JP4087185B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯点灯装置の保護に関するものであり、特に、放電灯のフィラメント断線または無負荷状態による異常状態や放電灯の寿命末期等の異常状態において点灯装置の保護を行う手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は一般的な放電灯点灯装置の例を示す回路図である。図4の放電灯点灯装置は、交流電源20を電源回路2により整流・平滑して直流電源を生成し、この直流電源より得られる直流電力をインバータ回路3により高周波電力により変換し、この高周波電力を放電灯1に供給することにより、放電灯1を高周波で点灯させるものである。電源回路2は例えば昇圧チョッパ回路で構成されている。
【0003】
電源回路2の出力電圧およびインバータ回路3の動作は、制御回路8により制御される。つまり、制御回路8は、電源回路2におけるスイッチング素子のスイッチング動作を制御するとともに、インバータ回路3のスイッチング素子のスイッチング動作を制御する。この制御回路8の回路構成は周知であり、具体的な回路の図示は省いているが、例えば特開平1−315995号公報、特開2001−332396公報にその例が開示されている。
【0004】
インバータ回路3は、通常、放電灯1が正常点灯しているときに遅相モード、つまり、インバータ回路3の出力電流が、インバータ回路3の出力電圧に対して遅れ位相となるモードで動作するように、発振周波数が設定されている。つまり、インバータ回路3は、負荷となる直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数に発振周波数が設定されている。これは、もし進相モードでインバータ回路が動作すると、以下のような問題が生じるが、これを防止するためである。すなわち、インバータ回路が進相モードで動作すると、スイッチング素子に逆並列接続されたダイオードあるいは寄生ダイオード(図示せず)の蓄積容量に起因したスイッチング素子のスイッチング動作の遅れによって、直列接続されている2個のスイッチング素子が同時にオンとなって電源短絡の状態になる。そのときの短絡電流によってスイッチング素子に過大なストレスが加わることになる。このような問題は、インバータ回路3を遅相モードで動作させることで、防止できる。以上の点は、例えば、特開平8−102393号公報、特公平7−055063号公報に説明されている。
【0005】
図4の放電灯点灯装置では、異常状態として放電灯1の点灯中に放電灯1のフィラメント断線を検出して異常信号を発生する異常判別手段4が搭載されており、その後段に、異常信号を遅延して制御回路8に伝達する伝達手段7を備えている。
【0006】
制御回路8には、異常判別手段4から伝達手段7を介して異常信号が伝達されたことを検出したときに、内蔵の保護手段(図示せず)によってインバータ回路3の発振動作を停止させるようにしている。伝達手段7は所定の応答時間(遅延時間)をもって異常信号を制御回路8に伝達する。
【0007】
以下、この放電灯点灯装置の動作を詳しく説明する。
【0008】
放電灯1が正常点灯している時は、複数の分圧抵抗5および放電灯1のフィラメント6を介して電流が流れることにより、トランジスタ9をオンさせている。この状態では、制御回路8の検出端子11の電位はゼロである。
【0009】
ここで、放電灯1のフィラメント6が断線すると、上記の経路では電流が流れなくなる(異常信号の発生)ため、トランジスタ9はオフする。これにより、制御電源12によってコンデンサ10が充電され、コンデンサ10の両端電圧が上昇するため、制御回路8に設けられた検出端子11の電位が上昇する。つまり、伝達回路7によって異常信号が所定の応答時間をもって伝達される。
【0010】
この検出端子11の電位が、予め設定されたしきい値を越えると、制御回路8が、フィラメント断線に伴う異常信号の発生を検出することになる。これによって、制御回路8(の保護手段)は、インバータ回路3の動作を停止する等の保護動作を開始する。
【0011】
以上の動作により、放電灯1のフィラメント6が断線したことを検出し、保護動作を行うことができる。
【0012】
また、他の例として、放電灯1の両端電圧をモニタすることにより、放電灯1が寿命末期(例えば、エミッタレス状態)となったことを検出し、上記と同様の保護動作を行うものも存在する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような方法では、例えば外来ノイズ等の影響を受けて一時的にトランジスタ9がオフした場合にも、検出電位が上昇してしまい、検出電位の上昇を制御回路8が検出し、それに伴って制御回路8(の保護手段)が保護動作を行ってしまう可能性がある。すなわち、保護手段の誤動作となる。
【0014】
このような誤動作は、伝達回路7の応答時間を調整することで防止可能である。すなわち、上記のコンデンサ10の容量を増加して、検出電位の上昇を遅らせることにより防止できる。しかし、この場合、以下のような問題点がある。
【0015】
放電灯1のフィラメント断線保護は、放電灯1のフィラメント6が断線した状態でインバータ回路3が動作を継続した場合に、インバータ回路3の共振条件が変わってインバータ回路3が進相モードで動作することとなり、上述したようにインバータ回路3を構成するスイッチ素子をはじめとする回路部品に過大なストレスがかかることになるが、上記の放電灯1のフィラメント断線保護は、回路部品に与えられる過大なストレスを防止するために用いられる。
【0016】
しかし、コンデンサ10の容量を増加させることにより、放電灯1のフィラメント6が断線してから、実際に検出端子11における検出電位が上昇して制御回路8が異常信号を検出し、保護手段が保護動作(インバータ回路3の停止)を行うまでの時間が遅延されるため、回路部品へのストレスが大きくなり、回路破壊等の可能性がある。
【0017】
また、放電灯1の寿命末期保護は、放電灯1の寿命末期時にフィラメント近傍の温度が非常に高くなることにより、周辺部品に影響を与えてしまうことを防止するために用いられている。
【0018】
しかし、上記のようなコンデンサ10の容量を増加させることにより、放電灯1が寿命末期状態となってから、実際に検出端子11における検出電位が上昇して制御回路8が異常信号を検出し、保護手段が保護動作を行うまでの時間が遅延されるため、保護動作が始まるまでの間にフィラメント部の温度が非常に高くなってしまい、周辺部品に影響を与えてしまう可能性がある。
【0019】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、放電灯の寿命末期や断線等による継続的な異常状態と、外来ノイズ等による一過性の異常状態とを判別することにより、放電灯の異常状態をより確実に検出して保護動作を行うことができ、安全性が高く、かつ、ノイズ等による誤動作の影響を少なく抑えることができる高性能な放電灯点灯装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1記載の放電灯点灯装置は、高周波出力を発生するインバータ回路と、インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、インバータ回路の高周波出力により放電灯を点灯させる放電灯点灯装置において、放電灯の異常状態を検出して異常信号を発生する異常判別手段と、異常信号の発生に応答してインバータ回路の出力を抑制するとともに異常信号の消滅に応答してインバータ回路の出力の抑制動作を解除する第1の保護手段と、異常信号に応答してインバータ回路の動作を停止させるとともに、異常信号の消滅後においてもインバータ回路の動作停止状態を継続させる第2の保護手段と、異常判別手段と第1の保護手段との間に設けられて異常信号を第1の応答時間で異常判別手段から第1の保護手段へ伝達する第1の伝達手段と、異常判別手段と第2の保護手段との間に設けられて異常信号を第2の応答時間で異常判別手段から第2の保護手段へ伝達する第2の伝達手段とを設け、第2の応答時間に比べて第1の応答時間を短く設定したことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、異常判別手段から発生する異常信号を応答時間の異なる複数(第1および第2)の伝達手段を介して種類の異なる複数(第1および第2)の保護手段へ伝達するので、放電灯の寿命末期や断線等による継続的な異常状態では、複数の保護手段が各々作動するが、一過性の異常状態では、短い応答時間で異常信号が伝達されるものしか作動しないというように、継続的な異常状態と一過性の異常状態とで動作する保護手段の組み合わせが異なる。つまり、放電灯の寿命末期や断線等による継続的な異常状態と、外来ノイズ等による一過性の異常状態とを判別することが可能となり、放電灯の異常状態をより確実に検出して保護動作を行うことができ、安全性が高い。
【0022】
そして、保護手段の機能を、伝達手段による応答時間の関係に応じて適切に設定することにより、継続的な異常状態の発生時に短い応答時間で異常信号が伝達される保護回路によって速やかな保護動作を確保しつつ、長い応答時間で異常信号が伝達される保護手段によって継続的な異常状態にとって最適な保護動作を行うことができる。しかも、一過性の異常状態にあっては、短い応答時間で異常信号が伝達される保護回路による保護動作が行われるのみであり、長い応答時間で異常信号が伝達される保護手段による保護動作は行われないので、一過性の異常状態による誤動作の影響を少なく抑えることができる。
【0024】
具体的には、放電灯の寿命末期や断線等による継続的な異常状態では、まず第1の保護手段が動作して、例えばインバータ回路の発振周波数が上昇すること(請求項2)でインバータ回路の出力が抑制され、これによって保護が行われる。その後、第2の保護手段が動作してインバータ回路の動作が停止し、これによって継続的な異常状態にとって最適な保護動作が行われる。一方、外来ノイズ等による一過性の異常状態では、第1の保護手段が動作してインバータ回路の発振周波数が上昇することでインバータ回路の出力が抑制されるが、異常状態が回復するとインバータ回路の出力の抑制が解除される。したがって、一過性の異常状態による誤動作の影響を少なく抑えることができる。
本発明の請求項2記載の放電灯点灯装置は、請求項1記載の放電灯点灯装置において、第1の保護手段はインバータ回路の発振周波数を高めることによりインバータ回路の出力を抑制することを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項3記載の放電灯点灯装置は、請求項1または2記載の放電灯点灯装置において、異常判別手段は放電灯の点灯中に異常状態として放電灯のフィラメントが断線したことを判別して異常信号を発生するフィラメント断線判別機能を有することを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、放電灯のフィラメントが断線したときに保護手段が動作する。
【0027】
本発明の請求項4記載の放電灯点灯装置は、請求項3記載の放電灯点灯装置において、異常判別手段は異常状態として放電灯とインバータ回路とが接続されていないことをさらに判別して異常信号を発生する無負荷判別機能を有することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、放電灯のフィラメントが断線したときに保護手段が動作する他、放電灯が外れたとき、あるいは放電灯へ至る配線が断線したときなどにも、保護手段が動作する。
【0029】
本発明の請求項5記載の放電灯点灯装置は、請求項1または2記載の放電灯点灯装置において、異常判別手段は異常状態として放電灯が寿命末期となったことを判別して異常信号を発生する寿命末期判別機能を有することを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、放電灯が寿命末期となったときに保護手段が動作する。
【0031】
本発明の請求項6記載の放電灯点灯装置は、請求項1または2記載の放電灯点灯装置において、異常判別手段は、異常状態として放電灯の点灯時に放電灯のフィラメントが断線したことを判別して第1の異常信号を発生するフィラメント断線判別機能と、異常状態として放電灯が寿命末期となったことを判別して第2の異常信号を発生する寿命末期判別機能とを有し、第1の異常信号を第1および第2の伝達手段を介して第1および第2の保護手段へそれぞれ伝達し、第2の異常信号を第2の伝達手段を介して第2の保護手段へ伝達するようにしたことを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、放電灯のフィラメントが断線したときには、第1および第2の保護手段の両方が動作し、放電灯が寿命末期となったときには第2の保護手段のみが動作する。放電灯のフィラメントの断線は瞬時に起こり、それに対して速やかに保護動作をさせることが必要とされ、なおかつノイズによる誤消灯を避けることが要求されるので、短い応答時間で異常信号が伝達される第1の保護手段を動作させ、速やかにインバータ回路の出力を抑制して保護を図りつつ、長い応答時間で異常信号が伝達される第2の保護手段を動作させてインバータ回路を停止させる。しかし、放電灯は徐々に劣化していくもので、瞬時に寿命末期に至るものではないので、短い応答時間で異常信号が伝達される第1の保護手段を動作させて速やかに保護動作をさせる必要性は少なく、ノイズによる誤消灯を避ける必要性の方が高いので、放電灯の寿命末期時には第1の保護手段は動作させない。このようにして、応答時間の長い保護手段を放電灯のフィラメント断線および寿命末期の保護に共用することで、放電灯のフィラメント断線および寿命末期の異常状態に対して必要な保護機能を残したまま、回路構成を合理化することができ、回路部品点数の削減が可能となる。
【0033】
本発明の請求項7記載の放電灯点灯装置は、請求項1、2、3、4、5または6記載の放電灯点灯装置において、第2の保護手段が、外部リセット手段によるリセット信号の入力があったときにのみインバータ回路の再始動を可能としたことを特徴とする。
【0034】
この構成によれば、保護手段が働いてインバータ回路が停止することで異常判別手段による異常信号が消滅したとしても、外部リセット手段によるリセット信号の入力があるまで、インバータ回路が再起動しないので、保護をより安全確実に行うことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態:請求項1,2,3,4,7に対応)
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0038】
図1は、本発明の第1の実施の形態の放電灯点灯装置を示す回路図である。本実施の形態では、継続的な異常状態である放電灯のフィラメント断線を放電灯の点灯中に検出する異常判別手段として、フィラメント断線判別回路4Aを搭載してあり、この後段に、伝達手段として応答時間の長い伝達回路7および、応答時間の短い(ほぼ即時応答する)伝達回路13の2種類を搭載している。
【0039】
また、制御回路8の検出端子も2種類用意しており、検出端子11については、従来例と同様に検出端子11の電位が予め設定したしきい値Va以上となった場合に、制御回路8がそれを検出し、制御回路8に内蔵されている第2の保護手段が保護動作を開始する。このときの保護動作は、インバータ回路3の動作を完全に停止するものとし、検出端子11の電位が元に戻っても解除されず、放電灯1を再始動するためには、いったん電源を遮断して制御回路8をリセットする必要がある、いわゆるラッチ動作とする。これを特許請求の範囲では、外部リセット手段によるリセット信号の入力と表現している。
【0040】
検出端子16については、通常は制御電源によって電圧Vccにプルアップされており、検出端子16の電位がゼロ電位となった場合に、制御回路8がそれを検出し、制御回路8に内蔵されている第1の保護手段が保護動作を開始するようにする。このときの保護動作は、インバータ回路3の動作周波数を上昇させることにより、インバータ回路3の出力を低減し、もしくは動作を遅相領域へ移行させるものとする。この保護動作は、検出端子16の電位が元に戻ると即座に動作周波数を元に戻すものとする。
【0041】
また、コンデンサ10の容量は大きめ、コンデンサ15の容量は小さめに設定しておく。これによって、上記したように、第2の伝達手段である伝達回路7の応答時間は長く、第1の伝達手段である伝達回路13の応答時間は短くなる。特に、伝達回路13については、即時応答に近い状態となる。
【0042】
以上の構成にて、動作を説明する。
【0043】
図1の回路において、放電灯1が正常点灯している時は、複数の分圧抵抗5および放電灯1のフィラメント6を介して電流が流れることにより、トランジスタ9をオンさせている。この状態では、検出端子11の電位はゼロ電位、検出端子16の電位は制御電源電圧Vccであり、制御回路8における保護手段は動作しない。
【0044】
放電灯1のフィラメント6が断線すると、上記の経路では電流が流れなくなるため、トランジスタ9はオフする。これにより、制御電源12からコンデンサ10およびコンデンサ15に充電され、コンデンサ10およびコンデンサ15の両端電圧が上昇し始める。
【0045】
コンデンサ15の容量が小さいので、トランジスタ14はフィラメント6が断線するとほぼすぐにオンする。その結果、検出端子16の電位がゼロとなり、保護動作としてインバータ回路3の動作周波数を高くする。これにより、フィラメント断線によってインバータ回路の共振条件が変わって進相領域での動作になっても、即座に遅相領域での動作に移行するため、進相モードでの動作が継続せず、放電灯点灯装置を構成する回路部品には過大なストレスはかからない。
【0046】
一方、コンデンサ10は容量が大きめのものを用いているので、検出端子16による保護動作が開始された後も、コンデンサ10の電位すなわち検出端子11の電位はしきい値Vaに達しておらず、その後充電を継続することによりしきい値Vaを越え、制御回路8によりインバータ回路3の動作が停止する。
【0047】
以上のように、本実施の形態ではフィラメント断線時の保護動作は応答速度の異なる2種類の保護手段により確実に行われる。
【0048】
ここで、図1の回路に対して一過性の外来ノイズ等が印加された場合の動作を説明する。外来ノイズ等により、フィラメント6が断線していないにもかかわらずトランジスタ9がオフした場合にも、コンデンサ10およびコンデンサ15の充電は開始される。そして、上記と同様にトランジスタ14はすぐにオンするため、インバータ回路3の動作周波数が高くなり、放電灯1の出力が低下するが、ノイズが除去されてトランジスタ9が再度オンすると、動作周波数は元に戻り、放電灯1の出力も復帰する。
【0049】
一方、コンデンサ10の充電には時間がかかるため、一過性のノイズが印加されても、検出端子11の電位がしきい値Vaを越えることはない。したがって、外来ノイズによって誤動作が発生しても、インバータ回路3の動作周波数が変動するだけであり、インバータ回路3の動作が停止することはない。
【0050】
コンデンサ10およびコンデンサ15の容量および充電経路の抵抗値等については、点灯装置を使用する環境に応じて外来ノイズ等の影響を考慮して決定すればよく、具体的には、コンデンサ10の充電時間はノイズの継続時間よりも長くなるようにし、コンデンサ15の充電時間を、ノイズの継続時間よりも短くなるようにすればよい。
【0051】
以上により、一過性のノイズと放電灯1の異常状態とを区別して検出することができるので、ノイズに強く、かつ放電灯の異常状態を確実に検出して保護することができる放電灯点灯装置を提供することができる。
【0052】
本実施の形態においては、検出端子11によるインバータ回路3の動作停止はラッチ動作であるため、検出端子11により保護動作を行った場合は、それ以降に不安全な状態になることはないため、より安全で確実な保護動作となる。
【0053】
なお、本実施の形態は、放電灯自体のフィラメント断線のみならず、放電灯と点灯装置とを接続する電線またはコネクタの接点が切断された場合(無負荷時)にも有効であり、アークの発生による周辺部材の燃焼等も防ぐことができる。
【0054】
(第2の実施の形態:請求項5に対応)
図2は、本発明の第2の実施の形態の放電灯点灯装置を示す回路図である。本実施の形態では、継続的な異常状態である放電灯の寿命末期(エミッタレス状態)を検出する異常判別手段として、寿命末期判別回路4Bを搭載しており、この後段に、伝達手段として応答時間の長い伝達回路7および、応答時間の短い伝達回路13の2種類を搭載している。
【0055】
制御回路8の検出端子も2種類用意しており、保護方法等は第1の実施の形態と同様である。伝達回路13および検出端子16による保護は、応答時間が短く、保護方法は動作周波数を上げて出力を低下させるものである。
【0056】
寿命末期判別回路4Bの分圧抵抗5により放電灯1の両端電圧を分圧する。さらに、ダイオード17により分圧電圧を整流し、さらに分圧抵抗18A,18Bにより分圧して、コンデンサ15およびトランジスタ14のベースに入力している。放電灯1の寿命未期には、通常点灯時と比較して放電灯1の両端電圧が上昇するので、トランジスタ14がオンして、検出端子16の電位がゼロとなり、制御回路8の第1の保護手段によりインバータ回路3の動作周波数が上昇し、放電灯1の出力が抑制される。
【0057】
一方、伝達回路7および検出端子11による制御は、応答時間が長く、保護方法はインバータ回路3を停止させるものである。
【0058】
寿命末期判別回路4Bの分圧抵抗5により放電灯1の両端電圧を分圧する。さらに、ダイオード9Aにより分圧電圧を整流した後、その電圧でコンデンサ10を充電する。
【0059】
放電灯1の寿命末期には通常点灯時と比較して放電灯1の両端電圧が上昇するので、コンデンサ10の両端電圧、すなわち検出端子11の両端電圧も上昇し、予め設定したしきい値Vbを越えると、制御回路8の第2の保護手段によりインバータ回路3が停止される。
【0060】
以上の動作により、第1の実施の形態と同様に、一過性のノイズと放電灯1の異常状態とを区別して検出することができるので、ノイズに強く、かつ放電灯1の異常状態を確実に検出し保護することができる放電灯点灯装置を提供することができる。
【0061】
(第3の実施の形態:請求項6に対応)
図3に本発明の第3の実施の形態の放電灯点灯装置の回路図を示す。
【0062】
本実施の形態では、放電灯の異常判別手段として、放電灯の点灯中におけるフィラメントの断線を判別するフィラメント断線判別回路4Aと、放電灯の寿命末期を判別する寿命末期判別回路17とを備えている。
【0063】
フィラメント断線判別回路4Aの後段には、伝達手段として応答時間の長い伝達回路7および応答時間の短い伝達回路13の2種類を搭載している。
【0064】
制御回路8の検出端子も2種類用意しており、保護方法等は第1の実施の形態と同様である。伝達回路13および検出端子16による保護は、応答時間が短く、保護方法は動作周波数を上げて出力を低下させるものである。
【0065】
また、寿命末期判別回路17の後段には応答時間の長い伝達回路7を接続している。つまり、伝達回路13については、フィラメント断線判別回路4Aと寿命末期判別回路17とで共用している。
【0066】
この横成では、放電灯1のフィラメント6が断線した場合には、第1の実施の形態で示したような2種類の制御を行うが、放電灯1が寿命末期となった場合には、検出端子11による制御のみとなる。
【0067】
放電灯1の断線時は、放電灯負荷が無くなることによりインバータ回路3の共振条件が大きく変化するため、即座に進相動作等の危険なモードに入り易いので、応答速度の速い保護動作が重要であるが、放電灯1の寿命末期時は、放電灯負荷が徐々に変動するため、インバータ回路3の共振条件が突然変化することはなく、応答速度の速い保護動作の必要性は比較的低く、ノイズによる誤動作によって放電灯1が消灯してしまうことを避ける必要性の方が高い。
【0068】
このことから、本実施の形態は、放電灯1の異常状態判別手段として、フィラメント断線および寿命末期の両方を設ける必要がある場合に、フィラメント断線を判別し保護動作を行う2種類の保護手段のうち、応答速度の遅い保護手段のみを、放電灯1の寿命末期時の保護手段として共用することにより、必要な機能を残したまま回路構成を合理化したものであり、回路部品点数の削減が可能となる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、放電灯の寿命末期や断線等の異常状態を確実に検出して放電灯点灯装置を保護することができると同時に、外来ノイズ等による一過性の異常状態によって保護手段が誤動作することの影響を少なく抑えることできるため、放電灯やインバータ回路の状態に応じて適切な動作を行うことができる。
【0070】
よって、放電灯の異常状態をより確実に検出して保護できる安全性の高いものであり、かつ、ノイズ等による誤動作の起こりにくい、高性能な放電灯点灯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。
【図4】放電灯点灯装置の従来例の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 放電灯
2 電源回路
3 インバータ回路
4A フィラメント断線判別回路
4B 寿命末期判別回路
5 分圧抵抗
6 フィラメント
7 伝達回路
8 制御回路
9 トランジスタ
10 コンデンサ
11 検出端子
12 制御電源
13 伝達回路
14 トランジスタ
15 コンデンサ
16 検出端子
17 寿命末期判別回路
18A,18B 分圧抵抗
Claims (7)
- 高周波出力を発生するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記インバータ回路の高周波出力により放電灯を点灯させる放電灯点灯装置において、
前記放電灯の異常状態を検出して異常信号を発生する異常判別手段と、
前記異常信号の発生に応答して前記インバータ回路の出力を抑制するとともに前記異常信号の消滅に応答して前記インバータ回路の出力の抑制動作を解除する第1の保護手段と、前記異常信号に応答して前記インバータ回路の動作を停止させるとともに、前記異常信号の消滅後においても前記インバータ回路の動作停止状態を継続させる第2の保護手段と、前記異常判別手段と前記第1の保護手段との間に設けられて前記異常信号を第1の応答時間で前記異常判別手段から前記第1の保護手段へ伝達する第1の伝達手段と、前記異常判別手段と前記第2の保護手段との間に設けられて前記異常信号を第2の応答時間で前記異常判別手段から前記第2の保護手段へ伝達する第2の伝達手段とを設け、
前記第2の応答時間に比べて前記第1の応答時間を短く設定したことを特徴とする放電灯点灯装置。 - 第1の保護手段はインバータ回路の発振周波数を高めることにより前記インバータ回路の出力を抑制することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 異常判別手段は放電灯の点灯中に異常状態として前記放電灯のフィラメントが断線したことを判別して異常信号を発生するフィラメント断線判別機能を有することを特徴とする請求項1または2記載の放電灯点灯装置。
- 異常判別手段は異常状態として放電灯とインバータ回路とが接続されていないことをさらに判別して異常信号を発生する無負荷判別機能を有することを特徴とする請求項3記載の放電灯点灯装置。
- 異常判別手段は異常状態として放電灯が寿命末期となったことを判別して異常信号を発生する寿命末期判別機能を有することを特徴とする請求項1または2記載の放電灯点灯装置。
- 異常判別手段は、異常状態として放電灯の点灯時に前記放電灯のフィラメントが断線したことを判別して第1の異常信号を発生するフィラメント断線判別機能と、異常状態として前記放電灯が寿命末期となったことを判別第2の異常信号を発生する寿命末期判別機能とを有し、
前記第1の異常信号を第1および第2の伝達手段を介して第1および第2の保護手段へそれぞれ伝達し、前記第2の異常信号を前記第2の伝達手段を介して前記第2の保護手段へ伝達するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の放電灯点灯装置。 - 第2の保護手段は、外部リセット手段によるリセット信号の入力があったときにのみ前記インバータ回路の再始動を可能としたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の放電灯点灯装置。
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