JP4076023B2 - 繊維板の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回収繊維を原料とした繊維板の製造方法の技術に関し、より詳細には、厚さが大きく、傾斜機能を備えた繊維板を効率よく量産するための製造方法に関するものである。
従来、繊維系素材を原料として、これをプラスチック(熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂)やゴムと複合材料化して、一定の剛性や弾性を有するシート状やプレート状の機能性材料とする技術が公知となっている。このような製造技術においては、混合した熱可塑性樹脂を溶融させて繊維系素材を接着させ、加圧プレスによってシート状等に固化させるのが一般的である。
一方、近年においては、環境資源の保護の観点から、プラスチックのリサイクルをはじめとした廃棄物のリサイクルや再利用が脚光を浴び、その中で繊維系素材の成形加工技術を応用して、木材や故繊維(古着・カーテン・シーツ等の繊維製品(ボロ)や裁断屑・織布・糸屑・綿屑等の繊維屑)等の廃棄物から木材代替材料を製造する技術が注目されているところである。
特に、故繊維は、主にウエス・海外輸出用古着・国内販売用古着として流通利用されるか、回収繊維として再生用綿(反毛)・特殊紡績として再利用されるかであり、リサイクル・再利用の用途範囲が狭く、多くは焼却処分や産廃処分されているのが実状である。そのため、これら故繊維の再利用等に関する新たな技術の研究・向上が待望されている。
これまで、木材や故繊維から木材代替材料を製造して再利用するという観点から、例えば、特許文献1乃至特許文献3に記載される技術が提案されている。
具体的には、特許文献1においては、木粉を含む天然繊維を熱可塑性樹脂と混合した帯状マットを傾斜して重ね合わせて、次いで厚さ方向にホットプレスして、人工木材たる繊維板を製造する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、特許文献2においては、融点の異なる二種類の繊維屑から編み布を作成し、高融点の編み布を低融点の編み布で挟むように予め積層させて、これを金型加熱プレスすることによって、一体の繊維積層板を製造する技術が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、特許文献3においては、破片状又はウェブ状のカーペット裁断屑中の低融点樹脂を溶融させるように加熱して押し出し成形することで、繊維混合樹脂を製造する技術が提示されている(特許文献3参照)。
特開2000−190311号公報 特開2000−334873号公報 特開平10−286886号公報
確かに、上述した特許文献1乃至特許文献3に開示されるような技術によれば、天然繊維や繊維屑等を原料とした繊維板や繊維混合樹脂の製造が可能となり、故繊維等の新たな再利用手段を提案し、故繊維等の利用価値を高めるものとして有用であったといえる。
しかしながら、木材代替材料等としての利用価値を工業ベースで検討すると、製造された繊維板が同一品質のものを容易に量産できるものであり、また、傾斜機能を有するなど多様な機能を備えて広範囲なニーズに適用できるものであることが望ましい。そのため、従来の繊維板の製造方法では、以下のような課題があった。
具体的には、従来の繊維板や繊維混合樹脂の製造には、主に、金型プレスや押し出し成形によるプレス成形が行われていた。そのため、製造装置の大型化が困難であり、製造される繊維板の大きさが限定されていた。また、コンベア等による移送を停止したりプレスされた繊維板を取り出したりする工程が必要となり製造効率が悪かった。なお、例えば、金型プレスによれば層間で機能の異なる傾斜機能を備えた繊維板等を製造することも可能であるが(特許文献参照)、上述するような課題があったのである。
さらに、厚さ方向に加熱プレスして熱可塑性樹脂を溶融させる製造方法によれば、表面部と内部とでは熱可塑性樹脂の溶融速度が異なり、熱可塑性樹脂を完全に溶融させるのに時間がかかっていた。そのため、熱可塑性樹脂が均一に溶融された一定品質の繊維板や厚さ方向に大きな繊維板を迅速に製造するが困難であった。
そこで、本発明は、繊維板の製造方法及びその製造装置に関し、上記従来の課題を解決するもので、同一品質の繊維板を迅速かつ大量に生産可能とし、厚さが大きく傾斜機能を備えた繊維板を効率よく量産することを目的とするものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、繊維板の製造方法として、回収繊維及び回収繊維の融点あるいは熱劣化温度よりも低い温度で溶融する熱可塑性樹脂を混合したマットを加熱プレスして木材代替材料としての繊維板を製造する繊維板の製造方法であって、複数のマットをそれぞれ加熱して熱可塑性樹脂を溶融させる予備加熱工程と、熱可塑性樹脂が溶融した状態のマットを移送させながら重ね合わせて積層マットとする積層工程と、積層マットを連続して加圧プレスするプレス成形工程と、よりなるものである。
また、前記予備加熱工程では、前記複数のマットのそれぞれとして複数枚のマットが重ね合わされたものを加熱して熱可塑性樹脂を溶融させるのが好ましい。
回収繊維及び回収繊維の融点あるいは熱劣化温度よりも低い温度で溶融する熱可塑性樹脂を混合したマットを加熱プレスして木材代替材料としての繊維板を製造する繊維板製造方法であって、予め複数のマットを積層させた積層マットを加熱して熱可塑性樹脂を溶融させる予備加熱工程と、熱可塑性樹脂が溶融した状態の積層マットを連続して加圧プレスするプレス成形工程と、よりなるものもよい。
前記予備加熱工程は、前記マットの上側又は下側から熱風を吹き込み、かつ、下側又は上側から吸引して、マット中の熱可塑性樹脂を溶融するものであることが好ましい。また、前記積層マットは、少なくとも一つのマット中の熱可塑性樹脂の混合比が、他のマット中の熱可塑性樹脂の混合比と異なるものとしてもよく、また、前記回収繊維は、一般廃棄物に含まれる布帛の反毛を用いることができる。さらに、上述の製造方法によって製造される繊維板の肉厚は、1mm〜90mmの範囲である。
一方、繊維板の製造装置としては、回収繊維及び回収繊維の融点あるいは熱劣化温度よりも低い温度で溶融する熱可塑性樹脂を混合したマットを、加熱プレスして木材代替材料としての繊維板を製造する繊維板の製造装置であって、多段に配設された複数のコンベアによってマットをそれぞれ移送させながら加熱する加熱機と、該加熱機に連設され、熱可塑性樹脂が溶融した状態のマットを移送させながら重ね合わせて積層マットとする積層コンベアと、該積層マットを連続して加圧プレスする加圧ロールと、を備えるものである。
また、前記加熱機は、前記マットのそれぞれとして複数枚のマットが重ね合わされたものを移送させながら加熱するものであるのが好ましい。
回収繊維及び回収繊維の融点あるいは熱劣化温度よりも低い温度で溶融する熱可塑性樹脂を混合したマットを、加熱プレスして木材代替材料としての繊維板を製造する繊維板の製造装置であって、予め複数のマットを積層させた積層マットをコンベアによって移送させながら加熱する加熱機と、熱可塑性樹脂が溶融した状態の積層マットを連続して加圧プレスする加圧ロールと、を備えるものであるのもよい。
そして、前記加熱機は、複数のマットを同時に加熱可能な少なくとも一対の熱風の吹き込み口と吸引口とを、マットの上側又は下側にそれぞれ備えるものであることが好ましい。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、複数のマットにそれぞれ分割して各マットの熱可塑性樹脂を短時間で均一に溶融させ、結果として厚さの大きな繊維板を短時間で効率よく製造できる。また、マット毎に加熱条件を変更できるため、回収繊維と熱可塑性樹脂の種類や混合比等が異なるマットを用いることができる。このように、従来困難であった厚さの大きな繊維板や、傾斜機能を備えた繊維板を、同一品質のものを迅速かつ大量に製造することができる。このことは、繊維板の製造コストを低減し、かかる繊維板を木材代替材料として工業ベースとして製造できる。
前記予備加熱工程で、前記複数のマットのそれぞれとして複数枚のマットが重ね合わされたものを加熱して熱可塑性樹脂を溶融させると、厚さの大きな繊維板を容易かつ迅速に製造できる。
また、予め複数のマットを積層させた積層マットを加熱してこれを、連続して加圧プレスするので、積層マット中の熱可塑性樹脂を溶融させた後直ちに、加圧プレスを行うことができ、製造工程を簡略化することができる。
また、予備加熱工程において、マット内部に熱風を通過させるため、均一にかつ短時間で熱可塑性樹脂を溶融させることができ、一定品質の繊維板を迅速に製造できる。そして、積層工程とプレス成形工程とを連続させることで、繊維板の連続かつ自動製造が可能となり、量産できる。
また、表面性状と内部性状とを変えた繊維板を得ることができる。すなわち、繊維板において、熱可塑性樹脂を少なくした(あるいは目付け量の小さくした)マットを、熱可塑性樹脂を多めにした(あるいは目付量を大きくした)マットで挟持するようにして、表面にクッション性を付与させる等の傾斜機能を付与させることができる。
また、ボロをほぐして得られる反毛は、元の繊維に比べて汚れていて、切断により繊維長が短くなっているということを除けば、繊維としての特徴を残しているため、回収繊維をはじめとした故繊維等の新たなリサイクル・再利用という観点に合致する。
さらに、例えば、梱包材等の木材代替材料としての繊維板(擬木)を製造することができれば、従来の針葉樹を原料とした梱包材では松食い虫対策等の燻蒸消毒が必要であったのが不要となり、梱包材のコストダウンと工程の簡略化が図れる。さらに、森林伐採を減少させて地球環境を守るなどの点で優れている。
次に、図1乃至図に示す実施の形態により、本発明に係る繊維板の製造方法及びその製造装置について説明する。
図1は本発明の一実施例に係る繊維板の製造方法を示すフローチャート、図2は本発明の別実施例に係る繊維板の製造方法を示すフローチャート、図3は本発明に係る繊維板の製造装置の全体構成を示した側面図である。
[回収繊維について]
原料としての回収繊維とは、故繊維、すなわち一般家庭で使用済の被服・風呂敷・タオル・シーツ・カーテン等を構成している織布・編布・不織布等の布帛の繊維二次加工製品の回収品(いわゆるボロ)をほぐして繊維状にしたものや、紡績工場・編織工場から排出される裁断屑・織布・糸屑・綿屑等の繊維屑をいう。特に、ボロをほぐして得られる反毛は、元の繊維に比べて汚れていて、切断により繊維長が短くなっているということを除けば、繊維としての特徴を残している。したがって、繊維屑のリサイクルや再利用という観点から、一般廃棄物に含まれる布帛の反毛を再利用することが好ましい。
回収繊維としての繊維の種類は、特に限定されず、綿や麻といった植物繊維、羊毛等の動物繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリエステルやアクリル等の合成繊維及びアセテート等の半合成繊維などを用いることができる。また、これらは単独で使用しても、二種又はそれ以上を混合して用いてもよい。
[熱可塑性樹脂について]
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂などが、入手容易なものとして例示される。これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用しても、二種又はそれ以上を混合して用いてもよい。
熱可塑性樹脂は、回収繊維のバインダーとして用いられるため、回収繊維の融点あるいは熱劣化温度よりも低い温度で溶融するものが好ましい。ここで、回収繊維が、劣化しない温度とは、回収繊維が合成繊維の場合には溶融しない温度であり、回収繊維が天然繊維の場合には焦げたりぼろぼろになったりしない温度をいう。具体的には、綿繊維の場合は約250℃、ポリエステル繊維の場合は約260℃、羊毛の場合は約210℃、アクリル繊維の場合は約220℃である。このように回収繊維の劣化温度は組成にもよるが、通常200℃超であることから、融点が200℃以下の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、低融点ポリエステル、低融点ポリアミドなどが挙げられ、このうち、剛性が高く長繊維状態での回収量が多いという点からは、ポリプロピレンが好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂の形状は、特には限定されず、例えば、繊維形状のものの他に、粉末やペレット、フレークなどの粒子形状のものを使用することができる。中でも、バインダーとして好ましい形状は、平均繊維長が20mm以上、より好ましくは30mm以上の繊維形状のものである。繊維状の熱可塑性樹脂は、通常、繊維加工工場から発生する繊維屑として容易に入手できるからである。また、繊維長20mm以下では、短くて混繊により回収繊維と充分に絡み合わせることが困難になる。ただし、長すぎるものを用いた場合には、回収繊維との混合割合との関係から、熱可塑性樹脂がマット全体に均質に分散されにくく、その結果、製造される繊維板において、熱可塑性樹脂リッチ部分の切断性等の物理特性が、他の部分と比べて低下してしまう。
特に、熱可塑性樹脂として繊維形状のものを用いる場合は、これを回収繊維と混繊させると、回収繊維と充分に絡み合って均質に分散させることができ、回収繊維同士を熱可塑性樹脂が溶融してなるバインダーで部分的に接合することが可能となる。そのため、回収繊維同士の絡み合いを部分的に固着したマクロな多孔質構造を形成することにより、製造される繊維板において、天然木材に匹敵する軽量さを保持しつつ、高強度化を達成することができる。この点、液状バインダーを用いる場合には、一様に浸漬させることになるので、多孔質構造を形成することが一般に困難である。
なお、これらの熱可塑性樹脂中には、熱安定剤・可塑剤・滑剤・酸化防止剤・紫外線吸収剤・顔料・無機系充填剤・補強短繊維等の添加剤や、充填剤、加工助剤、改質剤等が添加されてもよい。
[マットについて]
回収繊維と熱可塑性樹脂を混合した帯状のマットにおける回収繊維と熱可塑性樹脂との混合割合は自由に設定可能であるが、好ましくは、回収繊維100重量部に対して熱可塑性樹脂30〜50重量部用いる。回収繊維と繊維状の熱可塑性樹脂を混合し、両繊維充分にからみ合わせてウェブもしくはフェルト状のマットに形成する場合、30重量部未満では回収繊維同士との接合面積が少なくなり、成形品たる繊維板に打ち込んだ釘の保持力が不十分であり、曲げ強度が通常の木材に比べて劣ってしまうからである。一方、50重量部以上であると、繊維板のプラスチック部分の割合が大きくなってしまうため、回収繊維間の間隔が小さくなりすぎて、反って釘を打ち込みにくくなるからである。この混合マットは、必要に応じてフィルム状、シート状、粉末状その他の任意の形態で熱可塑性樹脂を一体化させた混合マットを使用することができる。
複数のマットを積層させるため、目標とする繊維板の厚さや、積層させるマット数に合わせて、その厚さや密度を適宜設定することができる。例えば、厚さが15mm、密度が0.6g/cm程度の繊維板を製造する場合には、目付が1.2kg/m、厚さが15mm程度のマットを6枚重ねて、これを1/6に加熱圧縮すればよい。また、厚さが60mm程度の繊維板を製造するには、同マットを24枚重ねて、これを1/6に加熱圧縮すればよい。
[繊維板について]
本実施の形態によって製造される繊維板は、密度範囲が0.2〜1.0g/cmで、厚さが1.0mm〜150mmまで成形することができる。特に、梱包用木材として用いる一例は、繊維板の厚さが12mm、25mm、45mm、90mmなどと規格があるが、本実施の形態の製造方法によれば、任意の厚さの繊維板(擬木)が成形できる。中でも、梱包用木材代替材として用いるには、好ましい密度範囲は0.5g/cm3〜0.7g/cmで、厚さは1mm〜90mmである。また、より好ましくは、厚さは10mm〜70mmである。密度が0.5g/cm未満では強度的に問題が生じ、0.7g/cmより大きければ重くなり重量的な課題が生じる。このような繊維板(擬木)とすることで、従来の針葉樹を原料とした梱包材では松食い虫対策等の燻蒸消毒が必要であったのが不要となり、梱包材のコストダウンと工程の簡略化が図れる。さらに、森林伐採を減少させて地球環境を守るなどの点で優れている。
[繊維板の製造方法について]
本実施の形態による繊維板の製造方法は、図1及び図2に示す工程で行われる。
図1は、マット中の熱可塑性樹脂を溶融させてから複数のマットを積層させ、これを加熱・加圧して繊維板を製造する製造方法を示したフローチャートである。
[ボロ・繊維屑の収集・選別について]
ボロや繊維屑の収集や選別は、その手段を限定するものではないが、得られる繊維板の特性は、原料となる回収繊維の種類にも依存するため、ある特定の繊維、例えば、セルロース系・ウール系・ポリエステル系・アクリル系等からなるものを予め選別しておくことにより、その種類毎の繊維板を製造でき、その特性をより反映させることができるので好ましい。また、回収繊維の原料として、一般家庭からの衣服や風呂敷等のボロを用いる場合に、これらが多量であれば一挙に開繊することは困難であるため、開繊に際して、予め数cm角ブロックに切断しておくことが好ましく、さらに予め糸片程度に分解しておくのがより好ましい。
[マット成形工程(ステップS100)について]
回収繊維と熱可塑性樹脂とが混合されて、(混合)マットが成形される(ステップS100)。回収繊維と熱可塑性樹脂とのマット成形方法は任意であるが、例えば、回収繊維として衣類等の繊維製品を適当な長さに切断し、開繊しながらバインダーとしての繊維状の熱可塑性樹脂を混合して、両繊維を充分にからみ合わせてウェブ状もしくはフェルト状のマットに成形する。この場合、両繊維を絡み合わせる方法は、特に限定するものではないが、ニードルパンチ法、カーディング法などが挙げられる。特に、回収繊維として反毛を使用し、熱可塑性樹脂として綿状の繊維屑を使用した場合には、ニードルパンチングにて、両繊維がほぼ均一に絡み合ったフェルト状の混合マットを容易に成形することができる。
[予備加熱工程(ステップS110)について]
マット成形工程(ステップS100)によって成形されたマットは、加熱処理されてマット中の熱可塑性樹脂が溶融される(ステップS110)。加熱条件は、回収繊維や熱可塑性樹脂の種類によって適宜設定されるが、バインダーとして使用する熱可塑性樹脂の融点以上で、好ましくは熱可塑性樹脂の融点より20℃〜30℃高い温度で行われる。これは、熱可塑性樹脂を溶融させる温度であれば充分であるが、必要以上に高い温度であれば、回収繊維が劣化したり、溶融したりするからである。
加熱方法については、任意の方法を採用でき、例えば、当該温度に設定したオーブンに入れてマットを加熱してもよく、赤外線ヒータや遠赤外線ヒータによる輻射加熱によってもよい。特に、本実施の形態においては、サクション式の熱風加熱によることが好ましい。すなわち、マットの上側又は下側から熱風を吹き込み、かつ、さらに下側又は上側から熱風を吸引して、該マット中の熱可塑性樹脂を溶融させるのである。
一般的な加熱方法として、例えば、熱可塑性樹脂の溶融とマットのプレス成形を同時に行う方法がある。しかし、かかる方法では、表面近傍と内部とで熱可塑性樹脂の溶融速度や程度が異なってくるため、熱可塑性樹脂が均一に溶融させ、一定品質の繊維板を短時間に製造するのは困難である。また、通常の熱風加熱では、熱風をマットに吹き付けて加熱するが、特にマットの厚さが大きい場合や嵩高性を有する場合には、それを内部まで均一に熱処理して熱可塑性樹脂を溶融させるには時間がかかる。
一方、マットの上下側において熱風の吹き込みと吸引を同時に行うサクション式の加熱方法によれば、マット内部に熱風を通過させるため、均一にかつ短時間で熱可塑性樹脂を溶融させることができ、一定品質の繊維板を迅速に製造できる。また、加熱プレス装置のように、加圧プレートの上下摺動に伴ってマットの移送の停止・発進を繰り返す必要がなく、マットを加熱装置に連続して移送しながら同時に熱可塑性樹脂を順次溶融させることが可能となる。そのため、後述する積層工程(ステップS120)やプレス成形工程(ステップS130)と連続させることで、繊維板の連続かつ自動製造が可能となり、量産できる。
本実施の形態においては、熱可塑性樹脂を溶融させた状態で加圧プレス(ステップS131)するため、バインダーとなる熱可塑性樹脂が熱変形できるように、本加熱処理後に直ちにプレス成形工程(ステップS130)に移行させるのが好ましい。
また、本予備加熱工程(ステップS110)では、複数のマットを同時にそれぞれ熱処理して、各マット中の熱可塑性樹脂を溶融させることができる。例えば、厚さの大きな繊維板を製造する場合に、単一のマットを原料として用いると、厚みの非常に大きなマットが必要になる。そのため、サクション圧を大きくする必要があり装置が大型化してしまい、またマット中の熱可塑性樹脂を均一に溶融させるのにも時間がかかる。複数のマットにそれぞれ分割して各マットの熱可塑性樹脂を短時間で均一に溶融させ、後にこれらを積層させれば、結果として厚さの大きな繊維板を短時間で効率よく製造できる。また、マット毎に加熱条件を変更できるため、回収繊維と熱可塑性樹脂の種類や混合比等が異なるマットを用いることができる。なお、マットの種類の詳細については後述する。
[積層工程(ステップS120)について]
予備加熱工程(ステップS110)によって各マット中の熱可塑性樹脂が溶融された状態で、各マットを厚さ方向に積層させる(ステップS120)。この積層方法は特に限定されないが、例えば、垂直方向にコンベアを多段に配設し、コンベア上にマットを載せて移送させながら、各コンベアの一端部でマットを懸垂させて最下方のマット上にそれぞれ積層させる。マットを速やかにプレス成形工程(ステップS130)に移行させるために、積層工程(ステップS120)は、予備加熱工程(ステップS110)及びプレス成形工程(ステップS130)の間に介設されて、これらに連続して行われる。なお、熱可塑性樹脂が溶融された状態を維持するために、加熱空間中で行われるようにするのが好ましい。
ここで、積層工程(ステップS120)では、同じ種類のマットを積層させてもよく、また、異なる種類のマット同士を積層させてもよい。ここで、同じ種類とは、回収繊維と熱可塑性樹脂との混合割合、繊維の種類、目付け量等が同じのマットをいい、異なる種類とは、回収繊維と熱可塑性樹脂の混合割合、繊維の種類、目付量等の少なくとも一つが異なるものをいう。同じ種類のマットを積層させる場合には、従来において困難であった厚さが大きな繊維板を製造することができ、異なる種類のマットを積層させる場合には、表面性状と内部性状とを変えた繊維板を得ることができる。さらに、熱可塑性樹脂を少なくした(あるいは目付量の小さくした)マットを、熱可塑性樹脂を多めにした(あるいは目付量を大きくした)マットで挟持するようにして、表面にクッション性を付与させる等の傾斜機能を付与させることができる。
[プレス成形工程(ステップS130)について]
プレス成形工程(ステップS130)は、積層マットを加圧プレスする工程(ステップS131)と、冷却・固化する工程(ステップS132)とに分けられる。
まず、加圧プレス工程(ステップS131)によって、積層マットが所定の厚さとなるようにプレスされる。加圧プレスの方法は特に限定されるものではないが、加圧ロールによれば、繊維板の厚さを調節でき、マットを順次移送して繊維板の連続製造が可能となる点で好ましい。
また、加圧ロールを用いる場合に、プレス時に加圧ロールを加熱し、その加圧ロールの温度は熱可塑性樹脂の融点未満の温度に設定することが好ましい。積層マットは、該マット中の熱可塑性樹脂が溶融された状態で移送されるため、加圧する際にマット(熱可塑性樹脂)が冷却・固化してしまうのを防ぐことができるからである。その際、加圧ロールの温度が高い方が膨張性はよくなるが、加圧ロールの温度が熱可塑性樹脂の融点以上であると、ロール表面にマットが付着し易くなる。加圧ロールは、金属製のものを使用してもよいが、マットの付着を防ぐために、そのロール表面にマットと離型性がある表面素材をコーティングしたものを用いるのが好ましい。さらに、加圧ローラの表面に平行もしくは交差する凹凸を設けることで、繊維板表面に滑り止め機能を付加させることができる。
冷却・固化工程(ステップS132)は、その冷却・固化の方法は特に限定されないが、例えば、送風冷却・ミスト噴霧、あるいは、ロールやベルトによる接触冷却などの方法を用いることができる。特に、ロールやベルトによる接触冷却方法であれば、得られる繊維板の厚さを容易に調節できるため好ましい。また、ローラやベルトを用いる場合には、ローラ等の表面にマットと離型性がある表面素材をコーティングし、内部に冷却水などの冷媒を循環させてもよい。積層マットは、このような冷却方法によって、マット中の熱可塑性樹脂が完全に固化するまで冷却される。なお、上述の加圧プレス(ステップS131)と同様に、ローラ等の表面に平行もしくは交差する凹凸を設けることで、繊維板表面に滑り止め機能を付加させることができる。
このようにして製造された繊維板は、ボロ・繊維屑の収集・選別に始まって、マット成形工程(ステップS100)を経て、特に、マットを熱処理する予備加熱工程(ステップS110)、積層工程(ステップS120)、プレス成形工程(ステップS130)をそれぞれ連続して行うことができ、厚さの大きなもしくは傾斜機能を備えた繊維板を製造することができる。また、マット幅に対して長手方向に長い・大きな繊維板を製造でき、その繊維板は、使用目的に合わせて適当な長さで裁断して適用範囲の広い木材代替材料として有用である。
図2は、予備加熱工程(ステップS210)に移行する前に、各マットを厚さ方向に積層させる積層工程(ステップS220)を経る製造方法を示したフローチャートである。
まず、マット成形工程(ステップS200)によって成形された回収繊維と熱可塑性樹脂を混合したマットを、厚さ方向に積層させて一体として積層マットとさせる。この場合、積層マットには、同じ種類のマットを積層してもよく、また、異なる種類のマット同士を積層してもよいことは言うまでもない。そして、これを予備加熱工程(ステップS210)にて、例えば、サクション式の熱風加熱によって積層マットの各マット中の熱可塑性樹脂を溶融させ、次いで、プレス成形工程(ステップS230)にて加圧・冷却させて繊維板を製造する方法である。
このような製造方法によれば、予めマットを積層させておくため、予備加熱工程(ステップS210)とプレス成形工程(ステップS230)との工程間の移送時間を短縮でき、積層マットを熱処理して各マット中の熱可塑性樹脂を溶融させた後直ちに、加圧プレスを行うことができる。また、積層工程(ステップS220)では、加熱空間中でマットを積層させる必要がなく、装置構成を簡略できる。
[繊維板の製造装置について]
図3は、本実施の形態による繊維板の製造装置1の一実施例を示したものである。
製造装置1は、回収繊維と熱可塑性樹脂とを混合してマット2を成形するマット成形機10と、複数のマット2を熱処理して各マット2中の熱可塑性樹脂を溶融させる加熱機20と、該加熱機20に連設され厚さ方向に積層させる積層コンベア32を有する積層機30と、該積層コンベア32に連設され積層マット3を加圧・冷却させる加圧ローラ43を有するプレス成形機40とで構成されている。
マット成形機10は、任意の構成を採用できるが、例えば、回収繊維と熱可塑性樹脂とを適当な長さに切断後、開繊しながら混合し、エア等にてコンベア11上に積層させてウェブ状のマット2を成形する。ウェブ状からフェルト状にするには、ウェブ状のマット2中の繊維を相互に絡み合わせるように特殊針によってニードリングされる。該マット成形機10において、マット2中の熱可塑性樹脂の混合比が、他のマット2中の熱可塑性樹脂の混合比と異なるように成形してもよく、また、マット2の密度等を変えて成形してもよい。
なお、製造装置1においては、マット成形機10は必須の構成要素ではなく、別装置で成形されたマット2を、該製造装置1の加熱機20に移送するようにしてもよい。マット成形機10を加熱機20に連設すると、原料たる回収繊維と熱可塑性樹脂とを該マット成形機10に投入するだけで、連続して繊維板を製造できるため、好ましく用いられる。
加熱機20は、前記マット成形機10によって成形されたマット2を熱処理して、マット2中の熱可塑性樹脂を溶融させるものである。本実施の形態においては、加熱機20は、メッシュコンベア22・22・・・を多段に上下平行に施設して、各メッシュコンベア22上のマット2に対してサクション式の熱風加熱を行うように構成されている。
内部と外部との熱交換を遮断するように断熱性の材料で形成された筐体21は、加熱機20の上下方向(図3において左右方向)に多段に区画されている(本実施の形態においては3段)。各筐体21a・21a・21aの内部に、メッシュコンベア22・22・22が施設されている。このようにメッシュコンベア22毎に筐体21の内部を区画することで、マット2の熱処理を効率よく行うことができる。そして、メッシュコンベア22を多段に配設することで、複数のマット2を一つの製造で同時に熱処理でき、また、装置を小型化することができる。
なお、メッシュコンベア22は、一段だけでもよい。かかる場合には、例えば、予め複数のマット2を積層させて積層マット3とし、かかる積層マット3を加熱機20に移送させて積層マット3中の熱可塑性樹脂を溶融させることができる。
メッシュコンベア22は、前記コンベア11とそれぞれ連続され、マット成形機10にて成形されたマット2を、コンベア11からメッシュコンベア22を介して筐体21内に移送するようにしている。該メッシュコンベア22は、マット2を載置した状態で、マット2の内部を熱風が上下方向に通過可能となるように、縦横のフレームが略網目状に交絡されている。
各筐体21aの内側壁であって、メッシュコンベア22の上下方向の略対称位置に、熱風の吹き込み口23と吸引口24とがそれぞれ開口されている。筐体21の外側に配設された熱源により加熱された熱風が、ダクト等を介して吹き込み口23から各筐体21a内に吹き込まれる。かかる熱風は、マット2中の熱可塑性樹脂が溶融する温度であって、かつ、回収繊維の融点あるいは熱劣化温度よりも低い温度となるように調整される。そして、吸引口24によって、メッシュコンベア22の下方から熱風を吸引すると、サクション圧が生じて、熱風がマット2中の熱可塑性樹脂を溶融しながらマット2内を通過する。このような構成とすることで、マット2中の熱可塑性樹脂を素早くかつ均一に溶融させることができ、熱処理の効率が向上する。
該吹き込み口23及び該吸引口24は、筐体21aの内側壁に開口されるのみならず、例えば、筐体21の内壁からダクト等を突出して、その開口部がメッシュコンベア22の表面及び裏面に向けて開口するようにしてもよい。また、吹き込み口23及び吸引口24の数は、任意に設定可能であり、図3に示した箇所(3箇所)に限られない。例えば、筐体21を区画しないで、筐体21内に、吹き込み口23及び吸引口24が少なくとも一対設けられる構成としてもよい。
積層機30は、加熱機20とプレス成形機40との間に設けられ、熱可塑性樹脂が溶融した状態のマット2を移送させながら重ね合わせる積層コンベア32を備えている。本実施の形態においては、筐体21(各筐体21a)と筐体31の内部空間が連続して、筐体21の内の加熱空気が筐体31内にも循環するような構成とされている。各メッシュコンベア22の一端にそれぞれ積層コンベア32が連設され、該メッシュコンベア22によって移送されたマット2が積層コンベア32によって速やかに積層される。
このような構成とすることで、加熱機20とプレス成形機40との移送距離を短くするとともに、加熱空気中で移送されるため、熱硬化性樹脂が溶融された状態を維持したままプレス成形機40に移送させることができる。なお、筐体31においても、例えば、筐体に接続される熱源からダクトを介して別途熱風の排出口(図略)を設けてもよい。
各メッシュコンベア22は、マット2を積層機30の方向(図3において右方、以後かかる方向をX方向とする)に移送するように駆動されている。メッシュコンベア22の一端部にそれぞれ積層コンベア32が連設され、該積層コンベア32もX方向に駆動されている。該積層コンベア32は、最下方位置のものは略水平に配設され、上方の位置するものほど搬送方向後部が最下方のコンベアに向かって傾斜して配設されている。
メッシュコンベア22から積層コンベア32上に移送されたマット2は、積層コンベア32の右端部32aが斜め下方に延設されて、該右端部32aにおいてマット2のガイドが終了しその自重により懸垂される。すなわち、右端部32aは搬送とガイドを兼用している。そして、各コンベア22・32が駆動されると、最下方位置の積層コンベア32上のマット2に順に積層していく。このような構成とすることで、付随的構成なしに直ちに積層マット3を成形でき、多重積層工程が簡略化でき、生産効率を高め、製造コストを低減させることができる。
プレス成形機40は、積層機30に連設され、積層コンベア32に接続されるコンベア42と、コンベア42の上側及び下側に対向するように配設された少なくとも一対の加圧ローラ43・43・・・と、送風冷却装置やミスト噴霧式冷却装置等からなる冷却機構44等で構成されている。該各対の加圧ローラ43・43・・・の上下方向の間隔は徐々に狭くなるように構成することが好ましく、また、加圧時にマット2が側方へ伸びないように、側部には図示しないガイドを配置している。
積層マット3がコンベア42を介して加圧ローラ43に移送されると、積層マット3が所定の厚さになるように加圧ローラ43によって加圧プレスされながらマットを搬送し、冷却機構44によって冷却・固化されて繊維板が連続して製造される。加圧ローラ43の表面に平行もしくは交差する凹凸を設けてもよい。また、冷却機構44は、その構成は特に限定されないが、例えば、送風冷却装置やミスト噴霧式冷却装置等によって冷却された無端ベルト45が回転ローラによって駆動され、加圧プレスされた積層マット3に当接するようにしてかかる積層マット3を冷却・固化させるような構成とされる。
回収繊維としては、一般家庭から廃棄された衣類のボロを開繊して反毛としたものを用いた。かかる回収繊維は、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを45重量%含有するものである。これを、ニードルパンチ法によって回収繊維中の各組成物を均一に絡み合わせて、目付けを1.2kg/m、厚さを15mmとなるように調整してフェルト状のマットを成形した。マット中のその他の組成は、綿が30重量%、レーヨンが10重量%、ポリエステルが15重量%である。また、ポリプロピレンの繊維長さは70mm〜15mmのものを含み、繊維太さは9D〜25Dである。綿やレーヨン等のその他の組成物繊維長さや繊維太さをまとめたものを表1に示す。
Figure 0004076023
実施例1においては、上記マットを適当な長さに裁断して、予めマットを6枚重ね合わせて積層マットとし、これをサクション式の熱風加熱可能な加熱機によって熱可塑性樹脂の溶融温度より僅かに高い温度(約195℃)にて熱処理した。加熱機は、メッシュコンベアにて積層マットを移送して、熱風の吹き込み口と吸引口とをマットの上側及び下側にそれぞれ備えるものである。その後、積層マットをプレス成形機にて、加圧ローラにて加圧プレス及び冷却・固化させた。
実施例2及び実施例3においては、上記マットを適当な長さに裁断して、マットを4枚(実施例2)及び8枚(実施例3)を重ね合わせたものを、サクション式の熱風加熱可能であって、メッシュコンベアを三段備える加熱機によって熱可塑性樹脂の溶融温度より僅かに高い温度(約195℃)にて熱処理した。加熱機は、三段の内各メッシュコンベアにて、積層マットを移送して、熱風の吹き込み口と吸引口とをマットの上側及び下側にそれぞれ備えるものである。その後、積層コンベアによってマットを移送させながら重ね合わせて積層マットとし、この積層マットをプレス成形機にて、加圧ローラにて加圧プレス及び冷却・固化させた
表2に、製造された繊維板の厚さ及び圧縮率を示す。
実施例1においては、厚さが12mmの繊維板を製造することができた。また、実施例2においては厚さが30mmの繊維板を、実施例3においては厚さが60mmの繊維板を製造することができた。そのため、本発明によれば、回収繊維を原料として、厚さの大きい繊維板の続かつ大量生産が可能となった。また、実施例2及び実施例3において、サクション式の熱風過熱においてこれを三段として、その後各マットを積層させて積層マットとして加熱プレスしたので、厚さの大きな繊維板を容易かつ迅速に製造できた。また、実施例1乃至実施例3のいずれの繊維板においても、優れた物理的特性を備え、梱包用木材代替材として十分に適用し得るものであった。
Figure 0004076023
本発明の一実施例に係る繊維板の製造方法を示すフローチャート。 本発明の別実施例に係る繊維板の製造方法を示すフローチャート。 本発明に係る繊維板の製造装置の全体構成を示した側面図。
符号の説明
1 製造装置
10 マット成形機
20 加熱機
30 積層機
40 プレス成形機
S100 マット成形工程
S110 予備加熱工程
S120 積層工程
S130 プレス成形工程
S131 加圧プレス
S132 冷却・固化

Claims (9)

  1. 回収繊維及び回収繊維の融点あるいは熱劣化温度よりも低い温度で溶融する熱可塑性樹脂を混合したマットを加熱プレスして木材代替材料としての繊維板を製造する繊維板の製造方法であって、
    複数のマットをそれぞれ加熱して熱可塑性樹脂を溶融させる予備加熱工程と、
    熱可塑性樹脂が溶融した状態のマットを移送させながら重ね合わせて積層マットとする積層工程と、
    積層マットを連続して加圧プレスするプレス成形工程と、
    よりなることを特徴とする繊維板の製造方法。
  2. 前記予備加熱工程では、前記複数のマットのそれぞれとして複数枚のマットが重ね合わされたものを加熱して熱可塑性樹脂を溶融させることを特徴とする請求項1に記載の繊維板の製造方法。
  3. 前記予備加熱工程は、前記マットの上側又は下側から熱風を吹き込み、かつ、下側又は上側から吸引して、マット中の熱可塑性樹脂を溶融することを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維板の製造方法。
  4. 前記積層マットは、少なくとも一つのマット中の熱可塑性樹脂の混合比が、他のマット中の熱可塑性樹脂の混合比と異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維板の製造方法。
  5. 前記回収繊維は、一般廃棄物に含まれる布帛の反毛であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維板の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1に記載の繊維板の製造方法によって製造される繊維板の肉厚が、1mm〜90mmであることを特徴とする繊維板の製造方法。
  7. 回収繊維及び回収繊維の融点あるいは熱劣化温度よりも低い温度で溶融する熱可塑性樹脂を混合したマットを、加熱プレスして木材代替材料としての繊維板を製造する繊維板の製造装置であって、
    多段に配設された複数のコンベアによってマットをそれぞれ移送させながら加熱する加熱機と、
    該加熱機に連設され、熱可塑性樹脂が溶融した状態のマットを移送させながら重ね合わせて積層マットとする積層コンベアと、
    該積層マットを連続して加圧プレスする加圧ロールと、
    を備えることを特徴とする繊維板の製造装置。
  8. 前記加熱機は、前記マットのそれぞれとして複数枚のマットが重ね合わされたものを移送させながら加熱することを特徴とする請求項7に記載の繊維板の製造装置。
  9. 前記加熱機は、複数のマットを同時に加熱可能な熱風の吹き込み口と吸引口とを、マットの上側又は下側にそれぞれ備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の繊維板の製造装置。
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