JP4066836B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は操舵補助力の発生源として電動モータを用いてなる電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の電動パワーステアリング装置は、操舵補助用の電動モータ及び該電動モータの回転力を舵取手段に伝える減速歯車機構を備えており、操舵手段の回転に応じた舵取手段の動作を前記電動モータの回転により補助し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減するように構成されている。
【0003】
減速歯車機構はその一端部が前記電動モータの出力軸に連動連結される駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記駆動歯車の他端部が挿入される軸受孔を有し、駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な円柱形の軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材とを備え、軸受部材を移動操作することにより、駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離を調整し、駆動歯車及び従動歯車の噛合部のバックラッシュ量を少なくして転舵時のバックラッシュによる歯打ち音をなくするように構成されている(例えば、特許文献1。)。
【0004】
ところで、電動パワーステアリング装置にあっては、車両が凹凸路を走行する場合等によって操向輪から操舵軸を介して逆入力荷重がウォームに加わったとき、該ウォームが前記回転中心間距離が長くなる方向へ離間するように押圧され、前記軸受部材が移動することになるため、この軸受部材の移動量を規制する規制部材が設けられている。また、軸受部材及び規制部材は金属材料により形成されているため、移動した軸受部材が規制部材に当接したとき、衝撃音が発生する。従って、この衝撃音を低減すべく軸受部材と規制部材との間にゴム板等の緩衝部材が介在されている。また、ウォームの軸部及び該軸部が挿入された軸受孔間の接触抵抗を低減するため、軸受孔にすべり軸受が設けられている。
【0005】
また、減速歯車機構のウォーム歯車等は回転中心線に対しその歯すじが回転方向へ捩じれており、ウォームからウォームホイールへ回転トルクが加わるとき、換言すれば電動モータの回転によって操舵補助する場合、ウォームがウォームホイールの歯すじに沿って径方向へ動くように分力(以下噛合反力と云う)が発生する。この噛合反力によりウォームが径方向へ押圧され、この押圧力により前記軸受部材が前記収容孔内で前記回転中心間距離が長短となる方向と交差する方向へ動き、該軸受部材が収容孔に当接して音鳴りすることになる。このため、特許文献1にあっては、前記軸受部材の周面に環状溝を設け、各環状溝にOリングからなる弾性環を挿入保持してある。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−21943号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、以上のように軸受部材を備えた電動パワーステアリング装置にあっては、前記回転中心間距離を調整するため、軸受部材とは別個に緩衝部材、すべり軸受及び弾性環等の多くの部品が必要であり、しかも、重量が増加することになり、改善策が要望されていた。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、前記回転中心間距離が長短となる方向へ移動が可能な軸受部材を備えた構成において、前記軸受部材を合成樹脂で形成することにより、部品点数を削減でき、軽量化を図ることができるとともに、軸受部材が膨張した場合でも、軸受部材を移動させることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、電動モータの出力軸に連動連結され、反電動モータ側に軸部を有する駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記軸部を支持し駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材とを備え、前記電動モータの回転によって操舵補助するようにした電動パワーステアリング装置において、前記軸受部材は、合成樹脂よりなり、該軸受部材の膨張により該軸受部材の体積が前記収容孔の内周側へ増加するのを抑制すべき抑制手段を有することを特徴とする。
【0010】
第1発明にあっては、軸受部材が合成樹脂よりなるため、軸受部材が支持部材等の他の部材と当接したときに発生する音を低減でき、さらに、駆動歯車の軸部との接触抵抗を低減でき、部品点数を削減できるとともに、軽量にできる。しかも、軸受部材は該軸受部材の体積が収容孔の内周側へ増加するのを抑制すべき抑制手段を有するため、軸受部材が熱膨張したとき、この熱膨張による体積の増加を抑制手段により抑制することができ、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
【0011】
第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記軸受部材は割り部を有する割り環体であることを特徴とする。
【0012】
第2発明にあっては、軸受部材が割り環体であるため、熱膨張によって軸受部材の体積が増加するとき、割り部が狭くなるように収容孔の周面に沿って軸受部材が撓み、体積の増加を吸収することができ、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
【0013】
第3発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記軸受部材は内外2層の割り環体からなり、内側の割り環体の線膨張係数を外側の割り環体の線膨張係数よりも小としてあることを特徴とする。
【0014】
第3発明にあっては、内側の割り環体の線膨張係数が外側の割り環体の線膨張係数よりも小であるため、熱膨張によって軸受部材の体積が増加するとき、外側の割り環体の体積増加を内側の割り環体により抑制することができ、さらに、割り部が狭くなるように収容孔の周面に沿って外側の割り環体が撓み、体積の増加を吸収することができ、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
【0015】
第4発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記軸受部材はその長手方向の割り溝を有する円柱体よりなることを特徴とする。
【0016】
第4発明にあっては、軸受部材が長手方向の割り溝を有するため、熱膨張によって軸受部材の体積が増加するとき、割り溝が狭くなるように収容孔の周面に沿って軸受部材が撓み、体積の増加を吸収することができ、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
【0017】
第5発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記抑制手段は混入された気泡、又はその線膨張係数が前記合成樹脂の線膨張係数よりも小であり、混入された固形物であることを特徴とする。
【0018】
第5発明にあっては、軸受部材に気泡が混入されている場合、気泡が混入されていない軸受部材に比べて合成樹脂の絶対量が少ないため、軸受部材の膨張による体積の増加を低減でき、さらに、体積の増加により気泡が小さくなり、増加した体積の一部を気泡によって吸収することができるため、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
また、軸受部材に固形物が混入されている場合、固形物が混入されていない軸受部材に比べて合成樹脂の絶対量が少ないため、軸受部材の膨張による体積の増加を低減でき、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態1の構成を示す減速歯車機構部分の拡大断面図、図2は電動パワーステアリング装置の全体構成を示す断面図である。
【0020】
電動パワーステアリング装置は、操舵補助用の電動モータ1と、該電動モータ1の出力軸1aに雄形継手部21及び雌形継手部22を有する軸継手2を介して継合される駆動歯車としてのウォーム3及び該ウォーム3に噛合する従動歯車としてのウォームホイール4を有する減速歯車機構Aと、該減速歯車機構Aに繋がる舵取手段5とを備えている。
【0021】
この舵取手段5は、一端部が舵取りのための操舵輪Bに繋がり、他端部に筒部51aを有する第1の操舵軸51と、筒部51a内に挿入されてその一端部が第1の操舵軸51の筒部51aに連結され、操舵輪Bに加わる操舵トルクの作用によって捩れるトーションバー52と、他端部がトーションバー52の他端部に連結され、減速歯車機構Aに繋がる第2の操舵軸53とを備え、該第2の操舵軸53がユニバーサルジョイントを介して例えばラックピニオン式の舵取機構(不図示)に繋がる。
【0022】
減速歯車機構Aのウォーム3は歯部3aの両端に軸部3b,3cを有しており、一端の軸部3bが転がり軸受6を介して支持部材7に回転自在に支持された状態で電動モータ1の出力軸1aに連動連結され、他端の軸部3cが円柱形の軸受部材8を介して支持部材7に支持されている。尚、軸部3bは転がり軸受6の内輪6aに圧入されている。軸部3bの途中には転がり軸受6の内輪6aの一端と向き合い、ウォーム3の内輪6aとの相対移動を規制するフェールセーフとしてのC形リング等の規制環9が着脱可能に取付けられている。ウォームホイール4は第2の操舵軸53の途中に嵌合固定されている。
【0023】
支持部材7はウォーム3を収容し、該ウォーム3の軸部3a,3bを、転がり軸受6及び軸受部材8を介して回転自在に支持した第1収容部7aと、ウォームホイール4を収容し、該ウォームホイール4を第2の操舵軸53及び該第2の操舵軸53に嵌合された2つの転がり軸受10,11を介して支持した第2収容部7bとを有する。
【0024】
第1収容部7aはウォーム3の軸長方向に長くなっており、その長手方向一端部には転がり軸受6を嵌合支持する支持孔71及び該支持孔71に連なるねじ孔72及びモータ取付部73が設けられており、ねじ孔72に転がり軸受6を固定するためのねじ環12が螺着されている。また、モータ取付部73に電動モータ1が取付けられている。
【0025】
第1収容部7aの他端部には、ウォーム3の他端の軸部3cが挿入される凹孔74及び該凹孔74の内面に臨み、ウォーム3及びウォームホイール4の回転中心間距離Hが長短となる方向に穿設された円柱形の収容孔75が設けられている。この収容孔75には軸部3cが回転自在に嵌合され、回転中心間距離が長短となる方向への移動を可能とした軸受部材8と、該軸受部材8を回転中心間距離Hが短くなる方向へ付勢するコイルバネからなる弾性体13と、収容孔75の外部への開放部を閉じる閉孔部材14とが収容されている。尚、この閉孔部材14は螺着されている。
【0026】
図3は軸受部材部分の横断面図、図4は軸受部材の構成を示す斜視図である。軸受部材8はその軸長方向に割り部81aを有する円柱形の内側の割り環体81と、該内側の割り環体81に外嵌により積層され、割り部81aと向き合う割り部82aを有する円柱形の外側の割り環体82とを備えており、軸長方向の途中に軸部3cが内嵌される軸受孔83が設けられている。外側の割り環体82は合成樹脂からなり、内側の割り環体81は外側の割り環体82の線膨張係数よりも小とした線膨張係数の合成樹脂からなる。尚、内側の割り環体81は外側の割り環体82の合成樹脂よりも線膨張係数が小である金属材料からなる構成としてもよく、内側の割り環体81の材質は特に制限されない。
【0027】
電動モータ1の出力軸1aとウォーム3の軸部3aとはセレーションを有する雄形継手部21及び雌形継手部22を介して連動連結されている。
【0028】
また、支持部材7は第2収容部7bに連なる第3収容部7cを有しており、トーションバー52の捩れに応じた操舵軸51,53の相対回転変位量によって操舵輪Bに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ15が第3収容部7cに収容されており、該トルクセンサ15が検出したトルク等に基づいて電動モータ1が駆動制御されるように構成されている。
【0029】
以上のように構成された電動パワーステアリング装置は、ウォーム3を組込む場合、支持部材7の収容孔75に軸受部材8を挿入し、支持部材7の第1収容部7aに収容するウォーム3の軸部3cを凹孔74から軸受部材8の軸受孔83に挿入する。
【0030】
このようにウォーム3及び軸受部材8を組込んだ後、弾性体13、閉孔部材14を収容孔75に挿入し、該閉孔部材14の回転操作により弾性体13を介して軸受部材8を移動させ、さらに、ウォーム3を揺動させ、該ウォーム3をウォームホイール4の歯面に接触させ、ウォーム3及びウォームホイール4の回転中心間距離Hを調整し、ウォーム3及びウォームホイール4の噛合部のバックラッシュ量をなくすることができる。また、軸受部材8と閉孔部材14との間に介在された弾性体13がウォーム3をウォームホイール4に向けて付勢し、該ウォーム3のウォームホイール4との噛合部に予圧を加えている。
【0031】
操舵補助によってウォーム3がウォームホイール4の歯すじに沿うように径方向へ押圧され、この押圧力、換言すれば噛合反力が軸部3cから軸受部材8の軸受孔83に加わることにより軸受部材8が収容孔75の周面又は閉孔部材14に当接したとき、合成樹脂からなる軸受部材8(外側の割り環体82)によって当接による音鳴りを低減できる。また、軸部3cとの接触抵抗も低減できる。この結果、緩衝部材、すべり軸受等の部品をなくすることができ、部品点数を削減できるとともに、軽量にでき、コストを低減できる。
【0032】
また、軸受部材8が割り部81a,82aを有する割り環体であり、しかも、内側の割り環体81の線膨張係数が外側の割り環体82の線膨張係数よりも小であるため、熱膨張によって軸受部材8の体積が増加するとき、外側の割り環体82の体積増加を内側の割り環体81により抑制することができ、さらに、割り部81a,82aが狭くなるように収容孔75の周面に沿って軸受部材8が撓み、体積の増加を吸収することができ、軸受部材8の収容孔75内での移動抵抗を低減できる。
【0033】
実施の形態2
図5は実施の形態2の軸受部材の構成を示す斜視図である。
この実施の形態2の電動パワーステアリング装置は、実施の形態1のように軸受部材8を内側の割り環体81及び外側の割り環体82を備える構成とする代わりに、合成樹脂からなる軸受部材8を、その軸長方向の割り部84aを有する円柱形の割り環体84としたものである。
【0034】
実施の形態2にあっては、軸受部材8の全体が合成樹脂からなり、割り部84aを有する割り環体84であるため、熱膨張によって軸受部材8の体積が増加するとき、割り部84aが狭くなるように収容孔75の周面に沿って軸受部材8が撓み、体積の増加を吸収することができ、軸受部材8の収容孔75内での移動抵抗を低減できる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0035】
実施の形態3
図6は実施の形態3の軸受部材の構成を示す拡大断面図、図7は図6の VII−VII 線の断面図である。
この実施の形態3の電動パワーステアリング装置は、実施の形態1、2のように軸受部材8を割り環体とする代わりに、その軸長方向が移動する方向となる第1の割り溝85及び該第1の割り溝85の深さ方向の途中で第1の割り溝85と交差する第2の割り溝86を有する円柱形とし、第1及び第2の割り溝85,86の夫々の底部を可撓部85a,86aとしたものである。
【0036】
実施の形態3にあっては、軸受部材8が第1及び第2の割り溝85,86を有するため、熱膨張によって軸受部材8の体積が増加するとき、第1及び第2の割り溝85,86の幅が狭くなるように収容孔75の周面に沿って可撓部85a,86aが撓み、軸受部材8の体積の増加を吸収することができ、軸受部材8の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
その他の構成及び作用は実施の形態1、2と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
尚、実施の形態3の軸受部材8は第1及び第2の割り溝85,86を有する構成である他、例えば第1の割り溝85を有する構成としてもよいのであり、割り溝の構造は特に制限されない。
【0037】
実施の形態4
図8は実施の形態4の軸受部材の構成を示す斜視図である。
この実施の形態4の電動パワーステアリング装置は、実施の形態1、2のように軸受部材8の全体を割り環体とする代わりに、軸受孔83を有する軸受孔部87aを非割り部の円柱形とし、両端部を実施の形態1、2と同様の割り部を有する割り環部87b,87bとしたものである。
【0038】
実施の形態4において、軸受孔部87aは割り環部87b,87bよりも小径とし、割り環部87b,87bが収容孔75の周面と接触するようにしてある。また、軸受孔部87aと割り環部87b,87bとの間に、割り部が狭くなるように収容孔75の周面に沿って割り環部87b,87bを撓ませるための径方向の割り部87c,87cが設けられている。
【0039】
実施の形態4にあっては、軸受孔部87aに割り部が設けられていないため、軸受孔部87aの耐久性を向上できる。しかも、割り環部87b,87bが収容孔75に接触し、軸受孔部87aは収容孔75に接触しないため、熱膨張によって軸受部材8の体積が増加するとき、割り部が狭くなるように収容孔75の周面に沿って割り環部87b,87bが撓み、軸受部材8の体積の増加を吸収することができ、軸受部材8の収容孔75内での移動抵抗を低減できる。
その他の構成及び作用は実施の形態1、2と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
尚、実施の形態4の軸受部材8は実施の形態1のように内外2層の割り環である他、実施の形態2のように1層の割り環であってもよい。
【0040】
実施の形態5
図9は実施の形態5の軸受部材の構成を示す斜視図である。
この実施の形態5の電動パワーステアリング装置は、実施の形態3のように軸受部材8の全体に第1及び第2の割り溝85,86を設けた構成とする代わりに、軸受孔83を有する軸受孔部88aを非割り溝の円柱形とし、両端部を第1及び第2の割り溝88b,88cを有する割り溝部88d,88dとしたものである。
【0041】
実施の形態5において、軸受孔部88aは割り溝部88d,88dよりも小径とし、割り溝部88d,88dが収容孔75の周面と接触するようにしてある。また、軸受孔部88aと割り溝部88d,88dとの間に径方向の割り部88e,88eが設けられている。第1及び第2の割り溝88b,88cは割り溝部88d,88d側端面から割り部88e,88eにかけて設けられており、第1及び第2の割り溝88b,88cの底部を、径方向への撓みを許す撓み部88fとしてある。
【0042】
実施の形態5にあっては、軸受孔部88aに割り部が設けられていないため、軸受孔部88aの耐久性を向上できる。しかも、割り溝部88d,88dが収容孔75に接触し、軸受孔部88aは収容孔75に接触しないため、熱膨張によって軸受部材8の体積が増加するとき、第1及び第2の割り溝88b,88cが狭くなるように収容孔75の周面に沿って割り溝部88d,88dの可撓部88fが撓み、軸受部材8の体積の増加を吸収することができ、軸受部材8の収容孔75内での移動抵抗を低減できる。
その他の構成及び作用は実施の形態3と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
尚、実施の形態5の軸受部材8は第1及び第2の割り溝88b,88cを有する構成である他、例えば第1の割り溝88bを有する構成としてもよいのであり、割り溝の構造は特に制限されない。
【0043】
実施の形態6
図10は実施の形態6の軸受部材の構成を示す斜視図である。
この実施の形態6の電動パワーステアリング装置は、実施の形態1〜5のように軸受部材8が割り部又は割り溝を有する構成とする代わりに、合成樹脂よりなる軸受部材8に気泡89が混入された構成としたものである。
【0044】
実施の形態6において、軸受部材8は気泡89が混入された合成樹脂を射出成形してある。気泡89の混入量は5〜20体積%の割合で充填されている。この気泡89の混入量が5体積%未満では、熱膨張による体積の増加を十分に吸収することができない。また、気泡89の混入量が20体積%を超える場合は軸受として用いることができない。
【0045】
実施の形態6にあっては、気泡89が混入されていない軸受部材8に比べて合成樹脂の絶対量が少ないため、軸受部材8の膨張による体積の増加を低減できる。また、軸受部材8が熱膨張した場合、軸受部材8の体積の増加により気泡89が小さくなり、増加した体積の一部を気泡89によって吸収することができるため、軸受部材8の収容孔75内での移動抵抗を低減できる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0046】
実施の形態7
図11は実施の形態7の軸受部材の構成を示す斜視図である。
この実施の形態7の電動パワーステアリング装置は、実施の形態6のように気泡が混入された軸受部材8とする代わりに、合成樹脂よりなる軸受部材8に、その線膨張係数を軸受部材8の合成樹脂の線膨張係数よりも小とした粒状の固形物80が混入された構成としたものである。
【0047】
実施の形態7において、軸受部材8は金属材料等よりなる粒状の固形物80が混入された合成樹脂を射出成形してある。固形物80の混入量は10〜50体積%の割合で充填されている。この固形物80の混入量が10体積%未満では、熱膨張による体積の増加を十分に吸収することができない。また、固形物80の混入量が50体積%を超える場合は、射出成形するときの材料の流動性が低下し、成形不良が発生し易くなる。
【0048】
実施の形態7にあっては、固形物80が混入されていない軸受部材8に比べて合成樹脂の絶対量が少なく、しかも、固形物80の線膨張係数は軸受部材8の合成樹脂の線膨張係数よりも小であるため、軸受部材8の膨張による体積の増加を低減でき、軸受部材8の収容孔75内での移動抵抗を低減できる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0049】
尚、以上説明した実施の形態の減速歯車機構Aは、駆動歯車であるウォーム3及び従動歯車であるウォームホイール4を備えたウォーム歯車である他、駆動歯車であるハイポイドピニオン及び従動歯車であるハイポイドホイールを備えたハイポイド歯車であってもよい。さらに、駆動歯車、従動歯車としてベベルギヤ、はすば歯車であってもよく、はすば歯車の一部とウォーム歯車の一部とを合成した歯車であってもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように第1発明によれば、駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離を調整するための軸受部材を備える構成において、部品点数を削減でき、軽量化を図ることができるとともに、軸受部材が膨張した場合でも、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
【0051】
第2発明及び第4発明によれば、熱膨張によって軸受部材の体積が増加するとき、収容孔の周面に沿って軸受部材を撓ませ、体積の増加を吸収することができるため、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
【0052】
第3発明によれば、熱膨張によって軸受部材の体積が増加するとき、外側の割り環体の体積増加を内側の割り環体により抑制することができるとともに、収容孔の周面に沿って外側の割り環体を撓ませ、体積の増加を吸収することができるため、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
【0053】
第5発明によれば、合成樹脂の絶対量が少なく、しかも、増加した体積の一部を気泡によって吸収することができるため、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。また、合成樹脂の絶対量が少なく、しかも、軸受部材の膨張による体積の増加を固形物により低減でき、軸受部材の収容孔内での移動抵抗を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態1の構成を示す減速歯車機構部分の拡大断面図である。
【図2】本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成を示す断面図である。
【図3】本発明に係る電動パワーステアリング装置の軸受部材部分の横断面図である。
【図4】本発明に係る電動パワーステアリング装置の軸受部材の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態2の軸受部材の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態3の軸受部材の構成を示す拡大断面図である。
【図7】図6の VII−VII 線の断面図である。
【図8】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態4の軸受部材の構成を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態5の軸受部材の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態6の軸受部材の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態7の軸受部材の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電動モータ
1a 出力軸
3 ウォーム(駆動歯車)
3c 軸部
4 ウォームホイール(従動歯車)
5 舵取手段
7 支持部材
75 収容孔
8 軸受部材
80 固形物(抑制手段)
81 内側の割り環体(割り環体、抑制手段)
81a 割り部
82 外側の割り環体(割り環体、抑制手段)
82a 割り部
85 第1の割り溝(割り溝、抑制手段)
86 第2の割り溝(割り溝、抑制手段)
89 気泡(抑制手段)

Claims (5)

  1. 電動モータの出力軸に連動連結され、反電動モータ側に軸部を有する駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記軸部を支持し駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材とを備え、前記電動モータの回転によって操舵補助するようにした電動パワーステアリング装置において、前記軸受部材は、合成樹脂よりなり、該軸受部材の膨張により該軸受部材の体積が前記収容孔の内周側へ増加するのを抑制すべき抑制手段を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記軸受部材は割り部を有する割り環体である請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記軸受部材は内外2層の割り環体からなり、内側の割り環体の線膨張係数を外側の割り環体の線膨張係数よりも小としてある請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記軸受部材はその長手方向の割り溝を有する円柱体よりなる請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記抑制手段は混入された気泡、又はその線膨張係数が前記合成樹脂の線膨張係数よりも小であり、混入された固形物である請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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