JP4051934B2 - 情報信号処理装置、情報信号処理方法およびそれを使用した画像処理装置および画像処理方法、並びに情報信号処理方法又は画像処理方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体 - Google Patents

情報信号処理装置、情報信号処理方法およびそれを使用した画像処理装置および画像処理方法、並びに情報信号処理方法又は画像処理方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばNTSC方式のビデオ信号をハイビジョンのビデオ信号に変換する際等に適用して好適な情報信号処理装置、情報信号処理方法およびそれを使用した画像処理装置および画像処理方法、並びに情報信号処理方法又は画像処理方法を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【0002】
詳しくは、解像度創造の手法を用いて第1の情報信号を第2の情報信号に変換する際に、第2の情報信号における注目位置の特徴量を検出し、第2の情報信号による出力の質を示すパラメータの他に、検出された特徴量をも参照して、第2の情報信号における注目位置の情報データを生成することによって、第2の情報信号による出力に不適切な質となる箇所が発生することを防止するようにした情報信号処理装置等に係るものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、例えば525i信号というSD(Standard Definition)信号を、1050i信号というHD(High Definition)信号に変換するフォーマット変換が提案されている。525i信号は、ライン数が525本でインタレース方式の画像信号を意味し、1050i信号は、ライン数が1050本でインタレース方式の画像信号を意味する。
【0004】
図25は、525i信号と1050i信号の画素位置関係を示している。ここで、大きなドットが525i信号の画素であり、小さなドットが1050i信号の画素である。また、奇数フィールドの画素位置を実線で示し、偶数フィールドの画素位置を破線で示している。525i信号を1050i信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の1画素に対応して1050i信号の4画素を得る必要がある。
【0005】
従来、上述したようなフォーマット変換を行うために、本出願人は、先に、525i信号の画素データより1050i信号の画素データを得る際、525i信号の画素に対する1050i信号の各画素の位相に対応した推定式の係数データをメモリに格納しておき、この係数データを用いて推定式によって1050i信号の画素データを求める、解像度創造の手法を用いることを提案した。
【特許文献1】
特開2001−238185号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように推定式によって1050i信号の画素データを求めるものにおいては、この1050i信号による画像の解像度は固定されており、従来のコントラストやシャープネス等の調整のように、画像内容等に応じて所望の解像度とすることができなかった。
そこで、本出願人は、先に、画像の解像度をユーザが所望の値に任意に調整し得る画像信号変換装置等を提案した(特許文献1参照)。
【0007】
しかしこの場合、全画面一様に、調整された解像度に対応した係数データを用いるものであり、適切な解像度となる箇所と、不適切な解像度となる箇所とが存在する。
例えば、高周波成分量が少ない箇所と高周波成分量が多い箇所において、適切な解像度となる場合と適切な解像度とならない場合が存在する。
【0008】
また例えば、動きのある箇所と動きのない箇所において、適切な解像度となる場合と適切な解像度とならない場合が存在する。以下に、動きのある箇所で生じる動きボケについて説明する。
図22に動きボケのモデルを示している。この図22において、vは垂直方向を示し、hは水平方向を示している。
【0009】
図22Aに示す動き無しの場合は、物体(黒い四角形)ははっきりと見え、画素値をグラフにしてみると、エッジが切り立っている(図の黒色は何らかの輝度値がそこに存在していることを表している)。
この物体がある速度で動き出した場合が、図22Bに示す動き小の場合である。物体が動いているために動きによるボケが生じる。画素値をグラフで見ると、図のようにエッジがなだらかになり、画像としても動き方向にぼやけた画像になる。このボケ方は動き量、すなわち物体の速度に依存する。
【0010】
次に、物体がもっと速く動いた場合を考える。図22C(左側)に示す動き大の場合である。物体の速度が速くなったことで物体はますますボケてしまい、画素値をグラフでみると、図のようにエッジが一層なだらかになる。これはシャッターやデバイスの特性などで区切られたある一定時間に蓄積された電荷またはフィルムの変化を画素値としているために生じるものであり、動き量によって生じる歪みである。
【0011】
ここで、このような動きボケを生じている動物体に解像度創造を行うことを考える。解像度創造においては画素密度を増やすと共に、制限されてしまった帯域を元に戻すという処理が行われる。
その結果、図22C(右側)のように、グラフが立ってしまう。静止部では勿論それでよい。しかし、動き部では結果的に動きによって自然に起こる動きボケ量を変化させてしまい、不自然な画像を作り上げてしまうことになる。
【0012】
また、図23Aに示すように、非常に大きな物体が移動していた場合を考える。この場合、解像度創造を行うと、静止部では現れないようなグラデーションが生じる。すなわち、予測タップのタップ範囲が充分でない場合、箇所箇所で解像度創造の処理が行われてしまい、図23Bに示すような波形に変化させてしまうことがある。
【0013】
また、解像度創造において、上述したように画像の解像度を任意に調整するものと同様にして、画像の輝度を任意に調整することも考えられる。この場合、全画面一様に、調整された輝度に対応した係数データを用いるものであり、適切な輝度となる箇所と、不適切な輝度となる箇所とが存在する。
【0014】
例えば、図24Aに示すような画像を考える。この画像は、左側の犬が体色が濃いことと家の影に入っていることとが重なって見にくい状態になっている。このようなときに、輝度を高くするように調整した場合、図24Bに示すように、画像全体が一辺に明るくなるので、体色の濃い犬周辺だけでなく、地面や屋根など、輝度を高くしなくても充分によく見える領域までも明るくなり、画像全体が白っぽく不自然なものとなる。
【0015】
なお、このような画像の輝度調整と同様のことが、音声信号の解像度創造において、音量の調整を行う場合にも生じる。すなわち、全区間一様に、調整された音量に対応した係数データを用いると、適切な音量となる区間と、不適切な音量となる区間とが存在するようになる。つまり、音量を高くするように調整した場合、全区間で音量が高くなるので、音量の低い区間だけでなく、音量を高くしなくても充分な音量がある区間までも音量が高くなり、音量の高い部分が聞き難いものとなる。
【0016】
そこで、この発明では、解像度創造の手法によって得られる情報信号による出力に不適切な質となる箇所が発生することを防止し得る情報信号処理装置等を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る情報信号処理装置は、複数の情報データからなる第1の情報信号を、当該第1の情報信号より情報量の多い第2の情報信号に変換する情報信号処理装置であって、上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データに所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度、動き量及び音量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する特徴量検出手段と、上記第2の情報信号による出力の大きさを示す、上記特徴量に対応したパラメータの値が外部から入力されるパラメータ入力手段と、上記特徴量検出手段で検出された特徴量および上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応して、上記第2の情報信号における注目位置の情報データを生成する情報データ生成手段とを備え、上記情報データ生成手段は、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応する複数の代表的な大きさごとに予め算出され、上記第1の情報信号を代入して積和演算することにより上記第2の情報信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する係数データ候補発生手段と、上記特徴量検出手段で検出された特徴量と上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な大きさのうち一つの大きさを特定する大きさ特定手段と、上記係数データ候補発生手段で発生された係数データ候補の中から、上記大きさ特定手段で特定された大きさに対応する係数データを選択する係数データ選択手段と、上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第2のデータ選択手段と、上記第2のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データと上記係数データ選択手段で選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の情報データを算出する演算手段とを有し、上記大きさ特定手段は、画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記特徴量検出手段で検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する検出手段と、上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における大きさ選択情報を格納する格納手段と、上記格納手段より上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値および上記検出手段で検出された特徴量領域に対応した大きさ選択情報を取り出し、該大きさ選択情報に基づいて上記一つの大きさを特定する特定手段とを有するものである。
【0019】
また、この発明に係る情報信号処理方法は、複数の情報データからなる第1の情報信号を、当該第1の情報信号より情報量の多い第2の情報信号に変換する情報信号処理方法であって、上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のステップと、上記第1のステップで選択された複数の第1の情報データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度、動き量及び音量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する第2のステップと、上記第2の情報信号による出力の大きさを示す、上記特徴量に対応したパラメータの値を外部から取得する第3のステップと、上記第2のステップで検出された特徴量および上記第3のステップで取得されたパラメータの値に対応して、上記第2の情報信号における注目位置の情報データを生成する第4のステップとを有し、上記第4のステップは、上記第3のステップで取得したパラメータの値に対応する複数の代表的な大きさごとに予め算出され、上記第1の情報信号を代入して積和演算することにより上記第2の情報信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する第5のステップと、上記第2のステップで検出された特徴量と上記第3のステップで取得したパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な大きさのうち一つの大きさを特定する第6のステップと、上記第5のステップで発生された係数データ候補の中から、上記第6のステップで特定された大きさに対応する係数データを選択する第7のステップと、上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第8のステップと、上記第8のステップで選択された複数の第1の情報データと上記第7のステップで選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の情報データを算出する第9のステップとを有し、上記第6のステップは、画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記第2のステップで検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する第10のステップと、上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における大きさ選択情報を格納する第11のステップと、上記第3のステップで取得したパラメータの値および上記第10のステップで検出した特徴量領域に対応した大きさ選択情報を取り出し、該大きさ選択情報に基づいて上記一つの大きさを特定する第12のステップとを有するものである。
【0020】
また、この発明に係る画像処理装置は、入力された複数の画素データからなる第1の画像信号を、複数の画素データからなる上記第1の画像信号より高解像度な第2の画像信号に変換して出力する画像信号処理装置において、上記第2の画像信号による画像の解像度又は輝度を示すパラメータの値が外部から入力されるパラメータ入力手段と、上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第1のデータ選択手段と、上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の画素データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度及び動き量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する特徴量検出手段と、上記特徴量検出手段で検出された特徴量および上記パラメータ入力手段に入力された所定の上記パラメータの値に対応して、上記第2の画像信号における注目位置の画素データを生成する画素データ生成手段とを備え、上記画素データ生成手段は、上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応する複数の代表的な解像度ごとに予め算出され、上記第1の画像信号を代入して積和演算することにより上記第2の画像信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する係数データ候補発生手段と、上記特徴量検出手段で検出された特徴量と上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な解像度のうち一つの解像度を特定する解像度特定手段と、上記係数データ候補発生手段で発生された係数データ候補の中から、上記解像度特定手段で特定された解像度に対応する係数データを選択する係数データ選択手段と、上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第2のデータ選択手段と、上記第2のデータ選択手段で選択された複数の第1の画素データと上記係数データ選択手段で選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の画素データを算出する演算手段とを有し、上記解像度特定手段は、画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記特徴量検出手段で検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する検出手段と、上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における解像度選択情報を格納する格納手段と、上記格納手段より上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値および上記検出手段で検出された特徴量領域に対応した解像度選択情報を取り出し、該解像度選択情報に基づいて上記一つの解像度を特定する特定手段とを有するものである。
また、この発明に係る画像処理方法は、入力された複数の画素データからなる第1の画像信号を、複数の画素データからなる上記第1の画像信号より高解像度な第2の画像信号に変換して出力する画像信号処理方法において、上記第2の画像信号による画像の解像度又は輝度を示すパラメータの値を外部から取得する第1のステップと、上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第2のステップと、上記第2のステップで選択された複数の第1の画素データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度及び動き量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する第3のステップと、上記第3のステップで検出された特徴量および上記第1のステップで取得した所定の上記パラメータの値に対応して、上記第2の画像信号における注目位置の画素データを生成する第4のステップとを有し、上記第4のステップは、上記第1のステップで取得したパラメータの値に対応する複数の代表的な解像度ごとに予め算出され、上記第1の画像信号を代入して積和演算することにより上記第2の画像信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する第5のステップと、上記第3のステップで検出された特徴量と上記第1のステップで取得したパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な解像度のうち一つの解像度を特定する第6のステップと、上記第5のステップで発生された係数データ候補の中から、上記第6のステップで特定された解像度に対応する係数データを選択する第7のステップと、上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第8のステップと、上記第8のステップで選択された複数の第1の画素データと上記第7のステップで選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の画素データを算出する第9のステップとを有し、上記第6のステップは、画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記特徴量検出手段で検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する第10のステップと、上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における解像度選択情報を格納する第11のステップと、上記第1のステップで取得したパラメータの値および上記第10のステップで検出された特徴量領域に対応した解像度選択情報を取り出し、該解像度選択情報に基づいて上記一つの解像度を特定する第12のステップとを有するものである。
【0021】
また、この発明におけるプログラムは、上述の情報信号処理方法又は画像処理方法をコンピュータに実行させるためのものである。また、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な媒体は、上述のプログラムを記録したものである。
【0022】
この発明において、第1の情報信号に基づいて第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データが抽出され、この複数の第1の情報データに基づいて、この注目位置における特徴量が検出される。
【0023】
例えば、情報信号は画像信号であり、特徴量は注目位置の周辺における高周波成分量に関係する特徴量である。この特徴量は、例えば複数の第1の情報データ(画素データ)内の隣接画素の絶対値和と、複数の第1の情報データ内のダイナミックレンジとを使用して求められる。また例えば、情報信号は画像信号であり、特徴量は注目位置における動き量、あるいは輝度である。さらに例えば、情報信号は音声信号であり、特徴量は注目位置における音量である。
【0024】
また、パラメータ入力手段には、第2の情報信号による出力の質を示すパラメータの値が入力される。例えば、上述したように特徴量が注目位置の周辺における高周波成分量に関係する特徴量であるとき、パラメータの値は第2の情報信号による画像の解像度を示すものとされる。また例えば、上述したように特徴量が注目位置における動き量であるとき、パラメータの値は第2の情報信号による画像の解像度を示すものとされる。また例えば、上述したように特徴量が注目位置における輝度であるとき、パラメータの値は第2の情報信号による画像の輝度を示すものとされる。また例えば、上述したように特徴量が注目位置における音量であるとき、パラメータの値は第2の情報信号による音の音量を示すものとされる。
【0025】
そして、上述した特徴量とパラメータの値に対応して、第2の情報信号における注目位置の情報データが生成される。例えば、以下のようにして、情報データが生成される。
【0026】
すなわち、パラメータに対応する複数の代表的な質(この質は、解像度、輝度、音量等である)について、推定式の係数データの候補である係数データ候補が発生される。例えば、パラメータの値が、離散的な第1の値と第2の値との間にある場合、それら第1の値と第2の値に対応する質を得るための2つの推定式の係数データが係数データ候補として発生される。
【0027】
そして、特徴量とパラメータの値に基づいて、複数の代表的な質のうち一つの質が特定される。例えば、パラメータのそれぞれの値に対応した複数の特徴量領域における質選択情報が格納手段に格納されており、これを使用して質の特定が行われる。例えば、上述した第2の値に対応した質が第1の値に対応した質より高い場合、特徴量が小さい程、パラメータの値が小さくとも、第2の質に特定される確率が高くなる。
【0028】
そして、係数データ候補の中から、特定された質に対応する係数データが選択される。このように選択された係数データと、第1の情報信号に基づいて選択された第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の情報データとを用いて、推定式に基づいて、第2の情報信号における注目位置の情報データが算出される。
【0029】
このように、解像度創造の手法によって第1の情報信号から第2の情報信号を得る際に、第2の情報信号における注目位置に係る特徴量により、パラメータの値に対応した複数の係数データ候補から一つの係数データを選択して使用するものであり、第2の情報信号による出力に不適切な質となる箇所が発生することを防止できるようになる。
【0030】
例えば、特徴量が注目位置の周辺における高周波成分量に関係する特徴量であるとき、画像の輪郭および画像の低周波領域に囲まれた高周波領域でその特徴量が大きくなるが、解像度の調整をする際に当該領域で不適切な解像度となることを防止できる。また例えば、特徴量が注目位置における動き量であるとき、画像の動き部で動き量が大きくなるが、解像度の調整をする際に当該動き部で不適切な解像度となることを防止できる。また例えば、特徴量が注目位置における輝度であるとき、輝度の高い領域で特徴量が大きくなるが、輝度の調整をする際に当該輝度の高い領域で輝度が高くなり過ぎることを防止できる。また例えば、特徴量が注目位置における音量であるとき、音量の大きな領域で特徴量が大きくなるが、音量の調整をする際に当該音量の大きな領域で音量が高くなり過ぎることを防止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としてのテレビ受信機100の構成を示している。このテレビ受信機100は、放送信号より525i信号というSD信号を得、この525i信号を1050i信号というHD信号に変換し、その1050i信号による画像を表示するものである。
【0032】
テレビ受信機100は、マイクロコンピュータを備え、システム全体の動作を制御するためのシステムコントローラ101と、リモートコントロール信号を受信するリモコン信号受信回路102とを有している。リモコン信号受信回路102は、システムコントローラ101に接続され、リモコン送信機200よりユーザの操作に応じて出力されるリモートコントロール信号RMを受信し、その信号RMに対応する操作信号をシステムコントローラ101に供給するように構成されている。
【0033】
また、テレビ受信機100は、受信アンテナ105と、この受信アンテナ105で捕らえられた放送信号(RF変調信号)が供給され、選局処理、中間周波増幅処理、検波処理等を行ってSD信号(525i信号)を得るチューナ106と、このチューナ106より出力されるSD信号を一時的に保存するためのバッファメモリ109とを有している。
【0034】
また、テレビ受信機100は、バッファメモリ109に一時的に保存されるSD信号(525i信号)を、HD信号(1050i信号)に変換する画像信号処理部110と、この画像信号処理部110より出力されるHD信号による画像を表示するディスプレイ部111と、このディスプレイ部111の画面上に文字、図形などの表示を行うための表示信号SCHを発生させるためのOSD(On Screen Display)回路112と、その表示信号SCHを上述した画像信号処理部110より出力されるHD信号に合成してディスプレイ部111に供給するための合成器113とを有している。ディスプレイ部111は、例えばCRT(cathode-ray tube)ディスプレイ、あるいはLCD(liquid crystal display)等のフラットパネルディスプレイで構成されている。
【0035】
図1に示すテレビ受信機100の動作を説明する。
チューナ106より出力されるSD信号(525i信号)は、バッファメモリ109に供給されて一時的に保存される。そして、このバッファメモリ109に一時的に記憶されたSD信号は画像信号処理部110に供給され、HD信号(1050i信号)に変換される。すなわち、画像信号処理部110では、SD信号を構成する画素データ(以下、「SD画素データ」という)から、HD信号を構成する画素データ(以下、「HD画素データ」という)が生成される。この画像信号処理部110より出力されるHD信号はディスプレイ部111に供給され、このディスプレイ部111の画面上にはそのHD信号による画像が表示される。
【0036】
また、ユーザは、リモコン送信機200の操作によって、ディスプレイ部111の画面上に表示される画像の解像度を調整できる。例えば、解像度選択モードで、アップキーおよびダウンキーの押圧操作、あるいはジョグダイヤル等のつまみの回転操作をすることで、システムコントローラ101から画像信号処理部110に供給される、解像度を示すパラメータQの値を変更できる。
【0037】
画像信号処理部110では、後述するように、HD画素データが推定式によって算出されるが、この推定式の係数データとして、上述したパラメータQの値に対応したものが使用される。これにより、画像信号処理部110から出力されるHD信号による画像の解像度は、パラメータQの値に対応したものとなる。
【0038】
なお、ユーザのリモコン送信機200の操作によってパラメータQの値の変更が行われている状態では、ディスプレイ部111の画面上に、パラメータQの値の表示が行われる。ここでは図示しないが、この表示は数値または棒グラフ等を用いて行われる。ユーザは、この表示を参照して、パラメータQの値を変更できる。
【0039】
このように画面上にパラメータQの値を表示する際、システムコントローラ101は表示データをOSD回路112に供給する。OSD回路112は、その表示データに基づいて表示信号SCHを発生し、この表示信号SCHを合成器113を介してディスプレイ部111に供給する。
【0040】
次に、画像信号処理部110の詳細を説明する。この画像信号処理部110は、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する複数のSD画素のデータを選択的に取り出して出力する第1〜第3のタップ選択回路121〜123を有している。
【0041】
第1のタップ選択回路121は、予測に使用するSD画素(「予測タップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第2のタップ選択回路122は、SD画素データのレベル分布パターンに対応するクラス分類に使用するSD画素(「空間クラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第3のタップ選択回路123は、動きに対応するクラス分類に使用するSD画素(「動きクラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。なお、空間クラスを複数フィールドに属するSD画素データを使用して決定する場合には、この空間クラスにも動き情報が含まれることになる。
【0042】
また、画像信号処理部110は、第2のタップ選択回路122で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、そのクラス情報を出力する空間クラス検出回路124を有している。
【0043】
空間クラス検出回路124では、例えば、各SD画素データを、8ビットデータから2ビットデータに圧縮するような演算が行われる。そして、空間クラス検出回路124からは、各SD画素データに対応した圧縮データが空間クラスのクラス情報として出力される。本実施の形態においては、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)によって、データ圧縮が行われる。なお、情報圧縮手段としては、ADRC以外にDPCM(予測符号化)、VQ(ベクトル量子化)等を用いてもよい。
【0044】
本来、ADRCは、VTR(Video Tape Recorder)向け高性能符号化用に開発された適応再量子化法であるが、信号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現できるので、上述したデータ圧縮に使用して好適なものである。ADRCを使用する場合、空間クラスタップのデータ(SD画素データ)の最大値をMAX、その最小値をMIN、空間クラスタップのデータのダイナミックレンジをDR(=MAX−MIN+1)、再量子化ビット数をPとすると、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データkiに対して、(1)式の演算により、圧縮データとしての再量子化コードqiが空間クラスのクラス情報として得られる。ただし、(1)式において、[ ]は切り捨て処理を意味している。空間クラスタップのデータとして、Na個のSD画素データがあるとき、i=1〜Naである。
qi=[(ki−MIN+0.5).2P/DR] ・・・(1)
【0045】
また、画像信号処理部110は、第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)より、主に動きの程度を表すための動きクラスを検出し、そのクラス情報を出力する動きクラス検出回路125を有している。
【0046】
この動きクラス検出回路125では、第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)mi,niからフレーム間差分が算出され、さらにその差分の絶対値の平均値に対してしきい値処理が行われて動きの指標である動きクラスが検出される。すなわち、動きクラス検出回路125では、(2)式によって、差分の絶対値の平均値AVが算出される。第3のタップ選択回路123で、例えばクラスタップのデータとして、6個のSD画素データm1〜m6と、その1フレーム前の6個のSD画素データn1〜n6が取り出されるとき、(2)式におけるNbは6である。
【0047】
【数1】
Figure 0004051934
【0048】
そして、動きクラス検出回路125では、上述したように算出された平均値AVが1個または複数個のしきい値と比較されて動きクラスのクラス情報MVが得られる。例えば、3個のしきい値th1,th2,th3(th1<th2<th3)が用意され、4つの動きクラスを検出する場合、AV≦th1のときはMV=0、th1<AV≦th2のときはMV=1、th2<AV≦th3のときはMV=2、th3<AVのときはMV=3とされる。
【0049】
また、画像信号処理部110は、空間クラス検出回路124より出力される空間クラスのクラス情報としての再量子化コードqiと、動きクラス検出回路125より出力される動きクラスのクラス情報MVに基づき、作成すべきHD信号(1050i信号)の画素データ(注目位置の画素データ)が属するクラスを示すクラスコードCLを得るためのクラス合成回路126を有している。
【0050】
このクラス合成回路126では、(3)式によって、クラスコードCLの演算が行われる。なお、(3)式において、Naは空間クラスタップのデータ(SD画素データ)の個数、PはADRCにおける再量子化ビット数を示している。
【0051】
【数2】
Figure 0004051934
【0052】
また、画像信号処理部110は、係数メモリ131を有している。この係数メモリ131は、後述する推定予測演算回路127で使用される推定式の係数データを格納するものである。この係数データは、SD信号(525i信号)を、HD信号(1050i信号)に変換する際に使用する情報である。この係数メモリ131には、クラス合成回路126より出力されるクラスコードCLおよび後述する係数選択回路133より出力される係数選択信号SELが、読み出しアドレス情報として供給される。この係数メモリ131からはクラスコードCLおよび係数選択信号SELに対応した係数データwiが読み出され、推定予測演算回路127に供給される。
【0053】
また、画像信号処理部110は、情報メモリバンク132を有している。本実施の形態においては、パラメータQは0〜8の間で変更可能とされる。情報メモリバンク132には、パラメータQの0,1,・・・,8の各離散値に対応した、9つの解像度における各クラスの係数データが予め蓄えられている。ここで、パラメータQの値が大きくなるほど解像度が高くなっていくものとする。この9つの解像度に対応する係数データの生成方法については後述する。
【0054】
なお、上述したように、525i信号を1050i信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の1画素に対応して1050i信号の4画素を得る必要がある。そのため、ある解像度におけるあるクラスの係数データは、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおける1050i信号を構成する2×2の単位画素ブロック内の4画素に対応した係数データからなっている。この2×2の単位画素ブロック内の4画素は、525i信号の画素に対応して互いに異なる位相関係になっている。
【0055】
上述したように、ユーザは、リモコン送信機200の操作部において、アップキーおよびダウンキーの押圧操作、またはジョグダイヤル等のつまみの回転操作をすることで、システムコントローラ101から画像信号処理部110に供給されるパラメータQの値を変更できる。情報メモリバンク132には、そのパラメータQが供給され、この情報メモリバンク132から係数メモリ131には、パラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した、各クラスの係数データがロードされる。
【0056】
すなわち、0≦Q≦1であるときはQ=0,1に対応した各クラスの係数データが、1<Q≦2であるときはQ=1,2に対応した各クラスの係数データが、2<Q≦3であるときはQ=2,3に対応した各クラスの係数データが、3<Q≦4であるときはQ=3,4に対応した各クラスの係数データが、4<Q≦5であるときはQ=4,5に対応した各クラスの係数データが、5<Q≦6であるときはQ=5,6に対応した各クラスの係数データが、6<Q≦7であるときはQ=6,7に対応した各クラスの係数データが、7<Q≦8であるときはQ=7,8に対応した各クラスの係数データが、情報メモリバンク132から係数メモリ131にロードされる。
【0057】
また、画像信号処理部110は、係数選択信号SELを発生する係数選択回路133を有している。この係数選択信号SELは、上述したように係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給されるものであり、情報メモリバンク132から係数メモリ131にロードされて格納された、パラメータQの2つの離散値に対応した係数データのうち一つの係数データを選択するために使用される。
【0058】
図2は、係数選択回路133の構成を示している。この係数選択回路133は、特徴量検出部141、特徴量メモリ142、特徴量領域決定部143、領域検出部144および係数選択信号生成部145とからなっている。
【0059】
特徴量検出部141は、バッファメモリ109に一時的に記憶される各フィールドのSD信号(525i信号)を構成するSD画素毎に特徴量CHを検出するものである。本実施の形態において、あるSD画素(着目画素)に対応した特徴量CHは、そのSD画素を中心とした所定サイズのブロック内のダイナミックレンジDRとアクティビティACTの乗算値の平方根をとった値(√(DR×ACT)とする。ブロックサイズは、例えば5×5とする。
【0060】
ダイナミックレンジDRは、図3に示すように、着目画素を中心とした5×5のブロック内に含まれる25個のSD画素のデータxi-2,j+2〜xi+2,j-2の中で、最大値をMAX、最小値をMINとするとき、(4)式で定義される。図3では、着目画素の座標を(i,j)としている。
DR=MAX−MIN ・・・(4)
【0061】
アクティビティACTは、図4に示すように、着目画素の座標を(i,j)とし、この着目画素を中心とした5×5のブロック内に含まれる25個のSD画素のデータをxi-2,j+2〜xi+2,j-2とするとき、(5)式で定義される。ここで、i1=i−2,・・・,i+1、i2=i−2,・・・,i+2、j1=j−2,・・・,j+2、j2=j−2,・・・,j+1である。
【0062】
【数3】
Figure 0004051934
【0063】
図5は、ダイナミックレンジDRおよびアクティビティACTによる検出部分のモデルを示している。ダイナミックレンジDRを用いると、図5中の右上の太線で示したように、画像の輪郭が検出される。一方、アクティビティACTを用いると、図5中の右下の太い線で示したように、画像の低周波領域に囲まれた高周波領域が検出される。特徴量CHは上述したように、√(DR×ACT)で定義されるため、この特徴量CHを用いると、画像の輪郭および画像の低周波領域に囲まれた高周波領域の両方が検出されることとなる。
【0064】
上述したように、525i信号を1050i信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の1画素に対応して、1050i信号の4画素を注目画素として、推定式で得るものである。したがって、特徴量検出部141にてSD信号(525i信号)を構成する各1画素に対応した特徴量CHを検出するということは、HD信号(1050i信号)を構成する各4画素(注目画素)の周辺における高周波成分量に関係する特徴量CHを検出していることになる。
【0065】
特徴量検出部141は、バッファメモリ109に記憶されるあるフィールドのSD信号に対する特徴量CHの検出処理を例えば垂直ブランキング期間で行う。特徴量メモリ142は、特徴量検出部141においてある垂直ブランキング期間に検出される1フィールド分の各SD画素に対応した特徴量CHを格納するものである。
【0066】
また、特徴量領域決定部143は、特徴量メモリ142に格納された、あるフィールドの全SD画素に対応する特徴量CHを用いて、特徴量CHの最小値から最大値までの範囲を4領域に分割して4つの特徴量領域を決定するものである。特徴量領域決定部143は、この特徴量領域の決定処理を垂直ブランキング期間で行う。この場合、全SD画素に対応する特徴量CHのうち各特徴量領域に含まれる個数が略等しくなるように、4つの特徴量領域が決定される。
【0067】
図6は、全SD画素に対応する特徴量CHのヒストグラムモデルを示している。CHminは特徴量CHの最小値、CHmaxは特徴量CHの最大値を示している。Ra,Rb,Rc,Rdは4つの特徴量領域であり、Na,Nb,Nc,Ndは全SD画素に対応する特徴量CHのうち各特徴量領域に含まれる個数を示している。この場合、個数Na,Nb,Nc,Ndが略等しくなるように、特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdが決定されることとなる。
【0068】
ここで、特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdの意義について考えてみる。Ra,Rb,Rc,Rdの順に、特徴量CHが大きく高周波成分量が多くなることから、画面全体で、同じ解像度を得るための係数データを用いてSD画素データからHD画素データを生成する場合、Rd側の特徴量領域内の特徴量CHが検出される箇所ほど不適切な解像度となりやすい。図7のa,b,c,dは、それぞれRa,Rb,Rc,Rdの特徴量領域内の特徴量CHが検出される画面内の箇所を示している。これら各箇所における不適切な解像度となる度合い(破綻度合い)をpa,pb,pc,pdとすると、pa<pb<pc<pdの関係となる。
【0069】
領域検出部144は、特徴量検出部141においてある垂直ブランキング期間に検出されて特徴量メモリ142に格納された各SD画素に対応する特徴量CHを、続く垂直有効走査期間で順次取り出し、各SD画素に対応する特徴量CHが、上述した特徴量領域決定部143で決定された特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるかを検出し、その検出情報DETを出力するものである。
【0070】
係数選択信号生成部145は、領域検出部144からの検出情報DETと、システムコントローラ101から供給されるパラメータQの値とから、係数選択信号SELを生成するものである。
係数選択信号生成部145は、パラメータQの各値に対応した、上述の特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdにおける解像度選択情報RESが格納された格納手段としてのROM(read only memory)146を持っている。
【0071】
図8は、ROM146内に格納された解像度選択情報RESを模式的に表したものである。
この図において、「a」が記載された範囲(第1の範囲)では、特徴量CHが特徴量領域Raに含まれるときRES=1であり、特徴量CHが特徴量領域Rb,Rc,Rdに含まれるときRES=0であることを意味し、「a,b」が記載された範囲(第2の範囲)では、特徴量CHが特徴量領域Ra,Rbに含まれるときRES=1であり、特徴量CHが特徴量領域Rc,Rdに含まれるときRES=0であることを意味し、「a,b,c」が記載された範囲(第3の範囲)では、特徴量CHが特徴量領域Ra,Rb,Rcに含まれるときRES=1であり、特徴量CHが特徴量領域Rdに含まれるときRES=0であることを意味し、「a,b,c,d」が記載された範囲(第4の範囲)では、特徴量CHが特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるときでもRES=1であることを意味する。
【0072】
また、この図において、i<Q≦(i+0.25)は第1の範囲に該当し、(i+0.25)<Q≦(i+0.5)は第2の範囲に該当し、(i+0.5)<Q≦(i+0.75)は第3の範囲に該当し、(i+0.75)<Q≦(i+1)は第4の範囲に該当する。ここで、i=0,1,・・・,7である。なお、Q=0であるときは、特徴量CHが特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるときでもRES=0である。
【0073】
係数選択信号生成部145は、領域検出部144からの検出情報DETと、システムコントローラ101から供給されるパラメータQの値に対応した解像度選択情報RESをROM146より取り出し、この解像度選択情報RESを係数選択信号SELとして出力する。例えば、パラメータQの値が0.4で、検出情報DETが特徴量CHが特徴量領域Raに含まれていることを表しているとき、ROM146よりSEL=1が取り出され、係数選択信号SELとして1が出力される。
【0074】
この係数選択信号生成部145より出力される係数選択信号SELが、係数選択回路133の出力ともなる。このように、係数選択回路133より出力される係数選択信号SELは、上述したように係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給される。係数メモリ131(図1参照)には上述したように情報メモリバンク132からパラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した係数データがロードされるが、SEL=0であるときは離散値mに対応した係数データが読み出し対象となり、SEL=1であるときは離散値m+1に対応した係数データが読み出し対象となる。
【0075】
図1に戻って、また、画像信号処理部110は、第1のタップ選択回路121で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ131より読み出される係数データwiとから、作成すべきHD信号の画素データ(注目位置の画素データ)yを演算する推定予測演算回路127を有している。
【0076】
上述したように、SD信号(525i信号)をHD信号(1050i信号)に変換する際には、SD信号の1画素に対してHD信号の4画素を得る必要があることから、この推定予測演算回路127では、HD信号を構成する2×2の単位画素ブロック毎に、HD画素データが生成される。
【0077】
すなわち、この推定予測演算回路127には、第1のタップ選択回路121より単位画素ブロック内の4画素のデータ(注目位置の画素データ)に対応した予測タップのデータxiと、係数メモリ131よりその単位画素ブロックを構成する4画素に対応した係数データwiとが供給され、単位画素ブロックを構成する4画素のデータy1〜y4は、それぞれ個別に(6)式の推定式で演算される。
【0078】
【数4】
Figure 0004051934
【0079】
また、画像信号処理部110は、推定予測演算回路127より順次出力される単位画素ブロックを構成する4画素のデータy1〜y4を、線順次化して1050i信号のフォーマットで出力する後処理回路128を有している。
【0080】
次に、画像信号処理部110の動作を説明する。
バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路122で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この空間クラスタップのデータは空間クラス検出回路124に供給される。この空間クラス検出回路124では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0081】
また、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第3のタップ選択回路123で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この動きクラスタップのデータは動きクラス検出回路125に供給される。この動きクラス検出回路125では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0082】
このクラス情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路126に供給される。このクラス合成回路126では、これらクラス情報MVと再量子化コードqiとから、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック毎に、その単位画素ブロック内の4画素のデータ(注目位置の画素データ)が属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。そして、このクラスコードCLは、係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給される。
【0083】
また、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、係数選択回路133で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック毎にその単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)に対応する係数選択信号SELが生成される。
【0084】
すなわち、図2に示すように、バッファメモリ109に記憶されるSD信号(525i信号)が係数選択回路133の特徴量検出部141に供給され、この特徴量検出部141では各フィールドのSD信号を構成するSD画素毎に特徴量CH=√(DR×ACT)が検出される。そして、特徴量検出部141で、ある垂直ブランキング期間で検出される1フィールド分のSD信号に対応する特徴量CHは特徴量メモリ142に格納される。
【0085】
また、特徴量領域決定部143において、ある垂直ブランキング期間に特徴量メモリ142に格納された1フィールド分のSD信号に対応する特徴量CHが使用されて、全SD画素に対応する特徴量CHの最小値CHminから最大値CHmaxまでの範囲を4領域に分割して4つの特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdが決定される(図6参照)。この場合、全SD画素に対応する特徴量CHのうち各特徴量領域に含まれる個数が略等しくなるように4つの特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdの範囲が決定される。
【0086】
そして、ある垂直ブランキング期間に特徴量メモリ142に格納された1フィールド分のSD信号が、続く垂直有効走査期間で順次取り出されて領域検出部144に供給され、各SD画素に対応する特徴量CHが、上述した特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるかが検出される。この検出情報DETは係数選択信号生成部145に供給される。
【0087】
この係数選択信号生成部145には、さらにシステムコントローラ101からパラメータQが供給される。係数選択信号生成部145が持っているROM146には、上述したように、パラメータQの各値に対応した、特徴量領域Ra,Rb,Rc,Rdにおける解像度選択情報RESが格納されている。係数選択信号生成部145では、領域検出部144からの検出情報DETと、システムコントローラ101から供給されるパラメータQの値に対応した解像度選択情報RESがROM146より取り出される。
【0088】
そして、この取り出された解像度選択情報RESが、係数選択信号生成部145、従って係数選択回路133の出力である係数選択信号SELとなる。したがって、係数選択回路133からは、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック毎にその単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)に対応する係数選択信号SELが出力される。この係数選択信号SELは、係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給される。
【0089】
係数メモリ131には、情報メモリバンク132から、パラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データがロードされている。このような係数データのロード動作は、例えば、パラメータQの値に変更があって、係数メモリ131に格納すべき係数データの変更が必要となる場合に行われる。
【0090】
係数メモリ131に上述したようにクラスコードCLおよび係数選択信号SELが読み出しアドレス情報として供給されることで、この係数メモリ131からクラスコードCLに対応し、かつ係数選択信号SELに対応した係数データwiが読み出されて推定予測演算回路127に供給される。この場合、SEL=0であるときは離散値mに対応した係数データが読み出され、SEL=1であるときは離散値m+1に対応した係数データが読み出される。
【0091】
また、第1のタップ選択回路121では、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この予測タップのデータxiは推定予測演算回路127に供給される。
【0092】
推定予測演算回路127では、予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ131より読み出される4画素分の係数データwiとから、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素のデータ(HD画素データ)y1〜y4がそれぞれ個別に演算される((6)式参照)。そして、この推定予測演算回路127より順次出力される4画素のデータy1〜y4は、後処理回路128に供給される。この後処理回路128は、推定予測演算回路127より順次出力される4画素のデータy1〜y4を線順次化し、1050i信号のフォーマットで出力する。つまり、この後処理回路128からは、HD信号としての1050i信号が出力される。
【0093】
上述したように、係数メモリ131にはシステムコントローラ101より供給されるパラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データが情報メモリバンク132よりロードされる。そのため、ユーザがリモコン送信機200を操作してパラメータQの値を変更すると、それに伴って係数メモリ131に格納される係数データも変更され、推定予測演算回路127ではHD信号の画素データがパラメータQの値に対応して生成される。したがって、ユーザは、パラメータQの値を変更することで、HD信号による画像の解像度を、従来のコントラストやシャープネスの調整のように、所望の値に任意に調整できる。
【0094】
また、係数メモリ131に格納されるパラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データのうち、推定予測演算回路127で実際にHD信号の画素データを生成する際に使用する係数データが、係数選択回路133で生成される係数選択信号SELに基づいて決定される。すなわち、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺における特徴量CHが、不適切な解像度となる度合い(破綻度合い)がいかなる特徴量領域に含まれるか、およびパラメータQの値がmからm+1までのいずれにあるかに応じて、離散値mに対応した係数データを使用するか、離散値m+1に対応した係数データを使用するか決定される。因に、離散値m+1に対応した係数データは、離散値mに対応した係数データより、高い解像度を得るためのものである。
【0095】
例えば、パラメータQの値がmに近くなる程、特徴量CHが不適切な解像度となる度合い(破綻度合い)が低い特徴量領域に含まれる場合だけ、離散値m+1に対応した係数データが使用される(図8参照)。
【0096】
このように、全画面一様に同一の係数データを用いるものではなく、注目位置の特徴量に応じて選択された係数データを用いて注目位置の画素データを生成するものである。これにより、パラメータQを変更して解像度を調整する際に、不適切な解像度となる度合い(破綻度合い)が高い特徴量領域に特徴量CHが含まれる箇所が不適切な解像度となることを防止でき、HD信号による画像の画質の向上を図ることができる。
【0097】
図9は、画面内の各箇所a〜dが、図7で説明したと同様の状態にある場合において、パラメータQの値がm〜m+1に変化した場合に、各箇所で離散値mあるいは離散値m+1のいずれに対応した係数データが使用されるかを示したものである。
【0098】
Q=mである場合には、図9(a)に示すように、a〜dの全ての箇所で離散値mに対応した係数データwmが使用される。m<Q≦m+0.25である場合には、図9(b)に示すように、aの箇所で離散値m+1に対応した係数データwm+1が使用され、b〜dの箇所で離散値mに対応した係数データwmが使用される。m+0.25<Q≦m+0.5である場合には、図9(c)に示すように、a,bの箇所で離散値m+1に対応した係数データwm+1が使用され、c,dの箇所で離散値mに対応した係数データwmが使用される。m+0.5<Q≦m+0.75である場合には、図9(d)に示すように、a〜cの箇所で離散値m+1に対応した係数データwm+1が使用され、dの箇所で離散値mに対応した係数データwmが使用される。さらに、m+0.75<Q≦m+1である場合には、図9(e)に示すように、a〜dの全て箇所で離散値m+1に対応した係数データwm+1が使用される。
【0099】
なお、上述実施の形態においては、注目画素の周辺における高周波成分量に関係する特徴量CHとして、√(DR×ACT)で表されるものを使用したものであるが、これに限定されるものではない。この特徴量CHとしては、同じ解像度を得るための係数データを使用してHD信号を得る場合に、不適切な解像度となる度合い(破綻度合い)を段階的に分類できるものであればよい。
【0100】
また、上述実施の形態においては、説明を簡単にするため、特徴量CHの最小値CHminから最大値CHmaxまでの範囲を4領域に分割して4つの特徴量領域Ra〜Rdを決定し(図6参照)、またそれに対応してパラメータQの各離散値の間を4つの範囲に分割した(図8参照)ものを示したが、これらの個数は実際にはもっと多くされ、例えば10とされる。
【0101】
また、上述実施の形態においては、全SD画素に対応する特徴量CHのうち各特徴量領域に含まれる個数Na,Nb,Nc,Ndが略等しくなるようにしたが、必ずしも等しくする必要はない。ただし、個数Na,Nb,Nc,Ndを略等しくすることで、パラメータQの値の変化に比例したHD画像の解像度変化を期待できる。
【0102】
次に、情報メモリバンク132に蓄積されるパラメータQの0,1,・・・,8の各離散値に対応した、9つの解像度に対応する係数データの生成方法について説明する。この係数データは、予め学習によって生成されたものである。
【0103】
まず、この学習方法について説明する。(6)式の推定式に基づく係数データwi(i=1〜n)を最小二乗法により求める例を示すものとする。一般化した例として、Xを入力データ、Wを係数データ、Yを予測値として、(7)式の観測方程式を考える。この(7)式において、mは学習データの数を示し、nは予測タップの数を示している。
【0104】
【数5】
Figure 0004051934
【0105】
(7)式の観測方程式により収集されたデータに最小二乗法を適用する。この(7)式の観測方程式をもとに、(8)式の残差方程式を考える。
【0106】
【数6】
Figure 0004051934
【0107】
(8)式の残差方程式から、各wiの最確値は、(9)式のe2を最小にする条件が成り立つ場合と考えられる。すなわち、(10)式の条件を考慮すればよいわけである。
【0108】
【数7】
Figure 0004051934
【0109】
つまり、(10)式のiに基づくn個の条件を考え、これを満たすw1,w2,・・・,wnを算出すればよい。そこで、(8)式の残差方程式から、(11)式が得られる。さらに、(11)式と(7)式とから、(12)式が得られる。
【0110】
【数8】
Figure 0004051934
【0111】
そして、(8)式と(12)式とから、(13)式の正規方程式が得られる。
【0112】
【数9】
Figure 0004051934
【0113】
(13)式の正規方程式は、未知数の数nと同じ数の方程式を立てることが可能であるので、各wiの最確値を求めることができる。この場合、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)等を用いて連立方程式を解くことになる。
【0114】
図10は、上述した概念で係数データを生成する係数データ生成装置150を示している。この係数データ生成装置150は、教師信号としてのHD信号(1050i信号)が入力される入力端子151と、このHD信号に対して水平および垂直の間引き処理を行って、生徒信号としてのSD信号を得るSD信号生成回路152とを有している。
【0115】
このSD信号生成回路152には、パラメータQが制御信号として供給される。このパラメータQは、図1に示すテレビ受信機100で、ユーザのリモコン送信機200の操作によってシステムコントローラ101より出力されるパラメータQに対応したものである。ただし、ここでは、パラメータQの値として0,1,・・・,8の9つの離散値のみをとる。
【0116】
このSD信号生成回路152では、パラメータQの値に対応して、HD信号からSD信号を生成する際に使用されるフィルタの水平および垂直の帯域が可変される。このフィルタは、例えば水平帯域を制限する1次元ガウシアンフィルタと垂直帯域を制限する1次元ガウシアンフィルタとから構成される。この1次元ガウシアンフィルタは、(14)式で示される。
【0117】
【数10】
Figure 0004051934
【0118】
この場合、Qの離散的な値に対応して標準偏差σの値を段階的に変えることで、Qの離散的な値に対応した周波数特性を持つ1次元ガウシアンフィルタを得ることができる。この場合、パラメータQの値が大きくなる程、水平および垂直の帯域が狭くなるようにされる。これにより、パラメータQの値が大きくなる程、解像度の高いHD信号を得るための係数データを生成できる。
【0119】
また、係数データ生成装置150は、SD信号生成回路152より出力されるSD信号(525i信号)より、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する複数のSD画素のデータを選択的に取り出して出力する第1〜第3のタップ選択回路153〜155を有している。これら第1〜第3のタップ選択回路153〜155は、上述した画像信号処理部110の第1〜第3のタップ選択回路121〜123と同様に構成される。
【0120】
また、係数データ生成装置150は、第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、そのクラス情報を出力する空間クラス検出回路157を有している。この空間クラス検出回路157は、上述した画像信号処理部110の空間クラス検出回路124と同様に構成される。この空間クラス検出回路157からは、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データ毎の再量子化コードqiが空間クラスを示すクラス情報として出力される。
【0121】
また、係数データ生成装置150は、第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)より、主に動きの程度を表すための動きクラスを検出し、そのクラス情報MVを出力する動きクラス検出回路158を有している。この動きクラス検出回路158は、上述した画像信号処理部110の動きクラス検出回路125と同様に構成される。この動きクラス検出回路158では、第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)からフレーム間差分が算出され、さらにその差分の絶対値の平均値に対してしきい値処理が行われて動きの指標である動きクラスが検出される。
【0122】
また、係数データ生成装置150は、空間クラス検出回路157より出力される空間クラスのクラス情報としての再量子化コードqiと、動きクラス検出回路158より出力される動きクラスのクラス情報MVに基づき、HD信号(1050i信号)における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLを得るためのクラス合成回路159を有している。このクラス合成回路159も、上述した画像信号処理部110のクラス合成回路126と同様に構成される。
【0123】
また、係数データ生成装置150は、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、クラス毎に、n個の係数データwiを得るための正規方程式((13)式参照)を生成する正規方程式生成部160を有している。
【0124】
この場合、1個のHD画素データyとそれに対応するn個の予測タップ画素データとの組み合わせで上述した1個の学習データが生成され、従って正規方程式生成部160では多くの学習データが登録された正規方程式が生成される。なお、図示せずも、第1のタップ選択回路153の前段に時間合わせ用の遅延回路を配置することで、この第1のタップ選択回路153から正規方程式生成部160に供給されるSD画素データxiのタイミング合わせが行われる。
【0125】
また、係数データ生成装置150は、正規方程式生成部160でクラス毎に生成された正規方程式のデータが供給され、クラス毎に生成された正規方程式を解いて、各クラスの係数データwiを求める係数データ決定部161と、この求められた係数データwiを記憶する係数メモリ162とを有している。係数データ決定部161では、正規方程式が例えば掃き出し法などによって解かれて、係数データwiが求められる。
【0126】
図10に示す係数データ生成装置150の動作を説明する。入力端子151には教師信号としてのHD信号(1050i信号)が供給され、そしてこのHD信号に対してSD信号生成回路152で水平および垂直の間引き処理が行われて生徒信号としてのSD信号(525i信号)が生成される。この場合、SD信号生成回路152には、パラメータQが制御信号として供給され、パラメータQの離散的な値に対応して、水平および垂直の帯域が段階的に変化した複数のSD信号が順次生成されていく。
【0127】
このSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路154で、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この空間クラスタップのデータは空間クラス検出回路157に供給される。この空間クラス検出回路157では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0128】
また、SD信号生成回路152で生成されたSD信号より、第3のタップ選択回路155で、HD信号における注目位置の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この動きクラスタップのデータは動きクラス検出回路158に供給される。この動きクラス検出回路158では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0129】
このクラス情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路159に供給される。このクラス合成回路159では、これらクラス情報MVと再量子化コードqiとから、HD信号(1050i信号)における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。
【0130】
また、SD信号生成回路152で生成されるSD信号より、第1のタップ選択回路153で、HD信号に係る注目画素の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。そして、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路121で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、正規方程式生成部160では、クラス毎に、n個の係数データwiを生成するための正規方程式が生成される。
【0131】
そして、係数データ決定部161でその正規方程式が解かれ、各クラスの係数データwiが求められ、その係数データwiはクラス別にアドレス分割された係数メモリ162に記憶される。
【0132】
このように、図10に示す係数データ生成装置150においては、図1の画像信号処理部110の情報メモリバンク132に記憶される各クラスの係数データwiを生成できる。この場合、SD信号生成回路152で生成されるSD信号の水平および垂直の帯域をパラメータQの値によって段階的に変化させることができる。そのため、パラメータQの値を0,1,・・・,8に順次変化させてクラス毎の係数データwiを決定していくことで、パラメータQの0,1,・・・,8の離散的な値に対応した各クラスの係数データwiを生成できる。
【0133】
なお、図1の画像信号処理部110における処理を、例えば図11に示すような画像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。
まず、図11に示す画像信号処理装置300について説明する。この画像信号処理装置300は、装置全体の動作を制御するCPU301と、このCPU301の動作プログラムや係数データ等が格納されたROM(read only memory)302と、CPU301の作業領域を構成するRAM(random access memory)303とを有している。これらCPU301、ROM302およびRAM303は、それぞれバス304に接続されている。
【0134】
また、画像信号処理装置300は、外部記憶装置としてのハードディスクをドライブするドライブ(HDD)305と、フロッピー(登録商標)ディスク306をドライブするドライブ(FDD)307とを有している。これらドライブ305,307は、それぞれバス304に接続されている。
【0135】
また、画像信号処理装置300は、インターネット等の通信網400に有線または無線で接続する通信部308を有している。この通信部308は、インタフェース309を介してバス304に接続されている。
【0136】
また、画像信号処理装置300は、ユーザインタフェース部を備えている。このユーザインタフェース部は、リモコン送信機200からのリモコン信号RMを受信するリモコン信号受信回路310と、LCD(liquid crystal display)等からなるディスプレイ311とを有している。受信回路310はインタフェース312を介してバス304に接続され、同様にディスプレイ311はインタフェース313を介してバス304に接続されている。
【0137】
また、画像信号処理装置300は、SD信号を入力するための入力端子314と、HD信号を出力するための出力端子315とを有している。入力端子314はインタフェース316を介してバス304に接続され、同様に出力端子315はインタフェース317を介してバス304に接続される。
【0138】
ここで、上述したようにROM302に処理プログラムや係数データ等を予め格納しておく代わりに、例えばインターネットなどの通信網400より通信部308を介してダウンロードし、ハードディスクやRAM303に蓄積して使用することもできる。また、これら処理プログラムや係数データ等をフロッピー(登録商標)ディスク306で提供するようにしてもよい。
【0139】
また、処理すべきSD信号を入力端子314より入力する代わりに、予めハードディスクに記録しておき、あるいはインターネットなどの通信網400より通信部308を介してダウンロードしてもよい。また、処理後のHD信号を出力端子315に出力する代わり、あるいはそれと並行してディスプレイ311に供給して画像表示をしたり、さらにはハードディスクに格納したり、通信部308を介してインターネットなどの通信網400に送出するようにしてもよい。
【0140】
図12のフローチャートを参照して、図11に示す画像信号処理装置300における、SD信号よりHD信号を得るため処理手順を説明する。
まず、ステップST1で、処理を開始し、ステップST2で、SD画素データをフィールド単位で入力する。このSD画素データが入力端子314より入力される場合には、このSD画素データをRAM303に一時的に格納する。また、このSD画素データがハードディスクに記録されている場合には、ハードディスクドライブ307でこのSD画素データを読み出し、RAM303に一時的に格納する。そして、ステップST3で、入力SD画素データの全フィールドの処理が終わっているか否かを判定する。処理が終わっているときは、ステップST4で、処理を終了する。一方、処理が終わっていないときは、ステップST5に進む。
【0141】
ステップST5では、ユーザがリモコン送信機200を操作して入力したパラメータQの値を例えばRAM303より読み込む。そして、ステップST6で、読み込んだパラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データを読み出し、RAM303に一時的に格納する。
【0142】
次に、ステップST7で、ステップST2で入力された1フィールド分のSD画素データより、各SD画素の特徴量CH(√(DR×ACT))を求め、さらに各SD画素の特徴量CHを用いて、4つの特徴量領域Ra〜Rdを決定する(図6参照)。なお、各SD画素の特徴量CHは、後のステップでさらに使用するので、RAM303に格納しておく。
【0143】
次に、ステップST8で、ステップST2で入力されたSD画素データより、生成すべき各HD画素データ(注目画素データ)に対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST9で、入力されたSD画素データの全領域においてHD画素データを得る処理が終了したか否かを判定する。処理が終了していないときは、ステップST10に進む。
【0144】
このステップST10では、生成すべき各HD画素データ(注目位置の画素データ)に対応するSD画素の特徴量CHが、上述の4つの特徴量領域Ra〜Rdのいずれに含まれるかを検出する。そして、ステップST11で、その検出情報DETとパラメータQの値とから、離散値m,m+1のいずれに対応した係数データを使用するかの係数選択信号SELを生成する。
【0145】
次に、ステップST12で、ステップST8で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップ13で、ステップST11で生成された係数選択信号SELで示される離散値に対応した係数データであって、ステップST12で生成されたクラスコードCLで示されるクラスの係数データと、予測タップのSD画素データを使用して、推定式((6)式参照)により、パラメータQの値に対応したHD画素データを生成し、その後にステップST8に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。
また、ステップST9で、処理が終了しているときは、ステップST2に戻り、次のフィールドのSD画素データの入力処理に移る。
【0146】
このように、図12に示すフローチャートに沿って処理をすることで、入力されたSD信号を構成するSD画素データを処理して、HD信号を構成するHD画素データを得ることができる。上述したように、このように処理して得られたHD信号は出力端子315に出力されたり、ディスプレイ311に供給されてそれによる画像が表示されたり、さらにはハードディスクドライブ305に供給されてハードディスクに記録されたりする。
【0147】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図13は、実施の形態としてのテレビ受信機100Aの構成を示している。このテレビ受信機100Aも、放送信号より525i信号というSD信号を得、この525i信号を1050i信号というHD信号に変換し、その1050i信号による画像を表示するものである。この図13において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0148】
このテレビ受信機100Aは、図1のテレビ受信機100における画像信号処理部110の代わりに、画像信号処理部110Aが設けられたものである。この画像信号処理部110Aでは、注目位置における特徴量として注目位置における動き量を用いるものである。
【0149】
画像信号処理部110Aは、第2のタップ選択回路122で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、クラスコードCLを出力する空間クラス検出回路124Aを有している。
【0150】
空間クラス検出回路124Aでは、以下の処理が行われてクラスコードCLが得られる。まず、図1の画像信号処理部110における空間クラス検出回路124と同様のADRC等の処理が行われ、第2のタップ選択回路122で取り出されたNa個の空間クラスタップのデータ(SD画素データ)に対する再量子化コードqi(i=1〜Na)が求められる。次に、この再量子化コードqi(i=1〜Na)が使用されて、(15)式によって、クラスコードCLの演算が行われる。
【0151】
【数11】
Figure 0004051934
【0152】
このように、画像信号処理部110Aでは、第2のタップ選択回路122で取り出された空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のみからクラスコードCLが得られる。この場合、上述したように、注目位置における特徴量として注目位置における動き量を用いることから、クラスコードCLには動きクラスの情報を含めないこととしている。
【0153】
また、画像信号処理部110Aは、係数選択信号SELを発生する係数選択回路133Aを有している。この係数選択信号SELも、図1の画像信号処理部110における係数選択回路133で発生される係数選択信号SELと同様に、係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給されるものであり、情報メモリバンク132から係数メモリ131にロードされて格納された、パラメータQの2つの離散値に対応した係数データのうち一つの係数データを選択するために使用される。
【0154】
図14は、係数選択回路133Aの構成を示している。この図14において、図2と対応する部分には同一符号を付して示している。
この係数選択回路133Aは、動き量検出部141A、動き量メモリ142A、動き量領域決定部143A、領域検出部144Aおよび係数選択信号生成部145Aからなっている。
【0155】
動き量検出部141Aは、バッファメモリ109に一時的に記憶される各フィールドのSD信号(525i信号)を構成するSD画素毎に、動き量を検出するものである。この場合、あるSD画素(着目画素)に対応した動き量は、例えばそのSD画素を中心とした所定サイズのブロックを使用し、周知のブロックマッチング法により動きベクトルを求め、この動きベクトルの大きさとして検出される。なお、動きベクトルはブロックマッチング法ではなく、勾配法により求めてもよい。
【0156】
上述したように、525i信号を1050i信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の1画素に対応して、1050i信号の4画素を注目画素として、推定式で得るものである。したがって、動き量検出部141AにおいてSD信号(525i信号)を構成する各1画素に対応した動き量CHを検出するということは、HD信号(1050i信号)を構成する各4画素(注目画素)の動き量CHを検出していることになる。
【0157】
動き量検出部141Aは、バッファメモリ109に記憶されるあるフィールドのSD信号に対する動き量CHの検出処理を例えば垂直ブランキング期間で行う。動き量メモリ142Aは、動き量検出部141Aにおいてある垂直ブランキング期間に検出される1フィールド分の各SD画素に対応した動き量CHを格納するものである。
【0158】
また、動き量領域決定部143Aは、動き量メモリ142Aに格納された、あるフィールドの全SD画素に対応する動き量CHを用いて、動き量CHの最小値から最大値までの範囲を4領域に分割して4つの動き量領域を決定するものである。動き量領域決定部143Aは、この動き量領域の決定処理を垂直ブランキング期間で行う。この場合、全SD画素に対応する動き量CHのうち各動き量領域に含まれる個数が略等しくなるように、4つの動き量領域が決定される。
【0159】
図15は、全SD画素に対応する動き量CHのヒストグラムモデルを示している。CHminは動き量CHの最小値、CHmaxは動き量CHの最大値を示している。Ra,Rb,Rc,Rdは4つの動き量領域であり、Na,Nb,Nc,Ndは全SD画素に対応する動き量CHのうち各動き量領域に含まれる個数を示している。この場合、個数Na,Nb,Nc,Ndが略等しくなるように、動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdが決定されることとなる。
【0160】
ここで、動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdの意義について考えてみる。Ra,Rb,Rc,Rdの順に、動き量CHが大きくなることから、画面全体で、同じ解像度を得るための係数データを用いてSD画素データからHD画素データを生成する場合、Rd側の動き量領域内の動き量CHが検出される箇所ほど不適切な解像度となりやすい。図16のa,b,c,dは、それぞれRa,Rb,Rc,Rdの動き量領域内の動き量CHが検出される画面内の箇所を示している。各箇所における不適切な解像度となる度合い(破綻度合い)をpa,pb,pc,pdとすると、pa<pb<pc<pdの関係となる。
【0161】
領域検出部144Aは、動き量検出部141Aにおいてある垂直ブランキング期間に検出されて動き量メモリ142Aに格納された各SD画素に対応する動き量CHを、続く垂直有効走査期間で順次取り出し、各SD画素に対応する動き量CHが、上述した動き量領域決定部143Aで決定された動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるかを検出し、その検出情報DETを出力するものである。
【0162】
係数選択信号生成部145Aは、領域検出部144Aからの検出情報DETと、システムコントローラ101から供給されるパラメータQの値とから、係数選択信号SELを生成するものである。係数選択信号生成部145Aは、パラメータQの各値に対応した、上述の動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdにおける解像度選択情報RESが格納された格納手段としてのROM146を持っている。上述の図8は、ROM146内に格納された解像度選択情報RESを模式的に表している。
【0163】
この図において、「a」が記載された範囲(第1の範囲)では、動き量CHが動き量領域Raに含まれるときRES=1であり、動き量CHが動き量領域Rb,Rc,Rdに含まれるときRES=0であることを意味し、「a,b」が記載された範囲(第2の範囲)では、動き量CHが動き量領域Ra,Rbに含まれるときRES=1であり、動き量CHが動き量領域Rc,Rdに含まれるときRES=0であることを意味し、「a,b,c」が記載された範囲(第3の範囲)では、動き量CHが動き量領域Ra,Rb,Rcに含まれるときRES=1であり、動き量CHが動き量領域Rdに含まれるときRES=0であることを意味し、「a,b,c,d」が記載された範囲(第4の範囲)では、動き量CHが動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるときでもRES=1であることを意味する。
【0164】
また、この図において、i<Q≦(i+0.25)は第1の範囲に該当し、(i+0.25)<Q≦(i+0.5)は第2の範囲に該当し、(i+0.5)<Q≦(i+0.75)は第3の範囲に該当し、(i+0.75)<Q≦(i+1)は第4の範囲に該当する。ここで、i=0,1,・・・,7である。なお、Q=0であるときは、動き量CHが動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるときでもRES=0である。
【0165】
係数選択信号生成部145Aは、領域検出部144Aからの検出情報DETと、システムコントローラ101から供給されるパラメータQの値に対応した解像度選択情報RESをROM146より取り出し、この解像度選択情報RESを係数選択信号SELとして出力する。例えば、パラメータQの値が0.4で、検出情報DETが動き量CHが動き量領域Raに含まれていることを表しているとき、ROM146よりSEL=1が取り出され、係数選択信号SELとして1が出力される。
【0166】
この係数選択信号生成部145Aより出力される係数選択信号SELが、係数選択回路133Aの出力ともなる。このように、係数選択回路133Aより出力される係数選択信号SELは、上述したように係数メモリ131(図13参照)に読み出しアドレス情報として供給される。係数メモリ131には上述したように情報メモリバンク132からパラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した係数データがロードされるが、SEL=0であるときは離散値mに対応した係数データが読み出し対象となり、SEL=1であるときは離散値m+1に対応した係数データが読み出し対象となる。
図13に示す画像信号処理部110Aのその他は、図1に示す画像信号処理部110と同様に構成される。
【0167】
次に、画像信号処理部110Aの動作を説明する。
バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路122で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この空間クラスタップのデータは空間クラス検出回路124Aに供給される。この空間クラス検出回路124Aでは、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されてクラスコードCLが得られる((15)式参照)。このクラスコードCLは、係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給される。
【0168】
また、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、係数選択回路133Aで、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック毎にその単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)に対応する係数選択信号SELが生成される。
【0169】
すなわち、図14に示すように、バッファメモリ109に記憶されるSD信号(525i信号)が係数選択回路133Aの動き量検出部141Aに供給され、この動き量検出部141Aでは各フィールドのSD信号を構成するSD画素毎に、ブロックマッチング法あるいは勾配法などにより動き量CHが検出される。そして、動き量検出部141Aで、ある垂直ブランキング期間で検出される1フィールド分のSD信号に対応する動き量CHは動き量メモリ142Aに格納される。
【0170】
また、動き量領域決定部143Aにおいて、ある垂直ブランキング期間に動き量メモリ142Aに格納された1フィールド分のSD信号に対応する動き量CHが使用されて、全SD画素に対応する動き量CHの最小値CHminから最大値CHmaxまでの範囲を4領域に分割して4つの動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdが決定される(図15参照)。この場合、全SD画素に対応する動き量CHのうち各動き量領域に含まれる個数が略等しくなるように4つの動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdの範囲が決定される。
【0171】
そして、ある垂直ブランキング期間に動き量メモリ142Aに格納された1フィールド分のSD信号が、続く垂直有効走査期間で順次取り出されて領域検出部144Aに供給され、各SD画素に対応する動き量CHが、上述した動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるかが検出される。この検出情報DETは係数選択信号生成部145Aに供給される。
【0172】
この係数選択信号生成部145Aには、さらにシステムコントローラ101からパラメータQが供給される。係数選択信号生成部145Aが持っているROM146には、上述したように、パラメータQの各値に対応した、動き量領域Ra,Rb,Rc,Rdにおける解像度選択情報RESが格納されている。係数選択信号生成部145Aでは、領域検出部144Aからの検出情報DETと、システムコントローラ101から供給されるパラメータQの値に対応した解像度選択情報RESがROM146より取り出される。
【0173】
そして、この取り出された解像度選択情報RESが、係数選択信号生成部145A、従って係数選択回路133Aの出力である係数選択信号SELとなる。したがって、係数選択回路133Aからは、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック毎にその単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)に対応する係数選択信号SELが出力される。この係数選択信号SELは、係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給される。
【0174】
係数メモリ131には、情報メモリバンク132から、パラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データがロードされている。このような係数データのロード動作は、例えば、パラメータQの値に変更があって、係数メモリ131に格納すべき係数データの変更が必要となる場合に行われる。
【0175】
係数メモリ131に上述したようにクラスコードCLおよび係数選択信号SELが読み出しアドレス情報として供給されることで、この係数メモリ131からクラスコードCLに対応し、かつ係数選択信号SELに対応した係数データwiが読み出されて推定予測演算回路127に供給される。この場合、SEL=0であるときは離散値mに対応した係数データが読み出され、SEL=1であるときは離散値m+1に対応した係数データが読み出される。
【0176】
また、第1のタップ選択回路121では、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この予測タップのデータxiは推定予測演算回路127に供給される。
【0177】
推定予測演算回路127では、予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ131より読み出される4画素分の係数データwiとから、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素のデータ(HD画素データ)y1〜y4がそれぞれ個別に演算される((6)式参照)。そして、この推定予測演算回路127より順次出力される4画素のデータy1〜y4は、後処理回路128に供給される。この後処理回路128は、推定予測演算回路127より順次出力される4画素のデータy1〜y4を線順次化し、1050i信号のフォーマットで出力する。つまり、この後処理回路128からは、HD信号としての1050i信号が出力される。
【0178】
上述したように、係数メモリ131にはシステムコントローラ101より供給されるパラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データが情報メモリバンク132よりロードされる。そのため、ユーザがリモコン送信機200を操作してパラメータQの値を変更すると、それに伴って係数メモリ131に格納される係数データも変更され、推定予測演算回路127ではHD信号の画素データがパラメータQの値に対応して生成される。したがって、ユーザは、パラメータQの値を変更することで、HD信号による画像の解像度を、従来のコントラストやシャープネスの調整のように、所望の値に任意に調整できる。
【0179】
また、係数メモリ131に格納されるパラメータQの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データのうち、推定予測演算回路127で実際にHD信号の画素データを生成する際に使用する係数データが、係数選択回路133Aで生成される係数選択信号SELに基づいて決定される。すなわち、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の動き量CHが、不適切な解像度となる度合い(破綻度合い)がいかなる動き量領域に含まれるか、およびパラメータQの値がmからm+1までのいずれにあるかに応じて、離散値mに対応した係数データを使用するか、離散値m+1に対応した係数データを使用するか決定される。因に、離散値m+1に対応した係数データは、離散値mに対応した係数データより、高い解像度を得るためのものである。
【0180】
例えば、パラメータQの値がmに近くなる程、動き量CHが不適切な解像度となる度合い(破綻度合い)が低い動き量領域に含まれる場合だけ、離散値m+1に対応した係数データが使用される(図8参照)。
【0181】
このように、全画面一様に同一の係数データを用いるものでなく、注目位置の動き量に応じて選択された係数データを用いて注目位置の画素データを生成するものである。これにより、パラメータQの値を変更して解像度を調整する際に、不適切な解像度となる度合い(破綻度合い)が高い動き量領域に動き量CHが含まれる箇所が、不適切な解像度となることを防止でき、HD信号による画像の画質の向上を図ることができる。
【0182】
なお、上述実施の形態においては、説明を簡単にするため、動き量CHの最小値CHminから最大値CHmaxまでの範囲を4領域に分割して4つの動き量領域Ra〜Rdを決定し(図15参照)、またそれに対応してパラメータQの各離散値の間を4つの範囲に分割した(図8参照)ものを示したが、これらの個数は実際にはもっと多くされ、例えば10とされる。
【0183】
また、上述実施の形態においては、全SD画素に対応する動き量CHのうち各動き量領域に含まれる個数Na,Nb,Nc,Ndが略等しくなるようにしたが、必ずしも等しくする必要はない。ただし、個数Na,Nb,Nc,Ndを略等しくすることで、パラメータQの値の変化に比例したHD画像の解像度変化を期待できる。
【0184】
また、図13の画像信号処理部110Aにおける処理も、例えば図11に示すような画像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。その場合の画像信号処理は、基本的には、上述の図12に示すフローチャートに沿って行われる。
【0185】
ただし、図13の画像信号処理部110Aでは注目位置における特徴量として注目位置における動き量を用いるものであることから、ステップST7、ステップST10における処理は以下のようになるが、その他のステップにおける処理は上述したと同様である。
【0186】
ステップST7では、ステップST2で入力された1フィールド分のSD画素データより、各SD画素の動き量を求め、さらに各SD画素の動き量CHを用いて、4つの動き量領域Ra〜Rdを決定する(図15参照)。
【0187】
また、ステップST10では、生成すべき各HD画素データ(注目位置の画素データ)に対応するSD画素の動き量CHが、上述の4つの動き量領域Ra〜Rdのいずれに含まれるかを検出する。
【0188】
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。図17は、実施の形態としてのテレビ受信機100Bの構成を示している。このテレビ受信機100Bも、放送信号より525i信号というSD信号を得、この525i信号を1050i信号というHD信号に変換し、その1050i信号による画像を表示するものである。この図17において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0189】
このテレビ受信機100Bは、図1のテレビ受信機100における画像信号処理部110の代わりに、画像信号処理部110Bが設けられたものである。この画像信号処理部110Bでは、注目位置における特徴量として注目位置における輝度が用いられる。
【0190】
また、このテレビ受信機100Bにおいて、ユーザは、リモコン送信機200の操作によって、ディスプレイ部111の画面上に表示される画像の輝度を調整できる。例えば、輝度選択モードで、アップキーおよびダウンキーの押圧操作、あるいはジョグダイヤル等のつまみの回転操作をすることで、システムコントローラ101から画像信号処理部110Bに供給される、輝度を示すパラメータBの値を変更できる。
【0191】
画像信号処理部110Bでは、後述するように、HD画素データが推定式によって算出されるが、この推定式の係数データとして、上述したパラメータBの値に対応したものが使用される。これにより、画像信号処理部110Bから出力されるHD信号による画像の輝度は、パラメータBの値に対応したものとなる。
【0192】
なお、ユーザのリモコン送信機200の操作によってパラメータBの値の変更が行われている状態では、ディスプレイ部111の画面上に、パラメータBの値の表示が行われる。ここでは図示しないが、この表示は数値または棒グラフ等を用いて行われる。ユーザは、この表示を参照して、パラメータBの値を変更できる。
【0193】
画像信号処理部110Bは、情報メモリバンク132Bを有している。本実施の形態においては、パラメータBは0〜8の間で変更可能とされる。情報メモリバンク132Bには、パラメータBの0,1,・・・,8の各離散値に対応した、9つの輝度における各クラスの係数データが予め蓄えられている。ここで、パラメータQの値が大きくなるほど輝度が高くなっていくものとする。この9つの輝度に対応する係数データの生成方法については後述する。
【0194】
なお、上述したように、525i信号を1050i信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の1画素に対応して1050i信号の4画素を得る必要がある。そのため、ある輝度におけるあるクラスの係数データは、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおける1050i信号を構成する2×2の単位画素ブロック内の4画素に対応した係数データからなっている。この2×2の単位画素ブロック内の4画素は、525i信号の画素に対応して互いに異なる位相関係になっている。
【0195】
上述したように、ユーザは、リモコン送信機200の操作部において、アップキーおよびダウンキーの押圧操作、またはジョグダイヤル等のつまみの回転操作をすることで、システムコントローラ101から画像信号処理部110Bに供給されるパラメータBの値を変更できる。情報メモリバンク132Bには、そのパラメータBが供給され、この情報メモリバンク132Bから係数メモリ131には、パラメータBの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した、各クラスの係数データがロードされる。
【0196】
すなわち、0≦B≦1であるときはB=0,1に対応した各クラスの係数データが、1<B≦2であるときはB=1,2に対応した各クラスの係数データが、2<B≦3であるときはB=2,3に対応した各クラスの係数データが、3<B≦4であるときはB=3,4に対応した各クラスの係数データが、4<B≦5であるときはB=4,5に対応した各クラスの係数データが、5<B≦6であるときはB=5,6に対応した各クラスの係数データが、6<B≦7であるときはB=6,7に対応した各クラスの係数データが、7<B≦8であるときはB=7,8に対応した各クラスの係数データが、情報メモリバンク132Bから係数メモリ131にロードされる。
【0197】
また、画像信号処理部110Bは、係数選択信号SELを発生する係数選択回路133Bを有している。この係数選択信号SELも、図1の画像信号処理部110における係数選択回路133で発生される係数選択信号SELと同様に、係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給されるものであり、情報メモリバンク132Bから係数メモリ131にロードされて格納された、パラメータBの2つの離散値に対応した係数データのうち一つの係数データを選択するために使用される。
【0198】
図18は、係数選択回路133Bの構成を示している。この図18において、図2と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この係数選択回路133Bは、輝度検出部141B、輝度メモリ142B、輝度領域決定部143B、領域検出部144Bおよび係数選択信号生成部145Bからなっている。
【0199】
輝度検出部141Bは、バッファメモリ109に一時的に記憶される各フィールドのSD信号(525i信号)を構成するSD画素毎に、輝度を検出するものである。この場合、あるSD画素(着目画素)に対応した輝度は、例えばそのSD画素を中心とした所定サイズのブロックを使用し、ブロック内の画素値の単純平均、あるいは重み付け平均により求められる。
【0200】
上述したように、525i信号を1050i信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の1画素に対応して、1050i信号の4画素を注目画素として、推定式で得るものである。したがって、輝度検出部141BにおいてSD信号(525i信号)を構成する各1画素に対応した輝度を検出するということは、HD信号(1050i信号)を構成する各4画素(注目画素)の輝度を検出していることになる。
【0201】
輝度検出部141Bは、バッファメモリ109に記憶されるあるフィールドのSD信号に対する輝度CHの検出処理を例えば垂直ブランキング期間で行う。輝度メモリ142Bは、輝度検出部141Bにおいてある垂直ブランキング期間に検出される1フィールド分の各SD画素に対応した輝度CHを格納するものである。
【0202】
また、輝度領域決定部143Bは、輝度メモリ142Bに格納された、あるフィールドの全SD画素に対応する輝度CHを用いて、輝度CHの最小値から最大値までの範囲を4領域に分割して4つの輝度領域を決定するものである。輝度領域決定部143Bは、この輝度領域の決定処理を垂直ブランキング期間で行う。この場合、全SD画素に対応する輝度CHのうち各輝度領域に含まれる個数が略等しくなるように、4つの輝度領域が決定される。
【0203】
図19は、全SD画素に対応する輝度CHのヒストグラムモデルを示している。CHminは輝度CHの最小値、CHmaxは輝度CHの最大値を示している。Ra,Rb,Rc,Rdは4つの輝度領域であり、Na,Nb,Nc,Ndは全SD画素に対応する輝度CHのうち各輝度領域に含まれる個数を示している。この場合、個数Na,Nb,Nc,Ndが略等しくなるように、輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdが決定されることとなる。
【0204】
ここで、輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdの意義について考えてみる。Ra,Rb,Rc,Rdの順に、輝度CHが大きくなることから、画面全体で同じ輝度を得るための係数データを用いてSD画素データからHD画素データを生成する場合、Rd側の輝度領域内の輝度CHが検出される箇所ほど明るくなりすぎ、不適切な輝度となりやすい。図20のa,b,c,dは、それぞれRa,Rb,Rc,Rdの輝度領域内の輝度CHが検出される画面内の箇所を示している。各箇所における不適切な輝度となる度合い(破綻度合い)をpa,pb,pc,pdとすると、pa<pb<pc<pdの関係となる。
【0205】
領域検出部144Bは、輝度検出部141Bにおいてある垂直ブランキング期間に検出されて輝度メモリ142Bに格納された各SD画素に対応する輝度CHを、続く垂直有効走査期間で順次取り出し、各SD画素に対応する輝度CHが、上述した輝度領域決定部143Aで決定された輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるかを検出し、その検出情報DETを出力するものである。
【0206】
係数選択信号生成部145Bは、領域検出部144Bからの検出情報DETと、システムコントローラ101から供給されるパラメータBの値とから、係数選択信号SELを生成するものである。係数選択信号生成部145Bは、パラメータBの各値に対応した、上述の輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdにおける輝度選択情報RESが格納された格納手段としてのROM146Bを持っている。図21は、ROM146B内に格納された輝度選択情報RESを模式的に表している。
【0207】
この図において、「a」が記載された範囲(第1の範囲)では、輝度CHが輝度領域Raに含まれるときRES=1であり、輝度CHが輝度領域Rb,Rc,Rdに含まれるときRES=0であることを意味し、「a,b」が記載された範囲(第2の範囲)では、輝度CHが輝度領域Ra,Rbに含まれるときRES=1であり、輝度CHが輝度領域Rc,Rdに含まれるときRES=0であることを意味し、「a,b,c」が記載された範囲(第3の範囲)では、輝度CHが輝度領域Ra,Rb,Rcに含まれるときRES=1であり、輝度CHが輝度領域Rdに含まれるときRES=0であることを意味し、「a,b,c,d」が記載された範囲(第4の範囲)では、輝度CHが輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるときでもRES=1であることを意味する。
【0208】
また、この図において、i<B≦(i+0.25)は第1の範囲に該当し、(i+0.25)<B≦(i+0.5)は第2の範囲に該当し、(i+0.5)<B≦(i+0.75)は第3の範囲に該当し、(i+0.75)<B≦(i+1)は第4の範囲に該当する。ここで、i=0,1,・・・,7である。なお、B=0であるときは、輝度CHが輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるときでもRES=0である。
【0209】
係数選択信号生成部145Bは、領域検出部144Bからの検出情報DETと、システムコントローラ101から供給されるパラメータBの値に対応した輝度選択情報RESをROM146Bより取り出し、この輝度選択情報RESを係数選択信号SELとして出力する。例えば、パラメータBの値が0.4で、検出情報DETが輝度CHが輝度領域Raに含まれていることを表しているとき、ROM146BよりSEL=1が取り出され、係数選択信号SELとして1が出力される。
【0210】
この係数選択信号生成部145Bより出力される係数選択信号SELが、係数選択回路133Bの出力ともなる。このように、係数選択回路133Bより出力される係数選択信号SELは、上述したように係数メモリ131(図17参照)に読み出しアドレス情報として供給される。係数メモリ131には上述したように情報メモリバンク132BからパラメータBの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した係数データがロードされるが、SEL=0であるときは離散値mに対応した係数データが読み出し対象となり、SEL=1であるときは離散値m+1に対応した係数データが読み出し対象となる。
図17に示す画像信号処理部110Bのその他は、図1に示す画像信号処理部110と同様に構成される。
【0211】
次に、画像信号処理部110Bの動作を説明する。
バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路122で、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。空間クラス検出回路124では、この空間クラスタップのデータに基づいて、クラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0212】
また、バッファメモリ109に記憶されているSD信号より、第3のタップ選択回路123で、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。動きクラス検出回路125では、この動きクラスタップのデータに基づいて、動きクラスのクラス情報MVが得られる。
【0213】
このクラス情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路126に供給される。クラス合成回路126では、これらクラス情報MVと再量子化コードqiとから、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック毎に、その単位画素ブロック内の4画素のデータ(注目位置の画素データ)が属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。このクラスコードCLは、係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給される。
【0214】
また、バッファメモリ109に記憶されているSD信号より、係数選択回路133Bで、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック毎に、その単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)に対応する係数選択信号SELが生成される。
【0215】
すなわち、図18に示すように、バッファメモリ109に記憶されるSD信号(525i信号)が係数選択回路133Bの輝度検出部141Bに供給され、この輝度検出部141Bでは各フィールドのSD信号を構成するSD画素毎に、輝度CHが検出される。そして、輝度検出部141Bで、ある垂直ブランキング期間で検出される1フィールド分のSD信号に対応する輝度CHは輝度メモリ142Bに格納される。
【0216】
また、輝度領域決定部143Bにおいて、ある垂直ブランキング期間に輝度メモリ142Bに格納された1フィールド分のSD信号に対応する輝度CHが使用されて、全SD画素に対応する輝度CHの最小値CHminから最大値CHmaxまでの範囲を4領域に分割して4つの輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdが決定される(図19参照)。この場合、全SD画素に対応する輝度CHのうち各輝度領域に含まれる個数が略等しくなるように4つの輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdの範囲が決定される。
【0217】
そして、ある垂直ブランキング期間に輝度メモリ142Bに格納された1フィールド分のSD信号が、続く垂直有効走査期間で順次取り出されて領域検出部144Bに供給され、各SD画素に対応する輝度CHが、上述した輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdのいずれに含まれるかが検出される。この検出情報DETは係数選択信号生成部145Bに供給される。
【0218】
この係数選択信号生成部145Bには、さらにシステムコントローラ101からパラメータBが供給される。係数選択信号生成部145Bが持っているROM146Bには、上述したように、パラメータBの各値に対応した、輝度領域Ra,Rb,Rc,Rdにおける輝度選択情報RESが格納されている。係数選択信号生成部145Bでは、領域検出部144Bからの検出情報DETと、システムコントローラ101から供給されるパラメータBの値に対応した輝度選択情報RESがROM146Bより取り出される。
【0219】
そして、この取り出された輝度選択情報RESが、係数選択信号生成部145B、従って係数選択回路133Bの出力である係数選択信号SELとなる。したがって、係数選択回路133Bからは、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック毎にその単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)に対応する係数選択信号SELが出力される。この係数選択信号SELは、係数メモリ131に読み出しアドレス情報として供給される。
【0220】
係数メモリ131には、情報メモリバンク132Bから、パラメータBの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データがロードされている。このような係数データのロード動作は、例えば、パラメータBの値に変更があって、係数メモリ131に格納すべき係数データの変更が必要となる場合に行われる。
【0221】
係数メモリ131に上述したようにクラスコードCLおよび係数選択信号SELが読み出しアドレス情報として供給されることで、この係数メモリ131からクラスコードCLに対応し、かつ係数選択信号SELに対応した係数データwiが読み出されて推定予測演算回路127に供給される。この場合、SEL=0であるときは離散値mに対応した係数データが読み出され、SEL=1であるときは離散値m+1に対応した係数データが読み出される。
【0222】
また、第1のタップ選択回路121では、バッファメモリ109に記憶されているSD信号(525i信号)より、作成すべきHD信号(1050i信号)を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この予測タップのデータxiは推定予測演算回路127に供給される。
【0223】
推定予測演算回路127では、予測タップのデータxiと、係数メモリ131より読み出される4画素分の係数データwiとから、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素のデータ(HD画素データ)y1〜y4がそれぞれ個別に演算される((6)式参照)。そして、この推定予測演算回路127より順次出力される4画素のデータy1〜y4は、後処理回路128に供給される。この後処理回路128は、推定予測演算回路127より順次出力される4画素のデータy1〜y4を線順次化し、1050i信号のフォーマットで出力する。つまり、この後処理回路128からは、HD信号としての1050i信号が出力される。
【0224】
上述したように、係数メモリ131にはシステムコントローラ101より供給されるパラメータBの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データが情報メモリバンク132Bよりロードされる。そのため、ユーザがリモコン送信機200を操作してパラメータBの値を変更すると、それに伴って係数メモリ131に格納される係数データも変更され、推定予測演算回路127ではHD信号の画素データがパラメータBの値に対応して生成される。したがって、ユーザは、パラメータBの値を変更することで、HD信号による画像の輝度を所望の値に任意に調整できる。
【0225】
また、係数メモリ131に格納されるパラメータBの値の近傍に位置する2つの離散値m,m+1(m=0,1,・・・,7)に対応した各クラスの係数データのうち、推定予測演算回路127で実際にHD信号の画素データを生成する際に使用する係数データが、係数選択回路133Bで生成される係数選択信号SELに基づいて決定される。すなわち、作成すべきHD信号を構成する単位画素ブロック内の4画素(注目位置の画素)の輝度CHが、不適切な輝度となる度合い(破綻度合い)がいかなる輝度領域に含まれるか、およびパラメータBの値がmからm+1までのいずれにあるかに応じて、離散値mに対応した係数データを使用するか、離散値m+1に対応した係数データを使用するか決定される。因に、離散値m+1に対応した係数データは、離散値mに対応した係数データより、高い輝度を得るためのものである。
【0226】
例えば、パラメータBの値がmに近くなる程、輝度CHが不適切な輝度となる度合い(破綻度合い)が低い輝度領域に含まれる場合だけ、離散値m+1に対応した係数データが使用される(図21参照)。
【0227】
このように、全画面一様に同一の係数データを用いるものではなく、注目位置の輝度に応じて選択された係数データを用いて注目位置の画素データを生成するものである。これにより、パラメータBの値を変更して輝度を調整する際に、不適切な輝度となる度合い(破綻度合い)が高い輝度領域に輝度CHが含まれる箇所が、不適切な輝度となることを防止でき、HD信号による画像の画質の向上を図ることができる。
【0228】
例えば、図24Aに示すような画像を考える。この画像は、左側の犬が体色が濃いことと家の影に入っていることとが重なって見にくい状態になっている。このようなときに、輝度を高くするように調整した場合、最初は、図24Cに示すように、暗いところのみが明るくなる。そのため、体色の濃い犬周辺だけで明るくなり、犬が見えやすくなる。この場合、画像全体が明るくならないので、画像全体が白っぽく不自然なものとなることがない。さらに輝度を高くしていくと、図24Dに示すように、画像全体が明るく変化する。
【0229】
なお、上述実施の形態においては、説明を簡単にするため、輝度CHの最小値CHminから最大値CHmaxまでの範囲を4領域に分割して4つの輝度領域Ra〜Rdを決定し(図19参照)、またそれに対応してパラメータBの各離散値の間を4つの範囲に分割した(図21参照)ものを示したが、これらの個数は実際にはもっと多くされ、例えば10とされる。
【0230】
また、上述実施の形態においては、全SD画素に対応する輝度CHのうち各輝度領域に含まれる個数Na,Nb,Nc,Ndが略等しくなるようにしたが、必ずしも等しくする必要はない。ただし、個数Na,Nb,Nc,Ndを略等しくすることで、パラメータBの値の変化に比例したHD画像の輝度変化を期待できる。
【0231】
また、図17の画像信号処理部110Bにおける処理も、例えば図11に示すような画像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。その場合の画像信号処理は、基本的には、上述の図12に示すフローチャートに沿って行われる。
ただし、図17の画像信号処理部110は画像の輝度を調整し得るものであることから、ステップST5では、パラメータQの代わりに、ユーザがリモコン送信機200を操作して入力したパラメータBの値を例えばRAM303より読み込む。
【0232】
また、図17の画像信号処理部110Bでは注目位置における特徴量として注目位置における輝度を用いるものであることから、ステップST7、ステップST10における処理は以下のようになるが、その他のステップにおける処理は上述したと同様である。
【0233】
ステップST7では、ステップST2で入力された1フィールド分のSD画素データより、各SD画素の輝度を求め、さらに各SD画素の輝度CHを用いて、4つの輝度領域Ra〜Rdを決定する(図19参照)。
【0234】
また、ステップST10では、生成すべき各HD画素データ(注目位置の画素データ)に対応するSD画素の輝度CHが、上述の4つの輝度領域Ra〜Rdのいずれに含まれるかを検出する。
【0235】
また、図17の画像信号処理部110Bにおける情報メモリバンク132Bに記憶される、パラメータBの0,1,・・・,8の離散的な値に対応した各クラスの係数データwiは、図10に示す係数データ生成装置150と同様の構成の係数データ生成装置により生成できる。その場合、SD信号生成回路152にはパラメータQの代わりにパラメータBを入力し、このパラメータBの値によってSD信号の輝度を段階的に変化させればよい。
【0236】
なお、上述実施の形態においては、HD信号を生成する際の推定式として線形一次方程式を使用したものを挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば推定式として高次方程式を使用するものであってもよい。
【0237】
また、上述実施の形態においては、SD信号(525i信号)をHD信号(1050i信号)に変換する例を示したが、この発明はそれに限定されるものでなく、推定式を使用して第1の画像信号を第2の画像信号に変換するその他の場合にも同様に適用できることは勿論である。
【0238】
また、上述実施の形態においては、情報信号が画像信号である場合を示したが、この発明はこれに限定されない。例えば、情報信号が音声信号である場合にも、この発明を同様に適用することができる。音声信号の場合、例えばパラメータの値により音量を調整するものにあって、特徴量検出手段で検出される特徴量を注目位置の音量とすることが考えられる。この場合、上述した図17の画像信号処理部110Bにおける輝度と同様の関係となり、不適切な音量となる度合い(破綻度合い)が高い音量領域に音量が含まれる箇所が、音量が大きくなりすぎて不適切な音量となることを防止できる。
【0239】
また、この発明は、パラメータの値で調整される出力の質および検出される特徴量の対は上述実施の形態に限定されない。要は、第2の情報信号による出力の質を示すパラメータの値の他に、検出された注目位置にける特徴量をも参照して、第2の情報信号における注目位置の情報データを生成し、これにより第2の情報信号による出力に不適切な質となる箇所が発生することを防止することにある。
【0240】
【発明の効果】
この発明によれば、解像度創造の手法を用いて第1の情報信号を、当該第1の情報信号より高解像度な第2の情報信号に変換する際に、第2の情報信号の注目位置における特徴量を検出し、第2の情報信号による出力の質を示すパラメータの他に、検出された特徴量をも参照して、第2の情報信号における注目位置の情報データを生成するものであり、第2の情報信号による出力に不適切な質となる箇所が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態としてのテレビ受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】係数選択回路の構成を示すブロック図である。
【図3】特徴量を構成するダイナミックレンジDRの説明に供する図である。
【図4】特徴量を構成するアクティビティACTの説明に供する図である。
【図5】ダイナミックレンジとアクティビティの検出部分のモデルを示す図である。
【図6】1フィールドの全SD画素に対応する特徴量のヒストグラムモデルを示す図である。
【図7】画面内の各特徴量領域内の箇所と破綻度合いの一例を示す図である。
【図8】係数選択信号生成部が持つROM内の解像度選択情報を模式的に表した図である。
【図9】解像度を示すパラメータQの値の変化に対する、画面内の各箇所で使用される係数データの変化を説明するための図である。
【図10】係数データ生成装置の構成を示すブロック図である。
【図11】ソフトウェアで実現するための画像信号処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】画像信号処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】他の実施の形態としてのテレビ受信機の構成を示すブロック図である。
【図14】係数選択回路の構成を示すブロック図である。
【図15】1フィールドの全SD画素に対応する動き量のヒストグラムモデルを示す図である。
【図16】画面内の各動き量領域内の箇所と破綻度合いの一例を示す図である。
【図17】他の実施の形態としてのテレビ受信機の構成を示すブロック図である。
【図18】係数選択回路の構成を示すブロック図である。
【図19】1フィールドの全SD画素に対応する輝度のヒストグラムモデルを示す図である。
【図20】画面内の各輝度領域内の箇所と破綻度合いの一例を示す図である。
【図21】係数選択信号生成部が持つROM内の輝度選択情報を模式的に表した図である。
【図22】動きボケを説明するためのモデル図である。
【図23】大きな物体の動きボケを説明するためのモデル図である。
【図24】明るさ調整時の画像変化を説明するための図である。
【図25】525i信号と1050i信号の画素位置関係を説明するための図である。
【符号の説明】
100,100A,100B・・・テレビ受信機、101・・・システムコントローラ、102・・・リモコン信号受信回路、105・・・受信アンテナ、106・・・チューナ、109・・・バッファメモリ、110,110A,110B・・・画像信号処理部、111・・・ディスプレイ部、121・・・第1のタップ選択回路、122・・・第2のタップ選択回路、123・・・第3のタップ選択回路、124,124A・・・空間クラス検出回路、125・・・動きクラス検出回路、126・・・クラス合成回路、127・・・推定予測演算回路、128・・・後処理回路、131・・・係数メモリ、132・・・情報メモリバンク、133,133A,133B・・・係数選択回路、141・・・特徴量検出部、141A・・・動き量検出部、141B・・・輝度検出部、142・・・特徴量メモリ、142A・・・動き量メモリ、142B・・・輝度メモリ、143・・・特徴量領域決定部、143A・・・動き量領域決定部、143B・・・輝度領域決定部、144,144A,144B・・・領域検出部、145,145A,145B・・・係数選択信号生成部、150・・・係数データ生成装置、151・・・入力端子、152・・・SD信号生成回路、153・・・第1のタップ選択回路、154・・・第2のタップ選択回路、155・・・第3のタップ選択回路、157・・・空間クラス検出回路、158・・・動きクラス検出回路、159・・・クラス合成回路、160・・・正規方程式生成部、161・・・係数データ決定部、162・・・係数メモリ、200・・・リモコン送信機、300・・・画像信号処理装置

Claims (14)

  1. 複数の情報データからなる第1の情報信号を、当該第1の情報信号より情報量の多い第2の情報信号に変換する情報信号処理装置であって、
    上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のデータ選択手段と、
    上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データに所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度、動き量及び音量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する特徴量検出手段と、
    上記第2の情報信号による出力の大きさを示す、上記特徴量に対応したパラメータの値が外部から入力されるパラメータ入力手段と、
    上記特徴量検出手段で検出された特徴量および上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応して、上記第2の情報信号における注目位置の情報データを生成する情報データ生成手段とを備え、
    上記情報データ生成手段は、
    上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応する複数の代表的な大きさごとに予め算出され、上記第1の情報信号を代入して積和演算することにより上記第2の情報信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する係数データ候補発生手段と、
    上記特徴量検出手段で検出された特徴量と上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な大きさのうち一つの大きさを特定する大きさ特定手段と、
    上記係数データ候補発生手段で発生された係数データ候補の中から、上記大きさ特定手段で特定された大きさに対応する係数データを選択する係数データ選択手段と、
    上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データと上記係数データ選択手段で選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の情報データを算出する演算手段とを有し、
    上記大きさ特定手段は、
    画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記特徴量検出手段で検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する検出手段と、
    上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における大きさ選択情報を格納する格納手段と、
    上記格納手段より上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値および上記検出手段で検出された特徴量領域に対応した大きさ選択情報を取り出し、該大きさ選択情報に基づいて上記一つの大きさを特定する特定手段と
    を有することを特徴とする情報信号処理装置。
  2. 上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第3のデータ選択手段と、
    上記第3のデータ選択手段で選択された複数の第1の情報データのレベル分布パターンに基づいて、上記注目位置の情報データが属するクラスを検出するクラス検出手段とをさらに備え、
    上記係数データ候補発生手段は、上記クラス毎に上記係数データ候補を発生し、
    上記係数データ選択手段は、上記係数データ候補発生手段で発生された係数データ候補の中から、上記大きさ特定手段で特定された大きさおよび上記クラス検出手段で検出されたクラスに対応する係数データを選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  3. 上記情報信号は画像信号であり、
    上記特徴量検出手段で検出される特徴量、上記注目位置における輝度の場合、
    上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値は、上記第2の情報信号による画像の輝度を示すものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  4. 上記情報信号は音声信号であり、
    上記特徴量検出手段で検出される特徴量、上記注目位置における音量の場合、
    上記パラメータ入力手段に入力されるパラメータの値は、上記第2の情報信号による音の音量を示すものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報信号処理装置。
  5. 入力された複数の画素データからなる第1の画像信号を、複数の画素データからなる上記第1の画像信号より高解像度な第2の画像信号に変換して出力する画像信号処理装置において、
    上記第2の画像信号による画像の解像度又は輝度を示すパラメータの値が外部から入力されるパラメータ入力手段と、
    上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第1のデータ選択手段と、
    上記第1のデータ選択手段で選択された複数の第1の画素データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度及び動き量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する特徴量検出手段と、
    上記特徴量検出手段で検出された特徴量および上記パラメータ入力手段に入力された所定の上記パラメータの値に対応して、上記第2の画像信号における注目位置の画素データを生成する画素データ生成手段とを備え、
    上記画素データ生成手段は、
    上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に対応する複数の代表的な解像度ごとに予め算出され、上記第1の画像信号を代入して積和演算することにより上記第2の画像信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する係数データ候補発生手段と、
    上記特徴量検出手段で検出された特徴量と上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な解像度のうち一つの解像度を特定する解像度特定手段と、
    上記係数データ候補発生手段で発生された係数データ候補の中から、上記解像度特定手段で特定された解像度に対応する係数データを選択する係数データ選択手段と、
    上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された複数の第1の画素データと上記係数データ選択手段で選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の画素データを算出する演算手段とを有し、
    上記解像度特定手段は、
    画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記特徴量検出手段で検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する検出手段と、
    上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における解像度選択情報を格納する格納手段と、
    上記格納手段より上記パラメータ入力手段に入力されたパラメータの値および上記検出手段で検出された特徴量領域に対応した解像度選択情報を取り出し、該解像度選択情報に基づいて上記一つの解像度を特定する特定手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  6. 上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第3のデータ選択手段と、
    上記第3のデータ選択手段で選択された複数の第1の画素データのレベル分布パターンに基づいて、上記注目位置の画素データが属するクラスを検出するクラス検出手段とをさらに備え、
    上記係数データ候補発生手段は、上記クラス毎に上記係数データ候補を発生し、
    上記係数データ選択手段は、上記係数データ候補発生手段で発生された係数データ候補の中から、上記解像度特定手段で特定された解像度および上記クラス検出手段で検出されたクラスに対応する係数データを選択する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 上記特徴量検出手段は、上記複数の第1の画素データ内の隣接画素の絶対値和と、上記複数の第1の画素データ内のダイナミックレンジとを使用して、上記注目位置の周辺における高周波成分量に関係する特徴量を求める
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  8. 上記画像信号処理手段から出力される上記第2の画像信号による画像を画像表示素子に表示する画像表示手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  9. 複数の情報データからなる第1の情報信号を、当該第1の情報信号より情報量の多い第2の情報信号に変換する情報信号処理方法であって、
    上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のステップと、
    上記第1のステップで選択された複数の第1の情報データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度、動き量及び音量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する第2のステップと、
    上記第2の情報信号による出力の大きさを示す、上記特徴量に対応したパラメータの値を外部から取得する第3のステップと、
    上記第2のステップで検出された特徴量および上記第3のステップで取得されたパラメータの値に対応して、上記第2の情報信号における注目位置の情報データを生成する第4のステップとを有し、
    上記第4のステップは、
    上記第3のステップで取得したパラメータの値に対応する複数の代表的な大きさごとに予め算出され、上記第1の情報信号を代入して積和演算することにより上記第2の情報信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する第5のステップと、
    上記第2のステップで検出された特徴量と上記第3のステップで取得したパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な大きさのうち一つの大きさを特定する第6のステップと、
    上記第5のステップで発生された係数データ候補の中から、上記第6のステップで特定された大きさに対応する係数データを選択する第7のステップと、
    上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第8のステップと、
    上記第8のステップで選択された複数の第1の情報データと上記第7のステップで選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の情報データを算出する第9のステップとを有し、
    上記第6のステップは、
    画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記第2のステップで検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する第10のステップと、
    上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における大きさ選択情報を格納する第11のステップと、
    上記第3のステップで取得したパラメータの値および上記第10のステップで検出した特徴量領域に対応した大きさ選択情報を取り出し、該大きさ選択情報に基づいて上記一つの大きさを特定する第12のステップと
    を有することを特徴とする情報信号処理方法。
  10. 複数の情報データからなる第1の情報信号を、当該第1の情報信号より情報量の多い第2の情報信号に変換するために、
    上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のステップと、
    上記第1のステップで選択された複数の第1の情報データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度、動き量及び音量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する第2のステップと、
    上記第2の情報信号による出力の大きさを示す、上記特徴量に対応したパラメータの値を外部から取得する第3のステップと、
    上記第2のステップで検出された特徴量と上記第3のステップで取得されたパラメータの値に対応して、上記第2の情報信号における注目位置の情報データを生成する第4のステップとを有し、
    上記第4のステップは、
    上記第3のステップで取得したパラメータの値に対応する複数の代表的な大きさごとに予め算出され、上記第1の情報信号を代入して積和演算することにより上記第2の情報信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する第5のステップと、
    上記第2のステップで検出された特徴量と上記第3のステップで取得したパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な大きさのうち一つの大きさを特定する第6のステップと、
    上記第5のステップで発生された係数データ候補の中から、上記第6のステップで特定された大きさに対応する係数データを選択する第7のステップと、
    上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第8のステップと、
    上記第8のステップで選択された複数の第1の情報データと上記第7のステップで選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の情報データを算出する第9のステップとを有し、
    上記第6のステップは、
    画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記第2のステップで検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する第10のステップと、
    上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における大きさ選択情報を格納する第11のステップと、
    上記第3のステップで取得したパラメータの値および上記第10のステップで検出した特徴量領域に対応した大きさ選択情報を取り出し、該大きさ選択情報に基づいて上記一つの大きさを特定する第12のステップとを有する情報信号処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
  11. 複数の情報データからなる第1の情報信号を、当該第1の情報信号より情報量の多い第2の情報信号に変換するために、
    上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第1のステップと、
    上記第1のステップで選択された複数の第1の情報データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度、動き量及び音量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する第2のステップと、
    上記第2の情報信号による出力の大きさを示す、上記特徴量に対応したパラメータの値を外部から取得する第3のステップと、
    上記第2のステップで検出された特徴量と上記第3のステップで取得されたパラメータに対応して、上記第2の情報信号における注目位置の情報データを生成する第4のステップとを有し、
    上記第4のステップは、
    上記第3のステップで取得したパラメータの値に対応する複数の代表的な大きさごとに予め算出され、上記第1の情報信号を代入して積和演算することにより上記第2の情報信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する第5のステップと、
    上記第2のステップで検出された特徴量と上記第3のステップで取得したパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な大きさのうち一つの大きさを特定する第6のステップと、
    上記第5のステップで発生された係数データ候補の中から、上記第6のステップで特定された大きさに対応する係数データを選択する第7のステップと、
    上記第1の情報信号から上記第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データを選択する第8のステップと、
    上記第8のステップで選択された複数の第1の情報データと上記第7のステップで選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の情報データを算出する第9のステップとを有し、
    上記第6のステップは、
    画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記第2のステップで検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する第10のステップと、
    上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における大きさ選択情報を格納する第11のステップと、
    上記第3のステップで取得したパラメータの値および上記第10のステップで検出した特徴量領域に対応した大きさ選択情報を取り出し、該大きさ選択情報に基づいて上記一つの大きさを特定する第12のステップとを有する情報信号処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 入力された複数の画素データからなる第1の画像信号を、複数の画素データからなる上記第1の画像信号より高解像度な第2の画像信号に変換して出力する画像信号処理方法において、
    上記第2の画像信号による画像の解像度又は輝度を示すパラメータの値を外部から取得する第1のステップと、
    上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第2のステップと、
    上記第2のステップで選択された複数の第1の画素データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度及び動き量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する第3のステップと、
    上記第3のステップで検出された特徴量および上記第1のステップで取得した所定の上記パラメータの値に対応して、上記第2の画像信号における注目位置の画素データを生成する第4のステップとを有し、
    上記第4のステップは、
    上記第1のステップで取得したパラメータの値に対応する複数の代表的な解像度ごとに予め算出され、上記第1の画像信号を代入して積和演算することにより上記第2の画像信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する第5のステップと、
    上記第3のステップで検出された特徴量と上記第1のステップで取得したパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な解像度のうち一つの解像度を特定する第6のステップと、
    上記第5のステップで発生された係数データ候補の中から、上記第6のステップで特定された解像度に対応する係数データを選択する第7のステップと、
    上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第8のステップと、
    上記第8のステップで選択された複数の第1の画素データと上記第7のステップで選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の画素データを算出する第9のステップとを有し、
    上記第6のステップは、
    画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記特徴量検出手段で検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する第10のステップと、
    上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における解像度選択情報を格納する第11のステップと、
    上記第1のステップで取得したパラメータの値および上記第10のステップで検出された特徴量領域に対応した解像度選択情報を取り出し、該解像度選択情報に基づいて上記一つの解像度を特定する第12のステップと
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  13. 入力された複数の画素データからなる第1の画像信号を、複数の画素データからなる上記第1の画像信号より高解像度な第2の画像信号に変換するために、
    上記第2の画像信号による画像の解像度又は輝度を示すパラメータの値を外部から取得する第1のステップと、
    上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第2のステップと、
    上記第2のステップで選択された複数の第1の画素データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度及び動き量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する第3のステップと、
    上記第3のステップで検出された特徴量および上記第1のステップで取得した所定の上記パラメータの値に対応して、上記第2の画像信号における注目位置の画素データを生成する第4のステップとを有し、
    上記第4のステップは、
    上記第1のステップで取得したパラメータの値に対応する複数の代表的な解像度ごとに予め算出され、上記第1の画像信号を代入して積和演算することにより上記第2の画像信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する第5のステップと、
    上記第3のステップで検出された特徴量と上記第1のステップで取得したパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な解像度のうち一つの解像度を特定する第6のステップと、
    上記第5のステップで発生された係数データ候補の中から、上記第6のステップで特定された解像度に対応する係数データを選択する第7のステップと、
    上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第8のステップと、
    上記第8のステップで選択された複数の第1の画素データと上記第7のステップで選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の画素データを算出する第9のステップとを有し、
    上記第6のステップは、
    画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記特徴量検出手段で検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する第10のステップと、
    上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における解像度選択情報を格納する第11のステップと、
    上記第1のステップで取得したパラメータの値および上記第10のステップで検出された特徴量領域に対応した解像度選択情報を取り出し、該解像度選択情報に基づいて上記一つの解像度を特定する第12のステップとを有する画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
  14. 入力された複数の画素データからなる第1の画像信号を、複数の画素データからなる上記第1の画像信号より高解像度な第2の画像信号に変換するために、
    上記第2の画像信号による画像の解像度又は輝度を示すパラメータの値を外部から取得する第1のステップと、
    上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第2のステップと、
    上記第2のステップで選択された複数の第1の画素データの値に所定の演算を実施して算出される特徴量であって少なくとも、所定画素値のアクティビティとダイナミックレンジから求められる値、輝度及び動き量のいずれかを示す上記注目位置における特徴量を検出する第3のステップと、
    上記第3のステップで検出された特徴量および上記第1のステップで取得した所定の上記パラメータの値に対応して、上記第2の画像信号における注目位置の画素データを生成する第4のステップとを有し、
    上記第4のステップは、
    上記第1のステップで取得したパラメータの値に対応する複数の代表的な解像度ごとに予め算出され、上記第1の画像信号を代入して積和演算することにより上記第2の画像信号を推定するための推定式の係数データの候補である係数データ候補を発生する第5のステップと、
    上記第3のステップで検出された特徴量と上記第1のステップで取得したパラメータの値に基づいて、上記複数の代表的な解像度のうち一つの解像度を特定する第6のステップと、
    上記第5のステップで発生された係数データ候補の中から、上記第6のステップで特定された解像度に対応する係数データを選択する第7のステップと、
    上記第1の画像信号から上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第8のステップと、
    上記第8のステップで選択された複数の第1の画素データと上記第7のステップで選択された係数データとを用いて、上記推定式に基づいて上記注目位置の画素データを算出する第9のステップとを有し、
    上記第6のステップは、
    画面全体に亘って検出される上記特徴量に基づいて決定される複数の特徴量領域のうち、上記特徴量検出手段で検出される特徴量が含まれる特徴量領域を検出する第10のステップと、
    上記パラメータの各値に対応した、上記複数の特徴量領域における解像度選択情報を格納する第11のステップと、
    上記第1のステップで取得したパラメータの値および上記第10のステップで検出された特徴量領域に対応した解像度選択情報を取り出し、該解像度選択情報に基づいて上記一つの解像度を特定する第12のステップとを有する画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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