JP4090455B2 - 増幅方法およびそれを利用した通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、増幅技術に関し、特に複数のアンテナで受信した信号を増幅する増幅方法およびそれを利用した通信装置に関する。
ワイヤレス通信において、一般的に限りある周波数資源の有効利用が望まれている。周波数資源を有効利用するために、例えば同一の周波数の電波が可能な限り近い距離で繰り返し使用される。しかし、その場合、同一周波数を使用する近接の基地局装置等からの同一チャネル干渉によって、通信品質が劣化する。同一チャネル干渉による通信品質の低下を防ぐ技術のひとつが、アダプティブアレイアンテナ技術である。アダプティブアレイアンテナ技術では、複数のアンテナでそれぞれ受信した信号を異なる重み係数で重み付けしてから合成する。重み係数は、例えば、参照すべき信号と合成後の信号間の誤差を小さくするように適応的に更新される。
重み係数の適応的な更新のために、例えば、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムが使用される。また重み係数は、送信側から受信側までの伝送路における応答係数にもとづいて、計算される場合もある。さらに、アダプティブアレイアンテナ技術を備えた無線装置が、受信した信号から導出した重み係数や応答係数にもとづいて送信用の重み係数を導出し、送信すべき信号を当該送信用の重み係数で重み付けしてから送信する場合もある。このようにアダプティブアレイアンテナ技術は、受信した信号から希望すべき成分を抽出し、信号を送信する際の指向性を調節するので、同一チャネル干渉による通信品質の低下を防止できる(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開第WO00/079702号パンフレット
アダプティブアレイアンテナ技術に対応した基地局装置は、一般的に、複数のアンテナで受信した信号をそれぞれ複数のAGCで増幅した後に、デジタル信号に変換し、アダプティブアレイ処理を実行する。アダプティブアレイ処理の精度を高めるためには、AGCで増幅した信号間における振幅の値の関係が、AGCで増幅する前の信号間における振幅の値の関係に近いほどよい。例えば、3つの信号の振幅が「1:2:3」の関係にある場合、それらの3つの信号をAGCで増幅した後も振幅の関係が「1:2:3」を保持している方がよい。すなわち、複数の信号間の関係を保ちながら、AGCで増幅されることが望ましい。また、一般的に、AGCに含まれる増幅器は個体差を有しているので、予めキャリブレーションによって、それらの個体差を記憶しておく。例えば、複数のAGCのうちのひとつを基準にして増幅率を決定し、残りのAGCは決定した増幅率を予め記憶した個体差によって補正し、それぞれの増幅率としている。
本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。ひとつのAGCで決定した増幅率にもとづいて、他のAGCの増幅率を決定する場合、他のAGCの増幅率は画一的に決まってしまう。このような処理によって、それぞれの増幅率はほぼ同一の値に保持されるが、それらの増幅率が最適値とならない場合がある。例えば、弱電界の場合であり、この場合においても複数のAGCは、線形性を保てる範囲で増幅を行うので、AGCのダイナミックレンジを最大限活用していない。すなわち、AGCで増幅した後であっても、信号の電力がある程度までしか大きくならず増幅が十分になされていない。その結果、雑音等の影響で後続の信号処理に誤りが生じる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、弱電界の場合であっても、所定の品質を維持するように増幅する増幅方法およびそれを利用した通信装置を提供することにある。
本発明のある態様は、通信装置である。この装置は、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信する受信部と、受信部にて受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定する測定部と、測定した複数の信号の強度にもとづいて、受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、受信した複数の信号の中の残りと基準の信号との間における強度の相対関係を導出する導出部と、受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅する増幅部と、増幅した複数の信号をアダプティブアレイ処理する処理部とを備える。この装置によれば、導出部は、測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、受信した複数の信号に対する複数の増幅率をそれぞれ導出し、増幅部は、受信した複数の信号を導出した複数の増幅率でそれぞれ増幅してもよい。
以上の装置により、複数の信号の強度が大きければ、複数の信号に関連を持たせながら増幅率を導出するので、増幅した信号間の相対的な関係を維持するように複数の増幅率を導出でき、複数の信号の強度が小さければ、複数の信号から個別に増幅率を導出するので、複数の信号のそれぞれに適した増幅率を導出できる。
本発明の別の態様も、通信装置である。この装置は、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信する受信部と、受信部にて受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定する測定部と、測定した複数の信号の強度にもとづいて、受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、受信した複数の信号の中の残りと基準の信号との間における強度の相対関係を導出する導出部と、受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅する増幅部と、増幅した複数の信号をアダプティブアレイ処理する処理部とを備える。この装置によれば、導出部は、測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値以上であれば、測定した複数の信号の強度の中で大きい方の強度に対応した信号を基準の信号として選択し、測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さければ、測定した複数の信号の強度の中で小さい方の強度に対応した信号を基準の信号として選択すしてもよい。
「大きい方」、「小さい方」とは、例えば、最大値と最小値を示すが、これらに限らず、増幅部等の特性に応じた値が選択されればよい。
以上の装置により、複数の信号の強度が大きければ、複数の信号に関連を持たせながら、かつ複数の信号のうちの大きい方の信号を基準にして増幅率を導出するので、増幅した信号間の相対的な関係を維持するように複数の増幅率を導出でき、複数の信号の強度が小さければ、複数の信号に関連を持たせながら、かつ複数の信号のうちの小さい方の信号を基準にして増幅率を導出するので、大きい値の増幅率を導出できる。
本発明のさらに別の態様も、通信装置である。この装置は、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信する受信部と、受信部にて受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定する測定部と、測定した複数の信号の強度にもとづいて、受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、受信した複数の信号の中の残りと基準の信号との間における強度の相対関係を導出する導出部と、受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅する増幅部と、増幅した複数の信号をアダプティブアレイ処理する処理部とを備える。この装置によれば、導出部は、測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、導出した増幅率に所定の値を加えてもよい。
以上の装置により、複数の信号の強度が大きければ、複数の信号に関連を持たせながら、かつ複数の信号のうちの大きい方の信号を基準にして増幅率を導出するので、増幅した信号間の相対的な関係を維持するように複数の増幅率を導出でき、複数の信号の強度が小さければ、導出した増幅率に所定の値を加算するので、大きい値の増幅率を導出できる。
処理部でのアダプティブアレイ処理によって導出された受信用の伝送路特性にもとづいて、送信用の伝送路特性を導出する決定部と、送信用の伝送路特性にもとづいて、送信すべき信号に重み付けを行って、複数のアンテナから送信する送信部とをさらに備え、送信部は、測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、複数のアンテナから送信すべき信号の強度を所定の値だけ弱めてもよい。
「受信用の伝送路特性」とは、受信した信号における伝送路の特性を示し、伝送路の特性に相当するものであればよい。例えば、受信応答ベクトル、受信ウエイトベクトル、受信電力を含む。
「送信用の伝送路特性」とは、送信すべき信号に対する伝送路の特性を示し、伝送路の特性に相当するものであればよい。例えば、送信応答ベクトル、送信ウエイトベクトルを含む。なお、「送信用の伝送路特性」の値が「受信用の伝送路特性」の値と同一であってもよいものとする。
本発明のさらに別の態様は、増幅方法である。この方法は、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、測定した複数の信号の強度にもとづいて、受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、受信した複数の信号の中の残りと基準の信号との間における強度の相対関係を導出するステップと、受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅するステップとを備える。この方法によれば、導出するステップは、測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、受信した複数の信号に対する複数の増幅率をそれぞれ導出し、増幅するステップは、受信した複数の信号を導出した複数の増幅率でそれぞれ増幅してもよい。
本発明のさらに別の態様も、増幅方法である。この方法は、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、測定した複数の信号の強度にもとづいて、受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、受信した複数の信号の中の残りと基準の信号との間における強度の相対関係を導出するステップと、受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅するステップとを備える。この方法によれば、導出するステップは、測定した複数の信号の強度が所定のしきい値以上であれば、測定した複数の信号の強度の中で大きい方の強度に対応した信号を基準の信号として選択し、測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さければ、測定した複数の信号の強度の中で小さい方の強度に対応した信号を基準の信号として選択してもよい。
本発明のさらに別の態様も、増幅方法である。この方法は、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、測定した複数の信号の強度にもとづいて、受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、受信した複数の信号の中の残りと基準の信号との間における強度の相対関係を導出するステップと、受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅するステップとを備える。この方法によれば、導出するステップは、測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、導出した増幅率に所定の値を加えてもよい。
測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、複数のアンテナから送信すべき信号の強度を所定の値だけ弱めるステップをさらに備えてもよい。
本発明のさらに別の態様は、プログラムである。このプログラムは、無線ネットワークから、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、測定した複数の信号の強度にもとづいて、受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、受信した複数の信号の中の残りと基準の信号との間における強度の相対関係を導出し、導出した増幅率と導出した強度の相関関係をメモリにそれぞれ記憶するステップと、受信した複数の信号の中で、基準の信号を記憶した増幅率で増幅し、かつ残りを記憶した増幅率と記憶した強度の相対関係にもとづいて増幅するように増幅器を制御するステップとを備える。このプログラムにおいて、記憶するステップは、測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、受信した複数の信号に対する複数の増幅率をそれぞれ導出し、導出した複数の増幅率をメモリにそれぞれ記憶し、制御するステップは、受信した複数の信号を記憶した複数の増幅率でそれぞれ増幅するように増幅器を制御してもよい。
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、無線ネットワークから、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、測定した複数の信号の強度にもとづいて、受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、受信した複数の信号の中の残りと基準の信号との間における強度の相対関係を導出し、導出した増幅率と導出した強度の相関関係をメモリにそれぞれ記憶するステップと、受信した複数の信号の中で、基準の信号を記憶した増幅率で増幅し、かつ残りを記憶した増幅率と記憶した強度の相対関係にもとづいて増幅するように増幅器を制御するステップとを備える。このプログラムにおいて、記憶するステップは、測定した複数の信号の強度が所定のしきい値以上であれば、測定した複数の信号の強度の中で大きい方の強度に対応した信号を基準の信号として選択し、測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さければ、測定した複数の信号の強度の中で小さい方の強度に対応した信号を基準の信号として選択してもよい。
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、無線ネットワークから、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、測定した複数の信号の強度にもとづいて、受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、受信した複数の信号の中の残りと基準の信号との間における強度の相対関係を導出し、導出した増幅率と導出した強度の相関関係をメモリにそれぞれ記憶するステップと、受信した複数の信号の中で、基準の信号を記憶した増幅率で増幅し、かつ残りを記憶した増幅率と記憶した強度の相対関係にもとづいて増幅するように増幅器を制御するステップとを備える。このプログラムにおいて、記憶するステップは、測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、導出した増幅率に対して、予めメモリに記憶した所定の値を加えてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、弱電界の場合であっても、所定の品質を維持するように増幅できる。
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例1は、簡易型携帯電話システムの基地局装置に関する。本実施例の基地局装置は、複数のアンテナを備えており、アダプティブアレイ処理を実行する。そのため、複数のアンテナのそれぞれに対応するように、複数のAGCを備える。基地局装置は、複数のアンテナで受信した信号の強度として、RSSIを測定し、測定したRSSIの合計が所定のしきい値以上であれば(以下、「通常状態」という)。以下の通りに増幅率を決定する。複数のRSSIの中から最大値を選択し(以下、選択した最大値を「基準値」という)、基準値に対応した信号(以下、「基準信号」という)に対して増幅率を導出する。また、複数のAGCの個体差に相当した値(以下、「オフセット値」という)は予め記憶されており、基準信号以外の複数の信号に対して、導出した増幅率と記憶したオフセット値から増幅率を決定する。このように決定された複数の増幅率にもとづいて、複数のAGCは、受信した信号をそれぞれ増幅する。
一方、基地局装置は、測定したRSSIの合計が所定のしきい値より小さければ(以下、「弱電界状態」という)。以下の通りに増幅率を決定する。複数の信号に対する増幅率が、独立してそれぞれ決定される。このように決定された複数の増幅率にもとづいて、複数のAGCは、受信した信号をそれぞれ増幅する。そのため、複数のAGCがある程度高い増幅率で受信した信号を増幅でき、後続の信号処理の精度も高くなる。特に、簡易型携帯電話システムのような移動通信システムにおいては、端末装置から送信される信号のレベルが、基地局装置から送信される信号のレベルよりも小さいので、上り回線の通信から先に信号強度の限界に達することが想定され、本実施例では、これを解決する。
なお、このような処理によって、増幅された信号間の関係が維持されなくなり、増幅された信号にもとづいて導出された受信ウエイトベクトルや送信ウエイトベクトルは、最適な値でなくなる。しかしながら、前者に対してビームはある程度の広がりを有しているので、指向性制御が多少崩れても所望の方向へのビームのレベルの低下は小さくてすむ。後者に対して、送信する際の指向性制御が崩れると他の端末装置に対して干渉を与えるおそれがある。本実施例に係る基地局装置は、その対策として、送信電力を減衰させる。
図1は、実施例1に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、基地局装置10、端末装置26、ネットワーク24を含む。基地局装置10は、アンテナ22と総称する第1アンテナ22a、第2アンテナ22b、第nアンテナ22n、無線部12、信号処理部14、モデム部16、ベースバンド部18、制御部20、測定部230、導出部232を含み、ネットワーク24と接続している。また、無線部12は、第1無線部12a、第2無線部12b、第N無線部12nを含む。また、信号として、デジタル受信信号300と総称される第1デジタル受信信号300a、第2デジタル受信信号300b、第Nデジタル受信信号300n、デジタル送信信号302と総称される第1デジタル送信信号302a、第2デジタル送信信号302b、第Nデジタル送信信号302n、無線部制御信号318、モデム部制御信号320、ベースバンド部制御信号322、信号処理部制御信号330、増幅率信号340、測定結果信号342を含む。図1の通信システムにおいて、基地局装置10はひとつの端末装置26を接続しているが、実際には複数の端末装置26を接続可能である。
アンテナ22は、無線周波数の信号を送受信処理する。アンテナの指向性は任意でよく、アンテナ22のアンテナ数はNとされる。
無線部12は、後述の信号処理部14、モデム部16、ベースバンド部18で処理されるベースバンドの信号と無線周波数の信号間の周波数変換処理、増幅処理、ADまたはDA変換処理等を行う。受信機能として、無線部12は、複数のアンテナ22のそれぞれを介して、合計で複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信する。また、受信した複数の信号のそれぞれに対応するように、増幅率信号340に含められた増幅率であって、導出部232で決定された増幅率を複数入力する。さらに、受信した複数の信号をそれぞれ複数の増幅率で増幅する。なお、詳細は後述するが、増幅した後にAD変換した信号をデジタル受信信号300とよび、DA変換される前の送信すべき信号をデジタル送信信号302とよぶ。送信機能として、送信電力制御を行う場合がある。
測定部230は、無線部12から信号を入力し、入力した信号の強度、例えばRSSIをそれぞれ測定する。ここでは、複数のアンテナ22に対応して信号も複数存在するが、図の明瞭性のためにこれをひとつの信号線として示した。測定部230は、測定したRSSIを測定結果信号342として、導出部232に出力する。
導出部232は、無線部12での増幅処理で使用される複数の増幅率を以下のように導出する。測定部230から入力した複数のRSSIであって、複数のアンテナ22にそれぞれ対応した複数のRSSIを加算する(これを「合計RSSI」という)。さらに、合計RSSIを予め定めたしきい値と比較し、合計RSSIがしきい値以上である場合と合計RSSIがしきい値より小さい場合で、別の方法によって複数の増幅率を導出する。前者の通常状態の場合は、複数のRSSIの中から基準値にひとつを選択する。ここでは、最大のRSSIを基準値とする。さらに、基準信号に対応したデジタル受信信号300に対する増幅率を導出する。また、基準信号に対するオフセット値を予め記憶しており、基準信号に対して導出した増幅率とオフセット値にもとづいて、基準信号以外の信号に対応したデジタル受信信号300に対する増幅率を導出する。その結果、導出部232は、複数の増幅率を決定し、増幅率信号340として出力する。
後者の弱電界状態の場合は、独立して、複数のデジタル受信信号300のそれぞれに対する複数の増幅率を導出する。さらに、導出部232は、導出した複数の増幅率を増幅率信号340として出力する。また、導出部232は、弱電界状態の処理を実行した場合に、複数のアンテナ22から送信すべき信号の強度を所定の値だけ弱めるように、無線部12に対して指示を行う。すなわち、送信電力制御を実行する。
信号処理部14は、アダプティブアレイアンテナによる送受信処理を実行するために必要な信号処理を行う。詳細は後述するが、受信処理では、アダプティブアレイ処理を実行するために受信用の伝送路特性として、受信応答ベクトルや受信応答ベクトルを導出する。また、送信処理では、導出された受信応答ベクトルや受信応答ベクトルにもとづいて、送信用の伝送路特性、例えば送信ウエイトベクトルを導出する。さらに、導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて、送信すべき信号に重み付けを行って出力する。
モデム部16は、変調処理として、π/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の変調方式によって、送信すべき情報信号を変調する。また、復調処理として、受信信号を復調して、送信された情報信号を再生する。なお、変調処理および復調処理を実行する際に必要な指示は、制御部20からモデム部制御信号320によってなされる。
ベースバンド部18は、ネットワーク24とのインターフェースであり、通信システムで伝送の対象となる情報信号の送受信処理を行う。また、誤り訂正や自動再送処理がなされてもよいが、ここでは説明を省略する。
制御部20は、無線部12、信号処理部14、モデム部16、ベースバンド部18のタイミングやチャネル配置を制御する。
図2は、実施例1に係るバーストフォーマットを示す。これは簡易型携帯電話システムのバーストフォーマットである。バーストの先頭から4シンボルの間に、タイミング同期に使用するためのプリアンブルが、それに続く8シンボルの間に、ユニークワードが配置されている。プリアンブルとユニークワードは、基地局装置10や端末装置26にとって既知であるため、後述するトレーニング信号としても使用できる。本実施例では、説明の簡略化のために図2に示した簡易型携帯電話システムのバーストフォーマットを対象にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図3は、第1無線部12aの構成を示す。第1無線部12aは、スイッチ部36、受信部38、送信部40を含む。さらに、受信部38は、周波数変換部42、直交検波部44、AGC(Automatic Gain Control)46、AD変換部48を含み、送信部40は、増幅部50、周波数変換部52、直交変調部54、DA変換部56を含む。
スイッチ部36は、無線部制御信号318の指示にもとづいて、受信部38と送信部40に対する信号の入出力を切りかえる。
受信部38の周波数変換部42と送信部40の周波数変換部52は、無線周波数の信号とひとつまたは複数の中間周波数の信号間の周波数変換を行う。
直交検波部44は、中間周波数の信号から直交検波によって、ベースバンドのアナログ信号を生成する。なお、一般的にベースバンドの信号は同相成分と直交成分のふたつの成分を含んでいるので、ふたつの信号線によって示されるべきであるが、ここでは図の明瞭性からベースバンド信号をひとつの信号線によって示す。以下も同様である。一方、直交変調部54は、ベースバンドのアナログ信号から直交変調によって、中間周波数の信号を生成する。
AGC46は、ベースバンドのアナログ信号の振幅をAD変換部48のダイナミックレンジ内の振幅にするために、利得を自動的に制御する。ここで、利得は、図1の増幅率信号340によって設定される。
AD変換部48は、ベースバンドのアナログ信号をデジタル信号に変換し、DA変換部56は、ベースバンドのデジタル信号をアナログ信号に変換する。ここで、AD変換部48から出力されるデジタル信号をデジタル受信信号300、DA変換部56に入力されるデジタル信号をデジタル送信信号302とする。
増幅部50は、送信すべき無線周波数の信号を増幅する。
図4は、測定部230と導出部232の構成を示す。図4は、図1に示した測定部230と導出部232、および図3に示したAGC46とAD変換部48を示すが、本実施例の理解を容易にするために、それら以外の構成要素を省略した。なお、第1AGC46a、第2AGC46b、第NAGC46nは、AGC46と総称される。また、第1AD変換部48a、第2AD変換部48b、第NAD変換部48nは、AD変換部48と総称される。AGC46は、増幅部234と総称される第1増幅部234a、第2増幅部234b、第N増幅部234n、設定部236と総称される第1設定部236a、第2設定部236b、第N設定部236nをそれぞれ含む。
増幅部234は、設定部236によって設定された増幅率にもとづいて、入力した信号を増幅する。測定部230は、入力信号のRSSIをそれぞれ測定する。さらに、測定部230は、測定したRSSIを導出部232に出力する。
導出部232は、前述のごとく、AGC46に対する増幅率を導出する。また、導出部232は、測定結果信号342にもとづいて、通常状態あるいは弱電界状態を判別する。判別した通常状態あるいは弱電界状態にもとづいて、異なった方法で増幅率信号340を導出して設定部236に出力する。導出部232のさらに詳しい説明は、後述する。
図5は、導出部232の構成を示す。導出部232は、第1選択部240、第2選択部242、増幅率決定部244と総称される第1増幅率決定部244a、第2増幅率決定部244b、第N増幅率決定部244n、オフセット値決定部246、最終決定部248を含む。
第1選択部240は、測定結果信号342を入力し、複数のRSSIから最大値を基準値として選択する。さらに、デジタル受信信号300も入力し、選択した基準値に対応したひとつのデジタル受信信号300を基準信号として選択する。第1選択部240は、選択した基準信号を第1増幅率決定部244aに出力し、基準信号以外のデジタル受信信号300を第2選択部242に出力する。
第2選択部242は、測定結果信号342を入力し、複数のRSSIから合計RSSIを計算する。また、しきい値を予め記憶しており、合計RSSIとしきい値の比較にもとづいて、通常状態あるいは弱電界状態を判別する。第2選択部242は、通常状態と判別した場合に、第1選択部240から入力したデジタル受信信号300をオフセット値決定部246に出力し、弱電界状態と判別した場合に、第1選択部240から入力したデジタル受信信号300を第2増幅率決定部244bから第N増幅率決定部244nにそれぞれ出力する。
第1増幅率決定部244aは、入力した基準信号の振幅が目標とすべき値に近づくように、入力した基準信号の振幅と目標とすべき値間の差にもとづいて、増幅率を導出する。なお、増幅率を増幅するための方法は、これ以外であってもよい。
オフセット値決定部246は、予め基準信号に対応したオフセット値を記憶している。記憶されるオフセット値の形式は任意のものでよいが、例えば、複数の増幅部234のひとつを基準にして、それに対する残りの増幅部234のオフセット値を記憶すればよい。このようなオフセット値は、予め所定のキャリブレーションによって導出されている。さらに、基準にした複数の増幅部234のひとつをかえて、複数種類のオフセット値を記憶してもよい。また、複数の増幅部234間の比較ではなく、絶対的な値をオフセット値として記憶してもよい。すなわち、複数の増幅部234間の個体差が反映されていればよい。オフセット値決定部246は、第1増幅率決定部244aは、第2選択部242から入力したデジタル受信信号300に対応したオフセット値を読み出し、最終決定部248に出力する。
第2増幅率決定部244bから第N増幅率決定部244nは、第1増幅率決定部244aと同様に、入力したデジタル受信信号300の振幅が目標とすべき値に近づくように、入力した基準信号の振幅と目標とすべき値間の差にもとづいて、増幅率を導出する。
最終決定部248は、通常状態の場合に、第1増幅率決定部244aから入力した増幅率とオフセット値決定部246から入力したオフセット値にもとづいて、最終的な複数の増幅率を決定する。すなわち、基準信号に対する増幅率は、第1増幅率決定部244aから入力した増幅率にそのまま決定する。また、基準信号以外のデジタル受信信号300に対する増幅率は、第1増幅率決定部244aから入力した増幅率に対して、オフセット値決定部246から入力したオフセット値のうち対応するもので補正する。例えば、増幅率に対してオフセット値を加減する。その結果、基準信号を含めて複数のデジタル受信信号300に対する増幅率が決定されるが、さらに最終決定部248は、複数の増幅率の順番を複数の増幅部234の配列に応じて並べ替え、増幅率信号340として出力する。
一方、弱電界状態の場合に、複数のデジタル受信信号300に対する増幅率は、第1増幅率決定部244aから第N増幅率決定部244nより入力した複数の増幅率にそのまま決定する。さらに、さらに最終決定部248は、複数の増幅率の順番を複数の増幅部234の配列に応じて並べ替え、増幅率信号340として出力する。なお、前述のごとく、導出部232は、弱電界状態の処理を実行した場合に、無線部12に含まれた増幅部50に対して、増幅率を所定の値だけ小さくするように図示しない信号線を介して指示する。
図6は、信号処理部14の構成を示す。信号処理部14は、参照信号生成部72、受信ウエイトベクトル計算部70、合成部68、受信応答ベクトル計算部200、送信ウエイトベクトル計算部76、分離部74を含む。さらに、合成部68は、乗算部78と総称される第1乗算部78a、第2乗算部78b、第N乗算部78n、加算部80を含み、分離部74は、乗算部82と総称される第1乗算部82a、第2乗算部82b、第N乗算部82nを含む。
また、信号として、合成信号304、分離前信号306、受信ウエイトベクトル308と総称される第1受信ウエイトベクトル308a、第2受信ウエイトベクトル308b、第N受信ウエイトベクトル308n、送信ウエイトベクトル310と総称される第1送信ウエイトベクトル310a、第2送信ウエイトベクトル310b、第N送信ウエイトベクトル310n、参照信号312、受信応答ベクトル402を含む。
参照信号生成部72は、図2に示したプリアンブル信号を記憶しており、トレーニング期間中は、記憶したプリアンブル信号を参照信号312として出力し、トレーニング終了後は、合成信号304を判定して判定した信号を参照信号312として出力する。なお、トレーニング期間の終了は、図示しない制御部20からの信号処理部制御信号330によって通知されるものとする。
受信ウエイトベクトル計算部70は、デジタル受信信号300の重み付けに必要な受信ウエイトベクトル308を、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムによって計算する。なお、適応アルゴリズムの演算は、デジタル受信信号300、合成信号304、参照信号312にもとづいてなされる。例えば、LMSアルゴリズムは次のように示される。
Figure 0004090455
ここで、Wは受信ウエイトベクトル308、μは忘却係数、uは、デジタル受信信号300、eは符号間干渉を示した誤差、すなわち合成信号304と参照信号312との間の誤差を示す。
乗算部78は、デジタル受信信号300を受信ウエイトベクトル308で重み付けする。加算部80は、乗算部78からの出力を加算して、合成信号304を出力する。
受信応答ベクトル計算部200は、送信信号に対する受信信号の受信応答特性として受信応答ベクトル402を計算する。ここでは、説明の便宜のため端末装置26の数を2とするが、そのうち第1の端末装置26が通信対象であり、第2の端末装置26は通信対象でなく干渉源に相当する。そのため、第2の端末装置に関する信号は、図示しない別の信号処理部14から入力されているものとする。なお、干渉源としての第2の端末装置26を考慮しない場合は、以下の説明から第2の端末装置に関連する項を削除してもよい。また、説明の便宜のためにアンテナ22の数を4とする。デジタル受信信号300に対応した入力信号ベクトルX(t)は、次のように示される。
Figure 0004090455
ここで、Srxi(t)は、i番目の端末装置26が送信した信号を示す。さらに、X(t)は、前述のごとく入力信号ベクトルであり、デジタル受信信号300のそれぞれをRXj(t)とすれば、次のように示される。なお、jは図示しないアンテナ22の番号であり、Tは行列の転置を示す。
Figure 0004090455
また、Hiは受信応答ベクトル402であり、j番目のアンテナ22で受信されたi番目の端末装置26からの信号の応答係数をhijで示せば、Hiは次のように示される。
Figure 0004090455
さらに、N(t)は雑音ベクトルであり、j番目のアンテナ22で受信された信号、すなわちj番目のデジタル受信信号300に含まれた雑音をnj(t)で示せば、N(t)は次のように示される。
Figure 0004090455
ここで、信号処理部14においてアダプティブアレイが正常に動作していれば、複数の端末装置26からの信号を分離できるので、前述のSrxi(t)はすべて既知の信号になる。なお、この条件に関係なく、トレーニング信号の期間においても、前述のSrxi(t)はすべて既知の信号である。これらを利用すれば、受信応答ベクトル402は以下の通りに導出できる。
第1の端末装置26からの信号Srx1(t)にもとづいて、アンサンブル平均を計算すれば、次のように示される。
Figure 0004090455
ここで、Eはアンサンブル平均を示すが、ここではアンサンブル平均の処理を時間平均の処理におきかえるものとする。時間平均の処理が十分長い期間実行されれば、次のようになる。
Figure 0004090455
これは、Srx1(t)とSrx2(t)の間に相関がなく、さらにSrx1(t)とN(t)の間に相関がないためである。以上のように受信応答ベクトル402に対応したH1は、次のように示される。
Figure 0004090455
送信ウエイトベクトル計算部76は、分離前信号306の重み付けに必要な送信ウエイトベクトル310を、受信応答特性である受信ウエイトベクトル308や受信応答ベクトル402から推定する。送信ウエイトベクトル310の推定方法は、任意とするが、最も簡易な方法として、受信ウエイトベクトル308をそのまま使用すればよい。あるいは、受信処理と送信処理の時間差で生じる伝搬環境のドップラー周波数変動を考慮して、従来の技術によって、受信ウエイトベクトル308あるいは受信応答ベクトル402を補正してもよい。ここでは説明の簡略化のため、送信ウエイトベクトル310の推定に受信応答ベクトル402を使用するものとするが、図示しない信号線によって入力した受信ウエイトベクトル308を使用してもよい。
複数の端末装置26のそれぞれに対応した受信応答ベクトル402は、受信応答ベクトル計算部200で既に導出されている。受信応答ベクトル402に対して前述のような推定を行って、受信応答ベクトル402に対する予測値が以下のように示される。
Figure 0004090455
ここでも受信応答ベクトル計算部200の説明と同様にアンテナ22の数を4とした。なお、qは、q番目の端末装置26を示し、1番目の端末装置26以外は、1番目の端末装置26に対して干渉源となるべき端末装置26に相当する。また、iは時刻である。第1の端末装置26に対する送信ウエイトベクトル310は、次のように示される。
Figure 0004090455
ここで、qは2以上とする。さらに、拘束条件として、以下の条件c1)、c2)を課す。
Figure 0004090455
なお、送信ウエイトベクトル310の推定はこれに限られず、疑似相関値を使用する方法やビームを所定の端末装置26に向ける方法によってなされてもよい。特に、疑似相関値を使用する方法に関しては、例えば、文献:T.Ohgane, Y.Ogawa, and K.Itoh, Proc.VTC‘97, vol.2, pp.725−729, May 1997等に記載されている。
乗算部82は、分離前信号306を送信ウエイトベクトル310で重み付けし、デジタル送信信号302を出力する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図7は、導出部232での増幅率の決定手順を示すフローチャートである。当該増幅率の決定手順が実行されるタイミングは任意であるが、ここでは、図2のプリアンブルの区間でなされるものとする。測定部230で測定されたRSSIがしきい値以上である場合(S10のY)に、第1選択部240は、最大のRSSIに対応したデジタル受信信号300を基準値として選択する(S12)。第1増幅率決定部244aは、基準信号に対応した増幅率を導出する(S14)。オフセット値決定部246は、入力したデジタル受信信号300に対応したオフセット値を読み出す(S16)。最終決定部248は、導出した増幅率と読み出したオフセット値にもとづいて、複数の増幅部234に対する増幅率を決定する(S18)。一方、測定部230で測定されたRSSIがしきい値以上でない場合(S10のN)に、第1増幅率決定部244aから第N増幅率決定部244nは、複数の増幅部234に対する増幅率を決定する(S20)。さらに、導出部232は、送信電力の減衰値を決定し(S22)、増幅部50に指示する。
以上の構成による導出部232の動作を説明する。導出部232は、複数のデジタル受信信号300を入力する。また、第2選択部242は、合計RSSIがしきい値よりも小さいので、弱電界状態であると判定する。そのため、第1増幅率決定部244aから第N増幅率決定部244nが、独立して増幅率を導出し、最終決定部248が増幅率を増幅率信号340として出力する。さらに、導出部232は、増幅部50に対して、増幅率の減衰を指示する。
本発明の実施例によれば、弱電界の場合に、複数のAGCに対する増幅率を個別の制御にもとづいて導出するので、複数のAGCに対する増幅率を互いに関連を持たせながら導出する場合よりも、大きな値の増幅率を得られる。また、弱電界でない場合に、複数のAGCに対する増幅率を互いに関連を持たせながら導出するので、アダプティブアレイ処理の精度を高められる。また、簡易型携帯電話システムのように上り信号が下り信号よりも悪化するシステムで、上り信号の特性を改善できる。また、上り信号の特性の改善によって、ひとつの基地局装置によるカバーエリアが拡大される。また、エリアフリンジにおける通信品質が改善する。また、複数のAGCに対する増幅率を個別の制御にもとづいて導出しても、信号を送信する際の電力を減衰させるので、指向性制御の不完全性にともなう他の端末装置等に与える干渉の影響を軽減できる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、実施例1と同様に、アダプティブアレイ処理を実行する基地局装置におけるAGCの増幅率の設定に関する。実施例2に係る基地局装置は、通常状態の場合に、実施例1と同様に複数の増幅率を導出する。一方、弱電界状態の場合に、複数のRSSIの中から最小値を選択し(以下、選択した最小値も「基準値」という)、基準値に対応した基準信号に対して増幅率を導出する。また、前述のごとくオフセット値が予め記憶されており、基準信号以外の複数の信号に対して、導出した増幅率と記憶したオフセット値から増幅率を決定する。このように決定された複数の増幅率にもとづいて、複数のAGCは、受信した信号をそれぞれ増幅する。
本実施例に係る基地局装置では、弱電界状態の場合に通常状態と同様の方法で、増幅率を決定するが、基準信号をRSSIの最小値に対応した信号に設定する。通常状態では、基準信号をRSSIの最大値に対応した信号に設定することによって、最大の振幅を有した信号が増幅されても歪まないように調節されている。しかしながら、基準信号をRSSIの最小値に対応した信号に設定することによって、最大の振幅を有した信号が増幅によってひずみを生じても、高い増幅率で増幅できるように設定される。このような構成によって、通常状態と弱電界状態で同様の処理を実行でき、回路も共用化できる。
実施例2に係る基地局装置10の構成は、図1に示した基地局装置10と同一のタイプである。そのため説明を省略する。
図8は、実施例2に係る導出部232の構成を示す。図8の導出部232は、図5の導出部232から第2選択部242、第2増幅率決定部244bから第N増幅率決定部244nを除いた構成に相当する。なお、図8の増幅率決定部244は、図5の第1増幅率決定部244aに相当する。
第1選択部240は、測定結果信号342を入力し、複数のRSSIから合計RSSIを計算する。また、しきい値を予め記憶しており、合計RSSIとしきい値の比較にもとづいて、通常状態あるいは弱電界状態を判別する。第1選択部240は、通常状態と判別した場合に、複数のRSSIから最大値を基準値として選択する。さらに、デジタル受信信号300も入力し、選択した基準値に対応したひとつのデジタル受信信号300を基準信号として選択する。一方、第1選択部240は、弱電界状態と判定した場合に、複数のRSSIから最小値を基準値として選択する。さらに、デジタル受信信号300も入力し、選択した基準値に対応したひとつのデジタル受信信号300を基準信号として選択する。その後の処理は、実施例1での通常状態と同一であり、第1選択部240は、選択した基準信号を増幅率決定部244に出力し、基準信号以外のデジタル受信信号300をオフセット値決定部246に出力する。
図9は、導出部232での増幅率の決定手順を示すフローチャートである。当該増幅率の決定手順が実行されるタイミングは任意であるが、ここでは、図2のプリアンブルの区間でなされるものとする。測定部230で測定されたRSSIがしきい値以上である場合(S30のY)に、第1選択部240は、最大のRSSIに対応したデジタル受信信号300を基準値として選択する(S32)。増幅率決定部244は、基準信号に対応した増幅率を導出する(S34)。オフセット値決定部246は、入力したデジタル受信信号300に対応したオフセット値を読み出す(S36)。最終決定部248は、導出した増幅率と読み出したオフセット値にもとづいて、複数の増幅部234に対する増幅率を決定する(S38)。
一方、測定部230で測定されたRSSIがしきい値以上でない場合(S30のN)に、第1選択部240は、最小のRSSIに対応したデジタル受信信号300を基準値として選択する(S40)。増幅率決定部244は、基準信号に対応した増幅率を導出する(S42)。オフセット値決定部246は、入力したデジタル受信信号300に対応したオフセット値を読み出す(S44)。最終決定部248は、導出した増幅率と読み出したオフセット値にもとづいて、複数の増幅部234に対する増幅率を決定する(S46)。さらに、導出部232は、送信電力の減衰値を決定し(S48)、増幅部50に指示する。
以上の構成による導出部232の動作を説明する。導出部232は、複数のデジタル受信信号300を入力する。また、第1選択部240は、RSSIを入力し、合計RSSIがしきい値よりも小さいので、弱電界状態であると判定する。第1選択部240は、基準信号として、最小のRSSIに対応したデジタル受信信号300を選択し、増幅率決定部244に出力する。また、第1選択部240は、残りのデジタル受信信号300をオフセット値決定部246に出力する。増幅率決定部244は、基準信号にもとづいて増幅率を導出し、オフセット値決定部246は、オフセット値を読み出す。最終決定部248は、導出された増幅率と読み出されたオフセット値にもとづいて、複数の増幅率を決定する。最終決定部248は、複数の増幅率を増幅率信号340として出力する。さらに、導出部232は、増幅部50に対して、増幅率の減衰を指示する。
本発明の実施例によれば、弱電界の場合に、複数のAGCに対する増幅率を互いに関連を持たせながら導出しつつも、受信電力が最小の値に対応した信号が基準信号に設定されるので、受信電力が最大の値に対応した信号が基準信号に設定される場合よりも、大きな値の増幅率を得られる。また、通常状態あるいは弱電界状態にかかわらず、複数のAGCに対する増幅率を互いに関連を持たせながら導出するので、複数のAGCに対する増幅率を単独で導出できない場合であっても適用できる。また、通常状態あるいは弱電界状態に応じて、基準信号の選択基準が変わるだけなので、多くの処理を共有できる。また、動作パターンが少なくなり、確認試験等が容易になる。
(実施例3)
本発明の実施例3は、実施例1と同様に、アダプティブアレイ処理を実行する基地局装置におけるAGCの増幅率の設定に関する。実施例3に係る基地局装置は、通常状態の場合に、実施例1と同様に複数の増幅率を導出する。一方、弱電界状態の場合に、基準信号に対して導出した増幅率に対して、所定の値を加算する。さらに、所定の値を加算した増幅率と記憶したオフセット値から複数の増幅率を決定する。このように決定された複数の増幅率にもとづいて、複数のAGCは、受信した信号をそれぞれ増幅する。本実施例に係る基地局装置では、弱電界状態の場合に基準信号に対応した増幅率に所定の値を加算するので、当該増幅率を大きくでき、その結果、複数の増幅率を全体的に大きくできる。
実施例3に係る基地局装置10の構成は、図1に示した基地局装置10と同一のタイプである。そのため説明を省略する。
図10は、実施例3に係る導出部232の構成を示す。図10の導出部232は、図8の導出部232に加算値決定部250を付加している。
第1選択部240は、測定結果信号342を入力し、複数のRSSIから最大値を基準値として選択する。さらに、デジタル受信信号300も入力し、選択した基準値に対応したひとつのデジタル受信信号300を基準信号として選択する。第1選択部240は、選択した基準信号を増幅率決定部244に出力し、基準信号以外のデジタル受信信号300をオフセット値決定部246に出力する。
加算値決定部250は、測定結果信号342を入力し、複数のRSSIから合計RSSIを計算する。また、しきい値を予め記憶しており、合計RSSIとしきい値の比較にもとづいて、通常状態あるいは弱電界状態を判別する。加算値決定部250は、通常状態と判別した場合に何も出力しないが、弱電界状態と判別した場合に予め記憶した加算値を出力する。
増幅率決定部244は、入力した基準信号の振幅が目標とすべき値に近づくように、入力した基準信号の振幅と目標とすべき値間の差にもとづいて、増幅率を導出する。さらに、弱電界状態の場合に、加算値決定部250から入力した加算値を導出した増幅率に加算する。
図11は、導出部232での増幅率の決定手順を示すフローチャートである。当該増幅率の決定手順が実行されるタイミングは任意であるが、ここでは、図2のプリアンブルの区間でなされるものとする。測定部230で測定されたRSSIがしきい値以上である場合(S60のY)に、第1選択部240は、最大のRSSIに対応したデジタル受信信号300を基準値として選択する(S62)。増幅率決定部244は、基準信号に対応した増幅率を導出する(S64)。オフセット値決定部246は、入力したデジタル受信信号300に対応したオフセット値を読み出す(S66)。最終決定部248は、導出した増幅率と読み出したオフセット値にもとづいて、複数の増幅部234に対する増幅率を決定する(S68)。
一方、測定部230で測定されたRSSIがしきい値以上でない場合(S60のN)に、第1選択部240は、最大のRSSIに対応したデジタル受信信号300を基準値として選択する(S70)。増幅率決定部244は、基準信号に対応した増幅率を導出する(S72)。オフセット値決定部246は、入力したデジタル受信信号300に対応したオフセット値を読み出す(S74)。加算値決定部250は、加算値を出力し、増幅率決定部244は、導出した増幅率に加算値を加算する(S76)。最終決定部248は、加算した増幅率と読み出したオフセット値にもとづいて、複数の増幅部234に対する増幅率を決定する(S78)。さらに、導出部232は、送信電力の減衰値を決定し(S80)、増幅部50に指示する。
以上の構成による導出部232の動作を説明する。導出部232は、複数のデジタル受信信号300を入力する。第1選択部240は、基準信号として、最小のRSSIに対応したデジタル受信信号300を選択し、増幅率決定部244に出力する。また、第1選択部240は、残りのデジタル受信信号300をオフセット値決定部246に出力する。増幅率決定部244は、基準信号にもとづいて増幅率を導出し、オフセット値決定部246は、オフセット値を読み出す。加算値決定部250は、合計RSSIがしきい値よりも小さいので、弱電界状態であると判定する。加算値決定部250は、記憶していた加算値を増幅率決定部244に出力し、増幅率決定部244は、導出した増幅率に加算値を加算する。最終決定部248は、加算された増幅率と読み出されたオフセット値にもとづいて、複数の増幅率を決定する。最終決定部248は、複数の増幅率を増幅率信号340として出力する。さらに、導出部232は、増幅部50に対して、増幅率の減衰を指示する。
本発明の実施例によれば、弱電界の場合に、複数のAGCに対する増幅率を互いに関連を持たせながら導出しつつも、基準信号に対応した増幅率に所定の値を加算するので、加算しない場合よりも、大きな値の増幅率を得られる。また、通常状態あるいは弱電界状態にかかわらず、複数のAGCに対する増幅率を互いに関連を持たせながら導出するので、複数のAGCに対する増幅率を単独で導出できない場合であっても適用できる。また、通常状態あるいは弱電界状態に応じて、所定の値を加算するか否かだけなので、多くの処理を共有できる。また、動作パターンが少なくなり、確認試験等が容易になる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例1から3において、通信システム100を簡易型携帯電話システムとした。しかしながらこれに限らず例えば、携帯電話システム、第3世代携帯電話システム、無線LANシステム、FWA(Fixed Wireless Access)システムであってもよい。本変形例によれば、さまざまな通信システム100に本発明を適用できる。つまり、基地局装置10がアダプティブアレイ処理を実行すればよい。
本発明の実施例1から3の任意の組合せも有効である。本変形例によれば、実施例1から3を組合せた効果が得られる。
実施例1に係る通信システムの構成を示す図である。 実施例1に係るバーストフォーマットを示す図である。 図1の第1無線部の構成を示す図である。 図1の測定部と導出部の構成を示す図である。 図1の導出部の構成を示す図である。 図1の信号処理部の構成を示す図である。 図5の導出部での増幅率の決定手順を示すフローチャートである。 実施例2に係る導出部の構成を示す図である。 図8の導出部での増幅率の決定手順を示すフローチャートである。 実施例3に係る導出部の構成を示す図である。 図10の導出部での増幅率の決定手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 基地局装置、 12 無線部、 14 信号処理部、 16 モデム部、 18 ベースバンド部、 20 制御部、 22 アンテナ、 24 ネットワーク、 26 端末装置、 34 アンテナ、 36 スイッチ部、 38 受信部、 40 送信部、 42 周波数変換部、 44 直交検波部、 46 AGC、 48 AD変換部、 50 増幅部、 52 周波数変換部、 54 直交変調部、 56 DA変換部、 68 合成部、 70 受信ウエイトベクトル計算部、 72 参照信号生成部、 74 分離部、 76 送信ウエイトベクトル計算部、 78 乗算部、 80 加算部、 82 乗算部、 100 通信システム、 200 受信応答ベクトル計算部、 230 測定部、 232 導出部、 234 増幅部、 236 設定部、 240 第1選択部、 242 第2選択部、 244 増幅率決定部、 246 オフセット値決定部、 248 最終決定部、 250 加算値決定部。

Claims (10)

  1. 複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で前記複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信する受信部と、
    前記受信部にて受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定する測定部と、
    測定した複数の信号の強度にもとづいて、前記受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、前記受信した複数の信号の中の残りと前記基準の信号との間における強度の相対関係を導出する導出部と、
    前記受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを前記導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅する増幅部と、
    増幅した複数の信号をアダプティブアレイ処理する処理部とを備え、
    前記導出部は、前記測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、前記受信した複数の信号に対する複数の増幅率をそれぞれ導出し、
    前記増幅部は、前記受信した複数の信号を導出した複数の増幅率でそれぞれ増幅することを特徴とする通信装置。
  2. 複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で前記複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信する受信部と、
    前記受信部にて受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定する測定部と、
    測定した複数の信号の強度にもとづいて、前記受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、前記受信した複数の信号の中の残りと前記基準の信号との間における強度の相対関係を導出する導出部と、
    前記受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを前記導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅する増幅部と、
    増幅した複数の信号をアダプティブアレイ処理する処理部とを備え、
    前記導出部は、前記測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値以上であれば、前記測定した複数の信号の強度の中で大きい方の強度に対応した信号を前記基準の信号として選択し、前記測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さければ、前記測定した複数の信号の強度の中で小さい方の強度に対応した信号を前記基準の信号として選択することを特徴とする通信装置。
  3. 複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で前記複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信する受信部と、
    前記受信部にて受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定する測定部と、
    測定した複数の信号の強度にもとづいて、前記受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、前記受信した複数の信号の中の残りと前記基準の信号との間における強度の相対関係を導出する導出部と、
    前記受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを前記導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅する増幅部と、
    増幅した複数の信号をアダプティブアレイ処理する処理部とを備え、
    前記導出部は、前記測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、前記導出した増幅率に所定の値を加えることを特徴とする通信装置。
  4. 前記処理部でのアダプティブアレイ処理によって導出された受信用の伝送路特性にもとづいて、送信用の伝送路特性を導出する決定部と、
    前記送信用の伝送路特性にもとづいて、送信すべき信号に重み付けを行って、前記複数のアンテナから送信する送信部とをさらに備え、
    前記送信部は、前記測定部で測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、前記複数のアンテナから送信すべき信号の強度を所定の値だけ弱めることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信装置。
  5. 複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で前記複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、
    測定した複数の信号の強度にもとづいて、前記受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、前記受信した複数の信号の中の残りと前記基準の信号との間における強度の相対関係を導出するステップと、
    前記受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを前記導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅するステップとを備え、
    前記導出するステップは、前記測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、前記受信した複数の信号に対する複数の増幅率をそれぞれ導出し、
    前記増幅するステップは、前記受信した複数の信号を導出した複数の増幅率でそれぞれ増幅することを特徴とする増幅方法。
  6. 複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で前記複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、
    測定した複数の信号の強度にもとづいて、前記受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、前記受信した複数の信号の中の残りと前記基準の信号との間における強度の相対関係を導出するステップと、
    前記受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを前記導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅するステップとを備え、
    前記導出するステップは、前記測定した複数の信号の強度が所定のしきい値以上であれば、前記測定した複数の信号の強度の中で大きい方の強度に対応した信号を前記基準の信号として選択し、前記測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さければ、前記測定した複数の信号の強度の中で小さい方の強度に対応した信号を前記基準の信号として選択することを特徴とする増幅方法。
  7. 複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で前記複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、
    測定した複数の信号の強度にもとづいて、前記受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、前記受信した複数の信号の中の残りと前記基準の信号との間における強度の相対関係を導出するステップと、
    前記受信した複数の信号の中で、基準の信号を導出した増幅率で増幅し、かつ残りを前記導出した増幅率と導出した強度の相対関係にもとづいて増幅するステップとを備え、
    前記導出するステップは、前記測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、前記導出した増幅率に所定の値を加えることを特徴とする増幅方法。
  8. 無線ネットワークから、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で前記複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、
    測定した複数の信号の強度にもとづいて、前記受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、前記受信した複数の信号の中の残りと前記基準の信号との間における強度の相対関係を導出し、前記導出した増幅率と前記導出した強度の相関関係をメモリにそれぞれ記憶するステップと、
    前記受信した複数の信号の中で、基準の信号を記憶した増幅率で増幅し、かつ残りを前記記憶した増幅率と記憶した強度の相対関係にもとづいて増幅するように増幅器を制御するステップとを備え、
    前記記憶するステップは、前記測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、前記受信した複数の信号に対する複数の増幅率をそれぞれ導出し、導出した複数の増幅率をメモリにそれぞれ記憶し、
    前記制御するステップは、前記受信した複数の信号を記憶した複数の増幅率でそれぞれ増幅するように前記増幅器を制御することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  9. 無線ネットワークから、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で前記複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、
    測定した複数の信号の強度にもとづいて、前記受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、前記受信した複数の信号の中の残りと前記基準の信号との間における強度の相対関係を導出し、前記導出した増幅率と前記導出した強度の相関関係をメモリにそれぞれ記憶するステップと、
    前記受信した複数の信号の中で、基準の信号を記憶した増幅率で増幅し、かつ残りを前記記憶した増幅率と記憶した強度の相対関係にもとづいて増幅するように増幅器を制御するステップとを備え、
    前記記憶するステップは、前記測定した複数の信号の強度が所定のしきい値以上であれば、前記測定した複数の信号の強度の中で大きい方の強度に対応した信号を前記基準の信号として選択し、前記測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さければ、前記測定した複数の信号の強度の中で小さい方の強度に対応した信号を前記基準の信号として選択することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 無線ネットワークから、複数のアンテナのそれぞれを介して、合計で前記複数のアンテナの数と等しい数の信号を受信し、受信した複数の信号の強度をそれぞれ測定するステップと、
    測定した複数の信号の強度にもとづいて、前記受信した複数の信号の中から基準の信号になるべきひとつを選択し、かつ当該基準の信号に対する増幅率を導出しつつ、前記受信した複数の信号の中の残りと前記基準の信号との間における強度の相対関係を導出し、前記導出した増幅率と前記導出した強度の相関関係をメモリにそれぞれ記憶するステップと、
    前記受信した複数の信号の中で、基準の信号を記憶した増幅率で増幅し、かつ残りを前記記憶した増幅率と記憶した強度の相対関係にもとづいて増幅するように増幅器を制御するステップとを備え、
    前記記憶するステップは、前記測定した複数の信号の強度が所定のしきい値より小さくなれば、前記導出した増幅率に対して、予めメモリに記憶した所定の値を加えることをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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