JP4081450B2 - 多層光ディスクの製造方法及び多層光ディスク - Google Patents

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本発明は、多層光ディスクの製造方法等に関し、より詳しくは、基板等に変形が生じることがない多層光ディスクの製造方法等に関する。
近年、長時間の大容量データを記録・再生するために、1枚の媒体に2層以上の信号記録層又は信号層を設けた多層光ディスクが開発されている。このような多層光ディスクの例として挙げられるDVD(Degital Versatile Disk)−Rは、片面に記録層又は信号層を有するディスクを、透明接着剤層を介して、それぞれの記録層又は信号層が向き合うように貼り合わせて製造される。
一方、光ディスクの高密度化及び記録・再生のために使用されるレーザ光の短波長化に伴い、光ディスクの基板を薄くする必要性が生じている。例えば、近年提案されている多層光ディスクは、信号パターンが形成された基板上に、半透明の信号記録層を有する厚さ数10μmのフィルム層が複数積層された構造となっている。
このような薄いフィルム層を射出成型法により製造することは難しく、また、成型されたフィルムの剛性が低いために、基板の信号パターン中心と成型フィルムの成型パターン中心とを高精度に位置合わせして組み立てることが困難である。
このような薄型化された多層光ディスクの製造方法が幾つか報告されている。例えば、第1の情報信号層が形成された基板と凹凸形状を有するマスター盤との間に挟まれた後に圧着されて凹凸形状が転写されたフィルム状光硬化高分子材料層上に第2の情報信号層を形成する方法(特許文献1参照)、第1の情報記録面を有する基板上に積層された高粘度光硬化性フィルムと、液状の紫外線硬化性樹脂が塗布されたスタンパとを真空装置内で重ね合わせた後、紫外線硬化性樹脂を硬化させて第2の情報記録面が形成された転写層を形成する方法(特許文献2参照)、100℃以下で押圧されたスタンパにより記録ピットである凹凸形状が転写された樹基性基板が、接着剤により共通の支持基板上に複数枚積層される方法(特許文献3参照)が挙げられる。
特開平08−235644号公報 特開2000−268417号公報 特開2003−115130号公報
ところで、このような薄型化された多層光ディスクの従来の製造方法には以下のような問題がある。即ち、特許文献1に記載された方法では、基板とマスタ盤との間に挿入されるフィルム状光硬化高分子材料を圧着するドライレジスト法であるため、基板及びマスタ盤を剥がす際に、凹凸形状が転写されたフィルム状光硬化高分子材料層が変形しやすい。また、特許文献2に記載された方法では、基板上に積層された高粘度光硬化性フィルムと液状の紫外線硬化性樹脂とを光硬化させる2P法であるため、量産性を高めることが困難であり、また、硬化層の均一性に問題がある。さらに、特許文献3に記載された方法では、複数の樹基性基板を積層するため、中心を合わせることが困難である。
本発明は、このような多層光ディスクの製造方法における課題を解決すべくなされたものである。
即ち、本発明の目的は、多層光ディスクの簡便な製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、基板等に変形が生じることがない多層光ディスクを提供することにある。
かかる課題を解決すべく、本発明が適用される多層光ディスクの製造方法は、凹凸形状の信号記録面を有する基板上に透明フィルムを積層する工程と、積層された透明フィルム上に、透明フィルムに対して溶解性を有する重合性樹脂モノマーを塗布し、透明フィルムを軟化させる工程と、軟化した透明フィルムに、信号記録面と凹凸形状の異なる他の信号記録面に対応する凹凸形状を有するスタンパを加熱圧着して、重合性樹脂モノマーを重合しつつ、透明フィルムに他の信号記録面を形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明が適用される多層光ディスクの製造方法において、重合性樹脂モノマーが、分子構造中にフェノキシ基を有するアクリレートであり、また、透明フィルムがポリカーボネート樹脂からなることを特徴とすれば、透明フィルムが重合性樹脂モノマーにより容易に軟化する。
また、透明フィルムが重合性樹脂モノマーにより容易に軟化することにより、スタンパによる加熱圧着の条件が大幅に緩和され、基板及び基板に形成される他の層の変形が防止される。加熱圧着の温度は、基板の材料及び透明フィルムの材料のガラス転移温度より低い温度であることが好ましい。
一方、本発明は、凹凸形状の信号記録面を有する基板と、基板に積層され、信号記録面と凹凸形状の異なる他の信号記録面を有すると共に、他の信号記録面の表層に重合性樹脂含浸層を有する透明フィルム層と、を備えることを特徴とする多層光ディスクとして把握される。
透明フィルム層の表層部分に形成される重合性樹脂含浸層は、透明フィルム層に塗布され、透明フィルム層に含浸したフェノキシ基含有アクリレートモノマーの重合体を含有することを特徴としている。
また、透明フィルム層は、ポリカーボネート樹脂からなることが好ましい。
かくして本発明によれば、多層光ディスクが容易に且つ低コストで製造される。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について、図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態が適用される多層光ディスクを説明する図である。図1に示された多層光ディスク100は、ポリカーボネート等の光透過性材料で形成され、凹凸形状の信号記録面が形成されたディスク状の基板101と、この基板101上に、第1信号記録層102と、半透明の第1反射層103と、基板101上の信号記録面とは凹凸形状の異なる他の信号記録面が形成され、光透過性の熱可塑性樹脂からなる透明フィルム層104と、透明フィルム層104の表層付近に形成されたポリフェノキシエチルアクリレートが含有される重合性樹脂含浸層105と、第2信号記録層106と、第2反射層107と、最外層を形成する保護層108とが、順番に積層された構造を有している。前述したように、基板101及び透明フィルム層104には凹凸が形成され、それぞれ信号記録面を構成している。多層光ディスク100の光情報の記録・再生は、基板101側から第1信号記録層102及び第2信号記録層106に照射されたレーザ光109により行われる。
(基板)
基板101は、第1の信号記録面が形成され、光透過性を有し、複屈折率が小さい等、光学特性に優れることが望ましい。基板101を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に、非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ガラス、石英ガラス等が挙げられる。基板101の厚さは、通常、10μm〜2mmである。
(第1信号記録層)
第1信号記録層102は、例えば、350〜900nm程度の可視光〜近赤外域に最大吸収波長λmaxを有し、青色〜近マイクロ波レーザでの記録に適する有機色素材料;非晶質状態と結晶状態との屈折率差によって生じる反射率差および位相差変化を利用して記録情報信号の検出が行われる相変化型記録材料が挙げられる。有機色素材料としては、例えば、フタロシアニン色素、シアニン色素、アントラキノン系色素等が挙げられる。相変化型記録材料としては、例えば、SbTe系、GeTe系、GeSbTe系、InSbTe系、AgSbTe系、AgInSbTe系等が挙げられる。第1信号記録層102の膜厚は特に限定されないが、通常、5nm〜3μmである。第1信号記録層102の成膜方法としては、特に限定されないが、通常、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成法が挙げられる。
(第1反射層)
第1反射層103を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等が挙げられる。第1反射層103の厚さは、通常、3nm〜500nmである。第1反射層103を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。
(透明フィルム層)
透明フィルム層104を構成する材料としては、基板101と同様に、光透過性を有し、複屈折率が小さい等、光学特性に優れる光透過性の熱可塑性樹脂が挙げられる。透明フィルム層104を構成する材料の具体例は、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に、非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリカーボネート樹脂が好ましい。透明フィルム層104の厚さは、通常、10μm〜2mmである。
(重合性樹脂含浸層)
重合性樹脂含浸層105は、後述するように、透明フィルム層104の表面に、所定の方法で塗布された熱又は光照射による重合性樹脂モノマーを、熱重合又は光重合させることにより形成される。透明フィルム層104の表面に重合性樹脂モノマーを塗布する方法は特に限定されないが、通常、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の湿式薄膜形成法が挙げられる。
重合性樹脂モノマーの具体例としては、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート等が挙げられる。
さらに、炭素数6乃至炭素数12の炭化水素ジオールジアクリレート類、炭素数6乃至炭素数12の炭化水素ジオールジメタクリレート類、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジメタクリレート、ネオペンチルグリコールエトキシレートジアクリレート、ネオペンチルグリコールエトキシレートジメタクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジメタクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートジアクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートジメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルエトキシレートアクリレート、フェノキシエチルエトキシレートメタクリレート、フェノキシエチルプロポキシレートアクリレート、フェノキシエチルプロポキシレートメタクリレート、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールノニルフェニルエーテルアクリレート、ポリプロピレングリコールノニルフェニルエーテルメタクリレート等が挙げられる。
また、イソオクチルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、パルミチンアクリレート、パルミチンメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルエトキシレートアクリレート、ジシクロペンテニルエトキシレートメタクリレート、ジシクロペンテニルプロポキシレートアクリレート、ジシクロペンテニルプロポキシレートメタクリレート等が挙げられる。
重合性樹脂モノマーのなかでも、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルエトキシレートアクリレート、フェノキシエチルエトキシレートメタクリレート、フェノキシエチルプロポキシレートアクリレート、フェノキシエチルプロポキシレートメタクリレート、p−クミルフェノキシ基含有ポリ(n=1〜3)エトキシアクリレート、o−フェニルフェノキシ基含有ポリ(n=1〜3)エトキシアクリレート等の分子構造中にフェノキシ基を有するアクリレートが好ましい。
重合性樹脂モノマーは、透明フィルム層104を構成する材料である光透過性の熱可塑性樹脂に対して溶解性を有するものであることが必要である。透明フィルム層104の表面に塗布された重合性樹脂モノマーが透明フィルム層104の表面付近に浸透することにより、透明フィルム層104が軟化し、後述するように、凹凸形状を有する金属スタンパが加熱圧着されて、透明フィルム層104に第2の信号記録面である信号パターンが容易に形成される。
重合性樹脂モノマーと熱可塑性樹脂との組み合わせとしては、重合性樹脂モノマーとしては、分子構造中にフェノキシ基を有するアクリレートが好ましく、透明フィルム層104を構成する熱可塑性樹脂としてはポリカーボネート樹脂が好ましい。
(第2信号記録層)
第2信号記録層106は、前述した第1信号記録層102に用いる材料と同じでも良いし異なっていてもよい。第2信号記録層106を構成する材料、成膜方法等については、第1信号記録層102と同様に説明され、製膜方法としては、湿式製膜法が好ましい。第2信号記録層106の膜厚は、通常、10nm〜3μmである。
(第2反射層)
第2反射層107を構成する材料、成膜方法等については、第1反射層103と同様に説明される。第2反射層107の厚さは、通常、20nm〜400nmである。また、第2反射層107の上下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために無機系または有機系の樹脂層、接着層を設けることもできる。
(保護層)
保護層108は、機械的安定性が高いことが好ましい。このような材料としては、第1基板101に用いうる材料と同じもの、または、紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂等が挙げられる。保護層108の厚さは0.3mm〜3mmである。
尚、本実施の形態が適用される多層光ディスク100は、上述した態様に限定されるものではなく、必要に応じて他の層を適宜設けることができ、また、記録層を設けない態様にも適用することができる。
次に、本実施の形態が適用される多層光ディスクの製造方法を説明する。
図2は、多層光ディスクの製造方法を説明する図である。図2(a)に示すように、表面に凹凸形状の溝及びランド、プリピットにより信号記録面が形成されたポリカーボネート製の基板101を、ニッケル製スタンパ等を用いて射出成形等により作製する。次に、基板101の凹凸形状の信号記録面に第1信号記録層102を成膜する。第1信号記録層102を成膜した後、Ag合金等をスパッタまたは蒸着することにより、第1信号記録層102上に第1反射層103を成膜する。
続いて、図2(b)に示すように、第1反射層103上にポリカーボネート樹脂等の光透過性の熱可塑性樹脂を接着剤により貼着し、透明フィルム層104を形成する。続いて、透明フィルム層104の表面に、フェノキシエチルアクリレート等の、透明フィルム層104を構成するポリカーボネート樹脂に対して溶解性を有する重合性樹脂モノマーを、スピンコート法により塗布する。透明フィルム層104の表面に塗布されたフェノキシエチルアクリレート等の重合性樹脂モノマーは、透明フィルム層104に浸透し、透明フィルム層104の表面近傍は軟化する。
次に、図2(c)に示すように、軟化した透明フィルム層104上に、第2の信号記録面に対応する凹凸形状を有するニッケルスタンパ110を載置し、所定時間、ニッケルスタンパ110を加熱圧着して、透明フィルム層104上に凹凸形状を転写させる。ニッケルスタンパ110を加熱圧着することにより、透明フィルム層104に浸透したフェノキシエチルアクリレート等の重合性樹脂モノマーの重合反応が進行し、硬化された重合性樹脂含浸層105が形成される。ニッケルスタンパ110を加熱圧着する条件は特に限定されないが、ニッケルスタンパ110により軟化した透明フィルム層104は、通常、5kg/cm〜30kg/cmの範囲で加圧され、また、80℃〜200℃の範囲で加熱される。尚、ニッケルスタンパ110により軟化した透明フィルム層104を加熱圧着する温度は、基板101を構成する材料のガラス転移温度より低い温度であることが好ましく、透明フィルム層104を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも低い温度であることがより好ましい。加熱圧着する温度が過度に高いと、基板101に変形が生じ、第1反射層103に割れが発生するおそれがある。
続いて、図2(d)に示すように、第2の信号記録面である信号パターンが転写されると共に、硬化された重合性樹脂含浸層105が表面近傍に形成された透明フィルム層104上に第2信号記録層106を成膜する。次に、図2(e)示すように、Ag合金等をスパッタ蒸着することにより第2信号記録層106上に第2反射層107を成膜する。その後、図2(f)に示すように、保護層108を、接着剤を用いて第2反射層107に貼り合わせて多層光ディスク100の製造が完了する。
尚、信号記録層をさらに積層する場合は、所望の層数になるまで(b)から(f)の工程を繰り返せばよい。
以下に実施例に基づき、本実施の形態をさらに具体的に説明する。尚、本実施の形態は、実施例に限定されない。
(実施例)
直径80mm、厚さ1.2mmの、第1の信号記録面の凹凸形状を有するポリカーボネート樹脂製の基板上に、厚さ300nmのアルミニウムからなる第1反射層を形成し、次に、第1反射層の表面に、厚さ30μmのポリカーボネート製の透明フィルムを紫外線硬化性接着剤で貼付し、透明フィルム層を形成した。尚、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は130℃である。
続いて、透明フィルム層の表面に、フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学製:POA)に重合開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア184)2重量%配合したものを、1000rpmでスピンコートにより塗布し、透明フィルム層の表面近傍を軟化させた。次に、透明フィルム層上に、CD−R用のニッケルスタンパを載置し、荷重20kg/cm(荷重負荷時間10秒)、温度100℃〜110℃で加熱圧着し、フェノキシエチルアクリレートを重合しつつ、ニッケルスタンパの凹凸形状を透明フィルム層に転写し、第2の信号記録面を形成した。
転写された凹凸形状の幅を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、ニッケルスタンパの凹凸形状が良好に転写され、また、第1反射層には異常が観察されなかった。
続いて、第2の信号記録面が形成された透明フィルム層に紫外線(メタルハライドランプ)を照射してフェノキシエチルアクリレートをさらに反応させた後、アルミ膜からなる第2反射層を形成し、この第2反射層上に、同様にポリカーボネート樹脂の透明フィルムを積層し、フェノキシエチルアクリレートを塗布した後、ニッケルスタンパを加熱圧着して凹凸形状を転写したところ、この第2反射層にもクラックが発生せず多層化が可能であることが確認できた。
(比較例)
フェノキシエチルアクリレートを塗布しないことを除き、他の条件は実施例と同様にして、透明フィルム層上にニッケルスタンパを載置した後、加熱圧着したところ、第1反射層にクラックが生じた。
本実施の形態が適用される多層光ディスクを説明する図である。 多層光ディスクの製造方法を説明する図である。
符号の説明
100…多層光ディスク、101…基板、102…第1信号記録層、103…第1反射層、104…透明フィルム層、105…重合性樹脂含浸層、106…第2信号記録層、107…第2反射層、108…保護層、109…レーザ光、110…ニッケルスタンパ

Claims (6)

  1. 凹凸形状の信号記録面を有する基板上に透明フィルムを積層する工程と、
    積層された前記透明フィルム上に、当該透明フィルムに対して溶解性を有する重合性樹脂モノマーを塗布し、当該透明フィルムの表面付近に当該重合性樹脂モノマーを浸透させ、当該透明フィルムの表面近傍を軟化させる工程と、
    軟化した前記透明フィルムに、前記信号記録面と凹凸形状の異なる他の信号記録面に対応する凹凸形状を有するスタンパを加熱圧着して、前記重合性樹脂モノマーを重合しつつ、当該透明フィルムに前記他の信号記録面を形成する工程と、
    を有することを特徴とする多層光ディスクの製造方法。
  2. 前記重合性樹脂モノマーが、分子構造中にフェノキシ基を有するアクリレートであることを特徴とする請求項1記載の多層光ディスクの製造方法。
  3. 前記透明フィルムがポリカーボネート樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の多層光ディスクの製造方法。
  4. 前記加熱圧着の温度が、前記基板の材料及び前記透明フィルムの材料のガラス転移温度より低い温度であることを特徴とする請求項1記載の多層光ディスクの製造方法。
  5. 前記凹凸形状の前記信号記録面を有する前記基板上に接着剤により前記透明フィルムを貼着することにより、当該基板上に当該透明フィルムを積層することを特徴とする請求項1記載の多層光ディスクの製造方法。
  6. 凹凸形状の信号記録面を有する基板と、
    前記基板に積層され、前記信号記録面と凹凸形状の異なる他の信号記録面を有すると共に、当該他の信号記録面の表層にフェノキシ基含有アクリレートモノマーの重合体からなる重合性樹脂含浸層を有するポリカーボネート樹脂からなる透明フィルム層と、を備える
    ことを特徴とする多層光ディスク。
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