JP4092921B2 - 情報信号処理装置、情報信号処理方法および画像表示装置、それに使用される係数種データの生成装置および生成方法、係数データの生成装置および生成方法、並びに各方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体 - Google Patents

情報信号処理装置、情報信号処理方法および画像表示装置、それに使用される係数種データの生成装置および生成方法、係数データの生成装置および生成方法、並びに各方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP4092921B2
JP4092921B2 JP2002022409A JP2002022409A JP4092921B2 JP 4092921 B2 JP4092921 B2 JP 4092921B2 JP 2002022409 A JP2002022409 A JP 2002022409A JP 2002022409 A JP2002022409 A JP 2002022409A JP 4092921 B2 JP4092921 B2 JP 4092921B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
information
parameter
coefficient
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002022409A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003224830A5 (ja
JP2003224830A (ja
Inventor
哲二郎 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2002022409A priority Critical patent/JP4092921B2/ja
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to EP03734885A priority patent/EP1471737A4/en
Priority to KR1020037012717A priority patent/KR100952242B1/ko
Priority to EP07019696A priority patent/EP1871106A3/en
Priority to CN2010105219661A priority patent/CN101969537B/zh
Priority to CN2008100909269A priority patent/CN101594498B/zh
Priority to EP07019697A priority patent/EP1871107A3/en
Priority to CNB038001675A priority patent/CN100459680C/zh
Priority to CN2010105219572A priority patent/CN101969536B/zh
Priority to CN2008100909254A priority patent/CN101594497B/zh
Priority to US10/473,522 priority patent/US7508446B2/en
Priority to PCT/JP2003/000885 priority patent/WO2003065712A1/ja
Publication of JP2003224830A publication Critical patent/JP2003224830A/ja
Publication of JP2003224830A5 publication Critical patent/JP2003224830A5/ja
Priority to US11/522,252 priority patent/US7280152B2/en
Priority to US11/522,241 priority patent/US7283173B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4092921B2 publication Critical patent/JP4092921B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Television Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報信号処理装置、情報信号処理方法および画像表示装置、それに使用される係数種データの生成装置および生成方法、係数データの生成装置および生成方法、並びに各方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。詳しくは、第1の情報信号を第2の情報信号に変換する際に、入力されるパラメータの値に対応して第2の情報信号が生成されるようにし、当該第2の情報信号によって得られる出力の質をユーザが自由に調整し得るものにあって、入力されるパラメータの値に関連する履歴情報を格納しておくことによって、ユーザの嗜好に合わせた調整が可能となるようにした情報信号処理装置等に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オーディオ・ビジュアル指向の高まりから、より高解像度の画像を得ることができるようなテレビ受信機の開発が望まれ、この要望に応えて、いわゆるハイビジョンが開発された。ハイビジョンの走査線は、NTSC方式の走査線数が525本であるのに対して、2倍以上の1125本である。また、ハイビジョンの縦横比は、NTSC方式の縦横比が3:4であるのに対して、9:16となっている。このため、ハイビジョンでは、NTSC方式に比べて、高解像度で臨場感のある画像を表示することができる。
【0003】
ハイビジョンはこのように優れた特性を有するが、NTSC方式のビデオ信号をそのまま供給しても、ハイビジョンによる画像表示を行うことはできない。これは、上述のようにNTSC方式とハイビジョンとでは規格が異なるからである。
【0004】
そこで、本出願人は、先に、NTSC方式のビデオ信号に応じた画像をハイビジョン方式で表示するため、NTSC方式のビデオ信号をハイビジョンのビデオ信号に変換するための変換装置を提案した(特開平8−51599号参照)。この変換装置では、NTSC方式のビデオ信号から、ハイビジョンのビデオ信号の注目位置の画素データに対応するブロック(領域)の画素データを抽出し、このブロックの画素データのレベル分布パターンに基づいて、上述の注目位置の画素データの属するクラスを決定し、このクラスに対応して、上述の注目位置の画素データを生成するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した変換装置においては、ハイビジョンのビデオ信号による画像の解像度は固定されており、従来のコントラストやシャープネス等の調整のように、画像内容等に応じて、ユーザの好みの解像度とすることができなかった。
【0006】
そこで、本出願人は、さらに、NTSC方式のビデオ信号をハイビジョンのビデオ信号に変換する際に、入力されるパラメータの値に対応してハイビジョンのビデオ信号を生成し、当該ハイビジョンのビデオ信号によって得られる画像の解像度をユーザが自由に調整し得るものを提案した(特開2001−238185号、特願2000−348730号参照)。
【0007】
この場合、ユーザは画像の解像度を自由に調整し得るが、その調整範囲は固定であり、例えばその調整範囲の一端側を中心とした調整を行うユーザにとっては、充分な調整範囲が確保されているとはいえない。すなわち、ユーザの嗜好に合わせた調整が可能となるようにすることが望まれる。
この発明の目的は、ユーザの嗜好に合わせた調整が可能となるようにした情報信号処理装置等を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る情報信号処理装置は、複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する情報信号処理装置であって、上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定め、上記出力の品質を所定の範囲で調整するためのパラメータの値が入力されるパラメータ入力手段と、上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する推定式の係数であって、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値ごとに予め算出された係数から、上記パラメータに対応した係数をロードすることにより、または、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値を代入することで上記推定式の係数を算出する生成式における係数である係数種データ、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値、及び上記生成式を用いて、上記推定式の係数を算出することにより、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応した係数データを発生する係数データ発生手段と、上記係数データ発生手段で発生された係数データ及び上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データと、上記推定式とを用いることで、上記注目位置の情報データを算出して得る演算手段と、上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を格納する第1の記憶手段とを備え、上記係数データ発生手段によりロードされる上記係数データおよび上記係数種データは、上記所定の範囲の出力の品質を有する上記第2の情報信号を生成するためのデータであり、上記所定の範囲は、過去の上記履歴情報に基づいて決定される過去の上記出力の品質の調整範囲の重心位置を中心とする品質の範囲であることを特徴とするものである。
【0009】
また、情報信号処理装置は、上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データを選択する第2のデータ選択手段と、上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスを検出するクラス検出手段と、上記クラス検出手段で検出されるクラス毎に求められた、上記係数データを生成する上記パラメータを含む生成式における係数データである係数種データを格納する第2の記憶手段とをさらに備え、上記係数データ発生手段は、上記第2の記憶手段に格納されている係数種データと上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値とを用いて上記生成式によって生成され、上記クラス検出手段で検出されたクラスおよび上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応した上記推定式の係数データを発生することを特徴とするものである。
【0010】
また、情報信号処理装置は、上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データを選択する第2のデータ選択手段と、上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスを検出するクラス検出手段と、上記クラス検出手段で検出されるクラスおよび上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値の組み合わせ毎に予め生成された推定式の係数データを格納する第2の記憶手段とをさらに備え、上記係数データ発生手段は、上記クラス検出手段で検出されたクラスおよび上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応した上記推定式の係数データを発生することを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明に係る情報信号処理方法は、複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する情報信号処理方法であって、上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のステップと、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定め、上記出力の品質を所定の範囲で調整するためのパラメータの値を取得する第2のステップと、上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する推定式の係数であって、上記第2のステップで取得されたパラメータの値ごとに予め算出された係数から、上記パラメータに対応した係数をロードすることにより、または、上記第2のステップで取得されたパラメータの値を代入することで上記推定式の係数を算出する生成式における係数である係数種データ、上記第2のステップで取得されたパラメータの値、及び上記生成式を用いて、上記推定式の係数を算出することにより、上記第2のステップで取得されたパラメータの値に対応した係数データを発生する第3のステップと、上記第3のステップで発生された係数データ及び上記第1のステップで選択された複数の第1の情報データと、上記推定式とを用いることで、上記注目位置の情報データを算出して得る第4のステップと、上記第2のステップで取得されたパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を格納する第5のステップとを備え、上記第3のステップロードされる上記係数データおよび上記係数種データは、上記所定の範囲の出力の品質を有する上記第2の情報信号を生成するためのデータであり、上記所定の範囲は、過去の上記履歴情報に基づいて決定される過去の上記出力の品質の調整範囲の重心位置を中心とする品質の範囲であることを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明に係るプログラムは、上述の情報信号処理方法をコンピュータに実行させるためのものである。また、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な媒体は、上述のプログラムを記録したものである。
【0013】
また、この発明に係る画像表示装置は、複数の画素データからなる第1の画像信号が入力される画像信号入力手段と、上記画像信号入力手段に入力された上記第1の画像信号をより高品質な複数の画素データからなる第2の画像信号に変換して出力する画像信号処理手段と、上記画像信号処理手段より出力される上記第2の画像信号による画像を画像表示素子に表示する画像表示手段とを有してなり、上記画像信号処理手段は、上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定め、上記出力の品質を所定の範囲で調整するためのパラメータの値が入力されるパラメータ入力手段と、上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する推定式の係数であって、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値ごとに予め算出された係数から、上記パラメータに対応した係数をロードすることにより、または、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値を代入することで上記推定式の係数を算出する生成式における係数である係数種データ、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値、及び上記生成式を用いて、上記推定式の係数を算出することにより、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応した係数データを発生する係数データ発生手段と、上記係数データ発生手段で発生された係数データ及び上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データと、上記推定式とを用いることで、上記注目位置の情報データを算出して得る演算手段と、上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を格納する第1の記憶手段とを備え、上記係数データ発生手段によりロードされる上記係数データおよび上記係数種データは、上記所定の範囲の出力の品質を有する上記第2の情報信号を生成するためのデータであり、上記所定の範囲は、過去の上記履歴情報に基づいて決定される過去の上記出力の品質の調整範囲の重心位置を中心とする品質の範囲であることを特徴とするものである。
【0014】
この発明においては、第1の情報信号から第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データが選択され、その複数の第1の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスが検出される。例えば、複数の第1の情報データのレベル分布パターンが検出され、このレベル分布パターンに基づいて上記注目位置の情報データが属するクラスが検出される。ここで、情報信号は、例えば画像信号や音声信号である。
【0015】
パラメータ入力手段には、第2の情報信号によって得られる出力の質を定めるパラメータの値が入力される。例えば、情報信号が画像信号である場合、入力されるパラメータの値が調整されて、第2の情報信号(画像信号)による画像の画質が定められる。また、情報信号が音声信号である場合、入力されるパラメータの値が調整されて、第2の情報信号(音声信号)による音声の音質が定められる。
【0016】
上述したように検出されたクラスおよび入力されたパラメータの値に対応して、注目位置の情報データが生成される。例えば、クラス毎に予め求められた推定式で用いられる係数データを生成するための生成式における係数データである係数種データが第2の記憶手段に記憶されており、この係数種データと調整されたパラメータの値とを用いて、検出されたクラスおよび入力されたパラメータの値に対応した推定式の係数データが発生されると共に、第1の情報信号から第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データが選択され、この係数データと複数の第2の情報データとから、推定式を用いて、上記注目位置の情報データが生成される。
【0017】
この場合、係数種データを用いて生成された推定式の係数データの総和を求め、上述したように推定式を用いて生成された注目位置の情報データをその総和で除算して正規化することで、係数種データを用いて生成式で推定式の係数データを求める際の丸め誤差による注目位置の情報データのレベル変動を除去できる。
【0018】
また例えば、クラスおよびパラメータの値の組み合わせ毎に予め生成された推定式の係数データが第2の記憶手段に記憶されており、この第2の記憶手段より検出されたクラスおよび入力されたパラメータの値に対応した推定式の係数データが読み出されると共に、第1の情報信号から第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データが選択され、この係数データと複数の第2の情報データとから、推定式を用いて、上記注目位置の情報データが生成される。
【0019】
このように、入力されたパラメータの値に対応した推定式の係数データが得られ、この係数データが使用されて、推定式により、第2の情報信号における注目位置の情報データが生成される。したがって、第2の情報信号によって得られる出力の質、例えば画質の調整を、自由に行うことができる。
【0020】
また、第1の記憶手段には、上述したようにパラメータ入力手段に入力されるパラメータの値に関連する履歴情報が格納される。例えば、第1の記憶手段には、入力されたパラメータの値の度数分布の情報が格納される。また例えば、第1の記憶手段には、入力されたパラメータのうち、所定数の最新のパラメータの値が格納される。このように第1の記憶媒体に格納される履歴情報は、上述の係数種データや係数データを生成する際などに利用される。それにより、ユーザの嗜好に合わせた画質調整が可能となる。
【0021】
また、この発明に係る係数種データ生成装置は、複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式で用いられる係数データを生成するための生成式における係数データである係数種データを生成する装置であって、上記生成式に含まれ、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報が入力される履歴情報入力手段と、上記生成式に含まれる上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値が入力されるパラメータ入力手段と、上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記履歴情報入力手段に入力される過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換するパラメータ調整手段と、上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記係数種データを求める演算手段とを備え、上記複数の第1の情報データは、上記パラメータ調整手段により変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データであることを特徴とするものである。
【0022】
また、この発明に係る係数種データ生成方法は、複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式で用いられる係数データを生成するための生成式における係数データである係数種データを生成する方法であって、上記生成式に含まれ、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を取得する第1のステップと、上記生成式に含まれる上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値を取得する第2のステップと、上記第2のステップで取得された上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記第1のステップで取得された過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換する第3のステップと、
上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第4のステップと、上記第4のステップで選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記係数種データを求める第5のステップとを備え、上記複数の第1の情報データは、上記第3のステップで変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データであることを特徴とするものである。
【0023】
また、この発明に係るプログラムは、上述の係数種データ生成方法をコンピュータに実行させるためのものである。また、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な媒体は、上述のプログラムを記録したものである。
【0024】
この発明においては、第2の情報信号によって得られる出力の質を定めるパラメータの値に関連する履歴情報が入力されると共に、第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の質を定めるパラメータの値が入力される。そして、入力されたパラメータの値は、入力された履歴情報に基づいて調整される。
【0025】
例えば、履歴情報はパラメータの値の度数分布の情報であり、この度数分布の情報から求められるパラメータの値の重心位置に基づいて、入力されるパラメータの値が調整される。また例えば、履歴情報はパラメータにおける所定数の最新の値であり、このパラメータにおける所定数の最新の値を用い、新しいほど大きな重み付けがされて求められた重心位置に基づいて、入力されるパラメータの値が調整される。また例えば、履歴情報はパラメータの値の度数分布の情報およびパラメータにおける所定数の最新の値であり、この度数分布の情報を用い、このパラメータにおける所定数の最新の値に対応する値で新しいほど大きな重み付けがされて求められた重心位置に基づいて、入力されるパラメータの値が調整される。
【0026】
生徒信号の画質は、調整されたパラメータの値によって定められる。例えば、情報信号が画像信号である場合、調整されたパラメータの値によって、生徒信号による画像の画質が決められる。また、情報信号が音声信号である場合、調整されたパラメータの値によって、生徒信号による音声の音質が決められる。
【0027】
この生徒信号から、教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データが選択され、その複数の第1の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスが検出される。また、この生徒信号から、教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データが選択される。
【0028】
そして、入力されるパラメータの値が段階的に変更されていき、教師信号に係る注目位置の情報データが属するクラス、選択された複数の第2の情報データおよび教師信号における注目位置の情報データを用いて、クラス毎に、係数種データが求められる。
【0029】
ここで、係数種データは、第1の情報信号から第2の情報信号に変換する際に使用される推定式で用いられる係数データを生成する上記パラメータを含む生成式における係数データである。この係数種データを使用することで、生成式によって、任意に調整されたパラメータの値に対応した係数データを得ることが可能となる。これにより、ユーザは、推定式を使用して第1の情報信号から第2の情報信号に変換する場合に、パラメータの値を調整することで、第2の情報信号によって得られる出力の質を自由に調整できる。
【0030】
また上述したように、係数種データ生成装置に入力されるパラメータの値は、履歴情報に基づいて調整される。そして、生徒信号の画質は調整されたパラメータの値で定められる。そのため、情報信号処理装置で上述のように生成された係数種データを使用して推定式の係数データを得ることにより、ユーザは、例えば過去の画質調整の重心位置を中心とする範囲内で画質調整を行うことが可能となる。すなわち、ユーザの好みに合わせた画質調整範囲が自動的に設定され、ユーザはその範囲内で画質調整を行うことができる。
【0031】
また、この発明に係る係数データ生成装置は、複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを生成する装置であって、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報が入力される履歴情報入力手段と、上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値が入力されるパラメータ入力手段と、上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記履歴情報入力手段に入力される過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換するパラメータ調整手段と、上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータ毎に、上記係数データを求める演算手段とを備え、上記複数の第1の情報データは、上記パラメータ調整手段により変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データであることを特徴とするものである。
【0032】
また、この発明に係る係数データ生成方法は、複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを生成する方法であって、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を取得する第1のステップと、上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値を取得する第2のステップと、上記第2のステップで取得された上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記第1のステップで取得された過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換する第3のステップと、上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第4のステップと、上記第4のステップで選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記第2のステップで取得される上記第2のパラメータ毎に、上記係数データを求める第5のステップとを備え、上記複数の第1の情報データは、上記第3のステップで変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データであることを特徴とするものである。
【0033】
また、この発明に係るプログラムは、上述の係数データ生成方法をコンピュータに実行させるためのものである。また、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な媒体は、上述のプログラムを記録したものである。
【0034】
この発明においては、第2の情報信号によって得られる出力の質を定めるパラメータの値に関連する履歴情報が入力されると共に、第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の質を定めるパラメータの値が入力される。そして、入力されたパラメータの値は、入力された履歴情報に基づいて調整される。
【0035】
例えば、履歴情報はパラメータの値の度数分布の情報であり、この度数分布の情報から求められるパラメータの値の重心位置に基づいて、入力されるパラメータの値が調整される。生徒信号の画質は、調整されたパラメータの値によって定められる。
【0036】
この生徒信号から、教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データが選択され、その複数の第1の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスが検出される。また、この生徒信号から、教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データが選択される。
【0037】
そして、入力されるパラメータの値が段階的に変更されていき、教師信号に係る注目位置の情報データが属するクラス、選択された複数の第2の情報データおよび教師信号における注目位置の情報データを用いて、クラスおよび入力されるパラメータの値の組み合わせ毎に、係数データが求められる。
【0038】
上述したようにして第1の情報信号を第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データが生成されるが、第1の情報信号から第2の情報信号に変換する際には、第2の情報信号における注目位置の情報データが属するクラスおよび調整されたパラメータの値に対応した係数データが選択的に使用されて、推定式により、注目位置の情報データが算出される。これにより、推定式を使用して第1の情報信号から第2の情報信号に変換する場合に、パラメータの値を調整することで、第2の情報信号によって得られる出力の質を自由に調整できる。
【0039】
また上述したように、係数データ生成装置に入力されるパラメータの値は、履歴情報に基づいて調整される。そして、生徒信号の画質は調整されたパラメータの値で定められる。そのため、情報信号処理装置で上述のように生成された係数データを使用することにより、ユーザは、例えば過去の画質調整の重心位置を中心とする範囲内で画質調整を行うことが可能となる。すなわち、ユーザの好みに合わせた画質調整範囲が自動的に設定され、ユーザはその範囲内で画質調整を行うことができる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としてのテレビ受信機100の構成を示している。このテレビ受信機100は、放送信号より525i信号というSD(Standard Definition)信号を得、この525i信号を1050i信号というHD(High Definition)信号に変換し、そのHD信号による画像を表示するものである。
【0060】
図2は、525i信号および1050i信号のあるフレーム(F)の画素位置関係を示すものであり、奇数(o)フィールドの画素位置を実線で示し、偶数(e)フィールドの画素位置を破線で示している。大きなドットが525i信号の画素であり、小さいドットが1050i信号の画素である。図2から分かるように、1050i信号の画素データとしては、525i信号のラインに近い位置のラインデータL1,L1′と、525i信号のラインから遠い位置のラインデータL2,L2′とが存在する。ここで、L1,L2は奇数フィールドのラインデータ、L1′,L2′は偶数フィールドのラインデータである。また、1050i信号の各ラインの画素数は、525i信号の各ラインの画素数の2倍である。
【0061】
図1に戻って、テレビ受信機100は、マイクロコンピュータを備え、システム全体の動作を制御するためのシステムコントローラ101と、リモートコントロール信号を受信するリモコン信号受信回路102とを有している。リモコン信号受信回路102は、システムコントローラ101に接続され、リモコン送信機200よりユーザの操作に応じて出力されるリモートコントロール信号RMを受信し、その信号RMに対応する操作信号をシステムコントローラ101に供給するように構成されている。
【0062】
また、テレビ受信機100は、受信アンテナ105と、この受信アンテナ105で捕らえられた放送信号(RF変調信号)が供給され、選局処理、中間周波増幅処理、検波処理等を行って上述したSD信号(525i信号)を得るチューナ106と、このチューナ106より出力されるSD信号を一時的に保存するためのバッファメモリ109とを有している。
【0063】
また、テレビ受信機100は、バッファメモリ109に一時的に保存されるSD信号(525i信号)を、HD信号(1050i信号)に変換する画像信号処理部110と、この画像信号処理部110より出力されるHD信号による画像を表示するディスプレイ部111と、このディスプレイ部111の画面上に文字図形などの表示を行うための表示信号SCHを発生させるためのOSD(On Screen Display)回路112と、その表示信号SCHを上述した画像信号処理部110から出力されるHD信号に合成してディスプレイ部111に供給するための合成器113とを有している。ディスプレイ部111は、例えばCRT(cathode-ray tube)ディスプレイ、あるいはLCD(liquid crystal display)等のフラットパネルディスプレイで構成されている。
【0064】
図1に示すテレビ受信機100の動作を説明する。
チューナ106より出力されるSD信号(525i信号)は、バッファメモリ109に供給されて一時的に保存される。そして、このバッファメモリ109に一時的に記憶されたSD信号は画像信号処理部110に供給され、HD信号(1050i信号)に変換される。すなわち、画像信号処理部110では、SD信号を構成する画素データ(以下、「SD画素データ」という)から、HD信号を構成する画素データ(以下、「HD画素データ」という)が得られる。この画像信号処理部110より出力されるHD信号はディスプレイ部111に供給され、このディスプレイ部111の画面上にはそのHD信号による画像が表示される。
【0065】
ユーザは、リモコン送信機200の操作によって、上述したようにディスプレイ部111の画面上に表示される画像の空間方向および時間方向の解像度を調整できる。画像信号処理部110では、後述するように、HD画素データが推定式によって算出されるが、この推定式の係数データとして、ユーザのリモコン送信機200の操作によって調整された、空間方向、時間方向の解像度を定めるパラメータs,zに対応したものが、これらパラメータs,zを含む生成式によって生成されて使用される。これにより、画像信号処理部110より出力されるHD信号による画像の空間方向、時間方向の解像度は、調整されたパラメータs,zに対応したものとなる。
【0066】
図3は、パラメータs,zを調整するためのユーザインタフェースの一例を示している。調整時には、ディスプレイ部111に、パラメータs,zの調整位置を☆印のアイコン115aで示した調整画面115が、OSD表示される。また、リモコン送信機200は、ユーザ操作手段としてのジョイスティック200aを備えている。
【0067】
ユーザは、ジョイスティック200aを操作することで、調整画面115上でアイコン115aの位置を動かすことができ、空間方向、時間方向の解像度を決定するパラメータs,zの値を調整できる。図4は、調整画面115の部分を拡大して示している。アイコン115aが左右に動かされることで時間方向の解像度(時間解像度)を決定するパラメータzの値が調整され、一方アイコン115aが上下に動かされることで空間方向の解像度(空間解像度)を決定するパラメータsの値が調整される。ユーザは、ディスプレイ部111に表示される調整画面115を参照してパラメータs,zの値を調整でき、その調整を容易に行うことができる。
【0068】
なお、リモコン送信機200は、ジョイスティック200aの代わりに、マウスやトラックボール等のその他のポインティングデバイスを備えていてもよい。さらに、ユーザによって調整されたパラメータs,zの値を、調整画面115上に数値表示してもよい。
【0069】
次に、画像信号処理部110の詳細を説明する。
画像信号処理部110は、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する複数のSD画素のデータを選択的に取り出して出力する第1〜第3のタップ選択回路121〜123を有している。
【0070】
第1のタップ選択回路121は、予測に使用するSD画素(「予測タップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第2のタップ選択回路122は、SD画素データのレベル分布パターンに対応するクラス分類に使用するSD画素(「空間クラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第3のタップ選択回路123は、動きに対応するクラス分類に使用するSD画素(「動きクラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出するものである。なお、空間クラスを複数フィールドに属するSD画素データを使用して決定する場合には、この空間クラスにも動き情報が含まれることになる。
【0071】
また、画像信号処理部110は、第2のタップ選択回路122で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、そのクラス情報を出力する空間クラス検出回路124を有している。
【0072】
空間クラス検出回路124では、例えば、各SD画素データを、8ビットデータから2ビットデータに圧縮するような演算が行われる。そして、空間クラス検出回路124からは、各SD画素データに対応した圧縮データが空間クラスのクラス情報として出力される。本実施の形態においては、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)によって、データ圧縮が行われる。なお、情報圧縮手段としては、ADRC以外にDPCM(予測符号化)、VQ(ベクトル量子化)等を用いてもよい。
【0073】
本来、ADRCは、VTR(Video Tape Recorder)向け高性能符号化用に開発された適応再量子化法であるが、信号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現できるので、上述したデータ圧縮に使用して好適なものである。ADRCを使用する場合、空間クラスタップのデータ(SD画素データ)の最大値をMAX、その最小値をMIN、空間クラスタップのデータのダイナミックレンジをDR(=MAX−MIN+1)、再量子化ビット数をPとすると、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データkiに対して、(1)式の演算により、圧縮データとしての再量子化コードqiが得られる。ただし、(1)式において、[ ]は切り捨て処理を意味している。空間クラスタップのデータとして、Na個のSD画素データがあるとき、i=1〜Naである。
qi=[(ki−MIN+0.5).2P/DR] ・・・(1)
【0074】
また、画像信号処理部110は、第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)より、主に動きの程度を表すための動きクラスを検出し、そのクラス情報を出力する動きクラス検出回路125を有している。
【0075】
この動きクラス検出回路125では、第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)mi,niからフレーム間差分が算出され、さらにその差分の絶対値の平均値に対してしきい値処理が行われて動きの指標である動きクラスが検出される。すなわち、動きクラス検出回路125では、(2)式によって、差分の絶対値の平均値AVが算出される。第3のタップ選択回路123で、例えば上述したように12個のSD画素データm1〜m6,n1〜n6が取り出されるとき、(2)式におけるNbは6である。
【0076】
【数1】
Figure 0004092921
【0077】
そして、動きクラス検出回路125では、上述したように算出された平均値AVが1個または複数個のしきい値と比較されて動きクラスのクラス情報MVが得られる。例えば、3個のしきい値th1,th2,th3(th1<th2<th3)が用意され、4つの動きクラスを検出する場合、AV≦th1のときはMV=0、th1<AV≦th2のときはMV=1、th2<AV≦th3のときはMV=2、th3<AVのときはMV=3とされる。
【0078】
また、画像信号処理部110は、空間クラス検出回路124より出力される空間クラスのクラス情報としての再量子化コードqiと、動きクラス検出回路125より出力される動きクラスのクラス情報MVに基づき、作成すべきHD信号(1050i信号)の画素データ(注目位置の画素データ)が属するクラスを示すクラスコードCLを得るためのクラス合成回路126を有している。
【0079】
このクラス合成回路126では、(3)式によって、クラスコードCLの演算が行われる。なお、(3)式において、Naは空間クラスタップのデータ(SD画素データ)の個数、PはADRCにおける再量子化ビット数を示している。
【0080】
【数2】
Figure 0004092921
【0081】
また、画像信号処理部110は、係数メモリ134を有している。この係数メモリ134は、後述する推定予測演算回路127で使用される推定式で用いられる複数の係数データWiを、クラス毎に、格納するものである。この係数データWiは、SD信号(525i信号)を、HD信号(1050i信号)に変換するための情報である。係数メモリ134には上述したクラス合成回路126より出力されるクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給され、この係数メモリ134からはクラスコードCLに対応した推定式の係数データWi(i=1〜n)が読み出され、推定予測演算回路127に供給される。
【0082】
また、画像信号処理部110は、情報メモリバンク135を有している。後述する推定予測演算回路127では、予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ134より読み出される係数データWiとから、(4)式の推定式によって、作成すべきHD画素データyが演算される。(4)式のnは、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップの数を表している。
【0083】
ここで、タップ選択回路121で選択的に取り出される予測タップのn個の画素データの位置は、HD信号における注目位置に対して、空間方向(水平、垂直の方向)および時間方向に亘っている。
【0084】
【数3】
Figure 0004092921
【0085】
そして、推定式の係数データWi(i=1〜n)は、(5)式に示すように、パラメータs,zを含む生成式によって生成される。情報メモリバンク135には、この生成式における係数データである係数種データw10〜wn9が、クラス毎に、格納されている。この係数種データの生成方法については後述する。
【0086】
【数4】
Figure 0004092921
【0087】
上述したように、525i信号を1050i信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の1画素に対応して1050i信号の4画素を得る必要がある。この場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおける1050i信号を構成する2×2の単位画素ブロック内の4画素は、それぞれ中心予測タップに対して異なる位相ずれを持っている。
【0088】
図5は、奇数フィールドにおける1050i信号を構成する2×2の単位画素ブロック内の4画素HD1〜HD4における中心予測タップSD0からの位相ずれを示している。ここで、HD1〜HD4の位置は、それぞれ、SD0の位置から水平方向にk1〜k4、垂直方向にm1〜m4だけずれている。
【0089】
図6は、偶数フィールドにおける1050i信号を構成する2×2の単位画素ブロック内の4画素HD1′〜HD4′における中心予測タップSD0′からの位相ずれを示している。ここで、HD1′〜HD4′の位置は、それぞれ、SD0′の位置から水平方向にk1′〜k4′、垂直方向にm1′〜m4′だけずれている。
【0090】
したがって、上述した情報メモリバンク135には、クラスおよび出力画素(HD1〜HD4,HD1′〜HD4′)の組み合わせ毎に、係数種データw10〜wn9が格納されている。
【0091】
また、画像信号処理部110は、各クラスの係数種データおよびパラメータs,zの値とを用い、(5)式によって、クラス毎に、パラメータs,zの値に対応した推定式の係数データWi(i=1〜n)を生成する係数生成回路136を有している。この係数生成回路136には、情報メモリバンク135より、上述した各クラスの係数種データがロードされる。また、この係数生成回路136には、システムコントローラ101より、パラメータs,zの値が供給される。
【0092】
この係数生成回路136で生成される各クラスの係数データWi(i=1〜n)は、上述した係数メモリ134に格納される。この係数生成回路136における各クラスの係数データWiの生成は、例えば各垂直ブランキング期間で行われる。これにより、ユーザのリモコン送信機200の操作によってパラメータs,zの値が変更されても、係数メモリ134に格納される各クラスの係数データWiを、そのパラメータs,zの値に対応したものに即座に変更でき、ユーザによる解像度の調整がスムーズに行われる。
【0093】
また、画像信号処理部110は、係数生成回路136で求められる係数データWi(i=1〜n)に対応した正規化係数Sを、(6)式によって、演算する正規化係数演算部137と、この正規化係数Sを格納する正規化係数メモリ138とを有している。正規化係数メモリ138には上述したクラス合成回路126より出力されるクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給され、この正規化係数メモリ138からはクラスコードCLに対応した正規化係数Sが読み出され、後述する正規化演算回路128に供給される。
【0094】
【数5】
Figure 0004092921
【0095】
また、画像信号処理部110は、第1のタップ選択回路121で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ134より読み出される係数データWiとから、(4)式の推定式によって、作成すべきHD信号の画素データ(注目位置の画素データ)を演算する推定予測演算回路127を有している。
【0096】
上述したように、SD信号(525i信号)をHD信号(1050i信号)に変換する際には、SD信号の1画素に対してHD信号の4画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)を得る必要があることから、この推定予測演算回路127では、HD信号を構成する2×2の単位画素ブロック毎に、画素データが生成される。すなわち、この推定予測演算回路127には、第1のタップ選択回路121より単位画素ブロック内の4画素(注目画素)に対応した予測タップのデータxiと、係数メモリ134よりその単位画素ブロックを構成する4画素に対応した係数データWiとが供給され、単位画素ブロックを構成する4画素のデータy1〜y4は、それぞれ個別に上述した(4)式の推定式で演算される。
【0097】
また、画像信号処理部110は、推定予測演算回路127より順次出力される4画素のデータy1〜y4を、正規化係数メモリ138より読み出される、それぞれの演算に使用された係数データWi(i=1〜n)に対応した正規化係数Sで除算して正規化する正規化演算回路128を有している。上述したように、係数生成回路136で推定式の係数データWiを求めるものであるが、求められる係数データは丸め誤差を含み、係数データWi(i=1〜n)の総和が1.0になることは保証されない。そのため、推定予測演算回路127で演算される各画素のデータy1〜y4は、丸め誤差によってレベル変動したものとなる。上述したように、正規化演算回路128で正規化することで、そのレベル変動を除去できる。
【0098】
また、画像信号処理部110は、正規化演算回路128で正規化されて順次供給される単位画素ブロック内の4画素のデータy1′〜y4′を線順次化して1050i信号のフォーマットで出力する後処理回路129を有している。
【0099】
また、画像信号処理部110は、システムコントローラ101から係数生成回路136に入力されるパラメータs,zの値の履歴情報を格納する履歴情報記憶部130を有している。
【0100】
図7は、履歴情報記憶部130の構成を示している。この履歴情報記憶部130は、システムコントローラ101から係数生成回路136に入力されるパラメータs,zの値のそれぞれの度数分布の情報を格納する度数分布メモリ130aを備えている。この度数分布メモリ130aには、パラメータs,zの各値における度数が平均化されて格納される。この度数分布メモリ130aは例えば不揮発性のメモリで構成され、テレビ受信機100の電源がオフの状態でもその記憶内容が保持されるようになされている。
【0101】
そのために、履歴情報記憶部130は、さらに、パラメータs,zの値の係数生成回路136への入力回数をカウントするカウンタ130bと、このカウンタ130bのカウント値に基づいて、パラメータs,zの値における度数を平均化する平均化部130cとを備えている。
【0102】
カウンタ130bのカウントアップは、システムコントローラ101の制御によって行われる。上述したように、ユーザは調整画面115上でパラメータs,zの値を調整し得るが、カウンタ130bはその調整が終了した時点でカウントアップされる。
【0103】
平均化部130cは、入力されたパラメータs,zの値、カウンタ130bのカウント値および度数分布メモリ130cに格納されている前回までのパラメータs,zの各値における度数の平均値とを用いて、パラメータs,zの各値における新たな度数の平均値を求める。
【0104】
この場合、入力回数がM、つまりカウンタ130bのカウント値がMとなるとき、入力されるパラメータの値における度数に関しては、前回までのそのパラメータにおける度数の平均値をnM-1とするとき、新たな度数の平均値nMは、nM=((nM-1×(M−1))+1)/Mの演算により求められる。一方、入力回数がMであるとき、入力されるパラメータの値とは異なるパラメータの値における度数に関しては、前回までのそのパラメータにおける度数の平均値をnM-1とするとき、新たな度数の平均値nMは、nM=(nM-1×(M−1))/Mの演算により求められる。
【0105】
このように、度数分布メモリ130に格納するパラメータs,zの値の度数分布の情報として、パラメータs,zの各値における度数の平均値を用いることで、オーバーフローを防止できる。
【0106】
なお、パラメータs,zの各値における度数の平均値を用いる変わりに、パラメータs,zの各値における度数を、最大度数によって正規化した値を用いるようにしても、同様にオーバーフローを防止できる。
【0107】
また、履歴情報記憶部130は、システムコントローラ101から係数生成回路136に入力されるパラメータs,zの値のうち、所定数、例えば10個の最新のパラメータs,zの値を格納する経時変化メモリ130dを有している。この経時変化メモリ130dは例えば不揮発性のメモリで構成され、テレビ受信機100の電源がオフの状態でもその記憶内容が保持されるようになされている。
【0108】
経時変化メモリ130dへの書き込み動作は、システムコントローラ101の制御によって行われる。上述したように、ユーザは調整画面115上でパラメータs,zの値を調整し得るが、経時変化メモリ130dには、その調整が終了した時点で、新たなパラメータs,zの値が書き込まれる。この書き込みに伴って、格納されているパラメータs,zの値の個数が所定数を越えるときは、最も古いパラメータs,zの値が削除される。
【0109】
また、テレビ受信機100において、画像信号処理部110を含む基板は装脱可能に構成され、機能のバージョンアップ等が可能になっている。これにより、履歴情報記憶部130は基板と共に装脱されることとなる。なお、この履歴情報記憶部130、あるいは度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dのみが装脱可能に構成されていてもよい。
【0110】
次に、画像信号処理部110の動作を説明する。
バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路122で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第2のタップ選択回路122で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路124に供給される。この空間クラス検出回路124では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0111】
また、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第3のタップ選択回路123で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路125に供給される。この動きクラス検出回路125では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0112】
この動き情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路126に供給される。このクラス合成回路126では、これら動き情報MVと再量子化コードqiとから、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック毎にその単位画素ブロック内の4画素(注目画素)が属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。そして、このクラスコードCLは、係数メモリ134および正規化係数メモリ138に読み出しアドレス情報として供給される。
【0113】
係数メモリ134には、例えば各垂直ブランキング期間に、係数生成回路136で、ユーザによって調整されたパラメータs,zの値に対応して、クラスおよび出力画素(HD1〜HD4,HD1′〜HD4′)の組み合わせ毎に、係数種データw10〜wn9を用いて推定式の係数データWi(i=1〜n)が求められて格納される((5)式参照)。また、正規化係数メモリ138には、上述したように係数生成回路136で求められた推定式の係数データWi(i=1〜n)に対応した正規化係数Sが正規化係数演算部137で生成されて格納される((6)式参照)。
【0114】
係数メモリ134に上述したようにクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給されることで、この係数メモリ134からクラスコードCLに対応した4出力画素(奇数フィールドではHD1〜HD4、偶数フィールドではHD1′〜HD4′)分の推定式の係数データWiが読み出されて推定予測演算回路127に供給される。また、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第1のタップ選択回路121で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。
【0115】
推定予測演算回路127では、予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ134より読み出される4出力画素分の係数データWiとから、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)のデータy1〜y4が演算される((4)式参照)。そして、この推定予測演算回路127より順次出力されるHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素のデータy1〜y4は正規化演算回路128に供給される。
【0116】
正規化係数メモリ138には上述したようにクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給され、この正規化係数メモリ138からはクラスコードCLに対応した正規化係数S、つまり推定予測演算回路127より出力されるHD画素データy1〜y4の演算に使用された係数データWiに対応した正規化係数Sが読み出されて正規化演算回路128に供給される。この正規化演算回路128では、推定予測演算回路127より出力されるHD画素データy1〜y4がそれぞれ対応する正規化係数Sで除算されて正規化される。これにより、係数生成回路136で係数データWiを求める際の丸め誤差によるデータy1〜y4のレベル変動が除去される。
【0117】
このように正規化演算回路128で正規化されて順次出力される単位画素ブロック内の4画素のデータy1′〜y4′は後処理回路129に供給される。この後処理回路129では、正規化演算回路128より順次供給される単位画素ブロック内の4画素のデータy1′〜y4′が線順次化され、1050i信号のフォーマットで出力される。つまり、後処理回路129からは、HD信号としての1050i信号が出力される。
【0118】
このように、画像信号処理部110では、調整されたパラメータs,zの値に対応した推定式の係数データWi(i=1〜n)が使用されて、HD画素データyが演算される。したがって、ユーザは、パラメータs,zの値を調整することで、HD信号による画像の空間方向および時間方向の解像度を自由に調整できる。また、調整されたパラメータs,zの値に対応した各クラスの係数データをその都度係数生成回路136で生成して使用するものであり、大量の係数データを格納しておくメモリは必要なくなり、メモリの節約を図ることができる。
【0119】
また、上述したように、ユーザは調整画面115上でパラメータs,zの値を調整できる。履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a(図7参照)には、システムコントローラ101から係数生成回路136に入力されるパラメータs,zの値のそれぞれの度数分布の情報が格納される。また、履歴情報記憶部130の経時変化メモリ130d(図7参照)には、システムコントローラ101から係数生成回路136に入力されるパラメータs,zの値のうち、所定数、例えば10個の最新のパラメータs,zの値が格納される。
【0120】
このように、履歴情報記録部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに格納される履歴情報は、例えばテレビ受信機100のバージョンアップ時に画像信号処理部110が含まれる基板を取り換える場合において、その情報メモリバンク135に格納される係数種データw10〜wn9を生成する際などに利用される。
【0121】
次に、係数種データw10〜wn9の生成方法の一例について説明する。この例においては、上述した(5)式の生成式における係数データである係数種データw10〜wn9を求める例を示すものとする。
【0122】
ここで、以下の説明のため、(7)式のように、ti(i=0〜9)を定義する。
Figure 0004092921
この(7)式を用いると、(5)式は、(8)式のように書き換えられる。
【0123】
【数6】
Figure 0004092921
【0124】
最終的に、学習によって未定係数wijを求める。すなわち、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、複数のSD画素データとHD画素データを用いて、二乗誤差を最小にする係数値を決定する。いわゆる最小二乗法による解法である。学習数をm、k(1≦k≦m)番目の学習データにおける残差をek、二乗誤差の総和をEとすると、(4)式および(5)式を用いて、Eは(9)式で表される。ここで、xikはSD画像のi番目の予測タップ位置におけるk番目の画素データ、ykはそれに対応するk番目のHD画像の画素データを表している。
【0125】
【数7】
Figure 0004092921
【0126】
最小二乗法による解法では、(9)式のwijによる偏微分が0になるようなwijを求める。これは、(10)式で示される。
【0127】
【数8】
Figure 0004092921
【0128】
以下、(11)式、(12)式のように、Xipjq、Yipを定義すると、(10)式は、(13)式のように行列を用いて書き換えられる。
【0129】
【数9】
Figure 0004092921
【0130】
【数10】
Figure 0004092921
【0131】
この方程式は一般に正規方程式と呼ばれている。この正規方程式は、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)等を用いて、wijについて解かれ、係数種データが算出される。
【0132】
図8は、上述した係数種データの生成方法の一例の概念を示している。HD信号から複数のSD信号を生成する。例えば、HD信号からSD信号を生成する際に使用するフィルタの空間方向(垂直方向および水平方向)の帯域と時間方向(フレーム方向)の帯域を可変するパラメータs,zをそれぞれ9段階に可変して、合計81種類のSD信号を生成している。このようにして生成された複数のSD信号とHD信号との間で学習を行って係数種データを生成する。
【0133】
図9は、上述したテレビ受信機100の情報メモリバンク135に格納される係数種データw10〜wn9を生成するための係数種データ生成装置150の構成を示している。
【0134】
この係数種データ生成装置150は、教師信号としてのHD信号(1050i信号)が入力される入力端子151と、このHD信号に対して水平および垂直の間引き処理を行って、生徒信号としてのSD信号を得るSD信号生成回路152とを有している。
【0135】
このSD信号生成回路152には、上述したテレビ受信機100(図1参照)におけるパラメータs,zの値と対応した、パラメータs,zの値が入力される。SD信号生成回路152では、このパラメータs,zに基づいて、HD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの、空間方向および時間方向の帯域が可変される。
【0136】
また、このSD信号生成回路152には、上述したテレビ受信機100の履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに格納されている、入力されたパラメータs,zの値の履歴情報が入力される。
【0137】
なお、使用開始前のテレビ受信機100の情報メモリバンク135に格納される係数種データw10〜wn9を生成する際には、いまだ履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに履歴情報が格納されていないので、SD信号生成回路152に履歴情報は入力されない。
【0138】
つまり、SD信号生成回路152に履歴情報が入力されるのは、例えばテレビ受信機100のバージョンアップ時に画像信号処理部110が含まれる基板を取り換える場合であって、その情報メモリバンク135に格納される係数種データw10〜wn9を生成する際などである。
【0139】
SD信号生成回路152では、履歴情報に基づいて、入力されたパラメータs,zの値が調整され、この調整されたパラメータs,zの値に応じて、上述したように空間方向および時間方向の帯域が可変される。履歴情報の入力がないときは、入力されたパラメータs,zの値そのものに応じて、上述したように空間方向および時間方向の帯域が可変される。
【0140】
ここで、上述のテレビ受信機100では、ユーザの操作によってパラメータs,zの値が、例えばそれぞれ0〜8の範囲内で、所定のステップをもって調整され、空間方向および時間方向の解像度の調整が行われる。
【0141】
この場合、SD信号生成回路152において入力されるパラメータs,zの値そのものに応じて空間方向および時間方向の帯域が可変される場合、テレビ受信機100では図10に実線枠BFで示す範囲(空間解像度はy1〜y2、時間解像度はx1〜x2)内で解像度の調整を行い得るように、係数種データw10〜wn9が生成される。
【0142】
履歴情報が入力される場合、SD信号生成回路152では、パラメータs,zの値のそれぞれにおける度数分布の情報が用いられて重心位置が求められる。この場合、所定数の最新のパラメータs,zの値に対応する値で新しいほど大きな重み付けがされる。そして、SD信号生成回路152では、この重心位置に基づいて、入力されるパラメータs,zの値が調整される。この場合、パラメータs,zの値が大きくなるほど帯域が狭くなるようにされる。これにより、テレビ受信機100(図1参照)では、パラメータs,zの値が大きくされるほど解像度が上がるように調整されるようになる。
【0143】
ここでは、テレビ受信機100側で調整されるパラメータs,zの値の変化範囲の中心が、求められた重心位置に移動するように、入力されるパラメータs,zの値が線形変換される。例えば、テレビ受信機100側で調整されるパラメータs,zの値の変化範囲の中心値がs0,z0、求められる重心位置がsm,zm、入力されるパラメータs,zの値がs1,z1であるとき、調整後のパラメータs,zの値s2,z2は、s2=s1+(sm−s0)、z2=z1+(zm−z0)の変換式で求められる。
【0144】
このように調整されたパラメータs,zの値に応じて空間方向および時間方向の帯域が可変される場合、テレビ受信機100では、図10に実線枠BFで示す範囲内の解像度調整位置(「×」印で図示)の重心位置を中心とする、図10の一点鎖線枠AFで示す範囲(空間解像度はy1′〜y2′、時間解像度はx1′〜x2′)内で解像度の調整を行い得るように、係数種データw10〜wn9が生成される。
【0145】
なお、上述ではパラメータs,zの値のそれぞれにおける度数分布の情報を用いて重心位置を求める際に、所定数の最新のパラメータs,zの値に対応する値で新しいほど大きな重み付けがされるものであったが、この重み付けがされずに求められる重心位置を使用してもよい。また、度数分布の情報は用いずに、所定数の最新のパラメータs,zの値を用い、新しいほど大きな重み付けがされて求められた重心位置を使用してもよい。さらには、パラメータs,zの値のそれぞれにおける度数分布の情報から最も度数の大きなパラメータs,zの値を求め、その値を重心位置の代わりに使用してもよい。また、所定数の最新のパラメータs,zの値のうち、最も新しいパラメータs,zの値を、重心位置の代わりに使用してもよい。
【0146】
図9に戻って、また、係数種データ生成装置150は、SD信号生成回路152より出力されるSD信号(525i信号)より、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する複数のSD画素のデータを選択的に取り出して出力する第1〜第3のタップ選択回路153〜155を有している。これら第1〜第3のタップ選択回路153〜155は、上述した画像信号処理部110の第1〜第3のタップ選択回路121〜123と同様に構成される。
【0147】
また、係数種データ生成装置150は、第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、そのクラス情報を出力する空間クラス検出回路157を有している。この空間クラス検出回路157は、上述した画像信号処理部110の空間クラス検出回路124と同様に構成される。この空間クラス検出回路157からは、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データ毎の再量子化コードqiが空間クラスを示すクラス情報として出力される。
【0148】
また、係数種データ生成装置150は、第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)より、主に動きの程度を表すための動きクラスを検出し、そのクラス情報MVを出力する動きクラス検出回路158を有している。この動きクラス検出回路158は、上述した画像信号処理部110の動きクラス検出回路125と同様に構成される。この動きクラス検出回路158では、第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)からフレーム間差分が算出され、さらにその差分の絶対値の平均値に対してしきい値処理が行われて動きの指標である動きクラスが検出される。
【0149】
また、係数種データ生成装置150は、空間クラス検出回路157より出力される空間クラスのクラス情報としての再量子化コードqiと、動きクラス検出回路158より出力される動きクラスのクラス情報MVに基づき、HD信号(1050i信号)に係る注目画素が属するクラスを示すクラスコードCLを得るためのクラス合成回路159を有している。このクラス合成回路159も、上述した画像信号処理部110のクラス合成回路126と同様に構成される。
【0150】
また、係数種データ生成装置150は、入力端子151に供給されるHD信号から得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、パラメータs,zの値と、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、クラス毎に、係数種データw10〜wn9を得るための正規方程式((13)式参照)を生成する正規方程式生成部160を有している。
【0151】
この場合、1個のHD画素データyとそれに対応するn個の予測タップのデータ(SD画素データ)xiとの組み合わせで学習データが生成されるが、調整後のパラメータs,zの値の変化に対応してSD信号生成回路152における空間方向および時間方向の帯域が可変され、複数のSD信号が順次生成されていき、HD信号と各SD信号との間でそれぞれ学習データの生成が行われる。これにより、正規方程式生成部160では、パラメータs,zの値が異なる多くの学習データが登録された正規方程式が生成され、係数種データw10〜wn9を求めることが可能となる。
【0152】
またこの場合、1個のHD画素データyとそれに対応するn個の予測タップのデータ(SD画素データ)xiとの組み合わせで学習データが生成されるが、正規方程式生成部160では、出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)毎に、正規方程式が生成される。例えば、HD1に対応した正規方程式は、中心予測タップに対するずれ値がHD1と同じ関係にあるHD画素データyから構成される学習データから生成される。
【0153】
また、係数種データ生成装置150は、正規方程式生成部160で、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に生成された正規方程式のデータが供給され、当該正規方程式を解いて、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数種データw10〜wn9を求める係数種データ決定部161と、この求められた係数種データを格納する係数種メモリ162とを有している。係数種データ決定部161では、正規方程式が例えば掃き出し法などによって解かれて、係数種データが求められる。
【0154】
図9に示す係数種データ生成装置150の動作を説明する。
入力端子151には教師信号としてのHD信号(1050i信号)が供給され、そしてこのHD信号に対してSD信号生成回路152で水平および垂直の間引き処理が行われて生徒信号としてのSD信号(525i信号)が生成される。
【0155】
この場合、SD信号生成回路152には、HD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域を定める、つまり生成されるSD信号の空間方向および時間方向の解像度を定めるパラメータs,zの値が入力される。
【0156】
また、SD信号生成回路152には、例えばテレビ受信機100のバージョンアップ時に画像信号処理部110が含まれる基板を取り換える場合であって、その情報メモリバンク135に格納される係数種データw10〜wn9を生成する際には、取り換え前の基板における履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに格納されている、ユーザ操作によって過去に入力されたパラメータs,zの履歴情報が入力される。
【0157】
SD信号生成回路152では、履歴情報が入力されるときは、この履歴情報に基づいて入力されたパラメータs,zの値が調整される。例えば、履歴情報によってパラメータs,zの重心位置が求められ、テレビ受信機100側で調整されるパラメータs,zの値の変化範囲の中心が、求められた重心位置に移動するように、入力されるパラメータs,zの値が線形変換される。そして、SD信号生成回路152では、調整されたパラメータs,zの値に応じて、上述したようにHD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が可変される。
【0158】
なお、使用開始前のテレビ受信機100の情報メモリバンク135に格納される係数種データw10〜wn9を生成する際には、履歴情報の入力がないので、入力されたパラメータs,zの値そのものに応じて、上述したようにHD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が可変される。
【0159】
SD信号生成回路152に入力されるパラメータs,zの値が順次変更されることで、上述したようにHD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が変更されることから、空間方向および時間方向の帯域が段階的に変化した複数のSD信号が生成されていく。
【0160】
また、SD信号生成回路152で生成されたSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路154で、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路157に供給される。この空間クラス検出回路157では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0161】
また、SD信号生成回路152で生成されたSD信号より、第3のタップ選択回路155で、HD信号に係る注目画素の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路158に供給される。この動きクラス検出回路158では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0162】
このクラス情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路159に供給される。このクラス合成回路159では、これらクラス情報MVと再量子化コードqiとから、HD信号(1050i信号)における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。
【0163】
また、SD信号生成回路152で生成されるSD信号より、第1のタップ選択回路153で、HD信号における注目位置の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。
【0164】
そして、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、パラメータs,zの値と、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、正規方程式生成部160では、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数種データw10〜wn9を得るための正規方程式((13)式参照)が個別に生成される。
【0165】
そして、係数種データ決定部161で各正規方程式が解かれ、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎の係数種データw10〜wn9が求められ、それらの係数種データw10〜wn9は係数種メモリ162に格納される。
【0166】
このように、図9に示す係数種データ生成装置150においては、図1の画像信号処理部110の情報メモリバンク135に格納される、クラスおよび出力画素(HD1〜HD4,HD1′〜HD4′)の組み合わせ毎の、推定式で用いられる係数データWiを求めるための生成式((5)式参照)における係数データである係数種データw10〜wn9を生成することができる。
【0167】
また、この係数種データ生成装置150において、例えばテレビ受信機100(図1参照)のバージョンアップ時に画像信号処理部110が含まれる基板を取り換える場合であって、その情報メモリバンク135に格納される係数種データw10〜wn9を生成する際には、SD信号生成回路152に、テレビ受信機100の履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに格納されている、ユーザ操作によって過去に入力されたパラメータs,zの履歴情報が入力される。
【0168】
SD信号生成回路152では、この履歴情報に基づいて、入力されるパラメータs,zの値が調整され、この調整されたパラメータs,zによって、HD信号からSD信号を得る際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が可変される。
【0169】
このようにして求められた係数種データw10〜wn9を、テレビ受信機100のバージョンアップ時に新たに装着される画像信号処理部110が含まれる基板の情報メモリバンク135に格納して使用することで、ユーザは、パラメータs,zの値の調整により、過去の解像度調整の重心位置を中心とする範囲(図10の一点鎖線枠AF参照)内で解像度の調整を行うことが可能となる。すなわち、ユーザの好みに合わせた解像度調整範囲が自動的に設定され、ユーザはその範囲内で解像度の調整を行うことができる。
【0170】
次に、係数種データの生成方法の他の例について説明する。この例においても、上述した(5)式の生成式における係数データである係数種データw10〜wn9を求める例を示すものとする。
【0171】
図11は、この例の概念を示している。HD信号から複数のSD信号を生成する。例えば、HD信号からSD信号を生成する際に使用するフィルタの空間方向(垂直方向および水平方向)の帯域と時間方向(フレーム方向)の帯域を可変するパラメータs,zをそれぞれ9段階に可変して、合計81種類のSD信号を生成する。このようにして生成された各SD信号とHD信号との間で学習を行って、(4)式の推定式の係数データWiを生成する。そして、各SD信号に対応して生成された係数データWiを使用して係数種データを生成する。
【0172】
まず、推定式の係数データの求め方を説明する。ここでは、(4)式の推定式の係数データWi(i=1〜n)を最小二乗法により求める例を示すものとする。一般化した例として、Xを入力データ、Wを係数データ、Yを予測値として、(14)式の観測方程式を考える。この(14)式において、mは学習データの数を示し、nは予測タップの数を示している。
【0173】
【数11】
Figure 0004092921
【0174】
(14)式の観測方程式により収集されたデータに最小二乗法を適用する。この(14)式の観測方程式をもとに、(15)式の残差方程式を考える。
【0175】
【数12】
Figure 0004092921
【0176】
(15)式の残差方程式から、各Wiの最確値は、(16)式のe2を最小にする条件が成り立つ場合と考えられる。すなわち、(17)式の条件を考慮すればよいわけである。
【0177】
【数13】
Figure 0004092921
【0178】
つまり、(17)式のiに基づくn個の条件を考え、これを満たす、W1,W2,・・・,Wnを算出すればよい。そこで、(15)式の残差方程式から、(18)式が得られる。さらに、(18)式と(14)式とから、(19)式が得られる。
【0179】
【数14】
Figure 0004092921
【0180】
そして、(15)式と(19)式とから、(20)式の正規方程式が得られる。
【0181】
【数15】
Figure 0004092921
【0182】
(20)式の正規方程式は、未知数の数nと同じ数の方程式を立てることが可能であるので、各Wiの最確値を求めることができる。この場合、掃き出し法等を用いて連立方程式を解くことになる。
【0183】
次に、各SD信号に対応して生成された係数データWiを使用した、係数種データの求め方を説明する。
パラメータs,zに対応したSD信号を用いた学習による、あるクラスの係数データが、ksziとなったとする。ここで、iは予測タップの番号である。このksziから、このクラスの係数種データを求める。
【0184】
係数データWi(i=1〜n)は、係数種データw10〜wn9を使って、上述した(5)式で表現される。ここで、係数データWiに対して最小二乗法を使用することを考えると、残差は、(21)式で表される。
【0185】
【数16】
Figure 0004092921
【0186】
ここで、tjは、上述の(7)式に示されている。(21)式に最小二乗法を作用させると、(22)式が得られる。
【0187】
【数17】
Figure 0004092921
【0188】
ここで、Xjk,Yjをそれぞれ(23)式、(24)式のように定義すると、(22)式は(25)式のように書き換えられる。この(25)式も正規方程式であり、この式を掃き出し法等の一般解法で解くことにより、係数種データw10〜wn9を算出することができる。
【0189】
【数18】
Figure 0004092921
【0190】
図12は、図11に示す概念に基づいて係数種データを生成する係数種データ生成装置150′の構成を示している。この図12において、図9と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0191】
係数種データ生成装置150′は、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、クラスおよび出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)の組み合わせ毎に、係数データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式((20)式参照)を生成する正規方程式生成部171を有している。
【0192】
この場合、1個のHD画素データyとそれに対応するn個の予測タップのデータ(SD画素データ)xiとの組み合わせで学習データが生成されるが、調整後のパラメータs,zの値の変化に対応してSD信号生成回路152における空間方向および時間方向の帯域が可変され、複数のSD信号が順次生成されていき、HD信号と各SD信号との間でそれぞれ学習データの生成が行われる。これにより、正規方程式生成部171では、各SD信号のそれぞれ対応して、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式が生成される。
【0193】
また、係数種データ生成装置150′は、正規方程式生成部171で生成された正規方程式のデータが供給され、その正規方程式を解いて、各SD信号にそれぞれ対応した、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数データWiを求める係数データ決定部172と、パラメータs,zの値および各SD信号にそれぞれ対応した係数データWiとを使用して、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数種データw10〜wn9を得るための正規方程式((25)式参照)を生成する正規方程式生成部173とを有している。
【0194】
また、係数種データ生成装置150′は、正規方程式生成部173でクラスおよび出力画素の組み合わせ毎に生成された正規方程式のデータが供給され、その組み合わせ毎に正規方程式を解いて、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数種データw10〜wn9を求める係数種データ決定部174と、この求められた係数種データw10〜wn9を格納する係数種メモリ162とを有している。
【0195】
図12に示す係数種データ生成装置150′のその他は、図9に示す係数種データ生成装置150と同様に構成される。
【0196】
次に、図12に示す係数種データ生成装置150′の動作を説明する。
入力端子151には教師信号としてのHD信号(1050i信号)が供給され、そしてこのHD信号に対してSD信号生成回路152で水平および垂直の間引き処理が行われて生徒信号としてのSD信号(525i信号)が生成される。
【0197】
SD信号生成回路152に入力されるパラメータs,zの値が順次変更されることで、HD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が変更されることから、空間方向および時間方向の帯域が段階的に変化した複数のSD信号が生成されていく。
【0198】
この場合、SD信号生成回路152では、履歴情報が入力されるときは、この履歴情報に基づいて入力されたパラメータs,zの値が調整され、調整されたパラメータs,zの値に応じて、上述したようにHD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が可変される。
【0199】
また、SD信号生成回路152で生成されたSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路154で、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路157に供給される。この空間クラス検出回路157では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0200】
また、SD信号生成回路152で生成されたSD信号より、第3のタップ選択回路155で、HD信号に係る注目画素の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路158に供給される。この動きクラス検出回路158では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0201】
このクラス情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路159に供給される。このクラス合成回路159では、これらクラス情報MVと再量子化コードqiとから、HD信号(1050i信号)における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。
【0202】
また、SD信号生成回路152で生成されるSD信号より、第1のタップ選択回路153で、HD信号における注目位置の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。
【0203】
そして、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、正規方程式生成部171では、SD信号生成回路152で生成される各SD信号のそれぞれ対応して、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式((20)式参照)が生成される。
【0204】
そして、係数データ決定部172でその正規方程式が解かれ、各SD信号にそれぞれ対応した、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数データWiが求められる。正規方程式生成部173では、この各SD信号にそれぞれ対応した各クラスの係数データWiから、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数種データw10〜wn9を得るための正規方程式((25)式参照)が生成される。
【0205】
そして、係数種データ決定部174でその正規方程式が解かれ、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数種データw10〜wn9が求められ、その係数種データw10〜wn9は係数種メモリ162に格納される。
【0206】
このように、図12に示す係数種データ生成装置150′においても、図1の画像信号処理部110の情報メモリバンク135に格納される、クラスおよび出力画素(HD1〜HD4,HD1′〜HD4′)の組み合わせ毎の係数種データw10〜wn9を生成することができる。
【0207】
また、この係数種データ生成装置150′においても、SD信号生成回路152では、この履歴情報に基づいて、入力されるパラメータs,zの値が調整され、この調整されたパラメータs,zによって、HD信号からSD信号を得る際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が可変されるものである。したがって、このようにして求められた係数種データw10〜wn9を、テレビ受信機100のバージョンアップ時に新たに装着される画像信号処理部110が含まれる基板の情報メモリバンク135に格納して使用することで、ユーザは、パラメータs,zの値の調整により、過去の解像度調整の重心位置を中心とする範囲(図10の一点鎖線枠AF参照)内で解像度の調整を行うことが可能となる。
【0208】
なお、図1の画像信号処理部110では、係数データWi(i=1〜n)を生成するために(5)式の生成式を使用したが、次数の異なった多項式や、他の関数で表現される式でも実現可能である。
【0209】
また、図1の画像信号処理部110では、空間方向(垂直方向および水平方向)の解像度を定めるパラメータsと時間方向(フレーム方向)の解像度を定めるパラメータzとを設定し、これらパラメータs,zの値を調整することで画像の空間方向および時間方向の解像度を調整し得るものを示したが、その他の画像の質を定めるパラメータを設けるものも同様に構成することができる。例えば、パラメータとしては、垂直方向の解像度を定めるパラメータ、水平方向の解像度を定めるパラメータ、ノイズ除去度を定めるパラメータなど種々考えられる。
【0210】
また、図1の画像信号処理部110では、パラメータs,zの2つのパラメータを調整し得るものを示したが、1個または3個以上のパラメータを取り扱うものも同様に構成することができる。その場合も、履歴情報記憶部130には、それぞれのパラメータの履歴情報が格納されることとなる。そして、図9に示す係数種データ生成部150、あるいは図12に示す係数種データ生成装置150′では、それぞれのパラメータの履歴情報を使用して、上述したと同様の生成処理を行うことができる。
【0211】
なお、図1の画像信号処理部110における処理を、例えば図13に示すような画像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。
まず、図13に示す画像信号処理装置300について説明する。この画像信号処理装置300は、装置全体の動作を制御するCPU301と、このCPU301の動作プログラムや係数種データ等が格納されたROM(read only memory)302と、CPU301の作業領域を構成するRAM(random access memory)303とを有している。これらCPU301、ROM302およびRAM303は、それぞれバス304に接続されている。
【0212】
また、画像信号処理装置300は、外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)305と、フロッピー(登録商標)ディスク306をドライブするドライブ(FDD)307とを有している。これらドライブ305,307は、それぞれバス304に接続されている。
【0213】
また、画像信号処理装置300は、インターネット等の通信網400に有線または無線で接続する通信部308を有している。この通信部308は、インタフェース309を介してバス304に接続されている。
【0214】
また、画像信号処理装置300は、ユーザインタフェース部を備えている。このユーザインタフェース部は、リモコン送信機200からのリモコン信号RMを受信するリモコン信号受信回路310と、LCD(liquid crystal display)等からなるディスプレイ311とを有している。受信回路310はインタフェース312を介してバス304に接続され、同様にディスプレイ311はインタフェース313を介してバス304に接続されている。
【0215】
また、画像信号処理装置300は、SD信号を入力するための入力端子314と、HD信号を出力するための出力端子315とを有している。入力端子314はインタフェース316を介してバス304に接続され、同様に出力端子315はインタフェース317を介してバス304に接続される。
【0216】
ここで、上述したようにROM302に処理プログラムや係数種データ等を予め格納しておく代わりに、例えばインターネットなどの通信網400より通信部308を介してダウンロードし、ハードディスクやRAM303に蓄積して使用することもできる。また、これら処理プログラムや係数種データ等をフロッピー(登録商標)ディスク306で提供するようにしてもよい。
【0217】
また、処理すべきSD信号を入力端子314より入力する代わりに、予めハードディスクに記録しておき、あるいはインターネットなどの通信網400より通信部308を介してダウンロードしてもよい。また、処理後のHD信号を出力端子315に出力する代わり、あるいはそれと並行してディスプレイ311に供給して画像表示をしたり、さらにはハードディスクに格納したり、通信部308を介してインターネットなどの通信網400に送出するようにしてもよい。
【0218】
図14のフローチャートを参照して、図13に示す画像信号処理装置300における、SD信号よりHD信号を得るため処理手順を説明する。
まず、ステップST1で、処理を開始し、ステップST2で、SD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。このSD画素データが入力端子314より入力される場合には、このSD画素データをRAM303に一時的に格納する。また、このSD画素データがハードディスクに記録されている場合には、ハードディスクドライブ305でこのSD画素データを読み出し、RAM303に一時的に格納する。そして、ステップST3で、入力SD画素データの全フレームまたは全フィールドの処理が終わっているか否かを判定する。処理が終わっているときは、ステップST4で、処理を終了する。一方、処理が終わっていないときは、ステップST5に進む。
【0219】
このステップST5では、ユーザのリモコン送信機200の操作によって入力された画質指定値(例えばパラメータs,z)を、例えばRAM303より読み込む。新たな画質指定値が入力されているときは、ステップST6で、例えばハードディスクに格納される履歴情報(図1のテレビ受信機100の履歴情報記憶部130における度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dの記憶内容に相当)を更新する。
【0220】
そして、ステップST7で、読み込んだ画質指定値、クラスおよび出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)の各組み合わせの係数種データを使用して、生成式(例えば(5)式)によって、各組み合わせの推定式((4)式参照)の係数データWiを生成する。
【0221】
次に、ステップST8で、ステップST2で入力されたSD画素データより、生成すべき各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST9で、入力されたSD画素データの全領域においてHD画素データを得る処理が終了したか否かを判定する。終了しているときは、ステップST2に戻り、次のフレームまたはフィールドのSD画素データの入力処理に移る。一方、処理が終了していないときは、ステップST10に進む。
【0222】
このステップST10では、ステップST7で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST11で、そのクラスコードCLに対応した係数データWiと予測タップのSD画素データを使用して、推定式により、HD画素データを生成し、その後にステップST8に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。
【0223】
このように、図14に示すフローチャートに沿って処理をすることで、入力されたSD信号を構成するSD画素データを処理して、HD信号を構成するHD画素データを得ることができる。上述したように、このように処理して得られたHD信号は出力端子315に出力されたり、ディスプレイ311に供給されてそれによる画像が表示されたり、さらにはハードディスクドライブ305に供給されてハードディスクに記録されたりする。
【0224】
上述したように例えばハードディスクに格納される履歴情報は、ステップST7で使用する新たな係数種データを生成する際に利用される。このように新たに生成される係数種データを利用することで、ユーザの好みに合わせた調整範囲での画質調整が可能となる。なお、上述の履歴情報をハードディスクではなく、メモリカードなどの装脱可能なメモリに格納するようにしてもよい。
また、処理装置の図示は省略するが、図9の係数種データ生成装置150における処理を、ソフトウェアで実現することも可能である。
【0225】
図15のフローチャートを参照して、係数種データを生成するための処理手順を説明する。
まず、ステップST21で、処理を開始し、ステップST22で、学習に使われる、画質パターン(例えば、パラメータs,zで特定される)を選択すると共に、その画質パターンを履歴情報に基づいて調整する。そして、ステップST23で、全ての画質パターンに対して学習が終わったか否かを判定する。全ての画質パターンに対して学習が終わっていないときは、ステップST24に進む。
【0226】
このステップST24では、既知のHD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。そして、ステップST25で、全てのHD画素データについて処理が終了したか否かを判定する。終了したときは、ステップST22に戻って、次の画質パターンの選択、調整を行って、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、終了していないときは、ステップST26に進む。
【0227】
このステップST26では、ステップST24で入力されたHD画素データより、ステップST22で調整された画質パターンに基づいて、SD画素データを生成する。そして、ステップST27で、ステップST26で生成されたSD画素データより、ステップST24で入力された各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST28で、生成されたSD画素データの全領域において学習処理を終了しているか否かを判定する。学習処理を終了しているときは、ステップST24に戻って、次のHD画素データの入力を行って、上述したと同様の処理を繰り返し、一方、学習処理を終了していないときは、ステップST29に進む。
【0228】
このステップST29では、ステップST27で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST30で、正規方程式((13)式参照)を生成する。その後に、ステップST27に戻る。
【0229】
また、ステップST23で、全ての画質パターンに対して学習が終わったときは、ステップST31に進む。このステップST31では、正規方程式を掃き出し法等で解くことによって、クラスおよび出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)の各組み合わせの係数種データを算出し、ステップST32で、その係数種データをメモリに保存し、その後にステップST33で、処理を終了する。
【0230】
このように、図15に示すフローチャートに沿って処理をすることで、図9に示す係数種データ生成装置150と同様の手法によって、係数種データを得ることができる。
また、処理装置の図示は省略するが、図12の係数種データ生成装置150′における処理も、ソフトウェアで実現可能である。
【0231】
図16のフローチャートを参照して、係数種データを生成するための処理手順を説明する。
まず、ステップST41で、処理を開始し、ステップST42で、学習に使われる、画質パターン(例えば、パラメータs,zで特定される)を選択すると共に、その画質パターンを履歴情報に基づいて調整する。そして、ステップST43で、全ての画質パターンに対する係数データの算出処理が終了したか否かを判定する。終了していないときは、ステップST44に進む。
【0232】
このステップST44では、既知のHD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。そして、ステップST45で、全てのHD画素データについて処理が終了したか否かを判定する。終了していないときは、ステップST46で、ステップST44で入力されたHD画素データより、ステップST42で調整された画質パターンに基づいて、SD画素データを生成する。
【0233】
そして、ステップST47で、ステップST46で生成されたSD画素データより、ステップST44で入力された各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST48で、生成されたSD画素データの全領域において学習処理を終了しているか否かを判定する。学習処理を終了しているときは、ステップST44に戻って、次のHD画素データの入力を行って、上述したと同様の処理を繰り返し、一方、学習処理を終了していないときは、ステップST49に進む。
【0234】
このステップST49では、ステップST47で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST50で、係数データを得るための正規方程式((20)式参照)を生成する。その後に、ステップST47に戻る。
【0235】
上述したステップST45で、全てのHD画素データについて処理が終了したときは、ステップST51で、ステップST50で生成された正規方程式を掃き出し法などで解いて、クラスおよび出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)の各組み合わせの係数データを算出する。その後に、ステップST42に戻って、次の画質パターンの選択、調整を行って、上述したと同様の処理を繰り返し、次の画質パターンに対応した、各組み合わせの係数データを求める。
【0236】
また、上述のステップST43で、全ての画質パターンに対する係数データの算出処理が終了したときは、ステップST52に進む。このステップST52では、全ての画質パターンに対する係数データから、係数種データを求めるための正規方程式((25)式参照)を生成する。
【0237】
そして、ステップST53で、ステップST52で生成された正規方程式を掃き出し法等で解くことによって、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数種データを算出し、ステップST54で、その係数種データをメモリに保存し、その後にステップST55で、処理を終了する。
【0238】
このように、図16に示すフローチャートに沿って処理をすることで、図12に示す係数種データ生成装置150′と同様の手法によって、係数種データを得ることができる。
【0239】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。
図17は、他の実施の形態としてのテレビ受信機100Aの構成を示している。このテレビ受信機100Aも、放送信号よりSD信号としての525i信号を得、この525i信号をHD信号としての1050i信号に変換し、その1050i信号による画像を表示するものである。この図17において、図1と対応する部分には同一符号を付して示している。
【0240】
テレビ受信機100Aは、図1に示すテレビ受信機100の画像信号処理部110が画像信号処理部110Aに置き換えられたものであって、テレビ受信機100と同様の動作をする。
【0241】
画像信号処理部110Aの詳細を説明する。この画像信号処理部110Aにおいて、図1に示す画像信号処理部110と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0242】
この画像信号処理部110Aは、情報メモリバンク135Aを有している。この情報メモリバンク135Aには、クラス、出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)およびパラメータs,zの値の組み合わせ毎に、係数データWi(i=1〜n)が予め格納されている。この係数データWiの生成方法については後述する。
【0243】
この画像信号処理部110Aの動作を説明する。
バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路122で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第2のタップ選択回路122で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路124に供給される。この空間クラス検出回路124では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0244】
また、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第3のタップ選択回路123で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路125に供給される。この動きクラス検出回路125では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0245】
この動き情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路126に供給される。このクラス合成回路126では、これら動き情報MVと再量子化コードqiとから、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック毎にその単位画素ブロック内の4画素(注目画素)が属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。そして、このクラスコードCLは、係数メモリ134に読み出しアドレス情報として供給される。
【0246】
係数メモリ134には、例えば垂直ブランキング期間に、ユーザによって調整されたパラメータs,zの値に対応した、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数データWiが、システムコントローラ101の制御によって、情報メモリバンク135Aよりロードされて格納される。
【0247】
なお、情報メモリバンク135Aに、調整されたパラメータs,zの値に対応した係数データが蓄えられていない場合には、その調整されたパラメータs,zの値の前後の値に対応した係数データWiを情報メモリバンク135Aより読み出し、それらを用いた補間演算処理によって、調整されたパラメータs,zの値に対応した係数データを得るようにしてもよい。
【0248】
上述したように係数メモリ134にクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給されることで、この係数メモリ134からクラスコードCLに対応した4出力画素(奇数フィールドではHD1〜HD4、偶数フィールドではHD1′〜HD4′)分の推定式の係数データWiが読み出されて推定予測演算回路127に供給される。
【0249】
また、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第1のタップ選択回路121で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。
【0250】
推定予測演算回路127では、予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ134より読み出される4出力画素分の係数データWiとから、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)のデータy1〜y4が演算される((4)式参照)。そして、この推定予測演算回路127より順次出力されるHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素のデータy1〜y4は後処理回路129に供給される。
【0251】
この後処理回路129では、推定予測演算回路127より順次供給される単位画素ブロック内の4画素のデータy1〜y4が線順次化され、1050i信号のフォーマットで出力される。つまり、後処理回路129からは、HD信号としての1050i信号が出力される。
【0252】
このように、画像信号処理部110Aでは、調整されたパラメータs,zの値に対応した推定式の係数データWi(i=1〜n)が使用されて、HD画素データyが演算されるしたがって、ユーザは、パラメータs,zの値を調整することで、HD信号による画像の空間方向および時間方向の解像度を自由に調整できる。
【0253】
また、履歴情報記憶部130には、システムコントローラ101から情報メモリバンク135Aに入力されるパラメータs,zの値が入力される。そして、履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130aおよび経時変化メモリ130d(図7参照)には、システムコントローラ101の制御により、図1に示すテレビ受信機100におけると同様に、パラメータs,zの値の履歴情報が格納される。
【0254】
このように、履歴情報記録部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに格納される履歴情報は、例えばテレビ受信機100Aのバージョンアップ時に画像信号処理部110Aが含まれる基板を取り換える場合において、その情報メモリバンク135Aに格納される係数データWiを生成する際などに利用される。
【0255】
次に、係数データWi(i=1〜n)の生成方法について説明する。
上述では、係数種データの生成方法の他の例として、まずパラメータs,zの値を段階的に可変して得られるSD信号毎に、それを用いた学習によってクラスおよび出力画素の各組み合わせの係数データWiを生成し、次にSD信号毎の各組み合わせの係数データWiを使用して、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数種データw10〜wn9を求めるものを説明した。情報メモリバンク135Aに予め蓄えられる、クラス、出力画素およびパラメータs,zの値の組み合わせ毎の係数データWiは、この係数種データの生成方法における、前半部分と同様の方法で生成することができる。
【0256】
図18は、係数データ生成装置180を示している。この係数データ生成装置180において、図12に示す係数種データ生成装置150′と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0257】
この係数データ生成装置180では、係数メモリ163を有している。この係数メモリ163には、係数データ決定部172で決定された、パラメータs,zの各値に対応した、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数データWiが記憶される。この係数データ生成装置180のその他は、図12に示す係数種データ生成装置150′と同様に構成される。
【0258】
図18に示す係数データ生成装置180の動作を説明する。
入力端子151には教師信号としてのHD信号(1050i信号)が供給され、そしてこのHD信号に対してSD信号生成回路152で水平および垂直の間引き処理が行われて生徒信号としてのSD信号(525i信号)が生成される。
【0259】
SD信号生成回路152に入力されるパラメータs,zの値が順次変更されることで、HD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が変更されることから、空間方向および時間方向の帯域が段階的に変化した複数のSD信号が生成されていく。
【0260】
この場合、SD信号生成回路152では、履歴情報が入力されるときは、この履歴情報に基づいて入力されたパラメータs,zの値が調整され、調整されたパラメータs,zの値に応じて、上述したようにHD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が可変される。
【0261】
また、SD信号生成回路152で生成されたSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路154で、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路157に供給される。この空間クラス検出回路157では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0262】
また、SD信号生成回路152で生成されたSD信号より、第3のタップ選択回路155で、HD信号に係る注目画素の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路158に供給される。この動きクラス検出回路158では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0263】
このクラス情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路159に供給される。このクラス合成回路159では、これらクラス情報MVと再量子化コードqiとから、HD信号(1050i信号)における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。
【0264】
また、SD信号生成回路152で生成されるSD信号より、第1のタップ選択回路153で、HD信号における注目位置の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。
【0265】
そして、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、正規方程式生成部171では、SD信号生成回路152で生成される各SD信号のそれぞれ対応して、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式((20)式参照)が生成される。
【0266】
そして、係数データ決定部172でその正規方程式が解かれ、各SD信号にそれぞれ対応した、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数データWiが求められる。すなわち、係数データ決定部172からは、クラス、出力画素およびパラメータs,zの値の組み合わせ毎の係数データWiが得られる。この係数データWiは係数メモリ163に格納される。
【0267】
このように、図18に示す係数データ生成装置180においては、図17の画像信号処理部110Aの情報メモリバンク135Aに格納される、クラス、出力画素(HD1〜HD4,HD1′〜HD4′)およびパラメータs,zの値の組み合わせ毎の係数データWiを生成することができる。
【0268】
また、この係数データ生成装置180においては、SD信号生成回路152では、履歴情報に基づいて、入力されるパラメータs,zの値が調整され、この調整されたパラメータs,zによって、HD信号からSD信号を得る際に用いられる帯域制限フィルタの空間方向および時間方向の帯域が可変されるものである。したがって、このようにして求められた係数データWiを、テレビ受信機100Aのバージョンアップ時に新たに装着される、画像信号処理部110Aが含まれる基板の情報メモリバンク135Aに格納して使用することで、ユーザは、パラメータs,zの値の調整により、過去の解像度調整の重心位置を中心とする範囲(図10の一点鎖線枠AF参照)内で解像度の調整を行うことが可能となる。
【0269】
なお、図17の画像信号処理部110Aでは、空間方向(垂直方向および水平方向)の解像度を定めるパラメータsと時間方向(フレーム方向)の解像度を定めるパラメータzとを設定し、これらパラメータs,zの値を調整することで画像の空間方向および時間方向の解像度を調整し得るものを示したが、その他の画像の質を定めるパラメータを設けるものも同様に構成することができる。例えば、パラメータとしては、垂直方向の解像度を定めるパラメータ、水平方向の解像度を定めるパラメータ、ノイズ除去度を定めるパラメータなど種々考えられる。
【0270】
また、図17の画像信号処理部110Aでは、パラメータs,zの2つのパラメータを調整し得るものを示したが、1個または3個以上のパラメータを取り扱うものも同様に構成することができる。その場合も、履歴情報記憶部130には、それぞれのパラメータの履歴情報が格納されることとなる。そして、図18に示す係数種データ生成部180では、それぞれのパラメータの履歴情報を使用して、上述したと同様の生成処理を行うことができる。
【0271】
また、図17の画像信号処理部110Aにおける処理を、図1の画像信号処理部110における処理と同様に、例えば図13に示す画像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。この場合、ROM302等に、係数データが予め格納されて使用される。
【0272】
図19のフローチャートを参照して、図13に示す画像信号処理装置300における、SD信号よりHD信号を得るための処理手順を説明する。
まず、ステップST61で、処理を開始し、ステップS62で、SD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。このSD画素データが入力端子314より入力される場合には、このSD画素データをRAM303に一時的に格納する。また、このSD画素データがハードディスクに記録されている場合には、ハードディスクドライブ305でこのSD画素データを読み出し、RAM303に一時的に格納する。そして、ステップST63で、入力SD画素データの全フレームまたは全フィールドの処理が終わっているか否かを判定する。処理が終わっているときは、ステップST64で、処理を終了する。一方、処理が終わっていないときは、ステップST65に進む。
【0273】
このステップST65では、ユーザがリモコン送信機200を操作して入力した画質指定値(例えばパラメータs,zの値など)を例えばRAM303より読み込む。新たな画質指定値が入力されているときは、ステップST66で、例えばハードディスクに格納される履歴情報(図17のテレビ受信機100Aの履歴情報記憶部130における度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dの記憶内容に相当)を更新する。そして、ステップST67で、読み込んだ画質指定値に基づいて、ROM302等からその画質指定値に対応した、クラスおよび出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)の各組み合わせの係数データWiを読み出し、RAM303に一時的に格納する。
【0274】
次に、ステップST68で、ステップST62で入力されたSD画素データより、生成すべき各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST69で、入力されたSD画素データの全領域においてHD画素データを得る処理が終了したか否かを判定する。終了しているときは、ステップST62に戻り、次のフレームまたはフィールドのSD画素データの入力処理に移る。一方、処理が終了していないときは、ステップST70に進む。
【0275】
このステップST70では、ステップST68で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST71で、そのクラスコードCLに対応した係数データと予測タップのSD画素データを使用して、推定式により、HD画素データを生成し、その後にステップST68に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。
【0276】
このように、図19に示すフローチャートに沿って処理をすることで、入力されたSD信号を構成するSD画素データを処理して、HD信号を構成するHD画素データを得ることができる。上述したように、このように処理して得られたHD信号は出力端子315に出力されたり、ディスプレイ311に供給されてそれによる画像が表示されたり、さらにはハードディスクドライブ305に供給されてハードディスクに記録されたりする。
【0277】
上述したように例えばハードディスクに格納される履歴情報は、ステップST67で使用する新たな係数データを生成する際に利用される。このように新たに生成される係数データを利用することで、ユーザの好みに合わせた調整範囲での画質調整が可能となる。なお、上述の履歴情報をメモリカードなどの装脱可能なメモリに格納するようにしてもよい。
また、処理装置の図示は省略するが、図18の係数データ生成装置180における処理も、ソフトウェアで実現可能である。
【0278】
図20のフローチャートを参照して、係数データを生成するための処理手順を説明する。
まず、ステップST81で、処理を開始し、ステップST82で、学習に使われる、画質パターン(例えば、パラメータs,zで特定される)を選択すると共に、その画質パターンを履歴情報に基づいて調整する。そして、ステップST83で、全ての画質パターンに対する係数データの算出処理が終了したか否かを判定する。終了していないときは、ステップST84に進む。
【0279】
このステップST84では、既知のHD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。そして、ステップST85で、全てのHD画素データについて処理が終了したか否かを判定する。終了していないときは、ステップST86で、ステップST84で入力されたHD画素データより、ステップST82で調整された画質パターンに基づいて、SD画素データを生成する。
【0280】
そして、ステップST87で、ステップST86で生成されたSD画素データより、ステップST84で入力された各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST88で、生成されたSD画素データの全領域において学習処理を終了しているか否かを判定する。学習処理を終了しているときは、ステップST84に戻って、次のHD画素データの入力を行って、上述したと同様の処理を繰り返し、一方、学習処理を終了していないときは、ステップST89に進む。
【0281】
このステップST89では、ステップST87で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST90で、係数データを得るための正規方程式((20)式参照)を生成する。その後に、ステップST87に戻る。
【0282】
上述したステップST85で、全てのHD画素データについて処理が終了したときは、ステップST91で、ステップST90で生成された正規方程式を掃き出し法などで解いて、クラスおよび出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)の各組み合わせの係数データを算出する。その後に、ステップST82に戻って、次の画質パターンを選択、調整を行って、上述したと同様の処理を繰り返し、次の画質パターンに対応した、各組み合わせの係数データを求める。
【0283】
また、上述のステップST83で、全ての画質パターンに対する係数データの算出処理が終了したときは、ステップST92で、全ての画質パターンに対する各クラスの係数データをメモリに保存し、その後にステップST93で、処理を終了する。
このように、図20に示すフローチャートに沿って処理をすることで、図18に示す係数データ生成装置180と同様の手法によって、係数データを得ることができる。
【0284】
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。
図21は、他の実施の形態としてのテレビ受信機100Bの構成を示している。このテレビ受信機100Bも、放送信号よりSD信号としての525i信号を得、この525i信号をHD信号としての1050i信号に変換し、その1050i信号による画像を表示するものである。この図21において、図1と対応する部分には同一符号を付して示している。
【0285】
テレビ受信機100Bは、図1に示すテレビ受信機100の画像信号処理部110が画像信号処理部110Bに置き換えられたものであって、テレビ受信機100と同様の動作をする。
【0286】
画像信号処理部110Bの詳細を説明する。この画像信号処理部110Bにおいて、図1に示す画像信号処理部110と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0287】
この画像信号処理部110Bは、情報メモリバンク135Bを有している。この情報メモリバンク135Bには、クラスおよび出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)の組み合わせ毎に、推定式((4)式参照)で用いられる係数データWi(i=1〜n)を生成するための生成式((5)式参照)における係数データである係数種データw10〜wn9が、格納されている。この係数種データw10〜wn9の生成方法については後述する。
【0288】
また、この情報メモリバンク135Bには、格納されている係数種データw10〜wn9に関連して、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップのタップ位置情報が格納されている。このタップ位置情報は、係数種データw10〜wn9を生成した際の生成装置における予測タップの位置情報である。システムコントローラ101は、このように、情報メモリバンク135Bに格納されているタップ位置情報に基づいて、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップの位置を、係数種データw10〜wn9を生成した際の生成装置における予測タップの位置と等しくなるように切り換える。
【0289】
ここで、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップの位置は、水平方向、垂直方向、時間方向に亘っている。本実施の形態においては、情報メモリバンク135Bに格納されるタップ位置情報に基づいて、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプのいずれかに、予測タップの位置が切り換えられる。
【0290】
図22A〜Cは、それぞれA〜Cタイプの予測タップ位置を示している。ここで、「○」は選択される予測タップの位置を示している。また、F0は、作成すべきHD信号の画素データ(注目位置の画素データ)が存在するフィールドであり、このフィールドF0に中心予測タップTPが存在する。また、F-1は、フィールドF0より前のフィールドであり、F+1は、フィールドF0より後のフィールドである。
【0291】
図22Aに示すAタイプの予測タップ位置は、空間方向(垂直方向および水平方向)の予測タップの個数を多くしたものである。これにより、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度に比べて、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度が精度よく創造されるものとなる。図22Cに示すCタイプの予測タップ位置は、時間方向の予測タップの個数を多くしたものである。これにより、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度に比べて、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度が精度よく創造されるものとなる。図22Bに示すBタイプの予測タップ位置は、AタイプとBタイプの中間である。なお、A〜Cタイプのそれぞれにおいて予測タップの個数は等しくされている。
【0292】
図21に戻って、画像信号処理部110Bのその他の構成は、図1の画像信号処理部110の構成と同様である。
【0293】
詳細説明は省略するが、このように構成される画像信号処理部110Bの動作は、図1の画像信号処理部110の動作と全く同様である。
すなわち、SD信号(525i信号)をHD信号(1050i信号)に変換することができる。また、ユーザは、パラメータs,zの値を調整することで、HD信号による画像の空間方向および時間方向の解像度を自由に調整できる。
【0294】
また、履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a(図7参照)には、システムコントローラ101から係数生成回路136に入力されるパラメータs,zの値のそれぞれの度数分布の情報が格納される。また、履歴情報記憶部130の経時変化メモリ130d(図7参照)には、システムコントローラ101から係数生成回路136に入力されるパラメータs,zの値のうち、所定数、例えば10個の最新のパラメータs,zの値が格納される。
【0295】
このように、履歴情報記録部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに格納される履歴情報は、例えばテレビ受信機100Bのバージョンアップ時に画像信号処理部110Bが含まれる基板を取り換える場合において、その情報メモリバンク135Bに格納される係数種データw10〜wn9を生成する際などに利用される。
【0296】
情報メモリバンク135Bに格納される係数種データw10〜wn9は、図1の画像信号処理部110の情報メモリバンク135に格納される係数種データw10〜wn9と同様の方法で生成される。
【0297】
図23は、上述したテレビ受信機100Bの情報メモリバンク135Bに格納される係数種データw10〜wn9を生成するための係数種データ生成装置150Bの構成を示している。この図23において、図9と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0298】
この係数種データ生成装置150Bは、入力端子151に入力されるHD信号に対して水平および垂直の間引き処理を行って、生徒信号としてのSD信号を得るSD信号生成回路152Bを有している。このSD信号生成回路152Bには、上述したテレビ受信機100B(図21参照)におけるパラメータs,zの値と対応した、パラメータs,zの値が入力される。しかし、図9の係数種データ生成装置150におけるSD信号生成回路152とは異なり、履歴情報は入力されない。
【0299】
したがって、このSD信号生成回路152Bでは、入力されたパラメータs,zの値が調整されることはなく、入力されたパラメータs,zの値そのものに応じて、HD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの、空間方向および時間方向の帯域が可変される。
【0300】
また、係数種データ生成装置150Bは、SD信号生成回路152より出力されるSD信号(525i信号)より、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)xiを選択的に取り出す第1のタップ選択回路153Bを有している。
【0301】
この第1のタップ選択回路153Bには、図9の係数種データ生成装置150における第1のタップ選択回路153とは異なり、上述したテレビ受信機100Bの履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130d(図7参照)に格納されている、入力されたパラメータs,zの値の履歴情報が供給される。
【0302】
なお、使用開始前のテレビ受信機100Bの情報メモリバンク135Bに格納される係数種データw10〜wn9を生成する際には、いまだ履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに履歴情報が格納されていないので、第1のタップ選択回路153Bに履歴情報は入力されない。つまり、第1のタップ選択回路153Bに履歴情報が入力されるのは、例えばテレビ受信機100Bのバージョンアップ時に、画像信号処理部110Bが含まれる基板を取り換える場合であって、その情報メモリバンク135Bに格納される係数種データw10〜wn9を生成する際などである。
【0303】
第1のタップ選択回路153Bでは、履歴情報に基づいて、予測タップ位置は、図22A〜Cに示すA〜Cタイプのいずれかに切り換えられる。
履歴情報の入力がないときは、図22Bに示すBタイプとされる。この場合、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度と、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度とが、それぞれ一定の精度で創造されるように、係数種データw10〜wn9が生成される。
【0304】
履歴情報が入力される場合、第1のタップ選択回路153Bでは、パラメータs,zの値のそれぞれにおける度数分布の情報が用いられて重心位置が求められる。この場合、所定数の最新のパラメータs,zの値に対応する値で新しいほど大きな重み付けがされる。そして、第1のタップ選択回路152Bでは、この重心位置に応じて、予測タップ位置のタイプが選択される。
【0305】
上述のテレビ受信機100Bでは、ユーザの操作によってパラメータs,zの値が、例えばそれぞれ0〜8の範囲内で、所定のステップをもって調整され、空間方向および時間方向の解像度の調整が行われる。
【0306】
上述の重心位置が図24のARaの範囲に存在し、ユーザが空間方向の解像度に重きを置いた調整を行っていると想定されるときは、図22Aに示すAタイプが選択される。この場合、空間方向(垂直方向および水平方向)の予測タップの個数が多くなるため、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度に比べて、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度が精度よく創造されるように、係数種データw10〜wn9が生成される。
【0307】
また、この重心位置が図24のARbの範囲に存在し、ユーザが空間方向および時間方向の解像度の一方にのみ重きを置いた調整を行っているとは想定されないときは、図22Bに示すBタイプが選択される。この場合、上述の履歴情報の入力がない場合と同様に、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度と、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度とが、それぞれ一定の精度で創造されるように、係数種データw10〜wn9が生成される。
【0308】
さらに、この重心位置が図24のARcの範囲に存在し、ユーザが空間方向の解像度に重きを置いた調整を行っていると想定されるときは、図22Cに示すCタイプが選択される。例えば、テレビ受信機100Bにおけるパラメータs,zの調整位置が、図24に「×」印で示す位置にある場合には、重心位置はARcの範囲に存在するため、図22Cに示すCタイプが選択されることとなる。
【0309】
この場合、時間方向の予測タップの個数が多くなるため、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度に比べて、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度が精度よく創造されるように、係数種データw10〜wn9が生成される。
【0310】
係数種データ生成装置150Bのその他の構成は、図9の係数種データ生成装置150と同様である。詳細説明は省略するが、このように構成される係数種データ150Bの動作は、図9の係数種データ生成装置150と同様であり、図21に示すテレビ受信機100Bの情報メモリバンク135Bに格納される係数種データw10〜wn9を良好に生成することができる。なお、上述したテレビ受信機100Bの情報メモリバンク135Bに格納されるタップ位置情報は、このように係数種データ生成装置150Bで係数種データw10〜wn9を生成した際におけるタップ位置の情報である。
【0311】
このようにして求められた係数種データw10〜wn9を、テレビ受信機100Bのバージョンアップ時に新たに装着される画像信号処理部110Bが含まれる基板の情報メモリバンク135Bに格納して使用することで、ユーザが過去に空間方向の解像度に重きを置いている場合には空間方向の解像度が精度よく創造されるようになり、一方ユーザが過去に時間方向の解像度に重きを置いている場合には時間方向の解像度が精度よく創造される。すなわち、ユーザの好みに合わせた解像度創造を行うことができる。
【0312】
なお、図23に示す係数種データ生成装置150Bは、図9に示す係数種データ生成装置150に対応したものであったが、図12に示す係数種データ生成装置150′に対応する係数種データ生成装置によっても、テレビ受信機100Bの情報メモリバンク135Bに格納される係数種データw10〜wn9を生成することができる。この場合、係数種データ生成装置150′におけるSD信号生成回路152および第1のタップ選択回路153の部分を、図23に示す係数種データ生成装置150BにおけるSD信号生成回路152Bおよび第1のタップ選択回路153Bに置き換えればよい。
【0313】
また、図21の画像信号処理部110Bでは、空間方向(垂直方向および水平方向)の解像度を定めるパラメータsと時間方向(フレーム方向)の解像度を定めるパラメータzとを設定し、これらパラメータs,zの値を調整することで画像の空間方向および時間方向の解像度を調整し得るものを示したが、その他の2以上の方向の解像度を調整し得るものも同様に構成することができる。例えば、垂直方向および水平方向の解像度を調整するもの、あるいは垂直方向、水平方向および時間方向の解像度を調整するものである。
【0314】
また、図21の画像信号処理部110Bでは、第1のタップ選択回路121で選択できる予測タップのタップ位置のタイプは図22A〜Cの3タイプであったが、選択し得るタップ位置のタイプの個数はこれに限定されるものではない。
【0315】
また、図21の画像信号処理部110Bにおける処理を、例えば図13に示すような画像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。この場合の画像信号処理は、基本的には、図14に示すフローチャートに沿って行われるが、ステップST8で予測タップの画素データを取得する際に、予測タップの画素位置は、ステップST7で使用される係数種データw10〜wn9が生成された際の生成装置における予測タップの位置と等しくされる。
【0316】
また、処理装置の図示は省略するが、図23の係数種データ生成装置150Bにおける処理も、ソフトウェアで実現可能である。この場合の係数種データ生成処理は、基本的には、図15に示すフローチャートに沿って行われるが、ステップST22では、画質パターン(パラメータs,zで特定される)の選択のみ行われ、履歴情報による調整は行われない。また、ステップST27で予測タップの画素データを取得する際、その予測タップの画素位置は履歴情報に基づいて選択される。
【0317】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。
図25は、他の実施の形態としてのテレビ受信機100Cの構成を示している。このテレビ受信機100Cも、放送信号よりSD信号としての525i信号を得、この525i信号をHD信号としての1050i信号に変換し、その1050i信号による画像を表示するものである。この図25において、図17と対応する部分には同一符号を付して示している。
【0318】
テレビ受信機100Cは、図17に示すテレビ受信機100Aの画像信号処理部110Aが画像信号処理部110Cに置き換えられたものであって、テレビ受信機100Aと同様の動作をする。
【0319】
画像信号処理部110Cの詳細を説明する。この画像信号処理部110Cにおいて、図17に示す画像信号処理部110Aと対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0320】
この画像信号処理部110Cは、情報メモリバンク135Cを有している。この情報メモリバンク135Cには、クラス、出力画素(図5のHD1〜HD4、図6のHD1′〜HD4′参照)およびパラメータs,zの値の組み合わせ毎に、係数データWi(i=1〜n)が予め格納されている。この係数データWiの生成方法については後述する。
【0321】
また、この情報メモリバンク135Cには、格納されている係数データWi(i=1〜n)に関連して、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップのタップ位置情報が格納されている。このタップ位置情報は、係数データWiを生成した際の生成装置における予測タップの位置情報である。システムコントローラ101は、このように、情報メモリバンク135Cに格納されているタップ位置情報に基づいて、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップの位置を、係数データWiを生成した際の生成装置における予測タップの位置と等しくなるように切り換える。
【0322】
ここで、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップの位置は、水平方向、垂直方向、時間方向に亘っている。この予測タップの位置は、図21の画像信号処理部110Bにおけると同様に、情報メモリバンク135Cに格納されるタップ位置情報に基づいて、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプのいずれかに切り換えられる。
画像信号処理部110Cのその他の構成は、図17の画像信号処理部110Aの構成と同様である。
【0323】
詳細説明は省略するが、このように構成される画像信号処理部110Cの動作は、図17の画像信号処理部110Aの動作と全く同様である。
すなわち、SD信号(525i信号)をHD信号(1050i信号)に変換することができる。また、ユーザは、パラメータs,zの値を調整することで、HD信号による画像の空間方向および時間方向の解像度を自由に調整できる。
【0324】
また、履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a(図7参照)には、システムコントローラ101から情報メモリバンク135Cに入力されるパラメータs,zの値のそれぞれの度数分布の情報が格納される。また、履歴情報記憶部130の経時変化メモリ130d(図7参照)には、システムコントローラ101から情報メモリバンク135Cに入力されるパラメータs,zの値のうち、所定数、例えば10個の最新のパラメータs,zの値が格納される。
【0325】
このように、履歴情報記録部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに格納される履歴情報は、例えばテレビ受信機100Cのバージョンアップ時に画像信号処理部110Cが含まれる基板を取り換える場合において、その情報メモリバンク135Cに格納される係数データWiを生成する際などに利用される。
【0326】
情報メモリバンク135Cに格納される係数データWi(i=1〜n)は、図17の画像信号処理部110Aの情報メモリバンク135Aに格納される係数データWiと同様の方法で生成される。
【0327】
図26は、上述したテレビ受信機100Cの情報メモリバンク135Cに格納される係数データWiを生成するための係数データ生成装置180Cの構成を示している。この図26において、図18と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0328】
この係数種データ生成装置180Cは、入力端子151に入力されるHD信号に対して水平および垂直の間引き処理を行って、生徒信号としてのSD信号を得るSD信号生成回路152Cを有している。このSD信号生成回路152Cには、上述したテレビ受信機100C(図25参照)におけるパラメータs,zの値と対応した、パラメータs,zの値が入力される。しかし、図18の係数データ生成装置180におけるSD信号生成回路152とは異なり、履歴情報は入力されない。
【0329】
したがって、このSD信号生成回路152Cでは、入力されたパラメータs,zの値が調整されることはなく、入力されたパラメータs,zの値そのものに応じて、HD信号からSD信号を生成する際に用いられる帯域制限フィルタの、空間方向および時間方向の帯域が可変される。
【0330】
また、係数データ生成装置180Cは、SD信号生成回路152Cより出力されるSD信号(525i信号)より、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)xiを選択的に取り出す第1のタップ選択回路153Cを有している。
【0331】
この第1のタップ選択回路153Cには、図18の係数データ生成装置180における第1のタップ選択回路153とは異なり、上述したテレビ受信機100Cの履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130d(図7参照)に格納されている、入力されたパラメータs,zの値の履歴情報が供給される。
【0332】
なお、使用開始前のテレビ受信機100Cの情報メモリバンク135Cに格納される係数データWiを生成する際には、いまだ履歴情報記憶部130の度数分布メモリ130a、経時変化メモリ130dに履歴情報が格納されていないので、第1のタップ選択回路153Cに履歴情報は入力されない。つまり、第1のタップ選択回路153Cに履歴情報が入力されるのは、例えばテレビ受信機100Cのバージョンアップ時に、画像信号処理部110Cが含まれる基板を取り換える場合であって、その情報メモリバンク135Cに格納される係数データWiを生成する際などである。
【0333】
第1タップ選択回路153Cでは、履歴情報に基づいて、予測タップ位置は、図22A〜Cに示すA〜Cタイプのいずれかに切り換えられる。
履歴情報の入力がないときは、図22Cに示すBタイプとされる。この場合、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度と、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度とが、それぞれ一定の精度で創造されるように、係数データWiが生成される。
【0334】
履歴情報が入力される場合、第1のタップ選択回路153Cでは、パラメータs,zの値のそれぞれにおける度数分布の情報が用いられて重心位置が求められる。この場合、所定数の最新のパラメータs,zの値に対応する値で新しいほど大きな重み付けがされる。そして、第1のタップ選択回路152Cでは、この重心位置に応じて、予測タップ位置のタイプが選択される。
【0335】
上述のテレビ受信機100Cでは、ユーザの操作によってパラメータs,zの値が、例えばそれぞれ0〜8の範囲内で、所定のステップをもって調整され、空間方向および時間方向の解像度の調整が行われる。
【0336】
上述の重心位置が図24のARaの範囲に存在し、ユーザが空間方向の解像度に重きを置いた調整を行っていると想定されるときは、図22Aに示すAタイプが選択される。この場合、空間方向(垂直方向および水平方向)の予測タップの個数が多くなるため、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度に比べて、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度が精度よく創造されるように、係数データWiが生成される。
【0337】
また、この重心位置が図24のARbの範囲に存在し、ユーザが空間方向および時間方向の解像度の一方にのみ重きを置いた調整を行っているとは想定されないときは、図22Bに示すBタイプが選択される。この場合、上述の履歴情報の入力がない場合と同様に、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度と、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度とが、それぞれ一定の精度で創造されるように、係数データWiが生成される。
【0338】
さらに、この重心位置が図24のARcの範囲に存在し、ユーザが空間方向の解像度に重きを置いた調整を行っていると想定されるときは、図22Cに示すCタイプが選択される。この場合、時間方向の予測タップの個数が多くなるため、パラメータsの値で定められる空間方向の解像度に比べて、パラメータzの値で定められる時間方向の解像度が精度よく創造されるように、係数データWiが生成される。
【0339】
係数データ生成装置180Cのその他の構成は、図18の係数データ生成装置180と同様である。詳細説明は省略するが、このように構成される係数データ生成装置180Cの動作は、図18の係数データ生成装置180と同様であり、図25に示すテレビ受信機100Cの情報メモリバンク135Cに格納される係数データWiを良好に生成することができる。なお、上述したテレビ受信機100Cの情報メモリバンク135Cに格納されるタップ位置情報は、このように係数データ生成装置180Cで係数データWiを生成した際におけるタップ位置の情報である。
【0340】
このようにして求められた係数データWiを、テレビ受信機100Cのバージョンアップ時に新たに装着される、画像信号処理部110Cが含まれる基板の情報メモリバンク135Cに格納して使用することで、ユーザが過去に空間方向の解像度に重きを置いている場合には空間方向の解像度が精度よく創造されるようになり、一方ユーザが過去に時間方向の解像度に重きを置いている場合には時間方向の解像度が精度よく創造される。すなわち、ユーザの好みに合わせた解像度創造を行うことができる。
【0341】
なお、図25の画像信号処理部110Cでは、空間方向(垂直方向および水平方向)の解像度を定めるパラメータsと時間方向(フレーム方向)の解像度を定めるパラメータzとを設定し、これらパラメータs,zの値を調整することで画像の空間方向および時間方向の解像度を調整し得るものを示したが、その他の2以上の方向の解像度を調整し得るものも同様に構成することができる。例えば、垂直方向および水平方向の解像度を調整するもの、あるいは垂直方向、水平方向および時間方向を調整するものである。
【0342】
また、図25の画像信号処理部110Cでは、第1のタップ選択回路121で選択できる予測タップのタップ位置のタイプはA〜Cの3タイプであったが、選択し得るタップ位置のタイプの個数はこれに限定されるものではない。
【0343】
また、図25の画像信号処理部110Cにおける処理を、例えば図13に示すような画像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。この場合の画像信号処理は、基本的には、図19に示すフローチャートに沿って行われるが、ステップST68で予測タップの画素データを取得する際に、予測タップの画素位置は、ステップST67で読み出される係数データWiが生成された際の生成装置における予測タップの位置と等しくされる。
【0344】
また、処理装置の図示は省略するが、図26の係数データ生成装置180Cにおける処理も、ソフトウェアで実現可能である。この場合の係数データ生成処理は、基本的には、図20に示すフローチャートに沿って行われるが、ステップST82では、画質パターン(パラメータs,zで特定される)の選択のみ行われ、履歴情報による調整は行われない。また、ステップST87で予測タップの画素データを取得する際、その予測タップの画素位置は履歴情報に基づいて選択される。
【0345】
なお、上述した図1、図17、図21および図25に示すテレビ受信機においては、HD信号を生成する際の推定式として線形一次方程式を使用したものを挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば推定式として高次方程式を使用するものであってもよい。
【0346】
また、上述した図1、図17、図21および図25に示すテレビ受信機においては、SD信号(525i信号)をHD信号(1050i信号)に変換する例を示したが、この発明はそれに限定されるものでなく、推定式を使用して第1の画像信号を第2の画像信号に変換するその他の場合にも同様に適用できることは勿論である。
【0347】
また、上述した図1、図17、図21および図25に示すテレビ受信機においては、情報信号が画像信号である場合を示したが、この発明はこれに限定されない。例えば、情報信号が音声信号である場合にも、この発明を同様に適用することができる
また、上記した図9、図12、図18、図23および図26の生成装置においては、SD信号生成回路により、教師信号としてのHD信号から生徒信号としてのSD信号を生成して、学習を行う例を示した。しかし、HD信号とSD信号とを同時に取得できる撮像装置を利用するなどして、独立して得られたHD信号とSD信号を用いて学習を行ってもよい。
【0348】
【発明の効果】
この発明によれば、第1の情報信号を第2の情報信号に変換する際に、入力されるパラメータの値に対応して第2の情報信号が生成されるようにし、当該第2の情報信号によって得られる出力の質をユーザが自由に調整し得るものにあって、入力されるパラメータの値に関連する履歴情報を格納しておくものであり、例えば、この履歴情報に基づいて、推定式で用いられる係数データを生成するための生成式における係数データである係数種データを生成することで、ユーザの嗜好に合わせた調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態としてのテレビ受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】525i信号と1050i信号の画素位置関係を示す図である。
【図3】画質を調整するためのユーザインタフェース例を示す図である。
【図4】調整画面を拡大して示した図である。
【図5】HD信号(1050i信号)の単位画素ブロック内の4画素の中心予測タップからの位相ずれ(奇数フィールド)を示す図である。
【図6】HD信号(1050i信号)の単位画素ブロック内の4画素の中心予測タップからの位相ずれ(偶数フィールド)を示す図である。
【図7】履歴情報記憶部の構成を示すブロック図である。
【図8】係数種データの生成方法の一例を示す図である。
【図9】係数種データ生成装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】解像度調整範囲の変化を説明するための図である。
【図11】係数種データの生成方法の他の例を示す図である。
【図12】係数種データ生成装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図13】ソフトウェアで実現するための画像信号処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図14】画像信号処理を示すフローチャートである。
【図15】係数種データ生成処理(その1)を示すフローチャートである。
【図16】係数種データ生成処理(その2)を示すフローチャートである。
【図17】他の実施の形態としてのテレビ受信機の構成を示すブロック図である。
【図18】係数データ生成装置の構成例を示すブロック図である。
【図19】画像信号処理を示すフローチャートである。
【図20】係数データ生成処理を示すフローチャートである。
【図21】さらに他の実施の形態としてのテレビ受信機の構成を示すブロック図である。
【図22】予測タップの変更を説明するための図である。
【図23】係数種データ生成装置の構成例を示すブロック図である。
【図24】ユーザ調整範囲を示す図である。
【図25】他の実施の形態としてのテレビ受信機の構成を示すブロック図である。
【図26】係数データ生成装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100,100A,100B,100C・・・テレビ受信機、101・・・システムコントローラ、102・・・リモコン信号受信回路、105・・・受信アンテナ、106・・・チューナ、110,110A,110B,110C・・・画像信号処理部、111・・・ディスプレイ部、112・・・OSD回路、121・・・第1のタップ選択回路、122・・・第2のタップ選択回路、123・・・第3のタップ選択回路、124・・・空間クラス検出回路、125・・・動きクラス検出回路、126・・・クラス合成回路、127・・・推定予測演算回路、128・・・正規化演算回路、129・・・後処理回路、130・・・履歴情報記憶部、130a・・・度数分布メモリ、130b・・・カウンタ、130c・・・平均化部、130d・・・経時変化メモリ、134・・・係数メモリ、135,135A,135B,135C・・・情報メモリバンク、136・・・係数生成回路、137・・・正規化係数演算部、138・・・正規化係数メモリ、150,150′,150B・・・係数種データ生成装置,151・・・入力端子、152,152B,152C・・・SD信号生成回路、153,153B,153C・・・第1のタップ選択回路、154・・・第2のタップ選択回路、155・・・第3のタップ選択回路、157・・・空間クラス検出回路、158・・・動きクラス検出回路、159・・・クラス合成回路、160,171,173・・・正規方程式生成部、161,174・・・係数種データ決定部、162・・・係数種メモリ、172・・・係数データ決定部、180,180C・・・係数データ生成装置、200・・・リモコン送信機、300・・・画像信号処理装置

Claims (38)

  1. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する情報信号処理装置であって、
    上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、
    上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定め、上記出力の品質を所定の範囲で調整するためのパラメータの値が入力されるパラメータ入力手段と、
    上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する推定式の係数であって、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値ごとに予め算出された係数から、上記パラメータに対応した係数をロードすることにより、
    または、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値を代入することで上記推定式の係数を算出する生成式における係数である係数種データ、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値、及び上記生成式を用いて、上記推定式の係数を算出することにより、
    上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応した係数データを発生する係数データ発生手段と、
    上記係数データ発生手段で発生された係数データ及び上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データと、上記推定式とを用いることで、上記注目位置の情報データを算出して得る演算手段と、
    上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を格納する第1の記憶手段とを備え、
    上記係数データ発生手段によりロードされる上記係数データおよび上記係数種データは、上記所定の範囲の出力の品質を有する上記第2の情報信号を生成するためのデータであり、
    上記所定の範囲は、過去の上記履歴情報に基づいて決定される過去の上記出力の品質の調整範囲の重心位置を中心とする品質の範囲である
    ことを特徴とする情報信号処理装置。
  2. 上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスを検出するクラス検出手段と、
    上記クラス検出手段で検出されるクラス毎に求められた、上記係数データを生成する上記パラメータを含む上記生成式における係数データである係数種データを格納する第2の記憶手段とをさらに備え、
    上記係数データ発生手段は、上記第2の記憶手段に格納されている係数種データと上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値とを用いて上記生成式によって生成され、上記クラス検出手段で検出されたクラスおよび上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応した上記推定式の係数データを発生する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  3. 上記係数データ発生手段で発生される上記推定式の係数データの総和を求める加算手段と、
    上記演算手段で得られた上記注目画素の情報データを上記総和で除算して正規化することにより、上記係数データの丸め誤差による上記情報データのレベル変動を除去した情報データを生成する正規化手段と、
    上記正規化手段で正規化されることによりレベル変動が除去された上記情報データを線順次化して、上記第2の情報信号のフォーマットで出力する後処理手段とをさらに備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報信号処理装置。
  4. 上記情報信号は画像信号であり、
    上記パラメータ入力手段には、空間方向および時間方向の解像度をそれぞれ指示する複数のパラメータの値が入力され、
    上記第2のデータ選択手段で選択される上記複数の第2の情報データの位置は、上記方向に亘っており、
    上記パラメータの値が空間方向の解像度に重きを置いた第1の調整を行う値であるとき、空間方向の画素の個数が多くなるように、上記空間方向および時間方向に存在する上記複数の第2の情報データのタップ位置を切り換え、
    上記パラメータの値が時間方向の解像度に重きを置いた第2の調整を行う値であるとき、時間方向の画素の個数が多くなるように、上記空間方向および時間方向に存在する上記複数の第2の情報データのタップ位置を切り換え、
    上記パラメータの値が空間方向および時間方向の解像度の何れにも重きを置いていない第3の調整を行う値であるとき、上記空間方向および時間方向における画素の個数が、上記第1の調整においてタップする画素の個数と上記第2の調整においてタップする画素の個数との間の個数となるように上記空間方向および時間方向に存在する上記複数の第2の情報データのタップ位置を切り換えるデータ位置切換手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報信号処理装置。
  5. 上記空間方向は、水平方向および垂直方向であることを特徴とする請求項4に記載の情報信号処理装置。
  6. 上記第2の記憶手段には、上記係数種データの他に、上記データ位置切換手段におけるデータ位置の切り換え情報が格納されることを特徴とする請求項2に記載の情報信号処理装置。
  7. 上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスを検出するクラス検出手段と、
    上記クラス検出手段で検出されるクラスおよび上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値の組み合わせ毎に予め生成された推定式の係数データを格納する第2の記憶手段とをさらに備え、
    上記係数データ発生手段は、上記クラス検出手段で検出されたクラスおよび上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応した上記推定式の係数データを発生する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  8. 上記第1の記憶手段は、上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値の度数分布の情報を格納することを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  9. 上記第1の記憶手段は、
    上記パラメータ入力手段へのパラメータの値の入力回数をカウントするカウンタと、
    上記カウンタのカウント値に基づいて、上記パラメータの各値における度数を平均化する平均化部と、
    上記平均化部で平均化された上記パラメータの各値における度数からなる度数分布を格納する度数分布格納部とを有することを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  10. 上記第1の記憶手段は、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値のうち、所定数の最新のパラメータの値を格納することを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  11. 上記第1の記憶手段は、上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値の度数分布の情報を格納すると共に、上記パラメータの入力手段に入力されたパラメータの値のうち所定数の最新のパラメータの値を格納することを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  12. 上記情報信号は画像信号または音声信号であることを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  13. 上記第1の記憶手段は、装脱可能なメモリ手段であることを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  14. 複数の画素データからなる第1の画像信号が入力される画像信号入力手段と、
    上記画像信号入力手段に入力された上記第1の画像信号をより高品質な複数の画素データからなる第2の画像信号に変換して出力する画像信号処理手段と、
    上記画像信号処理手段より出力される上記第2の画像信号による画像を画像表示素子に表示する画像表示手段とを有してなり、
    上記画像信号処理手段は、
    上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、
    上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定め、上記出力の品質を所定の範囲で調整するためのパラメータの値が入力されるパラメータ入力手段と、
    上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する推定式の係数であって、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値ごとに予め算出された係数から、上記パラメータに対応した係数をロードすることにより、
    または、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値を代入することで上記推定式の係数を算出する生成式における係数である係数種データ、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値、及び上記生成式を用いて、上記推定式の係数を算出することにより、
    上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応した係数データを発生する係数データ発生手段と、
    上記係数データ発生手段で発生された係数データ及び上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データと、上記推定式とを用いることで、上記注目位置の情報データを算出して得る演算手段と、
    上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を格納する第1の記憶手段とを備え、
    上記係数データ発生手段によりロードされる上記係数データおよび上記係数種データは、上記所定の範囲の出力の品質を有する上記第2の情報信号を生成するためのデータであり、
    上記所定の範囲は、過去の上記履歴情報に基づいて決定される過去の上記出力の品質の調整範囲の重心位置を中心とする品質の範囲である
    ことを特徴とする画像表示装置。
  15. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する情報信号処理方法であって、
    上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のステップと、
    上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定め、上記出力の品質を所定の範囲で調整するためのパラメータの値を取得する第2のステップと、
    上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する推定式の係数であって、上記第2のステップで取得されたパラメータの値ごとに予め算出された係数から、上記パラメータに対応した係数をロードすることにより、
    または、上記第2のステップで取得されたパラメータの値を代入することで上記推定式の係数を算出する生成式における係数である係数種データ、上記第2のステップで取得されたパラメータの値、及び上記生成式を用いて、上記推定式の係数を算出することにより、
    上記第2のステップで取得されたパラメータの値に対応した係数データを発生する第3のステップと、
    上記第3のステップで発生された係数データ及び上記第1のステップで選択された複数の第1の情報データと、上記推定式とを用いることで、上記注目位置の情報データを算出して得る第4のステップと、
    上記第2のステップで取得されたパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を格納する第5のステップとを備え、
    上記第3のステップロードされる上記係数データおよび上記係数種データは、上記所定の範囲の出力の品質を有する上記第2の情報信号を生成するためのデータであり、
    上記所定の範囲は、過去の上記履歴情報に基づいて決定される過去の上記出力の品質の調整範囲の重心位置を中心とする品質の範囲である
    ことを特徴とする情報信号処理方法。
  16. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換するために、
    上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のステップと、
    上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定め、上記出力の品質を所定の範囲で調整するためのパラメータの値を取得する第2のステップと、
    上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する推定式の係数であって、上記第2のステップで取得されたパラメータの値ごとに予め算出された係数から、上記パラメータに対応した係数をロードすることにより、
    または、上記第2のステップで取得されたパラメータの値を代入することで上記推定式の係数を算出する生成式における係数である係数種データ、上記第2のステップで取得されたパラメータの値、及び上記生成式を用いて、上記推定式の係数を算出することにより、
    上記第2のステップで取得されたパラメータの値に対応した係数データを発生する第3のステップと、
    上記第3のステップで発生された係数データ及び上記第1のステップで選択された複数の第1の情報データと、上記推定式とを用いることで、上記注目位置の情報データを算出して得る第4のステップと、
    上記第2のステップで取得されたパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を格納する第5のステップとを備え、
    上記第3のステップロードされる上記係数データおよび上記係数種データは、上記所定の範囲の出力の品質を有する上記第2の情報信号を生成するためのデータであり、
    上記所定の範囲は、過去の上記履歴情報に基づいて決定される過去の上記出力の品質の調整範囲の重心位置を中心とする品質の範囲である情報信号処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
  17. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換するために、
    上記第1の情報信号から、上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のステップと、
    上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定め、上記出力の品質を所定の範囲で調整するためのパラメータの値を取得する第2のステップと、
    上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する推定式の係数であって、上記第2のステップで取得されたパラメータの値ごとに予め算出された係数から、上記パラメータに対応した係数をロードすることにより、
    または、上記第2のステップで取得されたパラメータの値を代入することで上記推定式の係数を算出する生成式における係数である係数種データ、上記第2のステップで取得されたパラメータの値、及び上記生成式を用いて、上記推定式の係数を算出することにより、
    上記第2のステップで取得されたパラメータの値に対応した係数データを発生する第3のステップと、
    上記第3のステップで発生された係数データ及び上記第1のステップで選択された複数の第1の情報データと、上記推定式とを用いることで、上記注目位置の情報データを算出して得る第4のステップと、
    上記第2のステップで取得されたパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を格納する第5のステップとを備え、
    上記第3のステップロードされる上記係数データおよび上記係数種データは、上記所定の範囲の出力の品質を有する上記第2の情報信号を生成するためのデータであり、
    上記所定の範囲は過去の上記履歴情報に基づいて決定される過去の上記出力の品質の調整範囲の重心位置を中心とする品質の範囲である情報信号処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  18. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式で用いられる係数データを生成するための生成式における係数データである係数種データを生成する装置であって、
    上記生成式に含まれ、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報が入力される履歴情報入力手段と、
    上記生成式に含まれる上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値が入力されるパラメータ入力手段と、
    上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記履歴情報入力手段に入力される過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換するパラメータ調整手段と、
    上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、
    上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記係数種データを求める演算手段とを備え、
    上記複数の第1の情報データは、上記パラメータ調整手段により変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データである
    ことを特徴とする係数種データ生成装置。
  19. 上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスを検出するクラス検出手段と
    をさらに備え、
    上記演算手段は、
    上記クラス検出手段で検出されたクラス、上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データおよび上記教師信号における上記注目位置の情報データを用いて、クラス毎に、上記係数種データを得るための正規方程式を生成する正規方程式生成部と、
    上記正規方程式を解いて、上記クラス毎に、上記係数種データを得る係数種データ演算部とを有してなる
    ことを特徴とする請求項18に記載の係数種データ生成装置。
  20. 上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスを検出するクラス検出手段と
    をさらに備え、
    上記演算手段は、
    上記クラス検出手段で検出されたクラス、上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データおよび上記教師信号における上記注目位置の情報データを用いて、上記クラスおよび上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値の組み合わせ毎に、上記推定式で用いられる係数データを得るための第1の正規方程式を生成する第1の正規方程式生成部と、
    上記第1の正規方程式を解いて、上記組み合わせ毎に、上記推定式の係数データを得る係数データ演算部と、
    上記係数データ演算部で得られた上記組み合わせ毎の係数データを用いて、クラス毎に、上記係数種データを得るための第2の正規方程式を生成する第2の正規方程式生成部と、
    上記第2の正規方程式を解いて、上記クラス毎に、係数種データを得る係数種データ演算部とを有してなる
    ことを特徴とする請求項18に記載の係数種データ生成装置。
  21. 上記第1のパラメータの値の入力履歴を示す履歴情報は、上記第1のパラメータの値の度数分布の情報であることを特徴とする請求項18に記載の係数種データ生成装置。
  22. 上記パラメータ調整手段は、上記度数分布の情報から求められる上記第1のパラメータの値の入力履歴の重心位置を中心とするように上記所定の変化範囲を設定した範囲に基づいて調整した値に、上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値を調整することを特徴とする請求項21に記載の係数種データ生成装置。
  23. 上記第1のパラメータの値の入力履歴を示す履歴情報は、上記第1のパラメータにおける所定数の最新の値であることを特徴とする請求項18に記載の係数種データ生成装置。
  24. 上記パラメータ調整手段は、上記第1のパラメータにおける所定数の最新の値を用い、新しいほど大きな重み付けがされて求められた上記第1のパラメータの値の入力履歴の重心位置を中心とするように上記所定の変化範囲を設定した範囲に基づいて調整した値に、上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値を調整することを特徴とする請求項23に記載の係数種データ生成装置。
  25. 上記情報信号は、画像信号である
    ことを特徴とする請求項18に記載の係数種データ生成装置。
  26. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式で用いられる係数データを生成するための生成式における係数データである係数種データを生成する方法であって、
    上記生成式に含まれ、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を取得する第1のステップと、
    上記生成式に含まれる上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値を取得する第2のステップと、
    上記第2のステップで取得された上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記第1のステップで取得された過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換する第3のステップと、
    上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第4のステップと、
    上記第4のステップで選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記係数種データを求める第5のステップとを備え、
    上記複数の第1の情報データは、上記第3のステップで変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データである
    ことを特徴とする係数種データ生成方法。
  27. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式で用いられる係数データを生成するための生成式における係数データである係数種データを生成するために、
    上記生成式に含まれ、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を取得する第1のステップと、
    上記生成式に含まれる上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値を取得する第2のステップと、
    上記第2のステップで取得された上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記第1のステップで取得された過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換する第3のステップと、
    上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第4のステップと、
    上記第4のステップで選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記係数種データを求める第5のステップとを備え、
    上記複数の第1の情報データは、上記第3のステップで変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データである係数種データ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
  28. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式で用いられる係数データを生成するための生成式における係数データである係数種データを生成するために、
    上記生成式に含まれ、上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を取得する第1のステップと、
    上記生成式に含まれる上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値を取得する第2のステップと、
    上記第2のステップで取得された上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心 上記第1のステップで取得された過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換する第3のステップと、
    上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第4のステップと、
    上記第4のステップで選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記係数種データを求める第5のステップとを備え、
    上記複数の第1の情報データは、上記第3のステップで変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データである係数種データ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  29. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを生成する装置であって、
    上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報が入力される履歴情報入力手段と、
    上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値が入力されるパラメータ入力手段と、
    上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記履歴情報入力手段に入力される過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換するパラメータ調整手段と、
    上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、
    上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータ毎に、上記係数データを求める演算手段とを備え、
    上記複数の第1の情報データは、上記パラメータ調整手段により変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データである
    ことを特徴とする係数データ生成装置。
  30. 上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の情報データに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスを検出するクラス検出手段と、
    をさらに備え、
    上記演算手段は、
    上記クラス検出手段で検出されたクラス、上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データおよび上記教師信号における注目位置の情報データを用いて、上記クラスおよび上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値の組み合わせ毎に、上記推定式の係数データを得るための正規方程式を生成する正規方程式生成部と、
    上記正規方程式を解いて、上記組み合わせ毎の上記係数データを得る係数データ演算部とを有してなる
    ことを特徴とする請求項29に記載の係数データ生成装置。
  31. 上記パラメータの値の入力履歴を示す履歴情報は、上記第1のパラメータの値の度数分布の情報であることを特徴とする請求項29に記載の係数データ生成装置。
  32. 上記パラメータ調整手段は、上記度数分布の情報から求められる上記第1のパラメータの値の入力履歴の重心位置を中心とするように上記所定の変化範囲を設定した範囲に基づいて調整した値に、上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値を調整することを特徴とする請求項31に記載の係数データ生成装置。
  33. 上記第1のパラメータの値の入力履歴を示す履歴情報は、上記第1のパラメータにおける所定数の最新の値であることを特徴とする請求項29に記載の係数データ生成装置。
  34. 上記パラメータ調整手段は、上記第1のパラメータにおける所定数の最新の値を用い、新しいほど大きな重み付けががされて求められた上記第1のパラメータの値の入力履歴の重心位置を中心とするように上記所定の変化範囲を設定した範囲に基づいて調整した値に、上記パラメータ入力手段に入力される上記第2のパラメータの値を調整することを特徴とする請求項33に記載の係数データ生成装置。
  35. 上記情報信号は、画像信号である
    ことを特徴とする請求項29に記載の係数データ生成装置。
  36. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを生成する方法であって、
    上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を取得する第1のステップと、
    上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値を取得する第2のステップと、
    上記第2のステップで取得された上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記第1のステップで取得された過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換する第3のステップと、
    上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第4のステップと、
    上記第4のステップで選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記第2のステップで取得される上記第2のパラメータ毎に、上記係数データを求める第5のステップとを備え、
    上記複数の第1の情報データは、上記第3のステップで変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データである
    ことを特徴とする係数データ生成方法。
  37. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを生成するために、
    上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を取得する第1のステップと、
    上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値を取得する第2のステップと、
    上記第2のステップで取得された上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記第1のステップで取得された過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換する第3のステップと、
    上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第4のステップと、
    上記第4のステップで選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記第2のステップで取得される上記第2のパラメータ毎に、上記係数データを求める第5のステップとを備え、
    上記複数の第1の情報データは、上記第3のステップで変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データである係数データ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
  38. 複数の情報データからなる第1の情報信号を複数の情報データからなるより高品質な第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを生成する方法であって、
    上記第2の情報信号によって得られる出力の品質を定める所定の範囲の第1のパラメータの値の入力履歴を表す履歴情報を取得する第1のステップと、
    上記第1のパラメータに対応し、上記第1の情報信号に対応する生徒信号によって得られる出力の品質を定める第2のパラメータの値を取得する第2のステップと、
    上記第2のステップで取得された上記第2のパラメータの値を、上記所定の範囲の中心が上記第1のステップで取得された過去の上記履歴情報に基づいて決定される上記第1のパラメータの値の入力履歴における値の変化範囲の重心位置に移動するように線形変換する第3のステップと、
    上記生徒信号から、上記第2の情報信号に対応する教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第4のステップと、
    上記第4のステップで選択された複数の第1の情報データおよび上記第1の情報信号を代入することで上記第2の情報信号を算出する上記推定式を用いて算出される上記教師信号における上記注目位置の情報データの推定値と、上記教師信号における上記注目位置の情報データとの誤差を最小とするように、上記第2のステップで取得される上記第2のパラメータ毎に、上記係数データを求める第5のステップとを備え、
    上記複数の第1の情報データは、上記第3のステップで変換されたパラメータに応じた品質を有する情報データである係数データ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2002022409A 2002-01-30 2002-01-30 情報信号処理装置、情報信号処理方法および画像表示装置、それに使用される係数種データの生成装置および生成方法、係数データの生成装置および生成方法、並びに各方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体 Expired - Fee Related JP4092921B2 (ja)

Priority Applications (14)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002022409A JP4092921B2 (ja) 2002-01-30 2002-01-30 情報信号処理装置、情報信号処理方法および画像表示装置、それに使用される係数種データの生成装置および生成方法、係数データの生成装置および生成方法、並びに各方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体
US10/473,522 US7508446B2 (en) 2002-01-30 2003-01-30 Apparatus, method and program for generating coefficient type data or coefficient data used in image display apparatus, computer-readable medium containing the program
EP07019696A EP1871106A3 (en) 2002-01-30 2003-01-30 Coefficient seed data or coefficient data production device used in image display apparatus
CN2010105219661A CN101969537B (zh) 2002-01-30 2003-01-30 数据处理设备、数据处理方法
CN2008100909269A CN101594498B (zh) 2002-01-30 2003-01-30 生成系数类型数据或系数数据的装置、方法
EP07019697A EP1871107A3 (en) 2002-01-30 2003-01-30 Coefficient seed data or coefficient data production device used in image display apparatus
CNB038001675A CN100459680C (zh) 2002-01-30 2003-01-30 生成在图像显示设备中使用的系数类型数据或系数数据的装置、方法、程序及存储程序的计算机可读介质
CN2010105219572A CN101969536B (zh) 2002-01-30 2003-01-30 数据处理设备、用于数据处理设备的数据处理方法
EP03734885A EP1471737A4 (en) 2002-01-30 2003-01-30 DEVICE, METHOD AND PROGRAM FOR GENERATING COEFFICIENT TYPE DATA OR COEFFICIENT DATA USED IN A PICTURE DISPLAY DEVICE COMPUTER READABLE MEDIUM CONTAINING THE PROGRAM
KR1020037012717A KR100952242B1 (ko) 2002-01-30 2003-01-30 화상 표시 장치에 사용되는 계수종 데이터 혹은 계수 데이터의 생성 장치와 방법, 및 프로그램을 기록한 컴퓨터 판독 가능한 매체
PCT/JP2003/000885 WO2003065712A1 (fr) 2002-01-30 2003-01-30 Appareil, procede et programme destines a generer des donnees de type coefficient ou des donnees de coefficient utilisees dans un appareil d'affichage d'image, et support lisible par ordinateur contenant ce programme
CN2008100909254A CN101594497B (zh) 2002-01-30 2003-01-30 生成系数类型数据或系数数据的装置、方法
US11/522,252 US7280152B2 (en) 2002-01-30 2006-09-15 Coefficient seed data or coefficient data production device used in image display apparatus, method for producing coefficient seed data or coefficient data used in image display apparatus, program therefor, and computer-readable medium for storing the same
US11/522,241 US7283173B2 (en) 2002-01-30 2006-09-15 Coefficient seed data or coefficient data production device used in image display apparatus, method for producing coefficient seed data or coefficient data used in image display apparatus, program therefor, and computer-readable medium for storing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002022409A JP4092921B2 (ja) 2002-01-30 2002-01-30 情報信号処理装置、情報信号処理方法および画像表示装置、それに使用される係数種データの生成装置および生成方法、係数データの生成装置および生成方法、並びに各方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003224830A JP2003224830A (ja) 2003-08-08
JP2003224830A5 JP2003224830A5 (ja) 2005-03-17
JP4092921B2 true JP4092921B2 (ja) 2008-05-28

Family

ID=27745414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002022409A Expired - Fee Related JP4092921B2 (ja) 2002-01-30 2002-01-30 情報信号処理装置、情報信号処理方法および画像表示装置、それに使用される係数種データの生成装置および生成方法、係数データの生成装置および生成方法、並びに各方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4092921B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4639613B2 (ja) * 2004-03-15 2011-02-23 ソニー株式会社 情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
WO2020097788A1 (zh) * 2018-11-13 2020-05-22 深圳市汇顶科技股份有限公司 图像信号处理装置和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003224830A (ja) 2003-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4006628B2 (ja) 情報処理装置および情報処理方法、記録媒体、並びにプログラム
KR100843820B1 (ko) 정보 신호 처리 장치, 정보 신호 처리 방법, 화상 신호처리 장치 및 그것을 사용한 화상 표시 장치, 그것에사용되는 계수종 데이터 생성 장치 및 생성 방법, 계수데이터 생성 장치 및 생성 방법과 정보 제공 매체
JP4026491B2 (ja) 画像信号処理装置、画像信号処理方法、並びにプログラムおよび媒体
JP4670169B2 (ja) 情報信号処理装置、情報信号処理方法、画像信号処理装置およびそれを使用した画像表示装置、それに使用される係数種データ生成装置、並びに情報記録媒体
JP3885786B2 (ja) 情報信号の処理装置および処理方法、並びにその処理方法を実行させるためのプログラム
JP4277446B2 (ja) 情報信号処理装置、情報信号処理方法、画像信号処理装置およびそれを使用した画像表示装置、それに使用される係数種データ生成装置および生成方法、並びに記録媒体
US7616263B2 (en) Information-processing apparatus and removable substrate used therein
JP4691812B2 (ja) 係数データの生成装置および生成方法、それを使用した情報信号の処理装置および処理方法
JP4193495B2 (ja) 画像信号処理装置、画像信号処理方法およびそれを使用した画像表示装置、それに使用される係数種データ生成装置および生成方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体およびプログラム
JP3885594B2 (ja) コンテンツデータの処理装置および処理方法、並びにその方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体、並びに係数データ生成装置および係数データ生成方法
JP4092921B2 (ja) 情報信号処理装置、情報信号処理方法および画像表示装置、それに使用される係数種データの生成装置および生成方法、係数データの生成装置および生成方法、並びに各方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体
JP4691835B2 (ja) 係数データの生成装置および生成方法、それを使用した情報信号の処理装置および処理方法、それに使用する係数データの取得装置および取得方法、並びに情報記録媒体
JP4048835B2 (ja) 情報処理装置および情報処理方法、記録媒体、並びにプログラム
JP4462244B2 (ja) コンテンツデータの処理装置および処理方法、並びにその方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体
JP4649786B2 (ja) 係数データの生成装置および生成方法、それを使用した情報信号の処理装置および処理方法、それに使用する係数種データの生成装置および生成方法
JP4051934B2 (ja) 情報信号処理装置、情報信号処理方法およびそれを使用した画像処理装置および画像処理方法、並びに情報信号処理方法又は画像処理方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体
JP4692800B2 (ja) 係数データの生成装置および生成方法、それを使用した情報信号の処理装置および処理方法、それに使用する係数種データの生成装置および生成方法、並びに記録媒体
JP4691849B2 (ja) 係数データの生成装置および生成方法、それを使用した情報信号の処理装置および処理方法、それに使用する情報の取得装置および取得方法
JP4649812B2 (ja) 画像信号処理装置、画像信号処理方法およびそれを使用した画像表示装置、並びに各画像信号処理方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体
JP4692801B2 (ja) 係数データの生成装置および生成方法、それを使用した情報信号の処理装置および処理方法、並びに、それに使用する係数情報の生成装置および生成方法
JP4419045B2 (ja) 情報処理システム、情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
KR20050043677A (ko) 정보 신호의 처리 장치 및 처리 방법
JP2007243633A (ja) 信号処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
JP2005142743A (ja) 情報信号の処理装置および処理方法、並びにその処理方法を実行するためのプログラム、そのプログラムを記録した媒体
JP4692798B2 (ja) 情報信号処理装置、情報信号処理方法、画像信号処理装置およびそれを使用した画像表示装置、並びに記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040420

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040420

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080225

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130314

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140314

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees