JP3904464B2 - パルスレーザ用高電圧パルス発生装置 - Google Patents

パルスレーザ用高電圧パルス発生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光用ガスレーザ装置等に使用される高電圧発生装置において、インピーダンス不整合によって生ずる反射エネルギーを、次のパルス発生のためのエネルギーとして利用するための回生回路を有するパルスレーザ用の高電圧パルス発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光の短波長化が進められており、半導体露光用光源として、従来の水銀ランプから波長248nmのKrFエキシマレーザ装置が用いられている。さらに、次世代の半導体露光用光源として、波長193nmのArFエキシマレーザ装置及び波長157nmのフッ素(F2 )レーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置が有力である。
KrFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス、クリプトン(Kr)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、ArFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス、アルゴン(Ar)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、フッ素(F2 )レーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてヘリウム(He)等の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数百kPaで封入されたレーザチェンバの内部で放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
【0003】
レーザチェンバ内部には、レーザガスを励起するための一対の主放電電極が、レーザ発振方向に垂直な方向に所定の距離だけ離間して対向配置されている。
この一対の主放電電極には高電圧パルスが印加され、主放電電極間にかかる電圧がある値(ブレークダウン電圧)に到達すると、主放電電極間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起される。
よって、このような露光用ガスレーザ装置は主放電の繰返しによるパルス発振を行い、放出するレーザ光はパルス光となる。現状、露光に用いられているレーザ装置のレーザパルスの繰返し周波数は2kHz程度であるが、近年、スループットの増大、露光量のバラツキの減少のため、繰返し周波数4kHz以上が要請されている。
【0004】
上記した露光用ガスレーザ装置において、上記したようにレーザチェンバ内で放電を発生させレーザガスを励起させるための高電圧パルス発生装置(以下では放電回路ということもある)の例を図6に示す。
図6の放電回路は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR1、SR2、SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路からなる。磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSWでのスイッチングロスの低減用の磁気スイッチであり、通常、磁気アシストとも呼ばれる(以下では磁気アシストという)。
第1の磁気スイッチSR2と第2の磁気スイッチSR3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
図6に従って回路の構成と動作を以下に説明する。
まず、高電圧電源HVの電圧が所定の値Vinに調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはoffになっている。主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがonとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は主に磁気アシストSR1の両端にかかる。
磁気アシストSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気アシストSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気アシストSR1が飽和して磁気スイッチが入り、主コンデンサC0、磁気アシストSR1、インダクタンスLL、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。
なお、ここでは、回路ループのインダクタンスと主コンデンサC0の寄生インダクタンスを合成したものをインダクタンスLLとして表している。
【0005】
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電される。
さらにこの後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷が移行してピーキングコンデンサCpが充電される。
【0006】
予備電離のためのコロナ放電は、第1電極11が挿入されている誘電体チューブ12と第2電極13とが接触している個所を基点として誘電体チューブ12の外周面に発生するが、ピーキングコンデンサCpの充電が進むにつれてその電圧Vpが上昇し、Vpが所定の電圧になるとコロナ予備電離部の誘電体チューブ12表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放電によって誘電体チューブ12の表面に紫外線6が発生し、主放電電極E、E間のレーザ媒質であるレーザガス2が予備電離される。
ピーキングコンデンサCpの充電がさらに進むにつれて、ピーキングコンデンサCpの電圧Vpが上昇し、この電圧Vpがある値(ブレークダウン電圧)Vbに達すると、主放電電極E、E間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。
このような放電動作が固体スイッチSWのスイッチング動作、高電圧電源動作によって繰り返し行なわれることにより、所定の繰り返し周波数でのパルスレーザ発振が行われる。
ここで、磁気スイッチSR2、SR3及びコンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、主放電電極E、E間に短パルスの強い放電が実現される。
【0007】
上記放電回路は、以下の問題点を有している。
図7に図6に放電回路におけるコンデンサC2にかかる電圧V2、ピーキングコンデンサCpにかかる電圧Vpの電圧波形を示す。
一般に放電励起式のガスレーザ装置の場合、主放電電極E,E間の放電インピーダンスとピーキングコンデンサCpとの間には、放電インピーダンスが小さいため、インピーダンス不整合が発生し、反射エネルギーが磁気パルス圧縮回路を逆方向へ進行し、また順方向へ進行する振動が発生する。
すなわち、図6の放電回路において放電後、インピーダンス不整合により図7に示すように電圧の振動が発生して、ピーキングコンデンサCpの電圧Vpが反転して逆電圧が発生し、Cp→SR3→C2のループに電流が流れ、コンデンサC2に逆電圧が発生する。
そして、同様にC2→SR2→C1のループに電流が流れ、コンデンサC1に逆電圧が発生する。コンデンサC1に発生した逆電圧は昇圧トランスTr1を経由し、主コンデンサC0を逆方向に充電する。逆方向に充電された主コンデンサC0は昇圧トランスTr1を経由してコンデンサC1を逆方向に充電する。その後、コンデンサC1→コンデンサC2、コンデンサC2→ピーキングコンデンサCpという順方向に電流が流れる。以上のように、電流が電源装置内の磁気パルス圧縮回路内にて振動する。
【0008】
また、図7に示すように、ピーキングコンデンサCpの前段のコンデンサ(図6の場合、C2)からピーキングコンデンサCpへの充電途中に主放電電極E,E間の放電が開始することが多いので、ピーキングコンデンサCpの前段のコンデンサ(図6の場合、C2)に残留した電荷が主放電電極E,E間を流れ、ピーキングコンデンサCpの前段のコンデンサ(図6の場合、C2)に逆電圧が発生する。
このとき発生した電荷が反射エネルギーとして、上記したインピーダンス不整合時のときと同様、磁気パルス圧縮回路を逆方向へ進行し、また順方向へ進行する振動が発生する。
上記振動により、主放電発生後、短時間内に主放電電極E,E間に電圧が印加され、主放電に悪影響を及ぼす問題があった。
【0009】
上記したような反射エネルギーの磁気パルス圧縮回路を介した振動の問題を回避するために、様々な回路構成が提案されている。
図8は、逆電圧により発生した電荷を抵抗にて処理する回路を有するガスレーザ装置の放電回路の構成例である。
図8においては、図6の回路構成のコンデンサC1と並列にダイオードD1と抵抗Rとからなる直列回路を接続したものである。図6に示した矢印の向きは、コンデンサC1に逆電圧が発生したときの電流の流れる方向を示す。このように、図8に示す回路においては、逆電圧が発生したとき流れる電流を抵抗Rにて消費してしまうことで、主放電後短時間内に主放電電極E,E間に電圧が印加されることを防止する。
一方、主放電電極間E,Eで放電を発生させるため固体スイッチSWを閉じて主コンデンサC0からコンデンサC1へ電荷を移行する際は、電流は矢印の向きと反対、すなわち、ダイオードD1の逆方向に流れる。よって、電流はダイオードD1と抵抗Rとからなる直列回路へは流れず、抵抗Rにより消費されることはない。
しかしながら、逆電圧により生じた電流を抵抗にて処理するので、抵抗における発熱が発生し、レーザ装置からの発熱量が増大することになる。よって、大掛かりな冷却構造が必要となり、装置が大型化してしまうという問題点があった。また、逆電圧により生じた電流を熱として消費するので、レーザ全体の消費電流が大きくなるという問題があった。
【0010】
上記した問題点を回避するために、図8の回路構成のように逆電圧が発生したとき流れる電流を抵抗にて消費するのではなく、次のパルス発生のためのエネルギーとして回生する回路がいくつか提案されている。
図9、図10にエネルギー回生用の回生回路構成を有するガスレーザ装置の放電回路の構成例を示す。
図9の回路構成においては、昇圧トランスTR1の一次側に中間タップを設け、中間タップにはインダクタンスLL、磁気アシストSR1、主コンデンサC0の直列回路を配置し、一次巻線の一端に固体スイッチSWを、他端にダイオードD2を設ける。
図9の回路構成において、固体スイッチSWは、例えば、主コンデンサC0に充電された電荷がコンデンサC1に移行し終わった時点で開かれる。放電後、パルス幅を伸長しながら移行してくる反射エネルギーはコンデンサC1に逆電圧が発生するようコンデンサC1に充電される。固体スイッチSWがoff状態であるので、コンデンサC1に逆電圧が発生したときの電流は、昇圧トランスTR1を介して図9の矢印方向に流れ、主コンデンサC0を順方向に充電するよう逆移行する。このようにして、反射エネルギーは主コンデンサC0に回生される。
なお、主放電電極間E,Eで放電を発生させるため固体スイッチSWをonして主コンデンサC0からコンデンサC1へ電荷を移行する際は、ダイオードD2の逆方向側へ電圧がかかるので、電流はダイオードD2を流れることなく、昇圧トランスTR1を介して、コンデンサC1へ移行する。
【0011】
また、図10の回路構成においては、主コンデンサC0に並列にインダクタンスL1、ダイオードD3とからなる直列回路が並列に接続されている。
図10の回路構成において、固体スイッチSWは、例えば、反射エネルギーが、主コンデンサC0の逆充電を終了した時点でOFFとなる。
なお、固体スイッチSWのOFFのタイミングは、上記時点から主コンデンサC0が順方向に再充電するまでの期間である。その間は磁気アシストSR1が飽和しないので、固体スイッチSWの方向へは流れない。
放電後パルス幅を伸長しながら移行してくる反射エネルギーはコンデンサC0に逆電圧が発生するようコンデンサC0に充電される。固体スイッチSWがoff状態、もしくは磁気アシストSR1が飽和していないので、コンデンサC0に逆電圧が発生したときの電流は、インダクタンスL1、ダイオードD3とからなる直列回路を図10の矢印方向に流れ、主コンデンサC0を順方向に充電する。このようにして反射エネルギーは主コンデンサC0に回生される。
【0012】
図9、図10に例示した回生回路を含む回路構成においては、図8に示したように電流を消費するものではなく、反射エネルギーを回生しているので、大掛かりな冷却構造も不要で装置が大型化することはない。また、反射エネルギーを熱として消費せず、再度有効利用しているので、レーザ全体の消費電流が小さくなる。
しかしながら、図9、図10に例示した回生回路を含む回路構成においては、以下のような問題がある。
上記したように主コンデンサC0の電荷は昇圧トランスTR1を介してコンデンサC1へ移行するが、そのときの昇圧トランスTR1の巻数比は、主コンデンサC0の電荷が完全にコンデンサC1に移行するように設定されている。
一方、ピーキングコンデンサCpへの充電時間をできるだけ短くして、主放電電極E、Eへの印加電圧の立ち上がりを早くして放電開始電圧を大きくするために、磁気パルス圧縮回路へ入力される初期パルスの幅はできるだけ短いことが好ましい。すなわち、主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行速度はできるだけ早いことが好ましい。ここで昇圧トランスTR1の1次側、2次側の各々の巻数が多いほど上記移行速度は遅くなるので、両巻数とも最小となるように設定される。
【0013】
このように設定された巻数比の場合、反射エネルギーとしてコンデンサC1から主コンデンサC0に電荷が移行する際にコンデンサC1の電荷が全て主コンデンサC0に移行せず、一部残留電荷がコンデンサC1に存在する。
すなわち、図10の場合、順方向、逆方向両方の移行が100%行われるように昇圧トランスTR1の巻数比を規定することが困難であり、どうしてもコンデンサC1に残留電荷が存在することになる。
【0014】
図9においては、パルス発生時と回生時では、使用される昇圧トランスTR1の1次側巻線の巻数は異なるが、2次側が共通である。回生時に用いられる1次側巻線と2次側巻線の最適な巻数比において、必要最小限の巻数である2次側に対応した1次側の巻数は自然数とはならない場合が多い。そのため回生時の1次側、2次側巻数を自然数とするには、2次側の巻数が多くなることになる。そうすると、パルス発生時の主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行速度が遅くなってしまう。
【0015】
上記問題を解決するため、図11に示すように、回生用トランスを新たに設け、この回生用トランスを介して反転エネルギーの回生を行うことも考えられる。
図11に示す高電圧パルス発生装置は、前記図6に示した回路において、回生トランスTr2、ダイオードD4、可飽和リアクトルSR4から構成される磁気スイッチSR4からなる回生回路を追加したものである。
回生トランスTr2の1次側はコンデンサC1と並列に接続され、回生トランスTR2の2次側には、ダイオードD4と磁気スイッチSR4が直列に接続され、この2次側とダイオードD4と磁気スイッチSR4とからなる直列回路は、主コンデンサC0に直列に接続される。
【0016】
図11に示す回路は次のように動作する。
図12に示すように、固体スイッチSWがonされてから磁気アシストSR1が飽和されるまでの時間(図2における磁気アシスト時間T)が経過した時点で、主コンデンサC0からコンデンサC1に電荷の移行が開始し電流も流れる(同図の一点鎖線の電流波形参照)。
そして、電圧パルスは前記したように、磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されながら移行して、ピーキングコンデンサCpが充電される。このときのコンデンサC1、C2、ピーキングコンデンサCpの電圧波形を図12のV1,V2,Vpに示す。
ピーキングコンデンサCpの充電途中で放電が開始され(同図の”放電開始”)、以下、先の述べたように反射エネルギーとして、逆方向に電流が移行する。
すなわち、図12に示すように電圧パルスが磁気パルス圧縮回路を逆行することにより、パルス伸長されながら移行する。このときのコンデンサC2、C1、コンデンサC0の電圧波形を図12のV2kb,V1kb,V0kbに示す(図12の破線)。
なお、上記反射エネルギーによりコンデンサC1,C1に充電される電圧を以下では、キックバック電圧と言い、上記反射エネルギーが逆方向に移行する現象をキックバックという。
また、上記図12の動作において、主コンデンサC0からコンデンサC1に電荷の移行させるため、少なくとも期間Aは固体スイッチSWがon状態である必要がある。また、回生動作時には、回生回路を介して主コンデンサC0に電荷する必要があり、その間固体スイッチSWはoffでなければならないので、少なくとも期間Bの間に固体スイッチSWをオフ状態とする必要がある。
【0017】
ここで、上記回生回路が無い場合、図12に破線で示すように、主コンデンサC0は初期充電時(固体スイッチSWがon時)と逆極性となるように充電される〔図2のV0kb(回生回路無し)参照〕。
一方、図11に示すように回生回路を設けた場合には、次のように動作する。
反射エネルギーによりコンデンサC1が逆方向に充電されたとき、固体スイッチSWはoff状態であり、コンデンサC1に充電された電圧(キックバック電圧)は、回生トランスTr2の2次側に発生し、この電圧は回生トランスTr2の2次側に設けられたダイオードD4、磁気スイッチSR4、主コンデンサC0の直列回路に印加される。
このため、図12に示すように、主コンデンサC0は初期充電時(固体スイッチSWがon時)と同極性となるように充電される。すなわち、反射エネルギーが主コンデンサC0に回生される〔図12のV0kb(回生回路有り)参照〕。
図11の回路においては、上述したように、反射エネルギーの回生のための回生トランスTr2を昇圧トランスTr1とは別途設けたので、回生時の回路動作に昇圧トランスTr1は介在しない。したがって、回生トランスの巻数を1次側、2次側とも大きく取ることができ、また、巻数比を自由に設定することができるので、一部残留電荷がコンデンサC1に存在しないように、巻数比を精密に規定することが可能となる。
また、当然ながら昇圧トランスTR1の巻数比および巻数を変更しなくともよいので、主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行速度はできるだけ早くなるように、昇圧トランスTR1の巻数比および巻数を設定することが可能となる。このため、コンデンサC1の残留電圧を減少させることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の図9、図10、図11に示す回生回路に上記回生動作を行わせるためには、固体スイッチSWのon/offタイミングが適切に設定される必要がある。
例えば、図11の回路においては、図12の時点(C)までには固体スイッチSWはoff状態になっていなければならず、また、主コンデンサC0からコンデンサC1まで電荷が移行する間は固体スイッチSWはon状態でなければならない。すなわち、図12において、固体スイッチSWがonした時点(時点(A))から時点(B)までは固体スイッチSWはon状態でなければならない。
上記をまとめると、図12における期間Aの間は固体スイッチSWはon状態であって、期間Bのいずれかの時点でoff状態とならなければならない。
【0019】
ここで、露光用光源として用いられるガスレーザ装置においては、レーザ出力エネルギーが一定であることが要請され、出力エネルギー一定化制御が行われる。
上記のような制御を行う放電回路1aを含む露光用ガスレーザ装置1は、例えば図13に示すようにコントローラ2、モニタモジュール3、ビームスプリッタ4を有する。
露光用ガスレーザ装置1から放出されたレーザ光の一部はビームスプリッタ4により取り出され、レーザ出力エネルギーを測定するモニタモジュール3に導光される。モニタモジュール3はレーザ出力エネルギーを測定し、測定結果をコントローラ2に送信する。コントローラ2はレーザ出力エネルギーが一定となるように、図13に示す放電回路(高電圧パルス発生装置)の高電圧電源HVの電圧を調整する。すなわち、各レーザパルス毎に高電圧電源HVの電圧、すなわち、主コンデンサC0の電圧V0は変動し、これによりレーザ出力エネルギーが一定となる。
【0020】
前記磁気アシストSR1の磁気アシスト時間は、可飽和リアクトルである磁気スイッチのVT積が一定であるので、上記のようにV0が変動すると、VT積が一定となるように磁気アシスト時間Tも変動する。このため、図12における期間Aの長さも変動することになる。
上記したように固体スイッチSWのon−off制御は、期間A、Bに対応して行う必要があるが、このとき上記した磁気アシスト時間Tの変動に起因する期間Aの変動を考慮する必要がある。また、期間BもAと同じように電圧の関数となっているので考慮する必要がある。
【0021】
次に、上記期間A、期間Bを制御することができる制御装置に構成について説明する。
図14に固体スイッチSWのon−off制御を行うための制御装置の構成例を示す。図14におけるコントローラは図13のコントローラ2と同等のものであり、モニタモジュール3から送信されるレーザ出力エネルギーの測定結果のデータを受信する。
コントローラ2は受信したレーザ出力エネルギーデータに基づき、充電電圧値演算部2aにより次回の放電のための主コンデンサC0への充電電圧を演算して決定する。
そして、主コンデンサC0への充電電圧が、この決定した電圧値となるように高電圧電源HVに充電電圧値調整指令を送信して、高電圧電源HVを制御する。
同時にコントローラ2は充電電圧値演算部2aにおいて決定した主コンデンサC0の充電電圧値データをスイッチon−offタイミング制御部2bに送る。
スイッチon−offタイミング制御部2bは、受信した充電電圧値データ及び予めスイッチon−offタイミング制御部2bに記憶されている磁気アシストSR1のVT積に基づき磁気アシスト時間Tを算出して、期間Aの長さを求める。
すなわち、図11における電流パルス幅Tiは回路定数の値からほぼ一定に定まり、予めスイッチon−offタイミング制御部2bに記憶されている。スイッチon−offタイミング制御部2bは、上記算出した磁気アシスト時間Tと予め記憶されている電流パルス幅Tiの和より期間Aの長さを求める。
また、期間Bは、上記充電電圧値データと磁気パルス圧縮回路の回路定数により定まる。そこで、例えば、予め上記電圧値と期間Bの関係を求めおき、記憶回路等に記憶しておく。そして、該記憶装置から上記充電電圧値データに対応した期間Bを読み出す。
【0022】
on−offタイミング制御部2bは、設定された繰返し周波数に基づいて、固体スイッチSWのon−offの周波数を制御するが、上記のように求めた期間A及びBに基づき、固体スイッチSWにon信号を送信した時点(図12における時点(A))を起点として、期間A経過後、期間B終了以前(図12における時点(B)から時点(C)の間)に固体スイッチSWにoff信号を送信する。
なお、固体スイッチSWにon信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にonする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号を図12における時点(B)より遅れて送信することが望ましい。また、固体スイッチSWにoff信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にoffする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号は、時点(C)より先だって送信することが望ましい。
【0023】
図15に固体スイッチSWのon−off制御を行うための制御装置の第2の構成例を示す。
図15に示す制御装置の構成例は図14に示す第1の構成例の変形例であり、相違点は、第1の構成例においてはコントローラ2の充電電圧値演算部1aからの主コンデンサC0の充電電圧値データを用いて磁気アシスト時間Tを計算していたのに対し、第2の構成例においては、直接主コンデンサC0の電圧値を電圧検出器Vsで検出して、この検出データを用いて磁気アシスト時間Tを計算する。
すなわち、電圧検出器Vsは、計測した主コンデンサC0の充電電圧値データをスイッチon−offタイミング制御部2bに送信する。スイッチon−offタイミング制御部2bは、前記したように、受信した充電電圧値データ及び予めスイッチon−offタイミング制御部2bに記憶されている磁気アシストSR1のVT積に基づき期間Aの長さを求めるとともに、前記したように期間Bを求める。
【0024】
on−offタイミング制御部2bは、繰返し周波数に基づいて、固体スイッチSWのon−offの周波数を制御するが、上記のように算出した期間Aと期間Bとに基づき、固体スイッチSWにon信号を送信した時点(図12における時点(A))を起点として、期間A経過後、期間B終了以前(図12における時点(B)から時点(C)の間)に固体スイッチSWにoff信号を送信する。
なお、第1の構成例のときと同様、固体スイッチSWにon信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にonする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号は図12における時点(B)より遅れて送信することが望ましい。また、固体スイッチSWにoff信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にoffする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号は、時点(C)より先だって送信することが望ましい。
以上のような構成、制御により回生動作が行われる間、固体スイッチSWを確実にoffとすることができる。
【0025】
上記した図14に示す構成例では、充電電圧値データ及び予めスイッチon−offタイミング制御部2bに記憶されている磁気アシストSR1のVT積に基づき磁気アシスト時間Tを算出して、この磁気アシスト時間Tと記憶しておいた電流パルス幅Tiとを用いて、期間Aを演算により求めて、off信号の送信タイミングを求めている。
このため、スイッチon−offタイミング制御部2bには複雑な演算手段や記憶手段が必要となり、結果としてコントローラは大型化・複雑化していた。
一方、近年、繰り返し周波数の高繰返し化(4kHz以上)に伴い、パルス間隔が非常に短くなってきている。このため、図14に示す構成例では、スイッチon−offタイミング制御部2bは、固体スイッチSWのon−offタイミングを制御するための演算、指令等を非常に短いパルス間隔で行わなければないない。
すなわち、高速演算が求められ、スイッチon−offタイミング制御部2aは複雑、かつ高価なものになった。
【0026】
また、図15に示す構成例においても、スイッチon−offタイミング制御部2bは、図14の場合と同様の理由により複雑、かつ高価となる。
特に、図15に示す構成例におけるタイミング検出は、図14のように充電電圧演算部2aが高電圧電源HVに充電電圧値データに基づく充電指令を送出し、高電圧電源HVにより充電された主コンデンサC0の電圧値を検出したあと、スイッチon−offタイミング制御部2bにより演算等を行う。このため、スイッチon−offタイミング制御部2bにより演算等を行うための所要時間は、図14の場合と比べさらに短くなるので、図15におけるスイッチon−offタイミング制御部2bは、図14の場合のそれと比較すると、より複雑、かつ高価となる。
また、電圧検出器としては、電圧プローブや分圧抵抗器等が使用されるが、これらの測定特性には、個体差が存在する。そのため、このような個体差を調整する初期調整が必要となる。
さらに、図14、図15の構成例においては、前記したように固体スイッチSWスイッチのターンオン時間(図12の時点A’)のドリフト、ジッタを見込む必要があるので、期間Bは短くなり、固体スイッチSWのoff信号の制御が難しくなる。
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、コントローラを従来に比して簡単化することができ、また、高速化にも充分対応することができ、さらにコストの低減化を図ることができるパルスレーザ用高電圧パルス発生装置を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、以下のようにして上記課題を解決する。
(1)充電器により高電圧に充電される主コンデンサと、この主コンデンサと、可飽和リアクトルからなる磁気アシストと、スイッチ手段とが1次側に直列に接続され、2次側に磁気パルス圧縮回路が接続された昇圧トランスを備え、負荷側からの反射エネルギーを上記主コンデンサに回生する回生回路を備えた高電圧パルス発生装置において、上記スイッチ手段を流れる電流の通流開始タイミングを検出する電流通流タイミング検知手段を設け、この電流通流タイミング検知手段の出力に基づき、上記スイッチ手段をオフにするタイミングを定める。
(2)上記(1)において、電流通流タイミング検知手段からの信号により、タイマ手段を駆動し、タイマがカウントアップした際に得たタイミングにより、上記スイッチ手段をオフ状態にする。
本発明においては、上記のように電流通流タイミング検知手段を設け、この出力に基づき、上記スイッチ手段をオフにするタイミングを定めるようにしたので、磁気アシスト時間Tを求める必要がなく、そのための高速演算処理を行う演算装置は不要となる。このため、コントローラを従来に比して簡単化することができ、また、高速化にも充分対応することができ、さらにコストの低減化を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例の高電圧パルス発生装置の構成を示す図である。本実施例は前記図11に示した回生回路を有する高電圧パルス発生装置に本発明を適用した実施例を示しており、図1におけるコントローラは図13のコントローラ2と同等のものであり、モニタモジュール3から送信されるレーザ出力エネルギーの測定結果のデータを受信する。
本実施例は、前記図14、図15に示した構成例のように、磁気アシスト時間Tの演算等を行って固体スイッチSWのoff信号を送信するタイミングを見いだしてoff信号を送信するのではなく、主コンデンサC0と固体スイッチSW、磁気アシストSR1からなる閉回路中に電流通流タイミング検知手段Isを設け、主コンデンサC0からコンデンサC1への移行電流(固体スイッチSWを流れる電流)の通流開始タイミングを検出し、その検出結果を用いて固体スイッチSWのoff信号を送出するタイミングを見いだして、off信号を送出するようにしたものである。
【0029】
すなわち、固体スイッチSWがonとなった後、磁気アシスト時間Tが経過し、主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行が開始し、主コンデンサC0と固体スイッチSW、磁気アシストSR1からなる閉回路中に電流が流れると、電流通流タイミング検知手段Isは、この電流を検知し出力を発生する。電流通流タイミング検知手段Isの出力は、コントローラ2に設けられたスイッチon−offタイミング制御部内のタイマ2cに送信される。
タイマ2cは、この信号を受信後、図示しない所定の周波数のクロック信号のカウントを開始する。そして、このカウント値が所定値に達すると出力を発生する。
タイマ2cに設定される上記所定値は、カウントを開始後、電流パルス幅Tiに相当した時間経過した後に、出力を発生するように設定される。ここで、先に述べた通り、電流パルス幅Tiは、回路定数の値からほぼ一定となるので、上記所定値は、一定の値でよい。
タイマ2cがカウントアップすると(図12における時点(B)以降)、スイッチon−offタイミング制御部2bは、固体スイッチSWにoff信号を送信する。
【0030】
上記のように、本実施例では、電流通流タイミング検知手段Isを設け、電流パルスが立ち上がる時点(A’)を計測しているので、前記図14、図15に示した構成例のように、磁気アシスト時間Tを求める必要がなく、そのための高速演算処理を行う演算装置は不要となる。また、単にタイマを用いるだけで、off信号の送信タイミングを求めることができるので、コントローラも小型かつ安価になるという利点を有する。
なお、第1、2の構成例のときと同様、固体スイッチSWにon信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にonする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号が図12における時点(B)より遅れて送信されるようにタイマ2cの所定値を設定することが望ましい。
また、固体スイッチSWにoff信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にoffする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号は、時点(C)より先だって送信されるようにタイマ2cの所定値を設定することが望ましい。
【0031】
図2は本発明の第2の実施例を示す図であり、本実施例は、前記図9の回生回路構成に本発明を適用した場合を示しており、第1の実施例と同様、主コンデンサC0と固体スイッチSW、磁気アシストSR1からなる閉回路中に電流通流タイミング検知手段Isを設け、主コンデンサC0からコンデンサC1への移行電流(固体スイッチSWを流れる電流)の通流開始タイミングを検出するようにしたものである。なお、図2におけるコントローラは図13のコントローラ2と同等のものであり、モニタモジュール3から送信されるレーザ出力エネルギーの測定結果のデータを受信する。
【0032】
図2の回路構成において、固体スイッチSWがonとなり、磁気アシストSR1のVt積に対応した時間経過すると、図3のタイミングチャートに示すように、主コンデンサC0に充電された電荷がコンデンサC1に移行し始める(図3の時点(A’))。固体スイッチSWは、例えば、主コンデンサC0に充電された電荷がコンデンサC1に移行し終わった時点(図3の時点(B))でoffとなる。 そして、電圧パルスは前記したように、磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されながら移行して、ピーキングコンデンサCpが充電される。このときのコンデンサC1、C2、ピーキングコンデンサCpの電圧波形を図3のV1,V2,Vpに示す。
ピーキングコンデンサCpの充電途中で放電が開始され(同図の”放電開始”)、以下、先の述べたように反射エネルギーとして、逆方向に電流が移行する。すなわち、図3に示すように電圧パルスが磁気パルス圧縮回路を逆行することにより、パルス伸長されながら移行する。このときのコンデンサC2、C1、コンデンサC0の電圧波形を図3のV2kb,V1kb,V0kbに示す。
また、上記図3の動作において、主コンデンサC0からコンデンサC1に電荷の移行させるため、少なくとも期間Aは固体スイッチSWがon状態である必要がある。また、回生動作時には、回生回路を介して主コンデンサC0に電荷する必要があり、その間固体スイッチSWはoffでなければならないので、少なくとも図3の(B)時点と(C)時点の間に固体スイッチSWをオフ状態とする必要がある。
【0033】
図2の電流通流タイミング検知手段Isは、第1の実施例と同様、主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行が開始し、主コンデンサC0と固体スイッチSW、磁気アシストSR1からなる閉回路中に電流が流れると、出力を発生する。電流通流タイミング検知手段Isの出力は、コントローラ2に設けられたスイッチon−offタイミング制御部内のタイマ2cに送信される。
タイマ2cは、この信号を受信後、図示しない所定の周波数のクロック信号のカウントを開始し、カウント値が所定値に達すると出力を発生する。
タイマ2cに設定される上記所定値は、カウントを開始後、図3の(B)時点以降に出力を発生するように設定される。
タイマ2cがカウントアップすると、スイッチon−offタイミング制御部2bは、固体スイッチSWにoff信号を送信する。
【0034】
なお、第1の実施例と同様、固体スイッチSWにon信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にonする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号が図3における時点(B)より遅れて送信されるようにタイマ2cの所定値を設定することが望ましい。
また、固体スイッチSWにoff信号を送信した時点と固体スイッチSWが実際にoffする時点のずれやずれの変動(ジッタ)を考慮して、off信号は、時点(C)より先だって送信されるようにタイマ2cの所定値を設定することが望ましい。
上記のように、本実施例では、電流通流タイミング検知手段Isを設け、電流パルスが立ち上がる時点(A’)を計測しているので、第1の実施例と同様、磁気アシスト時間Tを求める必要がなく、そのための高速演算処理を行う演算装置は不要となる。また、単にタイマを用いるだけで、off信号の送信タイミングを求めることができるので、コントローラも小型かつ安価になるという利点を有する。
【0035】
図4は本発明の第3の実施例を示す図であり、本実施例は、前記図10の回生回路構成に本発明を適用した場合を示しており、第1の実施例と同様、主コンデンサC0と固体スイッチSW、磁気アシストSR1からなる閉回路中に電流通流タイミング検知手段Isを設け、主コンデンサC0からコンデンサC1への移行電流(固体スイッチSWを流れる電流)の通流開始タイミングを検出するようにしたものである。なお、図4におけるコントローラは図13のコントローラ2と同等のものであり、モニタモジュール3から送信されるレーザ出力エネルギーの測定結果のデータを受信する。
図4の回路構成において、固体スイッチSWがonとなり、磁気アシストSR1のVt積に対応した時間経過すると、図5のタイミングチャートに示すように、主コンデンサC0に充電された電荷がコンデンサC1に移行し始める(図5の時点(A’))。
そして、電圧パルスは前記したように、磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されながら移行して、ピーキングコンデンサCpが充電される。このときのコンデンサC1、C2、ピーキングコンデンサCpの電圧波形を図5のV1,V2,Vpに示す。
【0036】
ピーキングコンデンサCpの充電途中で放電が開始され(同図の”放電開始”)、以下、先の述べたように反射エネルギーとして、逆方向に電流が移行する。
すなわち、図5に示すように電圧パルスが磁気パルス圧縮回路を逆行することにより、パルス伸長されながら移行する。そして、上記反射エネルギーはコンデンサC0に逆電圧が発生するようコンデンサC0を充電する。なお、この間、固体スイッチSWはon状態に保持され、主コンデンサC0を逆充電が終了した時点で固体スイッチSWがoffとなる。
主コンデンサC0の逆充電が終了すると、主コンデンサC0に逆充電された電圧は、主コンデンサC0に並列にインダクタンスL1、ダイオードD3とからなる直列回路を介して図4の矢印方向に流れ、主コンデンサC0を順方向に充電する。このときのコンデンサC2、C1、コンデンサC0の電圧波形を図5のV2kb,V1kb,V0kbに示す。
図4の回路構成においては、反射エネルギーにより主コンデンサC0を逆方向に充電し、その後、インダクタンスL1、ダイオードD3とからなる直列回路を介して主コンデンサC0を順方向に充電しているので、固体スイッチSWは、主コンデンサC0の逆充電が終了するまでonでなければならず、固体スイッチSWのoffのタイミングは、図5のタイミングチャートに示すように、主コンデンサC0の逆方向の充電が終了してから、主コンデンサC0が順方向に再充電するまでの期間(期間D)である。なお、その間は磁気アシストSR1が飽和しないので、固体スイッチSWの方向へは流れない。
【0037】
図4の電流通流タイミング検知手段Isは、第1,2の実施例と同様、主コンデンサC0からコンデンサC1への電荷の移行が開始し、主コンデンサC0と固体スイッチSW、磁気アシストSR1からなる閉回路中に電流が流れると、出力を発生する。電流通流タイミング検知手段Isの出力は、コントローラ2に設けられたスイッチon−offタイミング制御部内のタイマ2cに送信される。
タイマ2cは、この信号を受信後、図示しない所定の周波数のクロック信号のカウントを開始し、カウント値が所定値に達すると出力を発生する。
タイマ2cに設定される上記所定値は、磁気スイッチSR2,SR3の飽和時間が磁気アシストSR1のアシスト時間に比べて十分短いため、カウントを開始後、図5のDの期間に出力を発生するように設定される。
タイマ2cがカウントアップすると、スイッチon−offタイミング制御部2bは、固体スイッチSWにoff信号を送信する。
上記のように、本実施例では、電流通流タイミング検知手段Isを設け、電流パルスが立ち上がる時点(A’)を計測しているので、第1,2の実施例と同様、磁気アシスト時間Tを求める必要がなく、そのための高速演算処理を行う演算装置は不要となる。また、単にタイマを用いるだけで、off信号の送信タイミングを求めることができるので、コントローラも小型かつ安価になるという利点を有する。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、以下の効果を得ることができる。
電流通流タイミング検知手段Isを設け、スイッチ手段を流れる電流の通流開始タイミングを計測しているので、磁気アシスト時間Tを求める必要がなく、そのための高速演算処理を行う演算装置は不要となる。特に、タイマを用いるだけで、off信号の送信タイミングを求めることができる。
したがって、コントローラを簡単化することができ、また、高速化に容易に対応することができる。さらに安価に構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の高電圧パルス発生装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例の高電圧パルス発生装置の構成を示す図である。
【図3】図2に示す回生回路の動作を説明するタイムチャートである。
【図4】本発明の第3の実施例の高電圧パルス発生装置の構成を示す図である。
【図5】図4に示す回生回路の動作を説明するタイムチャートである。
【図6】高電圧パルス発生装置の構成例を示す図である。
【図7】図6において、コンデンサC2にかかる電圧、ピーキングコンデンサCpにかかる電圧の波形を示す図である。
【図8】逆電圧により発生した電荷を抵抗にて処理する回路を有するガスレーザ装置の放電回路の構成例を示す図である。
【図9】エネルギー回生用の回生回路構成を有するガスレーザ装置の高電圧発生装置のの構成例(1)を示す図である。
【図10】エネルギー回生用の回生回路構成を有するガスレーザ装置の高電圧発生装置のの構成例(2)を示す図である。
【図11】エネルギー回生用の回生回路構成を有するガスレーザ装置の高電圧発生装置のの構成例(3)を示す図である。
【図12】図11に示す回生回路の動作を説明するタイムチャートである。
【図13】露光用ガスレーザ装置の制御系の構成例を示す図である。
【図14】高電圧パルス発生装置の固体スイッチの制御を行うための制御装置の構成例(1)を示す図である。
【図15】高電圧パルス発生装置の固体スイッチの制御を行うための制御装置の構成例(2)を示す図である。
【符号の説明】
SR1 磁気アシスト
SR2、SR3磁気スイッチ
SR4 磁気スイッチ
SW 固体スイッチ
C0 主コンデンサ
Tr1 昇圧トランス
Tr2 回生トランス
C1,C2 コンデンサ
Cp ピーキングコンデンサ
E 主放電電極
D1〜D4 ダイオード
Vs 電圧検出器
Is 電流通流タイミング検知手段
1 露光用ガスレーザ装置
1a 放電回路
2 コントローラ
2a 充電電圧値演算部
2b スイッチon−offタイミング制御部
2c タイマ
3 モニタモジュール
4 ビームスプリッタ

Claims (2)

  1. 充電器と、この充電器により高電圧に充電される主コンデンサと、
    この主コンデンサと、可飽和リアクトルからなる磁気アシストと、スイッチ手段とが1次側に直列に接続され、2次側に磁気パルス圧縮回路が接続された昇圧トランスを備えた高電圧パルス発生装置であって、
    この高電圧パルス発生装置は、負荷側からの反射エネルギーを上記主コンデンサに回生する回生回路と、
    上記スイッチ手段を制御するコントローラと、
    上記スイッチ手段を流れる電流の通流開始タイミングを検出する電流通流タイミング検知手段を備え、
    上記コントローラは、上記電流通流タイミング検知手段の出力に基づき、上記スイッチ手段をオフにするタイミングを定める
    ことを特徴とする高電圧パルス発生装置。
  2. 上記コントローラはタイマ手段を有し、
    上記電流通流タイミング検知手段からの信号を受信してタイマ手段を駆動し、タイマがカウントアップした際に得たタイミングにより上記スイッチ手段をオフ状態にする
    ことを特徴とする請求項1の高電圧パルス発生装置。
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