JP4075638B2 - エンジンのバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのバルブタイミング制御装置に係り、詳しくは、燃料種によらず冷態時のエンジン回転挙動の安定化の達成に適用されるエンジンのバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、吸気弁及び排気弁の開閉時期は、出力性能に大きな影響を及ぼすものであり、この開閉時期の設定変更によってバルブオーバラップ領域が設けられる場合がある。このうち、吸気弁及び排気弁の作動角を重ねるように設定されたオーバーラップは、エンジン回転の高速時には排気を吸気の慣性で排気通路側へ押し出すことができ、吸排気効率の向上を図ることができるものである。
【0003】
そして、バルブオーバラップ領域には、エンジン回転の低速時から高速時までの各要求に応じて適宜の変更が必要になる。具体的には、ピストンの排気行程で吸気ポートを介した燃料噴射がなされるMPI型エンジンを例に挙げると、エンジンの冷態始動時等においては、燃料が吸気ポート壁面に付着し、加速時にもたつきが生ずるという問題があり、エンジン運転状態に応じた適宜の変更が必要になる。そこで、この問題を解決すべく運転状態に応じて吸気弁及び排気弁がともに開弁されるオーバーラップ量を変更させるバルブタイミング制御装置の技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
当該制御装置では、例えば冷態時にはオーバーラップ量を小さくして、内部EGR量を減少させている。これにより、加速時のもたつきの防止、及び内部EGRの抑制による燃焼安定性の確保を図っている。
また、当該制御装置では、エンジンに使用される燃料の気化特性を判別し、気化特性の良好な軽質燃料であると判定されたときには、気化特性の劣る重質燃料であるときに比してオーバーラップ量を大きくし、エンジンの低温時でも、燃料種に応じて燃料が吸気ポート壁面等に付着し難いようにされている。
【0005】
また、エンジンの冷態始動時の如く空燃比のばらつきにより燃焼が不安定な場合には、ピストンの排気上死点(TDC)にて排気弁の閉弁時期と吸気弁の開弁時期とを一致させる如く、オーバーラップ量を0に近づけるように設定し、内部EGRの抑制による燃焼安定性の確保が行われ得る。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−176557号公報(段落番号0007、0017、0049、図10等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷態始動時にオーバーラップ量を上記の如く0に近づけることは、上述のように内部EGRが抑制されることになるので、燃焼安定性の確保が図られる一方、吸気ポート側へ吹き返される排ガス量が減少したり、また、いったん排出された排ガスの気筒内に再吸入される割合が減少することになるので、これに起因する問題がある。つまり、内部EGRの抑制には、エンジン冷態始動時に対する燃料の霧化を促進させることができず、燃料の気化が悪化するという問題がある。特に、当該エンジンに対して気化特性の悪い重質燃料を用いた場合には、空燃比が大幅にリーン化し、エンジン回転挙動が不安定になってエンストを引き起こしかねないとの問題が生ずる。
【0008】
ここで、この問題を解決するために、エンジン始動時には、燃料を増量させて空燃比をリッチ化にすることも考えられるが、エンジン始動時の未燃燃料(HC)が増加して排ガス性能が悪化するとの問題がある。
このように、エンジンの冷態始動時には、エンジン回転挙動が不安定となることに対する何等かの措置が必要である。しかし、前記従来の技術では、エンジンが低温の場合にはオーバーラップ量を小さく設定するものの、このオーバーラップ量の設定は、燃料の気化特性の判定がなされてから行われている。つまり、燃料の気化特性に応じてオーバーラップ量を変更することができる一方、エンジン始動時については格別の配慮がなされておらず、燃料種によってエンジン回転挙動が不安定になり、エンストを引き起こしてしまうとの問題が依然として残されている。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、エンジン冷態時において、燃料種の違いと無関係に、エンジン回転挙動の安定化を図ることができるエンジンのバルブタイミング制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、請求項1記載のバルブタイミング制御装置は、エンジンの吸気弁の開弁時期と排気弁の閉弁時期とのオーバーラップ量を変更可能な可変動弁機構と、可変動弁機構を制御するタイミング制御手段とを備えたエンジンのバルブタイミング制御装置において、タイミング制御手段は、エンジンの冷態始動からの経過時間を検出する経過時間検出手段を備え、経過時間検出手段による経過時間が所定時間に達するまでの間は、吸気弁の開弁時期と排気弁の閉弁時期との少なくとも一方を排気上死点よりも進角側に位置させる進角制御を実施することを特徴としている。
【0011】
すなわち、軽質燃料又は重質燃料のいずれの燃料を使用する場合においても、まず、エンジン始動から所定時間が経過するまでは、吸気弁の開弁時期と排気弁の閉弁時期との少なくとも一方を排気上死点よりも進角側に位置させている。これにより、新気とともに燃焼室内に吹き返される残留ガスの流速が大きくなって燃料霧化が促進され、冷態始動時のエンジン回転挙動の安定化が図られる。特に使用される燃料が重質燃料であったとしてもエンストが回避される。また、燃料霧化の促進により、未燃燃料(HC)の増加による排ガス性能の悪化が防止され、しかも燃費が向上する。
【0012】
なお、この吸気弁の開弁時期と排気弁の閉弁時期との少なくとも一方を進角制御する方法としては、排気弁の閉弁時期のみをピストンの排気上死点よりも進角させる、若しくは、排気弁の閉弁時期の他、吸気弁の開弁時期もまた排気上死点よりも進角させる、又は、吸気弁の開弁時期のみを排気上死点よりも進角させることが好ましい。さらに、排気弁の閉弁時期のみを排気上死点よりも進角側に位置させておき、そして、所定時間に達するまでの間は、吸気弁の開弁時期のみを排気上死点よりも進角させることも好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るエンジンのバルブタイミング制御装置に適用されるエンジンシステム構成図が示されており、以下図1に基づき本発明に係るバルブタイミング制御装置の構成を説明する。
【0019】
当該バルブタイミング制御装置に用いられる内燃機関(以下、エンジン)1としては、例えば、吸気ポート9を介した燃料噴射が実施可能なマルチポイントインジェクションエンジン(MPI型エンジン)が採用される。
同図に示すように、エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に略水平方向に吸気ポート9が形成されており、各吸気ポート9の燃焼室5側には、各吸気ポート9と燃焼室5との連通と遮断とを行う吸気弁11がそれぞれ設けられている。吸気弁11は、エンジン回転に応じて回転するカムシャフト12のカム12aに倣って吸気口9aを開閉作動する。各吸気ポート9には、各気筒に燃料噴射を行う電磁式のインジェクタ6が取り付けられており、インジェクタ6には、燃料パイプ7を介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(図示せず)が接続されている。そして、インジェクタ6は、ピストン21の排気行程で燃焼室5に向けて燃料を噴射する。
【0020】
また、各吸気ポート9には吸気マニホールド10の一端がそれぞれ接続されている。吸気マニホールド10には吸入空気量を調節する電磁式のスロットル弁17が設けられている。スロットル弁17近傍には、スロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)18が設けられている。さらに、吸気マニホールド10のスロットル弁17よりも上流部分には、吸入空気量を検出するため、カルマン渦式のエアフローセンサ19が設けられている。
【0021】
シリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4が取り付けられており、点火プラグ4には高電圧を出力する点火コイル8が接続されている。そして、吸気マニホールド10からの新気とインジェクタ6からの燃料とからなる混合気に対して燃焼室5内で火花点火を行う。
また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に略水平方向に排気ポート13が形成されており、各排気ポート13の燃焼室5側には、各排気ポート13と燃焼室5との連通と遮断とを行う排気弁15がそれぞれ設けられている。排気弁15は、エンジン回転に応じて回転するカムシャフト16のカム16aに倣って排気口13aを開閉作動する。
【0022】
そして、各排気ポート13には排気マニホールド14の一端がそれぞれ接続されている。排気マニホールド14の他端には排気管20が接続されており、排気管20には、ストイキオ近傍においてHC、CO、NOxを高効率で浄化可能な三元触媒コンバータ30が介装されている。また、排気管20の三元触媒コンバータ30の直上流部分には、排気中の酸素濃度ひいては排気空燃比を検出するO2センサ22が設けられている。
【0023】
また、シリンダヘッド2には、カム12aやカム16aを進角或いは遅角操作することで吸気弁11や排気弁15の開閉時期を油圧調整によって可変させる可変動弁機構40が設けられている。この可変動弁機構40としては、例えばカムシャフト12、16を揺動させる振り子式可変バルブタイミング機構が適用される。なお、振り子式可変バルブタイミング機構は公知であり、ここではその構成の詳細については説明を省略する。
【0024】
ECU60は、入出力装置、記憶装置、中央処理装置(CPU)等を備えており、当該ECU60により、エンジン1の総合的な制御が行われる。
ECU60の入力側には、上記TPS18、エアフローセンサ19、Oセンサ22等の他、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ62やクランク角を検出するクランク角センサ64等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。なお、クランク角センサ64からはエンジン1の回転速度(実Ne)が検出される。また、本実施形態のECU60の記憶装置には、燃料の所定の燃料性状に基づく気化特性に対応したエンジン1の目標回転速度(目標Ne)が設定されており、気化特性の良い軽質燃料では、実Neが目標Ne以上となる如く燃料量及び空気量が設定されている。
【0025】
一方、ECU60の出力側には、上記インジェクタ6、点火コイル8、スロットル弁17、可変動弁機構40等の各種出力デバイスが接続されており、インジェクタ6、点火コイル8、スロットル弁17には、上記各種センサ類からの検出情報に応じて燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、スロットル開度の各信号がそれぞれ出力される。これにより、インジェクタ6からは適正量の燃料が適正時期で噴射され、点火プラグ4により適正時期で火花点火が実施され、さらに、スロットル開度が適正な開度に制御される。また、可変動弁機構40に対して適正なバルブタイミング指令が行われる。
【0026】
特に、本発明のバルブタイミング制御装置では、ECU60にタイミング制御部(タイミング制御手段)61が設けられており、可変動弁機構40を制御している。
タイミング制御部61は、エンジン1の冷態始動からの経過時間を検出する経過時間検出手段と、エンジン1の回転速度(実Ne)を検出する実エンジン回転速度検出手段と、エンジン1に使用される燃料の所定の燃料性状に基づく気化特性に対応してエンジン1の目標回転速度(目標Ne)を設定する目標エンジン回転速度設定手段と、経過時間検出手段、実エンジン回転速度検出手段、及び目標エンジン回転速度設定手段からの各出力信号に基づいて、エンジン1の冷態時の目標VVT位相を設定する冷態時目標タイミング設定手段とを備えている。
【0027】
冷態時目標タイミング設定手段は、経過時間検出手段による経過時間が所定時間(第一所定時間)に達するまでは、吸気弁11の開弁時期IOをピストン21の排気行程の上死点(排気上死点)TDCにしつつ、排気弁15の閉弁時期ECを始動時に位置していた排気上死点TDCよりも進角側に位置させるべく、目標VVT位相を設定する。
【0028】
このように、冷態時目標タイミング設定手段は、まず、冷態始動から第一所定時間が経過するまでは、使用燃料が軽質燃料又は重質燃料のいずれの場合においても、排気弁15の閉弁時期ECを排気上死点TDCよりも進角側に位置させているので、新気とともに燃焼室5内に吹き返される残留ガスの流速により、燃料霧化が促進されてエンジン回転挙動の安定化を図っている。
【0029】
次に、冷態時目標タイミング設定手段は、第一所定時間経過後のファーストアイドル時には、異なる燃料種によるエンジン回転速度の差から目標VVT位相を設定している。つまり、第一所定時間に達した後、実Neが目標Ne以上であるときには、使用燃料の気化特性が良い旨を判定し、排気弁15の閉弁時期ECを排気上死点TDCに遅角させ、排気弁15の閉弁時期ECへの前記進角制御を禁止すべく可変動弁機構40を制御し、第一所定時間に達した後、実Neが目標Neよりも小さいときには、使用燃料の気化特性が劣る旨を判定し、排気弁15の閉弁時期ECを排気上死点TDCよりも進角側に位置させる前記進角制御を継続すべく可変動弁機構40を制御している。なお、排気上死点TDCとは、ピストン21の排気行程においてピストン21がシリンダヘッド2に最も接近する位置をいい、また、ファーストアイドル時は、例えば、変速機のシフト位置がNレンジにされている場合が該当する。
【0030】
このように、冷態時目標タイミング設定手段は、第一所定時間が経過した後のファーストアイドル時には、実Neと目標Neとの比較から、現在使用されている燃料の気化特性を判別し、その結果に応じて排気弁15の閉弁時期ECのタイミングを設定して燃料霧化を禁止又は促進させ、未燃燃料(HC)の排出防止又はエンジン回転挙動の安定化を図っている。
【0031】
図2には、上記本発明に係るバルブタイミング制御装置により実施される冷態時吸排VVT位相制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに基づきVVT位相制御の制御手順を説明する。
同図のステップS201では、イグニッションSWがオンにされ、ステップS202では、水温センサ62からの出力信号に基づいて冷却水温が所定値よりも低いか否か、すなわち、冷態始動時か否かを判別し、冷却水温が所定値よりも低いと判定された場合、すなわちYESのときにはステップS203に進み、冷態時目標タイミング設定手段にて、排気弁15の閉弁時期ECへの目標VVT位相を排気上死点TDCよりも進角側に設定してステップS204に進む。一方、冷却水温が所定値以上であると判定された場合には、ステップS205に進む。
【0032】
ステップS204では、経過時間検出手段にて、エンジン1の冷態始動からファーストアイドル時の開始時間までを示す第一所定時間が経過しているか否かを判別し、第一所定時間が経過していると判定された場合、すなわちYESのときにはステップS205に進む。一方、第一所定時間が経過していないと判定された場合には、排気弁15の閉弁時期ECへの進角制御を続けるべくステップS203に戻る。
【0033】
ステップS205では、冷態時目標タイミング設定手段にて、実エンジン回転速度検出手段の実Neと目標エンジン回転速度設定手段の目標Neと比較し、実Neが目標Ne以上であるか否かを判別し、実Neが目標Ne以上であって使用燃料の気化特性の良い旨が判定された場合、すなわちYESのときにはステップS206に進んで、内部EGRを抑制させるべく、排気弁15の閉弁時期ECを排気上死点TDC前から排気上死点TDCに遅角させるように、排気弁15の閉弁時期ECへの目標VVT位相を遅角側に設定してステップS208に進む。
【0034】
一方、ステップS205にて、実Neが目標Neよりも小さく使用燃料の気化特性の劣る旨が判定された場合には、排気弁15の閉弁時期ECに対する進角制御を継続すべく、排気弁15の閉弁時期ECへの目標VVT位相を排気上死点TDCよりも進角側に設定したままでステップS208に進む。なお、目標VVT位相には、進角制限値が設けられている。これは、内部EGRの利用によって燃料霧化の促進を図ることができるものの、内部EGR量が過度に増大すると、エンストを引き起こしかねないからである。
【0035】
ステップS208では、経過時間検出手段にて、ファーストアイドル時の終了時間を示し、重質燃料でも十分に燃焼安定性を確保できる第二所定時間が経過しているか否かを判別し、第二所定時間が経過していると判定された場合、すなわちYESのときにはこのルーチンを抜けて発進に備える。一方、第二所定時間が経過していないと判定された場合には、ファーストアイドル時における排気弁15の閉弁時期ECの制御を続けるべくステップS205に戻る。
【0036】
図3は、上記バルブタイミング制御装置による冷態時制御(S203、S206、S207)のタイミングチャートである。同図では、縦軸がバルブリフトLf、横軸がクランク角θを示しており、EO及びECは排気弁15の開及び閉タイミングをそれぞれ示し、IO及びICは吸気弁11の開及び閉タイミングをそれぞれ示している。
【0037】
同図(a)に示すように、上記ステップS203、又はステップS207の如くの、ファーストアイドル時の開始を示す第一所定時間が経過するまで、又は重質燃料の場合に対するファーストアイドル時の終了を示す第二所定時間が経過するまでは、吸気弁11の開弁時期IOが排気上死点TDCの直後の位置に設定されるとともに、排気弁15の閉弁時期ECが排気上死点TDCよりも前に位置する如くの進角側への変更が行われ、吸気弁11の開弁時期IOと排気弁15の閉弁時期ECと間においてマイナス側のオーバーラップVOLnが設定され、燃焼室5が密閉されている。
【0038】
このように、目標VVT位相が、排気弁15の閉弁時期ECを排気上死点TDC前に進角制御する如く設定された場合には、残留ガスは、ピストン21の上昇によって圧縮・昇温され、その後の吸気弁11の開弁に伴って、いったん吸気口9aから燃焼室5外に吹き出される。しかし、この残留ガスは、ピストン21の下降による十分な負圧によって、吸気ポート9で噴射された燃料及び新気とともに再度燃焼室5内に戻ることになり、燃料の空気との混合及び燃料の霧化が促進される。
【0039】
同図(b)に示すように、エンジン1の冷態始動時の他、上記ステップS206の如く、第一所定時間が経過し、軽質燃料の場合に対するファーストアイドル時の終了を示す第二所定時間が経過するまでは、吸気弁11の開弁時期IOが排気上死点TDCの直後の位置に設定されるとともに、排気弁15の閉弁時期ECは排気上死点TDCに位置する如くの遅角側への変更が行われ、上記オーバーラップVOLnが解消されている。つまり、排気弁15の閉弁時期ECが吸気弁11の開弁時期IOに一致されてオーバーラップ量が0にされる。
【0040】
このように、目標VVT位相が、排気弁15の閉弁時期ECを排気上死点TDCに遅角させる如く設定された場合には、内部EGRが抑制されるので、気化特性が良好な軽質燃料の使用に対する燃料の霧化が禁止される。
以上のように、本発明では、エンジン1の吸気弁11の開弁時期IOと排気弁15の閉弁時期ECとのオーバーラップ量を制御するタイミング制御部61を備えたエンジン1のバルブタイミング制御装置であって、エンジン1の冷態始動からの経過時間を検出する経過時間検出手段と、実Neを検出する実エンジン回転速度検出手段と、エンジン1に使用される燃料の所定の燃料性状に基づく気化特性に対応して目標Neを設定する目標エンジン回転速度設定手段と、エンジン1の冷態時に、実Neと目標Neとを比較して目標とするバルブタイミングを設定する冷態時目標タイミング設定手段とを備え、該冷態時目標タイミング設定手段は、経過時間検出手段による経過時間が所定時間に達するまで、排気弁15の閉弁時期ECを排気上死点TDCよりも進角側に位置させるので、圧縮・昇温されたガスが早期に燃焼室5内に再吸入され、如何なる燃料種が使用された場合にも燃料霧化の促進を図ることができ、冷態始動から直ちにエンジン回転挙動の安定化を確保することができる。
【0041】
また、冷態時目標タイミング設定手段は、経過時間検出手段による経過時間が第一所定時間に達した後、実Neが目標Ne以上であるときには、気化特性が良い旨を判定し、排気弁15の閉弁時期ECに対する進角制御を禁止し、排気上死点TDC付近にて前記オーバーラップ量を0にするので、内部EGRを抑制して燃焼安定化を図ることができる。換言すれば、軽質燃料の如くの気化特性の良好な燃料では、上記進角制御期間が長く続くときには、燃料気化が過度に促進され、その後にオーバーリーンが発生してエンジン回転挙動が不安定になる。これを防止するためには、燃料の増量化が考えられるが、上記進角を禁止してもオーバーリーンを抑制できる。したがって、上記構成によって燃料の増量化が不要になり、未燃燃料(HC)の低減を図ることができる。
【0042】
さらに、冷態時目標タイミング設定手段は、経過時間検出手段による経過時間が第一所定時間に達した後、実Neが目標Neよりも小さいときには、気化特性が劣る旨を判定し、排気弁15の閉弁時期ECに対する進角制御を継続するので、重質燃料の如くの気化特性の劣る燃料では、ファーストアイドル時においても燃料霧化の促進が行われ、エンジン回転挙動の安定化を確保し続けることができる。
【0043】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、排気弁15の閉弁時期ECのみを排気上死点TDCよりも進角側に位置すべく進角制御する構成としているが、この形態の他、吸気弁11の開弁時期IOと排気弁15の閉弁時期ECとの少なくとも一方を排気上死点よりも進角側に位置させる構成であっても良い。
【0044】
図4は、バルブタイミング制御装置による他の冷態時制御のタイミングチャートである。すなわち、同図(a)は、排気弁15の閉弁時期ECの他、吸気弁11の開弁時期IOをも進角させたものであり、一方、(b)は、吸気弁11の開弁時期IOのみを進角させたものである。
同図(a)のように、排気弁15の閉弁時期EC及び吸気弁11の開弁時期IOをともに排気上死点TDCよりも前に進角させれば、気筒内の残留ガスは、より早期に燃焼室5内に再吸入され、排気弁15の閉弁時期ECのみを排気上死点TDC前に進角制御する構成に比して、気化時間をより長く確保することができる。また、同図(b)のように、排気弁15の閉弁時期ECを排気上死点TDCにする一方、吸気弁11の開弁時期IOを排気上死点TDCよりも前に進角させても、気化時間をより長く確保することができる。
【0045】
また、吸気弁11の開弁時期IOと排気弁15の閉弁時期ECとの少なくとも一方を排気上死点よりも進角側に位置させる他の構成としては、始動においては、図3(a)に示す如く、吸気弁11の開弁時期IOが排気上死点TDCの直後の位置に設定されるとともに、排気上死点TDCよりも進角側に位置させておき、その後、冷態始動時の終了時点である第一所定時間が経過するまでは、図4(a)に示す如く、排気弁15の閉弁時期ECはそのままで、吸気弁11の開弁時期IOを排気上死点TDCよりも進角側に位置させても良く、この場合にも気化時間を長く確保することができる。
【0046】
さらに、上記実施形態では、MPI型エンジンについて示されているが、この形態に限定されるものではなく、例えば、筒内噴射型エンジンに上記バルブタイミング制御装置を適応させても良く、この場合にも、燃料種の違いと無関係に冷態時のエンジン回転挙動の安定化を図ることが可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、請求項1記載の本発明のエンジンのバルブタイミング制御装置によれば、軽質燃料又は重質燃料のいずれの燃料を使用する場合においても、まず、エンジン始動から所定時間が経過するまでは、吸気弁の開弁時期と排気弁の閉弁時期との少なくとも一方を排気上死点よりも進角側に位置させるよう進角制御を実施しているので、新気とともに燃焼室内に吹き返される残留ガスの流速が大きくなって燃料霧化が促進され、冷態始動時のエンジン回転挙動の安定化を図ることができ、特に使用される燃料が重質燃料であったとしてもエンストを回避することができる。また、燃料霧化の促進により、未燃燃料(HC)の増加による排ガス性能の悪化を防止し、燃費を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンシステム構成図である。
【図2】図1のバルブタイミング制御装置により実施される冷態時の制御ルーチンのフローチャートである。
【図3】図1のバルブタイミング制御装置による冷態時制御のタイミングチャートである。
【図4】バルブタイミング制御装置による他の冷態時制御のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
11 吸気弁
15 排気弁
40 可変動弁機構
60 ECU
61 タイミング制御部(タイミング制御手段)

Claims (1)

  1. エンジンの吸気弁の開弁時期と排気弁の閉弁時期とのオーバーラップ量を変更可能な可変動弁機構と、該可変動弁機構を制御するタイミング制御手段とを備えたエンジンのバルブタイミング制御装置において、
    前記タイミング制御手段は、前記エンジンの冷態始動からの経過時間を検出する経過時間検出手段を備え、該経過時間検出手段による経過時間が所定時間に達するまでの間は、前記吸気弁の開弁時期と前記排気弁の閉弁時期との少なくとも一方を排気上死点よりも進角側に位置させる進角制御を実施することを特徴とするエンジンのバルブタイミング制御装置。
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