JP4094165B2 - 機械プレスの過負荷防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、機械プレスの過負荷を防止する装置に関し、より詳しくいえば、スライドを複数の連結棒を介してクランク軸へ連結した多ポイント式機械プレスに利用される過負荷防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の過負荷防止装置には、従来では、日本国・実公平6−18720号公報に記載されたものがある。その従来の装置は次のように構成されている。
スライド内に二つの過負荷吸収用油圧室を形成し、各油圧室に上下移動自在に挿入した受圧部材を連結棒を介してクランク軸へ連結し、上記の油圧室へ充填した圧油によって上記の受圧部材の上端面の閉止接当部を上記の油圧室の上壁の下面に閉止させたものである。そして、プレス加工中の過負荷によって上記スライドに対して受圧部材が下降したときに、上記の閉止接当部が開いて上記の油圧室の圧油を油タンクへ逃し、これにより、上記の過負荷を吸収するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、過負荷が作用してない通常運転中に上記の閉止接当部から圧油が漏れ出すのを防止するため、その閉止接当部は精密に機械加工することが要求される。しかしながら、上記の閉止接当部は、大径の受圧部材に設けたので、ハンドリングが困難で精密加工に手間がかかる。そのうえ、機械プレスのポイント数に応じた複数の受圧部材ごとに上記の閉止接当部を形成する必要があるので、機械加工に必要な時間も長くなる。従って、従来の過負荷防止装置は製作コストが高くなる。
また、上記の従来の装置では、プレス加工時に一方の油圧室に過負荷が作用したときには、前述したように上記の一方の油圧室は即座に過負荷作動するのに対して、他方の油圧室は、リリーフ弁と複数の配管とを介して過負荷作動を行うようになっているため、その過負荷作動が遅くなる。その結果、上記の二つの油圧室の過負荷作動にタイムラグが生じてスライドが傾き、そのスライドのガイド部分や駆動系統などが損傷するおそれがある。
本発明の目的は、作動が確実で安価に造れる過負荷防止装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、例えば、図1から図5に示すように、機械プレスの過負荷防止装置を次のように構成した。機械プレス1のスライド2内に設けた複数の過負荷吸収用油圧室3a・3bをそれぞれ過負荷防止弁12へ連通させるリリーフ路11a・11bと、上記の各リリーフ路11a・11b内に直列状に配置した逆止弁13a・13b及び排出弁14a・14bとを備えており、上記の各逆止弁13a・13bは、上記の複数のリリーフ路11a・11bの合流部分Aから上記の各油圧室3a・3bへの流れを阻止可能に構成し、上記の各排出弁14a・14bは、上記の各油圧室3a・3bを上記の過負荷防止弁12へ連通させる通常状態と、同上の各油圧室3a・3bを排出口Rへ連通させる排出状態とに切換え可能に構成し、上記の各油圧室3a・3bの圧力が設定オーバロード圧力よりも低いときには、上記の過負荷防止弁12が閉じ状態に保たれると共に上記の各排出弁14a・14bが上記の通常状態に保持されるのに対して、上記の複数の油圧室3a・3bのうちのいずれかの油圧室(3a,3b)の圧力が設定オーバロード圧力以上になったときには、上記の過負荷防止弁12が開き作動して、そのオーバロードした油圧室(3a,3b)内の圧油を、対応する排出弁(14a,14b)の流動抵抗付与手段78と前記の合流部分Aと上記の過負荷防止弁12とを順に経て外部へ逃がし、その流動抵抗付与手段78を通過する圧油の流動抵抗によって上記の合流部Aの圧力が低下することに基づいて上記の複数の排出弁14a・14bを前記の排出状態へ切り換え可能に構成したものである。
【0005】
上記の請求項1の発明は、例えば、上記の図1と図5(a)から図5(c)に示すように、次のように作用する。
前記スライド2が下死点から上死点へ復帰した状態では、前記の油圧室3a・3b内に設定充填圧力の圧油が充填されている。
上記スライド2が上死点から下死点へ下降していき、その下死点の近傍でワークをプレス加工したときには、その加工反力によって上記の油圧室3a・3bの圧力が上昇していく。
そのプレス加工時において、上記の各油圧室3a・3bに共に過負荷が作用してない状態では、図5(a)に示すように、圧力口Pa・Pbの圧力が設定オーバロード圧力よりも低い通常運転圧力P0となっており、前記の過負荷防止弁12が閉じ状態に保持されると共に、上記の二つの排出弁14a・14bも閉じている。
【0006】
上記のプレス加工時において、偏心した加工反力が上記スライド2に作用して一方の油圧室3aおよび圧力口Paが圧力上昇した場合には、その圧力上昇した圧油は、一方の逆止弁13aを開いて前記の合流部分Aへ流出するが、その合流部分Aから他方の油圧室3bへ流出することが他方の逆止弁13bによって阻止される。また、上記の偏心加工反力によって他方の油圧室3bおよび圧力口Pbが圧力上昇した場合には、その圧力上昇した圧油は、他方の逆止弁13bを開いて上記の合流部分Aへ流出するが、その合流部分Aから一方の油圧室3aへ流出することが一方の逆止弁13aによって阻止される。
【0007】
上記プレス加工時において、何らかの原因で一方の油圧室3aに過負荷が作用した場合には、図5(b)に示すように、一方の圧力口Paの圧力が設定オーバロード圧力以上の異常圧力P1へ上昇する。すると、その異常圧力P1によって過負荷防止弁12が開いて、一方の圧力口Pa内の圧油が排出弁14aの流動抵抗付与手段78と合流部分Aと過負荷防止弁12とを経て外部へ排出される。すると、その流動抵抗付与手段78を通過する圧油の流動抵抗によって上記の合流部分Aの圧力が急速に低下するので、各圧力口Pa・Pbと上記の合流部分Aとの差圧が大きくなる。
【0008】
このため、図5(c)に示すように、上記の両排出弁14a・14bがほぼ同時に排出状態へ切り換わって、上記の各油圧室3a・3bの圧油が、圧力口Pa・Pbと排出弁14a・14bとを経て排出口Rへ排出される。その結果、上記の複数の油圧室3a・3bの上下方向の収縮が許容され、前記の過負荷を吸収できるのである。
なお、プレス加工時に他方の油圧室3bに過負荷が作用した場合にも、上記の同様に、複数の排出弁14b・14aがほぼ同時に排出状態へ切換わって複数の油圧室3b・3a内の圧油を速やかに排出して過負荷を吸収できる。
【0009】
上記の請求項1の発明は次の効果を奏する。
上述したように、過負荷防止弁のリリーフ作動に基づいて複数の排出弁を排出状態へ切換えることによって複数の油圧室の圧油をほぼ同時に排出できるので、偏心した過負荷が作用したときにスライドが傾くのを防止できる。その結果、上記スライドのガイド部分や駆動系統などが損傷するのを防止できる。
また、上記の過負荷防止弁と排出弁とは、前述した従来装置の閉止接当部とは異なり、油圧室の圧油を速やかに排出する口径を備えるだけでよいので、小形に造ることができ、ハンドリングが容易で精密加工にも手間がかからない。このため、過負荷作動を確実かつ高精度に行える。そのうえ、上記の過負荷防止弁は、少なくとも一つだけ設ければよいので、複数の閉止接当部が必要な従来装置と比べて安価である。
従って、過負荷防止装置は、作動が確実で安価に造れる。
【0010】
しかも、機械プレスの通常運転中に偏心荷重が作用してスライドが少し傾いたときに、前述したように、その偏心荷重で圧力上昇した高圧の油圧室から低圧の油圧室へ圧油が移動するのを逆止弁によって阻止できるので、その低圧の油圧室の圧力上昇によってスライドがさらに傾くのを防止できる。
その結果、スライドの傾きが小さくなり、そのスライドの下死点精度が向上して加工精度が高まる。
【0011】
請求項2の発明に示すように、上記の請求項1の発明においては、例えば同上の図1から図5に示すように、次のように構成することが好ましい。
前記の各排出弁14a・14bを、前記の各油圧室3a・3bへ連通された排出弁座71と、その排出弁座71に対して開閉移動されるバイパス部材73と、そのバイパス部材73を上記の排出弁座71へ付勢する弾性手段75と、前記の流動抵抗付与手段を構成するように上記のバイパス部材73内に設けられて上記の排出弁座71へ連通される絞り路78と、その絞り路78の出口に連通されて上記バイパス部材73を閉じ側へ加圧する閉弁作動室77とによって構成し、上記の排出弁座71の封止断面積Xよりも上記の閉弁作動室77の加圧用断面積Yを大きい値に設定したものである。
【0012】
上記の請求項2の発明は、例えば、図4および図5(a)から図5(c)に示すように、次のように作用する。
図4および図5(a)に示すように、圧力口Paの圧力が設定オーバロード圧力よりも低い通常運転圧力P0の状態では、排出弁14aの閉弁作動室77内の圧油による閉弁用加圧力と弾性手段75の付勢力との合力が排出弁座71内の圧油による開弁力に打ち勝って、バイパス部材73を上記の排出弁座71に閉止接当させている。
【0013】
図5(b)に示すように、圧力口Paの圧力が設定オーバロード圧力以上の異常圧力P1へ上昇すると、その異常圧力P1によって過負荷防止弁12が急速に開いて、圧力口Pa内の圧油がバイパス部材73内の絞り路78と閉弁作動室77と上記の過負荷防止弁12を経て外部へ排出される。これと同時に、上記の絞り路78を通過する圧油の流動抵抗によって上記の閉弁作動室77の圧力が急速に低下するので、その閉弁作動室77の圧油による閉弁用加圧力と弾性手段75の付勢力との合力よりも上記の排出弁座71内の圧油による開弁力が大きくなる。
上記の差力によって、図5(c)に示すように、上記バイパス部材73が排出弁座71から離間して、その排出弁座71内の圧油が排出口Rへ排出される。
【0014】
上記の請求項2の発明は次の効果を奏する。
過負荷防止弁のリリーフ作動に連動して閉弁作動室の閉弁用加圧力が低下し、これにより、排出弁座からバイパス部材が即座に離間するので、排出弁の排出状態への切換えを確実かつ速やかに行える。
また、バイパス部材内の絞り路によって流動抵抗を付与できるので、排出弁をコンパクトに造れる。
【0015】
請求項3の発明に示すように、上記の請求項2の発明においては、例えば同上の図4に示すように、次のように構成することが好ましい。
前記の排出弁座71の径方向の外側空間で同上の排出弁座71内と前記の排出口Rとの間に、前記のバイパス部材73が閉じ移動の終期に所定の長さ嵌合する嵌合壁80を配置すると共に、その嵌合壁80の嵌合部80aの内側空間によって開弁保持室81を構成し、前記の閉弁作動室77の加圧用断面積Yよりも上記の開弁保持室81の加圧用断面積Zを大きい値に設定したものである。
【0016】
上記の請求項3の発明は、例えば図5(c)および図5(d)に示すように、次のように作用する。
図5(c)に示すように、バイパス部材73が排出弁座71から急速に離間すると、圧力口Paの圧力が急速に低下するので、前記の過負荷防止弁12が閉じていく。すると、上記の閉弁作動室77内の圧力が排出弁座71内の圧力に近い値まで高まって、その閉弁作動室77の圧油の閉弁用加圧力によってバイパス部材73が閉じ方向へ押圧されていく。
【0017】
しかし、図5(d)に示すように、上記バイパス部材73の先端が前記の嵌合壁80の先端に嵌合し始める直前になると、前記の開弁保持室81の圧力が排出弁座71内の圧力に近い値まで上昇する。このため、その開弁保持室81内の加圧力によって上記バイパス部材73が上記の排出弁座71から離間した状態に保たれる。そして、上記の圧力口Paの圧油は、排出弁座71内と開弁保持室81と上記の離間隙間とを順に経て排出口Rへ排出されていき、上記の圧力口Paの圧力がほとんど無くなったときに前記の弾性手段75の付勢力によって上記バイパス部材73が排出弁座71に閉止接当されるのである。
【0018】
その請求項3の発明は次の効果を奏する。
上記のパイパス部材は、一旦開かれると、前記の開弁保持室の圧力によって開き側へ加圧されるので、前記の過負荷防止弁の開閉状態に左右されずに、開き状態に保たれる。このため、前記の油圧室の異常圧力をハンチングなしで円滑かつ急速に排出できる。
【0019】
請求項4の発明に示すように、前記の請求項1の発明において、前記の各排出弁14a・14bと前記の各逆止弁13a・13bとを、前記の各油圧室3a・3bから前記の合流部分Aへ向けて順に配置することが好ましい。
その請求項4の発明は、複数の逆止弁によって上記の合流部分を狭いスペースに区画できるので、過負荷防止弁の入口側の圧油の滞留量が少なくなり、その過負荷防止弁の作動を速やかに行える。
【0020】
請求項5の発明に示すように、前記の請求項1から4の各発明において、前記の排出弁14a・14bの各バイパス部材73・73内に前記の各逆止弁13a・13bを装着することが好ましい。
上記の請求項5の発明は、排出弁と逆止弁との間に介在される圧油の滞留量が少なくなって排出弁の切換え作動が速くなるうえ、過負荷防止装置の全体をコンパクトに造れる。
【0021】
請求項6の発明に示すように、上記の請求項1から5の各発明においては、前記の過負荷防止弁12と前記の複数の排出弁14a・14bと前記の複数の逆止弁13a・13bとを共通ブロック36内に組み込むことが好ましい。
その請求項6の発明は、上記の複数種類の弁の間に介在される圧油の滞留量が少なくなるので、過負荷防止弁の作動時間が短くなるうえ、排出弁の動作タイミングにタイムラグが起こらない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1から図5によって説明する。
まず、図1の全体系統図によって過負荷防止装置の概要を説明する。この実施形態では、クランク式の機械プレス1のスライド2内に左右に二つの過負荷吸収用油圧室3a・3bを形成した場合を例示してある。
【0023】
上記の各油圧室3a・3bが圧油供給路4a・4bを経て油圧ポンプ5へ接続され、その油圧ポンプ5によって上記の油圧室3a・3bに設定充填圧力の圧油が供給される。
そして、上記の機械プレス1の連結棒6a・6bからピストン7a・7bへ伝達されたプレス力が、上記の油圧室3a・3b内の圧油を介してワーク(図示せず)へ加えられるようになっている。
なお、前記スライド2には、カウンターバランス用の空圧シリンダ8a・8bによって所定の引き上げ力が常時作用されている。
【0024】
上記の各油圧室3a・3bは、上記の圧油供給路4a・4bの途中部から分岐されたリリーフ路11a・11bを介して過負荷防止弁12へ連通される。符号Aは、これらリリーフ路11a・11bの合流部分を示している。
上記の各リリーフ路11a・11bには、上記の合流部分Aから上記の各油圧室3a・3bへの流れを阻止する逆止弁13a・13bと、上記の各油圧室3a・3b内の圧油を排出口Rへ排出する排出弁14a・14bとが、直列状に配置される。ここでは、前記の各油圧室3a・3bから上記の合流部分Aへ向けて、上記の排出弁14a・14bと上記の逆止弁13a・13bとが順に配置されている。
【0025】
何らかの原因で上記スライド2に過負荷がかかって上記の左右の油圧室3a・3bのうちの少なくとも一方の圧力が設定オーバロード圧力を越えたときには、まず、上記の過負荷防止弁12がリリーフ作動し、そのリリーフ作動に基づいて上記の二つの排出弁14a・14bがほぼ同時に排出状態へ切換えられて、上記の油圧室3a・3b内の圧油が排出口Rを通って油タンク16へ排出される。これにより、前記ピストン7a・7bに作用している下降力が上記の油圧室3a・3bの圧縮作動で吸収されて上記のスライド2に伝達されなくなり、その結果、過負荷が防止されるのである。
【0026】
また、上記の油圧室3a・3b内の圧油は、プレス作業中にプレス力を受けて温度上昇するので、体積膨張によって微速度で圧力が上昇していく。そして、その微速上昇圧力が設定補償圧力を越えたときに、直列に接続した絞り弁19およびリリーフ弁20からなる圧力補償手段18がリリーフ作動して、その微速上昇圧力だけを前記の排出口Rを経て前記の油タンク16へ排出するのである。これにより、前記の過負荷防止弁12が誤って過負荷作動するのを防止できるとともに、上記の油圧室3a・3b内の圧力を所定範囲内に保てる。
前記の合流部分Aと上記の排出口Rとの間には、上記の圧力補償手段18に対して並列に圧抜き弁21を設けてある。
なお、上記リリーフ弁20の閉弁用押圧力は、バネの力を利用する場合と、圧縮空気などの圧力流体の圧力を利用する場合とが考えられる。
【0027】
また、この実施形態では、前記の油圧ポンプ5を空油圧式のブースタポンプによって構成してある。より詳しくいえば、空圧源23の圧縮空気によって往復移動される空圧ピストン(図示せず)とポンプ室25内の油圧ピストン26(いずれも図2参照)とを連結してあり、前記の油タンク16内のオイルを上記の両ピストンの断面積比に応じて増圧して吐出するようになっている。そして、上記のポンプ室25から吐出された圧油が、吐出弁28a・28bを通って前記の油圧室3a・3bへ充填されるのである。符号29は吸入弁である。
【0028】
なお、上記のブースタ式の油圧ポンプ5の吐出圧力の調節は、空圧供給路31に設けた減圧弁32によって圧縮空気の供給圧力を調節することによって行われる。
また、上記の油圧ポンプ5の設定充填圧力と前記の圧力補償手段18の設定補償圧力と前記の過負荷防止弁12の設定オーバロード圧力の各値は、機械プレス1の能力や用途に応じて異なるが、例えば、それぞれ、約10MPa(約100kgf/cm2)と約12MPa(約120kgf/cm2)と約23MPa(約230kgf/cm2)の値に設定される。
【0029】
この実施形態の過負荷防止装置では、上述した各種の構成機器を一体に組み込んでユニット化してある。以下、その過負荷防止ユニット35の具体的な構造について、上記の図1を参照しながら図2から図4によって説明する。図2は、上記ユニット35の平面視の断面図である。図3は、上記の図2中の過負荷防止弁12の作動説明図である。図4は、同上の図2中の排出弁14aおよび逆止弁13aの拡大図である。
【0030】
上記ユニット35の共通ブロック36内に前記の過負荷防止弁12と前記の排出弁14a・14bと前記の油圧ポンプ5の前記ポンプ室25とが配置されると共に、上記の各排出弁14a・14b内に前記の各逆止弁13a・13bが装着される。また、上記の共通ブロック36の下面に前記の排出口Rが開口され、その排出口Rの開口縁部に前記の油タンク16(図1参照)が固定される。上記の油圧ポンプ5の前記の吸入弁29は、吸入孔37を経て上記の油タンク16へ連通されている。
【0031】
上記の共通ブロック36の左右の側面には接続ブロック38a・38bが固定され、上記の各接続ブロック38a・38b内に圧力口Pa・Pbと検出口Da・Dbとが相互に連通状に形成される。上記の各圧力口Pa・Pbに、前記の圧油供給路4a・4bが連通されると共に前記リリーフ路11a・11bが連通される。上記の二つのリリーフ路11a・11bの前記の合流部Aには、上記の過負荷防止弁12の入口と前記の圧力補償手段18(図1参照)の入口39とが連通される。
【0032】
上記の過負荷防止弁12は、主弁41とパイロット弁42とからなる。
上記の主弁41は次のように構成されている。
上記の合流部分Aへ連通する第1弁座44に対して、支持筒45内の第1閉止部材46が開閉移動される。その第1閉止部材46の筒孔内に形成した絞り路47が上記の第1弁座44内へ連通される。また、上記の第1閉止部材46内にスライド筒48が封止具49によって保密状に挿入され、その封止具49の封止面の内側空間によって閉弁作動室50が形成される。
上記スライド筒48と上記の第1閉止部材46との間に装着した圧縮バネ51によって、上記の第1閉止部材46が上記の第1弁座44へ接当されると共に、上記スライド筒48の段部48aが前記の支持筒45の縮径部へ接当される。
【0033】
さらに、上記の第1弁座44の周壁の外寄り部分が同上の第1弁座44の封止面よりも突出され、その突出部分によって環状の嵌合壁52が形成される。その嵌合壁52に上記の第1閉止部材46を開閉方向へ所定の長さ嵌合させてあり、その嵌合壁52の嵌合部52aの内側空間によって開弁保持室53が構成されている。そして、上記の第1弁座44内が、上記の開弁保持室53と上記の嵌合部52aの嵌合隙間とを順に経て前記の排出口Rへ連通可能になっている。
【0034】
前記のパイロット弁42は次のように構成されている。
前記スライド筒48の先端に設けた第2弁座54に対して、パイロット弁室55に保密状に挿入した第2閉止部材56が開閉移動される。外ケース57にネジ止めした蓋ボルト58と上記の第2閉止部材56と間に押圧バネ59が装着される。
また、上記の第2弁座54の径方向の外側で前記の支持筒45の端面が上記のパイロット弁室55内へ突出される。その環状突出部61の外周面に上記の第2閉止部材56が開閉方向へ所定の長さ嵌合され、その嵌合部の内側空間によって開弁加速室62が構成されている。
【0035】
さらに、上記の主弁41およびパイロット弁42では、上述した構成部材の各封止断面積を次のように関係づけてある。図3の模式図に示すように、上記の第2弁座54の封止直径に対応する封止断面積Kと、前記の第1弁座44の封止直径に対応する封止断面積Lと、前記の閉弁作動室50の封止直径に対応する加圧用断面積Mと、前記の嵌合部52aの直径に対応する前記の開弁保持室53の加圧用断面積Nとを、上記の順に大きくしてある。
【0036】
上記構成の過負荷防止弁12の作動を、主として図2によって説明する。
上記の合流部分Aの圧油の圧力が設定オーバロード圧力(例えば約23MPa)よりも低い圧力状態では、前記の押圧バネ59の閉弁力が第2弁座54内の圧油による開弁力に打ち勝って、第2閉止部材56を上記の第2弁座54に閉止接当させると共に、閉弁作動室50内の圧油による閉弁力と圧縮バネ51の閉弁力との合力が第1弁座44内の圧油による開弁力に打ち勝って、第1閉止部材46を上記の第1弁座44に閉止接当させる。
【0037】
上記の合流部分Aの圧油が上記の設定オーバロード圧力(例えば約23MPa)以上となると、上記の第2弁座54から上記の第2閉止部材56が離間して、上記の合流部分Aの圧油が前記の絞り路47と第2弁座54と前記の開弁加速室62と前記の支持筒45の連通孔45aとを通って排出口Rへ排出される。すると、その絞り路47を通過する圧油の流動抵抗によって前記の閉弁作動室50内の圧力が急速に低下し、その閉弁作動室50内の圧油による閉弁力と圧縮バネ51の閉弁力との合力よりも上記の第1弁座44内の圧油よる開弁力が大きくなる。
【0038】
上記の差力によって、上記の第1弁座44から第1閉止部材46が離間し、その第1弁座44内の圧油が前記の開弁保持室53を通って排出口Rへ急速に排出される。
その圧油の排出によって合流部分A内の圧力が急速に低下するので、前記の第2弁座54内の圧力も低下する。すると、まず、第2閉止部材56が押圧バネ59の押圧力によって第2弁座54に閉止接当するので、閉弁作動室50内の圧力が第1弁座44内の圧力に近い値まで高まり、その閉弁作動室50内の圧油の閉弁力によって第1閉止部材46が閉じ方向へ押圧されていく。
【0039】
しかし、図3の模式図に示すように、その第1閉止部材46の先端が前記の嵌合壁52の先端に嵌合し始める直前になると、上記の開弁保持室53の圧力が第1弁座44内の圧力に近い値まで上昇する。このため、その開弁保持室53内の加圧力によって上記の第1閉止部材46が上記の第1弁座44から離間した状態に保たれる。
そして、前記の合流部分A内の圧油は、第1弁座44内と開弁保持室53と上記の離間隙間とを順に経て排出口Rへ排出されていき、上記の合流部分Aの圧力がほとんど無くなったときに前記の圧縮バネ51の付勢力によって上記の第1閉止部材46が第1弁座44に閉止接当されるのである。
【0040】
なお、上記の過負荷防止弁12の作動状態は、前記の第2閉止部材56に取り付けたアーム64の上部の移動量をリミットスイッチ等のセンサ65(図1参照)で検出することによって行われる。
【0041】
前記リリーフ路11a・11bに設けた前記の二つの排出弁14a・14bと前記の二つの逆止弁13a・13bとは、それぞれ、同様に構成されている。このため、一方の排出弁14aおよび一方の逆止弁13aについて、図4の拡大図に基づいて具体的に説明する。
【0042】
上記の排出弁14aは次のように構成されている。
前記の接続ブロック38aには、前記の圧力口Paへ連通する排出弁座71が設けられる。前記の共通ブロック36の支持孔72に筒状のバイパス部材73が封止具74によって保密状に挿入され、そのバイパス部材73が弾性手段である閉じバネ75によって上記の排出弁座71へ付勢される。そして、上記の排出弁座71の封止直径に対応する封止断面積Xよりも上記の封止具74の封止面の内側空間に形成した閉弁作動室77の加圧用断面積Yを大きい値に設定してある。上記の排出弁座71内と上記の閉弁作動室77とが、上記バイパス部材73の筒孔内の絞り路78によって連通される。その絞り路78によって流動抵抗付与手段が構成される。
【0043】
さらに、上記の排出弁座71の周壁の外寄り部分が同上の排出弁座71の封止面よりも突出され、その突出部分によって環状の嵌合壁80が形成される。その嵌合壁80に上記バイパス部材73を開閉方向へ所定の長さ嵌合させてあり、その嵌合壁80の嵌合部80aの内側空間によって開弁保持室81が構成される。そして、上記の排出弁座71内が、上記の開弁保持室81と上記の嵌合部80aの嵌合隙間とを順に経て前記の排出口Rへ連通可能になっている。そして、前記の閉弁作動室77の前記の加圧用断面積Yよりも上記の開弁保持室81の加圧用断面積Zを大きい値に設定してある。
【0044】
上記バイパス部材73内に前記の逆止弁13aが装着される。即ち、上記の絞り路78の途中部に逆止弁座84が形成され、その逆止弁座84にボール状の逆止部材85が逆止バネ86によって閉止接当される。その逆止部材85は、二点鎖線図に示すように、全開状態では逆止弁室87の周壁88に嵌入可能になっている。このため、その逆止部材85が逆止バネ86によって上記の全開状態から閉弁移動されるときには、上記の逆止弁室87内が負圧となって、その閉弁移動が遅延される。
【0045】
上記の排出弁14a・14bおよび逆止弁13a・13bの作動について、前記の図1を参照しながら図5の模式図によって説明する。
前記スライド2が下死点から上死点へ復帰した状態では、前記の油圧ポンプ5によって前記の油圧室3a・3b内に設定充填圧力(例えば約10MPa)の圧油が充填される。
【0046】
上記スライド2が上死点から下死点へ下降していき、その下死点の近傍でワークをプレス加工したときには、その加工反力によって上記の油圧室3a・3bの圧力が上昇していく。
そのプレス加工時において、前記の各油圧室3a・3bに共に過負荷が作用してない状態では、図5(a)に示すように、圧力口Pa・Pbの圧力が設定オーバロード圧力(例えば約23MPa)よりも低い通常運転圧力P0(例えば約15MPa程度)となっており、前記の過負荷防止弁12が閉じ状態に保持されると共に、上記の二つの排出弁14a・14bも閉じている。より詳しくいえば、各排出弁14a・14bの閉弁作動室77内の圧油による閉弁力と閉じバネ75の閉弁力との合力が排出弁座71内の圧油による開弁力に打ち勝って、バイパス部材73を上記の排出弁座71に閉止接当させている。
【0047】
上記のプレス加工時において、偏心した加工反力が上記スライド2に作用して一方の油圧室3a内が圧力上昇すると、その圧力上昇した圧油は一方の逆止弁13aを開いて前記の合流部分Aへ流出するが、その合流部分Aから他方の油圧室3bへ流出することは他方の逆止弁13bによって阻止される。このように、偏心荷重で圧力上昇した一方の油圧室3aから他方の油圧室3bへ圧油が移動するのを他方の逆止弁13bによって阻止できるので、その圧油移動に伴ってスライド2が傾くのを防止できる。
なお、上記の各油圧室3a・3bの圧力は、前記の検出口Da・Dbへ接続した圧力センサ90a・90b(図1参照)によって個別に検出できるようになっている。
【0048】
上記スライド2がプレス加工を終えて上死点へ上昇していくと、上記の一方の油圧室3aは圧縮が解除されて圧力が低下していく。すると、上記の一方の逆止弁13aの閉弁移動が前述の遅延作用によって緩やかに行われるので、その一方の逆止弁13aの開いている時間が長くなる。このため、上記の合流部分A内の圧油が上記の一方の油圧室3aへ移動して、その一方の油圧室3aを前記の設定充填圧力へ速やかに復帰させる。
【0049】
また、スライド2に作用する偏心加工反力によって他方の油圧室3bが圧力上昇した場合でも、その他方の油圧室3bから一方の油圧室3aへ圧油が移動するのを一方の逆止弁13aによって阻止できるので、その圧油移動に伴ってスライド2が傾くのを防止できる。また、スライド2の上死点への復帰時においても、他方の逆止弁13bの遅延動作により、上記の合流部分A内の圧油が上記の他方の油圧室3bへ移動して、上記の他方の油圧室3bを前記の設定充填圧力へ速やかに復帰させる。
なお、各逆止弁13a・13bの上記の遅延動作を十分に確保できない等の原因によって上記の合流部分Aの圧力が異常上昇した場合には、前記の圧力補償手段18が作動して上記の合流部分Aの圧力を設定補償圧力(例えば、12MPa)以下へ低下させるので、前記の過負荷防止弁12が誤動作するのを防止できる。
【0050】
下死点の近傍における前記プレス加工時において、一方の油圧室3aに過負荷が作用した場合には、図5(b)に示すように、圧力口Paの圧力が設定オーバロード圧力(例えば約23MPa)以上の異常圧力P1へ上昇する。すると、その異常圧力P1によって前述したように過負荷防止弁12が急速に開いて、その圧力口Pa内の圧油が、バイパス部材73内の絞り路78と閉弁作動室77と一方の逆止弁13aと上記の過負荷防止弁12とを経て前記の油タンク16(図1参照)へ排出される。これと同時に、上記の絞り路78を通過する圧油の流動抵抗によって前記の合流部分Aの圧力が、0.05MPaから0.2MPa程度の圧力へ急速に低下するので、上記の各排出弁14a・14bの各閉弁作動室77・77内の圧油による閉弁力と閉じバネ75・75の閉弁力との合力よりも上記の排出弁座71・71内の圧油による開弁力が大きくなる。
【0051】
上記の差力によって、図5(c)に示すように、上記の各排出弁14a・14bがほぼ同時に排出状態へ切換わる。即ち、上記の差力によって上記の各バイパス部材73・73が各排出弁座71・71から離間して、その排出弁座71・71内の圧油が前記の開弁保持室81・81と排出口Rとを通って油タンク16(図1参照)へ急速に排出される。これと同時に、上記の合流部分Aの圧力がさらに低下して前記の過負荷防止弁12が閉じるので、上記の排出弁14a・14bの各閉弁作動室77・77内の圧力が各排出弁座71・71内の圧力に近い値まで高まって、その閉弁作動室77・77内の圧油の閉弁力によって各バイパス部材73・73が閉じ方向へ押圧されていく。
【0052】
しかし、図5(d)に示すように、各バイパス部材73・73の先端が前記の嵌合壁80・80の先端に嵌合し始める直前になると、上記の開弁保持室81・81の圧力が排出弁座71・71内の圧力に近い値まで上昇する。このため、その開弁保持室81・81内の加圧力によって上記のバイパス部材73・73が上記の排出弁座71・71から離間した状態に保たれる。
そして、前記の各油圧室3a・3b内の圧油は、上記の圧力口Pa・Pbと、各排出弁14a・14bの排出弁座71・71内と開弁保持室81・81と上記の離間隙間とを順に経て排出口Rへ排出されていき、上記の圧力口Pa・Pbの圧力がほとんど無くなったときに前記の閉じバネ75・75の付勢力によって上記の各バイパス部材73・73が各排出弁座71・71に閉止接当されるのである。
【0053】
なお、プレス加工時に他方の油圧室3bに過負荷が作用した場合にも、上記の同様に、二つの排出弁14b・14aがほぼ同時に排出状態へ切換わって二つの油圧室3b・3a内の圧油を油タンク16へ速やかに排出する。
上記の過負荷作動時には、前記の過負荷防止弁12のパイロット弁42がリリーフ作動したことを前記のアーム64(図2参照)を介して前記センサ65(図1参照)が検出し、その検出信号に基づいて、機械プレス1を非常停止させると共に油圧ポンプ5の運転を停止させる。そして、前記スライド1の上死点復帰信号等に基づいて上記の油圧ポンプ5の運転を再開して、上記の各油圧室3a・3bへ圧油を充填するのである。
【0054】
上記の実施形態は次の長所を奏する。
前記の過負荷防止弁12の第1閉止部材46は、一旦開くと、開弁保持室53の加圧力によって開き状態に保持される。このため、その過負荷防止弁12のハンチングを防止して前記の合流部分Aに異常な圧力脈動が生じるのを抑制でき、前記の排出弁14a・14bを確実に開き状態に保持できる。
上記の機械プレス1の連結棒6a・6bが下死点でスティック状態(固定されて動けなくなった状態)となったときには、図1中の前記の圧抜き弁21を開けばよい。すると、前記の各油圧室3a・3b内の圧油が、排出弁14a・14bと逆止弁13a・13bと上記の圧抜き弁21と排出口Rとを経て油タンク16へ排出され、次いで、上記の排出弁14a・14bが開いて上記の油圧室3a・3b内の圧油が直接に油タンク16へ排出される。これにより、前記の空圧シリンダ8a・8bによって、前記ピストン7a・7bに対して前記のスライド2が上昇され、上記のスティック状態が解除される。
【0055】
上記の実施形態は次のように変更可能である。
前記の排出弁14a・14bにおいて、弾性手段は、例示した閉じバネ75に代えて、ゴム等の弾性体を利用可能である。
また、前記の嵌合壁80は、前記のバイパス部材73が閉じ移動の終期に嵌合するものであればよい。従って、その嵌合壁80の端面を前記の排出弁座71の封止面よりも突出させることに代えて、上記バイパス部材73の先端面の外周部分を中央部分よりも突出させてもよい。また、上記のバイパス部材73は、上記の嵌合壁80に内嵌することに代えて外嵌させてもよい。
さらに、上記の各排出弁14a・14bの流動抵抗付与手段は、例示した絞り路78に代えて、オリフィスや細いパイプ等の他の手段であっても差し支えないことは勿論である。
【0056】
前記の逆止弁13a・13bは、上記の排出弁14a・14bに内蔵することに代えて、その排出弁14a・14bの入口の外側または出口の外側に配置したものであってもよい。また、上記の各逆止弁13a・13bにおいて、前述した閉弁移動時の遅延動作は、例示した構造に限定されるものではなく、例えば、逆止部材を閉弁移動の終期に逆止弁室の周壁に嵌合させるものであってもよい。
前記の過負荷防止弁12と上記の逆止弁13a・13bと上記の排出弁14a・14bと圧力補償手段18と油圧ポンプ5と油タンク16とは、これら全ての機器をユニット化することに代えて、少なくとも二つの機器をユニット化したものであってもよく、さらには、全ての機器を独立部品によって構成して配管で相互に接続したものであってもよい。
【0057】
前記の圧力補償手段18は、上記の合流部Aに連通させることに代えて、各リリーフ路11a・11b又は圧油供給路4a・4bごとに設けてもよい。
前記の過負荷防止弁12は、上記の複数のリリーフ路11a・11bの合流部Aに連通しておればよく、例示した1台に代えて、複数台であっても差し支えない。
【0058】
上記の過負荷防止弁12のパイロット弁42の閉弁力は、押圧バネ59を利用するものに代えて、圧縮空気等の圧力流体を利用してもよい。この場合、機械プレス1が下死点でスティック状態となったときには、上記の閉弁用の圧力流体を排出することにより、上記パイロット弁42が入口側の圧油によって開弁するので、その開弁と同時に前記の複数の排出弁14a・14bが開いて複数の油圧室3a・3bの圧油を排出できるのである。このとき、前述した空圧シリンダ8a・8bによって前記スライド2が上昇されて油圧室3a・3b内に所定の最小圧力を確保できるので、その最小圧力によって上記の排出弁14a・14bを開き状態に保持できる。
上記の過負荷防止弁12は、例示したパイロット式のものに代えて、種々の変形例を利用可能である。
【0059】
前記のスライド2内の過負荷吸収用油圧室3a・3bの設置数量は、例示した二つに代えて、三つ又は四つ以上であってもよい。例えば、その油圧室を四つ設置した場合には、それに対応させて、上記の排出弁および逆止弁が四つずつ設置されることになる。
また、前記の油圧ポンプ5は、例示したブースタ式のものに代えて、プランジャポンプ等を電動機によって駆動するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、過負荷防止装置の全体系統図である。
【図2】上記装置の主要な構成要素を一体に組み込んだ過負荷防止ユニットの平面視の断面図である。
【図3】上記の図2中の過負荷防止弁の閉弁途中の状態を示す模式図である。
【図4】同上の図2中の排出弁および逆止弁を示す要部拡大図である。
【図5】上記の排出弁の作動説明用の模式図である。図5(a)は、二つの排出弁の閉止状態を示している。図5(b)は、一方の排出弁の開弁開始状態を示している。図5(c)は、上記の二つの排出弁の全開状態を示している。図5(d)は、同上の二つの排出弁の閉弁途中の状態を示している。
【符号の説明】
1…機械プレス、2…スライド、3a・3b…油圧室、11a・11b…リリーフ路、12…過負荷防止弁、13a・13b…逆止弁、14a・14b…排出弁、36…共通ブロック、71…排出弁座、73…バイパス部材、75…弾性手段(閉じバネ)、77…閉弁作動室、78…流動抵抗付与手段(絞り路)、80…嵌合壁、80a…嵌合部、81…開弁保持室、A…合流部分、R…排出口、X…排出弁座71の封止断面積、Y…閉弁作動室77の加圧用断面積、Z…開弁保持室81の加圧用断面積。
Claims (6)
- 機械プレス(1)のスライド(2)内に設けた複数の過負荷吸収用油圧室(3a)(3b)をそれぞれ過負荷防止弁(12)へ連通させるリリーフ路(11a)(11b)と、上記の各リリーフ路(11a)(11b)内に直列状に配置した逆止弁(13a)(13b)及び排出弁(14a)(14b)とを備えており、
上記の各逆止弁(13a)(13b)は、上記の複数のリリーフ路(11a)(11b)の合流部分(A)から上記の各油圧室(3a)(3b)への流れを阻止可能に構成し、
上記の各排出弁(14a)(14b)は、上記の各油圧室(3a)(3b)を上記の過負荷防止弁(12)へ連通させる通常状態と、同上の各油圧室(3a)(3b)を排出口(R)へ連通させる排出状態とに切換え可能に構成し、
上記の各油圧室(3a)(3b)の圧力が設定オーバロード圧力よりも低いときには、上記の過負荷防止弁(12)が閉じ状態に保たれると共に上記の各排出弁(14a)(14b)が上記の通常状態に保持されるのに対して、
上記の複数の油圧室(3a)(3b)のうちのいずれかの油圧室(3a,3b)の圧力が設定オーバロード圧力以上になったときには、上記の過負荷防止弁(12)が開き作動して、そのオーバロードした油圧室(3a,3b)内の圧油を、対応する排出弁(14a,14b)の流動抵抗付与手段(78)と前記の合流部分(A)と上記の過負荷防止弁(12)とを順に経て外部へ逃がし、その流動抵抗付与手段(78)を通過する圧油の流動抵抗によって上記の合流部(A)の圧力が低下することに基づいて上記の複数の排出弁(14a)(14b)を前記の排出状態へ切り換え可能に構成した、ことを特徴とする機械プレスの過負荷防止装置。 - 請求項1に記載した機械プレスの過負荷防止装置において、
前記の各排出弁(14a)(14b)を、前記の各油圧室(3a)(3b)へ連通された排出弁座(71)と、その排出弁座(71)に対して開閉移動されるバイパス部材(73)と、そのバイパス部材(73)を上記の排出弁座(71)へ付勢する弾性手段(75)と、前記の流動抵抗付与手段を構成するように上記のバイパス部材(73)内に設けられて上記の排出弁座(71)へ連通される絞り路(78)と、その絞り路(78)の出口に連通されて上記バイパス部材(73)を閉じ側へ加圧する閉弁作動室(77)とによって構成し、上記の排出弁座(71)の封止断面積(X)よりも上記の閉弁作動室(77)の加圧用断面積(Y)を大きい値に設定した、ことを特徴とする機械プレスの過負荷防止装置。 - 請求項2に記載した機械プレスの過負荷防止装置において、
前記の排出弁座(71)の径方向の外側空間で同上の排出弁座(71)内と前記の排出口(R)との間に、前記のバイパス部材(73)が閉じ移動の終期に所定の長さ嵌合する嵌合壁(80)を配置すると共に、その嵌合壁(80)の嵌合部(80a)の内側空間によって開弁保持室(81)を構成し、
前記の閉弁作動室(77)の加圧用断面積(Y)よりも上記の開弁保持室(81)の加圧用断面積(Z)を大きい値に設定した、ことを特徴とする機械プレスの過負荷防止装置。 - 請求項1に記載した機械プレスの過負荷防止装置において
前記の各排出弁(14a)(14b)と前記の各逆止弁(13a)(13b)とを、前記の各油圧室(3a)(3b)から前記の合流部分(A)へ向けて順に配置した、ことを特徴とする機械プレスの過負荷防止装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載した機械プレスの過負荷防止装置において、
前記の各排出弁(14a)(14b)の各バイパス部材(73)(73)内に前記の各逆止弁(13a)(13b)を装着した、ことを特徴とする機械プレスの過負荷防止装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載した機械プレスの過負荷防止装置において、
前記の過負荷防止弁(12)と前記の複数の排出弁(14a)(14b)と前記の複数の逆止弁(13a)(13b)とを共通ブロック(36)内に組み込んで構成した、ことを特徴とする機械プレスの過負荷防止装置。
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