JP4093696B2 - 燃料噴射装置の減圧調整弁 - Google Patents

燃料噴射装置の減圧調整弁 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関の燃料噴射装置、特にコモンレール式燃料噴射装置に好適に使用され、減速時等に作動してコモンレール圧力を低下させる機能を有する減圧調整弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関に燃料を噴射するシステムの1つに、コモンレール式の燃料噴射装置があり、排ガス値、騒音等の改善に有効であることが知られている。コモンレール式燃料噴射装置は、特開昭64−73166号公報等に記載されているように、各気筒に共通の高圧燃料の蓄圧室(コモンレール)と、コモンレール内の高圧燃料を所定のタイミングで各気筒に噴射供給するインジェクタと、コモンレールに必要な量の高圧燃料を圧送する燃料供給ポンプを備えている。燃料供給ポンプからの圧送量は、コモンレール内の燃料圧力が、機関の運転状態に基づいて算出される所定の噴射圧力となるようにフィードバック制御される。
【0003】
定常の運転状態では、燃料供給ポンプから、インジェクタからの燃料噴射や燃料リークによる減少分を補う量の高圧燃料をコモンレールに圧送することによって、コモンレール内を噴射圧力に相当する一定の高圧に保持している。一方、機関の減速時には、目標とする噴射圧力が低下するために、燃料供給ポンプからの高圧燃料の圧送量を減らしコモンレール圧力を減少させる制御を行う。ところが、図30に示されるように、減速運転時にはインジェクタからの噴射量も減少するため、燃料噴射や燃料リークによる減少分だけでコモンレール圧力を目標値まで低下させるには相当の時間を要する。その間、必要以上に高い圧力の状態が続くことになり、燃焼騒音が増大する不具合があった。
【0004】
そこで、噴射圧力低下の遅れによる燃焼騒音を防止する目的で、コモンレールに圧力調整用の電磁弁を設けることが行われている。かかる圧力調整弁には、例えば、特許第2657497号に開示されるような電磁弁が用いられ、コモンレール圧力が目標値を所定圧以上上回った時に電磁弁を作動させて、コモンレール内の高圧燃料を排出することにより、コモンレール圧力を速やかに低減することができる。
【0005】
また、従来のコモンレール式燃料噴射装置において、コモンレール圧力の異常な上昇を防止するために、コモンレールに安全弁を設けることが行われている。例えば、燃料供給ポンプからの圧送量が最大の状態で、システムに何らかの異常が発生した場合、高圧燃料の供給過多となってコモンレール圧力が異常に上昇し配管等が破損するおそれがあるが、コモンレール圧力が規定の圧力以上で自動的に開弁するような安全弁を設けることで、これを回避することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のコモンレール式燃料噴射装置では、コモンレールの圧力調整用の電磁弁と安全弁とを別々に設置しており、部品点数の増大、コスト高をまねく原因となっている。また、各々の設置スペースを確保する必要から、装置の小型化の障害となっていた。そこで、本発明は、定常運転時のコモンレールの圧力を制御するための減圧機能と安全確保のための減圧機能の両方の機能を両立させることにより、部品数を削減してコスト低減を図り、また、構成をコンパクトにして装置の小型化が可能な減圧調整弁を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の減圧調整弁は、高圧燃料が蓄圧される蓄圧室と、該蓄圧室内の高圧燃料を内燃機関の気筒に噴射するインジェクタと、燃料を加圧して上記蓄圧室に圧送する燃料供給ポンプを備える燃料噴射装置において、上記蓄圧室内の高圧燃料を低圧部に排出するために設けられる。減圧調整弁は、上記蓄圧室に連通する高圧流路を開閉する第1の弁体と、上記内燃機関の運転状態に応じて上記第1の弁体の開閉を制御する電磁駆動部を備え、上記第1の弁体を開弁駆動することにより、上記蓄圧室内の高圧燃料を上記低圧部に排出し、上記蓄圧室内の圧力を低減して所定の圧力とする第1の減圧手段と、上記高圧流路を開閉する第2の弁体と、上記第2の弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材を備え、上記蓄圧室内が規定の圧力以上となった時に、燃料の圧力によって上記第2の弁体を開弁することにより、上記蓄圧室内の高圧燃料を上記低圧部に排出し、上記蓄圧室内の圧力が規定の圧力を越えないようにする第2の減圧手段とを備えている。
【0008】
定常運転時、例えば機関の減速時に上記蓄圧室内の圧力が目標圧力を上回った場合には、上記第1の減圧手段を作動させて、上記電磁駆動部により上記第1の弁体を開弁駆動することで、上記蓄圧室内の高圧燃料を上記低圧部に排出する。よって、上記蓄圧室内の圧力を速やかに所定の圧力まで減ずることができるので、噴射圧力低減の遅れによる燃焼騒音の増大を防止することができる。また、システムに何らかの異常が発生して上記蓄圧室内の圧力が規定の最大圧力以上となった場合には、上記第2の減圧手段を作動させて、燃料の圧力により上記第2の弁体を開弁することで、上記蓄圧室内の高圧燃料を上記低圧部に排出する。このように、上記構成の減圧調整弁は、運転状態に応じて上記蓄圧室内の圧力を低減する機能と、安全確保のために上記蓄圧室の最大圧力を制限する機能の両方を備えている。よって、減圧弁と安全弁を別々に設ける従来装置に比べて、装置構成がコンパクトにでき、また、部品点数の削減によりコストの低減を図ることができる。
【0011】
この減圧調整弁は、ハウジングに設けた摺動穴内に弁部材を摺動自在に配設して、該摺動穴と同軸的に上記高圧流路を形成し、上記弁部材の先端部を、上記付勢部材の付勢力により上記高圧流路の端部に設けた第2のシート面に着座してこれを閉鎖する上記第2の弁体となすとともに、上記弁部材の外周に上記高圧流路と上記低圧部とを連通する低圧流路を形成して、上記第2の減圧手段とする。一方、上記弁部材内に、上記高圧流路と同軸的に形成されて該高圧流路と常時連通する流路を形成し、該流路の端部に設けた第1のシート面に着座してこれを閉鎖する上記第1の弁体を配設するとともに、上記流路と上記低圧流路を連通する連通路を形成して、上記第1の減圧手段とする。
【0012】
上記構成において、上記第1の減圧手段を作動させる場合には、上記電磁駆動部によって上記第1の弁体を開弁駆動することにより、上記蓄圧室内の高圧燃料を上記流路および上記連通路を経て上記低圧流路から排出する。上記蓄圧室の圧力が規定の圧力以上となると、上記第2の減圧手段が作動し、上記流路内の燃料の圧力により上記第2の弁体が上記付勢部材の付勢力に抗して開弁し、上記蓄圧室内の高圧燃料を上記低圧流路を介して排出する。このように、上記第1の弁体と上記第2の弁体を独立に設けることで、上記第1の弁体を駆動する上記電磁駆動部の体格を小さくすることができ、減圧調整弁をより小型にできる。
【0013】
請求項の減圧調整弁は、着座時に上記第1のシート面に当接する上記第1の弁体のシート部の径を、上記第2のシート面に当接する上記第2の弁体のシート部の径よりも小さく設定する。
【0014】
上記第2の弁体は、上記燃料供給ポンプの吐出量が最大である場合にも十分な量の高圧燃料が排出できるような通路面積を確保する必要があることから、上記第2の弁体のシート部の径を比較的大きく設定する必要がある。これに対し、上記第1の減圧手段の作動時に排出される高圧燃料の量は少ないので、上記第1の弁体では上記シート部の径を小さく設定することで、上記シート部にかかる油圧力に抗するための付勢力を小さくし、その結果、上記第1の弁体を駆動する上記電磁駆動部を小型にすることができる。
【0015】
請求項の減圧調整弁は、上記電磁駆動部による電磁力の方向を上記第1の弁体の開弁方向と同じ方向とし、上記第1の弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材を設けて、その付勢力を、上記蓄圧室内の燃料の圧力が上記規定の圧力以下である時に上記第1の弁体が開弁しないような大きさに設定する。
【0016】
上記構成において、上記第1の弁体は上記電磁駆動部に通電しない通常状態で閉弁しており、上記電磁駆動部に通電して上記第1の弁体に電磁力を作用させると上記付勢部材の付勢力に抗して開弁する。この時、上記第2の弁体の開弁圧力(上記規定の圧力)となるまで上記第1の弁体が開弁しないように、上記付勢力を設定するのがよく、燃料の圧力で上記第1の弁体が自動的に開弁することがない。
【0017】
請求項の減圧調整弁は、上記電磁駆動部による電磁力の方向を上記第1の弁体の閉弁方向と同じ方向とし、上記第1の弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材を設けて、その付勢力を、上記蓄圧室内の燃料の圧力が所定の最低圧力以上である時に上記第1の弁体が開弁するような大きさに設定する。
【0018】
上記構成において、上記第1の弁体は上記電磁駆動部に常時通電して閉弁するようにしており、上記電磁駆動部への通電を減少させると、閉弁方向への付勢力が小さくなるために、上記第1の弁体は電磁力の減少分と釣り合う位置までリフトし、開弁する。この時、上記付勢部材の付勢力を小さく設定し、上記蓄圧室内が予め設定される所定の最低圧力であっても開弁するようにすることで、第1の減圧手段を確実に作動させることができる。
【0019】
請求項の減圧調整弁は、請求項6の構成において、上記電磁駆動部による上記第1の弁体の駆動を制御する制御部を有し、該制御部は、上記第1の減圧手段を作動させる際の上記第1の弁体のリフト量が、上記第2の減圧手段を作動させる際の上記第2の弁体のリフト量よりも小さくなるように、開弁時に上記第1の弁体に作用する電磁力の大きさを制御する。
【0020】
上記制御部により、上記電磁駆動部の電磁力が開弁時にも作用するように制御することで、開弁時の上記第1の弁体のリフト量を、機械的に決まるリフト量よりも小さくすることができる。これにより、減圧作動から復帰する際の磁気回路の空隙部を小さくできるので、上記電磁駆動部をさらに小型にすることができる。
【0022】
請求項の減圧調整弁は、上記低圧流路の途中に絞りを設ける。上記第2の減圧手段の上記第2の弁体は、開弁時に全開とならないため、上記燃料供給ポンプの吐出量が多いと、上記蓄圧室の圧力が低下せず、逆に上昇するおそれがある。そこで、上記絞りを設けて、その上流側の圧力を高め、この燃料の圧力を利用して上記第2の弁体をフルリフトさせることが可能である。これにより、上記蓄圧室の圧力が異常に上昇するのを防止して、安全弁としての機能を向上させることができる。
【0023】
請求項の減圧調整弁は、上記弁部材とその外周の摺動穴の間に上記高圧流路と上記低圧流路を連通させる絞りを形成する。上記高圧流路から排出される高圧燃料は、上記弁部材の外周を経て上記低圧流路に流出するので、上記摺動穴との間隔を適当に設定することで、ここに絞りを設けることができる。このようにしても、その上流側の圧力を高めて、上記第2の弁体のリフト量を大きくし、上記蓄圧室の異常な圧力上昇を防止して、安全弁としての機能を向上させることができる。
【0024】
請求項の減圧調整弁は、上記弁部材の外周部に、上記シート面に対向し上記弁部材のリフト方向と略垂直な面を有する肩部を設ける。この肩部により、上記高圧流路から排出される高圧燃料が衝突し、抗力を大きくすることができるため、上記第2の弁体がリフトしやすくなり、リフト量を大きくできる。このようにしても、上記蓄圧室の圧力が異常に上昇するのを防止でき、安全弁としての機能が向上する。
【0025】
請求項の減圧調整弁は、上記請求項における上記絞りを有する構成において、上記弁部材および上記摺動穴を、上記弁部材のリフトとともに上記絞り効果が緩和される形状に形成する。このようにすると、上記弁部材をリフトさせるのに伴い、絞り効果が小さくなって、高圧燃料を速やかに上記低圧流路に流出させることができる。
【0026】
請求項10の減圧調整弁は、上記シート面の下流に、上記高圧流路から上記肩部へ向かう燃料の流れが上記弁部材のリフト方向と同じ方向になるように案内するガイド部を設けている。このガイド部によって、上記高圧流路から排出される燃料の流れをほぼ垂直に上記肩部へ衝突させることができるので、排出燃料の流れによる抗力をより効果的に利用して、リフト量をより大きくすることができる。
【0027】
請求項11の減圧調整弁は、上記ハウジングを、上記摺動穴を有する本体部と、上記シート面または上記ガイド部の構成部材に分割させて設ける。これにより、上記摺動穴、上記シート面または上記ガイド部が加工しやすくなり、製作が容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。図3は、本発明の減圧調整弁1を備えるディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射装置の全体構成を示す図で、エンジン201の各気筒に共通に設けた蓄圧室としてのコモンレール103を備えている。コモンレール103には、エンジンの各気筒毎に設けられる複数のインジェクタ105が接続され、コモンレール103内に蓄圧される高圧燃料を、各インジェクタ105から対応する気筒に噴射する。インジェクタ105の駆動は、制御部である電子制御ユニット(ECU)104からの信号によって制御される。
【0029】
コモンレール103内には、ECU104からの信号によって燃料供給ポンプ101から圧送される高圧燃料が、燃料の噴射圧力に相当する所定圧で蓄圧される。燃料供給ポンプ101としては、公知の構造の可変吐出量高圧ポンプが用いられ、低圧部としての燃料タンク202からフィードポンプ203を経て吸入される低圧燃料を高圧に加圧する。ECU104は、コモンレール103に設けた圧力センサ106からの信号を基に、噴射圧力が予め負荷や回転数に応じて定めた所定値となるように、燃料供給ポンプ101に設けた圧送量制御弁102を駆動して、圧送量を制御する。
【0030】
コモンレール103は低圧流路204を介して燃料タンク202に接続されており、該低圧流路204とコモンレール103の間に、本発明の減圧調整弁1が設けてある。減圧調整弁1は、ディーゼルエンジンの運転状態に応じて電磁駆動部により開閉駆動される第1の弁体を備え、開弁時にコモンレール103内の高圧燃料を低圧流路204を介して燃料タンク202に戻すことにより、コモンレール103の圧力を目標値まで低減する第1の減圧手段と、定常時には付勢部材によって第2の弁体を閉弁方向に付勢し、コモンレール103内が規定の圧力以上となった時に開弁させて、コモンレール103内の高圧燃料を燃料タンク202に戻すことにより、コモンレール103の圧力が規定の圧力を越えないようにする第2の減圧手段とを備えている。以下、これについて詳述する。
【0031】
定常の運転状態では、燃料供給ポンプ101の圧送量とインジェクタ105からの噴射量、さらに燃料供給ポンプ101やインジェクタ105からのリーク量によってコモンレール103の圧力が決定される。従って、コモンレール圧力の制御は、これを一定圧に保持する場合あるいは増加させる場合には、燃料供給ポンプ101からの圧送量を制御することによって行われ、燃料噴射やリークによる減少分、またはこれに噴射圧力の増加分を加えた量の高圧燃料をコモンレール103に圧送すればよい。
【0032】
一方、コモンレール圧力を低減しようとする場合には、燃料噴射量またはリーク量を増加させる必要がある。ところが、コモンレール圧力を減ずるのは、通常、機関の減速時であり、その場合には、インジェクタ105からの燃料噴射量はゼロとなるか減少するために、図30に示されるように、コモンレール103の減圧応答性は非常に遅い。また、燃料供給ポンプ101に何らかの異常が発生し、圧送量過多となってコモンレール103内の圧力が高くなりすぎた場合にも、配管等の破損を防止するために、コモンレール圧力を速やかに低減させる必要がある。
【0033】
そこで、本発明では、定常運転時の減圧機能と安全確保のための減圧機能を兼ね備える減圧調整弁1を設けており、減速時等、コモンレール103の圧力が目標圧力よりも高くなった時には、第1の減圧手段によって、何らかの異常によりコモンレール103内の圧力が規定の圧力以上となった時には、第2の減圧手段によって、コモンレール103内の高圧燃料を排出することにより、コモンレール103内の圧力を速やかに低下させることができる。
【0034】
その具体的な構成の一例を、図1、2に第1の実施の形態として示す。図1において、減圧調整弁1は、略容器状のソレノイドハウジング2内に電磁駆動部を構成する筒状コイル21を収容し、ソレノイドハウジング2の下端部に弁部材4を保持するバルブハウジング3を固定してなる。ソレノイドハウジング2の上端開口部にはT字形の蓋体22がかしめ固定してあり、その下面中央より下方に突出する柱状部23が、コイル21の筒内に延びて磁気回路の一部を構成している。ソレノイドハウジング2の底部中央には、コイル21の筒内空間24に連続する貫通穴24が形成されており、該貫通穴24内に電磁駆動部を構成するアーマチャ5が配設されている。
【0035】
ソレノイドハウジング2の下面には、バルブハウジング3を保持する筒状部25が突出形成してあり、該筒状部25内にリング状のプレート32を介してバルブハウジング3の上端部が嵌装固定されている。筒状部25の外周には組み付け用の雄ねじ部が形成してある。バルブハウジング3内には、上下方向に摺動穴31が形成されて、該摺動穴31内に上記弁部材4が摺動可能に配設されている。弁部材4の先端部(下端部)が位置する摺動穴31の下端部は、やや大径に形成されて低圧室33となり、バルブハウジング3の左右側壁に形成した低圧流路34を介して、上記図3に示した低圧流路204に連通している。低圧室33の底面にはバルブハウジング3の底壁を貫通して、上記図3に示したコモンレール103に連通する高圧流路35が開口している。高圧流路35は上記摺動穴31と同軸的に形成され、低圧室33への開口端部には、下方に向けて縮径するテーパ状のシート面36が形成されている。一方、上記弁部材4の先端部は、上記シート面36に対応するテーパ状の弁体41となしてあり、上記弁部材4が下方に移動すると、弁体41が上記シート面36に着座して高圧流路35を閉鎖するようになしてある。なお、本実施の形態では、弁体41が第1および第2の減圧手段における第1および第2の弁体を兼ねている。また、低圧室33と低圧流路34とが、高圧流路35を低圧部としての燃料タンク202に連通する低圧流路となる。
【0036】
上記弁部材4の上端面にはロッド42が一体に形成されており、ロッド42はプレート31を貫通してソレノイドハウジング2の貫通穴24内へ延びている。ロッド42の上端部外周には上記アーマチャ5が嵌合固定され、アーマチャ5に対向する上記柱状部23の下半部にはスプリング室26が設けられて付勢部材であるスプリング6を保持している。電磁駆動部のコイル21に非通電の図示の状態では、このスプリング6によって、アーマチャ5とこれと一体のロッド42および弁部材4が下方(閉弁方向)に付勢され、弁体41が高圧流路35を閉鎖している。ここでアーマチャ5と一体となっているロッド42と弁部材4は別体とすることもできる。その場合、ロッド42はスプリング6の付勢力で、弁部材4は油圧力で相方とも他方側に押し付けられるため、離れることはない。但しその場合、アーマーチャ5は貫通穴24内に摺動自在に配設する必要がある。
【0037】
第1の減圧手段を作動させる場合には、電磁駆動部のコイル21に通電して、図2のようにアーマチャ5を上方に吸引する。すると、これと一体のロッド42および弁部材4が上方へ移動し、弁体41がシート面36から離れて、コモンレール103内の高圧燃料が、高圧流路35より、低圧室33および低圧流路34を経て、燃料タンク202に連通する低圧流路204に排出される。かくして、コモンレール圧力を速やかに所定の圧力まで低減することができる。
【0038】
ここで、スプリング6は、第2の減圧手段を構成するもので、その付勢力FSPは、弁体41のシート径(着座時にシート面36に当接するシート部の径)をD、コモンレール103の最高圧力(第2の減圧手段の作動圧力)をPlim とすると、下記式(1)を満足するように設定される。
SP=Plim ×πD2 /4・・・(1)
この時、コモンレール圧力がPlim となるまでは弁体41が燃料の圧力によって自動的に開弁することはない。コモンレール圧力がPlim になると、第2の減圧手段が作動して、弁体41が自動的に開弁し、コモンレール103内の高圧燃料を、高圧流路35、低圧室33、低圧流路34を経て、燃料タンク202に連通する低圧流路204に排出する。かくして、コモンレール圧力を速やかに規定の圧力以下に低減し、配管の破損等を防止して安全性を確保できる。
【0039】
電磁駆動部の吸引力FSOL は、通常、コモンレール103の圧力によらず弁部材4を電磁駆動できるように(第1の減圧手段の作動が可能なように)、下記式(2)を満たすように決められる。
SOL >FSP・・・(2)
また、コモンレール103の圧力がある所定の圧力PMIN 以下では作動しないよう、下記式(3)のように設定することも可能である。
SOL >FSP−PMIN ×πD2 /4・・・(3)
【0040】
また、低圧室33、低圧流路34の流路面積と、弁部材4がフルリフトした際(図2の状態)の弁体41の通路面積は、安全弁としての機能を持たせるために、燃料供給ポンプ101が全量圧送状態で何らかの異常によりスティックしても、第2の減圧手段が作動することによって、コモンレール圧力の異常な上昇を防止できるだけの面積を確保する必要がある。
【0041】
次に、本発明の減圧調整弁1の作動について、図4〜11を用いて説明する。まず、減圧調整弁1の第1の減圧手段としての作動(以下、簡略のために電磁弁という)を制御する方法には、大別して3つの方法があり、それぞれ以下に示すようになる。
▲1▼減圧前の圧力と減圧幅に応じて電磁弁駆動時間を制御する方法、
▲2▼コモンレール103の圧力をモニタし、目標圧力と比較して1回の電磁弁駆動時間を決定する(1回の減圧に対して数回に分けて電磁弁を駆動する)方法、
▲3▼コモンレール103の圧力をモニタし、目標圧力と比較して電磁弁へ流す電流値を決定し、電磁弁のリフト量を調整して圧力を制御する方法。
【0042】
図4(a)は、▲1▼の方法の電磁弁制御ルーチンを示すフローチャートであり、各気筒の噴射圧力、噴射量の算出をする際の割り込みルーチンとしてECU104により起動される。なお、噴射圧力(=コモンレール103の圧力)の目標値PCTRGはエンジン回転数とアクセル開度から図示しないルーチンにて算出される。コモンレール103の圧力の現在値はPCとする。図4(a)のルーチンがスタートすると、ECU104はまずステップ300で、コモンレール103の圧力の現在値PCと目標値PCTRGを読み込み、続くステップ301で両者の差ΔPを算出して、減圧作動が必要(PC>目標値PCTRG)で、かつその差ΔPが所定の値PSより大きいか否かを判別する。ΔPがPSと同じかこれより小さい場合にはステップ301を否定判別し、本ルーチンを終了する。この場合には、電磁弁は駆動されず、コモンレール圧力は燃料供給ポンプ101の圧送量調量等で制御される。
【0043】
一方、ステップ301でΔPがPSより大きい場合には本ステップを肯定判別して、電磁弁を作動させるべくステップ302に進み、電磁弁駆動時間TONを算出する。次にECU104はステップ303でインジェクタ105からの燃料噴射と燃料供給ポンプ101の圧送を中断する。そしてステップ304にてTONの時間だけコイル21に通電して電磁弁を駆動し、弁体41を開弁して、コモンレール103内の高圧燃料を高圧流路35、低圧室33、低圧流路34を介して排出する。その後、インジェクタ105の燃料噴射と燃料供給ポンプ101の圧送を再開し、本ルーチンを終了する。このようにして、第1の減圧手段によるコモンレール圧力の低減がなされる。
【0044】
ここで、電磁弁駆動時間TONの算出手段について、図4(b)のマップを用いて説明する。このマップは電磁弁駆動前の圧力PCと圧力の目標値PCTRGをパラメータとする2次元マップである。例えば圧力PCの各エリア毎(PC1〜PC8)並びに目標値PCTRGの各エリア毎(PCTRG1〜PCTRG6)に電磁弁駆動時間TONが記憶されている。これら各パラメータPC、PCTRGは小さいものから順に、例えばPC1〜PC8、PCTRG1〜PCTRG6が設定されている。従って、このマップを検索すれば機関の運転状態に対応した電磁弁駆動時間TONを得ることができる。なお、図4(c)に示すように、減圧前の圧力PCが高いほど、あるいは目標値PCTRGが小さくなるほど、電磁弁駆動時間TONが長くなるような特性が設定されていることがわかる。
【0045】
図5は図4に示した▲1▼の制御方法に基づいて減圧した場合のコモンレール圧力の挙動の一例を示すものである。図21と比較して明らかなように、コモンレール103に本発明の減圧調整弁1を設置し、第1の減圧手段を作動させてコモンレール103の高圧燃料を排出することで、速やかにコモンレール圧力が低減できることが分かる。よって、噴射圧力低減のおくれによる燃焼騒音の増大を防止することができる。
【0046】
図6は図5とほぼ同じ制御を行った場合であるが、図5の場合には、図4のステップ303、305の間インジェクタ105からの噴射を中断しているのに対し、図6では電磁弁の駆動中もインジェクタ105の噴射を行っている。図5の制御では、ほぼ所定の圧力となるまで噴射は再開されないため、燃焼騒音の増大は起こらない。ただし、噴射がカットされる時間では機関はトルクを発生しない(なお、この時間は非常に短いためドライバビリティには影響はない。)。図6の制御ではトルク切れはないが、減速運転開始から数回の噴射は、所定の圧力よりも高いコモンレール圧で燃料を噴射することになるため、多少燃焼騒音が大きなものとなる。ただし、従来の減圧制御を行わない場合に比べるとはるかに騒音抑制効果が高いことはもちろんである。
【0047】
図7(a)は、▲2▼の方法の電磁弁制御ルーチンを示すフローチャートであり、各気筒の噴射圧力、噴射量の算出をする際の割り込みルーチンとして起動される点その他は▲1▼の方法と同様である。図7(a)のルーチンがスタートすると、ECU104はまずステップ400で、コモンレール103の圧力の現在値PCと目標値PCTRGを読み込み、続くステップ401で両者の差ΔPを算出して、減圧作動が必要(PC>目標値PCTRG)で、かつその差ΔPが所定の値PSより大きい否かを判別する。ΔPがPSと同じかこれより小さい場合にはステップ401を否定判別し、本ルーチンを終了する。この場合には、電磁弁は駆動されず、コモンレール圧力は燃料供給ポンプ101の圧送量調量等で制御される。
【0048】
一方、ステップ301でΔPがPSより大きい場合には本ステップを肯定判別して、電磁弁を作動させるべくステップ402に進み、減圧速度dP(所定の時間の減圧量)を算出する。次に、ステップ403でΔP/dP(目標圧力PCTRGまで減圧するのに要する時間)を計算して、これがTmax より大きいか否かを判別する。ここでTmax は、最大通電時間で、燃料供給ポンプ101の圧送、インジェクタ105の噴射が繰り返されるサイクルの1サイクル中で、圧送も噴射も行われない時間であり、エンジン回転数と噴射期間、圧送量制御弁102の駆動時間によって決定される。ステップ403でΔP/dP≦Tmax と判別されると(ステップ403を否定判別すると)、ステップ404に進み、ΔP/dPの時間だけ、燃料供給ポンプ101の圧送、インジェクタ105の噴射がなされないタイミングで電磁弁を駆動し、コモンレール103内の高圧燃料を排出して、コモンレール圧力を減ずる。ステップ403でΔP/dP>Tmax と判別されると(ステップ403を肯定判別すると)、ステップ405に進み、Tmax の時間だけ、燃料供給ポンプ101の圧送、インジェクタ105の噴射がなされないタイミングで電磁弁を駆動する。その後、ステップ400へ戻り、以降の制御を繰り返す。
【0049】
ここで、減圧速度dPの算出手段について、図7(b)のマップを用いて説明する。このマップは電磁弁駆動前の圧力PCをパラメータとする1次元マップである。例えば圧力PCの各エリア毎(PC1〜PC6)に各圧力における減圧速度dPが記憶されている。これら各パラメータPCは小さいものから順に、例えばPC1〜PC6が設定されている。従って、このマップを検索すれば機関の運転状態に対応した減圧速度dPを得ることができる。なお、図7(c)に示すように、減圧前の圧力PCが高いほど減圧速度dPが大きくなるような特性が設定されていることがわかる。
【0050】
図8は図7に示した▲2▼の制御方法に基づいて減圧した場合のコモンレール圧力の挙動の一例を示すものである。本制御方法においても、減圧調整弁1の第1の減圧手段の作動により、図21と比較して、より速やかにコモンレール圧力が低減していることが分かる。そして、その結果、減速時の機関騒音の増大を防止することができる。
【0051】
図9(a)は、▲3▼の方法の電磁弁制御ルーチンを示すフローチャートであり、各気筒の噴射圧力、噴射量の算出をする際の割り込みルーチンとして起動される点その他は▲1▼▲2▼の方法と同様である。図8(a)のルーチンがスタートすると、ECU104はまずステップ500で、コモンレール103の圧力の現在値PCと目標値PCTRGを読み込み、続くステップ501で両者の差ΔPを算出して、減圧作動が必要(PC>目標値PCTRG)で、かつその差ΔPが所定の値PSより大きい否かを判別する。ΔPがPSと同じかこれより小さい場合にはステップ501を否定判別し、本ルーチンを終了する。この場合には、電磁弁は駆動されず、コモンレール圧力は燃料供給ポンプ101の圧送量調量等で制御される。
【0052】
一方、ステップ501でΔPがPSより大きい場合には本ステップを肯定判別して、電磁弁を作動させるべくステップ502に進み、電磁弁駆動電流DRONを算出する。そして、ステップ503で電磁弁を電流DRONにて駆動し、コモンレール103内の高圧燃料を排出して、コモンレール圧力を減ずる。その後、ステップ500へ戻り、以降の制御を繰り返す。
【0053】
ここで、電磁弁駆動電流DRONの算出手段について、図9(b)のマップを用いて説明する。このマップは電磁弁駆動前の圧力PCと目標圧力PCTRGをパラメータとする2次元マップである。例えば圧力PCの各エリア毎(PC1〜PC8)並びに目標圧力PCTRGの各エリア毎(PCTRG1〜PCTRG6)に電磁弁駆動電流DRONが記憶されている。これら各パラメータPC、PCTRGは小さいものから順に、例えばPC1〜PC8、PCTRG1〜PCTRG6が設定されている。従って、このマップを検索すれば機関の運転状態に対応した電磁弁駆動電流DRONを得ることができる。なお、図9(c)に示すように、減圧前の圧力PCが高いほど、あるいは目標圧力PCTRGが小さくなるほど、電磁弁駆動電流DRONが大きくなるような特性が設定されていることがわかる。
【0054】
図10は図9に示した▲3▼の制御方法に基づいて減圧した場合のコモンレール圧力の挙動の一例を示すものである。本制御方法においても、減圧調整弁1の第1の減圧手段の作動により、図21と比較して、より速やかにコモンレール圧力が低減できることが分かる。駆動電流は電磁弁を一定周波数(例えば200Hz)で駆動し、そのオン−デュ−ティ比を制御し、平均電流を制御する方法でも調整することができる。その場合、前記のマップの電磁弁駆動電流DRONはオン−デュ−ティ比の値で示される。
【0055】
さらに、減圧調整弁1が第2の減圧手段として作動する場合(安全弁機能)の圧力挙動について、図11により説明する。図11は燃料供給ポンプ101が何らかの原因で異常をきたし圧送量が本来の制御値より多くなった場合を示している。圧送量過多となるとコモンレール103の圧力は上昇していき、何の対策も採られない場合には、インジェクタ105または燃料供給ポンプ101等の耐圧限界に達して破損に至るおそれがある。これに対し、本実施の形態の減圧調整弁1では、弁体41の作動圧力がPlim である時に、弁部材4を付勢するスプリング6の付勢力FSPを下記式(4)
SP=Plim ×πD2 /4・・・(4)
となるように設定しておけば、燃料供給ポンプ101の異常時にコモンレール103の圧力が上昇していっても、圧力Plim で弁体41が開弁してコモンレール103の高圧燃料が排出される。よって、コモンレール103の圧力は図11のように減圧され、各部材の破損を防止することができる。コモンレール103の圧力が低下すると、弁体41はスプリング6の付勢力FSPによって閉弁し、作動前の状態に戻る。
【0056】
次に、図12〜14を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態の減圧調整弁1の基本構成は上記第1の実施の形態と同様であるが、上記弁部材4に、第1の減圧手段を構成する第1の弁体4aと、第2の減圧手段を構成する第2の弁体4bとを別々に設けている点で異なっている。図12において、上記弁部材4は、内部を中空として摺動穴43を形成し、該摺動穴43内に上記第1の弁体4aを摺動自在に配設している。摺動穴43は、コモンレール103と連通する上記高圧流路35と同軸的に形成され、弁部材4の先端部中央を上下に貫通する流路44にて高圧流路35と常時連通している。弁部材4aのテーパ状とした先端部(下端部)周りの空間45は、弁部材4の左右側部に形成した連通路46を介して、上記低圧室33に連通している。
【0057】
第1の弁体4aは、スプリング室26内に配置されるスプリング6aによって(弁体4aとロッド42を別体とした場合にはロッド42とともに)下方に付勢され、コイル21に通電しない通常状態(図示の状態)において、流路44の開口端部に設けたテーパ状の第1のシート面36aに着座し、流路44を閉鎖している。電磁駆動部を構成するコイル21に通電すると、ロッド42と一体のアーマチャ5が吸引されて上方に移動し、これに伴って第1の弁体4aが開弁する。
【0058】
弁部材4の先端部は、上記第1の実施の形態と同様、第2の減圧手段を構成する第2の弁体4bとして機能する。弁部材4の上端部外周には、プレート32との間にスプリング6bが配設されて弁部材4を下方に付勢しており、テーパ状の弁体4bが、高圧流路35の開口端部に設けたテーパ状の第2のシート面36bに着座して高圧流路35を閉鎖するようになしてある。この時、スプリング6bの付勢力FSP2 は、弁体4bの作動圧力をPlim 、弁体4bが着座した時のシート径をD2 、スプリング6aの付勢力をFSP1 とすると、下記式(5)で表される。
SP2 =Plim ×(πD2 2 /4)−FSP1 ・・・(5)
弁体4bのシート径D2 とリフト量は、高圧流路35の燃料の圧力が弁体4bの作動圧力Plim である時の、弁体4bからの排出量Lvが、燃料供給ポンプ101が最高回転数・最大圧送量時のポンプ吐出量Lpとの関係が、Lv≧Lpとなるように決められる。
【0059】
第1の弁体4aは、高圧流路35の燃料の圧力が第2の弁体4bの作動圧力Plim となっても開弁しないように、シート径D1 、スプリング6aの付勢力FSP1 が決められる。これにより、第2の減圧手段が作動するより低い圧力で自動的に開弁することはない。また、第1の弁体4aのシート径D1 は、減圧作動時に必要な通路面積が確保できるように設定され、第1の減圧手段の作動時の排出量は第2の減圧手段の作動時より少ないため、通常、図のようにD1 <D2 となる。
【0060】
本実施の形態の作動について以下に説明する。第1の減圧手段により、減速時にコモンレール103の圧力を低減する場合には、コイル21に通電して電磁力を発生させ、ロッド42周りに設けたアーマチャ5を柱状部23側に吸引する。すると、図13に示すように、これと一体の第1の弁体4aが上方に移動し、高圧流路35に連通する流路44が開放され、コモンレール103内の高圧燃料が、高圧流路35、流路44、空間45、連通路46、低圧室33、低圧流路34を経て、燃料タンク202に連通する低圧流路204に排出される。この時、第2の弁体4bは、第1の弁体4aと独立に設けられているので、作動することはない。この第1の減圧手段としての減圧調整弁1の制御は、上記第1の実施の形態で示した▲1▼〜▲3▼と同様の方法で行われる。
【0061】
次に、第2の減圧手段について、高圧流路35の圧力が何らかの異常により、第2の弁体4bの開弁圧Plim 以上に上昇した場合には、図14に示すように、燃料の圧力によって第2の弁体4bが上方に移動し、開弁して高圧流路35が開放される。これにより、コモンレール103内の高圧燃料が、高圧流路35、低圧室33、低圧流路34を経て、燃料タンク202に連通する低圧流路204に排出される。この時、第1の弁体4aは、第2の弁体4bとともに上方へ移動する。
【0062】
本実施の形態によれば、第1の減圧手段を構成する第1の弁体4aと第2の減圧手段を構成する第2の弁体4bとを別々に設けたので、それぞれの機能に必要なだけの通路面積を確保すればよく、安全弁として十分な通路面積を確保する必要がある第2の弁体4bのシート径D2 に対し、燃料供給ポンプ101の圧送停止(または圧送量減)時のコモンレール103の圧力低減のために使用される第1の弁体4aのシート径D1 を小さく設定することが可能である。その結果、第1の弁体4aにかかる油圧力を小さくすることができ、第1の弁体4aを閉鎖方向に付勢するスプリング6aの付勢力FSP1 を小さくできる。従って、第1の弁体4aを駆動する電磁駆動部の体格を、上記第1の実施の形態の構成に比べて小さくすることが可能である。さらに、第1の弁体4aおよびこれにより開閉される流路44を弁体4の中に組み込むことで、装置全体の構成をコンパクトにすることができる。よって、より小さな体格で、定常運転時の減圧機能と安全確保のための減圧機能の両方を兼ね備えた減圧調整弁1を実現することができる。
【0063】
図15〜17に本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態では、図15に示すように、弁部材4を上下に貫通する流路47を形成してその上端部を小径の流路47aとし、流路47aの上端に設けた第1のシート面36cを、第1の弁体としてのボール弁4cで開閉するようになしてある。流路47、47aは上記高圧流路35と同軸的に形成されて、これと常時連通している。ボール弁4cの上方のソレノイドハウジング2内には、ハウジング2底面中央より上方に延出する筒状部27内にニードル7が摺動自在に配設されている。ニードル7の図中上部にはニードル7と一体にロッド42が設けられてアーマチャ5もロッド42と一体となっている。鍋蓋状とした蓋体22aの中央に設けた中空部内には、スプリング6cが配設されてロッド42およびニードル7を下方に付勢している。
【0064】
なお、ロッド42とニードル7は別体とすることもできる。その場合、ロッド42とアーマチャ5は一体にスプリング6cにより、ニードル7は油圧力により相方とも他方側に押し付けられるため離れることはない。ただしその場合、アーマチャ5は蓋体22aの中央の中空部に摺動自在に配設する必要がある。
【0065】
本実施の形態では、電磁駆動部を構成するコイル21に常時通電して、アーマチャ5に下向きの電磁力を作用させている。この2つの付勢力の合計は、ボール弁4cにかかる流路47内の燃料の圧力より大きいため、ボール弁4cは第1のシート面36cに押圧されて着座し、高圧の燃料をシールしている(図15に示す通常状態)。なお、第1の弁体をボール弁4cとしているのは、弁体の摺動部と着座部が別の部材であることによる芯ずれを解消するためである。
【0066】
流路47は、弁部材4上方のバルブハウジング3内空間37、弁部材4の外周面に上下方向に設けた連通路たる連通溝48を介して、上記低圧室33に連通している。第1の減圧手段を作動させる場合には、図15の状態から電磁駆動部のコイル21bへ通電量を減らす。すると、アーマチャ5に作用する電磁力が小さくなるため、図16に示すように、ボール弁4cは電磁力と油圧力とスプリング6cの付勢力とが釣り合う位置までリフトし、流路47aを開放する。これにより、コモンレール103内の高圧燃料が、高圧流路35、流路47、47a、空間37、連通溝48、低圧室33、低圧流路34を経て、燃料タンク202に連通する低圧流路204に排出される。
【0067】
この時、第1の減圧手段による減圧作動に必要な排出量が、異常時の第2の弁体4bの排出量より大幅に少なくなるために、ボール弁4cのリフト量L1 を小さくすることができ、減圧作動から復帰する時の磁気回路の空隙部Sを、第2の弁体4bのリフト量L2 よりも小さくできる。よって、第2の実施の形態よりも、さらに小さい体格で、2つの減圧機能を合わせ有する減圧調整弁を実現できる。
【0068】
本実施の形態における第2の減圧手段の構成は、上記第2の実施の形態と同様である。図17は、燃料噴射ポンプに異常が発生し、圧送過多となった場合の、第2の減圧手段の作動を示したものである。本実施の形態の構成において、流路35の圧力が上昇し、第2の弁体4bの開弁圧以上になった場合、油圧力により弁体4bが上方に移動し、開弁することで、コモンレール103内の高圧燃料が高圧流路35、低圧室33、低圧流路34を介して排出される。この時、アーマチャ5も第2の弁体4bとともにリフトする。このリフト量L2 は、第2の弁体4bの排出量を燃料供給ポンプ101の吐出量より多くするため、第1の減圧手段の減圧作動時よりも大きいが、異常減圧時であるため、この時の電磁力は考慮しなくてもよい。
【0069】
ここで、スプリング6a、6bの付勢力FSP1 、FSP2 、閉弁時の電磁力FSOL 、第1の弁体4cのシート径D1 、第2の弁体4bのシート径D2 、第2の弁体4bの作動圧力Plim の関係について説明する。第2の弁体4bの作動圧力Plim を正確に設定するには、流路35の燃料の圧力がPlim である場合にも、第1の弁体4cが閉弁している必要がある。そのため、下記式(6)を満足するように設定される。
lim ×(πD1 2 /4)−FSP1 <FSOL ・・・(6)
また、下記式(7)のようにすることで第2の弁体4bの作動圧力をPlim とすることができる。
lim ×(π/4)D2 2 =FSP1 +FSP2 +FSOL ・・・(7)
(FSP1 =Plim ×(π/4)D2 2 −FSP2 −FSOL
【0070】
本実施の形態の減圧調整弁1の制御ルーチンとその制御によるコモンレール103の圧力挙動を図18、19に示す。基本的な制御方法は上記▲3▼の制御と同様である。ただし、上記各実施の形態では、コイルに通電していない時に第1の弁体が閉弁するように構成しており、本実施の形態では、コイルに通電することで第1の弁体4cが閉弁するように構成しているため、駆動電流DRONのマップが異なる。具体的には、図示のようにコモンレール103の圧力PCが高いほど、目標圧力PCTRGが小さくなるほど、駆動電流DRONは小さくなる傾向にある。駆動電流DRONは電磁弁を一定周波数(例えば200Hz)で駆動し、そのオン−デューティ比を制御して、平均電流を制御する方法でも調整することができる。その場合、上記のマップはオン−デューティ比の値で示される。
【0071】
本実施の形態によれば、第1の弁体4cのリフト量を、第2の弁体4bのフルリフト量より小さいリフト量とすることができる。つまり、減圧作動から復帰する時の磁気回路の空隙部Sを小さくできるため、第2の実施の形態よりも、コイル21の巻き数を少なくすることができ、電磁駆動部の体格をさらに小さくすることができる。よって、より小さい体格で2つの減圧機能を両立させることができる。
【0072】
図20に本発明の第4の実施の形態を示す。本実施の形態の基本構成は第3の実施の形態と同様であり、アーマチャ5の形状が異なっている。図のように、本実施の形態では、蓋体22の下半部を中空として、その内部に円板状のアーマチャ5を配設し、円筒部27およびコイル21の外側の部分でソレノイドハウジング2と対向させている。また、本実施の形態では、ロッド42を設けず、ニードル7を円筒部27の上端より突出する長さに形成して、この突出部周りにアーマチャ5を直接固定している。本実施の形態の構成においても、第1および第2の減圧手段を上記第3の実施の形態と同様に作動させることにより、同様の効果を得ることができる。
【0073】
図21、22に本発明の第5の実施の形態を示す。図21において、本実施の形態の減圧調整弁1の基本構成は上記第1の実施の形態と同様であり、上記低圧室33下流の低圧流路34を、バルブハウジング3の左側壁にのみ形成して、その途中に絞り37を設けた点で異なっている。この絞り37を設けることによって、その上流の低圧室33の圧力が下流側よりも高くなるため、これを利用して、弁体41のリフト量を増加させ、第2の減圧手段(安全弁)としての機能を向上させることができる。これについて以下に説明する。
【0074】
図23に示すように、絞り37を設けない構成では、減圧調整弁1を、コモンレール103の圧力が、規定の圧力(例えば200MPa)以上になると、弁体41が開弁する。その時、図23のA点(弁体41底面とシート面36の間)の圧力は上記規定の圧力かそれより若干高い圧力であり、弁体41は全開とはならない。ここで、何らかの異常で、燃料供給ポンプ101が最高回転、全吐出となった場合、流量は、例えば2500ml/分であり、高圧流路35の流路径を、例えば、0.5mmとすると、圧損が40MPaある。そのため、コモンレール103の圧力は240MPa以上となり、破裂等のおそれがある(コモンレール103の耐圧は、例えば220MPaとする)。
【0075】
これに対し、図22に示すように、絞り37を設けた場合には、低圧室33の圧力が高くなり、弁体41のテーパ面に加わる開弁方向の燃料の圧力によって、弁体41のリフト量を増加させることが可能である。その結果、A点の圧力が上記規定の圧力よりも十分低くなるため、圧損が40MPaあっても、コモンレール103の圧力を耐圧(例えば220MPa)以下に維持して、安全性を高めることができる。
【0076】
なお、図24に本発明の第6の実施の形態として示すように、弁部材4が、第1および第2の弁体としてテーパ状の先端部41´に当接させて配したボール弁4dを有し、該ボール弁4dにて高圧流路を開閉する構成とすることもできる。それ以外の構成は、上記第5の実施の形態と同じであり、同様の効果が得られる。第1〜第5の実施の形態においては、摺動穴31に対するシート面36の同軸度の精度は高く要求されるが、第6の実施の形態では、それほど高く要求されない。したがってシート面36の加工が容易となり、かつ、表面粗さを小さく加工できシート性能が向上する。
【0077】
図25、26に本発明の第7の実施の形態を示す。図25は、減圧調整弁1を、ソレノイドハウジング2下端部外周のネジ部にてコモンレール壁に設けた取付け穴8に組付けた状態を示している。図25において、本実施の形態の減圧調整弁1の基本構成は上記第1の実施の形態と同様であり、弁部材4が第1および第2の弁体を兼ねる構成となっている。ただし、第1および第2の弁体は、上記第6の実施の形態と同様のボール弁4dとしている。また、上記第1の実施の形態では、摺動穴31の下端部を拡径して低圧室33を形成したが、本実施の形態では、図25のように、弁部材4の下端部を摺動部よりやや小径としてその外周と摺動穴31の間に低圧室33を形成している。バルブハウジング3は、高圧流路35とコモンレール103を連通させる貫通穴を設けたガスケット81を介して取付け穴8底面に押圧され、低圧室33外周の低圧流路34はバルブハウジング3周りの取付け穴8内空間を経て低圧通路204に連通している。
【0078】
本実施の形態の特徴は、図26(a)の拡大図に示すように、弁部材4の先端部分(下端部分)を、上記第1の実施の形態のようなテーパ状でなく、下端面中央が突出する段付きに形成したことにある。弁部材4は、ボール弁4dに当接する中央凸部41aと、その外周を取り巻く肩部49を有し、肩部49面は下方のシート面36に対向し弁部材4のリフト方向と垂直な面となっている。本実施の形態では、この肩部49に排出燃料の流れを衝突させることで、第2の減圧手段(安全弁)としての機能を向上させる。
【0079】
上記図23で説明したように、上記第1の実施の形態の構成では、第2の減圧手段(安全弁)の作動時において、弁部材4は全開せず、弁部材4の底面とシート面36の間の圧力が開弁圧力(例えば200MPa)と同じか若干高い圧力となるような位置でバランスする。また、シート径を小さくして体格を小さくするために高圧流路35径が小さくなり、圧損(例えば40MPa)があるために、何らかの異常が生じると、コモンレール103圧力が耐圧を越えるおそれがある。
【0080】
これに対し、本実施の形態の構成では、図26(a)に示すように、コモンレール103圧力が規定の開弁圧力に達してボール弁4dが開弁すると、高圧流路35からシート面36を経て流出する燃料の流れが、対向する肩部49に衝突する。このように、弁部材4を排出燃料の流れによる抗力を受けやすい形状とすることで、肩部49下方のB部(点線部)の圧力を上昇させ、弁部材4の開弁方向に作用する油圧力を大きくできる。よって、燃料の流出によりA部(ボール弁4dとシート面36の間)の圧力が、上記規定の圧力よりも低い、例えば180MPaとなっても、弁部材4のリフト量を上記第1の実施の形態よりも大きく保つことができる。その結果、圧損を考慮しても、コモンレール103の圧力を安全な耐圧(例えば220MPa)以下に維持できる。
【0081】
図27に本発明の第8の実施の形態を示す。本実施の形態では、上記第7の実施の形態の構成に加えて、高圧流路35下流の低圧流路に絞りを設けることにより、上記第5、6の実施の形態と同様の効果を得る。上記第5、6の実施の形態では、絞り37を低圧室33下流の低圧流路34に設けたが、本実施の形態では、低圧室33内に形成し、弁部材4の下端部外周とバルブハウジング3に設けた摺動穴31の内周との隙間が絞り38となるように、弁部材4の下端部の外径と摺動穴31の径を設定する。また、弁部材4がフルリフトした時に、肩部49が低圧流路34への開口縁(下端位置)よりも上に位置して、絞り38が解消されるように、低圧流路34の形成位置が定められる。
【0082】
第2の減圧手段(安全弁)の作動時、図27(a)に示す閉弁状態から、コモンレール103が規定の開弁圧力以上となってボール弁4dがシート面36から離れると、高圧流路35から低圧室33を経て低圧流路34へ燃料が流出するが、この時、絞り38の作用により流れがせき止められて、低圧室33の圧力が低圧流路34よりも高くなる。また、上記7の実施の形態と同様、燃料の流れが肩部49に衝突することにより抗力を受けやすい。このため、図27(b)に示すように、弁部材4の肩部49に加わる開弁方向の圧力を大きくして、リフト量をより大きくすることができる。その結果、A部の圧力が上記規定の圧力よりも十分に低くなるため、圧損が40MPaあっても、コモンレール103の圧力を安全な耐圧(例えば220MPa)以下に維持して、安全性を高めることができる。なお、この構成で、絞り38が絞りとして働くのは、弁部材4の下端が低圧流路34の開口縁(下端位置)と同じ高さになるまでであり、弁部材49はフルリフト位置までは上昇しない。
【0083】
図28に本発明の第9の実施の形態を示す。本実施の形態は、上記第7の実施の形態の構成同様、排出燃料の抗力を利用して、第2の減圧手段(安全弁)作動時のリフト量を大きくするものである。本実施の形態では、シート面36下流の流路壁を、シート面36に続くテーパ状とせず、肩部49面と垂直に形成して、排出燃料の流れを弁部材4のリフト方向と平行になるように、肩部49へ案内するガイド部39とする。これにより、上記第7の実施の形態では、肩部49へ斜めに衝突していた流れを、肩部49面と垂直に衝突させることができる。よって、排出燃料の抗力をより有効に利用して、弁部材4のリフト量を第7の実施の形態よりさらに大きくすることができ、その結果、コモンレール103の圧力をさらに低くして安全性を高めることができる。
【0084】
図29に本発明の第10の実施の形態を示す。上記第9の実施の形態の構成では、バルブハウジング3に摺動穴31に連続して小径のガイド部39を形成し、さらにその奥にテーパ状のシート面36を形成する必要があるため、剛性の低い長さの長い砥石を使わざるを得ず、テーパ面の加工が難しい。そこで、本実施の形態では、より製作しやすくするために、ガイド部39およびシート面36を別部材で構成する。すなわち、バルブハウジング3を摺動穴31および低圧流路が形成される本体部3aと、ガイド部39が形成されるリング状のプレート部材3b、およびシート面36が形成される容器状部材3cとに分割し、摺動部3a下面にプレート部材3bを重ねて、その下方から容器状部材3cを覆着することにより一体化する。
【0085】
このようにすれば、テーパ状のシート面36の加工に、剛性の高い砥石を使用することができるので、加工が容易になる。なお他の実施の形態の構成においても、バルブハウジング3をシート面36の構成部材と摺動穴31を有する本体部とに分割することによって加工が容易になる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す減圧調整弁の全体断面図である。
【図2】第1の実施の形態の減圧調整弁の作動を説明するための図である。
【図3】本発明の減圧調整弁を備えたコモンレール式燃料噴射ポンプの全体構成図である。
【図4】第1の実施の形態における第1の減圧手段の制御方法を説明するための図で、(a)は第1の減圧手段の制御方法を示すフローチャート、(b)は本制御に用いられるマップ、(c)はコモンレール圧力と電磁弁駆動時間の関係を示す図である。
【図5】図4の制御に基づくコモンレール圧力の挙動の一例を示す図である。
【図6】図4の制御に基づくコモンレール圧力の挙動の一例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態における第1の減圧手段の制御方法を説明するための図で、(a)は第1の減圧手段の制御方法を示すフローチャート、(b)は本制御に用いられるマップ、(c)はコモンレール圧力と減圧速度の関係を示す図である。
【図8】図7の制御に基づくコモンレール圧力の挙動の一例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態における第1の減圧手段の制御方法を説明するための図で、(a)は第1の減圧手段の制御方法を示すフローチャート、(b)は本制御に用いられるマップ、(c)はコモンレール圧力と電磁弁駆動電流の関係を示す図である。
【図10】図9の制御に基づくコモンレール圧力の挙動の一例を示す図である。
【図11】第1の実施の形態における第2の減圧手段の作動時のコモンレール圧力の挙動の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示す減圧調整弁の全体断面図である。
【図13】第2の実施の形態における第1の減圧手段の作動を説明するための図である。
【図14】第2の実施の形態における第2の減圧手段の作動を説明するための図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態を示す減圧調整弁の全体断面図である。
【図16】第3の実施の形態における第1の減圧手段の作動を説明するための図である。
【図17】第3の実施の形態における第2の減圧手段の作動を説明するための図である。
【図18】第3の実施の形態における第1の減圧手段の制御方法を説明するための図で、(a)は第1の減圧手段の制御方法を示すフローチャート、(b)は本制御に用いられるマップ、(c)はコモンレールと電磁弁駆動電流の関係を示す図である。
【図19】第3の実施の形態における第2の減圧手段の作動時のコモンレール圧力の挙動の一例を示す図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態を示す減圧調整弁の全体断面図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態を示す減圧調整弁の全体断面図である。
【図22】第5の実施の形態の減圧調整弁の作動を説明するための図である。ある。
【図23】低圧流路に絞りを設けない場合の減圧調整弁の作動を説明するための図である。
【図24】本発明の第6の実施の形態を示す減圧調整弁の全体断面図である。
【図25】本発明の第7の実施の形態を示す減圧調整弁の全体断面図である。
【図26】第7の実施の形態の減圧調整弁の要部拡大断面図で、(a)は閉弁時、(b)は開弁時の状態を示す図である。
【図27】本発明の第8の実施の形態を示す減圧調整弁の要部拡大断面図で、(a)は閉弁時、(b)は開弁時の状態を示す図である。
【図28】本発明の第9の実施の形態を示す減圧調整弁の要部拡大断面図である。
【図29】本発明の第10の実施の形態を示す減圧調整弁の要部拡大断面図である。
【図30】減速運転時に減圧制御を行わない場合のコモンレール圧力の挙動の一例を示す図である。
【符号の説明】
101 燃料供給ポンプ
103 コモンレール(蓄圧室)
104 ECU(制御部)
105 インジェクタ
201 ディーゼルエンジン(内燃機関)
203 燃料タンク(低圧部)
204 低圧流路
1 減圧調整弁
2 ソレノイドハウジング
21 コイル(電磁駆動部)
3 バルブハウジング
31 摺動穴
33 低圧室(低圧流路)
34 低圧流路
35 高圧流路
36 シート面
36a 第1のシート面
36b 第2のシート面
36c 第1のシート面
37 絞り
38 絞り
4 弁部材
41 弁体
4a 第1の弁体
4b 第2の弁体
4c 第1の弁体
4d ボール弁
49 肩部
5 アーマチャ(電磁駆動部)
6 スプリング(付勢部材)
6a スプリング(付勢部材)
6b スプリング(付勢部材)
6c スプリング(付勢部材)

Claims (11)

  1. 高圧燃料が蓄圧される蓄圧室と、該蓄圧室内の高圧燃料を内燃機関の気筒に噴射するインジェクタと、燃料を加圧して上記蓄圧室に圧送する燃料供給ポンプを備える燃料噴射装置において、上記蓄圧室内の高圧燃料を低圧部に排出するために設けられる減圧調整弁であって、上記蓄圧室に連通する高圧流路を開閉する第1の弁体と、上記内燃機関の運転状態に応じて上記第1の弁体の開閉を制御する電磁駆動部を備え、上記第1の弁体を開弁駆動することにより、上記蓄圧室内の高圧燃料を上記低圧部に排出し、上記蓄圧室内の圧力を低減して所定の圧力とする第1の減圧手段と、上記高圧流路を開閉する第2の弁体と、上記第2の弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材を備え、上記蓄圧室内が規定の圧力以上となった時に、燃料の圧力によって上記第2の弁体を開弁することにより、上記蓄圧室内の高圧燃料を上記低圧部に排出し、上記蓄圧室内の圧力が規定の圧力を越えないようにする第2の減圧手段とを備えており、
    ハウジングに設けた摺動穴内に弁部材を摺動自在に配設して、該摺動穴と同軸的に上記高圧流路を形成し、上記弁部材の先端部を、上記付勢部材の付勢力により上記高圧流路の端部に設けた第2のシート面に着座してこれを閉鎖する上記第2の弁体となすとともに、上記弁部材の外周に上記高圧流路と上記低圧部とを連通する低圧流路を形成して、上記第2の弁体の開弁時に上記蓄圧室内の高圧燃料を上記低圧流路を介して排出する上記第2の減圧手段を構成する一方、上記弁部材内に、上記高圧流路と同軸的に形成されて該高圧流路と常時連通する流路を形成し、該流路の端部に設けた第1のシート面に着座してこれを閉鎖する上記第1の弁体を配設するとともに、上記流路と上記低圧流路を連通する連通路を形成して、上記第1の弁体を上記電磁駆動部にて開弁駆動することにより、上記蓄圧室内の高圧燃料を上記流路および上記連通路を経て上記低圧流路から排出する上記第1の減圧手段を構成したことを特徴とする燃料噴射装置の減圧調整弁。
  2. 着座時に上記第1のシート面に当接する上記第1の弁体のシート部の径を、上記第2のシート面に当接する上記第2の弁体のシート部の径よりも小さく設定した請求項1記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
  3. 上記電磁駆動部による電磁力の方向を上記第1の弁体の開弁方向と同じ方向とし、上記第1の弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材を設けて、その付勢力を、上記蓄圧室内の燃料の圧力が上記規定の圧力以下である時に上記第1の弁体が開弁しないような大きさに設定した請求項1または2記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
  4. 上記電磁駆動部による電磁力の方向を上記第1の弁体の閉弁方向と同じ方向とし、上記第1の弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材を設けて、その付勢力を、上記蓄圧室内の燃料の圧力が所定の最低圧力以上である時に上記第1の弁体が開弁するような大きさに設定した請求項1または2記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
  5. 上記電磁駆動部による上記第1の弁体の駆動を制御する制御部を有し、該制御部は、上記第1の減圧手段を作動させる際の上記第1の弁体のリフト量が、上記第2の減圧手段を作動させる際の上記第2の弁体のリフト量よりも小さくなるように、開弁時に上記第1の弁体に作用する電磁力の大きさを制御する請求項記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
  6. 上記低圧流路の途中に絞りを設けた請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
  7. 上記弁部材とその外周の上記摺動穴の間に上記高圧流路と上記低圧流路を連通させる絞りを形成した請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
  8. 上記弁部材の外周部に、上記シート面に対向し上記弁部材のリフト方向と略垂直な面を有する肩部を設けた請求項1ないし7のいずれかに記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
  9. 上記弁部材および上記摺動穴を、上記弁部材のリフトとともに上記絞り効果が緩和される形状とした請求項記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
  10. 上記シート面の下流に、上記高圧流路から上記肩部へ向かう燃料の 流れが上記弁部材のリフト方向と同じ方向になるように案内するガイド部を設けた請求項記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
  11. 上記ハウジングを、上記摺動穴を有する本体部と、上記シート面または上記ガイド部の構成部材に分割させて設けた請求項ないし10のいずれかに記載の燃料噴射装置の減圧調整弁。
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