JP4077642B2 - ジョイントシートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、化学工業、自動車、船舶などの広範な産業分野において、各種機器・装置にガスケットの基材として利用されるジョイントシートの製造方法に関し、さらに詳しくは、セルロース繊維が多量に配合され、しかも機械特性に優れた非石綿系ジョイントシートをシーター装置を用いて安価に効率よく製造できるジョイントシートの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、非石綿系ジョイントシート(以下、CFSとも言う。)には、有機系の基材繊維としては、耐熱性、補強特性に優れたアラミドパルプなどが用いられたものがある。(特許公開平5−171133号公報など)。
これは、非石綿系ジョイントシートを安定的に生産し、石綿系ジョイントシート(以下、CAFとも言う。)の代替品として使用できる高温特性および補強特性を得るために、基材繊維としてフィブリル形状で耐熱性を有するものが必要であったためである。その結果、アラミドパルプのような高コストな材料であってもジョイントシート形成用として使用せざるを得ず、非石綿系ジョイントシートの価格も高価になっていた。
【0003】
ところが、ジョイントシートは、その全てが石綿系ジョイントシートが有していたような優れた耐熱性等の求められる用途にのみ使用されるのではなく、上・下水道管のジョイントシール部材用など、耐熱性が要求されない用途もある。 従って、係る用途に限定すれば、石綿代替繊維の中で、セルロース繊維は安価で市場に豊富に出回っているなどのため、魅力がある材料であった。
【0004】
しかしセルロース繊維の繊維長は、アラミドパルプと同程度であっても、アラミドパルプのようにフィブリル化されていない材料同士の絡み合いによる補強性が低く、加工性や、ジョイントシートとしての特性が劣るという問題点があった。
セルロース繊維を基材繊維として用いて、優れた性能の非石綿系ジョイントシートを得るには、セルロース繊維とゴムおよび他の材料との絡み合いを促し、またセルロース繊維を多量に配合するなどにより、補強性(すなわち、ジョイントシートの機械的強度などの特性)を向上させる必要があった。
【0005】
しかし、セルロース繊維は、ゴム溶液調製用などとして用いられるトルエン溶媒などの存在下では、ゴムに馴染みにくく、そのため、該組成物中へのセルロース繊維の(均一)分散性および練り込み性の何れも著しく劣るため、充分な補強性が得られず、「シーター製法(カレンダーロール製法)」に用いられるジョイントシート形成用組成物を得るには、大きな問題点があった。
【0006】
なお、この「シーター製法(カレンダーロール製法)」は、ジョイントシート形成用組成物を混練し、得られた混練物を熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロール間に挿入して加熱圧延し、圧延されたジョイントシート形成用組成物を熱ロール側に積層させ、次いで熱ロールに積層されたシート状物を剥離することによってジョイントシートを製造する方法であり、「抄紙法」(例:特開昭59−86683号公報、特開昭63−179990号公報など参照)と対比されることが多い。
【0007】
とくに、セルロース繊維が多量に配合され、均一分散しており、セルロース繊維による補強効果が期待できるような「ジョイントシート形成用組成物の混練物」を調製することは、セルロース繊維をジョイントシート形成用組成物中へ練り込むこと自体が極めて困難であることから不可能であった。
また仮に製造できたとしても、以下に詳細を示すように、シール材料としての性能に問題点があった。
【0008】
このため、セルロース繊維のみを基材繊維として用いた非石綿系ジョイントシートはこれまでのところなかった。(従来は、セルロース繊維を用いていても、アラミド繊維の補助繊維としての使用例だけであった。)
具体的には、セルロース繊維、ゴム、ゴム薬品、充填材、トルエン溶媒などなどを配合して混練しても、得られた混練物中のセルロース繊維がゴムと馴染んでいない状態では、上記シーター製法のカレンダリング工程中に、トラレ現象が生じ、ジョイントシートの製造が著しく困難または不可能になる。
【0009】
また、仮に、このような製法でジョイントシートが製造できたとしても、セルロース繊維が混練物中に充分に練り込まれていないために、得られたジョイントシート表面にセルロース繊維が浮き出てしまう。
このような表面凹凸を有するジョイントシートを用いると、ジョイントシートと相手材との接面シール性が悪くなる。さらに、ジョイントシート形成用組成物中に含まれている材料同士が充分に練り込まれていないため、材料同士の結合が弱いために、ジョイントシート内部に隙間が生じ易く引張強度が低く、また浸透漏洩によるシール性も悪くなる。
【0010】
このように、従来では、セルロース繊維を多量に含有し、引張強さなどの特性に優れた非石綿系ジョイントシートを、シーター装置を用いて効率よく製造できるジョイントシートの製造方法は知られていなかった。
なお、上記したように、特開昭59−86683号公報には、セルロース繊維が10%の量で含まれ、引張強さが2.5MPaである、抄紙法により製造されたジョイントシートが開示されている。また、特開昭63−179990号公報には、無機繊維が主体で、セルロース繊維が加工性を良くするために少量添加(最大で3.64%)された抄紙法によるジョイントシートが開示されている。しかしながら、これら公報には、シーター製法にて製造でき、多量のセルロース繊維が含まれ、機械的強度等の特性が優れたジョイントシートの製法については、何ら教示されていない。
【0011】
なお本願出願人は、特開2001−181452号公報にて、シーター製法による高温通気口遮断用防火シート形成用組成物の製法などを開示した。
しかしながら、上記公報は、火災発生時に効果を発揮するような高温通気口遮断用防火シート形成用組成物を提供しようとするものであり、耐熱性の点から有機繊維として、積極的に耐熱性の乏しいセルロース繊維を用いようとするものではない。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、セルロース繊維を多量に含有し、引張強さなどの特性に優れた非石綿系ジョイントシートを、シーター装置を用いて効率よく製造できるジョイントシートの製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
発明の概要
本発明に係るジョイントシートの製造方法は、
(i)セルロース繊維を含む非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含むジョイントシート形成用組成物を混練し、得られた混練物を熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロール間に挿入して加熱圧延し、圧延されたジョイントシート形成用組成物を熱ロール側に積層させ、次いで熱ロールに積層されたシート状物を剥離することによってジョイントシートを製造するに際して、
上記セルロース繊維を、上記基材繊維(i)とゴム材(ii)と充填剤(iv)との合計((i)+(ii)+(iv))を100重量%とするとき、5〜70重量%で用い、上記ジョイントシート形成用組成物に、セルロース繊維重量の0.02〜1.20倍量(ただし、セルロース繊維重量が40重量%以上の量で含有されている場合にはセルロース繊維重量の10〜30重量%)の極性溶媒を添加して混練することを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、セルロース繊維が多量に配合され、しかも該セルロース繊維が良好かつシート中に良好に分散しており、しかもこれらセルロース繊維などが繊維同士で互いに絡み合うこと(補強性に優れること)により、機械強度(例:引張強さ)、シール性などの特性に優れた非石綿系ジョイントシートをシーター装置を用いて効率よく製造できる。
【0015】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るジョイントシートの製造方法について具体的に説明する。
<ジョイントシートの製造方法>
本発明に係るジョイントシートの製造方法においては、(i)セルロース繊維を含む非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含む以下に詳述するようなジョイントシート形成用組成物を混練し、得られた混練物を、「熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロール間に挿入して加熱圧延し、圧延されたジョイントシート形成用組成物を熱ロール側に積層させ、次いで熱ロールに積層されたシート状物を剥離することによってジョイントシートを製造する方法」である「シーター製法」(カレンダーロール製法とも言う。)によってジョイントシートを製造するに際して、
上記ジョイントシート形成用組成物に、極性溶媒を添加して混練することを特徴としている。
【0016】
すなわち、本発明では、ジョイントシート形成用組成物の混練前あるいは混練時に、一度にあるいは少量ずつ連続してあるいは数回に分けて、極性溶媒を添加している。このため、ジョイントシート形成用組成物の混練中にセルロース繊維のダマ(玉)が実質上生ずることがなく、シーター装置を用いて製造した従来例[例:得られたジョイントシート中のセルロース繊維含量:0〜20重量%]に比して、本発明では、セルロース繊維は多量にジョイントシート形成用組成物中に配合可能[例:得られたジョイントシート中のセルロース繊維含量:20〜50重量%]であり、且つ、セルロース繊維は混練工程では、ジョイントシート形成用組成物中に良好に分散している。
【0017】
また、配合されているセルロース繊維はジョイントシート形成用組成物中に均一分散しており、得られたジョイントシート表面に偏在して浮き出たりしていないから、ジョイントシート表面の凹凸がなく平滑であり、ジョイントシートと各種相手部材との接面シール性が良好となる。
また、本発明では、ジョイントシート形成用組成物中の各種材料同士は、充分に良好に練り込まれており、繊維同士は一様な密度で互いに絡み合い、また粒状物などは繊維間などに良好に分散・保持され、繊維や結合剤(ゴム)などと結合しているから、ジョイントシートが積層シート(多層シート)であっても、シート層間に層間剥離が生じにくく、引張強度も高く、浸透漏洩も殆どなく、シール性も良好になるという効果が得られる。
【0018】
なお、上記「シーター製法」(カレンダーロール製)は、本願出願人が先に提案した特許公開2001−181452号公報等に記載されており公知であり、また、この際に好ましく用いられるシート製造装置も同公報等に記載されているように「シーター装置」として公知である。
なお、ジョイントシートの製法には、本発明で好適に用いられる上記「シーター製法(カレンダロール製法)」の他に、多量の水を用いる「抄紙法」(特開昭59−86683号公報、特開昭63−179990号公報など参照)などがある。この抄紙法で得られるジョイントシートに比して、本発明で用いられるシーター製法によるジョイントシートは、応力緩和率など耐熱性という点で優れている。
【0019】
本発明では、ジョイントシート形成用組成物(配合物)の調製工程の段階で、あるいは混練工程のセルロース繊維のダマが発生していない段階で、ジョイントシート形成用組成物あるいはその一部の配合成分に、極性溶媒を添加して混練する。このように極性溶媒の添加時期としては、有機繊維の1種であるセルロース繊維の「ダマ」がジョイントシート形成用組成物からなる混練物中に生じてしまわないうちであることが必要であり、一度、1〜複数個のダマが生じてしまうと極性溶媒を添加して混練してもセルロース繊維のダマを解すことはできず、ダマ同士の結合や固化も進行し、再度均一分散させることは困難である。よって、極性溶媒の添加時期は攪拌機にセルロース繊維を含む非石綿系基材繊維及び充填材を投入した直後でゴム材が配合される前が好ましく、このような時期(段階)に極性溶媒を所定量で配合物に添加すると、ジョイントシート形成用組成物の混練時にセルロース繊維のダマが発生せず、均一に基材繊維などが組成物中に分散し、その結果、優れた特性のジョイントシートが得られる。
【0020】
添加すべき水などの極性溶媒の量は、用いられる極性溶媒の種類、上記組成物への添加時期等にも依り異なり一概に決定されないが、通常、セルロース繊維重量の2重量%(0.02重量倍)以上、好ましくは5重量%以上が望ましい。
少なくともこのような下限量で水に代表される極性溶媒を用いると、水等の極性溶媒は、セルロース繊維に作用して、セルロース繊維の均一分散効果を発揮すると考えられる。
【0021】
但し、セルロース繊維の量が多量であり、ジョイントシート形成用組成物中またはジョイントシート中に、セルロース繊維が30重量%以上、特に40重量%以上の量で含有されているような場合には、極性溶媒、特に水は、セルロース繊維重量の10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の量で配合されることがセルロース繊維の均一分散性、ゴムの加硫の点から望ましい。
【0022】
また、水などの極性溶媒の添加量の上限値は、セルロース繊維重量の120重量%以下(バインダー重量の100重量%以下)、好ましくはセルロース繊維重量の20重量%以下(バインダー重量の25重量%以下)であることが、ゴムの加硫が阻害されず、しかも、ジョイントシート形成用組成物を混練することによりセルロース繊維等は良好にジョイントシート形成用組成物中に分散できるため望ましい。
【0023】
よって、多くの場合、上記極性溶媒を、セルロース繊維重量の0.02〜1.20倍量で添加して混練することが望ましい。
次いでこのジョイントシート形成用組成物(組成物)を熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロール間に挿入して加熱圧延する。この際、熱ロールは一般的には120〜160℃の温度に設定する。また冷却ロールは50℃以下の温度に保たれていることが好ましい。
【0024】
上記組成物を、このような温度条件に設定されたシーター装置に挿通させた場合には、該組成物中の繊維は、その形状を実質上保った状態で該組成物は加熱圧延され、シート状に成形される。また、この加熱圧延操作により、ゴム材は加硫されても加硫されなくともよいが、好ましい態様においては、ゴム材の少なくとも一部は、ゴム薬品特に加硫剤と反応して加硫(架橋)される。その加硫の程度は、ロール回転速度、各ロールの設定温度、ロール間隙あるいはロール圧、シート厚などにもよるが、熱ロールと冷却ロールがそれぞれ上記温度に設定されていることにより熱ロール側と冷却ロール側で異なっており、シート状物の熱ロール側表面から冷却ロール側表面にかけて次第に低下・減少している。換言すれば、得られるシート中の結合材に着目すると、該シートには、通常、未加硫のゴム材およびゴム薬品と共に、加硫されたゴム材が通常含まれている。
【0025】
なお、上記のような一対のロールを含む装置は、「シーター装置」として公知である。上記のようにジョイントシート形成用組成物を一対のロール間に挿入すると、該組成物は加熱圧延されて熱ロール側にシート状に積層(巻回)される。次いで、このシート状の加硫物を熱ロールから剥離させると、所望のジョイントシートが得られる。
【0026】
<ジョイントシート形成用組成物>
本発明においては、上記ジョイントシート形成用組成物としては、(i)セルロース繊維を含む非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含んでいる、以下に詳述するようなジョイントシート形成用組成物が好ましく用いられる。
【0027】
セルロース繊維を含む非石綿系基材繊維(i)には、セルロース繊維を含む有機基材繊維(イ)と、無機基材繊維(ロ)とが挙げられる。本発明で用いられる基材繊維(i)には、これらのうち、セルロース繊維を含む有機基材繊維(イ)が含まれていれば、ジョイントシートの用途などにも依るが、無機基材繊維(ロ)は含まれていてもよく、含まれていなくともよい。
【0028】
上記有機基材繊維(イ)としては、天然物のセルロース繊維の他に、合成繊維のアラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)、フェノール樹脂繊維、ポリイミド繊維、ポリスルホン繊維、ポリフェニレンオキシド繊維、フッ素化ポリマー系繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維;ポリ塩化ビニル系繊維;などが挙げられる。これらの有機繊維は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0029】
無機基材繊維(ロ)は、シートの形状保持性に寄与し、このような無機基材繊維(ロ)としては、人体や環境への安全性の観点から非石綿系のものが好ましく用いられ、具体的には、例えば、ロックウール繊維(岩綿)、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維(炭素繊維)、金属繊維、セピオライト繊維、ワラストナイト、鉱さい綿、溶融石英繊維、化学処理高シリカ繊維、溶融珪酸アルミナ繊維、アルミナ連続繊維、安定化ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ウイスカー、ボロン繊維などが挙げられる。
【0030】
これらの無機基材繊維は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
<ゴム材(ii)>
ゴム材(未加硫ゴム)(ii)は、上記の有機基材繊維、無機基材繊維などの基材繊維類(i)を結合する役割等を果たしており、このようなゴム材としては、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム(ANM、ACM)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン―プロピレンゴム(EPM、EPDM)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(VMQ、PMQ、FVMQ)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、エチレン酢ビゴム(EVA)、塩化ポリエチレン(CPE)、塩化ブチルゴム(CIR)、エピクロルヒドリンゴム(CD、ECO)、ニトリルイソプレンゴム(NIR)などが挙げれる。
【0031】
これらのゴム材のうちでは、天然ゴム、SBR、NBR、HNBR、BR、IR、IIR、CR、EPDM、ACM(ANM)、シリコンゴム、フッ素ゴムが好ましい。
<ゴム薬品(iii)>
ゴム薬品(iii)としては、加硫剤(架橋剤)、加硫促進剤、加硫助剤(架橋助剤)、分散剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、可塑剤、顔料など、耐熱性、耐油性、耐酸性、耐光性、色調など目的に応じて選択使用される。
<充填材(iv)>
充填材(iv)としては、無機繊維を除き、膨張性黒鉛、カオリン、クレー、タルク、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸鉛、酸化マグネシウム、トリポリ石、アルカリ土類金属塩(例:硫酸バリウム)、含水ケイ酸類、水酸化物類などが挙げられる。
【0032】
本発明で用いられるジョイントシート形成用組成物には、上記基材繊維(i)とゴム材(未加硫ゴム)(ii)と充填材(iv)との合計((i)+(ii)+(iv))を100重量%とするとき、基材繊維(i)は2〜80重量%、好ましくは10〜50重量%の量で、また
ゴム材(未加硫ゴム)(ii)は5〜50重量%、好ましくは10〜20重量%の量で、
充填剤(vi)は5〜80重量%、好ましくは20〜70重量%の量で含まれていることが望ましい。
【0033】
基材繊維(i)中の上記セルロース繊維に代表される有機基材繊維(イ)は、上記基材繊維(i)とゴム材(未加硫ゴム)(ii)と充填材(iv)との合計((i)+(ii)+(iv))を100重量%とするとき、通常、5〜70重量%、好ましくは10〜40重量%の量で、また、無機基材繊維(ロ)は0〜40重量%の量で含まれていることが望ましい。
【0034】
また、基材繊維(i)中に、上記セルロース繊維に代表される有機基材繊維(イ)は、上記基材繊維(i)の総量((イ)+(ロ))を100重量%とするとき、通常、20〜100重量%、好ましくは30〜100重量%の量で、また、無機基材繊維(ロ)は残部量で含まれていることが補強性と耐熱性のバランスの点で望ましい。
なお、ゴム薬品(iii)量は、特に限定されないが、上記成分(i)〜(iv)の合計100重量部中に、通常1〜5重量部、好ましくは2〜4重量部の量で含まれていることが望ましい。また、基材繊維(i)は、有機繊維(イ)と無機繊維(ロ)とからなるが、セルロース繊維に代表される有機繊維(イ)は、その用途等にも依るが、例えば、耐熱性の求められない水道管接合部シール用としては、有機繊維(イ)と無機繊維(ロ)との合計((イ)+(ロ))100重量部中に、通常、20〜100重量部、好ましくは30〜100重量部の量で含まれていることが望ましい。
【0035】
なお、本発明で用いられるジョイントシート形成用組成物には、上記成分以外に、通常、ジョイントシート形成用組成物に配合されるような成分、例えば、有機溶剤、カップリング剤、有機帯電防止剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは各種熱可塑性樹脂等が含まれていてもよい。
有機溶剤(前記極性溶媒を除く。以下同様。)としては、例えば、トルエン、ゴム揮(ゴム含量が100mg/100ml以上のガソリン)等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。このような有機溶剤の使用量には、特に制限はないが、例えば、上記成分(i)〜(iv)の合計100重量%に対して、例えば、10〜100重量%、好ましくは20〜80重量%の量で用いてもよい。また、ジョイントシート形成用組成物中に含まれる固形分を100重量%とするとき、有機溶剤は、例えば、10〜100重量%、好ましくは20〜80重量%の量で用いてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、セルロース繊維が多量に配合され、しかも該セルロース繊維が良好かつシート中に良好に分散しており、しかもこれらセルロース繊維などが繊維同士で互いに絡み合うこと(補強性に優れること)により、機械強度(例:引張強さ)、シール性などの特性に優れた非石綿系ジョイントシートをシーター装置を用いて効率よく製造できる。
【0037】
より具体的には、本発明においては、ジョイントシート形成用組成物の攪拌・混練の際、セルロース繊維を含む非石綿系基材繊維及び充填材を投入した直後でありゴム材を投入する直前に極性溶媒を均一に混合するので、セルロース繊維を非石綿系ジョイントシート(CFS)用の原料に、良好に分散させ練り込むことが可能になっている。
【0038】
ジョイントシート形成用組成物の調製時に、ゴム溶液用の溶媒として、非極性溶媒のトルエンなどが用いられている場合には、配合成分中のゴム成分よりも先にトルエンがセルロース繊維に含浸してしまい、セルロース繊維の凝集・硬化が生ずるために、セルロース繊維は配合成分中に良好に分散しにくい。しかしながら、このような場合にも、本発明においては、極性溶媒をジョイントシート形成用の配合成分に添加しているので、極性溶媒が極性基(−OH、−CH2−OHなど)を有するセルロース繊維に選択的に作用し、セルロース繊維が凝集しにくくなり、さらに柔軟化されるために、特にセルロース繊維はゴムなどに良好に分散し、練り込み易くなり、その結果、セルロース繊維は、ジョイントシート形成用組成物の混練物中に多量に配合させることができ、しかも均一分散可能になっていると考えられる。
【0039】
さらにジョイントシートの特性面では、配合成分、特にセルロース繊維の良好な分散・練り込みが達成されたことにより、含まれる材料同士の緊密な接触・絡み合いが確保され、セルロース繊維による補強効果が発揮されジョイントシートの引張強度などが向上し、しかもセルロース繊維がジョイントシート中に良好に均一分散しているため、ジョイントシート表面の平滑性やシート内部の状態(層)の均一化が実現され、その結果、シール材としての機能(例:シール性、引張強さなどの機械的強度、性能の信頼性など)が向上している。
【0040】
特に用いられるセルロース繊維は、安価で、原料も豊富であるから、工業的に入手容易であり、得られる本発明のジョイントシートが非石綿系基材繊維として、実質上セルロース繊維のみを含有していると、得られるジョイントシートは、環境への安全性、生分解性、廃棄の容易性等の点で優れており、特に耐熱性が要求されないような用途のジョイントシート、例えば、上下水道配管用、低温油配管用等の用途に好適に使用できる。
【0041】
また、本発明の方法で製造されたジョイントシートは、セルロース繊維を多量に含んでおり、非石綿系であり、基材繊維中の他の有機繊維量などを低減できるから、焼却・廃棄等しても環境汚染の恐れが少ないなどの利点を有する。
【0042】
【実施例】
以下、本発明に係るジョイントシートの製造方法について、実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、係る実施例により何ら制限されるものではない。
【0043】
【実施例1】
以下の組成を有するジョイントシート形成用組成物を、以下のようにして調製した。なお、各成分の「重量%」値は、組成物100重量%に対する値である。
(ii)ゴム(アクリロニトリルゴム、日本ゼオン(株)製):16重量%、および、
(iii)ゴム薬品;5重量%を、予め一定量((i)〜(iv)の混合物1Kgに対して0.7リットル)のトルエンに添加し、5分間混練して、ゴムを液中に浸漬、膨潤させて、ゴム溶液(イ)を調製した。
【0044】
一方、(i)セルロース繊維(商品名:アーボセルB−400、(J.RETTENMAIER&SOEHNE社製);20重量%と、
(iv)充填材:重質炭酸カルシウム;59重量%とを配合してヘンシェルミキサーを用いて1分間混練した後、上記(i)セルロース繊維重量(100重量%とする)に対して水を10重量%の割合で配合して、(i)と(iv)と水とが配合された組成物(配合物)(ロ)を、ヘンシェルミキサーを用いて1分間混練した。
【0045】
均一になるまで配合物(ロ)を混合した後、配合物(ロ)にさらに(ii)ゴム、(iii)ゴム薬品およびトルエンからなるゴム溶液(イ)を投入し均一に混合されるまで混練した。
セルロース繊維は、ジョイントシート形成用混練物中に、良好に分散していた。
【0046】
次いで、この混練物を、熱ロール(130℃)と冷却ロール(30℃)との間に投入して加熱圧延した。熱ロール側に巻付いたシート状体を、ドクターブレードにより剥離してジョイントシート(厚み:1.5mm)を得た。
このジョイントシートは表面平滑性に優れていた。また、その切断面を見ると一様にセルロース繊維は分散しており、“ダマ”は見られなかった。
【0047】
次いで得られたジョイントシートからガスケットを形成し、このガスケットについて下記の特性をJIS R3453に準拠して測定した。
(a) 引張強さ(ヨコ)〔MPa〕
(b) 圧縮率 〔%〕
(C) 復元率 〔%〕
(d) 応力緩和特性(100℃、20.6MPaで22時間) 〔%〕
(e) シール性〔Pa・m3 /s〕
ジョイントシートから外径65mmφ×内径50mmφ×厚さ1.5mmに打ち抜いたシートを、フランジ内で締付け(圧;20MPa)、N2 ガス(内圧;1MPa)を負荷してシール性を測定した。
【0048】
上記ジョイントシート形成用組成物の配合組成、および該組成物を用いて作製したジョイントシートの特性を測定した結果を表1に示す。また、ジョイントシート形成用組成物調製時の各配合成分の混練時間(分)を表2に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004077642
【0050】
【表2】
Figure 0004077642
【0051】
【実施例2〜5,比較例1〜2】
実施例1において、配合組成を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にした。
結果を表1に示す。

Claims (2)

  1. (i)セルロース繊維を含む非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含むジョイントシート形成用組成物を混練し、得られた混練物を熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロール間に挿入して加熱圧延し、圧延されたジョイントシート形成用組成物を熱ロール側に積層させ、次いで熱ロールに積層されたシート状物を剥離することによってジョイントシートを製造するに際して、
    上記セルロース繊維を、上記基材繊維(i)とゴム材(ii)と充填剤(iv)との合計((i)+(ii)+(iv))を100重量%とするとき、5〜70重量%で用い、
    上記ジョイントシート形成用組成物に、セルロース繊維重量の0.02〜1.20倍量(ただし、セルロース繊維重量が40重量%以上の量で含有されている場合にはセルロース繊維重量の10〜30重量%)の極性溶媒を添加して混練することを特徴とするジョイントシートの製造方法。
  2. セルロース繊維が、基材繊維量の20〜100重量%の量で含まれている請求項1に記載のジョイントシートの製造方法。
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