JP4077540B2 - 二重立体ギャザーを備えた吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、経血やおりもの等の横漏れを障壁(ギャザー)によって阻止するとともに、仮に前記障壁を乗り越えて漏出する体液が有ったとしてもこれを第2の障壁によりブロックすることでショーツの汚れを確実に防止するようにした二重立体ギャザーを備えた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パンティライナー、生理用ナプキンなどの吸収性物品としては、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などからなる不透液性バックシートと、不織布などからなる透液性トップシートとの間に綿状パルプ等からなる吸収体を介在したものが知られている。
【0003】
近年は、この種の吸収性物品にも幾多の改良が重ねられ、サイドに設けられた障壁(ギャザー)によって横漏れを防止するようにしたものが提案されている。たとえば、特公表7−501723号公報では、図13に示されるように、吸収性物品50の側縁部において、内包された弾性部材54によってサイドフラップを起立させたものが提案されている。この弾性化サイドフラップ51は、吸収体55の側縁部から延び該側縁部に環状に戻るループ部材52と、吸収体55の側縁部から延びる層から形成された挿入部材53と、この挿入部材53の遠位端側に固着された前記弾性部材54とから構成されるものであり、同公報によれば、前記弾性化サイドフラップ51(立体ギャザー)によって、起立片の先端が人体に接触し体液が横漏れする際の障壁となるため、従来のものに比べて各段に横漏れを防止できる、とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、装着当初はきっちりと人体の局部に装着されていたものが、日常生活で普通に行われる歩行や運動等によって次第に相対位置がずれてしまうことが多々発生する。そのため、ナプキンにしわが寄って人体との間に小さな隙間が形成され、体液が前記隙間を通ってナプキンから漏れ出し、ショーツやズボン等を汚してしまうことがあった。
【0005】
現状では、この種の吸収性物品において、側縁部に形成された立体ギャザーを乗り越えて漏出する体液が合った場合、これをさらにブロックする手段を開示するものは見あたらない。
【0006】
そこで本発明の主たる課題は、経血やおりもの等の体液の横漏れを障壁(ギャザー)によって阻止するとともに、仮にこの障壁を乗り越えて漏出する体液があったとしてもこれをブロックする手段を講ずることで、ショーツの汚れを完全に防止するようにした吸収性物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明に係る吸収性物品は、透液性トップシートと不透液性バックシートとの間に吸収体が介在されてなるとともに、パンティライナー又は生理用ナプキンからなる吸収性物品であって、
前記吸収性物品の両側部にそれぞれ、前記吸収体の側部上面位置を起立基端として表面側に突出して形成された第1立体ギャザーと、相対的に前記第1立体ギャザーの外側位置に形成されるとともに、前記不透液性バックシートの側縁から実質的に連続するとともに、外方に延在して設けられ、かつ不織布のみによって形成された表面側に突出する第2立体ギャザーとを備え、
前記第2立体ギャザー部において、吸収性物品の略長手方向に沿って、前記不透液性バックシートの側縁部またはその近傍位置に基端側弾性部材を配設するとともに、前記第2立体ギャザーの起立先端部位に先端側弾性部材を夫々配設したことを特徴とするものである。
【0008】
好ましくは前記第2立体ギャザー部において、前記基端側弾性部材は、不透液性バックシートの側縁を基準として外側または内側にそれぞれ5mmの範囲内に配置され、かつ吸収体の側縁より外側に少なくとも10mm以上の離れた位置に配置されているのが望ましい。
【0009】
他方で、前記基端側弾性部材の弾性強度は10〜300g、前記先端側弾性部材の弾性強度は10〜100gとし、かつ両弾性部材の相対的関係においてその弾性強度比を基端側弾性部材:先端側弾性部材=1:1〜3:1とするのが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る生理用ナプキンNの斜視図であり、図2は図1のII−II線矢視図であり、図3は図1のIII−III線矢視図である。
【0011】
前記生理用ナプキンN(以下、単にナプキンという。)は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性バックシート1と、経血やおりものを速やかに透過させる透液性トップシート3と、これら両シート1、3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体2と、前記吸収体2の側部上面位置を起立基端として表面側に突出して設けられた左右一対の第1立体ギャザー4、4と、相対的に前記第1立体ギャザー4、4の外側に配置されるとともに、前記不透液性バックシート1の側縁から実質的に連続して設けられた不織布10によって表面側に突出して形成された左右一対の第2立体ギャザー5、5とから構成され、前記第2立体ギャザー5、5部において、起立基端近傍部位に吸収性物品Nの略長手方向に沿って基端側弾性部材8を配設するとともに、起立先端部位に吸収性物品Nの略長手方向に沿って先端側弾性部材7を夫々配設したものである。
【0012】
前記吸収体2の周囲において、その上下端部位では、前記不透液性バックシート1と透液性トップシート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段により接合されているとともに、その両側部位では、前記不透液性バックシート1と前記第2立体ギャザー5、5を形成している不織布10の起立基部とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段により接合され、前記吸収体2が内部に保持されている。
【0013】
以下、さらに具体的に前記ナプキンNの構造について詳述すると、
前記不透液性バックシート1は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
【0014】
次いで、前記透液性トップシート3は、有孔または無孔の不織布や孔開きプラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードリパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができる。これらの加工方法の内、スパンレース不織布は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド不織布は嵩高でソフトである点で優れている。
【0015】
前記透液性トップシート3に多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等が速やかに吸収体2へ吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。なお、この場合には、透液性トップシート3と吸収体3との間に吸収された体液の戻りを防止するために特に親水性に優れた拡散シート(図示せず)を介在させるのが望ましい。
【0016】
前記透液性トップシート3の幅寸法は、図示の例では、図2の中央断面図に示されるように、吸収体2の幅より若干長めとされ吸収体2を覆うだけに止まり、前記第1立体ギャザー4およびこれの外側に形成される第2立体ギャザー5は、前記透液性トップシート3とは別のギャザー形成用不織布10、具体的には体液が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの目的に応じて、適宜の撥水処理または親水処理を施した不織布素材により構成されている。かかるギャザー形成用不織布10としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを材料として、適宜の加工法によって処理されたものを使用できるが、好ましくはゴワ付きを無くすとともに、ムレを防止するために、坪量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。具体的には、坪量を18〜23g/m2として作製された不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するため、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
【0017】
次いで、第1立体ギャザー4および第2立体ギャザー5部の構造をさらに模式的に示した図4に基づいて説明すると、前記ギャザー形成用不織布10は、その内方側端部が吸収体2の側縁上部Bにおいてホットメルト接着剤等の接着剤により透液性トップシート3の上面に接着されているとともに、所定の幅、具体的には第1立体ギャザー4の起立高さに相当する折り返し幅をもってその中間部が前記側縁上部Bとの重なるC部において接着されることで袋状部10B(以下、袋状フラップ)が作られ、かつこの袋状フラップ10B内の先端部分に両端または長手方向の適宜の位置が固定された、ある程度の幅を持つテープ状弾性部材6が内設され、このテープ状弾性部材6の収縮作用によって前記袋状フラップ10Bを起立させ前記第1立体ギャザー4が形成されている。この第1立体ギャザー4は、ナプキンNの長手方向端部において、図3に示されるように、起立片高さの約1/2の点を折曲げ線として折り畳まれ、接合面がホットメルトなどによって接着されている。この折り畳み部分も表面側に突出する嵩高部となって前後洩れした体液が側部を乗り越え流出するのを防止する。前記テープ状弾性部材6の伸縮率は、120〜300%、特に130〜160%、弾性強度で10〜45g、特に15〜30gであることが望ましい。
【0018】
他方、前記C部位よりさらに外方に延在するシート部分の中間が、先ず不透液性バックシート1の表面側に接着されるとともに、これらより外方に延在する部分が二重に折り返されて袋状フラップ10Aが形成され、この袋状フラップ10Aの先端内部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された糸状弾性部材7が配置され、この糸状弾性体7の収縮作用により該袋状フラップ10A部分を表面側に起立させ、前記第2立体ギャザー5が形成されている。
【0019】
本発明では、特に前記第2立体ギャザー5の起立基端近傍部位に糸状弾性部材8が配置される。前記第2立体ギャザー5の先端部に配設された糸状弾性部材7のみによっても前記袋状フラップ10Aを起立させることはできるけれども、不透液性バックシート1は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂が用いられ、相対的に不織布10よりも高い剛性を有している。従って、前記糸状弾性部材7のみの場合、第2立体ギャザー5の起立態様は、図9(A)の模式図に示されるように、不透液性バックシート1の側部を効果的に起立させることはできず、不透液性バックシート1の端縁部Pを起立基端として立ち上がるような起立態様となる。これに対して、第2立体ギャザー5の起立基端近傍部位にさらに1本の糸状弾性部材8を付加してやると、図9(B)に示されるように、不透液性バックシート1の側部を効果的に立ち上げることができるようになる。すなわち、第2立体ギャザー5の基端部を前記糸状弾性部材8により上方に持ち上げ、そして先端側の糸状弾性部材7によってギャザー先端部を足回りに確実にかつ柔軟にフィットさせるようになる。このように、前記糸状弾性部材8を付加することで第2立体ギャザー5の曲率具合に深みが増し、側部からの漏れ防止性が向上するとともに、足回りへの追従性も格段に良好となる。
【0020】
この場合において、前記第2立体ギャザー5の起立基端側に配置される糸状弾性部材8は、図4に示されるように、不透液性バックシート1の側縁Pを基準として、外側または内側にそれぞれ5mm(±S)の範囲内、最も好適には不透液性バックシート1の側縁Pに配置されることが望ましく、かつ吸収体2の側縁より外側に少なくとも10mm(L)以上の離れた位置に配置されるのが望ましい。前記糸状弾性部材8を不透液性バックシート1の側縁Pを基準として外側または内側にそれぞれ5mm(±S)の範囲内とするのは、糸状弾性部材8の弾性伸縮力を効果的に前記不透液性バックシート1に伝達させ、上方に起立させるためであり、また吸収体2の側縁より外側に少なくとも10mm(L)以上の離れた位置とするのは、吸収体2から所定量離すことで操業ラインの弾性部材設置工程において他との干渉を避け操業時のトラブルを回避するためである。
【0021】
ところで、本例では第2立体ギャザー5の起立高さが十分に確保され、糸状弾性部材7と糸状弾性部材8との距離が割合離れた態様で図示されているが、前記両弾性部材7、8が近接する関係にある場合、具体的には第2立体ギャザー5の起立高さが小さい場合、あるいは前記糸状弾性部材8が不透液性バックシート1端部Pより外側に+5mm(+S)の位置に配置され前記両弾性部材7、8が近接する関係にある場合には、前記2本の糸状弾性部材7、8によって帯状のひだが吸収性物品Nの長手方向に沿って形成されるようになるが、この場合であっても起立基端側の糸状弾性部材8がフラップの基端側を上側に持ち上げるように作用している点では同じである。
【0022】
他方、前記糸状弾性部材8と糸状弾性部材7との関係、すなわち起立基端側弾性部材と起立先端側弾性部材との相対的関係においては、前記起立基端側弾性部材は主として不透液性バックシート1側部の起立作用を担い、前記先端側弾性部材は主として足回りへのフィット作用を担うものであり、それぞれの弾性体が担う機能が別であることから、両弾性部材間での弾性強度比は起立基端側弾性部材:起立先端側弾性部材=1:1〜3:1、好ましくは1.2:1〜2:1とするのがよい。原理的には基端側弾性部材の弾性パワーをより強くして比較的剛性のある不透液性バックシート1の端部を持ち上げるようにするのが望ましいのであるが、弾性パワーを上げ過ぎると製品状態で丸まってしまうなどの弊害も出るため、基端側弾性部材の弾性パワーは大きくても先端側弾性部材の3倍以内に抑えるようにするのが良い。具体的数値範囲を挙げれば、前記基端側弾性部材は10〜300g、好ましくは60〜300gとし、前記先端側弾性部材は10〜100g、好ましくは60〜100gとするのが良い。
【0023】
他方、前記テープ状または糸状弾性部材6〜8としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の発泡体やフィルムなど種々のものを用いることができる。この場合において、特に、内側の第1立体ギャザー4には、経血等の洩れ出しを確実に防止するとともに、人体への当たりを考慮して、ある幅を持ったテープ状のものが使用し、外側の第2立体ギャザー5には、身体へのフィット性を重視して糸状の弾性部材を用いるようにするのがよい。換言すれば、前記第1立体ギャザー4、4は、人体の局部に押し当てられるように装着されるため、ある程度の幅をもって接触するギャザー(障壁)とする一方、前記第2ギャザー5、5は足の付け根部位に対して確実にその先端を当接させるために、テープ状とするよりはむしろ糸状として身体の動きに確実にフィットさせるようにするのが良い。
【0024】
前記ナプキンNを、身体の局部に対して装着するに当たっては、図12に示されるように、局部に対して前記ナプキンNをあてがう際に、捻れやしわを寄らすことなく、第1ギャザー4および第2ギャザー5が共に身体に対して連続的に密着し隙間が形成されないように装着する。この場合、前記第2立体ギャザー5、5は、ショーツSの外側位置において脚部の付け根位置に接触するように装着される。前記第1立体ギャザー4、4はショーツS内において体液の漏れを堰き止め横洩れしないようにガードし、そして横ズレや縒れが生じて肌との間に隙間が形成され、前記第1立体ギャザー4、4を乗り越えて漏出する体液があったとしても、前記第2立体ギャザー5、5がこの体液をブロックし、ショーツSが汚れるのを完全に防止する。
【0025】
なお、前記第1例に係る立体ギャザーの形成態様によれば、第1立体ギャザー4および第2立体ギャザー5とが一枚の不織布素材10によって形成されている点で、原価コストが安価になるとともに、部品数が少なくなるため操業性の点から好ましいものとなっている。
【0026】
ところで、前記第1立体ギャザー4および第2立体ギャザー5の形成態様に関しては、他に幾つかの態様が考えられる。図5に示される例は、第1立体ギャザー4と第2立体ギャザー5とをそれぞれ別々のギャザー形成用不織布11、12により構成した例である。具体的には、第1立体ギャザー4は、前記第1例のように、第1ギャザー形成用不織布11の内方側端部を収体体2の側縁上部Bにおいてホットメルト接着剤等の接着剤により透液性トップシート3の上面に接着し、所定の幅、具体的には第1立体ギャザー4の起立高さに相当する折り返し幅をもってその中間部を前記側縁上部Bとの重なるC部に再び接着して袋状フラップ10Bを形成し、かつこの袋状フラップ10B内の先端部分にテープ状弾性部材6を内設して表面側に起立する前記第1立体ギャザー4を形成し、そして前記C部からさらに外方に延在されるフラップ部分は不透液性バックシート1の側縁止まりとして該部分に接着する。
【0027】
一方、前記第2立体ギャザー5は、不透液性バックシート1の側縁外面に対してギャザー形成用不織布12の一方側端部をホットメルト接着剤により接合するとともに、この接合部に糸状弾性部材8を固定し、他方の外側端部において所定幅で不織布12を折り返すとともに、折返し端部Dをホットメルトによって接着し、この折返し袋内部に糸状弾性部材7を内設して表面側に起立する第2立体ギャザー5を形成するようにしたものである。
【0028】
また、図6に示されるように、ギャザー形成用不織布13によって第1立体ギャザー4および第2立体ギャザー5を形成するとともに、不透液性バックシート1の側端部を所定幅で折返し、この折返し袋内部F内に糸状弾性部材8を内設するようにしても良い。
【0029】
さらに、図7に示されるように、不透液性バックシート1とショーツSとの擦音を防止する等のために、前記不透液性バックシート1の外面側を不織布によってラミネートする場合には、先ずギャザー形成不織布14によって第1立体ギャザー4を形成し、一方の第2立体ギャザー5は、前記ラミネート不織布15を不透液性バックシート1の端縁よりもさらに外側に延在させ、この延在フラップ部15Aによって形成するようにしてもよい。さらに、図8に示されるように、不透液性バックシート1の側端部を所定幅で折返し、この折返し部F内に糸状弾性部材8を内設するようにしても良い。
【0030】
他方、前記二重の立体ギャザー4、5を有する構成は、図10に示されるウイング付ナプキンN’にも適用することが可能である。前記ウイングWは、その裏面側に粘着剤が塗布されており、装着時にショーツの股間部の側縁を回り込んでショーツ外面にそれぞれ接着させることによって横ずれを防止するものであるが、前記ウイングWを本発明に係る前記第2立体ギャザー5と一体的に形成することもできる。具体的には、図11に示されるように、前記第2立体ギャザー5を形成する不織布素材16の一側端を不透液性バックシート1の側縁外面に接合し、その外側部分において、起立片の先端(遠位端)で折り返すとともに、隣接位置Gを接着剤で接合するとともに、その袋内部に糸状弾性体7を配設することにより第2立体ギャザー5を形成するようにし、かつ前記接着部Gからさらに延在するフラップ部16を前記ウイングWとして機能させるようにする。
【0031】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、吸収性物品の両側部に対して二重の立体ギャザーを形成するようにしたため、経血やおりもの等の体液の横漏れが完全に阻止され、ショーツの汚れを防止できるようになる。また、外側の立体ギャザー部において、起立基端側にも弾性部材を配設するようにしたため、不透液性バックシートの側部を持ち上げ、ギャザー先端を足回りに確実にかつ柔軟にフィットさせるようになるため、より横漏れ防止性に優れたものになるとともに、装着感にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る生理用ナプキン1の斜視図である。
【図2】 図1のII−II線矢視図である。
【図3】 図1のIII−III線矢視図である。
【図4】 第1例に係る二重立体ギャザーの形成態様模式図である。
【図5】 第2例に係る二重立体ギャザーの形成態様模式図である。
【図6】 第3例に係る二重立体ギャザーの形成態様模式図である。
【図7】 第4例に係る二重立体ギャザーの形成態様模式図である。
【図8】 第5例に係る二重立体ギャザーの形成態様模式図である。
【図9】 第2立体ギャザー5の基端に配した糸状弾性部材8の作用説明図である。
【図10】 ウイング付ナプキンN’の斜視図である。
【図11】 ウイングWを一体形成した二重立体ギャザーの形成態様模式図である。
【図12】 本ナプキンNの装着例図である。
【図13】 従来の立体ギャザーを有するナプキン50の半割断面斜視図である。
【符号の説明】
N…生理用ナプキン、1…不透液性バックシート、2…吸収体、3…透液性トップシート、4…第1立体ギャザー、5…第2立体ギャザー、6…テープ状弾性体、7…糸状弾性体(先端側弾性部材)、8…糸状弾性体(基端側弾性部材)、W…ウイング、10〜14…ギャザー形成用不織布、15…ラミネート不織布
Claims (3)
- 透液性トップシートと不透液性バックシートとの間に吸収体が介在されてなるとともに、パンティライナー又は生理用ナプキンからなる吸収性物品であって、
前記吸収性物品の両側部にそれぞれ、前記吸収体の側部上面位置を起立基端として表面側に突出して形成された第1立体ギャザーと、相対的に前記第1立体ギャザーの外側位置に形成されるとともに、前記不透液性バックシートの側縁から実質的に連続するとともに、外方に延在して設けられ、かつ不織布のみによって形成された表面側に突出する第2立体ギャザーとを備え、
前記第2立体ギャザー部において、吸収性物品の略長手方向に沿って、前記不透液性バックシートの側縁部またはその近傍位置に基端側弾性部材を配設するとともに、前記第2立体ギャザーの起立先端部位に先端側弾性部材を夫々配設したことを特徴とする二重立体ギャザーを備えた吸収性物品。 - 前記第2立体ギャザー部において、前記基端側弾性部材は、不透液性バックシートの側縁を基準として外側または内側にそれぞれ5mmの範囲内に配置され、かつ吸収体の側縁より外側に少なくとも10mm以上の離れた位置に配置されている請求項1記載の二重立体ギャザーを備えた吸収性物品。
- 前記基端側弾性部材の弾性強度は10〜300g、前記先端側弾性部材の弾性強度は10〜100gとし、かつ両弾性部材の相対的関係においてその弾性強度比を基端側弾性部材:先端側弾性部材=1:1〜3:1としてある請求項1〜2記載の二重立体ギャザーを備えた吸収性物品。
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