JP4095883B2 - 斜めpcコネクタのフェルール研磨方法 - Google Patents

斜めpcコネクタのフェルール研磨方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの斜め研磨端面同士を接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルール研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信等において用いられる光コネクタでは、コネクタ接続部における接続損失の低減及び反射戻り光の低減を目的として、フェルールに保持された光ファイバの端面をフェルール端面と共に光ファイバの軸に垂直な面に対して斜めに、且つ凸球面に研磨した「斜めPC(Physical Contact)コネクタ」が用いられる。
【0003】
ここで、従来のMU型の斜めPCコネクタに用いられるフェルールについて説明する。
【0004】
図12は、従来技術に係るフェルールの斜視図及び平面図である。
【0005】
図12に示すように、斜めPCコネクタに用いられるフェルール310は、先端面323が軸と直交する面に対して傾斜した凸球面状に設けられた円筒形状を有するフェルール用筒状体320と、フェルール用筒状体320の後端部に嵌合するつば部材330とからなり、つば部材330には、フェルール用筒状体310側の外周に円周方向に亘って半径方向に突出したつば部333が設けられている。このつば部333は、半径方向の断面が略矩形状に形成されており、フェルール310が斜めPCコネクタのプラグフレームに保持された際にプラグフレーム内に設けられたつば部333と同等の形状で形成された係合孔と係合してフェルール310の中心軸回りの回転方向の移動を規制している。
【0006】
このようなフェルール310は、プラグフレーム内に保持されて光コネクタアダプタ等により、フェルール用筒状体320の先端面323同士を当接させた対向接続を行うことにより、低挿入損失及び高反射減衰量の光接続を行うことができる。
【0007】
このような斜めPCコネクタ用のフェルール310は、端面研磨装置によってその先端面323を光ファイバ軸に垂直な面に対して傾斜した凸球面状に形成することができる。
【0008】
この端面研磨装置は、回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、治具盤に斜めPCコネクタの後端部側が研磨部材の研磨面に垂直な方向に対して研磨定盤の回転中心に向かって傾斜するように保持させて、斜めPCコネクタのフェルール310の先端面を研磨部材に押圧して研磨することで形成することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−112745号公報(第3頁、第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように形成された斜めPCコネクタ用のフェルールは、対向接続させた際に、挿入損失を低減すると共に反射減衰量を高めるために、フェルール用筒状体の凸球面状の先端面の頂点が光ファイバの先端面の中心軸から所定の範囲の位置、例えば、50μm以下となるように形成しなくてはならず、高精度に形成するのは困難であるという問題がある。ここで斜めPCコネクタ用のフェルールの先端面の頂点のフェルールの中心からのずれは、JIS C 5963:2001光ファイバコード付き光コネクタ通則の6.2.4斜めPC研磨の端面形状及び寸法で、球面偏心量として定義されている。球面偏心量は、フェルールの中心と、角度基準面に対しての曲率頂点との距離で定義される。
【0011】
特に、上述した従来のMU型、LC型等の斜めPCコネクタに用いられる1.25mmと小径のフェルール用筒状体の研磨では、従来の端面研磨装置の研磨定盤上に設けられた弾性部材の硬度や研磨部材の反りの影響からフェルール用筒状体の先端面の頂点と光ファイバの先端面の中心との距離を所定範囲内に抑えることが困難であるという問題がある。
【0012】
また、従来の端面研磨装置に用いられる弾性部材の硬度は、50〜60Hsであるため、フェルール用筒状体の先端面を研磨部材に押圧する圧力が弱いと凸球面状に形成される研磨面の傾斜角度が安定しないという問題がある。
【0013】
このため、フェルール用筒状体の先端面を研磨部材に対して高圧力、例えば、約1.7〜2.1Nの圧力で押圧しなくてはならないが、複数のフェルール用筒状体の先端面を同時に研磨する場合、例えば、16本のフェルール用筒状体を同時に研磨する場合には、複数のフェルール用筒状体を保持した治具盤を約26.7〜32.9Nで押圧しなくてはならず、端面研磨装置に治具盤を高圧力で押圧する能力が求められ、低圧力で押圧する端面研磨装置では研磨を行うことができないという問題がある。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑み、低圧力で先端面を高精度に研磨することができると共に低挿入損失及び高反射減衰量を実現することができる斜めPCコネクタのフェルール研磨方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、前記荒研磨を行う工程では、前記研磨部材の研磨面の傾斜角度を水平面に対して0度〜0.3度とすることにある。
【0016】
本発明の第2の態様は、装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では、前記研磨部材の研磨面の傾斜角度を水平面に対して0度〜0.3度とすることにある。
【0017】
本発明の第3の態様は、装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では、前記研磨部材の研磨面の傾斜角度を水平面に対して0.4度〜1.3度とすることにある。
【0018】
本発明の第4の態様は、装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、
前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、
前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、先端に外径が0.55mm〜0.7mmの先端面を形成することにある。
【0019】
本発明の第5の態様は、装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、当該フェルール用筒状体の先端部に先端面の外径と同等の小径の筒状部を形成することにある。
【0020】
本発明の第6の態様は、装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、先端に外径が0.3mm〜0.9mmの先端面を形成することにある。
【0021】
本発明の第7の態様は、装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、前記弾性部材の厚みが1mm〜5mmであることにある。
【0030】
かかる本発明では、荒研磨及び中研磨時のフェルール用筒状体と研磨部材の研磨面とを当接させる角度に比べて、仕上げ研磨時の角度を大きくして研磨するようにしたため、仕上げ研磨時の研磨始めでは光ファイバの端面を研磨せずにフェルール用筒状体のみを研磨し、研磨が進むにつれ光ファイバの端面を徐々に研磨することができる。これにより、研磨による光ファイバの割れを防止して高精度な研磨を行うことができる。また、所定の硬度の弾性部材を用いて研磨を行うことで、フェルール用筒状体を低圧力で押圧しても安定した傾斜面の先端面を研磨により形成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0032】
(実施形態1)
図1は、本発明方法の実施よって得られる一実施形態のフェルールを示す斜視図、軸方向の平面図及びその断面図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態のフェルール10は、外径が1.25mmで形成されたフェルール用筒状体20と、フェルール用筒状体20の一端部に嵌合されたつば部材30とを具備する。
【0034】
フェルール用筒状体20は、円筒形状を有し、その内部には軸方向に貫通して光ファイバ1を挿入保持する光ファイバ挿入孔21が設けられている。また、この光ファイバ挿入孔21の後端部には、内径が開口側に向かって漸大するテーパ部22が設けられている。このようなテーパ部22を設けることによって、光ファイバ挿入孔21に光ファイバ1を挿入した際に光ファイバ1の先端がフェルール用筒状体20の端面に接触することで欠けたり、折れるのを防止することができる。
【0035】
このようなフェルール用筒状体20としては、例えば、ジルコニア等のセラミック材料、プラスチック材料及び結晶化ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英等のガラス材料、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金等の金属材料等からなるものをあげることができる。
【0036】
また、このフェルール用筒状体20の先端面23は、光ファイバ1の先端面と共に光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状、本実施形態では、凸球面に近似した非球面で形成されている。
【0037】
この先端面23は、光ファイバ1近傍の中心領域の曲率半径に対して、傾斜方向突出側の周縁部近傍の曲率半径が大きく且つ傾斜方向他方側の周縁部近傍の曲率半径が小さくなるように形成されている。
【0038】
また、このような曲率半径は所定の範囲、本実施形態では、5〜12mmとなるように形成されている。
【0039】
さらに、フェルール用筒状体20の凸面状に形成された先端面23は、光ファイバ1の中心領域から傾斜方向突出側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量と比較して、傾斜方向他方側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量が小さくなるように形成されている。
【0040】
このような凸面状に形成されたフェルール用筒状体20の先端面23は、凸面状の先端面23同士を当接させて対向接続させた際に、例えば、0.2dB以下の低挿入損失で、且つ60dB以上の超高反射減衰量という仕様を実現するため、凸面状に形成された先端面23の頂点が光ファイバ1の先端面の中心から50μm以下、好ましくは、30μm以下となるように形成されている。
【0041】
また、このようなフェルール用筒状体20の先端縁部には、円周方向に亘って光ファイバ軸に対して所定の傾斜角度、本実施形態では、30度〜45度の面取り部24が設けられている。
【0042】
ここで、本実施形態のフェルール用筒状体20の先端面23の測定結果を図2に示す。なお、図2は、フェルール用筒状体の先端面の光ファイバ近傍の中心領域から傾斜方向の距離と曲率半径との関係を示すグラフである。
【0043】
図2に示すように、本実施形態のフェルール用筒状体20の先端面23は、光ファイバ1の先端面の中心を基準として傾斜方向突出側の縁部までの距離及び傾斜方向他方面側の縁部までの距離は0.25mmとなっている。
【0044】
この先端面23の曲率半径は、光ファイバ1近傍の中心領域では、約6.0mmであるのに対して、傾斜方向突出側の周縁部近傍の領域では曲率半径が約7.0mmと中心領域の曲率半径よりも大きくなっている。また、傾斜方向他方側の周縁部近傍の領域では、曲率半径が約5.2mmと中心領域の曲率半径よりも小さくなっている。
【0045】
また、先端面23は、傾斜方向突出側及び他方側の縁部までの距離が同等で、傾斜方向突出側の縁部までの曲率半径の変化量が1.0mmなのに対し、傾斜方向他方側の縁部までの曲率半径の変化量が0.8mmと小さいことが分かる。このような先端面23は、後述するフェルールの端面研磨方法によって容易に且つ高精度に形成することができる。
【0046】
一方、つば部材30は、フェルール用筒状体20の一端部を嵌合させる嵌合孔31と、光ファイバ1の外周に被覆を施した光ファイバ心線2を挿入保持する光ファイバ心線挿入孔32と、嵌合孔31の外周側に円周方向に亘って所定量突出するように設けられたつば部33とを具備する。
【0047】
つば部33は、半径方向の断面が略矩形状となるように形成されており、このつば部33によって、詳しくは後述するが、フェルール10が斜めPCコネクタのプラグフレームに保持された際に中心軸回りの回転方向の移動が所定角度に規制された状態で保持されるようになっている。
【0048】
このようなフェルール10は、例えば、MU型等の斜めPCコネクタに搭載されて光コネクタアダプタ等で対向接続することができる。
【0049】
ここで、斜めPCコネクタについて説明する。図3は、斜めPCコネクタの分解斜視図であり、図4は、斜めPCコネクタの分解平面図及び組立断面図である。
【0050】
図示するように、本実施形態の斜めPCコネクタ40は、MU型の光コネクタアダプタに嵌合するプラグハウジング50と、プラグハウジング50内に嵌合すると共に後端部側からフェルール10が挿入されるプラグフレーム60と、先端部がプラグフレーム60の後端部と係合するストップリング70と、フェルール10とストップリング70との間に保持されてフェルール10を軸方向先端側に向かって付勢する付勢ばね80とを具備する。
【0051】
図4に示すように、プラグフレーム60は、長手方向に亘って貫通したフェルール挿入孔61を有し、断面が略矩形の例えば、プラスチック材料で形成されている。このフェルール挿入孔61には、フェルール用筒状体20の外径よりも若干大きな内径を有し、フェルール用筒状体20のみが突出可能な突出孔62が形成された突出用フランジ部63が設けられている。
【0052】
また、フェルール挿入孔61には、突出用フランジ部63に隣接してつば部33に係合することによりフェルール10の中心軸回りの回転方向の移動を所定範囲内に規制する係合孔64が設けられている。本実施形態では、つば部33の断面が矩形状に形成されているため、係合孔64を半径方向の断面がつば部33よりも若干大きな矩形状とした。
【0053】
このような係合孔64は、軸方向に亘って縦及び横の開口幅が所定の幅で設けられており、これによりつば部33と係合孔64との間に所定のクリアランスを形成して、フェルール10の中心軸回りの回転角度が所定範囲となるようにしている。
【0054】
これは、フェルール用筒状体20の先端面23の頂点が光ファイバ1の先端面の中心から50μm以下となるようにしたが、フェルール10を斜めPCコネクタ40に搭載してフェルール10の端面同士を対向接続させた際にフェルール10がプラグフレーム60に対して中心軸回りに所定角度以上回転すると、フェルール用筒状体20の先端面23の頂点が光ファイバ1の先端面の中心から50μm以上ずれた状態と同じ状態となってしまい、低挿入損失及び高反射減衰量を実現できない。このため、所望の挿入損失及び反射減衰量となるフェルール10の回転角度となるように、プラグフレーム60の係合孔64とつば部33とのクリアランスを適宜設定する必要がある。
【0055】
また、プラグフレーム60には、フェルール挿入孔61と連通して外周に開口する係止孔65が2つ形成されており、この係止孔65には、ストップリング70の先端部に設けられた係止部75が係止されるようになっている。
【0056】
また、ストップリング70は、つば部33の後端部が挿入可能な軸方向に貫通した貫通孔71を有する円筒形状で形成された、例えば、ステンレス等の金属やプラスチック材料からなる。
【0057】
この貫通孔71は、先端部側に付勢ばね80を挿入可能な大径部72と、後端部側につば部材30の後端部が挿入可能な小径部73とで構成されており、大径部72と小径部73との内径差による段差部74に付勢ばね80の一端が当接するようになっている。
【0058】
なお、付勢ばね80の他端は、つば部33の後端部側端面に当接してつば部材30はストップリング70に対して軸方向前方側に付勢されるようになっている。
【0059】
また、ストップリング70の先端側外周には、ストップリング70をプラグフレーム60のフェルール挿入孔61に挿入した際に、係止孔65内に突出する係止部75が設けられている。この係止部75は、先端に向かって突出量が漸小するテーパ形状で形成されており、係止部75は、フェルール挿入孔61内にプラグフレーム60の後端部を押し広げながら進入して係止孔65に係止されるようになっている。
【0060】
このように構成されたプラグフレーム60にフェルール10を保持させるには、プラグフレーム60のフェルール挿入孔61に光ファイバ1を保持したフェルール10を挿入し、予め光ファイバ心線2に挿入した付勢ばね80及びストップリング70を順次挿入することで、ストップリング70の係止部75をプラグフレーム60の係止孔65に係止する。これにより、ストップリング70がプラグフレーム60に固定される。このとき、フェルール10のつば部33の先端面がプラグフレーム60の突出用フランジ部63に当接することで、フェルール10は先端側への移動が規制された状態で突出孔62から先端部を所定量突き出して軸方向前方側に付勢保持される。
【0061】
また、このように組み立てられたプラグフレーム60の外周には、プラグハウジング50と係合する係合凸部66が2つ設けられており、これら係合凸部66がプラグハウジング50の係合凹部51と係合することでプラグハウジング50内にプラグフレーム60が軸方向の所定範囲に移動自在に保持されて斜めPCコネクタ40が構成されている。
【0062】
また、このようなフェルール10は、例えば、フェルール用筒状体20の先端面を光ファイバ1の軸に垂直な面で形成して斜めPCコネクタ40に搭載し、端面研磨装置によって軸に対して傾斜した凸面状の先端面23を研磨により形成することができる。もちろん、フェルール10を単体で研磨することもできる。
【0063】
ここで、本発明方法を実施するための端面研磨装置の一例について説明する。なお、図5は、端面研磨装置の概略断面図である。
【0064】
図5に示すように、自転用モータ91の回転軸には第1自転伝達盤92の中心部が固結され、この第1自転伝達盤92には回転中心を支点とする同心円上に複数の第1連結ピン93が固定されている。そして、この各第1連結ピン93は対応する各回転伝達盤94の偏心部に回転自在に連結され、この各回転伝達盤94には偏心部に第2連結ピン95が固定されている。各第2連結ピン95は第2自転伝達盤96に回転自在に連結されている。
【0065】
一方、公転用モータ97の回転軸には駆動歯車98の中心部が固結され、この駆動歯車98には従動歯車99がかみ合っている。この従動歯車99は公転伝達軸100の下部外周に固結され、この公転伝達軸100の上部外周には装置本体101の軸受筒部102が嵌合している。そして、この公転伝達軸100には回転中心より所定量偏心した位置に自転用回転軸103が回転自在に嵌入し、この自転用回転軸103の下端部は第2自転伝達盤96の中心部に固結されている。
【0066】
また、自転用回転軸103の上端部は結合部材104を介して研磨定盤105が着脱自在に結合されている。そして、この研磨定盤105の上面部には、研磨部材106が弾性部材107を介して設けられている。
【0067】
このような研磨定盤105は、金属等で形成された円盤形状を有し、弾性部材107が設けられる面は、弾性部材107上に設けられた研磨部材106の研磨面が回転中心に向かって凹状に傾斜するように、回転中心に向かって凹状に傾斜して設けられている。
【0068】
このような研磨定盤105は、詳しくは後述する荒研磨、中研磨及び仕上げ研磨などの各研磨工程によって、弾性部材107が設けられる面の傾斜角度が異なる研磨定盤105が複数用意されている。
【0069】
また、研磨定盤105上に設けられる弾性部材107は、例えば、ゴム、エラストマ、樹脂等からなり、詳しくは後述する荒研磨、中研磨及び仕上げ研磨などの各研磨工程によって、硬度の異なる部材が複数用意されている。
【0070】
さらに、弾性部材107上に設けられた研磨部材106としては、例えば、ダイヤモンド、酸化シリコン、酸化セリウム、炭化ケイ素等からなる研磨砥粒を有する研磨シートを挙げることができる。
【0071】
この研磨シートからなる研磨部材106も、荒研磨、中研磨及び仕上げ研磨などの各研磨工程によって、研磨砥粒の粒径が異なる部材が複数用意されている。
【0072】
一方、装置本体101には、支持機構110によって複数のフェルール10又はフェルール10を保持した斜めPCコネクタ40などが固定された治具盤120が支持されている。
【0073】
ここで、支持機構110及び治具盤120について詳しく説明する。
【0074】
図6は、治具盤の斜視図及び側面図であり、図7は、治具盤の上面図であり、図8(a)は、図7のA−A′断面図、(b)は支持機構110と図7のB−B′面の要部断面図である。
【0075】
図示するように、治具盤120は、本実施形態では、フェルール10を保持した斜めPCコネクタ40を保持するものであり、周縁部に円周方向に亘って複数の凹部131が設けられた治具盤本体130と、各凹部131に対応して設けられた複数の保持部材140とを具備する。
【0076】
治具盤本体130は、円盤形状を有し、周縁部近傍に円周方向に亘って複数の凹部131が設けられている。この凹部131は、フェルール用筒状体20を保持した斜めPCコネクタ40の先端部を嵌合させて凹部131と保持部材140との間で斜めPCコネクタ40を保持する。本実施形態では、治具盤120が16本の斜めPCコネクタ40を同時に保持できるように、凹部131及び保持部材140を16セット設けたが、治具盤120に保持可能な斜めPCコネクタ40の数はこれに限定されず、さらに多数本をセットできるようにしてもよい。
【0077】
この凹部131の底面には、フェルール用筒状体20の先端部に嵌合する円筒形状を有する筒状体132が設けられている。この筒状体132は、治具盤本体130の厚さ方向に貫通して凹部131と保持部材140との間で保持された斜めPCコネクタ40のフェルール用筒状体20の先端部のみを治具盤本体130の底面から突出させるようになっている。
【0078】
また、このような凹部131及び筒状体132は、詳しくは後述するが、治具盤120に斜めPCコネクタ40を保持させた際に、斜めPCコネクタ40の後端部側が治具盤本体130の厚さ方向に対して中心から周縁部に向かって傾斜させて保持するような傾斜角度で設けられている。
【0079】
また、保持部材140は、治具盤本体130の各凹部131に対応して固定された支柱部141と、この支柱部141の外周に軸方向に移動自在に設けられた保持部142と、支柱部141の外周面に支柱部141と保持部142との間で保持された付勢ばね143とを具備する。
【0080】
支柱部141は、対応する凹部131及び筒状体132と同等の傾斜方向及び角度で治具盤本体に固定されている。すなわち、本実施形態では、支柱部の固定された端部とは反対側の端部が治具盤本体の厚さ方向に対して周縁部側に向かって傾斜するように固定されている。
【0081】
また、保持部142は、支柱部141の外周に嵌合して支柱部141の軸方向に移動自在に設けられたスライド部144と、スライド部144の一端から延設されて凹部131の上部側に突出したアーム部145とを有する。
【0082】
アーム部145は、先端部に厚さ方向に貫通すると共に一辺が貫通した矩形の嵌合部146が設けられており、この嵌合部146が斜めPCコネクタ40の後端部に嵌合するようになっている。
【0083】
また、支柱部141の固定された端部とは反対側の端部側の外周面上には、付勢ばね143が設けられている。
【0084】
この付勢ばね143は、一端がスライド部144の端部に当接し、他端が支柱部141の固定された端部とは反対側の端部に設けられたストッパ部147に当接することで、保持部142を支柱部141の軸方向凹部131側へ付勢している。すなわち、凹部131側に付勢された保持部142は、凹部131との間で治具盤本体130の底面からフェルール用筒状体20の先端部を所定量突出させた状態で、傾斜させて保持することができる。
【0085】
このように、治具盤120は、治具盤本体130と保持部140とによって斜めPCコネクタ40をその後端部側が治具盤本体130の中心から周縁部側に向かって所定量傾斜するように保持することができる。
【0086】
また、治具盤本体130の中央部にはボス部133が設けられている。このボス部133は、支持機構110によって治具盤120を研磨部材106に向かって付勢されると共に支持機構110と係合することで治具盤110が研磨部材106の回転方向に回転するのを防止している。
【0087】
ここで、このような治具盤120を支持する支持機構110は、装置本体101に研磨定盤105側へ移動自在に設けられた支持アーム111と、支持アーム111の先端側に設けられて治具盤120のボス部に固定される押圧部112と、支持アーム111に設けられて治具盤120の回転方向の移動を規制する規制ピン113とを具備し、支持アーム111は、装置本体101に設けられた図示しない押圧手段によって研磨定盤105方向に押圧されるようになっている。
【0088】
すなわち、押圧手段によって押圧された支持アーム111は、押圧部112の先端に設けられたテーパ部112aが治具盤120のボス部133のテーパ凹部134に当接することで、治具盤120を研磨定盤105方向に押圧している。
【0089】
一方、規制ピン113は、治具盤120のボス部133の規制孔135に係合することで、治具盤120は研磨部材106の回転に伴う回転方向の移動が規制されている。
【0090】
すなわち、治具盤120は、支持機構110の規制ピン113によって回転方向の移動が規制された状態で、押圧部112に研磨定盤105方向に付勢され、治具盤120によって保持された斜めPCコネクタ40のフェルール用筒状体20の先端面23を介して研磨部材106上に支持される。そして、研磨部材106を回転及び揺動することで、フェルール用筒状体20の先端に光ファイバ軸に垂直な面に対して傾斜した凸面状の先端面23を形成することができる。
【0091】
なお、支持アーム111を押圧する押圧手段は、特に限定されず、例えば、レバー等により手動で押圧できるものや、駆動モータ等によって自動で押圧できるものなどを挙げることができる。また、押圧手段は、フェルール用筒状体20の先端面23を研磨部材106に当接させる圧力が把握できるものが好ましく、例えば、ロードセル等の圧力検出手段を設けるのが好ましい。
【0092】
さらに前記端面研磨装置を用いて斜めPCコネクタ40のフェルール10の端面を研磨する本発明方法について詳細に説明する。なお、図9は、フェルールの端面研磨方法によるフェルール用筒状体の要部平面図であり、図10は、フェルールの端面研磨方法によるフェルールと端面研磨装置の要部断面図である。
【0093】
まず、図9(a)に示すフェルール用筒状体20の状態から、図9(b)に示すように、光ファイバ1を保持したフェルール用筒状体20の先端に光ファイバ軸に垂直な外径が0.3〜0.9mmの先端面223を形成する。
【0094】
本実施形態では、フェルール用筒状体20の先端面223の縁部を円周方向に亘って光ファイバ軸に対して30〜45度傾斜させた面取り部24を形成することによって所定の外径の先端面223を形成した。
【0095】
この先端面223の形成では、後の工程でフェルール用筒状体20の先端面223を研磨して形成した凸面状の先端面23の頂点と光ファイバ1の端面の中心との距離が50μm以下とするには、研磨前の先端面223の外径を0.3〜0.9mmとすることで実現できるが、面取り部24を32.5〜40度の傾斜角度で、研磨前の先端面223の外径を0.55〜0.7mmに形成することで30μm以下とすることができる。
【0096】
次いで、フェルール用筒状体20の先端面223を研磨することにより、フェルール用筒状体20に光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状の先端面23を形成する。
【0097】
詳しくは、まず、図10(a)に示すように、フェルール用筒状体20の先端面223を荒研磨して先端面23aを形成する。
【0098】
この荒研磨では、フェルール用筒状体20を研磨部材106aの研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、フェルール用筒状体20の軸方向とフェルール用筒状体20よりも回転中心側の研磨部材106aの研磨面とのなす角度αが鈍角となるようにして荒研磨を行う。
【0099】
本実施形態では、上述した端面研磨装置の治具盤120が、フェルール用筒状体20の後端部側を治具盤120の移動方向に対して研磨部材106aの回転中心から外側に向かって傾斜させて保持し、研磨部材106aの研磨面が回転中心に向かって凹状となるように傾斜されているため、フェルール用筒状体20の軸方向とフェルール用筒状体20よりも回転中心側の研磨部材106aの研磨面とのなす角度αを鈍角とすることができる。
【0100】
このような状態で治具盤120を研磨定盤105a方向に移動することによって、フェルール用筒状体20の先端面223を研磨部材106aの研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、研磨定盤105aを回転及び揺動することによって、フェルール用筒状体20の先端に軸に対して傾斜した凸面状の先端面23aを形成することができる。
【0101】
治具盤120はフェルール用筒状体20を鉛直方向に対して8度傾斜させて保持し、研磨定盤105aの弾性部材107aの設けられる面、すなわち研磨部材106aの研磨面研磨面の傾斜角度を水平面に対して0〜0.3度とするのが好ましい。なお、本実施形態では、治具盤120がフェルール用筒状体20を鉛直方向に対して8度傾斜させて保持し、研磨定盤105aの弾性部材107aの設けられる面、すなわち研磨部材106aの研磨面を水平方向から0.125度傾斜させた。
【0102】
また、この荒研磨に用いられる弾性部材107aとしては、70〜97Hsの硬度の範囲から選択し、研磨部材106aとしては、研磨砥粒の粒径が8〜15μmの研磨シートを用いた。
【0103】
このような荒研磨では、弾性部材107aの硬度が比較的高硬度なため、フェルール用筒状体20を保持した治具盤120を比較的小さな圧力で押圧しても、フェルール用筒状体20の先端に傾斜角度の安定した先端面23aを形成することができる。
【0104】
本実施形態では、フェルール用筒状体20に対して0.74〜1.47N/本の圧力で押圧することができ、フェルール用筒状体20を16本保持する上述の治具盤120では、押圧手段が治具盤120を11.8〜23.5Nの圧力で押圧すればよく、このような比較的低い圧力での押圧は容易に行うことができる。
【0105】
次に、図10(b)に示すように、フェルール用筒状体20の先端面23aを中研磨して先端面23bを形成する。
【0106】
この中研磨では、荒研磨時の研磨部材106aよりも研磨砥粒の粒径が小さな研磨シートからなる研磨部材106bを用いて、フェルール用筒状体20を荒研磨時と同等の角度で当接させて研磨を行うことにより、フェルール用筒状体20の先端に先端面23bを形成する。
【0107】
なお、研磨部材106bとしては、研磨砥粒の粒径が0.5μm〜4μmの間が好ましく、ここでは1μmの研磨シートを用いて、荒研磨時の弾性部材107aを用いた。
【0108】
このような中研磨工程では、弾性部材107aは荒研磨と同等で比較的高硬度なため、フェルール用筒状体20を保持した治具盤120を比較的小さな圧力で押圧しても、フェルール用筒状体20の先端に傾斜角度の安定した先端面23bを形成することができる。
【0109】
本実施形態では、フェルール用筒状体20に対して0.74〜2.06N/本の圧力で押圧することができ、フェルール用筒状体20を16本保持する上述の治具盤120では、治具盤120を11.8〜32.9Nの圧力で押圧すればよく、このような比較的低い圧力での押圧は容易に行うことができる。
【0110】
次に、図10(c)に示すように、フェルール用筒状体20の先端面23bを仕上げ研磨して先端面23を形成する。
【0111】
この仕上げ研磨では、中研磨時の弾性部材107aよりも低硬度の弾性部材107bを用いると共に中研磨時の研磨部材106bよりも研磨砥粒の粒径の小さな研磨部材106cを用いて、フェルール用筒状体20を研磨部材106cの研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、フェルール用筒状体20の軸方向とフェルール用筒状体20よりも回転中心側の研磨面とのなす角度が荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う。
【0112】
実際には、上述した端面研磨装置の治具盤120では、治具盤120が保持したフェルール用筒状体20の傾斜角度を変えられないため、研磨部材106cの研磨面の傾斜角度を大きくしている。仕上げ研磨を行う工程では、研磨部材106cの研磨面の傾斜角度は水平面に対して0.4度〜1.3度、好ましくは0.8度から1.0度、より好ましくは0.9度とするのがよい。
【0113】
このように研磨部材106cの傾斜角度を大きくするため、弾性部材107bが固定される面が研磨定盤105aよりも大きな角度で傾斜した研磨定盤105bを用いることで、研磨部材106cの研磨面をより傾斜させて、フェルール用筒状体20を荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるように研磨部材106cの研磨面に当接させることができる。
【0114】
なお、本実施形態では、仕上げ研磨時の弾性部材107bとしては、硬度が荒研磨及び中研磨を行う際に選択した硬度よりも低硬度となるように、60〜80Hsの硬度の範囲から選択すればよい。
【0115】
また、仕上げ研磨時の研磨部材106cとしては、研磨砥粒の粒径が0.02μmの研磨シートを用いた。
【0116】
このようにフェルール用筒状体20を研磨部材106cの研磨面に当接させる角度を荒研磨及び中研磨時よりも大きくすることで、研磨始めは、光ファイバ1の先端面が研磨部材106cに当接せず、フェルール用筒状体20のみを研磨する。そして、研磨を進めると、光ファイバ1の先端面を徐々に研磨部材106cに当接させて研磨することができる。これにより、研磨時の光ファイバ1の割れを防止して、歩留まりのよい研磨を高精度に行うことができる。
【0117】
なお、このような仕上げ研磨では、研磨部材106cの硬度が比較的高硬度なため、フェルール用筒状体20を保持した治具盤120を比較的小さな圧力で押圧しても、フェルール用筒状体20の先端に傾斜角度の安定した先端面23を形成することができる。
【0118】
具体的には、本実施形態では、フェルール用筒状体20に対して0.74〜1.23N/本の圧力で押圧することができ、フェルール用筒状体20を16本保持する上述の治具盤120では、治具盤120を11.8〜19.6Nの圧力で押圧すればよく、このような比較的低い圧力での押圧は容易に行うことができる。
【0119】
このようにフェルール用筒状体20の研磨前の先端面を所定の外径となるように形成すると共に、一連の荒研磨、中研磨及び仕上げ研磨を行うことによって、フェルール用筒状体20の先端に光ファイバ1の先端面の中心から50μm以下となる頂点の凸面状の先端面23を高精度に形成することができる。すなわち球面偏心量を50μm以下とすることができる。
【0120】
なお、このような斜めPCコネクタ40のフェルール10の研磨方法は、上述したフェルール10に限定されず、例えば、従来の形状の斜めPCコネクタ用のフェルールにも適用して高精度に研磨することができる。
【0121】
以上フェルールについて説明したが、フェルールとつば部材が一体であるフェルールに対しても上述の研磨方法を適応することは可能である。さらに、フェルール用筒状体を研磨し、プリドームフェルールを形成した後、光ファイバをフェルール内に固定し、研磨を行っても良い。
【0122】
(実施形態2)
図11は、フェルールの他の実施形態を示す斜視図、軸方向の平面図及びその断面図である。なお、上述したフェルールの実施形態1で説明した同等の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0123】
図11に示すように、他の実施例であるフェルール10Aは、外径が1.25mmで形成されたフェルール用筒状体20Aと、フェルール用筒状体20Aの一端部に嵌合されたつば部材30とを具備する。
【0124】
フェルール用筒状体20Aの先端面23Aは、上述した実施形態1と同様に、光ファイバ1の先端面と共に光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状、本実施形態では、凸球面に近似した非球面で形成されている。
【0125】
すなわち、先端面23Aは、光ファイバ1近傍の中心領域の曲率半径に対して、傾斜方向突出側の周縁部近傍の曲率半径が大きく且つ傾斜方向他方側の周縁部近傍の曲率半径が小さい凸面状で形成であると共にこの光ファイバ1近傍の中心領域の曲率半径及び傾斜方向両側の周縁部近傍の曲率半径は所定の範囲、本実施形態では、5mm〜12mmとなるように形成されている。
【0126】
さらに、フェルール用筒状体20Aの凸面状に形成された先端面23Aは、光ファイバ1の中心領域から傾斜方向突出側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量と比較して、傾斜方向他方側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量が小さくなるように形成されている。
【0127】
また、フェルール用筒状体20Aの先端部には、先端面23Aと同等の外径を有する小径筒状部25が設けられている。
【0128】
この小径筒状部25の外径は、凸面状の先端面23Aを研磨により形成する前に所定の外径の先端面23Aを形成するために設けられたものであり、本実施形態では、フェルール用筒状体20Aの研磨前の垂直な先端面の外径を0.3〜0.9mmとするため、小径筒状部の外径も0.3〜0.9mmとなっている。
【0129】
また、フェルール用筒状体20Aの小径筒状部25との外径差による段差が形成された縁部には、面取り部24Aが形成されている。
【0130】
このようなフェルール用筒状体20Aは、予め小径筒状部25を形成した後に上述した実施形態1と同様に研磨することによって、容易に且つ高精度に形成することができる。
【0131】
なお、フェルール用筒状体20Aの凸面状の先端面23Aの頂点と光ファイバ1の先端面の中心との距離が50μm以下となるようにするには、研磨前の先端面及び小径筒状部25の外径を0.3〜0.9mmとすることで実現できるが、小径筒状部25及び先端面23Aの外径を0.55〜0.7mmに形成することで30μm以下とすることができる。なお、小径筒状部25は、例えば、研削等によって形成することができる。
【0132】
(他の実施形態)
以上、本発明方法による実施形態1及び2を説明したが、本発明の斜めPCコネクタのフェルールの研磨方法は、上述したものに限定されるものではない。
【0133】
例えば、上述した実施形態1では、研磨定盤105、105a、105bを回転中心に向かって凹状に傾斜させ、治具盤120に斜めPCコネクタ40の後端部側が治具盤本体130の厚さ方向に対して中心から周縁部に向かって傾斜、すなわち逆ハの字状に保持するような傾斜角度で設けることで、フェルール用筒状体の先端面が光ファイバ近傍の中心領域の曲率半径に対して、傾斜方向突出側の周縁部近傍の曲率半径が大きく、傾斜方向他方側の周縁部近傍の曲率半径が小さい凸面状としたが、研磨定盤を回転中心に向かって凸状に傾斜させ、治具盤は斜めPCコネクタの後端部側が治具盤本体の厚さ方向に対して中心方向に向かって傾斜、すなわちハの字状に保持するような傾斜角度で設けるようにしても同様の端面研磨が可能である。
【0134】
また例えば、上述した実施形態1では、端面研磨装置の治具盤120が、斜めPCコネクタ40を傾斜させて保持し、研磨部材106a〜106cの研磨面を荒研磨及び中研磨と仕上げ研磨とで傾斜角度を変えることによって、各研磨工程時の角度の調整を行うようにしたが、これに限定されず、例えば、研磨部材の研磨面を各研磨工程で傾斜角度を変えず、フェルール用筒状体を保持した治具盤が、フェルール用筒状体の傾斜角度を各研磨工程で変えられるような構造としてもよい。
【0135】
このように、各研磨工程でフェルール用筒状体の軸方向と研磨部材の研磨面とのなす角度を調整できれば、端面研磨装置は上述したものに限定されるものではない。
【0136】
また、上述した実施形態1及び2では、MU型斜めPCコネクタ用のフェルールを例示したが、LC型等の斜めPCコネクタ用のフェルールとしてもよい。
【0137】
さらに、上述した実施形態1及び2では、フェルール用筒状体の外径を1.25mmとしたが、これに限定されず、フェルール用筒状体の外径が2.5mmのSC型、FC型等の斜めPCコネクタ用のフェルールとしてもよい。
【0138】
このようなフェルールであっても、上述した実施形態1及び2と同様に研磨前の先端面の外径や、各研磨工程の傾斜角度の調整及び弾性部材の硬度などにより、容易に且つ高精度に傾斜した凸面状の先端面を形成することができる。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、荒研磨及び中研磨時のフェルール用筒状体と研磨部材の研磨面とを当接させる角度に比べて、仕上げ研磨時の角度を大きくして研磨するようにしたため、光ファイバの割れを防止して高精度な研磨を行うことができる。また、所定の硬度の弾性部材を用いて研磨を行うことで、フェルール用筒状体を低圧力で押圧しても安定した研磨を行うことができる。これにより、低挿入損失及び高反射減衰量の斜めPCコネクタのフェルールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るフェルールの斜視図、軸方向の平面図及びその断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るフェルール用筒状体の先端面の光ファイバ近傍の中心領域から傾斜方向の距離と曲率半径との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態1に係る斜めPCコネクタの分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る斜めPCコネクタの分解平面図及び組立断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る端面研磨装置の概略断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る治具盤の斜視図及び側面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る治具盤の上面図である。
【図8】本発明の実施形態1に係る治具盤の断面図であり、(a)は支持機構と図7のA−A′断面図、(b)は図7のB−B′断面図である。
【図9】本発明の実施形態1に係るフェルールの端面研磨方法を示すフェルール用筒状体の要部平面図である。
【図10】本発明の実施形態1に係るフェルールの端面研磨方法を示すフェルール及び端面研磨装置の要部断面図である。
【図11】本発明の実施形態2に係るフェルールの斜視図、軸方向の平面図及びその断面図である。
【図12】従来技術に係るフェルールの斜視図、軸方向の平面図及び端面方向の平面図である。
【符号の説明】
10、10A フェルール
20、20A フェルール用筒状体
23、23a、23b、23A 先端面
24、24A 面取り部
25 小径筒状部
30 つば部材
33 つば部
40 斜めPCコネクタ
50 プラグハウジング
60 プラグフレーム
70 ストップリング
80 付勢ばね
105、105a、105b 研磨定盤
106、106a、106b、106c 研磨部材
107、107a、107b 弾性部材
110 支持機構
120 治具盤

Claims (7)

  1. 装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、
    前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、
    前記荒研磨を行う工程では、前記研磨部材の研磨面の傾斜角度を水平面に対して0度〜0.3度とすることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  2. 装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、
    前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、
    前記中研磨を行う工程では、前記研磨部材の研磨面の傾斜角度を水平面に対して0度〜0.3度とすることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  3. 装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、
    前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研 磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、
    前記仕上げ研磨を行う工程では、前記研磨部材の研磨面の傾斜角度を水平面に対して0.4度〜1.3度とすることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  4. 装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、
    前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、
    前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、先端に外径が0.55mm〜0.7mmの先端面を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  5. 装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、
    前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、
    前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、当該フェルール用筒状体の先端 部に先端面の外径と同等の小径の筒状部を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  6. 装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、
    前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、
    前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、先端に外径が0.3mm〜0.9mmの先端面を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  7. 装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより、当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、
    前記フェルール用筒状体の先端に、前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体を前記研磨部材の研磨面に対して相対的に傾斜させて当接させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が鈍角となるようにして荒研磨及び中研磨を行う工程と、前記弾性部材を前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも低硬度とし、且つ前記フェルール用筒状体を前記研磨面に対して相対的に傾斜させ、その軸方向と当該フェルール用筒状体よりも回転中心側の前記研磨面とのなす角度が前記荒研磨及び中研磨を行う工程よりも大きな角度となるようにして仕上げ研磨を行う工程とを具備し、前記先端面の外径を0.3mm〜0.9mmとし、前記荒研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記中研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を70Hs〜97Hsの範囲から選択し、前記仕上げ研磨を行う工程では前記弾性部材の硬度を60Hs〜80Hsの範囲から選択し、
    前記弾性部材の厚みが1mm〜5mmであることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
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