JP4095119B2 - スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法および発泡体 - Google Patents
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Description
本発明は、建材用途などに提供されるスチレン系樹脂押出発泡体に関する。さらに詳しくは環境適合性に優れ、良好な断熱性と圧縮強度を有し、製造安定性にも優れたスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法、および製造された発泡体に関する。
背景技術
スチレン系樹脂発泡体の製造方法として、スチレン系樹脂を押出機等にて可塑化し、これに塩化メチルのような揮発性有機発泡剤を注入混合し、更にこの混合物を良好な発泡体を得るに適する温度まで冷却させ、これを低圧域に押し出すことによりスチレン系樹脂発泡体を連続的に製造する方法が、特開昭47−9593号公報、特開昭52−17574号公報や特開昭52−94366号公報において提案されている。
これら公知方法では、良好な発泡体を製造するのに適した揮発性発泡剤として塩化メチルが提案されている。塩化メチルは、スチレン系樹脂の可塑化性能が高く、押出圧力を低下させて製造することが可能であり、工業的に有利なスチレン系樹脂発泡体の製造に寄与することに加え、スチレン系樹脂発泡体に対して透過性が極めて大きいため該発泡体中に残存し難く、発泡体の形状安定性等において非常に好ましい発泡剤とされ、事実長らく使用されている。
しかし、最近、塩化メチルの取扱には注意と対策が望まれるようになってきており、環境適合性の面からは、工業的に要求される発泡体の性能は維持しつつ、可能であるならば代替していくことが好ましい物質とされている。
また、その他の揮発性発泡剤(あるいは単に発泡剤)の例としてはいわゆる炭化水素類やいわゆるフロン類が提案され、あるいは工業的に使用されている。
例えば、スチレン系樹脂に対して透過性が小さなイソブタン(i−ブタン)、ノルマルブタン(n−ブタン)を組み合わせ、発泡剤として使用することで断熱特性に優れた発泡体が得られることが特開平1−174540号公報で開示されている。あるいは発泡体中にブタン等を特定量残すことで断熱性が得られるとし、発泡に当たっては塩化メチルと組み合わせて良好な発泡体が得られることが特開昭51−92871号公報で開示されている。
また、フロン類に関しては毒性が少なく不燃性で化学的に安定な塩素原子含有ハロゲン化炭素(以下、CFCと略す)を使用することが特公昭41−672号公報において開示されている。一般にフロン類は発泡体に残留しやすい傾向を有しており、良好な発泡体を形成するとともに、熱伝導率が低いため断熱性に寄与している可能性があり、高度な断熱性を得るためには必須の物質と考えられている傾向がある。
しかしこのCFCは、近年オゾン層に影響を与えることが指摘され、可能であるならば代替していくことが好ましい物質となっている。
こうした状況を受けて、環境適合性を満足せしめることに対する種々の試みが提案されている。
まず、塩化メチルに代表される塩化アルキル類の代替については、エーテル類、または、二酸化炭素等の無機ガスを代替発泡剤として使用することが提案され、あるいは検討されている。
例えば特表平7−507087号公報では、20mm以上の厚さで50cm2以上の横断面積のスチレン系樹脂押出発泡体を得る技術として、ジメチルエーテルと二酸化炭素を特定量組み合わせて発泡体を得る技術が開示されている。また該公報の詳細な説明では、ジメチルエーテルと、二酸化炭素以外に、飽和炭化水素、CFCの塩素原子の一部を水素原子で置換した塩素化フッ素化炭化水素(以下、HCFCと略す)、塩素原子を含有しないフロンであるフッ素化炭化水素(以下、HFCと略す)、アルコール、ケトンなどが非常に広い範囲で自由に組み合わせることができるように列挙されており、炭化水素ではプロパン、ブタンが、HCFCおよびHFCでは1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン(以下、HCFC142bと略す)、1,1−ジフルオロエタン(以下、HFC152aと略す)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下、HFC134aと略す)が例示されている。
しかし、一般的に発泡状態を決定する重要な因子である、スチレン系樹脂に対する透過性能、飽和含浸量、可塑化性能等の特性値や臨界温度、臨界圧力、蒸気圧、沸点等の物理量はこれらの物質の間で、特にアルコールやフロン類、あるいは炭化水素類では大きく異なっている。従ってジメチルエーテルとこれらの物質を組み合わせて使用するに当たっては、単に混合すれば厚さや横断面積以外の、例えば、圧縮強度や断熱性、外観、発泡倍率、独立気泡率、製造安定性等の工業的に求められる各種性能ないしは特性を、すべて同時に満足する良好な発泡体ができるというものではなく、得たい発泡体の用途ないしは目的に応じて、組み合わせる種類を選定したり、製造方法を変更すべきものであり、単純な混合では、工業的に有意な発泡体が製造できる混合範囲は自ずと制限される。
たとえば、1,1−ジフルオロエタンとエタノールでは、つぎのように諸物性が大きく異なっており、内圧や気泡の生成能力を考慮するとその扱い方は異なってしかるべきである。
しかしながら、前記公報における具体的な実施例は、ジメチルエーテル単独、ジメチルエーテルと二酸化炭素、ジメチルエーテルとエタノール、ジメチルエーテルとエタノールと二酸化炭素の組み合わせの例のみであり、示唆のあった飽和炭化水素、HCFC、HFC、ケトンについてはその使用方法、および適切な量的範囲等、あるいはそれらを用いた場合に発現できる特性、用途等については、具体的に何ら開示されていない。
しかも、該特許では、その他の工業的に求められる断熱性等についての要望を満たし得るものであるかについては必ずしも充分な検討はなされていない。即ち、該特許はジメチルエーテルを発泡剤として使用すると、ジメチルエーテルが気泡膜から拡散し気泡体を生成する能力、即ち、起泡力が期待され、厚さが厚い発泡体が得られるということに着目した特許であり(工業的には単に厚さが厚いだけでなく、発泡体としては断熱性や強度など他の物性を同時に満たすことが望まれているのは当然のことである)、これら課題は依然解決されるに至っていない。
次に、CFCの代替については、オゾン層への影響がCFCに比べて低く環境適合性の面から多少好ましい物質とされている、HCFCを用いる方法が提案されている。例えば、HCFC142bを発泡剤として使用することが特公昭57−7175号公報において開示されている。さらにまた、HFCを使用する事も提案されている。HFCはオゾン層へ影響する可能性は通常ゼロであるといわれており、HCFCよりもさらに環境適合性の観点から好ましいとされている。この例としては、HFC134aを使用して発泡体を製造しようとする試みが特開平1−98683号公報に、また、発泡体気泡中に70重量%以上のHFC134aを残す発泡体に関する技術が特開平3−188137号公報にそれぞれ開示されている。
しかし残念ながら、多くの発泡剤が提案されているにもかかわらず、これら技術では組み合わせて使用する発泡剤としては塩化メチルあるいは塩化エチルに代表される塩化アルキルを用いることが多く、前述のように塩化アルキル自体が代替されることが望まれる現状をなんら解決するものではない。さらにまた、これら物質を塩化アルキルと組み合わせずに使用する場合に、該公報に示されるような工業的に望まれる物性、製造安定性、コストなどが得られるか否かについては、工業的に有益な開示は何らなされていない状況であった。
また、HCFCやHFCといったフロン類は、発泡体の断熱性能を高めるために有益であるとされているが、前述のようにHCFC類はオゾン層への影響が議論される物質である上、さらにその代替を意図しているHFC類についても、従来より提案されているHCFCやCFCよりオゾン層への影響の懸念が小さいとはいえ近年地球温暖化への影響が議論されるようになっており、可能であればできるだけ減らすことが好ましい。
このように、技術的なアプローチは種々行われているものの、環境適合性を有しつつ、工業的に有益な、たとえば高い断熱性を有する発泡体は得られていない状況であった。
本発明が解決しようとする課題は、建材用途、畳芯材といった建築材料、土木材料、断熱材などに使用されるスチレン系樹脂押出発泡体に関して、環境適合性の面から使用制限の望まれる塩化アルキルを代替でき、かつ、断熱性、圧縮強度、製造する際の押出し安定性にも優れた発泡体を得ることにある。
発明の開示
本発明者らは、前記課題の解決のため鋭意研究の結果、スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法において、発泡剤として主に、40重量%未満、5重量%以上のエーテルと、飽和炭化水素とからなり、また必要に応じてHCFC142bまたはHFC類からなる発泡剤を用いることで、環境適合性に優れ、且つ発泡体物性に優れたスチレン系樹脂押出発泡体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、1)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して低圧の領域に押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、好ましくは30重量%未満、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルからなり、好ましくはジメチルエーテルのみからなるエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、好ましくは70重量%を超え、95重量%以下の、炭素数3〜5の飽和炭化水素よりなる群から選ばれた1種または2種以上の飽和炭化水素を含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに本発明は、2)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して低圧の領域に押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、好ましくは30重量%未満、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルからなり、好ましくはジメチルエーテルのみからなるエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、好ましくは70重量%を超え、95重量%以下の1,1−ジフルオロ−1−クロロエタンを含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに本発明は、4)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して低圧の領域に押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、好ましくは30重量%未満、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルからなり、好ましくはジメチルエーテルのみからなるエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、好ましくは70重量%を超え、95重量%以下の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンよりなる群から選ばれた1種または2種以上を含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに本発明は、5)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して低圧の領域に押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、好ましくは30重量%未満、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルからなり、好ましくはジメチルエーテルのみからなるエーテルと、発泡剤全量からエーテルを除いた量に対して50重量%以上の炭素数3〜5の飽和炭化水素よりなる群から選ばれた1種または2種以上の飽和炭化水素と、発泡剤全量からエーテルを除いた量に対して50重量%以下の、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンよりなる群から選ばれた1種または2種以上の発泡剤であり、好ましくは1,1−ジフルオロ−1−クロロエタンを含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに本発明は、6)炭素数3〜5の飽和炭化水素が、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタンよりなる群から選ばれた1種または2種以上であり、好ましくはプロパン、n−ブタン、i−ブタンよりなる群から選ばれた1種または2種以上であり、最も好ましくはi−ブタンであることを特徴とする前記1)または5)項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに本発明は、7)発泡体に含まれるセルの、押出方向の平均セル径をX、それに直交する厚さ方向の平均セル径をZとした場合の、Z/Xで表される比を1以下にすること、好ましくは0.8以下にすることを特徴とする前記1)〜6)項のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに本発明は、8)発泡体を押出後に再加熱しながら延伸することを特徴とする前記1)〜7)項のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに本発明は、9)発泡体の熱伝導率がJIS A9511に規定するB類保温板の測定方法による測定において、0.0244Kcal/mhr℃以下であることを特徴とする前記1)〜8)項のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに本発明は、10)前記1)〜9)項のいずれかに記載の方法で製造されたことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体に関する。
本発明で用いられるスチレン系樹脂としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等のスチレン系単量体の単独重合体または2種以上の単量体の組合わせからなる共重合体や、前記スチレン系単量体とジビニルベンゼン、ブタジエン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの単量体の1種または2種以上とを共重合させた共重合体などが挙げられる。スチレン系単量体と共重合させるアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの単量体は、製造されるスチレン系樹脂押出発泡体の圧縮強度等の物性を低下させない程度の量を用いることができる。また、本発明のスチレン系樹脂は、前記スチレン系単量体の単独重合体または共重合体に限られず、前記スチレン系単量体の単独重合体または共重合体と、前記他の単量体の単独重合体または共重合体とのブレンド物であってもよく、ジエン系ゴム強化ポリスチレンやアクリル系ゴム強化ポリスチレンをブレンドすることもできる。
本発明においては、これらのスチレン系樹脂のなかでもポリスチレン樹脂が特に好適に使用することができる。
本発明で用いられる発泡剤は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルを含む。このうち、特にジメチルエーテルは、スチレン系樹脂に対する透過速度が空気に対して極めて速く、透過速度の遅い発泡剤と組み合わせることにより、良好な気泡構造の発泡体の形成を可能とし、発泡体残留ガスとの相乗効果により、断熱性、耐熱性共に良好な発泡体を得ることができる。また、これらエーテル類は塩化アルキル類と同等のスチレン系樹脂に対する可塑性を有しており、この点からも発泡剤として好ましい。また、スチレン系樹脂に対する透過性が速いことから比較的短期間に発泡体より抜け出てしまうため、可燃性ガスが残留せず、燃焼性の悪化を低減する効果がある。さらにジメチルエーテルは該エーテル類の中では比較的反応性が弱く、また安定的な物質であり、工業的に取り扱う上で好適である。さらに特にジメチルエーテルは塩化メチルのような変異原性も現時点では認められておらず、環境適合性の点からも好ましい物質である。
発泡剤中における該エーテル類の割合については、その割合を増加させるに従い、押出圧力の変動が大となり生産が安定しなくなる傾向があり、また、得られる発泡体の外観特性が低下する傾向を有する。また、エーテルは発泡剤全量に対して少なくとも5重量%を投入しないと、エーテルによる発泡体の生産性向上や、発泡体の性能向上の効果が現れない傾向がある。従って、該エーテルの使用量は発泡剤全量に対して40重量%未満、さらに好ましくは30重量%未満で、また少なくとも発泡剤全量に対して5重量%である。
これらエーテルと組み合わせる発泡剤としては、主として炭素数3〜5の飽和炭化水素が好ましく、必要に応じ、HFC、HCFC、エーテル結合を有するフッ素化炭化水素(以下、HFEと略す)等を使用することができる。これら発泡剤を該エーテル類と組み合わせることで、良好な断熱性を比較的長期に渡って維持しつづけることができるだけでなく、工業的に比較的安定した発泡体製造を行うことができる。
前記炭素数3〜5の飽和炭化水素は−50℃〜50℃の範囲に沸点を有しており、スチレン系樹脂を工業的に発泡させるのに好適である。沸点が低すぎるものは蒸気圧が高くなり、取り扱いに際しては高圧が必要になり、産業上課題を含む。沸点が高いものは液状となり易くなるため、製造された発泡体中に炭化水素が液状で残留し、加熱時に発泡体の耐熱強度といった物性の劣化を生じることがある。さらにこれら飽和炭化水素は、取り扱いの容易性、安定性、価格に優れる。また、これら飽和炭化水素はオゾン層への影響は通常ゼロといわれており、地球温暖化係数についてもフロン類の数百分の1〜数十分の1とされており、極めて環境適合性が高く、好適である。これら飽和炭化水素のなかでは、価格とスチレン系樹脂に対する透過性が空気に比して小さい点から、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペタンが好ましく、沸点と透過性からプロパン、n−ブタン、i−ブタンがさらに好ましく、沸点が低く透過性がn−ブタンやプロパンの数分の1であり、発泡体に長期残留し、断熱性を発揮しやすいことからi−ブタンが特に好ましい。
また、HFC、HCFC、HFEより選ばれるフロン類は、環境適合性は飽和炭化水素に比較してやや劣るものの、ガス状態での熱伝導率が飽和炭化水素に比べて一般に低く、発泡体に残留しやすく工業的に良好な断熱性を発泡体に付与しやすい傾向があることから、主としてエーテル類と前記飽和炭化水素で構成された発泡剤を使用して得られる発泡体と比較してさらに高い断熱性を有する発泡体が環境適合性の面は多少犠牲にしても要望される場合には、工業的に利用するが好ましい。これらフロン類の中では、入手の容易性、価格、スチレン系樹脂に対する透過性、あるいは熱伝導率の点からからHFCが好ましく、中でもHFC134a、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(以下、HFC236eaと略す)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(以下、HFC245faと略す)が好ましく、HFC134a、HFC236ea、HFC245faがより好ましい。また、環境適合性はHFCよりさらに劣るが、HCFC142bも価格、スチレン系樹脂に対する溶解性、価格などの点から工業的には好適に使用し得るフロンである。
さらに本発明にHFEを用いる場合のHFEの代表的な例としては、沸点等が発泡剤として好ましい点から、ヘプタフルオロプロピルメチルエーテル、ヘプタフルオロイソプロピルメチルエーテル、ペンタフルオロエチルメチルエーテル、ビス(ジフルオロメチル)エーテルが好適であり、さらに好ましくは、ヘプタフルオロプロピルメチルエーテル、ヘプタフルオロイソプロピルメチルエーテル、ビス(ジフルオロメチル)エーテルが選択し得る。これらは単独または2種以上混合して使用することも可能である。
本発明でエーテル類と組み合わせて用いる上述のこれら発泡剤は、前述のように透過速度が遅く、エーテル類と組み合わせることにより、良好な気泡構造の形成を可能とし、発泡体残留ガスとの相乗効果により、断熱性、耐熱性共に良好な発泡体を得ることが可能である。これら組み合わせるべき発泡剤は発泡剤全量に対して、ジメチルエーテル等のエーテル類の残余を主として占めることになる。
これらエーテル類と組み合わせるべき発泡剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら発泡剤の組み合わせの中で、環境適合性が最も高く、またスチレン系樹脂に対する溶解性が比較的高く、工業的に安定的に製造し易いことから、エーテルと飽和炭化水素を組み合わせることが最も好ましい。
すなわち、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、好ましくは30重量%未満で、5重量%以上、好ましくは15重量%以上のジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルであり、好ましくはジメチルエーテルのみから構成されるエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、好ましくは70重量%を超え、95重量%以下、好ましくは85重量%以下の炭素数3〜5の飽和炭化水素であり、好ましくはプロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタンよりなる群から選ばれた1種または2種以上であり、さらに好ましくはプロパン、n−ブタン、i−ブタンよりなる群から選ばれた1種または2種以上であり、最も好ましくはi−ブタンよりなる発泡剤が既に述べた理由から好ましい。
また、該飽和炭化水素はガス状態での熱伝導率がフロン類に比べてやや高く、発泡体に残留しても発泡体の断熱性を向上させる効果がフロン類に比較してやや劣ることから、主としてエーテル類と前記飽和炭化水素で構成される発泡剤を使用して得られる発泡体と比較してさらに高い断熱性を有する発泡体が環境適合性の面は多少犠牲にしてても要望される場合は、該飽和炭化水素の一部をHFC134a、HFC236ea、HFC245faより選ばれる1種または2種以上のHFCであり、好ましくはHFC134aに置き換えた発泡剤を用いることも工業的観点からは好ましい。
飽和炭化水素の全量を該HFCに置き換えても良好な発泡性、圧縮強度、断熱性、製造安定性を有した発泡体を得ることができるが、環境適合性を考慮すれば一部置き換えの方が好ましい。
該飽和炭化水素の一部を該HFCに置き換える場合の該飽和炭化水素と該HFCの比率は、工業的に要求される断熱性能や製造時の安定性を考慮すると共に、環境適合性即ち環境への負荷を考慮して必要最小限に止めることが好ましい。
また同様に、環境適合性はHFCに比べて劣るものの、スチレン系樹脂への溶解性が比較的高く、工業的に製造する際の安定性がよい点、燃焼性、さらに価格の点から、必要に応じて該飽和炭化水素の一部をHCFC142bに置き換えることもできる。その際、前記HFCと同様にHCFC142bの量についても考慮することが好ましい。
従って、飽和炭化水素の一部を前記HFC類ないしHCFC142bに置き換える場合、以上の条件を考慮し、とくに環境適合性を重視するなら、発泡剤全量からエーテルを除いた量に対して、主として、前記飽和炭化水素は50重量%以上、好ましくは60重量%以上と多く使用し、前記フロン類は50重量%以下、好ましくは40重量%以下と、少ない方が望まれる。一方、熱伝導率等の熱的性質を重視する場合は、該フロン類は10重量%以上を使用することができる。しかし、発泡剤の組成は、環境適合性を重視するかもしくは熱的性質を重視するか等、製品に望まれる要望に応じて適宜決定して実施される。
本発明において、環境適合性を多少犠牲にして熱伝導率等の熱的性質を重視する場合に好ましい発泡剤組成としては、その他につぎの態様があげられる。
その一つは、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、好ましくは30重量%未満、さらに好ましくは25重量%未満で、5重量%以上、好ましくは10重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルからなり、好ましくはジメチルエーテルのみからなるエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、好ましくは70重量%を超え、さらに好ましくは75重量%を超え、95重量%以下、好ましくは90重量%以下の、HFC134aを含む発泡剤である。
二つ目は、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、好ましくは30重量%未満で、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルから選ばれた1種または2種以上のエーテルからなり、好ましくはジメチルエーテルのみからなるエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、好ましくは70重量%を超え、95重量%以下のHFC236ea、HFC245faよりなる群から選ばれた1種または2種以上を含む発泡剤である。
三つ目は、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、好ましくは30重量%未満、さらに好ましくは25重量%未満で、5重量%以上、好ましくは10重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルからなり、好ましくはジメチルエーテルのみからなるエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、好ましくは70重量%を超え、さらに好ましくは75重量%を超え、95重量%以下、好ましくは90重量%以下の、HCFC142bを含む発泡剤である。
本発明における発泡剤のスチレン系樹脂に対する配合量は、発泡倍率の設定値などに応じて適宜かわるものであるが、通常、発泡剤の合計量をスチレン系樹脂100重量部に対して4〜20重量部とするのが好ましい。発泡剤の量が前記範囲未満では発泡倍率が低く樹脂発泡体としての軽量、断熱等の特性が発揮されにくく、一方前記範囲を超えると過剰な発泡剤量のため発泡体中にボイドなどの不良を生じることがある。なお、発泡剤のスチレン系樹脂に対する配合量を発泡剤のモル数で表わす場合は、スチレン系樹脂100gに対して、発泡剤の合計量を0.1〜0.25モル、より好ましくは0.1〜0.18モルとするのがよい。
本発明においては、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の公知の発泡剤を添加することができる。
このような発泡剤としては、例えば、1,2−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、トリフルオロメタンなどのフッ素化炭化水素、二酸化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウムなどの無機ガス、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル以外のエーテル、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチル−n−ブチルケトンなどのケトン類などを用いることができる。これらは単独または2種以上混合して使用することも可能である。
本発明においては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の造核剤、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩等の滑剤、ヘキサブロモシクロドデカン等の難燃剤、高分子型ヒンダードフェノール系化合物等の抗酸化剤などの公知の添加剤を含有することができる。
このうち造核剤の使用量はスチレン系樹脂の100重量部に対して0.5重量部未満が好ましく、さらに好ましくは0.3重量部未満であり、最も好ましくは0.15重量部未満である。造核剤の量を必要以上に多くすると、やや発泡体が脆くなる傾向がある。造核剤の量が少なすぎると、良好なセル構造が得られない傾向があるから、造核剤の量は0.05重量部以上が好ましい。
その他の添加剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内で必要に応じて適宜配合量を調整して配合することができる。
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、通常の押出発泡技術により製造しうる。即ち、スチレン系樹脂を押出機中等で加熱溶融させ、高圧条件下で発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧の領域に押出発泡して、スチレン系樹脂押出発泡体を形成することにより製造することができる。
発泡剤を注入する際の圧力は、特に制限するものではなく、押出機内に注入するために押出機の内圧力よりも高い圧力であればよい。
スチレン系樹脂を加熱溶融する際の加熱温度、溶融時間および溶融手段については特に制限するものではない。加熱温度は、スチレン系樹脂が溶融する温度以上、通常150〜250℃程度であればよい。溶融時間は、単位時間当たりの押出量、溶融手段などによって異なるので一概には決定することができないが、スチレン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間が選ばれる。また、溶融手段としては、例えばスクリュー型の押出機などの通常の押出発泡の際に用いられるものであれば特に制限がするものではない。ダイからの押出発泡時の温度については、樹脂の種類、発泡剤の種類と量と配合、所望の発泡倍率等の諸要因によって決定されるため一概に述べることができないが、得られる発泡体が所望の物性に到達するように適宜調整すればよい。
本発明における前記特定の発泡剤を用いた発泡体の製造は比較的安定する傾向にあるが、さらに圧力変動の低減や発泡剤の分散性を高め安定性を増すことが求められる場合、押出機内の圧力を高めにする等の条件を制御する方法、あるいは押出機に例えば特公昭31−5393号公報に開示される様な冷却兼混合機ないしは同様の機能を有する冷却が可能な混合装置で容量の大きな物を増設もしくは連結する方法、あるいはスタティックミキサーやキャビティトランスファーミキサーと一般に呼称される公知の混練装置を連結する方法等を採ることで、所期の目的を達成することができる。
本発明の発泡体は、それ自体高い断熱性、即ち低い熱伝導率を有する傾向にあるが、前記飽和炭化水素類は従来より断熱用途に好んで用いられているフロン類に比べるとやや熱伝導率が高いめ、従来と同等以上の断熱性、あるいはさらに長期間安定的に低い熱伝導率を維持するためには、特定のセル径比のセルを発泡体に含むことが好ましい。
即ち、おおむね2mm以下の平均セル径からなる発泡体の断熱性は、樹脂とガスの伝導伝熱に加え、セル膜間の輻射伝熱によって定まると考えられる。このうち、伝導伝熱は樹脂の種類、セル内のガスの種類が定まれば、ほぼ決定され、発泡体の構造によって大きく変動はしないと考えられる。これに対し、輻射伝熱は対面するそれぞれのセル膜の温度の4乗の差によって決定されるため、発泡体のセル構造により大きく変化する。すなわち、対面するセル膜の温度差は一定厚さの発泡体の上下面の温度が決定されると、各セル膜の温度はおおむね上下面の温度差を比例配分した値となる。
したがって、膜数が増えるほど対面するセル膜間の温度差は小さくなる傾向を有しており、これにより輻射伝熱は低減され、発泡体の熱伝導率を低減できる傾向にある。発泡体の一定厚さ内に存在する膜数を増加させるには、平均セル径を小径化する方法の他、セルの形状を押出方向に引き延ばし、発泡体厚さ方向のセル径に対して長くした形状にし、やや平板状にすることが提案できる。
しかし一方、単純に膜数を増加させると個々のセル膜の厚さは減少する傾向になる。セル膜が薄くなると輻射伝熱の際の赤外線が透過しやすくなり、輻射伝熱量は増大する傾向になると考えられる。したがって、平板状のセル、いいかえれば厚さ方向のセル径と押出方向のセル径の比には、輻射伝熱の観点から最適領域が存在すると考えられる。
すなわち、発泡体に含まれるセルの、押出方向の平均セル径をX、それに直交する厚さ方向の平均セル径をZとした場合、Z/Xで表される比(以下、セル径比という)を1以下にすることが好ましく、0.8以下にするとさらに好ましい。セル径比Z/Xが0.8を超えると、とくに1を超えると、発泡体の単位厚さ当たりに含まれるセルの数が少なくなる(セル膜間の温度差が大きくなる)傾向が顕著となり、輻射伝熱の増大により熱伝導率の増加を招きやすい傾向となる。一方、セル径比Z/Xは好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.3以上である。セル径比Z/Xをあまり小さくすると厚さ方向の輻射伝熱を遮断するセル膜の厚さが薄くなり、輻射熱量が通過しやすくなるため逆に熱伝導率を増加させる傾向があるためである。
このようなセル径比Z/Xの範囲にすることで、熱伝導率がフロン類に比べて若干高い発泡剤を用いた場合であっても、発泡体の有する熱伝導率を、空気の熱伝導率近くあるいはそれ以下に長期間保つことができ、例えばJIS A9511に規定されるB類3種保温板の規格を満足しやすくなり、本発明においてとくに好ましくなる。
前記セル径比は、セルの厚さ方向の平均径Zと、押出方向の平均径Xの比である。一般的には幅方向の径より押出方向の径が大となるが、製造条件によってこれが逆転することがある。その場合、Xを幅方向の径として計算ないしは制御することが好ましい。
前記セル径比を調節する方法としては、例えば押出機のダイの付近に設置した発泡体のダイからの払い出し速度を制御する装置にて、発泡体をダイ側に押し戻す傾向を強めたり、あるいはダイから引き出し気味にする等の方法を採ることができる。また、ダイの幅を狭めて押出される発泡体の線速を調整することでも調整し得る。しかし、これら方法ではセル径比は小さくしても1ないし0.8程度までしか到達しない傾向がある。
さらに好ましい領域にセル径比を制御するためには、押出された発泡体を再加熱しながら、同時に発泡体を延伸する方法が好適である。
例えば、再加熱装置の中あるいは出口あるいは出口および入り口に設置した延伸ロール等で発泡体を挟み込みながら、該ロールの速度を出口側で速くすることにより、延伸を加えることができる。該方法は、押出直後に押出しに続けて連続的に行っても良く、押出後に個別に1個づつ処理することもできる。工業生産的には連続法が好ましい。
押出直後に押出しに続けて連続的に行う場合、再加熱装置入り口側のロールは、再加熱装置に入る前の発泡体自体が伸びにくく、該入り口ロールと同様の機能を自然と果たすことが期待できることから、省略することもできる。延伸ロールの速度差は、所望のセル比が得られるように適宜決定すればよい。
再加熱する温度および時間は、発泡体を、延伸を加えることができる軟かさにすることができる温度および加熱時間が好ましい。該温度および時間は、処理方法、樹脂の種類、発泡剤の含有量、発泡倍率、独立気泡率、ダイからの吐出速度、発泡体の厚さ等で異なるため一概に決定することはできないが、延伸時の加熱温度が高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、外観に大きなやけ、ただれ、溶融などの不良を生じたりする傾向があり、一方延伸時の加熱温度が低すぎたり、加熱時間が短かすぎたりすると延伸をかけにくくなったり、製品に割れ等の不具合を生じる傾向がある。この点から、押出発泡時の樹脂のガラス転移温度からガラス転移温度より80℃程度高い温度までの範囲で、30秒から3分程度の範囲が好ましい。さらに、発泡体が押出し直後に有している熱量を有効に利用でき、再加熱に有利であるということからも、押出直後の処理が好ましい。
例えば、発泡剤中に25重量%程度のジメチルエーテルが含まれる場合、厚さ60mmの発泡体で、おおむね140℃程度の温度で1分30秒程度加熱することが好適である。
加熱方法は再加熱装置を保温しながら、加熱空気を吹き付ける方法が工業的に最も簡便であるが、必要に応じて加熱蒸気等の他の媒体による加熱や、赤外線、遠赤外線を用いて加熱しても良い。
本発明の発泡体の平均セル径は、発泡倍率と関係し発泡体の熱伝導率を左右するため一概に決めることができないが、発泡倍率10倍から50倍の領域において、おおむね0.01mm以上、1mm以下が好ましく、0.lmm以上、0.6mm以下が比較的好適な領域である。
本発明の発泡体の熱伝導率をより良好に維持するためには、発泡体の厚さは120mm以下、好ましくは100mm以下がよい。厚さが厚くなり過ぎるとジメチルエーテル等のエーテル類が発泡体より抜け、逆に空気が入り安定状態に達するまでに時間がかかる傾向が起こりやすく、熱伝導率を安定状態に保つのに工夫を要するようなことも起きうる。逆に、例えば、5mm以下であるような場合のように、薄過ぎると透過の時間が短くなり、断熱性低下が早く生じる等の傾向が生ずることがありうる。
通常、押出発泡法によるスチレン系樹脂の発泡断熱板の断熱性の規格としては、JIS A9511に規定されるB類保温板規格が一般的である。このうち、B類2種およびB類3種ではそれぞれ熱伝導率が0.029Kcal/mhr℃以下および0.024Kcal/mhr℃以下と規定されている。B類2種およびB類3種保温板はいずれも高度な断熱性を要求される部位、例えば住宅断熱材等に好適に使用されるが、このうちB類3種保温板はB類2種保温板よりもより高度な断熱性を要求される寒冷地の断熱材などに特に好適に使用される。
従来このB類3種用の発泡体の製造に用いる発泡剤としては、塩化メチル等の塩化アルキル類と共に、フロン類が大量に使用されている。これは、0.024Kcal/mhr℃という値が、空気の熱伝導率に近く、発泡体の樹脂や輻射による熱伝導率の増大分を考慮すると、スチレン系樹脂に対する透過が遅いため発泡体に残留し易く、しかも熱伝導率が低いフロン類が好適であり、またフロン類を用いないと達成できないと考えられていたためである。
本発明によれば、前述のように可能であれば代替が望まれる塩化アルキルやCFC類に代表されるフロン類を極力使用しないで、炭素数3〜5の飽和炭化水素類の有する低熱伝導率と低透過性を利用すること、ならびに発泡体のセル構造の制御により、発泡体の熱伝導率を空気の熱伝導率近く、あるいはそれ以下にし、例えばJIS A9511に規定するB類3種相当の熱伝導率を容易に達成することができる。
すなわち、本発明による発泡体では、空気の熱伝導率に近い値、さらに詳しくは、JIS A9511に規定するB類保温板の熱伝導率の測定方法による熱伝導率において、0.0244Kcal/mhr℃以下の熱伝導率を有する。前記セル径比の制御を行った場合、さらにこれを低減し、長期に渡り0.0244Kcal/mhr℃以下の熱伝導率を達成することができる。
このように本発明によるときは、環境適合性に関して課題を有する発泡剤を代替しつつ、優れた断熱性を有するスチレン樹脂発泡体を工業的に安定的に製造できる。
発明を実施するための最良の形態
次に本発明のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法および発泡体を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」は重量部を、「%」は重量%を表す。
以下の記載において、略記号は下記の物質を表すものである。
DME :ジメチルエーテル
CFC12:ジフルオロジクロロメタン
実施例においては発泡体の特性として、発泡体外観、発泡倍率、発泡体独立気泡率、平均セル径およびセル径比、熱伝導率の時間経過による変化、圧縮強度、製造安定性、環境適合性を下記の方法に従って調べる。
1)発泡体外観
○:断面に未発泡樹脂塊およびボイドがなく、かつ表面にシワおよび突起がない外観がきわめて良好な発泡体である。
×:断面に未発泡樹脂塊およびボイドが存在し、かつ表面にシワおよび突起が存在する外観が不良な発泡体である。
2)発泡倍率
使用したスチレン系樹脂のおおよその密度を1.05(g/cm3)として、次の式により求める。
発泡倍率(倍)=1.05/発泡体の密度(g/cm3)
なお、発泡体の密度は、その発泡体の重量と水没法により求める体積とから算出する。
3)発泡体独立気泡率
マルチピクノメーター(湯浅アイオニクス(株)製)を用い、ASTM D−2856に準じて算出する。
4)平均セル径およびセル径比
押出発泡体の押出方向に沿った縦断面および押出方向に直交する横断面を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、品番:S−450)にて30倍に拡大して写真撮影し、撮影した写真を乾式複写機で複写する。該複写した画像に対し、発泡体の押出方向、厚さ方向、幅方向それぞれに3ないし5本の線を引き、それぞれの線上に含まれるセル個数で線長を除することで、それぞれの方向の平均セル径を求める(前記縦断面の複写物から発泡体の押出方向、厚さ方向の平均セル径を求め、前記横断面の複写物から発泡体の幅方向の平均セル径を求める)。なお、各線は画像の端部に位置する部分的に欠けたセルを除いて引く。
求めた各方向の平均セル径について、押出方向の平均セル径をX、幅方向の平均セル径をY、厚さ方向の平均セル径をZとし、X、Y、Zの積の3乗根を計算し、発泡体の平均セル径とする。また、Z/Xの値を求めてセル径比とする。
4)熱伝導率
熱伝導率は、JIS A9511に準じて測定する。測定に当たっては、押出発泡体の中央部から試験片を切り出すとともに、製造後1週間を経過した時点および1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年を経過した時点でそれぞれ測定し、つぎの基準で評価する。
◎:0.0234Kcal/mhr℃以下
○:0.0239Kcal/mhr℃以下
△:0.0244Kcal/mhr℃以下
×:0.0244Kcal/mhr℃を超える
5)圧縮強度:JIS A 9511に準じて測定し、つぎの基準で評価する。
○:圧縮強度が2.0kgf/cm2以上
×:圧縮強度が2.0kgf/cm2未満
6)製造安定性
つぎの3つの方法で評価する。
(1)押出圧力調整
押出機圧力が、製品を採取しはじめる時間を起点として、8時間の押出時間の間に、その時点の圧力から10kgf/cm2変動した場合に圧力を戻すための操作(主として回転数調整)を何回行う必要があるかを調べ、その結果をつぎの基準で評価する。
○:16回未満(平均して30分以上同一条件を保持)
×:16回以上(同一条件の保持が平均して30分以下)
(2)発泡体厚さばらつき
8時間の押出中、30分に1度サンプリングし、計16点の発泡体の厚さを測定し、次式で表されるばらつきを求め、つぎの基準で評価する。
ばらつき(%)=[(最大厚さ−最小厚さ)/(平均厚さ)]×100
○:ばらつきが5%未満
△:ばらつきが5%以上10%未満
×:ばらつきが10%以上
(3)平均押出圧力および最大押出圧力差
押出発泡中の2時間での平均押出圧力と、最大押出圧力と平均押出圧力の差を示す。
7)環境適合性
環境適合性の度合は星印で示す。星印の数の多いものほど環境適合性がすぐれていることを示す。
実施例1
ポリスチレン樹脂(旭化成工業(株)製、商品名:G9401、メルトインデックス(MI):2.0)100部に対して、造核剤としてタルク0.1部および難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン3.0部を加え、1時間当たり40Kgの割合で押出機に投入し、押出機中で200℃に加熱して混練しながら、これにジメチルエーテル25%とn−ブタン75%からなる発泡剤をポリスチレン樹脂100部に対して総量8部の割合で注入し、冷却兼混合機を通じて115℃にし、目開きの間隔が2mmのスリットと流路面がフッ素樹脂コーティングされた厚さ方向間隔60mmの成形金型を介して押出発泡し、板状のスチレン系樹脂発泡体を得る。その評価結果を表1に示す。
得られる発泡体は断熱性、圧縮強度、製造安定性、環境適合性に優れた発泡体である。
実施例2〜34
発泡剤の組成を表1〜3に示すごとく変更するほかは、実施例1と同じ操作を行い発泡体を得る。なお、実施例8〜27においては、総発泡剤量をポリスチレン樹脂100g当りのモル数で示す。その評価結果を表1〜3に示す。得られる発泡体は実施例1の発泡体と同様に断熱性、圧縮強度、製造安定性、環境適合性に優れる発泡体である。
実施例2、3、5、6、7、16、17、29、30、32、33については押出直後に、約140℃の加熱空気で保温され出口に引き取りロールを有する再加熱装置で、約1分20秒再加熱しながら出口の引き取りロールを回転させ、発泡体に延伸処理を加える。
比較例1
塩化メチル60%とプロパン40%からなる発泡剤をポリスチレン樹脂100部に対して総量8部使用するほかは、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂押出発泡体を得る。得られる発泡体の評価結果を表4に示す。得られる発泡体は断熱性、製造安定性に劣り、かつ環境適合性に劣るものである。
比較例2〜18
主に発泡剤の組成比率を表4〜5に示すように変更するほかは、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂押出発泡体を得る。なお比較例6、8〜18においては、総発泡剤量をポリスチレン樹脂100g当りのモル数で示す。得られる発泡体の評価結果を表4〜5に示す。得られる発泡体は断熱性に劣るか、圧縮強度に劣るか、製造安定性に劣るか、環境適合性に劣るかするものである。
表1〜3から、特定量範囲の飽和炭化水素とエーテルを組み合わせる発泡剤等を使用して得られる実施例の発泡体はいずれも環境適合性を満足し、かつ、断熱性、圧縮強度、製造安定性等工業的に求められる諸特性に優れていることが分かる。
本発明によれば、環境適合性に優れ、断熱性、圧縮強度、製造安定性等工業的に求められる諸特性に優れるスチレン系樹脂押出発泡体を得ることが可能となる。
Claims (10)
- スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して低圧の領域に押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、95重量%以下の、炭素数3〜5の飽和炭化水素よりなる群から選ばれた1種または2種以上の飽和炭化水素を含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して低圧の領域に押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、95重量%以下の1,1−ジフルオロ−1−クロロエタンを含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して低圧の領域に押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え、95重量%以下の、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンよりなる群から選ばれた1種または2種を含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、ダイを通して低圧の領域に押出発泡することからなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して40重量%未満、5重量%以上の、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルと、発泡剤全量からエーテルを除いた量に対して50重量%以上の炭素数3〜5の飽和炭化水素よりなる群から選ばれた1種または2種以上の炭化水素と、発泡剤全量からエーテルを除いた量に対して50重量%以下の1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンよりなる群から選ばれた1種または2種以上を含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- 炭素数3〜5の飽和炭化水素が、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタンよりなる群から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求の範囲第1項または第4項記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- 発泡体に含まれるセルの、押出方向の平均セル径をX、それに直交する厚さ方向の平均セル径をZとした場合の、Z/Xで表される比を1以下にすることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- 発泡体を押出後に再加熱しながら延伸することを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- 発泡体の熱伝導率がJIS−A9511に規定するB類保温板の測定方法による測定において、0.0244Kcal/mhr℃以下であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- エーテルがジメチルエーテルであることを特徴とする請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- 請求の範囲第1項〜第9項のいずれかに記載の方法で製造されたことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
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