JP4071591B2 - 荷の移載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送コンベヤ上の荷を棚又は他のコンベヤに平面的に移載する荷の移載装置に関し、詳しくは接地不均等及び重量不均衡な荷をバランスを保持しながら直進的に移載させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンベヤによる荷の移載装置は、棚又は他のコンベヤに対して荷を移載する際、特に段ボール荷ではその底面が若干の変形等で載置面に作用する荷重が必ずしも均等とはならないため、その接地不均等及び重量不均衡による摩擦力差で移載方向に曲りが生じ、荷の内容物によっては直進的な移載が困難となる場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、接地不均等及び重量不均衡な荷を、バランスを保持しながら直進的に出し入れできるコンベヤを使用した荷の移載装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 荷の移載方向に進退自在な可動台上に搬送コンベヤを設け、同搬送コンベヤの左右先端部に荷の移載を補助する補助コンベヤを設けた荷の移載装置であって、同補助コンベヤが、搬送コンベヤの先端部に同搬送コンベヤの駆動力を得て回動する駆動軸を搬送コンベヤの幅方向に設け、同駆動軸の中間位置の搬送コンベヤフレームから保持アームを棚板側に水平に突設し、同保持アームに駆動軸と並行な回転軸の中間を傾動できるように軸支し、駆動軸及び回転軸の両軸端それぞれにベルトプーリーを軸着し、駆動軸の各ベルトプーリーと回転軸の各ベルトプーリーの間に複数の細ベルトをそれぞれ張り渡して小ベルトコンベヤを構成し、小ベルトコンベヤの回転軸側のベルトプーリーが保持アームを中心に上下動して搬送面がコンベヤの幅方向に傾動できるようにし、前記補助コンベヤはその先端部がコンベヤの巾中心まわりに前後に傾動できて搬送面への荷の前後不均一な荷重の場合でも搬送面に均一に荷重するようにして荷の搬送方向の曲がりが防止できる構造としたことを特徴とする荷の移載装置
2) 所定の軌道上を走行するスタッカークレーンの昇降架台上に前記1)記載の荷の移載装置を取り付けたスタッカークレーン
3) 垂直方向に昇降して多段の棚に荷を出入する垂直搬送機の荷受架台上に前記1)記載の荷の移載装置を取り付けた垂直搬送機
4) 所定の床面上を自走する走行台車上に昇降機構を有する荷受架台を設け、同荷受架台上に前記1)記載の荷の移載装置を取り付けた走行台車
にある。
【0005】
【作用】
本発明によれば、棚又は他のコンベヤに対して荷を移載する際、荷の接地不均等及び重量不均衡により補助コンベヤの荷重が大きい側が沈み荷重が小さい側が浮くように搬送面を傾動させることで荷重差を補正し合いながら摩擦力のバランスを保持するから、荷の移載方向が著しく曲ることなく直進的に移載される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の補助コンベヤを構成する小ベルトコンベヤは、複数本の細幅ベルトをベルトプーリー間に張り渡した構造が傾動によるベルトの捻れを抑制してベルトプーリーからの脱落を防止できるので好ましい。
移載装置をスタッカークレーンの昇降架台上に装置した場合は、搬送コンベヤの各先端部それぞれに補助コンベヤを設けると、スタッカークレーンの両側に列設された左右の棚に対して荷を移載できる。
本発明の荷の移載装置は、コンテナ,パレット,バケット等の荷に適用できるが、特に段ボール荷に適し、スタッカークレーンの昇降架台上に装置するのに有用な機構であるが、垂直搬送機や走行台車にも応用可能である。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【0007】
【実施例】
実施例1(図1〜9参照)
図1〜9に示す実施例1は、本発明をスタッカークレーンの昇降架台上に装置して棚に対して荷を移載できるようにした例である。
図1は、実施例1の補助コンベヤの説明図である。
図2は、実施例1のスタッカークレーンの斜視図である。
図3は、実施例1の昇降架台の側面図である。
図4は、実施例1の昇降架台の平面図である。
図5は、実施例1の搬送コンベヤと補助コンベヤの平面図である。
図6は、実施例1のスタッカークレーンと棚板の平面図である。
図7は、実施例1の棚板への荷の格納工程を示す説明図である。
図8は、実施例1の棚板からの荷の取込工程を示す説明図である。
図9は、実施例1の補助コンベヤの動作を示す説明図である。
【0008】
図中、1は昇降架台、1aは昇降架台を構成するフレーム、1bはレール、1cは搬送コンベヤをスライド方向に駆動させるモータ、1dは搬送コンベヤの棚板と歯合させるギヤ、2は搬送コンベヤ、2aはレール上をスライドする可動台、2bはモータのギヤと歯合して駆動力を伝達させるラック、2cは搬送コンベヤを駆動させるモータ、2dはローラ、2eは搬送ベルト、2fはチェーン、3は補助コンベヤ、3aは駆動ベルトプーリー、3bはベルトプーリー、3cは複数本の細ベルトからなるコンベヤベルト、3dは各駆動ベルトプーリーを連結して搬送コンベヤの駆動と連動させる駆動軸、3fは各ベルトプーリーを連結して連動させる回転軸、3gは回転軸の中央を各ベルトプーリーが反対方向に上下動可能に枢支する保持アーム、4はマスト、5はスタッカークレーンの軌道、6は棚板、Cはスタッカークレーン、nは荷、Wは重量物である。
【0009】
図1〜6に示すように、スタッカークレーンCの昇降架台1上に荷の移載方向に進退自在な可動台2aを設け、同可動台2a上に複数本並設した各ローラ2dに搬送ベルト2e及び軸端にチェーン2fを張り渡して構成した搬送コンベヤ2を設け、同搬送コンベヤ2の左右先端部に補助コンベヤ3をそれぞれ取り付けている。
補助コンベヤ3は、搬送コンベヤ2の駆動力を得て回動する駆動軸3dを搬送コンベヤ2の幅方向に設け、同駆動軸3dの中間位置の搬送コンベヤ2を構成するフレーム保持アーム3gを棚板側に水平に突設し、同保持アーム3gに回転軸3fを傾動できるようにその中間を軸支し、駆動軸3d及び回転軸3fの両軸端それぞれにベルトプーリー3a,3bを軸着し、駆動ベルトプーリー3aとベルトプーリー3bの間に複数のコンベヤベルト3cをそれぞれ張り渡している。
【0010】
実施例1では、格納の際は立体倉庫に搬入された荷nはスタッカークレーンCの搬送コンベヤ2上に載置され、図示しない管理コンピュータでスタッカークレーンCを作動させて荷nが定められた所定の棚板6の位置まで運搬される。
次に、図7(a)に示すように搬送コンベヤ2と補助コンベヤ3を棚板6より高い位置Hに上昇させ、搬送コンベヤ2と補助コンベヤ3を棚板6の直近にスライドさせる。
次に、図7(b)に示すように搬送コンベヤ2と補助コンベヤ3をそれぞれ駆動させて荷nを棚板6に移送し、荷nの前方が棚板6に着地して傾斜状態で進入する。
このとき、図9に示すように荷n内に重量物Wが片寄った状態に配置されている場合、従来では荷重が局所的に作用して摩擦力差により移載方向に曲りが生じ、荷がコンベヤの構成部材に引っ掛かったりして円滑に移載できない問題があった。しかし、本実施例では荷nの底面が荷重大側のベルトプーリー3bを下方に押し下げるとともに荷重小側の他方のベルトプーリー3bが荷nの底面を相対的に押し上げ、荷重大側の摩擦力が減少する一方荷重小側の摩擦力が増大することで均等に荷重作用し、ある一定の傾斜角度の状態でバランスが保持されて荷nがほぼ直進的に移載される。
次に、図7(c)に示すように荷nの棚板6前端側の底面一部が棚板6から突出する位置ΔLに到来すると、搬送コンベヤ2と補助コンベヤ3の駆動を停止して下降させる。
そして、図7(d)に示すように搬送コンベヤ2と補助コンベヤ3を元の位置にスライドさせることで、荷nの底面一部が棚板6の前端から突出された状態で載置されて格納が完了する。
【0011】
取込の際は、図8(a)に示すように搬送コンベヤ2と補助コンベヤ3を棚板6より低い位置で格納された荷nの突出底面下方までスライドさせる。
次に、図8(b)に示すように搬送コンベヤ2と補助コンベヤ3を上昇させて荷nの突出底面を持ち上げ、荷nの底面一部を除いて棚板6面から離隔させて傾斜状態で上昇を停止させる。
次に、図8(c)に示すように搬送コンベヤ2と補助コンベヤ3をそれぞれ駆動させて荷nをスタッカークレーンC側に移送し、荷nと補助コンベヤ3との摩擦力で荷nが傾斜状態で棚板6外に進出する。このとき、荷nの内に重量物Wが片寄った状態に配置されている場合、補助コンベヤ3が格納時と同様の動作を示して荷nがほぼ直進的に移載される。
そして、図8(d)に示すように荷nが棚板6から完全に離れて搬送コンベヤ2と補助コンベヤ3上に移送されることで取り込まれ、図示しない管理コンピュータでスタッカークレーンCを作動させて入出庫位置まで運搬され、立体倉庫から出庫されることとなる。
【0012】
実施例1ではこのように構成したから、小ベルトコンベヤの各ベルトプーリーが接地不均等及び重量不均衡の荷の荷重差を反対方向に上下動することで補正しながらバランスを保持するから、移載方向が曲ることなく直進的に円滑に出し入れできた。
【0013】
実施例2(図10,11参照)
図10,11に示す実施例2は、実施例1において棚板の荷の格納位置前端に切欠き部を設け、同切欠き部に荷の底面の隅部を除く一部が露出するように格納した形態の例である。
図10は、実施例2のスタッカークレーンと棚板の平面図である。
図11は、実施例2のスタッカークレーンと棚板の部分拡大平面図である。
図中、6aは補助コンベヤの幅Yより拡幅Xに形成した切欠き部である。
【0014】
実施例2では、コンベヤ2と補助コンベヤ3を棚板6より高い位置に上昇させ、図11に示すように棚板6の切欠き部6a内に補助コンベヤ3を挿入するようにスライドさせて荷nの出し入れを行うもので、荷nを棚板6前端から突出させることなく補助コンベヤ3で容易に出し入れできるようにしたものである。他の具体的な出し入れの工程及び補助コンベヤ3による作用効果は実施例1と同じである。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば棚又は他のコンベヤに対して荷を移載する際、荷の接地不均等及び荷重不均衡により小ベルトコンベヤの枢支側各ベルトプーリーを反対方向に上下動させることで荷重差を補正し合いながらバランスを保持し、荷の移載方向が曲ることなく直進的に移載できる荷の移載装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の補助コンベヤの説明図である。
【図2】実施例1のスタッカークレーンの斜視図である。
【図3】実施例1の昇降架台の側面図である。
【図4】実施例1の昇降架台の平面図である。
【図5】実施例1の搬送コンベヤと補助コンベヤの平面図である。
【図6】実施例1のスタッカークレーンと棚板の平面図である。
【図7】実施例1の棚板への荷の格納工程を示す説明図である。
【図8】実施例1の棚板からの荷の取込工程を示す説明図である。
【図9】実施例1の補助コンベヤの動作を示す説明図である。
【図10】実施例2のスタッカークレーンと棚板の平面図である。
【図11】実施例2のスタッカークレーンと棚板の部分拡大平面図である。
【符号の説明】
1 昇降架台
1a フレーム
1b レール
1c モータ
1d ギヤ
2 搬送コンベヤ
2a 可動台
2b ラック
2c モータ
3 補助コンベヤ
3a 駆動ベルトプーリー
3b ベルトプーリー
3c コンベヤベルト
3d 駆動軸
3f 回転軸
3g 保持アーム
4 マスト
5 軌道
6 棚板
6a 切欠き部
C スタッカークレーン
n 荷
W 重量物
Claims (4)
- 荷の移載方向に進退自在な可動台上に搬送コンベヤを設け、同搬送コンベヤの左右先端部に荷の移載を補助する補助コンベヤを設けた荷の移載装置であって、同補助コンベヤが、搬送コンベヤの先端部に同搬送コンベヤの駆動力を得て回動する駆動軸を搬送コンベヤの幅方向に設け、同駆動軸の中間位置の搬送コンベヤフレームから保持アームを棚板側に水平に突設し、同保持アームに駆動軸と並行な回転軸の中間を傾動できるように軸支し、駆動軸及び回転軸の両軸端それぞれにベルトプーリーを軸着し、駆動軸の各ベルトプーリーと回転軸の各ベルトプーリーの間に複数の細ベルトをそれぞれ張り渡して小ベルトコンベヤを構成し、小ベルトコンベヤの回転軸側のベルトプーリーが保持アームを中心に上下動して搬送面がコンベヤの幅方向に傾動できるようにし、前記補助コンベヤはその先端部がコンベヤの巾中心まわりに前後に傾動できて搬送面への荷の前後不均一な荷重の場合でも搬送面に均一に荷重するようにして荷の搬送方向の曲がりが防止できる構造としたことを特徴とする荷の移載装置。
- 所定の軌道上を走行するスタッカークレーンの昇降架台上に請求項1記載の荷の移載装置を取り付けたスタッカークレーン。
- 垂直方向に昇降して多段の棚に荷を出入する垂直搬送機の荷受架台上に請求項1記載の荷の移載装置を取り付けた垂直搬送機。
- 所定の床面上を自走する走行台車上に昇降機構を有する荷受架台を設け、同荷受架台上に請求項1記載の荷の移載装置を取り付けた走行台車。
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