JP4095687B2 - 樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は改良されたアクリルゴムを含有するアクリル樹脂、またはゴム質重合体の存在下に、アクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを所定の割合で重合させた共重合樹脂に、脂肪族ジカルボン酸とジオール成分とを反応させて得られる特定構造の脂肪族ポリエステルを含有して得られる透明性、耐候性ならびに実用強度、とりわけ射出成形品や押出成形品にした場合の透明性、かつ耐候性に優れた樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル樹脂やスチレン−メタアクリル酸メチル共重合体であるMS樹脂は透明で強度や耐候性に優れており、成形材料として看板、銘板、カーポート屋根材、照明用やプロジェクションテレビのディスプレー等の用途に使用されている。また、一般にアクリル樹脂やMS樹脂は衝撃強度が弱く、用途が制限されるという欠点を有しているため、アクリル樹脂やMS樹脂の衝撃強度を向上させた樹脂として、アクリルゴムやブタジエン系ゴムを用いて(メタ)アクリル酸アルキルをグラフト重合して得られる耐衝撃性アクリル樹脂が知られている。
【0003】
この様なアクリル樹脂やMMA成分の多いMS樹脂では流動性、成形加工性、柔軟性が悪いのため、その改良のために例えば、鉱油等を配合することにより、流動性を改善する技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アクリル樹脂やMS樹脂に鉱油等を配合した場合、これれの樹脂の特徴である透明性並びに耐候性が著しく損なわれ、また、流動性の改善効果も充分なものでないという課題を有していた。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、アクリル樹脂やMS樹脂のゴム変性樹脂等の樹脂に対して、透明性や耐候性を劣化させることなく、流動性を従来になく向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、この様な状況に鑑み鋭意研究した結果、アクリルゴムを含有するアクリル樹脂(a1)、又は、ゴム質重合体の存在下に、アクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを、アクリル系単量体/芳香族ビニル系単量体の重量比で(60〜95)/(40〜5)となる割合でグラフト重合させた共重合樹脂(a2)を含有する樹脂成分(A)に、特定の脂肪族ポリエステル(B)とを必須成分とすることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、アクリルゴムとアクリル系単量体との混合溶液、或いは、アクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを前者/後者の重量比で(60〜95)/(40〜5)となる割合で含有し、更に、ゴム質重合体を含有する混合溶液を、1個以上の攪拌式反応器とそれに続き可動部分のない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応器を組み込んでなる連続塊状重合ライン内で重合して樹脂成分(A)を製造する際に、 (1) 前記管状反応器を含む重合ライン途中で、脂肪族ジカルボン酸(b1)とジオール成分(b2)との反応物であって、かつ、BM型粘度計による粘度が50〜5,000cps(25℃)である脂肪族ポリエステル(B)を混合しつつ樹脂成分(A)の重合を行なうか、 (2) 前記アクリル系単量体又は混合溶液中に、前記脂肪族ポリエステル(B)を溶解させ、次いで樹脂成分(A)の重合を行なうか、或いは、 (3) 前記重合を行ない未反応モノマーや溶剤を除去して得られた樹脂成分(A)と、前記脂肪族ポリエステル(B)とを溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるアクリルゴムを含有するアクリル樹脂(a1)とは、一般に、アクリルゴムを含有し、かつ、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル単位を主成分とするアクリル樹脂が好ましく挙げられる。更に具体的には、アクリルゴムを含有し、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと、炭素数1〜4のアルキル基を有するアクリル酸アルキルとの共重合体であることが好ましい。
【0014】
上記のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルに例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等があり、なかでも性能上からメタクリル酸メチルが最も好ましい。
【0015】
また、メタクリル酸アルキルと併用して共重合させる炭素数1〜4のアルキル基を有するアクリル酸アルキルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等があり、なかでも性能上からアクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。アクリル樹脂中に含まれるアクリル酸アルキル単位の割合は20重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%である。
【0016】
また、アクリル樹脂(a1)は、更にアクリルゴムを含有していることが耐衝撃性の点から好ましい。ここで、アクリルゴムを含有するアクリル樹脂とは、メタクリル酸メチルを主成分とするマトリックス樹脂中に常温でゴム弾性を示すゴム質重合体が粒子状に分散した構造のものである。
【0017】
アクリルゴムとは公知公用のアクリル酸エステル系重合体であり、原料モノマーであるアクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2ーエチルヘキシルであり、単独または2種類以上のモノマーを併用しても良い。
【0018】
本発明で用いる共重合樹脂(a2)とは、ゴム質重合体の存在下に、アクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを、アクリル系単量体/芳香族ビニル系単量体の重量比で(60〜95)/(40〜5)となる割合でグラフト重合させたものである。
【0019】
即ち、アクリル系単量体の使用割合が60重量%未満の場合には、優れた耐候性が発現されない。また、透明性と流動性の点からアクリル系単量体の使用割合は95重量%以下であることが好ましく、即ち、耐候性、透明性及び流動性のバランスに優れる点からアクリル系単量体/芳香族ビニル系単量体(重量比)が60/40〜95/5であることを要する。更に、これらの性能のうち、特に透明性並びに流動性良好になる点からアクリル系単量体/芳香族ビニル系単量体(重量比)が60/40〜80/20となる範囲が好ましい。
【0020】
また、共重合樹脂(a2)のマトリックス成分の分子量は、特に制限されるものではないが、共重合樹脂の重量平均分子量(Mw)が5万〜18万で、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.8〜3.0のものが好ましく、なかでも重量平均分子量(Mw)が8万〜15万のものが適している。
【0021】
共重合樹脂(a2)を構成するアクリル系単量体とは、特に限定されるものではないが、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルであることが好ましく、この(メタ)アクリクリル酸アルキルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等のメタアクリル酸アルキル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2ーエチルヘキシル等のアクリル酸アルキルが挙げられる。なかでも性能上からメタクリル酸メチルが最も好ましい。また、共重合樹脂(a2)においては、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとを併用することが好ましく、その場合、アクリル酸アルキルは20重量%以下が好ましく、特に0.5〜15重量%であることが好ましい。
【0022】
共重合樹脂(a2)を構成する芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、ターシャリーブチルスチレン、o−ブロムスチレン、m−ブロムスチレン、p−ブロムスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等が挙げられる。なかでも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、共重合樹脂(a2)としてα−メチルスチレンを1〜20重量%となる割合で含有する場合、耐熱性が著しく良好なものなり好ましい。
【0023】
本発明における共重合樹脂(a2)は、上記の如く、ゴム質重合体の存在下に、アクリル系単量体と芳香族ビニル単量体とを必須の単量体成分として共重合させることにより、成形品の耐衝撃性を著しく改善できる。
【0024】
ここで使用されるゴム質重合体とは、特に限定されるものではないが、例えば、ポリブタジエン、スチレ−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム及びその水添ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム及びその水添ゴム、エチレン−プロピレンターポリマー系ゴム、ブタジエン・アクリロニトリル共重合ゴム、アクリル系ゴム、アクリル酸アルキル−ブタジエン共重合ゴム等が挙げられる。
【0025】
なかでも、最終組成物の衝撃強度、透明性、耐候姓の優れたもので、かつ連続塊状重合法に適してゴム質重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム及ぶその水添ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム及びその水添ゴム、アクリル酸アルキル−ブタジエン共重合ゴム等が挙げられる、単独で用いるか、または2種類以上を併用することができる。
【0026】
また、本発明で用いるゴム質重合体として、例えばブタジエン系ゴム質重合体を用いる場合は、5重量%スチレン溶液粘度が5〜40センチポイズのポリブタヂエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴムであり、共重合ゴム中のスチレン骨格含有率は、前記した通り、20重量%以下であることが好ましい。更にスチレン骨格含有率が15重量%以下であることが特に好ましい。
【0027】
また、スチレン−ブタジエン共重合ゴム中のスチレンモノマーとブタジエンモノマーとの結合様式としては、ランダム結合、ブロック結合、テーパードブロック結合が挙げられるが、ランダム共重合体であることが、耐候性の向上効果が顕著になり好ましい。すなわち、共重合ゴムの結合スチレン量が20重量%まで増えるに従って、結合スチレンのブロック化率を下げることが本発明の樹脂組成物の耐候性を向上させるのに重要である。更に詳述すれば、共重合ゴムのスチレン骨格含有率が、10重量%まではブロック結合の多いもので良いが、10〜20重量%の場合は完全ランダム結合かランダム結合部分の多い共重合ゴムを用いるのが耐候性向上効果が格段に優れたものとなる。
【0028】
更に、本発明で用いるポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴムは、5重量%スチレン溶液粘度が5〜40センチポイズのものが耐衝撃強度の向上効果が大きく、かつ製造に際してゴム粒子径のコントロールが容易な点で好ましく、特に25℃での5重量%スチレン溶液粘度が9〜30センチポイズで、かつ100℃でのLローター使用によるムーニー粘度が20〜80のものが好ましい。
【0029】
上記ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴムは、ブタジエンモノマーに基づく不飽和結合のうちの1,2−ビニル結合の割合が7〜35%のもの、なかでも10〜25%のものが好ましい。この場合、1,2−ビニル結合の残りはシスおよびトランス結合を形成している。
【0030】
ここで、1,2−ビニル結合の割合が7%以上の共重合ゴムを用いた場合には、ゴム変性共重合樹脂中のトルエン不溶分含有率が上昇し、耐衝撃性が向上する。一方、該1,2−ビニル結合の割合が25%以下の場合には、製造時の高温下での架橋の進行を抑制できる一方グラフト化率を高められ、ゴム弾性が向上し、やはり耐衝撃性が向上する。更に、10〜25%の範囲に入る場合は、樹脂(A)のグラフト化率と架橋の程度とのバランスが著しく良好となり、ゴム弾性が著しく向上するので好ましい。
【0031】
詳述したゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル系単量体と、アクリル系単量体とを、アクリル系単量体が60重量%以上となる割合でグラフト重合させて得られる共重合樹脂(a2)は、25℃でのトルエン不溶分含有率が10〜25重量%であることが好ましく、更に、上記のトルエン不溶分含有率を満たし、かつ、トルエンによる膨潤指数が6〜15で、かつトルエン不溶分含有率/膨潤指数が0.80〜2.50重量%であることが好ましい。この数値範囲にある場合、ゴム変性共重合樹脂は、該樹脂内において該共重合ゴムのグラフト化率と架橋の程度のバランスが良好となり、成形品の透明性、耐衝撃性及び耐候性のバランスが著しく良好なものとなる。
【0032】
また、マトリックス樹脂である、芳香族ビニル系単量体とアクリル系単量体との共重合体中に分散するグラフト共重合樹脂粒子の形状は特に限定されるものではないが、後に詳述する連続塊状重合法でゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル系単量体とアクリル系単量体とをグラフト重合させて得られる共重合樹脂(a2)の場合は、グラフト共重合ゴム粒子中にマトリックス樹脂がオクルードされて分散している、所謂「サラミ構造」の形態をとることが、耐衝撃性の点から好ましい。また、グラフト共重合樹脂粒子の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、平均ゴム粒子径は0.20〜1.20μmであることが好ましく、特にゴム変性共重合樹脂組成物の透明性、耐衝撃性、耐候性 に優れる点から0.40〜0.80μmであることがなかでも好ましい。本発明においては、25℃でのトルエン不溶分含有率を10〜25重量%と高い水準にしても、此の様に平均粒子径を小さくすることができ、その結果、透明性と耐衝撃性との効果が従来になく優れたものとなる。
【0033】
また、ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル系単量体と、アクリル系単量体とをグラフト重合させる際、更にその他の共重合可能なモノマーをグラフト共重合してもよく、その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば(メタ)アクリロニトリル等のビニル−シアン化合物類;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、桂皮酸等の重合性不飽和脂肪酸;N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−p−ブロモフェニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等に代表される不飽和カルボン酸無水物類;アリルアミン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸−アミノプロピル等のアミノ基含有不飽和化合物類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド系化合物が挙げられる。
【0034】
一方、本発明で用いる脂肪族ポリエステル(B)は脂肪族ジカルボン酸(b1)とジオール(b2)を反応させて得られるポリエステルであり、かつ、BM型粘度計による粘度が100〜1,000cps(25℃)である脂肪族ポリエステル(B)である。
【0035】
本発明においてはこの様な脂肪族ポリエステル(B)を用いることにより、樹脂成分(A)の透明性や耐候性を損なうことなく、組成物の流動性を著しく改善できる。また、樹脂成分(A)を単独で使用する場合に比べて成形開始温度を低下させることができる。よって、成形温度域を拡大させることができ、また、射出成形する際の透明性の射出圧力依存性を殆どなくすことができる。この透明性の射出圧力依存性をなくすことにより、例えば大型射出成形品におけるゲート部と末端部との透明性勾配をなくすことができる。また、この脂肪族ポリエステル(B)を用いる場合は、更に、成形品の耐油性を著しく向上させることができる。
【0036】
また、本発明は樹脂成分(A)がゴム質重合体を含有する場合に、前記脂肪族ポリエステル(B)として、BM型粘度計による粘度が100〜1,000cps(25℃)のものを用いることにより、成形品の透明性に格段に優れたものとなり、かつ成形条件の違いによって透明性に変化を生じない、という特筆すべき効果を発現することを見いだしたものである。また、前記脂肪族ポリエステル(B)の数平均分子量は、500〜2000のもので、好ましくは700〜1500のものであることが好ましい。
【0037】
記脂肪族ポリエステル(B)の具体例としては直鎖状脂肪族ジカルボン酸とジオールとのポリエステルや脂環式ジカルボン酸とジオールとのポリエステル等が挙げられるが、なかでも、直鎖状脂肪族ジカルボン酸とジオールとのポリエステルが好ましい。
【0038】
これらの脂肪族ポリエステル(B)は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、複数種併用してもよい。
【0039】
ここで用いられる直鎖状脂肪族ジカルボン酸(b1)としては、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン等の二塩基酸が挙げられるが、本発明の効果が顕著である点からアジピン酸が好ましい。
【0040】
また、ジオール(b2)としては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、なかでも本発明の効果が顕著である点から、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールが好ましい。
【0041】
また、脂肪族ジカルボン酸とジオールとの組み合わせとしては、上記例示化合物の何れを組み合わせてもよいが、具体的には、アジピン酸と1,3−プロパンジオールとから構成されるポリエステル、アジピン酸と1,4−ブタンジオールとから構成されるポリエステル、アジピン酸と1,5−ペンタンジオールとから構成される脂肪族ポリエステルが、本発明の熱可塑性樹脂と混合する場合、その粘度範囲が最適であり、成形品の外観も優れている点から好ましい。
【0042】
この脂肪族ジカルボン酸とジオールとの反応によって得られるポリエステルは、その分子末端が水酸基である場合には、停止剤として更に該水酸基に酢酸或いは脂肪酸等の一価有機酸を使用して反応でき、また、分子末端がカルボキシル基の場合には、一価アルコールを停止剤として使用して反応させてもよい。
【0043】
ここで、停止剤として使用し得る一価有機酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の炭素原子数10〜20の長鎖脂肪酸、或いは、酢酸等の有機酸が挙げられる。一方、一価のアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、イソヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、イソオクタノール、n−ノナノール、イソノナノール、n−デカノール、イソデカノール、イソウンデカノール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコールが挙げられる。
【0044】
停止剤として使用する、一価有機酸または一価アルコールの使用量は特に制限されるものではなく、脂肪族ジカルボン酸、ジオールを含む単量体成分の合計に対して60重量%以下で使用することが好ましい。
【0045】
ポリエステルの具体的な製造方法としては特に制限されるものではなく、脂肪族ジカルボン酸と、ジオールと、一価有機酸または一価アルコールとを触媒の存在下に反応させる所謂一段法であってもよいし、或いは、脂肪族ジカルボン酸とジオールとを触媒の存在下に反応させ、次いで、一価有機酸または一価アルコールを反応させる二段法であってもよい。
【0046】
触媒として、従来公知のエステル化触媒、例えば、硫酸、塩酸、トルエンスルホン酸、燐酸等の酸触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタネート触媒、モノまたはジメチル錫オキサイド、モノまたはジブチル錫オキサイド、モノまたはジオクチル錫オキサイド、モノまたはジメチル錫クロライド、モノまたはジブチル錫クロライド等の有機錫触媒等が使用できるが、有機錫触媒を用いることが成形品の透明性の点から好ましい。
【0047】
以上詳述した樹脂成分(A)と、脂肪族ポリエステル(B)とを必須成分とする本発明の樹脂組成物を製造する方法、即ち、両者を混合する方法としては特に制限されるものではなく、例えば、当該樹脂(a1)または共重合樹脂(a2)を重合する前に、当該樹脂(a1)または共重合樹脂(a2)の原料単量体成分に脂肪族ポリエステル(B)を溶解し、次いで該単量体成分を重合する方法、当該樹脂(a1)または共重合樹脂(a2)の重合途中に脂肪族ポリエステル(B)を添加する方法、および、当該樹脂(a1)または共重合樹脂(a2)を製造後、脂肪族ポリエステル(B)と溶融混練する方法等が挙げられる。
【0048】
上記の混合方法は、当該樹脂(a1)または共重合樹脂(a2)の重合方法に係わらず、例えば、塊状−懸濁重合、溶液重合および連続塊状重合の何れの重合方法においても適用し得るが、塊状−懸濁重合の場合は、重合後に脂肪族ポリエステル(B)を溶融混練する方法が好ましく、溶液重合の場合は、予め、単量体成分にアルキルエステル(B)を添加する方法が好ましい。また、連続塊状重合法の場合は、重合途中で添加する方法が、生産性および作業性が良好である点から好ましい。
【0049】
これらの製造方法のなかでも、樹脂(a1)または共重合樹脂(a2)を連続塊状重合で製造する方法、特に、以下に詳述する本発明の製造方法によって樹脂組成物を製造することが、生産性に著しく優れ、また、組成物の均一性が良好となって本発明の効果が顕著となる点から好ましい。
【0050】
即ち、本発明の製造方法は、アクリルゴムとアクリル系単量体との混合溶液、或いは、アクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを前者/後者の重量比で(60〜95)/(40〜5)となる割合で含有し、更に、ゴム質重合体を含有する混合溶液を、
一個以上の攪拌式反応器とそれに続き可動部分のない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応器を組み込んでなる連続塊状重合ライン内で重合して樹脂成分(A)を製造する際に、(1)前記管状反応器を含む重合ライン途中で、脂肪族ジカルボン酸(b1)とジオール成分(b2)とを反応物であって、かつ、BM型粘度計による粘度が50〜5,000cps(25℃)である脂肪族ポリエステル(B)を混合しつつ樹脂成分(A)の重合を行なうか、(2)前記アクリル系単量体又は混合溶液中に、前記脂肪族ポリエステル(B)を溶解させ、次いで樹脂成分(A)の重合を行なうか、或いは、(3)前記重合を行ない未反応モノマーや溶剤を除去して得られた樹脂成分(A)に、前記脂肪族ポリエステル(B)と溶融混練することを特徴とするものである。
【0051】
本発明の製造方法で用いられる連続塊状重合ラインは、一個以上の攪拌式反応器とそれに続き可動部分のない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応器(以下、「静的ミキシングエレメントを有する管状反応器」と略す)を組み込んだ連続塊状重合ラインであるが、この様な連続塊状重合ラインを用いて、該管状反応器による静的な混合を行いながら連続的に塊状重合を行うことにより、アクリル系単量体の重合で発生する重合熱を効率的に除去し、かつ、粘度の異なるもの同士でも容易に混合することができ、組成物の均一性を著しく向上させることができるため、透明性と耐候性とに優れる樹脂組成物が効率的に製造できる。
【0052】
この様な方法として、具体的には、例えば撹拌式反応器を2個連結し、それに引き続いて静的ミキシングエレメントを有する管状反応器とを組み込んだ連続塊状重合ラインに連結された重合ラインを用い、前記したアクリル系単量体、或いは、アクリル系単量体を60重量%以上の割合で含有するアクリル系単量体とスチレン系単量体との混合溶液(以下、これらのアクリル系単量体、或いは、混合溶液を「原料単量体」と略記する)を撹拌式反応器に導入し、2つ目の撹拌式反応器内で重合率40〜60%まで重合を行い、次いで、静的ミキシングエレメントを有する管状反応器から成る連続塊状重合ラインに導入する方法が挙げられるが、以下の連続塊状重合法が、静的ミキシングエレメントを有する管状反応器の機能を最大限に発揮でき、しかも生産性、操作性に著しく優れている点から好ましい。
【0053】
即ち、原料単量体を、攪拌式反応器とそれに続き可動部分のない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応器を組み込んでなる連続塊状重合ライン内でグラフト共重合する際に、
(1)前記管状反応器を含む重合ライン途中で、前記脂肪族ポリエステル(B)を混合しつつ前記重合を行なう方法(以下、この方法を「方法(1)」と略記する)、
(2)前記原料単量体中に、脂肪族ポリエステル(B)を溶解させ、次いで重合を行なう方法(以下、この方法を「方法(2)」と略記する)、或いは、
(3)重合を行ない未反応単量体や溶剤を除去して得られた樹脂(a1)若しくは(a2)に、脂肪族ポリエステル(B)と溶融混練する方法(以下、この方法を「方法(3)」と略記する)、以上の(1)〜(3)の方法によって、脂肪族ポリエステル(B)を混合することにより、得られるポリマー組成を均一にコントロールでき、更に、アルキルエステル類(B)をより均一に分散できることから、透明性と耐候性とに優れる熱可塑性樹脂組成物を効率的に製造でき好ましい。
【0054】
また、これらのなかでも特に、樹脂製造後の溶融混練工程がなく、生産性に優れる点、および、該溶融混練に伴う色相の変化がなく、透明性がより良好となる点から方法(1)及び方法(2)が好ましい。
【0056】
一方、組成物中のゴム粒子の均一分散性が良好となって透明性が一層優れたものとなる点からは方法(1)が好ましい。
【0057】
また、上記の攪拌式反応器とそれに続き可動部分のない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応器を組み込んでなる連続塊状重合ラインを用いた重合方法としては、具体的には、原料単量体あるいは原料単量体とゴム成分との混合物を、
a.攪拌式反応器と、
b.攪拌式反応器から続き可動部分の全くない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている1個以上の管状反応器からなる初期重合ラインと、
c.初期重合ラインから続き可動部分の全くない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている1個以上の管状反応器からなる主重合ラインと、
d.初期重合ラインと主重合ラインとの間で分枝して初期重合ライン内に戻る還流ライン
とによって構成される重合ラインを用い、初期重合ラインから出る初期重合液流の一部を還流ラインを経て還流させ、一方、還流されなかった初期重合液流を主重合ラインにおいて重合することが、重合液の均一混合、効率的な除熱、ポリマー組成の均一化の点から好ましい。
【0058】
上記a.〜d.によって構成される重合ラインを用いて樹脂(a1)または共重合樹脂(a2)を製造する場合には、脂肪族ポリエステル(B)の添加方法として、上記方法(1)の場合は、a.〜d.における少なくとも1箇所から、脂肪族ポリエステル(B)を添加する方法が挙げられる。特に生産効率の点並びにゴム粒子の均一性の点から、c,の主重合ラインにおいて加えることが好ましい。
【0059】
また、方法(2)によって脂肪族ポリエステル(B)を添加する場合には、原料単量体あるいは原料単量体とゴム成分との混合物に、予め脂肪族ポリエステル(B)を溶解させた後に、攪拌式反応器a.に導入することが好ましい。
【0060】
方法(3)によって混合する場合には、当該重合ラインにおいて、樹脂(a1)又は共重合樹脂(a2)を製造した後、これと脂肪族ポリエステル(B)とを押出機等で溶融混練する方法が挙げられる。
【0061】
これらのなかでも上述の通り、樹脂製造後の溶融混練工程がなく、生産性に優れる点、および、該溶融混練に伴う色相の変化がなく、透明性がより良好となる点から方法(1)及び方法(2)が好ましく、とりわけ、ゴム成分を併用する場合には、組成物中のゴム粒子の均一分散性が良好となって透明性が一層優れたものとなる点から方法(1)が好ましい。
【0062】
以下にこの連続塊状重合法の一例を図面により説明する。
第1図は、静的ミキシングエレメントを有する管状反応器を組み込んだ連続塊状重合ラインの一例を示す工程図である。
【0063】
プランジャーポンプ(1)によって供給される原料単量体あるいは原料単量体とゴム成分との混合物は、まず撹拌式反応器(2)へ送り、撹拌下で初期重合させた後、ギアポンプ(3)により、静的ミキシングエレメントを有する管状反応器(4)、(5)および(6)とギアポンプ(7)とを有する循環重合ライン(I)に送る。
【0064】
尚、ゴム成分を併用する場合は、撹拌式反応器(2)での初期重合と循環重合ライン(I)と組み合わせることで、ゴム粒子に余分な剪断が加わらずゴム粒子のより効率的な微細化が可能となり、重合工程でのポリマー組成を均一化出来る点で好ましい。
【0065】
また、撹拌式反応器(2)での初期重合は、原料単量体の重合転化率が、該反応器(2)の出口において10〜32重量%、好ましくは14〜28重量%となる様に実施される。また撹拌式反応器(2)としては、例えば撹拌式槽型反応器、撹拌式塔型反応器等が挙げられ、撹拌翼としては、例えばアンカー型、タービン型、スクリュー型、ダブルヘリカル型等の撹拌翼が挙げられる。
【0066】
本発明では、反応器での上記混合溶液の粘性を低下させる為に溶剤を使用してもよく、その使用量は原料モノマーの合計100重量部に対して5〜20重量部である。溶剤の種類としては、通常、塊状重合法で使用されているトルエン、エチルベンゼン、キシレン等が適している。
【0067】
また、本発明では、上記原料単量体液中に樹脂(a1)または共重合樹脂(a2)の分子量調節のために連鎖移動剤を添加すると好ましい。該連鎖移動剤の添加量は、通常原料モノマーの合計に100重量部に対して0.05〜0.5重量部の範囲である。上記の様に動的撹拌下に初期重合された混合溶液は、次いで循環重合ライン(I)内を循環しながら重合されると共に、その一部は連続的に静的ミキシングエレメントを有する管状反応器(8),(9)および(10)が直列に組み込まれた非循環重合ライン(II)に送られる。
【0068】
原料単量体と共にゴム成分を併用する場合には、循環重合ライン(I)内での原料単量体中のゴム粒子は、該循環重合ライン(I)内を循環しながら静的に混合されて安定化し、粒子径も固定化してくる。この場合、該循環重合ライン(I)での混合溶液の還流比(R)と原料単粒体の重合転化率が重要な因子となる。
【0069】
還流比(R)は、非循環重合ライン(II)に流出せずに循環重合ライン(I)内を還流する重合液の流量をF1 (リットル /時間)とし、循環重合ライン(I)から非循環重合ライン(II)に流出する重合液の流量F2 (リットル/時間)とした場合、通常R=F1 /F2 が3〜15の範囲であり、なかでも管状反応器での圧力損失が小さくなる点、また、ゴム成分を用いる場合には生成するゴム質重合体粒子が安定で、粒径を小さくすることができる点でR=5〜10の範囲が特に好ましい。
【0070】
また、該循環重合ライン(I)でのグラフト重合は、該循環重合ライン(I)出口での原料単量体の重合転化率が、通常35〜65重量%、好ましくは40〜60重量%になる様に重合させる。重合温度としては120〜135℃が適している。
【0071】
循環重合ライン(I)で重合された重合液は、次いで非循環重合ライン(II)に供給され、通常140〜160℃の重合温度で原料単量体の転化率が60〜85重量%となるまで連続的に重合される。次に、この混合溶液はキアポンプ(11)により予熱器、次いで脱揮発槽に送られ、減圧下にて未反応単量体および溶剤を除去した後、ペレット化することにより目的とする樹脂(a1)又は共重合樹脂(a2)が得られる。この際、予熱器および脱揮発槽内での転化率の上昇が7重量%以下になる条件で予熱および脱揮発を行うと好ましい。
【0072】
本発明で用いる静的ミキシングエレメントを有する管状反応器の内部に固定されている複数のミキシングエレメントとしては、例えば管内に流入した重合液の流れの分割と流れ方向を変え、分割と合流を繰り返すことにより重合液を混合するものが挙げられる。このような管状反応器としては、例えば、SMX型、SMR型のスルザー式の管状ミキサー、ケニックス式のスタティックミキサー、東レ式の管状ミキサー等が好ましい。
【0073】
循環重合ライン(I)や非循環重合ライン(II)に組み込まれるこれらの管状反応器の数は、上記の如き管状反応器の場合、その長さやミキシングエレメントの構造等による異なるので特に限定されないが、ミキシングエレメントを4個以上有する該管状反応器を4〜15個、好ましくは6〜10個組み合せて用いる。このうち循環重合ライン(I)内に組み込む該管状反応器の数は、通常1〜10個、好ましくは2〜6個である。
【0074】
本発明の製造方法における原料単量体あるいは原料単量体とゴム成分との混合物には、必要に応じて重合開始剤として分解した際にフリーラジカルを放出する有機過酸化物を添加すると、比較的低い温度でのクラフト化と反応の促進が行えるので好ましい。その添加量は原料単量体100重量部に対して0.005〜0.04重量部の範囲である。
【0075】
ここで用いる有機過酸化物としては、半減期が10時間になる温度が75〜170℃のものが好ましく、その具体例としては 1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1-ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ゛−t−ブチルパ−オキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ジ−t−ブチルパーオキシオクタン、n−ブチル−4,4-ジ−t−ブチルパーオキシバレレート、2,2-ジ−t−ブチルパーオキシブタン等のパーオキシケタール類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキメタトルエ−ト、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,5-ジメチル−2,5-ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジークミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のパーオキシエステル類等が挙げられ、単独あるいは2種以上組み合せて用いられる。
【0076】
さらに、本発明で用いる原料単量体あるいは原料単量体とゴム成分との混合物には、必要に応じて、ミネラルオイル等の可塑剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、長鎖脂肪酸、そのエステルもしくはその金属塩等の離型剤、シリコンオイルなどの如き公用の添加剤を併用しても良い。
【0077】
このようにして得られる樹脂組成物は、さらに通常用いられる酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、補強材等を配合することが出来る。
【0078】
具体例としては、例えばミネラルオイル、エステル系可塑剤、有機ポリシロキサン、高級脂肪酸及びその金属塩、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ガラス繊維等が挙げられ、それぞれ単独又は併用して用いることが出来る。特に、耐候性向上用に通常用いられている添加剤の具体例としては、チヌビンP、チヌビン327(日本チバガイギー(株))などに代表されるベンゾトリアゾール系またはベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、イルガノックス1076(日本チバガイギー(株))、スミライザーGM、GS(住友化学(株))に代表されるヒンダードフェノール系の酸化防止剤、サノールLSー770に代表されるヒンダードアミン系の光安定剤、トリスノニルフェニルホスファイトに代表されるリン系酸化防止剤、ジミリスチルチオジプロピオネートに代表される有機イオウ系酸化防止剤などが挙げられる。耐候性向上用に用いられている前記添加剤は本発明の脂肪族ポリエステルと同様に、樹脂製造時に添加しても、または本発明の樹脂製造した後に押出機等を用いて溶融混合しても良い。
【0079】
以上詳述した本発明の樹脂組成物の用途は、特に限定されるものではないが、シート押出成形、或いは、IC用のキャリアマガジンレール等の異形押出成形において有用である。
【0080】
シートの製造法は特に限定されず、本発明の樹脂組成物を溶融押出して、Tダイ、サーキュラーダイ等から連続的に押出し、そのまま或いは冷却し延伸に適当な温度に調整して高延伸倍率、例えば2〜5倍で1軸若しくは2軸で面積延伸比に延伸する方法等が挙げられる。また、溶融押出した原反を1度冷却し、次いで再度再加熱により面積比で3〜15倍に延伸してもよい。シートの厚みは特に限定されるものではなく、通常、0.01〜10.0mmであるが、強度向上効果が顕著に発現する好ましい範囲は、シートの厚みは0.02〜5.0mmであることが好ましい。
【0081】
また、本発明の樹脂組成物は、射出成形、単軸押出成形、二軸延伸押出成形、インフレ−ション押出成形、異形押出成形、真空成形、圧空成形、吹込成形などの成形方法により各種成形品にして使用することが出来る。その用途は広範なものに及び、例えば照明、看板、デイスプレイ、電気部品、弱電部品、カーポートサンルーフ等の建材、ブリスターパック、シュリンクフィルムなどの用途がある。 複写機、プリンター、ファクシミリ、パソコンなどのOA機器の各種部品、医療器具類の部品等として用いることができる。
【0082】
更に本発明のゴム変性共重合樹脂組成物には、必要に応じてポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、ゴム変性スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜添加することもできる。
【0083】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示して本発明を更に具体的に説明する。ただし、例中の部はすべて重量部を、また%は全光線透過率を除きすべて重量%を示す。
【0084】
尚、全光線透過率、曇価、耐候性評価及び流動性の評価方法を以下に記す。
【0085】
1.樹脂中のグラフト共重合樹脂粒子の平均粒子径
樹脂の超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をとり、写真中の粒子1000個の粒子径を測定して次式により平均粒子径を求めた。
【0086】
【式1】
(ただし、ni は粒径Di を有するゴム粒子の個数である。)
また、レーザー式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所製)を用いてゴム粒子分布も観察した。
【0087】
2. 全光線透過率および曇価
厚み2mmの試験片を射出成形法で作り、ASTMD-1003に準拠してその値を求め
た。
【0088】
3.耐候性評価
ゴム質重合体を含むものについては、アイゾット衝撃強度用試験片を「JIS Kー6871」に準拠してアイゾット衝撃強度を測定し、次いで、ウェザーメーター(スガ試験機製 WEL-SUN-DCH-B)にアイゾット衝撃強度用試験片を曝露し、500時間経過後に試験片を取り出してアイゾット衝撃強度を測定し、その保持率を下記により算出した。また、ゴム質重合体を含まない樹脂組成物については、「JIS K-7113」に準拠してウェザーメーター暴露前と、暴露後500時間経過後とにおいて降伏強度を測定し、その保持率を下記により算出した。
【0089】
【式2】
【0090】
4.流動性試験
「ASPM B-1238(230℃,3.8Kg)」に準拠しメルトフローレートを測定した。
【0091】
また、メルトフローレート向上率については下記により算出した。
【0092】
【式3】
【0093】
参考例1
スチレン25部、メタクリル酸メチル70部、アクリル酸ブチル5部、およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液を調製し、連鎖移動剤として単量体混合物100部に対して 0.2部のn−ドデシルメルカプタンおよび有機過酸化物として単量体混合物100部に対して0.015部の1,1-ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5-トリメチルシクロヘキサンを加え、第1図に示すように配列された装置を用いて連続塊状重合を行った。
【0094】
即ち、上記各成分を含む混合溶液をプランジャーポンプ(1)によって20リットルの撹拌式反応器(2)へ送り、撹拌翼による動的混合下に初期グラフト重合し、次いでこの混合溶液をギアポンプ(3)によって初期重合ライン(I)に送り、重合を行った。尚、初期重合ライン(I)は入口から順に内径2.5インチ管状反応器(スイス国ゲブリューダー・ズルツァー社製SMX型スタティックミキサー・静的ミキシングエレメント30個内蔵)(4)、(5)及び(6)と混合溶液を循環させるためのギアポンプ(7)から構成されている。管状反応器(6)とギアポンプ(7)を有する還流ライン(V)との間には主重合ライン(V)に続く出口が設けられている。主重合ライン(V)には入口から順に上記と同様の管状反応器(8)、(9)及び(10)とギアポンプ(11)が直列に連結されている。
【0095】
また、この重合における条件は以下の通りである。
混合溶液の連続的な供給量:10リットル/時間
還流比R:7
攪拌式反応器(2)での反応温度:115℃
初期重合ライン(III)での反応温度:130℃
主重合ライン(IV)での反応温度:140〜160℃
この様にして重合させて得られた混合溶液を熱交換器で235℃まで加熱し、50mmHgの減圧下で揮発性成分を除去した後、ペレット化して共重合樹脂を得た。これを樹脂A1とする。次いで、このものの曇価を測定し、その結果を参考例3の「透明性の低下度」の基準値とした。また、このもののメルトフローレートを測定し、メルトフローレート向上率の基準値とした。
【0096】
参考例2
スチレン−ブタジエンランダム共重合ゴム〔5%SV:25センチポイズ、スチレン/ブタジエン重量比:10/90〕8部、スチレン30部、メタクリル酸メチル65部、アクリル酸ブチル5部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液を用いた以外は参考例1と同様にして本発明のゴム変性共重合樹脂を得た。これを樹脂A2とする。次いで、このものの曇価を測定し、その結果を実施例1の「透明性の低下度」の基準値とした。また、このもののメルトフローレートを測定し、メルトフローレート向上率の基準値とした。
【0097】
参考例3
スチレン25部、メタクリル酸メチル70部、アクリル酸ブチル5部、分子末端をオクチルアルコールで封止したアジピン酸とブタンジールから成る脂肪族ポリエステル(B)(粘度200 cps)3部、およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液を調製し、連鎖移動剤として単量体混合物100部に対して 0.2部のn−ドデシルメルカプタンおよび有機過酸化物として単量体混合物100部に対して0.015部の1,1-ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5-トリメチルシクロヘキサンを加え、参考例1と同様に第1図図に示すように配列された装置を用いて連続塊状重合を行った。
【0098】
重合させて得られた混合溶液を熱交換器で235 ℃まで加熱し、50mmHgの減圧下で揮発性成分を除去した後、ペレット化して本発明の共重合樹脂組成物を得た。該樹脂の物性の測定結果を第1表に示す。
【0099】
参考例4
ゴム変性ポリメタクリル酸メチル樹脂(住友化学工業株式会社製;スミペックスHT55X)97部、分子末端をオクチルアルコールで封止したアジピン酸とブタンジールから成る脂肪族ポリエステル(B)(粘度1000 cps)3部を配合した後、シリンダー温度200℃で口径が50ミリ2軸押出機で溶融混練して目的の熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。該樹脂の物性の測定結果を第1表に示す。尚、上記「スミペックスHT55X」の曇価を測定し、その結果を本参考例の「透明性の低下度」の基準値とした。
【0100】
実施例1
スチレン−ブタジエンランダム共重合ゴム〔5%SV:25センチポイズ、スチレン/ブタジエン重量比:10/90〕8部、スチレン30部、メタクリル酸メチル65部、アクリル酸ブチル5部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液を用い、また、分子末端をオクチルアルコールで封止したアジピン酸とブタンジールから成る脂肪族ポリエステル(B)(粘度200 cps)3部を管状反応器(8)の前から添加する他は参考例3と同様にして本発明のゴム変性共重合樹脂組成物を得た。物性の測定結果を第1表に示す。尚、得られた組成物中のグラフト共重合樹脂平均粒子径は0.60μm、ゴム粒子分布は均一であった。
【0101】
比較例1
分子末端をオクチルアルコールで封止したアジピン酸とブタンジールから成る脂肪族ポリエステル(B)の替わりに流動パラフィン(S−250、Witco Chemical社製)の3重量部を使用した以外は実施例1と同様にしてゴム変性共重合樹脂組成物を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
尚、第1表における判定基準は以下の通りである。
透明性の低下度(%):脂肪族ポリエステル(鉱油)の有無による成形品の曇価の差
耐候性試験 ○:保持率80%以上
×:保持率50%以下
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、アクリル樹脂やMS樹脂のゴム変性樹脂等の樹脂に対して、透明性や耐候性を劣化させることなく、流動性を従来になく向上させることができる。
【0105】
更に、本発明においてはこれらの効果のみならず、成形品の耐油性も著しく優れたものとなる。
更に連続塊状重合を行った場合には、その生産性が著しく向上する。よって、本発明の製法で得た熱可塑性樹脂組成物は、透明性、耐候性 または耐衝撃性の実用強度に優れ、かつ、流動性に優れるため、各種成形品に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、静的ミキシングエレメントを内部に有する管状反応器を組み込んだ連続重合ラインの一例を示す工程図である。
【符号の説明】
(1):プランジャーポンプ
(2):攪拌式反応器
(3):ギヤポンプ
(4):静的ミキシングエレメントを内部に有する管状反応器
(5):静的ミキシングエレメントを内部に有する管状反応器
(6):静的ミキシングエレメントを内部に有する管状反応器
(7):ギヤポンプ
(8):静的ミキシングエレメントを内部に有する管状反応器
(9):静的ミキシングエレメントを内部に有する管状反応器
(10):静的ミキシングエレメントを内部に有する管状反応器
(11):ギヤポンプ
(I):初期重合ライン
(II):主重合ライン
Claims (4)
- アクリルゴムとアクリル系単量体との混合溶液、或いは、アクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを前者/後者の重量比で(60〜95)/(40〜5)となる割合で含有し、更に、ゴム質重合体を含有する混合溶液を、1個以上の攪拌式反応器とそれに続き可動部分のない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応器を組み込んでなる連続塊状重合ライン内で重合して樹脂成分(A)を製造する際に、(1)前記管状反応器を含む重合ライン途中で、脂肪族ジカルボン酸(b1)とジオール成分(b2)との反応物であって、かつ、BM型粘度計による粘度が50〜5,000cps(25℃)である脂肪族ポリエステル(B)を混合しつつ樹脂成分(A)の重合を行なうか、(2)前記アクリル系単量体又は混合溶液中に、前記脂肪族ポリエステル(B)を溶解させ、次いで樹脂成分(A)の重合を行なうか、或いは、(3)前記重合を行ない未反応モノマーや溶剤を除去して得られた樹脂成分(A)と、前記脂肪族ポリエステル(B)とを溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
- アクリルゴムとアクリル系単量体との混合溶液、或いは、アクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを前者/後者の重量比で(60〜95)/(40〜5)となる割合で含有し、更に、ゴム質重合体を含有する混合溶液を、a.攪拌式反応器と、b.前記攪拌式反応器から続き可動部分の全くない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている1個以上の管状反応器からなる初期重合ラインと、c.前記初期重合ラインから続き可動部分の全くない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている1個以上の管状反応器からなる前記主重合ラインと、d.前記初期重合ラインと前記主重合ラインとの間で分枝して前記初期重合ライン内に戻る還流ラインとによって構成される重合ラインを用い、前記初期重合ラインから出る初期重合液流の一部を、前記還流ラインを経て還流させ、一方、還流されなかった前記初期重合液流を前記主重合ラインにおいて重合して前記樹脂成分(A)を製造する際に、(1)前記管状反応器を含む重合ライン途中で、脂肪族ジカルボン酸(b1)とジオール成分(b2)とを反応物であって、かつ、BM型粘度計による粘度が50〜5,000cps(25℃)である前記脂肪族ポリエステル(B)を混合しつつグラフト共重合体(A)の重合を行なうか、(2)前記アクリル系単量体又は混合溶液中に、前記脂肪族ポリエステル(B)を溶解させ、次いで樹脂成分(A)の重合を行なうか、或いは、(3)前記重合を行ない未反応モノマーや溶剤を除去して得られた樹脂成分(A)と、前記脂肪族ポリエステル(B)とを溶融混練する請求項1記載の製造方法。
- 前記ゴム質重合体が、ポリブタジエン又は芳香族ビニル系単量体を1〜20重量%の割合で用いたスチレン−ブタジエン共重合ゴムである請求項1又は2記載の製造方法。
- 前記脂肪族ポリエステル(B)を、アクリル系単量体又は前記混合溶液に対して0.1〜20重量%となる割合で混合する請求項1、2又は3記載の製造方法。
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