JP4091119B2 - 新規な宿主細胞およびタンパク質生産方法 - Google Patents

新規な宿主細胞およびタンパク質生産方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、新規な真菌宿主細胞およびタンパク質の生産方法に関する。詳しくは、本発明は、異種性タンパク質を発現させるために有用な宿主細胞であって、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼの発現レベルを有意に低下させるために遺伝的に修飾した前記宿主細胞に関する。さらに、本発明は、本発明の前記真菌を用いて、注目のタンパク質を高収率に生産する方法であって、適当な培地中で前記宿主細胞を培養すること、続いて前記の希望タンパク質を回収することを含んで成る前記方法に関する。さらに本発明は、前記真菌および前記方法で用いるDNA構成体を作成する方法も含む。
発明の背景
最近、異種性タンパク質の発現において組換え宿主細胞を利用することによって、市場価値のあるタンパク質を非常に簡単に大量生産することができる。これを利用しなければ、その様なタンパク質を、天然の素材から精製して得なければならない。現在、任意のタンパク質を生産するための発現系は、多種類あり、例えば、細菌宿主および真核生物宿主がある。適当な発現系の選択は、多くの場合、活性のあるタンパク質を適当な収率で生産する宿主細胞能力に依るだけではなく、そのタンパク質の最終使用目的にも非常に支配され得る。
この主要な問題点は、宿主細胞によって生産されるか、または培地中に存在する高レベルのタンパク質分解酵素である。特異的なタンパク質分解性化合物の生産能力を除去した宿主生物が提供され得ることが示唆されている。例えば、国際特許出願WO90/0192(Genencor)には、酵素活性を有するアスパラギン酸プロティナーゼを分泌できない糸状真菌宿主が記載されていて、EP574 347(Ciba Geigy AG)には、ズブチリシン型セリンプロテアーゼを欠失したアスペルギラス属(Aspergillus)宿主が記載されている。
メタロプロテアーゼは、多くの真核生物から単離されている。アスペルギラス属から単離された中性メタロプロテアーゼ、すなわちpHが中性の時に至適活性を示すメタロプロテアーゼも報告されている。アスペルギルス・ソジャエ(Aspergillus sojae)から単離された2つのメタロプロテアーゼ、NpIおよびNpIIの物理化学特性が、一連の研究から報告されている(Sekine,H.1972.Agric,Biol.Chem.36:198-206,207-216;Sekine,H.1972.Agric.Biol.Chem.36:2143-2150)。NpIの酵素特性および物理化学特性は、バチルス・サーモプロテオリチカス(Batillus thermoproteolyticus)のサーモリシンの特性に似ているが、NpIIの特性は、それに似ていないことが明らかにされた。最近、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)から単離された中性メタロプロテアーゼNpIIのcDNA配列が開示された(Tatsumi H,et al.1991.Mol.Gen.Genet.228:97-103)。しかし、A.オリゼからのNpI類に属する中性メタロプロテアーゼのcDNA配列は、開示されていない。
アルカリ性プロテアーゼは、至適pHがアルカリ性であるセリンプロテアーゼである(Nakagawa,Y.1970.Methods Enzymol.19:581-591)。これは、ズブチリシンの類似体であり、そしてA.オリゼにおいて、主要な細胞外のアルカリ性エンドペプチダーゼである。この遺伝子は単離されていて、配列特性が明らかにされている(Murakami,et al.1991.Agric.Biol.Chem.55:2807-2811)。アスペルギルス属の他の2種、A.フラブス(A.flavus)およびA.ソジャエは、同一酵素かまたは近縁の酵素を発現している。
アスペルギラス属から得られるタンパク質生産物の安定性を低下させることに関する、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼの潜在的な役割は、報告されていない。
発明の要約
本発明では、メタロプロテアーゼIおよびアルカリ性プロテアーゼのタンパク質分解活性は、各々単独で、または組み合わさって、細胞が生産する注目のタンパク質生産物の安定性を有意に低下させ、前記タンパク質の収量を減少させる可能性があることを見出した。
従って、本発明は、異種性タンパク質生産物の発現に有用な宿主細胞であって、親細胞に比べて、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼの両レベルが有意に低下する様に遺伝的に修飾した前記細胞を提供する。
別の点では、本発明は、本発明の宿主細胞において異種性タンパク質生産物を生産する方法であって、前記タンパク質をコードする核酸配列を前記宿主細胞に導入すること、適当な培地中で前記宿主細胞を培養すること、および前記異種性タンパク質生産物を回収することを含んで成る前記方法を提供する。
本発明の方法によって、メタロプロテアーゼIおよびアルカリ性プロテアーゼに起因するタンパク質分解活性が有意に低下し、その結果、本方法によって得られるタンパク質の安定性および収量が向上する。さらに、本発明の方法によって得られるタンパク質は、前駆体タンパク質、例えばチモーゲン、融合タンパク質、プロ配列またはプレプロ配列として得られるタンパク質、または他の任意の未成熟な型のタンパク質でもよい。
【図面の簡単な説明】
添付した図面を参考にして、本発明を説明する。
図1は、pyrG遺伝子を有するプラスミドpJaL335の作成を示す。
図2は、pyrG遺伝子の5'および3'配列を有するプラスミドpSO5の作成を示す。
図3は、pyrGコード配列が、alp遺伝子の5'および3'配列の間に挿入されたプラスミドpJaL212の作成を示す。
図4は、NpIのコード配列を破壊したプラスミドpJaL399の作成を示す。
図5は、カンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)のリパーゼBのN末端アミノ酸配列、およびこの配列に由来する2つのオリゴヌクレオチドプライマーの配列を示す。
図6は、C.アンタークチカのリパーゼB遺伝子を有するプラスミドpMT1305の作成を示す。
図7は、C.アンタークチカのリパーゼB遺伝子の5'末端の部分配列を有するプラスミドpMT1329の作成を示す。
図8は、C.アンタークチカのリパーゼB遺伝子を有するプラスミドpMT1332の作成を示す。
図9は、C.アンタークチカのリパーゼB遺伝子を有する発現プラスミドpMT1335の作成を示す。
発明の詳細
「宿主細胞」
本発明は、異種性タンパク質の発現に有用な宿主細胞であって、親細胞に比べて、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性レベルが有意に低下する様に遺伝的に修飾した前記細胞を提供する。前記宿主細胞は、親細胞、例えば野生型細胞から得られる。
本発明の宿主細胞は、異種性タンパク質の発現に通常用いられる任意の宿主細胞でもよい。
本発明の宿主細胞は、好ましくは、希望するタンパク質を生産できる酵母または糸状真菌である。前記酵母は、特にサッカロミセス属(Saccharomyces)の株、好ましくはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)でよい。前記糸状真菌は、特に、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergillus)、カンジダ(Candida)、コクリオボラス(Cocliobolus)、エンドシア(Endothia)、フサリウム(Fusarium)、ヒュミコラ(Humicola)、ニューロスポラ(Neurospora)、リゾムコール(Rhizomucor)、リゾプス(Rhizopus)、サーモミセス(Thermomyces)、トリコデルマ(Trichoderma)、ポドスポラ(Podospora)、ピリクラリア(Pyricularia)、およびペニシリウム(Penicillium)属の群中から選択される菌株でよい。
好ましい実施形態では、前記糸状真菌は、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フェニキス(Aspergillus phoenicis)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・フィータス(Aspergillus foetus)、フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ヒュミコラ・グリセア(Humicola grisea)、ニューロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、リゾムコール・メイヘイ(Rhizomucor meihei)、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)、およびトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)の群中から選択される菌株であり、特に、アスペルギルス・オリゼおよびアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の株、並びにフサリウム属の種ATCC20334である。
「メタロプロテアーゼ」
本発明において、メタロプロテアーゼとは、基質のペプチド骨格を加水分解する触媒中心に亜鉛金属を含むタンパク質分解酵素である。これらのプロテアーゼは、活性中心が亜鉛であり、カルシウムに依存した活性を有するカルパインとは区別される。プロテアーゼがメタロプロテアーゼであることを確認するためには、1mM 1,10-フェナンスロリンによって中心亜鉛を除去すると、タンパク質分解活性が可逆的に欠失し、そしてZn2+(0.1-100mM)を滴下すると活性が回復することに依る。
好ましい実施形態では、本発明において考慮される本メタロプロテアーゼは、フサリウム属のメタロプロテアーゼ、好ましくはフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)のメタロプロテアーゼである。最も好ましい実施形態では、本メタロプロテアーゼは、配列番号1のヌクレオチド配列、またはこれに相同な配列を有するF.オキシスポラムのp45メタロプロテアーゼ(p45)である。
別の好ましい実施形態では、本発明において考慮される本メタロプロテアーゼは、中性プロテアーゼ、すなわち至適タンパク質分解活性が、中性のpH範囲で、すなわち約pH6-8の範囲で、好ましくは約pH6.5-7.5の範囲で、特にはpH7付近で得られるメタロプロテアーゼである。さらに特に、本発明において考慮される本メタロプロテアーゼは、NpIまたはNpII類のアスペルギルス属の中性メタロプロテアーゼである(Tasutmi,et al.,1991)。
好ましい実施形態では、本メタロプロテアーゼは、配列番号2のヌクレオチド配列に由来するアミノ酸配列、またはこれに相同な配列からなる、A.オリゼの中性メタロプロテアーゼI(NpI)である。
「アルカリ性プロテアーゼ」
本発明において、アルカリ性プロテアーゼは、中性からアルカリ性のpH範囲内に活性のピークを有するセリンプロテアーゼである。アミノ酸配列の分析から、このアルカリ性プロテアーゼは、ズブチリシン様セリンプロテアーゼのサブグループ、サブチラーゼに相同であることが指摘される。Siezen,et al.(1991,Proetein Eng.4:719-737)の要約によれば、50を超えるサブチラーゼが、広範囲の様々な生物種、グラム陽性菌およびグラム陰性菌などの様々な細菌種から、真菌および酵母、さらに虫(worms)、昆虫(insects)、植物および哺乳類などの高等生物に亘って、同定されている。これらの内、40を超えるサブチラーゼについて、そのアミノ酸配列が決定されていて、そして本酵素の成熟領域の長さは、268から1775アミノ酸に広がっていること、およびN末端近傍には、27から280アミノ酸のプレプロ領域があることが示されている。真菌および酵母においては、変異は明らかに小さくて、前記の各々の領域は、真菌では、279-281および105-121であり、酵母では、297-677および126-280である。A.オリゼ由来の本アルカリ性プロテアーゼの完全なコード領域を含んだcDNA断片は、クローニングされて、Saccharomyces cerevisiaeで発現された(Tasumi,H.,et al.1989,Mol.Gen.Genet.219:33-38)。この1次構造は、他のズブチリシン配列に対して29から44%の相同性を有し、そしてズブチリシンBPN'内の活性部位の3残基Asp33, His64およびSer221は保存されていた。
好ましい実施形態では、本アルカリ性プロテアーゼは、A.オリゼのアルカリ性プロテアーゼ(alp)であり、好ましくは配列番号3のヌクレオチド配列、またはこの相同配列を含むcDNA配列によってコードされるものである。
「配列相同性」
本文において、DNA配列の相同性は、2つの配列間の同一の程度として決定され、1つ目の配列の、2つ目の配列からの由来性を意味する。この相同性は、当業界で周知のコンピュータプログラム、例えばGCGプログラム内にあるGAP(Program Manual for the Wisconsin Package,Version 8,August 1994,Genetics Computer Group,575 Science Drive,Madison WI,USA;Needleman,S.B.and Wunsch,C.D.,1970.J.Mol.Biol.48:443-453)によって、適切に決定することができる。DNA配列の比較では、GAPにおいて、クリエーションペナルティーを5.0、エクステンションペナルティーを0.3に設定する。類似のDNA配列のコード領域は、対象のDNA配列のコード領域に対して、好ましくは、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも97%の同一の程度を示す。
本文において、アミノ酸配列の相同性は、同様に、2つの配列間の同一の程度として決定され、1つ目の配列の、2つ目の配列からの由来性を意味する。この相同性は、当業界で周知のコンピュータプログラム、例えば前記のGAP(Needleman,S.B.and Wunsch,C.D.,1970,supra)によって、適切に決定することができる。アミノ酸配列の比較では、GAPにおいて、クリエーションペナルティーを3.0、エクステンションペナルティーを0.1に設定する。類似のDNA配列がコードするポリペプチドは、対象のDNA配列がコードする構造タンパク質に対して、好ましくは、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、そして特には、少なくとも97%の同一の程度を示す。
本発明は、配列番号1、配列番号2および配列番号3に由来するアミノ酸配列を有する成熟ポリペプチドに対して、多くて3アミノ酸、好ましくは、多くて2アミノ酸、より好ましくは、多くて1アミノ酸が相違するアミノ酸配列を有する、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ変異体にも向けられる。
本文において、ハイブリダイゼーションとは、類似のDNA配列が、構造タンパク質のコード領域を含む対象DNA配列によってコードされるポリペプチドに対応するオリゴヌクレオチドプローブに、以下に詳述する特異的条件下に、結合することを意味する。
ヌクレオチドプローブと、相同DNAまたはRNA配列とのハイブリダイゼーションを決定する適当な条件は、ハイブリダイズするDNAまたはRNA断片を含んでいるフィルターを、5x SSC(standard saline citrate buffer;Sambrook et al.1989,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor NY,USA)中に、前もって10分間浸すこと、5x SSC,5x Denhardt's solution, 0.5% SDS and 100μg/ml of denatured sonicated salmon sperm DNA(Sambrook et al.1989,supra)中で、フィルターを前処理すること(prehybridization)、そしてランダムプライマーで合成した32P-dCTP標識プローブ(比活性>1x109cpm/μg)(Feinberg,A.P.and Vogelstein,B.1983,Anal.Biochem.132:6-13)を含んだ同溶液中で、12時間約45℃で、ハイブリダイゼーションすることを含んで成る。このフィルターを、2x SSC, 0.5% SDS中で、少なくとも55℃(低ストリンジェント)、より好ましくは少なくとも60℃(中ストリンジェント)、より好ましくは少なくとも65℃(中高ストリンジェント)、より好ましくは少なくとも70℃(高ストリンジェント)、さらにより好ましくは少なくとも75℃(最高ストリンジェント)の温度で、30分間2回、洗浄する。これらの条件下で、このオリゴヌクレオチドプローブがハイブリダイズする分子を、X線フィルムに感光して検出する。
「宿主細胞の遺伝的修飾」
本発明の宿主細胞に対して、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性の発現レベルを有意に低下させる様に、当業界に既知の標準的な組換えDNA技術を用いて、遺伝的な修飾を施す。メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼの各活性の原因となる遺伝子配列を、不活性化するか、あるいは、部分的にまたは完全に除去することができる。従って、本発明の宿主細胞は、低レベルまたは検出不可能なレベルのメタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼを発現するか、あるいは、機能的に不活性化したメタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼを発現する。
特定の実施形態では、前記不活性化は、注目するメタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ遺伝子内の各構造領域または調節領域を修飾することによって得られる。既知で有用な技法には、限定しないが、特異的またはランダム突然変異、PCRによる突然変異、部位特異的DNAの欠失、挿入および/または置換、遺伝子破壊または遺伝子置換、アンチセンス法、あるいはこれらの組み合わせがある。
適当な物理的または化学的な突然変異誘発剤を用いて、突然変異を起こすことができる。本発明の目的に適する物理的または化学的な突然変異誘発剤の例には、限定しないが、紫外線照射、ヒドロキシルアミン、N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(MNNG)、O-メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、エチルメタンスルホン酸(EMS)、重亜硫酸ナトリウム、蟻酸、およびヌクレオチド類似体がある。これらの試薬を用いる場合、典型的には、突然変異を誘発させる細胞を、適当な条件下に、選択した突然変異誘発剤中に放置して、NpIおよびalpの生産が有意に低下した細胞を選択することによって、突然変異を達成する。
構造配列中、あるいは、構造配列の転写または翻訳に必要な調節エレメント中において、1つまたは複数のヌクレオチドを導入、置換または除去することによって、修飾を達成することもできる。例えば、ヌクレオチドを挿入または除去することによって、構造遺伝子において、停止コドンを導入するか、開始コドンを除去するか、またはオープンリーディングフレームを変化させることができる。当業界に既知の方法に従って、部位特異的突然変異またはPCRによる突然変異を行って、構造遺伝子またはその調節エレメントの修飾または不活性化を達成することができる。原理的には、インビボで修飾を行ってもよいが、現在では、以下の実施例の様に、インビトロで修飾するのが好ましい。
選択した宿主細胞において、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼを不活性化するか、またはその生産を低下させる便利な方法は、遺伝子破壊の方法に基づく。この方法では、注目する内在性の遺伝子または遺伝子断片に相当するDNA配列を、インビトロで突然変異させる。その結果、このDNA配列は欠陥遺伝子となる。そしてこれを宿主細胞に導入すると、相同組換えが起きて、この欠陥遺伝子が、内在性の遺伝子または遺伝子断片に置き換わる。この欠陥遺伝子または欠陥遺伝子断片には、メタロプロテアーゼおよび/またはアルカリ性プロテアーゼをコードする各遺伝子が修飾または破壊された形質転換体を選択するために用いるマーカーもコードされていることが望ましい。
標的遺伝子を欠失させるか、または破壊する方法は、特に、Miller,et al(1985,Mol.Cell.Biol.5:1714-1721);WO 90/00192;May,G.(1992,Applied Molecular Genetics of Filamentous Fungi.J.R.Kinghorn and G.Turner,eds.,Blackie Academic and Professional,pp.1-25);およびTurner,G.(1994,Vectors fof Genetic Manipulation.S.D.Martinelli and J.R.Kinghorn,eds.,Elsevier,pp.641-665)に記載されている。
あるいは、メタロプロテアーゼのコード配列、例えば配列番号1および配列番号2のヌクレオチド配列、またはアルカリ性プロテアーゼのコード配列、例えば配列番号4のヌクレオチド配列に対して、相補的なヌクレオチド配列を用いて、確立したアンチセンス法に従って、本DNA配列の修飾または不活性化を達成することができる。アンチセンス法およびその応用は、U.S.Patent No.5,190,931(University of New York)に詳細に記載されている。
この様な遺伝的修飾によって、本発明の宿主細胞は、有意に低レベルのメタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性を発現する。好ましい実施形態では、本宿主細胞が発現している、これらのタンパク質分解活性レベルは、各々、約50%より大きく、好ましくは約85%より大きく、より好ましくは約90%より大きく、そして最も好ましくは約95%より大きく、低下する。別の好ましい実施形態では、本発明の宿主細胞において、これらのタンパク質分解活性は、任意の組み合わせで低下してよい。最も好ましい実施形態では、本宿主細胞の発現産物中に、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼに起因する分解活性が本質的に無い。
「タンパク質の生産方法」
本発明の方法を用いると、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼのタンパク質分解活性が有意に低下するので、本発明の宿主細胞が合成する影響を受けやすいタンパク質産物の安定性が向上して、その収量が増加する。詳しくは、本発明の方法を用いて、メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ遺伝子内にコードされている構造領域および/または調節領域内において、本宿主細胞を遺伝的に修飾する。
従って、本発明の別の点は、本発明の宿主細胞において、異種性ポリペプチドなどのタンパク質を生産する方法であって、注目するタンパク質産物をコードする核酸配列を、前記宿主細胞に導入すること、その宿主細胞を適当な培地中で培養すること、そしてそのタンパク質産物を回収することを含んで成る前記方法を提供することである。
従って、本発明の宿主細胞は、希望する産物の発現に必要な構造遺伝子領域および調節遺伝子領域を有していなければならない。この様な構造領域および調節領域の性質は、問題の産物および宿主細胞に、大きく依存する。当業者は、宿主細胞の形質転換またはトランスフェクションに関する標準的な組換えDNA技術を用いて、本発明の宿主細胞の遺伝的設計を為すことができる(Sambrook et al.)。
好ましくは、当業界に既知の方法を用いて、希望するタンパク質産物をコードするDNA断片を含む適当なクローニング媒体、すなわちプラスミドまたはベクターを導入して、本宿主細胞を修飾する。このクローニング媒体を、自律複製するプラスミドとして、本宿主細胞に導入するか、またはその染色体に組み込ませることができる。好ましくは、本クローニング媒体は、1つまたは複数の適当な調節領域に作用可能に連結した1つまたは複数の構造領域を有する。
この構造領域とは、希望するタンパク質産物をコードする核酸配列の領域である。この調節領域とは、転写調節配列および翻訳調節配列を含むプロモーター領域、停止シグナルを含む停止領域、およびポリアデニル化領域を含んでいる。本プロモーター、すなわち選択した宿主細胞において転写活性を発揮するヌクレオチド配列は、細胞外または細胞内タンパク質、好ましくは酵素、例えばアミラーゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、オキシドレダクターゼ、ペクチナーゼ、クチナーゼ、または解糖系酵素をコードする遺伝子から得ることができる。真菌宿主細胞における転写に適するプロモーターの例には、A.オリゼのTAKAアミラーゼ、A.ニガーの中性αアミラーゼ、A.ニガーの酸安定αアミラーゼ、A.ニガーまたはA.アワムシ(Aspergillus.awamsii)のグルコアミラーゼ(GluA)、A.ニデュランスのアセトアミダーゼ、A.オリゼのアルカリ性プロテアーゼ、A.オリゼのトリオースリン酸イソメラーゼ、R.メイヘイ(Rhizopus meihei)のアスパラギン酸プロティナーゼ、およびR.メイヘイのリパーゼをコードする遺伝子から得られるプロモーターがある。好ましいプロモーターは、A.オリゼのTAKAアミラーゼおよびA.アワムシのGluAのものである。
さらに本クローニング媒体は、選択マーカー、例えば本宿主細胞の欠損を補完する産物の遺伝子、または抗生物質耐性を付与する産物の遺伝子を含んでもよい。アスペルギルス属の選択に有用な抗生物質には、例えばハイグロマイシン、フィレオマイシン(phleomycin)およびバスタ(basta)がある。アスペルギルス属に用いる選択マーカーの例には、他に、アセトアミドの利用に関与する酵素をコードする、amdS;ウリジンの生合成に関与する酵素をコードする、pyrG;アルギニンの生合成に関与する酵素をコードする、argB;硝酸塩の同化経路に関与する酵素をコードする、niaD;および、硫酸塩の同化経路に関与する酵素をコードする、sC、がある。さらに、同時形質転換(co-transformation)によって選択を行ってもよく、すなわち2つのベクターの混合液によって形質転換して、選択は、その内1つのベクターのみに対して行われる。
本発明のDNA構成体、プロモーター、ターミネーターおよびその他のエレメントの各々を連結する方法、および複製に必要な情報を含んでいる適当なクローニング媒体に、それらを挿入する方法は、当業界に周知である(Sambrook et al.,1989)。
本発明の宿主細胞を培養するために用いる培養液は、任意の適当な通常の培養液であってよく、従来技術の原理に従って調製することができる。この培養液には、好ましくは、炭素源および窒素源、並びに他の無機塩が含まれる。適当な培養液、例えば最小培地または複合培地は、企業から入手するか、または公表されている組成(The Catalogue of Strains, American Type Culture Collection,Rockville,MD,USA,1970など)に従って、調製することもできる。
発酵に適するpHは、多くの場合、利用する宿主細胞の性質、増殖培養液の組成、目的のポリペプチドの安定性などの因子に依存するだろう。従って、任意のpHにおいて、任意の発酵工程を用いて、本発明の宿主細胞を培養してもよいが、本宿主細胞の酸性および/または中性プロテアーゼ活性が本質的に無くなるか、または少なくとも有意に低下するpHにおいて、発酵することが有利である。WO90/00192の記載の様に、発酵のpHを上げることによって、アスパラギン酸プロテアーゼ活性を無くしてもよいが、アルカリ性のpH範囲において培養した宿主細胞から得られる希望タンパク質の収量に対して、有利な効果は無い。
発酵工程のpHが、5-11の範囲内、例えば6-10.5, 7-10, または8-9.5の範囲内である場合、酸性プロテアーゼ、例えばアスパラギン酸プロテアーゼおよびセリンプロテアーゼの活性は低下するか、または阻害され、さらにpH範囲が7より高い場合には、中性プロテアーゼの活性は低下するか、または阻害されるだろう。アルカリ条件下で発酵して生産する酵素の例には、エンドグルカナーゼ、フィターゼおよびタンパク質ジスルフィドイソメラーゼがある。
しかし、アルカリ性pH条件下では、修飾されていない宿主細胞では、アルカリ性プロテアーゼ活性が維持され、その結果、目的ポリペプチド産物の分解が潜在的に起きるだろう。従って、この様な場合、アルカリ性プロテアーゼをコードする遺伝子を不活性化することが、特に有利である。
酸性、中性およびアルカリ性プロテアーゼ活性レベルは、細胞種毎に変わるので、ある宿主細胞では、本発明のアルカリ性プロテアーゼ遺伝子の不活性化は、特に有利である。例えば、A.オリゼのアルカリ性プロテアーゼ活性レベルは、A.ニガーのものより高い。
培養後、通常のタンパク質単離法および精製法によって、培養液から、希望するタンパク質を回収する。確立した精製方法には、遠心または濾過によって、培養液から細胞を分離すること、硫酸アンモニウムなどの塩によって、培養液のタンパク質成分を沈殿すること、および、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー法が含まれる。
「生産物」
本発明の宿主細胞によって発現される希望の最終産物、すなわち異種性タンパク質は、任意の真核生物性または細菌性のタンパク質またはペプチドでよい。
本文では、「異種性タンパク質」とは、宿主細胞に固有でないタンパク質またはポリペプチドか、固有の配列を変える様に修飾された固有タンパク質か、あるいは、固有タンパク質の発現に必要な固有の調節配列、例えばプロモーター、リボソーム結合部位などを操作するか、または組換えDNA技術によって宿主細胞を操作した結果、発現量が変化した固有タンパク質を意味する。
より特定の実施形態では、本生産物は、治療活性のあるペプチドまたはタンパク質、例えばホルモン類、特にインスリン、成長ホルモン、グルカゴンまたはソマトスタチン;インターロイキン類、特にインターフェロン;造血細胞増殖因子、特に血小板由来増殖因子(PDGF)、エリスロポエチン(EPO)またはトロンボポエチン(TPO);プロテアーゼ、特に第VII因子、第VIII因子、ウロキナーゼ、キモシンまたは組織プラスミノーゲンアクチベーター;または血清アルブミンである。
別の好ましい実施形態では、本生産物は、真菌または細菌由来の酵素である。
前記酵素は、好ましくは、グリコシダーゼ酵素、例えばアミラーゼ、特にα-アミラーゼ(EC 3.2.1.1)またはβ-アミラーゼ(EC 3.2.1.2);グルカン1,4-α-グルコシダーゼ(EC.3.2.1.3)、セルラーゼ、特にエンド-1,4-β-グルカナーゼ(EC.3.2.1.4)またはエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ(EC 3.2.1.6);キシラナーゼ、特にエンド-1,4-β-キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)またはキシラン-エンド-1,3-β-キシロシダーゼ(EC 3.2.1.32);ポリガラクツロナーゼ(EC 3.2.1.15);グルコシダーゼ、特にα-グルコシダーゼ(EC 3.2.1.20)またはβ-グルコシダーゼ(EC 3.2.1.21);ガラクトシダーゼ、特にα-ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.22)またはβ-ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.23);エンドグルカナーゼ、特にエンド-1,3-β-グルカナーゼ(EC 3.2.1.39)、エンド-1,3-α-グルカナーゼ(EC 3.2.1.59)、エンド-1,2-β-グルカナーゼ(EC 3.2.1.71)、またはエンド-1,6-β-グルカナーゼ(EC 3.2.1.75);およびセルロース-1,4-β-セロビオシダーゼ(EC 3.2.1.91)である。
別の好ましい実施形態では、前記酵素は、脂質分解酵素、特にリパーゼ、エステラーゼ、ホスホリパーゼまたはリゾホスホリパーゼである。
別の好ましい実施形態では、前記酵素は、フィターゼ、特に3-フィターゼ(EC3.1.3.8)または6-フィターゼ(EC3.1.3.26)である。
別の好ましい実施形態では、前記酵素は、タンパク質分解酵素である。
別の好ましい実施形態では、前記酵素は、ラッカーゼ、ペクチナーゼまたはクチナーゼ、あるいはオキシドレダクターゼ、例えばペルオキシダーゼである。
別の好ましい実施形態では、本生産物は、ハイブリッドポリペプチド、好ましくは、プロキモシンおよびプロトリプシン様プロテアーゼである。
メタロプロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ活性が欠損することから、本宿主細胞によって発現される本異種性タンパク質は、前駆体タンパク質、例えばチモーゲン、ハイブリッドタンパク質、プロ配列またはプレプロ配列として得られるタンパク質、あるいは他の任意の未成熟な型のタンパク質でもよい。
実施例
本発明を、以下の実施例を参考にして、さらに説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
材料および方法
「菌株」
アスペルギルス・オリゼIFO4177: 発酵研究所(Institute for Fermention)(大阪市淀川区十三本町2丁目17-15)から入手可能。
フサリウム・オキシスポラムDSM2672: ブタペスト条約に従い、Deutsche Sammlung von Microorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM)(Mascheroder Weg 1b,DE-3300 Braunschweig,Germany)に、1983年6月6日に寄託済み。
HowB101: この株の作成は、実施例1に記載されている。
JaL125: この株の作成は、実施例1に記載されている。
JaL151: この株の作成は、実施例1に記載されている。
JaL228: この株の作成は、実施例1に記載されている。
「遺伝子」
alp: この遺伝子は、配列番号3に示したアルカリ性プロテアーゼをコードする。
NpI: この遺伝子は、配列番号2に示した中性メタロプロテアーゼIをコードする。
pyrG: この遺伝子は、ウリジン生合成に関与する酵素、オロチジン-5'-リン酸デカルボキシラーゼをコードする。
p45: この遺伝子は、配列番号1に示した中性メタロプロテアーゼIをコードする。
「プラスミド」
pSO2: この調製は、実施例1に記載されている。
pSO5: この調製は、実施例1に記載されている。
pSRe403: この調製は、実施例1に記載されている。
pSRe403 ΔSacII:この調製は、実施例1に記載されている。
pJaL173: この調製は、実施例1に記載されている。
pJaL212: この調製は、実施例1に記載されている。
pJaL335: この調製は、実施例1に記載されている。
pJaL389: この調製は、実施例1に記載されている。
pJaL399: この調製は、実施例1に記載されている。
pToC65: この調製は、EP531 372Bに記載されている。
pToC68: この調製は、WO91/17243に記載されている。
pToC90: pUC19ベクター(Yannisch-Perron et al.,1985,GENE 33:103-119)上に、アスペルギルス・ニデュランスのamdS遺伝子を2.7kbのXbaI断片として含んでいるp3SR2のサブクローン(Corrick et al.,1987,GENE 53:63-71)であり、この調製は、WO91/17243に記載されている。
pDM115: この調製は、実施例1に記載されている。
pMT1303: この調製は、実施例2に記載されている。
pMT1305: この調製は、実施例2に記載されている。
pMT1329: この調製は、実施例2に記載されている。
pMT1330: この調製は、実施例2に記載されている。
pMT1332: この調製は、実施例2に記載されている。
pMT1335: この調製は、実施例2に記載されている。
「タンパク質分解酵素の活性測定法」
メタロプロテアーゼ活性は、前もって0.1M Tris, 2mM CaCl2, pH7中で、25℃で30-60分間トリプシンと混合した後に、そのトリプシン活性の減少として測定する(pHがより低い範囲では、100mMホウ酸塩, 10mM DMG, 2mM CaCl2から成る緩衝液を用いる)。トリプシン活性は、マイクロタイタープレート上で測定した。サンプル100mlを、100mlのL-BAPNA基質(87mg/[ml DMSO]の保存液(Sigma Aldrich Corp.,St.Louis MO,USA)を緩衝液で50倍希釈したもの)に混合して、Thermomax microplate reader(Molecular Devices Corp.,Sunnyvale CA,USA)で、405nmの吸光度を測定する。
アルカリ性プロテアーゼ活性は、反応液1ml(20mM Tris-HCl)中で、合成基質N-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Phe-p-ニトロアニリド(Sigma Aldrich Corp.)1mMを用いて、25℃で測定する。p-ニトロアニリンの遊離を、410nmで測定する(Ramesh,MV,et al.,Infection and Immunity62:79-85,1994)。
実施例1
「アスペルギルス・オリゼのアルカリ性プロテアーゼ(alp)遺伝子およびアスペルギルス・オリゼの中性メタロプロテアーゼI(NpI)遺伝子のゲノム欠損」
A.オリゼのpyrG-株において、A.オリゼのpyrG遺伝子を選択マーカーとして用い、2回連続して一段階遺伝子置換法を行い、alp遺伝子およびNpI遺伝子を各々欠失させる(Miller,B.L.,et al.,1985,Mol.and Cell.Biol.5:1714-1721,and May,G.in Applied Molecular Genetics of Filamentous Fungi,pp.1-25.J.R.Kinghorn and G.Thrner,eds.;Blackie Academic and Professional,1992)。
「A.オリゼのpyrG遺伝子のクローニング」
A.ニガーのpyrG遺伝子をハイブリダイズさせて、A.オリゼのpyrG遺伝子をクローン化した(van Hartingsveldt,W.,et al.,1987,Mol.Gen.Genet.206:71-75)。Sau3Aで部分切断したA.オリゼIFO4177のDNAから作成したラムダファージライブラリーを、A.ニガーのpyrG遺伝子由来の1kb DNA断片をプローブとして、低ストリンジェントな条件下にスクリーニングした。1つの陽性クローンのDNAを、pUC118ベクターにサブクローニングした。A.ニガーのpyrG変異株に対する補完から、できたプラスミドpSO2に、前記pyrG遺伝子が含まれることが示めされた。
「pyrGプラスミドpJaL335の作成」
A.オリゼのpyrGコード配列の5'末端の上流479ヌクレオチドに位置する431bp断片を、次の2つのプライマーを用いてPCRで増幅した。
プライマーA: 5'-GGAGGAAGATCTCTCTGGTACTCTTCGATCTC-3'(配列番号4)
プライマーB: 5'-GGAGGAGAATTCAAGCTTCTTCTACATCACAGTTTGAAAGC-3'(配列番号5)
下線領域は、A.オリゼのpyrG遺伝子の5'領域に存在する配列を示す。各プライマーの5'末端部分に制限部位を挿入した。プライマーAは、BgIII部位を、プライマーBは、HindIII制限部位の隣にEcoRI部位を含む。
PCR反応の鋳型として、プラスミドpSO2を用いた。反応条件は、反応緩衝液100μl(50mM KCl, 10mM Tris-HCl,pH8.0, 1.5mM MgCl2)中に、Taqポリメラーゼ2.5単位、pSO2 100ng、各dNTP 250nM、前記各プライマー10pmolが含まれた。
増幅反応は、Perkin-Elmer Centus DNA Thermal 480を用いて、94℃3分間反応後、94℃1分間、55℃30秒間、72℃1分間を1サイクルとして、25サイクル行った。このPCRによって、長さ430bpの単一DNA断片が生成した。この断片をBglIIおよびEcoRIによって切断した後、ゲル電気泳動で分離し、精製し、プラスミドpSO2のBglII/EcoRI部位にクローン化して、プラスミドpJaL335を作成した。従って、pJaL335は、2つの431bp断片に挟まれたpyrG遺伝子を有する。図1は、pJaL335の作成工程を示す。
「pyrG欠損プラスミドpSO5の作成」
プラスミドpSO2をNheIで切断し、pyrG遺伝子の約1.1kbのコード配列を除去した後に、再連結して、pyrG欠損プラスミドpSO5を作成した。これには、pyrG遺伝子の5'側および3'側の各1kbのフランキング配列が残っている。図2に、この作成を示す。
「A.オリゼのpyrG-株HowB101の作成」
pSO5から得た、A.オリゼのpyrG遺伝子の5'側および3'側フランキング配列を含む2.2kb HindIII断片によって、A.オリゼIFO4177を形質転換した。pyrG変異体を選択するために、5-フルオロオロト酸耐性の表現型によって、形質転換体を選択した。サザン分析によって、1個の変異体HowB101が、A.オリゼのpyrGの遺伝子座に期待された欠損を有することが分かった。HowB101はウリジン依存性であるので、野生型pyrG遺伝子によって形質転換された株を、ウリジン非存在下の生育能によって選択することができる。
「alp遺伝子欠損プラスミドpJaL212の作成」
Sau3Aで部分切断したA.オリゼIFO4177のDNAから、ゲノムDNAライブラリーを作成した。これらの断片を、BamHIで切断したpUC19に連結した。A.オリゼのアルカリ性プロテアーゼの既知のタンパク質配列断片に相補的な縮重オリゴヌクレオチドプローブによって、このライブラリーをスクリーニングした。この結果、3.9kbのSau3A断片を含んだプラスミドpSRe403が得られた。
pSRe403をSacIIで切断してから、再連結することによって、alp遺伝子の約1kb断片が除かれたプラスミドができた。これをpSRe403 ΔSacIIとした。
pSRe403 ΔSacIIを、HindIIIによって部分的に切断し、この末端を、クレノーポリメラーゼによって平滑化した。その後、これを再連結し、pUC19配列内のHindIII部位を除いた。できたプラスミドをpJaL173とした。
pSO2をHindIIIで切断し、pyrG遺伝子を含んだ3.8kb断片を得た。この断片を、pJaL173のHindIII部位に挿入して、プラスミドpJaL212を作った。このプラスミドでは、pyrG遺伝子のHindIII断片が、その上流および下流で、各々、alp遺伝子の5'および3'配列に挟まれている。
「A.オリゼのalp-株JaL125の作成」
pJaL212から得た6.8kbのSacI/SphI断片によって、標準的方法で、HowB101を形質転換した。この断片は、alpのプロモーター1.5kb、pyrG遺伝子、およびalp遺伝子の3'ターミネーター1.5kbから成る。この形質転換体を、ウリジン非存在下の生育能によって選択した。
pJaL173から得た、alp遺伝子部分を含む599bpのPstI/SacII断片を放射性標識し、これをプローブとしてサザンブロットを行い、これらの形質転換体を分析した。野生型では1.0kbのPstIバンドが、alp遺伝子の欠損を有する株では、1.9kbにシフトすることによって、形質転換体を選択した。この様な形質転換体が4個同定され、この内の1個をJaL125とした。
「A.オリゼのNpI遺伝子のクローニング」
SuperCos1 Cosmid Vector Kit(Stratagene,Inc.,La Jolla,CA,USA)を用いて、その説明書どおりに、A.オリゼのコスミドライブラリーを作成した。
A.オリゼIFO4177のゲノムDNAを、標準的な方法によって単離したプロトプラストから調製した(Christensen,T.,et al.,1988,Biotechnology6:1419-1422)。単離した後に、Labufuge T(Heto)によって、2500rpmで5分間遠心し、そのプロトプラストを沈殿させた。このペレットを、緩衝液(10mM NaCl, 20mM Tris-HCl,pH8.0, 1mM EDTA)中に縣濁し、これを100μg/mlプロテアーゼKおよび0.5% SDSで処理した。DNA調製のためのこの工程および次の全ての工程は、SuperCos1 Cosmid Vector Kitの推奨方法に従って行った。
CHEFのゲル装置(BioRad,Hercules,CA,USA)を用いて電気泳動を行い、ゲノムDNAのサイズを分析した。簡単には、1%アガロースゲルを用いて、20時間、200ボルト、10-50秒パルスの条件で行った。ゲルをエチジンブロマイド染色し、紫外線照射下に写真撮影したところ、長さが50から100kb以上の範囲のDNAが認められた。このDNAを、Sau3Aで部分切断した。得られたDNA断片のサイズは、CHEFゲル分析から、20から50kbまでの範囲であった。
塩化セシウム勾配中で形成されたバンドから、SuperCos1ベクターを調製し、連結し、前記キットの方法に従ってパッケジングした。このライブラリーの力価を決定した後に、1回の連結およびパッケジングから得たパッケジング混合液全部を、前記キットの宿主細胞XL1-BlueMRにトランスフェクションした。これを、50μg/mlのアンピシリンを含んだLBプレートにまいた。約3800個のコロニーが得られた。10個のコロニーから調製したコスミドを分析したところ、その全てに、期待されたサイズの挿入配列が認められた。コロニーを個別に取り上げ、ウエルあたり100μlのLB(100μg/mlのアンピシリン含有)が入った96ウエルのマイクロタイタプレートに接種して、これを37℃で一晩培養した。50%グリセロール100μlを各ウエルに加え、全ライブラリーを−80℃で凍結した。全部で3822個のコロニーを保存した。これは、A.オリゼのゲノムが約4.4倍増幅されたことになる。
「フサリウム・オキシスポラムのp45メタロプロテアーゼのプローブの調製」
WO95/30757(Novo Nordisk Bioteck,Inc.,published16 November 1995)に開示された通りに、フサリウム・オキシスポラムのp45メタロプロテアーゼ遺伝子をクローニングした。
cDNAライブラリーから選択された1つのクローンを、pDM115とした。pDM115は、F.オキシスポラムのp45遺伝子部分をコードする1.76kbのcDNA断片を含み、このプラスミドからプローブを調製した。このプラスミドをSalIで切断し、この断片を1%アガロースゲルで分離した。注目した1.5kbバンドから、DNA断片を抽出した。この断片を、ランダムプライマーを用いて32P-dATPで標識し、これを、サザン分析およびA.オリゼコスミドライブラリーのスクリーニングのために、プローブとして用いた。
「A.オリゼライブラリーのスクリーニング」
F.オキシスポラムのp45プローブによって、A.オリゼコスミドライブラリーをスクリーニングするために、このライブラリーの個別の凍結コロニーを、LBプレート(100μg/mlのアンピシリン含有)上に、96ウエルプレート用の6列8ピンの器具を用いて接種した。ライブラリーの全コロニーを含む全プレートを、37℃で一晩培養した。プレートの大きさに切った滅菌濾紙(Whatman 540)をコロニー上にのせ、さらに2時間37℃で培養した。次の日、その濾紙を、0.5M NaOHで5分間2回、次に0.5M Tris-HCl(pH7.4)で5分間2回、最後に2x SSCで5分間2回、洗浄した。この濾紙をエタノールにつけ、空気中で乾燥させた。
pDM115から得た1.5kbの32P標識DNA断片を用いて、この濾紙をハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション緩衝液(10x Denhart's soluton, 5x SSC, 0.02M EDTA, 1% SDS, 0.15mg/ml polyA-RNA & 0.05mg/ml yeast tRNA)中で、65℃16時間ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション後に、この濾紙を、2x SSC, 0.1% SDS、65℃で2回洗浄し、そしてX-線フィルムに感光した。3個のコロニーが、本プローブにハイブリダイズした(3E8, 3C1, 2A5)。
「前記コスミドクローンの特性」
制限酵素解析から、前記3個のコスミドクローン中2個3E8および3C1には、A.オリゼのゲノムの同一領域に由来する挿入配列が含まれていた。コスミドDNA 3μgをEcoRIで切断し、アガロースゲル電気泳動で分画した。そのDNAを、Immobilon-N膜フィルター(Millipore)に転写し、放射性標識したpDM115プローブを用いてハイブリダイズした。その結果、両コスミドクローンにおいて、4kbのEcoRI断片がハイブリダイズした。この4kbのEcoRI断片をさらに解析した。
「NpI欠損プラスミドpJaL399の作成」
EP531 372に開示されているプラスミドpToC65を、SacIで切断し、5'末端のリン酸基を除くために細菌性アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannheim)で処理し、フェノール抽出し、そして沈殿した。コスミドクローン3E8から得たA.オリゼのNpI遺伝子を含んだ5.5kbのSacI断片を、ゲル電気泳動で単離し、精製した。前記の2つの断片を混合して、連結した。これによって大腸菌を形質転換した後に、調製したプラスミドの制限酵素解析を行い、適切なプラスミドを有する大腸菌コロニーを同定した。得られたプラスミドをpJaL389とした。このサブクローン部分のDNA配列解析から、A.オリゼのNpI遺伝子のコード領域の存在を確認した。
プラスミドpJaL389をBaIIで切断して、NpI遺伝子内部の1.1kb断片を除いた。残りの7.1kb断片をクレノーポリメラーゼ処理して、末端を平滑化し、ゲル電気泳動で分離し、精製した。次に、このDNA断片を、細菌性アルカリホスファターゼ処理し、フェノール抽出し、そして沈殿した。プラスミドpJaL335をHindIIIで切断して、A.オリゼのpyrG遺伝子を含んだ3.5kb断片を得た。前記の2つの断片を混合して、連結した。これによって大腸菌を形質転換した後に、調製したプラスミドの制限酵素解析を行い、適切なプラスミドを有する大腸菌コロニーを同定した。図4に、このプラスミドpJaL399の作成を示す。
従って、プラスミドpJaL399は、pToC65ベクター内のNpI遺伝子内部の1.1kbのBaII断片を、A.オリゼのpyrG遺伝子をコードする3.5kbDNA断片で置換したものである。
「A.オリゼのpyrG-株JaL151の単離」
A.オリゼのalp-株JaL125をスクリーニングして、自発的に5-フルオロオロト酸耐性になったpyrG変異株を同定した。この1つの株JaL151が、alp-およびpyrG-であることを確認した。HowB101同様に、JaL151は、ウリジン依存性であるので、野生型pyrG遺伝子によって形質転換された株を、ウリジン非存在下の生育能によって選択することができる。
「A.オリゼのNpI-株JaL228の作成」
標準的な方法で、pJaL399の7.9kbのSacI断片によって、JaL151を形質転換した。この形質転換体を、ウリジン非存在下の生育能によって選択した。再度選択してから、その12個の形質転換体から、染色体DNAを調製した。pJaL389から得た、NpI遺伝子を含む5.5kbのSacI断片を32P標識したものをプローブとして、各形質転換体のDNAをBaIIで切断したものをサザンブロットで分析した。ハイブリダイゼーション後に、1.1kbのBgII断片のバンドが表れないこと(NpI遺伝子の破壊を意味する)、および5'および3'フランキング配列の移動度が変化することによって、目的の株を同定した。これらの形質転換体の中の1つの株を、JaL228とした。
実施例2
「C.アンタークチカのリパーゼBのクローニング」
カンジダ・アンタークチカのゲノムをSau3Aで部分切断し、pBR322を用いてゲノムライブラリーを調製した。CLB(C.antarctica lipase B)のN末端アミノ酸配列から設計した2つのオリゴヌクレオチドプローブ、NOR929(配列番号4)およびNOR930(配列番号5)によって、複製フィルターをスクリーニングした(図5)。8個のコロニーが同定された。プラスミド解析から、挿入配列の重複が認められた。7.8kbの挿入配列を含んだプラスミドpMT1303を、さらに解析した。そこからSalI断片を除いて、2.1kbの挿入配列を有するプラスミドpMT1305を作成した(図6)。NOR929をプライマーとしてpMT1305の配列を決定し、CLBがコードされていることを確認した。Promega Erase-a-Base system(Promega Corp.,Madison WI,USA)を用いて、pMT1305から連続的な欠失配列を作成し、両ストランドの全長の遺伝子配列を決定した。配列番号6に、そのコード配列を示す。
「部分的CLBを含むプラスミドpMT1329の作成」
pMT1305から、CLBのN末端配列をコードする788bpのSalI/HindIII断片を単離した。この断片から、2つの小断片170bpのHindIII/BanI断片および204bpのBanI/Sau3A断片(Sau3A末端は平滑化した)を単離した。これらの2つの断片を、EcoRV/HindIIIで切断したプラスミドpIC19Rにクローン化した。これによって、CLBの開始コドンの9bp隣の位置において、平滑化したSau3AとEcoRVが連結して、BglI部位になった。このプラスミドをpMT1329とした(図7)。
「部分的CLBを含むプラスミドpMT1332の作成」
pMT1305から、CLBのC末端配列をコードする670bpのHindIII/XmnI断片を単離し、HindIII/NruIで切断したプラスミドpIC7にクローン化した。これをpMT1330とした。pMT1329からの3.0kbのHindIII/NarI断片、およびpMT1330からの0.7kbのHindIII/ClaI断片を連結して、CLBの完全な遺伝子を形成させたプラスミドpMT1332を作成した(図8)。
「CLB発現プラスミドpMT1335の作成」
発現ベクターpToC68を用いて、アスペルギラス属において、clb遺伝子を発現させた。pMT1332からの1kbのBclI/BglII断片を、BamHIで切断したpToC68に挿入して、pMT1335を作成した(図9)。真菌においてC.アンタークチカのリパーゼBを発現させるためのベクターとして、プラスミドpMT1335を作成した。
「A.オリゼ株における、C.アンタークチカのリパーゼBの発現」
pMT1335およびpToC90の2個のプラスミドによって、A.オリゼ株IFO4177およびJaL228を各々同時形質転換した。
10mMアセトアミド含有の最小培地中での増殖能によって、形質転換体を選択し、さらにCLBの生産能によって、pMT1335を含んだ形質転換体を選択した。A.オリゼの野生株IFO4177およびalp-,NpI-株JaL228の形質転換体から各々1個を選択し、93時間タンク発酵させた。分生子を、1.2Lの20%マルトース液と8%尿素の混合液を含んだKeiler発酵槽(2L)に接種した。20%マルトース液と8%尿素の混合液を連続的に供給した。pHを7に維持するために必要なリン酸を追加した。
以下の表1で、JaL228におけるCLB活性の収量と、IFO4177における収量とを比較した。ここで1リパーゼ単位(LU)は、pH7.0、30℃の条件下で、トリブチリンから1分間に1μmolのブチル酸を遊離させるために必要な酵素量と定義する。この表から、JaL228での生産量は、IFO4177の生産量より1.8倍多いことがわかり、alp遺伝子およびNpI遺伝子を欠失させると、これらのプロテアーゼ活性で切断されやすいタンパク質の安定性を有意に向上させることができることが証明された。
Figure 0004091119
配列表
(1)一般情報:
(ii)発明の名称:新規な宿主細胞およびタンパク質生産方法
(iii)配列の数:6
(2)配列番号1の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:2052塩基対
(B)型:核酸
(C)ストランド:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子型:ゲノムDNA
(vi)起源:
(A)生物:Fusarium oxysporum
(B)株:DSM2672
(C)単離体:p45
(ix)特徴:
(A)名称/キー:matペプチド
(B)位置:785..2049
(ix)特徴:
(A)名称/キー:sigペプチド
(B)位置:55..784
(ix)特徴:
(A)名称/キー:イントロン
(B)位置:364..415
(ix)特徴:
(A)名称/キー:イントロン
(B)位置:802..854
(ix)特徴:
(A)名称/キー:イントロン
(B)位置:1821..1868
(xi)配列記載:配列番号1:
Figure 0004091119
Figure 0004091119
(2)配列番号2の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:2968塩基対
(B)型:核酸
(C)ストランド:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子型:ゲノムDNA
(vi)起源:
(A)生物:Aspergillus oryzae
(B)株:IFO4177
(C)単離体:NpI
(ix)特徴:
(A)名称/キー:エキソン
(B)位置:458..817
(ix)特徴:
(A)名称/キー:エキソン
(B)位置:868..1262
(ix)特徴:
(A)名称/キー:エキソン
(B)位置:1320..1870
(ix)特徴:
(A)名称/キー:エキソン
(B)位置:1930..2344
(ix)特徴:
(A)名称/キー:エキソン
(B)位置:2404..2587
(xi)配列記載:配列番号2:
Figure 0004091119
Figure 0004091119
Figure 0004091119
(2)配列番号3の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:3922塩基対
(B)型:核酸
(C)ストランド:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子型:cDNA
(vi)起源:
(A)生物:Aspergillus oryzae
(B)株:A01560
(C)単離個体:alp
(ix)特徴:
(A)名称/キー:エキソン
(B)位置:2310..2634
(ix)特徴:
(A)名称/キー:エキソン
(B)位置:2684..3129
(ix)特徴:
(A)名称/キー:エキソン
(B)位置:3188..3276
(ix)特徴:
(A)名称/キー:エキソン
(B)位置:3333..3686
(xi)配列記載:配列番号3:
Figure 0004091119
Figure 0004091119
Figure 0004091119
(2)配列番号4の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:36塩基対
(B)型:核酸
(C)ストランド:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子型:cDNA
(xi)配列記載:配列番号4:
Figure 0004091119
(2)配列番号5の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:41塩基対
(B)型:核酸
(C)ストランド:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子型:cDNA
(xi)配列記載:配列番号5:
Figure 0004091119
(2)配列番号6の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:1029塩基対
(B)型:核酸
(C)ストランド:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子型:cDNA
(vi)起源:
(A)生物:Candida antarctica
(C)単離体:clb
(xi)配列記載:配列番号6:
Figure 0004091119

Claims (8)

  1. 異種ポリペプチドをコードする核酸配列が導入されているところのアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)細胞であって、ここで、(a)配列番号2に示すDNA配列、又は配列番号2に示すDNA配列若しくはその相補配列と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされる内因性メタロプロテアーゼ、及び(b)配列番号3に示すDNA配列、又は配列番号3に示すDNA配列若しくはその相補配列と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNA配列によりコードされる内因性アルカリ・プロテアーゼが、組換えDNA技術により修飾されることによって、機能的に失活されているか、又は親細胞に比較して、低減されたレベルで発現される、前記アスペルギルス・オリゼ細胞。
  2. 前記組換えDNA技術は、特異的若しくはランダム突然変異誘発、PCR生成突然変異誘発、部位特異的DNA欠失、挿入及び/若しくは置換、遺伝子破壊若しくは遺伝子置換技術、アンチセンス技術、又はそれらの組合せである、請求項1に記載のアスペルギルス・オリゼ細胞。
  3. 以下のステップ:
    (a)請求項1又は2に記載の細胞内に異種タンパク質産物をコードする核酸配列を導入し;
    (b)好適な成長培地中で、ステップ(a)の細胞を培養し;そして
    (c)上記タンパク質産物を単離する;
    を含み、請求項1又は2に記載の細胞内で異種タンパク質産物を製造する方法。
  4. 前記タンパク質産物が、治療的に活性な遺伝子産物であって、インスリン、成長ホルモン、グルカゴン、ソマトスタチン、インターフェロン、EPO、TPO、PDGF、第VII因子、第VIII因子、ウロキナーゼ、キモシン、組織プラスミノーゲン・アクチベーター、又は血清アルブミンを含むものである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記タンパク質産物が、真菌起源のタンパク質である、請求項3に記載の方法。
  6. 前記タンパク質産物が、真菌の酵素であって、糖分解酵素、セルラーゼ分解酵素、脂肪分解酵素、キシラン分解酵素、タンパク質分解酵素、酸化還元酵素、ラッカーゼ、ペクチナーゼ、又はクチナーゼを含むものである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記タンパク質産物が、細菌起源のタンパク質である、請求項3に記載の方法。
  8. 前記タンパク質産物が、前駆体タンパク質であって、チモーゲン、ハイブリッド・タンパク質、プロ配列若しくはプレプロ配列として得られるタンパク質を含むもの、又は未成熟形態にある、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
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