JP4089218B2 - インキキー制御方法とインキキー制御装置、並びにインキキー情報表示装置 - Google Patents

インキキー制御方法とインキキー制御装置、並びにインキキー情報表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキキーを持つ印刷機による印刷に適用され、印刷箇所の光学濃度に代表される印刷品質に係るデータを印刷中に測定により求め、所望の印刷品質を維持するようにインキキーの開度を制御するインキキー制御方法とインキキー制御装置、並びに、インキキー制御用情報表示装置、インキキー制御記録装置およびインキキー制御状態表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インキキー制御装置は、印刷物の絵柄面積率が印刷紙面内で高低いろいろあるにも拘らず、制御手法とそれに用いる制御係数の組合せはただ1つの組合せの下で印刷紙面内の全体に適用して制御を行っていた。
【0003】
このとき、例えば印刷する印刷物の絵柄面積率が一般的な絵柄面積率より低い場合には、一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を印刷する場合と比較してインキの消費量が少ないため、制御によるインキ供給量が過大になり、制御の安定性が損なわれ、ハンティングが発生するなどの問題があった。
【0004】
また、例えば印刷する印刷物の絵柄面積率が一般的な絵柄面積率より高い場合には、一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を印刷する場合と比較してインキの消費量が多いため、制御によるインキ供給量が過小になり、制御の即応性が損なわれ、制御システムの目標へ対する追従性能が低下するなどの問題があった。
【0005】
上記の二つの問題は面毎に発生することもあった。面とは、印刷レイアウトにおいて印刷方向に対して横方向に並ぶページ毎に分割したものである。
オフセット印刷の印刷レイアウトは、例えば片面に8ページ分を印刷する場合、1枚の印刷物の中で流れ方向に2ページ分、横方向に4ページ分をレイアウトするのが一般的である。この場合は横方向に4分割し、4面となる。横方向に分割する根拠は、オフセット印刷における印刷箇所の光学濃度の調整は印刷機の構造上、流れ方向は強制的に従属関係が発生するため流れ方向に並ぶ2ページ分は1つの面として考えることができるが、横方向は任意の幅毎に独立させることが可能なため、分割して扱うことが必要なためである。
【0006】
問題が発生するのは、面ごとに絵柄面積率が極端に異なる場合である。例えば次のAとBの面を持つ印刷物である。
A)面内で絵柄が占める割合が高い、つまり藍、紅、黄のインキが多用されていることから、絵柄面積率が高い面。
B)面内で文字が占める割合が高い、つまり墨インキのみが使用されており、さらに文字に対してその他の余白部分が大きいことから、絵柄面積率が低く、具体的には絵柄面積率が2〜5%程度といった面。
このような面を持つ印刷物の例としては出版物などが上げられる。このとき、絵柄面積率が低い面では制御動作が過大になる、絵柄面積率が高い面では制御動作が過小になるといったことが起こっていた。この結果、制御動作が過大な場合はハンティングが起こり、制御動作が過小な場合は即応性が損なわれることなどの問題が生じていた。
【0007】
また、上記の二つの問題はインキキー毎に発生することもあった。インキキーとは、オフセット印刷機のインキローラ上の横方向に任意の間隔で並んでいるインキ量調整装置である。この名称の由来は形状がピアノの鍵盤(キー)に似ていることである。
尚、印刷レイアウト上でこのインキキーと従属関係にある範囲をインキキーゾーンと呼ぶことがある。
【0008】
問題が発生するのは、インキキーゾーン毎に絵柄面積率が極端に異なる場合である。例えば、次のC)とD)のインキキーゾーンを持つ印刷物である。
C)インキキーゾーン内で絵柄が占める割合が高い、つまり藍、紅、黄のインキが多用されていることから、絵柄面積率が高いインキキーゾーン。
D)インキキーゾーン内で文字が占める割合が高い、つまり墨インキのみが使用されており、文字に対して余白部分が大きいことから、絵柄面積率が低く、具体的には絵柄面積率が2〜5%程度といったインキキーゾーン。
このようなインキキーゾーンを持つ印刷物の例としては出版物などが挙げられる。このとき、絵柄面積率が低いインキキーゾーンでは制御動作が過大になる、絵柄面積率が高いインキキーゾーンでは制御動作が過小になるといったことが起こっていた。この結果、制御動作が過大な場合にはハンティングが起こり、制御動作が過小な場合には即応性が損なわれることなどの問題が生じていた。
【0009】
【解決しようとする課題】
本発明は、このような技術的背景を考慮してなされたものであり、1つの印刷物中で絵柄面積率の高低差がある場合でも、絵柄面積率の高低差による影響を低減することが出来、安定した制御を実現する為に有効なインキキー制御方法とインキキー制御装置、並びに、インキキー制御用情報表示装置、インキキー制御記録装置およびインキキー制御状態表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する為に本発明が提供する手段とは、まず、印刷紙面の印刷品質にかかわる特性を測定し、その結果に基づいて印刷品質を管理するためにインキキーの開度を制御する方法であって、該制御の制御区域単位、該制御の制御手法、及び該制御手法に用いる制御係数の組み合わせを、絵柄情報に基づいて決定する制御要領決定ステップ、以上のステップを経ることを特徴とするインキキー制御方法である。(請求項1)
【0011】
また、前記絵柄情報は、前記印刷紙面上の面毎の絵柄情報であることを特徴とする請求項1に記載のインキキー制御方法である。(請求項2)
【0012】
また、前記面毎の絵柄情報は、面毎の絵柄面積率であることを特徴とする請求項2に記載のインキキー制御方法である。(請求項3)
【0013】
また、前記絵柄情報は、インキキーに対応した領域毎の絵柄情報であることを特徴とする請求項1に記載のインキキー制御方法である。(請求項4)
【0014】
また、前記インキキーに対応した領域毎の絵柄情報は、インキキーに対応した領域毎の絵柄面積率であることを特徴とする請求項4に記載のインキキー制御方法である。(請求項5)
【0015】
また、前記測定する特性が印刷箇所の光学濃度であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインキキー制御方法である。(請求項6)
【0016】
また、前記測定する特性が印刷箇所の色であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインキキー制御方法である。(請求項7)
【0017】
また、前記印刷はオフセット印刷であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインキキー制御方法である。(請求項8)
【0018】
そして、印刷紙面の印刷品質にかかわる特性の測定結果に基づいて、印刷品質を管理するためにインキキーの開度を制御する装置であって、該制御の制御区域単位、該制御の制御手法、及び該制御手法に用いる制御係数の組み合わせを、絵柄情報に基づいて決定する制御要領決定手段、以上を備えたことを特徴とするインキキー制御装置である。(請求項9)
【0019】
また、前記絵柄情報は、前記印刷紙面上の面毎の絵柄情報であることを特徴とする請求項9に記載のインキキー制御装置である。(請求項10)
【0020】
また、前記面毎の絵柄情報は、面毎の絵柄面積率であることを特徴とする請求項10に記載のインキキー制御装置である。(請求項11)
【0021】
また、前記絵柄情報は、インキキーに対応した領域毎の絵柄情報であることを特徴とする請求項9に記載のインキキー制御装置である。(請求項12)
【0022】
また、前記インキキーに対応した領域毎の絵柄情報は、インキキーに対応した領域毎の絵柄面積率であることを特徴とする請求項12に記載のインキキー制御装置である。(請求項13)
【0023】
また、前記測定する特性が印刷箇所の光学濃度であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載のインキキー制御装置である。(請求項14)
【0024】
また、前記測定する特性が印刷箇所の色であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載のインキキー制御装置である。(請求項15)
【0025】
また、前記印刷はオフセット印刷であることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載のインキキー制御装置である。(請求項16)
【0026】
そして、請求項9乃至16のいずれかに記載のインキキー制御装置と組み合わせて使用可能であって、前記測定する印刷品質の特性がその目標から基準以上の違いを呈した場合には、操作すべきインキキーとその操作量を、人が認識可能に表示するインキキー制御用情報表示装置である。(請求項17)
【0027】
そして、請求項9乃至16のいずれかに記載のインキキー制御装置の制御履歴を記録する装置であって、1台の印刷機につき、該制御で使用した制御手法とそれに用いた制御係数の組み合わせが2以上存在する場合に、それぞれの制御手法とそれに用いた制御係数の組み合わせの履歴を記録することを特徴とするインキキー制御記録装置である。(請求項18)
【0028】
また、前記制御の履歴を、印刷紙面上の面毎に記録することを特徴とする請求項18に記載のインキキー制御記録装置である。(請求項19)
【0029】
また、前記制御の履歴を、インキキー毎に記録することを特徴とする請求項18に記載のインキキー制御記録装置である。(請求項20)
【0030】
また、請求項9乃至16のいずれかに記載のインキキー制御装置の制御に関わる少なくとも現在の情報を表示する装置であって、1台の印刷機につき、該制御で使用した制御手法とそれに用いた制御係数の組み合わせが2以上存在する場合に、少なくともそれぞれの制御手法とそれに用いる制御係数とを関連付けて表示することを特徴とするインキキー制御状態表示装置である。(請求項21)
【0031】
また、前記制御に関わる情報を、印刷紙面上の面毎に表示することを特徴とする請求項21に記載のインキキー制御状態表示装置である。(請求項22)
【0032】
また、前記制に関わる情報を、インキキー毎に表示することを特徴とする請求項21に記載のインキキー制御状態表示装置である。(請求項23)
【0033】
絵柄面積率入手手段としてはいくつか考えられるが、例えば、刷版絵柄面積率計での測定、CIP3〜CIP4のPPF、オペレータによる目視判断などがある。
CIP3とは、プリプレス、プレス、ポストプレスをデジタルで結ぼうという構想であり、“International Cooperation forIntegration of Prepress, Press and Postpress”の略称である。そのコンセプトは、印刷機械や製本機械などの製版以降の機器を自動化するために、集版済みのデジタルデータから必要なデータを収集し、効率的に配信することによって工程短縮、原価低減を目指すことである。
また、PPFとは上述の必要なデータのことを略して称するものであり、正式には“Print Production Format”と呼ばれ、このデータの中に絵柄面積率のデータが含まれている。
尚、CIP4とは、CIP3の“Prepress”,“Press”,“Postpress”に、さらに“Production”を加え、より大きな視点で印刷工程を捉えた構想であり、コンセプト等はCIP3とほぼ同様である。
【0034】
選択される制御手法も多数あるが、例えば、現在プロセス制御の分野で一般的に知られている制御手法であるPID制御、またはON/OFF制御などが代表例として挙げられる。PID制御とは、制御工学の分野で知られるP動作、I動作、D動作を併せ持つ制御手法であり、適度な即応性と安定性を実現できる制御手法として知られている。また、ON/OFF制御とは、ONとOFFの二値的な制御を行う手法であり、この制御手法は、即応性に関しては必ずしも十分とはいえないが、安定性に関しては制御動作が単純なことから、ゲインを低くすることで一般にほぼ絶対的な安定性を実現するために有効である。
【0035】
その制御手法に用いる制御係数もいくつか考えられる。例えば、0.5、1.0、あるいは2.0、等々である。尚、本発明は、制御係数の絶対値や係数間の間隔の大きさは必ずしも限定するものではない。
【0036】
上記の制御手法とそれに用いる制御係数との二つ以上の組み合わせから1つの組み合わせを、絵柄面積率にもとづいて決定する方法については、いくつかの方法が考えられるが、例えば過去のデータにもとづいたルックアップテーブルを作成し、そのルックアップテーブルにもとづき、絵柄面積率に応じた制御手法とそれに用いる制御係数の組み合わせを決定する方法などが考えられる。
【0037】
このような段階をふまえて組み合わせた制御手法とそれに用いる制御係数により制御を行う場合、印刷物の絵柄面積率に応じた制御が可能になることから、印刷品質の安定性および生産性が向上する。具体的には、このようなインキキー制御装置の効果は一般的な絵柄面積率をもつ印刷物に対しては明らかであったが、このような効果をこれまで得ることができなかった絵柄面積率が低い印刷物や、高い印刷物でも、同等の効果を得ることができる。
【0038】
さらに印刷物の絵柄の配置によっては、面毎に組み合わせを決定し、場合によってはインキキー毎に組み合わせを決定するといった、より細かい設定をすることで、さらなる効果を得ることができる。
【0039】
以下、図面を参照して本発明の詳細を説明する。ただし、以下の内容は一つの実施の形態および例であり、本発明の請求の範囲を限定するものではない。
【0040】
【発明の実施の形態】
図1は任意の値を目標値として印刷紙面上の印刷箇所の光学濃度を制御するインキキー制御装置を設置したBT全判B−B型オフセット輪転機の一部を示す図である。
【0041】
図1中で、10は(オフセット輪転機の)印刷ユニット、11は墨ユニット、2は藍ユニット、13は紅ユニット、14は黄ユニット、15は印刷用紙、20はインキキー制御装置、21は演算装置、22は測定用カメラ、そして23はケーブルである。
【0042】
図2は、図1に示す制御システムを簡略化し、ブロック線図を用いて表したものである。
【0043】
図2では、30は制御対象への入力、81は制御対象、32は制御対象からの出力、33は制御手法にもとづく演算装置、34は制御係数により決定されるゲインである。
【0044】
制御システムを図2に示すように理解する場合、その制御システムの制御性能は、制御対象31に対する、制御手法33とそれに用いる制御係数34の組み合わせに依存する。
【0045】
本発明は、制御対象である印刷物の絵柄面積率に応じて、制御手法33とそれに用いる制御係数34の少なくとも二つ以上の組み合わせから、最適な組み合わせを選択することにより、どのような絵柄面積率をもつ印刷物においても、その絵柄面積率に応じた制御を実現できるように発案した方法である。
【0046】
図3は、オフセット輪転機10に使用する、任意の値を目標値として印刷用紙15上の印刷箇所の光学濃度を、測定用カメラ22を用いて測定し、制御用演算装置21で演算し、ケーブル23を介してインキキーを制御するインキキー制御装置20において、従来から提案されているインキキー制御方法(図3(a))と本発明の実施手順(図3(b))を示すものである。
【0047】
図3(a)で、40は従来から提案されているインキキー制御方法の一つであり、41は制御準備開始、42は制御手法とそれに用いる制御係数の組み合わせを選択する作業である。ただし、この例では制御手法と制御係数はおのおの一つしか用意されていない為に選択の余地はない。尚、43は制御開始である。
尚、この方法を以下では従来法と称することにする。
【0048】
図3(b)で、50は本発明を用いたインキキー制御方法の例であり、51は制御準備開始、52は絵柄面積率入手する作業、53は入手した絵柄面積率にもとづき制御手法とそれに用いる制御係数との二つの以上の組み合わせから一つの組み合わせを選択する作業、54は制御開始である。
以下では、上述の方法を本発明と称することにする。
【0049】
図4は面毎に制御をする場合の印刷レイアウトの図である。
【0050】
図4で、60は一つの面、61は文字、62は絵柄である。図3(b)中53での選択において、図4に示すような面毎に絵柄面積率が極端に異なる印刷レイアウトの場合には、面毎に制御手法とそれに用いる制御係数の組み合わせを選択することで、本発明はより効果的に機能する。
【0051】
図5はインキキー毎に制御をする場合の印刷レイアウト中の面内の図である。
【0052】
図5で、71は一つのインキキーに依存する範囲、72は文字、73は絵柄である。図3(b)で53での選択において、図5に示すようなインキキー毎に絵柄面積率が極端に異なる印刷レイアウトの場合には、インキキー毎に制御手法とそれを用いる制御係数の組み合わせを選択することで、本発明はより効果的に機能する。
【0053】
【実施例】
<実施例1>
ここでは図3(b)中の符号50〜54に示す手順で実施した本発明に係わる一実施例とその結果を示す。
実施手順としては、まず制御準備開始後(スタート51の後)、絵柄面積率計により面毎の絵柄面積率を入手した。その入手した値は45%、50%、10%、60%であった。次に過去のデータにもとづき予め作成しておいたルックアップテーブルを用いて、絵柄面積率が45%、50%、60%の面では、PID制御と制御係数:1の組み合わせを選定し、また絵柄面積率が10%の面では、ON/OFF制御と制御係数:0.5を選定し、制御開始に備えた。
【0054】
今回の印刷は、三菱重工製BT全判B−B型オフセット輪転機にインキキー制御装置を取り付けたシステムで行なった。取り付けたインキキー制御装置は印刷物の余白部分に設けたコントロールストリップ中のベタパッチの印刷箇所の光学濃度をビデオカメラにて測定し、その印刷箇所の光学濃度が任意の目標値に近づくようにインキキーを制御するシステムであった。
【0055】
まず刷り出し後、オペレータによる色合わせ等の機械調整を行い、OKシートを作成、その後、OKシートの印刷箇所の光学濃度を制御装置の測定部にて測定し、その測定値を目標として制御を開始した。
【0056】
この結果、ここでは各面の絵柄面積率から、その面に適した制御手法と制御係数が選択されていたため、全面的に制御動作は安定しており、特に印刷物の絵柄面積率が一般的な絵柄面積率より極端に低い絵柄面積率が10%の面でも、制御動作が大き過ぎることなく、安定した制御を実現していた。具体的には、OKシートに対して、全ての面で、濃度の差異が±0.1D以内の制御結果を得ることができた。
【0057】
なお、本実施例では面毎のケースを示したが、本発明によるインキキー制御では各面内で絵柄面積率が異なる場合、具体的にはインキキーゾーン毎に絵柄面積率が異なるような場合であっても、インキキー毎に制御手法と制御係数の組み合わせを選定することにより安定した制御を実現することが可能である。
【0058】
<比較例1>
ここでは図3(a)中の符号40〜43に示す手順で実施した従来の技術の一例とその結果を示す。
実施手順としては、まず制御準備開始後(スタート41の後)、選択できる制御手法とそれに用いる制御係数の組み合わせは1つであったため、選択の余地なく用意されていた組み合わせを使用するように設定し制御開始に備えた。なお、その組み合わせは一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を制御対象として設計されていたものであった。
【0059】
各面毎に5%、30%、45%、60%の絵柄面積率をもつ版を用意した。このため一般的な絵柄面積率より極端に低い面が存在する印刷物を印刷した。尚、今回の印刷は、前記の実施例1と同様の条件で行った。
【0060】
この結果、絵柄面積率が30%、45%、60%の面では、OKシートに対する濃度の差異が±0.1D以内の制御結果を得ることができた。
【0061】
しかし、絵柄面積率が5%の面では、一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を印刷する場合と比較してインキの消費量が少なかったことから、一般的な絵柄の面積率を持つ印刷物を制御対象として設計されていた制御手法とそれに用いる制御係数の組み合わせによる制御では、インキ供給量が過大であったため、制御により印刷紙面上の印刷箇所の光学濃度が不安定になる現象が発生した。
具体的には、振幅が±0.3Dで、周期が3分間という程度のハンティングが発生した。
【0062】
つまり、比較例では、制御により絵柄面積率が低い面では印刷箇所の光学濃度が不安定であったため、所望の印刷品質の安定性が得られないといったことなどの問題があったが、本発明に係る実施例によれば、上記の問題を解消できた。
【0063】
【発明の効果】
以上に述べてきたように、本発明によれば、1つの印刷物中で絵柄面積率の高低差がある場合でも、絵柄面積率の高低差による影響を低減することが出来、安定した制御を実現する為に有効なインキキー制御方法とインキキー制御装置、並びに、インキキー制御用情報表示装置、インキキー制御記録装置およびインキキー制御状態表示装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るインキキー制御装置の構成を示す説明図である。
【図2】図1に示す構成を簡略化してブロック線図で表した説明図である。
【図3】従来法と本発明との実施手順を比較する説明図である。
【図4】印刷レイアウトを用いて面を示す説明図である。
【図5】印刷レイアウトを用いてインキキーを示す説明図である。
【符号の説明】
10・・・印刷ユニット
11・・・墨ユニット
12・・・藍ユニット
13・・・紅ユニット
14・・・黄ユニット
15・・・印刷用紙
20・・・インキキー制御装置
21・・・演算用装置
22・・・測定用カメラ
23・・・ケーブル
30・・・入力
31・・・制御対象
32・・・出力
33・・・演算装置
34・・・ゲイン
40・・・従来法の実施手順
41・・・スタート
42・・・制御手法と制御係数の組み合わせを選択
43・・・制御開始
50・・・本発明実施手順
51・・・スタート
52・・・絵柄面積率入手
53・・・制御手法と制御係数の組み合わせを選択
54・・・制御開始
60・・・面
61・・・文字
62・・・絵柄
71・・・インキキーに依存する範囲
72・・・文字
73・・・絵柄

Claims (23)

  1. 印刷紙面の印刷品質にかかわる特性を測定し、その結果に基づいて印刷品質を管理するためにインキキーの開度を制御する方法であって、
    該制御の制御区域単位、該制御の制御手法、及び該制御手法に用いる制御係数の組み合わせを、絵柄情報に基づいて決定する制御要領決定ステップ、以上のステップを経ることを特徴とするインキキー制御方法。
  2. 前記絵柄情報は、前記印刷紙面上の面毎の絵柄情報であることを特徴とする請求項1に記載のインキキー制御方法。
  3. 前記面毎の絵柄情報は、面毎の絵柄面積率であることを特徴とする請求項2に記載のインキキー制御方法。
  4. 前記絵柄情報は、インキキーに対応した領域毎の絵柄情報であることを特徴とする請求項1に記載のインキキー制御方法。
  5. 前記インキキーに対応した領域毎の絵柄情報は、インキキーに対応した領域毎の絵柄面積率であることを特徴とする請求項4に記載のインキキー制御方法。
  6. 前記測定する特性が印刷箇所の光学濃度であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインキキー制御方法。
  7. 前記測定する特性が印刷箇所の色であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインキキー制御方法。
  8. 前記印刷はオフセット印刷であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインキキー制御方法。
  9. 印刷紙面の印刷品質にかかわる特性の測定結果に基づいて、印刷品質を管理するためにインキキーの開度を制御する装置であって、
    該制御の制御区域単位、該制御の制御手法、及び該制御手法に用いる制御係数の組み合わせを、絵柄情報に基づいて決定する制御要領決定手段、以上を備えたことを特徴とするインキキー制御装置。
  10. 前記絵柄情報は、前記印刷紙面上の面毎の絵柄情報であることを特徴とする請求項9に記載のインキキー制御装置。
  11. 前記面毎の絵柄情報は、面毎の絵柄面積率であることを特徴とする請求項10に記載のインキキー制御装置。
  12. 前記絵柄情報は、インキキーに対応した領域毎の絵柄情報であることを特徴とする請求項9に記載のインキキー制御装置。
  13. 前記インキキーに対応した領域毎の絵柄情報は、インキキーに対応した領域毎の絵柄面積率であることを特徴とする請求項12に記載のインキキー制御装置。
  14. 前記測定する特性が印刷箇所の光学濃度であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載のインキキー制御装置。
  15. 前記測定する特性が印刷箇所の色であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載のインキキー制御装置。
  16. 前記印刷はオフセット印刷であることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載のインキキー制御装置。
  17. 請求項9乃至16のいずれかに記載のインキキー制御装置と組み合わせて使用可能であって、
    前記測定する印刷品質の特性がその目標から基準以上の違いを呈した場合には、操作すべきインキキーとその操作量を、人が認識可能に表示するインキキー制御用情報表示装置。
  18. 請求項9乃至16のいずれかに記載のインキキー制御装置の制御履歴を記録する装置であって、
    1台の印刷機につき、該制御で使用した制御手法とそれに用いた制御係数の組み合わせが2以上存在する場合に、それぞれの制御手法とそれに用いた制御係数の組み合わせの履歴を記録することを特徴とするインキキー制御記録装置。
  19. 前記制御の履歴を、印刷紙面上の面毎に記録することを特徴とする請求項18に記載のインキキー制御記録装置。
  20. 前記制御の履歴を、インキキー毎に記録することを特徴とする請求項18に記載のインキキー制御記録装置。
  21. 請求項9乃至16のいずれかに記載のインキキー制御装置の制御に関わる少なくとも現在の情報を表示する装置であって、
    1台の印刷機につき、該制御で使用した制御手法とそれに用いた制御係数の組み合わせが2以上存在する場合に、少なくともそれぞれの制御手法とそれに用いる制御係数とを関連付けて表示することを特徴とするインキキー制御状態表示装置。
  22. 前記制御に関わる情報を、印刷紙面上の面毎に表示することを特徴とする請求項21に記載のインキキー制御状態表示装置。
  23. 前記制に関わる情報を、インキキー毎に表示することを特徴とする請求項21に記載のインキキー制御状態表示装置。
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