JP4093769B2 - 高電圧パルス発生装置における回生回路。 - Google Patents

高電圧パルス発生装置における回生回路。 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光用ガスレーザ装置等に使用される高電圧発生装置において、インピーダンス不整合によって生ずる反射エネルギーを、次のパルス発生のためのエネルギーとして利用するための回生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光の短波長化が進められており、半導体露光用光源として、従来の水銀ランプから波長248nmのKrFエキシマレーザ装置が用いられている。さらに、次世代の半導体露光用光源として、波長193nmのArFエキシマレーザ装置及び波長157nmのフッ素(F2 )レーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置が有力である。
KrFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス、クリプトン(Kr)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、ArFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス、アルゴン(Ar)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、フッ素(F2 )レーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてヘリウム(He)等の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数百kPaで封入されたレーザチェンバの内部で放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
【0003】
レーザチェンバ内部には、レーザガスを励起するための一対の主放電電極が、レーザ発振方向に垂直な方向に所定の距離だけ離間して対向配置されている。
この一対の主放電電極には高電圧パルスが印加され、主放電電極間にかかる電圧がある値(ブレークダウン電圧)に到達すると、主放電電極間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起される。
よって、このような露光用ガスレーザ装置は主放電の繰返しによるパルス発振を行い、放出するレーザ光はパルス光となる。現状、露光に用いられているレーザ装置のレーザパルスの繰返し周波数は2kHz程度であるが、近年、スループットの増大、露光量のバラツキの減少のため、繰返し周波数4kHz以上が要請されている。
【0004】
上記した露光用ガスレーザ装置において、上記したようにレーザチェンバ内で放電を発生させレーザガスを励起させるための高電圧パルス発生装置(以下では放電回路ということもある)の例を図10に示す。
図10の放電回路は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR1、SR2、SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路からなる。磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSWでのスイッチングロスの低減用の磁気スイッチであり、通常、磁気アシストとも呼ばれる(以下では磁気アシストという)。
第1の磁気スイッチSR2と第2の磁気スイッチSR3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
図10に従って回路の構成と動作を以下に説明する。
まず、高電圧電源HVの電圧が所定の値Vinに調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはoffになっている。主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがonとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は主に磁気アシストSR1の両端にかかる。
磁気アシストSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気アシストSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気アシストSR1が飽和して磁気スイッチがONとなり、主コンデンサC0、磁気アシストSR1、インダクタンスLL、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。
なお、ここでは、回路ループのインダクタンスと主コンデンサC0の寄生インダクタンスを合成したものをインダクタンスLLとして表している。
【0005】
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電される。
さらにこの後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷が移行してピーキングコンデンサCpが充電される。
【0006】
予備電離のためのコロナ放電は、第1電極11が挿入されている誘電体チューブ12と第2電極13とが接触している個所を基点として誘電体チューブ12の外周面に発生するが、ピーキングコンデンサCpの充電が進むにつれてその電圧Vpが上昇し、Vpが所定の電圧になるとコロナ予備電離部の誘電体チューブ12表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放電によって誘電体チューブ12の表面に紫外線6が発生し、主放電電極E、E間のレーザ媒質であるレーザガス2が予備電離される。
ピーキングコンデンサCpの充電がさらに進むにつれて、ピーキングコンデンサCpの電圧Vpが上昇し、この電圧Vpがある値(ブレークダウン電圧)Vbに達すると、主放電電極E、E間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。
このような放電動作が固体スイッチSWのスイッチング動作、高電圧電源動作によって繰り返し行なわれることにより、所定の繰り返し周波数でのパルスレーザ発振が行われる。
ここで、磁気スイッチSR2、SR3及びコンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、主放電電極E、E間に短パルスの強い放電が実現される。
【0007】
上記放電回路は、以下の問題点を有している。
図11に図10に放電回路におけるコンデンサC2にかかる電圧V2、ピーキングコンデンサCpにかかる電圧Vpの電圧波形を示す。
一般に放電励起式のガスレーザ装置の場合、主放電電極E,E間の放電インピーダンスとピーキングコンデンサCpとの間には、放電インピーダンスが小さいため、インピーダンス不整合が発生し、反射エネルギーが磁気パルス圧縮回路を逆方向へ進行し、また順方向へ進行する振動が発生する。
すなわち、図10の放電回路において放電後、インピーダンス不整合により図11に示すように電圧の振動が発生して、ピーキングコンデンサCpの電圧Vpが反転して逆電圧が発生し、Cp→SR3→C2のループに電流が流れ、コンデンサC2に逆電圧が発生する。
そして、同様にC2→SR2→C1のループに電流が流れ、コンデンサC1に逆電圧が発生する。その後またコンデンサC1にかかる電圧が反転して、コンデンサC1→コンデンサC2、コンデンサC2→ピーキングコンデンサCpという順方向に電流が流れる。以上のように、電流が電源装置内の磁気パルス圧縮回路内にて振動する。
【0008】
また、図11に示すように、ピーキングコンデンサCpの前段のコンデンサ(図10の場合、C2)からピーキングコンデンサCpへの充電途中に主放電電極E,E間の放電が開始することが多いので、ピーキングコンデンサCpの前段のコンデンサ(図10の場合、C2)に残留した電荷が主放電電極E,E間を流れ、ピーキングコンデンサCpの前段のコンデンサ(図10の場合、C2)に逆電圧が発生する。
このとき発生した電荷が反射エネルギーとして、上記したインピーダンス不整合時のときと同様、磁気パルス圧縮回路を逆方向へ進行し、また順方向へ進行する振動が発生する。
上記振動により、主放電発生後、短時間内に主放電電極E,E間に電圧が印加され、主放電に悪影響を及ぼす問題があった。
【0009】
上記したような反射エネルギーの磁気パルス圧縮回路を介した振動の問題を回避するために、様々な回路構成が提案されている。
図12は、逆電圧により発生した電荷を抵抗にて処理する回路を有するガスレーザ装置の放電回路の構成例である。
図12においては、図10の回路構成のコンデンサC1と並列にダイオードD1と抵抗Rとからなる直列回路を接続したものである。図12に示した矢印の向きは、コンデンサC1に逆電圧が発生したときの電流の流れる方向を示す。このように、図3に示す回路においては、逆電圧が発生したとき流れる電流を抵抗Rにて消費してしまうことで、主放電後短時間内に主放電電極E,E間に電圧が印加されることを防止する。
一方、主放電電極間E,Eで放電を発生させるため固体スイッチSWを閉じて主コンデンサC0からコンデンサC1へ電荷を移行する際は、電流は矢印の向きと反対、すなわち、ダイオードD1の逆方向に流れる。よって、電流はダイオードD1と抵抗Rとからなる直列回路へは流れず、抵抗Rにより消費されることはない。
しかしながら、逆電圧により生じた電流を抵抗にて処理するので、抵抗における発熱が発生し、レーザ装置からの発熱量が増大することになる。よって、大掛かりな冷却構造が必要となり、装置が大型化してしまうという問題点があった。また、逆電圧により生じた電流を熱として消費するので、レーザ全体の消費電流が大きくなるという問題があった。
【0010】
上記した問題点を回避するために、図12の回路構成のように逆電圧が発生したとき流れる電流を抵抗にて消費するのではなく、次のパルス発生のためのエネルギーとして回生する回路がいくつか提案されている。
図13、図14にエネルギー回生用の回生回路構成を有するガスレーザ装置の放電回路の構成例を示す。
図13の回路構成においては、昇圧トランスTR1の一次側に中間タップを設け、中間タップにはインダクタンスLL、磁気アシストSR1、主コンデンサC0の直列回路を配置し、一次巻線の一端に固体スイッチSWを、他端にダイオードD2を設ける。
図13の回路構成において、固体スイッチSWは、例えば、主コンデンサC0に充電された電荷がコンデンサC1に移行し終わった時点で開かれる。放電後、パルス幅を伸長しながら移行してくる反射エネルギーはコンデンサC1に逆電圧が発生するようコンデンサC1に充電される。固体スイッチSWがoff状態であるので、コンデンサC1に逆電圧が発生したときの電流は、昇圧トランスTR1を介して図10の矢印方向に流れ、主コンデンサC0を順方向に充電するよう逆移行する。このようにして、反射エネルギーは主コンデンサC0に回生される。
なお、主放電電極間E,Eで放電を発生させるため固体スイッチSWをonして主コンデンサC0からコンデンサC1へ電荷を移行する際は、ダイオードD2の逆方向側へ電圧がかかるので、電流はダイオードD2を流れることなく、昇圧トランスTR1を介して、コンデンサC1へ移行する。
【0011】
また、図14の回路構成においては、主コンデンサC0に並列にインダクタンスL1、ダイオードD2とからなる直列回路が並列に接続されている。
図14の回路構成において、固体スイッチSWは、例えば、反射エネルギーが、主コンデンサC0を逆充電が終了した時点でOFFとなる。
OFFのタイミングは、主コンデンサC0が順方向に再充電するまでの期間である。その間は磁気アシストSR1が飽和しないので、固体スイッチSWの方向へは流れない。
放電後パルス幅を伸長しながら移行してくる反射エネルギーはコンデンサC0に逆電圧が発生するようコンデンサC0に充電される。固体スイッチSWがoff状態であるので、コンデンサC0に逆電圧が発生したときの電流は、インダクタンスL1、ダイオードD3とからなる直列回路を図14の矢印方向に流れ、主コンデンサC0を順方向に充電する。このようにして反射エネルギーは主コンデンサC0に回生される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図13、図14に例示した回生回路を含む回路構成においては、図12に示したように電流を消費するものではなく、反射エネルギーを回生しているので、大掛かりな冷却構造も不要で装置が大型化することはない。また、反射エネルギーを熱として消費せず、再度有効利用しているので、レーザ全体の消費電流が小さくなる。
しかしながら、図13、図14に例示した回生回路を含む回路構成においては、以下のような問題がある。
上記したように主コンデンサC0の電荷は昇圧トランスTR1を介してコンデンサC1へ移行するが、そのときの昇圧トランスTR1の巻数比は、主コンデンサC0の電荷が完全にコンデンサC1に移行するように設定されている。
一方、ピーキングコンデンサCpへの充電時間をできるだけ短くして、主放電電極E、Eへの印加電圧の立ち上がりを早くして放電開始電圧を大きくするために、磁気パルス圧縮回路へ入力される初期パルスの幅はできるだけ短いことが好ましい。すなわち、主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行速度はできるだけ早いことが好ましい。ここで昇圧トランスTR1の1次側、2次側の各々の巻数が多いほど上記移行速度は遅くなるので、両巻数とも最小となるように設定される。
【0013】
このように設定された巻数比の場合、反射エネルギーとしてコンデンサC1から主コンデンサC0に電荷が移行する際にコンデンサC1の電荷が全て主コンデンサC0に移行せず、一部残留電荷がコンデンサC1に存在する。
すなわち、図14の場合、順方向、逆方向両方の移行が100%行われるように昇圧トランスTR1の巻数比を規定することが困難であり、どうしてもコンデンサC1に残留電荷が存在することになる。
【0014】
図13においては、パルス発生時と回生時では、使用される昇圧トランスTR1の1次側巻線の巻数は異なるが、2次側が共通である。回生時に用いられる1次側巻線と2次側巻線の最適な巻数比において、必要最小限の巻数である2次側に対応した1次側の巻数は自然数とはならない場合が多い。そのため回生時の1次側、2次側巻数を自然数とするには、2次側の巻数が多くなることになる。そうすると、パルス発生時の主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行速度が遅くなってしまう。
【0015】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、負荷インピーダンス不整合により生ずる反射エネルギーを残留電荷なく主コンデンサに回生することができ、回生効率を向上させることが可能な高電圧パルス発生装置の回生回路を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、回生回路を構成するに当たり、反転エネルギーの回生を従来のように昇圧トランスを介して行うのではなく、回生用トランスを新たに設け、この回生用トランスを介して反転エネルギーの回生を行う。
また、上記回生回路中に磁気スイッチを設け、反転エネルギーによる電荷がコンデンサC1に充電されたとき、上記磁気スイッチを導通させ、コンデンサC1に充電された電荷を主コンデンサC0に移行させ、反転エネルギーの回生を行う。
すなわち、本発明においては、以下のようにして前記課題を解決する。
(1)充電器と、この充電器により高電圧に充電される主コンデンサと、可飽和リアクトルからなる磁気アシストと、スイッチ手段とが昇圧トランスの1次側に直列に接続され、上記昇圧トランスの2次側に磁気パルス圧縮回路が接続され、上記スイッチ手段を制御するコントローラとを備えた高電圧パルス発生装置の回生回路において、該回生回路に、1次側巻線が昇圧トランスの2次側巻線と並列に接続され、2次側巻線とダイオードの直列回路が、上記主コンデンサに接続された、負荷側からの反射エネルギーを主コンデンサに回生する回生トランスを設ける。そして、上記コントローラにより、反射エネルギー回生時に主コンデンサへと流れる回生電流が発生する前に上記スイッチ手段をオフ状態にする。
(2)上記(1)において、回生トランスの1次巻線もしくは2次側巻線に直列に磁気スイッチを接続する。
(3)上記(2)において、上記昇圧トランスの1次側に直列に接続された可飽和リアクトルからなる磁気アシストと、上記回生トランスに直列に接続された磁気スイッチを共通化する。
(4)上記(1)(2)(3)において、反射エネルギーの回生時に、上記昇圧トランスの2次側に残留電荷が存在しないように上記回生用トランスの巻数比を定める。
上記(1)のように構成することにより、回生トランスの巻数、巻数比を昇圧トランスとは独立して設定することができる。このため、一部残留電荷がコンデンサC1に存在しないように、回生トランスの巻数、巻数比を設定することが可能となる。
また上記(2)のように、回生回路中に磁気スイッチを設けることにより、キックバック時にコンデンサC1に充電された電荷をほぼ100%、主コンデンサC0に移行させることが可能となる。
さらに、上記(3)のように、昇圧トランスの1次側に直列に接続された可飽和リアクトルからなる磁気アシストと、上記回生トランスに直列に接続された磁気スイッチを共通化することにより、磁気スイッチの数を少なくすることができ、装置の小型化を図ることができるとともに、コストを低減化することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の第1の実施例の回生回路を有するガスレーザ装置の高電圧パルス発生装置(放電回路)の構成例を示し、また、図2に図1における主コンデンサC0、コンデンサC1、C2、ピーキングコンデンサCpにかかる電圧V0、V1、V2、Vpの電圧波形並びに主コンデンサC0からコンデンサC1へ電荷が移行するときの電流波形を示す。
図1に示す高電圧パルス発生装置は、前記図10に示した回路において、回生トランスTr2、ダイオードD4、可飽和リアクトルから構成される磁気スイッチSR4からなる回生回路を追加したものである。
回生トランスTr2の1次側はコンデンサC1と並列に接続され、回生トランスTR2の2次側には、ダイオードD4と磁気スイッチSR4が直列に接続され、この2次側とダイオードD4と磁気スイッチSR4とからなる直列回路は、主コンデンサC0に直列に接続される。
【0018】
図1に示す回路は次のように動作する。
図2に示すように、固体スイッチSWがonされてから磁気アシストSR1が飽和されるまでの時間(図2における磁気アシスト時間T)が経過した時点で、主コンデンサC0からコンデンサC1に電荷の移行が開始し電流も流れる(同図の一点鎖線の電流波形参照)。
そして、電圧パルスは前記したように、磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されながら移行して、ピーキングコンデンサCpが充電される。このときのコンデンサC1、C2、ピーキングコンデンサCpの電圧波形を図2のV1,V2,Vpに示す。
ピーキングコンデンサCpの充電途中で放電が開始され(同図の”放電開始”)、以下、先の述べたように反射エネルギーとして、逆方向に電流が移行する。すなわち、図2に示すように電圧パルスが磁気パルス圧縮回路を逆行することにより、パルス伸長されながら移行する。このときのコンデンサC2、C1、コンデンサC0の電圧波形を図2のV2kb,V1kb,V0kbに示す(図2の破線)。
なお、上記反射エネルギーによりコンデンサC1,C2に充電される電圧を以下では、キックバック電圧と言い、上記反射エネルギーが逆方向に移行する現象をキックバックという。このキックバック電圧は、パルス圧縮をする際にコンデンサC1,C2に充電される電圧の最大1/2である。
また、上記図2の動作において、主コンデンサC0からコンデンサC1に電荷の移行させるため、少なくとも期間Aは固体スイッチSWがon状態である必要がある。また、回生動作時には、回生回路を介して主コンデンサC0に電荷する必要があり、その間固体スイッチSWはoffでなければならないので、少なくとも期間Bの間に固体スイッチSWをオフ状態とする必要がある。
【0019】
ここで、上記回生回路が無い場合、図2に破線で示すように、主コンデンサC0は初期充電時(固体スイッチSWがon時)と逆極性となるように充電される〔図2のV0kb(回生回路無し)参照〕。
一方、図1に示すように回生回路を設けた場合には、次のように動作する。
反射エネルギーによりコンデンサC1が逆方向に充電されたとき、固体スイッチSWはoff状態であり、コンデンサC1に充電された電圧(キックバック電圧)は、回生トランスTr2の2次側に発生し、この電圧は回生トランスTr4の2次側に設けられたダイオードD4、磁気スイッチSR4、主コンデンサC0の直列回路に印加される。
このため、図2に示すように、主コンデンサC0は初期充電時(固体スイッチSWがon時)と同極性となるように充電される。すなわち、反射エネルギーが主コンデンサC0に回生される〔図2のV0kb(回生回路有り)参照〕。
本実施例においては、上述したように、反射エネルギーの回生のための回生トランスTr2を昇圧トランスTr1とは別途設けたので、回生時の回路動作に昇圧トランスTr1は介在しない。したがって、回生トランスの巻数を1次側、2次側とも大きく取ることができ、また、巻数比を自由に設定することができるので、一部残留電荷がコンデンサC1に存在しないように、巻数比を精密に規定することが可能となる。
また、当然ながら昇圧トランスTR1の巻数比および巻数を変更しなくともよいので、主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行速度はできるだけ早くなるように、昇圧トランスTR1の巻数比および巻数を設定することが可能となる。
【0020】
上記のように回生トランスTr2を昇圧トランスTr1とは別途設けることにより、回生トランスの巻数、巻数比を昇圧トランスTr1とは独立して設定でき、コンデンサC1の残留電圧を前記図13に示した回路に比べ減少させることができるが、上記回生回路に磁気スイッチSR4を設けることにより、一層、残留電圧を小さくすることができる。
以下、上記磁気スイッチSR4の作用について説明する。
放電後、パルス幅を伸長しながら移行してくる反射エネルギーにより、コンデンサC1が図2のV1kbに示すように逆電圧に充電される。このとき、固体スイッチSWはoff状態であり、コンデンサC1に充電された電圧(キックバック電圧)は、回生トランスTr2の2次側に発生し、この電圧は、前記したように、回生トランスTr4の2次側に設けられたダイオードD4、磁気スイッチSR4、主コンデンサC0の直列回路に印加される。
上記磁気スイッチSR4のVt積(磁気スイッチが飽和するまでに印加される電圧(V)×時間(t)の積分値)は、上記キックバック電圧により磁気スイッチSR2が再度飽和し、コンデンサC1→コンデンサC2というように順方向に再度移行しないように、上記磁気スイッチSR2が飽和する前に飽和するような値に設定される。
また、上記Vt積は、キックバック電圧が印加されたときに直ちに飽和せず、キックバック電圧により、少なくともコンデンサC1がピーク値まで充電された後に飽和するような値に設定されている。
すなわち、磁気スイッチSR4のVt積は、回生トランスTr2の2次側に換算した上記磁気スイッチSR2のVt積より小さく、上記回生トランスTr2の飽和までのVt積より小さい。
【0021】
このため、キックバック電圧によりコンデンサC1が充電されると、磁気スイッチSR2が飽和する前に、回生回路の磁気スイッチSR4が飽和して導通状態となる。
これにより、コンデンサC1に充電されたキックバック電圧による電荷は、回生トランスTr2の2次側、ダイオードD4、磁気スイッチSR4、主コンデンサC0の回路を介して放電し、主コンデンサC0が充電される。
すなわち、回生電流が、回生トランスTR2を介して図1の矢印方向に流れ、主コンデンサC0を順方向に充電するよう逆移行する。このようにして反射エネルギーは主コンデンサC0に回生される。
その際、上記磁気スイッチSR4のインダクタンスにより、主コンデンサC0の電圧とコンデンサC1の電圧と等しくなった後も電流が流れ続け、コンデンサC1に充電された電荷の殆どが主コンデンサC0に移行する。
また、磁気スイッチSR4の漏れ電流等により、上記エネルギーの転送が100パーセントにならず、コンデンサC1にわずかな電荷が残ることがあるが、上記回生トランスTr2の1次側と2次側の巻数比を調整することにより、コンデンサC1の残留電荷をほぼ0とすることができる。
なお、主放電電極間E,Eで放電を発生させるため固体スイッチSWをonして主コンデンサC0からコンデンサC1へ電荷を移行する際は、ダイオードD4に逆方向側への電圧がかかるので、電流は回生トランスTr1側へ流れることなく、昇圧トランスTR1を介して、コンデンサC1へ移行する。
上記のように回生トランスTr2の2次側巻線に直列にダイオードD4と磁気スイッチSR4を接続することにより、コンデンサC1に充電された電荷を主コンデンサC0にほぼ100%移行させることができる。
なお、上記例では、磁気スイッチSR4を回生トランスTr2の2次側に設けたが、磁気スイッチSR4を回生トランスTr2の1次側に設けてもよい。
【0022】
ところで、倍電圧方式の充電回路を用いた放電励起レーザ用高電圧パルス電源において、前記反射エネルギーを電源側に回生するため、回生用のトランスと該トランスの一次側にコンデンサを並列に接続した回生回路を設け、反射エネルギーを該コンデンサに充電して電源側に回生するパルス充電回路が提案されている(特開平5−327089号公報参照)。
そこで、上記磁気スイッチを設けた場合の効果について、上記特開平5−327089号公報に記載される回生回路を図1に示した電圧移行型の磁気パルス圧縮回路に適用した場合と、図1に示した回生回路とを対比して説明する。
図3は前記特開平5−327089号公報に記載される回生回路を電圧移行型の磁気圧縮回路に適用した場合の回路構成を示す図である。
図3に示す回生回路では、上記磁気スイッチSR4が設けられておらず、回生トランスTr2の1次側巻線に並列にコンデンサCRが接続されている。
このため、前記キックバック電圧によりコンデンサC1が充電されるとき、コンデンサCRには、コンデンサC1の充電電圧に等しい電圧が充電される。
そして、上記コンデンサCRに充電された電荷が、主コンデンサC0に移行し、コンデンサC1には電荷が残留する。この残留した電荷は、前記したように磁気圧縮回路内で振動し、放電に悪影響を及ぼす。
仮に、コンデンサCRとC1の容量が等しいとすると、コンデンサCRに充電される電荷はキックバックにより生ずる電荷の1/2であり、1/2の電荷が回生されずに残留電荷としてコンデンサC1に残ることになる。
【0023】
これに対し、図1に示した回生回路においては、コンデンサC1に並列にコンデンサCRが接続されておらず、また、回生回路中に回生電流方向に逆励磁される磁気スイッチSR4が設けられている。このため、キックバックにより生じた反転電荷は、コンデンサC2からコンデンサC1に全て転送された後、回生トランスTr2を介して、コンデンサC1から主コンデンサC0にほぼ100%移行する。このため、コンデンサC1の残留電荷量を図3の回生回路に比べ、大きく減らすことができる。
【0024】
なお、上記特開平5−327089号公報に記載されるようにLC反転型回路においては、上記残留電荷は振動せず回路内に留まるが、上記電圧移行型の磁気パルス圧縮回路に上記公報に記載される回生回路を適用した場合には、上記のように残留した電荷が磁気圧縮回路内で振動することになる。
また、上記図3では、回生トランスTr2の1次側に並列にコンデンサCRを設けた場合について説明したが、このコンデンサCRを設けない場合でも、回生トランスTr1を介してコンデンサC1に並列に主コンデンサC0が接続されることになるので、コンデンサC1には残留電荷が残り,残留した電荷が磁気パルス圧縮回路内で振動する。
【0025】
図4、図5に、図1に示した本実施例の回生回路と、図3に示した回生回路の回生時のタイムチャートを示す。図4、図5において、V0,V1,V2,Vcpはそれぞれ主コンデンサC0、コンデンサC1,C2、ピーキングコンデンサCpの電圧を示し、図5のVcrは図3のコンデンサCRに充電される電圧を示す。
本実施例の回生回路においては、以下に説明するように、キックバックにより電荷の殆どが主コンデンサC0に回生され、前記した残留電荷による振動が発生しない。
すなわち、図4に示すように、時点t1で主コンデンサC0からコンデンサC1に電荷の移行が開始し、電圧パルスは前記したように、磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されながらコンデンサC2,ピーキングコンデンサCpに移行して(図4のt2,t3)、ピーキングコンデンサCpが充電される。
ピーキングコンデンサCpの充電途中で放電が開始され(図4のt4)、以下、先の述べたように反射エネルギーとして、逆方向に電流が移行する。つまり、ピーキングコンデンサCpに逆方向に充電された電荷が、コンデンサC2,C1に移行する(図4のt5,t6)。
上記キックバックにより、コンデンサC1が充電されると、前記した回生回路の磁気スイッチSR4が導通し、コンデンサC1に充電された電荷は、回生トランスTr1を介して、主コンデンサC0に移行し、同図に示すように、主コンデンサC0が充電され、時点t7でコンデンサC1の電荷がほぼ100%、主コンデンサC0に移行する。
【0026】
一方、図3に示した回生回路においては、コンデンサC1に残留電荷が残るため、以下に説明するように、コンデンサC1の残留電荷により振動が発生し、放電に悪影響を与える。
すなわち、図5に示すように、時点t1で主コンデンサC0からコンデンサC1に電荷の移行が開始し、電圧パルスは前記したように、磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されながらコンデンサC2,ピーキングコンデンサCpに移行して(図5のt2,t3)、ピーキングコンデンサCpが充電される。
ピーキングコンデンサCpの充電途中で放電が開始され(図5のt4)、以下、先の述べたように反射エネルギーとして、逆方向に電流が移行する。つまり、ピーキングコンデンサCpに逆方向に充電された電荷が、コンデンサC2,C1に移行する(図5のt5,t6)。
上記キックバックにより、コンデンサC2の電荷が、コンデンサC1,CRに同時に移行するが、コンデンサC1には電荷が残るため、この残留電荷により、再び、電圧パルスの順方向の移行が始まり(図5のt6,t7以降)、図5に示すように、この順方向の移行とキックバックによる振動が発生し、負荷に複数回電圧が印加される。
一方、コンデンサCRに充電された電荷は回生トランスTr2を介して、主コンデンサC0に移行する。
なお、図1においては、磁気アシストSR4を回生トランスTR2の二次側に設けているが、磁気アシストSR4を回生トランスTR2の一次側に設けてもよい。
【0027】
図1では、回生回路中に磁気スイッチSR4を設けた場合について説明したが、上記磁気スイッチSR4と、主コンデンサC0に接続された磁気スイッチSR1を兼用してもよい。
図6に、磁気アシストSR1を上記磁気スイッチとして動作させるようにした本発明の第2の実施例の回路構成を示す。
本実施例では図6に示すように、回生トランスTr2の2次側に接続されたダイオードD4のカソード側を、磁気アシストSR1と昇圧トランスTr1の1次側巻線の接続点に接続する。
上記構成とすることにより、回生時、主コンデンサC0の充電電流は、同図の矢印に示すように流れる。
すなわち、磁気アシストSR1を介して上記充電電流が流れるので、磁気アシストSR1のVt積を前記した磁気スイッチSR4と同様な値に設定することにより、前記した磁気スイッチSR4と同様な機能を磁気アシストSR1が果たすことができる。
なお、磁気アシストSR1のVt積は、磁気圧縮動作によりある程度規定されるので自由に値に設定することはできないが、回生トランスTr2の巻数比等を調整することにより、前記した磁気スイッチとして動作させることが可能である。
上記図1、図6においては、ダイオードD4を回生トランスTR2の二次側に設けているが、ダイオードを回生トランスTR2の一次側および二次側の両側に設けてもよい。このような構成することにより、回生トランスTR2のコアの体積を半分にすることができる。
【0028】
ところで、先に述べたように、上記回生動作を行わせるためには、図2において、時点(C)までには固体スイッチSWはoff状態になっていなければならず、また、主コンデンサC0からコンデンサC1まで電荷が移行する間は固体スイッチSWはon状態でなければならない。
すなわち、図2において、固体スイッチSWがonした時点(時点(A))から時点(B)までは固体スイッチSWはon状態でなければならない。
上記をまとめると、図2における期間Aの間は固体スイッチSWはon状態であって、期間Bのいずれかの時点でoff状態とならなければならない。
【0029】
ところで、露光用光源として用いられるガスレーザ装置においては、レーザ出力エネルギーが一定であることが要請され、出力エネルギー一定化制御が行われる。
上記のような制御を行う放電回路1aを含む露光用ガスレーザ装置1は、例えば図7に示すようにコントローラ2、モニタモジュール3、ビームスプリッタ4を有する。
露光用ガスレーザ装置1から放出されたレーザ光の一部はビームスプリッタ4により取り出され、レーザ出力エネルギーを測定するモニタモジュール3に導光される。モニタモジュール3はレーザ出力エネルギーを測定し、測定結果をコントローラ2に送信する。コントローラ2はレーザ出力エネルギーが一定となるように、図7に示す放電回路(高電圧パルス発生装置)の高電圧電源HVの電圧を調整する。すなわち、各レーザパルス毎に高電圧電源HVの電圧、すなわち、主コンデンサC0の電圧V0は変動し、これによりレーザ出力エネルギーが一定となる。
【0030】
前記磁気アシストSR1の磁気アシスト時間は、可飽和リアクトルである磁気スイッチのVt積が一定であるので、上記のようにV0が変動すると、Vt積が一定となるように磁気アシスト時間Tも変動する。このため、図2における期間Aの長さも変動することになる。
上記したように固体スイッチSWのon−off制御は、期間A、Bに対応して行う必要があるが、このとき上記した磁気アシスト時間Tの変動に起因する期間Aの変動を考慮する必要がある。また、期間BもAと同じように電圧の関数となっているので考慮する必要がある。
【0031】
次に、上記期間A、期間Bに応じて、固体スイッチSWのon−offを制御することができる制御装置に構成について説明する。
図8に固体スイッチSWのon−off制御を行うための制御装置の第1の構成例を示す。図8におけるコントローラは図7のコントローラ2と同等のものであり、モニタモジュール3から送信されるレーザ出力エネルギーの測定結果のデータを受信する。
コントローラ2は受信したレーザ出力エネルギーデータに基づき、充電電圧値演算部2aにより次回の放電のための主コンデンサC0への充電電圧を演算して決定する。
そして、主コンデンサC0への充電電圧が、この決定した電圧値となるように高電圧電源HVに充電電圧値調整指令を送信して、高電圧電源HVを制御する。同時にコントローラ2は充電電圧値演算部2aにおいて決定した主コンデンサC0の充電電圧値データをスイッチon−offタイミング制御部2bに送る。スイッチon−offタイミング制御部2bは、受信した充電電圧値データ及び予めスイッチon−offタイミング制御部2bに記憶されている磁気アシストSR1のVt積に基づき磁気アシスト時間Tを算出して、期間Aの長さを求める。
すなわち、図2における電流パルス幅Tiは回路定数の値からほぼ一定に定まり、予めスイッチon−offタイミング制御部2bに記憶されている。スイッチon−offタイミング制御部2bは、上記算出した磁気アシスト時間Tと予め記憶されている電流パルス幅Tiの和より期間Aの長さを求める。
また、期間Bは、上記充電電圧値データと磁気パルス圧縮回路の回路定数により定まる。そこで、例えば、予め上記電圧値と期間Bの関係を求めおき、記憶回路等に記憶しておく。そして、該記憶装置から上記充電電圧値データに対応した期間Bを読み出す。
【0032】
on−offタイミング制御部2bは、設定された繰返し周波数に基づいて、固体スイッチSWのon−offの周波数を制御するが、上記のように求めた期間A及びBに基づき、固体スイッチSWにon信号を送信した時点(図2における時点(A))を起点として、期間A経過後、期間B終了以前(図2における時点(B)から時点(C)の間)に固体スイッチSWにoff信号を送信する。
なお、固体スイッチSWにon信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にonする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号を図2における時点(B)より遅れて送信することが望ましい。また、固体スイッチSWにoff信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にoffする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号は、時点(C)より先だって送信することが望ましい。
以上のような構成、制御により回生動作が行われる間、固体スイッチSWを確実にoffとすることができる。
【0033】
図9に固体スイッチSWのon−off制御を行うための制御装置の第2の構成例を示す。
図9に示す制御装置の構成例は図8に示す第1の構成例の変形例であり、相違点は、第1の構成例においてはコントローラ2の充電電圧値演算部1aからの主コンデンサC0の充電電圧値データを用いて磁気アシスト時間Tを計算していたのに対し、第2の構成例においては、直接主コンデンサC0の電圧値を電圧検出器Vsで検出して、この検出データを用いて磁気アシスト時間Tを計算する。
すなわち、電圧検出器Vsは、計測した主コンデンサC0の充電電圧値データをスイッチon−offタイミング制御部2bに送信する。スイッチon−offタイミング制御部2bは、前記したように、受信した充電電圧値データ及び予めスイッチon−offタイミング制御部2bに記憶されている磁気アシストSR1のVt積に基づき期間Aの長さを求めるとともに、前記したように期間Bを求める。
【0034】
on−offタイミング制御部2bは、繰返し周波数に基づいて、固体スイッチSWのon−offの周波数を制御するが、上記のように算出した期間Aと期間Bとに基づき、固体スイッチSWにon信号を送信した時点(図2における時点(A))を起点として、期間A経過後、期間B終了以前(図2における時点(B)から時点(C)の間)に固体スイッチSWにoff信号を送信する。
なお、第1の構成例のときと同様、固体スイッチSWにon信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にonする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号は図2における時点(B)より遅れて送信することが望ましい。また、固体スイッチSWにoff信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にoffする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号は、時点(C)より先だって送信することが望ましい。
以上のような制御装置に用いて制御することにより、回生動作が行われる間、固体スイッチSWを確実にoffとすることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては以下の効果を得ることができる。
(1)負荷のインピーダンスの違いによる反転電荷(反射エネルギー)を、熱として消費するのではなく、主コンデンサC0へ回生するので、熱として消費する場合と異なり、大掛かりな冷却構造も不要で装置が大型化せず、またレーザ全体の消費電流が小さくなる。
(2)また、この回生動作を行うに当たり、本発明においては、反射エネルギーの回生に個別に回生トランスTR2を設けたので、回生時の回路動作に昇圧トランスTR1は介在せず、回生トランスの巻数、巻数比を昇圧トランスとは独立して設定することができる。
このため、回生トランスの巻数を1次側、2次側とも大きく取って、一部残留電荷がコンデンサC1に存在しないように、巻数比を精密に規定することが可能となる。
また、当然ながら昇圧トランスTR1の巻数比および巻数を変更しなくともよいので、主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行速度はできるだけ早くなるように、昇圧トランスTR1の巻数比および巻数を設定することが可能となる。
(3)回生回路中に磁気スイッチを設けることにより、キックバック時にコンデンサC1に充電された電荷をほぼ100%、主コンデンサC0に移行させることができる。
したがって、コンデンサC1の残留電荷の発生を押さえることができ、主放電電極への悪影響回避と、回生効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の回生回路を有する高電圧パルス発生装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す回生回路の動作を説明するタイムチャートである。
【図3】本発明の回生回路との作用を比較するため回生トランスを有する回生回路の構成例を示す図である。
【図4】第1の実施例の回生回路の回生時のタイムチャートを示す図である。
【図5】図3に示した回生回路の回生時のタイムチャートを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の回生回路の構成を示す図である。
【図7】露光用ガスレーザ装置の制御系の構成例を示す図である。
【図8】高電圧パルス発生装置の固体スイッチの制御を行うための制御装置の構成例(1)を示す図である。
【図9】高電圧パルス発生装置の固体スイッチの制御を行うための制御装置の構成例(2)を示す図である。
【図10】高電圧パルス発生装置の構成例を示す図である。
【図11】図10において、コンデンサC2にかかる電圧、ピーキングコンデンサCpにかかる電圧の波形を示す図である。
【図12】逆電圧により発生した電荷を抵抗にて処理する回路を有するガスレーザ装置の放電回路の構成例を示す図である。
【図13】エネルギー回生用の回生回路構成を有する高電圧発生装置の構成例(1)を示す図である。
【図14】エネルギー回生用の回生回路構成を有する高電圧発生装置の構成例(2)を示す図である。
【符号の説明】
SR1 磁気アシスト
SR2、SR3磁気スイッチ
SR4 磁気スイッチ
SW 固体スイッチ
C0 主コンデンサ
Tr1 昇圧トランス
C1,C2 コンデンサ
Cp ピーキングコンデンサ
E 主放電電極
Tr2 回生トランス
D4 ダイオード
Vs 電圧検出器
1 露光用ガスレーザ装置
1a 放電回路
2 コントローラ
2a 充電電圧値演算部
2b スイッチon−offタイミング制御部
3 モニタモジュール
4 ビームスプリッタ

Claims (4)

  1. 充電器と、この充電器により高電圧に充電される主コンデンサと、この主コンデンサと、可飽和リアクトルからなる磁気アシストと、スイッチ手段とが昇圧トランスの1次側に直列に接続され、
    上記昇圧トランスの2次側に磁気パルス圧縮回路が接続され、上記スイッチ手段を制御するコントローラとを備えた高電圧パルス発生装置における回生回路であって、
    上記回生回路は、
    1次側巻線が昇圧トランスの2次側巻線に接続された磁気パルス圧縮回路の初段のコンデンサと並列に接続され、2次側巻線とダイオードの直列回路が、上記主コンデンサに接続された、負荷側からの反射エネルギーを主コンデンサに回生する回生トランスを備え、
    上記コントローラは反射エネルギー回生時に主コンデンサへと流れる回生電流が発生する前に上記スイッチ手段をオフ状態にする機能を有する
    ことを特徴とする高電圧パルス発生装置における回生回路。
  2. 上記回生トランスの1次巻線もしくは2次側巻線に直列に磁気スイッチが接続されている
    ことを特徴とする請求項1の高電圧パルス発生装置における回生回路。
  3. 上記昇圧トランスの1次側に直列に接続された可飽和リアクトルからなる磁気アシストと、上記回生トランスに直列に接続された磁気スイッチを共通化した
    ことを特徴とする請求項2の高電圧パルス発生装置における回生回路。
  4. 反射エネルギーの回生時に、上記昇圧トランスの2次側に残留電荷が最も小さくなるように上記回生用トランスの巻数比が定められている
    ことを特徴とする請求項1,2または請求項3の高電圧パルス発生装置における回生回路。
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