高濃度の第2導電型の第2半導体層を設け、該第2半導体層に選択的に形成された第1導電型のソース層を設け、第1半導体層とソース層間の第2半導体層上に絶縁膜を介してゲート電極を設け、他方の主面に第1半導体層より高濃度の第1導電型のドレイン層を設けたMOSFETであることを特徴とする半導体装置。
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