JP4069318B2 - 回転位置決め機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえばNC工作機械に用いられる回転位置決め機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば5軸制御マシニングセンタの主軸頭や、傾斜テーブルなどのNC工作機械における回転体の回転位置決め機構としては、従来、歯車装置が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、歯車装置においては、位置決め剛性を増大させるためには、減速比を大きくしなければならず、位置決め剛性の高剛性化と位置決め速度の高速化の両方を同時に満たすことができないという問題がある。また、歯車の歯が摩耗しやすく、耐久性に劣るという問題がある。さらに、歯車のバックラッシュなどの影響で位置決め精度が十分ではないという問題がある。
【0004】
この発明の目的は、上記問題を解決し、位置決め剛性の高剛性化と位置決め速度の高速化の両方を同時に満たすことが可能であるとともに、耐久性に優れている回転位置決め機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
請求項1の発明による回転位置決め機構は、主軸頭が取り付けられた回転体の回転位置を決定する回転位置決め機構であって、1つの直線上を直線移動する2つの移動体を有する回転駆動装置と、回転体と一方の移動体との間に設けられたリンクとを備えており、回転体が回転駆動装置の他方の移動体に、移動体の移動方向と直角をなす軸線の周りに回転自在に枢着され、リンクの両端部が、回転体の回転中心線と平行な軸線の周りに揺動しうるように、回転体における回転中心線からずれた部分および一方の移動体にそれぞれ枢着され、主軸頭が、回転体の回転により向きを変えるように、回転体に取り付けられているているものである。
請求項2の発明による回転位置決め機構は、工作物を取り付けるための凹部を有する傾斜テーブルからなる回転体の回転位置を決定する回転位置決め機構であって、1つの直線上を直線移動する2つの移動体を有する回転駆動装置と、回転体と一方の移動体との間に設けられたリンクとを備えており、回転体が回転駆動装置の他方の移動体に、移動体の移動方向と直角をなす軸線の周りに回転自在に枢着され、リンクの両端部が、回転体の回転中心線と平行な軸線の周りに揺動しうるように、回転体における回転中心線からずれた部分および一方の移動体にそれぞれ枢着され、回転体が、回転体の回転中心線の周りに回転するとともに回転体の回転により向きを変える平面を有しており、当該平面に、工作物を取り付けるための凹部が形成されているものである。
【0006】
請求項1および2の発明の回転位置決め機構によれば、リンクの一端部が枢着されている一方の移動体を、回転体が枢着されている他方の移動体に対して移動させることにより、回転体を回転させてその回転位置を決定することができる。しかも、回転体が枢着されている他方の移動体を移動させるとともに、両移動体が相対的に移動しないように両方の移動体を移動させることにより、回転体を上記1つの直線上で直線移動させて直線位置を決定することができる。ここで、請求項1の発明の回転位置決め機構によれば、回転体に主軸頭が取り付けられているので、立形、横形の両方の特性を持つマシニングセンタを構成することが可能であり、円テーブルとの組み合わせで5面加工機を構成することができる。
【0007】
そして、請求項1および2の発明による回転位置決め機構は、上述のように構成されているので、回転体の位置決め速度の高速化と位置決め剛性の高剛性化の両方を満たすことが可能になる。
【0008】
請求項3の発明による回転位置決め機構は、請求項1または2の発明において、回転駆動装置が、直線状ガイドレールと、ガイドレールに取り付けられかつ転がり案内によりガイドレールに沿って移動する2つの移動体と、ガイドレールと平行にかつ回転しないように配置されたボールねじ軸と、各移動体にこれとともに移動するように設けられかつボールねじ軸の周りに複数の循環ボールを介してはめられたボールナットと、各移動体に設けられかつボールナットを回転させるサーボモータとを備えており、回転体が転がり軸受を介して他方の移動体に回転自在に枢着され、リンクの両端部が転がり軸受を介して回転体および一方の移動体にそれぞれ枢着されているものである。
【0009】
請求項3の発明による回転位置決め機構は、転がり接触部だけを有していて、摩耗の発生しやすいすべり接触部はないので、従来の歯車装置を用いた場合に比べて耐久性が向上する。しかも、すべり接触部がないので、がたつきの発生が防止され、従来の歯車装置を用いた場合に比べて、剛性および位置決め精度が向上する。
【0010】
請求項4の発明による回転位置決め機構は、主軸頭が取り付けられた回転体の回転位置を決定する回転位置決め機構であって、回転体の回転中心線と直角をなす方向に直線移動する1つの移動体を有する回転駆動装置と、回転体と移動体との間に設けられたリンクとを備えており、リンクの両端部が、回転体の回転中心線と平行な軸線の周りに揺動しうるように、回転体における回転中心線からずれた部分および移動体にそれぞれ枢着され、主軸頭が、回転体の回転により向きを変えるように、回転体に取り付けられているものである。
請求項5の発明による回転位置決め機構は、工作物を取り付けるための凹部を有する傾斜テーブルからなる回転体の回転位置を決定する回転位置決め機構であって、回転体の回転中心線と直角をなす方向に直線移動する1つの移動体を有する回転駆動装置と、回転体と移動体との間に設けられたリンクとを備えており、リンクの両端部が、回転体の回転中心線と平行な軸線の周りに揺動しうるように、回転体における回転中心線からずれた部分および移動体にそれぞれ枢着され、回転体が、回転体の回転中心線の周りに回転するとともに回転体の回転により向きを変える平面を有しており、当該平面に、工作物を取り付けるための凹部が形成されているものである。
【0011】
請求項4および5の発明の回転位置決め機構によれば、移動体を移動させることにより、回転体を回転させてその回転位置を決定することができる。ここで、請求項4の発明の回転位置決め機構によれば、回転体に主軸頭が取り付けられているので、立形、横形の両方の特性を持つマシニングセンタを構成することが可能であり、円テーブルとの組み合わせで5面加工機を構成することができる。
【0012】
そして、請求項4および5の発明による回転位置決め機構は、上述のように構成されているので、回転体の位置決め速度の高速化と位置決め剛性の高剛性化の両方を満たすことが可能になる。
【0013】
請求項6の発明による回転位置決め機構は、請求項4または5の発明において、回転体駆動装置が、直線状ガイドレールと、ガイドレールに取り付けられかつ転がり案内によりガイドレールに沿って移動する移動体と、ガイドレールと平行に配置されかつ転がり軸受を介して固定部に回転自在に支持されたボールねじ軸と、移動体に設けられかつボールねじ軸の周りに複数の循環ボールを介してはめられたボールナットと、ボールねじ軸を回転させるサーボモータとを備えており、リンクの両端部が、転がり軸受を介して回転体および移動体にそれぞれ枢着されているものである。
【0014】
請求項6の発明による回転位置決め機構は、転がり接触部だけを有していて、摩耗の発生しやすいすべり接触部はないので、従来の歯車装置を用いた場合に比べて耐久性が向上する。しかも、すべり接触部がないので、がたつきの発生が防止され、従来の歯車装置を用いた場合に比べて、剛性および位置決め精度が向上する。
【0015】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
実施形態1
この実施形態は図1〜図6に示すものであり、この発明による回転位置決め機構を、NC工作機械の主軸頭が取り付けられる回転体に適用したものである。図1〜図3は実施形態1の回転位置決め機構の全体構成を示し、図4および図5はその要部を示し、図6は回転位置決め機構の電気的構成を示す。なお、実施形態1に関する説明において、図1の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとし、図2の左側を前、右側を後というものとする。
【0017】
図1〜図3において、NC工作機械の回転位置決め機構は、コラム(1)の前面に設けられかつ主軸頭(2)が取り付けられた回転体(3)の回転位置を決定するものであり、上下方向に伸びる1つの直線上を直線移動する上下2つの移動体(4)(5)を有する回転駆動装置(6)と、回転体(3)と上側の移動体(4)との間に設けられたリンク(7)とを備えている。
【0018】
回転駆動装置(6)は、コラム(1)の前面に、左右方向に間隔をおいて取り付けられかつ上下方向に伸びる1対の直線状ガイドレール(8)を備えており、各移動体(4)(5)は、両ガイドレール(8)にまたがるように取り付けられかつ両ガイドレール(8)に沿って上下方向に移動するようになっている。また、回転駆動装置(6)は、両ガイドレール(8)間においてコラム(1)前面に形成された上下方向に伸びる凹溝(1a)内に配された上下方向に伸びるボールねじ軸(9)と、各移動体(4)(5)に設けられかつボールねじ軸(9)の周りに予圧が付与された複数の循環ボール(図示略)を介してはめられたボールナット(10)と、各移動体(4)(5)に設けられかつボールナット(10)を回転させるサーボモータ(11)とを備えている。ボールねじ軸(9)の両端部は、凹溝(1a)の底面に固定状に設けられた支え(1b)に固定されており、回転しないようになっている。
【0019】
図4に示すように、回転体(3)は、転動体(12a)に予圧が付与された転がり軸受(12)を介して下側の移動体(5)に、左右方向に伸びる軸線の周りに回転自在に枢着されている。すなわち、下側の移動体(5)の上端部に前方に突出した取付部(13)が固定されており、取付部(13)に左右方向に伸びる貫通穴(13a)が形成されている。また、回転体(3)の一端部に、左右方向に間隔をおいて支持部(3a)が設けられており、支持部(3a)に左右方向に伸びる貫通穴(3b)が形成されている。そして、移動体(5)の取付部(13)が回転体(3)の両支持部(3a)間に配され、取付部(13)および両支持部(3a)の貫通穴(13a)(3b)に通された軸(14)が、転がり軸受(12)を介して取付部(13)および両支持部(3a)に回転自在に支持されている。
【0020】
リンク(7)の両端部は、転動体に予圧が付与された転がり軸受(12)を介して回転体(3)の他端部および上側の移動体(4)の下端部に、それぞれ左右方向に伸びる軸線の周りに回転自在に枢着されている。すなわち、リンク(7)の両端部にそれぞれ左右方向に伸びる貫通穴(図示略)が形成されている。また、回転体(3)の他端部および移動体(4)の下端部に、それぞれ左右方向に間隔をおいて2つの支持部(3c)(4a)が設けられており、これらの支持部(3c)(4a)にそれぞれ左右方向に伸びる貫通穴(図示略)が形成されている。そして、図4に示す場合と同様に、リンク(7)の両端部が回転体(3)および移動体(4)の両支持部(3c)(4a)間に配され、リンク(7)および両支持部(3c)(4a)の貫通穴に通された軸(14)が、転がり軸受(12)を介してリンク(7)および両支持部(3c)(4a)に回転自在に支持されている。
【0021】
各移動体(4)(5)の後面には、横断面U字状でかつガイドレール(8)に案内されて移動する上下左右の4つのランナ(15)が固定されている。図4に示すように、各ランナ(15)の左右両立ち上がり部(15a)の内側面に、それぞれボールガイド溝(16)が形成されている。また、ガイドレール(8)の左右両側面に、それぞれランナ(15)のボールガイド溝(16)と対応するボールガイド溝(17)が形成されている。各ランナ(15)のボールガイド溝(16)とこれに対応するガイドレール(8)のボールガイド溝(17)とによりボール往路(18)が形成されている。また、各ランナ(15)の立ち上がり部(15a)におけるボールガイド溝(16)よりも左右方向外側部分に穴状ボール復路(19)が形成されている。そして、ボール往路(18)の端部とボール復路の端部とが、各ランナ(15)の上下両端部に形成されたボール反転路(図示略)により連結されて無端状ボール循環路(20)が形成されており、ボール循環路(20)に複数の循環ボール(21)が封入されている。ボール往路(18)においては、ボール(21)に予圧が付与されている。
【0022】
図5に示すように、サーボモータ(11)は移動体(4)(5)に固定されたモータハウジング(22)と、ロータ(23)と、ステータ(24)とを備えている。モータハウジング(22)内に、中空状回転軸(25)が、その上下両端部がモータハウジング(22)外に突出するように配されており、ボールねじ軸(9)がこの回転軸(25)に通されている。回転軸(25)の上下両端部は、それぞれアンギュラ玉軸受(26)(27)によりモータハウジング(22)に対して回転自在に支持されている。両アンギュラ玉軸受(26)(27)はそれぞれラジアル荷重と1方向のスラスト荷重を支持するものであり、正面組み合わせとなされている。回転軸(25)の外周にロータ(23)が設けられ、その周囲のモータハウジング(22)の内周にステータ(24)が設けられている。両アンギュラ玉軸受(26)(27)の玉(26a)(27a)にはそれぞれ予圧が付与されている。回転軸(25)の下端部に、カップリング(28)を介してボールナット(10)が連結されている。そして、サーボモータ(11)により回転軸(25)を回転させるとボールナット(10)が回転してボールねじ軸(9)の長手方向に移動し、これによりカップリング(28)、回転軸(25)およびモータハウジング(22)を介して移動体(4)(5)が上下方向に移動させられる。
【0023】
上記構成の回転位置決め機構によれば、立形、横形の両方の特性を持つマシニングセンタを構成することが可能であり、円テーブルとの組合せで5面加工機を構成することが可能となる。
【0024】
図6に示すように、NC工作機械の回転位置決め機構は、コンピュータ数値制御部(CNC部)(30)に接続され、かつ各サーボモータ(11)を制御する2つの制御装置(31A)(31B)と、各制御装置(31A)(31B)の出力電力を増幅してサーボモータ(11)に出力する2つの電力増幅器(32A)(32B)と、各制御装置(31A)(31B)に接続されかつ各移動体(4)(5)の位置および速度を検出する2つの位置検出器(33A)(33B)とを備えている。各制御装置(31A)(31B)は、各移動体(4)(5)の位置を制御する位置制御部(34A)(34B)と、速度を制御する速度制御部(35A)(35B)とを含んでいる。
【0025】
上記構成のNC工作機械の回転位置決め機構において、入力された目標値(回転体(3)の角度と位置)に対してCNC部(30)が関数発生を行い、座標変換により各移動体(4)(5)ごとに移動量を分配して、各制御装置(31A)(31B)がこれに合わせた電力を各電力増幅器(32A)(32B)を介して各サーボモータ(11)に出力する。すると、ボールナット(10)が回転させられて両移動体(4)(5)が直線的に移動し、回転体(3)も直線的に移動する。ここで、両移動体(4)(5)の移動速度および移動方向が同じ場合には、回転体(3)は回転せずに、直線的な移動のみを行う。これに対し、両移動体(4)(5)の移動速度または移動方向が異なる場合には、リンク(7)の働きにより、回転体(3)は直線的移動に加えて所定角度回転させられる。このとき、両移動体(4)(5)の位置と速度が位置検出器(33A)(33B)により検出され、各制御装置(31A)(31B)の位置制御部(34A)(34B)および速度制御部(35A)(35B)にフィードバックされる。すると、各制御装置(31A)(31B)は、この位置データおよび速度データに基づいて両移動体(4)(5)の必要な位置および速度が得られるように、各電力増幅器(32A)(32B)を介して各サーボモータ(11)に出力する電力を調整する。位置検出器(33A)(33B)は、回転体(3)の回転中心(回転角度位置検出用)と、回転体(3)が枢着された移動体(5)(直線位置検出用)に取り付けられていてもよい。
【0026】
実施形態2
この実施形態は図7〜図9に示すものであり、この発明による回転位置決め機構を、NC工作機械の主軸頭が取り付けられる回転体に適用したものである。図7および図8は実施形態2の回転位置決め機構の全体構成を示し、図9はその要部を示す。なお、実施形態2に関する説明において、図7の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとし、図9の左側を前、右側を後というものとする。
【0027】
図7および図8において、NC工作機械の回転位置決め機構は、回転体取付具(40)に設けられかつ主軸頭(41)が取り付けられた回転体(42)の回転位置を決定するものであり、左右方向に直線移動する移動体(43)を有する回転駆動装置(44)と、回転体(42)と移動体(43)との間に設けられたリンク(45)とを備えている。
【0028】
回転体取付具(40)は、水平壁部(40a)と、水平壁部(40a)の前後両側縁にそれぞれ設けられた1対の垂下壁部(40b)とよりなり、回転体(42)は、転動体に予圧が付与された転がり軸受(46)を介して回転体取付具(40)の垂下壁部(40b)の下端部に、前後方向に伸びる軸線の周りに回転自在に枢着されている。すなわち、回転体取付具(40)の両垂下壁部(40b)間に前後方向に伸びる軸(47)が渡し止められており、回転体(42)の一端部が軸(47)の周囲に転がり軸受(46)を介して取り付けられている。
【0029】
回転駆動装置(44)は、回転体取付具(40)の水平壁部(40a)の下面に取り付けられた左右方向に伸びる横断面略逆U字状の直線状ガイドレール(48)を備えており、移動体(43)はガイドレール(48)内に配されかつガイドレール(48)に沿って左右方向に移動するようになっている。また、回転駆動装置(44)は、ガイドレール(48)内にこれと平行になるように配置され、かつ両端部がガイドレール(48)内に設けられた支え(49)に、転動体に予圧が付与された転がり軸受(50)を介して回転自在に支持されているボールねじ軸(51)と、移動体(43)に一体に設けられかつボールねじ軸(51)の周りに予圧が付与された複数の循環ボール(図示略)を介してはめられたボールナット部(52)(図9参照)と、一方の支え(49)に取り付けられかつボールねじ軸(51)を回転させるサーボモータ(53)とを備えている。そして、サーボモータ(53)によりボールねじ軸(51)が回転させられると、ボールナット部(52)が左右方向に移動し、これと一体となっている移動体(43)も左右方向に移動する。
【0030】
図9に示すように、ガイドレール(48)の前後両側の垂下部(48a)の内側面に、それぞれ上下2列のボールガイド溝(54)が形成されている。移動体(43)の前後両側面に、それぞれガイドレール(48)のボールガイド溝(54)と対応する上下2列のボールガイド溝(55)が形成されている。ガイドレール(48)のボールガイド溝(54)とこれに対応する移動体(43)のボールガイド溝(55)とによりボール往路(56)が形成されている。移動体(43)における上下のボールガイド溝(55)よりも前後方向内側に上下2列の穴状ボール復路(57)が形成されている。そして、各ボール往路(56)の端部と各ボール復路(57)の端部とが、移動体(43)の移動方向の両端部に形成された上下2つの反転路(図示略)により連結されて無端状ボール循環路(58)が形成されており、ボール循環路(58)に複数のボール(59)が封入されている。ボール往路(56)においてはボール(59)に予圧が付与されている。移動体(43)の下面には横断面略逆U字状の取付部(60)が固定されている。
【0031】
リンク(45)の両端部は、転動体に予圧が付与された転がり軸受(61)を介して回転体(42)の他端部および移動体(43)の取付部(60)に、それぞれ前後方向に伸びる軸線の周りに回転自在に枢着されている。すなわち、図9に示すように、リンク(45)の両端部にそれぞれ前後方向に伸びる貫通穴(45a)が形成されている。また、回転体(42)の他端部に前後方向に間隔をおいて2つの支持部(42a)が設けられており、これらの支持部(42a)にそれぞれ前後方向に伸びる貫通穴(図示略)が形成されている。さらに、取付部(60)の両垂下部(60a)に前後方向に伸びる貫通穴(60b)が形成されている。そして、リンク(45)の両端部が、回転体(42)の両支持部(42a)間および取付部(60)の両垂下部(60a)間に配され、リンク(45)と、両支持部(42a)および両垂下部(60a)の貫通穴(60b)に通された軸(62)が、転がり軸受(61)を介してリンク(45)、両支持部(42a)および両垂下部(60a)に回転自在に支持されている。
【0032】
上記構成の回転位置決め機構によれば、立形、横形の両方の特性を持つマシニングセンタを構成することが可能であり、円テーブルとの組合せで5面加工機を構成することが可能となる。
【0033】
実施形態2の回転位置決め機構の電気的構成は、サーボモータ(53)が1つであり、したがって制御装置、電力増幅器、位置検出器が1つずつ設けられていることを除いては実施形態1の場合と同様である。
【0034】
上記構成のNC工作機械の回転位置決め機構において、入力された目標値(回転体(42)の角度)に対してCNC部が関数発生を行い、座標変換により移動体(43)の移動量を計算して、制御装置がこれに合わせた電力を電力増幅器を介してサーボモータ(53)に出力する。すると、ボールねじ軸(51)が回転させられて移動体(43)が直線的に移動し、リンク(45)の働きにより、回転体(42)は所定角度回転させられる。このとき、移動体(43)の位置と速度が位置検出器により検出され、制御装置の位置制御部および速度制御部にフィードバックされる。すると、制御装置は、この位置データおよび速度データに基づいて移動体(43)の必要な位置および速度が得られるように、電力増幅器を介してサーボモータに出力する電力を調整する。
【0035】
実施形態3
この実施形態は図10に示すものであり、この発明による回転位置決め機構を、NC工作機械の傾斜テーブルに適用したものである。なお、実施形態3に関する説明において、図10の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。図10において、NC工作機械の回転位置決め機構は、ベース(70)の上面に設けられた傾斜テーブル(71)の回転位置を決定するものであり、1直線上を左右方向に直線移動する左右2つの移動体(5)(4)を有する回転駆動装置(6)と、傾斜テーブル(71)と一方の移動体(4)との間に設けられたリンク(7)とを備えている。そして、コラム(1)に代えてベース(70)を用いた点、および回転体(3)に代えて傾斜テーブル(71)を用いた点を除いては、実施形態1の回転位置決め機構と同様な構成であり、同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。なお、図10において、右の移動体(4)が実施形態1の上の移動体(4)に該当し、左の移動体(5)が同じく下の移動体(5)に該当する。また、実施形態1における回転体(3)の支持部(3a)(3c)に該当するのが、傾斜テーブル(71)の支持部(71a)(71b)である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1の回転位置決め機構を示す正面図である。
【図2】同じく一部切り欠き側面図である。
【図3】図2とは移動体の位置が異なっている回転位置決め機構を示す側面図である。
【図4】図2のIV−IV線拡大断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】実施形態1の回転位置決め機構の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】実施形態2の回転位置決め機構を示す一部切り欠き正面図である。
【図8】図7とは移動体の位置が異なっている回転位置決め機構を示す一部切り欠き正面図である。
【図9】図7のIX−IX線拡大断面図である。
【図10】実施形態3の回転位置決め機構を示す正面図である。
【符号の説明】
(3)(42):回転体
(4)(5)(43):移動体
(6)(44):回転駆動装置
(7)(45):リンク
(8)(48):ガイドレール
(9)(51):ボールねじ軸
(10)(52):ボールナット
(11)(53):サーボモータ
(12)(61):転がり軸受
(71):傾斜テーブル
Claims (6)
- 主軸頭が取り付けられた回転体の回転位置を決定する回転位置決め機構であって、1つの直線上を直線移動する2つの移動体を有する回転駆動装置と、回転体と一方の移動体との間に設けられたリンクとを備えており、回転体が回転駆動装置の他方の移動体に、移動体の移動方向と直角をなす軸線の周りに回転自在に枢着され、リンクの両端部が、回転体の回転中心線と平行な軸線の周りに揺動しうるように、回転体における回転中心線からずれた部分および一方の移動体にそれぞれ枢着され、主軸頭が、回転体の回転により向きを変えるように、回転体に取り付けられている回転位置決め機構。
- 工作物を取り付けるための凹部を有する傾斜テーブルからなる回転体の回転位置を決定する回転位置決め機構であって、1つの直線上を直線移動する2つの移動体を有する回転駆動装置と、回転体と一方の移動体との間に設けられたリンクとを備えており、回転体が回転駆動装置の他方の移動体に、移動体の移動方向と直角をなす軸線の周りに回転自在に枢着され、リンクの両端部が、回転体の回転中心線と平行な軸線の周りに揺動しうるように、回転体における回転中心線からずれた部分および一方の移動体にそれぞれ枢着され、回転体が、回転体の回転中心線の周りに回転するとともに回転体の回転により向きを変える平面を有しており、当該平面に、工作物を取り付けるための凹部が形成されている回転位置決め機構。
- 回転駆動装置が、直線状ガイドレールと、ガイドレールに取り付けられかつ転がり案内によりガイドレールに沿って移動する2つの移動体と、ガイドレールと平行にかつ回転しないように配置されたボールねじ軸と、各移動体にこれとともに移動するように設けられかつボールねじ軸の周りに複数の循環ボールを介してはめられたボールナットと、各移動体に設けられかつボールナットを回転させるサーボモータとを備えており、回転体が転がり軸受を介して他方の移動体に回転自在に枢着され、リンクの両端部が転がり軸受を介して回転体および一方の移動体にそれぞれ枢着されている請求項1または2の回転位置決め機構。
- 主軸頭が取り付けられた回転体の回転位置を決定する回転位置決め機構であって、回転体の回転中心線と直角をなす方向に直線移動する1つの移動体を有する回転駆動装置と、回転体と移動体との間に設けられたリンクとを備えており、リンクの両端部が、回転体の回転中心線と平行な軸線の周りに揺動しうるように、回転体における回転中心線からずれた部分および移動体にそれぞれ枢着され、主軸頭が、回転体の回転により向きを変えるように、回転体に取り付けられている回転位置決め機構。
- 工作物を取り付けるための凹部を有する傾斜テーブルからなる回転体の回転位置を決定する回転位置決め機構であって、回転体の回転中心線と直角をなす方向に直線移動する1つの移動体を有する回転駆動装置と、回転体と移動体との間に設けられたリンクとを備えており、リンクの両端部が、回転体の回転中心線と平行な軸線の周りに揺動しうるように、回転体における回転中心線からずれた部分および移動体にそれぞれ枢着され、回転体が、回転体の回転中心線の周りに回転するとともに回転体の回転により向きを変える平面を有しており、当該平面に、工作物を取り付けるための凹部が形成されている回転位置決め機構。
- 回転体駆動装置が、直線状ガイドレールと、ガイドレールに取り付けられかつ転がり案内によりガイドレールに沿って移動する移動体と、ガイドレールと平行に配置されかつ転がり軸受を介して固定部に回転自在に支持されたボールねじ軸と、移動体に設けられかつボールねじ軸の周りに複数の循環ボールを介してはめられたボールナットと、ボールねじ軸を回転させるサーボモータとを備えており、リンクの両端部が、転がり軸受を介して回転体および移動体にそれぞれ枢着されている請求項4または5の回転位置決め機構。
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