JP4091420B2 - 一体型の容器および抽出器装置 - Google Patents

Description

【０００１】
（発明の分野）
本発明は、一般に、飲料を保存し、そしてこれを淹れることに関し、より詳細には、茶および他の浸漬飲料を保存し、およびこれらを淹れるための一体型の容器および抽出器装置に関する。
【０００２】
（発明の背景）
ここ数年、いわゆる美食的飲料産業における興味が徐々に現れてきている。これらの飲料の消費は、最高品質および入手可能な最良の味の飲料の要求とともに、増加している。さらに、この要求により、風味の広範囲にわたる選択の欲求が生じた。美食的飲料店およびカフェの流行により、自宅で同じ品質の飲料を入手したいという欲求が出てきた。自宅での消費のための１つのこのような美食的飲料は、茶および／またはハーブティーである。最高品質の茶を淹れるために、最高品質の茶葉が用いられなければならない。これらの茶葉は、代表的には、未包装の完全葉（ｌｏｏｓｅ，ｆｕｌｌ ｌｅａｖｅ）として販売されている。
【０００３】
代表的な、自宅で茶を淹れるデバイスには、一度に何杯も淹れるためのポット全体が用意される。これらのデバイスは、１杯だけ必要な消費者には実用的でない。ティーバッグの出現は、１杯だけ入れるためのデバイスというこの必要性に対処した。しかし、ティーバッグは、例えば、低品質の茶葉が使用され、消費者は、ティーバッグ方式で利用可能な茶の風味およびタイプに制限されるというようないくつかの欠点を有する。さらに、茶を淹れる方法は、淹れた茶の品質に影響を及ぼす。浸漬工程、すなわち、沸騰した湯に近い湯に茶を浸すことにより茶の風味を抽出するプロセスは、未包装の完全葉を用いて茶を淹れるための最良の方法として認識されている。
【０００４】
最高品質の茶を淹れるために、いくつかの茶抽出器が提示されている。その結果、最高品質の茶葉および最高の茶を淹れる方法が用いられ得る。従来の茶抽出器は、代表的には、飲用容器の開口部内に位置した、中央部が窪んでいる、円形に形作られた茶漉しである。この窪んだ部分は、いくつかの穴を備え、飲用容器の空洞に延びている。未包装の茶葉は、この中央の窪んだ部分に入れられ、その上から沸点に近い流体（例えば、湯）が注がれる。この流体が葉の上および穴を通って飲用容器へと通過すると、風味が抽出される。風味は、沸騰した湯に近い湯を抽出器の中央部分を満たすように上昇させることにより、茶葉からさらに抽出される。茶葉を、所定の時間の間、沸騰した湯に近い湯中で浸漬させる。一旦所望の茶の濃さに達したら、葉および／または抽出器を飲用容器から外す。
【０００５】
いくつかの先行技術のデバイスとしては、１杯の茶を淹れる簡便な方法を提供するための、抽出器の蓋が取り付けられたカップのような取り分け用容器（ｓｅｒｖｉｎｇ ｃｏｎｔａｉｎｅｒ）が挙げられる。このような先行技術の抽出器は、米国特許第５，７７５，２０５号（Ｍｅｌｔｏｎ）および米国特許第５，９４７，００４号（Ｈｕａｎｇ）に示され、記載されている。しかし、茶葉を保存し、そして関連した飲用容器と共に使用される場合の茶を淹れるための抽出器を提供する、簡単に組み立てられ、審美的に満足できるパッケージで含まれる、多目的デバイスは未だ存在しない。
【０００６】
（発明の要旨）
本発明は、ユーザーが茶のような飲料を保存し、これを淹れることができる、簡便な、審美的に満足できる多目的容器／飲料抽出器を提供する。このデバイスは、茶を淹れる前に、未包装の茶葉を保存するための基部容器を備える。蓋は、茶葉が貯蔵の間に保存され得るように、容器を密閉するために設けられる。抽出器は、基部容器に取り外し可能に取り付けられる。この抽出器は、飲用容器に対して逆にされ得、浸漬される所定の量の新鮮な茶葉を受容し得るように形作られる。クリップは、茶を淹れるプロセスの間に、抽出器が種々の寸法の飲用容器に対して逆の位置に保持され得るように抽出器に、取り付けられる。キャップは、組み立てられたときに抽出器の頂部に配置され、そして過剰な滴りを防ぐためのドリップキャップとして、使用した後の抽出器を保持するために安定な面に配置されるように設計されている。
【０００７】
本発明の第１の局面に従って、一体型抽出可能物質（ｉｎｆｕｓｉｂｌｅ ｓｕｂｓｔｒａｔｅ）容器および抽出器装置は、抽出の前に抽出可能物質を保持するための内部空洞を有する容器およびこの容器と取り外し可能な関係にある抽出器を備える。この抽出器は、抽出可能物質を受容するためのウェル部分を備え、この抽出可能物質の抽出を可能にするための複数の穴をさらに備える。
【０００８】
本発明の別の局面に従って、一体型容器および抽出器装置を用いる方法が提供される。この方法に従って、ユーザーは、この容器から抽出器を外す。ユーザーは、この容器から一定量の抽出可能物質を得、ウェル部分にこの量の抽出可能物質を入れる。ユーザーは、関連する飲用容器の開口部内に抽出器を配置し、抽出器を通して湯を注いで、抽出可能物質から風味を抽出する。
【０００９】
（好ましい実施形態の詳細な説明）
本発明は、添付の図面を参照してここに記載される。一般に図１を参照して、一体型の容器および抽出器１０の組み合わせの代表的な実施形態を示す。図２に示すように、一体型容器および抽出器１０は、円柱状に成形された容器１４に取り外し可能に装着された抽出器蓋１２および取り外し可能キャップ１６からなる。茶または他の抽出可能な物質を貯蔵するための容器１４は、丸い側壁部１８と、巻かれた、内側に折り返されたリムセクション２２を有するオープントップ２０と、容器蓋２４とを備える。この蓋２４は、上に伸びる側壁セクション３０（陥没中央セクション２８の外周にそって包む）に対して、横断様式に接続された陥没中央セクション２８によって規定されている。リップセクション３２は、下方に伸びる様式で中央セクション２８の半径方向外側の側壁セクション３０に装着されている。リップセクション３２は、ロールまたはカールの形態で蓋２４の外周表面にそって伸びて、容器１４のリムセクション２２と係合し得る環状表面を形成する。図３に示すように、蓋２４は、容器１４のオープントップ２０内に配置かつ設置されて、茶葉または他の抽出可能物質を貯蔵するための流体を通さない空洞３４を形成し得る。
【００１０】
図２〜４を参照すれば、本発明の代表的な実施形態において、抽出器蓋１２は、抽出の間に抽出可能物質を受け取りかつ収容するためのウェル部分を形成する。この抽出器蓋１２は、容器１４のオープントップ２０に取り外し可能に装着されており、そして外周フランジ３６と一般に呼ばれる第一セクションを備える。外周フランジ３６の底部は、巻いた、外側に折り返されたリムセクション３８で終わる。この外周フランジ３６は、抽出器蓋１２を容器１４の側壁部分１８の上部の上に設置することを可能にするのに十分な直径であり、一方この容器１４のリムセクション２２は、下記の抽出器蓋１２の棚セクション４０を係合する。外周フランジ３６のリムセクション３８は、容器１４の半径方向外側に十分に間隔を隔てており、この容器１４から抽出器１２を取り外す際に、このリムセクション３８の下に指を入れることが可能である。
【００１１】
図２〜４に示されるように、この抽出器蓋１２はさらに、中央に配置された環状突出部分４２と一般に呼ばれる、第二セクションをさらに備える。この突出部分４２は、この抽出器蓋１２の外周フランジ３６から半径方向内側に隔てられた側壁４４によって下方に規定されている。この突出部分４２はさらに、平坦な頂部壁４６によって規定され、この頂部壁４６は、この抽出器蓋１２を通じる流体連絡を提供する複数の開口部４８を有する。反転された場合、この突出部４２は、茶葉または他の抽出可能な飲料材料を維持するためのチャンバまたはウェル５０を形成する。
【００１２】
図２〜４を参照すれば、この抽出器蓋１２はさらに、外周フランジ３６と突出部４２との間に配置された中間セクション５２と一般に呼ばれる第三セクションを含む。中間セクション５２は、側壁４４の底部で始まり、そして側壁４４の半径方向外側にテーパー状またはドーム状の様式で下方に延び、円錐台（ｆｒｕｓｔｃｏｎｉｃａｌ）表面５４を形成する。外周フランジ３６の半径方向内側であるが側壁４４からは半径方向外側である位置で、この中間セクション５２は、表面５４から下方に伸展して、円柱状側壁５６を形成する。この中間セクション５２は、円柱状側壁５６の底で外側に延び、円柱状側壁５６を横断する方向に延び、環状の棚セクションまたは肩部セクション４０を形成する。中間セクション５２は、外周フランジ３６の頂部で終わる。
【００１３】
なお図２〜４を参照すれば、カップまたは飲用容器６０の頂部でこの抽出器を維持するための、２つ以上の対面して向かい合ったヒンジクリップ５８が、外周フランジ３６に対して旋回するように装着されている（図５）。図４に示される実施形態において、このクリップ５８は、Ｌ型に成形された断面に形成される。クリップ５８の末端は、外部フランジ３６内に形成されたスロット６８内に延びる。このクリップ５８は、図５に示されるように、カップまたは飲用容器６０の外部リムに係合するのに十分なほど遠く外側に、このクリップが延びるように成形される。
【００１４】
図３および４に示されるように、本発明の装置はさらに、キャップ１６を設けられてもよい。このキャップ１６は、抽出器蓋１２の突出部に対して取り外し可能に装着可能である。このカップ１６は、側壁セクション６２および平坦な頂部壁６４によって下方に規定されており、この側壁セクション６２および平坦な頂部壁６４の両方が、突出部４２の、それぞれ、側壁４４および頂部壁４６に対して一致する。側壁セクション６２の底部エッジは、巻いた、外側に折り返すリムセクション６６で終わる。このキャップ１６が抽出器蓋１２の突出部４２の上に配置される場合、このキャップ１６は、ピッタリ適合した（ｓｎｕｇ）設置係合を作製するのに十分な直径で形成される。
【００１５】
本発明が異なる様式で利用され得ることが理解されるが、この一体型の容器および抽出器１０の現在好ましい用途の説明をここで行う。図５に最適に示すように、キャップ１６および抽出器蓋１２は、容器１４から脱着される。抽出器蓋１２は、キャップ１６から分けられ、そして飲用容器６０の上に反転される。このキャップ１６は、抽出器蓋１２の脱着の前または後に抽出器１２から分けられ得ることを理解すべきである。この抽出器蓋１２は、維持クリップ５８が飲用容器６０の外部リムを係合し、それによって外部リムに抽出器蓋１２を結合するまで、反転された様式で飲用容器６０の開口空洞中に下げられる。容器蓋２４を容器１４から取り外して、ばらのお茶または他の抽出可能物質２６を曝す。抽出器蓋１２が反転されそして飲用容器６０に結合される前に、蓋２４が取り外され得ることが理解される。所望の量のばらの茶葉または他の抽出可能な物質２６は、容器１４から取り出され、そして抽出器蓋１２のチャンバまたはウェル５０に入れられる。これは、この抽出器蓋１２が飲用容器６０に結合される前または後に行われ得る。次いで、チャンバまたはウェル５０中の流体のレベルが適切なレベルに達するまで、ほぼ沸騰している流体（例えば、湯）を、チャンバ５０中の茶葉２６の上に注ぎ、この結果、実質的に全ての茶葉または他の抽出可能物質２６が、この流体中に完全に浸漬される。所望の時間の間、この茶葉２６を浸させた後、この抽出器蓋１２を、飲用容器６０から取り外す。この抽出器蓋１２を、図６に示されるように、キャップ１６中に反転位置に配置して、過剰な流体のドリップを防ぎ得る。使用後、この容器蓋２４は、容器１４を密封して後の使用のためにばらの茶葉２６を保存するために、容器１４上に戻され得る。抽出器蓋１２は、再び反転され、容器１４の頂部に置かれ得る。次いで、このキャップ１６は、貯蔵のために、抽出器蓋１２の突出部４２の頂部に配置され得る。
【００１６】
あるいは、この抽出器蓋１２の突出部４２がこの流体に浸漬されるように、関連した飲用容器６０中の流体を適切なレベルにすることによって、茶が浸され得る。一旦この茶が所望の香りに達すれば、この抽出器蓋１２は、飲用容器６０から取り外される。
【００１７】
本発明の別の実施形態において、図７に示すように、容器蓋２４は、省略され得、そしてこのキャップ１６は、ばらの茶葉を保存するための密封された空洞３４を作成するため、抽出器蓋１２および容器１４を密封するさらなる機能を果たし得る。
【００１８】
本発明の好ましい実施形態を例示し記載してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明において種々の変化がなされ得ることが理解される。例えば、抽出器蓋１２の直径は、抽出器蓋１２と飲用容器６０との結合に維持クリップ５８が必要でないように、十分な直径であってもよい。反転した抽出器蓋１２は、環状棚セクション４０をその外部リムに係合させることによって飲用容器６０の上に載る。
【００１９】
前述の局面および本発明の付随する利点の多くは、以下の詳述される説明を参照し、添付の図面とあわせて考慮した場合によりよく理解されるのことが、より容易に認識される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、本発明の一体型容器および抽出器装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図２】 図２は、図１の代表的実施形態の分解組立図を示す。
【図３】 図３は、図１に示される容器および抽出器装置の断面図を示す。
【図４】 図４は、図１に示される容器および抽出器装置の拡大断面図を示す。
【図５】 図５は、容器および抽出器装置の環境図である。
【図６】 図６は、抽出前または抽出後にキャップに配置される抽出器を示す斜視図である。
【図７】 図７は、本発明の一体型容器および抽出器装置の別の代表的実施形態の断面図を示す。

Claims (10)

1. 抽出可能物質を貯蔵し、そして該抽出可能物質を別体の飲用容器に淹れるための、一体型の容器および抽出器装置であって、以下：
   抽出前の抽出可能物質を貯蔵するための密閉可能な内部空洞（３４）と、容器（１４）に貯蔵された該抽出可能物質へのアクセスを提供するためのリムセクション（２２）によって規定される頂部の開口部（２０）とを有する、抽出可能物質貯蔵容器（１４）；
   蓋（２４）であって、該蓋は、該容器（１４）の該頂部の開口部（２０）内に密閉されて、該リムセクション（２２）と流体を通さない密封を形成して該貯蔵容器（１４）を密閉するように適合されており、その結果、該抽出可能物質が、貯蔵の間に保存される、蓋（２４）；および
   抽出器（１２）
   を備え、
   該抽出器（１２）は、第一の貯蔵位置において、該容器（１４）への取り外し可能な取り付けのために、該容器（１４）の蓋（２４）の周りに密封されるような構成および寸法にされた、外周フランジ（３６）を備え、該抽出器（１２）は、突出ウェル部分（４２）を有し、該突出ウェル部分（４２）は、該第一の貯蔵位置において、該蓋（２４）から突出し、そして該抽出器が該容器（１４）から取り外されて第二の抽出位置に反転される場合に、該抽出可能物質の一部を受容するために適合されており、該ウェル部分（４２）は、該抽出可能物質の抽出を可能にするための複数の穴（４８）を有し、
   該抽出器（１２）は、維持手段（５８、４０）をさらに有し、該維持手段（５８、４０）は、該維持手段（５８、４０）を該飲用容器（６０）の外部リムと係合させることによって抽出の間、該反転した第二の抽出位置で該抽出器（１２）を該別体の飲用容器（６０）の頂部に維持するためのものであり、これによって、液体が該別体の飲用容器（６０）に添加される場合に、該突出ウェル部分（４２）内の抽出可能物質の抽出を可能にするために充分な距離だけ、該突出ウェル部分（４２）が該飲用容器の開口部内へと延びる、
   装置。
2. 請求項１に記載の装置であって、前記抽出器（１２）と取り外し可能に連結されるキャップ（１６）をさらに備える、装置。
3. 請求項２に記載の装置であって、前記キャップ（１６）が、前記抽出器（１２）のための一時的な保持場所を提供する、装置。
4. 請求項１に記載の装置であって、前記反転した第二の抽出位置で前記抽出器（１２）を前記別体の飲用容器（６０）の頂部に維持するための前記手段が、少なくとも２つの維持クリップ（５８）を備える、装置。
5. 請求項４に記載の装置であって、前記維持クリップ（５８）が、前記抽出器（１２）の前記外周フランジ（３６）に連結される、装置。
6. 請求項１に記載の装置であって、前記反転した第二の抽出位置で前記抽出器（１２）を前記別体の飲用容器（６０）の頂部に維持するための前記手段が、前記外周フランジ（３６）によって規定される肩部セクション（４０）を備える、装置。
7. 一体型の容器および抽出器装置を使用する方法であって、該装置は、抽出前の抽出可能物質を貯蔵するための密閉可能な内部空洞（３４）および容器（１４）に貯蔵された該抽出可能物質へのアクセスを提供するためのリムセクション（２２）によって規定される頂部の開口部（２０）を有する、抽出可能物質貯蔵容器（１４）；蓋（２４）であって、該蓋は、該容器（１４）の該頂部の開口部（２０）内に密閉されて、該リムセクション（２２）と流体を通さない密封を形成して該貯蔵容器（１４）を密閉し、その結果、該抽出可能物質が、貯蔵の間に保存される、蓋（２４）；ならびに抽出器（１２）であって、該抽出器（１２）は、第一の貯蔵位置において、該抽出可能物質を受容するために、該容器（１４）への取り外し可能な取り付けのために該容器（１４）の蓋（２４）の周りに密封されるような構成および寸法にされた、外周フランジ（３６）をさらに有し、該抽出器（１２）は、該抽出可能物質の抽出を可能にするための複数の穴（４８）を有する、抽出器（１２）を備え、該方法は、以下：
   該抽出可能物質貯蔵容器（１４）から該抽出器（１２）を取り外す工程；
   該内部空洞（３４）内の抽出可能物質にアクセスするために、該抽出可能物質貯蔵容器（１４）の頂部の開口部（２０）から該蓋（２４）を取り外す工程；
   該抽出可能物質貯蔵容器（１４）から一定量の抽出可能物質を得る工程；
   該抽出器（１２）の該ウェル部分（４２）内に該量の抽出可能物質を配置する工程；
   別体の飲用容器（６０）の開口部内に、該抽出器（１２）を該第一の貯蔵位置から反転した位置で配置し、これによって、該突出ウェル部分（４２）が該飲用容器（６０）の開口部内へと延びるように、該抽出器（１２）が該飲用容器（６０）の開口部を規定するリムセクションと係合する、工程；および
   該抽出器（１２）が該飲用容器（６０）と係合している間に、該抽出可能物質を収容している該抽出器（１２）を通して、高い温度を有する流体を注ぐ工程、
   を包含する、方法。
8. 請求項７に記載の方法であって、該抽出可能物質から風味を抽出するために該抽出可能物質を浸漬する工程をさらに包含する、方法。
9. 請求項７に記載の方法であって、前記装置は、キャップ（１６）をさらに有し、該方法は、抽出後に該キャップ（１６）上に前記抽出器（１２）を配置する工程をさらに包含する、方法。
10. 請求項７に記載の方法であって、前記別体の飲用容器（６０）へ抽出器（１２）を取り外し可能な様式で連結する工程をさらに包含する、方法。

Images