JP4068771B2 - カラープリンタ出力の色再現方法および装置並びにカラープリンタ出力の色再現プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 - Google Patents

カラープリンタ出力の色再現方法および装置並びにカラープリンタ出力の色再現プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真方式のカラープリンタ出力の色を、CRT(Cathode-Ray Tube),LCD(Liquid Crystal Display),PDP(Plasma Display Panel)等のモニタで再現する方法および装置、並びに、カラープリンタ出力の色再現プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラープリンタとモニタとでは色を表現する方法が全く異なるので、カラープリンタの出力(印刷結果)と同じ色をモニタで表現するためには、カラープリンタ用の色信号(YMCK等の色信号)を、モニタ用の色信号(RGB等の色信号)に変換する必要がある。このような変換は、カラープリンタのために事前に設定された所定の色票を測色し、CIEXYZ(1931)やCIELABなどの標準色空間値を得てから、その標準色空間値とモニタ用の色信号との対応関係を利用することにより実施されるのが通例となっている。
【0003】
カラープリンタ出力の色をモニタで再現する従来の手法としては、以下のようなものがある。
〔a〕ノイゲバウアの式を用いる手法
ノイゲバウアの式は、イエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C)およびブラック(K)の4色のインクの網点面積率(色信号により指定される値)からRGBの各色成分の値を決定する場合に用いられるものである。このようなノイゲバウアの式を用いる手法は、16種類の色票の測色値を、任意のY,M,C,Kの色成分の値の積を重みとして、平均化するものである。この手法は、印刷の分野で一般的に用いられており、簡単ではあるが理想状態を念頭においているため、特に、カラープリンタについては、その実際の印刷結果とモニタで再現される色とが合わないことが知られている。また、この手法を変形したものも多く存在しているが、上述と同様な問題を含んでいる。
【0004】
〔b〕特開平10−73287号公報,特開平10−73288号公報および特開平10−73289号公報に開示された手法
この手法は、印刷物(光透過性を有するインクで印刷されたもの)に適用されており、この手法では、352色の色票の分光反射率が使用されている。また、4次元色立体(4次元色空間)から3次元色立体(3次元色空間)、3次元色立体から2次元色平面というように、順次、次元を落としていき、再びその逆をたどりながら、求める分光反射率を算出している。なお、色空間または色平面においてブラックグラデーションを表す辺(ブラックのみの辺)についての分光反射率の算出方法は、それ以外の辺についての分光反射率の算出方法とは異なっている。そして、最終的に、印刷物用の色信号がCRT用の色信号に変換されCRTで表示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の手法〔a〕や〔b〕には、それぞれ、以下のような課題がある。
〔a〕ノイゲバウアの式を用いる手法
(a-1) ディザまたは網点がランダムである場合には実際の印刷結果とモニタで再現される色とが一致する傾向にあるが、前述した通り、一般的には一致しないことが判明している。
【0006】
(a-2) この式を変形したものもいくつか提案されているが、(1-1) の場合と同様、実際の印刷結果とモニタで再現される色とは一致しない。
(a-3) 図2を参照しながら後述するごとく、インキ(色材)が載っている部分の縁辺部において、紙およびベタ色票では再現できない光学現象が生じているが、ノイゲバウアの式では、この光学現象を考慮していない。このため、前述のように、実際の印刷結果とモニタで再現される色とが一致しないものと考えられる。
【0007】
〔b〕特開平10−73287号公報,特開平10−73288号公報および特開平10−73289号公報に開示された手法
(b-1) これらの従来手法は、いずれも、印刷物(光透過性を有するインキで印刷されたもの)のみを考慮したものである。電子写真方式等を採用したカラープリンタでは、一般に粉体トナーが用いられている。粉体トナーは光を透過させないため、色材として粉体トナーを用いた場合、ある色材の上に異なる色の色材を重ねると、下の色材は見えなくなる。従って、光透過性を有するインキのみを想定した従来手法をカラープリンタに適用しても、当然、モニタでの色再現はうまくいかない。
【0008】
(b-2) 特に電子写真方式の場合には、ブラックの網点面積率が100%である際、つまりブラックをベタで印刷すると、他の色材の値にかかわらず、分光反射率がほぼ一定になる。このため、光透過性を有するインキのみを想定した従来手法では、ブラックの網点面積率が100%である時の分光反射率を推定することができない。
【0009】
(b-3) 一般に、カラープリンタにおいては、色の変動が大きく、同一のページ内で同一の色信号で印刷された像であっても、その像には印刷箇所によって同じ色にならない場合がある。このような色の不一致をページ内誤差と呼ぶ。このページ内誤差を無視することができないために、高精細な推定を実施することが困難になる場合がある。そのような場合に対応し、分光反射率の推定精度を高めるべく、不一致となる色を測定し、その色について所定の分光反射率が強制的に算出されるようにすること(決め打ち)が望まれている。つまり、特定の色信号(網点面積率)の組み合わせに対して特定の分光反射率を指定できるようにすることが望まれているが、これらの従来手法には、上述の要望を実現するための技術は一切開示されていない。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、カラープリンタ出力特有の光学現象を考慮することにより、分光反射率を精度良く推定し、実際のカラープリンタ出力の色とモニタで再現される色とを一致させることができるようにした、カラープリンタ出力の色再現方法および装置並びにカラープリンタ出力の色再現プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のカラープリンタ出力の色再現方法(請求項1)は、ブラックを含むn色(nは2以上の自然数)の色材の組み合わせによるカラー印刷を、光透過性を有していない粉体トナーによって行ない且つブラックを最後に刷るカラープリンタの出力を、モニタで再現する方法であって、
n次元色立体を構成するn・2n-1 本の辺上において事前に指定された複数の色票(各辺において網点面積率の異なる3以上の基準色票を含む)について測定された分光反射率に基づいて、任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出するための係数を算出する係数算出ステップと、
該係数算出ステップで算出された係数もしくは前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出する分光反射率算出ステップと、
該分光反射率算出ステップで算出された分光反射率を、該モニタ用の色信号に変換する変換ステップとを含み、
該係数算出ステップにおいて、前記n・2n-1 本の辺のうち、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く辺毎に、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記3以上の基準色票の分光反射率にそれぞれ関連した、前記カラープリンタの出力の色特性を表す3以上の係数を算出するとともに、ブラックグラデーションを表す前記辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、その平均値に基づいて、ドットゲインを表す2つの係数ξ,ηを算出し、
該分光反射率算出ステップにおいて、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く前記辺上における、任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出ステップで算出された前記3以上の係数に基づいて算出する一方、ブラックの網点面積率が100%である前記辺上における、任意の網点面積率での分光反射率を、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて算出し、ブラックグラデーションを表す前記辺上における任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出ステップで算出された前記2つの係数ξ,ηに基づいて算出することを特徴としている。
【0012】
なお、該モニタで再現すべき色情報が、該カラープリンタ用のものであるか否かを、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて判別する判別ステップを含み、該判別ステップにおいて、ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、前記ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について算出された平均値の標準偏差を算出し、その標準偏差と所定値とを比較し、その標準偏差が前記所定値以下であれば該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別され、該判別ステップにおいて該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別された場合に、該係数算出ステップ,該分光反射率算出ステップおよび該変換ステップを行なってもよい(請求項2)。
【0014】
また、該係数算出ステップにおいて、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記3以上の係数を最小二乗法により算出してもよい(請求項)。
【0016】
また、該分光反射率算出ステップにおいて、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて算出・決定される一定値を、ブラックの網点面積率が100%である前記辺上における任意の網点面積率での分光反射率として出力してもよい(請求項)。
【0018】
一方、カラープリンタ出力の色再現装置(請求項)は、ブラックを含むn色(nは2以上の自然数)の色材の組み合わせによるカラー印刷を、光透過性を有していない粉体トナーによって行ない且つブラックを最後に刷るカラープリンタの出力を、モニタで再現する装置であって、
n次元色立体を構成するn・2n-1 本の辺上において事前に指定された複数の色票(各辺において網点面積率の異なる3以上の基準色票を含む)について測定された分光反射率に基づいて、任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出するための係数を算出する係数算出部と、
該係数算出部で算出された係数または測定された前記分光反射率に基づいて、前記任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出する分光反射率算出部と、
該分光反射率算出部で算出された分光反射率を、該モニタ用の色信号に変換する変換部とをそなえて構成され、
該係数算出部が、前記n・2n-1本の辺のうち、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く辺毎に、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記3以上の基準色票の分光反射率にそれぞれ関連した、前記カラープリンタの出力の色特性を表す3以上の係数を算出するとともに、ブラックグラデーションを表す前記辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、その平均値に基づいて、ドットゲインを表す2つの係数ξ,ηを算出し、
該分光反射率算出部が、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く前記辺上における、任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出部で算出された前記3以上の係数に基づいて算出する一方、ブラックの網点面積率が100%である前記辺上における、任意の網点面積率での分光反射率を、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて算出し、ブラックグラデーションを表す前記辺上における任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出部で算出された前記2つの係数ξ,ηに基づいて算出することを特徴としている。
【0019】
このとき、該モニタで再現すべき色情報が、該カラープリンタ用のものであるか否かを、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて判別する判別部であって、ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、前記ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について算出された平均値の標準偏差を算出し、その標準偏差と所定値とを比較し、その標準偏差が前記所定値以下であれば該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別する判別部をさらにそなえて構成し、該判別部が、該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別された場合に、該係数算出部,該分光反射率算出部および該変換部の動作を実行させるように構成してもよい(請求項)。
【0020】
また、本発明のコンピュータ読取可能な記録媒体(請求項)は、ブラックを含むn色(nは2以上の自然数)の色材の組み合わせによるカラー印刷を、光透過性を有していない粉体トナーによって行ない且つブラックを最後に刷るカラープリンタの出力を、モニタで再現する機能をコンピュータに実行させるための、カラープリンタ出力の色再現プログラムを記録したものであって、
該色再現プログラムが、
n次元色立体を構成するn・2n-1 本の辺上において事前に指定された複数の色票(各辺において網点面積率の異なる3以上の基準色票を含む)について測定された分光反射率に基づいて、任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出するための係数を算出する係数算出部、
該係数算出部で算出された係数または前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出する分光反射率算出部、および、
該分光反射率算出部で算出された分光反射率を、該モニタ用の色信号に変換する変換部として、該コンピュータを機能させ、
該色再現プログラムが、該コンピュータを該係数算出部として機能させる際に、前記n・2n-1本の辺のうち、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く辺毎に、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記3以上の基準色票の分光反射率にそれぞれ関連した、前記カラープリンタの出力の色特性を表す3以上の係数を算出させるとともに、ブラックグラデーションを表す前記辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、その平均値に基づいて、ドットゲインを表す2つの係数ξ,ηを算出させ、
該色再現プログラムが、該コンピュータを該分光反射率算出部として機能させる際に、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く前記辺上における、任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出部で算出された前記3以上の係数に基づいて算出させる一方、ブラックの網点面積率が100%である前記辺上における、任意の網点面積率での分光反射率を、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて算出させ、ブラックグラデーションを表す前記辺上における任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出部で算出された前記2つの係数ξ,ηに基づいて算出させることを特徴としている。
【0021】
このとき、該色再現プログラムが、該モニタで再現すべき色情報が、該カラープリンタ用のものであるか否かを、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて判別する判別部であって、ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、前記ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について算出された平均値の標準偏差を算出し、その標準偏差と所定値とを比較し、その標準偏差が前記所定値以下であれば該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別する判別部として該コンピュータを機能させ、該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別された場合に、該コンピュータを該係数算出部,該分光反射率算出部および該変換部として機能させてもよい(請求項)。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態としてのカラープリンタ出力の色再現方法を実現 するためのコンピュータシステム(色再現装置)の構成を示すブロック図であり、この図1に示すように、本実施形態のコンピュータシステムは、CPU10とこのCPU10に接続されるバスライン12とをそなえている。
【0023】
バスライン12には、ROM14とRAM16とが接続されており、入出力インタフェース(I/O)40を介してキーボード30,マウス32,デジタイザ34,モニタ(例えばCRT,LCD,PDP等)36および磁気ディスク38が接続されるとともに、入出力インタフェース(I/O)41を介してプリンタ50が接続されている。
【0024】
そして、RAM16には、判別部42,係数算出部44,分光反射率算出部46および変換部48を実現するためのアプリケーションプログラムが格納されており、CPU10が、バスライン12を介してRAM16から上記アプリケーションプログラムを実行することにより、判別部42,係数算出部44,分光反射率算出部46および変換部48としての機能(その詳細については後述)が実現され、本実施形態のカラープリンタ出力の色再現方法が実行されるようになっている。
【0025】
これらの判別部42,係数算出部44,分光反射率算出部46および変換部48としての機能を実現するためのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD−ROM等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0026】
判別部42,係数算出部44,分光反射率算出部46および変換部48としての機能を実現する際には、内部記憶装置(本実施形態ではRAM16)に格納されたプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサ(本実施形態ではCPU10)によって実行される。このとき、記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータが直接読み取って実行するようにしてもよい。
【0027】
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。
【0028】
上記アプリケーションプログラムは、このようなコンピュータに、判別部42,係数算出部44,分光反射率算出部46および変換部48としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくオペレーションシステムによって実現されてもよい。
さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD−ROM,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することができる。
【0029】
さて、図1に示す本実施形態のコンピュータシステムは、ブラック(K)を含むn色(nは2以上の自然数;本実施形態ではY,M,C,Kの4色)の色材の組み合わせによるカラー印刷を行ない且つブラック(K)を最後に刷るカラープリンタの出力を、モニタ36で再現するものであり、後述するような判別部42,係数算出部44,分光反射率算出部46および変換部48としての機能を有している。
【0030】
判別部42は、モニタ36で再現すべき色情報が、カラープリンタ用のものであるか否かを、事前に指定された色票の分光反射率に基づいて判別するもので、モニタ36で再現すべき色情報がカラープリンタ用のものであると判別した場合に、係数算出部44,分光反射率算出部46および変換部48の動作を実行させるようになっている。
【0031】
この判別部42は、後で詳述するごとく、ブラックの網点面積率が100%である辺上の色票についての分光反射率の標準偏差を算出し、その標準偏差と所定値(例えば0.1)とを比較し、その標準偏差が所定値以下であればモニタ36で再現すべき色情報がカラープリンタ用のものであると判別している。
係数算出部44は、n次元色立体を構成するn・2n-1 本(本実施形態ではn=4とするので、32本)の辺上において事前に指定された複数の色票(各辺において網点面積率が0%,50%,100%である時の3つの基準色票を含む)について測定された分光反射率に基づいて、任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出するための係数αi,βi,γi,ξi,ηi (iは網点面積率)を算出するものである。
【0032】
なお、各辺において事前に指定される色票の数をNとする。本実施形態では、各辺における色票は、網点面積率iが0%,10%,20%,30%,40%,50%,60%,70%,80%,90%,100%である時の11、つまりN=11としている。従って、事前に指定される色票の総数は11×32=352である。
【0033】
ここで、係数算出部44は、4次元色立体を構成する32本の辺のうち、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く辺毎に、その辺上の色票について測定された分光反射率に基づいて、3つの基準色票の分光反射率S0%(=Spaper ) ,S50% , S100%にそれぞれ関連した、カラープリンタの出力の色特性を表す3種類の係数αi,βi,γi を最小二乗法により算出する。
【0034】
また、係数算出部44は、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く辺毎に、その辺上の色票について測定された分光反射率に基づいて、網点面積率が0%,100%である時の2つの基準色票S0%,S100%の分光反射率にそれぞれ関連した、ドットゲインを表す2種類の係数ξi,ηi も最小二乗法により算出する。
【0035】
さらに、係数算出部44は、ブラックグラデーションを表す辺上の色票について測定された分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、その平均値に基づいて、ドットゲインを表す2種類の係数ξi,ηi を算出する。
一方、分光反射率算出部46は、図3〜図6を参照しながら後述するごとく、係数算出部44で算出された係数αi,βi,γi,ξi,ηi 、または、事前に指定された色票の分光反射率に基づいて、任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出するものである。
【0036】
ここで、分光反射率算出部46は、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く辺上における、任意の網点面積率に対応する分光反射率を、係数算出部44で算出された係数αi,βi,γi に基づいて算出する一方、ブラックの網点面積率が100%である辺上における、任意の網点面積率での分光反射率を、事前に指定された色票の分光反射率に基づいて算出する。
【0037】
また、分光反射率算出部46は、任意の位置に対応する分光反射率を算出する際に、係数算出部44で算出された係数ξi,ηi を用いるほか、ブラックグラデーションを表す辺上における任意の網点面積率に対応する分光反射率を、係数算出部44で算出された係数ξi,ηi に基づいて算出する。
さらに、分光反射率算出部46は、事前に指定された色票の分光反射率に基づいて算出・決定される一定値(例えば0.035)を、ブラックの網点面積率が100%である辺上における任意の網点面積率での分光反射率として出力することもできる。
【0038】
またさらに、分光反射率算出部46は、図7および図8を参照しながら後述するごとく、n次元立体から、カラープリンタで最後に刷る第4色材(ブラック)の網点面積率を一定化した3次元立体を算出し、この3次元立体から、カラープリンタで3番目に刷る第3色材(本実施形態ではシアン)の網点面積率を一定化した2次元色平面を算出し、最終的に、この2次元色平面から、係数ξi,ηi を用いて、任意の網点面積率に設定された4色の色材を組み合わせた場合の分光反射率を算出する。
【0039】
さらにまた、本実施形態の分光反射率算出部46は、後述するごとく、特定の網点面積率に設定された4色の色材を組み合わせた場合の分光反射率に、特定の値を指定すべく、その特定の網点面積率を与える色信号と前記任意の網点面積率を与える色信号との距離の逆数に基づいて重み係数を算出し、その重み係数を特定の値に乗算した値を、算出された分光反射率に加算するとともに、前記距離が0の場合には、分光反射率として特定の値を出力する機能もそなえている。
【0040】
そして、変換部48は、分光反射率算出部46で算出された分光反射率を、モニタ36用の色信号(例えばRGB信号)に変換し、その色信号に基づく色表示をモニタ36に行なわせるものである。
次に、図2〜図13を参照しながら、本実施形態の色再現方法について詳細に説明する。
【0041】
本実施形態においては、任意数nの色材の組み合わせから選定されたn・2(n-1) 本の辺から得られる分光反射率を使用する。これらの辺を表現するために、以下のような規定▲1▼〜▲3▼を設ける。
▲1▼各辺において、色信号の採る値(即ち、網点面積率)は、(a) 0%、(b) 100%、および、(c) 0%〜100%の間における複数(本実施形態の11)の数値の組、のうちのいずれか一つに限り、且つ、(c) の複数の数値の組を採る色信号は1色のみとする。即ち、これらの辺は、モニタ36上で色を再現されるべきカラープリンタの色域の縁辺を表すものとする。
【0042】
▲2▼本実施形態では、n=4とし、例えば、ブラックを含む任意の4つの色材をシアン,マゼンタ,イエロおよびブラックとする。ただし、これ以外の数や色材であってもよいものとする。そして、各辺は、色符号C,M,Y,Kを用いて表記するものとし、シアン100%を“C”、マゼンタ100%を“M”、イエロ100%を“Y”、ブラック100%を“K”として表記し、0%ならば、その色符号の表記を行なわない。色符号の表記順序は刷り順通りとするが、0%〜100%の間における複数の数値の組をとる色信号の色符号については、一番最後に表記する。なお、本実施形態では、刷り順は“YMCK”とするが、これ以外であってもよい。ただし、ブラックだけは最後に刷られるものとする。
【0043】
▲3▼上記▲1▼,▲2▼の規定に従った場合、例えば下記表1のような数値の組み合わせの辺は、色符号により“YKC”として表記されることになる。つまり、イエロおよびブラックの網点面積率が100%、マゼンタの網点面積率が0%、シアンの網点面積率が、0%〜100%の間で10%刻みの値をとる。
【0044】
【表1】
Figure 0004068771
【0045】
なお、前述した通り、各辺でのデータの個数をNで表し、本実施形態では、例えばN=11とする。
上述のような表記に従い、以下に、本実施形態の色再現方法について詳細に説明する。
〔1〕まず、本実施形態の判別部42は、カラープリンタ出力の色再現処理を開始するに当たって、一度だけ、下記 (1-1)〜(1-5) のような判定工程を実施する。
【0046】
(1-1) ブラックの網点面積率が100%である辺(即ち、KC,KM,KY,CKM,MKC,CKY,YKC,YKM,MCKY,YCKM,YMKCの12辺)のそれぞれにおいて、事前に指定された色票毎に、可視波長域に含まれる波長についての分光反射率を平均した値を求める。例えば、可視波長域を 380nm〜730nm とした場合、10nm毎の分光反射率(つまり、波長380nm,390nm,400nm,...,730nm の分光反射率;全部で36の分光反射率)の総和を36で除算した値を、分光反射率の平均値として求める。このようにして、分光反射率の平均値を、各辺上における11個の色票のそれぞれについて算出する。なお、可視波長域は 380nm〜730nm に限定されるものではない。
【0047】
(1-2) 各辺の11個の色票について算出された分光反射率の平均値の標準偏差を算出する。
(1-3) (1-2) で算出された標準偏差と、予め与えられた所定値(例えば0.1)とを比較する。
(1-4) (1-3) で比較した結果、標準偏差が所定値よりも大きい場合、モニタ36で再現すべき色情報には、以下に説明する本実施形態の色再現方法は適用されない。
【0048】
(1-5) (1-3) で比較した結果、標準偏差が所定値以下であれば、今回、モニタ36で再現すべき色情報がカラープリンタ用のものであると判別され、その色情報には、以下に説明する本実施形態の色再現方法が適用される。つまり、前述したように、係数算出部44,分光反射率算出部46および変換部48が動作する。
【0049】
ここで、ブラックを最後に刷るカラープリンタにおいて、ブラックの網点面積率が100%である場合には、例えば図12に示すように、その他の色シアン,マゼンタ,イエロの網点面積率がどのような値を採ろうとも、波長によらず、分光反射率はほぼ一定になる。
カラープリンタで用いられるトナーは、前述した通り、固体であり、元々、光透過性を有していない。従って、カラープリンタによる印刷結果では、最後に刷られたトナーの色、つまり、一番上に載るトナーの色が見えることになり、その下に何色があるかは色の見え方に関係なくなる。カラープリンタはこのような特徴を有しているので、ブラックの網点面積率が100%である場合、他の色に関係なく、全ての色票の分光反射率の値は、ほぼ等しくなり、当然、前述した標準偏差も小さくなる。本実施形態の判別部42では、このような特徴を利用して、モニタ36で再現すべき色情報がカラープリンタ用のものであるか否かを判別しているのである。
【0050】
なお、図12は、ブラック,シアンおよびマゼンタの網点面積率が100%でイエロの網点面積率が0%〜100%となるとき(4次色)の分光反射率の測定結果を示すグラフである。この図12を見て明らかなように、ブラックの網点面積率が100%である場合、非常に高い精度で、分光反射率を一定値に置き換えることが可能であり、その一定値として、図12に示す例では“0.035”を採用することができる。
【0051】
〔2〕上述のようにして、カラープリンタ出力の判定を行なった後、本実施形態の係数算出部44は、一度だけ、下記 (2-1),(2-2)のような係数算出工程を実施する。
(2-1) ブラックの網点面積率が100%である辺(前記12本の辺)とブラックグラデーションを表す辺(“K”として表記される辺)とを除く辺は、下記の通り表記される19本の辺である。
【0052】
C,M,Y,CM,MY,CY,MC,YM,YC,CK,MK,YK,MCY,YCM,YMC,MCK,YCK,YMK,YMCK
これらの辺の各々に対して、N個(本実施形態では11個)の色票の分光反射率が各色信号に対応して存在する。そして、本実施形態の係数算出部44では、上記19辺におけるN個の分光反射率に対して、下式(1)および(2)を使用して最小2乗法により、各辺のN個の色票に対応する係数α,β,γおよび係数ξ,ηが算出される。
【0053】
ここで、下式(1)および(2)の説明をする前に、係数α,β,γおよび係数ξ,ηのもつ物理的な意味について説明する。
(2-1-1) 係数α,β,γの物理的意味について
図2に示すように、カラープリンタで印刷されるべき色材が紙に載っている場合、目に入る光は、矢印A1,A2,A3で示す3種類の光のいずれかに分類される。
【0054】
矢印A1は、入射時および反射時の両方とも色材を通過する光(物理的ドットゲイン)を示し、係数γは、このような光の量を表している。また、このような光の影響は、色材の網点面積率が100%のときに最も顕著になる。
矢印A2は、入射時および反射時の両方とも色材を通過しない光を示し、係数αは、このような光の量を表している。また、このような光の影響は、色材の網点面積率が0%のときに最も顕著になる。
【0055】
矢印A3は、入射時および反射時のうちの一方のみに色材を通過する光(光学的ドットゲイン)を示し、係数βは、このような光の量を表している。また、このような光の影響は、色材の網点面積率が50%のときに最も顕著になる。
実際の印刷結果とモニタで再現される色とが、ノイゲバウアの式を用いた場合には一致せず、本発明の方法を用いた場合に一致する理由がここにある。即ち、ノイゲバウアの式では、矢印A1,A2で示すような光は考慮しているが、矢印A3で示すような光の効果(色材が載っている部分の縁辺部において生じる、紙およびベタ色票では再現できない光学現象)を無視している。これに対し、本発明の方法においては、矢印A3で示すような光の効果を考慮し、後述する仮想1次色についての分光反射率を正確に再現できるようにするために、係数α,β,γを使用している。
【0056】
(2-1-2) 係数ξ,ηの物理的意味について
係数ξ,ηは、前述した係数α,γに対応するものであり、係数ηは、入射時および反射時の両方とも色材を通過する光の量を表し、係数ξは、入射時および反射時の両方とも色材を通過しない光の量を表している。
ここでは、色材の載っていない面積を係数ξで、載っている面積をηで表している。これにより、従来法〔例えばMurray-Davies(マーレイ・デービス)の式〕よりも正確に、色材の載っている面積を把握することが可能になる。なお、これは前記の19辺の全てに適用可能であり、1次色しか適用できなかった従来法とは大きく異なる点である。即ち、本実施形態では、1次から4次色に至る全ての基本的な色の組み合わせに対して、従来法よりも正確に色材の載っている面積を算出することにより、推定精度を向上させているのである。
【0057】
【数1】
Figure 0004068771
【0058】
上式(1),(2)において、
λ:波長(nm)〔入力情報〕
i (λ):iは、各辺上での網点面積率0%〜100%におけるN個の数値(本実施形態では0,10,20,30,40,50,60,70,80,100の11個)で、個々の色票の値(網点面積率)を表し、Si (λ)はその色票の分光分布〔出力情報〕
paper (λ)〔=S0%(λ)〕:紙白の分光反射率〔入力情報〕
50% (λ):網点面積率50%に対応する色材の載った色票の分光反射率〔入力情報〕
100%(λ):網点面積率100%に対応する色材の載った色票の分光反射率〔入力情報〕
αi ,βi ,γi :網点面積率i%の色票に対応する係数α,β,γ〔出力情報〕
ξi ,ηi :網点面積率i%の色票に対応する係数ξ,η〔出力情報〕
である。なお、〔入力情報〕と記したデータは、上式(1),(2)を用いて最小二乗法を行なう際に、上式(1),(2)に入力されるデータであることを示し、〔出力情報〕と記したデータは、最小二乗法により算出・出力されるデータであることを示している。
【0059】
(2-2) ブラックグラデーションを表す辺(K)に属するN個(本実施形態では11個)の色票に対しては、図11を見れば明らかなように、データの線形性のために最小2乗法を適用することができない。
そこで、本実施形態では、ドットゲインを表す係数ξ,ηを以下のように算出し、分光反射率の再現およびブラックの載っている面積を正確に把握するために、係数ξ,ηを使用する。なお、判別部42により本発明の手法が適用可能であると判断された場合には、ブラックの透過率が非常に小さいため、図2に矢印A3で示すようなの光は無視することができる。
【0060】
さて、係数ξ,ηを算出する際には、まず、ブラックグラデーションを表す辺(K)上のN個の色票の分光反射率を、図11に示すようにグラフ化してから、グラフの平坦部を決定して、その平坦部での分光反射率の平均値を算出する。平均化する範囲(平坦部)は、可視波長域すべてに亘ってもよいし、その可視波長域の一部に亘ってもよい。
【0061】
そして、N個の色票の中で、ブラックの網点面積率がi%の色票についての平均値をSi とすると(0≦i≦100)、下記の連立方程式(3)を解くことにより、その色票に対応する係数ξi ,ηi が算出される。
【0062】
【数2】
Figure 0004068771
【0063】
ここで、Spaper は紙白の分光反射率の波長域における平均値〔入力情報〕、S100%は網点面積率100%に対応する色材の載った色票の分光反射率の波長域における平均値〔入力情報〕である。
〔3〕上述のようにして係数算出工程を実施し、係数αi ,βi ,γi ,ξi およびηi を算出した後、本実施形態の分光反射率算出部46は、下記 (3-1)〜(3-3) の工程を実施し、分光反射率の算出・推定を行なう。
【0064】
以下では、32辺の各々において、事前に指定された色票以外の色信号(網点面積率)に対応する分光反射率を算出・推定する方法について、項目(3-1) で説明する。なお、以降の説明では、32辺のそれぞれのことを「仮想1次色」と呼称する。
そして、前記仮想1次色から「仮想2次色」を算出・推定する方法について、項目(3-2) で説明する。「仮想2次色」とは、シアン,マゼンタ,イエロおよびブラックの色信号のうちの2つの網点面積率が任意で、残りの2つの網点面積率が0%または100%で固定されている色のことを意味する。
【0065】
その後、項目 (3-1)および(3-2) で説明された方法を用いて、シアン,マゼンタ,イエロおよびブラックの色信号で表される4次元色立体から、順次次元を落としていき、最後に項目(3-2) の方法を実施することにより、任意のシアン,マゼンタ,イエロおよびブラックの色信号に対応する分光反射率を算出.推定できることを項目(3-3) で説明する。
【0066】
(3-1) 仮想1次色の算出・推定方法
仮想1次色の算出・推定方法に際しては、辺毎に、上述した工程〔2〕で算出された以下のデータを使用する。
▲1▼ブラックの値(網点面積率)が100%に該当する辺およびブラックグラデーションを表す辺以外の辺
(a)N個の色票におけるαi,βi,γi の値
(b)N個の色票におけるξi,ηi の値
(c)色信号値(網点面積率)が0,50,100%における色票の分光反射率Spaper (λ),S50% (λ),S100%(λ)
(d)N個の色票におけるiの値(iは0%〜100%の間における複数の数値を表す)
▲2▼ブラックグラデーションを表す辺
(a)N個の色票におけるξi,ηi の値
(b)色信号値が0,100%における色票の分光反射率Spaper (λ),S100%(λ)
c)N個の色票におけるiの値(iは0%〜100%の間における複数の数値を表す)
▲3▼ブラックの値(網点面積率)が100%に該当する辺
(a)N個の色票の分光反射率Si (λ)
(b)N個の色票におけるiの値(iは0%〜100%の間における複数の数値を表す)
これらのデータを使用して、仮想1次色の分光反射率を算出・推定する方法を以下に記す。
【0067】
(3-1-1) 以下においては、事前にイエロ,マゼンタ,シアンおよびブラックの色信号(即ちY,M,C,Kの網点面積率)が、%単位で与えられているものとする。ただし、ここでは仮想1次色を扱うので、先に定義した通り、4色のうちのの1色だけを、0%〜100%の範囲で任意に指定することができ、残りの3色は0%か100%のいずれか一方であるとする。以後、この任意に指定可能な数値(網点面積率)をj(%)で表す。
【0068】
(3-1-2) この任意の網点面積率j%の色信号に対応する分光反射率Sj (λ)を推定するために、式(1)や(2)を先程とは逆に使用する。即ち、
【0069】
【数3】
Figure 0004068771
【0070】
ここで、上式(4)は、ブラックの値が100%に該当する辺およびブラックグラデーションを表す辺以外の辺に適用される。また、上式(5)は、ブラックグラデーションを表す辺に適用される。
各係数αj,βj,γj は、図3に示すように、網点面積率jに依存する。分光反射率Spaper (λ)に対する係数αj の値は、網点面積率jが0%のときには1であり、50%および100%のときには0である。同様に、分光反射率S50% (λ)に対する係数βj の値は、網点面積率jが50%のときには1であり、0%および100%のときには0であり、分光反射率S100%(λ)に対する係数γj の値は、網点面積率jが100%のときには1であり、0%および50%のときには0である。
【0071】
また、係数αj は、工程〔2〕で求めたN個の係数αi (本実施形態は、i=0,10,20,30,40,50,60,70,80,90,100の11個)によって代表されている。同様に、係数βj は、工程〔2〕で求めたN個の係数βi によって代表され、係数γj は、工程〔2〕で求めたN個の係数γi によって代表されている。
そして、任意の網点面積率jにおける係数αj,βj,γj の値は、それぞれ、上述したN個の係数αi,βi,γi の間を補間することによって、例えば下式 (6-1)〜(6-3) のごとく決定される。
【0072】
各係数ξj,ηj も、図4に示すように、網点面積率jに依存する。分光反射率Spaper (λ)に対する係数ξj の値は、網点面積率jが0%のときには1であり、100%のときには0である。同様に、分光反射率S100%(λ)に対する係数ηj の値は、網点面積率jが100%のときには1であり、0%のときには0である。
【0073】
また、係数ξj は、工程〔2〕で求めたN個の係数ξi (本実施形態は、i=0,10,20,30,40,50,60,70,80,90,100の11個)によって代表されている。同様に、係数ηj は、工程〔2〕で求めたN個の係数ηi によって代表されている。
そして、任意の網点面積率jにおける係数ξj,ηj の値は、それぞれ、上述したN個の係数ξi,ηi の間を補間することによって、例えば下式(7-1),(7-2) のごとく決定される。
【0074】
つまり、N個の色票に対応する、先に述べたiの値のうちで、jに近接しjをはさむ2つの値kとlとを算出し、下式 (6-1)〜(6-3) および(7-1),(7-2) に代入することにより、係数αj,βj,γj およびξj,ηj を算出する。ここで、k≦j≦lとする。そして、下式 (6-1)〜(6-3) および(7-1),(7-2) によってそれぞれ算出された係数αj,βj,γj およびξj,ηj を、それぞれ上式(3)および(4)に代入することで、任意の網点面積率jに対応する分光反射率Sj (λ)が算出される。
【0075】
【数4】
Figure 0004068771
【0076】
上述した式(4),(5), (6-1)〜(6-3) および(7-1),(7-2) を用いて算出・推定された分光反射率を、実測された分光反射率とともに、図9〜図11に示す。これらの図9〜図11において、太線が、実測された分光反射率を示し、細線が、本実施形態の方法により算出・推定された分光反射率を示す。
なお、図9は、マゼンタ1次色の分光反射率を、係数α,β,γ〔式(4)& (6-1)〜(6-3) 〕を用いて算出・推定した結果を示すグラフであり、図10は、マゼンタ1次色の分光反射率を、係数ξ,η〔式(5)&(7-1),(7-2) 〕を用いて算出・推定した結果を示すグラフであり、図11は、ブラック1次色の分光反射率を、係数ξ,η〔式(5)&(7-1),(7-2) 〕を用いて推定した結果を示すグラフである。
【0077】
図9に示すように、係数α,β,γ〔式(4)& (6-1)〜(6-3) 〕を用いることにより、極めて高い精度で仮想1次色(マゼンタ1次色)の分光反射率を算出・推定することができる。
また、図10に示すように、係数ξ,η〔式(5)&(7-1),(7-2) 〕を用いても、ある程度高い精度で仮想1次色(マゼンタ1次色)の分光反射率を算出・推定することができる。
【0078】
さらに、図11に示すように、係数ξ,η〔式(5)&(7-1),(7-2) 〕を用いることにより、かなり高い精度でブラックグラデーションを表す辺(ブラック1次色)上の任意の位置での分光反射率を算出・推定することができる。
実際に本実施形態の方法を用いて仮想1次色の分光反射率を算出・推定する際には、係数ξ,η〔式(5)&(7-1),(7-2) 〕ではなく、係数α,β,γ〔式(4)& (6-1)〜(6-3) 〕を用いる。ただし、式(7-1),(7-2) により算出される係数ξj ,ηj は、仮想2次色の分光反射率を算出・推定する際に、各辺上の位置を表す数値(ドットゲイン)として使用される。
【0079】
(3-1-3) ブラックの値(網点面積率)が100%である辺上における、任意の位置の分光反射率Sj (λ)を算出・推定する際には、下式(8)を用いる。即ち、前述した2つの値k,lと、既知の分光反射率Sk (λ)およびSl (λ)とを下式(8)に代入し、分光反射率Sk (λ)およびSl (λ)を直接的に比例配分することにより、分光反射率Sj (λ)を算出する。
【0080】
【数5】
Figure 0004068771
【0081】
(3-2) 仮想2次色の算出・推定方法
仮想2次色の算出・推定方法に際し、本実施形態の分光反射率算出部46は、項目(3-1) において前述した仮想1次色の算出・推定方法を用い、下記 (3-2-1)〜(3-2-7) の工程を実施する。
(3-2-1) ここでは、色材Aおよび色材Bに関する仮想2次色を算出する方法について説明する。このとき、色材Aの網点面積率がx%で色材Bの網点面積率がy%である仮想2次色を推定すべき色であるとし、2次元色平面上でのその色の位置を点(x,y)で、またその位置における分光反射率をSx,y (λ)で表す。なお、点(x,y)はその色の位置の呼称とし、実際の位置を示すものではない。
【0082】
(3-2-2) 点(x,y)を含む平面を構成する4つの辺を決定する。ここで、各々の辺と、図5に示すような平面とを決定すべく、以下のデータ(a)〜(d)を使用する。下記データ(a)〜(d)は、すべて、項目(3-1) において前述した方法で算出可能である。なお、図5は、本実施形態における、仮想2次色の算出・推定に必要なデータの位置関係を説明するための図である。
【0083】
(a)(i,0)で表され0≦i≦100である“色材A辺”上における点(x,0)に対応する分光反射率SX,0 (λ)と係数ξx,o ,ηx,0
(b)(i,100)で表され0≦i≦100である“色材A,B100%辺”上における点(x,100)に対応する分光反射率SX,100 (λ)と係数ξx,100 ,ηx,100 (この“色材A,B100%辺”は、図5に示すように、“色材A辺”と対向する)
(c)(0,j)で表され0≦j≦100である“色材B辺”上における点(0,y)に対応する分光反射率So,y (λ)と係数ξo,y ,η0,y
(d)(100,j)で表され0≦j≦100である“色材A100%,B辺”上における点(100,y)に対応する分光反射率S100,y (λ)と係数ξ100,y ,η100,y (この“色材A100%,B辺”は、図5に示すように、“色材B辺”と対向する)
ただし、上述した4辺のなかに、ブラックの値(網点面積率)が100%である辺が含まれる場合には、その辺と対向する、ブラックの値(網点面積率)が0%である辺の係数ξ,ηをそのまま採用する。
【0084】
(3-2-3) 前記4辺は、図6に示すように配置される。その配置方法について、以下に説明する。なお、図6は、本実施形態における、仮想2次色の分光反射率の算出・推定方法を説明するための図である。
(a)(0,0)を原点(P)とする。
(b)“色材A辺”および“色材B辺”を、それぞれ上記原点から水平,垂直に配置する。この際、“色材A辺”の長さ,点(x,0)の位置,“色材B辺”の長さ,点(0,y)の位置を、以下のように設定する。
【0085】
“色材A辺”の長さ…ξx,0 +ηx,0
点(x,0)の位置…“色材A辺”をηx,0 :ξx,0 の比で内分する位置
“色材B辺”の長さ…ξ0,y +η0,y
点(0,y)の位置…“色材A辺”をη0,y :ξ0,y の比で内分する位置
(c)“色材A,B100%辺”および“色材A100%,B辺”については、以下のように配置する。なお、これらの辺の長さ、および、各辺上における点の算出方法は、前記(b)と同様であるので、その説明は省略する。
【0086】
図6に示すように、点(100,0)から長さ(ξ100,y +η100,y )を半径とする円と、点(0,100)から長さ(ξx,100 +ηx,100 )を半径とする円とを描く。このとき、2つの円は、2点で交わることになる。これらの2つの交点のうち、“色材A辺”と“色材B辺”とで形成される象限と同一に存在し、且つ、図6に示す平面上の座標値(100,100)の位置からの距離が近いものを選択する。そして、“色材A,B100%辺”および“色材A100%,B辺”は、選択された交点で交わるように配置される。
【0087】
(3-2-4) 求めるべき分光反射率Sx,y (λ)に対応する点(x,y)の位置を、以下のようにして決定する。つまり、点(x,0)と点(x,100)とを直線で結ぶとともに、点(0,y)と点(100,y)とを直線で結び、これら2つの直線の交点を点(x,y)の位置とする。
(3-2-5) 各点間の距離を、以下のように定義する。ここで、距離とは図6に示す2次元色平面におけるユークリッド距離のことを意味する。
【0088】
点(x,y)と点(x,0)との間の距離…l1
点(x,y)と点(0,y)との間の距離…l2
点(x,y)と点(x,100)との間の距離…l3
点(x,y)と点(100,y)との間の距離…l4
(3-2-6) 重み係数wi (i=1,2,3,4)を、下式 (9-1)〜(9-4) もしくは(10-1)〜(10-4)のように定義する。なお、前者の式 (9-1)〜(9-4) と後者の式(10-1)〜(10-4)とを混合して使用してはならない。即ち、w1 で前者の式(9-1) を使用する場合には、w2,3,4 でも前者の式 (9-2)〜(9-4) を使用する。当然、w1 で後者の式(10-1)を使用する場合には、w2,3,4 でも後者の式(10-2)〜(10-4)を使用する。
【0089】
【数6】
Figure 0004068771
【0090】
(3-2-7) 分光反射率Sx,y (λ)は、上述のごとく算出された分光反射率Sx,0 (λ),S0,y (λ),Sx,100 (λ),S100,y (λ)および重み係数w1,w2,3,4 を下式(11)に代入することにより算出される。
【0091】
【数7】
Figure 0004068771
【0092】
(3-3) 4次までの色の分光反射率の算出・推定方法
4次色の算出・推定方法に際し、本実施形態の分光反射率算出部46は、項目(3-1) において前述した仮想1次色の算出・推定方法と、項目(3-2) において前述した仮想2次色の算出・推定方法とを用い、下記 (3-3-1)〜(3-3-6) の工程を実施する。その工程について、図6および図7を参照しながら説明する。
【0093】
なお、図7は、本実施形態における、次元数リダクション処理を説明するための図、図8は、本実施形態における、YMC3次色の分光反射率の算出・推定方法を説明するための図である。
また、ここでは、事前にイエロ,マゼンタ,シアンおよびブラックの色信号により各色の網点面積率(Y,M,C,K)が%単位で与えられているものとする。ただし、0≦Y,M,C,K≦100とする。
【0094】
ところで、光透過性を有する色材を用いた印刷では、ブラックの網点面積率が100%である時でも3次元色立体を構成されていた。しかし、ブラックの網点面積率が100%である場合、カラープリンタではブラックが最後に重ねられるため、イエロ,マゼンタ,シアンがどのように印刷されていても、印刷結果は全て同じ色になってしまう。従って、カラープリンタでは、ブラック100%の3次元色立体は、図7に示すように、ほぼ一点に縮退することになる。このようなカラープリンタの特異性を利用することにより、Y,M,C,Kからなる4次元色立体の次元数のリダクションを以下のような簡素な手法で行なうことができる。なお、図7において、“Composite black ”とは、3つの色材Y,M,Cを等量混合することによって描かれるブラックのことを言い、1つの色材Kで描かれるブラックと区別している。
【0095】
(3-3-1) まず、図7に示す12個の四辺形から、項目(3-2) において前述した仮想2次色の算出・推定方法を使用して、最後に刷るブラックの網点面積率が一定値K%である12辺を算出することにより、図7に示すように、4次元色立体を、12辺から成る、ブラックK%一定の3次元色立体にリデュース(reduce)する。
【0096】
(a)K,C,CK,KCの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定で、シアンの値を可変とする辺1を算出する。
(b)K,M,MK,KMの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定で、マゼンタの値を可変とする辺2を算出する。
(c)K,Y,YK,KYの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定で、イエロの値を可変とする辺3を算出する。
【0097】
(d)CK,CM,MCK,CKMの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定で且つシアン100%一定で、マゼンタの値を可変とする辺4を算出する。
(e)MK,MC,MCK,MKCの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定で且つマゼンタ100%一定で、シアンの値を可変とする辺5を算出する。
【0098】
(f)CK,CY,YCK,CKYの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定で且つシアン100%一定で、イエロの値を可変とする辺6を算出する。
(g)MCK,MCY,YMCK,MCKYの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定,マゼンタ100%一定かつシアン100%一定で、イエロの値を可変とする辺7を算出する。
【0099】
(h)MK,MY,YMK,MKYの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定で且つマゼンタ100%一定で、イエロの値を可変とする辺8を算出する。
(i)YK,YC,YCK,YKCの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定で且つイエロ100%一定で、シアンの値を可変とする辺9を算出する。
【0100】
(j)YCK,YCM,YMCK,YCKMの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定,シアン100%一定およびイエロ100%一定で、マゼンタの値を可変とする辺10を算出する。
(k)YMK,YMC,YMCK,YMKCの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定,マゼンタ100%一定およびイエロ100%一定で、シアンの値を可変とする辺11を算出する。
【0101】
(l)YK,YM,YMK,YKMの辺で構成される四辺形から、ブラックK%一定で且つイエロ100%一定で、マゼンタの値を可変とする辺12を算出する。
(3-3-2) 次に、以下に示す4個の四辺形から、項目(3-2) において前述した仮想2次色の算出・推定方法を使用して、3番目に刷るシアンの網点面積率が一定値C%である4辺を算出することにより、図7および図8に示すように、3次元色立体を、4辺から成る、ブラックK%一定で且つシアンC%一定の2次元色平面(仮想2次平面)にリダクションする。つまり、ブラックK%一定で且つシアンC%一定に対応する辺を各々算出し、任意のマゼンタM%および任意のイエロY%の組み合わせに対する色空間を表す1つの四辺形(2次元色平面)を得る。
【0102】
(a)上述のごとく算出された4つの辺1,6,9,3で構成される四辺形から、イエログラデーションを表す辺▲1▼を算出する。
(b)上述のごとく算出された4つの辺9,10,11,12で構成される四辺形から、イエロ100%一定で且つマゼンタグラデーションを表す辺▲2▼を算出する。
【0103】
(c)上述のごとく算出された4つの辺5,8,11,7で構成される四辺形から、マゼンタ100%一定で且つイエログラデーションを表す辺▲3▼を算出する。
(d)上述のごとく算出された4つの辺1,4,5,2で構成される四辺形から、マゼンタグラデーションを表す辺▲4▼を算出する。
【0104】
なお、図8では、ブラック0%一定のYMC3次色についての3次元色立体から、シアンC%一定でスライスされた仮想2次平面(2次元色平面)が示されている。
(3-3-3) 以上のようにして算出された4つの辺▲1▼〜▲4▼で構成される四辺形から、項目(3-2) において前述した仮想2次色の算出・推定方法を使用して、所望の色信号(K,C,M,Y;Target Color)に対応する分光反射率が、算出・推定される。
【0105】
(3-3-4) 1次色の分光反射率は、項目(3-1) において前述した仮想1次色の算出・推定方法を使用して、辺K,C,M,Yから算出・推定される。
(3-3-5) 2次色の分光反射率は、項目(3-2) において前述した仮想2次色の算出・推定方法を使用して、算出・推定される。
(3-3-6) 3次色の分光反射率は、例えば図8に示すようにブラックK%の辺のみから3次元色立体を構成してから、前述した項目(3-3-2) 以降の工程を実施することにより、算出推定される。
【0106】
なお、一度、前述した式(4),(5), (6-1)〜(6-3) および(7-1),(7-2) を用いて分光反射率を算出しその分光反射率を式(11)に代入した後は、式(1)〜(3)を用いて算出された係数α,β,γおよび係数ξ,ηは、精度上、使用できなくなる。それ故、これ以後は、新たに算出された辺については、式(8)を利用して、分光反射率の算出を行なう。
【0107】
〔4〕ところで、本実施形態の分光反射率算出部46は、必要に応じて、決め打ちと呼ばれる工程を下記のように実施する。この工程は、特定の網点面積率(Y,M,C,K)に設定された4色の色材を組み合わせた場合の分光反射率を、特定の値に合わせる必要がある場合(合わせるべきデータが存在する場合)にのみ実施される。それゆえ、必要ないと判断した場合(合わせるべきデータが存在しない場合)には、その工程は実施されない。
【0108】
なお、この工程は、項目(3-2) で前述した仮想2次色の算出・推定方法において、重み係数wi (i=1,2,3,4)として式(10-1)〜(10-4)を使用する場合に適用される。以下、その工程について説明する。
(4-1) 合わせるべき色信号の値およびその分光反射率を、以下に定義する。
▲1▼合わせるべき色信号…(Km,m,m,m ),m=1,2,..,
▲2▼合わせるべき分光反射率…Sm (λ),m=1,2,..,
(4-2) 本工程は、以下のとおりに実施する。
【0109】
(4-2-1) 合わせるべき色信号が1次色の場合には、項目(3-1) で前述した仮想1次色の算出・推定方法において、推定に使用されたN個の色票の分光反射率に、さらに、合わせるべき分光反射率Sm (λ)を追加し、項目(3-1) で説明した通りの方法を実施すればよい。データの数が増えるだけで、基本的に行なわれる処理は、項目(3-1) で説明した方法と何ら変わらない。
【0110】
(4-2-2) 合わせるべき色信号が2次色,3次色,4次色の場合には、以下の処理(a)〜(d)を行なう。
(a)以下に説明するデータ合わせのための処理は、前記式(11)により、最終的に分光反射率を算出する際にのみ実施される。
(b)合わせるべき色信号(Km,m,m,m )と事前に与えられた色信号(K,C,M,Y)との距離を、下式(12)のように定義する。
【0111】
【数8】
Figure 0004068771
【0112】
(c)このように定義された距離lm+4 に対応する重み係数wk を、下式(13)で与える。
【0113】
【数9】
Figure 0004068771
【0114】
(d)上述のごとく算出された重み係数wk と、合わせるべき分光反射率Sm (λ)とから、求める分光反射率Sx,y (λ)は、下式(14)により算出されることになる。なお、式(12)において、lm+4 =0となる場合(つまり、合わせるべき色信号Km,m,m,m と事前に与えられた色信号K,C,M,Yとが一致している場合)、下式(15)のように、求める分光反射率Sx,y (λ)を合わせるべき分光反射率Sm (λ)とする。
【0115】
【数10】
Figure 0004068771
【0116】
このようにして、決め打ちと呼ばれる工程を実行することにより、特定の色信号(網点面積率)の組み合わせに対して特定の分光反射率を指定することができる。従って、ページ内誤差により不一致となる色を予め測定しておけば、その色については所定の分光反射率を強制的に算出するようにすることができ、ページ内誤差を無視できるので、高精細な推定を実施することが可能になる。
【0117】
〔5〕上述のようにして分光反射率算出部46により分光反射率を算出した後、本実施形態の変換部48は、分光反射率算出部46で算出された分光反射率をモニタ36用の色信号に変換し、その色信号に基づく色表示をモニタ36に行なわせる。変換部48において、算出された分光反射率をCIEXYZ(1931)およびsRGBに変換する方法については、以下の国際規格に準拠する。
【0118】
(a)分光反射率からCIEXYZ(1931)への変換…CIE15.2 − Colorimetry
(b)CIEXYZ(1931)からsRGBへの変換…IEC61966 Part2.0(sRGB);1999
(c)CIEXYZ(1931)からCRT出力信号への変換…IEC61966 Part5(CRT);20XX
(d)CIEXYZ(1931)からLCD出力信号への変換…IEC61966 Part6(LCD);20XX
(e)CIEXYZ(1931)からPDP出力信号への変換…IEC61966 Part7(PDP);20XX
以上、項目〔1〕〜〔5〕により説明した本実施形態のカラープリンタ出力の色再現方法の流れを、図13に示すフローチャート(ステップS11〜S26)に従って説明する。
【0119】
まず、事前に与えられた複数(本実施形態では352個)の色票について測定された分光反射率に基づいて、判別部42が、項目〔1〕で説明した工程に従いモニタ36で再現すべき色情報がカラープリンタ用のものであるか否かを判別する(ステップS11)。その色情報がカラープリンタ用のものでない場合(ステップS12からNOルート)、処理を終了する一方、その色情報がカラープリンタ用のものである場合(ステップS12からYESルート)、係数算出部44により、項目〔2〕で説明した工程に従って、係数αi ,βi ,γi ,ξi およびηi を算出する(ステップS13)。
【0120】
そして、分光反射率算出部46は、色の次数に応じて、項目〔3〕で説明した工程に従った分光反射率の算出・推定を行なう(ステップS14〜S24)。その際、分光反射率の推定を行なうべき色の次数を判断する(ステップS14)。
1次色の場合(ステップS14から“1次色”ルート)、分光反射率算出部46は、項目(3-1) で説明した方法に従って、分光反射率を算出・推定する(ステップS15)。
【0121】
また、2次色の場合(ステップS14から“2次色”ルート)、分光反射率算出部46は、分光反射率を特定の値に合わせる必要があるか否かを判断し(ステップS16)、合わせる必要がない場合(ステップS16からNOルート)、項目(3-2) で説明した方法に従って分光反射率を算出・推定する(ステップS17)。合わせる必要がある場合(ステップS16からYESルート)、分光反射率算出部46は、項目〔4〕で説明した方法に従って分光反射率を算出・推定する(ステップS18)。
【0122】
そして、3次色または4次色の場合(ステップS14から“3,4次色”ルート)、分光反射率算出部46は、4次色については、まず項目(3-3-1) で説明した手順で4次元色立体をブラック一定の3次元色立体にリデュースしてから(ステップS19)、さらに、項目(3-3-2) で説明した手順で、その3次元色立体をブラック一定で且つシアン一定の2次元色平面にリデュース(スライス)する(ステップS20)。3次色については、ステップS21のリダクション処理のみ行なう。
【0123】
分光反射率算出部46は、2次元色平面まで次元数のリダクションを行なったところで、ステップS16〜S18と同様、分光反射率を特定の値に合わせる必要があるか否かを判断し(ステップS21)、合わせる必要がない場合(ステップS21からNOルート)、項目(3-2) で説明した方法に従って分光反射率を算出・推定する(ステップS22)。合わせる必要がある場合(ステップS21からYESルート)、分光反射率算出部46は、項目〔4〕で説明した方法に従って分光反射率を算出・推定する(ステップS23)。
【0124】
この後、変換部48は、例えば項目〔5〕の(a)に記載の方法により、分光反射率をCIEXYZ(1931)に一旦変換してから(ステップS24)、例えば項目〔5〕の(b)に記載の方法により、CIEXYZ(1931)をsRGBに変換し(ステップS25)、モニタ36上で所望のカラープリンタ出力の色表示を行なわせている(ステップS26)。
【0125】
ここで、分光反射率の実測値と本実施形態の手法による推定値との精度比較結果を、下記の表2および表3に示す。これらの表2,表3では、シアン(C),マゼンタ(M),イエロ(Y),ブラック(K)のうちで、2色の組み合わせすべて(CK,MC,MK,YC,YK,YM)の分光反射率について、本実施形態の手法によって推定した結果〔ΔE94の平均値および最大値と、その最大値の位置(%単位)〕が示されている。
【0126】
そして、各辺は11段階の色信号(色票)をもっているため、一つの組み合わせ、例えば、CKの色票は11×11=121個存在し、CK2次色の任意の分光反射率を、推定すべき分光反射率に対応する色位置を取り囲む4辺上における40色票の分光反射率を用いて推定した。
なお、表2では、重み係数wi を式 (9-1)〜(9-4) で算出した時の推定精度結果が示され、表3では、重み係数wi を式(10-1)〜(10-4)で算出した時の推定精度結果が示されている。
【0127】
これらの表2および表3を見て明らかな通り、式 (9-1)〜(9-4) を用いた場合も式(10-1)〜(10-4)を用いた場合も、ほぼ同程度の推定精度であり、また、ΔE94の平均値および最大値からも極めて良好な精度であることが分かる。
【0128】
【表2】
Figure 0004068771
【0129】
【表3】
Figure 0004068771
【0130】
このように、本発明の一実施形態の色再現方法によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(I)ノイゲバウアの式では考慮されていなかった、図2の矢印A3で示すような光の効果を、分光反射率S50% (λ)に関連した係数βとして考慮することにより、図9にも示した通り仮想1次色についての分光反射率を正確に算出・推定できるので、実際のカラープリンタ出力の色とモニタ36で再現される色とを一致させることができる。
【0131】
(II)ブラックの網点面積率が100%である際であっても、分光反射率を正確に算出・推定できるとともに、ブラックグラデーション(ブラック1次色)の分光反射率も図11に示した通り高い精度で算出・推定できるほか、従来法では推定不可能であったドットゲインを算出することもできる。
(III)項目〔4〕で説明した決め打ちと呼ばれる工程を実行することにより、特定の色信号の組み合わせに対して特定の分光反射率を指定できるので、ページ内誤差により不一致となる色を予め測定しておけば、その色については所定の分光反射率を強制的に算出するようにすることができる。従って、ページ内誤差を無視でき、分光反射率の推定精度を高めることが可能になる。
【0132】
(IV)判別部42の機能を用いてカラープリンタ出力と印刷物とを区別することにより、カラープリンタ出力に限定した高精度な色再現が可能になる。
(V)従来一般的に使用されている928色票(ISO12642, JIS X 9202)や728色票に比べ、半分以下の色票(本実施形態では352色)で、極めて高い精度で色値(分光反射率)の推定を行なうことができる(図9〜図11や表2,表3参照)。このように推定に必要な色票の数を低減することができるので、色票の数が少ない程、色面積が小さくなり、ページ内誤差も小さくなる。従って、ページ内誤差に起因する推定精度の低下を解消することができる。また、本発明により、事前に指定される複数の色票が、n次元色立体を構成する全ての辺(n・2n-1 本)上に存在していなければ、分光反射率の推定精度が落ちることを理論的に証明することが可能である。
【0133】
(VI)本発明の手法を用いることにより、カラープリンタにおいて、試行錯誤に頼ることなくモニタ36上で確認することで高精度のUCR(Under Color Removal: 下色除去)量を決定することが可能になるほか、色域圧縮,拡張および色の見えなどの確認を、モニタ36上で、より容易に行なうことが可能になる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0134】
例えば、上述した実施形態では、4色の色材(Y,M,C,K)の組み合わせによるカラープリンタを対象として説明したが、本発明は、この色数に限定されるものではない。
【0135】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のカラープリンタ出力の色再現方法(請求項1〜9)および装置(請求項10,11)、並びに、カラープリンタ出力の色再現プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体(請求項12,13)によれば、カラープリンタ出力特有の光学現象を考慮することにより、分光反射率を精度良く推定できるので、実際のカラープリンタ出力の色とモニタで再現される色とを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのカラープリンタ出力の色再現方法を実現するためのコンピュータシステム(色再現装置)の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における、分光反射率を算出するための係数の物理的な意味を説明するための図である。
【図3】本実施形態における、係数α,β,γを用いた分光反射率算出手法を説明するための図である。
【図4】本実施形態における、係数ξ,ηを用いた分光反射率算出手法を説明するための図である。
【図5】本実施形態における、仮想2次色の算出・推定に必要なデータの位置関係を説明するための図である。
【図6】本実施形態における、仮想2次色の分光反射率の算出・推定方法を説明するための図である。
【図7】本実施形態における、次元数リダクション処理を説明するための図である。
【図8】本実施形態における、YMC3次色の分光反射率の算出・推定方法を説明するための図である。
【図9】マゼンタ1次色の分光反射率を、係数α,β,γを用いて算出・推定した結果を示すグラフである。
【図10】マゼンタ1次色の分光反射率を、係数ξ,ηを用いて算出・推定した結果を示すグラフである。
【図11】ブラック1次色の分光反射率を、係数ξ,ηを用いて算出・推定した結果を示すグラフである。
【図12】ブラック,シアンおよびマゼンタの網点面積率が100%でイエロの網点面積率が0%〜100%となるとき(4次色)の分光反射率の測定結果を示すグラフである。
【図13】本実施形態のカラープリンタ出力の色再現方法の流れを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 CPU
12 バスライン
14 ROM
16 RAM(記録媒体)
30 キーボード
32 マウス
34 デジタイザ
36 モニタ
38 磁気ディスク
40,41 入出力インタフェース
42 判別部
44 係数算出部
46 分光反射率算出部
48 変換部
50 プリンタ

Claims (8)

  1. ブラックを含むn色(nは2以上の自然数)の色材の組み合わせによるカラー印刷を、光透過性を有していない粉体トナーによって行ない且つブラックを最後に刷るカラープリンタの出力を、モニタで再現する方法であって、
    n次元色立体を構成するn・2n-1本の辺上において事前に指定された複数の色票(各辺において網点面積率の異なる3以上の基準色票を含む)について測定された分光反射率に基づいて、任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出するための係数を算出する係数算出ステップと、
    該係数算出ステップで算出された係数もしくは前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出する分光反射率算出ステップと、
    該分光反射率算出ステップで算出された分光反射率を、該モニタ用の色信号に変換する変換ステップとを含み、
    該係数算出ステップにおいて、前記n・2n-1本の辺のうち、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く辺毎に、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記3以上の基準色票の分光反射率にそれぞれ関連した、前記カラープリンタの出力の色特性を表す3以上の係数を算出するとともに、ブラックグラデーションを表す前記辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、その平均値に基づいて、ドットゲインを表す2つの係数ξ,ηを算出し、
    該分光反射率算出ステップにおいて、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く前記辺上における、任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出ステップで算出された前記3以上の係数に基づいて算出する一方、ブラックの網点面積率が100%である前記辺上における、任意の網点面積率での分光反射率を、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて算出し、ブラックグラデーションを表す前記辺上における任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出ステップで算出された前記2つの係数ξ,ηに基づいて算出することを特徴とする、カラープリンタ出力の色再現方法。
  2. 該モニタで再現すべき色情報が、該カラープリンタ用のものであるか否かを、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて判別する判別ステップを含み、
    該判別ステップにおいて、ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、前記ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について算出された平均値の標準偏差を算出し、その標準偏差と所定値とを比較し、その標準偏差が前記所定値以下であれば該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別され、
    該判別ステップにおいて該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別された場合に、該係数算出ステップ,該分光反射率算出ステップおよび該変換ステップを行なうことを特徴とする、請求項1記載のカラープリンタ出力の色再現方法。
  3. 該係数算出ステップにおいて、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記3以上の係数を最小二乗法により算出することを特徴とする、請求項1または請求項に記載のカラープリンタ出力の色再現方法。
  4. 該分光反射率算出ステップにおいて、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて算出・決定される一定値を、ブラックの網点面積率が100%である前記辺上における任意の網点面積率での分光反射率として出力することを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のカラープリンタ出力の色再現方法。
  5. ブラックを含むn色(nは2以上の自然数)の色材の組み合わせによるカラー印刷を、光透過性を有していない粉体トナーによって行ない且つブラックを最後に刷るカラープリンタの出力を、モニタで再現する装置であって、
    n次元色立体を構成するn・2n-1本の辺上において事前に指定された複数の色票(各辺において網点面積率の異なる3以上の基準色票を含む)について測定された分光反射率に基づいて、任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出するための係数を算出する係数算出部と、
    該係数算出部で算出された係数または前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出する分光反射率算出部と、
    該分光反射率算出部で算出された分光反射率を、該モニタ用の色信号に変換する変換部とをそなえて構成され、
    該係数算出部が、前記n・2n-1本の辺のうち、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く辺毎に、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記3以上の基準色票の分光反射率にそれぞれ関連した、前記カラープリンタの出力の色特性を表す3以上の係数を算出するとともに、ブラックグラデーションを表す前記辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、その平均値に基づいて、ドットゲインを表す2つの係数ξ,ηを算出し、
    該分光反射率算出部が、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く前記辺上における、任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出部で算出された前記3以上の係数に基づいて算出する一方、ブラックの網点面積率が100%である前記辺上における、任意の網点面積率での分光反射率を、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて算出し、ブラックグラデーションを表す前記辺上における任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出部で算出された前記2つの係数ξ,ηに基づいて算出することを特徴とする、カラープリンタ出力の色再現装置。
  6. 該モニタで再現すべき色情報が、該カラープリンタ用のものであるか否かを、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて判別する判別部であって、ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、前記ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について算出された平均値の標準偏差を算出し、その標準偏差と所定値とを比較し、その標準偏差が前記所定値以下であれば該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別する判別部をさらにそなえて構成され、
    該判別部が、該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別た場合に、該係数算出部,該分光反射率算出部および該変換部の動作を実行させることを特徴とする、請求項記載のカラープリンタ出力の色再現装置。
  7. ブラックを含むn色(nは2以上の自然数)の色材の組み合わせによるカラー印刷を、光透過性を有していない粉体トナーによって行ない且つブラックを最後に刷るカラープリンタの出力を、モニタで再現する機能をコンピュータに実行させるための、カラープリンタ出力の色再現プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
    該色再現プログラムが、
    n次元色立体を構成するn・2n-1本の辺上において事前に指定された複数の色票(各辺において網点面積率の異なる3以上の基準色票を含む)について測定された分光反射率に基づいて、任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出するための係数を算出する係数算出部、
    該係数算出部で算出された係数または前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記任意の網点面積率に対応する分光反射率を算出する分光反射率算出部、および、
    該分光反射率算出部で算出された分光反射率を、該モニタ用の色信号に変換する変換部として、該コンピュータを機能させ、
    該色再現プログラムが、該コンピュータを該係数算出部として機能させる際に、前記n・2n-1本の辺のうち、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く辺毎に、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて、前記3以上の基準色票の分光反射率にそれぞれ関連した、前記カラープリンタの出力の色特性を表す3以上の係数を算出させるとともに、ブラックグラデーションを表す前記辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、その平均値に基づいて、ドットゲインを表す2つの係数ξ,ηを算出させ、
    該色再現プログラムが、該コンピュータを該分光反射率算出部として機能させる際に、ブラックの網点面積率が100%である辺とブラックグラデーションを表す辺とを除く前記辺上における、任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出部で算出された前記3以上の係数に基づいて算出させる一方、ブラックの網点面積率が100%である前記辺上における、任意の網点面積率での分光反射率を、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて算出させ、ブラックグラデーションを表す前記辺上における任意の網点面積率に対応する分光反射率を、該係数算出部で算出された前記2つの係数ξ,ηに基づいて算出させることを特徴とする、カラープリンタ出力の色再現プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  8. 該色再現プログラムが、
    該モニタで再現すべき色情報が、該カラープリンタ用のものであるか否かを、前記複数の色票について測定された前記分光反射率に基づいて判別する判別部であって、ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について測定された前記分光反射率を、可視波長域すべてに亘りもしくはその可視波長域の一部に亘り平均し、前記ブラックの網点面積率が100%である各辺上の色票について算出された平均値の標準偏差を算出し、その標準偏差と所定値とを比較し、その標準偏差が前記所定値以下であれば該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別する判別部として該コンピュータを機能させ、該モニタで再現すべき色情報が該カラープリンタ用のものであると判別された場合に、該コンピュータを該係数算出部,該分光反射率算出部および該変換部として機能させることを特徴とする、請求項記載のカラープリンタ出力の色再現プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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