JP2007294076A - 光記録媒体の製造方法及び光記録媒体の製造装置 - Google Patents

光記録媒体の製造方法及び光記録媒体の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】凹凸形状の中間層を有する光記録媒体を製造する際、スタンパと転写層との剥離が良好な光記録媒体の製造方法を提供すること。
【解決手段】基板1上に記録再生機能層2と下中間層3とを順に積層した第1記録媒体100を形成し、一方、凹凸形状を有するスタンパ4表面に塗布した紫外線硬化性樹脂の膜を半硬化後さらに低酸素濃度雰囲気下で硬化した転写層6を有する転写層積層スタンパ200を形成し、続いて、下中間層3と転写層6とが相対するように第1記録媒体100と転写層積層スタンパ200とを接合した後、スタンパ4を剥離する光記録媒体の製造方法。
【選択図】図1−2

Description

本発明は、光記録媒体の製造方法等に関する。詳しくは、記録再生機能層が設けられた光記録媒体を製造する方法等に関する。
近年、CD−R、CD−RW、DVD−R、書き換え型DVD等の光記録媒体(以下「光ディスク」という場合がある。)の更なる高記録密度化が要求されている。
この光ディスクの容量を大きくするための手段として、記録層を2層以上設ける方法がある。記録層を2層以上設ける場合、記録層と記録層との間に中間層を設けるのが通常である。
一方、基板上に設けられた反射層の上、又は、反射層及び記録層の上に、0.1mmの厚さを有するカバー層を備えた、次世代の高密度光ディスクも実用化されている(ブルーレイディスク(Blu−ray Disk)、UDO(Ultra−Density Optical)等)。これらの高密度光ディスクでは、青紫色のレーザ光を高いNA(開口数、例えば0.85)を有する対物レンズにより集光し、この集光したレーザ光を上記カバー層側から照射することにより、情報信号の記録及び/又は再生が行なわれる(このような光ディスクは、膜面入射型の光ディスクと呼ばれている)。これらの膜面入射型の光ディスクでも、記録層を2層以上設け、光ディスクの更なる記録密度の向上が試みられているが、この場合においても、異なる記録層と記録層の間に中間層を設けるのが通常である。
中間層に関する技術を紹介する文献として、特許文献1がある。
同文献においては、樹脂スタンパ101の案内溝に形成した樹脂材料A104(硬化後の樹脂材料Aは、同文献の図3で204と表されている。)を硬化させている。そして、樹脂材料A204を積層した樹脂スタンパと第1の基盤111を、シート状粘着材である樹脂材料B105で貼り合わせている。その後、樹脂スタンパを剥離している。そして、樹脂材料Aにはスタンパとの接着力が弱いものが好ましく、樹脂材料Aとの剥離しやすさを考慮して、スタンパに離型を良好にする処理を施しても良い旨が記載されている。
特開2003−203402号公報(段落[0020]〜[0027]、図3、図5)
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の方法では、スタンパ(より具体的には、樹脂スタンパ)と樹脂材料A(転写層)との剥離が良好にできない場合があることが判明した。特に、スタンパにポリカーボネートのような極性の高い材料(転写層との接着力が大きくなる材料)を用いると、良好な剥離が行いにくくなることが判明した。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、凹凸形状を有する中間層を備えた光記録媒体を製造する際に、スタンパと転写層との剥離を良好に行うことができる光記録媒体の製造方法及び製造装置を提供することである。
上記実情に鑑み、本発明者が鋭意検討した結果、スタンパ上に形成された紫外線硬化性樹脂の膜の硬化方法を工夫することにより、スタンパと転写層との剥離を良好にできることを見出した。具体的には、スタンパ上に形成した紫外線硬化性樹脂の膜に紫外線を照射して半硬化させた後、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜をさらに硬化させることによって転写層を形成することにより、スタンパと転写層との剥離を良好にできることを見出して、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層を備えた光記録媒体の製造方法であって、基板を有する第1記録媒体を得る、第1記録媒体製造工程と、中間層の凹凸形状に対応した転写用凹凸形状を表面に有するスタンパの表面上に紫外線硬化性樹脂の膜を設け、紫外線硬化性樹脂の膜に紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜を半硬化させた後、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜をさらに硬化させることによって転写層を形成して転写層積層スタンパを得る、転写層積層スタンパ製造工程と、転写層と第1記録媒体との間に下中間層を存在させた状態で、転写層積層スタンパと第1記録媒体とを接合する、接合工程と、スタンパを転写層から剥離する、剥離工程と、を有することを特徴とする光記録媒体の製造方法にある。
ここで、第1記録媒体製造工程において、基板上に記録再生機能層を形成することにより第1記録媒体を製造し、接合工程において、転写層と記録再生機能層との間に下中間層を存在させた状態で、転写層積層スタンパと第1記録媒体とを接合することが好ましい。
また、第1記録媒体製造工程において、基板上に複数の記録再生機能層を形成することにより第1記録媒体を製造し、接合工程において、転写層と、基板から最も遠くに位置する記録再生機能層との間に下中間層を存在させた状態で、転写層積層スタンパと第1記録媒体とを接合することが好ましい。
ここで、紫外線硬化性樹脂の膜の半硬化は、酸素が存在する雰囲気下で紫外線の照射を行うことが好ましい。
また、酸素濃度を低減させた雰囲気としては、窒素雰囲気であることが好ましい。
次に、下中間層は、第1記録媒体製造工程において、第1記録媒体上に形成されることが好ましい。
また、接合工程は、減圧雰囲気下で行われることが好ましい。
ここで、接合工程において、硬化性樹脂を第1記録媒体上に塗布した後に、硬化性樹脂と転写層とを向かい合うようにして硬化性樹脂上に転写層積層スタンパを載置し、硬化性樹脂を延伸することによって下中間層を形成することが好ましい。
また、硬化性樹脂として、紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
さらに、接合工程は大気中で行われることが好ましい。
また、スタンパは、ポリカーボネート系樹脂製であることが好ましい。
また、スタンパを転写層から剥離した後、転写層上に上部記録再生機能層を形成することが好ましい。
ここで、記録再生機能層は、基板側から反射層及び記録層をこの順に設けることが好ましい。
さらに、本発明によれば、凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層を備えた光記録媒体を製造するための製造装置であって、中間層の凹凸形状に対応した転写用凹凸形状を表面に有するスタンパの表面上に紫外線硬化性樹脂の膜を設け、紫外線硬化性樹脂の膜に紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜を半硬化させる第一硬化手段と、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜をさらに硬化させることによって転写層を形成する第二硬化手段と、を有することを特徴とする光記録媒体の製造装置が提供される。
尚、紫外線硬化性樹脂の膜が半硬化しているか否かは、例えば、紫外線硬化性樹脂の膜の硬化度合いで判断することができる。具体的には、残存二重結合の割合を赤外分光光度計(IR)で測定することによっておよそ定量できる。残存二重結合の割合は、スタンパ上に設けられた紫外線硬化性樹脂の膜の表面の硬化前後における赤外分光測定を行い、硬化前後の二重結合の量の比率を算出して得ることができる。従って、例えば、半硬化している状態としては、スタンパ上に設けられた紫外線硬化性樹脂の膜の表面の、半硬化処理を行った後における硬化度(硬化前後の二重結合の量の比率)が50%以下という場合を挙げることができる。
一方、紫外線硬化性樹脂の膜が半硬化しているか否かを定性的に判断する方法の一つとして、半硬化処理を行った後において、スタンパ上に設けられた紫外線硬化性樹脂の膜の表面が粘性を持つ状態を挙げることができる。具体的には、半硬化処理を行った後において、スタンパ上に設けられた紫外線硬化性樹脂の膜の表面を指で触った場合に、べとつくような状態を挙げることができる。
また、酸素濃度が低減された雰囲気下とは、具体的には、酸素濃度が5%以下の雰囲気をいう。
本発明によれば、スタンパと転写層との剥離性が改良された生産効率の高い製造方法が提供される。
以下、本発明をブルーレイディスク等の、膜面入射型の媒体構成を中心に詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々に変更して実施することができる。
I.製造方法
凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層を備えた光記録媒体の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)基板を有する第1記録媒体を得る、第1記録媒体製造工程。
(2)中間層の凹凸形状に対応した転写用凹凸形状を表面に有するスタンパの表面上に紫外線硬化性樹脂の膜を設け、紫外線硬化性樹脂の膜に紫外線を照射してこの紫外線硬化性樹脂の膜を半硬化させた後、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射して上記紫外線硬化性樹脂の膜をさらに硬化させることによって転写層を形成して転写層積層スタンパを得る、転写層積層スタンパ製造工程。
(3)転写層と第1記録媒体との間に下中間層を存在させた状態で、転写層積層スタンパと第1記録媒体とを接合する、接合工程。
(4)スタンパを転写層から剥離する、剥離工程。
また、本発明においては、上記(1)の第1記録媒体製造工程で得る第1記録媒体として、下記3つの態様を考えることができる。
(i)基板のみの態様
(ii)基板上に記録再生機能層を有する態様(記録再生機能層を1層とする態様)
(iii)基板上に複数の記録再生機能層を有する態様
これらのうち、(i)の態様においては、基板上に凹凸形状を有する中間層が形成されることになるので、予め基板上に凹凸形状を設けなくてもよい。一方、(ii)及び(iii)の態様においては、基板上に1又は複数の記録再生機能層が設けられることになるので、基板の表面に予め凹凸形状を設けておくことが好ましい。
なお、上記(i)、(ii)、(iii)のいずれの態様においても、中間層の形成は基本的に同じ方法を用いることになる。そこで、まず上記(ii)の態様を用いて、本発明に用いられる光記録媒体の製造方法について具体的な説明を行う。その後、上記(i)、(iii)の態様を第1記録媒体に用いる場合について説明する。
I−1.1層の記録再生機能層を有する第1記録媒体を用いる場合
本実施の形態においては、第1記録媒体として、基板上に記録再生機能層が形成されたものを用いる。このような第1記録媒体を用いて凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層を備えた光記録媒体を得る場合、下中間層をどの段階で存在させるかによって、下記2つの製造方法に分けることができる。第1の製造方法は、下中間層を第1記録媒体製造工程において形成する場合である。また、第2の製造方法は、接合工程において下中間層を形成する場合である。以下に、それぞれの製造方法について詳細に説明する。
A.第1の製造方法
本実施の形態では、第1記録媒体製造工程において、下中間層が記録再生機能層上に形成される。
図1−1及び図1−2は、本実施の形態が適用される光記録媒体の製造方法の好ましい一例を説明するための模式的断面図である。具体的には、図1−1及び図1−2には、上記(1)〜(4)の各工程のうち、図1−1(a)が上記工程(1)に、図1−1(b)が上記工程(2)にそれぞれ対応する一例が示されている。また、図1−1に続き、図1−2には、図1−2(c)が上記工程(3)に、及び図1−2(d)が上記工程(4)にそれぞれ対応している。尚、通常、光記録媒体は円盤形状を有し、中心にセンターホールが形成されているが、図1−1及び図1−2ではセンターホールの記載を省略している。同様に、通常、スタンパは円盤形状を有し、中心にセンターホールが形成されているが、図1−1及び図1−2ではセンターホールの記載を省略している。
各図面の概略を説明する。
図1−1(a)には、表面に凹凸形状を有する基板1上に記録再生機能層2を有する第1記録媒体100が示されている。そして、第1記録媒体100上に下中間層3が形成されている。
図1−1(b)には、表面に紫外線硬化性樹脂の膜5が設けられたスタンパ4に、紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜5を半硬化させる工程(b−1)と、酸素濃度を低減させた雰囲気の一例として窒素パージ雰囲気(N gas purge type atmosphere)下で紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜5をさらに硬化させて転写層6を得る工程(b−2)と、が示されている。これら工程を経て転写層積層スタンパ200が形成される。
図1−2(c)には、転写層6と第1記録媒体100(記録再生機能層2)との間に下中間層3を存在させた状態で、転写層積層スタンパ200と第1記録媒体100とを接合する、接合工程が示されている。具体的には、転写層積層スタンパ200を、転写層6と下中間層3とが向き合うようにして下中間層3上に載置する工程(c−1)と、下中間層3と転写層6とを接着する工程(c−2)とが示されている。
図1−2(d)には、スタンパ4を転写層6から剥離する、剥離工程が示されている。スタンパ4の剥離により、中間層7が形成される。
尚、各図面において共通の構成要素については同一の符号を用いて表わしている。以下、図1−1及び図1−2を参照しながら、上記各工程についてさらに詳細に説明する。
(1)第1記録媒体100を得る工程
図1−1(a)は、第1記録媒体100の概要を説明するための図である。図1−1(a)に示すように、第1記録媒体100は、基板1上に記録再生機能層2を形成することによって得られる。そして、第1記録媒体100上に、下中間層3をさらに設ける。
〔1.基板〕
基板1の材料としては、適度な加工性と剛性を有するプラスチック、金属、ガラス等を用いることができる。基板面入射型の構成の場合には、通常、記録・再生用のレーザー光に対して透明性が求められることとなる。一方、膜面入射型の構成の場合には、記録・再生用のレーザー光に対して透明性や複屈折に対する制限がなくなる。また、その表面に案内溝を形成する場合には、以下のようにすればよい。具体的には、金属やガラスを基板の材料として用いる場合には、通常、その表面に光硬化性や熱硬化性の薄い樹脂層を設け、そこに溝を形成する。この点、プラスチック材料を用い、射出成型によって、基板1の形状と表面の案内溝を一挙に形成することが、製造上は好ましい。
射出成型できるプラスチック材料としては、従来CDやDVDで用いられているポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
基板1の厚みは、特に制限されないが、通常0.5mm以上、1.2mm以下の範囲とするのが好ましい。
基板1には、通常、トラッキング用の案内溝が形成されている(例えば、図1−1(a)の拡大図参照)。トラッキング用の案内溝は、通常、同心円状又はスパイラル状の溝として基板1上に設けられる。案内溝のトラックピッチは、光記録媒体の記録再生に用いるレーザー光の波長によって異なる。具体的には、CD系の光記録媒体では、トラックピッチは通常1.5μm以上、1.6μm以下である。DVD系の光記録媒体では、トラックピッチは通常0.7μm以上、0.8μm以下、である。青色レーザー用の光記録媒体では、トラックピッチは通常0.1μm以上、0.6μm以下である。
一方、溝の深さも光記録媒体の記録再生に用いるレーザー光の波長によって異なる。具体的には、CD系の光記録媒体では、溝深さは通常10nm以上、300nm以下である。DVD系の光記録媒体では、溝深さは通常10nm以上、200nm以下である。青色レーザー用の光記録媒体では、溝深さは通常10nm以上、200nm以下である。
尚、図1−1(a)には図示していないが、基板1としては、一般的に、中心にセンターホールを有する環形状のものを用いる。環形状は特に制限されず、円盤形状、楕円形状、多角形等、様々な形状を考えることができる。但し、基板1は通常、円盤形状とする。この場合、基板1の直径を80mm又は120mm程度とするのが通常である。
〔2.記録再生機能層〕
先ず、図1−1(a)に示すように、上述の基板1上に、光により記録又は再生が可能な記録再生機能層2を形成する。
記録再生機能層2は、情報信号を記録再生可能又は再生可能となるように構成された層であり、単層であっても複数の層からなってもよい。記録再生機能層2は、光記録媒体が、再生専用の媒体(ROM媒体)である場合と、一度の記録のみ可能な追記型の媒体(Write Once媒体)である場合と、記録消去を繰り返し行なえる書き換え可能型の媒体(Rewritable媒体)である場合とによって、それぞれの目的に応じた層構成を採用することができる。また、記録再生機能層2は、記録・再生用のレーザー光の入射方向によって、基板面入射型と膜面入射型とに分けることができる。本発明においては、青色レーザーの使用と高密度記録との観点から、膜面入射型の記録再生機能層2を用いることが好ましい。このため、以下の説明においては、記録再生機能層2の一例として、膜面入射型の構成を用いる場合について説明する。
(再生専用媒体の例)
再生専用の媒体においては、記録再生機能層2は、通常、同心円又はスパイラル状に設けられたプリピットを有する基板上に設けられた反射層をいう。反射層の材料としては通常、Al、Ag、Au等の金属又は合金が用いられる。記録再生機能層2は、スパッタ法によりAl、Ag、Au反射層を基板上に成膜して反射層を形成することにより得られる。
(追記型の媒体の例1)
追記型の媒体で膜面入射型の媒体においては、記録再生機能層2は、通常、基板上に設けた、少なくとも記録層を有する単層又は多層構造を指す。具体的には、通常、反射層及び記録層がこの順に設けられている。さらに、記録層の上下の少なくとも一方に無機材料(例えば、金属もしくは半導体の酸化物、窒化物、炭化物;又はこれらの混合物;さらにはZnSとSiOとの混合物等)で形成されるバッファー層を設けてもよい。この場合
、反射層、記録層、及びバッファー層が記録再生機能層2となる。
反射層の材料としては、通常、Al、Ag、Au等の金属又は合金が用いられる。反射層の形成方法は、再生専用の媒体と同様とすればよい。また、バッファー層は、通常スパッタ法によって形成される。
上記追記型の媒体における記録層の材料としては、通常、有機色素が用いられる。このような有機色素としては、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素など)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素など)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素などが挙げられる。特に含金属アゾ系色素は、耐久性に優れる傾向にあるため好ましい。
有機色素により記録層を形成する場合は、通常、記録層は、有機色素を適当な溶媒に溶解した溶液によるスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート等の塗布方法で形成される。この際、溶媒としては、通常、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ溶媒、テトロフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール等のパーフルオロアルキルアルコール溶媒、乳酸メチル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシエチル溶媒が使用される。
記録層の厚さは、記録方法等により適した膜厚が異なるため、特に限定されないが、十分な変調度を得るために、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、特に好ましくは10nm以上である。但し、光を透過させるという観点から、記録層の厚さは、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは100nm以下である。
(追記型の媒体の例2)
追記型の媒体で膜面入射型の媒体における他の具体例においては、記録再生機能層2は、通常、基板上に設けられた、反射層、誘電体層、記録層、及び誘電体層を指す。
反射層の材料としては、通常、Al、Ag、Au等の金属又は合金が用いられる。反射層の形成方法は、再生専用の媒体と同様とすればよい。
誘電体層の材料としては、通常、無機材料(代表的には、ZnS/SiOやGeCrN)が用いられる。誘電体層の膜厚は、通常0.5nm以上、また、通常50nm以下とする。誘電体層は、必要に応じて、異なる無機材料を複数層積層して形成してもよい(例えば、ZnS/SiO層及びGeCrN層の積層構造としてもよい)。誘電体層は、通常、スパッタリングすることによって形成される。
記録層は、通常、無機材料の膜(例えば、Ge・Te、Ge・Sb・Teの様なカルコゲン系合金膜、Si/Ge、Al/Sbなどの2層膜、BiGeN、SnNbNなどの(部分)窒化膜、TeOx、BiFOxなどの(部分)酸化膜)が用いられる。記録層の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは2nm以上とする。また、記録層の膜厚は通常50nm以下、好ましくは20nm以下とされる。記録層は、通常、スパッタリングによって形成される。
(書き換え可能型の媒体の例1)
書き換え可能型の媒体で膜面入射型の媒体においては、記録再生機能層2は、通常、基板上に設けられた、反射層、誘電体層、記録層、及び誘電体層を指す。
反射層、誘電体層、及び記録層としては、上記「追記型の媒体の例2」と同様にすればよい。但し、記録層は、記録・消去を可逆的に行えるような材料とする必要がある。このような材料としては、例えば、SbTe系、GeTe系、GeSbTe系、InSbTe系、AgSbTe系、AgInSbTe系、GeSb系、GeSbSn系、InGeSbTe系、InGeSbSnTe系等の材料が挙げられる。
(書き換え可能型の媒体の例2)
書き換え可能型の媒体としての他の具体例として、光磁気記録媒体(MOディスク)を挙げることもできる。
〔3.下中間層〕
次いで、図1−1(a)に示すように、上述の第1記録媒体100(記録再生機能層2)上に、下中間層3を形成する。本発明における下中間層3とは、「層」の形態となっているものを指す。例えば、下中間層3が液体状又は粘性体(viscous)状の樹脂材料で形成されるときは、この樹脂材料が乾燥又は硬化しているか否かに関わらず、「層」の形態を有していれば「下中間層3」となる。
尚、記録再生機能層2と下中間層3との間に、必要に応じて他の層を存在させてもよいことはいうまでもない。
下中間層3に用いる材料は、特に制限はない。工業的には、樹脂材料が用いられるのが通常である。樹脂材料としては、より具体的には、硬化性樹脂を挙げることができる。硬化性樹脂としては、例えば、放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂がある。これら材料の中で、工業的に好ましいのは、放射線硬化性樹脂である。放射線硬化性樹脂としては、電子線や紫外線の照射で硬化する材料を挙げることができるが、工業生産性を考慮すると、紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
下中間層3は、一般的に以下の3つの性質を有することが望まれる。
第一に、記録再生機能層2に入射するレーザー光に対して光透過性を有するようにするために、上記レーザー光に対して十分な透明性を確保できる材料を用いることが好ましい。ここで、本実施の形態が適用される光記録媒体において、「光透過性(又は透明)」とは、記録再生機能層2に照射されるレーザー光の波長に対して十分な透過性を有することを意味する。「光透過性(又は透明)」とは、具体的には、記録・再生のための光の波長(例えば、405nm)に対して、通常70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の透過性があることをいう。尚、光透過性の上限は、理想的には100%である。
第二に、光記録媒体全体の反りを抑制するために、柔らかい又は収縮率が小さい材料を用いることが好ましい。後述するように、転写性や転写層上に形成される記録再生機能層の記録特性を良好にするために、転写層に用いる紫外線硬化性樹脂として、収縮率の大きい材料を用いる場合がある。この場合においては、光記録媒体全体が反りやすくなる傾向になる。従って、下中間層3に、常温での弾性率が小さい樹脂(やわらかい性質を有する樹脂)や、収縮率の小さい樹脂を用いることが好ましい。
より具体的には、光記録媒体全体の反りをより良好に抑えるために、下中間層3に用いる樹脂は、常温での弾性率が小さくかつ収縮率の小さい樹脂を用いることが好ましい。
上記観点から、下中間層3に用いる樹脂の30℃における弾性率は、通常1500MPa以下、好ましくは1300MPa以下、より好ましくは700MPa以下、さらに好ましくは680MPa以下、特に好ましくは650MPa以下とする。30℃における弾性率を上記範囲とすれば、下中間層3を形成する際に発生することがある基板1の反りを効果的に抑制することができる。
一方、下中間層3に用いる樹脂の30℃における弾性率は、現実的には、40MPa以上となる。尚、弾性率とは、一般的な動的粘弾性測定機にて測定された動的弾性率である。
また、下中間層3に用いる樹脂の収縮率は、通常4%以下、好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは3%以下とする。下中間層3に用いる樹脂の収縮率を上記範囲とすれば、基板1の反りを効果的に抑制することができる。但し、収縮率は、理想的には0%である。ここで、収縮率とは、比重法により測定した収縮率である。また、収縮率は、JISのK71126.1等に従って測定することもできる。
第三に、転写層6(詳細は後述する。)との密着性を確保するために十分な接着性を有する材料を下中間層3に用いることも好ましい。転写層6と密着性を確保する観点からは、転写層6及び下中間層3に用いる材料の種類を揃える(具体的には紫外線硬化性樹脂とする)、下中間層3の表面に接着層を設ける等の手法を用いることができる。
また、図1−1(a)には図示していないが、本実施の形態において、下中間層3は単層構造であっても、複数層を積層した構造であってもよい。複数層を積層した構造として、それぞれの層に用いる樹脂の種類を適宜制御することにより、下中間層3全体の弾性率や収縮率を精密に制御して、基板1の反りをより低減しやすくなる利点が発揮される。
下中間層3を構成する樹脂層の数は、特に限定されない。基板1の反りを良好に抑制するためには、樹脂層の数は、通常10層以下、好ましくは5層以下、より好ましくは4層以下とする。一方、樹脂層の数は、1層以上とする。但し、生産効率の観点からは、下中間層3を構成する樹脂層の数は、1層以上、5層以下とすることが好ましい。生産効率の観点から特に好ましいのは、下中間層3を1層構造とすることである。
下中間層3の膜厚は、特に制限されず、用いられる光記録媒体の種類に応じて所定の範囲を適宜用いればよい。例えば、中間層7の膜厚は、通常15μm以上、好ましくは20μm以上とする。一方、中間層7の膜厚は、通常80μm以下、好ましくは70μm以下とする。より具体的には、青色レーザーを用いたブルー・レイ・ディスク(Blu−ray disk)の場合、中間層7の膜厚は、好ましくは、20μm以上、30μm以下とされる。DVD−R、書き換え型DVDの場合は、中間層7の膜厚は、好ましくは、40μm以上、70μm以下である。そして、一般的には、後述する転写層6の膜厚を0μmより大きく、20μm以下とするので、下中間層3の膜厚は、中間層7の膜厚から転写層6の膜厚を引いた残りの厚さになる。
以下に、下中間層3に樹脂材料を用いる場合について説明する。樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂(遅延硬化型を含む)等を挙げることができる。材料は、上記樹脂から適宜選択すればよい。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は、通常、適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。その後、この塗布液を塗布し、乾燥(加熱)することによって、下中間層3を形成することができる。
紫外線硬化性樹脂は、通常、そのまま若しくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。その後、この塗布液を塗布し、紫外光を照射して硬化させることによって、下中間層3を形成することができる。
上記材料は単独または混合して用いても良い。
塗布方法としては、スピンコート法やキャスト法等の塗布法等の方法が用いられ、この中でもスピンコート法が好ましい。高粘度の樹脂を用いた下中間層3は、スクリーン印刷等によっても塗布形成できる。紫外線硬化性樹脂は、20℃〜40℃において液状であるものを用いると、生産性の観点から、溶媒を用いることなく塗布しやすくなるので好ましい。また、塗布液の粘度は20MPa・s〜1500MPa・sとなるように調製するのが好ましい。より好ましくは、塗布液の粘度を1000MPa・s以下とすることである。
尚、図1−1(a)では図示を省略しているが、基板1が円盤形状を有し、中心にセンターホールが形成されている場合にスピンコート法を用いて下中間層3を形成する場合には、以下の方法を用いて下中間層3を形成することが好ましい。つまり、センターホールの外径よりも大きい所定の半径位置において、粘性を有する樹脂をリング状に滴下(dispence)することにより塗布する。そして、その後スピンコートを行うことが好ましいのである。
樹脂材料としては紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化性樹脂は、透明度が高く、硬化時間が短く製造上有利な点で好ましい。紫外線硬化性樹脂としては、ラジカル系紫外線硬化性樹脂とカチオン系紫外線硬化性樹脂とが挙げられ、いずれも使用することができる。
カチオン系紫外線硬化性樹脂は、収縮率が小さい性質を有するので、光記録媒体の反りを低減するために用いることが好ましい。以下、ラジカル系紫外線硬化性樹脂及びカチオン系紫外線硬化性樹脂について説明する。
ラジカル系紫外線硬化性樹脂は、紫外線硬化性化合物と光重合開始剤を含む組成物が用いられる。紫外線硬化性化合物としては、単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを重合性モノマー成分として用いることができる。これらは、各々、単独または2種類以上併用して用いることができる。ここで、アクリレートとメタアクリレートとを併せて(メタ)アクリレートと称する。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、置換基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては例えば、1、3−ブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1、8−オクタンジオール、1、9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、これらの重合性モノマーと同時に併用できるものとしては、重合性オリゴマーとして、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更に、ラジカル系紫外線硬化性樹脂には、通常、光重合開始剤を配合する。光重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが好ましい。このような光重合開始剤として、分子開裂型としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2、4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2、4、4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
さらに、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良い。水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤とともに、増感剤を併用することができる。増感剤としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N、N−ジメチルベンジルアミン及び4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
カチオン系紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン重合型の光重合開始剤を含むエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA−エピクロールヒドリン型、脂環式エポキシ、長鎖脂肪族型、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型、グリシジルエーテル型、複素環式系等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、遊離した塩素及び塩素イオン含有率が少ないものを用いるのが好ましい。塩素の量は、1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5重量%以下である。
カチオン重合型の光重合開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられる。ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェード、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
さらに、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
カチオン型紫外線硬化性樹脂100重量部当たりの光重合型開始剤の割合は、通常、0.1重量部〜20重量部であり、好ましくは0.2重量部〜5重量部である。尚、紫外線光源の波長域の近紫外領域や可視領域の波長をより有効に利用するため、公知の光増感剤を併用することができる。この際の光増感剤としては、例えばアントラセン、フェノチアジン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、アセトフェノン等が挙げられる。
また、紫外線硬化性樹脂には、必要に応じてさらにその他の添加剤として、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ホスファイト等に代表される酸化防止剤、可塑剤、及びエポキシシラン、メルカプトシラン、(メタ)アクリルシラン等に代表されるシランカップリング剤等を、各種特性を改良する目的で配合することもできる。これらは、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れたもの、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いる。
(2)転写層積層スタンパ200を得る工程
本実施の形態においては、スタンパ4の表面上に転写層6を形成して転写層積層スタンパ200を得る。具体的には、スタンパ4上に紫外線硬化性樹脂の膜5を設け、紫外線硬化性樹脂の膜5に紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜5を半硬化させた後、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜5をさらに硬化させることによって転写層6を形成する。この工程について、図1−1(b)を参照しながら説明する。尚、図1−1(b)では、紫外線照射により硬化する前の膜を紫外線硬化性樹脂の膜5と呼び、紫外線照射により硬化した後の膜を転写層6と呼んでいる。転写層6には、記録再生機能層2に入射するレーザー光に対して光透過性を有するようにするために、上記レーザー光に対して十分な透明性を確保できる材料を用いることが好ましい。ここで、本実施の形態において、「光透過性(又は透明)」とは、記録再生機能層2に照射されるレーザー光の波長に対して十分な透過性を有することを意味する。「光透過性(又は透明)」とは、具体的には、記録・再生のための光の波長(例えば、405nm)に対して、通常70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の透過性があることをいう。尚、光透過性の上限は、理想的には100%である。
先ず、図1−1(b)(b−1)に示すように、表面に紫外線硬化性樹脂の膜5が設けられたスタンパ4に、紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜5を半硬化させる。
[1.スタンパ4]
スタンパ4は、中間層7に形成されることになる凹凸の形状(凹凸形状)に対応した形状(転写用凹凸形状)の凹凸(転写用凹凸)を表面に有する。
スタンパ4の材料としては、光記録媒体の製造コストを考慮して、通常、樹脂が用いられる。また、スタンパ4側から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜5を硬化させる場合等を考慮して、スタンパ4は光に対して十分な光透過性を有することが好ましい。具体的には、波長400nmにおいて、透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率の上限は、理想的には100%である。
スタンパ4を樹脂で形成する場合、用いる樹脂として様々な材料を挙げることができる。例えば、通常の光ディスクの基板として用いられるポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂をそのまま用いることができる。他には、スタンパ4と転写層6との剥離性を確保するために、スタンパ4の材料としてポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂を用いて、スタンパ4の表面エネルギーを低減することが行われる。このような、表面エネルギ
ーが低減されたスタンパ4として実際に実用化されているのは、非晶質環状ポリオレフィン樹脂(例えば、ゼオネックス(ZEONEX:登録商標)およびゼオノア(ZEONOR:登録商標)である(いずれも日本ゼオン株式会社製)。
非晶質環状ポリオレフィンは、良好な剥離性を有し工業的に優れた材料である。しかしながら、非晶質環状ポリオレフィンは、特殊な材料ゆえ高価であるために、スタンパ4のコストが増大する傾向になる。そして、樹脂製のスタンパ4は、通常使い捨てとされるために、光記録媒体全体に占めるスタンパ4のコスト負担が大きくなるのが実情である。このため、できるだけ安価な樹脂を用いることが好ましい。一般的には、コストの観点からポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂を用いることが好ましく、剥離性の観点からポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂を用いることが好ましい。
ところで、本発明においては、転写層6を得るにあたり、先ず紫外線硬化性樹脂の膜5を半硬化させる。そして、その後さらに紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜5の硬化を進めることにより転写層6を得る。本発明者の検討によれば、上記のように、紫外線硬化性樹脂の膜5の半硬化の状態を一度経ることにより、転写層6とスタンパ4との剥離性が良好となることが分かった。この理由は明らかではないが、以下のような現象が起きるためではないかと推測される。
つまり、紫外線を強く照射した場合、又はquencher(酸素分子のような、ラジカルの励起消光(quenching)する分子)が無い状態で紫外線照射を行う場合には、スタンパ4と紫外線硬化性樹脂の膜5との界面近傍で、反応開始剤からのラジカルと未反応樹脂とが高濃度に共存する状態になると考えられる。このような場合に、樹脂製のスタンパ4を用いると、紫外線硬化性樹脂の膜5における重合以外にも、スタンパ4と紫外線硬化性樹脂の膜5との間にも化学結合が生成して架橋する部分が発生すると推測される。そして、この結果、透明スタンパと硬化樹脂との剥離性が悪化するのではないかと考えられる。特に、極性の高い材料(例えば、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂)をスタンパ4の材料として用いると、スタンパ4と紫外線硬化性樹脂の膜5との界面における上記化学結合はより発生しやすくなると考えられる。
従って、紫外線を強く照射する操作、又は、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射する等の急速な硬化を行う操作、に先立ち、紫外線硬化性樹脂の膜5を緩く硬化(半硬化)させることによって、スタンパ4と紫外線硬化性樹脂の膜5との反応が抑制されるのではないかと考えられる。この結果、スタンパ4及び紫外線硬化性樹脂の膜5の界面における、スタンパ4及び紫外線硬化性樹脂の膜5それぞれの表面性が比較的安定な状態になるのではないかと推測される。そして、この状態において、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂の膜5の硬化を更に進めて転写層6を得ることにより、転写層6とスタンパ4との剥離性が改善されるのではないかと推測される。
このように、本発明では紫外線硬化性樹脂の膜5の半硬化を経ることにより、スタンパ4と転写層6との剥離性を確保しやすくなる。従って、スタンパ4に用いる材料の自由度が大きく広がるという利点が発揮される。つまり、上述の通り、スタンパ4の表面エネルギーを小さくする観点から、非晶質環状ポリオレフィンがスタンパ4の材料として好ましく用いられているが、本発明においては、上記のような高機能性の樹脂に限られず、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂等の汎用で低コストの樹脂を用いることができる。
上記利点を顕著に発揮させる観点から、スタンパ4の材料としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。より好ましくは、ポリカーボネート系樹脂である。尚、スタンパ4の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
図1−1(b)には図示していないが、スタンパ4は、通常、中央部に表裏を貫通する中心孔を形成された円板形状に形成される。
尚、スタンパ4を作製する場合、その作製方法は任意である。例えば、スタンパ4を樹脂製スタンパとする場合には、スタンパ4が有する転写用凹凸形状の逆(ネガ)の凹凸パターンを有する金属製スタンパ(例えば、ニッケル製スタンパ)を用いて、射出成形等によりスタンパ4を作製することができる。
また、本実施の形態において使用されるスタンパ4の厚さは、形状安定性及びハンドリングの容易さの点で、通常0.3mm以上とするのが望ましい。但し、厚さは、通常5mm以下である。スタンパ4の厚さがこの範囲であれば、十分な光透過性を確保しやすくなる。このため、後述するようにスタンパ4を介して紫外線を照射しても、紫外線硬化性樹脂等を効率よく硬化させることが可能であり、生産性を向上させやすくなる。
[2.紫外線硬化性樹脂の膜5]
紫外線硬化性樹脂の膜5は、通常以下のようにして形成される。すなわち、紫外線硬化性樹脂の膜5は、必要に応じて添加剤(例えば、光重合開始剤、増感剤等の添加剤)や溶媒と共に、スタンパ4の転写用凹凸形状を有する面に塗布することによって形成される。塗布の方法は、特に制限はされないが、均一な膜厚を形成しやすい点、工業生産に適する点等の理由から、スピンコート法を用いることが一般的である。
スピンコート法を用いる場合、紫外線硬化性樹脂の組成物の粘度は、通常50MPa・s以上、350MPa・s以下とする。この粘度範囲内とすることにより、転写層6の厚みを所定の範囲内に制御しやすくなる。また、上記粘度範囲とすれば、転写層6の膜厚範囲を大きく変化させることが容易になる。具体的には、薄い転写層6(例えば5μm程度)が良好に作成しやすくなる一方で、比較的膜厚の厚い転写層6も作製しやすくなる。
尚、図1−1(b)では図示を省略しているが、スタンパが円盤形状を有し、中心にセンターホールが形成されている場合には、以下の方法を用いて紫外線硬化性樹脂の膜5を形成することが好ましい。つまり、センターホールの外径よりも大きい所定の半径位置において、紫外線硬化性樹脂をリング状に滴下(dispence)することにより塗布する。そして、その後スピンコートを行うことが好ましいのである。
紫外線硬化性樹脂の膜5に用いる紫外線硬化性樹脂としては特に制限はない。スタンパ4の転写性及び転写層6上に設けられる上部記録再生機能層(後述)の記録特性を向上させる観点から、硬化して得られる転写層6が相対的に固くなるような紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。具体的には、紫外線硬化性樹脂の150℃における弾性率を300MPa以上とすることが好ましい。これは、弾性率の高い樹脂は一般に硬い性質を有するためである。尚、弾性率とは、一般的な動的粘弾性測定機にて測定された動的弾性率である。
転写層6に用いる紫外線硬化性樹脂の150℃における弾性率は高ければ高いほど好ましい。150℃における弾性率は、好ましくは300MPa以上、より好ましくは330MPa以上、さらに好ましくは350MPa以上、さらに好ましくは500MPa以上、さらに好ましくは750MPa以上、特に好ましくは950MPa以上、最も好ましくは1000MPa以上とする。
ここで、弾性率とは、上述の通り、一般的な動的粘弾性測定機にて測定された動的弾性率である。但し、生産性の観点から、紫外線硬化性樹脂の150℃における弾性率は、通常2500MPa以下とする。
尚、150℃における弾性率が300MPa以上の場合は、一般的に、樹脂のガラス転移温度が高くなる傾向にある。具体的には、150℃における弾性率が300MPa以上の樹脂のガラス転移温度は、通常、140℃以上となる。一方、ガラス転移温度の上限は、通常、200℃となる。
また、転写層6に用いる紫外線硬化性樹脂の収縮率は、光ディスクの反りを抑制する観点からは小さいことが好ましい。ただ、上記弾性率を有する紫外線硬化性樹脂においては、収縮率は相対的に大きい値となりやすい。また、収縮率を大きくすると後述する利点が発揮されやすくなる。収縮率は、通常6%以上、好ましくは9%以上、より好ましくは9.5%以上、さらに好ましくは10%以上である。但し、収縮率は、20%以下であることが好ましい。ここで、収縮率とは、比重法により測定した収縮率である。また、収縮率は、JIS K71126.1等に従い測定することもできる。
転写層6に用いる紫外線硬化性樹脂の収縮率が6%以上の樹脂を用いて形成することにより、樹脂製のスタンパ4を用いて転写層6に記録トラック用の溝を形成する際に、スタンパ4からの剥離性が良好となりやすいので好ましい。スタンパ4の剥離性が良好な理由としては、例えば、スタンパ4の溝に入った樹脂が硬化する際に収縮し、わずかな歪又は隙間が生じることによるものと考えられる。
上記の通り、スタンパ4との剥離性を確保するために、転写層6に用いる樹脂は、所定以上の収縮率を有することが好ましい。一方で、転写層6を比較的収縮率の大きい樹脂で形成する結果、転写層6の成膜時の収縮が大きくなる傾向にある。これは、光記録媒体全体が反りやすくなることを意味する。この点については、下中間層3の材料を適宜制御して、光記録媒体全体の反りを緩和すればよい。この点については、下中間層3に用いる材料の説明の際にすでに説明した通りである。
下中間層3と転写層6とに用いる材料の好ましい組み合わせについて以下に説明する。
上述の通り、本実施形態においては、「高温(例えば、150℃)での弾性率の高い紫外線硬化性樹脂」、「収縮率の比較的大きな紫外線硬化性樹脂」を転写層6に用いることが好ましい。一方で、「常温(例えば30℃)での弾性率の小さい樹脂」、「収縮率の比較的小さな樹脂」を下中間層3に用いることが好ましい。
以下に、上記4つの性質を有する樹脂(具体的には、紫外線硬化性樹脂)を得るための具体的方法について説明する。
(高温(例えば150℃)での弾性率の高い紫外線硬化性樹脂を得る方法)
紫外線硬化性樹脂の高温の弾性率を高くするためには、硬化させて得られる架橋構造のブラウン運動が束縛されるようにすればよい。つまり、架橋密度が高くなるようにすればよい。より具体的には、アクリルモノマーを用いて紫外線硬化性樹脂を形成する場合には、例えば、以下の(a)〜(c)を行うことにより、高温での弾性率が高い紫外線硬化性樹脂を得ることができる。
(a)架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーを用いる。
(b)架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーを用いる。
(c)架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーと架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーとを組み合わせて用いる。
架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーとしては、アクリロイル基1個あたりの分子量が小さい多官能アクリルモノマー(多官能(メタ)アクリレート)を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレートとしては例えば、1、3−ブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1、8−オクタンジオール、1、9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たテトラアルコールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート(例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート又は、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトール1モルに6モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たヘキサアルコールのペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの中でも、高温での弾性率を大きくできる点から好ましいのは、以下の材料である。すなわち、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たテトラアルコールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール1モルに6モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たヘキサアルコールのペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート、等の多官応(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
高温での弾性率を大きくする点から、さらに好ましいのは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレートである。
次に、架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーとしては、剛直な環状構造を有するアクリルモノマーを挙げることができる。
このようなアクリルモノマーの具体例としては、ノルボリナンジメタノールジアクリレート、ノルボルナンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールにエチレンオキサオイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの中でも、高温での弾性率を高くできる観点から好ましいのは、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートである。
このほか、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート等を挙げることもできる。
高温での弾性率を高くできる観点から特に好ましいのは、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレートである。
架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーと架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーとを組み合わせて用いる場合には、以下のようにすればよい。すなわち、上記説明した架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーの具体的な化合物を1以上選択する。さらに、上記説明した架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーの具体的な化合物を1以上選択する。そして、これら化合物を、所望の弾性率にあわせて任意の割合で組み合わせて用いればよい。
(収縮率の比較的高い紫外線硬化性樹脂を得る方法)
紫外線硬化性樹脂の場合、収縮率とは硬化収縮率のことをいう。硬化収縮率は、硬化前の密度に対する硬化時の密度変化の割合である。このため、収縮率を大きくするためには、硬化時の密度変化が大きくなるようにすればよい。具体的には、アクリルモノマーを用いて紫外線硬化性樹脂を形成する場合には、アクリロイル基の密度が高くなるようにすればよい。換言すれば、架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーを用いればよい。
架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーとしては、アクリロイル基1個あたりの分子量が小さい多官能アクリルモノマー(多官能(メタ)アクリレート)を挙げることができる。このような多官能アクリルモノマー(多官能(メタ)アクリレート)の具体例としては、上記「高温(例えば150℃)での弾性率の高い樹脂を得る方法」で説明した多官能(メタ)アクリレートと同様のものを用いればよい。
高温(例えば150℃)での弾性率を高くして、かつ、収縮率を比較的大きくするような樹脂を得る場合には、例えば、上記「高温(例えば150℃)での弾性率の高い樹脂を得る方法」で説明したように、架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーを併用すればよい。架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーの含有量は、所望される弾性率及び収縮率を得られるような含有量とすればよい。
(常温(例えば30℃)における弾性率が小さい樹脂を得る方法)
紫外線硬化性樹脂(より具体的には、ラジカル系紫外線硬化性樹脂)を用いて樹脂層を形成する場合における具体的な手法を以下に説明する。
紫外線硬化性樹脂の30℃における弾性率を小さくするためには、硬化時の密度変化が小さくなるようにすればよい。具体的には、アクリルモノマーを用いて紫外線硬化性樹脂を形成する場合には、アクリロイル基1個あたりの分子量が大きく、柔軟な構造を有するアクリルオリゴマーと単官能アクリルモノマーを組み合わせる方法を挙げることができる。柔軟な構造を有するアクリルオリゴマー及び単官能アクリルモノマーの含有比率は、所望の弾性率を得るために、適宜制御すればよい。
柔軟な構造を有するアクリルオリゴマーの具体例としては、ポリエーテル或いはポリエステルジオールから成るウレタン(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート等のアクリルオリゴマー等を挙げることができる。
単官能アクリルモノマーの具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(収縮率が小さい樹脂を得る方法)
紫外線硬化性樹脂の場合、収縮率とは硬化収縮率のことをいう。硬化収縮率は、硬化前の密度に対する硬化時の密度変化の割合である。このため、収縮率を小さくするためには、硬化時の密度変化が小さくなるようにすればよい。具体的には、アクリルモノマーを用いて紫外線硬化性樹脂を形成する場合には、アクリロイル基1個あたりの分子量が大きく、分子中のアクリロイル基が少ないアクリルオリゴマー及びアクリルモノマーを組み合わせればよい。アクリルオリゴマー及びアクリルモノマーの含有比率は、所望の弾性率を得るために、適宜制御すればよい。
アクリルオリゴマーの具体例としては、上記「常温(例えば30℃)における弾性率が小さい樹脂を得る方法」で説明したものと同様のものを用いることができる。アクリルモノマーの具体例としては、上記「常温(例えば30℃)における弾性率が小さい樹脂を得る方法」で説明した単官能アクリルモノマーと同様のものを用いることができる。
[3.紫外線硬化性樹脂の膜5の半硬化]
図1−1(b)(b−1)に示すように、スタンパ4の表面に設けられた紫外線硬化性樹脂の膜5に紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂の膜5を半硬化させる。
紫外線硬化性樹脂の膜5を半硬化させるための具体的な方法としては、
(a)紫外線照射量を少なくする。
(b)酸素が存在する雰囲気下で紫外線の照射を行う。
(c)(a)と(b)とを組み合わせて用いる。
を挙げることができる。用いる紫外線硬化性樹脂の種類の性質に応じて、上記(a)〜(c)の手法を適宜用いればよい。図1−1(b)(b−1)は、上記(c)の例である。つまり、大気雰囲気下で紫外線照射量を低減させて、紫外線硬化性樹脂の膜5を硬化させている。
以下、それぞれの方法について具体的に説明する。
紫外線照射量を少なくする場合、光量自体を弱くする場合及び照射時間を弱くする場合の何れか一方又は両方を用いることが考えられる。
紫外線の光量としては、通常50mW/cm以下、好ましくは40mW/cm以下、より好ましくは30mW/cm以下、とする。
一方、紫外線硬化性樹脂の膜5の半硬化をより確実に行うために、紫外線の光量としては、通常1mW/cm以上、好ましくは5mW/cm以上、より好ましくは7mW/cm以上、とする。
上記数値範囲内とすれば、剥離性のマージンが大きくなり工業生産が行いやすくなる利点が発揮される。
紫外線の照射時間は、紫外線硬化性樹脂の膜5の硬化を適当なレベルで留めるために、通常10秒以下、好ましくは5秒以下、より好ましくは3秒以下とする。
一方、半硬化を確実に行う観点から、紫外線の照射時間は、通常0.1秒以上、好ましくは0.5秒以上、より好ましくは1秒以上とする。
上記数値範囲内とすれば、剥離性のマージンが大きくなり工業生産が行いやすくなる利点が発揮される。酸素を低減した雰囲気(例えば、窒素雰囲気)の下で紫外線を照射する場合には、照射時間を短くすることが好ましい。この場合、照射時間は、通常0.1秒以上、好ましくは0.2秒以上とする。一方、照射時間は、好ましくは3秒以下とする。
紫外線硬化性樹脂は、酸素が存在する雰囲気中では硬化が進みにくくなる性質を有する材料が多い。特に、ラジカル重合型の紫外線硬化性樹脂を用いる場合、空気中の酸素がラジカルと反応して硬化を阻害する傾向となる。このため、酸素が存在する雰囲気下で紫外線の照射を行うことも、紫外線硬化性樹脂の膜5を半硬化させるために有効な手段の一つである。
酸素が存在する雰囲気下で紫外線の照射を行う場合の酸素濃度は、O/N比で、通常0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.25(およそ大気中の酸素濃度)以上とする。この範囲にすれば、酸素による重合阻害の制御を良好に行うことが可能となる。
一方、酸素濃度の上限は、大気全体が酸素(100%酸素)である。
尚、図1−1(b)(b−1)では、紫外線硬化性樹脂の膜5の側から紫外線を照射しているが、スタンパ4の側から紫外線を照射してもよいことはいうまでもない。ただ、スタンパ4の側から紫外線を照射する場合には、スタンパ4中に紫外線照射を妨げるような欠陥の存在を極力低減することが好ましい。
[4.酸素濃度を低減させた雰囲気下での紫外線照射による硬化]
本実施形態においては、図1−1(b)(b−2)に示すように、紫外線硬化性樹脂の膜5を半硬化させた後、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜5をさらに硬化させて転写層6を得る。同図には、酸素濃度を低減させた雰囲気の一例として窒素雰囲気下で紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂の膜5をさらに硬化させて転写層6を得る工程が示されている。
この工程での硬化は、紫外線硬化性樹脂の膜5の表面(図1−1(b)(b−2)における紫外線照射側の表面)のタック性(粘着性)がなくなるまで行う。尚、タック性(tack function)がないとは、具体的には、上記表面を指で触ってもべとつかない程度の表面性を紫外線硬化性樹脂の膜5が有することをいう。
この工程における紫外線硬化性樹脂の膜5の硬化による転写層6の形成により、以下の利点も発揮される。つまり、後述する下中間層3と転写層6とを接着する際に、転写層6の表面にタック性がない状態になっているので、転写層6中への気泡の巻き込みを抑制しやすくなる。この結果、転写層6中への気泡の巻き込みを抑制することを目的として、下中間層3と転写層6との接着を真空中で行う必要がなくなる。換言すれば、下中間層3と転写層6との接着を大気中で行いやすくなる。
本実施形態においては、窒素雰囲気下で行っている。しかし、窒素パージのように酸素を遮断させずに所定濃度の酸素を含有する雰囲気であっても、例えば、紫外線の照射量を増加させる(照射光量を上げる、照射時間を長くする)ことによって、転写層6の形成は可能である。
具体的には、酸素濃度を通常5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下、とすることによっても紫外線硬化性樹脂の膜5の硬化を良好に行える傾向にある。
一方、酸素濃度は少なければ少ないほど好ましいが、工業的に考えて、下限値は100ppm程度となる。
尚、窒素雰囲気下で硬化を行うことにより、同じ表面性を有する転写層6を得るために要する照射紫外線の光量を抑えることができる。このため、例えば上記半硬化に使用したものと同じ能力の紫外線ランプを光量調節するのみで、硬化を行いやすくなる。窒素パージを行わない場合には、所定の表面性を有する転写層6を得るために、非常に強いUV光を要する場合(能力の高い紫外線ランプを要する場合)もあり得る。
紫外線照射量は、所定の表面を有する転写層6を得るために、適宜制御される。具体的には、紫外線の光量としては、通常200mW/cm以下、好ましくは150mW/cm以下、より好ましくは100mW/cm以下、とする。上記数値範囲内とすれば、極性の高いスタンパ4(例えば、ポリカーボネート樹脂製のスタンパ)を用いた場合でも、転写層6とスタンパ4との剥離性を損なわずに、転写層6を硬化させやすくなる。
一方、所定の表面を有する転写層6を得るために、紫外線の光量としては、通常30mW/cm以上、好ましくは50mW/cm以上、より好ましくは70mW/cm以上、とする。上記数値範囲内とすれば、紫外線硬化性樹脂の膜5の表面の硬化が十分に進み、所定の表面を有する転写層6を形成しやすくなる。
紫外線の照射時間は、所定の表面を有する転写層6を得るために、適宜制御される。具体的には、照射時間は、通常20秒以下、好ましくは15秒以下、より好ましくは10秒以下、さらに好ましくは5秒以下、特に好ましくは3秒以下、最も好ましくは2秒以下、とする。
一方、所定の表面を有する転写層6を得るために、紫外線の照射時間は、通常0.2秒以上、好ましくは0.5秒以上、より好ましくは0.7秒以上とする。
[5.転写層の膜厚]
以上の工程を経て、転写層6がスタンパ4上に形成される。転写層6の膜厚は、転写された凹凸形状の硬度、及び転写層6とスタンパ4との剥離性を確保する観点から、通常0μmより大きく、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上とする。
一方、転写層6の膜厚は、通常20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下とする。転写層6の膜厚を上記範囲内とすれば、転写された凹凸形状の硬度、及び転写層6とスタンパ4の剥離性を確保しやすく、かつディスクの反りを抑制しやすくなるという利点が発揮される。
特に、転写層6の膜厚を10μm以下とすれば、以下の利点が発揮されやすくなる。第一に、スピンコートによって紫外線硬化性樹脂を延伸しながら紫外線を照射する等の操作を省略しても、転写層6の膜厚分布を良好にしやすくなる利点がある。
第二に、転写層6の膜厚が薄くなるために、紫外線硬化性樹脂の膜5の半硬化の状態を得やすくなる利点もある。
第三に、転写性や剥離性を考慮して固い紫外線硬化性樹脂又は収縮率の大きい紫外線硬化性樹脂を転写層6に用いる場合があるが、この場合において転写層6の膜厚を薄くできれば、光記録媒体全体の反りを低減しやすくなる。
(3)転写層積層スタンパ200と第1記録媒体100との接合(adhesion)工程
次に、図1−2(c)に示すように、転写層積層スタンパ200を、転写層6と下中間層3とが向き合うようにして下中間層3上に載置し(c−1)、その後、下中間層3と転写層6とを接着する(c−2)。
先ず、図1−2(c)(c−1)に示すように、転写層積層スタンパ200を、転写層6と下中間層3とが向き合うようにして下中間層3上に載置する。この結果、転写層6と記録再生機能層2との間に下中間層3が存在することとなる。
このとき、載置の方法は特に制限されない。また、転写層積層スタンパ200の載置は、大気中又は真空中のいずれで行ってもよい。ただ、本実施の形態においては、接合工程が減圧雰囲気下で行われることが好ましい。より具体的には、上記載置の操作が減圧雰囲気下で行われることが好ましい。減圧雰囲気下としては、具体的には真空状態を挙げることができる。
減圧雰囲気下で載置を行うことが好ましい理由は以下の通りである。つまり、転写層6及び下中間層3それぞれの表面は、完全には平坦ではなく、微視的には凹凸を有する。このため、載置を大気中で行うと、転写層6及び下中間層3の界面に空気が取り込まれることがある。このような空気の巻き込みは、泡となって中間層7中に存在することになる。しかし、上記泡は光学的になるべく低減することが好ましい。このため、上記空気の取り込み(換言すれば、泡の発生)を抑制するために、減圧雰囲気中で載置を行うことが好ましいのである。
ここで、減圧雰囲気の具体的な圧力としては、通常100Pa以下、好ましくは70Pa以下、より好ましくは50Pa以下、を挙げることができる。
一方、減圧雰囲気は、通常10Pa以上、好ましくは15Pa以上、より好ましくは20Pa以上を挙げることができる。上記範囲内とすれば、樹脂中の揮発成分を確実に保持したまま接合をしやすくなる。
次に、図1−2(c)(c−2)に示すように、下中間層3と転写層6とを接着させる。接着は、以下のような手法によって実現できる。例えば、下中間層3の表面又は転写層6の表面に接着剤を塗布する、又は、下中間層3の表面又は転写層6の表面に感圧性の接着シートを貼付する。また、例えば、下中間層3及び転写層6ともに紫外線硬化性樹脂で形成し、転写層積層スタンパ200の載置の後、紫外線を照射して下中間層3と転写層6とを接着する。
工業的には、下中間層3及び転写層6ともに紫外線硬化性樹脂で形成し、転写層積層スタンパ200の載置の後、紫外線を照射して下中間層3と転写層6とを接着する手法が好ましい。尚、この手法を用いる場合には、下中間層3の紫外線硬化性樹脂を未硬化又は半硬化の状態としておくことが好ましい。本実施の形態においては、下中間層3と転写層6との接着を行う時点において転写層6の接着面のタック性(指で触ったときのべたつき)が無くなっているので、下中間層3の接着面に粘着性を持たせることにより、接着が良好に行いやすくなるからである。また、紫外線照射の方向は特に制限されないが、スタンパ4側から照射を行う場合には、スタンパ4を紫外線に対して光透過性に形成することが好ましい。
(4)スタンパ4を転写層6から剥離する工程
下中間層3と転写層6とを接着した後、スタンパ4を転写層6から剥離する(図1−2(d)参照)。剥離の方法も特に制限はない。通常は、ナイフエッジを基板1の内径又は外径側からスタンパ4と転写層6との間に挿入し、切り込みを入れた後、エアーを吹き込んでスタンパ4を転写層6から剥離する(図1−2(d)には不図示)。
より具体的には、光記録媒体が円盤形状の場合には、内周を真空吸着して、光記録媒体の内周にナイフエッジを入れ、そこにエアーを吹き込みながら転写層6とスタンパ4とを引き離すという方法で剥離を行なう。スタンパ4を剥離することにより、第1記録媒体100上に、下中間層3及び転写層6を有する中間層7が形成されることとなる。
B.第2の製造方法
第2の製造方法では、接合工程において下中間層を形成する。下中間層の形成が上記第1の製造方法と異なる以外の操作は第1の製造方法と同様にすればよいので、異なる部分についてのみ以下説明する。具体的には、第2の製造方法では、第1記録媒体製造工程において下中間層の形成は行わず、接合工程を行う際に下中間層の形成を行う。
図2は、第2の製造方法における接合工程の一実施形態を説明するための模式的断面図である。図2は、第1の製造方法を説明するために用いた図1−2(c)に対応する図である。尚、図2において、図1−1または図1−2と共通の構成要素については同一の符号を用いて表わしている。また、通常、光記録媒体は円盤形状を有し、中心にセンターホールが形成されているが、図2ではセンターホールの記載を省略している。
各図面の概略を説明する。
図2(a)は、硬化性樹脂80を記録再生機能層2上に塗布した状態を示している。さらに、硬化性樹脂80上に載置するために、転写層積層スタンパ200が上方に配置した様子を示している。
図2(b)は、硬化性樹脂80と転写層6とを向かい合うようにして硬化性樹脂80上に転写層積層スタンパ200を載置した後、硬化性樹脂80の延伸を開始した様子を示している。
図2(c)は、硬化性樹脂80が第1記録媒体100及び転写層積層スタンパ200の両端部まで延伸された状態を示している。
図2(d)は、紫外線を照射して下中間層3ひいては中間層7を形成する様子を示している。
以下、図2を参照しながら、本実施の形態における接合工程について説明する。
先ず、図2(a)に示すように、硬化性樹脂80が第1記録媒体100(記録再生機能層2)上に塗布される。硬化性樹脂80の材料としては、第1の製造方法において下中間層3に硬化性樹脂を用いる場合と同様のものを用いることができる。
具体的には、硬化性樹脂80として、本実施の形態においては紫外線硬化性樹脂を用いているが、熱硬化性樹脂等の他の硬化性樹脂を用いてもよいことはいうまでもない。
但し、下中間層3の膜厚制御、工業生産等を考慮すると、硬化性樹脂80が紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。硬化性樹脂80の塗布方法も従来公知の方法を用いることができる。
ここで、本実施の形態においては、記録再生機能層2の上に硬化性樹脂80を直接塗布しているが、必要に応じて記録再生機能層2上に他の層を形成してから硬化性樹脂80の塗布を行っても良いことはいうまでもない。
尚、図2(a)では図示を省略しているが、基板1が円盤形状を有し、中心にセンターホールが形成されている場合に下中間層3を形成する場合においては、硬化性樹脂80の塗布を通常、以下のようにして行うことが好ましい。つまり、センターホールの外径よりも大きい所定の半径位置において、硬化性樹脂80をリング状に滴下(dispence)することにより塗布を行う。
尚、図2(a)に示すように、第1記録媒体100は、基板1及び記録再生機能層2から構成される。そして、基板1の表面には凹凸が設けられており、基板1上に記録再生機能層2が形成されている。一方で、転写層積層スタンパ200は、スタンパ4及び転写層6から構成されている。スタンパ4の表面には、中間層7の凹凸形状に対応した転写用凹凸形状が形成されている。そして、転写用凹凸形状が形成された表面上に転写層6が形成されている。第1記録媒体100や転写層積層スタンパ200等については、第1の製造方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、図2(b)に示すように、硬化性樹脂80と転写層6とを向かい合うようにして硬化性樹脂80上に転写層積層スタンパ200を載置する。この際、硬化性樹脂80と転写層6とができるだけ空気を介したり、気泡を巻き込んだりせずに接するよう、静かに載置を行うことが好ましい。又は、以下の方法を行ってもよい。つまり、あらかじめ記録再生機能層2の表面と転写層6との表面とを、ほぼ平行に近接して対置する。そして、それぞれの表面の間の空隙に硬化性樹脂80を滴下(dispence)する。そして、滴下直後に硬化性樹脂80が上記それぞれの表面に接するようにする。
次に、硬化性樹脂80の延伸を開始する。本実施の形態においては、転写層積層スタンパ200の重さにより、硬化性樹脂80を第1記録媒体100及び転写層積層スタンパ200の端部まで押し出すように延伸している。このような延伸により、硬化性樹脂80が形成する膜の膜厚を所望の範囲に制御しやすくなる。無論、硬化性樹脂80の延伸はスピンコート法等により行ってもよい。
そして、図2(c)に示すように、硬化性樹脂80が第1記録媒体100及び転写層積層スタンパ200の両端に到達したところで、第1記録媒体100及び転写層積層スタンパ200を高速回転して、余分な硬化性樹脂80を外部へ振り切る。これにより、硬化性樹脂80が形成する膜の膜厚がさらに精密に制御されやすくなる。このようにして、硬化性樹脂80より下中間層3が形成される。
次に、図2(d)に示すように、スタンパ4側から紫外線を照射して硬化性樹脂80(紫外線硬化性樹脂)を硬化させる。この結果、転写層6と第1記録媒体100(記録再生機能層2)との間に下中間層3を存在させた状態で、転写層積層スタンパ200と第1記録媒体100との接合が行われることとなる。
第2の製造方法の利点の一つは、接合工程を大気中で行うことができる点にある。具体的には、図2に示した各操作(少なくとも図2(a)から図2(c)の操作)は、大気中で行うことができる。この結果、製造装置の構成を簡略化できる利点が発揮される。
大気中で接合工程を行える理由は以下の通りである。つまり、転写層積層スタンパ200を硬化性樹脂80上に載置した後に硬化性樹脂80を延伸する際に、スタンパ4と記録再生機能層2との間に存在する空気を硬化性樹脂80が、第1記録媒体100及び転写層積層スタンパ200の外側へと追い出すようになる。この結果、空気がスタンパ4と硬化性樹脂80(ひいては下中間層3)との間に取り込まれにくくなり、スタンパ4及び下中間層3の界面での泡の発生が抑制されるようになる。この結果、接合工程を真空中で行なわなくてもよくなるのである。
以上のようにして、中間層7を形成し、スタンパ4の剥離工程を行う。この点については、第1の製造方法(図1−2(d)参照)と同様にすればよい。剥離工程については、すでに説明したので、ここでの説明は省略する。
C.その後の工程
本実施の形態においては、上記のようにして凹凸形状を表面に有し、下中間層3及び転写層6を有する中間層7を備えた光記録媒体を製造する。以下では、それ以後の工程について説明する。
(1)上部記録再生機能層等の形成
図3は、本発明の実施形態が適用される光記録媒体1000の好ましい一例を説明するための模式断面図である。具体的には、図3には、図1−1、図1−2、図2によって得られた中間層7に上部記録再生機能層8、接着層9、及びカバー層10をこの順に積層することによって、光記録媒体1000が得られることを示すための模式断面図である。尚、図1−1、図1−2、図2と共通の構成要素については同一の符号を用いて表している。
図3に示すように、溝やピットの形状が形成された転写層6(中間層7)の上に、上部記録再生機能層8を形成する。上部記録再生機能層8の基本的な層構成は、記録再生機能層2とほぼ同様である。但し、上部記録再生機能層8は記録再生用のレーザー光を透過することが好ましい。このため、上部記録再生機能層8を構成する各層の膜厚は適宜調整される。
(2)カバー層等の形成
必要な層数の記録再生機能層を設けた後(図3では、上部記録再生機能層8を設けた後)、図3に示すように、最上層の記録再生機能層(図3では、上部記録再生機能層8)の上面に、接着層9を介してカバー層10を設ける。接着層9及びカバー層10の材料や形成手順は特に制限されない。
接着層9としては、通常、接着剤、感圧性接着シート、紫外線硬化性樹脂等が用いられる。また、カバー層10としては、通常、ポリカーボネート樹脂やシクロオレフィンポリマー等低吸湿性の樹脂から形成されるプラスチックシート等が用いられる。好適には、ディスクの反り等の特性を確保する目的で、ディスク基板と同一の材料すなわちポリカーボネート等が用いられる。当然、接着層9とカバー層10とを、紫外線硬化性樹脂等で一体に形成してもよい。その際用いられる紫外線硬化性樹脂は、通常1000MPa・s以上の高粘度のものであり、それによって厚さ50μm〜200μmの膜をスピンコート法で形成することができる。
接着層9は、通常、スピンコート法等の手法又は直接貼り付けることによって形成される。
接着層9の厚さは、特に制限されないが、通常3μm以上、30μm以下、とされる。この範囲にすることにより、均一な厚さの粘着材料を製造しやすいという利点が発揮されやすくなる。
一方、カバー層10の厚さは、通常50μm以上、200μm以下とされる。この範囲にすることにより、ピックアップレンズの高NA化に対応できる均一な膜厚のカバー層10が形成しやすくなる。DVD−R等では、カバー層等を形成する代わりに、約0.6mmの基板を、接着層を介して貼り合せる。
I−2.基板のみを第1記録媒体として用いる場合
本実施の形態は、第1記録媒体として基板のみを用いる。この結果、凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層は基板上に設けられる。本実施の形態は、用いる第1記録媒体の形態が異なること以外は、上で説明した、1層の記録再生機能層を有する第1記録媒体を用いて光記録媒体を製造する実施の形態と同様にして実施される。用いる第1記録媒体の形態の違いによって、具体的には、以下の相違点が存在することになる。一点目は、本実施の形態においては、凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層が、記録再生機能層を介さずに基板上に直接形成されることになる。このため、予め基板上に凹凸形状を設けなくてもよい。二点目は、本実施の形態においては、基板上に最初に設けられる記録再生機能層が上部記録再生機能層となる。
このように、用いる第1記録媒体の形態が異なる以外は、上で説明した1層の記録再生機能層を有する第1記録媒体と同様して、凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層を備えた光記録媒体を製造すればよい。必要な説明は既に行ったので、ここでの説明は省略する。
I−3.複数の記録再生機能層を有する第1記録媒体を用いる場合
本実施の形態は、用いる第1記録媒体の形態が異なること以外は、上で説明した、1層の記録再生機能層を有する第1記録媒体を用いて光記録媒体を製造する実施の形態と同様にして実施される。用いる第1記録媒体の形態の違いによって、具体的には、以下の相違点が存在することになる。一点目は、第1記録媒体製造工程において、基板上に複数の記録再生機能層を形成することにより第1記録媒体が製造されることである。二点目は、本実施の形態においては、接合工程において、転写層と、基板から最も遠くに位置する記録再生機能層との間に下中間層を存在させた状態で、転写層積層スタンパと前記第1記録媒体とを接合することである。
このように、用いる第1記録媒体の形態が異なる以外は、上で説明した1層の記録再生機能層を有する第1記録媒体と同様して、凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層を備えた光記録媒体を製造すればよい。そこで、以下では、相違点である第1記録媒体について説明する。
本実施の形態に用いる第1記録媒体は、通常、以下のようにして製造される。
(a)基板上に記録再生機能層を形成する。
(b)上記記録再生機能層上に中間層を形成する。
(c)上記中間層上に第2記録再生機能層を形成する。
(d)第2記録再生機能層上に、第2の中間層を形成する。
(e)必要とされる記録再生機能層の層数によって上記(c)、(d)の工程を繰り返す。
積層する記録再生機能層の数は、特に制限はない。但し、現実的には、記録再生機能層の積層数は10層が上限となる。一方、記録再生機能層の積層数は、通常2層以上、好ましくは3層以上、より好ましくは5層以上とする。工業生産や記録特性等の種々の要素を考慮すると、記録再生機能層の積層数を2層とすることが最も好ましい。
尚、上記第2記録再生機能層以降の記録再生機能層の層構成・材料としては、記録再生機能層(図1−1、図1−2における記録再生機能層2)と同様の層構成・材料を用いればよい。また、第2の中間層以降の中間層を形成する場合における、下中間層及び転写層の材料や作製手順、スタンパの構造、紫外線照射による硬化の手順などの詳細も、上に説明したものと同様とすればよい。
I−4.その他
以上、本発明について複数の実施の形態を挙げて説明したが、本発明は上述の実施の形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更を加えて実施することが可能である。
例えば、光記録媒体の層構成は、上記の実施形態の構成に制限されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、積層の順序が異なっていてもよく、別の層が追加されていてもよく、二以上の層が一体に設けられていてもよい。
II.製造装置
本発明によって、凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層を備えた光記録媒体を製造するための製造装置も提供される。具体的には、転写層積層スタンパを製造するために、製造装置に以下の機能が付加される。
つまり、中間層の凹凸形状に対応した転写用凹凸形状を表面に有するスタンパの該表面上に紫外線硬化性樹脂の膜を設け、紫外線硬化性樹脂の膜に紫外線を照射して該紫外線硬化性樹脂の膜を半硬化させる第一硬化手段が付加される。さらに、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射して上記紫外線硬化性樹脂の膜をさらに硬化させることによって転写層を形成する第二硬化手段が付加される。
上記第一硬化手段及び第二硬化手段における具体的な操作については、上記製造方法において説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。また、上記第一硬化手段及び第二硬化手段を実現するための具体的な装置構成は、従来公知の製造装置を適宜改良して用いればよい。
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(第1記録媒体製造工程)
溝深さ約20nm、ピッチ約0.32μmの溝を転写した厚さ1.1mmのポリカーボネート製基板を用意した。上記基板の溝形状が形成された表面に書き換え可能型の記録再生機能層(書き換え可能型の媒体の例1、膜面入射構成)をスパッタリングにて形成した。このようにして、第1記録媒体を製造した。
(転写層積層スタンパ製造工程)
溝深さ約20nm、ピッチ約0.32μmの溝を転写した厚さ0.6mm、外径120mmのポリカーボネート製の透明スタンパを射出成型により作製した。このスタンパの溝形状が形成された表面の上にラジカル系紫外線硬化性樹脂(ラジカル重合型の紫外線硬化性樹脂)A(アクリル系樹脂、粘度約300MPa・s)をスピンコート法により塗布した。そして、上記ラジカル系紫外線硬化性樹脂Aを厚さ約4μmの薄膜状とした後、高速の振り切り回転を停止した。このようにして、紫外線硬化性樹脂の膜をスタンパ上に形成した。
その後、大気雰囲気下で、22mW/cmのほぼ一様な強度分布を持つUV光(光源:ハリソン東芝製トスキュア751)を、上記紫外線硬化性樹脂の膜の全面に3秒間照射した。照射後、紫外線硬化性樹脂の膜の表面を触るとべとつく状態であった。次に、窒素雰囲気下で、80mW/cmのほぼ一様な強度分布を持つ光源によるUV光を、上記紫外線硬化性樹脂の膜の全面に1秒間照射した。このようにして転写層を得た。転写層の表面状態は、鋭利な金属で擦っても傷が付き難い状態であった。
以上のようにして転写層積層スタンパを製造した。
(接合工程)
第1記録媒体の記録再生機能層上の表面に、ラジカル系紫外線硬化性樹脂(ラジカル重合型の紫外線硬化性樹脂)B(アクリル系樹脂、粘度約500MPa・s)を、半径約35mmの位置に一周リング状に塗布した。そして、ラジカル系紫外線硬化性樹脂Bと転写層とを向かい合うようにして、ラジカル系紫外線硬化性樹脂B上に、上記転写層積層スタンパを載置した。ラジカル系紫外線硬化性樹脂Bが第1記録媒体および転写層積層スタンパの端部まで延伸されたところで、第1記録媒体を5000rpmで回転させて、余分なラジカル系紫外線硬化性樹脂Bを第1記録媒体および転写層積層スタンパの外部へ振り切った。その後、スタンパ側から同光源による80mW/cmのほぼ一様な強度分布を持つUV光を全面に6秒間照射して下中間層を硬化させた。
(剥離工程)
その後、透明スタンパを転写層から剥離させると、透明スタンパと転写層との界面で、全面にわたりムラ無く良好な状態で剥離を行うことができた。
(上部記録再生機能層の形成)
さらに転写層上にスパッタリングにより書き換え可能型の上部記録再生機能層(書き換え可能型の媒体の例1、膜面入射構成)を形成し、さらにカバー層を樹脂スピンコート法により75μm厚さとなるように形成して、2層の書き換え型ブルーレイディスクを作製した。
(評価)
上記製造方法で作製した2層の書き換え型ブルーレイディスクにおける転写層への溝の転写性を、溝信号で評価した。その結果良好な溝信号が得られ、全面にわたり良好に転写されていることが分かった。
(比較例1)
実施例1の「転写層積層スタンパ製造工程」において、最初の大気下での22mW/cmのUV照射のみを省略したこと(半硬化の操作を行わなかったこと)、及び「上部記録再生機能層の形成」以降の工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして光記録媒体の製造を試みた。その結果、転写層とポリカーボネート製の透明のスタンパとが強く接着している為に剥離ができなかった。実際に、剥離を無理に行うと、転写層が透明スタンパに接着したまま、記録再生機能層における記録層の界面で剥離が起こった。そして、スパッタリングした記録層の膜が全面で破れた。
(実施例2)
実施例1の「転写層積層スタンパ製造工程」における80mW/cmのUV光の照射を10秒間としたこと、及び「第2記録再生機能層の形成」以降の工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして光記録媒体の製造を試みた。その結果、剥離工程において、スパッタリングした記録層の膜が部分的に剥離したのみで、転写層と透明スタンパとの剥離は概ね良好に行うことができた。
(実施例3:転写層および下中間層の樹脂材料を変えた実験)
(第1記録媒体製造工程)
溝深さ約20nm、ピッチ約0.32μmの溝を転写した厚さ1.1mmのポリカーボネート製基板を用意した。上記基板の溝形状が形成された表面に書き換え可能型の記録再生機能層(書き換え可能型の媒体の例1、膜面入射構成)をスパッタリングにて形成した。このようにして、第1記録媒体を製造した。
(転写層積層スタンパ製造工程)
溝深さ約20nm、ピッチ約0.32μmの溝を転写した厚さ0.6mm、外径120mmのポリカーボネート製の透明スタンパを射出成型により作製した。このスタンパの溝形状が形成された表面の上にラジカル系紫外線硬化性樹脂(ラジカル重合型の紫外線硬化性樹脂)C(アクリル系樹脂、粘度約300MPa・s)をスピンコート法により塗布した。そして、上記ラジカル系紫外線硬化性樹脂Cを厚さ約4μmの薄膜状とした後、高速の振り切り回転を停止した。このようにして、紫外線硬化性樹脂の膜をスタンパ上に形成した。
その後、大気雰囲気下で、22mW/cmのほぼ一様な強度分布を持つUV光(光源:ハリソン東芝製トスキュア751)を、上記紫外線硬化性樹脂の膜の全面に3秒間照射した。照射後、紫外線硬化性樹脂の膜の表面を触るとべとつく状態であった。次に、窒素雰囲気下で、80mW/cmのほぼ一様な強度分布を持つ光源によるUV光を、上記紫外線硬化性樹脂の膜の全面に1秒間照射した。このようにして転写層を得た。転写層の表面状態は、鋭利な金属で擦っても傷が付き難い状態であった。
以上のようにして転写層積層スタンパを製造した。
(接合工程)
第1記録媒体の記録再生機能層上の表面に、ラジカル系紫外線硬化性樹脂(ラジカル重合型の紫外線硬化性樹脂)D(アクリル系樹脂、粘度約1000MPa・s)を、半径約35mmの位置に一周リング状に塗布した。そして、ラジカル系紫外線硬化性樹脂Dと転写層とを向かい合うようにして、ラジカル系紫外線硬化性樹脂D上に、上記転写層積層スタンパを載置した。ラジカル系紫外線硬化性樹脂Dが第1記録媒体および転写層積層スタンパの端部まで延伸されたところで、第1記録媒体を5000rpmで回転させて、余分なラジカル系紫外線硬化性樹脂Dを第1記録媒体および転写層積層スタンパの外部へ振り切った。その後、スタンパ側から同光源による80mW/cmのほぼ一様な強度分布を持つUV光を全面に6秒間照射して下中間層を硬化させた。
(剥離工程)
その後、透明スタンパを転写層から剥離させると、透明スタンパと転写層との界面で、全面にわたりムラ無く良好な状態で剥離を行うことができた。
(実施例4:半硬化を窒素下で行った実験)
(第1記録媒体製造工程)
溝深さ約20nm、ピッチ約0.32μmの溝を転写した厚さ1.1mmのポリカーボネート製基板を用意した。上記基板の溝形状が形成された表面に書き換え可能型の記録再生機能層(書き換え可能型の媒体の例1、膜面入射構成)をスパッタリングにて形成した。このようにして、第1記録媒体を製造した。
(転写層積層スタンパ製造工程)
溝深さ約20nm、ピッチ約0.32μmの溝を転写した厚さ0.6mm、外径120mmのポリカーボネート製の透明スタンパを射出成型により作製した。このスタンパの溝形状が形成された表面の上にラジカル系紫外線硬化性樹脂(ラジカル重合型の紫外線硬化性樹脂)A(アクリル系樹脂、粘度約300MPa・s)をスピンコート法により塗布した。そして、上記ラジカル系紫外線硬化性樹脂Aを厚さ約4μmの薄膜状とした後、高速の振り切り回転を停止した。このようにして、紫外線硬化性樹脂の膜をスタンパ上に形成した。
その後、窒素雰囲気下で、10mW/cmのほぼ一様な強度分布を持つUV光(光源:ハリソン東芝製トスキュア751)を、上記紫外線硬化性樹脂の膜の全面に0.2秒間照射した。照射後、紫外線硬化性樹脂の膜の表面を触るとべとつく状態であった。次に、窒素雰囲気下で、80mW/cmのほぼ一様な強度分布を持つ光源によるUV光を、上記紫外線硬化性樹脂の膜の全面に1秒間照射した。このようにして転写層を得た。転写層の表面状態は、鋭利な金属で擦っても傷が付き難い状態であった。
以上のようにして転写層積層スタンパを製造した。
(接合工程)
第1記録媒体の記録再生機能層上の表面に、ラジカル系紫外線硬化性樹脂(ラジカル重合型の紫外線硬化性樹脂)D(アクリル系樹脂、粘度約1000MPa・s)を、半径約35mmの位置に一周リング状に塗布した。そして、ラジカル系紫外線硬化性樹脂Dと転写層とを向かい合うようにして、ラジカル系紫外線硬化性樹脂D上に、上記転写層積層スタンパを載置した。ラジカル系紫外線硬化性樹脂Dが第1記録媒体および転写層積層スタンパの端部まで延伸されたところで、第1記録媒体を5000rpmで回転させて、余分なラジカル系紫外線硬化性樹脂Dを第1記録媒体および転写層積層スタンパの外部へ振り切った。その後、スタンパ側から同光源による80mW/cmのほぼ一様な強度分布を持つUV光を全面に6秒間照射して下中間層を硬化させた。
(剥離工程)
その後、透明スタンパを転写層から剥離させると、透明スタンパと転写層との界面で、全面にわたりムラ無く良好な状態で剥離することができた。
(実施例5)
実施例4において、転写層を作製する際に、最初に照射するUV照射時間(半硬化させるためのUV照射時間)のみを0.2秒から0.5秒にしたこと以外は、実施例4と同様にして光記録媒体の製造を試みた。その結果、剥離工程において、スパッタリングした記録膜が部分的に剥離したのみで、転写層と透明スタンパとの剥離は概ね良好に行うことができた。
実施例4、5における転写層の形成方法は、転写層への2回にわたるUV光の照射の際に、大気中雰囲気から窒素雰囲気への切り替えが不要になる利点はある。しかし、転写層積層スタンパ製造工程における、半硬化をさせる際に用いるUV光の照射強度と、さらに硬化を行う際(2回目の硬化)に用いるUV光の照射強度とが差が比較的大きい。このため、同一のUV照射装置(UV光源)で半硬化及びその後の硬化を行おうとすると、工業的に使用できるUV照射装置(UV光源)の機種が限定される傾向となる。また、半硬化の際の紫外線照射強度及び照射時間の適正な範囲が狭くなって、光記録媒体の製造マージンが小さくなる傾向となる。このような観点から考えると、半硬化は、酸素が存在する雰囲気下で行うことが好ましいと考える。
(参考例)
実施例1の「転写層積層スタンパ製造工程」において、最初に大気下で200mW/cmのUV光を2秒間照射し、その後の窒素雰囲気下でのUV光照射を行わなかったこと、及び「第2記録再生機能層の形成」以降の工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして光記録媒体の製造を試みた。ここで、接合工程の前に紫外線硬化性樹脂の膜の表面状態を確認するために、紫外線硬化性樹脂の膜表面を指で触ったところ、わずかにべとつく状態(半硬化の状態)であった。つまり、本実験においては、転写層を形成せずに、半硬化の状態の紫外線硬化性樹脂の膜を用いて接合工程を行った。
以上の状態において剥離工程を行ったところ、スパッタリングした記録層の膜が部分的に剥離したのみで、転写層と透明スタンパとの剥離は概ね良好に行うことができた。しかしながら、100mW/cmのUV光を用いたこと以外は同様の条件で剥離工程を行ったところ、スパッタリングした記録層の膜が全体的に剥離した。
本実験の結果から、半硬化の状態を経由することにより、転写層と透明スタンパとの剥離を良好に行えるようになることがわかる。しかし、本実験の方法においては、紫外線硬化性樹脂の膜の表面がタック性を有する状態で接合工程を行っている。このため、接合工程の際に、転写層と下中間層との間に気泡の巻き込みが発生する場合があり得る。また、UV光の照射量が低下すると剥離不良を起こす可能性が有る。このことから、生産性を確保するには、UV光の照射量の大きな装置が必要となり、コスト面で不利となる。従って、工業生産の際の低コスト化を実現し、生産安定性や歩留まりを向上させるためには、半硬化後に酸素濃度を低減させた雰囲気下でのさらなる硬化を行うことが有効になる。
本発明の光記録媒体の製造方法は、CD、DVD、BD等の各種の光記録媒体の分野において、好適に使用することができる。
本実施の形態が適用される光記録媒体の製造方法の好ましい一例を説明するための模式的断面図である。 本実施の形態が適用される光記録媒体の製造方法の好ましい一例を説明するための模式的断面図である。 第2の製造方法における接合工程の一実施形態を説明するための模式的断面図である。 本発明の実施形態が適用される光記録媒体の好ましい一例を説明するための模式断面図である。
符号の説明
1…基板、2…記録再生機能層、3…下中間層、4…スタンパ、5…紫外線硬化性樹脂の膜、6…転写層、7…中間層、8…上部記録再生機能層、100…第1記録媒体、200…転写層積層スタンパ、1000…光記録媒体

Claims (14)

  1. 凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層を備えた光記録媒体の製造方法であって、
    基板を有する第1記録媒体を得る、第1記録媒体製造工程と、
    前記中間層の凹凸形状に対応した転写用凹凸形状を表面に有するスタンパの当該表面上に紫外線硬化性樹脂の膜を設け、当該紫外線硬化性樹脂の膜に紫外線を照射して当該紫外線硬化性樹脂の膜を半硬化させた後、酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射して当該紫外線硬化性樹脂の膜をさらに硬化させることによって前記転写層を形成して転写層積層スタンパを得る、転写層積層スタンパ製造工程と、
    前記転写層と前記第1記録媒体との間に前記下中間層を存在させた状態で、前記転写層積層スタンパと当該第1記録媒体とを接合する、接合工程と、
    前記スタンパを前記転写層から剥離する、剥離工程と、
    を有することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 前記第1記録媒体製造工程において、前記基板上に記録再生機能層を形成することにより前記第1記録媒体を製造し、
    前記接合工程において、前記転写層と前記記録再生機能層との間に前記下中間層を存在させた状態で、前記転写層積層スタンパと前記第1記録媒体とを接合する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造方法。
  3. 前記第1記録媒体製造工程において、前記基板上に複数の記録再生機能層を形成することにより前記第1記録媒体を製造し、
    前記接合工程において、前記転写層と、前記基板から最も遠くに位置する前記記録再生機能層との間に前記下中間層を存在させた状態で、前記転写層積層スタンパと前記第1記録媒体とを接合する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造方法。
  4. 酸素が存在する雰囲気下で紫外線の照射を行うことにより、前記紫外線硬化性樹脂の膜の半硬化を行うことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の光記録媒体の製造方法。
  5. 前記酸素濃度を低減させた雰囲気が、窒素雰囲気であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の光記録媒体の製造方法。
  6. 前記下中間層が、前記第1記録媒体製造工程において、前記第1記録媒体上に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光記録媒体の製造方法。
  7. 前記接合工程が減圧雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光記録媒体の製造方法。
  8. 前記接合工程において、硬化性樹脂を前記第1記録媒体上に塗布した後に、当該硬化性樹脂と前記転写層とを向かい合うようにして当該硬化性樹脂上に前記転写層積層スタンパを載置し、当該硬化性樹脂を延伸することによって前記下中間層を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光記録媒体の製造方法。
  9. 前記硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の光記録媒体の製造方法。
  10. 前記接合工程が大気中で行われることを特徴とする請求項8又は9に記載の光記録媒体
    の製造方法。
  11. 前記スタンパが、ポリカーボネート系樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光記録媒体の製造方法。
  12. 前記スタンパを前記転写層から剥離した後、当該転写層上に上部記録再生機能層を形成することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光記録媒体の製造方法。
  13. 前記記録再生機能層が、前記基板側から反射層及び記録層をこの順に設けてなることを特徴とする請求項2又は3に記載の光記録媒体の製造方法。
  14. 凹凸形状を表面に有し、下中間層及び転写層を有する中間層を備えた光記録媒体を製造するための製造装置であって、
    前記中間層の凹凸形状に対応した転写用凹凸形状を表面に有するスタンパの当該表面上に紫外線硬化性樹脂の膜を設け、当該紫外線硬化性樹脂の膜に紫外線を照射して当該紫外線硬化性樹脂の膜を半硬化させる第一硬化手段と、
    酸素濃度を低減させた雰囲気下で紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂の膜をさらに硬化させることによって前記転写層を形成する第二硬化手段と、
    を有することを特徴とする光記録媒体の製造装置。
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