JP4068372B2 - 燃料電池の運転方法および燃料電池システム - Google Patents

燃料電池の運転方法および燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP4068372B2
JP4068372B2 JP2002086622A JP2002086622A JP4068372B2 JP 4068372 B2 JP4068372 B2 JP 4068372B2 JP 2002086622 A JP2002086622 A JP 2002086622A JP 2002086622 A JP2002086622 A JP 2002086622A JP 4068372 B2 JP4068372 B2 JP 4068372B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
electrode
gas
current density
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002086622A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003282111A (ja
Inventor
安男 武部
誠 内田
慎也 古佐小
栄一 安本
堀  喜博
靖 菅原
伸一 有坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2002086622A priority Critical patent/JP4068372B2/ja
Publication of JP2003282111A publication Critical patent/JP2003282111A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4068372B2 publication Critical patent/JP4068372B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の運転方法、および燃料電池の出力電力を制御する燃料電池制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、燃料極に供給された燃料ガスと、酸化剤極に供給された酸化剤ガスを反応させて発電を行う。特に、高分子電解質型燃料電池においては、反応ガスの供給路となる細孔を有するガス拡散層と、水素イオン伝導路となる高分子電解質膜と、これらの間に設けられ細孔を有するとともに電子伝導体としての役割も果たす触媒層とで構成される電解質膜電極接合体(MEA)が用いられる。なお、ガス拡散層と触媒層が電極を構成する。そして、前記細孔と高分子電解質と触媒とが形成するいわゆる三相界面の面積の大小が電池の放電性能を左右する。
【0003】
ところで、前記高分子電解質膜は、水分を含んだ状態でないと十分な水素イオン伝導性を発揮しないため、反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)を加湿して供給している。また、水素と酸素の反応による燃料電池の発電にともなって水が生成する。そのため、供給ガス中の過剰な水と前記生成水とが電極の細孔を塞ぎ、燃料ガスおよび酸化剤ガスの拡散を阻害し、燃料電池の発電効率が低下するという問題があった。したがって、これらの水を燃料電池から効率良く排出することが、その性能を維持・向上させる上で重要であった。
【0004】
従来、燃料電池から水を効率良く排出するために、電極を撥水処理するという方法が一般的に用いられてきた。しかし、供給ガスの流れの上流側部分においては、供給ガスに含まれる水分の量が少なく、時間の経過とともに電極が乾燥していく傾向にある。逆に、下流側部分においては、発電にともなって供給ガスが反応して消費されて相対的に水分が過剰になり、これに加えて水も生成し、電極全面にわたって最適な水分を保持させることは困難である。
【0005】
さらに、電極の撥水性は時間の経過とともに低下し、電極の濡れが進行することで水分過多な領域が増大し、これにより、初期には十分に発揮される電圧も時間の経過とともに低下するという問題がある。この問題を解決するために、供給ガスの量を発電に必要な量よりも増大させることによってガス利用率を下げ、電極上の濡れ状態を低減させることも可能であるが、この方法では、供給ガスに対する発電量、すなわち発電効率が低下する。そのため、効率アップが求められるコージェネレーションシステムなどに用いる燃料電池においては、かかる方法は実情に沿わない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような問題点に鑑み、本発明の目的は、ガス利用率を下げることなく電極の濡れ状態を制御し、電極全面にわたって最適な水分を保持させ、高い発電効率を長期間に維持することのできる燃料電池の運転方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、電解質膜と、前記電解質膜を挟む第1の電極および第2の電極と、前記第1の電極に燃料ガスを供給するガス流路を有する第1のセパレータ板と、前記第2の電極に酸化剤ガスを供給するガス流路を有する第2のセパレータ板とを具備し、電気的に複数個のブロックに分割された燃料電池の運転方法であって、前記燃料電池のそれぞれのブロックにおいて、外部に取り出す電流値を周期的に変化させて電流密度を変化させることで、前記燃料ガスおよび酸化剤ガスの少なくとも一方の利用率を周期的に変化させることにより、前記第1の電極および/または第2の電極の濡れ状態を制御する工程と、前記燃料電池のそれぞれのブロックの電流密度を相補的に変化させることにより、出力電力が平坦化するように制御する工程と、を含む燃料電池の運転方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、上述の運転方法により運転される燃料電池を含む燃料電池システムも併せて提供する。
すなわち、本発明は、電解質膜と、前記電解質膜を挟む第1の電極および第2の電極と、前記第1の電極に燃料ガスを供給するガス流路を有する第1のセパレータ板と、前記第2の電極に酸化剤ガスを供給するガス流路を有する第2のセパレータ板とを具備し、電気的に複数個のブロックに分割された燃料電池と、前記燃料電池のそれぞれのブロックにおいて、外部に取り出す電流値を周期的に変化させて電流密度を変化させることで、前記第1の電極および/または前記第2の電極の濡れ状態を制御する制御部と、前記燃料電池のそれぞれのブロックの電流密度を相補的に変化させることにより、出力電力が平坦化するように制御する制御部と、を具備する燃料電池システムを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、電解質膜と、前記電解質膜を挟む第1の電極および第2の電極と、前記第1の電極に燃料ガスを供給排出するガス流路を有する第1のセパレータ板と、前記第2の電極に酸化剤ガスを供給排出するガス流路を有する第2のセパレータ板とを具備し、電気的に複数個のブロックに分割された燃料電池の運転方法であって、前記燃料電池のそれぞれのブロックにおいて、外部に取り出す電流値を周期的に変化させて電流密度を変化させることで、前記燃料ガスおよび/または酸化剤ガスの利用率を周期的に変化させることにより、前記第1の電極および/または第2の電極の濡れ状態を制御する工程と、前記燃料電池のそれぞれのブロックの電流密度を相補的に変化させることにより、出力電力が平坦化するように制御する工程と、を含む燃料電池の運転方法に関する。
【0011】
上述のように、高分子電解質型燃料電池は、電解質膜とその両側に配置した電極とで構成される。この電極は、燃料ガスおよび酸化剤ガスなどのガスを供給するガス拡散層と、実際に化学反応を起こす触媒層とで構成される。このような燃料電池においては、電極に適当な水分を保持させ、ガスの加湿量を最適化する必要があるが、最適な加湿であっても、供給ガスの上流側部分においては電極が時間の経過とともに乾燥し、下流側部分においては電極が発電にともなって水分過多になる傾向がある。
【0012】
電極にとっての最適な加湿量は供給ガスの量や電流密度に依存し、あるガス供給量および電流密度に対応して、最適な加湿状態を有する領域が、電極上のいずれかの部分に存在する。そして、この最適加湿領域は、ガス供給量および電流密度を変えることにより、電極上を移動させることができる。
すなわち、ガス供給量を増大させると、最適加湿領域を電極においてガス流れの下流側に移動させることができ、同様に電流密度を増大させると最適加湿領域を上流側に移動させることができる。
【0013】
燃料電池の発電効率は、(燃料電池から取り出す電気エネルギー)/(燃料電池に供給したエネルギー)と定義され、ガス利用率(=ガス供給量に対する発電に寄与するガス量)を低下させると、発電効率も低下する。なお、発電に寄与するガス量は、電流密度が決まればこの電流密度に基づく電流に応じた電子の数から一義的に決定することができる。
また、電極の撥水性は時間の経過とともに低下し、電極上の濡れ状態が進行することで、水分過多な領域が増大し、これにより燃料電池が初期に発揮する十分な電圧も時間の経過とともに低下する。
【0014】
そこで、本発明者らは、このような場合に、ガス利用率を周期的に変動させて最適加湿領域を周期的に移動させれば、電極全面にわたって最適な濡れ状態を作り出すことができ、燃料電池の電圧を上げることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
ガス利用率が変動することは効率および制御性の観点からシステムにとって好ましくないが、本発明においては、ガス利用率を周期的に変化させることによって最適加湿領域を広げることができ、かつガス利用率を一定時間で平均して得られる平均ガス利用率を一定に保つことができる。
【0015】
ガス利用率を変化させるには、ガス供給量または電流密度のどちらかを変化させればよい。ガス供給量はマスフローコントローラーなどで制御することができる。
どちらを変化させても最適加湿領域を広げる効果が得られる点で共通するが、ガス供給量を変化させることはシステム設計上困難な場合が多い。例えば、コージェネレーションシステムなどのように都市ガスを改質して水素ガスを作っている場合、改質器が負荷変動応答性に劣るため、短い周期でガス供給量を変化させることは困難である。
【0016】
本発明においていう「電流密度」とは、燃料電池を構成する単セル1枚当たりに流れる単位面積当たりの電流値と定義することができ、具体的には、燃料電池に流れる全電流値を単セルの電極の面積で割って得られる。したがって、電流密度は、燃料電池に流れる電流を測定することによって一義的に決定することができる。
【0017】
一方、電流密度を変化させることは、燃料電池の外部に取り出す電流値を制御することで容易に達成できる。例えば、燃料電池にパワーマネジメント回路を接続して電流密度を変化させることができる。具体的には、パワーマネジメント回路を構成しているパワートランジスターのゲート電流を変化させたり、サイリスタのトリガー信号のタイミングをずらすことで燃料電池の外部に取り出す電流値を制御することができる。
【0018】
最適な電流密度の変化の周期は、電極の材質、電極の寸法、セパレータ板の形状、およびガス流路の構成などによって異なるが、好ましい周期は当業者であれば実験的に適宜決定することも可能である。例えば、負荷変動に対する濡れ状態の変化の早い燃料電池においては、短い周期で電流密度を変化させるのが望ましい。また、負荷変動に対して濡れ状態の変化の遅い燃料電池においては、長い周期で電流密度を変化させるのが望ましい。
【0019】
例えば、電極の細孔が小さい場合には、電流密度を変化させる周期は短い方が望ましい。また、ガス流路は断面積が小さい場合にも、電流密度を変化させる周期は短い方が望ましい。
一方、電極の撥水性が高い場合には、電流密度を変化させる周期は長い方がよい傾向にある。また、電極の大きさが大きい場合にも、電流密度を変化させる周期は長い方が好ましく、セパレータ板の形状が長方形でガス流路が長い場合にも、電流密度を変化させる周期は長い方が望ましい。
【0020】
具体的に最適な周期は、1ミリ秒〜1時間の範囲で見出すことができるが、より好ましくは、0.1秒〜10分である。
なお、周期が短かすぎると電極の濡れの移動が追随できず、最適加湿領域を変動させる効果が得られない。一方周期が長すぎると乾きおよび濡れが進行し、電圧が低下する。
【0021】
ここで、上述のように燃料ガスおよび/または酸化剤ガスの利用率を周期的に変化させることにより、前記第1の電極および/または第2の電極の濡れ状態を制御した燃料電池からは、周期的に変化した出力電力が得られる。
この際、出力電力を平坦化して外部に出力することが望ましい。電流密度が変化する周期が短い場合、燃料電池の出力電力を貯蔵する電力貯蔵部と、前記出力電力を平坦化する制御部とを具備し、前記燃料電池の電流密度が周期的に変化しても安定に電力を供給する燃料電池制御装置を用いることができる
この装置は、出力電力を平坦化するために電力貯蔵部を有する点に特徴を有し、電力貯蔵部は、例えばコンデンサまたは蓄電池などで構成することができる。
【0022】
ただし、この装置を用いると電流密度が変化する周期が短い場合には平坦化が可能であるが、周期が長い場合には適切に対応することができない。
料電池を電気的に2つ以上のブロックに分割しておき、それぞれのブロックの電流密度を相補的に変化させることで、周期が長い場合でもそれぞれのブロックの電流密度が変化しても安定に電力を取り出すことができる。もちろん、複数個の燃料電池を用いても良い。
以下に、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
【0023】
【実施例】
参考例1》
まず、MEAを以下の方法で作製した。導電性炭素粉末に平均粒径約30Åの白金粒子を担持させたもの(50重量%が白金、田中貴金属(株)製のTEC10E50E)10gに、水10gおよび水素イオン伝導性高分子電解質の9%エタノール溶液(旭硝子(株)製のフレミオン)55gを混合し、触媒ぺーストAを調製した。この触媒ペーストAをポリプロピレンフィルム上にバーコーで塗布し、乾燥することで、酸化剤極用の触媒層Aを得た。触媒ペーストAの塗布量は、白金の含有量が1cm2当り0.3mgになるように調整した。
【0024】
つぎに、導電性炭素粉末に白金−ルテニウム合金を担持したもの(30重量%が白金、23重量%がルテニウム、田中貴金属(株)製のTEC61E54)10gに、水10gおよび水素イオン伝導性高分子電解質の9%エタノール溶液(旭硝子(株)製のフレミオン)50gを混合し、触媒ぺーストBを作製した。この触媒ペーストBをポリプロピレンフィルム上にバーコーで塗布し、乾燥することで、燃料極用の触媒層Bを得た。触媒ペーストBの塗布量は、白金の含有量が1cm2当り0.3mgになるように調整した。
【0025】
触媒層Aを有するポリプロピレンフィルムおよび触媒層Bを有するポリプロピレンフィルムを、それぞれ6cm×6cm角に切断し、切断後のこれらポリプロピレンフィルムで、触媒層Aおよび触媒層Bが水素イオン伝導性高分子電解質膜(ジャパンゴアテックス社製のゴア−セレクト、膜厚30μm)に接するように、当該電解質膜を挟んだ。そして、130℃および10分間の条件でホットプレスを行った後、ポリプロピレンフィルムを除去し、触媒層Aおよび触媒層Bを有する電解質膜を得た。
【0026】
一方、電極のガス拡散層を以下のように作製した。厚み360μmの導電性カーボン粒子で構成されたカーボン不織布(東レ(株)製のTGP―H―120)に、フッ素樹脂含有の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のネオフロンND1)に含浸させ、乾燥し、400℃および30分の条件で加熱をすることによって、撥水性を付与した。さらに、このカーボン不織布の一方の面に、導電性カーボン粉末とポリエチレンテレフタレート(PTFE)微粉末を分散させた分散液とを混合して得られたインクを、スクリーン印刷法を用いて塗布し、撥水層を形成した。このとき、撥水層の一部をカーボン不織布の中に埋め込んだ。
【0027】
つぎに、上記触媒層Aおよび触媒層Bを有する電解質膜と、上記カーボン不織布2枚とを、前記カーボン不織布の撥水層が前記触媒層AおよびBにそれぞれ接するように挟み、全体をホットプレスで接合し、電極電解質膜接合体(MEA)を得た。ここで得られたMEAの概略縦断面図を図1に示した。図1に示すように、MEA14は、電解質膜11、触媒層12およびガス拡散層13を含んでいた。ただし、撥水層は省略した。
【0028】
ついで、厚さ2mmの黒鉛板に切削により溝を形成してガス流路を構成してセパレータ板を得た。得られたセパレータ板2枚で前記MEAを挟み、燃料電池として単セル23(測定用セル)を組み立てた。ガス流路はセパレータ板の電極に接する部分にのみ形成し、ガス流路を構成する溝の寸法は幅1mm、深さ0.7mmとし、溝と溝の間のリブの幅は1mmとした。また、ガス流路はセパレータ板の面上においてサーペンタイン状に蛇行させて形成した。ここで得られた燃料電池の概略縦断面図を図2に示した。図2に示すように、単セル23はガス流路22を有するセパレータ板21およびMEA14を含んでいた。
【0029】
燃料電池の温度を75℃に設定し、燃料極には、70℃の露点を有するように加湿した水素ガスを、電流密度300mA/cm2において利用率80%となる量を供給した。一方、酸化剤極には正極には、70℃の露点を有するように加湿した空気を、電流密度300mA/cm2において利用率40%となる量を供給した。
そして、図3に示すように、電流密度を263mA/cm2および338mA/cm2に周期的に変化させて、本発明に係る運転方法による放電試験を行った。図3は、本発明に係る参考例1の運転方法における電流密度の周期を示すグラフである。図3に示すように、周期は5分とした。
【0030】
その結果、電流密度263mA/cm2における燃料利用率は70%に相当し、電流密度338mA/cm2における燃料利用率は90%に相当した。
また、このときの電極の上流側部分(a)および下流側部分(b)の濡れ状態は図4の状態にあることが推測された。図4は、参考例1における燃料電池の電極の濡れ状態(含水量)を概念的に示すグラフである。
さらに、燃料電池の電圧を測定したところ、電流密度の変化とともに変動したが、図5に示すように平均電圧は長時間運転してもほとんど低下しなかった。図5は、参考例1における燃料電池の電圧の時間に対する変化を示すグラフである。また、図6に、参考例1における燃料電池の電圧の1時間当たりの平均値の経時変化を示した。
【0031】
なお周期を1分〜10分の範囲で変化させても同様の結果が得られた。また、周期を5秒〜1分の間で変化させた場合、平均電圧が経時的にわずかに低下したものの、長時間の運転が可能であった。
一方、周期を10分〜1時間の範囲で変化させた場合も、平均電圧が経時的にわずかに低下したものの、長時間の運転が可能であった。
【0032】
参考例2》
まず、参考例1と同様にして燃料電池として特性測定用の単セルを組み立てた。
この燃料電池を、図7に示す構成を有する燃料電池制御装置を接続して運転した。図7は、本発明の燃料電池30に燃料電池制御装置31を接続したシステムの構成を示す図である。燃料電池制御装置31中の電力貯蔵部32には、電解コンデンサを主な構成要素とする電力平滑回路を用いた。電力の貯蔵能力は5W、負荷応答時間は1ミリ秒とした。この制御装置を用いて参考例1と同様に放電試験を行った。なお周期は、1秒とした。
【0033】
図8に、参考例2における燃料電池の電圧の経時的変化をプロットしたグラフを示した。燃料電池の電圧は図8に示すようにほぼ平坦であった。電圧は経時的にわずかに低下したものの、長時間の運転が可能であった。
また、図6中に、参考例2における燃料電池の出力電圧の1時間当たりの平均値の経時変化を示した。なお、周期を1ミリ秒〜1分の範囲で変化させても同様の結果が得られた。
【0034】
《実施例
参考例1と同様に燃料電池として特性測定用の単セルを組み立てた。この燃料電池を2組用意し、燃料電池制御装置を接続して運転した。図9は、本発明の燃料電池33および34に燃料電池制御装置を接続した別のシステムの構成を示す図である。この燃料電池制御装置は、電気的に複数個のブロック(燃料電池AおよびB)に分割された燃料電池のそれぞれのブロックの電流密度を相補的に変化させる制御部を具備し、更に、前記それぞれのブロックの電流密度が周期的に変化しても安定に電力を供給する制御部を具備する
【0035】
燃料電池AおよびBの電流密度は、それぞれ図10の(a)および(b)に示すように変化させた。図10は、実施例における燃料電池2つそれぞれの電流密度を変化させる周期を示すグラフであり、周期は5分とした。
図11に、実施例における燃料電池制御装置から得られる電圧の経時的変化をプロットしたグラフを示した。この電圧は図11に示すようにほぼ平坦であった。電圧は長時間運転してもほとんど低下しなかった。
また、図6中に、実施例における燃料電池制御装置の出力電圧の1時間当たりの平均値の経時変化を示した(c)。なお、周期を5秒〜10分の範囲で変化させても同様の結果が得られた。
【0036】
《比較例》
参考例1と同様に燃料電池として特性測定用の単セルを組み立てた。この単セルについて、電流密度を300mA/cm2に固定して放電試験を行った。
燃料電池の電圧は経時的に低下した。図6に、比較例における燃料電池の電圧の1時間当たりの平均値の経時変化を示した(d)。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、燃料電池の電流密度を周期的に変化させて運転することで、ガス利用率を実質的に変化させ、電極の濡れ状態を全面にわたって均一化させ、燃料電池の出力電力を増大させるとともに、長時間にわたって高い発電効率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1で得られたMEAの構成を示す概略縦断面図。
【図2】 参考例1で得られた燃料電池の構成を示す概略縦断面図。
【図3】 本発明に係る参考例1の運転方法における電流密度の周期を示すグラフ。
【図4】 参考例1における燃料電池の電極の濡れ状態を概念的に示すグラフ。
【図5】 参考例1における燃料電池の電圧の時間に対する変化を示すグラフ。
【図6】 参考例1〜2、実施例1および比較例における燃料電池の電圧の1時間当たりの平均値の経時変化を示すグラフ。
【図7】料電池に燃料電池制御装置を接続したシステムの構成の一例を示す図。
【図8】 参考における燃料電池の電圧の経時的変化をプロットしたグラフ。
【図9】 本発明の燃料電池に燃料電池制御装置を接続したシステムの構成を示す図。
【図10】 実施例における燃料電池2つそれぞれの電流密度を変化させる周期を示すグラフ。
【図11】 実施例における燃料電池制御装置から得られる電圧の経時的変化をプロットしたグラフ。

Claims (2)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜を挟む第1の電極および第2の電極と、前記第1の電極に燃料ガスを供給するガス流路を有する第1のセパレータ板と、前記第2の電極に酸化剤ガスを供給するガス流路を有する第2のセパレータ板とを具備し、電気的に複数個のブロックに分割された燃料電池の運転方法であって、
    前記燃料電池のそれぞれのブロックにおいて、外部に取り出す電流値を周期的に変化させて電流密度を変化させることで、前記燃料ガスおよび酸化剤ガスの少なくとも一方の利用率を周期的に変化させることにより、前記第1の電極および/または第2の電極の濡れ状態を制御する工程と、
    前記燃料電池のそれぞれのブロックの電流密度を相補的に変化させることにより、出力電力が平坦化するように制御する工程と、を含む燃料電池の運転方法。
  2. 電解質膜と、前記電解質膜を挟む第1の電極および第2の電極と、前記第1の電極に燃料ガスを供給するガス流路を有する第1のセパレータ板と、前記第2の電極に酸化剤ガスを供給するガス流路を有する第2のセパレータ板とを具備し、電気的に複数個のブロックに分割された燃料電池と、
    前記燃料電池のそれぞれのブロックにおいて、外部に取り出す電流値を周期的に変化させて電流密度を変化させることで、前記第1の電極および/または第2の電極の濡れ状態を制御する制御部と、
    前記燃料電池のそれぞれのブロックの電流密度を相補的に変化させることにより、出力電力が平坦化するように制御する制御部と、を具備する燃料電池システム。
JP2002086622A 2002-03-26 2002-03-26 燃料電池の運転方法および燃料電池システム Expired - Fee Related JP4068372B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002086622A JP4068372B2 (ja) 2002-03-26 2002-03-26 燃料電池の運転方法および燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002086622A JP4068372B2 (ja) 2002-03-26 2002-03-26 燃料電池の運転方法および燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003282111A JP2003282111A (ja) 2003-10-03
JP4068372B2 true JP4068372B2 (ja) 2008-03-26

Family

ID=29233159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002086622A Expired - Fee Related JP4068372B2 (ja) 2002-03-26 2002-03-26 燃料電池の運転方法および燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4068372B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4757450B2 (ja) * 2004-02-24 2011-08-24 本田技研工業株式会社 燃料電池の運転方法
JP2006024478A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Ebara Ballard Corp 燃料電池発電システムの運転方法及び燃料電池発電システム
JP2008103227A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Hitachi Ltd 電源装置
JP5493695B2 (ja) * 2009-10-22 2014-05-14 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
WO2012111046A1 (ja) * 2011-02-16 2012-08-23 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システムとこれを搭載した車両
JP5720584B2 (ja) * 2012-01-16 2015-05-20 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システムおよびその制御方法
JP7363680B2 (ja) * 2020-06-24 2023-10-18 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003282111A (ja) 2003-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4951847B2 (ja) 燃料電池の活性化方法
Chen et al. Novel gas diffusion layer with water management function for PEMFC
Hwang et al. Influence of properties of gas diffusion layers on the performance of polymer electrolyte-based unitized reversible fuel cells
US7232627B2 (en) Electrode for solid polymer fuel cell
JP4907894B2 (ja) 燃料電池スタック
WO2002073721A1 (en) Gas diffusion electrode and fuel cell using this
JP4956870B2 (ja) 燃料電池および燃料電池の製造方法
JP2008311064A (ja) 燃料電池システム及び燃料電池の活性化方法
JP2002289230A (ja) 高分子電解質型燃料電池
JP2004158388A (ja) 固体高分子型燃料電池用の電極
KR101073222B1 (ko) 고출력 연료전지의 운전방법 및 고출력 연료전지 시스템
JP2001006708A (ja) 固体高分子型燃料電池
JP4068372B2 (ja) 燃料電池の運転方法および燃料電池システム
JP2010244791A (ja) 直接メタノール型燃料電池
JP2010015945A (ja) 燃料電池システム
JP2008041646A (ja) 燃料電池システム、燃料電池の活性化処理方法
JP3812901B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用の電極構造体
JP4880131B2 (ja) ガス拡散電極およびこれを用いた燃料電池
JP5354982B2 (ja) 直接酸化型燃料電池
JP4815460B2 (ja) 燃料電池用膜/電極接合体
JP2007066666A (ja) 固体高分子型燃料電池のエージング装置およびその方法
JP2009245641A (ja) 燃料電池システム
EP3419094B1 (en) Method of control of a pem fuel or electrolysis cell
JP2013191568A (ja) 燃料電池システム及び燃料電池の活性化方法
JP2003109629A (ja) ガス拡散層の製造方法およびそれを用いた電解質膜/電極接合体と高分子電解質型燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110118

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120118

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130118

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130118

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140118

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees